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技術 多孔質ニッケル合金化合物、その製造方法及び触媒

出願人 国立大学法人東北大学国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明者 藤田武志陳明偉阿部英樹田邊豊和
出願日 2013年10月29日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2013-224722
公開日 2015年5月7日 (2年5ヶ月経過) 公開番号 2015-085249
状態 未査定
技術分野 触媒 排気の後処理 重金属無機化合物(II) 複合金属又は合金の製造
主要キーワード ナノ多孔質材料 気流循環 ニッケル合金薄膜 マップ像 ガスリザーバ 分析箇所 中性近傍 ガスサンプラー

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図面 (20)

課題

安価な金属であるNiと特定の遷移金属を使用して、広汎な用途の触媒、例えばCOの酸化やNOの還元を効率よく行うことができる触媒を構成するのに好適多孔質ニッケル合金化合物、その製造方法及び多孔質ニッケル合金化合物を含む触媒を提供する。

解決手段

式(1): NiaMnbCucVdOe (1)(式(1)中、a、b、c、d及びeは、a+b+c+d+e=100で、0<a≦60、0<b≦30、0≦c≦50、0≦d、30≦e、0.1≦b/aであり、少なくとも、Niの酸化物及びMnの酸化物を含み、Cu及び/又はVを含む場合はCuの酸化物及び/又はVの酸化物を含む)で表される多孔質ニッケル合金化合物である。

背景

近年、金属材料ナノメートル(nm)オーダー多孔が形成されたナノ多孔質材料の開発が進められている。

例えば、特許文献1には、ニッケル(Ni)とマンガン(Mn)からなる二元合金を、所定の水溶液中で、所定の電位印加の下でMnを除去して、Ni単体微細孔ニッケル多孔質体製造する方法開示されている(特許文献1段落0024、0039)。

例えば、特許文献2には、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及び銅(Cu)からなる三元合金を、所定の水溶液中で、所定の電位印加の下でMnを除去して、Ni及びCuが原子オーダーで完全に固溶してなる微細孔ニッケル銅合金多孔質体を製造する方法が開示されている(特許文献2段落0026、0049)。

概要

安価な金属であるNiと特定の遷移金属を使用して、広汎な用途の触媒、例えばCOの酸化やNOの還元を効率よく行うことができる触媒を構成するのに好適多孔質ニッケル合金化合物、その製造方法及び多孔質ニッケル合金化合物を含む触媒を提供する。式(1): NiaMnbCucVdOe (1)(式(1)中、a、b、c、d及びeは、a+b+c+d+e=100で、0<a≦60、0<b≦30、0≦c≦50、0≦d、30≦e、0.1≦b/aであり、少なくとも、Niの酸化物及びMnの酸化物を含み、Cu及び/又はVを含む場合はCuの酸化物及び/又はVの酸化物を含む)で表される多孔質ニッケル合金化合物である。

目的

本発明は、安価な金属であるNiと特定の遷移金属を使用して、広汎な用途の触媒、例えばCOの酸化やNOの還元を効率よく行うことができる触媒を構成するのに好適な多孔質ニッケル合金化合物、その製造方法及び多孔質ニッケル合金化合物を含む触媒を提供する

効果

実績

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請求項1

下記式(1):NiaMnbCucVdOe(1)(式(1)中、a、b、c、d及びeは、a+b+c+d+e=100であり、0<a≦60、0<b≦30、0≦c≦50、0≦d、30≦e、0.1≦b/aであり、少なくとも、Niの酸化物及びMnの酸化物を含み、Cu及び/又はVを含む場合はCuの酸化物及び/又はVの酸化物を含む)で表される多孔質ニッケル合金化合物

請求項2

下記式(2):NipMnqCurVs(2)(式(2)中、p、q、r及びsは、p+q+r+s=100であり、0<p≦30、50≦q≦90、0≦r≦30、0≦sである)で示されるニッケル合金を、酸化させつつ脱合金化する工程を含む、請求項1記載の多孔質ニッケル合金化合物の製造方法

請求項3

前記工程において、硫酸塩酸クエン酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物水溶液の中で前記ニッケル合金を酸化させつつ脱合金化する、請求項2記載の多孔質ニッケル合金化合物の製造方法。

請求項4

前記工程において、アンモニア硫酸塩、NaCl及びKClからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の水溶液の中で前記ニッケル合金を酸化させつつ脱合金化する、請求項2記載の多孔質ニッケル合金化合物の製造方法。

請求項5

請求項1〜4の何れか1項記載の多孔質ニッケル合金化合物を含む触媒

請求項6

CO酸化用及びNO還元用触媒である請求項5記載の触媒(但し、CO酸化用の場合、c及びdは同時に0にならない)。

技術分野

0001

本発明は、多孔質ニッケル合金化合物、その製造方法及び触媒に関する。

背景技術

0002

近年、金属材料ナノメートル(nm)オーダー多孔が形成されたナノ多孔質材料の開発が進められている。

0003

例えば、特許文献1には、ニッケル(Ni)とマンガン(Mn)からなる二元合金を、所定の水溶液中で、所定の電位印加の下でMnを除去して、Ni単体微細孔ニッケル多孔質体製造する方法開示されている(特許文献1段落0024、0039)。

0004

例えば、特許文献2には、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及び銅(Cu)からなる三元合金を、所定の水溶液中で、所定の電位印加の下でMnを除去して、Ni及びCuが原子オーダーで完全に固溶してなる微細孔ニッケル銅合金多孔質体を製造する方法が開示されている(特許文献2段落0026、0049)。

0005

特開2009−299144号公報
特開2010−144246号公報

先行技術

0006

T.Fujita et.al, "Atomic originsof the high catalytic activity of nanoporous gold",nature materials, Vol.11, pp.775-780, 2012

発明が解決しようとする課題

0007

従来の排気ガスに含まれるCOの酸化やNOの還元に用いられる触媒は、PtやPd等の貴金属を使用していた。これらの貴金属は、産出量が少ないので高価である。
一方、特許文献1に開示されているNi単体の微細孔ニッケル多孔質体、及び、特許文献2に開示されている微細孔ニッケル−銅合金多孔質体は、Ni又はNi-Cu合金触媒機能が限定的であるため、広汎な用途の触媒、例えば、COの酸化やNOの還元に用いられる触媒としての性能は不十分である。

0008

本発明は、安価な金属であるNiと特定の遷移金属を使用して、広汎な用途の触媒、例えばCOの酸化やNOの還元を効率よく行うことができる触媒を構成するのに好適な多孔質ニッケル合金化合物、その製造方法及び多孔質ニッケル合金化合物を含む触媒を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、
〔1〕下記式(1):
NiaMnbCucVdOe (1)
(式(1)中、
a、b、c、d及びeは、a+b+c+d+e=100であり、
0<a≦60、0<b≦30、0≦c≦50、0≦d、30≦e、0.1≦b/aであり、
少なくとも、Niの酸化物及びMnの酸化物を含み、Cu及び/又はVを含む場合はCuの酸化物及び/又はVの酸化物を含む)で表される多孔質ニッケル合金化合物を提供するものである。
また本発明は、
〔2〕下記式(2):
NipMnqCurVs (2)
(式(2)中、
p、q、r及びsは、p+q+r+s=100であり、
0<p≦30、50≦q≦90、0≦r≦30、0≦sである)
で示されるニッケル合金を、酸化させつつ脱合金化する工程を含む前項〔1〕記載の多孔質ニッケル合金化合物の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、〔3〕前項〔1〕又は〔2〕記載の多孔質ニッケル合金化合物を含む触媒、に関する。

発明の効果

0010

本発明によれば、安価な金属であるNiと特定の遷移金属を使用して、広汎な用途の触媒、例えばCOの酸化やNOの還元を効率よく行うことができる触媒を構成するのに好適な、多孔質ニッケル合金化合物、その製造方法及び多孔質ニッケル合金化合物を含む触媒を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

組成(1)の合金薄膜外観を示す光学像写真である。
ナノ多孔質NiMnの透過電子顕微鏡TEM)像の写真である。
ナノ多孔質NiMnの走査型透過電子顕微鏡(STEM)像の写真である。
図3選択領域X線分析(EDS)のマップ図の写真である。
ナノ多孔質NiMnのNO清浄触媒反応におけるNOからN2への転換率を示す図である。
ナノ多孔質NiMnのNO清浄化触媒におけるNOからN2への転換率を示す図である。
ナノ多孔質NiMnのNO清浄化触媒反応後のSTEM像の写真である。
図7の選択領域のX線分析(EDS)のマップ図の写真である。
(a)及び(b)はナノ多孔質NiMnCuのTEM像の写真である。
ナノ多孔質NiMnCuのSTEM像の写真である。
図10の選択領域のX線分析(EDS)のマップ図である。
ナノ多孔質NiMnCuの反応時間に対する各温度NO還元触媒反応におけるNOからN2への転換率を示す図である。
ナノ多孔質NiMnCuの反応時間に対する各温度のNO還元触媒反応におけるNOからN2Oへの転換率を示す図である。
ナノ多孔質NiMnCuの反応時間に対する各温度のNO清浄化触媒反応活性高温領域のNOのN2とN2Oへのそれぞれの転換率を示す図である。
(a)及び(b)はナノ多孔質NiMnCuの400℃の触媒試験後のTEM像である。
ナノ多孔質NiMnCu中のCuがNi及びMnの酸化物に担持されている構造体のSTEM像である。
図16の選択領域のX線分析(EDS)のマップ図である。
ナノ多孔質NiMnCuVのNO清浄化触媒反応におけるNOからN2への転換率を示す図である。
ナノ多孔質NiMnCuVのNO清浄化触媒反応におけるNOからN2への転換率を示す図である。
ナノ多孔質NiMnCuVの触媒試験後のSEM像である。
ナノ多孔質NiMnCuVの触媒試験後のTEM像である。
ナノ多孔質NiMnCuVの触媒試験後のSTEM像である。
図22の選択領域のX線分析(EDS)のマップ図である。
(a)及び(b)はナノ多孔質MnCuのSEM像である。
ナノ多孔質MnCuの反応時間に対する各温度のNO還元触媒反応におけるNOからN2Oへの転換率を示す図である。
(a)及び(b)はナノ多孔質MnCuのNO触媒試験後のSEM像である。
気流循環触媒活性評価装置の模式図である。

0012

本発明の多孔質ニッケル合金化合物(以下、多孔質ニッケル合金化合物ともいう)は、
下記式(1):
NiaMnbCucVdOe (1)
(式(1)中、
a、b、c、d及びeは、a+b+c+d+e=100であり、
0<a≦60、0<b≦30、0≦c≦50、0≦d、30≦e、0.1≦b/aであり、
少なくとも、Niの酸化物及びMnの酸化物を含み、Cu及び/又はVを含む場合はCuの酸化物及び/又はVの酸化物を含む)で表される化合物である。

0013

式(1)及び後述する式(3)及び(4)で示される組成は、本発明の多孔質ニッケル合金化合物の少なくとも1箇所の表面及びその深さ方向の近傍、より好ましくは本発明の多孔質ニッケル合金化合物の全ての箇所の表面及びその深さ方向の近傍が満たしていることが好ましく、その分析箇所X線光電子分光法(Xray Photoelectron Spectroscopy(XPS)による測定の結果で特定される。
XPSの測定条件として、アルゴンイオンビームで最表面から5ナノメートルの深さまでスパッタリングで削り、X線源として単色化AlKa線を使用し、出力を15kV10mA、分析箇所の面積を700×300μmとすることが好ましい。
上記のXPSの測定条件の下で、式(1)の組成が、本発明の多孔質ニッケル合金化合物の分析箇所の表面から深さ5nmまで特定されることが好ましい。

0014

本発明の多孔質ニッケル合金化合物は、広汎な用途の触媒、好ましくは、CO酸化用途の触媒において十分な触媒活性を示すという観点から、少なくともNiの酸化物及びMnの酸化物を含み、更に、好ましくは、NO還元用途の触媒においても十分な触媒活性を示すという観点から、Cu及び/又はVを含む場合はCuの酸化物又はVの酸化物を含む。
Niは、触媒の耐熱性を向上するためにも必要である。
Mnは、Niと複合酸化物生成でき、Mnの酸化物による触媒機能を付与できることから、Niに対する原子%比(b/a)が、0.1以上である。なお、後述する式(3)及び(4)では、y/x及びu/tが、b/aに相当する。

0015

従って、例えば、NO酸化用途の触媒に特化する場合は、安価なNi及びMnで構成される、下記式(3):
NixMnyOz (3)
(式(3)中、
x、y及びzは、x+y+z=100であり、
0<x≦60、0<y≦20、0<z、0.1≦y/xであり、
好ましくは、20≦x≦40、5≦y≦15、0.13≦y/x≦0.75であり、
より好ましくは、20≦x≦30、5≦y≦10、0.17≦y/x≦0.50であり、
少なくとも、Ni及びMnの酸化物を含む)で表される多孔質ニッケル合金化合物を含む触媒であることが好ましい。

0016

また、例えば、CO酸化用途の触媒及びNO還元用途の触媒として使用する場合には、安価なNi、Mn及びCuで構成される、下記式(4):
NitMnuCuvOw (4)
(式(4)中、
t、u、v及びwは、t+u+v+w=100であり、
0<t≦60、0<u≦30、0≦v≦50、30≦w、0.1≦u/tであり、
好ましくは、10≦t≦40、5≦u≦30、5≦v≦40、0.13≦u/t≦3.0であり、
より好ましくは、10≦t≦35、10≦u≦25、10≦v≦30、0.29≦u/t≦2.5であり、
少なくとも、Ni、Mn及びCuの酸化物を含む)で表される多孔質ニッケル合金化合物を含む触媒であることが好ましい。

0017

なお、多孔質ニッケル合金化合物が、Cuの酸化物、更にはCuを含むと、CuがNOの解離吸着を促進して活性サイトになると考えられ、多孔質ニッケル合金化合物は、COの酸化用途の触媒として機能することが期待される。

0018

多孔質ニッケル合金化合物は、排気ガスに含まれるCOの酸化やNOを還元するなどの、ガス分解性の観点から、nmオーダーの孔を有していることが好ましい。孔は、少なくとも、Niの酸化物及びMnの酸化物(好ましくは、加えて、更にNi及び/又はMn)並びにCu又はVを含む場合はこれらの酸化物(好ましくは、加えて、更にCu及び/又はV)によって構成されていることが好ましい。

0019

孔の平均孔径は、好ましくは0.1〜100nmであり、より好ましくは0.5〜70nmであり、更に好ましくは1〜50nmであり、更に好ましくは5〜30nmであり、更に好ましくは5〜20nm、更に好ましくは5〜15nmである。

0020

平均孔径は、BET法に従い、120℃で3時間、真空加熱して表面を清浄化したあとに、純窒素が表面に吸着した量から比表面積を求め、吸着質が脱離するときの相対圧と吸着量の関係である脱着等温線から平均孔径を決定した。

0021

(多孔質ニッケル合金化合物の好適な製造方法)
多孔質ニッケル合金化合物は、例えば、下記式(2):
NipMnqCurVs (2)
(式(2)中、
p、q、r及びsは、p+q+r+s=100であり、
0<p≦30、50≦q≦90、0≦r≦30、0≦sである)
で示されるニッケル合金を、酸化させつつ脱合金化する工程を含む多孔質ニッケル合金化合物の製造方法で得ることができる。

0022

ニッケル合金中の金属を脱合金化し易いという観点と、脱合金化して得られる多孔質ニッケル合金化合物の触媒としての分解能の観点とから、
好ましくは、5≦p≦20、60≦q≦80、5≦r≦20、0≦s≦10であり、
より好ましくは、10≦p≦20、60≦q≦70、10≦r≦20、0≦s≦10である。

0023

例えば、NixMnyOzの組成の多孔質ニッケル合金化合物を製造する場合は、Nit1Mnu1(t1+u1=100、好ましくは0<t1≦40、60≦u1≦100)の組成のニッケル合金を使用することが好ましく、
NitMnuCuvOwの組成の多孔質ニッケル合金化合物を製造する場合は、Nit2Mnu2Cuv2(t2+u2+v2=100、好ましくは0<t2≦40、60≦u2≦80、0<v2≦40)の組成のニッケル合金を使用することが好ましい。

0024

ニッケル合金を酸化させつつ脱合金化するには、例えば、ニッケル合金を、酸、アルカリ、塩の水溶液中で、エッチング電気化学的な方法、好ましくは電解エッチング等を施すことによって脱合金化する。酸としては、水素よりイオン化傾向の大きな金属と反応させるという観点から、硫酸塩酸クエン酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、塩としては、環境負荷のかからないpH5〜9の中性近傍で金属と反応するという観点から、アンモニア硫酸塩、NaCl及びKClからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。

0025

脱合金化を適切に促進して本発明の多孔質ニッケル合金化合物の好適な組成と平均粒径を得るという観点から、水溶液の濃度は、モル濃度(M)で、好ましくは0.1〜5M、より好ましくは1〜3M、更に好ましくは1〜2Mであり、水溶液の温度は、好ましくは30〜80℃であり、より好ましくは40〜70℃であり、更に好ましくは50〜60℃である。ニッケル合金の水溶液へ浸漬時間は、好ましくは10秒〜12時間、より好ましくは1分〜6時間、更に好ましくは2分〜2時間、更に好ましくは3分〜1時間、更に好ましくは3分〜30分、更に好ましくは5〜15分である。
過度にMnを溶出させず、適度に合金を酸化させるという観点から、電位印加はしない方が好ましい。

0026

多孔質ニッケル合金化合物の製造方法において、生産性ハンドリング性の観点から、多孔質ニッケル合金化合物は薄膜として得られることが好ましく、薄膜の厚さは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜80μm、更に好ましくは15〜70μmであり、更に好ましくは30〜60μmであり、更に好ましくは40〜60μmである。

0027

このような薄膜状の多孔質ニッケル合金化合物を製造する場合、ニッケル合金も薄膜を使用することが好ましい。ニッケル合金の薄膜の厚さは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜80μm、更に好ましくは15〜70μmであり、更に好ましくは30〜60μmであり、更に好ましくは40〜60μmである。ニッケル合金の薄膜の面積は、好ましくは5〜20000mm2、より好ましくは50〜10000mm2、更に好ましくは100〜2500mm2である。

0028

(触媒)
多孔質ニッケル合金化合物は、安価な金属であるNiと特定の遷移金属を使用して、例えばCOの酸化やNOの還元を行うことができる触媒を構成するのに好適である。触媒としては、塊状、薄膜状、粉末状が好ましいが、生産性、ハンドリング性及び触媒効率の観点から、薄膜状がより好ましい。触媒は、例えば、ハニカムセラミックス等に付着させて実用に供することができる。

0029

本発明の触媒は、メタン水蒸気改質反応用、メタノールの水蒸気改質反応用、水性ガスシフト反応用、CO酸化及び/又はNO還元用等の、広い範囲の用途で使用できるが、環境改善の観点から、CO酸化及び/又はNO還元用途により好ましく使用でき、更にNO還元用途に更に好ましく使用できる。

0030

〔多孔質ニッケル合金化合物の製造実施例〕
高純度化学研究所で製造された、下記組成のニッケル合金塊を準備した。
組成(1)Ni30Mn70
組成(2)Ni10Mn70Cu20
組成(3)Ni10Mn70Cu10V10
組成(4)Cu30Mn70

0031

それぞれの合金塊を、冷間精密圧延加工機で圧延して、面積2000mm2、厚み50μmの、
組成(1)のニッケル合金薄膜
組成(2)のニッケル合金薄膜、
組成(3)のニッケル合金薄膜、及び、
組成(4)の比較合金薄膜、を製造した。

0032

組成(1)のニッケル合金薄膜を、温度50℃の1Mのアンモニア硫酸塩水溶液中で、酸化させつつ脱合金化した。
組成(2)及び(3)のニッケル合金薄膜も、組成(1)のニッケル合金薄膜と同じ条件で脱合金化した。
組成(4)の比較合金薄膜を、温度50℃の0.025MのHCl水溶液中で、エッチングを施して脱合金化した。
以下、組成(4)の比較合金薄膜を脱合金化して得た比較合金化合物を、ナノ多孔質MnCuともいう。

0033

組成(1)のニッケル合金薄膜を酸化させつつ脱合金化して得られた多孔質ニッケル合金化合物(以下、ナノ多孔質NiMnともいう)は、
化学組成が、Ni53Mn10O37(at.%)(b/a=y/x=0.19)、平均孔径が、10nmだった。

0034

組成(2)のニッケル合金薄膜を酸化させつつ脱合金化して得られた多孔質ニッケル合金化合物(以下、ナノ多孔質NiMnCuともいう)は、
化学組成が、Ni11Mn21Cu13O55(at.%)(b/a=q/p=1.91)、平均孔径が、10nmだった。

0035

組成(3)のニッケル合金薄膜を酸化させつつ脱合金化して得られた多孔質ニッケル合金化合物(以下、ナノ多孔質NiMnCuVともいう)は、
化学組成が、Ni14Mn7Cu13V1O65(at.%)(b/a=0.5)であった。平均孔径は、10nmだった。

0036

なお、X線光電子分光法(Xray Photoelectron Spectroscopy(XPS))を測定して、多孔質ニッケル合金化合物の化学組成及び酸化物の存在を決定した。
最表面の吸着物質取り除くため、アルゴンイオンビームで最表面から5ナノメートルの深さまでスパッタリングで削り、そして組成分析した。XPSの測定には、島津Kratos製、Axis−ultra DLDを使用した。X線源は単色化AlKa線、出力は15kV10mAとし、分析箇所の面積は700×300μmであり、分析は5nmの深さまで行った。

0037

XPSによって、以下を確認した。
a.ナノ多孔質NiMn、ナノ多孔質NiMnCu及びナノ多孔質NiMnCuVでは、Ni金属、Ni酸化物及びMn酸化物検出された。
b.ナノ多孔質NiMnCu及びナノ多孔質NiMnCuVでは、さらに、Cu金属Cu酸化物が検出され、ナノ多孔質NiMnCuVでは、さらに、Cu金属、Cu酸化物及びV酸化物が検出された。
c.ナノ多孔質NiMnは、Ni金属、Ni酸化物及びMn酸化物が混ざった構造であり、ナノ多孔質NiMnCuは、Ni金属、Ni酸化物、Mn酸化物、Cu金属及びCu酸化物が混ざった構造であり、そして、ナノ多孔質NiMnCuVは、Ni金属、Ni酸化物、Mn酸化物、Cu金属、Cu酸化物及びV酸化物が混ざった構造であった。

0038

〔触媒試験条件
図27に示す気流循環式触媒活性評価装置を用いて、触媒活物質NO清浄化触媒活性を評価した。
組成(1)〜(4)のニッケル合金化合物の薄膜を100μm程度から3mm程度の薄片になるように粉砕して、触媒の試料とした。
まず、反応管(Reaction tube)に10mgの石英綿を装填し、その上から試料10mgを装填した。さらに、試料の上から10mgの石英綿を装填し、試料を石英綿が挟み込む形とした。

0039

反応管を気流循環式触媒活性評価装置の所定の位置に装着した後、ヒックマポンプ(Hickmann pump)を用いて、反応管(Reaction tube)を含む装置全体背圧10-3Paまで排気した。
反応管とサーキュレーションラインCirculation line)をつなぐストップコック(Stop cock)を閉じた後、不純物濃度1ppm以下に調整した純粋COガスおよび純粋NOガスを、高圧ボンベからレギュレータを介し、全圧がそれぞれ8×104Paに達するまで、総量3リットルガスリザーバー(Gas reservoir)に充填した。

0040

それぞれのガスリザーバーから、サーキュレーションライン中にNOガスとCOガスを導入し、全圧104Pa、総量150mlのCO:NO=1:1(モル比混合反応ガスを調整した。次に、サーキュレーションポンプ(Circulation pump)を駆動し、混合反応ガスをサーキュレーションライン内部に循環させた。

0041

反応管を包み込む形で配置した電気炉を用い、毎分5℃の昇温速度で試料温度上げた。所定の温度に達したのち、30分間安定化を待った。

0042

サーキュレーションラインと反応管をつなぐストップコックを開き、反応管に混合反応ガスを導いた。サーキュレーションラインに接続されたガスサンプラー(Gas sampler)により、約7分毎に、3mlの混合反応ガスを取出した。ガスクロマトグラフ(Gas chromatograph、ShimadzuGC−10A)によって混合ガスの組成分析を行った。混合ガス中のCO2濃度とN2O濃度測定値から、NO→N2転換率およびNO→N2O転換率を算出した。

0043

〔実施例1〕(ナノ多孔質NiMn)
図1に、組成(1)の合金薄膜の外観を示す光学像を示す。

0044

図2に、ナノ多孔質NiMnの透過電子顕微鏡(TEM)像を示す。
倍率は、約120万倍である。

0045

図3に、ナノ多孔質NiMnのSTEM像を示し、図4図3の選択領域のX線分析(エネルギー分散分光法(Energy Dispersion Spectroscopy(EDS))のマップ図である。 NiとMnが不均一に分布していることがわかった。このことから、Ni金属、Ni酸化物及びMn酸化物が複雑に混ざった構造であることがいえる。また、Ni金属、Ni酸化物及びMn酸化物が混ざった構造であることは、XPSによっても確認した。

0046

下記式(5):
NO+xCO=yN2+zN2O+xCO2 (5)
のように、NOをCOによって還元をすることができる触媒が有望であり、N2への転換率を上げ、温暖化ガスとして知られるN2Oへの転換率を下げることが触媒にとって重要である。
また、上記の反応によれば、本発明の触媒は、COの酸化触媒としても機能することがわかる。

0047

図5に、ナノ多孔質NiMnのNO清浄化触媒反応活性を示す。図5横軸は反応時間(分)であり、縦軸はNOからN2への転換率(%)である。
図5から明らかなように、ナノ多孔質NiMnでは、温度225℃で中程度の活性を示すが、275℃になるといったん下がり、300℃、400℃と、温度が上昇すると共に、NOからN2への転換率が増大することがわかる。再度300℃(○印の箇所)で行うと、N2への転換率は減少する。
このように、本発明の触媒は、例えば、200〜500℃の範囲の中で、触媒活性の高い温度領域で使用することが好ましい(以下も、同様である)。

0048

図6に、ナノ多孔質NiMnのNO清浄化触媒におけるNOからN2への転換率を示す。図6の横軸は反応時間(分)であり、縦軸はNOからN2Oへの転換率(%)である。
図6から明らかなように、ナノ多孔質NiMnでは、温度225℃では変換率が低いが、275℃、300℃では、NOからN2Oへの転換率が上昇する傾向にあり、400℃では、N2Oの転換率が低下することが分かる。

0049

図7に、ナノ多孔質NiMnのNO清浄化触媒反応後のSTEM像を示す。図8に、図7の選択領域のEDSによる元素分析マップ像を示す。

0050

〔実施例2〕(ナノ多孔質NiMnCu)
図9(a)及び(b)に、ナノ多孔質NiMnCuの触媒試験前の倍率を変えたTEM像を示す。

0051

図10に、ナノ多孔質NiMnCuのSTEM像を示す。
図11に、図10の選択領域のX線分析(EDS)のマップ図を示す。マップ図から、Ni、Mn,Cuが均一に混在した金属化合物となっていることがわかる。

0052

図12に、ナノ多孔質NiMnCuのNO還元触媒反応におけるNOからN2への転換率を示す。図12の横軸は反応時間(分)であり、縦軸はNOからN2への転換率(%)である。図12に示すように、ナノ多孔質NiMnCuは、大凡175℃以上でNOからN2への触媒反応が生じ始め、温度が、200℃、225℃、250℃、275℃、300℃、400℃と上昇すると共に、NOからN2への転換率が増大していくことが分かる。

0053

図13に、ナノ多孔質NiMnCuのNO還元触媒反応におけるNOからN2Oへの転換率を示す。図13の横軸は反応時間(分)であり、縦軸はNOからN2Oへの転換率(%)である。温度上昇と共に、NOからN2Oへの転換率が低下することが分かる。

0054

図14に、ナノ多孔質NiMnCuのNO清浄化触媒反応活性の高温領域のNOの変換率を示す。図14の横軸は反応時間(分)であり、縦軸はNOからのN2およびN2Oの転換率(2*[N2]モル濃度/[NO]初期モル濃度)(%)である。
300℃で2回測定をおこなっており、N2heatingおよびN2Oheatingは昇温時での300℃のデータで、その後400℃に一度上げてテストを行い(N2とN2Oとだけ表記)、次に300℃に下げたときにもう一度測定したデータである(N2coolingおよびN2Ocoolingと表記)。2度目の300℃のテストでも、触媒活性があり、触媒が熱劣化していないのがわかる。

0055

図15に、ナノ多孔質NiMnCuの400℃の触媒試験後のTEM像を示す。(a)は3万倍、(b)は30万倍である。

0056

図16に、触媒試験後のナノ多孔質NiMnCu中のCuがNi及びMnの酸化物に担持している構造体のSTEM像を示す。

0057

図17に、図16の選択領域のEDSによる元素分析のマップ像を示す。

0058

〔実施例3〕(ナノ多孔質NiMnCuV)
図18に、ナノ多孔質NiMnCuVのNO清浄化触媒反応活性を示す。図18の横軸は反応時間(分)であり、縦軸はNOからN2への転換率(%)である。図18から明らかなように、ナノ多孔質NiMnCuVでは、温度が225℃、275℃、300℃、400℃と上昇すると共に、NOからN2への転換率が増大する傾向にあることが分かる。

0059

図19に、ナノ多孔質NiMnCuVのNO清浄化触媒反応活性を示す。図19の横軸は反応時間(分)であり、縦軸はNOからN2Oへの転換率(%)である。図19から明らかなように、ナノ多孔質NiMnCuVでは、温度を225℃、275℃、300℃、400℃と上昇すると共に、NOからN2Oへの転換率がやや上昇する傾向があることが分かる。

0060

図20に、ナノ多孔質NiMnCuVの触媒試験後の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。図21に、ナノ多孔質NiMnCuVの触媒試験のTEM像を示す。

0061

図22に、ナノ多孔質NiMnCuVの触媒試験応後のSTEM像を示す。図23は、図22の選択領域のEDSによる元素分析のマップ像である。マップ像によれば、粗大化した箇所にCuが濃化していることがわかる。

0062

〔比較例〕(ナノ多孔質MnCu)
図24に、ナノ多孔質MnCuのSEM像を示す。(a)は倍率が1万2千倍、(b)は倍率が5万5千倍である。電子加速電圧は15kVである。

0063

図25に、ナノ多孔質MnCuのナノポア合金のNO清浄化触媒反応活性を示す。図25の横軸は反応時間(分)であり、縦軸はNOからN2への転換率(%)である。NOの還元反応は、触媒活性物質であるナノ多孔質MnCuの温度を200℃±10℃近傍、特に200℃とすると、NOのN2への変換効率が高くなる。しかし、温度が250℃では、触媒の活性が大幅に下がり、耐熱性がない。

実施例

0064

図26に、NO還元反応後のナノ多孔質MnCuのSEM像を示す。(a)は2万7千倍、(b)は5万倍である。電子の加速電圧は15kVである。図26に示すように、ナノ多孔質MnCuは、NO還元雰囲気では組織が粗大化することがわかり、触媒としての機能を果たしていない。

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