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技術 インクジェットインク組成物、記録方法、及び記録物

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 大橋正和齋藤徹
出願日 2013年10月25日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2013-221952
公開日 2015年4月30日 (4年9ヶ月経過) 公開番号 2015-083629
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット記録方法及びその記録媒体 インキ、鉛筆の芯、クレヨン
主要キーワード 一般財 pH測定 接着剤片 肌接触 ポリエステル素材 ポリウレタン系樹脂エマルジョン 製品分類 質量変化率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年4月30日)のものです。
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課題

ヘッド目詰まり及び記録装置の部材の劣化を防止でき、かつエコテックス規格を満たす記録物を与えるインクジェットインク組成物、該インクジェットインク組成物を用いた記録方法、及び前記インクジェットインク組成物により得られる記録物を提供することを目的とする。

解決手段

顔料及び樹脂分散体からなる群より選ばれる1種以上と、金属アルカリ及び有機アルカリからなる群より選ばれる1つ以上のアルカリ成分と、を含むインクジェットインク組成物であって、該インクジェットインク組成物のpHが8.5〜10.4であり、前記インクジェットインク組成物を被記録媒体に付着させた試験用記録物の抽出液のpHが4.0〜7.5である、インクジェットインク組成物。

概要

背景

インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、布帛に対して用いるインクジェット記録方法についても種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、布地などの被画像形成物洗濯しても、被画像形成物からインクが失われず初期画像濃度が維持されるインクセットを提供することを目的として、ブラックインクとそれ以外のカラーインクとを含むカラーインクセットにおいて、前記ブラックインクが、黒色顔料と、カルボキシル基を有する樹脂粒子と、第1のpH調整剤と、水溶性有機溶媒と、水とを含み、且つpHが8以上であり、前記カラーインクが、着色顔料と、アクリル系樹脂粒子と、第2のpH調整剤と、水溶性有機溶媒と、水とを含み、且つpHが4.5以下であるインクセットが開示されている。

概要

ヘッド目詰まり及び記録装置の部材の劣化を防止でき、かつエコテックス規格を満たす記録物を与えるインクジェットインク組成物、該インクジェットインク組成物を用いた記録方法、及び前記インクジェットインク組成物により得られる記録物を提供することを目的とする。顔料及び樹脂分散体からなる群より選ばれる1種以上と、金属アルカリ及び有機アルカリからなる群より選ばれる1つ以上のアルカリ成分と、を含むインクジェットインク組成物であって、該インクジェットインク組成物のpHが8.5〜10.4であり、前記インクジェットインク組成物を被記録媒体に付着させた試験用記録物の抽出液のpHが4.0〜7.5である、インクジェットインク組成物。なし

目的

例えば、特許文献1には、布地などの被画像形成物を洗濯しても、被画像形成物からインクが失われず初期の画像濃度が維持されるインクセットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

顔料及び樹脂分散体からなる群より選ばれる1種以上と、金属アルカリ及び有機アルカリからなる群より選ばれる1つ以上のアルカリ成分と、を含むインクジェットインク組成物であって、該インクジェットインク組成物のpHが8.5〜10.4であり、前記インクジェットインク組成物を被記録媒体に付着させた試験用記録物抽出液のpHが4.0〜7.5である、インクジェットインク組成物。

請求項2

前記金属アルカリが、水酸化カリウム水酸化ナトリウム、及び水酸化リチウムからなる群より選ばれる1種以上であり、前記有機アルカリが、トリエタノールアミン、及びトリエチルアミンからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載のインクジェットインク組成物。

請求項3

前記記録物を100℃以上で乾燥する工程を含む記録方法に用いるものである、請求項1又は2に記載のインクジェットインク組成物。

請求項4

前記被記録媒体が、織物又は編み物生地である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。

請求項5

前記アルカリ成分が、前記金属アルカリを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。

請求項6

前記インクジェットインク組成物のpHが、8.7〜9.5である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。

請求項7

前記被記録媒体が、衣類である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。

請求項8

前記衣類が、乳幼児用衣類、又は着用時に人肌直接接触する衣類である、請求項7に記載のインクジェットインク組成物。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物を、インクジェットノズルから吐出して、被記録媒体に付着する付着工程を有する、記録方法。

請求項10

請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物を被記録媒体に付着して記録した、記録物。

技術分野

0001

本発明は、インクジェットインク組成物、該インクジェットインク組成物を用いた記録方法、及び前記インクジェットインク組成物により得られる記録物に関する。

背景技術

0002

インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、布帛に対して用いるインクジェット記録方法についても種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、布地などの被画像形成物洗濯しても、被画像形成物からインクが失われず初期画像濃度が維持されるインクセットを提供することを目的として、ブラックインクとそれ以外のカラーインクとを含むカラーインクセットにおいて、前記ブラックインクが、黒色顔料と、カルボキシル基を有する樹脂粒子と、第1のpH調整剤と、水溶性有機溶媒と、水とを含み、且つpHが8以上であり、前記カラーインクが、着色顔料と、アクリル系樹脂粒子と、第2のpH調整剤と、水溶性有機溶媒と、水とを含み、且つpHが4.5以下であるインクセットが開示されている。

先行技術

0003

特開2004−83688号公報

発明が解決しようとする課題

0004

近年、エコテックス国際共同体(OEKO−TEX ASSCIATION)が制定したエコテックス規格100として、繊維製品抽出液のpHが所定の範囲であることが求められている。しかしながら、特許文献1に記載のインクセットではpHが8以上のインク組成物と、pHが4.5以下のインク組成物を併用しているため、最終的に得られる繊維製品の抽出液のpHを規格の所定範囲に収めることは困難であり、衣類に用いる際の安全性に劣る。

0005

また、インク組成物のpHが塩基性寄り過ぎていたり、又は酸性に寄り過ぎていたりすると、インクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)に目詰まりが生じたり、記録装置の部材の劣化が生じたりする。

0006

本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、ヘッド目詰まり及び記録装置の部材の劣化を防止でき、かつエコテックスの規格を満たす記録物を与えるインクジェットインク組成物、該インクジェットインク組成物を用いた記録方法、及び前記インクジェットインク組成物により得られる記録物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定の組成を有するインクジェットインク組成物においてpHを所定の範囲内に制御することにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。

0008

すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
顔料及び樹脂分散体からなる群より選ばれる1種以上と、
金属アルカリ及び有機アルカリからなる群より選ばれる1つ以上のアルカリ成分と、を含むインクジェットインク組成物であって、
該インクジェットインク組成物のpHが8.5〜10.4であり、
前記インクジェットインク組成物を被記録媒体に付着させた試験用記録物の抽出液のpHが4.0〜7.5である、
インクジェットインク組成物。
〔2〕
前記金属アルカリが、水酸化カリウム水酸化ナトリウム、及び水酸化リチウムからなる群より選ばれる1種以上であり、
前記有機アルカリが、トリエタノールアミン、及びトリエチルアミンからなる群より選ばれる1種以上である、前項〔1〕に記載のインクジェットインク組成物。
〔3〕
前記記録物を100℃以上で乾燥する工程を含む記録方法に用いるものである、前項〔1〕又は〔2〕に記載のインクジェットインク組成物。
〔4〕
前記被記録媒体が、織物又は編み物生地である、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
〔5〕
前記アルカリ成分が、前記金属アルカリを含む、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
〔6〕
前記インクジェットインク組成物のpHが、8.7〜9.5である、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
〔7〕
前記被記録媒体が、衣類である、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
〔8〕
前記衣類が、乳幼児用衣類、又は着用時に人肌直接接触する衣類である、前項〔7〕に記載のインクジェットインク組成物。
〔9〕
前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物を、インクジェットノズルから吐出して、被記録媒体に付着する付着工程を有する、記録方法。
〔10〕
前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物を被記録媒体に付着して記録した、記録物。

0009

以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。

0010

〔インクジェットインク組成物〕
本実施形態に係るインクジェットインク組成物(以下、「インク組成物」ともいう。)は、顔料及び樹脂分散体からなる群より選ばれる1つ以上と、金属アルカリ及び有機アルカリからなる群より選ばれる1つ以上のアルカリ成分と、を含むインクジェットインク組成物であって、該インクジェットインク組成物のpHが8.5〜10.4であり、前記インクジェットインク組成物を被記録媒体に付着させた試験用記録物の抽出液のpHが4.0〜7.5である。

0011

(インクジェットインク組成物のpH)
インクジェットインク組成物のpHは、8.5〜10.4であり、8.7〜9.5が好ましい。インクジェットインク組成物のpHが8.5以上であることにより、インク組成物中の顔料や樹脂分散体の再溶解性に優れ、放置中に顔料や樹脂分散体が分離しても再溶解できるため、ノズルの目詰まりをより防止することができる。また、インクジェットインク組成物のpHが10.4以下であることにより、記録装置の部材(ヘッドの接着剤等)の劣化もより防止することができる。なお、インクジェットインク組成物のpHは実施例に記載の方法により測定することができる。

0012

インクジェットインク組成物のpHは、顔料、樹脂分散体、及びアルカリ成分の種類及び含有量により制御することができる。

0013

(抽出液のpH)
インクジェットインク組成物を被記録媒体に付着させた試験用記録物の抽出液のpHは、4.0〜7.5である。抽出液のpHが上記範囲内であることにより、エコテックス規格を満たすことができ、より安全性に優れる記録物を得ることができる。なお、抽出液のpHは実施例に記載の方法により測定することができる。なお、被記録媒体に付着し乾燥したインク塗膜のうちの一部の成分が抽出液中に抽出されると推測されるため、抽出液のpHはインク組成物のpHと単純には一致しない。

0014

抽出液のpHは、顔料、樹脂分散体、及びアルカリ成分の種類及び含有量により制御することができる。特に、有機アルカリを用いることにより、抽出液のpHをインクジェットインク組成物のpHに近づける方向に制御することができる傾向にある。なお、「試験用記録物の抽出液のpH」は、実施例に記載の方法により求めることができる。

0015

インクジェットインク組成物のpHと抽出液のpHとの差は、1〜4が好ましく、2〜4がより好ましく、2.5〜4がさらに好ましい。インクジェットインク組成物のpHと抽出液のpHとの差が上記範囲内であることにより、ヘッド目詰りや、記録装置の部材の劣化をより防止できる上、抽出液のpHをより低くできる傾向にある。

0016

〔顔料及び樹脂分散体〕
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、顔料及び樹脂分散体からなる群より選ばれる1つ以上を含み、顔料及び樹脂分散体の両方を含むことが好ましい。顔料及び樹脂分散体は、アルカリを用いて酸性物質を部分的に中和させて分散安定性を確保するものである。そのため、顔料及び樹脂分散体からなる群より選ばれる1つ以上を、アルカリ成分と組み合わせて(併用して)、それらの種類及び含有量を調整することでインク組成物のpH及び抽出液のpHを制御することが重要となる。

0017

(顔料)
顔料としては、無機顔料及び有機顔料が挙げられ、色材として用いられるものが好ましい。無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラックランプブラックアセチレンブラックチャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄酸化チタンが挙げられる。

0019

顔料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよく、顔料が分散した顔料分散体の状態で用いられてもよい。

0020

顔料(固形分)の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.5〜15質量%が好ましく、1〜13質量%がより好ましく、2〜10質量%がさらに好ましい。顔料の含有量が上記範囲内であることにより、発色性に優れた記録物が得られる傾向にある。なお、顔料が酸化チタンなどの白色顔料の場合は、記録物の隠蔽性を高めるために、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましい。

0021

(樹脂分散体)
樹脂分散体を含むことにより、インク組成物の乾燥に伴い、樹脂同士と、樹脂及び顔料と、がそれぞれ互いに融着して顔料を布帛に固着させたり、布帛上に樹脂被膜を形成したりするため、記録物の画像部分の耐擦性及び洗濯堅牢性が一層良好となる傾向にある。

0022

樹脂分散体としては、樹脂が微粒子として分散媒中に分散されたものであれば特に限定されず、例えば、ディスパージョンサスペンジョンエマルションなどが挙げられる。

0023

樹脂分散体としては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテルウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン樹脂、及び主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン樹脂に代表されるウレタン樹脂のエマルション、(メタアクリル樹脂エマルションスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系樹脂エマルションが挙げられる。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体ブロック共重合体交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。

0024

樹脂分散体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0025

樹脂分散体(固形分)の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、2〜20質量%が好ましく、3〜16質量%がより好ましく、4〜15質量%がさらに好ましい。樹脂分散体の含有量が上記範囲内であることにより、記録物の洗濯堅牢性及び耐擦性が優れる上、インク組成物の長期安定性に優れ、かつインク組成物を低粘度化できる傾向にある。なお、顔料が酸化チタンなどの白色顔料の場合は、樹脂分散体(固形分)のの含有量は、5質量%以上が好ましく7質量%以上がより好ましい。

0026

顔料及び樹脂分散体の両方を含む場合、顔料(固形分)及び樹脂分散体(固形分)の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、2.5〜35質量%が好ましく、4〜29質量%がより好ましく、6〜25質量%がさらに好ましい。顔料及び樹脂分散体の含有量が上記範囲内であることにより、発色性に優れた記録物が得られ、記録物の画像部分の耐擦性及び洗濯堅牢性が一層良好となる傾向にある。

0027

〔アルカリ成分〕
本実施形態に係るインクジェットインク組成物は、金属アルカリ及び有機アルカリからなる群より選ばれる1つ以上を含み、金属アルカリ及び有機アルカリの両方を含むことが好ましい。金属アルカリ及び有機アルカリの少なくとも1つ以上を含むことにより、ヘッドの目詰まりがより抑制される。

0028

(金属アルカリ)
アルカリ成分は、金属アルカリを含むことが好ましい。金属アルカリを含むことにより、抽出液のpHの制御性により優れる。金属アルカリとしては、金属元素を有するアルカリ成分であれば特に限定されないが、例えば、金属水酸化物が挙げられ、より具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化リチウムからなる群より選ばれる1つ以上が挙げられ、pHの制御性の観点からこれらが好ましい。金属アルカリは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。

0029

金属アルカリの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.02〜0.30質量%がより好ましく、0.02〜0.10質量%がさらに好ましい。金属アルカリの含有量が上記範囲内であることにより、抽出液のpHの制御性により優れる傾向にある。

0030

(有機アルカリ)
アルカリ成分は、有機アルカリを含むことが好ましい。有機アルカリとしては、有機化合物であるアルカリ成分であれば特に限定されないが、例えば、アンモニアアミン化合物が挙げられ、より具体的には、アンモニア、トリエタノールアミン、及びトリエチルアミンからなる群より選ばれる1つ以上が挙げられ、pHの制御性の観点からこれらが好ましい。有機アルカリは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。

0031

有機アルカリの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.01〜1.50質量%が好ましく、0.05〜1.0質量%がより好ましく、0.10〜0.80質量%がさらに好ましい。有機アルカリの含有量が上記範囲内であることにより、抽出液のpHの制御性により優れる傾向にある。

0032

金属アルカリ及び有機アルカリの両方を含む場合、金属アルカリ及び有機アルカリの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.01〜1.00質量%が好ましく、0.05〜0.90質量%がより好ましく、0.10〜0.80質量%がさらに好ましい。金属アルカリ及び有機アルカリの含有量が上記範囲内であることにより、pHの制御性により優れる傾向にある。

0033

(その他の添加剤
本実施形態に係るインク組成物は、必要に応じて、その他の添加剤を含んでもよい。その他の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、水、水以外の溶剤浸透剤保湿剤界面活性剤、pH調整剤、溶解助剤粘度調整剤酸化防止剤防腐剤防黴剤腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオン捕獲するためのキレート化剤などが挙げられる。

0034

〔用途〕
本実施形態に係るインク組成物は、衣類用であることが好ましく、乳幼児用衣類、又は着用時に人肌に直接接触する衣類であることがより好ましい。さらに具体的には、そのインク組成物は、エコテックス規格100−2013に定める製品分類I乳幼児用(36ヶ月未満)及び製品分類II肌接触大(肌着等)に該当する記録物用であることが好ましい。エコテックス規格100−2013の分類には、製品分類I乳幼児用(36ヶ月未満)、製品分類II肌接触大(肌着等)、製品分類III肌接触小(外衣等)、及び製品分類IV装飾用インテリア)がある。そのうち、製品分類I乳幼児用(36ヶ月未満)及び製品分類II肌接触大(肌着等)のpH値水素イオン指数)は、4.0〜7.5と規定されている。なお、エコテックス規格100−2013におけるpH値は、当該エコテックス規格に準拠して測定される。なお、エコテックス規格100−2013におけるpH値は、ISO3071(KCl溶液)に従って測定される。pH値の測定はエコテックス認証機関である一般財団法人ニッセンケン品質評価センターにて試験を行うこともできる。

0035

このような着用時に人肌に直接接触する衣類用途においては、より高い安全性基準を満たすことが要求されるため、その安全性基準を満たすようにインクジェットインク組成物の組成や物性は一定の制限を受けるという新たな課題が発生する。この点、本実施形態に係るインク組成物は、顔料及び樹脂分散体からなる群より選ばれる1つ以上と、金属アルカリ及び有機アルカリからなる群より選ばれる1つ以上のアルカリ成分と、を含み、インクジェットインク組成物のpHを8.5〜10.4とし、被記録媒体に付着させて得られる試験用記録物の抽出液のpHを4.0〜7.5とすることにより、より高い安全性基準を満たす記録物を得る用途に好適に用いることができる。

0036

また、本実施形態に係るインク組成物は、得られる記録物を100℃以上で乾燥する乾燥工程を含む記録方法に用いるものであることが好ましい。このような用途に用いたとしても、本実施形態に係るインク組成物から、より高い安全性基準を満たす記録物を得ることができる。

0037

さらに、記録物又は試験用記録物における被記録媒体は、布帛であると好ましく、このなかでも綿もしくはポリエステル素材の織物又は編み物の生地であることが好ましい。織物又は編み物の生地を用いることにより、インクが浸透しながら生地に定着しやすくなるため、本発明が特に有用である。

0038

〔記録方法〕
本実施形態に係る記録方法は、上記インクジェットインク組成物を、インクジェットノズルから吐出して、被記録媒体に付着する付着工程を有する。本実施形態に係る記録方法は、付着工程により得られた記録物を乾燥する乾燥工程をさらに含むことが好ましい。

0039

乾燥工程では、インクジェットインク組成物中の水分及び溶剤成分を揮発させ、顔料及び樹脂を乾燥させて生地へ定着させる。このような観点から、乾燥工程の温度は、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましく、110℃以上が特に好ましい。温度の上限は、限られるものではないが、200℃以下が好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下がさらに好ましい。乾燥工程の時間は20秒〜10分が好ましく、30〜100秒がより好ましい。乾燥工程の温度及び時間が上記範囲内であることにより、生地への定着乾燥により優れる上、生地や印字塗膜焦げずに、なおかつ短時間で乾燥できる傾向にある。

0040

〔被記録媒体〕
被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、織物又は編み物の生地に代表される布帛が好ましい。また、布帛の原料としては、特に限定されないが、例えば、、綿、羊毛ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の天然繊維又は合成繊維が挙げられる。

0041

〔記録物〕
本実施形態に係る記録物は、上記インクジェットインク組成物を被記録媒体に付着して記録したものである。記録物としては、特に限定されないが、衣類であることが好ましい。衣類としては、特に限定されないが、乳幼児用衣類、又は肌に接触して用いられる衣類であることが好ましい。より具体的には、本実施形態に係る記録物は、エコテックス規格100−2013に定める製品分類II乳幼児用(36ヶ月未満)及び製品分類II肌接触大(肌着等)に該当するものであることが好ましい。

0042

以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。

0043

[インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔顔料〕
シアン顔料分散体クラリアント社製ピグメントブルー15:3)
ホワイト顔料分散体(堺化学工業社製 「R62N」酸価チタン
〔樹脂分散体〕
タケラックWS−6021(ポリウレタン系樹脂エマルジョン、固形分30%、三井化学ポリウレタン株式会社製)
〔保湿剤〕
グリセリン
トリエチレングリコール
1,2−ヘキサンジオール
〔界面活性剤〕
BYK−348(シロキサン系界面活性剤、ビックケミージャパン社製
〔金属アルカリ〕
水酸化カリウム
〔有機アルカリ〕
トリエタノールアミン

0044

〔実施例1〜6、比較例1〜4:インク組成物の調製〕
各材料を下記の表1に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各インク組成物を得た。なお、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。

0045

〔インク組成物のpH測定
調製したインク組成物をpH試験機(堀場製作所社製 D−52S)で20℃にて測定した。

0046

(試験用記録物の作製方法
生地として、プリントスター社製ヘビーウェイトTシャツ(5.6オンス)を使用した。インク組成物の打ち込み量は、カラーインクの下地層として用いるインク組成物(白インクなど)の場合は200mg/inch2、カラーインク(シアンインクなど)の場合は、20mg/inch2とした。使用した生地の色は、上記のカラーインクの下地層として用いるインク組成物を付着させる場合は黒、上記のカラーインクを付着させる場合は白とした。インク組成物の付着後、170℃で60秒間ヒートプレス加熱を行い乾燥させた。白インクを用いた場合、インク付着前に、下記のようにして得られた前処理液を下記の条件で生地に付着させ乾燥させてから、インク組成物をその上から付着させた。なお、インク組成物を付着させるのに用いたプリンターEPSON製SC−S30650であった。

0047

15質量%の塩化カルシウムと、0.1質量%の界面活性剤(商品名「BYK−348」、BYK社製)と、ビニブラン1245L(商品名、日信化学工業株式会社製)10質量%と、イオン交換水(残部)とを、総量が100質量%になるよう混合して、前処理剤を得た。各成分の配合量は、固形分換算したものである。前処理液をA4サイズ当たり20gの打ち込み量にてスプレーで均一に塗布した後、水分が揮発するまで170℃で乾燥した。

0048

インク組成物を付着させていない生地の部分は切り取り、インク組成物を付着させた生地の部分を試験に用いた。

0049

なお、本明細書において、抽出液のpH測定は、被記録媒体に対してインク組成物を最大打ち込み量で付着した記録物を用いて行う。具体的には、試験用記録物を作製する際のカラーインクの付着量を20mg/inch2とし、白インクの付着量を200mg/inch2とした。

0050

(抽出液のpH測定)
エコテックス国際共同体(OEKO−TEX ASSOCIATION)が制定したエコテックス規格100に定められているpH値に関して、当該規格で定められている試験方法で、記録物を試験方法に従い水中に浸して抽出液を作成し、抽出液のpHを測定した。実施例では、エコテックス認証機関である一般財団法人ニッセンケン品質評価センターにてpHを測定した。

0051

〔ヘッド目詰まり〕
360個のノズルを有するヘッドを備えるプリンター(EPSON製SC−S30650)へインク組成物を充填し、全ノズルが正常に吐出することを確認し、40℃/20%RH環境で下記時間放置した後、ヘッドから10ccのインク組成物を排出した。その後、各ノズルからインク組成物が正常に吐出するか否かを調べる吐出検査を行った。
◎:1ヶ月後のノズル検査において、全ノズルで正常に吐出した。
○:3週間後のノズル検査において、全ノズルで正常に吐出したが、1ヶ月後のノズル検査において、一部のノズルで正常に吐出しなかった。
△:2週間後のノズル検査において、全ノズルで正常に吐出したが、3週間後のノズル検査において、一部のノズルで正常に吐出しなかった。
×:2週間後のノズル検査において、一部のノズルで正常に吐出しなかった。

0052

〔部材劣化性〕
エポキシ系接着剤シェル(shell)社製のエポキシ樹脂であるEPIKOTE 828(商品名)及びコグニスCOGNIS)社製の硬化剤であるVERSAMID 125(商品名)を等量混合したもの)を約1g硬化させて接着剤片を作製し、その質量(投入前質量)を測定した。その後、ガラス容器中のインク組成物に上記接着剤片を浸漬して蓋をし、70℃の環境に6日間放置した。放置後、接着剤片を取り出しインク組成物をよく洗い流した後、質量(投入後質量)を測定した。投入前質量及び投入後質量から、質量変化率を下記式により算出した。得られた質量変化率に基づいて、下記評価基準により部材劣化性を評価した。なお、上記接着剤片は、上記「試験用記録物の作製方法」に用いたプリンターのヘッド及び供給系の部品接着させた接着剤と同類のものであった。
質量変化率(%)={(投入後質量−投入前質量)/投入前質量}×100
○: 質量変化率が10%以下
△: 質量変化率が10%超40%以下
×: 質量変化率が40%超

0053

実施例

0054

各実施例と比較例1との対比により、インク組成物のpHが8.5以下であるとヘッド目詰まりを生じることが示された。また、各実施例と比較例2及び4との対比により、抽出液のpHが7.5以上であるとエコテックス規格において安全性に劣ることが示された。さらに、各実施例と比較例3との対比により、インク組成物のpHが10.4以上であると記録装置の部材を劣化させることが分かった。

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