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技術 聴覚的顕著性評価装置、聴覚的顕著性評価方法、プログラム

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 木谷俊介古川茂人リャオシンイ米家惇柏野牧夫
出願日 2013年10月24日 (6年6ヶ月経過) 出願番号 2013-221237
公開日 2015年4月27日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-082079
状態 特許登録済
技術分野 音声の分析・合成 他に分類されない音響(残響,カラオケ等)
主要キーワード 音セット 所定時間区間 呈示ステップ 一対比較法 顕著性 ターゲット音 聴覚フィードバック 妨害音
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年4月27日)のものです。
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図面 (9)

課題

評価に用いた音セットに依存しない形で、任意のターゲット音聴覚顕著性を定量的に評価できる聴覚的顕著性評価装置を提供する。

解決手段

時間間隔を空けた複数個の第1の音と複数個の第2の音から構成される音列を呈示する音呈示部と、呈示される音列を聴きながら拍を打つ人の、拍情報系列を取得する入力情報取得部と、所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合に基づいて聴覚的顕著性レベルを計算する評価値計算部とを含む。

概要

背景

聴覚顕著性は、音の注意引き付け具合を表す重要な特性である。任意の音セグメントの聴覚的顕著性を評価する方法として、一対比較法が用いられてきた(非特許文献1、特に図2)。また、音の目立ちやすさによる拍の刻みやすさの特性を利用し、ターゲット音の顕著性を評価する方法として、非特許文献2が知られている。

概要

評価に用いた音セットに依存しない形で、任意のターゲット音の聴覚的顕著性を定量的に評価できる聴覚的顕著性評価装置を提供する。時間間隔を空けた複数個の第1の音と複数個の第2の音から構成される音列を呈示する音呈示部と、呈示される音列を聴きながら拍を打つ人の、拍情報系列を取得する入力情報取得部と、所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合に基づいて聴覚的顕著性レベルを計算する評価値計算部とを含む。

目的

本発明では、評価に用いた音セットに依存しない形で、任意のターゲット音の聴覚的顕著性を定量的に評価できる聴覚的顕著性評価装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

時間間隔を空けた複数個の第1の音と複数個の第2の音から構成される音列を呈示する音呈示部と、上記呈示される音列を聴きながら拍を打つ人の、拍情報系列を取得する入力情報取得部と、所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合に基づいて聴覚顕著性ベルを計算する評価値計算部と、を含む聴覚的顕著性評価装置

請求項2

請求項1記載の聴覚的顕著性評価装置であって、上記聴覚的顕著性レベルは、上記所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合に対して単調増加関係にある値であり、その値が大きいほど、当該一方の音の方が他方の音よりも聴覚的顕著性が高いことを示すものである聴覚的顕著性評価装置。

請求項3

請求項1記載の聴覚的顕著性評価装置であって、上記所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合が所定比よりも大きい場合に、上記一方の音の音圧レベルを小さくし、上記所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合が上記所定比よりも小さい場合に、上記一方の音の音圧レベルを大きくする制御部を更に含み、上記音呈示部は、上記所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記一方の音に対応している拍情報の割合が上記所定比と等しくなるまで、上記制御部で制御された音圧レベルの上記一方の音と所定の音圧レベルの他方の音を繰り返し呈示し、上記評価値計算部は、上記所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記一方の音に対応している拍情報の割合が上記所定比と等しい場合に、上記一方の音の音圧レベルに対応した値を聴覚的顕著性レベルとして出力する聴覚的顕著性評価装置。

請求項4

時間間隔を空けた複数個の第1の音と複数個の第2の音から構成される音列を呈示する音呈示ステップと、上記呈示される音列を聴きながら拍を打つ人の、拍情報の系列を取得する入力情報取得ステップと、所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合に基づいて聴覚的顕著性レベルを計算する評価値計算ステップと、を含む聴覚的顕著性評価方法

請求項5

請求項4記載の聴覚的顕著性評価方法であって、上記聴覚的顕著性レベルは、上記所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合に対して単調増加関係にある値であり、その値が大きいほど、当該一方の音の方が他方の音よりも聴覚的顕著性が高いことを示すものである聴覚的顕著性評価方法。

請求項6

請求項4記載の聴覚的顕著性評価方法であって、上記所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合が所定比よりも大きい場合に、上記一方の音の音圧レベルを小さくし、上記所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合が上記所定比よりも小さい場合に、上記一方の音の音圧レベルを大きくする制御ステップを更に含み、上記音呈示ステップは、上記所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記一方の音に対応している拍情報の割合が上記所定比と等しくなるまで、上記制御ステップで制御された音圧レベルの上記一方の音と所定の音圧レベルの他方の音を繰り返し呈示し、上記評価値計算ステップは、上記所定時間区間内の上記拍情報の系列のうち上記一方の音に対応している拍情報の割合が上記所定比と等しい場合に、上記一方の音の音圧レベルに対応した値を聴覚的顕著性レベルとして出力する聴覚的顕著性評価方法。

請求項7

コンピュータを、請求項1から3の何れかに記載の聴覚的顕著性評価装置として機能させるためのプログラム

技術分野

0001

本発明は、音の注意引き付け具合を表す聴覚顕著性の評価に用いることができる聴覚的顕著性評価装置、聴覚的顕著性評価方法プログラムに関する。

背景技術

0002

聴覚的顕著性は、音の注意の引き付け具合を表す重要な特性である。任意の音セグメントの聴覚的顕著性を評価する方法として、一対比較法が用いられてきた(非特許文献1、特に図2)。また、音の目立ちやすさによる拍の刻みやすさの特性を利用し、ターゲット音の顕著性を評価する方法として、非特許文献2が知られている。

先行技術

0003

Kayser et al., “Mechanisms for Allocating Auditory Attention: An Auditory Saliency Map,” Current Biology, Vol. 15, pp.1945-1947 (2005)
Chon & McAdams, “Investigation of timbre saliency, the attention-capturing quality of timbre,” J. Acoust. Soc. Am., Vol.131 (4), pp.3433, (2012)

発明が解決しようとする課題

0004

レーティング法では、評価対象となる音(ターゲット音)に対し、その主観的な顕著性の強さに応じて、聴取者数値割り当てを行い、その数値の大小によって顕著性を評価する。しかし、この方法で得られた評価値は測定に用いたターゲット音のセットの構成に依存する。このため、異なる音セットで得られた数値同士を比較することは困難である。

0005

一対比較法では、対象とするターゲット音のセットについて、ターゲット音の対を複数用意する。各ターゲット音対について、どちらの音が顕著であるかを聴取者に判断させる。この結果を統計的に処理することによって、ターゲット音の顕著性の順位付けや数値化を行う。この方法では、音の対ごとに評価が必要であることから、対象となるターゲット音が増えると、必要となるターゲット音対の数が爆発的に増加し、現実的な時間や手間の範囲内で実験を行うことが困難になる。また、与えられたターゲット音のセットの中での相対的な評価に基づいた数値であるため、レーティング法と同様に異なるセットで得られた数値同士を比較することは困難である。また、非特許文献2は、音列として2種のターゲット音の繰り返しを用いて、そのターゲット音対の相対的な顕著性を評価しているため、前述の一対比較法に見られる問題を解決することはできない。

0006

以上のように、従来の手法では、顕著性の評価値が、評価に用いた音セットに依存するという問題があった。そこで本発明では、評価に用いた音セットに依存しない形で、任意のターゲット音の聴覚的顕著性を定量的に評価できる聴覚的顕著性評価装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の聴覚的顕著性評価装置は、音呈示部と、入力情報取得部と、評価値計算部とを含む。

0008

音呈示部は、時間間隔を空けた複数個の第1の音と複数個の第2の音から構成される音列を呈示する。入力情報取得部は、呈示される音列を聴きながら拍を打つ人の、拍情報系列を取得する。評価値計算部は、所定時間区間内の拍情報の系列のうち2つの音のうちの一方の音に対応している拍情報の割合に基づいて聴覚的顕著性レベルを計算する。

発明の効果

0009

本発明の聴覚的顕著性評価装置によれば、評価に用いた音セットに依存しない形で、任意のターゲット音の聴覚的顕著性を定量的に評価できる。

図面の簡単な説明

0010

聴覚的顕著性の評価実験で聴取者に呈示される音列の構成例を説明する図。
評価実験結果であるターゲット音の種類ごとの聴覚的顕著性レベルを示す図。
従来方法(一対比較法)と発明方法の実験結果を比較して示す図。
従来方法(一対比較法)と発明方法の実験結果の相関を示す図。
実施例1の聴覚的顕著性評価装置の構成を示すブロック図。
実施例1の聴覚的顕著性評価装置の動作を示すフローチャート
実施例2の聴覚的顕著性評価装置の構成を示すブロック図。
実施例2の聴覚的顕著性評価装置の動作を示すフローチャート。

0011

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。

0012

原理
非特許文献2でも用いられている音の目立ちやすさによる拍の刻みやすさの特性とは、二つの異なる音が交互に繰り返し呈示され、聴取者がどちらかの音に合わせて拍を打つ場合には、聴取者は一般に、より目立つ(顕著性が高い)音に合わせて拍を刻みやすいという特性である。

0013

一方で、拍の刻みやすさは、音量音圧レベル)にも依存する。同じ音が異なる音圧レベルで交互に呈示された場合には、聴取者は一般に、大きな音に合わせて拍を刻みやすい。本発明では、この2つの特性を組み合わせることにより、ターゲット音の顕著性を定量化する。

0014

実験条件
図1を参照して評価実験に用いられる音列について説明する。図1は聴覚的顕著性の評価実験で聴取者に呈示される音列の構成例を説明する図である。まず、ターゲット音(Target)5と基準音(Reference)6を用意する。図1に示される複数のターゲット音5は、符号5に枝数字−1,2,3,…を付して区別した。同様に図1に示される複数の基準音6は、符号6に枝数字−1,2,3,…を付して区別した。図1の例ではターゲット音5と基準音6が交互に繰り返し配置される。それぞれの音の間には任意の時間間隔7が設けられている。図1に示される複数の時間間隔7は、符号7に枝数字−1,2,3,…を付して区別した。図1の例では、ターゲット音5−1の後に時間間隔7−1が挿入され、時間間隔7−1の後に基準音6−1が配置され、基準音6−1の後に時間間隔7−2が挿入され、時間間隔7−2の後にターゲット音5−2が配置されており、交互に配置されるターゲット音5と基準音6の間に必ず時間間隔7が挿入されて、音列8を構成している。図1の例では基準音6がターゲット音5の後に呈示されているが、順番は逆であっても良い。また、必ずしも基準音6−1、ターゲット音5−2、基準音6−2、ターゲット音5−3、…というようにターゲット音5と基準音6とが交互に呈示される必要はなく、聴取者が音の流れを把握し拍を刻むことさえできれば、例えば基準音6−1、基準音6−2、ターゲット音5−1、基準音6−3、基準音6−4、ターゲット音5−2、…というようにどちらかの音が連続して呈示されることがあっても良い。要するに、ターゲット音5と基準音6がランダムに呈示されず、時間間隔7を空けて繰り返し呈示されればよい。ターゲット音5、基準音6は、もっと一般的な名称としてもよい。例えばターゲット音5、基準音6を第1の音、第2の音と呼び換えてもよい。ターゲット音5を第1の音、基準音6を第2の音に割り当ててもよいし、ターゲット音5を第2の音、基準音6を第1の音に割り当ててもよい。音列は、図1の例に限定されず、時間間隔を空けた複数個の第1の音と複数個の第2の音から構成されていればよい。

0015

ターゲット音5は複数種類用意される。基準音6は、複数種類のターゲット音5間で共通の任意の音である。以下では基準音6としてピンクノイズを用いた実験結果について説明する。なお、基準音6はピンクノイズに限定されるものでなく、ターゲット音5間で共通のものであればどんな音であってもよい。なお、評価実験に用いたターゲット音5、基準音6の持続時間(図1のX[ms])および呈示間隔(図1のY,Z[ms])は、それぞれ300[ms]および100[ms]であったが、これに限らず、ターゲット音、基準音の持続時間や呈示間隔は自由度があり、所定の範囲内で任意に設定することができる。なお、図1における時間間隔Y[ms]とZ[ms]は同じであっても異なっていても良いが、0より大きい時間とする。すなわち、YとZは、基準音とターゲット音が別々の音として聴き分けられる程度の長さであり、かつ、後述の入力情報取得部14で聴取者から入力される入力情報が、どちらの音に対してタッピングしたものであるかを識別できる程度の時間間隔であればよい。

0016

また、ターゲット音5と基準音6の長さ(図1のX[ms])は完全に同一である必要はないが、ほぼ同じ長さとして聴こえる程度の長さであることが望ましい。これは、音の長さに違いがあると、長さの違いに意識が向けられてタッピングが行われる可能性があり、音そのものの顕著性を正確に反映した指標が得られない可能性があるためである。

0017

聴取者は、繰り返し呈示される音列8を聴き、拍を刻みやすいほうの音に合わせてボタンを押し、拍を打つ(タップする)。このとき、タップされたほうの音が目立つ(顕著性が高い)音といえる。一方、前述のように、より音圧レベルが大きな音に対しては拍を刻みやすいため、基準音6の音圧レベルを大きくしたり、小さくしたりすることで、タップされる音が切り替わることが考えられる。そこで、ターゲット音5に対してタップされた場合は、基準音6の音圧レベルを上げ、基準音6に対してタップされた場合は、基準音6の音圧レベルを下げる。この操作を繰り返すと、最終的に、ターゲット音5と基準音6とが同等の割合(各々50%の割合)でタップされるような、基準音6の音圧レベルを見つけることができる。なお、二つの音がタップされる確率が同じとなる場合(50%)を基準とすることは必須ではなく、いずれか一方の音がタップされる確率(例えばターゲット音がタップされる確率60%、70%など)を基準として設定してもよい。

0018

顕著性が高いターゲット音5については、上記基準に到達するために必要となる基準音6の音圧レベルは相対的に高くなると考えられる。同様に顕著性が低いターゲット音5については、上記基準に到達するために必要となる基準音6の音圧レベルは相対的に低くなると考えられる。このため、ターゲット音5と基準音6とが、所定の割合(例えば各々50%)でタップされる場合の基準音の音圧レベルを、顕著性を示す指標に用いることができる。そこで、この音圧レベルを聴覚的顕著性レベルと呼ぶこととする。この聴覚的顕著性レベルは複数種類のターゲット音5各々について独立に決定される。つまり、音圧レベルを聴覚的顕著性レベルとして用いることで、ターゲット音5のセットに依存しない指標として顕著性の表現が可能となる。音圧レベルを指標とするほかに、基準音6の音圧レベルを固定してこの実験をおこない、ターゲット音5が選択される確率の大小をもって顕著性の指標とすることもできる。

0019

<実験結果>
以下、図2を参照して評価実験の結果を説明する。図2は、評価実験結果であるターゲット音5の種類ごとの聴覚的顕著性レベルを示す図である。図2グラフ縦軸は基準音6の音圧レベル(聴覚的顕著性レベル)、横軸の番号は実験に用いたターゲット音5の番号を表す。図2は、1番:BEEP、2番:BIRD、3番:CHIRP、4番:CRYING、5番:DOG、6番:LAUGHER、7番:PHONE、8番:SCRATCH、9番:TONE、10番:WHITENOISEの10種類のターゲット音5の実験結果を示すものである。11番のPINK NOISE(ピンクノイズ)は基準音6である。

0020

<従来方法と発明方法との比較>
以下、図3図4を参照して従来方法と発明方法との比較を行う。図3は従来方法(一対比較法)と発明方法の実験結果を比較して示す図である。従来方法である一対比較法では、今回ターゲット音5として用いた10種類の音の対を用意し、各ターゲット音対に対してどちらの音が顕著であるかを判断させ、得られたデータに対してサーストンの一対比較法により顕著性のスケールを求めた。図4には、従来方法(一対比較法)と発明方法の実験結果の相関が示されている。図4に示すように、発明方法と従来方法の間の相関係数は0.79であり、二つの間に相関があることが分かる。つまり、同じ音セットを用いた場合には、発明方法で得られる聴覚的顕著性レベルは従来方法と相関性の高い評価値が得られることが分かる。

0021

以下、図5図6を参照して実施例1の聴覚的顕著性評価装置について説明する。図5は本実施例の聴覚的顕著性評価装置1の構成を示すブロック図である。図6は本実施例の聴覚的顕著性評価装置1の動作を示すフローチャートである。図5に示すように、本実施例の聴覚的顕著性評価装置1は、記憶部11、制御部12、音呈示部13、入力情報取得部14、評価値計算部15を含んで構成される。以下、各構成の動作について説明する。

0022

<記憶部11>
記憶部11には、ターゲット音5と基準音6が記憶されている。基準音6は比較の対象となる音であり、ターゲット音5は評価の対象となる音である。例えば、基準音6はピンクノイズ等であり、ターゲット音5の種類が異なっても、これに関係なく予め用意された同じ音を使用するものとする。なお、ターゲット音5、基準音6は予め記憶部11に記憶されていなくてもよく、たとえば外部から入力されても良い。この場合、記憶部11は省略可能である。

0023

<制御部12>
制御部12は、所定時間に渡り、時間間隔を空けた複数個の第1の音と複数個の第2の音から構成される音列を発生する。このとき、制御部12は、第1の音と第2の音の繰り返し回数の制御を実行する(S12)。より詳細には、制御部12は、所定の時間区間の間、音呈示部13において呈示する音列8(所定の時間長の複数個のターゲット音5と所定の時間長の複数個の基準音6とこれらの間に挿入される時間間隔7との規則的な組み合わせからなる音列)を発生させる。このとき、制御部12は、ターゲット音5と基準音6とを発生させる繰り返し回数の制御を実行する(S12)。この例では、ターゲット音5及び基準音6は、記憶部11に予め記憶されている。制御部12は、記憶部11からターゲット音5及び基準音6を読み込んで、これらの音を時間間隔7を挿入しながら組み合わせて音列8を発生する。

0024

<音呈示部13>
音呈示部13は、制御部12が発生した音列8を呈示する(S13)。言い換えれば、音呈示部13は、時間間隔を空けた複数個の第1の音と複数個の第2の音から構成される音列を呈示する(S13)。音呈示部13は、例えばアンプスピーカ又はアンプとイヤホンにより構成される。このように制御部12が発生したターゲット音5及び基準音6を含む音列8は、聴取者である人に呈示される。

0025

<入力情報取得部14>
入力情報取得部14は、呈示される音列を聴きながら拍を打つ人(聴取者)の、拍情報の系列を取得する(S14)。より詳細には、入力情報取得部14は、聴取者が音呈示部13から繰り返し呈示される音列8を聴きながら拍を打った(タッピングした)時刻の情報を、拍情報の系列として取得する(S14)。例えば、聴取者は拍を刻みやすい音に合わせてボタンを押す(タッピング)操作を行う。この場合、入力情報取得部14は、ボタンが押された(タッピングされた)時刻の時系列情報を拍情報(入力情報ともいう)の系列として取得する。

0026

<評価値計算部15>
評価値計算部15は、所定時間区間内の拍情報の系列のうち2つの音(第1、第2の音)のうちの一方の音に対応している拍情報の割合に基づいて聴覚的顕著性レベルを計算する(S15)。具体的には、評価値計算部15は、入力情報取得部14で取得した拍情報の系列の各々が、ターゲット音5と基準音6のどちらに対応しているかを検出する。そして、所定時間区間内の拍情報の系列全体に占めるターゲット音5に対応している拍情報の割合を求め、これを聴覚的顕著性レベル(聴覚的顕著性の評価値)として出力する。聴覚的顕著性レベルが大きいほど、ターゲット音5の顕著性が高いことを示し、聴覚的顕著性レベルが小さいほど、ターゲット音5の顕著性が低いことを示す。言い換えれば、聴覚的顕著性レベルが大きくなるほど基準音6の顕著性が低くなることを示し、聴覚的顕著性レベルが小さくなるほど基準音6の顕著性が高くなることを示す。

0027

なお、所定時間区間内の入力情報(拍情報)の系列に占めるターゲット音5に対応している入力情報(拍情報)の割合の代わりに、所定時間区間内の入力情報(拍情報)の系列に占める基準音6に対応している入力情報(拍情報)の割合を聴覚的顕著性レベルとして用いても良い。ただし、この場合は聴覚的顕著性レベルが大きくなるほどターゲット音5の顕著性が低くなることを示し、聴覚的顕著性レベルが小さくなるほどターゲット音5の顕著性が高くなることを示す。言い換えれば、聴覚的顕著性レベルが大きいほど基準音6の顕著性が高いことを示し、聴覚的顕著性レベルが小さいほど基準音6の顕著性が低いことを示す。いずれの場合も、聴覚的顕著性レベルが中程度(50%前後)の場合は、基準音とターゲット音の顕著性が同程度(つまり、顕著性に差がない)ことを意味する。

0028

なお、本発明におけるターゲット音5と基準音6には、任意の音を用いることができる。例えば、周波数または周期または音圧が異なる2つの音だけでなく、全く同一(同じ周波数かつ同じ音圧)の音であっても良い。ターゲット音5と基準音6が同一の音である場合、聴取者はターゲット音5と基準音6の区別がつかないため、ターゲット音5と基準音6がタッピングされる割合が同程度になると想定される。この場合、得られる聴覚的顕著性レベルは、中程度(50%前後)になる。従って、聴覚的顕著性レベルが50前後であることは、ターゲット音と基準音の顕著性にほとんど差がないことを意味する。

0029

また、ターゲット音5と基準音6の音圧は基本的には制限されるものではないが、聴取できないほど小さい音圧や、聴力損失を生じさせるほど大きな音圧は避け、無理なく聴取できる範囲に留めるのが望ましい。

0030

以下、図7図8を参照して、実施例1の一部を変更した実施例2の聴覚的顕著性評価装置について説明する。図7は本実施例の聴覚的顕著性評価装置2の構成を示すブロック図である。図8は本実施例の聴覚的顕著性評価装置2の動作を示すフローチャートである。図7に示すように、本実施例の聴覚的顕著性評価装置2は、記憶部11と、制御部22と、音呈示部13と、入力情報取得部14と、評価値計算部25とを含んで構成される。実施例1と本実施例の違いは、実施例1における制御部12が本実施例において制御部22に変更されている点、実施例1における評価値計算部15が本実施例において評価値計算部25に変更されている点のみである。以下、実施例1と異なる構成についてのみ説明する。

0031

<制御部22>
本実施例の制御部22は、実施例1の制御部12と同様に音列8の発生、繰り返し回数の制御を行うと同時に、音圧レベル制御を実行する。具体的には、制御部22は、所定時間区間内の拍情報の系列のうち2つの音(第1、第2の音)のうちの一方の音に対応している拍情報の割合が所定比よりも大きい場合に当該一方の音の音圧レベルを小さくし(または一方の音の音圧レベルが相対的に小さくなるように他方の音の音圧レベルを大きくし)、所定時間区間内の拍情報の系列のうち2つの音(第1、第2の音)のうちの一方の音に対応している拍情報の割合が所定比よりも小さい場合に当該一方の音の音圧レベルを大きく(または一方の音の音圧レベルが相対的に大きくなるように他方の音の音圧レベルを小さく)する(S22)。例えば制御部22は、評価値計算部14から、後述する「ターゲット音5が多くタップされたことを示す情報」が入力された場合は基準音6の音圧レベルを現在の音圧レベルよりも高く(大きく)制御し、後述する「基準音6が多くタップされたことを示す情報」が入力された場合は基準音6の音圧レベルを現在の音圧レベルよりも低く(小さく)制御する。音呈示部13は所定の時間区間の間、制御部22が音圧レベルを制御して発生した音列8を呈示する(S13)。

0032

<評価値計算部25>
評価値計算部25は、所定時間区間内の拍情報の系列のうち一方の音に対応している拍情報の割合が所定比と等しい場合に、一方の音の音圧レベルに対応した値を聴覚的顕著性レベルとして出力する(S25)。

0033

より詳細には、まず評価値計算部25は、入力情報取得部14から入力された入力情報が、ターゲット音5と基準音6のどちらに対応しているかを検出する。そして、所定時間区間内の入力情報の系列に占めるターゲット音5に対応している入力情報の割合を求める。ここまでは、実施例1と同じである。次に、評価値計算部25は求めた割合が所定比より小さい場合に「基準音6が多くタップされたことを示す情報」を制御部22に出力する。一方、評価値計算部25は求めた割合が所定比より大きい場合に「ターゲット音5が多くタップされたことを示す情報」を制御部22に出力する。また、評価値計算部25は求めた割合が所定比と同じである場合には、そのときの基準音6の音圧レベルを制御部22から取得して、当該音圧レベルを聴覚的顕著性レベル(聴覚的顕著性の評価値)として出力する(S25)。

0034

なお、所定時間区間内の入力情報の系列に占めるターゲット音5に対応している入力情報の割合の代わりに、所定時間区間内の入力情報の系列に占める基準音6に対応している入力情報の割合を用いても良い。この場合は、評価値計算部25は求めた割合が所定比よりも大きい場合には「基準音6が多くタップされたことを示す情報」を制御部22に出力する。一方、評価値計算部25は求めた割合が所定比よりも小さい場合には「ターゲット音5が多くタップされたことを示す情報」を制御部22に出力する。また、評価値計算部25は求めた割合が所定比と同じである場合には、そのときの基準音6の音圧レベルを制御部22から取得して、聴覚的顕著性レベル(聴覚的顕著性の評価値)として出力する(S25)。

0035

あるいは評価値計算部25は、所定時間区間内の入力情報の系列に占める基準音6に対応している入力情報の割合の代わりに、所定時間区間内の入力情報の系列に占める基準音6に対応している入力情報の数とターゲット音5に対応している入力情報の数の比を用いても良い。

0036

<従来方法との比較>
音に合わせてタッピングする方法で評価をする技術として、参考非特許文献1〜3等の技術が知られている。参考非特許文献1は、左右のに基準音とターゲット音をそれぞれ呈示し、ターゲット音に合わせてタッピングするよう指示する。このときに、ターゲット音に対するタップが基準音によって妨害される音圧レベルを求める。左右の耳に呈示する音を入れ替えて同様の実験を行い、左右の耳のそれぞれの妨害音の音圧レベルの差によって、左右耳優位性を測定することを目的としたものである。

0037

参考非特許文献2は、本発明と同様に基準音とターゲット音を呈示するが、ターゲット音に合わせてタッピングするよう指示する。そして、基準音の呈示タイミングを徐々にターゲット音の呈示タイミングに近づけていき、ターゲット音に対するタップが基準音によって妨害される妨害音の呈示タイミングを求める。これは、聴覚フィードバックにおける遅延量(時間)ごとの同時性を測定することを目的としたものである。以上の技術は、『基準音とターゲット音という2種類の音のうち、いずれか一方の音に合わせてタッピングする』という点では共通するが、目的が全く異なる。

0038

参考非特許文献1は、左右耳の優位性を測定するためには、左右の耳にそれぞれ異なる音を呈示しなければならず、本発明のように左右耳に同じくターゲット音も基準音も聞こえるようにしてしまうと、左右耳の優位性を測定するという目的を達成することはできない。また、参考非特許文献2、3は、ターゲット音に対するタップが基準音によって妨害される妨害音の呈示タイミング、すなわち時間差を求めるものである。このような時間差と聴覚顕著性には明確な相関関係がないので、時間差から聴覚顕著性の指標を得ることは難しい。

実施例

0039

また、いずれの技術もターゲット音に合わせてタッピングするように指示することで、ターゲット音にタップを合わせようとするバイアスがかかってしまい、このバイアスが顕著性の指標をぼかしてしまう可能性がある。これに対し、本発明は聴覚顕著性を測ることを目的として、基準音とターゲット音のうちタッピングしやすい方に合わせてタップしてもらう構成により、聴取者に教示を与えなくとも(どちらかに合わせてタップさえしてもらえれば)顕著性を測定できる。また、教示を与えないことで、より客観的指標値を得ることができる。
(参考非特許文献1)Tsunoda (1975) “Functional Differences Between Right- and Left-Cerebral Hemispheres Detected by the Key-TappingMethod”
(参考非特許文献2)Aschersleben & Prinz (1997) “Delayed Auditory Feedback in Synchronization”
(参考非特許文献3)Finney & Warren (2002) “Delayed auditory feedback and rhythmic tapping: Evidence for a critical interval shift”

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