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技術 現像装置及びこれを備えた画像形成装置

出願人 株式会社リコー
発明者 濱口昌也中村均
出願日 2013年10月15日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2013-214949
公開日 2015年4月23日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2015-079059
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における磁気ブラシ現像 電子写真における現像一般;現像バイアス 電子写真における乾式現像
主要キーワード スライド移動速度 交番電圧印加 印加周期 各端子孔 ユニット状 効果確認 波形部分 高速度カメラ
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図面 (16)

課題

現像領域内でトナー往復運動させる交番電圧現像方式において生じ得る画像濃度ムラを抑制することを課題とする。

解決手段

現像剤中のトナーを往復運動させながら現像剤担持体側から潜像担持体側へ移動させる交番電界を現像領域に形成するために、現像剤担持体に交番電圧を印加する現像装置において、現像方向極性をもち上記交番電圧における現像波形部分C2よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い現像狭幅波形C1、及び、非現像方向の極性をもち上記交番電圧における非現像波形部分D2よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い非現像狭幅波形D1のうちの少なくとも一方である狭幅波形を、該交番電圧の波形に対する相対位置が時間変化するように該交番電圧の波形に含ませた電圧を、上記現像剤担持体に印加する。

概要

背景

電子写真方式を採用した複写機プリンタ等の画像形成装置においては、潜像担持体の表面を帯電装置によって一様に帯電した後、潜像担持体の表面に像光照射して静電潜像を形成し、この静電潜像上にトナー像を形成することにより、現像を行っている。このトナー像は、転写装置によって用紙等の記録媒体中間転写体上に転写され、さらに紙面上へ転写される。これまで、現像方式については種々の方法が検討されてきた。具体的には、直流電圧現像方式、交番電圧現像方式があり、直流交流それぞれで発揮される現像剤特性の違いを利用し、高画質を目指してきた。また、使用される現像剤の種類にも一成分、二成分があり、現像領域で現像剤を潜像担持体表面に接触させるか非接触にするかの違いもある。それ以外にも、潜像担持体、現像剤担持体に特徴を持たせ、新規な現像方式を開発し、それら現像剤特性などと現像方式を組み合わせることで、複写機、プリンタの性能を充足させる機能を持たせてきた。この中でも特に、現像方式として用いられてきた交番電圧現像方式には、以下のような技術が知らされている。

特許文献1には、現像バイアスに用いる交番電圧の周波数f及びピークツウピーク電圧Vppを大きくすることにより交番電圧現像方式のメリットを維持しつつ、画像の荒れ二成分現像剤ドラムへの飛散などのデメリットを抑制した画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、現像スリーブ印加する交番電圧の周波数を4[kHz]以上7[kHz]以下の範囲のいずれかの値とし、この交番電圧のピークツウピーク電圧を1.5[kV]以上2.5kV[kV]の範囲のいずれかの値とすることが開示されている。

また、特許文献2には、周波数fが5[kHz]<f<15[kHz]である現像バイアスの交流成分の振動振幅Vpp(kV)が徐々に減少するような電圧波形周期的に印加することで、地汚れ及び後端抜けの発生を抑制することを目的とした画像形成装置が開示されている。この特許文献2には、効果確認実験で、現像バイアスの交流成分の周波数fを0[kHz]≦f≦20[kHz]の範囲で振ったときの地汚れ、後端抜け、粒状性についての評価結果が開示されている。その開示内容によれば、地汚れに関しては、周波数fが20[kHz]に向かって高まるほど評価結果が改善されることが示されているが、後端抜けと粒状性に関しては、周波数fが20[kHz]に向かって高まるほど評価結果が悪化することが示されている。

概要

現像領域内でトナー往復運動させる交番電圧現像方式において生じ得る画像濃度ムラを抑制することを課題とする。現像剤中のトナーを往復運動させながら現像剤担持体側から潜像担持体側へ移動させる交番電界を現像領域に形成するために、現像剤担持体に交番電圧を印加する現像装置において、現像方向極性をもち上記交番電圧における現像波形部分C2よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い現像狭幅波形C1、及び、非現像方向の極性をもち上記交番電圧における非現像波形部分D2よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い非現像狭幅波形D1のうちの少なくとも一方である狭幅波形を、該交番電圧の波形に対する相対位置が時間変化するように該交番電圧の波形に含ませた電圧を、上記現像剤担持体に印加する。

目的

また、特許文献2には、周波数fが5[kHz]<f<15[kHz]である現像バイアスの交流成分の振動振幅Vpp(kV)が徐々に減少するような電圧波形を周期的に印加することで、地汚れ及び後端抜けの発生を抑制することを目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

現像剤を表面に担持し、潜像担持体に対して対向配置される現像剤担持体と、上記潜像担持体と上記現像剤担持体とが対向する現像領域に、現像剤中のトナー往復運動させながら現像剤担持体側から潜像担持体側へ移動させる交番電界を形成するために、該現像剤担持体に交番電圧印加する交番電圧印加手段とを有する現像装置において、上記交番電圧印加手段は、トナーを現像剤担持体側から潜像担持体側へ移動させる現像方向極性をもち、上記交番電圧における該現像方向の波形部分よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い現像狭幅波形、及び、トナーを潜像担持体側から現像剤担持体側へ移動させる非現像方向の極性をもち、上記交番電圧における該非現像方向の波形部分よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い非現像狭幅波形のうちの少なくとも一方である狭幅波形を、該交番電圧の波形に対する相対位置が時間変化するように該交番電圧の波形に含ませた電圧を、上記現像剤担持体に印加することを特徴とする現像装置。

請求項2

請求項1の現像装置において、上記交番電圧印加手段は、所定の周波数範囲内で上記交番電圧の周波数と異なる周波数で上記狭幅波形を周期的に該交番電圧に含ませた電圧を、上記現像剤担持体に印加することを特徴とする現像装置。

請求項3

請求項1又は2の現像装置において、上記狭幅波形の時間幅は、上記交番電圧における上記現像方向の波形部分又は上記非現像方向の波形部分の時間幅の50%以下であることを特徴とする現像装置。

請求項4

請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置において、上記トナーは、体積平均粒径が4[μm]以上7[μm]以下であることを特徴とする現像装置。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置において、上記キャリア体積固有抵抗値が1.0×108[Ω・cm]以上1.0×1010[Ω・cm]以下であることを特徴とする現像装置。

請求項6

請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置において、上記交番電圧は、上記現像領域内でトナーを0.3[μm]以上30[μm]以下の振幅で往復運動するように設定されていることを特徴とする現像装置。

請求項7

潜像担持体と、該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像にトナーを付着させる現像処理を行う現像手段とを有し、該現像処理によって該潜像担持体上に形成されたトナー像を最終的に記録材転移させて、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記現像手段として、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、トナー往復運動させながら現像剤担持体側から潜像担持体側へ移動させる交番電界現像領域に形成して現像処理を行う現像装置及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。

背景技術

0002

電子写真方式を採用した複写機プリンタ等の画像形成装置においては、潜像担持体の表面を帯電装置によって一様に帯電した後、潜像担持体の表面に像光照射して静電潜像を形成し、この静電潜像上にトナー像を形成することにより、現像を行っている。このトナー像は、転写装置によって用紙等の記録媒体中間転写体上に転写され、さらに紙面上へ転写される。これまで、現像方式については種々の方法が検討されてきた。具体的には、直流電圧現像方式、交番電圧現像方式があり、直流交流それぞれで発揮される現像剤特性の違いを利用し、高画質を目指してきた。また、使用される現像剤の種類にも一成分、二成分があり、現像領域で現像剤を潜像担持体表面に接触させるか非接触にするかの違いもある。それ以外にも、潜像担持体、現像剤担持体に特徴を持たせ、新規な現像方式を開発し、それら現像剤特性などと現像方式を組み合わせることで、複写機、プリンタの性能を充足させる機能を持たせてきた。この中でも特に、現像方式として用いられてきた交番電圧現像方式には、以下のような技術が知らされている。

0003

特許文献1には、現像バイアスに用いる交番電圧の周波数f及びピークツウピーク電圧Vppを大きくすることにより交番電圧現像方式のメリットを維持しつつ、画像の荒れ二成分現像剤ドラムへの飛散などのデメリットを抑制した画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、現像スリーブ印加する交番電圧の周波数を4[kHz]以上7[kHz]以下の範囲のいずれかの値とし、この交番電圧のピークツウピーク電圧を1.5[kV]以上2.5kV[kV]の範囲のいずれかの値とすることが開示されている。

0004

また、特許文献2には、周波数fが5[kHz]<f<15[kHz]である現像バイアスの交流成分の振動振幅Vpp(kV)が徐々に減少するような電圧波形周期的に印加することで、地汚れ及び後端抜けの発生を抑制することを目的とした画像形成装置が開示されている。この特許文献2には、効果確認実験で、現像バイアスの交流成分の周波数fを0[kHz]≦f≦20[kHz]の範囲で振ったときの地汚れ、後端抜け、粒状性についての評価結果が開示されている。その開示内容によれば、地汚れに関しては、周波数fが20[kHz]に向かって高まるほど評価結果が改善されることが示されているが、後端抜けと粒状性に関しては、周波数fが20[kHz]に向かって高まるほど評価結果が悪化することが示されている。

発明が解決しようとする課題

0005

このような交番電圧現像方式を採用した画像形成装置においては、当該画像形成装置内の現像装置に具備された現像剤担持体と潜像担持体とが、製造時の誤差範囲内で僅かに偏心しており、現像剤担持体と潜像担持体との軸間距離が変動することがある。軸間距離の変動は、現像領域内に印加した交番電圧による現像電界を変化させるため、トナー挙動を変化させ、画像濃度ムラを生じさせる。具体的には、トナーを現像剤担持体側から潜像担持体側へ移動させる現像方向波形部分(現像波形部分)の作用を相対的に多く受けて現像される画像部分と、トナーを潜像担持体側から現像剤担持体側へ移動させる非現像方向の波形部分(非現像波形部分)の作用を相対的に多く受けて現像される画像部分とが存在する。このとき、現像波形部分の作用を相対的に多く受けて現像された画像部分では画像濃度が高く、逆に非現像波形部分の作用を相対的に多く受けて現像された画像部分では画像濃度が低くなる。このような高画像濃度の画像部分と低画像濃度の画像部分が人間の知覚しやすい周波数で繰り返し発生すると、画像濃度ムラの問題が生じる。

0006

本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、現像領域内でトナーを往復運動させる交番電圧現像方式において生じ得る画像濃度ムラを抑制できる現像装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、本発明は、現像剤を表面に担持し、潜像担持体に対して対向配置される現像剤担持体と、上記潜像担持体と上記現像剤担持体とが対向する現像領域に、現像剤中のトナーを往復運動させながら現像剤担持体側から潜像担持体側へ移動させる交番電界を形成するために、該現像剤担持体に交番電圧を印加する交番電圧印加手段とを有する現像装置において、上記交番電圧印加手段は、トナーを現像剤担持体側から潜像担持体側へ移動させる現像方向の極性をもち、上記交番電圧における該現像方向の波形部分よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い現像狭幅波形、及び、トナーを潜像担持体側から現像剤担持体側へ移動させる非現像方向の極性をもち、上記交番電圧における該非現像方向の波形部分よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い非現像狭幅波形のうちの少なくとも一方である狭幅波形を、該交番電圧の波形に対する相対位置が時間変化するように該交番電圧の波形に含ませた電圧を、上記現像剤担持体に印加することを特徴とする。

発明の効果

0008

上より、本発明によれば、現像領域内でトナーを往復運動させる交番電圧現像方式において生じ得る画像濃度ムラを抑制できるという優れた効果が得られる。

図面の簡単な説明

0009

実施形態の複写機の概略構成図である。
同複写機の現像装置の概略構成を示す模式図である。
同現像装置と複写機本体に設けられる電源部とを示す斜視図である。
図3中符号Aで示す現像装置と電源部との接続箇所を拡大した拡大視図である。
交番電圧の波形に対する非狭幅波形の相対位置を時間変化させたときのある時期における電圧波形の一例を示すグラフである。
交番電圧の波形に対する非狭幅波形の相対位置を時間変化させたときの他の時期における電圧波形の一例を示すグラフである。
交番電圧の現像波形部分の先頭箇所に現像狭幅波形が含まれる電圧波形の例を示すグラフである。
交番電圧の非現像波形部分の先頭箇所に非現像狭幅波形が含まれる電圧波形の例を示すグラフである。
実験例1で用いた装置例2の電源部を示す説明図である。
実験例1で用いた装置例3の電源部を示す説明図である。
実験例1で用いた装置例4の電源部を示す説明図である。
実験例1で用いた実験装置概要を示す模式図である。
実験例2の実験結果を示すグラフである。
実験例3における画像濃度ムラの評価結果を示すグラフである。
実験例3における地汚れの評価結果を示すグラフである。

実施例

0010

以下、本発明を、画像形成装置としての複写機に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の複写機500の概略構成図である。
複写機500は、複写装置本体(以下「プリンタ部」という。)100、給紙テーブル(以下「給紙部」という。)200及びプリンタ部100上に取り付けるスキャナ(以下「スキャナ部」という。)300から構成される。

0011

プリンタ部100は、4つのプロセスユニットとしてのプロセスカートリッジ1Y,1M,1C,1K、複数の張架ローラ張架されて図1中の矢印A方向に移動する中間転写体としての中間転写ベルト7、露光手段としての露光装置6、定着手段としての定着装置12等を備えている。4つのプロセスカートリッジ1の、符号の後に付されたY、M、C、Kという添字は、イエローマゼンタシアン黒用仕様であることを示している。4つのプロセスカートリッジ1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、以下、K、Y、M、Cという添字を省略して説明する。

0012

プロセスカートリッジ1は、潜像担持体である感光体2、帯電手段である帯電部材3、現像手段である現像装置4、及び、クリーニング手段である感光体クリーニング装置5を一体的に支持してユニット状とした構成となっている。各プロセスカートリッジ1は、それぞれの不図示のストッパー解除することにより、複写機500本体に対して着脱可能となっている。

0013

感光体2は、図中の矢印で示すように、図中の時計周り方向に回転する。帯電部材3は、ローラ状の帯電ローラであり、感光体2の表面に圧接されており、感光体2の回転により従動回転する。作像時には、帯電部材3には図示しない高圧電源により所定のバイアスが印加され、感光体2の表面を帯電する。本実施形態のプロセスカートリッジ1は、帯電手段として、感光体2の表面に接触するローラ状の帯電部材3を用いているが、帯電手段としてはこれに限るものではなく、コロナ帯電などの非接触帯電方式を用いてもよい。

0014

露光装置6は、潜像形成手段として機能し、スキャナ部300で読み込んだ原稿画像画像情報またはパーソナルコンピュータ等の外部装置から入力される画像情報に基づいて、感光体2の表面に対して露光し、感光体2の表面に静電潜像を形成する。プリンタ部100が備える露光装置6は、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でも良い。感光体クリーニング装置5は、中間転写ベルト7と対向する位置を通過した感光体2の表面上に残留する転写残トナーのクリーニングを行う。

0015

4つのプロセスカートリッジ1は、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナー像を感光体2上に形成する。4つのプロセスカートリッジ1は、中間転写ベルト7の表面移動方向に並列に配設され、それぞれの感光体2上に形成されたトナー像を中間転写ベルト7に順に重ね合わせるように転写し、中間転写ベルト7上に可視像を形成する。

0016

図1において、各感光体2に対して中間転写ベルト7を挟んで対向する位置には一次転写手段としての一次転写ローラ8が配置されている。一次転写ローラ8には不図示の高圧電源により一次転写バイアスが印加され、感光体2との間で一次転写電界を形成する。感光体2と一次転写ローラ8との間で一次転写電界が形成されることにより、感光体2の表面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト7の表面に転写される。中間転写ベルト7を張架する複数の張架ローラのうちの1つが不図示の駆動モータによって回転することによって中間転写ベルト7が図中の矢印A方向に表面移動する。表面移動する中間転写ベルト7の表面上に各色のトナー像が順次重ねて転写されることによって、中間転写ベルト7の表面上にフルカラー画像が形成される。

0017

4つのプロセスカートリッジ1が中間転写ベルト7と対向する位置に対して、中間転写ベルト7の表面移動方向下流側には、張架ローラの1つである二次転写対向ローラ9aに対して中間転写ベルト7を挟んで対向する位置に二次転写ローラ9が配置され、中間転写ベルト7との間で二次転写ニップを形成する。二次転写ローラ9と二次転写対向ローラ9aとの間に所定の電圧を印加して二次転写電界を形成する。給紙部200から給紙され、図1中の矢印S方向に搬送される記録材である記録紙Pが二次転写ニップを通過する際に、中間転写ベルト7の表面上に形成されたフルカラー画像が、二次転写ローラ9と二次転写対向ローラ9aとの間に形成された二次転写電界によって記録紙Pに転写される。

0018

二次転写ニップに対して記録紙Pの搬送方向下流側に、定着装置12が配置されている。二次転写ニップを通過した記録紙Pは定着装置12に到達し、定着装置12における加熱及び加圧によって記録紙P上に転写されたフルカラー画像が定着され、画像が定着された記録紙Pは複写機500の装置外に出力される。一方、二次転写ニップで記録紙Pに転写されず中間転写ベルト7の表面上に残留したトナーは、転写ベルトクリーニング装置11によって回収される。

0019

図1に示すように、中間転写ベルト7の上方には、各色トナーを収容するトナーボトル400Y,400M,400C,400Kが複写機500本体に対して着脱可能に配置されている。各色トナーボトル400に収容されたトナーは、各色に対応する不図示のトナー補給装置によって、各色の現像装置4に供給される。

0020

図2は、本実施形態の現像装置4の概略構成を示す模式図であり、図1中の紙面奥側から見た断面図である。
図3は、現像装置4と複写機500本体に設けられる電源部510とを示す斜視図である。
図4は、図3中符号Aで示す現像装置4と電源部510との接続箇所を拡大した拡大視図である。
現像装置4には、現像剤担持体としての2つの現像ローラ42A,42Bと、ドクタブレード45、攪拌パドル46、搬送スクリュー48、トナー濃度センサ49等が設けられている。これらの構成部材を収容する現像ケース41は、感光体2と対向する箇所が開口しており、その開口を介して、感光体2の表面と2つの現像ローラ42A,42Bとが対向するように構成されている。本実施形態では、現像ケース41内に収容されている現像剤43として、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いているが、トナーからなる一成分現像剤を用いてもよい。現像ケース41内の現像剤43は、攪拌パドル46や搬送スクリュー48によって攪拌される。

0021

現像ケース41内の現像剤43は、現像ローラ42A,42Bの内部に設置されている磁界発生手段としてのマグネットローラ磁力によって表面に担持され、各現像ローラ42A,42Bの回転駆動により、各現像ローラと感光体2とが対向して現像処理が行われるそれぞれの現像領域へ搬送される。第1現像ローラ42A上の現像剤43は、ドクタブレード45によって所定量に規制された後に第1現像領域へ搬送され、現像処理に用いられる。その後、現像領域を通過した第1現像ローラ42A上の現像剤43は、第1現像ローラ42Aと第2現像ローラ42Bとが対向する箇所で第2現像ローラ42B側へ受け渡される。そして、第2現像ローラ42Bの回転駆動により第2現像領域へ搬送され、再び現像処理に用いられる。

0022

プロセスカートリッジ1の複写機500本体への装着に伴い、そのプロセスカートリッジ1内の現像装置4の電源入力端子44A,44Bは、複写機500本体における電源部510の各端子孔511A,511Bに挿入される。これにより、現像装置4の電源入力端子44A,44Bは、複写機500本体の電源部510の電源出力端子512に接触し、電気的に接続される。この電源出力端子512には、電源ケーブル513を介して、直流電圧印加用のDC電源514及び交番電圧印加用のAC電源515が接続されている。

0023

DC電源514及びAC電源515によって印加される交番電圧の波形は、トナーを現像ローラ42A,42B側から感光体2側へ移動させる現像方向の極性をもつ現像波形部分と、トナーを感光体2側から現像ローラ42A,42B側へ移動させる非現像方向の極性をもつ非現像波形部分とが、交番電圧の周波数に応じて交互に存在する。本実施形態では、正規帯電極性マイナス極性であるトナーを用いるので、マイナス極性となる波形部分(図5中実線で囲った部分)が非現像波形部分であり、プラス極性となる波形部分(図5中破線で囲った部分)が現像波形部分である。

0024

また、本実施形態においては、DC電源514及びAC電源515によって印加される交番電圧における現像波形部分よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い現像方向の極性をもった現像狭幅波形、及び、同交番電圧における非現像波形部分よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い非現像方向の極性をもった非現像狭幅波形のうちの少なくとも一方の狭幅波形を、上記交番電圧の波形に含ませるためのパルス電源517を有している。

0025

本実施形態において、パルス電源517には制御ボックス516が接続されている。制御ボックス516から出力される制御信号により、パルス電源517から出力される狭幅波形電圧の波形を変化させることができる。詳しくは、パルス電源517から出力される狭幅波形電圧によって交番電圧の波形に含ませる現像狭幅波形や非現像狭幅波形の位置(当該交番電圧の波形に対する相対位置)を時間変化させるような制御信号を制御ボックス516から出力する。本実施形態では、DC電源514、AC電源515、パルス電源517及び制御ボックス516によって、交番電圧印加手段が構成されている。なお、2つの現像ローラ42A,42Bには、同じ現像電圧が印加される。

0026

図5は、本実施形態において、電源部510から出力される電圧波形の一例を示すグラフである。
図5に示す電圧波形例においては、図5中破線で囲った部分に示すように、現像波形部分の先頭箇所に、その現像波形部分の残り箇所(交番電圧の現像波形部分)C2よりも絶対値が大きい電圧値となっている狭幅波形部分(現像狭幅波形)C1が存在する。この現像狭幅波形C1は、パルス電源517により印加される狭幅波形電圧によって交番電圧の現像波形部分に含ませたものである。また、本実施形態においては、図5中実線で囲った部分に示すように、非現像波形部分の先頭箇所に、その非現像波形部分の残り箇所(交番電圧の非現像波形部分)D2よりも絶対値が大きい電圧値となっている狭幅波形部分(非現像狭幅波形)D1が存在する。この非現像狭幅波形D1は、パルス電源517により印加される狭幅波形電圧によって交番電圧の非現像波形部分に含ませたものである。

0027

図5に示す波形例の具体的な内容は以下のとおりである。
DC電源514及びAC電源515によって印加される交番電圧の周波数は20.1[kHz]である。まず、0.000048秒から0.0000544秒までの間は、パルス電源517による狭幅波形電圧の非現像狭幅波形が存在し、+2[kV]のプラス極性の電圧が印加される。その後、交番電圧の非現像波形部分(+500[V])の電圧値に戻り、さらに0.0000729秒から0.0000799秒までの間は、パルス電源517による狭幅波形電圧の現像狭幅波形が存在して、−2[kV]のマイナス極性の電圧が印加される。その後、交番電圧の現像波形部分(−1[kV])の電圧値に戻る。

0028

ここで、交番電圧の波形にパルス電源517による狭幅波形が含まれない場合、すなわち、DC電源514及びAC電源515による交番電圧のみを印加した場合を考えると、当該交番電圧の周期で同じ電圧波形が繰り返し印加されることになる。この場合、現像波形部分(現像狭幅波形電圧を含む)の作用を相対的に多く受けて現像された画像部分と、非現像波形部分(非現像狭幅波形電圧を含む)の作用を相対的に多く受けて現像された画像部分とが、周期的に発生しやすい。この周期が人間の知覚しやすい周波数に相当するものであると、高画像濃度の画像部分と低画像濃度の画像部分が当該周波数で繰り返し発生し、画像濃度ムラを引き起こすことになる。これは、交番電圧の波形に対して常に同じ位置に狭幅波形が含まれるような電圧を印加する場合も、同様である。

0029

そこで、本実施形態においては、上述したとおり、交番電圧の波形に含ませる現像狭幅波形や非現像狭幅波形の位置(当該交番電圧の波形に対する相対位置)を時間変化させるようにしている。本実施形態では、一例として、交番電圧の波形に含ませる非現像狭幅波形D1の位置を時間変化させ、現像狭幅波形C1の位置は交番電圧の現像波形部分の先頭箇所に固定した電圧を印加する。このような電圧は、ある時期には、図5に示すように非現像狭幅波形D1が交番電圧の非現像波形部分の先頭箇所に位置する波形を示すが、別の時期には、例えば、図6に示すように非現像狭幅波形D1が交番電圧の現像波形部分の後端付近(非現像波形部分の直前付近)に位置する波形を示す。

0030

このような電圧を印加することで、交番電圧の周期で同じ波形の電圧が繰り返し印加されるという事態が生じなくなる。よって、現像波形部分(現像狭幅波形電圧を含む)の作用を相対的に多く受けて現像された画像部分と、非現像波形部分(非現像狭幅波形電圧を含む)の作用を相対的に多く受けて現像された画像部分とが周期的に発生するという事態が生じにくくなる。その結果、画像濃度ムラが抑制される。

0031

なお、交番電圧の周期で同じ波形の電圧が繰り返し印加されるという事態が生じなくなればよいので、交番電圧の波形に対する相対位置を時間変化させる狭幅波形は、非現像狭幅波形であっても、現像狭幅波形であっても、その両方であってもよい。

0032

また、本実施形態のように交番電圧の波形に狭幅波形を含ませた電圧を印加する場合、このような狭幅波形電圧が含まれていない交番電圧のみを印加する場合と比較して、現像効率の向上及び地汚れの低減を図ることが可能である。以下、このような効果を生み出す狭幅波形の機能について説明する。なお、現像狭幅波形と非現像狭幅波形とでは、その機能が異なることから、これらの狭幅波形を区別して説明する。

0033

図7は、交番電圧の現像波形部分の先頭箇所に現像狭幅波形が含まれる電圧波形の例を示すグラフである。なお、この電圧波形には、非現像狭幅波形が含まれていない。
図7中破線で囲った波形部分では、潜像電位Vl(=−60[V])に対して現像ローラ42A,42Bに印加される電圧値がマイナス極性側となるので、それらの電位差に応じた強さの現像電界が現像領域に形成される。現像狭幅波形C1が交番電圧の現像波形部分の先頭箇所に存在すると、その現像狭幅波形C1では、交番電圧の現像波形部分C2と比べて、潜像部電位Vlとの電位差が大きいものとなる。よって、このような現像狭幅波形C1が印加されたときの現像電界は、交番電圧の現像波形部分C2が印加されたときの現像電界よりも強いので、より多くのトナーを感光体2側へ移動させることができる。したがって、現像狭幅波形が交番電圧の現像波形部分に重畳するタイミングで印加されるように設定することで、現像効率の向上を図ることができる。

0034

ここで、仮に、交番電圧の現像波形部分全体の電圧値を現像狭幅波形C1と同じ電圧値(−2[kV])に設定した場合、現像効率は向上するものの、感光体2上の地肌部に付着するトナーの量も増大し、地汚れが悪化する。また、現像領域内に放電が生しやすくなるので、トナーに帯電異常が生じて、ベタの埋まり、輝度エッジ再現性などの評価を悪化させたり、感光体2を劣化させたりする。したがって、現像狭幅波形C1の時間幅は、好ましくは、交番電圧の現像波形部分(C1+C2)の時間幅(印加時間)の50%以下の時間幅(印加時間)となるように設定する。

0035

このような現像効率の向上は、現像狭幅波形C1が、交番電圧の現像波形部分、特に現像波形部分の先頭箇所に部分的に存在するように設定するのが効果的である。そして、このような現像効率の向上は、上述した3つの評価、すなわち、ベタの埋まり、輝度、エッジ再現性を良好にする効果がある。したがって、現像狭幅波形C1が交番電圧の現像波形部分の先頭箇所に位置するような電圧が印加されることで、これらの3つの評価を更に高めることが可能となる。なお、現像狭幅波形C1を存在させることによる効果は、交番電圧が20[kHz]以上60[kHz]以下の周波数範囲であることが好ましいが、この周波数範囲には限られない。

0036

図8は、交番電圧の非現像波形部分の先頭箇所に非現像狭幅波形が含まれる電圧波形の例を示すグラフである。なお、この電圧波形には、現像狭幅波形が含まれていない。
図8中実線で囲った非現像波形部分では、潜像部電位Vl(=−60[V])に対して現像ローラ42A,42Bに印加される電圧値がプラス極性側となるので、それらの電位差に応じた強さの非現像電界(トナーを感光体側から現像ローラ側へ戻す電界)が現像領域に形成される。非現像狭幅波形D1が交番電圧の非現像波形部分の先頭箇所に存在すると、その非現像狭幅波形D1では、交番電圧の非現像波形部分D2と比べて、潜像部電位Vlとの電位差が大きいものとなる。よって、このような非現像狭幅波形D1が印加されたときの非現像電界は、交番電圧の非現像波形部分D2が印加されたときの非現像電界よりも強いので、より多くのトナーを感光体2側から現像ローラ42A,42B側へ戻すことができる。したがって、非現像狭幅波形が交番電圧の非現像波形部分に重畳するタイミングで印加されるように設定することで、地肌部に付着したトナーをより多く現像ローラ側へ回収することができ、地汚れを改善できる。

0037

ここで、仮に、交番電圧の非現像波形部分全体の電圧値を非現像狭幅波形D1と同じ電圧値(+2[kV])に設定した場合、地汚れは改善するものの、現像領域内に放電が生しやすくなるので、トナーに帯電異常が生じ、ベタの埋まり、輝度、エッジ再現性などの評価を悪化させたり、感光体2を劣化させたりする。したがって、非現像狭幅波形D1の時間幅は、好ましくは、交番電圧の非現像波形部分(D1+D2)の時間幅(印加時間)の50%以下の時間幅(印加時間)となるように設定する。

0038

このような地汚れの改善は、非現像狭幅波形D1が、交番電圧の非現像波形部分、特に非現像波形部分の先頭箇所に部分的に存在するように設定するのが効果的である。このような地汚れの改善は、交番電圧が20[kHz]以上60[kHz]以下の周波数範囲であることが好ましいが、この周波数範囲には限られない。

0039

〔実験例1〕
ここで、交番電圧現像方式における画像濃度ムラ及び地汚れの抑制効果を確認するための実験例(以下、本実験例を「実験例1」という。)について説明する。
本実験例1は、電源部510の構成が異なる4つの装置例について、画像濃度ムラと地汚れの評価を行った。

0040

この実験例1で用いた装置例1は、図3に示したものである。詳しくは、制御ボックス516により、交番電圧の波形に対して位置が時間変化する現像狭幅波形及び非現像狭幅波形が含まれる電圧を現像ローラに印加するものである。

0041

また、この実験例1で用いた装置例2は、図9に示したものである。詳しくは、制御ボックス516により、交番電圧の波形に対して位置が時間変化する現像狭幅波形及び非現像狭幅波形が含まれる電圧を現像ローラに印加する点は、装置例1と同じである。ただし、トナー濃度センサ49による現像装置内の現像剤中のトナー濃度に応じて、現像狭幅波形及び非現像狭幅波形のピーク電圧を変更する制御が加わっている点で、装置例1とは異なっている。この制御では、トナー濃度が高い場合には現像狭幅波形及び非現像狭幅波形のピーク電圧を低くし、トナー濃度が低い場合には現像狭幅波形及び非現像狭幅波形のピーク電圧を高くするという制御を行う。具体的には、トナー濃度が所定の閾値よりも高い場合は、現像狭幅波形及び非現像狭幅波形のピーク電圧を1.5[kV]とし、トナー濃度が所定の閾値よりも低い場合は、現像狭幅波形及び非現像狭幅波形のピーク電圧を2.0[kV]とする制御を行う。

0042

また、この実験例1で用いた装置例3は、図10に示したものである。詳しくは、装置例1の電源部からDC電源514を取り外した上で、交番電圧の波形に対して位置が時間変化する現像狭幅波形及び非現像狭幅波形が含まれる電圧を現像ローラに印加するものである。

0043

また、この実験例1で用いた装置例4は、図11に示したものである。詳しくは、装置例1の電源部からAC電源515を取り外した上で、交番電圧の波形に対して位置が時間変化する現像狭幅波形及び非現像狭幅波形が含まれる電圧を現像ローラに印加するものである。

0044

図12は、本実験例1で用いた実験装置600の概要を示す模式図である。
この実験装置600は、透明なガラス基板601a上に透明電極であるITO(Indium Tin Oxide)601bを蒸着して擬似的な潜像を形成できるように構成された疑似感光体601と、ITO601bに電圧を印加するための電極602、高速度カメラ603、現像ユニット604などで構成されている。本実施形態の現像装置4は、2つの現像ローラ42A,42Bを備えた構成であり、本実験装置600の現像ユニット604は、単一の現像ローラ642を備えた構成であるが、その他の基本構成は同様のものである。現像ユニット604は、その現像ローラ642が疑似感光体601と対向配置するように、固定台605上に固定配置されている。

0045

疑似感光体601及び高速度カメラ603は、移動台606に支持されている。この移動台606は、ITO601bが蒸着された疑似感光体601の表面が現像ローラ642との対向位置を通過するように、図中上下方向へスライド移動可能に構成されている。高速度カメラ603は、疑似感光体601の裏面(ITO601bが蒸着された表面と反対側の面)から疑似潜像部に付着するトナーを撮像する位置に配置されている。

0046

本実験では、まず、疑似感光体601及び高速度カメラ603を支持する移動台606を図中下方へ移動させる。また、疑似感光体601の疑似潜像部には−60Vの直流電圧を印加して疑似潜像部電位Vlを−100Vとした。その後、現像ローラ642に本実施形態と同様の電圧を印加して現像ユニット604を稼働させるとともに、移動台606を上方に向けてスライド移動させる。このときのスライド移動速度は、本実施形態の感光体2の線速表面移動速度)と同じ速度に設定されている。そして、疑似感光体601上の疑似潜像及び疑似地肌部が現像ローラ642との対向領域(現像領域)を通過した後、その現像状態を高速度カメラ603で観察した。

0047

本実験例1では、各装置例1〜4を用い、ベタ画像の現像を行った際のトナー付着状態から画像濃度ムラを評価した。画像濃度ムラとは、現像されたトナー量の偏りがどの程度かを判定するための指標である。この画像濃度ムラの評価では、現像したベタ画像部中の12[mm]×28[mm](=336[mm2])の表面部分凹凸レーザーマイクロスコープにより測定する。具体的には、トナーが付着した各箇所について地肌部からの高さの差をとり、高さの平均値以下となっている箇所を凹部とし、その凹部の総面積を測定した。この凹部の総面積が少ないほど、画像濃度ムラが良好である。評価方法は、直流電圧のみからなる現像電圧で現像した場合の凹部総面積が336[mm2]中で50[mm2]であったことから、これをランク2.5とし、凹部総面積がゼロになるランクが最高ランクの5.0となるように規格化して、各条件における画像濃度ムラのランク評価を行った。

0048

また、本実験例1では、各装置例1〜4を用い、ベタ画像の現像を行った際のトナー付着状態から地汚れを評価した。地汚れの評価は、地肌部の電位を−350[V]に設定し、各装置例1〜4を用いてベタ画像の現像を行った後に、当該地肌部に付着しているトナーの個数計測した。このトナー個数が少ないほど、地汚れが良好である。評価方法は、直流電圧のみからなる現像電圧で現像した場合に地肌部に付着するトナーの個数をランク3.8とし、地肌部に付着するトナーの個数がゼロになるランクが最高ランクの5.0となるように規格化して、各装置例1〜4における地汚れのランク評価を行った。

0049

本実験例1の実験結果は、下記の表1に示すとおりである。
この表1に示すとおり、いずれの装置例1〜4についても、直流電圧のみからなる現像電圧で現像した場合(DC現像)よりも、画像濃度ムラ及び地汚れは改善されている。ただし、装置例3及び装置例4においては、画像濃度ムラのランクが実用上問題ないレベルと言えるランク4.0を下回っている。

0050

0051

〔実験例2〕
次に、交番電圧現像方式における画像濃度ムラを抑制できる条件を確認するための実験例(以下、本実験例を「実験例2」という。)について説明する。

0052

本実験例2では、上記実験例1と同じ実験装置(電源部には上記装置例1を用いた。)を用い、パルス電源517から出力される現像狭幅波形と非現像狭幅波形の印加周期(周波数)のみを変化させ、それぞれの画像濃度ムラを評価した。本実験例2における主な実験条件は、下記の表2に示すとおりである。なお、潜像電位Vlは−100[V]である。

0053

0054

図13は、本実験例2の実験結果を示すグラフである。
このグラフは、横軸にパルス電源517から出力される現像狭幅波形と非現像狭幅波形の印加周期(周波数)をとり、縦軸に画像濃度ムラについての評価ランクをとったものである。このグラフからわかるように、狭幅波形の周波数が50[kHz]のときにはランク4.6、狭幅波形の周波数が60[kHz]のときにはランク4.2、狭幅波形の周波数が70[kHz]のときにはランク3.0となった。画像濃度ムラのランクが4.0以上であれば、画像濃度ムラは実用上問題ないレベルと言えるため、狭幅波形の周波数は60[kHz]以下であるのが好ましい。

0055

〔実験例3〕
次に、交番電圧現像方式における画像濃度ムラ及び地汚れを抑制できる条件を確認するための実験例(以下、本実験例を「実験例3」という。)について説明する。
本実験例3では、上記実験例1と同じ実験装置(電源部には上記装置例1を用いた。)を用い、パルス電源517から出力される現像狭幅波形と非現像狭幅波形のDuty比のみを変化させ、それぞれの画像濃度ムラ及び地汚れを評価した。なお、ここでいうDuty比とは、交番電圧の現像波形部分の印加時間(時間幅)に対する現像狭幅波形C1の印加時間(時間幅)の比率、交番電圧の非現像波形部分の印加時間(時間幅)に対する非現像狭幅波形D1の印加時間(時間幅)の比率を意味する。本実験例3における主な実験条件は、下記の表3に示すとおりである。なお、潜像電位Vlは−100[V]である。

0056

0057

図14は、本実験例3における画像濃度ムラの評価結果を示すグラフである。
このグラフは、横軸にパルス電源517から出力される現像狭幅波形と非現像狭幅波形のDuty比をとり、縦軸に画像濃度ムラについての評価ランクをとったものである。このグラフからわかるように、画像濃度ムラについては、狭幅波形のDuty比が50[%]以下であれば、実用上問題ないレベルと言える4.0以上のランクを得ることができる。

0058

図15は、本実験例3における地汚れの評価結果を示すグラフである。
このグラフは、横軸にパルス電源517から出力される現像狭幅波形と非現像狭幅波形のDuty比をとり、縦軸に地汚れについての評価ランクをとったものである。このグラフからわかるように、地汚れについても、狭幅波形のDuty比が50[%]以下であれば、実用上問題ないレベルと言える4.0以上のランクを得ることができる。

0059

次に、本実施形態で用いるキャリアについて説明する。
キャリアの体積固有抵抗値が1.0×1019[Ω・cm]だったものを、1.0×108[Ω・cm]以上1.0×1010[Ω・cm]以下の範囲内のものに変更すると、キャリア上からトナーが離脱する個数が30%増加することが確認されている。これは、単位時間あたりにキャリアから離脱するトナーの個数を高速度カメラで可視化・観察したものである。よって、1.0×108[Ω・cm]以上1.0×1010[Ω・cm]以下の範囲内の体積固有抵抗値を有するキャリアを用いることで、より高い現像効率を得ることができる。

0060

次に、本実施形態で用いるトナーについて説明する。
粒径体積平均粒径)が4[μm]以上7[μm]以下の範囲内のトナーを用いた場合と、粒径が4[μm]未満のトナーを用いた場合と、7[μm]より大きいトナーを用いた場合とにおいて、地肌部に付着するトナー(地汚れトナー)の面積率およびトナー飛散量を比較した。トナーの粒径を5[μm]±1[μm]の範囲内とした場合、トナー粒径が4[μm]未満のトナーを用いた場合に比べて、ベタの埋まり及び輝度の評価は5%低下したが、地汚れ及びトナー飛散量の評価はともに30%減少した。また、トナー粒径が7[μm]より大きいトナーを用いた場合に比べて、地汚れ及びトナー飛散量の評価は5%増加し、ベタの埋まり及び輝度の評価も20%向上した。本実施形態では、粒径が5[μm]±1[μm]の範囲内のトナーを用いている。

0061

次に、現像領域内で往復移動するトナーの振幅について説明する。
交番電圧によって現像領域内に形成される電界をEoとし、交番電圧の周波数をfとし、トナーの帯電量をqとすると、現像領域内で往復運動するトナーの見かけ上の振幅Dは、下記の式(1)から計算することができる。
D = q×Eo/(2πf)2 ・・・(1)

0062

現像領域内の電界Eoは、現像ローラ42A,42Bと感光体2との間の距離dと、交番電圧のピークツウピーク電圧Vppとを用いて、下記の式(2)に示す関係式から求めることができる。
Eo = V/d ・・・(2)

0063

トナーの帯電量qは、トナーの半径rから求められる見かけ上の体積Vとトナーの密度ρとから求められる質量m(=V×ρ)と、1g中のトナーの帯電量の総和q’とを用いて、下記の式(3)に示す関係式から求めることができる。
q = q’/m ・・・(3)

0064

このようにして求まるトナーの振幅Dは、上記式(1)より、交番電圧の周波数fの2乗に反比例する関係にあるため、交番電圧の周波数fを高く設定すればするほど、トナーの振幅Dが大幅に小さくなる。上述した実験例の条件において、交番電圧の周波数が2[kHz]である場合、トナーの振幅Dは300[μm]よりも大きく、その周波数が高くなるにつれて徐々に振幅Dが減少することを確認した。ただし、上述した実験例の条件では、現像領域内に形成される非現像電界が現像電界よりも小さいため、上記式(1)より算出されるトナーの振幅Dの値よりも、観測されたトナーの振幅Dの方が小さかった。更に、感光体表面近傍でかつ磁気ブラシが付近に存在する状態であれば、トナーが振動する際の振幅は大きくなった。そして、ベタの埋まりについて特に優良な結果が得られたのは、トナーの振幅Dが0.3[μm]以上、30[μm]以下の範囲内であった。

0065

以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
トナーとキャリアとを含む二成分現像剤等の現像剤を表面に担持し、感光体2等の潜像担持体に対して対向配置される現像ローラ42A,42B等の現像剤担持体と、上記潜像担持体と上記現像剤担持体とが対向する現像領域に、現像剤中のトナーを往復運動させながら現像剤担持体側から潜像担持体側へ移動させる交番電界を形成するために、該現像剤担持体に交番電圧を印加する電源部510等の交番電圧印加手段とを有する現像装置4において、上記交番電圧印加手段は、トナーを現像剤担持体側から潜像担持体側へ移動させる現像方向の極性をもち、上記交番電圧における該現像方向の波形部分C2よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い現像狭幅波形C1、及び、トナーを潜像担持体側から現像剤担持体側へ移動させる非現像方向の極性をもち、上記交番電圧における該非現像方向の波形部分D2よりも絶対値が大きい電圧値を有しかつ時間幅が狭い非現像狭幅波形D1のうちの少なくとも一方である狭幅波形を、該交番電圧の波形に対する相対位置が時間変化するように該交番電圧の波形に含ませた電圧を、上記現像剤担持体に印加することを特徴とする。
交番電圧の波形に狭幅波形が含まれない場合や、交番電圧の波形に対して常に同じ位置に狭幅波形が含まれるような電圧を印加する場合、当該交番電圧の周期で同じ電圧波形が繰り返し印加されることになる。この場合、交番電圧の現像波形部分の作用を相対的に多く受けて現像された画像部分と、交番電圧の非現像波形部分の作用を相対的に多く受けて現像された画像部分とが、周期的に発生しやすい。この周期が人間の知覚しやすい周波数に相当するものであると、高画像濃度の画像部分と低画像濃度の画像部分が当該周波数で繰り返し発生し、画像濃度ムラを引き起こすことになる。
本態様においては、交番電圧の波形に含ませる狭幅波形の位置(当該交番電圧の波形に対する相対位置)が時間変化するので、交番電圧の周期で同じ波形の電圧が繰り返し印加されるという事態が生じなくなる。よって、現像波形部分の作用を相対的に多く受けて現像された画像部分と、非現像波形部分の作用を相対的に多く受けて現像された画像部分とが周期的に発生するという事態が生じにくくなる。その結果、画像濃度ムラが抑制される。

0066

(態様B)
上記態様Aにおいて、上記交番電圧印加手段は、所定の周波数範囲(例えば50[kHz]以下)内で上記交番電圧の周波数(例えば40[kHz])と異なる周波数で上記狭幅波形を周期的に該交番電圧に含ませた電圧を、上記現像剤担持体に印加することを特徴とする。
これによれば、画像濃度ムラをより安定して抑制することができる。

0067

(態様C)
上記態様A又はBにおいて、上記狭幅波形の時間幅は、上記交番電圧における上記現像方向の波形部分又は上記非現像方向の波形部分の時間幅の50%以下であることを特徴とする。
これによれば、画像濃度ムラ及び地汚れをより安定して抑制することができる。

0068

(態様D)
上記態様A〜Cのいずれかの態様において、上記トナーは、体積平均粒径が4[μm]以上7[μm]以下であることを特徴とする。
これによれば、地汚れトナーおよびトナー飛散量を少なくすることができる。

0069

(態様E)
上記態様A〜Dのいずれかの態様において、上記キャリアの体積固有抵抗値が1.0×108[Ω・cm]以上1.0×1010[Ω・cm]以下であることを特徴とする。
これによれば、現像効率を更に向上させることができる。

0070

(態様F)
上記態様A〜Eのいずれかの態様において、上記交番電圧は、上記現像領域内でトナーを0.3[μm]以上30[μm]以下の振幅で往復運動するように設定されていることを特徴とする。
これによれば、上述したように、より安定してベタの埋まり等を向上させることができる。

0071

(態様G)
感光体2等の潜像担持体と、該潜像担持体上に潜像を形成する露光装置6等の潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像にトナーを付着させる現像処理を行う現像手段とを有し、該現像処理によって該潜像担持体上に形成されたトナー像を最終的に記録紙P等の記録材へ転移させて、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記現像手段として、上記態様A〜Fのいずれかの態様に係る現像装置4を用いたことを特徴とする。
これによれば、画像濃度ムラが浴せ4位された良好な画像を形成することができる。

0072

1プロセスカートリッジ
2感光体
3帯電部材
4現像装置
5感光体クリーニング装置
6露光装置
7中間転写ベルト
8一次転写ローラ
9二次転写ローラ
12定着装置
41現像ケース
42A,42B,642現像ローラ
43現像剤
44A,44B電源入力端子
100プリンタ部
200 給紙部
300スキャナ部
400トナーボトル
500複写機
510電源部
511A,511B端子孔
512電源出力端子
513電源ケーブル
514DC電源
515AC電源
516制御ボックス
517パルス電源
600実験装置
601疑似感光体
603高速度カメラ
604現像ユニット
605固定台
606 移動台

先行技術

0073

特開2003−287961号公報
特開2000−347507号公報

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