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技術 下部工の健全性評価方法、下部工の健全性評価装置

出願人 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者 阿部慶太
出願日 2013年10月18日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2013-217005
公開日 2015年4月23日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2015-078553
状態 特許登録済
技術分野 橋または陸橋
主要キーワード 固定支承 長期評価 度評価装置 可動支承 通過状況 振動条件 伸縮変位 起振機
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年4月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

簡易な構成によって、精度よく橋脚健全度を評価することが可能な下部工健全性評価方法および下部工の健全性評価装置を提供する。

解決手段

まず、橋脚3の上面に設置された傾斜センサ9および温度センサ11によって、所定の期間、所定間隔温度情報と橋脚3の傾斜情報を取得する(ステップ101)。この際、傾斜センサ9は、橋軸方向橋軸直角方向の橋脚傾斜情報を検出する。次に、制御部21は、所定の期間内における、温度情報と橋脚傾斜情報との相関を取る(ステップ102)。次に、制御部21は、予め設定された橋脚傾斜変化率基準値を記憶部23から呼びだす。また、制御部21は、得られた橋脚傾斜変化率と基準値とを比較する(ステップ103)。

概要

背景

コンクリート製の構造物については、目視外観発見することのできる欠陥劣化以外に、内部に存在する欠陥等についても発見する必要がある。このため、構造物に振動を付与して、その健全度を判断する方法が採用されている。

このようなコンクリート構造物診断方法としては、重錘によって構造物の表面に垂直に打撃し、この打撃により生じる振動をセンサ等で検知し、フーリエ解析による固有振動数の変化によって、構造物の健全度を評価する方法がある(特許文献1)。

概要

簡易な構成によって、精度よく橋脚の健全度を評価することが可能な下部工健全性評価方法および下部工の健全性評価装置を提供する。 まず、橋脚3の上面に設置された傾斜センサ9および温度センサ11によって、所定の期間、所定間隔温度情報と橋脚3の傾斜情報を取得する(ステップ101)。この際、傾斜センサ9は、橋軸方向橋軸直角方向の橋脚傾斜情報を検出する。次に、制御部21は、所定の期間内における、温度情報と橋脚傾斜情報との相関を取る(ステップ102)。次に、制御部21は、予め設定された橋脚傾斜変化率基準値を記憶部23から呼びだす。また、制御部21は、得られた橋脚傾斜変化率と基準値とを比較する(ステップ103)。

目的

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、簡易な構成によって、精度よく橋梁高架橋の下部工の健全度を評価することが可能な下部工の健全性評価方法および下部工の健全性評価装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

橋梁または高架橋下部工健全性を評価する測定方法であって、前記下部工は、基礎と、前記基礎上に構築される橋脚と、前記橋脚の上に設けられ橋梁または高架橋を支持する支承と、を具備し、前記橋脚上に温度センサ傾斜センサを配置し、所定時間ごとに、前記温度センサにより温度情報を取得するとともに、前記傾斜センサによって、前記橋脚の橋軸方向傾斜情報を取得し、一定期間内の、前記温度情報の変化量に対する前記傾斜情報の変化量である橋脚傾斜変化率を求め、前記橋脚傾斜変化率の大きさによって、前記下部工の健全性を判断することを特徴とする下部工の健全性評価方法

請求項2

前記傾斜センサによって、前記橋軸方向の傾斜情報に加え、前記橋軸方向と直交な橋軸直角方向の傾斜情報を取得し、前記傾斜情報を所定期間継続して計測し、前記温度情報に対する前記橋軸方向の前記橋脚傾斜変化率の変化点、および、前記橋軸直角方向の前記橋脚傾斜変化率の変化点によって、前記下部工の健全性を判断することを特徴とする請求項1記載の下部工の健全性評価方法。

請求項3

橋梁または高架橋を車両が通過していない状態で、前記傾斜センサによって、前記橋脚の前記橋軸方向の傾斜情報を取得することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の下部工の健全性評価方法。

請求項4

橋梁または高架橋の橋脚の健全性を評価する評価装置であって、少なくとも前記橋脚の橋軸方向の傾斜を測定する傾斜センサと、温度センサと、前記傾斜センサおよび前記温度センサで得られた情報を解析する解析部と、前記解析部で解析された情報を送信する送信部と、を具備し、前記解析部は、所定時間ごとに、前記温度センサにより温度情報を取得するとともに、前記傾斜センサによって、前記橋脚の前記橋軸方向の傾斜情報を取得し、前記送信部は、前記温度情報および前記傾斜情報を、隔離した位置の情報収集部に送信することが可能であることを特徴とする下部工の健全性評価装置。

技術分野

0001

本発明は、コンクリート製の橋脚健全度を判定するため下部工健全性評価方法および下部工の健全性評価装置に関するものである。

背景技術

0002

コンクリート製の構造物については、目視外観発見することのできる欠陥劣化以外に、内部に存在する欠陥等についても発見する必要がある。このため、構造物に振動を付与して、その健全度を判断する方法が採用されている。

0003

このようなコンクリート構造物診断方法としては、重錘によって構造物の表面に垂直に打撃し、この打撃により生じる振動をセンサ等で検知し、フーリエ解析による固有振動数の変化によって、構造物の健全度を評価する方法がある(特許文献1)。

先行技術

0004

特開2007−51873号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、特許文献1の方法では、重錘や起振機によって構造物に振動を付与する必要がある。一方、常時列車が通過する橋脚については、列車の通過時の振動によって、橋脚の健全度を把握することができる。

0006

しかし、列車通過時の振動は、必ずしも一定の条件で付与されるわけではない。したがって、通過する列車の種類や状況によって、精度のよい評価を行うことは困難である。また、振動により橋脚の健全度の評価を行うためには、振動を検知するためのセンサや、振動を解析するソフトウェアなどが必要となる。したがって、システムが複雑となる。

0007

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、簡易な構成によって、精度よく橋梁高架橋の下部工の健全度を評価することが可能な下部工の健全性評価方法および下部工の健全性評価装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

前述した目的を達成するため、第1の発明は、橋梁または高架橋の下部工の健全性を評価する測定方法であって、前記下部工は、基礎と、前記基礎上に構築される橋脚と、前記橋脚の上に設けられ橋梁または高架橋を支持する支承と、を具備し、前記橋脚上に温度センサ傾斜センサを配置し、所定時間ごとに、前記温度センサにより温度情報を取得するとともに、前記傾斜センサによって、前記橋脚の橋軸方向傾斜情報を取得し、一定期間内の、前記温度情報の変化量に対する前記傾斜情報の変化量である橋脚傾斜変化率を求め、前記橋脚傾斜変化率の大きさによって、前記下部工の健全性を判断することを特徴とする下部工の健全性評価方法である。

0009

前記傾斜センサによって、前記橋軸方向の傾斜情報に加え、前記橋軸方向と直交な橋軸直角方向の傾斜情報を取得し、前記傾斜情報を所定期間継続して計測し、前記温度情報に対する前記橋軸方向の前記橋脚傾斜変化率の変化点、および、前記橋軸直角方向の前記橋脚傾斜変化率の変化点によって、前記下部工の健全性を判断してもよい。

0010

橋梁または高架橋を車両が通過していない状態で、前記傾斜センサによって、前記橋脚の前記橋軸方向の傾斜情報を取得することが望ましい。

0011

第1の発明によれば、橋脚の傾斜と、温度との関係を取得し、温度変化に対する橋脚の傾斜量変化から、下部工の健全度を評価する。このため、従来のように、起振器などが不要であり、振動の条件によらず、精度のよい評価を行うことができる。また、振動情報フーリエ変換するなどの解析が不要であり、簡易な構成で下部工の健全度を把握することができる。

0012

この際、温度変化に対する橋軸方向の傾斜情報を得ることで、基礎や支承を含む下部工の健全度を得ることができる。また、温度変化に対する橋軸直角方向の傾斜情報を得ることで、橋脚の洗掘などの影響も知ることができる。

0013

また、温度変化に対する橋脚の傾斜情報を長期的に把握することで、橋脚の健全度が良好に保持されていることを確認することができる。このため、鉄道の安全性を大いに高めることができる。

0014

また、このような傾斜情報を、車両の通過していない状態で取得すれば、車両通過による振動の影響を受けることがない。したがって、精度の高い評価を行うことができる。

0015

第2の発明は、橋梁または高架橋の橋脚の健全性を評価する評価装置であって、少なくとも前記橋脚の橋軸方向の傾斜を測定する傾斜センサと、温度センサと、前記傾斜センサおよび前記温度センサで得られた情報を解析する解析部と、前記解析部で解析された情報を送信する送信部と、を具備し、前記解析部は、所定時間ごとに、前記温度センサにより温度情報を取得するとともに、前記傾斜センサによって、前記橋脚の前記橋軸方向の傾斜情報を取得し、前記送信部は、前記温度情報および前記傾斜情報を、隔離した位置の情報収集部に送信することが可能であることを特徴とする下部工の健全性評価装置である。

0016

第2の発明によれば、起振器などが不要であり、振動条件の影響が小さく、精度よく下部工の健全度を評価することができる。

発明の効果

0017

本発明によれば、簡易な構成によって、精度よく下部工の健全度を評価することが可能な下部工の健全性評価方法および下部工の健全性評価装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0018

健全度評価装置1の設置状態を示す正面図。
健全度評価装置1の設置状態を示す平面図。
健全度評価装置1のハードウェア構成を示す図。
制御装置7のハードウェア構成を示す図。
健全度評価装置1により橋脚の健全度を評価する工程を示すフローチャート
得られた橋脚傾斜角の例を示す図。
橋脚傾斜変化率の長期評価結果を示す概念図。

実施例

0019

以下、本発明の実施の形態にかかる健全度評価装置1について説明する。図1は、健全度評価装置1の設置状態を示す正面図、図2は、健全度評価装置1の設置状態を示す平面図である。健全度評価装置1は、橋梁5(または高架橋)を支持する橋脚3上に配置される。例えば、健全度評価装置1は、橋脚3上の固定支承の近傍に配置される。橋梁5上には、列車の軌道が設けられる。すなわち、橋脚3上を列車が通過する。

0020

橋梁5(上部工)は、温度変化によって伸縮する(図中矢印A方向)。特に、橋梁5が鋼桁を有する構造では、この伸縮量が大きい。通常、このような橋梁5の伸縮を吸収するため、橋脚には、可動支承や固定支承が用いられる。可動支承は、回転変位および伸縮変位を吸収し、固定支承は、橋梁5の回転変位を吸収する。

0021

固定支承は、水平方向の橋梁5の伸縮が生じると、橋梁5と橋脚3との回転を許容するが、水平方向の変位を許容しない。このため、例えば固定支承などで橋梁5を支持する橋脚3は、橋梁5の伸縮によってわずかに傾斜する(図中矢印B方向)。すなわち、橋脚3は、橋梁5の温度によって橋脚3の橋軸方向(図中矢印A方向であって、橋梁5の伸縮方向)の傾斜角が変化する。

0022

そこで、本発明では、温度変化に対する橋脚3の傾斜角の変化量を求め、これにより橋脚3を含めた下部工の健全度を評価する。なお、本発明において、下部工とは、基礎、基礎上に構築される橋脚および橋梁5等を支持する支承を含むものである。

0023

次に、健全度評価装置1について説明する。図3は、健全度評価装置1の構成を示す図である。健全度評価装置1は、傾斜センサ9、温度センサ11、制御装置7等から構成される。傾斜センサ9は、橋脚3の上面の水平方向に対する傾斜を検出する。なお、健全度評価装置1は、例えばバッテリーで駆動する。

0024

傾斜センサ9としては、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度計を用いることが望ましい。MEMS加速度計を用いることで、省電力で駆動することができる。また、温度センサ11は、橋脚3近傍の気温を検出する。なお、温度センサ11は、橋梁5の代表温度を検出可能な位置に配置される。

0025

図3は、制御装置7を実現するコンピュータのハードウェア構成図である。制御装置7は、制御部21、記憶部23、メディア入出力部25、通信制御部27、入力部29、表示部31、周辺機器I/F部33等が、バス35を介して接続される。

0026

制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。CPUは、記憶部23、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス35を介して接続された各装置を駆動制御する。

0027

ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部23、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。

0028

記憶部23は、例えばHDDハードディスクドライブ)やSSD(フラッシュSSD)(ソリッドステートドライブ)であり、制御部21が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述の処理に相当するアプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部21により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。

0029

メディア入出力部25(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、フロッピー登録商標ディスクドライブCDドライブ(−ROM、−R、RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置を有する。

0030

通信制御部27は、通信制御装置通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク間等の通信を媒介する通信インタフェースであり、傾斜センサ9等との通信制御等を行う。

0031

入力部29は、データの入力を行い、例えば、キーボードマウス等のポインティングデバイステンキー等の入力装置を有する。入力部29を介して、コンピュータに対して、操作指示動作指示データ入力等を行うことができる。

0032

表示部31は、CRTモニタ液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。

0033

周辺機器I/F(インタフェース)部33は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部33を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部33は、USBやIEEE1394やRS−232C等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態有線無線を問わない。

0034

バス35は、各装置間の制御信号データ信号等の授受を媒介する経路である。なお、制御装置7としては、上記構成をすべて含むものに限定されるものではなく、本発明の機能を奏するために必要な構成のみを有すればよい。

0035

次に、健全度評価装置1を用いた下部工の健全度の評価方法について説明する。図5は、下部工の健全度の評価方法の流れを示すフローチャートである。

0036

まず、橋脚3の上面に設置された傾斜センサ9および温度センサ11によって、所定の期間、所定間隔(例えば数時間ごと)で温度情報と橋脚3の傾斜情報を取得する(ステップ101)。この際、傾斜センサ9は、橋軸方向、橋軸直角方向の橋脚傾斜情報を検出する。

0037

なお、制御部21は、他の加速度センサなどにより所定値以上の加速度(振動)が検知されると、傾斜センサ9および温度センサ11による温度情報および橋脚傾斜情報の取得を停止し、加速度(振動)が所定値以下となってから計測を再開するようにしてもよい。このようにすることで、車両通過時に橋脚3が振動を受け、橋脚傾斜情報が振動の影響を受けることを防止することができる。

0038

なお、温度情報とは、橋梁5の温度と相関を有する情報であればよく、橋梁5の温度を直接測定して得られる情報のほか、橋脚3上における周囲の気温情報であってもよい。すなわち、気温と橋梁5の温度は互いに相関があるため、橋梁5の温度変化(橋梁5の伸縮量)を推定可能であれば、温度情報は橋梁5の温度以外の気温情報などであってもよい。

0039

また、制御部21は、所定間隔で取得される温度情報と橋脚傾斜情報を時刻情報とともに記憶部23に記憶する。この際、制御部21は、所定の期間(例えば1週間や一カ月)ごとに温度情報と橋脚傾斜情報をグループ化してもよい。

0040

次に、制御部21は、所定の期間内(例えば1週間や一カ月間)における、温度情報と橋脚傾斜情報との相関を取る(ステップ102)。

0041

図6(a)および図6(b)は、得られた温度情報と橋脚傾斜情報(橋軸方向の傾斜角度)の相関を示す図であり、横軸に温度(℃)を取り、縦軸に橋脚の傾斜角(度)を取って示した相関図である。

0042

なお、橋脚傾斜角(度)は、ある方向への傾斜角度を+側として、逆側の傾斜角度を−側として取得したものである。例えば、ある温度(例えば20℃)における橋脚傾斜角が0度であった場合に、20℃を超えると+側の傾斜角度を示し、20℃を下回ると−側の傾斜角度となる。

0043

ここで、図6(a)、図6(b)における直線は、温度情報の変化量に対する橋脚傾斜情報の変化量を示すものである。すなわち、図における直線の傾きが、温度情報の変化量に対する傾斜情報の変化量である橋脚傾斜変化率となる。なお、橋脚傾斜変化率は、例えば最小二乗法によって算出することができる。図示した例では、図6(a)の橋脚傾斜変化率が、図6(b)の橋脚傾斜変化率よりも小さいことを表している。

0044

次に、制御部21は、予め設定された橋脚傾斜変化率の基準値を記憶部23から呼びだす。また、制御部21は、得られた橋脚傾斜変化率と基準値とを比較する(ステップ103)。基準値は、例えば健全であることが既知構造体などを用いて得られた橋脚傾斜変化率によって設定してもよく、有限要素法などによる解析によって算出して設定してもよい。

0045

橋脚傾斜変化率が基準値以下の場合(ステップ104)には、制御部21は、下部工が健全であると判断する(ステップ105)。一方、橋脚傾斜変化率が基準値を超えた場合には、制御部21は、下部工が異常であると判断する(ステップ106)。

0046

例えば、図6(a)の例では、橋脚傾斜変化率が基準値(図示せず)よりも小さく、下部工が健全であると判断される。一方、図6(b)の例では、橋脚傾斜変化率が基準値を超えるため、下部工が異常であると判断される。このように、橋脚傾斜変化率が大きくなるのは、例えば、橋脚3や基礎に異常が生じて剛性が低下すると、橋梁5の伸縮によって、橋脚3が、より大きな変形をするためである。また、橋脚3上の支承に異常が生じた場合にも、橋脚3の傾斜が大きくなる恐れがある。いずれにしても、橋脚傾斜変化率から下部工の異常を検知することができる。

0047

制御部21は、健全度の判定を、記憶部23に保存するとともに、通信制御部27と接続された送信部によって、温度情報、橋脚傾斜情報や、橋脚傾斜変化率、健全度の評価結果を隔離した位置の情報収集部に送信することできる。なお、この場合、所定の間隔でその間の情報を一度に送信してもよく、また、異常を検知した場合に、異常信号を発信することもできる。

0048

図7は、長期にわたって得られた橋脚傾斜変化率の推移を示す概念図である。所定期間継続して橋脚傾斜変化率を監視することで、橋脚傾斜変化率の変化点を知ることもできる。例えば、期間Cにおいては、橋脚傾斜変化率は基準値Eよりも低かったが、期間Dでは橋脚傾斜変化率が基準値Eを超えた場合に、下部工の異常を検知することができる。また、所定期間継続して橋脚傾斜変化率を監視することで、仮に期間Dにおいて、橋脚傾斜変化率が基準値Eよりも低かったとしても、期間Cに対する変化点を知ることができる。

0049

本実施の形態にかかる下部工の健全度判定方法によれば、橋脚3の温度変化に対する傾斜変化量を用いて下部工の健全度を把握することができる。このため、振動を用いないため、起振器等が不要である。また、列車の振動を用いる必要もないため、列車の通過状況によらず、精度よく下部工の健全度を評価することができる。

0050

また、振動から橋脚の健全度を把握するものではないため、振動をフーリエ変換するなどの振動解析が不要である。

0051

また、本発明では、橋梁の伸縮に対する橋脚の傾斜を評価するため、橋脚自体の健全度のみではなく、橋脚上の支承の健全度や基礎の健全度についても評価することができる。

0052

また、列車が通過していない状態において橋脚の傾斜を計測することで、橋脚が受ける振動の影響を受けることがない。したがって、精度のよい計測を行うことができる。

0053

また、所定の期間継続して計測を行うことで、その変化点を知ることができる。従って下部工に異常が生じた際に、早期に発見することができる。

0054

なお、上述した実施形態では、所定の期間ごとに、温度と橋脚傾斜量の相関を得たが、本発明はこれに限られない。例えば、日々、過去の所定数のデータから相関を得るようにすることで、相関を得る母集団の期間が移動するようにしてもよい。

0055

また、橋梁の伸縮に応じた橋軸方向だけではなく、橋軸直角方向の長期的な傾斜を把握することで、例えば、橋脚下部の洗掘の影響などを知ることもできる。この場合には、2軸方向の傾斜角を計測可能な傾斜センサを用いればよい。

0056

また、下部工の健全度の評価として、従来の固有振動数による評価を併用してもよい。このようにすることで、傾斜による健全度評価に異常が見られた際に、橋脚自体の問題か、基礎や支承の問題であるのかをより明確に把握することができる。

0057

以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

0058

1………健全度評価装置
3………橋脚
5………橋梁
7………制御装置
9………傾斜センサ
11………温度センサ

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