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技術 ガラス繊維用集束剤、それが塗布されたガラス繊維及びガラス繊維製品並びにガラスクロスの製造方法。

出願人 ユニチカ株式会社ユニチカグラスファイバー株式会社信越石英株式会社
発明者 服部剛士宇野統充江崎正信佐藤彰横澤裕也
出願日 2013年10月15日 (6年6ヶ月経過) 出願番号 2013-214805
公開日 2015年4月23日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-078079
状態 特許登録済
技術分野 ガラス繊維またはフィラメントの表面処理 繊維製品への有機化合物の付着処理
主要キーワード 集束器 Eガラス ヒートクリーニング処理 石英ガラス繊維 Cガラス 白金ノズル 分子占有面積 脱油処理
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重要な関連分野

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課題

本発明は、ヒートクリーニング処理または水流加工などによる脱油工程が不要であり、かつ、毛羽の発生を低減することができる化学的に安定なガラス繊維用集束剤、該集束剤が塗布されたガラス繊維、及び該ガラス繊維を用いた製品並びにガラスクロスの製造方法を提供することを目的とする。

解決手段

シランカップリング剤を含有するガラス繊維用集束剤であって、澱粉合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まないことを特徴とするガラス繊維用集束剤。好ましくは、前記シランカップリング剤が、アミノシラン又はアミノシラン塩酸塩である請求項1に記載のガラス繊維用集束剤。該ガラス繊維用集束剤が塗布されたガラス繊維。

概要

背景

従来、ガラス繊維紡糸時に付与される集束剤として、合成樹脂または澱粉を主成分とする集束剤(以下、合成樹脂系集束剤、澱粉系集束剤と記載することがある。)が知られている。合成樹脂系集束剤及び澱粉系集束剤は、ガラス繊維表面で合成樹脂又は澱粉が皮膜を形成し、又はガラス繊維からなるマルチフィラメント単繊維同士を結合させることにより、製織等加工工程における毛羽糸切れの発生を低減させる。

合成樹脂系集束剤は、合成樹脂の選択により複合材成形される際のマトリックス樹脂に対して親和性及び相溶性を持たせることが可能になるため、製織後の脱油工程が不要である。しかし、合成樹脂系集束剤が塗布されたガラス繊維は、澱粉系集束剤が塗布したものと比較して、毛羽が発生しやすいという問題がある。

従って、毛羽の発生が問題となりやすい用途、例えば、プリント配線板等のような電子部品用途には、澱粉系集束剤が塗布されたガラス繊維にさらに澱粉系または合成樹脂系の2次糊剤を付与した経糸等からなる布帛が用いられる。該布帛は、製織時の接触部位摩耗による毛羽ダメージを軽減するとともに、1次糊剤、2次糊剤として用いた澱粉がマトリックス樹脂との複合化阻害しないようヒートクリーニング処理による脱油工程で澱粉等を除去することにより該用途への適用が可能となる。しかし、ヒートクリーニング処理による脱油工程を経たガラス繊維は加熱によって強度が劣化してしまうという問題がある。

一方、ガラス繊維の集束剤が水溶性エポキシ樹脂を主成分とするものであるガラス繊維織物は、ヒートクリーニング処理による脱油工程を経ずに、水流加工により脱油、開繊処理をすることが知られている(例えば、特許文献1参照)。該ガラス繊維織物によれば、プリント配線基板薄型化すると発生するソリネジレが小さくなり、ピーリング強度に優れるとされている。

また、1次糊剤としてエポキシ樹脂エチレンオキサイド付加ビスフェノールAおよびシランカップリング剤とを含む集束剤を被覆したガラス繊維を製織することで、ヒートクリーニング処理による脱油工程および表面処理工程を経ずに、複合材に成形される際のマトリックス樹脂に対して親和性及び相溶性を持たせることが可能になることが知られている(例えば、特許文献2参照)。

しかしながら、特許文献2に記載のガラス繊維は皮膜形成剤として適用されているエポキシ樹脂が反応性の高いエポキシ基を有しているため、高温の環境下ではシランカップリング剤の官能基の一部が反応し糸質が変化する。この場合、輸送時または保管状態によって糸質が変動することとなり安定して製織をすることが困難となるという問題があった。

概要

本発明は、ヒートクリーニング処理または水流加工などによる脱油工程が不要であり、かつ、毛羽の発生を低減することができる化学的に安定なガラス繊維用集束剤、該集束剤が塗布されたガラス繊維、及び該ガラス繊維を用いた製品並びにガラスクロスの製造方法を提供することを目的とする。シランカップリング剤を含有するガラス繊維用集束剤であって、澱粉、合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まないことを特徴とするガラス繊維用集束剤。好ましくは、前記シランカップリング剤が、アミノシラン又はアミノシラン塩酸塩である請求項1に記載のガラス繊維用集束剤。該ガラス繊維用集束剤が塗布されたガラス繊維。

目的

本発明は、上記問題を解決し、ヒートクリーニング処理または水流加工などによる脱油工程が不要であり、かつ、毛羽の発生を低減することができる化学的に安定なガラス繊維用集束剤、該集束剤が塗布されたガラス繊維、及び該ガラス繊維を用いた製品並びにガラスクロスの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

シランカップリング剤を含有するガラス繊維用集束剤であって、澱粉合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まないことを特徴とするガラス繊維用集束剤。

請求項2

前記シランカップリング剤が、アミノシラン又はアミノシラン塩酸塩である請求項1に記載のガラス繊維用集束剤。

請求項3

請求項1または2に記載のガラス繊維用集束剤が塗布されたガラス繊維

請求項4

前記ガラス繊維を構成するガラス材料がTガラス、Sガラス、DガラスEガラス、NEガラス、Cガラス、Hガラス、ARGガラス、石英ガラス、よりなる群から選ばれる少なくとも1種類である請求項3に記載のガラス繊維。

請求項5

前記ガラス繊維を構成するガラス材料が、石英ガラスである請求項4に記載のガラス繊維。

請求項6

請求項3〜5いずれか1項に記載のガラス繊維を含むガラス繊維製品

請求項7

請求項3〜5いずれか1項に記載のガラス繊維を含むガラスヤーン

請求項8

ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度が0.39N/tex以上である請求項7に記載のガラスクロス。

請求項9

請求項7または8に記載のガラスヤーンを含むガラスクロス。

請求項10

請求項8に記載のガラスクロスを含むプリプレグ

請求項11

請求項8または9に記載のガラスクロスを含む積層板

請求項12

請求項8または9に記載のガラスクロスを含むプリント配線板

請求項13

請求項1に記載のガラス繊維用集束剤を塗布したガラスヤーンを用いるガラスクロスの製造方法であって、ガラス繊維にシランカップリング剤を含有するガラス繊維用集束剤であって、澱粉、合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まない前記ガラス繊維用集束剤を塗布し製織した後に、ヒートクリーニング処理による脱油工程を含まないことを特徴とするガラスクロスの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ガラス繊維に塗布される集束剤、該集束剤が塗布されたガラス繊維、及び該ガラス繊維を用いた製品並びガラスクロスの製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、ガラス繊維紡糸時に付与される集束剤として、合成樹脂または澱粉を主成分とする集束剤(以下、合成樹脂系集束剤、澱粉系集束剤と記載することがある。)が知られている。合成樹脂系集束剤及び澱粉系集束剤は、ガラス繊維表面で合成樹脂又は澱粉が皮膜を形成し、又はガラス繊維からなるマルチフィラメント単繊維同士を結合させることにより、製織等加工工程における毛羽糸切れの発生を低減させる。

0003

合成樹脂系集束剤は、合成樹脂の選択により複合材成形される際のマトリックス樹脂に対して親和性及び相溶性を持たせることが可能になるため、製織後の脱油工程が不要である。しかし、合成樹脂系集束剤が塗布されたガラス繊維は、澱粉系集束剤が塗布したものと比較して、毛羽が発生しやすいという問題がある。

0004

従って、毛羽の発生が問題となりやすい用途、例えば、プリント配線板等のような電子部品用途には、澱粉系集束剤が塗布されたガラス繊維にさらに澱粉系または合成樹脂系の2次糊剤を付与した経糸等からなる布帛が用いられる。該布帛は、製織時の接触部位摩耗による毛羽ダメージを軽減するとともに、1次糊剤、2次糊剤として用いた澱粉がマトリックス樹脂との複合化阻害しないようヒートクリーニング処理による脱油工程で澱粉等を除去することにより該用途への適用が可能となる。しかし、ヒートクリーニング処理による脱油工程を経たガラス繊維は加熱によって強度が劣化してしまうという問題がある。

0005

一方、ガラス繊維の集束剤が水溶性エポキシ樹脂を主成分とするものであるガラス繊維織物は、ヒートクリーニング処理による脱油工程を経ずに、水流加工により脱油、開繊処理をすることが知られている(例えば、特許文献1参照)。該ガラス繊維織物によれば、プリント配線基板薄型化すると発生するソリネジレが小さくなり、ピーリング強度に優れるとされている。

0006

また、1次糊剤としてエポキシ樹脂エチレンオキサイド付加ビスフェノールAおよびシランカップリング剤とを含む集束剤を被覆したガラス繊維を製織することで、ヒートクリーニング処理による脱油工程および表面処理工程を経ずに、複合材に成形される際のマトリックス樹脂に対して親和性及び相溶性を持たせることが可能になることが知られている(例えば、特許文献2参照)。

0007

しかしながら、特許文献2に記載のガラス繊維は皮膜形成剤として適用されているエポキシ樹脂が反応性の高いエポキシ基を有しているため、高温の環境下ではシランカップリング剤の官能基の一部が反応し糸質が変化する。この場合、輸送時または保管状態によって糸質が変動することとなり安定して製織をすることが困難となるという問題があった。

先行技術

0008

特開平9−67757号公報
特開2007−162171号公報

発明が解決しようとする課題

0009

特許文献1に開示されているガラス繊維織物は、ヒートクリーニング処理による脱油をおこなう必要がないことからガラス繊維の強度を保つことはできるが、水流加工による脱油をおこなう必要があった。加えて、水流加工工程における毛羽や糸切れの発生が多いという問題があった。また、特許文献2に開示されているガラス繊維織物は、ヒートクリーニング処理による脱油も水流加工による脱油をおこなう必要がないことからガラス繊維の強度を保つことはできるが、集束剤の化学的定性に乏しく、糸質が変化しやすいという問題があった。

0010

本発明は、上記問題を解決し、ヒートクリーニング処理または水流加工などによる脱油工程が不要であり、かつ、毛羽の発生を低減することができる化学的に安定なガラス繊維用集束剤、該集束剤が塗布されたガラス繊維、及び該ガラス繊維を用いた製品並びにガラスクロスの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、澱粉、合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を主成分とする集束剤を用いた皮膜化等により毛羽や糸切れの低減を図るという従来の技術常識に反し、意外にも、一般的にガラス繊維とマトリックス樹脂を結びつける役割とされているシランカップリング剤を含有し、澱粉、合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まないガラス繊維用集束剤とすることにより、毛羽の発生を低減できることを見出し本発明に到達した。

0012

すなわち、本発明は以下の(1)〜(13)を要旨とするものである。
(1)シランカップリング剤を含有するガラス繊維用集束剤であって、澱粉、合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まないことを特徴とするガラス繊維用集束剤。
(2)前記シランカップリング剤が、アミノシラン又はアミノシラン塩酸塩である(1)に記載のガラス繊維用集束剤。
(3)(1)または(2)に記載のガラス繊維用集束剤が塗布されたガラス繊維。
(4)前記ガラス繊維を構成するガラス材料がTガラス、Sガラス、DガラスEガラス、NEガラス、Cガラス、Hガラス、ARGガラス、石英ガラス、よりなる群から選ばれる少なくとも1種類である(3)に記載のガラス繊維。
(5)前記ガラス繊維を構成するガラス材料が、石英ガラスである(4)に記載のガラス繊維。
(6)(3)〜(5)いずれかに記載のガラス繊維を含むガラス繊維製品
(7)(3)〜(5)いずれかに記載のガラス繊維を含むガラスヤーン
(8)ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度が0.39N/tex以上である(7)に記載のガラスクロス。
(9)(7)または(8)に記載のガラスヤーンを含むガラスクロス。
(10)(8)に記載のガラスクロスを含むプリプレグ
(11)(8)または(9)に記載のガラスクロスを含む積層板
(12)(8)または(9)に記載のガラスクロスを含むプリント配線板。
(13)(1)に記載のガラス繊維用集束剤を塗布したガラスヤーンを用いるガラスクロスの製造方法であって、ガラス繊維にシランカップリング剤を含有するガラス繊維用集束剤であって、澱粉、合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まない前記ガラス繊維用集束剤を塗布し製織した後に、ヒートクリーニング処理による脱油工程を含まないことを特徴とするガラスクロスの製造方法。

発明の効果

0013

本発明のガラス繊維用集束剤によれば、シランカップリング剤を含有するガラス繊維用集束剤であって、澱粉、合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まないガラス繊維用集束剤とすることにより、ガラス繊維に塗布した後のヒートクリーニング処理及び水流処理による脱油工程が不要となるとともに、毛羽の発生を効果的に低減でき、紡糸工程中等で化学的な安定性を担保することができる。さらに、得られるガラス繊維の強度を保持することができる。加えて、得られたガラス繊維製品等は、マトリックス樹脂との親和性及び相溶性が優れたものとすることができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の実施の形態の一つである石英ガラス繊維の製造方法の模式的説明図である。

0015

以下、本発明について詳細に説明する。

0016

本発明のシランカップリング剤は、縮合反応性基を有するシラン化合物であれば特に限定されないが、例えば、ビニルシラン類、スチリルシラン類メタアクリルシラン類、アクリルシラン類、アミノシラン類、アミノシラン類の塩酸塩、ウレイドシラン類、メルカプトシラン類、スルフィドシラン類、イソシアネートシラン類、クロルシラン類等が挙げられる。より具体的には、ビニルトリクロロシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリス(β−メトキシエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。その中でも、毛羽の発生の抑制の観点から、アミノシラン及びアミノシラン塩酸塩が好ましく、特に、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩及びN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエトキシシランは、毛羽の発生の抑制に加え、ガラス繊維表面により均一に塗布しやすくなるとともに、得られたガラス繊維製品にマトリックス樹脂を含浸する際の含浸性や得られたプリント配線板を半田処理する際の半田耐熱性が優れたものとなるのでより好ましい。また、アミノシラン及びアミノシラン塩酸塩は、酢酸等の酸にて集束剤のpHを調整することも可能となる。

0017

本発明のガラス繊維用集束剤は、シランカップリング剤を含有することが必要である。

0018

従来、当該ガラス繊維の技術分野において、合成樹脂、澱粉またはエポキシ樹脂成分を主成分とする集束剤を用いた皮膜化等により毛羽や糸切れの低減を図るというのが技術常識であった。しかし、本発明は、意外にも、合成樹脂、澱粉またはエポキシ樹脂成分に代えて、一般的にガラス繊維とマトリックス樹脂を結びつける役割とされているシランカップリング剤を集束剤として含有することにより、毛羽の発生を低減できることを初めて見出したものである。

0019

本発明のガラス繊維用集束剤は、本発明の効果を損なわない限り、シランカップリング剤以外の他の成分を含有することができる。他の成分としては、例えば、潤滑剤、柔軟剤帯電防止剤乳化剤等が挙げられる。具体的には、例えば、動植物油ワックス又はこれらが乳化されたもの、カチオン界面活性剤アニオン界面活性剤ノニオン界面活性剤等が挙げられる。中でも、開繊性に優れるという観点から、ポリエチレンアミン高級脂肪酸との縮合物酢酸塩及び第4級アンモニウム塩を含むことが好ましく、アミノシラン又はアミノシラン塩と、ポリエチレンアミンと高級脂肪酸との縮合物の酢酸塩及び第4級アンモニウム塩の組合せがより好ましい。また、本発明のガラス繊維用集束剤に用いる分散媒としては、水が好ましい。

0020

本発明のガラス繊維用集束剤は、合成樹脂、澱粉またはエポキシ樹脂成分を実質的に含まないことが必要である。シランカップリング剤を含有し、合成樹脂、澱粉またはエポキシ樹脂成分を実質的に含まないガラス繊維用集束剤とすることにより、毛羽の発生を効果的に低減できるとともに、ガラス繊維に塗布した後にヒートクリーニング処理あるいは水流加工などによる脱油工程を省くことができるため、ガラス繊維の強度を保つことができる。なお、実質的に含まないとは、ガラス繊維に塗布した後の加熱及び水流加工による脱油工程を必要としない量以下であるとの意味であり、例えば、ガラス繊維用集束剤中の合成樹脂、澱粉またはエポキシ樹脂成分の含有量は、それぞれ0.3質量%以下が好ましく、0.1質量%がより好ましく、0質量%であることが特に好ましい。

0022

澱粉とは、澱粉系集束剤に通常使用される澱粉をいい、例えば、コーン澱粉タピオカ澱粉小麦澱粉甘藷澱粉馬鈴薯澱粉ハイアミロースコーン澱粉、サゴ澱粉米澱粉等が挙げられる。

0023

エポキシ樹脂とは、エポキシ基の構造を保持した構造の樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂やノボラック型のエポキシ樹脂等が挙げられる。

0024

本発明のガラス繊維用集束剤は、例えば、シランカップリング剤、及び必要に応じて他の成分を水中に分散させることによって製造することができる。具体的には、例えば、シランカップリング剤を水と混合し、25℃以下の温度で撹拌加水分解反応を進め、一定の反応が進んだ段階で他の成分を混合することにより製造することができる。ガラス繊維用集束剤中におけるシランカップリング剤の含有量(質量%)は、特に限定されないが、例えば、0.05〜5質量%が挙げられ、好ましくは0.05〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%が挙げられる。

0025

本発明のガラス繊維は、シランカップリング剤を含有する集束剤が塗布されたものである。これにより、得られるガラス製品等の毛羽を抑制することができ、ヒートクリーニング処理あるいは水流加工処理などによる脱油工程を省略することも可能となる。

0026

ガラス繊維を構成するガラス材料としては特に限定されないが、例えば、Tガラス、Sガラス、Dガラス、Eガラス、NEガラス、Cガラス、Hガラス、ARGガラス、石英ガラスが挙げられる。中でも、石英ガラスは、合成樹脂系集束剤、澱粉系集束剤を塗布した場合に、その後のヒートクリーニング処理による強度の低下や水流加工処理による毛羽の発生が多く見られるので、特に効果的である。

0027

本発明のガラス繊維の形態としては、長繊維短繊維が挙げられる。また、長繊維の場合、複数本の単繊維(フィラメント)からなるマルチフィラメントとすることもできる。

0028

本発明のガラス繊維の強熱減量はガラス繊維の長さあたりの表面積、すなわちフィラメント径カップリング剤分子占有面積に依存するため特に限定されないが、0.03〜3.0質量%が好ましく、0.05〜2.0質量%がより好ましく、0.1〜1.0質量%がいっそう好ましい。本発明のガラス繊維においては、合成樹脂、澱粉及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まずに複合化されるマトリックス樹脂との親和性・相溶性が優れるため、プリプレグ、積層板、プリント配線板などの用途にも好適に用いることができる。

0029

ガラス繊維の製造方法としては、公知の方法が適用できる。例えば、特開2013−112917号公報、特開2007−162171号公報に開示されている方法が挙げられる。また、ガラス繊維を構成するガラス材料が石英ガラスである場合、例えば、特開2006−282401号公報、特開2004−99377号公報、特開昭61−258043号公報に開示されている方法が挙げられる。

0030

本発明のガラス繊維用集束剤をガラス繊維に塗布する方法としては、公知の方法が適用できる。例えば、ローラー型ベルト型アプリケーターによって塗付する方法、スプレーによって塗付する方法が挙げられる。

0031

本発明のガラス繊維は、ヒートクリーニング処理による脱油や水流加工を省略することが可能となり、かつ、毛羽の発生を低減することができることから、様々なガラス繊維製品とすることができる。ガラス繊維製品としては、例えば、モノフィラメントガラスストランド、ガラスヤーン、ガラスロービング合撚糸バルキー加工糸チョップドストランドミルドファイバーステープルファイバー、ガラスクロス、不織布、テープネット編物等の繊維製品、該繊維製品とマトリックス樹脂との複合材料FRP)、プリプレグ、積層板、プリント配線板等が挙げられる。上記ガラス繊維製品とするには、公知の方法が適用できる。

0032

本発明のガラスヤーンは、本発明のガラス繊維を含むことが好ましく、本発明のガラス繊維であって長繊維であるもののみからなることがより好ましい。

0033

ガラスヤーンを構成するガラス長繊維繊維径は特に限定されないが、1〜30μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。本発明においては、ヒートクリーニング処理による脱油や水流加工を省略することも可能となることから、通常用いる繊維径より小さいものであっても、毛羽の発生を特に抑えることができ好ましい。

0034

本発明のガラスクロスは、毛羽の発生の低減の観点から、本発明のガラスヤーンを含むことが好ましく、本発明のガラスヤーンのみからなることがより好ましい。従来の澱粉系集束剤が塗布されたガラス繊維により構成されるガラスクロスにおいては、ヒートクリーニング処理による脱油のあとに、ガラス繊維製品を構成するマトリックス樹脂との親和性及び相溶性を持たせるため、シランカップリング剤による処理がおこなわれていた。本発明のガラスクロスは、構成するガラス繊維がシランカップリング剤を主成分とする集束剤が既に塗布されているので、シランカップリング剤による処理を行うことなく、マトリックス樹脂との親和性及び相溶性を持たせることが可能となる。

0035

本発明のガラスクロスの織組織、織密度等は特に限定されないが、織組織としては、例えば、平織朱子織ななこ織からみ織模紗織又は綾織等が挙げられる。また、織密度としては、例えば、経、緯糸ともに10〜150本/25mmが挙げられる。

0036

本発明のガラスクロスの質量(g/m2)は特に限定されないが、例えば、3〜300g/m2が挙げられる。本発明においては、シランカップリング剤を含有するガラス繊維用集束剤を塗布したガラスクロスであり、澱粉、合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まないことから、ヒートクリーニング処理による脱油や水流加工を行わなくとも高密度のガラスクロスに対してもマトリックス樹脂が容易に浸透することが可能となる。

0037

本発明のガラスクロスは、構成するガラスヤーンの引張強度が0.39N/tex以上が好ましく、0.50N/tex以上がより好ましく、0.60N/texがいっそう好ましい。従来の合成樹脂系集束剤や澱粉系集束剤を塗布したガラスクロスに対し、例えば、400℃、60時間のヒートクリーニング処理による脱油を行った場合、構成するガラスヤーンの強力は、ヒートクリーニング処理前に比べ半分以下となり、特に構成するガラスヤーンが石英ガラスである場合は、ヒートクリーニング処理前に比べ1/4以下となるため適用できる用途に制限される場合があった。本発明のガラスクロスは、ヒートクリーニング処理による脱油を省略することが可能であるから、ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度が0.39N/tex以上としやすくなり、ガラスクロスの強力が必要な用途にも好適に使用することが可能となる。

0038

本発明のガラスクロスの引張強力は、構成するガラス繊維、織組織、織密度等により適宜設定されるが、ヒートクリーニング処理による脱油工程を省略することができることから、従来の集束剤を塗布したガラスクロスを構成するガラス繊維原料と同等レベルの引張強度を有するガラス繊維を用いても、得られたガラスクロスの引張強力は従来クロスに比べ強いものとすることができる。

0039

本発明のガラスクロスは、前述のように、ヒートクリーニング処理あるいは水流加工などによる脱油工程を省くことができることから、毛羽の発生が抑制されるため、ガラスクロスを含むプリプレグ、積層板、プリント配線板などの用途にも好適に用いることができる。

0040

さらに詳細には、従来のガラスプリント配線板などの電子材料に用いられる場合、例えば特許文献1にも開示されているように、製織でのいっそうの毛羽抑制のため、整経した経糸にさらに2次集束剤を塗布する糊付けが行われるのが一般的であったが、2次集束剤が塗布された経糸は、さらに開繊しづらくなるため、織機生機としたあとに開繊処理を行う必要があった。一方、本発明のガラスクロスは、構成するガラス繊維がシランカップリング剤を含有する特定の集束剤が塗布されていることから、従来の合成樹脂系集束剤または澱粉系集束剤が塗布されたガラス繊維によって構成されるガラスクロスに比して開繊しやすい特徴もある。加えて、本発明のガラス繊維は、毛羽の発生を低減することができることから、2次集束剤を塗布せずとも製織し得る。従って、整経のあとに糊付けをおこなわない場合、本発明のガラス繊維が元々開繊しやすいことに加え、2次集束剤を塗布しないことが相俟って、より開繊されたものとなりやすく、開繊処理することなく必要とする通気度の範囲を容易に満足しやすくなる。

0041

また、ガラス材料が石英ガラスの場合、他のガラス材料と比較して、積層板としたときのソリ、ネジレが生じにくいが、他のガラス材料に比して元々硬度が高いことに加え、加熱による脱油を省略するとその硬度が維持される。従って、ガラスクロスの厚さが厚すぎる場合、プリント配線板とするときにドリルによる穴開け加工がしにくくなる。しかし、厚さを6〜200μmとすると、レーザーによる穴開け加工がしやすくなり、かつ、加熱による脱油を省略すれば元々高いクロス強度が維持できることから、ソリやネジレが特に抑制しやすいものとなり、プリント配線板等の電子材料用として特に好適に用いることができる。

0042

プリント配線板等の電子材料用にガラスクロスが用いられる場合、ガラスクロスは平滑で薄いことが近年要求されることから、好ましくは6〜200μmが挙げられる。また、ガラスヤーンの番手も特に限定されないが、例えば、0.5〜70texが挙げられ、好ましくは0.5〜25tex、より好ましくは0.5〜15texが挙げられる。ガラスヤーンの撚り数は、例えば、0〜2回/25mmが挙げられ、好ましくは0〜1回/25mmが挙げられる。

0043

本発明のガラスクロスの製造方法について説明する。

0044

本発明のガラスクロスの製造方法は、シランカップリング剤を含有するガラス繊維用集束剤を塗布したガラスヤーンを用いて製織する際に、ヒートクリーニング処理による脱油工程を含まないことが必要である。これにより、得られるガラスクロスは、毛羽の発生が抑えられるとともに、構成するガラス繊維がヒートクリーニング処理による脱油によって強力が低下することがなく、強力の高いものとなりやすくなる。

0045

本発明のガラスクロスの製造方法において、製織において糊付け工程を含まないことが好ましい。これにより、ガラスクロスはより開繊したものとなりやすく、また、マトリックス樹脂の含浸性がより高いものとなりやすい。前述のように、本発明のガラス繊維は毛羽の発生が抑制されやすいことから、糊付け工程を含まないものとしやすくなる。

0046

本発明の製造方法において、開繊処理工程を含まないことが好ましい。これにより、コストが抑制される。また、開繊処理がジェット水流により行われる場合、ガラスクロスの目が荒れやすくなるが、開繊処理工程を含まないことにより目が荒れにくくなる。前述のように、本発明のガラス繊維は開繊しやすいことから、開繊処理工程を含まないものとしやすくなる。

0047

以下、実施例によって本発明を詳しく説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。

0048

以下の実施例、比較例における測定及び評価は下記の方法でおこなった。

0049

1.ガラスヤーン及びガラスクロスの強熱減量
JIS R 3420 2013 7.3.2に従い、測定、算出した。

0050

2.ガラス繊維の単繊維直径
JIS R 3420 2013 7.6B法に従い、測定、算出した。

0051

3.ガラスヤーンの番手
JIS R 3420 2013 7.1に従い、測定、算出した。

0052

4.ガラスクロスの織密度
JIS R 3420 2013 7.9に従い、経、緯糸の織密度を測定、算出した。

0053

5.ガラスクロスの厚さ
JIS R 3420 2013 7.10.1A法に従い、測定、算出した。

0054

6.ガラスクロスの質量
JIS R 3420 2013 7.2に従い、測定、算出した。

0055

7.ガラスクロスの引張強力
JIS R 3420 2013 7.4.2に従い、測定、算出した。

0056

8.ガラスクロスの通気度
JIS R 3420 2013 7.13に従い、測定、算出した。

0057

9.ガラスクロスにおける経糸、緯糸の糸幅
ガラスクロスを常温硬化型のエポキシ樹脂(丸本ストルアス(株)製、低粘性エポキシ樹脂No.3091A:90重量部、硬化剤No.3091B:10重量部)で包埋し、研磨してガラス糸束断面を削り出し、経糸及び緯糸をそれぞれ電子顕微鏡日本電子製JSM6390A)にて断面写真撮影し、測定した。

0058

10.ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度
JIS R 3420 2013 7.4.2に従い、定速伸長引張試験方法によりガラスクロスの経方向の引張強力を測定し、下記式(I)により算出した。

0059

0060

11.ガラスクロスの毛羽
ガラスクロスに、ワニス(下記組成に基づき、粘度500CPS,温度20℃に調製されたもの)を塗布し、スクイズロールにより余分な樹脂を削ぎ取った後、複射式熱風乾燥機において170℃の温度で5分間乾燥し、シートを得た。このシートの30cm四方内の毛羽の数を目視により測定した。測定は3枚のシートで行い、それらの平均値毛羽数とした。なお、1mm長以上の突起を毛羽とし、5個以下を合格とした。

0061

[ワニスの組成]
エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製 jER5046B80)100質量部
エポキシ樹脂(DIC株式会社製EPICLON N−690−75M) 34質量部
硬化剤(三菱化学株式会社製jERキュアDICY7) 2.7質量部
ジシアンジアミド
硬化促進剤ジャパンエポキシレジン株式会社製EMI−24) 0.2質量部
(2−エチル−4−メチルイミダゾール
希釈溶剤(キシダ化学株式会社製ジメチルホルムアミド) 20質量部
(キシダ化学株式会社製メチルエチルケトン) 15質量部

0062

12.ガラスクロスのワニス含浸性
ポリエステルフィルムを貼ったガラス板に10cm×10cmに切り出したガラスクロスを置き、その上から温度20℃に調整したエポキシ樹脂ワニス約1mLを静かに注ぎ、所定時間(30秒及び60秒)経過後のガラスクロスの含浸挙動実体顕微鏡を用いて透過光観察、撮影し、ガラスクロスを構成する経糸ストランド中で観察されたボイド頻度最大長計測して下記基準により含浸性を評価した。本実施例においては、○以上を合格とした。
評価基準
ボイドは完全に消失し、観察されない ・・・・・・・・・・・・・◎
残存ボイドが数か所散見されるが、いずれも最大長が50μm以下 ・・・○
最大長50μm以上の残存ボイドが数か所散見されるが、最大長100μm以上の残 存ボイドは観察されない ・・・・・・・・・・・・・△
最大長100μm以上の残存ボイドが多く散見される・・・・・・・・・・×

観察、撮影はガラスクロス幅方向の任意の3点で実施し、もっとも評価の悪い結果を含浸性評価結果とした。なお、前記エポキシ樹脂ワニスとしては11.ガラスクロスの毛羽の評価と同一のワニスを用いた。

0063

13.半田耐熱性
ガラスクロスを下記エポキシ樹脂ワニスに浸漬し、そのまま30分間保持したワニス塗布ガラスクロスを熱風乾燥機において150℃の温度で5分間乾燥し、引き続いて170℃の温度で90分間加熱硬化させることにより、ガラスクロス/エポキシ樹脂複合シートを得た。該複合シートから5cm×5cmに切り出したテストピースを、プレッシャークッカーを用いて所定時間吸湿熱処理(1.05kg/cm2(G)、121℃)し、次いで25℃の水に15分間浸漬した。その後、テストピースを260℃の半田浴に25秒間浸漬し、引き上げた後テストピースに張り付いた余分な半田を削り落とし、半田浸漬前と同様の形態とした。半田を削り落としたテストピースの表面を目視で観察し、テストピースの面積における白化部の占有度耐熱性を評価した。本実施例においては、○以上を合格とした。
<評価基準>
白化部の占有度が1%未満の場合 ・・・◎
白化部の占有度が1%以上30%未満の場合 ・・・○
白化部の占有度が30%以上50%未満の場合 ・・・△
白化部の占有度が50%以上の場合 ・・・×

0064

[ワニスの組成]
エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製 jER5045B80) 100質量部
硬化剤(三菱化学株式会社製 jERキュアDICY7) 3.2質量部
(ジシアンジアミド)
硬化促進剤(キシダ化学株式会社製ジメチルベンジルアミン) 0.2質量部
希釈溶剤(キシダ化学株式会社製ジメチルホルムアミド) 30質量部

0065

実施例1
<ガラス繊維用集束剤>
シランカップリング剤として、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(信越シリコーン製KBM−575)を用いた。帯電防止剤として、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、柔軟剤として、ポリエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物、潤滑剤としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライドを添加した。そして、各成分を、ガラス繊維用集束剤における上記各成分の含有量(質量%)が下記配合1になるように水に混合し、本発明のガラス繊維用集束剤を得た。
(配合1)
シランカップリング剤:N−ビニルベンジル−2−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(信越シリコーン製KBM−575) 0.8質量%
帯電防止剤:ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド 0.46質量%
柔軟剤:ポリエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物の酢酸塩0.4質量%
潤滑剤:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド 0.014質量%

0066

図1に概略を示した状態で、バーナー1のノズルに、直径0.1mmの石英ガラス連続繊維である石英ガラス素材2を導入して加熱延伸して、直径7μmの石英ガラス繊維3を作製した。そして、各石英ガラス繊維に上述の(配合1)ガラス繊維用集束剤をアプリケーター4にて塗布した後に集束器5により集束し、巻取り機6により巻き取って単繊維本数190本の石英ガラスストランド7を作製した。巻き取った石英ガラスストランド7に25mmあたり0.6回の撚りをかけ、番手18.4texの石英ガラスヤーンを作製した。このときの石英ガラスヤーンの強熱減量は0.11%であった。また、JIS R 3420 2013 7.4.3に従い、定速伸長形引張試験方法により測定した該石英ガラスヤーンの引張強度は0.57N/texであった。

0067

得られた石英ガラスヤーンを用いて整経をおこない、糊付けをおこなわずにビーミングをおこない、整経ビームを得た。得られた整経ビームをエアージェット織機にセットし、緯糸として得られた石英ガラスヤーンを用いて、経糸密度が65本/25mm、緯糸密度が62本/25mmの平織のガラスクロスを得た。なお、加熱による脱油及び開繊処理はおこなわなかった。ガラスクロスの織密度、厚さ、質量、引張強力、通気度、強熱減量、糸幅、毛羽、ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度、ワニス含浸性、半田耐熱性の測定は、該ガラスクロスを用いて評価した。

0068

実施例2
図1に概略を示した状態で、バーナー1のノズルに、直径0.1mmの石英ガラス連続繊維である石英ガラス素材2を導入して加熱延伸して、直径4μmの石英ガラス繊維3を作製した。そして、各石英ガラス繊維に(配合1)ガラス繊維用集束剤をアプリケーター4にて塗布した後に集束器5により集束し、巻取り機6により巻き取って単繊維本数50本の石英ガラスストランド7を作製した。巻き取った石英ガラスストランド7に25mmあたり0.8回の撚りをかけ、番手1.40texの石英ガラスヤーンを作製した。このときの石英ガラスヤーンの強熱減量は0.64%であった。また、JIS R 3420 2013 7.4.3に従い、定速伸長形引張試験方法により測定した該石英ガラスヤーンの引張強度は1.04N/texであった。

0069

得られた石英ガラスヤーンを用いて整経をおこない、糊付けをおこなわずにビーミングをおこない、整経ビームを得た。得られた整経ビームをエアージェット織機にセットし、緯糸として得られた石英ガラスヤーンを用いて、経糸密度が95本/25mm、緯糸密度が95本/25mmの平織のガラスクロスを得た。なお、加熱による脱油及び開繊処理はおこなわなかった。ガラスクロスの織密度、厚さ、質量、引張強力、通気度、強熱減量、糸幅、毛羽、ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度、ワニス含浸性、半田耐熱性の測定は、該ガラスクロスを用いて評価した。

0070

実施例3
ガラス繊維用集束剤に含有されるシランカップリング剤として、N−ビニルベンジル−2−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(信越シリコーン製KBM−575)):0.4重量部およびN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製KBM−573):0.4重量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にしておこない、番手18.4texの石英ガラスヤーンを作製した。このときの石英ガラスヤーンの強熱減量は0.11%であった。また、JIS R 3420 2013 7.4.3に従い、定速伸長形引張試験方法により測定した該石英ガラスヤーンの引張強度は0.57N/texであった。

0071

得られた石英ガラスヤーンを用い、実施例1と同様にしてガラスクロスを得た。ガラスクロスの織密度、厚さ、質量、引張強力、通気度、強熱減量、糸幅、毛羽、ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度、ワニス含浸性、半田耐熱性の測定は、該ガラスクロスを用いて評価した。

0072

実施例4
ガラス繊維用集束剤に含有されるシランカップリング剤として、N−ビニルベンジル−2−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(信越シリコーン製KBM−575)):0.4重量部およびN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン製KBM−573):0.4重量部の混合物を用いた以外は、実施例2と同様にしておこない、番手1.40texの石英ガラスヤーンを作製した。このときの石英ガラスヤーンの強熱減量は0.64%であった。また、JIS R 3420 2013 7.4.3に従い、定速伸長形引張試験方法により測定した該石英ガラスヤーンの引張強度は1.04N/texであった。

0073

得られた石英ガラスヤーンを用い、実施例2と同様にしてガラスクロスを得た。ガラスクロスの織密度、厚さ、質量、引張強力、通気度、強熱減量、糸幅、毛羽、ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度、ワニス含浸性、半田耐熱性の測定は、該ガラスクロスを用いて評価した。

0074

実施例5
Eガラスを白金ノズルから引き出して延伸することにより形成されたEガラス繊維に、
前述の(配合1)ガラス繊維用集束剤をアプリケーターにて塗布した後に集束器により集束し、巻取り機により巻き取って単繊維本数200本のEガラスストランドを作製した。巻き取ったEガラスストランドに25mmあたり1.0回の撚りをかけ、番手22.2texのEガラスヤーンを作製した。このときのEガラスヤーンの強熱減量は0.11%であった。また、JIS R 3420 2013 7.4.3に従い、定速伸長形引張試験方法により測定した該Eガラスヤーンの引張強度は0.65N/texであった。

0075

得られた石英ガラスヤーンを用いて整経をおこない、糊付けをおこなわずにビーミングをおこない、整経ビームを得た。得られた整経ビームをエアージェット織機にセットし、緯糸として得られた石英ガラスヤーンを用いて、経糸密度が65本/25mm、緯糸密度が62本/25mmの平織のガラスクロスを得た。なお、加熱による脱油及び開繊処理はおこなわなかった。ガラスクロスの織密度、厚さ、質量、引張強力、通気度、強熱減量、糸幅、毛羽、ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度、ワニス含浸性、半田耐熱性の測定は、該ガラスクロスを用いて評価した。

0076

比較例1
<ガラス繊維用集束剤>
ガラス繊維用集束剤の成分として、ヒドロキシプロピルヒドロキシプロピル架橋澱粉ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉、牛脂45℃硬化油ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物の酢酸塩、オクチルトリメチルアンモニウムエトサルフェート、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエトキシシラン、酢酸ビニル樹脂エマルジョンを用いた。そして、各成分を、ガラス繊維用集束剤における上記各成分の有効成分の含有量(質量%)が下記になるように水に混合し、比較例のガラス繊維用集束剤を得た。
(配合2)
澱粉:ヒドロキシプロピル架橋澱粉 1.5質量%
ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉 3.5質量%
シランカップリング剤:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルエトキシシラン 0.1質量%
皮膜形成樹脂:酢酸ビニル樹脂エマルジョン 0.5質量%
潤滑剤:牛脂45℃硬化油:1質量%
乳化剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.225質量%
柔軟剤:ポリオキシエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物の酢酸塩 0.5質量%
帯電防止剤:オクチルトリメチルアンモニウムエトサルフェート 0.095質量%

0077

図1に概略を示した状態で、バーナー1のノズルに、直径0.1mmの石英ガラス連続繊維である石英ガラス素材2を導入して加熱延伸して、直径7μmの石英ガラス繊維3を作製した。そして、各石英ガラス繊維に上述の(配合2)ガラス繊維用集束剤をアプリケーター4にて塗布した後に集束器5により集束し、巻取り機6により巻き取って単繊維本数190本の石英ガラスストランド7を作製した。巻き取った石英ガラスストランド7に25mmあたり0.6回の撚りをかけ、番手18.4texの石英ガラスヤーンを作製した。このときの石英ガラスヤーンの強熱減量は1.10%であった。また、JIS R 3420 2013 7.4.3に従い、定速伸長形引張試験方法により測定した該石英ガラスヤーンの引張強度は0.53N/texであった。

0078

得られた石英ガラスヤーンを用いて経糸用に整経、糊付けをおこない、糊付けビームを得た。糊剤は一般的なボリビニルアルコール主剤界面活性剤助剤とした配合とし、糊付け後の経糸の強熱減量は2.5%であった。糊付けビームをエアージェット織機にセットし、緯糸として得られた石英ガラスヤーンを用いて、平織のガラスクロスを得た。次いで、ガラスクロスを400℃、50時間にて加熱による脱油処理をし、糊剤を除去した。続いて、表面処理としてシランカップリング剤(N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を用いて処理液として、ガラスクロスを浸漬し、絞液後、130℃で2分間乾燥しシランカップリング剤付着量が0.11質量%になるように調製して比較例1のガラスクロスを得た。なお、開繊処理はおこなわなかった。ガラスクロスの織密度、厚さ、質量、引張強力、通気度、強熱減量、糸幅、毛羽、ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度、ワニス含浸性、半田耐熱性の測定は、該ガラスクロスを用いて評価した。

0079

比較例2
図1に概略を示した状態で、バーナー1のノズルに、直径0.1mmの石英ガラス連続繊維である石英ガラス素材2を導入して加熱延伸して、直径4μmの石英ガラス繊維3を作製した。そして、各石英ガラス繊維に(配合2)ガラス繊維用集束剤をアプリケーター4にて塗布した後に集束器5により集束し、巻取り機6により巻き取って単繊維本数50本の石英ガラスストランド7を作製した。巻き取った石英ガラスストランド7に25mmあたり0.8回の撚りをかけ、番手1.40texの石英ガラスヤーンを作製した。このときの石英ガラスヤーンの強熱減量は1.30%であった。また、JIS R 3420 2013 7.4.3に従い、定速伸長形引張試験方法により測定した該石英ガラスヤーンの引張強度は0.89N/texであった。

0080

得られた石英ガラスヤーンを用いて経糸用に整経、糊付けをおこない、糊付けビームを得た。糊剤は一般的なボリビニルアルコールを主剤に界面活性剤を助剤とした配合とし、糊付け後の経糸の強熱減量は3.0%であった。得られた糊付けビームをエアージェット織機にセットし、緯糸として得られた石英ガラスヤーンを用いて、平織のガラスクロスを得た。次いで、ガラスクロスを400℃、50時間にて加熱による脱油処理をし、糊剤を除去した。続いて、表面処理としてシランカップリング剤(N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を用いて処理液として、ガラスクロスを浸漬し、絞液後、130℃で2分間乾燥しシランカップリング剤付着量が0.13質量%になるように調製して比較例2のガラスクロスを得た。なお、開繊処理はおこなわなかった。ガラスクロスの織密度、厚さ、質量、引張強力、通気度、強熱減量、糸幅、毛羽、ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度、ワニス含浸性、半田耐熱性の測定は、該ガラスクロスを用いて評価した。

0081

比較例3
得られたガラスクロスを加熱による脱油及び開繊処理をおこなわなかったこと以外は、比較例1と同様にしておこなった。

0082

得られた結果を表1に示す。

0083

実施例

0084

実施例1〜5にて得られたガラスクロスは、シランカップリング剤を含有し、澱粉、合成樹脂及びエポキシ樹脂成分を実質的に含まないガラス繊維用集束剤を塗布したものであるため、毛羽の発生が極めて抑えられたものであった。また、ヒートクリーニング処理及び水流処理による脱油工程を省略できたことから、ヒートクリーニング処理による脱油工程を省略することができたことから、該ガラスクロスを構成するガラスヤーンの引張強度を保持することができ、従来の集束剤を塗布したガラスクロスを構成するガラス繊維原料と同等レベルの引張強度を有するガラス繊維を用いても、得られたガラスクロスの引張強力が従来クロスに比べ強いものであった。特に、シランカップリング剤としてN−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を用いた実施例1は、ガラスクロスの毛羽の発生が極めて抑えられただけでなく、開繊性が良好であったため、従来の開繊工程を経たガラスクロスと同程度の含浸性を示すものであった。

0085

1バーナー
2石英ガラス素材
3石英ガラス繊維
4アプリケーター
5集束器
巻き取り機
7 石英ガラスストランド

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