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技術 シミュレーション装置及びコンピュータプログラム

出願人 株式会社JSOL
発明者 廣瀬基人橋本洋
出願日 2013年10月11日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2013-214163
公開日 2015年4月20日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2015-076073
状態 特許登録済
技術分野 複合演算 マルチプログラミング CAD
主要キーワード ジュールの法則 オイラーの方程式 解析順序 入力物理量 発熱条件 伝熱現象 解析状況 流れ抵抗値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年4月20日)のものです。
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図面 (20)

課題

複数のシミュレータ間の物理量の受け渡し順序を自動的に決定し、連成解析を実行することができるシミュレーション装置を提供する。

解決手段

数値解析モデルデータによって表される対象物挙動を、異なる支配方程式に基づいてシミュレートする複数のシミュレータを備え、該複数のシミュレータを用いて前記対象物の時系列的な挙動を連成解析するシミュレーション装置に、前記シミュレータに入力する物理量、該物理量の属性、及び該シミュレータを用いたシミュレートによって出力される物理量を、前記シミュレータ毎に対応付けて記憶する属性記憶部と、一の時点における対象物の挙動を複数の前記シミュレータを用いてシミュレートする場合、該属性記憶部が記憶する物理量及び属性に基づいて、前記複数のシミュレータを用いた連成解析の手順を決定する解析手順決定部とを備える。

概要

背景

製品設計現場数値解析シミュレーションソフトが導入され、試作コストの低減や開発リードタイムの短縮が達成されてから、既に久しい。計算マシンの性能、解析ソフト解析速度や操作性の向上に伴い、設計の現場でも十分に解析ソフトを使いこなせる段階に達した。よって、現場には、より高度な現象を扱える余裕が生じている。
一方、単一の物理現象では実現象を正しく再現するには限界がある。例えば、モータ磁界解析で、室温の状態、ある電流値におけるトルクを求めることはできる。しかし、定常状態での温度上昇冷却条件による発熱抑制、回転時の振動騒音問題などは磁界解析単独では表現できない。また、設計の現場では2以上の物理現象にわたる二律背反を調整する場合もある。例えば、モータの駆動トルク、効率を最大化しようとするとブリッジ部分が薄くなる。一方で、ブリッジ部分が薄いと強度が不足して、高速回転時にモータ表面が破損する可能性が高くなる。そこで、設計の現場で手軽に行える、複数の物理現象を組合わせた連成解析が必要となってきた。
ところで、複雑なマルチフィジックス問題を扱うには、各物理現象間、即ち複数のシミュレータ間で物理量の受け渡しを行う必要がある。一般的に物理量の受け渡し順序を変えると解が変わってしまい、物理現象を適切に反映した解析結果が得られないことがある。以下、物理量の受け渡す順序が問題になることを具体的に説明する。

図16は複数のシミュレータに入出力する物理量の関係を概念的に示す説明図である。図16は、磁界解析シミュレータ構造解析シミュレータ及び熱解析シミュレータ間で受け渡される物理量を示している。

図17〜図22は第1の解析手順〜第6の解析手順を概念的に示す説明図である。横軸矢印は時刻を示している。特に時刻t1においては、複数のシミュレータが同時的に実行されるが、実際には同時に数値解析を行うことができないため、物理量の受け渡しの順序が問題となる。白抜き矢印は解析の順序を示している。例えば、図17では、磁界解析、構造解析、熱解析、磁界解析…の順で解析が行われる。また、円図形および楕円図形は数値解析の対象物の形状及び温度を示している。ハッチングがある図形と、白抜きの図形は温度が変わっていることを示している。円図形と、楕円図形は形状の変化があることを示している。対象物は構造解析によって得られた変位に応じて変形し、熱解析の結果によって対象物の温度が上昇もしくは下降する。「状態」は各シミュレータに入力される物理量を示しており、「結果」は、各シミュレータから出力される物理量を示している。

図17及び図18においては、磁界解析によって得られた発熱量を、熱解析シミュレータが受け取り、熱解析を実行している。その結果、時刻tの時点で瞬時に対象物の温度が上昇しており、不適である。
図19及び図20においては、同時刻で対象物の形状が異なっており、解析結果を評価する際に問題が生じる可能性がある。
図21においては、図17及び図18同様、磁界解析によって得られた発熱量によって、時刻t1の時点で瞬時に対象物の温度が上昇しており、不適である。
図22は、時刻t1で対象物の形状が同じであり、磁界解析によって得られた発熱量によって、対象物の温度が瞬時に上昇することも無く、最も適当な解析順序であると考えられる。
以上の通り、複数のシミュレータ間の物理量の受け渡し順序が問題となることが分かる。

概要

複数のシミュレータ間の物理量の受け渡し順序を自動的に決定し、連成解析を実行することができるシミュレーション装置を提供する。数値解析モデルデータによって表される対象物の挙動を、異なる支配方程式に基づいてシミュレートする複数のシミュレータを備え、該複数のシミュレータを用いて前記対象物の時系列的な挙動を連成解析するシミュレーション装置に、前記シミュレータに入力する物理量、該物理量の属性、及び該シミュレータを用いたシミュレートによって出力される物理量を、前記シミュレータ毎に対応付けて記憶する属性記憶部と、一の時点における対象物の挙動を複数の前記シミュレータを用いてシミュレートする場合、該属性記憶部が記憶する物理量及び属性に基づいて、前記複数のシミュレータを用いた連成解析の手順を決定する解析手順決定部とを備える。

目的

本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のシミュレータ間の物理量の受け渡し順序を自動的に決定し、連成解析を実行することができるシミュレーション装置及びコンピュータプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

数値解析モデルデータによって表される対象物挙動を、異なる支配方程式に基づいてシミュレートする複数のシミュレータを備え、該複数のシミュレータを用いて前記対象物の時系列的な挙動を連成解析するシミュレーション装置において、前記シミュレータに入力する物理量及び該物理量の属性を、前記シミュレータ毎に対応付けて記憶する属性記憶部と、一の時点における対象物の挙動を複数の前記シミュレータを用いてシミュレートする場合、該属性記憶部が記憶する物理量及び属性に基づいて、前記複数のシミュレータを用いた連成解析の手順を決定する解析手順決定部とを備えるシミュレーション装置。

請求項2

前記属性は第1属性及び第2属性を含み、前記解析手順決定部は、同一物理量の入出力によって関連付けられる前記複数のシミュレータの相互関係を示す有向グラフを作成する有向グラフ生成部と、該有向グラフ生成部にて生成された有向グラフに閉路が含まれるか否かを判定する判定部と、該判定部が有向グラフに閉路が含まれていると判定した場合、第2属性を有する物理量を入出力する相互関係を前記有向グラフから削除する削除部と、第2属性に係る相互関係が削除された無閉路の有向グラフに基づいて、物理量の入手力が逆順にならないように、前記複数のシミュレータによるシミュレート順序を決定する決定部とを備えるシミュレーション装置。

請求項3

前記第1属性は、前記対象物の静的な状態を決定する物理量に対応付けられており、前記第2属性は、前記シミュレータから出力される物理量を動的に変化させる物理量に対応付けられている請求項2に記載のシミュレーション装置。

請求項4

前記複数のシミュレータがシミュレートを実行する周期に対応する実時間を記憶する実時間記憶部と、シミュレーション開始時を基準にした時間を受け付ける受付部と、該受付部が受け付けた時間及び前記実時間記憶部が記憶する周期に対応する実時間に基づいて、該時間に対応する各シミュレータのシミュレーション結果を特定する特定部と該特定部にて特定されたシミュレーション結果を出力する結果出力部とを備える請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載のシミュレーション装置。

請求項5

コンピュータに、数値解析モデルデータによって表される対象物の時系列的な挙動を複数のシミュレータを用いて連成解析させるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、前記シミュレータを用いたシミュレートによって出力され、他の前記シミュレータに入力される物理量によって関連付けられる前記複数のシミュレータの相互関係を示す有向グラフを作成する有向グラフ生成部と、該有向グラフ生成部にて生成された有向グラフに閉路が含まれるか否かを判定する判定部と、該判定部が有向グラフに閉路が含まれていると判定した場合、所定の属性を有する物理量を入出力する相互関係を前記有向グラフから削除する削除部と、前記所定の属性に係る相互関係が削除された無閉路の有向グラフに基づいて、物理量の入手力が逆順にならないように、前記複数のシミュレータによるシミュレート順序を決定する決定部として機能させるコンピュータプログラム。

技術分野

0001

本発明は、数値解析モデルデータによって表される対象物挙動を複数のシミュレータを用いて連成解析するシミュレーション装置及びコンピュータプログラムに関する。

背景技術

0002

製品設計現場数値解析シミュレーションソフトが導入され、試作コストの低減や開発リードタイムの短縮が達成されてから、既に久しい。計算マシンの性能、解析ソフト解析速度や操作性の向上に伴い、設計の現場でも十分に解析ソフトを使いこなせる段階に達した。よって、現場には、より高度な現象を扱える余裕が生じている。
一方、単一の物理現象では実現象を正しく再現するには限界がある。例えば、モータ磁界解析で、室温の状態、ある電流値におけるトルクを求めることはできる。しかし、定常状態での温度上昇冷却条件による発熱抑制、回転時の振動騒音問題などは磁界解析単独では表現できない。また、設計の現場では2以上の物理現象にわたる二律背反を調整する場合もある。例えば、モータの駆動トルク、効率を最大化しようとするとブリッジ部分が薄くなる。一方で、ブリッジ部分が薄いと強度が不足して、高速回転時にモータ表面が破損する可能性が高くなる。そこで、設計の現場で手軽に行える、複数の物理現象を組合わせた連成解析が必要となってきた。
ところで、複雑なマルチフィジックス問題を扱うには、各物理現象間、即ち複数のシミュレータ間で物理量の受け渡しを行う必要がある。一般的に物理量の受け渡し順序を変えると解が変わってしまい、物理現象を適切に反映した解析結果が得られないことがある。以下、物理量の受け渡す順序が問題になることを具体的に説明する。

0003

図16は複数のシミュレータに入出力する物理量の関係を概念的に示す説明図である。図16は、磁界解析シミュレータ構造解析シミュレータ及び熱解析シミュレータ間で受け渡される物理量を示している。

0004

図17図22は第1の解析手順〜第6の解析手順を概念的に示す説明図である。横軸矢印は時刻を示している。特に時刻t1においては、複数のシミュレータが同時的に実行されるが、実際には同時に数値解析を行うことができないため、物理量の受け渡しの順序が問題となる。白抜き矢印は解析の順序を示している。例えば、図17では、磁界解析、構造解析、熱解析、磁界解析…の順で解析が行われる。また、円図形および楕円図形は数値解析の対象物の形状及び温度を示している。ハッチングがある図形と、白抜きの図形は温度が変わっていることを示している。円図形と、楕円図形は形状の変化があることを示している。対象物は構造解析によって得られた変位に応じて変形し、熱解析の結果によって対象物の温度が上昇もしくは下降する。「状態」は各シミュレータに入力される物理量を示しており、「結果」は、各シミュレータから出力される物理量を示している。

0005

図17及び図18においては、磁界解析によって得られた発熱量を、熱解析シミュレータが受け取り、熱解析を実行している。その結果、時刻tの時点で瞬時に対象物の温度が上昇しており、不適である。
図19及び図20においては、同時刻で対象物の形状が異なっており、解析結果を評価する際に問題が生じる可能性がある。
図21においては、図17及び図18同様、磁界解析によって得られた発熱量によって、時刻t1の時点で瞬時に対象物の温度が上昇しており、不適である。
図22は、時刻t1で対象物の形状が同じであり、磁界解析によって得られた発熱量によって、対象物の温度が瞬時に上昇することも無く、最も適当な解析順序であると考えられる。
以上の通り、複数のシミュレータ間の物理量の受け渡し順序が問題となることが分かる。

先行技術

0006

特開2007−80174号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、物理量の受け渡しを全て理解して、正しく組み合わせることは、数値解析に不慣れ設計者に負担を強いる。数値解析に詳しくない設計者が、解析の優先度を正しく設定することは難しく、簡便なシステムが望まれる。

0008

本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のシミュレータ間の物理量の受け渡し順序を自動的に決定し、連成解析を実行することができるシミュレーション装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明に係るシミュレーション装置は、数値解析モデルデータによって表される対象物の挙動を、異なる支配方程式に基づいてシミュレートする複数のシミュレータを備え、該複数のシミュレータを用いて前記対象物の時系列的な挙動を連成解析するシミュレーション装置において、前記シミュレータに入力する物理量及び該物理量の属性を、前記シミュレータ毎に対応付けて記憶する属性記憶部と、一の時点における対象物の挙動を複数の前記シミュレータを用いてシミュレートする場合、該属性記憶部が記憶する物理量及び属性に基づいて、前記複数のシミュレータを用いた連成解析の手順を決定する解析手順決定部とを備える。

0010

本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、数値解析モデルデータによって表される対象物の時系列的な挙動を複数のシミュレータを用いて連成解析させるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、前記シミュレータを用いたシミュレートによって出力され、他の前記シミュレータに入力される物理量によって関連付けられる前記複数のシミュレータの相互関係を示す有向グラフを作成する有向グラフ生成部と、該有向グラフ生成部にて生成された有向グラフに閉路が含まれるか否かを判定する判定部と、該判定部が有向グラフに閉路が含まれていると判定した場合、所定の属性を有する物理量を入出力する相互関係を前記有向グラフから削除する削除部と、前記所定の属性に係る相互関係が削除された無閉路の有向グラフに基づいて、物理量の入手力が逆順にならないように、前記複数のシミュレータによるシミュレート順序を決定する決定部として機能させる。

発明の効果

0011

本発明によれば、複数のシミュレータ間の物理量の受け渡し順序を自動的に決定し、連成解析を実行することができる。物理量の受け渡しが自動的に行われるため、数値解析に不慣れな設計者に負担を強いることは無く、連成解析を実行することができる。

図面の簡単な説明

0012

シミュレーション装置の構成を示すブロック図である。
磁界解析に係る因果関係データベースの内容を概念的に示す説明図である。
熱解析に係る因果関係データベースの内容を概念的に示す説明図である。
構造解析に係る因果関係データベースの内容を概念的に示す説明図である。
CPUの処理手順を示すフローチャートである。
物理現象選択に係る入力画面の一例を示す模式図である。
決定された入出力物理量の一例を概念的に示す説明図である。
有向グラフの生成方法の一例を概念的に示す説明図である。
連成解析の解析ステップの一例を概念的に示す説明図である。
読み出された物理量の一例を概念的に示す説明図である。
無閉路有向グラフの生成方法の一例を概念的に示す説明図である。
解析状況表示画面の一例を示す模式図である。
その他のシミュレート手順決定例を概念的に示す説明図である。
その他のシミュレート手順決定例を概念的に示す説明図である。
その他のシミュレート手順決定例を概念的に示す説明図である。
複数のシミュレータに入出力する物理量の関係を概念的に示す説明図である。
第1の解析手順を概念的に示す説明図である。
第2の解析手順を概念的に示す説明図である。
第3の解析手順を概念的に示す説明図である。
第4の解析手順を概念的に示す説明図である。
第5の解析手順を概念的に示す説明図である。
第6の解析手順を概念的に示す説明図である。

実施例

0013

以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、シミュレーション装置の構成を示すブロック図である。図中1は、本発明の実施の形態1に係るシミュレーション装置である。シミュレーション装置1は、コンピュータを用いて構成されており、数値解析モデルデータによって表される対象物の挙動を、異なる支配方程式に基づいてシミュレートする複数のシミュレータを備える。数値解析の対象物は、例えば回転機発電機、変圧器インダクタコンデンサ磁気センサバスバー磁気シールド磁気ヘッド超電導体、などの電磁機器電磁部品であり、生産技術としての誘導加熱通電加熱、焼嵌等、様々な現象が対象物として扱われる。シミュレータは、例えば有限要素法を用いた磁界解析シミュレータ、熱解析シミュレータ、構造解析シミュレータ、電気回路シミュレータ熱流体シミュレータ鍛造解析シミュレータ等である。シミュレーション装置1は、複数のシミュレータを用いて前記対象物の時系列的な挙動を連成解析する機能を有する。

0014

なお、磁界解析シミュレータの数値解析に用いる支配方程式はマクスウェル方程式である。また、物理現象に応じて、オームの法則ジュールの法則ローレンツ力方程式等を用いて数値解析を行う。磁界電流の関係は下記式(1)で表される。
磁界解析シミュレータには、磁界を発生させる起磁力として電流及び磁石の磁界等の物理量が入力される。また、解析する対象物の状態を定める物理量として温度、応力等が入力される。磁界解析シミュレータの解析結果として物理量としては、磁界、磁束、発熱量、電磁力等がある。発熱量は、鉄損ヒステリシス損ジュール損銅損に起因する。

0015

0016

また、熱解析シミュレータの数値解析に用いる支配方程式は熱伝導方程式であり、下記式(2)で表される。熱解析シミュレータに入力される物理量としては、熱源からの発熱量、初期状態を定める温度等がある。温度は、解析の対象物の物性を定めるための物理量でもある。熱解析シミュレータの解析結果として物理量としては、温度、熱流速等がある。

0017

0018

更に、構造解析シミュレータの数値解析に用いる支配方程式はつりあいの式及び応力歪み関係式であり、下記式(3)及び(4)で表される。構造解析シミュレータに入力される物理量としては、荷重等の外力、対象物の初期状態を定める変位、対象物の物性を定める温度等が入力する。構造解析シミュレータの解析結果として出力される物理量としては対象物の変位、対象物に働く応力等がある。

0019

0020

0021

その他、各シュミレータについても、オイラーの方程式、オームの法則等、周知の支配方程式を用いて数値解析を行う。

0022

シミュレーション装置1は、該シミュレーション装置1の各構成部の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)11を備えたコンピュータである。CPU11にはバスを介して内部記憶装置12、外部記憶装置13、入力装置14、出力装置15及び通信インタフェース16が接続されている。

0023

内部記憶装置12は、コンピュータの初期動作に必要な制御プログラムを記憶したマスクROM、EEPROM等の不揮発性メモリと、コンピュータの動作に必要な制御プログラムを記憶し、CPU11の演算処理を実行する際に生ずる各種データを一時記憶するDRAM、SRAM等のメモリとで構成される。

0024

外部記憶装置13は、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブ等の読み出しが可能なディスクドライブ可搬式記録媒体2からのデータの読み出しが可能なCD−ROMドライブ等の装置である。記録媒体2には、本実施の形態1に係るコンピュータプログラム20が読み出し可能に記録されている。本実施の形態1に係るコンピュータプログラム20は、コンピュータ読み取り可能に記録されたCD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、BD(Blu-ray Disc:登録商標)等の可搬式の記録媒体2を介すなどしてディスクドライブに記録される。CPU11はコンピュータプログラム20が記録された記録媒体2又はディスクドライブなどから、コンピュータプログラム20を読み出し、内部記憶装置12に記憶させる。また、言うまでもなく、光ディスクは、記録媒体2の一例であり、フレキシブルディスク磁気光ディスク、外付けハードディスク半導体メモリ等にコンピュータプログラム20をコンピュータ読み取り可能に記録し、外部記憶装置13にて読み出すように構成しても良い。なお、通信インタフェース16に接続されている外部の通信装置3から本発明に係るコンピュータプログラム20をダウンロードするようにしても良い。

0025

また、外部記憶装置13は、コンピュータプログラム20と共に、回転機、変圧器等の有限要素法解析を行うための数値解析モデルデータを記憶している。例えば、本実施の形態では、外部記憶装置13は、複数のティースを有する回転子の3次元形状を表現した数値解析モデルを記憶している。また、外部記憶装置13は、シミュレータに入力する物理量、該物理量の属性、及び該シミュレータを用いたシミュレートによって出力される物理量を、シミュレータ毎に対応付けて記憶している。前記物理量及び属性を対応付けたデータベースを、以下因果関係データベースと言う。詳細は後述する。更に外部記憶装置13は、数値解析モデルを特徴付ける各種材定数構成式等を記憶している。

0026

またシミュレーション装置1は、キーボード又はマウス等の入力装置14と、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の出力装置15とを備えており、使用者によるデータ入力等の操作を受け付ける構成となっている。

0027

図2は磁界解析に係る因果関係データベースの内容を概念的に示す説明図である。因果関係データベースには、図2Aに示すように、磁界解析シミュレータに入力する物理量「温度」と、該物理量の属性である第1属性とが対応付けて登録されている。また、磁界解析シミュレーション結果として出力される物理量「発熱量」及び「電磁力」も登録されている。図中、円図形はシミュレータの種類を示している。円図形に向かう矢印はシミュレータに入力される物理量を示し、円図形から外側を向いた矢印はシミュレータから出力される物理量を示す。「温度」は各有限要素の温度を示す物理量である。「発熱量」は各有限要素で発生する熱量、「電磁力」は各有限要素に働く電磁力を示す物理量である。第1属性は対象物の静的な状態を決定する入力物理量に対応付けられている。磁界解析に関連する対象物の物性は、温度によって瞬時に定まるため、「温度」は静的な状態を決定する物理量である。
また、図2Bに示すように、磁界解析シミュレータに入力する他の物理量「変位」と、該物理量の属性である第1属性とが対応付けて登録されている。また、上述の通り、磁界解析シミュレーション結果として出力される物理量「発熱量」及び「電磁力」も登録されている。「変位」は対象物を表す各節点の変位を示す物理量である。

0028

図3は熱解析に係る因果関係データベースの内容を概念的に示す説明図である。因果関係データベースには、図3A及び図3Bに示すように、熱解析シミュレータに入力する物理量「温度」及び「変位」それぞれに、該物理量の属性である第1属性とが対応付けて登録されている。また、熱解析シミュレーション結果として出力される物理量「温度」も登録されている。また、因果関係データベースには、図3Cに示すように、熱解析シミュレータに入力する物理量「発熱量」と、該物理量の属性である第2属性とが対応付けて登録されている。また、上述の通り、熱解析シミュレーション結果として出力される物理量「温度」も登録されている。第2属性はシミュレータから出力される物理量を動的に変化させる入力物理量に対応付けられている。「発熱量」は、発熱量が対象物に与えられた結果、該対象物の温度として反映されるまでに一定の時間を要するような物理量であり、「発熱量」には第2属性が対応付けられている。

0029

図4は構造解析に係る因果関係データベースの内容を概念的に示す説明図である。因果関係データベースには、図4Aに示すように、構造解析シミュレータに入力する物理量「温度」と、該物理量の属性である第1属性及び第2属性とが対応付けて登録されている。また、構造解析シミュレーション結果として出力される物理量「変位」も登録されている。「温度」は、温度が対象物に与えられた結果、熱膨張現象として該対象物の変位として反映されるまでに一定の時間を要するかどうかが、対象物によって異なるため、物理量「温度」には第1属性及び第2属性の双方が対応付けられている。また、図4Bに示すように、構造解析シミュレータに入力する物理量「変位」と、該物理量の属性である第1属性と、出力される物理量「変位」とが対応付けられて登録されている。更に、図4Cに示すように、構造解析シミュレータに入力する物理量「電磁力」と、該物理量の属性である第2属性と、出力される物理量「変位」とが対応付けられて登録されている。「電磁力」は、電磁力が対象物に与えられた結果、該対象物の変位として反映されるまでに一定の時間を要するような物理量である。このため、「電磁力」には第2属性が対応付けられている。

0030

図5はCPU11の処理手順を示すフローチャートである。まず、CPU11は、入力装置14にて、物理現象の選択を受け付ける(ステップS11)。そして、CPU11は、利用するシミュレータ及び各シミュレータに入出力する物理量を決定する(ステップS12)。

0031

図6は物理現象選択に係る入力画面4の一例を示す模式図である。具体的には、CPU11は、解析の対象物及び物理現象の種類を受け付ける。対象物が選択された場合、CPU11は、選択された対象物を表現する数値解析モデルを外部記憶装置13から内部記憶装置12に読み出し、該対象物の形状を入力画面4に表示する。物理現象としては、誘導加熱現象熱減磁現象、熱膨張現象等がある。また、必要なシミュレータをシミュレーション装置1に備えることにより、その他一般的な電磁場の現象、伝熱現象、対象物の強度、振動及び音に関する現象、流体の振る舞い等の物理現象を受け付けることができる。物理現象の受け付けは、解析の対象物の材料、条件、評価したい物理量等を入力することによって行われ、後述するように問題とする物理現象に応じたシミュレータが選択される。
入力画面4の右欄には、数値解析に必要な対象物を構成する材料の候補が一覧表示されており、CPU11は、対象物の各部を構成する材料を受け付ける。材料は雰囲気永久磁石導電材料誘電体等である。また、CPU11は、対象物に与えられる電流値、熱量、外力等を受け付ける。
更に、CPU11は、複数の各シミュレータ実行する解析ステップの周期に対応する実時間、つまり各解析ステップの時間刻みを入力装置14にて受け付け、受け付けた実時間の関係を内部記憶装置12又は外部記憶装置13に記憶する。

0032

例えば、ユーザは対象物を構成するコイルに「電流を流す」という条件、特定の部位を「磁石」とする解析条件を入力装置14に入力する。また、ユーザは、評価したい項目、例えば「電磁力(トルク)を評価したい」、「磁束量を評価したい」、「損失を評価したい」等の評価項目を入力装置14に入力する。これらの物理量の入力及び出力の関係から、CPU11は利用するシミュレータとして、磁界解析シミュレータを選択する。
また、ユーザが「コイルの温度を評価したい」、「コアの温度を評価したい」といった評価項目を入力装置14に入力した場合、出力結果として温度が必要であるため、CPU11は利用するシミュレータとして、熱解析シミュレータを選択する。
以下、対象物の誘導加熱現象を数値解析する例を説明する。対象物には電流が与えられており、対象物は電流によって発熱する条件、熱伝導する材料、熱によって熱伝導度電気抵抗値等の物性が変化する温度依存性材料が選択されているものとする。誘導加熱現象を数値解析する場合に使用するシミュレータは磁界シミュレータ及び熱解析シミュレータであり、入出力する物理量ないし評価項目によってCPU11が決定する。
また、CPU11は、例えば、熱解析の解析ステップの刻みとして1秒、磁界解析の刻みとして、1/15秒を記憶する(図9参照)。これは、熱解析において熱が伝導する際の時定数は、一般的に磁界解析の磁場が変動する時定数よりも長いため、計算時間を短縮するために異なる時間刻みを設定することを示している。なお、入力装置14は受付部として機能し、内部記憶装置12又は外部記憶装置13は、実時間記憶部として機能する。

0033

図7は決定された入出力物理量の一例を概念的に示す説明図である。CPU11は、ステップS11で選択された物理現象によって、使用するシミュレータとして磁界解析シミュレータと、熱解析シミュレータを選択する。そして、変位する材料が選択されておらず、温度依存性の材料及び電流による発熱条件が選択されていることから、磁界解析シミュレータに入出力する物理量としては、図7Aに示すように、「温度」と、「発熱量」が選択される。変形を考慮する場合は入力として「変位」、出力として「電磁力」も選択される。磁界解析で、物性に鉄損曲線を有する材料があれば、磁界解析シミュレータは発熱量(鉄損)を出力する。また、物性に電気抵抗を有する材料があれば、磁界解析シミュレータは発熱量(ジュール損)を出力する。更に、コイルに電流が流れ抵抗値がわかれば、磁界解析シミュレータは発熱量(銅損)を出力する。
また、熱解析シミュレータに入出力する物理量としては、図7B及び図7Cに示すように「発熱量」と、「温度」とがそれぞれ選択される。温度依存性材料データがあれば、入力に「温度」が必要であると分かる。また、熱解析で、発熱条件を設定すれば、入力に「発熱量」が必要であると分かる。熱解析は、標準機能として、温度分布を出力する。

0034

次いで、CPU11は、同一物理量の入出力によって関連付けられる複数のシミュレータの相互関係を示す有向グラフを生成する(ステップS13)。ステップS13を実行するCPU11は、有向グラフ生成部として機能する。
ステップS11〜12の処理で決定された磁界解析シミュレータ及び熱解析シミュレータをどのように接続するかは、入力及び出力する物理量の因果関係によって定められる。対象物の誘導加熱現象を数値解析する場合、磁界解析シミュレータから出力される「発熱量」(損失)と、熱解析に入力される「発熱量」(発熱源)とが接続される。また、磁界解析及び熱解析の対象物の物性として、温度依存性を有する材料が選択されたような場合、磁界解析シミュレータ及び熱解析シミュレータに入力する物理量として、「発熱量」が必要となり、磁界解析シミュレータ及び熱解析シミュレータの入力に、熱解析が出力する物理量「発熱量」が接続される。

0035

図8は有向グラフの生成方法の一例を概念的に示す説明図である。図8に示すように、熱解析シミュレータから出力される「温度」は、磁界解析シミュレータに入力される。また、磁界解析シミュレータから出力される「発熱量」は熱解析シミュレータに入力される。誘導加熱現象の数値解析において、対象物の材料が温度依存性を有する場合、後述するように、磁界解析シミュレータ及び磁界解析シミュレータの有向グラフには閉路が含まれる。
なお、ここでは、2つのシミュレータを連成解析する例を示したが、3つ以上のシミュレータを連成解析する場合も同様にして、有向グラフを生成すれば良い。3つ以上のシミュレータを連成解析する場合、解析ステップの周期によって同時刻に実行されることになる複数のシミュレータの組み合わせを特定し、特定された各組のシミュレータに係る有向グラフを生成すれば良い。

0036

次いで、CPU11は、ステップS13にて生成された有向グラフに閉路が含まれるか否かを判定する(ステップS14)。例えば、図8に示す有向グラフの場合、該有向グラフは閉路を含むと判定される。ステップS14を実行するCPU11は、判定部として機能する。
各シミュレータに入出力する物理量によって生成された有向グラフに閉路が含まれる場合、トポロジカルソートでは複数の各シミュレータを実行する順序を一意に決定することができない。そこで、ステップS15及びステップS16では、前記有向グラフを、無閉路有向グラフに変換する処理を実行する。

0037

図9は連成解析の解析ステップの一例を概念的に示す説明図である。横軸の矢印は時間軸を示しており、熱解析シミュレータ及び磁界解析シミュレータがシミュレーションを実行する時間を示している。図9に示す例では、0秒、1秒、2秒…において、複数のシミュレータが同時に実行される。ステップS14で生成された有向グラフに閉路が含まれ、複数のシミュレータの実行手順が問題となるのは、これらのタイミングにおけるシミュレーションである。

0038

ステップS14において、有向グラフに閉路が含まれると判定された場合(ステップS14:YES)、CPU11は、ステップS12にて決定した物理量、つまり各シミュレータに入出力する物理量の属性を、因果関係データベースから読み出す(ステップS15)。

0039

図10は読み出された物理量の一例を概念的に示す説明図である。図10A及び図10Bに示すように、磁界解析シミュレータ及び熱解析シミュレータに入力する「温度」には第1属性が対応付けられている。図10Cに示すように、熱解析シミュレータの「発熱量」には第2属性が対応付けられている。

0040

そして、CPU11は、第2属性を有する物理量に係るエッジを前記有向グラフから削除し、無閉路有向グラフを生成する(ステップS16)。ステップS16を実施するCPU11は削除部として機能する。ここで、エッジは、一のシミュレータから出力し、他のシミュレータに入力する物理量の受け渡しに関する因果関係を意味する。

0041

図11は無閉路有向グラフの生成方法の一例を概念的に示す説明図である。熱解析シミュレータに入力する物理量「発熱量」には第2属性が対応付けられているため、発熱量が磁界解析シミュレータから出力し、該発熱量が熱解析シミュレータに入力することを示すエッジは削除され、無閉路有向グラフが生成される。第2属性が対応付けられている物理量、即ち「発熱量」は、対象物の温度を瞬時に上昇させるような物理量では無いため、ある時刻における解析の手順として、磁界解析シミュレータから発熱量を熱解析シミュレータに受け渡すことは不適である。従って、発熱量の受け渡しに係るエッジが削除される。

0042

なお、閉路を構成するエッジに係る物理量に第1属性及び第2属性の双方が対応付けられている場合、CPU11は、該エッジを削除し、無閉路有向グラフを生成する。なお、CPU11は、シミュレーション間で受け渡される前記物理量の大きさに応じて、該エッジを削除するか否かを判定するように構成しても良い。第1属性及び第2属性の双方が対応付けられている物理量が大きい場合、CPU11は、該物理量に係るエッジを削除し、該物理量が小さい場合、該物理量に係るエッジを削除せずに、無閉路有向グラフを生成する。但し、無閉路有向グラフの生成が不可能な場合、前記物理量に係るエッジを削除する。
また、第1属性及び第2属性の双方が対応付けられている物理量が存在する場合、CPU11は、該物理量の変化が対象物の状態に瞬時に反映されるべきか否かを入力装置14にて受け付け、瞬時に反映させるべき物理量であることを受け付けた場合、該物理量に係るエッジを削除し、無閉路有向グラフを生成するように構成しても良い。

0043

なお、第1属性及び第2属性を用いて、無閉路有向グラフを生成する例を説明したが、深さ優先探索を実行することにより、削除すべきエッジを特定し、無閉路有向グラフを生成しても良い。具体的には、シミュレーション装置1の外部記憶装置13は、複数のシミュレータの内、最初に解析を行うべきシミュレータを記憶する。最初に解析を行うべきシミュレータは、予め外部記憶装置13が記憶しておいても良いし、入力装置14を用いて入力された、最初に解析を行うべきシミュレータを外部記憶装置13に記憶させるようにしても良い。CPU11は、外部記憶装置13が記憶する情報に基づいて、同じタイミングで実行されることになる複数のシミュレータの内、最初に実行すべきシミュレータを特定する。そして、CPU11は、該シミュレータを起点にして、閉路を含む有向グラフの深さ優先探索を行う。CPU11は、深さ優先探索により検出される後退エッジを特定し、該後退エッジを削除することによって、無閉路有向グラフを生成する。

0044

ステップS16の処理を終え、又はステップS14において有向グラフに閉路が含まれ無いと判定した場合(ステップS14:NO)、CPU11は、第2属性に係るエッジが削除された無閉路有向グラフに基づいて、物理量の入手力が逆順にならないように、複数のシミュレータによるシミュレート順序をトポロジカルソートによって決定する(ステップS17)。ステップS17の処理を実行するCPU11は決定部として機能する。
また、ステップS13〜ステップS17を実行するCPU11は、解析手順決定部として機能する。解析手順決定部は、一の時点における対象物の挙動を複数のシミュレータを用いてシミュレートする場合、因果関係データベースが記憶する物理量及び属性に基づいて、前記複数のシミュレータを用いた連成解析の手順を決定する構成部である。

0045

なお、CPU11は、一連の解析が始まる前に、全ての処理順序を定めても良いし、解析中に、入出力の関係が変わる場合などは、同一時刻における解析の実行タイミングが問題になった時だけ、解析順序を決定するようにしても良い。

0046

次いで、CPU11は、ステップS17で決定した順序に従って、複数のシミュレータを用いて対象物の時系列的な挙動を連成解析する(ステップS18)。

0047

図12は解析状況表示画面の一例を示す模式図である。解析状況表示画面5には、連成解析の解析状況がプログレスバーで表示されている。また、解析状況表示画面5は、解析の結果得られた物理量、例えば電磁力によって得られるトルク等の時間変化を表示している。更に、解析状況表示画面5は、解析状況の詳細をメッセージ表示したり、各解析ステップ及び対応する実時間を表示したりする。

0048

そして、CPU11は、ステップS18による連成解析の結果を、出力装置15にて出力する(ステップS19)。一般的に連成解析を行う場合、シミュレーション毎に解析ステップの周期、つまり解析ステップの時間刻みが異なるが、各シミュレーションの結果を一画面に表示しても良い。
ただし、ある時刻で、各物理現象で対象物の形状が異なるような場合、使用者は違和感を覚えるおそれがあるため、各物理現象毎に表示する画面を分けても良い。また、物理現象毎にどの物理量の入力に対して、どのような物理量の出力を得たのかという関係を表示すると良い。

0049

ユーザはあるタイミングの解析結果を表示するために、解析ステップの番号を入力装置14に入力することができ、CPU11は、特定の解析ステップの指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS20)。特定の解析ステップを受け付けたと判定した場合(ステップS20:YES)、受け付けた解析ステップに対応する連成解析結果を、出力装置15にて出力する(ステップS21)。一のシミュレータの解析結果Aについて、解析ステップを指定して表示する。他のシミュレータの解析結果Bに関しては、解析結果Aを入力物理量として参照した解析ステップの解析結果を表示する。例えば、熱解析は1秒毎に解析を行い、磁界解析は0.01秒毎に解析を行うケースを考える。磁界解析の第5ステップ(時刻2.04秒)における結果を表示する際、温度分布は熱解析の第1ステップ(時刻2秒)の結果を入力値として表示する。解析精度は時間刻みにより定まる場合が多い。解析ステップの指定を使用者に提供することで、無意識のうちに解析ステップ分解能踏まえ結果評価が可能となる。例えば、同じ時間の解析を全部で20解析ステップで済ませた解析と、200解析ステップで済ませた解析とでは見た瞬間に後者の方が精度が高いと分かる。しかし、時刻指定の機能だけだと精度の高低は分かりにくい。
なお、前記一のシミュレータについて指定された解析ステップに対応する時刻で、前記他のシミュレータが実行されていない場合、該時刻の前後の解析ステップにおける前記他のシミュレータの解析結果から、指定された解析ステップに対応する時刻の解析結果を補完して表示してもよい。

0050

またユーザはあるタイミングの解析結果を表示するために、ある解析ステップに対応する解析時刻を入力装置14に入力することができる。ステップS21の処理を終えた場合、又はステップS20で特定の解析ステップの指定を受け付けていないと判定した場合(ステップS20:NO)、CPU11は、特定の解析時刻を受け付けたか否かを判定する(ステップS22)。特定の解析時刻を受け付けていないと判定した場合(ステップS22:NO)、CPU11は処理を終える。なお、説明の便宜上、ステップS19〜ステップS23を一連の処理の流れとして説明したが、実際には解析結果の表示を終了させるまでの間、各シミュレーション結果の一画面表示、解析ステップの指定、解析時刻の指定を常時行い、各種態様で解析結果を表示させることができる。特定の解析時刻を受け付けたと判定した場合(ステップS22:YES)、CPU11は、受け付けた解析時刻に対応する連成解析結果を、出力装置15にて出力する(ステップS23)。つまり、CPU11は、入力装置14にて受け付けた時刻と、内部記憶装置12又は外部記憶装置13が記憶する解析ステップの実時間に基づいて、該時刻に対応する各シミュレータのシミュレーション結果を特定する。例えば、図9に示すような時間刻みで熱解析及び磁界解析が行われた場合を考える。つまり、熱解析は1秒刻みの0秒、1秒、2秒…のタイミングで解析が実行され、磁界解析は1/15秒刻みの0秒、1/15秒、2/15秒…のタイミングで解析が実行された場合を考える。そして、解析結果の表示時刻として1秒が指定された場合、CPU11は、第2番目の解析ステップに対応する熱解析のシミュレーション結果を特定する。また、CPU11は、第15番目の解析ステップに対応する磁界解析のシミュレーション結果を特定する。熱解析の第2番目の解析ステップ、及び磁界解析の第15番目の解析ステップはそれぞれ実時間の1秒に対応している。そして、CPU11は、特定された各シミュレーション結果を、出力装置15にて出力する。
ところで、解析結果の表示時刻として0.5秒が指定された場合、0.5秒に対応する熱解析及び磁界解析の解析ステップが存在しない。この場合、0.5秒の時刻に最も近い解析ステップを特定する。なお、最も近い解析ステップが2つ存在する場合、いずれか一方を選択すれば良い。例えば、熱解析の場合、0.5秒に対応する解析ステップは、0.5×1=0.5番目となり、対応する解析ステップが存在しない。この場合、先の解析ステップとして、0番目の解析ステップに対応するシミュレーション結果を特定する。同様に、磁界解析の場合、0.5秒に対応する解析ステップは、0.5×15=7.5番目となり、対応する解析ステップが存在しない。この場合、先の解析ステップとして、7番目の解析ステップに対応するシミュレーション結果を特定する。このように特定された各シミュレータの解析結果は、出力装置15にて出力される。
なお、ステップS23を実行するCPU11は特定部として機能し、出力装置15は結果出力部として機能する。

0051

また、あるシミュレータの解析ステップの時間刻みが1秒である場合に、解析結果の表示時刻として2.1秒を指定されたとき、直近の時刻2秒の時点での結果を表示するようにし、時間軸方向に連続的に分布量コンター図アニメーション表示すると良い。複数の物理現象間の相関分析しやすいというメリットがある。

0052

また、指定された時刻に対応する解析ステップが無い場合、該時刻における解析結果を、その時刻の前後の解析ステップの解析結果から補完して表示するようにしても良い。例えば、時刻1秒刻みで解析結果がある場合に、2.1秒を指定したとき、2.1秒を間に含む時刻2秒と3秒の結果から、2.1秒の状態を補完して予測し、表示する。この場合、時間軸方向に連続低に分布量をコンター図でアニメーション表示すると、連続的に物理量が変わる表示となる。

0053

図13は、その他のシミュレート手順決定例を概念的に示す説明図である。図13は、外部からの伝熱による熱減磁現象の連成解析の手順を示している。上述の処理手順によって図13に示すような無閉路有向グラフが得られる。数値解析の対象物は磁石である。熱減磁現象においては、外部の熱源から与えられた発熱量が磁石に伝わり、該磁石の温度が上昇する。そして、磁石の磁力が低下し、磁場の分布が変化する。外部の熱源の温度が上昇した場合、磁石の温度も上昇し、地場の分布が変化する。磁界解析の結果得られる発熱量は、熱源による熱に比べて微量であるとして、図13においては無視されている。
なお、発熱量が大きい場合、ステップS13において閉路を含む有向グラフが生成されるが、磁界解析シミュレータから熱解析シミュレータに発熱量が入力するエッジは除去される。従って、連成解析の手順は熱解析、磁界解析の順序になる。

0054

図14は、その他のシミュレート手順決定例を概念的に示す説明図である。図14は、誘導加熱現象の熱膨張現象の数値解析手順を示している。熱膨張現象においては、対象物が熱膨張して変形し、対象物における熱分布が変化し、変化した熱分布に応じて更に対象物が熱膨張により変形するといった現象が、平衡状態になるまで繰り返される。図14に示す例では、ステップS13において閉路を含む有向グラフが生成されるが、熱解析シミュレータから構造解析シミュレータに温度が入力するエッジは除去される。従って、連成解析の手順は構造解析、熱解析の順序になる。

0055

図15は、その他のシミュレート手順決定例を概念的に示す説明図である。図15は、制御回路と、磁界との連携現象に係る数値解析手順を示している。シミュレーション装置1は制御回路シミュレータを備える。制御回路シミュレータには、インダクタンス交流抵抗等の回路定数と、逆起電圧等の電位とが入力し、入力した情報に基づくシミュレーションの結果として、電流を出力する。例えば、数値解析モデルの制御回路にコイルが含まれている場合を考えると、コイルに印加される電圧及び回路定数によって、電流が算出され、該電流が磁界解析シミュレータに受け渡される。ここで、制御回路シミュレータに入力する物理量「電位」には第2属性が対応づけられ、「回路定数」には第1属性が対応づけられている。
また、磁界解析シミュレータは、入力した電流に基づいて磁界解析を実行し、コイルのインダクタンス、交流抵抗等の回路定数と、逆起電圧等の電位を出力する。コイルのインダクタンスはコイルで発生する磁束と電流の関係から求められる。また、コイルに流れる電流によって、交流抵抗が求められる。更に、コイルを鎖交する磁束の変化から逆起電圧が求められる。
図15に示す例では、ステップS13において閉路を含む有向グラフが生成されるが、磁界解析シミュレータから制御回路シミュレータに入力する電位に係るエッジは除去される。従って、連成解析の手順は制御回路解析、磁界解析の順序になる。

0056

以上の通り、本実施の形態に係るシミュレーション装置1及びコンピュータプログラムにあっては、複数のシミュレータ間の物理量の受け渡し順序を自動的に決定し、連成解析を実行することができる。物理量の受け渡しが自動的に行われるため、数値解析に不慣れな設計者に負担を強いることは無く、連成解析を実行することができる。

0057

また、時刻又は解析ステップの指定を受け付け、該時刻又は解析ステップに対応する各シミュレータの解析結果を出力することができる。

0058

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0059

1シミュレーション装置
2記録媒体
3通信装置
4入力画面
5解析状況表示画面
11 CPU
12内部記憶装置
13外部記憶装置
14入力装置
15出力装置
16通信インタフェース
20 コンピュータプログラム

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