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技術 光パルス試験装置とその試験光パルス送信ユニット及び光パルス試験方法

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 飯田裕之伊藤文彦戸毛邦弘
出願日 2013年10月4日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2013-209581
公開日 2015年4月20日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2015-075335
状態 特許登録済
技術分野 光学装置、光ファイバーの試験
主要キーワード 演算処理法 雑音ピーク 変調周波数信号 長尺ファイバ 後方散乱光信号 単側波帯変調器 数値化処理 断線位置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

変調信号周波数切り替わる境界において変調信号の位相連続性を保ち、これによりクロストークを抑制して光損失分布測定精度を高める。

解決手段

被試験光ファイバ試験光パルス送出し、当該被試験光ファイバからの後方散乱光を受信し解析することで被試験光ファイバの各地点における光損失分布を測定する装置において、光周波数制御器14において光周波数を所定の時間間隔毎に所定の周波数間隔で変化させた試験光を生成する際に、正弦波発生器15により周波数が上記所定時間間隔T毎に変更されかつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列を発生し、この正弦波列を変調波として上記光周波数制御器14に供給し、上記試験光を生成するようにしたものである。

概要

背景

従来、被試験光ファイバ(Fiber under test、以後FUTと称する)に試験光パルス送出し、FUTからの後方散乱光を受信し解析することで各地点における光損失分布を測定する技術として、光パルス試験法(Optical Time Domain Reflectometry、以後OTDRと称する)が知られている。このOTDRは、FUTに試験光パルスを送出し、FUTからの反射光レイリー後方散乱光(以後、単に後方散乱光と称する)を受信し解析することでFUTの各地点における光の反射率分布(以後、OTDR波形と称する)を測定する方法である。この技術は光ファイバ片端からその損失分布評価を試験できるため、敷設された光ファイバの保守運用を行う上で重要な技術となっている。

また、OTDRのダイナミックレンジの拡大、つまり長距離測定を可能にすることを目的として、コヒーレント検波を用いるOTDR(C-OTDR)が実用化されている。このC-OTDRを用いた海底中継伝送FSA)システム監視においては、測定時間の短縮が課題となっており、これを実現する技術として光周波数多重コヒーレントOTDR(以後、FDM-OTDRと称する)が提案されている。FDM-OTDRは、光周波数の異なる複数の光パルスを時間的に並べた試験光パルス列をFUTに入射し、FUT中で生じた複数の光パルス分の後方散乱光を一度に受信処理することで、複数回分の測定を一度に測定できる特徴を持つ(例えば特許文献1を参照)。

概要

変調信号周波数切り替わる境界において変調信号の位相連続性を保ち、これによりクロストークを抑制して光損失分布の測定精度を高める。被試験光ファイバに試験光パルスを送出し、当該被試験光ファイバからの後方散乱光を受信し解析することで被試験光ファイバの各地点における光損失分布を測定する装置において、光周波数制御器14において光周波数を所定の時間間隔毎に所定の周波数間隔で変化させた試験光を生成する際に、正弦波発生器15により周波数が上記所定時間間隔T毎に変更されかつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列を発生し、この正弦波列を変調波として上記光周波数制御器14に供給し、上記試験光を生成するようにしたものである。

目的

この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、変調信号の周波数が切り替わる境界において変調信号の位相の連続性を保ち、これによりクロストークを抑制して光損失分布の測定精度を高めた光パルス試験装置とその試験光パルス送信ユニット及び光パルス試験方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コヒーレントな第1の信号光を発生する第1の信号光発生手段と、前記第1の信号光を分岐して局発光試験光とを生成する分岐手段と、前記分岐手段により生成された試験光の光周波数を所定の時間間隔毎に所定の周波数間隔で変化させる光周波数制御手段と、前記光周波数制御手段により光周波数制御が施された試験光を光パルス化して試験光パルスを生成する第1の光パルス化手段と、前記第1の信号光とは異なる波長のコヒーレントな第2の信号光を発生する第2の信号光発生手段と、前記第2の信号光を光パルス化してダミー光パルスを生成する第2の光パルス化手段と、前記ダミー光パルスを前記試験光パルスに重畳して光パルス信号を生成する光重畳手段と、前記光パルス信号を被試験光ファイバ入射し、前記被試験光ファイバの各地点反射または散乱により発生した反射光または後方散乱光を取得する光取得手段と、前記取得された反射光または後方散乱光と前記局発光を光結合する光結合手段と、前記光結合手段で得られた光信号光受信して電流信号を取得する光受信手段と、前記電流信号を複数の周波数成分毎に分離する周波数分離手段と、前記光パルス信号の被試験光ファイバからの反射光または後方散乱光の反射率分布を求める演算処理手段とを具備し、前記光周波数制御手段を駆動するために、周波数が一定の時間毎に変更されかつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列を出力する変調電気信号出力手段を、さらに具備することを特徴とする光パルス試験装置

請求項2

被試験光ファイバに試験光パルスを送出し、前記被試験光ファイバからの後方散乱光を受信し解析することにより被試験光ファイバの各地点における光の反射率分布を測定する光パルス試験装置に設けられる試験光パルス送信ユニットであって、コヒーレントな第1の信号光を発生する第1の信号光発生手段と、前記第1の信号光を分岐して局発光と試験光とを生成する分岐手段と、前記分岐手段により生成された試験光の光周波数を所定の時間間隔毎に所定の周波数間隔で変化させる光周波数制御手段と、前記光周波数制御手段により光周波数制御が施された試験光を光パルス化して試験光パルスを生成する第1の光パルス化手段と、前記第1の信号光とは異なる波長のコヒーレントな第2の信号光を発生する第2の信号光発生手段と、前記第2の信号光を光パルス化してダミー光パルスを生成する第2の光パルス化手段と、前記ダミー光パルスを前記試験光パルスに重畳して試験光パルス信号を生成する光重畳手段とを具備し、前記光周波数制御手段を駆動するために、周波数が一定の時間毎に変更されかつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列を出力する変調電気信号出力手段を、さらに具備することを特徴とする試験光パルス送信ユニット。

請求項3

第1の信号光発生手段により、コヒーレントな第1の信号光を発生する工程と、分岐手段により、前記第1の信号光を分岐して局発光と試験光とを生成する工程と、光周波数制御手段により、前記生成された試験光の光周波数を所定の時間間隔毎に所定の周波数間隔で変化させる工程と、第1の光パルス化手段により、前記光周波数制御が施された試験光を光パルス化して試験光パルスを生成する工程と、第2の信号光発生手段により、前記第1の信号光とは異なる波長のコヒーレントな第2の信号光を発生する工程と、第2の光パルス化手段により、前記第2の信号光を光パルス化してダミー光パルスを生成する工程と、光重畳手段により、前記ダミー光パルスを前記試験光パルスに重畳して光パルス信号を生成する工程と、光取得手段により、前記光パルス信号を被試験光ファイバに入射し、前記被試験光ファイバの各地点で反射または散乱により発生した反射光または後方散乱光を取得する工程と、光結合手段により、前記取得された反射光または後方散乱光と前記局発光を光結合する工程と、光受信手段により、前記光結合工程で得られた光信号を光受信して電流信号を取得する工程と、周波数分離手段により、前記電流信号を複数の周波数成分毎に分離する工程と、演算処理手段により、前記光パルス信号の被試験光ファイバからの反射光または後方散乱光の反射率分布を求める工程とを具備し、前記光周波数制御手段を駆動するために、周波数が一定の時間毎に変更されかつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列を出力する工程を、さらに具備することを特徴とする光パルス試験方法

技術分野

0001

この発明は、光線路光損失分布断線位置等を測定するための光パルス試験装置とその試験光パルス送信ユニット及び光パルス試験方法に関する。

背景技術

0002

従来、被試験光ファイバ(Fiber under test、以後FUTと称する)に試験光パルスを送出し、FUTからの後方散乱光を受信し解析することで各地点における光損失分布を測定する技術として、光パルス試験法(Optical Time Domain Reflectometry、以後OTDRと称する)が知られている。このOTDRは、FUTに試験光パルスを送出し、FUTからの反射光レイリー後方散乱光(以後、単に後方散乱光と称する)を受信し解析することでFUTの各地点における光の反射率分布(以後、OTDR波形と称する)を測定する方法である。この技術は光ファイバ片端からその損失分布評価を試験できるため、敷設された光ファイバの保守運用を行う上で重要な技術となっている。

0003

また、OTDRのダイナミックレンジの拡大、つまり長距離測定を可能にすることを目的として、コヒーレント検波を用いるOTDR(C-OTDR)が実用化されている。このC-OTDRを用いた海底中継伝送FSA)システム監視においては、測定時間の短縮が課題となっており、これを実現する技術として光周波数多重コヒーレントOTDR(以後、FDM-OTDRと称する)が提案されている。FDM-OTDRは、光周波数の異なる複数の光パルスを時間的に並べた試験光パルス列をFUTに入射し、FUT中で生じた複数の光パルス分の後方散乱光を一度に受信処理することで、複数回分の測定を一度に測定できる特徴を持つ(例えば特許文献1を参照)。

先行技術

0004

特開2011−164075号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところが、特許文献1に記載されたFDM-OTDRでは光周波数の異なる試験光パルスを時間的に並べることを特徴としているが、周波数切り替わる境界点において位相が不連続となる場合においては、後方散乱光及びフレネル反射によるスペクトル形状雑音ピークが影響してクロストークが大きくなり、精確な光損失分布が得られない。すなわち、後方散乱光のスペクトルサイドローブが高くなり、このサイドローブの影響により本来の反射点以外にもその両脇に信号ピーク出現し、その結果正しいファイバの損失分布および故障点での反射イベントを示した波形が得られなくなる場合がある。

0006

この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、変調信号の周波数が切り替わる境界において変調信号の位相の連続性を保ち、これによりクロストークを抑制して光損失分布の測定精度を高めた光パルス試験装置とその試験光パルス送信ユニット及び光パルス試験方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、この発明に係る光パルス試験装置の一態様は以下のような構成要素を備えたものである。
(1)コヒーレントな第1の信号光を発生する第1の信号光発生手段と、前記第1の信号光を分岐して局発光試験光とを生成する分岐手段と、前記分岐手段により生成された試験光の光周波数を所定の時間間隔毎に所定の周波数間隔で変化させる光周波数制御手段と、前記光周波数制御手段により光周波数制御が施された試験光を光パルス化して試験光パルスを生成する第1の光パルス化手段と、前記第1の信号光とは異なる波長のコヒーレントな第2の信号光を発生する第2の信号光発生手段と、前記第2の信号光を光パルス化してダミー光パルスを生成する第2の光パルス化手段と、前記ダミー光パルスを前記試験光パルスに重畳して光パルス信号を生成する光重畳手段と、前記光パルス信号を被試験光ファイバに入射し、前記被試験光ファイバの各地点で反射または散乱により発生した反射光または後方散乱光を取得する光取得手段と、前記取得された反射光または後方散乱光と前記局発光を光結合する光結合手段と、前記光結合手段で得られた光信号光受信して電流信号を取得する光受信手段と、前記電流信号を複数の周波数成分毎に分離する周波数分離手段と、前記光パルス信号の被試験光ファイバからの反射光または後方散乱光の反射率分布を求める演算処理手段とを具備し、さらに前記光周波数制御手段を駆動するために、周波数が一定の時間毎に変更されかつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列を出力する変調電気信号出力手段を具備する。

0008

この発明に係る試験光パルス送信ユニットの一態様は以下のような構成要素を備えたものである。
(2)被試験光ファイバに試験光パルスを送出し、前記被試験光ファイバからの後方散乱光を受信し解析することにより被試験光ファイバの各地点における光の反射率分布を測定する光パルス試験装置に設けられる試験光パルス送信ユニットにあって、コヒーレントな第1の信号光を発生する第1の信号光発生手段と、前記第1の信号光を分岐して局発光と試験光とを生成する分岐手段と、前記分岐手段により生成された試験光の光周波数を所定の時間間隔毎に所定の周波数間隔で変化させる光周波数制御手段と、前記光周波数制御手段により光周波数制御が施された試験光を光パルス化して試験光パルスを生成する第1の光パルス化手段と、前記第1の信号光とは異なる波長のコヒーレントな第2の信号光を発生する第2の信号光発生手段と、前記第2の信号光を光パルス化してダミー光パルスを生成する第2の光パルス化手段と、前記ダミー光パルスを前記試験光パルスに重畳して試験光パルス信号を生成する光重畳手段とを具備し、さらに前記光周波数制御手段を駆動するために、周波数が一定の時間毎に変更されかつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列を出力する変調電気信号出力手段を具備する。

0009

この発明に係る光パルス試験方法の一態様は以下のような構成要素を備えたものである。
(3)第1の信号光発生手段によりコヒーレントな第1の信号光を発生する工程と、分岐手段により前記第1の信号光を分岐して局発光と試験光とを生成する工程と、光周波数制御手段により前記生成された試験光の光周波数を所定の時間間隔毎に所定の周波数間隔で変化させる工程と、第1の光パルス化手段により前記光周波数制御が施された試験光を光パルス化して試験光パルスを生成する工程と、第2の信号光発生手段により前記第1の信号光とは異なる波長のコヒーレントな第2の信号光を発生する工程と、第2の光パルス化手段により前記第2の信号光を光パルス化してダミー光パルスを生成する工程と、光重畳手段により前記ダミー光パルスを前記試験光パルスに重畳して光パルス信号を生成する工程と、光取得手段により前記光パルス信号を被試験光ファイバに入射し、前記被試験光ファイバの各地点で反射または散乱により発生した反射光または後方散乱光を取得する工程と、光結合手段により前記取得された反射光または後方散乱光と前記局発光を光結合する工程と、光受信手段により前記光結合工程で得られた光信号を光受信して電流信号を取得する工程と、周波数分離手段により前記電流信号を複数の周波数成分毎に分離する工程と、演算処理手段により前記光パルス信号の被試験光ファイバからの反射光または後方散乱光の反射率分布を求める工程とを具備し、さらに前記光周波数制御手段を駆動するために、周波数が一定の時間毎に変更されかつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列を出力する工程を具備する。

発明の効果

0010

この発明に係る光パルス試験装置とその試験光パルス送信ユニット及び光パルス試験方法の一態様によれば、変調電気信号出力手段により周波数が一定の時間毎に変更されかつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列が生成され、この正弦波列により光周波数制御手段が駆動されて、光周波数を所定の時間間隔毎に所定の周波数間隔で変化させた試験光が生成され、この試験光をもとに光パルス化された試験光が生成される。このため、光周波数制御手段を駆動する変調信号は、周波数が切り替わる境界点においても位相が連続する状態に保たれることになり、この位相の連続性が保持された変調信号をもとに生成された光パルスを試験光として使用することで、後方散乱光のクロストークを抑制してOTDR波形のデッドゾーンを低減することが可能となる。そして、これにより光周波数多重型コヒーレントOTDR(FDM-OTDR)を用いた長距離の光損失分布の試験をより高精度に実施することが可能となり、海底光中継伝送(FSA)システムの監視品質飛躍的に高めることができる。

0011

すなわちこの発明の各態様によれば、変調信号の周波数が切り替わる境界において変調信号の位相の連続性を保ち、これによりクロストークを抑制して光損失分布の測定精度を高めた光パルス試験装置とその試験光パルス送信ユニット及び光パルス試験方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

この発明の第1の実施形態に係る光パルス試験装置の構成を示すブロック図。
図1に示した光パルス試験装置のSSB-SC変調器駆動用正弦波発生器から出力される変調信号m(t)の時間波形を示す図。
位相条件θi = 0、θi = (i-1)π、θi = {(i-1)/2}πの場合においてそれぞれ測定した、時刻T+Δt近傍における変調信号m(t)の時間波形および位相を示す図。
位相条件θi = 0、θi = (i-1)π、θi = {(i-1)/2}πの場合においてそれぞれ測定した、40波FDM-OTDRに対する試験光と局発光のビート信号パワースペクトルを示した図。
N波周波数コーディングパルス列によるフレネル反射信号の模式図と、FDM-OTDR受信部における信号処理方法を示した図。
位相条件θi = 0、θi = (i-1)π、θi = {(i-1)/2}πの場合における40波FDM-OTDRの反射波形シミュレート結果を示した図。
位相条件θi = 0、θi = (i-1)π、θi = {(i-1)/2}πの場合において100 kmの長尺ファイバを測定した40波FDM-OTDRのOTDR波形シミュレーション結果およびその遠端におけるフレネル反射を拡大した図。
初期位相θi = 0、θi = (i-1)π、θi = {(i-1)/2}πの場合において光増幅中継線路を測定した40波FDM-OTDRのOTDR波形のシミュレーション結果および増幅器による反射率変動点を拡大した図。

実施例

0013

以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
図1は、この発明の第1の実施形態に係る光パルス試験装置の構成を示すブロック図であり、光の各周波数成分による被試験光ファイバからの反射光および後方散乱光の反射率分布を求める装置である。

0014

図1において、コヒーレンシの良い光波を発生する第1の光源11からの出力光合分波器13で二系統に分岐され、分岐された光の一方は局発光として、他方は試験光として光周波数制御器14に入射される。合分波器13は具体的には光カプラ等により構成される。

0015

光周波数制御器14は、正弦波発生器15から発生された正弦波により駆動され、当該正弦波に同期して、上記入射された試験光を所定時間間隔T毎に所定周波数fi’(i = 1,2,・・・N、Nは周波数多重数)だけ周波数シフトする。この実施形態では、T=10 μs、N=40、fi’=108.4 + (i-1)×0.8MHzとする。光周波数制御器14としては、例えば、搬送波高次変調側波帯抑圧し、バイアス電圧調整により+1次もしくは-1次の変調側波帯のみを出力可能搬送波抑圧単側波帯変調器(SSB-SC変調器)を用いる。尚、この実施形態では、+1次の変調側波帯が出力されるようにバイアス調整を行う。

0016

上記光周波数制御器14で周波数制御を受けた試験光は、光パルス化処理器16に入力され、パルス発生器18で制御されたタイミングおよびパルス幅で光パルス化される。この実施形態では、光パルスの時間波形は矩形波とする。光パルス化処理器18は、具体的には音響光学変調器パルス駆動した音響光学スイッチにより構成される。音響光学スイッチの出力光は予め音響光学スイッチ製造時に設定されている固定の周波数シフト(fAOMとする)を受けるため、各周波数の試験光パルスは局発光に対して|fi’+ fAOM|=fi の周波数シフト量を持つことになる。

0017

尚、光周波数制御器14及び光パルス化処理器16は、それぞれ信号タイミング制御器28によって同期された正弦波発生器15及びパルス発生器18によって駆動され、光周波数制御器14で周波数制御を受けた時間の試験光のみが光パルス化されて出力されるようにタイミング調整される。この実施形態では、fAOM=−100[MHz]とするため、fi =8.4+i×0.8[MHz]となる。

0018

第2の光源12は、第1の光源11とは波長の異なる信号光をダミー光として発生する光源である。この実施形態では、被試験光ファイバが海底光増幅中継伝送システム(FSA)の場合を想定し、上記第2の光源12から発生されたダミー光を光パルス化処理器17によって光パルス化し、この光パルス化されたダミー光を試験光パルスに重畳することで、試験光全体の強度変動を抑え、これによりその強度を通信用信号光強度とほぼ同程度に調整して光サージの影響を抑制するようにしている。

0019

光パルス化処理器16から出力されたダミー光パルスが重畳された試験光パルスは、光増幅器19により増幅された後、サーキュレータ20を通過して被試験光ファイバ(FUT)に入射される。そして、上記試験光パルスによってFUT中で生じた後方散乱光は、サーキュレータ20および合分波器21を通過した後、合分波器22に入射される。合分波器22では、偏波によるコヒーレント検波効率の変動を抑えるため、上記後方散乱光が、偏波制御器24によって測定ごとに偏波状態を変えられた局発光と合波される。

0020

この局発波と合波された後方散乱光は、バランス型光受信機23で受信されて電流信号に変換される。バランス型光受信機23から出力された後方散乱光の電流信号は、帯域ろ過フィルタ25により不要な高周波成分がカットされた後、数値化処理器26によりサンプリングされる。サンプリングされた後の各周波数成分の後方散乱光信号数値演算処理器27によって周波数分離され、全て加算平均処理のために足し合わされる。

0021

上記一連の測定および演算処理は繰り返し行われ、これにより得られた結果について加算平均処理が行われ、処理された数値列対数表示される。かくして、最終的にOTDR波形が得られる。

0022

ところで、正弦波発生器15は、周波数が上記所定時間間隔T毎に変更され、かつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列を、変調信号として出力する。図2に、SSB-SC変調器駆動用の正弦波発生器15から出力される以下の変調信号m(t)の時間波形を示す。



ここで、Aは変調信号の振幅、fi’はi番目変調周波数、θiはi番目の変調周波数信号の初期位相、Tは周波数が一定のまま正弦波信号が出力される時間幅、Pは信号の繰り返し周期である。

0023

以下、fi’およびθiの設定方法について説明する。
すなわち、前記数値演算処理器27において周波数分離を行うために離散フーリエ変換を時間Tで行った場合、フーリエ変換周波数分解能は時間Tの逆数となる。そのため、周波数分離した信号を最も信号対雑音比(SNR)が良い状態で取得するために、変調信号の周波数が受信時の周波数分解能の自然数倍に設定されていることが望ましい。これは、後方レイリー散乱光フレネル反射光は、入射試験光と同じ周波数であることから、変調信号の周波数が受信時の周波数分解能の自然数倍でない場合には、得られるパワースペクトルのピークから外れてしまうためである。

0024

また、変調信号の周波数の切り替わる境界における位相条件に着目すると、変調信号m(t)の位相は周波数の切り替わる境界において連続するという位相条件を満たすことが必要となる。以下、変調信号の位相を周波数の切り替わる境界において連続するように設定することの意義について詳細に説明する。

0025

この実施形態では、前記位相条件によるクロストーク抑圧効果を検証するため、θi に関して(A) θi = 0、(B) θi = (i-1)πおよび(C) θi = {(i-1)/2}πの場合における測定結果をそれぞれ比較する。
図3(a)〜(f)に上記(A)、(B)および(C)の場合における時刻P+iT近傍の変調信号m(t)の時間波形および位相をそれぞれ示す。(A)の場合は、正弦波の周波数がfiからfi+1に切り替わる境界点においても位相が連続であるため、条件を満たしている。一方、(B)および(C)は、周波数が切り替わる境界点において位相がπおよびπ/2それぞれ離れているため、条件を満たしていない。

0026

次に、上記各位相条件において生成された試験光パルス列と局発光とのビート信号のパワースペクトル形状について、上述した位相条件(A)、(B)および(C)それぞれの場合を比較する。
図4(a)、(b)および(c)に信号位相条件(A)、(B)および(B)の場合におけるパワースペクトルのシミュレーション結果を示す。尚、図4(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i)は(a)、(b)および(c)それぞれの拡大図である。位相条件を満たす(A)の場合、信号パワースペクトルはSINC関数の2乗の形状をした40波分の信号ピークを足し合わせた形状を示し、滑らかなスペクトルサイドローブを示す。一方で、条件1を満たさない(B)および(C)の場合、共に40波の信号ピークは(A)と同様になりつつも、スペクトルサイドローブ形状はSINC関数の形状とは異なり、サイドローブレベルは高くなる。これは、位相不連続点が存在することにより、その点においてあたかも高周波数成分が存在する信号となり、スペクトル形状に雑音ピークとして作用したと考えられる。

0027

図5に数値演算処理器27において行われる、サンプリングされた信号に対するフーリエ変換による周波数分離演算処理法を示す。図5では、反射信号はファイバ近端のフレネル反射光のみとし、レイリー後方散乱光信号は後述する。また、反射光と局発光の偏波面は常に等しいものと仮定して述べる。

0028

この場合における反射光の受信信号yFresnel(t)は以下のように表される。



ここで、Poは入射試験パルスピークパワー、Rは反射係数である。

0029

この信号y(t)を周波数分離処理するために、以下のハニング窓関数w(t)を用いて信号をある区間ごとに切り出す処理を行う。

0030

窓関数w(t)を時間軸上でτだけ移動させながら信号f(t)との積をとった信号w(t-τ)y(t)に対して、以下のフーリエ変換を行う。

0031

以上の演算処理を行うことで、受信信号yFresnel (t)について、周波数分離処理された中心周波数fiの試験光パルスによる反射光の振幅yFresnel(fi,τ)を得ることができる。

0032

周波数分離された反射光の振幅を自乗し、自乗加算平均された信号



に対して、各周波数の信号毎にパルス入射時の遅延時間(i-1)Tをそれぞれ時間シフトさせ、N波分の周波数信号を加算平均処理する。
すなわち、



よりフレネル反射信号を得られる。

0033

図6(a)、(b)および(c)に上記の周波数分離処理を行うことで得られるフレネル反射信号を位相条件(A)、(B)および(C)のそれぞれの場合でシミュレートした結果を示す。横軸の距離Zは



を表し、本シミュレーションでは、Po=1、 R=1、vg=2.0×108 m/sとして計算した。また、図6(d)、(e)および(f)はそれぞれ図6(a)、(b)および(c)の拡大図である。位相条件(A)の場合における1次の隣接クロストークピークは、(B)および(C)の条件に比べそれぞれ9 dB、7 dB高い抑圧比を示す。1次から40次までのクロストークピークの中では、位相条件(a)は最大で21 dB高い抑圧比を示す。
上より、変調信号の周波数が切り替わる境界で位相が連続するように設定すると、明らかにクロストーク抑圧特性を向上させることができる。

0034

また、レイリー散乱光信号は、光ファイバのコアにおける屈折率揺らぎ起源とした散乱体からの反射信号の和である。このため、FDM-OTDRにおけるレイリー散乱光の信号パワーは、フェーディング雑音と偏波の影響を無視すれば、下記の一次元インパルス応答から求めることができる。



ここで、rは反射係数を表し、また



である。

0035

図7(a)、(b)および(c)に遠端が開放端の100 kmの長尺ファイバ測定について位相条件(A)、(B)および(C)のそれぞれの場合でシミュレートしたOTDR波形の結果を示す。また、図7(d)、(e)および(f)はそれぞれ図7(a)、(b)および(c)におけるフレネル反射点近傍の拡大図である。縦軸相対反射率は試験光と後方散乱光の総和の光ファイバ伝搬損失を表し、本シミュレーションでは、r=1、α=0.2 dB/kmとして計算した。位相条件(A)の場合におけるデッドゾーンは2.7 kmであるのに対し、位相条件(B)および(C)の場合におけるデッドゾーンはそれぞれ6.8 km、6.5 kmとなる。

0036

図8(a)、(b)および(c)に全長400 kmの光増幅中継線路に対する位相条件(A)、(B)および(C)の場合におけるOTDR波形シミュレーション結果を示す。また、図8(d)、(e)および(f)はそれぞれ図8(a)、(b)および(c)における増幅器利得による50 dBの反射率変動点近傍の拡大図である。位相条件(A)の場合におけるデッドゾーンは4.9 kmであるのに対し、位相条件(B)および(C)の場合におけるデッドゾーンはそれぞれ25.5 km、25.3 kmとなる。

0037

以上詳述したように一実施形態では、被試験光ファイバに試験光パルスを送出し、当該被試験光ファイバからの後方散乱光を受信し解析することで被試験光ファイバの各地点における光損失分布を測定する装置において、光周波数制御器14において光周波数を所定の時間間隔毎に所定の周波数間隔で変化させた試験光を生成する際に、正弦波発生器15により周波数が上記所定時間間隔T毎に変更されかつ当該周波数が切り替わる境界において位相が連続するように設定された正弦波列を発生し、この正弦波列を変調波として上記光周波数制御器14に供給し、上記試験光を生成するようにしている。

0038

従って、後方散乱光のクロストークを抑制してOTDR波形のデッドゾーンを低減することが可能となる。そして、これにより光周波数多重型コヒーレントOTDR(FDM-OTDR)を用いた長距離の光損失分布の試験をより高精度に実施することが可能となり、海底光中継伝送(FSA)システムの監視品質を飛躍的に高めることができる。

0039

[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では送信系と受信系を一つの光パルス試験装置に収容した場合を例にとって説明した。しかし、送信系のユニットと受信系のユニットとを独立して構成することも可能である。この場合、正弦波発生器15は送信系のユニットに設けられる。

0040

その他、正弦波発生器や光周波数制御器の具体的な構成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。

0041

11…第1の光源、12…第2の光源、13,21,22…合分波器、14…光周波数制御器、15…正弦波発生器、16,17…光パルス化処理器、18…パルス発生器、19…光増幅器、20…サーキュレータ、21,22…合分波器、23…バランス型光受信器、24…偏波制御器、25…帯域ろ過フィルタ、26…数値化処理器、27…数値演算処理器、28…信号タイミング制御器。

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