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技術 六方晶チタン酸バリウム系誘電体材料製造方法

出願人 国立大学法人島根大学
発明者 秋重幸邦塚田真也別木政彦
出願日 2013年9月27日 (7年1ヶ月経過) 出願番号 2013-200787
公開日 2015年4月13日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2015-067462
状態 特許登録済
技術分野 酸化物セラミックスの組成2 セラミックコンデンサ
主要キーワード マグネットスターラ 潮解性物質 前駆体ゲル 肩下がり 誘電損失tanδ 立方晶型 出現温度 製造エネルギー
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この項目の情報は公開日時点(2015年4月13日)のものです。
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図面 (8)

課題

焼成温度の一層の低減化を実現する、六方晶チタン酸バリウム誘電体材料の製造方法を提供すること。

解決手段

BaアルコキシドとTiアルコキシドとKFとが混合されたゾル溶液から、ゾルゲル法によって前駆体ゲルを作製し、600℃以上で焼成することにより、Ba1−xKxTiO3−xFx(ただし、1>x≧0.4)の組成を有する六方晶型のチタン酸バリウム系誘電体材料を得ることを特徴とする誘電体材料製造方法。

概要

背景

近年、電気機器および電子機器の小型化かつ高性能化が急速に進み、このような機器に使用される電子部品についても、信頼性を十分に確保しつつ、比誘電率温度特性といった諸特性を向上させることが求められている。これは、電子部品の一例であるセラミックコンデンサについても例外ではない。

このようなコンデンサ誘電体材料、特に比誘電率の高い誘電体材料としては、立方晶チタン酸バリウム主体とした素材が使用されている。一方、近年、容量の向上のため、誘電体層薄層化が検討されている。誘電体層の薄層化を図るためには、誘電体粒子粒径が小さいほど好ましい。しかし、立方晶系チタン酸バリウムを微粒化すると、比誘電率が低下するという問題点があった。

また、比誘電率の高い材料として、六方晶チタン酸バリウムが検討されている。六方晶チタン酸バリウムは、本来的には立方晶より誘電率が低いものの、酸素欠損を導入することで、比誘電率が著しく向上することが示唆されている(特許文献1)。

また、チタン酸バリウムの結晶構造において、六方晶構造準安定相であり、通常1460℃以上においてのみ存在することができる。このため、室温において六方晶を得るには1460℃以上の高温から急冷する必要がある。しかしながら、急冷により粒径が1μm以上となり、電子部品に適用する場合に薄層化に対応できず、十分な信頼性を確保できないという問題点があった。

このような実情に鑑みて、六方晶チタン酸バリウムを主相とし、極めて高い比誘電率を示すとともに、絶縁抵抗にも優れ、十分な信頼性を確保可能な技術も開発されている(特許文献2)。すなわち、TiをMnで置き換え、Baを希土類元素Mで置換した、次式で表される物質である。
(Ba1−αMα)A(Ti1−βMnβ)BO3(ただし、0.900≦(A/B)≦1.040,0.003≦α≦0.05,0.03≦β≦0.2))
このチタン酸バリウム系素材の焼成温度は、実に1150℃まで低減でき、粒成長を抑えた微粒子の製造が可能である。
同様な技術として特許文献6も挙げられる。

しかしながら、製造上の観点からは消費電力の低減や電極卑金属化などの観点からは、焼成温度の一層の低下が望まれる。

概要

焼成温度の一層の低減化を実現する、六方晶チタン酸バリウム系誘電体材料の製造方法を提供すること。 BaアルコキシドとTiアルコキシドとKFとが混合されたゾル溶液から、ゾルゲル法によって前駆体ゲルを作製し、600℃以上で焼成することにより、Ba1−xKxTiO3−xFx(ただし、1>x≧0.4)の組成を有する六方晶型のチタン酸バリウム系誘電体材料を得ることを特徴とする誘電体材料製造方法。

目的

特開2005−213083号公報
特開2011−116629号公報
特開2007−326768号公報
特開2010−215450号公報
特開2011−184289号公報
特開2011−116628号公報






すなわち、解決しようとする問題点は、焼成温度の一層の低減化を実現する、六方晶チタン酸バリウム系誘電体材料の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

BaアルコキシドとTiアルコキシドとKFとが混合されたゾル溶液から、ゾルゲル法によって前駆体ゲルを作製し、600℃以上で焼成することにより、Ba1−xKxTiO3−xFx(ただし、1>x≧0.4)の組成を有する六方晶型のチタン酸バリウム系誘電体材料を得ることを特徴とする誘電体材料製造方法。

請求項2

BaアルコキシドとTiアルコキシドとKFとが混合されたゾル溶液から、ゾルゲル法によって前駆体ゲルを作製し、600℃以上で焼成することにより、Ba1−xKxTiO3−xFx(ただし、0.4>x≧0.2)の組成を有する、六方晶型と立方晶型との混晶のチタン酸バリウム系誘電体材料を得ることを特徴とする誘電体材料製造方法。

請求項3

請求項1または2に記載の誘電体材料製造方法により得られた結晶粉末スパークプラズマ焼成し、誘電体セラミックスを得ることを特徴とする誘電体セラミックス製造方法。

請求項4

一般式がBa1−xKxTiO3−xFx(ただし、1>x≧0.4)として表される組成を有する六方晶の誘電体材料。

技術分野

0001

本発明は、低焼成温度で得られる六方晶チタン酸バリウム系結晶の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、電気機器および電子機器の小型化かつ高性能化が急速に進み、このような機器に使用される電子部品についても、信頼性を十分に確保しつつ、比誘電率温度特性といった諸特性を向上させることが求められている。これは、電子部品の一例であるセラミックコンデンサについても例外ではない。

0003

このようなコンデンサ誘電体材料、特に比誘電率の高い誘電体材料としては、立方晶チタン酸バリウム主体とした素材が使用されている。一方、近年、容量の向上のため、誘電体層薄層化が検討されている。誘電体層の薄層化を図るためには、誘電体粒子粒径が小さいほど好ましい。しかし、立方晶系チタン酸バリウムを微粒化すると、比誘電率が低下するという問題点があった。

0004

また、比誘電率の高い材料として、六方晶チタン酸バリウムが検討されている。六方晶チタン酸バリウムは、本来的には立方晶より誘電率が低いものの、酸素欠損を導入することで、比誘電率が著しく向上することが示唆されている(特許文献1)。

0005

また、チタン酸バリウムの結晶構造において、六方晶構造準安定相であり、通常1460℃以上においてのみ存在することができる。このため、室温において六方晶を得るには1460℃以上の高温から急冷する必要がある。しかしながら、急冷により粒径が1μm以上となり、電子部品に適用する場合に薄層化に対応できず、十分な信頼性を確保できないという問題点があった。

0006

このような実情に鑑みて、六方晶チタン酸バリウムを主相とし、極めて高い比誘電率を示すとともに、絶縁抵抗にも優れ、十分な信頼性を確保可能な技術も開発されている(特許文献2)。すなわち、TiをMnで置き換え、Baを希土類元素Mで置換した、次式で表される物質である。
(Ba1−αMα)A(Ti1−βMnβ)BO3(ただし、0.900≦(A/B)≦1.040,0.003≦α≦0.05,0.03≦β≦0.2))
このチタン酸バリウム系素材の焼成温度は、実に1150℃まで低減でき、粒成長を抑えた微粒子の製造が可能である。
同様な技術として特許文献6も挙げられる。

0007

しかしながら、製造上の観点からは消費電力の低減や電極卑金属化などの観点からは、焼成温度の一層の低下が望まれる。

0008

先行技術

0009

特開2005−213083号公報
特開2011−116629号公報
特開2007−326768号公報
特開2010−215450号公報
特開2011−184289号公報
特開2011−116628号公報

発明が解決しようとする課題

0010

すなわち、解決しようとする問題点は、焼成温度の一層の低減化を実現する、六方晶チタン酸バリウム系誘電体材料の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

請求項1に記載の発明は、BaアルコキシドとTiアルコキシドとKFとが混合されたゾル溶液から、ゾルゲル法によって前駆体ゲルを作製し、600℃以上で焼成することにより、Ba1−xKxTiO3−xFx(ただし、1>x≧0.4)の組成を有する六方晶型のチタン酸バリウム系誘電体材料を得ることを特徴とする誘電体材料製造方法である。

0012

なお、焼成温度の上限は特に限定していないが、600℃以上であれば六方晶が得られるため、製造エネルギーの観点からは1000℃以下であることが好ましく、更に好ましくは800℃以下である。なお、x=0.4、焼成温度600℃の場合は、9割近くが六方晶となり残余は立方晶であるが、これは実質的に六方晶といえるため、本願においては、若干の立方晶(目安として2割未満)が含まれる場合も六方晶型ないし六方晶系というものとする(x=0.4の場合は焼成温度が650℃であれば総て六方晶となる)。

0013

請求項2に記載の発明は、BaアルコキシドとTiアルコキシドとKFとが混合されたゾル溶液から、ゾルゲル法によって前駆体ゲルを作製し、600℃以上で焼成することにより、Ba1−xKxTiO3−xFx(ただし、0.4>x≧0.2)の組成を有する、六方晶型と立方晶型との混晶のチタン酸バリウム系誘電体材料を得ることを特徴とする誘電体材料製造方法である。

0014

混晶であることにより、立方晶本来の高い比誘電率を備えつつ、酸素欠損導入による六方晶由来の高い比誘電率の獲得および相対的に低温で焼成可能であることに基づいた粒径成長の抑制に由来する高い比誘電率の維持を期待できる新たな特性を備えた素材を得ることができる。

0015

請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の誘電体材料製造方法により得られた結晶粉末スパークプラズマ焼成し、誘電体セラミックスを得ることを特徴とする誘電体セラミックス製造方法である。

0016

なお、通常焼結であってもスパークプラズマであっても、結晶中のKやFを揮発させ、酸素欠損を積極的に導入したセラミックスを作製する場合などは、高温アニール(例えば900℃以上、場合により1000℃以上)としてもよい。同様のことは、ゾルゲル法の焼成にもいえる。

0017

請求項4に記載の発明は、一般式がBa1−xKxTiO3−xFx(ただし、1>x≧0.4)として表される組成を有する六方晶の誘電体材料である。

発明の効果

0018

本発明によれば、焼成温度を低くして六方晶チタン酸バリウム系誘電体材料、または、立方晶型との混晶のチタン酸バリウム系誘電体材料を得ることができる。得られた誘電体材料を原料に用い、高比誘電率化や微粒化を図ることが可能となる。

図面の簡単な説明

0019

x=0.10と0.20の場合の各焼成温度によるXRDプロットである。
x=0.30と0.40の場合の各焼成温度によるXRDプロットである。
x=0.50と1.00の場合の各焼成温度によるXRDプロットである。
KF置換率と焼成温度と積分強度比との関係を示した図である。
焼成温度と積分強度比との関係、および、置換率xと積分強度比との関係を示した図である。
KF置換率と焼成温度Tと結晶型との関係を示した図である。
x=0.4、焼成温度650℃で得られた六方晶の試料SPSにて1000℃で固め、酸素中1000℃でアニールした誘電体セラミックスの比誘電率の温度依存を示した図である。

実施例

0020

以下、本発明のチタン酸バリウムをゾルゲル法で作成する方法を詳細に説明する。
<使用試薬
用いた試薬は以下の通りである。
メタノール脱水):関東化学純度99%/GC
2−メトキシエタノール:キシダ化学社 純度99%以上/特級
・2−エトキシバリウム高純度化学研究所 純度99.0%/特級
チタン(IV)イソプロポキシド:キシダ化学社 99.0%以上/1級
フッ化カリウム:キシダ化学社 99%/特級

0021

<原料試薬量の決定>
原料試薬量の算出法は以下の通りとした。

0022

実験では、x=0.10,0.20,0.30,0.40,0.50,1.00として量した。試薬量を次に示す。

0023

実験手順
1.
まずメタノール(脱水)と2−メトキシエタノールを秤量し、トールビーカー内で混合した。次にグローボックス内でフッ化カリウム、2−エトキシバリウム、チタン(VI)イソプロポキシドを秤量し混合した。混合後、マグネットスターラ前駆体溶液を1時間撹拌した。なお、チタン(IV)イソプロポキシドは空気中の水分と容易に反応するため、窒素ガスを満たしたグローボックス内で秤量した。また、フッ化カリウムは潮解性物質であるため、200℃で48時間乾燥した。

0024

2.
撹拌終了後の前駆体溶液をスターラに入れ、0℃で1時間冷却した。その後、ガラス棒溶液撹拌しながら蒸留水噴霧溶液全体ゲル化させた。この加水分解後、50℃で24時間エージングし、離液収縮させた。

0025

3.
前駆体ゲルをほぐし、乾燥器で90℃24時間乾燥した。乾燥させた前駆体ゲルを乳鉢で砕いた。その後、ジルコニア容器に前駆体ゲルを半量ずつ入れ、遊星ボールミル(GokinPlanetaring Planet M2-3F)で粉砕した。遊星ボールミルには、ジルコニアボール(φ=5mm10個、φ2mm20個)を入れ、回転速度300rpmにて8分間粉砕処理した。

0026

4.
粉砕した粉末アルミナるつぼ(45mm×55mm)に入れ、電気炉設定温度を、400℃、500℃、600℃、650℃、700℃、800℃、900℃、1000℃、1050℃としてそれぞれ12時間焼成した。温度は、室温から設定温度まで3.75時間かけて上昇させ、その後設定温度を12時間維持し、最後に設定温度から3.75時間かけて室温に戻した。

0027

<実験結果>
xおよび焼成温度を変えた場合のX線回折測定結果図1〜3に示す。なお、各図において、立方晶は2θ≒56.3°にピーク、六方晶は2θ≒55.7°に近接した2つのピークが表れるので、その部分拡大図も合わせて表示している。

0028

X線回折測定の結果x=0.10では焼成温度800℃で六方晶型が出現し始める。x=0.20では600℃〜650℃,x=0.30,0.40においては、600℃、x=0.50では500℃で六方晶型が出現する。また、六方晶型出現温度から焼成温度を上昇させていくと、いずれの置換率の場合でも六方晶型の強度が大きくなり、立方晶型の強度が小さくなっていることが確認できた。

0029

図4には、KF置換率と焼成温度と積分強度比との関係を示した図である。すなわち、立方晶型の積分強度をIc、六方晶型の積分強度をIhとすると、積分強度比I_rはI_r=Ih/(Ic+Ih)とあらわされる。なお、立方晶型のピークは39°,45°,56°,66°付近を使用し、六方晶型のピークは38°,44°,55°,65°付近を使用し、4箇所の平均をとることとした。I_r=0は、立方晶型が100%であることを示し、I_r=1のときは六方晶型が100%であることを示す。また、焼成温度と積分強度比との関係、および、置換率xと積分強度比との関係を図5に示した。また、KF置換率と焼成温度Tと結晶型との関係を図6に示した。

0030

積分強度比から、x≧0.4であって、焼成温度が600℃以上とすると六方晶型のチタン酸バリウムが得られ、0.4>x≧0.2であって、焼成温度が600℃以上とすると六方晶型と立方晶型との混晶のチタン酸バリウムが得られることが確認できた。また、混晶の存在比は、xと焼成温度を調整することにより可変であることも確認できた。

0031

<セラミックスの作製および誘電特性の評価>
x=0.4、焼成温度650℃で得られた六方晶の試料をSPS(Spark Plasma Sintering:放電プラズマ焼結法)にて1000℃で固め、酸素中1000℃でアニールした誘電体セラミックスを作製した。焼結度を算出したところほぼ100%であった。この試料の比誘電率の温度依存を図7に示す。比誘電率ε’の値は65程度であり、誘電損失tanδは0.01未満であった。これは、文献6の図7の六方晶BaTiO3のセラミックスの値と同程度であり、温度依存の様子も低温から室温にかけて右肩下がりである点も同様である。すなわち、本発明ではKF部分置換型の六方晶BaTiO3ではあるものの、六方晶BaTiO3セラミックスと同じ誘電性を持つセラミックスが形成されていることがわかった。換言すれば、本発明で得られる六方晶型のチタン酸バリウムまたはこれと立方晶型のチタン酸バリウムとの混晶は、誘電体材料であることが確認できた。

0032

本発明によれば、従来は1460℃といった高温焼成でなければ六方晶が得られないところ、800℃以上も焼成温度を下げても六方晶型もしくは立方晶との混晶を得られる。結晶中のKやFは、高温曝露によって酸素欠損させることができ、比誘電率の向上等、六方晶型であることを利用した応用に資することができる。

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