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技術 ケルセチン配糖体配合容器詰緑茶飲料

出願人 サントリーホールディングス株式会社
発明者 加藤寛之
出願日 2013年9月30日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2013-205891
公開日 2015年4月13日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2015-065957
状態 特許登録済
技術分野 茶・コーヒー O,S系縮合複素環
主要キーワード エミック 可食性成分 加速劣化試験後 紫外部吸光度 配合容器 高温短時間殺菌法 表面熱交換器 指標成分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年4月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

ケルセチン配糖体由来の粉っぽさや異味が低減され、緑茶本来の良質な香気香味を有し、加熱殺菌長期保存にも適した容器詰緑茶飲料を提供する。

解決手段

ケルセチン配糖体を配合した容器詰緑茶飲料の製造の際に、原料茶葉焙じ茶を含む茶葉を用いる。

概要

背景

ケルセチン野菜果物豊富に含まれるポリフェノール成分であり、そのままで、又は配糖体ルチンクエルシトリンなど)の形で、柑橘類タマネギソバエンジュ等の種々の植物に含まれている。
ケルセチンは、強力な抗酸化活性の他、血小板凝集抑制および接着抑制作用血管拡張作用抗ガン作用等、多彩生理機能をもつことが知られている(非特許文献1)。そして、ケルセチン配糖体に関しては、結合するグルコース数が1、2及び3と増すにつれて、経口吸収性が高くなり、グルコース数(n)が4になると経口吸収性が低下することが分かっている(特許文献1参照)。
ケルセチン配糖体の一つ、ルチンを高含有する飲料として、韃靼そば茶飲料が知られている。ルチンには、特有の生臭さ、苦味及び後味の悪さ(ぬめり)があるために、韃靼そば茶飲料に関しては、風味を改善するための方法が検討されている(特許文献2)。
一方、ケルセチン配糖体を配合した容器詰め茶飲料については、アスコルビン酸含量を抑え、かつさらにpHを調整することでより安定性相乗効果的に増すとともに、緑茶飲料においては、緑茶本来の豊かな味わいを維持できることが分かっている(特許文献3)。

概要

ケルセチン配糖体由来の粉っぽさや異味が低減され、緑茶本来の良質な香気香味を有し、加熱殺菌長期保存にも適した容器詰緑茶飲料を提供する。ケルセチン配糖体を配合した容器詰緑茶飲料の製造の際に、原料茶葉焙じ茶を含む茶葉を用いる。なし

目的

本発明の課題は、ケルセチン配糖体を配合した容器詰緑茶飲料において、ケルセチン配糖体由来の粉っぽさが低減され、緑茶本来の良質な香気香味を有し、加熱殺菌や長期保存にも適した容器詰緑茶飲料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

(i)〜(iii)の工程を含む、ケルセチン配糖体配合容器緑茶飲料の製造方法:(i)焙じ茶葉を含む茶葉を抽出して、茶葉抽出液を得る工程、(ii)当該茶葉抽出液にケルセチン配糖体を添加する工程、(iii)工程(ii)において得られた液を加熱殺菌する工程。

請求項2

原料茶葉中に含まれる焙じ茶葉の割合が1重量以上%である、請求項1に記載の方法。

請求項3

ケルセチン配糖体の配合量が、100〜500ppmである、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

請求項1〜3に記載の方法によって製造される、容器詰緑茶飲料

請求項5

(i)〜(iii)の工程を含む、ケルセチン配糖体配合容器詰緑茶飲料の粉っぽさ及びエグ味を抑制する方法:(i)焙じ茶葉を含む茶葉を抽出して、茶葉抽出液を得る工程、(ii)当該茶葉抽出液にケルセチン配糖体を添加する工程、(iii)工程(ii)において得られた液を加熱殺菌する工程。

技術分野

0001

本発明は、ケルセチン配糖体を含有する容器詰緑茶飲料に関し、より詳細には、ケルセチン配糖体に起因するエグ味が低減された、ケルセチン配糖体を含有する容器詰緑茶飲料とその製造方法に関する。

背景技術

0002

ケルセチン野菜果物豊富に含まれるポリフェノール成分であり、そのままで、又は配糖体ルチンクエルシトリンなど)の形で、柑橘類タマネギソバエンジュ等の種々の植物に含まれている。
ケルセチンは、強力な抗酸化活性の他、血小板凝集抑制および接着抑制作用血管拡張作用抗ガン作用等、多彩生理機能をもつことが知られている(非特許文献1)。そして、ケルセチン配糖体に関しては、結合するグルコース数が1、2及び3と増すにつれて、経口吸収性が高くなり、グルコース数(n)が4になると経口吸収性が低下することが分かっている(特許文献1参照)。
ケルセチン配糖体の一つ、ルチンを高含有する飲料として、韃靼そば茶飲料が知られている。ルチンには、特有の生臭さ、苦味及び後味の悪さ(ぬめり)があるために、韃靼そば茶飲料に関しては、風味を改善するための方法が検討されている(特許文献2)。
一方、ケルセチン配糖体を配合した容器詰め茶飲料については、アスコルビン酸含量を抑え、かつさらにpHを調整することでより安定性相乗効果的に増すとともに、緑茶飲料においては、緑茶本来の豊かな味わいを維持できることが分かっている(特許文献3)。

0003

WO2006/070883
特開2009−171856
特開2012−183063

先行技術

0004

薬理治療、p123-131, vol.37, No.2, 2009

発明が解決しようとする課題

0005

本発明者らは、ケルセチン配糖体を配合した容器詰緑茶飲料について検討してきた。しかし、緑茶にケルセチン配糖体を配合することで、ケルセチン配糖体由来の粉っぽさが生じ、緑茶本来の良質な香気香味阻害されるという問題があった。さらに、加熱殺菌長期保存により、ケルセチン配糖体由来のエグ味が発生することも、問題であった。

0006

本発明の課題は、ケルセチン配糖体を配合した容器詰緑茶飲料において、ケルセチン配糖体由来の粉っぽさが低減され、緑茶本来の良質な香気香味を有し、加熱殺菌や長期保存にも適した容器詰緑茶飲料を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ケルセチン配糖体を配合した容器詰緑茶飲料において、原料茶葉焙じ茶を含む茶葉を用いることで、ケルセチン配糖体由来の粉っぽさが低減され、緑茶本来の良質な香気香味を有する容器詰緑茶飲料が得られることを見出した。さらに、本発明者らは、加熱殺菌処理や長期保存により発生する、ケルセチン配糖体の加熱臭であるエグ味の抑制効果が得られることを見出した。

0008

すなわち、これに限定されるものではないが、本発明は以下を包含する。
1.(i)〜(iii)の工程を含む、ケルセチン配糖体配合容器詰緑茶飲料の製造方法:
(i)焙じ茶葉を含む茶葉を抽出して、茶葉抽出液を得る工程、
(ii)当該茶葉抽出液にケルセチン配糖体を添加する工程、
(iii)工程(ii)において得られた液を加熱殺菌する工程。
2.原料茶葉中に含まれる焙じ茶葉の割合が1重量以上%である、1に記載の方法。
3.ケルセチン配糖体の配合量が、100〜500ppmである、1又は2に記載の方法。
4.1〜3に記載の方法によって製造される、容器詰緑茶飲料。
5.(i)〜(iii)の工程を含む、ケルセチン配糖体配合容器詰緑茶飲料の粉っぽさ及びエグ味を抑制する方法:
(i)焙じ茶葉を含む茶葉を抽出して、茶葉抽出液を得る工程、
(ii)当該茶葉抽出液にケルセチン配糖体を添加する工程、
(iii)工程(ii)において得られた液を加熱殺菌する工程。

発明の効果

0009

本発明によれば、ケルセチン配糖体由来の粉っぽさが低減され、緑茶本来の良質な香気香味を有し、加熱殺菌や長期保存にも適した容器詰緑茶飲料を提供できる。本発明のケルセチン配糖体配合容器詰緑茶飲料は、ケルセチン配糖体由来の異味、すなわち粉っぽさやエグ味がなく、すっきり飲めるため、食事と併せての飲用にも好適である。

0010

本発明の飲料は、原料の茶葉に焙じ茶葉を含むことを特徴とする。焙じ茶葉に含まれるピラジン成分の作用により、本発明の飲料中のケルセチン配糖体に由来する粉っぽさや加熱により生じるエグ味を抑制するものと考えられる。ここで、焙じ茶葉とは、飲用に供することが可能な焙じた茶葉をいい、通常、煎茶番茶茎茶を180℃以上、好ましくは200℃以上で焙煎した茶葉である。焙じ茶葉は1種でもよく、2種以上を用いてもよい。

0011

本発明で用いる原料茶葉中に含ませる焙じ茶葉の割合は1重量%以上であればよく、1〜40重量%が好ましく、2〜20重量%がより好ましく、5〜15重量%が特に好ましい。焙じ茶葉の割合が1重量%未満であると、本効果は得られない。

0012

焙じ茶葉を除く茶葉は、これに限定されるものではないが、例えば、煎茶、深蒸煎茶、玉露、かぶせ、番茶、玉緑茶、茶、茎茶、棒茶などの中の1種類を単独で用いてもよいし、また、2種類以上の茶葉を組み合わせて用いてもよい。さらに、緑茶などの不発酵茶に加えて、半発酵茶(例えば烏龍茶)、発酵茶(例えば紅茶)等をブレンドすることも可能である。

0013

焙じ茶葉を含む茶葉の抽出は、30〜95℃、好ましくは60〜90℃の水を用いて行う。抽出温度が高すぎると、苦渋みが強くなり、抽出液香味が悪くなり、また、加熱殺菌や長期保存により加熱臭の発生が顕著となる。抽出温度が低すぎると、焙じ茶中のピラジン成分が十分に抽出されず、本効果が得られない可能性がある。抽出時間は、好ましくは1〜30分であり、より好ましくは2〜10分である。茶葉に対する抽出する水の重量比率は、好ましくは5〜500であり、より好ましくは5〜100である。

0014

本発明においては、このようにして得られた茶葉抽出液に、ケルセチン配糖体を添加する。

0015

本発明において、「ケルセチン配糖体」というときは、特に記載した場合を除き、フラボノイド一種であるケルセチン(クエルセチンとも呼ばれる)の配糖体を指し、これは下式で表される。

0016

0017

(式中、(X)nは、糖鎖を表し、nは、1以上の整数である。)
ここで、ケルセチンにグリコシド結合するXで表される糖鎖を構成する糖は、例えば、グルコースラムノースガラクトースグルクロン酸であり、好ましくはグルコース、ラムノースである。また、nは1以上であれば、特に制限されないが、好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜8である。nが2以上であるとき、X部分は1種類の糖鎖からなっていてもよく、複数の糖鎖からなっていてもよい。

0018

本明細書においては、ケルセチンにグルコースが一つ配されたものを、QG1、2つ配されたものをQG2、3つ配されたものをQG3(以下、グルコースが一つ増すごとに、QG4、QG5、QG6・・・)と表すことがある。

0019

本発明のケルセチン配糖体は、既存のケルセチン配糖体を、酵素などで処理して糖転移させたものも含む。

0020

本発明でいうケルセチン配糖体は、具体的には、ルチン、酵素処理ルチン、クエルシトリン、イソクエルシトリンを含む。

0021

ルチンは、下式で表される化合物である。

0022

0023

ルチンは、ルトサイド又はケルセチン−3−ルチノシドと称されることもある。

0024

酵素処理ルチンとは、ルチン又はその類縁体酵素処理したものを成分とするものをいう。酵素処理ルチンは、酵素処理イソクエルシトリン又は糖転移ルチンと称されることもある。

0025

本発明においては、ケルセチン配糖体に包含される一の化合物を、単独で用いてもよいし、複数の化合物の混合を用いてもよい。

0026

本発明で使用するケルセチン配糖体は、その由来、製法については特に制限はない。例えば、ケルセチンを多く含む植物として、ケッパー、リンゴ、茶、タマネギ、ブドウブロッコリーモロヘイヤラズベリーコケモモクランベリーオプンティア葉菜類、柑橘類などが知られており、これらの植物からケルセチン配糖体を得ることができる。

0027

本発明の特に好ましい態様においては、ケルセチン配糖体として、ルチンの酵素処理物(以下、酵素処理ルチン)を使用する。

0028

酵素処理ルチンの特に好ましい例は、ケルセチン配糖体を酵素処理してラムノース糖鎖部分を除去したイソクエルシトリン、イソクエルシトリンを糖転移酵素で処理してグルコース1〜7個からなる糖鎖が結合したもの、及びその混合物を主成分とするものである。

0029

イソクエルシトリンは、例えば、WO2005/030975に記載されている方法、すなわち、ルチンを、特定の可食性成分の存在下でナリンギナーゼで処理する方法によって製造することができる。さらに、WO2005/030975に記載されているように、イソクエルシトリンを糖転移酵素で処理することにより、α-グリコシルイソクエルシトリンを得ることができる。

0030

一般に、ルチンには抗酸化作用があることが知られていたが、水に難溶性であるため使用用途が限られていた。しかしながら酵素処理ルチンは糖転移により水溶性が向上しているため飲料に好適に使用できる。酵素処理ルチンは強力な抗酸化活性のほか、血小板の凝集抑制および接着抑制作用、血管拡張作用、抗癌作用など、多彩な生理機能を持つことが知られており、炎症の改善や血液循環促進などの効果を目的とした健康食品に利用されている。酵素処理ルチンは、例えば、エンジュ、ソバなどの抽出物を糖転移酵素で処理して得ることができる。

0031

本発明の飲料におけるケルセチンの配合量は、20〜5000ppm、好ましくは100〜2500ppm、さらに好ましくは200〜1500ppm、最も好ましくは100〜500ppmである。なお、本明細書中、ppmは重量比(mg/kg)を示す。別の観点からは、ケルセチンはまた、350〜500ml容量の容器詰め飲料1本当たり、10〜1800mg、好ましくは50〜900mg、より好ましくは100〜500mgとすることができる。なお、本発明で飲料中のケルセチンの配合量をいうときは、特に記載した場合を除き、ケルセチン配糖体の配合量を合計したものをQG1として換算して得られる量を指す。

0032

ケルセチン配糖体量の測定は、当業者にはよく知られた定法により、行うことができる。本明細書中おけるケルセチン配糖体とは、特に記載した場合を除き、ケルセチン配糖体の主要な構成成分であるQG1〜QG7をいい、ケルセチン配糖体量は下記の方法により求めてもよい:すなわち、標準物質としてQuercetin 3-O- glucoside(QG1)を用い、HPLCを用いて、紫外部吸光度350 nmにおける面積と標準物質濃度により検量線を作成する。ケルセチン配糖体は、小腸でケルセチンに加水分解されることから、QG1からQG7は生理活性的に同等であると考えられ、またケルセチンの3位配糖体は糖鎖の長さに関らず、すべて350nmに極大吸収を持ち、その吸光度アグリコン部分であるケルセチンに依拠する。したがって、分子量は異なるが、モル吸光度ではQG1〜QG7は等しくなると考えられ、QG1換算でケルセチン配糖体量を定量する。具体的には、分析試料を、標準物質と同一条件でHPLCに供し、得られたチャートにおいて、標準物質の溶出保持時間と一致するピークを特定する。そして、QG1のピークより前に検出されるケルセチン配糖体QG2〜QG7のピークを特定し(もしあれば)、各々のピーク面積総計から、標準物質を用いて作成した検量線を用いて、分析試料中のケルセチン配糖体含量を算出する。

0033

本発明においては、茶葉抽出液にケルセチン配糖体を添加して得られた液を、加熱殺菌する。容器詰工程も行うが、それは加熱殺菌の前であっても後であってもよい。典型的には、容器詰の後に加熱殺菌を行う。さらに、必要に応じて、適切なタイミングで、飲料に対して通常行われる工程を行ってもよい。例えば、飲料のpHを調節してもよいし、追加的な成分を添加してもよい。

0034

本発明の容器詰茶飲料のpHは特に限定されるものではないが、ケルセチン配糖体の安定性の観点からはpH6.0以下であることが好ましく、pH5.8以下であることがさらに好ましい。香味の観点からは、いずれの場合もpH5.6以上であることが好ましく、pH5.8以上であることがさらに好まし。総合的には、pH5.8〜6.0であることが、より好ましい。

0035

飲料のpHを調整する方法としては、飲料に酸やアルカリを添加すること、イオン交換樹脂通液させることが挙げられる。用いられる酸成分としては、例えば、有機酸としてはクエン酸乳酸酒石酸コハク酸リンゴ酸アスコルビン酸など、無機酸としては塩酸リン酸などが挙げられる。アルカリ成分としては水酸化ナトリウム水酸化カリウム重曹などが挙げられる。

0036

本発明の飲料は、上述した成分の他、乳化剤酸化防止剤等の、飲料として許容される添加物を配合してもよい。

0037

本発明の飲料は、殺菌処理や長期保存により発生する、ケルセチン配糖体に起因する不快な加熱臭が抑制される。したがって、本発明の飲料は、容器詰飲料として好適に提供されるものである。加熱殺菌の方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)などを好適に行うことができる。容器詰茶飲料の容器に応じて加熱殺菌法を適宜選択することもでき、例えば、PETボトル飲料容器として用いる場合などはUHT殺菌が好適である。また、加熱装置加熱方式にも特に制限はなく、例えば、直接水蒸気を吹き込むスチームインジェクション式や飲料を水蒸気中に噴射して加熱するスチームインフュージョン式などの直接加熱方式、プレートチューブなど表面熱交換器を用いる間接加熱方式など公知の方法で行うことができる。加熱殺菌の温度は目的を達することができれば特に制限されないが、90℃以上であることが好ましい。

0038

以下、本発明を実施例に基づいて、より具体的に説明する。なお本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0039

なお、本実施例においては、ケルセチン配糖体量の測定は、下記の方法で行った。

0040

1.分析方法機器および試薬操作方法
1-1.試薬
アセトニトリル高速液体クロマトグラフ純度99.8%(ナカライテスク株式会社製)
・水:高速液体クロマトグラフ用不純物0.001%以下(ナカライテスク株式会社製)
トリフルオロ酢酸:純度99%(ナカライテスク株式会社製)
・イソクエルシトリン(Quercetin 3-O- glucoside: 以下QG1とする):SSX1327S、純度93.8% (フナコシ株式会社製)
エタノール:高速液体クロマトグラフ用 純度99.8%(ナカライテスク株式会社製)
ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide: 以下DMSOとする):純度99.0%(ナカライテスク株式会社製)。

0041

1-2.分析機器
高速液体クロマトグラフ(以下HPLCとする)
ポンプ:LC-10ADvp
検出器: SPD-M10Avp検出器
解析ソフト:Class LCsolution (以上、株式会社島津製作所)
1-3.分析試料の調製
・当該食品の原液を20%エタノール/水で5倍希釈し、0.45 μmフィルターマイクスLH-4:ミリポア社製)でろ過したものを分析試料としてHPLCに供する。

0042

1-4.検量線の作成
標準物質であるQuercetin 3-O- glucoside (フナコシ株式会社製:SSX 1327S、純度93.8%)を1.0 mg正確に量し、5 mlメスフラスコ中で0.5 mlのジメチルスルホキシド(DMSO:ナカライテスク株式会社製 純度99.0%)に溶解し、20%エタノール(ナカライテスク株式会社製 純度99.8%高速液体クロマトグラフ用特製試薬)/水により5 mlにフィルアップする。この200 μg/mlの溶液を20%エタノール/水で順次希釈し、10、25、50、100 μg/mlの溶液を作成する。各濃度の溶液を10 μl、HPLCに供する。このときに検出されるピークの溶出保持時間は約14.5分である。このときの紫外部吸光度350 nmにおける面積と濃度により検量線を作成する。

0043

原点を通る近似直線を計算し、これを用いてQG1からQG7までの濃度を算出し、合算した値に標準物質の純度(93.8%)をかけることで、ケルセチン配糖体量を算出する。

0044

1-5.試験操作
定性試験:分析試料を標準品と同一条件下でHPLC分析を行い、QG1標準品の溶出保持時間と一致するピークをQG1とする。QG1はケルセチンにグルコースが1個結合したケルセチン配糖体である。
・定量試験: QG1のピークより前に検出される6つのピークは、QG1にさらにグルコース結合したケルセチンの配糖体である。HPLC分析では、QG1およびQ G1にさらにグルコースが1〜6個結合した化合物が検出可能であり、これらQG1〜QG7について、標準品が入手可能なQG1を指標成分と設定し、QG1換算での量を算出する。ケルセチン配糖体の7つの溶出ピークについてのピーク面積を測定し、QG1標準品のピーク面積に基づいて作成した検量線から分析試料中のケルセチン配糖体含量を算出する。

0045

イソクエルシトリン(QG1)は、ケルセチンの3位に1分子のグルコースがβ結合した化合物である。QG2〜QG7はQG1にさらに0 〜6個のグルコースがα-1,4結合した化合物群で、QG1およびQG2〜QG7の7成分の合計を、ケルセチン配糖体量とする。

0046

ケルセチンの3位配糖体は糖鎖の長さに関らず、すべて350nmに極大吸収を持ち、その吸光度はアグリコン部分であるケルセチンが寄与する。従って、分子量は異なるが、モル吸光度ではQG1からQG7は等しくなると考え、QG1換算でケルセチン配糖体量を定量することとした。

0047

表1に従い茶葉を秤量し、約70℃の純水2.2Lにより5分間抽出し、ろ過し、各種緑茶抽出液を得た。得られた緑茶抽出液に、サンエミックP15(イソクエルシトリン配糖体含有製剤)を30gを加え、加水し、7.5Lの各種緑茶飲料を得た。その際、重曹でpH5.9に調整した。得られた各種緑茶飲料を、UHT殺菌処理した後、500mlのPET容器に各2本ずつ充填した。1本は製造直後のケルセチン配糖体由来の粉っぽさ、及びエグ味について官能評価を行い、もう1本は55℃5日間の加速劣化試験後に、同様の官能評価を行った。官能評価は訓練された5名のパネラーにより下に示す3段階評価行い、最も点数の多かった評価を表1に記した。なお、表1中の「飲料中のケルセチン配糖体量」は、上述の方法にて算出したQG1換算値である。

0048

粉っぽさ
○(粉っぽさを感じない)
△(粉っぽさを少し感じるが、許容できる)
×(粉っぽさが強く、許容できない)
エグ味
○(エグ味を感じない)
△(エグ味を少し感じるが、許容できる)
×(エグ味が強く、許容できない)

0049

実施例

0050

本結果より、焙じ茶葉を含む茶葉を抽出して得られた茶葉抽出液を用いると、ケルセチン配糖体に由来する粉っぽさ、及び加熱により生じるエグ味が低減されることがわかった。

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