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技術 内燃機関のオイル回収装置

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 榎戸聡馬嶋宏彰
出願日 2013年9月24日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2013-196703
公開日 2015年4月9日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2015-063905
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関の潤滑 内燃機関のシリンダブロック、ケーシング
主要キーワード 軸受支持面 端壁側 オイル回収装置 半割型 車両進行方向前側 円筒状軸受 開通状態 オイル液面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年4月9日)のものです。
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図面 (8)

課題

車両挙動が大きな場合でもオイル回収能力が損なわれないように複数のオイル戻し油路を設け、かつ鋳造時の湯流れ性の悪化を防止する。

解決手段

軸受支持部と隣接するシリンダブロックの前側壁部に設けられた周壁部オイル戻し油路を含む複数のオイル戻し油路をシリンダブロックに設け、前側壁部の内面には、隣接する軸受支持部に向けて突設された突条部を形成し、突条部と隣接する軸受支持部との間に両部間を橋渡しする形状のリブを設ける。突条部と軸受支持部との間に溝が生じていても、突条部と軸受支持部との間を橋渡しする形状のリブを設けたことから、シリンダブロックの周壁部の軸受支持部近傍に設けたゲートから湯を流してシリンダブロックを鋳造する場合に、そのゲートから軸受支持部に向かう湯流れがリブを介して流れ得るので、軸受支持部への湯流れを向上することができる。

概要

背景

自動車内燃機関において、シリンダヘッドの上部に設けられた動弁機構に供給されたオイルを、内燃機関本体の下部に設けられたオイルパンにオイル戻し油路を介して戻すようにしたオイル回収装置がある。シリンダヘッドを上方に向けるように車両に搭載された内燃機関では、例えばシリンダブロック等に設けられたオイル戻し油路を介して自然落下によりオイルパン内に戻すことができる。

一方、車両旋回状態で、シリンダヘッドに溜まっているオイルが慣性力により偏って、オイル戻し油路からオイルが戻り難くなる場合があり、特に高速回転時には動弁機構へのオイル供給量が増大するため、高速回転時の旋回状態ではシリンダヘッドにオイルが溜まり易いという問題がある。例えば縦置V型内燃機関では、番区画の1/2の角度で左右の気筒列が傾いており、オイル戻し油路が気筒軸線に沿って延在するように設けられている場合には、旋回時に寝る方向に傾いたオイル戻し油路にオイルが溜まり易くなることから、シリンダヘッド内またはオイル戻し油路のオイルを導くことができるオイル回収通路と、オイル回収通路内のオイルを吸引するジェットポンプとを設けたものがある(例えば特許文献1参照)。

概要

車両挙動が大きな場合でもオイル回収能力が損なわれないように複数のオイル戻し油路を設け、かつ鋳造時の湯流れ性の悪化を防止する。軸受支持部と隣接するシリンダブロックの前側壁部に設けられた周壁部オイル戻し油路を含む複数のオイル戻し油路をシリンダブロックに設け、前側壁部の内面には、隣接する軸受支持部に向けて突設された突条部を形成し、突条部と隣接する軸受支持部との間に両部間を橋渡しする形状のリブを設ける。突条部と軸受支持部との間に溝が生じていても、突条部と軸受支持部との間を橋渡しする形状のリブを設けたことから、シリンダブロックの周壁部の軸受支持部近傍に設けたゲートから湯を流してシリンダブロックを鋳造する場合に、そのゲートから軸受支持部に向かう湯流れがリブを介して流れ得るので、軸受支持部への湯流れを向上することができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内燃機関本体の上部に供給されたオイルを、当該内燃機関本体の下部に設けられたオイルパンに戻すための内燃機関のオイル回収装置であって、前記内燃機関本体の上部に供給されたオイルを前記オイルパンに自然落下により戻すべくシリンダブロックに設けられた複数のオイル戻し油路とを有し、前記シリンダブロックが、クランク軸を支持するべく前記オイルパン側に設けられた軸受支持部を有し、前記複数のオイル戻し油路が、前記軸受支持部と隣接する前記シリンダブロックの周壁に設けられた周壁部オイル戻し油路を有し、前記周壁の内面には、前記周壁部オイル戻し油路を形成するべく、隣接する前記軸受支持部に向けて突設された突条部が形成され、前記突条部と前記隣接する前記軸受支持部との間に、両部間を橋渡しする形状のリブが設けられていることを特徴とする内燃機関のオイル回収装置。

請求項2

前記隣接する前記軸受支持部に、前記周壁部オイル戻し油路とは相反する側にオイル戻し油路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のオイル回収装置。

請求項3

前記シリンダブロックに設けられた気筒列が、前記周壁部オイル戻し油路を設けた側に偏倚していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関のオイル回収装置。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関オイル回収装置に関し、特にシリンダヘッドからオイルパンへのオイル戻し油路を設けた内燃機関のオイル回収装置に関するものである。

背景技術

0002

自動車の内燃機関において、シリンダヘッドの上部に設けられた動弁機構に供給されたオイルを、内燃機関本体の下部に設けられたオイルパンにオイル戻し油路を介して戻すようにしたオイル回収装置がある。シリンダヘッドを上方に向けるように車両に搭載された内燃機関では、例えばシリンダブロック等に設けられたオイル戻し油路を介して自然落下によりオイルパン内に戻すことができる。

0003

一方、車両旋回状態で、シリンダヘッドに溜まっているオイルが慣性力により偏って、オイル戻し油路からオイルが戻り難くなる場合があり、特に高速回転時には動弁機構へのオイル供給量が増大するため、高速回転時の旋回状態ではシリンダヘッドにオイルが溜まり易いという問題がある。例えば縦置V型内燃機関では、番区画の1/2の角度で左右の気筒列が傾いており、オイル戻し油路が気筒軸線に沿って延在するように設けられている場合には、旋回時に寝る方向に傾いたオイル戻し油路にオイルが溜まり易くなることから、シリンダヘッド内またはオイル戻し油路のオイルを導くことができるオイル回収通路と、オイル回収通路内のオイルを吸引するジェットポンプとを設けたものがある(例えば特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開2007−198311号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記特許文献1のように、オイルパンに回収するオイルをジェットポンプにより吸引してオイルパンに戻すことにより、シリンダヘッドやオイル戻し油路に溜まっているオイルが慣性力などにより偏っても、オイルを回収することができるため、シリンダヘッドにオイルが溜まり過ぎることを抑制し得る。しかしながら、ジェットポンプの追加やオイル回収通路の追加を必要とし、構造が複雑化するという問題がある。

0006

一方、車両の挙動としては旋回の他にローリング加減速等があり、上記特許文献1のように傾いたシリンダヘッドの下側にのみオイル戻し油路が設けられているものでは、車両の挙動によりオイル戻し油路側が上方に位置するようになると、シリンダヘッドに溜まっているオイルからオイル戻し油路の開口が露出してしまう虞があり、オイル戻し油路からの回収が困難になるという問題がある。

0007

また、上記した車両の挙動によりオイルパン内でも油面が傾くため、車両の挙動が大きい場合にはオイル戻し油路のオイルパン内に臨む流出口が油面により塞がれると、オイルが戻り難くなるという虞がある。例えば直列多気筒の内燃機関をシリンダヘッドを上に向けて横置きにした場合には、シリンダ列方向の中央部分にオイル戻し油路を設けることにより、車両のロールにより油面が傾いても油面中央部分は大きく上下しないため、オイル戻し油路の流出口が油面により塞がれる虞は小さい。また、車両の急激な加減速によりオイルパン内のオイルが前後に移動する場合がある。それに対して、シリンダ列を挟んで車両前後となる位置にそれぞれオイル戻し油路を配置することにより、オイルパン内のオイルが前後に大きく移動することにより液面が傾いて一方の流出口が塞がれても他方が開口し得るため、オイルのオイルパンへの戻し油路を確保することができる。

0008

シリンダ列を挟んでオイル戻し油路を配設する場合に、シリンダブロックの周壁部において肉厚にすることが可能な気筒間となる部分に設けることが考えられる。気筒間にはクランク軸軸受部を構成する壁状の軸受支持部が設けられている。また、シリンダブロックを鋳造により形成するべく、そのゲート位置をシリンダブロックの周壁部の外面に設ける場合に、充填量の多い部位を考慮すると軸受支持部近傍にすることが考えられる。

0009

しかしながら、シリンダブロックの周壁部にオイル戻し油路を設ける場合に、シリンダブロックのオイルパン側でオイル戻し油路を通す部分が周壁部の内面突条部として形成されると、突条部と軸受支持部との間にシリンダ軸線方向に深い溝が生じる。そのような形状において、鋳造時の湯流れが突条部へ向かうことにより、軸受支持部に流れる湯流れが悪化する虞がある。

課題を解決するための手段

0010

このような課題を解決して、車両挙動が大きな場合でもオイル回収能力が損なわれないように複数のオイル戻し油路を設け、かつ鋳造時の湯流れ性が悪化することのない内燃機関のオイル回収装置を実現するために、本発明に於いては、内燃機関本体(1・2・3)の上部に供給されたオイルを、当該内燃機関本体の下部に設けられたオイルパン(4)に戻すための内燃機関のオイル回収装置であって、前記内燃機関本体の上部(2)に供給されたオイルを前記オイルパンに自然落下により戻すべくシリンダブロック(1)に設けられた複数のオイル戻し油路(9a〜9e)とを有し、前記シリンダブロックが、クランク軸(8)を支持するべく前記オイルパン側に設けられた軸受支持部(6d)を有し、前記複数のオイル戻し油路が、前記軸受支持部と隣接する前記シリンダブロックの周壁(1a)に設けられた周壁部オイル戻し油路(9d)を有し、前記周壁の内面には、前記周壁部オイル戻し油路を形成するべく、隣接する前記軸受支持部に向けて突設された突条部(15)が形成され、前記突条部と前記隣接する前記軸受支持部との間(16)に、両部間を橋渡しする形状のリブ(17)が設けられているものとした。

0011

これによれば、オイル戻し油路を形成するべくシリンダブロックの周壁内面に突設された突条部と軸受支持部との間に溝が生じていても、突条部と軸受支持部との間を橋渡しする形状のリブを設けたことから、シリンダブロックの周壁部の軸受支持部近傍に設けたゲートから湯を流してシリンダブロックを鋳造する場合に、そのゲートから軸受支持部に向かう湯流れがリブを介して流れ得るので、軸受支持部への湯流れを向上することができる。さらに、オイル戻し油路が通る突条部と軸受支持部との間をリブを介して連結状態にしたことから、軸受支持部の強度を高めることができる。これにより、オイル戻し油路を軸受支持部の近傍に設けることができ、複数箇所にオイル戻し油路を配設することにより、車両の挙動によりオイルの液面に傾きが生じていずれかのオイル戻し油路が塞がれても、別のオイル戻し油路が開通状態となり得ることから、何等問題無くオイルを回収することができる。

0012

特に、前記隣接する前記軸受支持部(6d)に、前記周壁部オイル戻し油路とは相反する側にオイル戻し油路(9e)が設けられているとよい。これによれば、隣接する軸受支持部の近傍となる周壁部の部分にオイル戻し油路を設けた場合に、上記リブを設けた構造により強度が確保されるとともに、その軸受支持部の反対側にもオイル戻し油路を設けたことから、その対となるオイル戻し油路の一方がオイルの液面の傾きにより塞がれた場合には他方が開通状態となり得るため、オイル回収が維持される。

0013

また、前記シリンダブロックに設けられた気筒列(5a〜5e)が、前記周壁部オイル戻し油路を設けた側に偏倚しているとよい。これによれば、周壁部オイル戻し油路を設けた突条部と軸受支持部との間が狭まり、両部分間にリブを設けることによる強度増大が促進され、軸受支持部のクランク軸支持強度を高く維持することが可能となる。

発明の効果

0014

このように本発明によれば、オイル戻し油路を形成するべくシリンダブロックの周壁内面に突設された突条部と軸受支持部との間に溝が生じていても、突条部と軸受支持部との間を橋渡しする形状のリブを設けたことから、シリンダブロックの周壁部の軸受支持部近傍に設けたゲートから湯を流してシリンダブロックを鋳造する場合に、そのゲートから軸受支持部に向かう湯流れがリブを介して流れ得るので、軸受支持部への湯流れを向上することができる。さらに、オイル戻し油路が通る突条部と軸受支持部との間をリブを介して連結状態にしたことから、軸受支持部の強度を高めることができる。これにより、オイル戻し油路を軸受支持部の近傍に設けることができ、複数箇所にオイル戻し油路を配設することにより、車両の挙動によりオイルの液面に傾きが生じていずれかのオイル戻し油路が塞がれても、別のオイル戻し油路が開通状態となり得ることから、何等問題無くオイルを回収することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明が適用された内燃機関のシリンダブロック1を含む要部を破断して示す縦断面図である。
図1の矢印II方向から見たシリンダブロックの平面図である。
図1の矢印III−III線で示された矢印方向に見たシリンダブロックの下面図である。
図1の矢印IV線方向から見たオイルパン内の要部を破断して示す断面図である。
図3二点鎖線Vで囲まれた部分を拡大して示す図である。
図5のVI−VI線に沿って破断して矢印方向に見た図である。
図5に示される部分の斜視図。

実施例

0016

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明が適用された内燃機関のシリンダブロック1を含む要部を破断して示す縦断面図であり、図2は、図1の矢印II方向から見たシリンダブロック1の平面図である。本発明が適用された内燃機関は、直列気筒エンジンであり、図示されない車両の前部に、気筒の軸線を上下方向に向け、かつ進行方向に対して気筒列を直交状態にした横向きに搭載される。なお、図1における左側が車両進行方向前側であり、以下の説明で前後上下を用いて説明する場合は図1に示された前後上下による。内燃機関本体は、気筒の軸線が所定角度後傾した状態で搭載されている。内燃機関本体は、シリンダブロック1の上面に結合されたシリンダヘッド2と、シリンダブロック1の下面に結合されたロアブロック3と、ロアブロック3の下面に結合されたオイルパン4とを備える。

0017

シリンダブロック1の上側部分には4つの気筒5a・5b・5c・5dが直列に形成されている。図3は、図1の矢印III−III線で示された矢印方向に見たシリンダブロック1の下面から見た図である。図3に併せて示されるように、シリンダブロック1の下側部分には、4つの気筒5a〜5dを列方向にそれぞれ挟むように位置する5箇所に気筒列方向に直交する板壁状の各軸受支持部6a〜6eが設けられている。軸受支持部6a〜6eには下方に向けて開放された半円筒状軸受支持面18が形成されている。

0018

ロアブロック3には、シリンダブロック1に結合状態で軸受支持面18と対向する半円筒状の軸受支持面3aが形成されている。両軸受支持面3a・18により形成される円筒状軸受支持面には円筒半割型半割軸受が組み付けられ、その半割軸受によりクランク軸8が回転自在に軸支される。

0019

シリンダブロック1及びロアブロック3には、シリンダヘッド2側に設けられている動弁機構(図示省略)に供給されたオイルをオイルパン4内に戻すための複数のオイル戻し油路9a〜9eが適所に設けられている。これらオイル戻し油路9a〜9eは、シリンダブロック1を鋳造するときに貫通孔として同時に形成され、図示例ではロアブロック3にそれぞれに対応して設けられた貫通孔からなる各油路を介してオイルパン4内と連通している。

0020

ここで、ロアブロック3は必ずしも必須構造体ではなく、オイル戻し油路9a〜9eに関する以下の説明では、シリンダブロック1及びロアブロック3をまとめてシリンダブロック1と称す。また、シリンダブロック1の周壁は、平面視で略矩形状をなし、車両前後方向に位置する前側壁部1a及び後側壁部1bと、気筒列方向の両端に位置する各端壁部1c・1dとを有する形状に形成されている。

0021

図示例では、各気筒5a〜5dを図2の上から1〜4番気筒とした場合に、1番及び2番気筒5a・5b間であって後側壁部1bには、第1オイル戻し油路9aが設けられている。2番及び3番気筒5b・5c間には、シリンダブロック1の後側壁部1bとは反対側の前側壁部1aに第2オイル戻し油路9bが設けられ、後側壁部1bに第3オイル戻し油路9cが設けられている。3番及び4番気筒5c・5d間には、軸受支持部6dに隣接する周壁としての前側壁部1aに周壁部オイル戻し油路である第4オイル戻し油路9dが設けられ、後側壁部1bに第5オイル戻し油路9eが設けられている。

0022

このように、各オイル戻し油路9a〜9eが配置されていることにより、車両の種々の挙動によるオイルの偏りに対し、オイルパン4内へのオイルの回収を好適に行うことができる。車両が水平かつ停止状態の場合のオイルパン4内のオイルの液面を図1のOhで示す。

0023

先ず加減速時について説明する。加速時にオイルが慣性力によりオイルパン4内の後側に偏った場合に、設計上の最大加速度時にはオイルの液面が図1のOaで示されるようになり得る。または、登時の場合がある。この急加速時オイル液面Oaの傾きにより、図1に示されるように後側のオイル戻し油路9cのオイルパン4内に開口するオイルの流出口11cが塞がれてしまう場合があり、それによりオイル戻し油路9c内にエア溜まりが生じると、シリンダヘッド2側に供給されたオイルがオイル戻し油路9cを介して戻り難くなる。急加速時のオイル液面Oaにより後側のオイル戻し油路9cの流出口11cが塞がれた場合でも、相反する前側のオイル戻し油路9bのオイルパン4内へのオイルの流出口11bは塞がれないため、シリンダヘッド2側からのオイルの回収状態を維持できる。

0024

なお、後側の他のオイル戻し油路9a・9eについても同様であり、前側の他のオイル戻し油路9dのオイルパン4内へのオイルの流出口も上記前側のオイル戻し油路9bと同じく塞がれない。高トルク高出力エンジンの場合には、高速回転時にシリンダヘッド2側に大量のオイルが供給されるため、シリンダヘッド2での貯留オイル液面は高くなり、前側のオイル戻し油路9b・9dからのオイル回収路の確保は有効である。この状態は、以下の他の状況においても同様である。

0025

上記とは逆に、最大減速時にオイルの液面が図1のOdで示されるようになると、前側のオイル戻し油路9bのオイルパン4内に開口するオイル流出口11bが塞がれてしまう場合がある。または、下り坂の場合がある。この場合には、上記とは逆に、相反する後側のオイル戻し油路9cのオイルパン4内へのオイルの流出口11cは塞がれないため、シリンダヘッド2側からのオイルの回収状態を維持できる。なお、後側の他のオイル戻し油路9a・9eについても同様であり、オイルパン4内へのオイルの流出口も上記後側のオイル戻し油路9cと同じく塞がれない。

0026

次に旋回時について図4を参照して説明する。例えば左旋回時にオイルが慣性力によりオイルパン4内の右側に偏った場合、設計上の最大横G発生時にはオイルの液面が図4のORで示されるようになり得る。図のような場合には、右側のオイル戻し油路9aが塞がれる虞はないが、塞がれた場合でも、左側のオイル戻し油路9d・9eは確実にオイルパン4内に連通状態となり得るため、オイルの回収能力は維持される。また、右旋回時にオイルが慣性力によりオイルパン4内の左側に偏った場合、設計上の最大横G発生時にはオイルの液面が図4のOLで示されるようになり得る。この場合も上記と同様に、左側のオイル戻し油路9d・9eが塞がれるようになっても、右側のオイル戻し油路9aが確実にオイルパン4内に連通状態となる得るため、オイルの回収能力は維持される。

0027

なお、シリンダブロック1には、前側壁部1a及び後側壁部1bの気筒列方向の5番気筒5e側の端壁側にそれぞれブリーザ通路9f・9gが配設されている。右旋回時の最大横G発生時にはブリーザ通路9f・9gのオイルパン4内への開口12が塞がれる虞がある。本図示例では、一部のオイル戻し油路9a・9eを図1に示されるようにブリーザ通路として用いることができるようにしている。図1にはオイル戻し油路9eが示されているが、他方のオイル戻し油路9aについても同様であり、その図示及び説明を省略する。

0028

図1に示されるように、オイル戻し油路9eの下部に連通する気液分離室13が、シリンダブロック1とロアブロック3との合わせ面を挟んで両部材間に形成されている。このようにブリーザ通路9f・9gとは別に、オイル戻し油路9a・9eを利用してブリーザ通路を複数箇所に配置したことと同様になり、上記したようにブリーザ通路9f・9gが塞がれてもオイル戻し油路9a・9eをブリーザ通路として用いることができる。

0029

上述したように、加減速や旋回等の車両挙動によりオイルパン4内のオイルの液面が大きく傾いても、シリンダブロック1の平面視で前後左右にそれぞれ複数箇所にオイル戻し油路9a〜9eが配設されていることから、オイル戻し油路9a〜9eのいずれかがオイルパン4内と連通状態に維持される。これにより、高トルク・高出力エンジン搭載車による車両の大きな挙動に対しても、オイル回収を維持することが可能となる。

0030

上述したように多数のオイル戻し油路を配設する場合には、シリンダブロック1の周壁に設けることが考えられる。図示例では、2番及び3番気筒5b・5cの間に設けたオイル戻し油路9b・9cは、前側及び後側壁部1a・1bを2番及び3番気筒5b・5c間の軸受支持部6を介して結合する中央壁部14に設けられている。中央壁部14により、前側及び後側壁部1a・1bの気筒列方向中央部分が結合されており、その部分の強度は高いため、オイル戻し油路9b・9cを設けても強度低下とはならない。

0031

それに対して、図2のI−I線に沿って矢印方向に見た断面図である図1に示される部分では、図3に併せて示されるように前側壁部1aに設けたオイル戻し油路9dと、隣接する軸受支持部6との間が開いている。上記したようにオイル戻し油路9a〜9eをシリンダブロック1の鋳造時に形成するため、前側壁部1aの内面に、隣接する軸受支持部6側に向けて突設されかつ気筒軸線に沿う方向に延在する突条部15が設けられている。その突条部15内に、突条部15の延在方向に貫通するオイル戻し油路9dが形成されている。

0032

オイル戻し油路9dを形成する突条部15を前側壁部1aに設けた場合には、シリンダブロック1の鋳造時に注湯するゲートを前側壁部1a側に設けることが考えられる。また、図示例のシリンダブロック1におけるゲート位置としては、湯の流れを考慮して、両端壁部1c・1d及び中央壁部14を介して後側壁部1bに平均して流れ、中央壁部14を挟んで位置する各軸受支持部6b・6dにも問題無く流れるように、中央壁部14に向かう位置G1と、両端壁部1c・1d寄りの各位置G2・G3とにすることが考えられる。

0033

一方、図3の二点鎖線(図のV)で囲まれた部分を拡大して示す図5、及び図5のVI−VI線に沿って破断して矢印方向に見た図6、及び図5に示される部分の斜視図を示す図7に示されるように、突条部15と、隣接する軸受支持部6dとの間の鋳抜き部分16は、突条部15と軸受支持部6dとが近いため、シリンダブロック1の下面から上面に向けて急激に深くなる形状になる。本発明によれば、突条部15と軸受支持部6dとの鋳抜き部分16に、突条部15と軸受支持部6dとを結合するリブ17が設けられている。なお、リブ17は、鋳抜き部分16の底面から突条部15及び軸受支持部6dの半分以上の高さに形成されている。

0034

鋳造時に前側壁部1aに注湯されて突条部15に向かう湯の流れは、リブ17が無い場合には図6の二点鎖線の矢印Aのように鋳抜き部分16を迂回して軸受支持部6dに向かう。上記したように突条部15と軸受支持部6dとが近接している場合には矢印Aの流れは急旋回となり、湯流れ性が悪化する。

0035

それに対して本発明によれば、上記リブ17を設けたことから、突条部15から軸受支持部6dに向かう湯の流れが、矢印Aのように大きく迂回することなく、リブ17を介して軸受支持部6dへ大きく方向を変えることなく流れて行くことができる。これにより、軸受支持部6dに近い位置にオイル戻し油路9d(突条部15)を配設しても、湯流れ性が悪化することなく、鋳造による良好な湯流れ性を確保し得る。さらに、軸受支持部6dは、突条部15とリブ17を介して結合されていることから、強度が高まる。これにより、クランク軸8を軸支する軸受支持部6dの高い強度の維持が可能となり、内燃機関本体の全体強度も高くなり、高トルク・高出力化に対応し得る。

0036

また、気筒列方向中間の軸受支持部6b〜6dは、シリンダブロック1の上壁部(シリンダヘッド2との結合部)から垂下するように形成されている。上述したように中央の軸受支持部6cが設けられている中央壁部14は前側壁部1a及び後側壁部1bに結合された形状のため、その軸受支持部6cへの湯流れは問題が無い。

0037

一方、中央壁部14と両端壁部1c・1dとの間に位置する各軸受支持部6b・6dは、クランク室内の連通を確保するために、前側壁部1a及び後側壁部1bと結合する壁形状ではなく、島状に形成されている。各軸受支持部6b・6dと前側壁部1a及び後側壁部1bとの間は、駄肉をできるだけ少なくするために鋳抜き部分となるが、鋳抜き部分が大きいと各軸受支持部6b・6dの強度が低下する虞がある。

0038

それに対して本発明によれば、図3に示されるように、各気筒5a〜5dはクランク軸8の軸線CCに対して前側壁部1a側に距離dだけ偏倚している。これにより、各軸受支持部6b・6dと前側壁部1aとの間が狭くなり、その間の駄肉を大きくすることなく、各軸受支持部6b・6dの強度を高めることができる。

0039

なお、軸受支持部6dと前側壁部1aとの間が狭くなることにより、前側壁部1aに設けた突条部15と軸受支持部6dとの間隔がより狭くなるが、上述したようにリブ17を設けたことから、湯流れ性が悪化することがない。

0040

以上、本発明を、その好適実施形態の実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、軸受支持部6d側にのみオイル戻し油路9dを形成する突条部15を設けたが、他の軸受支持部6b側にも同様のオイル戻し油路を設けてもよい。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。

0041

1シリンダブロック(内燃機関本体)
2シリンダヘッド(内燃機関本体)
3ロアブロック(内燃機関本体)
4オイルパン
5a〜5d気筒
6a〜6e軸受支持部
8クランク軸
9a〜9eオイル戻し油路
15突条部
16 鋳抜き部
17 リブ

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