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技術 加工機

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 福田敏彦樋口宗彦福島宏之大澤明浩
出願日 2013年9月17日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2013-192278
公開日 2015年3月30日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2015-058489
状態 特許登録済
技術分野 ねじ切り
主要キーワード 雌ねじ加工 係合ロッド タップ軸 複合工具 スパイラルタップ 拡径加工 ドリル刃 剛構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年3月30日)のものです。
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図面 (5)

課題

簡易な構造で、ドリル及びタップをそれぞれに適した回転速度で回転させて雌ねじ穴を加工することが可能な加工機を提供する。

解決手段

加工機10は、雌ねじ切削加工するタップ部12aを先端部に有し、回転中心に軸方向に沿って貫通孔12bが形成されたタップ軸12と、貫通孔12bに挿通され、タップ軸12の先端部から突出する先端部に、下穴を切削加工するドリル刃11aを有し、タップ軸12と回転中心が一致するドリル軸11と、タップ軸12とドリル軸11とを異なる回転速度で同時に回転させる回転駆動機構13,14とを備える。

概要

背景

従来、雌ねじ穴を加工する場合、ドリルを用いて雌ねじ穴の山径に略等しい外径下穴を所定の深さまで開け、その後、タップ雌ねじを形成することが一般的である。

しかしながら、このような方法では、ドリル及びタップ、2個の工具をそれぞれ用いた工程が必要となるので、工具を交換するなど作業に手間がかかり、作業効率が悪かった。そこで、ドリルとタップとを一体化させたドリルタップ呼称される1個の工具だけを用いて雌ねじ穴を加工することがある。

例えば、特許文献1には、先端に底刃が設けられ、外周面に底刃と協働して下穴を形成するための外周刃が設けられたエンドミル刃付きスパイラルタップが開示されている。このエンドミル刃付きスパイラルタップを用いれば、底刃と外周刃とが協働して下穴が形成され、その下穴がエンドミルで拡径され、この拡径された穴がスパイラルタップで雌ねじに加工される。このように、1個の工具を用いるだけで、雌ねじ穴を加工することができる。

また、特許文献2には、内面に複数の案内縦溝を設け発条を収容した係合凹孔をタップの内部に形成し、係合凹孔内を摺動自在な係合軸下端にドリルを設け、案内縦溝の下端に発条で常時外方に弾圧させた係合ロッドを内蔵した係止溝部を設けた工具が開示されている。

加工に際しては、まず、係合ロッドの先端を係合溝部に係合させ、ドリルをタップの下面より伸長された状態で逆回転させて、ドリルによって下穴を開ける。その後、一旦工具を後退させて、係合ロッドの先端を係合溝部から外して案内縦溝内を移動可能とさせた状態として、正回転させる。これにより、ドリルは切削作用を行わず、タップが回転進行して、雌ねじ加工が行われる。これらを繰り返し行うことによって、雌ねじ穴を加工することができる。

概要

簡易な構造で、ドリル及びタップをそれぞれに適した回転速度で回転させて雌ねじ穴を加工することが可能な加工機を提供する。加工機10は、雌ねじを切削加工するタップ部12aを先端部に有し、回転中心に軸方向に沿って貫通孔12bが形成されたタップ軸12と、貫通孔12bに挿通され、タップ軸12の先端部から突出する先端部に、下穴を切削加工するドリル刃11aを有し、タップ軸12と回転中心が一致するドリル軸11と、タップ軸12とドリル軸11とを異なる回転速度で同時に回転させる回転駆動機構13,14とを備える。

目的

本発明は、以上の点に鑑み、簡易な構造で、ドリル及びタップをそれぞれに適した回転速度で回転させて雌ねじ穴を加工することが可能な加工機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

雌ねじ切削加工するタップ部を先端部に有し、回転中心に軸方向に沿って貫通孔が形成されたタップ軸と、前記貫通孔に挿通され、前記タップ軸の先端部から突出する先端部に、穴を切削加工するドリル刃又はエンドミル部に有し、前記タップ軸と回転中心が一致するドリル軸と、前記タップ軸と前記ドリル軸とを異なる回転速度で同時に回転させる回転駆動機構とを備えることを特徴とする加工機

請求項2

前記回転駆動機構は、前記ドリル軸を回転駆動させる第1回転駆動機構と、前記タップ軸を回転駆動させる第2回転駆動機構とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の加工機。

請求項3

前記ドリル軸を前記タップ軸に対して軸方向に相対的に移動させる送り機構を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の加工機。

請求項4

前記ドリル軸に連結されたサンギヤと、前記サンギヤと噛合するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを回転自在に支持し、前記タップ軸に連結されたキャリアと、前記ピニオンギヤと噛合するリングギヤとを有する遊星歯車機構を備え、前記回転駆動機構は、前記サンギヤ又は前記キャリアに連結された連結軸を回転駆動させることを特徴とする請求項1に記載の加工機。

技術分野

0001

本発明は、雌ねじ穴を加工する加工機に関する。

背景技術

0002

従来、雌ねじ穴を加工する場合、ドリルを用いて雌ねじ穴の山径に略等しい外径下穴を所定の深さまで開け、その後、タップ雌ねじを形成することが一般的である。

0003

しかしながら、このような方法では、ドリル及びタップ、2個の工具をそれぞれ用いた工程が必要となるので、工具を交換するなど作業に手間がかかり、作業効率が悪かった。そこで、ドリルとタップとを一体化させたドリルタップ呼称される1個の工具だけを用いて雌ねじ穴を加工することがある。

0004

例えば、特許文献1には、先端に底刃が設けられ、外周面に底刃と協働して下穴を形成するための外周刃が設けられたエンドミル刃付きスパイラルタップが開示されている。このエンドミル刃付きスパイラルタップを用いれば、底刃と外周刃とが協働して下穴が形成され、その下穴がエンドミルで拡径され、この拡径された穴がスパイラルタップで雌ねじに加工される。このように、1個の工具を用いるだけで、雌ねじ穴を加工することができる。

0005

また、特許文献2には、内面に複数の案内縦溝を設け発条を収容した係合凹孔をタップの内部に形成し、係合凹孔内を摺動自在な係合軸下端にドリルを設け、案内縦溝の下端に発条で常時外方に弾圧させた係合ロッドを内蔵した係止溝部を設けた工具が開示されている。

0006

加工に際しては、まず、係合ロッドの先端を係合溝部に係合させ、ドリルをタップの下面より伸長された状態で逆回転させて、ドリルによって下穴を開ける。その後、一旦工具を後退させて、係合ロッドの先端を係合溝部から外して案内縦溝内を移動可能とさせた状態として、正回転させる。これにより、ドリルは切削作用を行わず、タップが回転進行して、雌ねじ加工が行われる。これらを繰り返し行うことによって、雌ねじ穴を加工することができる。

先行技術

0007

特開2011−167781号公報
特開昭53−105690号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1に開示された技術では、エンドミルとタップとが一体化した複合工具であるため、それぞれの回転速度及び送り速度は同じとなる。しかし、通常、エンドミルやドリルに適した回転速度はタップと比較して速く、ドリルに適した送り速度はタップと比較して遅い。このように、ドリル又はエンドミルとタップとに適した回転速度及び送り速度はそれぞれ異なる。そのため、これらを同じにすると、加工が不安定となり、工具の短寿命化加工品質の悪化などのおそれが生じる。

0009

特許文献2に開示された技術では、発条を収容した係合凹孔をタップの内部に形成するなど、工具の構成が複雑である。そのため、工具が高価となると共に、細径の雌ねじ穴を加工することが困難である。さらに、切削作業も、退行正逆回転を繰り返しており、煩雑である。

0010

本発明は、以上の点に鑑み、簡易な構造で、ドリル及びタップをそれぞれに適した回転速度で回転させて雌ねじ穴を加工することが可能な加工機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の加工機は、雌ねじを切削加工するタップ部を先端部に有し、回転中心に軸方向に沿って貫通孔が形成されたタップ軸と、前記貫通孔に挿通され、前記タップ軸の先端部から突出する先端部に、穴を切削加工するドリル刃又はエンドミル部に有し、前記タップ軸と回転中心が一致するドリル軸と、前記タップ軸と前記ドリル軸とを異なる回転速度で同時に回転させる回転駆動機構とを備えることを特徴とする。

0012

本発明の加工機によれば、ドリル軸とタップ軸をそれぞれ独立した回転速度で回転させることができる。よって、ドリル刃又はエンドミル部が穴を切削加工するに適した回転速度でドリル軸を回転させると共に、タップ部が雌ねじを切削加工するに適した回転速度でタップ軸を回転させることができる。そのため、上記特許文献1に記載のようなドリルタップを用いる場合と比較して、ドリル刃又はエンドミル部に欠けなどが生じず長寿命となると共に、加工精度が向上する。

0013

また、ドリル軸とタップ軸とを同時に回転させることができる。そのため、上記特許文献2に記載された工具を用いる場合と比較して、雌ねじ穴を形成する作業効率が向上する。

0014

また、タップ軸の貫通孔にドリル軸を挿通させた簡易な構造であるので、上記特許文献2に記載された工具と比較して、安価とすることが可能である。さらに、前記工具と比較して、タップ軸の内部に形成される貫通孔を小径化できるので、剛構造であり、細径の雌ねじ穴に対応することも可能となる。

0015

本発明の加工機において、前記回転駆動機構は、前記ドリル軸を回転駆動させる第1回転駆動機構と、前記タップ軸を回転駆動させる第2回転駆動機構とから構成されることが好ましい。

0016

この場合、第1回転駆動機構と第2回転駆動機構とをそれぞれ独立に制御することによって、ドリル軸とタップ軸とを異なる回転速度で同時に回転させる回転駆動機構を簡易に構成することが可能となる。

0017

さらに、本発明において、前記ドリル軸を前記タップ軸に対して軸方向に相対的に移動させる送り機構を備えることが好ましい。

0018

この場合、ドリル刃又はエンドミル部が穴を切削加工するに適した送り速度でドリル軸を送ると共に、タップ部が雌ねじを切削加工するに適した送り速度でタップ軸を送ることができる。そのため、上記特許文献1に記載のようなドリルタップを用いる場合と比較して、さらに、ドリル刃又はエンドミル部に欠けなどが生じず長寿命となると共に、加工精度が向上する。

0019

また、本発明において、前記ドリル軸に連結されたサンギヤと、前記サンギヤと噛合するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを回転自在に支持し、前記タップ軸に連結されたキャリアと、前記ピニオンギヤと噛合するリングギヤとを有する遊星歯車機構を備え、前記回転駆動機構は、前記サンギヤ又は前記キャリアに連結された連結軸を回転駆動させることが好ましい。

0020

この場合、連結軸を回転駆動させる1つの回転駆動源が発生する回転駆動力を、遊星歯車機構の構成に起因する速度比変速して分配することによって、ドリル軸とタップ軸とを異なる回転速度で同時に回転させることができる。よって、2つの回転駆動源を必要としないので、省エネルギーを図ることが可能であると共に、回転駆動源の制御も容易となる。

図面の簡単な説明

0021

本発明の第1の実施形態に係る加工機を示す概略断面図。
ドリル軸が突出した状態を示す概略断面図。
本発明の第2の実施形態に係る加工機を示す概略断面図。
本発明の第2の実施形態の変形に係る加工機を示す概略断面図。

実施例

0022

本発明の第1の実施形態に係る加工機10について図面を参照して説明する。加工機10は、被加工物に雌ねじ穴を開ける工作機械である。

0023

図1に示すように、加工機10は、ドリル軸11、タップ軸12、第1回転駆動機構13、第2回転駆動機構14、及び送り機構15を備えている。なお、本発明の回転駆動機構は、第1回転駆動機構13と第2回転駆動機構14とから構成されるものに相当する。

0024

ドリル軸11は、長尺円柱状であり、その先端部にドリル刃11aが設けられている。ドリル刃11aは、雌ねじ穴の山径と同径又は僅かに小径の外径を有する下穴を切削加工する。

0025

タップ軸12は、その先端部にタップ部12aが設けられている。タップ部12aは、雌ねじ穴を切削加工する。タップ部12aの形状は、通常のタップ又はドリルタップのタップ部の形状と同様である。タップ軸12は、回転中心に軸方向に沿って貫通孔12bが形成されて、全体として大略円筒状となっている。

0026

ドリル軸11は、貫通孔12bを挿通しており、その先端部が、タップ軸12の先端部から突出している。ドリル軸11とタップ軸12との回転中心は一致している。

0027

ドリル軸11及びタップ軸12の材質は、例えば、超硬合金高速度工具鋼であり、通常の工具材料を用いればよい。ドリル刃11aやタップ部12aにはDLC(Diamond-Like Carbon;ダイヤモンド状カーボン)やTiN、TiCN、TiAlN等の硬質被膜コーティングすることが望ましい。なお、ドリル軸11とタップ軸12との材質は相違していてもよい。

0028

第1回転駆動機構13は、ドリル軸11を回転駆動させる。ドリル軸11の後端部は、連結軸(スピンドル)16の先端部に連結されている。そして、連結軸16の後端部は、電動モータ等の回転駆動源17の回転出力軸17aに連結されている。連結軸16は、回転駆動源17が固定されたサブフレーム18にベアリング19を介して回転自在に支持されている。

0029

これにより、ドリル軸11は、回転駆動源17の回転出力軸17aの回転に伴って回転する。なお、連結軸16と回転出力軸17aとを歯車列等を介して間接的に連結してもよい。

0030

第2回転駆動機構14は、タップ軸12を回転駆動させる。タップ軸12の後端部は、その外周面が、連結軸(スピンドル)21に形成された貫通孔21aの内周面の先端部に連結されている。そして、連結軸16の後端部の外周面には歯車22が形成されており、この歯車22は、電動モータ等の回転駆動源23の回転出力軸23aの外周面に形成された歯車24と噛合する。

0031

また、連結軸21は、回転駆動源23が固定されたフレーム25に形成された空洞25aに、複数のベアリング26を介して回転自在に支持されている。連結軸21の貫通孔21aは、その回転中心にて軸方向に沿って方向に延びており、ドリル軸11及びこれに連結された連結軸16が挿通されている。

0032

これにより、タップ軸12は、回転駆動源23の回転出力軸23aの回転に伴って回転する。

0033

送り機構15は、ドリル軸11をタップ軸12に対して相対的に軸方向に移動させる。送り機構15は、ドリル軸11、及びこれに直接的又は間接的に連結された連結軸16、回転駆動源17、サブフレーム18、及びベアリング19を一体的に、フレーム25に対して移動させる。

0034

送り機構15は、ここでは、ラック・ピニオン機構からなる進退機構である。サブフレーム18に回転軸に沿った方向に並んでラック27が設けられており、このラック27に、電動モータ等の回転駆動源28によって回転するピニオン29が噛合している。

0035

これにより、回転駆動源28が回転駆動することによって、ラック27及びピニオン29を介して、サブフレーム18、ひいてはこれに間接的に連結されたドリル軸11がその軸方向に直線運動する。

0036

なお、加工機10は、タップ軸12、及びこれと直接的又は間接的に連結された連結軸16、回転駆動源23、及びベアリング26を一体的に、フレーム25に対して移動させる送り機構を備えていてもよい。また、加工機10は、送り機構15を備えていなくともよい。

0037

加工機10は、NC加工機等であって、図示しない制御部によって、回転駆動源17,23,28の回転駆動がそれぞれ独立して制御される。

0038

これにより、ドリル軸11とタップ軸12とを互いに独立した異なる回転速度で回転させることができる。また、送り機構15によって、ドリル軸11をタップ軸12に対して回転軸に沿った方向に相対的に自在に移動させることができる。

0039

以下、加工機10を用いて被加工物に雌ねじ穴を開ける方法を説明する。

0040

まず、図2に示すように、送り機構15によってドリル軸11を被加工物側の方向(図中左方向)に移動させて、ドリル軸11の先端部をタップ軸12の先端部から所定の距離だけ離れるようにする。

0041

そして、ドリル刃11aが被加工物を切削加工するに適した回転速度で、第1回転駆動機構13によってドリル軸11を回転させ、下穴の加工を開始する。このとき、ドリル刃11aが被加工物を切削加工するに適した送り速度で、加工機10全体を被加工物側に向かって移動させる。

0042

そして、ドリル刃11aによる下穴の加工を継続しながら、タップ部12aが下穴に雌ねじを切削加工するに適した回転速度で、第2回転駆動機構14によってタップ軸12を回転させ、雌ねじの加工を開始する。

0043

このとき、タップ部12aが雌ねじを切削加工するに適した送り速度でタップ軸12が送られるように、この送り速度で加工機10全体を被加工物側に向かって移動させる。これと共に、送り機構15によって、ドリル軸11をタップ軸12方向に所定の速度で移動させる。これにより、ドリル軸11の送り速度は、加工機10の移動速度(=タップ軸12の送り速度)から送り機構15による移動速度を減じたものとなり、ドリル刃11aが被加工物を切削加工するに適した送り速度となる。

0044

そして、所望の深さの雌ねじ穴を形成したとき、第1回転駆動機構13及び第2回転駆動機構14を同時に停止させ、加工が終了する。なお、第2回転駆動機構14を停止させる前に、第1回転駆動機構13を停止させ、下穴の進行を停止しておいてもよい。

0045

以上説明したように、加工機10によれば、第1回転駆動機構13と第2回転駆動機構14とは独立して制御されるので、ドリル軸11とタップ軸12をそれぞれ独立した回転速度で回転させることができる。

0046

よって、ドリル刃11aが下穴を切削加工するに適した回転速度でドリル軸11を回転させると共に、タップ部12aが雌ねじを切削加工するに適した回転速度でタップ軸12を回転させることができる。そのため、上記特許文献1に記載のようなドリルタップを用いる場合と比較して、ドリル刃11aに欠けなどが生じず長寿命となると共に、加工精度が向上する。

0047

また、第1回転駆動機構13及び第2回転駆動機構14によって、ドリル軸11とタップ軸12とを同時に回転させることができる。そのため、上記特許文献2に記載された工具を用いる場合と比較して、雌ねじ穴を形成する作業効率が向上する。

0048

また、送り機構15によって、ドリル軸11をタップ軸12に対して相対的に軸方向に移動させることができる。よって、ドリル刃11aが下穴を切削加工するに適した送り速度でドリル軸11を送ると共に、タップ部12aが雌ねじを切削加工するに適した送り速度でタップ軸12を送ることができる。そのため、上記特許文献1に記載のようなドリルタップを用いる場合と比較して、ドリル刃11aに欠けなどが生じず長寿命となると共に、加工精度が向上する。

0049

また、タップ軸12の貫通孔12bにドリル軸11を挿通させた簡易な構造であるので、上記特許文献2に記載された工具と比較して、安価とすることが可能である。さらに、前記工具と比較して、タップ軸12の内部に形成される貫通孔12bを小径化できるので、剛構造であり、細径の雌ねじ穴に対応することも可能となる。

0050

以下、本発明の第2の実施形態に係る加工機30について図面を参照して説明する。加工機30は、被加工物に雌ねじ穴を開ける工作機械である。この加工機30については、主として前述した第1の実施形態に係る加工機10と異なる点を説明する。

0051

図3に示すように、加工機30は、ドリル軸31、タップ軸32、遊星歯車機構33、及び回転駆動機構34を備えている。なお、回転駆動機構34は、本発明の回転駆動機構に相当する。

0052

ドリル軸31は、長尺の円柱状であり、その先端部にドリル刃31aが設けられている。タップ軸32は、その先端部にタップ部32aが設けられている。タップ軸32は、その回転中心に軸方向の回転軸に沿って貫通孔32bが形成されて、全体として大略円筒状となっている。

0053

ドリル軸31は、貫通孔32bを挿通しており、その先端部が、タップ軸32の先端部から突出している。ドリル軸31とタップ軸32との回転中心は一致している。

0054

遊星歯車機構33は、サンギヤ33a、サンギヤ33aと噛合するピニオンギヤ33b、ピニオンギヤ33bを回転自在に支持するキャリア33c、及びピニオンギヤ33bと噛合するリングギヤ33dを有している。

0055

ドリル軸31の後端部は、連結軸(スピンドル)35の先端部に連結されている。そして、連結軸35の中間部の外周面にはサンギヤ33aが形成されている。

0056

タップ軸12の後端部は、連結軸(スピンドル)36の先端部に連結されている。そして、連結軸36の中間部にはキャリア33cが連結されている。

0057

回転駆動機構34は、ドリル軸31を回転駆動させる。連結軸35の後端部は、電動モータ等の回転駆動源37の回転出力軸37aに連結されている。連結軸35の後部は、回転駆動源37が固定されたフレーム38の空洞38aの内周面にベアリング39を介して回転自在に支持されている。

0058

これにより、ドリル軸31は、回転駆動源37の回転出力軸37aの回転に伴って回転する。なお、連結軸35と回転出力軸37aとを歯車列等を介して間接的に連結してもよい。

0059

連結軸36の貫通孔36aは、その回転中心に軸方向に沿って延びており、ドリル軸31及びこれに連結された連結軸35が挿通されている。また、連結軸35の前部及び中間部は、連結軸36の貫通孔36aの内周面に複数のベアリング41を介して回転自在に支持されている。

0060

なお、連結軸36は、回転駆動源37が固定されたフレーム38に形成された空洞38aの内周面に、複数のベアリング42を介して回転自在に支持されている。そして、空洞38aの内周面にはリングギヤ33dが形成されている。

0061

これにより、ドリル軸31は、回転駆動源37の回転出力軸37aの回転に伴って、回転する。そして、タップ軸32は、回転駆動源37の回転出力軸37aの回転に伴って、遊星歯車機構33のリングギヤ33dに対するキャリア33cの減速比減速されて、回転する。このように、ドリル軸31とタップ軸32とは異なる回転速度で同時に回転する。

0062

なお、回転駆動源37の回転出力軸37aが所定の回転速度で回転するとき、ドリル刃31aが被加工物を切削加工するに適した回転速度でドリル軸31が回転し、且つ、タップ部32aが下穴に雌ねじを切削加工するに適した回転速度でタップ軸32が回転するように、遊星歯車機構33の各ギヤ33a,33c,33dのギヤ比を定める。

0063

なお、加工機30は、ドリル軸31、タップ軸32、及びこれと直接的又は間接的に連結された遊星歯車機構33、及び回転駆動機構34などを一体的に対して移動させる送り機構を備えていてもよい。

0064

加工機30は、NC加工機等であって、図示しない制御部によって、回転駆動源37の回転駆動が制御される。

0065

以下、加工機30を用いて被加工物に雌ねじ穴を開ける方法を説明する。

0066

まず、回転駆動源37の回転出力軸37aを所定の回転速度で回転させる。これにより、ドリル刃31aが被加工物を切削加工するに適した回転速度でドリル軸31が回転され、下穴の加工が開始される。このとき、所定の送り速度で、加工機30全体を被加工物側に向かって移動させる。

0067

そして、タップ部32aが雌ねじを切削加工するに適した送り速度でタップ軸32も回転しており、ドリル刃31aによって加工した下穴に対して、タップ部32による雌ねじの加工が開始される。このとき、送り速度は変化させない。ただし、送り速度を変化させてもよい。

0068

そして、所望の深さの雌ねじ穴を形成したとき、回転駆動機構34を停止させ、加工が終了する。

0069

以上説明したように加工機30によれば、遊星歯車機構33及び回転駆動機構34によって、ドリル軸31とタップ軸32とを相違した回転速度で回転させることができる。

0070

よって、ドリル刃31aが下穴を切削加工するに適した回転速度でドリル軸31を回転させると共に、タップ部32aが雌ねじを切削加工するに適した回転速度でタップ軸32を回転させることができる。そのため、上記特許文献1に記載のようなドリルタップを用いる場合と比較して、ドリル刃31aに欠けなどが生じず長寿命となると共に、加工精度が向上する。

0071

また、遊星歯車機構33及び回転駆動機構34によって、ドリル軸31とタップ軸32とを同時に回転させることができる。そのため、上記特許文献2に記載された工具を用いる場合と比較して、雌ねじ穴を形成する作業効率が向上する。

0072

また、タップ軸32の貫通孔32bにドリル軸31を挿通させた簡易な構造であるので、上記特許文献2に記載された工具と比較して、安価とすることが可能である。さらに、前記工具と比較して、タップ軸32の内部に形成される貫通孔32bを小径化できるので、剛構造であり、細径の雌ねじ穴に対応することも可能である。

0073

また、1つの回転駆動源37が発生する回転駆動力を、遊星歯車機構33の構成に起因する速度比で変速して分配することによって、ドリル軸31とタップ軸32とを異なる回転速度で同時に回転させることができる。よって、2つの回転駆動源を必要としないので、省エネルギーを図ることが可能であると共に、回転駆動源37の制御も容易となる。

0074

以上、第2の実施形態に係る加工機30では、ドリル軸31に連結された連結軸35を回転駆動源35で回転する場合について説明した。しかし、これに限定されず、タップ軸32に連結された連結軸36を回転駆動源で回転してもよい。以下、この変形例について簡略に説明する。

0075

図4に示すように、加工機30Aは、ドリル軸31、タップ軸32、遊星歯車機構33A、及び回転駆動機構34Aを備えている。なお、回転駆動機構34Aは、本発明の回転駆動機構に相当する。

0076

ドリル軸31の後端部は、連結軸(スピンドル)35Aの先端部に連結されている。そして、連結軸35Aの中間部の外周面にはサンギヤ33aが形成されている。

0077

タップ軸12の後端部は、連結軸(スピンドル)36Aの先端部に連結されている。そして、連結軸36Aの中間部にはキャリア33cが連結されている。

0078

回転駆動機構34Aは、タップ軸32を回転駆動させる。連結軸36Aの後端部の外周面には歯車51が形成されており、この歯車51は、電動モータ等の回転駆動源52の回転出力軸52aの外周面に形成された歯車53と噛合する。

0079

なお、連結軸36Aは、回転駆動源52が固定されたフレーム54に形成された空洞54aに、複数のベアリング55を介して回転自在に支持されている。そして、空洞54aの内周面にはリングギヤ33dが形成されている。また、連結軸35Aは、連結軸36Aの貫通孔36aの内周面及びフレーム54の空洞54aの内周面に複数のベアリング56を介して回転自在に支持されている。

0080

これにより、ドリル軸31は、回転駆動源52の回転出力軸52aの回転に伴って、遊星歯車機構33Aのリングギヤ33dに対するサンギヤ33aの増速比増速されて、回転する。そして、タップ軸32は、回転駆動源52の回転出力軸52aの回転に伴って、遊星歯車機構33Aのリングギヤ33dに対するキャリア33cの減速比で減速されて、回転する。このように、ドリル軸31とタップ軸32とは異なる回転速度で同時に回転する。

0081

なお、回転駆動源52の回転出力軸52aが所定の回転速度で回転するとき、ドリル刃31aが被加工物を切削加工するに適した回転速度でドリル軸31が回転し、且つ、タップ部32aが下穴に雌ねじを切削加工するに適した回転速度でタップ軸32が回転するように、遊星歯車機構33Aの各ギヤ33a,33c,33dのギヤ比を定める。

0082

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。

0083

例えば、ドリル軸11,31の先端部に下穴加工用のドリル刃11a,31aを有する場合について説明した。しかし、これに限定されず、ドリル軸11,31の先端部に下穴拡径加工用のエンドミル部を有するものであってもよい。この場合、予め形成しておいた細径の下穴を拡径しながら雌ねじを形成することが可能となる。

0084

なお、加工機30,30Aは、ドリル軸31、タップ軸32、及びこれと直接的又は間接的に連結された遊星歯車機構33,33A、及び回転駆動機構34,34Aなどを一体的に対して移動させる送り機構を備えていてもよい。

0085

また、本発明の回転駆動機構は、上述したものに限定されない。タップ軸12,32と、この貫通孔12b,32bに挿通されるドリル軸11,31とを異なる回転速度で回転可能なものであれば、任意の構造を採用することができる。

0086

10,30,30A…加工機、 11,31…ドリル軸、 11a,31a…ドリル刃、 12,32…タップ軸、 12a,32a…タップ部、 12b,32b…貫通孔、 13…第1回転駆動機構(回転駆動機構)、 14…第2回転駆動機構(回転駆動機構)、 15…送り機構、 16…連結軸、 17…回転駆動源、17a…回転出力軸、 21…連結軸、 23…回転駆動源、 23a…回転出力軸、 27…ラック、 28…回転駆動源、 29…ピニオン、 33,33A…遊星歯車機構、 34,34A…回転駆動機構、 33a…サンギヤ、 33b…ピニオンギヤ、 33c…キャリア、 33d…リングギヤ、 35,35A…連結軸、 36,36A…連結軸、 37,52…回転駆動源、 37a,52a…回転出力軸。

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