図面 (/)

技術 耐酸性を有する中性クリーム

出願人 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
発明者 増竹憲二藤田康之
出願日 2013年9月17日 (7年7ヶ月経過) 出願番号 2013-191279
公開日 2015年3月30日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2015-057948
状態 特許登録済
技術分野 穀類誘導体・合成クリーム 食用油脂
主要キーワード ペンタポリリン酸ナトリウム 分解溶出 二段階目 改質レシチン 一段階目 セルロース生産菌 カード形 高温水中
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年3月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

果汁、酸、フルーツソース又は発酵乳等の酸性物質を添加した場合であっても、カード凝集物)の形成やクリームの増粘が抑制された、安定性の高いクリームを提供する。更に、前記酸性物質を添加後、ホイップした場合であっても、滑らかな組織を有し、起泡性及び造花性に優れる耐酸性クリームを提供する。本発明はまた、酸性物質を添加後、均質化処理を経ずとも安定した物性を有する耐酸性クリームであり、嗜好に応じて中性クリームとしても利用可能な耐酸性クリームを提供する。

解決手段

下記(1)〜(4)を併用する;(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステル、(2)リゾレシチン、(3)ポリリン酸塩、(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウム

概要

背景

嗜好多様化に伴い、果汁、酸、フルーツソース又は発酵乳等の酸性物質を添加した、清涼感を有するホイップクリーム要望されている。しかし、酸性物質の添加はクリーム中の乳タンパク質凝集を引き起こし、結果として、カード凝集物)の形成、クリームの増粘に繋がる。更には、ホイップ自体が困難となる(著しく起泡性が劣る)、組織荒れる、造花性絞り袋等から絞り出して花形等に美しく絞り出すことができ、型崩れしない性質)が悪化する等の数々の問題を生じさせる。

耐酸性ホイップクリームに関する従来技術として、レシチンショ糖脂肪酸エステル及び2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いる技術(特許文献1)、ホスファチジルコリン高含量レシチン、水素添加レシチン部分加水分解レシチン、アセチル化レシチン及びヒドロキシル化レシチンの1種又は2種以上からなる改質レシチンを使用する技術(特許文献2)、乳化剤と、リン酸二ナトリウムヘキサメタリン酸ナトリウムピロリン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムからなるから選択される2種以上のリン酸塩等混合物を用いる技術(特許文献3)等が知られている。

上記従来技術では、本発明の課題とするホイップクリーム、例えば、起泡性及び造花性に優れ、滑らかな組織を有するホイップクリームを調製することができない。更に、特許文献1及び2に開示された技術は、いずれもクリーム製造時にpHを酸性側に調整する技術であり、クリームに酸性物質を添加後、均質化処理を行なっている。本製造方法によって得られるクリームは味が画一的であり、ホイップ時に好みに応じて酸性物質の種類を変更できず、味に多様性を持たせることが困難であった。

概要

果汁、酸、フルーツソース又は発酵乳等の酸性物質を添加した場合であっても、カード(凝集物)の形成やクリームの増粘が抑制された、安定性の高いクリームを提供する。更に、前記酸性物質を添加後、ホイップした場合であっても、滑らかな組織を有し、起泡性及び造花性に優れる耐酸性クリームを提供する。本発明はまた、酸性物質を添加後、均質化処理を経ずとも安定した物性を有する耐酸性クリームであり、嗜好に応じて中性クリームとしても利用可能な耐酸性クリームを提供する。 下記(1)〜(4)を併用する;(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステル、(2)リゾレシチン、(3)ポリリン酸塩、(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウム。なし

目的

本発明では、果汁、酸、フルーツソース又は発酵乳等の酸性物質を添加した場合であっても、カード(凝集物)の形成やクリームの増粘が抑制され、安定性の高いクリームを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

下記(1)〜(4)を含有することを特徴とする、耐酸性を有する中性クリーム;(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステル、(2)リゾレシチン、(3)ポリリン酸塩、(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウム

請求項2

更に、発酵セルロース及び/又は水溶性ヘミセルロースを含有する、請求項1に記載の中性クリーム。

請求項3

リゾレシチンのリン脂質含量が80質量%以上である、請求項1又は2に記載の中性クリーム。

請求項4

水に下記(1)〜(4)を添加後、均質化処理を行なうことを特徴とする、耐酸性を有する中性クリームの製造方法;(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステル、(2)リゾレシチン、(3)ポリリン酸塩、(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウム。

請求項5

請求項1〜3のいずれかに記載の中性クリーム、及び酸性物質を混合後、均質化工程を経ることなく起泡させることを特徴とする、酸性ホイップクリームの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、耐酸性を有する中性クリーム、及びこれを用いたホイップクリームの製造方法に関する。

背景技術

0002

嗜好多様化に伴い、果汁、酸、フルーツソース又は発酵乳等の酸性物質を添加した、清涼感を有するホイップクリームが要望されている。しかし、酸性物質の添加はクリーム中の乳タンパク質凝集を引き起こし、結果として、カード凝集物)の形成、クリームの増粘に繋がる。更には、ホイップ自体が困難となる(著しく起泡性が劣る)、組織荒れる、造花性絞り袋等から絞り出して花形等に美しく絞り出すことができ、型崩れしない性質)が悪化する等の数々の問題を生じさせる。

0003

耐酸性ホイップクリームに関する従来技術として、レシチンショ糖脂肪酸エステル及び2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いる技術(特許文献1)、ホスファチジルコリン高含量レシチン、水素添加レシチン部分加水分解レシチン、アセチル化レシチン及びヒドロキシル化レシチンの1種又は2種以上からなる改質レシチンを使用する技術(特許文献2)、乳化剤と、リン酸二ナトリウムヘキサメタリン酸ナトリウムピロリン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムからなるから選択される2種以上のリン酸塩等混合物を用いる技術(特許文献3)等が知られている。

0004

上記従来技術では、本発明の課題とするホイップクリーム、例えば、起泡性及び造花性に優れ、滑らかな組織を有するホイップクリームを調製することができない。更に、特許文献1及び2に開示された技術は、いずれもクリーム製造時にpHを酸性側に調整する技術であり、クリームに酸性物質を添加後、均質化処理を行なっている。本製造方法によって得られるクリームは味が画一的であり、ホイップ時に好みに応じて酸性物質の種類を変更できず、味に多様性を持たせることが困難であった。

先行技術

0005

特開昭60−54635号公報
特開昭63−14674号公報
特開平07−274824号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記従来技術に鑑み、本発明では、果汁、酸、フルーツソース又は発酵乳等の酸性物質を添加した場合であっても、カード(凝集物)の形成やクリームの増粘が抑制され、安定性の高いクリームを提供することを目的とする。本発明はまた、前記酸性物質を添加後、均質化工程を経ることなくホイップした場合であっても、滑らかな組織を有し、起泡性及び造花性に優れる耐酸性クリームを提供することを目的とする。かかる点、本発明では、嗜好に応じて中性クリームとしても利用可能な耐酸性クリームを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、ポリリン酸塩などを必須成分とする下記(1)〜(4)を併用することで、上記課題を解決することを見出して本発明に至った;
(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステル、
(2)リゾレシチン
(3)ポリリン酸塩、
(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウム

0008

本発明は、以下の態様を有する中性クリーム、及びこれを用いたホイップクリームの製造方法に関する;
項1.下記(1)〜(4)を含有することを特徴とする、耐酸性を有する中性クリーム;
(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステル、
(2)リゾレシチン、
(3)ポリリン酸塩、
(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウム。
項2.更に、発酵セルロース及び/又は水溶性ヘミセルロースを含有する、項1に記載の中性クリーム。
項3.リゾレシチンのリン脂質含量が80質量%以上である、項1又は2に記載の中性クリーム。
項4.水に下記(1)〜(4)を添加後、均質化処理を行なうことを特徴とする、耐酸性を有する中性クリームの製造方法;
(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステル、
(2)リゾレシチン、
(3)ポリリン酸塩、
(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウム。
項5.項1〜3のいずれかに記載の中性クリーム、及び酸性物質を混合後、均質化工程を経ることなく起泡させることを特徴とする、酸性ホイップクリームの製造方法。

発明の効果

0009

本発明によれば、果汁、酸、フルーツソース又は発酵乳等の酸性物質を添加した場合であっても、カード(凝集物)の形成やクリームの増粘が抑制され、安定性の高いクリームを提供できる。更に、前記酸性物質を添加してホイップした場合であっても、滑らかな組織を有し、起泡性及び造花性に優れる耐酸性クリームを提供できる。
本発明の耐酸性を有する中性クリームは、果汁、酸、フルーツソース又は発酵乳等の酸性物質を添加後、均質化処理を経ずとも安定な物性を有するため、店舗家庭などで容易に酸性ホイップクリームを調製できる。本発明のクリームは、嗜好に応じて中性クリームとしても利用可能であり、中性及び酸性両用のクリームを提供できる。

0010

本発明の耐酸性を有する中性クリームは、
(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステル、(2)リゾレシチン、(3)ポリリン酸塩、並びに(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウムを含有することを特徴とする。

0011

(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステル
本発明では、HLB値が14以上、好ましくは15以上、更に好ましくは16以上のショ糖脂肪酸エステルを用いることを特徴とする。HLB値が14未満のショ糖脂肪酸エステルを用いた場合は、本発明が目的とする耐酸性を有するクリームを提供することができない。HLB値の上限は特に制限されないが、通常、20、好ましくは18を例示できる。ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、例えば炭素数12〜24、好ましくは16〜22の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、ステアリン酸パルミチン酸等を例示できる。本発明のショ糖脂肪酸エステルは、モノエステル含量が50%を超え、ジエステルトリエステル及びポリエステル含量の合計が50%未満の配合比であることが好ましい。

0012

クリームにおける(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステルの含量は、通常0.05〜0.6質量%、好ましくは0.075〜0.5質量%、更に好ましくは0.1〜0.4質量%である。

0013

(2)リゾレシチン
リゾレシチンは、レシチンにホスホリパーゼA2を作用させ、2−位の脂肪酸のエステル結合加水分解したものである。原料となるレシチンは種類を問わない。例えば、大豆レシチン卵黄レシチン等である。本発明では、リゾレシチンを使用することを特徴とし、リゾレシチン以外の通常のレシチンを用いた場合には本発明の効果を得ることができない。リゾレシチンにおけるリン脂質含量は特に制限されない。好ましくは、リン脂質含量が80質量%以上のリゾレシチンである。

0014

クリームにおける(2)リゾレシチンの含量は特に制限されない。通常、0.05〜0.6質量%、好ましくは0.075〜0.5質量%、更に好ましくは0.1〜0.4質量%である。上記範囲内でリゾレシチンを用いることで、果汁、酸、フルーツソース又は発酵乳等の酸性物質を添加後、均質化処理を経ずとも、物性が安定したホイップクリームを提供できる。

0015

(3)ポリリン酸塩
本発明では、ポリリン酸塩を必須成分とし、かつクエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウムを併用することを特徴とする。ポリリン酸塩を使用しなかった場合には、クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウムを併用した場合であっても、酸性物質の添加によりクリームが増粘し、更にクリームの組織が荒れてしまう。

0016

ポリリン酸塩の種類は特に制限されず、例えば、食品用途で使用可能な塩(例.ポリリン酸ナトリウムポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム等を利用できる。好ましくはポリリン酸ナトリウムである。重合度も特に制限されない。例えば、トリポリリン酸塩テトラポリリン酸塩、ペンタポリリン酸塩等が挙げられ、好ましくはテトラポリリン酸塩である。クリームにおける(3)ポリリン酸塩の含量は特に制限されない。通常、0.005〜0.4質量%、好ましくは0.01〜0.3質量%、更に好ましくは0.03〜0.2質量%である。

0017

(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウム
本発明では、前記ポリリン酸塩に加えて、(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウムを塩類として併用することを特徴とする。クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウムの代わりに、リン酸一ナトリウム炭酸水素ナトリウム等を用いた場合は、本願発明が目的とする耐酸性を有する中性クリームを提供することができない。クリームにおける(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウムの含量は特に制限されない。通常0.01〜0.5質量%、好ましくは0.03〜0.4質量%、更に好ましくは0.05〜0.3質量%である。

0018

本発明の耐酸性を有する中性クリームはタンパク質を含有する。タンパク質の種類は特に制限されず、食品に使用可能なタンパク質を使用できる。例えば、乳タンパク質(牛乳脱脂粉乳、全粉乳乳清タンパク質カゼイン等)、大豆タンパク質豆乳等)、小麦タンパク質、又は米タンパク質等が挙げられる。好ましくは乳タンパク質である。

0019

本発明のクリームにおけるタンパク質含量は特に制限されない。しかし、一般的にはタンパク質含量が0.1質量%以上となると、酸性物質添加時に生じる、起泡性の低下、組織の荒れ、造花性の悪化等が問題視されやすい。本発明では、クリームにおけるタンパク質含量が0.2〜2質量%の範囲内であっても、上記問題の発生が顕著に抑制された良質なクリームを提供できるという利点を有する。

0020

本発明の耐酸性を有する中性クリームは、更なる安定性向上の観点から、発酵セルロース及び/又は水溶性ヘミセルロースを併用することが好ましい。

0021

発酵セルロースは、セルロース生産菌(例.アセトバクター属シュードモナス属アグロバクテリウム属等に属する細菌)が産生するセルロースである。発酵セルロースは、植物由来の一般的なセルロース繊維繊維径に比べて非常に微細な繊維径を有する。一方でその繊維長は長く、純粋な結晶領域のみを取得して得られる結晶セルロースとは大きく異なる。

0022

本発明では発酵セルロースとして、好ましくは当該発酵セルロースと他の高分子物質との複合化体である発酵セルロース複合体を使用できる。当該複合体は、発酵セルロースと他の高分子物質とから実質的になり、好ましくは発酵セルロース繊維の表面に他の高分子物質が付着している。このような複合化に使用される「他の高分子物質」は、食品に使用可能な高分子物質であれば特に限定されない。例えば、ガラクトマンナンカルボキシメチルセルロースCMC)とその塩、キサンタンガムタマリンド種子ガムペクチントラガントゴムカラヤガムカラギナン寒天アルギン酸とその塩、ジェランガムカードランプルランサイリウムシードガムグルコマンナンキチンキトサン等が挙げられる。

0023

なかでも好ましくは、キサンタンガム、ガラクトマンナン、並びにカルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩が挙げられる。ガラクトマンナンとして好ましくはグァーガムが挙げられ、CMC又はその塩として好ましくはCMCナトリウムが挙げられる。本発明では特に、グァーガムと、CMC又はその塩を用いて複合化された発酵セルロースを好適に使用できる。

0024

発酵セルロース複合体は、例えば、発酵セルロースを含有する液体(所望により、本液体が含有し得る発酵セルロース生産菌体アルカリ処理等によって溶解することが可能である)と他の高分子物質の溶液とを混合し、その後、イソプロピルアルコール等のアルコール沈殿又はスプレードライ等によって発酵セルロース複合体を取得する方法、発酵セルロースのゲルを他の高分子物質の溶液に浸漬させる方法、又は特開平09−121787号公報に開示されている方法、具体的には、発酵セルロース産生微生物の培養において、用いる培地中に他の高分子物質を添加する方法等を用いて、発酵セルロースの複合化が可能である。なお、所望により、発酵セルロース複合体を乾燥させて、乾燥粉末を得ることができる。

0025

発酵セルロース複合体の乾燥粉末は商業上入手可能であり、例えば、三栄源エフエフアイ株式会社製の「サンアーティスト登録商標PG(グァーガム、CMCナトリウム及び発酵セルロースの複合体製剤)、サンアーティスト[登録商標]PN(キサンタンガム、CMCナトリウム及び発酵セルロースの複合体製剤)」を例示できる。

0026

クリームにおける発酵セルロース(単体としての)の含量は特に制限されない。通常、0.001〜0.2質量%、好ましくは0.005〜0.15質量%、更に好ましくは0.01〜0.1質量%である。

0027

水溶性ヘミセルロースは、植物の繊維質を構成する多糖類のうち、セルロース以外のものであり、セルロースと比べて水溶性が高い。具体的には、ラムノースガラクトースアラビノースキシロースグルコースガラクツロン酸グルクロン酸の1種若しくは2種以上を構成糖として含む水溶性の多糖類である。本発明で使用する水溶性ヘミセルロースは、豆類由来、特に大豆、なかでも子葉由来のものが好ましい。

0028

水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロースを含む原料から水抽出するか、場合によっては酸、アルカリ条件下で加熱溶出させるか、または酵素により分解溶出させることができる。例えば、原料を酸性乃至アルカリ性高温水中で、好ましくは80℃以上130℃以下にて加熱抽出し、水溶性画分分画することで入手できる。

0029

商業上入手可能な水溶性ヘミセルロース製剤として、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「SM−1200(大豆由来の水溶性ヘミセルロース)」が挙げられる。クリームにおける水溶性ヘミセルロースの含量は特に制限されない。通常、0.03〜1質量%、好ましくは0.05〜0.6質量%、更に好ましくは0.1〜0.5質量%である。

0030

本発明の耐酸性を有する中性クリームは、(1)HLB値14以上のショ糖脂肪酸エステル、(2)リゾレシチン、(3)ポリリン酸塩、並びに(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウムを必須成分とする以外は、常法に従って製造可能である。例えば、水、タンパク質(乳原料大豆原料等)、及び上記(1)〜(4)を混合した水相と、油相とを混合し、均質化処理を行なうことで調製できる。水相を調製する際には、必要に応じて水相を70℃程度に加温しても良い。均質化処理の条件としては、例えば、一段階目5〜20MPa、二段階目2〜5MPaの二段階の均質化工程を例示できる。

0031

本発明の中性クリームは、酸性物質と混合後、均質化処理を経ずとも物性が安定したホイップクリームを提供できることを特徴とするが、必要に応じて、酸性物質と混合後、均質化処理を経てホイップクリームを調製しても良い。

0032

本発明の耐酸性を有する中性クリームは、必要に応じて殺菌工程を経ることが可能である。例えば、UHT殺菌処理であれば130〜140℃、2〜60秒間の殺菌条件を例示できる。

0033

かくして得られる本発明のクリームは、酸性物質と混合後、均質化工程を経ずとも、カード(凝集物)の形成やクリームの増粘が顕著に抑制されており、非常に安定性が高い。更に、本発明のクリームは、ホイップした場合であっても、滑らかな組織を有し、起泡性及び造花性に優れるという利点を有する。これにより、店舗や家庭などで容易に酸性ホイップクリームを調製することができる。本発明のクリームは、嗜好に応じて中性クリームとしても利用可能であり、中性及び酸性両用のホイップクリームとして有用性が高い。

0034

本発明において中性クリームとは、pHが6以上のクリームをいう。本発明の耐酸性を有する中性クリームに添加可能な酸性物質は、食品用途に使用可能な素材であれば制限されない。例えば、酸、果汁、発酵乳、果実、フルーツソース等が挙げられる。これらの酸性物質を添加することで、爽やかな酸味や清涼感を有するホイップクリームを提供できる。

0035

以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」であることを意味する。

0036

実験例1耐酸性を有する中性クリーム及び酸性ホイップクリーム(1)
表1の処方に従い、中性クリーム及び酸性ホイップクリームを調製した。
イオン交換水に予め粉体混合しておいた脱脂粉乳、ショ糖脂肪酸エステル、リゾレシチン、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム及びデキストリンを添加し、70℃で10分間撹拌溶解して水相を調製した。当該水相に、溶解した硬化ヤシ油を加えて、70℃で5分間撹拌した。TKホモミキサーを用いて5000rpmで10分間予備乳化し、70℃にて均質化処理を行なった(第一段7.5MPa、第二段2.5MPa)。均質液を10℃以下まで冷却し、中性クリームを調製した(クリームのタンパク質含量は約1.4質量%)。

0037

(クリームの評価)
調製した中性クリーム500部に砂糖40部を入れて溶かした後、品温6℃にて、5倍濃縮透明イチゴ果5mL及び10%クエン酸溶液13.5mLを添加し、家庭用ミキサー(Kitchen Aid)でホイップし、酸性ホイップクリームを調製した。調製した中性クリーム及び酸性ホイップクリームを、表3の基準に従って評価した。結果を表2に示す。

0038

0039

注1)HLB16のショ糖脂肪酸エステル(モノエステル含量が約70%、ジエステル、トリエステル及びポリエステル含量の合計が約30%)を使用
注2)リン脂質含量が80質量%以上のリゾレシチンを使用

0040

0041

0042

テトラポリリン酸ナトリウム無添加区(比較例1−1)は、酸及び果汁を添加することで、クリームがカードを形成し、クリーム自体の粘度が高くなってしまった。更に、ホイップ時間も短くなり、組織の粗いホイップクリームとなってしまった。
一方、(1)HLB14以上のショ糖脂肪酸エステル、(2)リゾレシチン、(3)ポリリン酸塩に加えて、(4)クエン酸三ナトリウム及び/又はメタリン酸ナトリウムを使用した場合(実施例1−1及び1−2)は、酸及び果汁を添加した場合であっても、カードの形成、クリームの増粘は見られず、安定性の高いクリームであった。更に、当該クリームを起泡して得られたホイップクリームは、爽やかな酸味及び滑らかな食感を有し、起泡性及び造花性にも優れていた。

0043

実験例2耐酸性を有する中性クリーム及び酸性ホイップクリーム(2)
表4の処方に従い、中性クリーム及び酸性ホイップクリームを調製した。
イオン交換水に予め粉体混合しておいた脱脂粉乳、ショ糖脂肪酸エステル、リゾレシチン、各種ポリリン酸塩、メタリン酸ナトリウム、発酵セルロース、乳化剤及びデキストリンを添加し、70℃で10分間撹拌溶解して水相を調製した。当該水相に、溶解した硬化ヤシ油を加えて、70℃で5分間撹拌した。TKホモミキサーを用いて5000rpmで10分間予備乳化し、70℃にて均質化処理を行なった(第一段7.5MPa、第二段2.5MPa)。均質液を10℃以下まで冷却し、中性クリームを調製した(クリームのタンパク質含量は約1.4質量%)。

0044

(クリームの評価)
調製した中性クリーム500部に砂糖40部を入れて溶かした後、品温6℃にて、5倍濃縮透明イチゴ果汁5mL及び10%クエン酸溶液6mLを添加し、家庭用ミキサー(Kitchen Aid)でホイップし、酸性ホイップクリームを調製した。調製した中性クリーム及び酸性ホイップクリームを、表3の基準に従って評価した。結果を表5に示す。

0045

0046

注3)発酵セルロースを20質量%含有する、発酵セルロース複合体製剤「サンアーティスト[登録商標]PG(発酵セルロース、CMCナトリウム及びグァーガムの複合体製剤)」を使用。表中の数値は、発酵セルロース単体の添加量を示す。

0047

0048

ポリリン酸塩として、トリポリリン酸カリウムトリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム及びペンタポリリン酸ナトリウムを各々用いた、実施例2−1〜2−4のホイップクリームは、いずれも起泡性及び造花性に優れ、且つ滑らかな食感を有するホイップクリームであった。実施例2−1〜2−4はいずれも、酸及び果汁添加後のクリームにおけるカード形成及び増粘が有意に抑制されていたが、特に、テトラポリリン酸ナトリウムを使用した実施例2−3が顕著に抑制されていた。

0049

実験例3耐酸性を有する中性クリーム及び酸性ホイップクリーム(3)
表6の処方に従う以外は、実験例1と同様にして、中性クリーム及び酸性ホイップクリームを調製した。

0050

0051

注4)大豆子葉由来の水溶性ヘミセルロース製剤「SM−1200」を使用した。

0052

得られた中性クリームはいずれも安定性が高く、冷蔵庫で7日間経過後もホエーオフは観察されなかった。酸性物質と混合した場合も、クリームにおけるカード形成、増粘は見られなかった。更に、酸性物質を添加後、ホイップして得られた酸性ホイップクリームは、滑らかな組織を有し、起泡性及び造花性に優れたホイップクリームであり、爽やかな酸味を有するホイップクリームであった。

0053

実験例4耐酸性を有する中性クリーム及び酸性ホイップクリーム(4)
表7の処方に従い、中性クリーム及び酸性ホイップクリームを調製した。
イオン交換水に予め粉体混合しておいた脱脂粉乳、ショ糖脂肪酸エステル、リゾレシチン、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、水溶性ヘミセルロース、発酵セルロース及びデキストリンを添加し、70℃で10分間撹拌溶解して水相を調製した。当該水相に、溶解した硬化ヤシ油を加えて、70℃で5分間撹拌後、均質化処理を行なった(第一段7.5MPa、第二段2.5MPa)。均質液を10℃以下まで冷却し、中性クリームを調製した(クリームのタンパク質含量は約1.36質量%)。

0054

0055

得られた中性クリーム500部に砂糖40部を入れて溶かした後、品温6℃にて、5倍濃縮透明イチゴ果汁5mL及び10%クエン酸溶液15mLを添加し、家庭用ミキサー(Kitchen Aid)でホイップし、酸性ホイップクリームを調製した。調製した中性クリーム及び酸性ホイップクリームについて、表3の基準に従って評価した。結果を表8に示す。

0056

0057

実施例4−1及び4−2のクリームはいずれも、酸性物質(酸及び果汁)を添加して1日経過後も、キメが細かく組織のあれのない、滑らかなテクスチャーを有するクリームであった。更に、起泡性及び造花性にも優れて、爽やかな酸味を有するホイップクリームであった。

0058

実験例5耐酸性を有する中性クリーム及びホイップクリーム(5)
表9の処方に従い、中性クリーム及びホイップクリームを調製した。
イオン交換水に予め粉体混合しておいた脱脂粉乳、ショ糖脂肪酸エステル、リゾレシチン、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、水溶性ヘミセルロース、発酵セルロース及びデキストリンを添加し、70℃で10分間撹拌溶解して水相を調製した。当該水相に、溶解した硬化ヤシ油を加えて、70℃で5分間撹拌した。TKホモミキサーを用いて5000rpmで10分間予備乳化し、70℃にて均質化処理を行なった(第一段7.5MPa、第二段2.5MPa)。均質液を10℃以下まで冷却し、中性クリームを調製した(クリームのタンパク質含量は
約1.36質量%)。

0059

0060

得られた中性クリーム500部に砂糖40部を入れて溶かした後、品温6℃にて、家庭用ミキサー(Kitchen Aid)でホイップし、中性ホイップクリームを調製した。別途、中性クリーム500部に砂糖40部を入れて溶かした後、品温6℃にて、5倍濃縮透明イチゴ果汁5mL及び10%クエン酸溶液13.5mLを添加し、家庭用ミキサー(Kitchen Aid)でホイップし、酸性ホイップクリームを調製した。調製した中性クリーム、中性ホイップクリーム及び酸性ホイップクリームについて、表3の基準に従って評価した。結果を表10に示す。

0061

実施例

0062

通常のクリームであれば、酸性物質を添加することで、カード形成やクリームの増粘を引き起こすところ、本発明のクリームは、中性及び酸性のいずれの条件下であってもカード形成、クリームの増粘が抑制され、極めて安定性に優れるクリームであった。
更に、通常のクリームであれば、酸性物質を添加することで、起泡性が低下する、起泡できた場合であっても、組織があれて食感がザラツク等の問題が生じるが、本発明のクリームを用いることで、酸性物質を添加した場合であっても、起泡性及び造花性に優れ、更には食感も非常に滑らかなホイップクリームを提供できた。実施例5−1及び5−2のクリームについて、酸性物質を添加後、室温で3日間経過観察を行なったが、3日が経過してもキメが細かく、気泡のあれない、滑らかなテクスチャーを有するクリームであった。加えて、凍結解凍しても、滑らかな食感が維持されたホイップクリームであった。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 不二製油株式会社の「 油脂組成物」が 公開されました。( 2021/03/18)

    【課題・解決手段】あらゆる食品に利用可能な、酸化安定性が向上し、かつ風味良好な食用油脂を提供することを課題とする。油脂中に茶抽出物と共にソルビトールを安定的に分散させることで、茶抽出物の配合量を増やす... 詳細

  • 不二製油株式会社の「 エステル交換油脂」が 公開されました。( 2021/03/18)

    【課題・解決手段】トランス脂肪酸含有量を低減しながら、ココアバターとの相溶性と耐ブルーム性に優れ、口溶けの良好なチョコレートを提供することを課題とする。構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量を10質量%... 詳細

  • 新田ゼラチン株式会社の「 食品用組成物およびそれを含む食品」が 公開されました。( 2021/03/18)

    【課題】多種のデザート類に対して単独で口溶けの良いなめらかな食感を付与することができ、かつ冷凍耐性を付与することができる食品用組成物を提供する。【解決手段】食品用組成物は、ゼラチン、加工澱粉、HMペク... 詳細

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ