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技術 電力負荷推定装置

出願人 株式会社東芝東芝インフラシステムズ株式会社
発明者 田口保博
出願日 2013年9月12日 (7年3ヶ月経過) 出願番号 2013-189710
公開日 2015年3月23日 (5年9ヶ月経過) 公開番号 2015-056985
状態 特許登録済
技術分野 電力、力率、電力量の測定;試験、較正 交流の給配電
主要キーワード 実測電流 高調波データ 負荷機器毎 成分計 離散型フーリエ変換 ロス量 高調波解析 行列方程式
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

需要家機器無効電力や、配電線の無効電力ロスをより簡便に推定できる電力負荷推定装置を提供する。

解決手段

実施形態の電力負荷推定装置は、負荷機器が接続された電気系統において測定された物理量を基に、電気系統の電力負荷となる電力負荷量を推定する電力負荷推定装置であって、第1導出部と、第2導出部と、データ保持部と、第1推定部とを備える。第1導出部は、電気系統の物理量の波形分析から無効電力の高調波成分を導出する。第2導出部は、物理量の波形分析から電流の高調波成分を導出する。データ保持部は、各種の負荷機器における無効電力の高調波成分の次数データを表す照合用データを保持する。第1推定部は、無効電力の高調波成分及び電流の高調波成分の導出結果を照合用データと照合することによって、電気系統の電力負荷量を推定する。

概要

背景

商用系統電力会社系統)と連系線連係し、BEMS(Building and Energy Management System)等のEMS(Energy Management System)を有するビルディング等の需要家が管理する領域(以下、単に「需要家」と称する)において、電力需給制御としてピークカットピークシフト等を実施する技術がある。この技術において、適切な電力需給制御を実現するには、需要家の負荷機器毎負荷量を推定することが必要である。

概要

需要家機器無効電力や、配電線の無効電力ロスをより簡便に推定できる電力負荷推定装置を提供する。実施形態の電力負荷推定装置は、負荷機器が接続された電気系統において測定された物理量を基に、電気系統の電力負荷となる電力負荷量を推定する電力負荷推定装置であって、第1導出部と、第2導出部と、データ保持部と、第1推定部とを備える。第1導出部は、電気系統の物理量の波形分析から無効電力の高調波成分を導出する。第2導出部は、物理量の波形分析から電流の高調波成分を導出する。データ保持部は、各種の負荷機器における無効電力の高調波成分の次数データを表す照合用データを保持する。第1推定部は、無効電力の高調波成分及び電流の高調波成分の導出結果を照合用データと照合することによって、電気系統の電力負荷量を推定する。

目的

本発明が解決しようとする課題は、需要家機器の無効電力や、配電線の無効電力ロスをより簡便に推定できる電力負荷推定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

負荷機器が接続された電気系統において測定された物理量を基に、前記電気系統の電力負荷となる電力負荷量推定する電力負荷推定装置であって、前記電気系統の物理量の波形分析から無効電力高調波成分導出する第1導出部と、前記物理量の波形分析から電流の高調波成分を導出する第2導出部と、各種の負荷機器における無効電力の高調波成分の次数データを表す照合用データを保持するデータ保持部と、前記無効電力の高調波成分及び前記電流の高調波成分の導出結果を前記照合用データと照合することによって、電気系統の電力負荷量を推定する第1推定部と、を備える電力負荷推定装置。

請求項2

前記第1推定部は、負荷機器の無効電力と、配電線インダクタンス値と、配電線による無効電力ロス量を推定する機能を有する請求項1に記載の電力負荷推定装置。

請求項3

負荷機器が接続された電気系統において測定された物理量を基に、前記電気系統の電力負荷となる電力負荷量を推定する電力負荷推定装置であって、電気系統から測定された電流や電力電気物理量の波形分析から無効電力の高調波を求める無効電力高調波成分計算部と、電気系統から測定された電流や電力の電気物理量の波形分析から電流の高調波を求める電流高調波成分計算部と、負荷機器の無効電力の高調波成分を格納するデータベースと、前記無効電力高調波成分計算部で算出された無効電力の高調波と、前記電流高調波成分計算部で算出された電流の高調波と、前記データベースに格納された複数の負荷機器の高調波成分とに基づき電気系統に接続された負荷機器の無効電力を推定する第1推定部と、前記無効電力高調波成分計算部で算出された無効電力の高調波と、前記電流高調波成分計算部で算出された電流の高調波と、前記データベースに格納された複数の負荷機器の高調波成分とに基づき電気系統の配電線のインダクタンス値を推定する第2推定部と、を備える電力負荷推定装置。

請求項4

負荷機器の特徴ある無効電力の高調波成分を用いて、前記負荷機器の無効電力、配電線のインダクタンス値を推定する機能を有する請求項3に記載の電力負荷推定装置。

請求項5

前記配電線のインダクタンスによる無効電力ロスを推定する機能を有する請求項3に記載の電力負荷推定装置。

請求項6

前記配電線のキャパシタンス値を推定する機能を有する請求項3に記載の電力負荷推定装置。

請求項7

負荷機器に至るまでの配電線のインダクタンス値が負荷機器によって異なる場合に、前記配電線インダクタンス値を補正する機能を有する請求項3に記載の電力負荷推定装置。

請求項8

時々刻々に、無効電力負荷や配電線のインダクタンス値や無効電力のロスの推定計算を行い、その推定結果を一定時間のトレンドグラフで表示する機能を有する請求項3乃至7のいずれかに記載の電力負荷推定装置。

請求項9

ピークカットにより負荷制御する必要があったとき、無効電力と無効電力ロスとの和が所定値より大きな負荷機器を負荷制御の候補とする請求項5に記載の電力負荷推定装置。

請求項10

ピークカットにより負荷制御する必要があったとき、消費電力に対する無効電力と無効電力ロスとの和の比率の大きな負荷機器を負荷制御の候補とする請求項5に記載の電力負荷推定装置。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、電力負荷推定装置に関する。

背景技術

0002

商用系統電力会社系統)と連系線連係し、BEMS(Building and Energy Management System)等のEMS(Energy Management System)を有するビルディング等の需要家が管理する領域(以下、単に「需要家」と称する)において、電力需給制御としてピークカットピークシフト等を実施する技術がある。この技術において、適切な電力需給制御を実現するには、需要家の負荷機器毎負荷量を推定することが必要である。

先行技術

0003

特許第4802129号公報
特開2006−17456号公報
特許第3877269号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、需要家の機器が多数もしくは広域にある場合等には計測機器計測伝送系が非常に多数必要になり監視が困難な場合が多い。このため、少ない計測点需要家内機器の負荷量を監視するシステムが望まれる。また、需給制御としてピークカットやピークシフト等の負荷制御をするとき、需要家機器無効電力や、配電線インダクタンス分による無効電力ロスを考慮する必要があるときは、これらも推定する必要がある。

0005

本発明が解決しようとする課題は、需要家機器の無効電力や、配電線の無効電力ロスをより簡便に推定できる電力負荷推定装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

実施形態の電力負荷推定装置は、負荷機器が接続された電気系統において測定された物理量を基に、電気系統の電力負荷となる電力負荷量を推定する電力負荷推定装置であって、第1導出部と、第2導出部と、データ保持部と、第1推定部とを備える。第1導出部は、電気系統の物理量の波形分析から無効電力の高調波成分を導出する。第2導出部は、物理量の波形分析から電流の高調波成分を導出する。データ保持部は、各種の負荷機器における無効電力の高調波成分の次数データを表す照合用データを保持する。第1推定部は、無効電力の高調波成分及び電流の高調波成分の導出結果を照合用データと照合することによって、電気系統の電力負荷量を推定する。

図面の簡単な説明

0007

実施形態の電力負荷推定システムの適用例を示すブロック図。
電力供給システムの構成例を示すブロック図。
電気物理量波形例を示すグラフ
高調波成分計算部の構成を示すブロック図。
実測無効電力高調波成分結果と実測電流高調波成分結果との例を示すグラフ。
無効電力高調波データの例を示すグラフ。
無効電力高調波データの例を示すグラフ。
電気系統に需要家機器が接続されている構成例を示す図。
複数の電気系統に需要家機器が接続されている構成例を示す図。
機器無効電力等推定部の入出力関係を示す図。
機器無効電力等推定部を含む電力負荷推定システムの機能の概略を示す説明図。
機器無効電力等推定部の入出力関係を示す図。
機器無効電力等推定部の入出力関係を示す図。
機器無効電力等推定部の入出力関係を示す図。
電力負荷推定システムの別態様を示すブロック図。
結果表示部に表示される需要家機器毎の無効電力のグラフ。
結果表示部に表示される需要家機器毎の無効電力と無効電力ロスと、それらの合計値の表示例を示す図。
電力負荷推定システムの構成、機能を示す概略図。
需要家内機器の消費電力に対する無効電力と無効電力ロスとの和の比率を表示させた例の図。
需要家内機器の消費電力に対する無効電力と無効電力ロスの和の比率を表示させた例の図。

実施例

0008

(1.第1の実施形態)
以下、実施形態の電力負荷推定システムを図面を参照して説明する。
図1は、電力供給システム100の構成を示すブロック図である。
電力供給システム100において、電力負荷推定システム1は、電力を使用する需要家50のフィーダ22と電気的に接続された需要家の電気系統4に接続されている。電力負荷推定システム1は、例えば商用系統からなる上位電力系統32から受電しており、需要家の電気系統4の負荷量を推定する。需要家の電気系統4は、需要家50のビルディングや一般家屋に備えられる電気系統である。

0009

電力負荷推定システム1は、例えば、プログラム実装したコンピュータによって構成することができる。電力負荷推定システム1は、需要家機器5に供給される無効電力を推定するプログラムと、需要家機器5と測定装置27との間のインダクタンス値及び無効電力ロスを推定するプログラムとを実装している。

0010

測定装置27は、需要家50の母線30と電気的に接続されたフィーダ22から電流、電圧、電力等の電気物理量12を測定し、測定した電気物理量12に関する情報を電気物理量情報34として電力負荷推定システム1に送信する。

0011

電力負荷推定システム1は、測定装置27から受信した電気物理量情報34に基づいて、需要家機器5に供給される無効電力を推定し、需要家機器5と測定装置27との間のインダクタンス値及び無効電力ロスを推定する。
電力負荷推定システム1は、推定した需要家機器5に供給される無効電力を機器無効電力等推定結果20として需給制御システム70に送信する。電力負荷推定システム1は、推定した需要家機器5と測定装置27との間のインダクタンス値をインダクタンス値推定結果71として需給制御システム70に送信する。電力負荷推定システム1は、推定した需要家機器5と測定装置27との間の無効電力ロスを無効電力ロス推定結果72として需給制御システム70に送信する。

0012

需給制御システム70は、受信した機器無効電力等推定結果20、インダクタンス値推定結果71、及び無効電力ロス推定結果72に基づいて、ピークカットやピークシフト等の電力需給制御を実施する。

0013

図2は、電力負荷推定システム1の構成例を示すブロック図である。
電力負荷推定システム1は、高調波成分計算部2、実測高調波成分保存部3、需要家機器無効電力等推定部9、及び需要家機器データベース11を備えている。
高調波成分計算部2は、需要家の電気系統4から測定された電気物理量12に基づいて波形分析処理を実行し、無効電力の高調波成分(実測無効電力高調波成分結果6)や電流の高調波成分(実測電流高調波成分結果75)を計算する。高調波成分計算部2は、実測無効電力高調波成分結果6及び実測電流高調波成分結果75を実測高調波成分保存部3に出力する。

0014

実測高調波成分保存部3は、高調波成分計算部2が出力した実測無効電力高調波成分結果6及び実測電流高調波成分結果75を保存する。
機器無効電力等推定部9は、実測高調波成分保存部3に保存された実測無効電力高調波成分結果6及び実測電流高調波成分結果75と、需要家機器データベース11に格納された無効電力高調波データ7とに基づいて、機器無効電力等推定結果20、インダクタンス値推定結果71、及び無効電力ロス推定結果72を推定し、機器無効電力等推定結果20、インダクタンス値推定結果71、及び無効電力ロス推定結果72を出力する。需要家機器データベース11については後述する。

0015

図3は、電気物理量12の波形例を示したグラフである。図3においては、電気物理量12の例として、電圧Vと電流Iと電力Pとの波形例を示している。図3横軸は時間、縦軸は電気物理量12の大きさを示している。
電圧Vと電流Iと電力Pとの瞬時値を各々、v、i、pとすると、下記の式(1)が成り立つ。



式(1)に基づいて、電気物理量12のうちの電圧の瞬時値vと電流の瞬時値iとから電力の瞬時値pを計算することができる。

0016

図4は、電力負荷推定システム1の高調波成分計算部2の構成を示すブロック図である。高調波成分計算部2は、需要家の電気系統4において測定されて入力された電気物理量12に基づいて高速フーリエ変換FFT(Fast Fourier Transform)を実行し、電気物理量12に含まれる高調波次数毎の成分を計算する。電気物理量12としてのv、i、p、いずれについても、高調波の次数毎の成分の計算が可能である。なお、高調波の次数毎の成分を計算する手法は、高速フーリエ変換FFTに限られない。

0017

高速フーリエ変換FFTについて説明しておく。高速フーリエ変換FFTによって、高調波は周期の異なる正弦波集まりとして表される。基本波を一次とすると、周期が基本波の1/2(周波数は2倍)を2次、周期が基本波の1/3(周波数は3倍)を3次、1/n(周波数はn倍)をn次と呼ぶ。
電力系統商用周波数(例えば50Hz)に高調波成分が入ると、商用周波数は歪んでいると称される。電力系統の商用周波数に入った高調波成分は、フーリエ変換によって計算することができる。観測データサンプリング値である場合、このサンプリング値からこれから高調波成分を求める場合は、離散型フーリエ変換と称される手法が用いられる。離散型フーリエ変換を高速に解けるように改良した手法が高速フーリエ変換FFTと称され、高調波解析において最も汎用的な手法となっている。

0018

需要家の電気系統4における高調波成分は、需要家機器5(種々の電気機器)によって発生し、混入するが、需要家機器5の種類によっては、運転時の電圧と電流との位相が異なる。運転時の電圧と電流との位相差が大きい需要家機器5では、下記の(1)’式のように無効電力Qの高調波成分が表れる。

0019

図5は、高調波成分計算部部2が計算した実測無効電力高調波成分結果6と実測電流高調波成分結果75との例を示すグラフである。図5は、図3に示した電気物理量12に基づいて高調波の次数毎の成分を計算し、各次数の高調波の強度が、基本波を含めた高調波の総和のうちのどの程度の割合を示すかを示す高調波含有率に変換して示してある。高調波含有率は、下記の(2)式で表せる。



図5においては、縦軸が高調波含有率、横軸が高調波の次数である。図5の例では、無効電力Qの高調波含有率と電流Iの高調波含有率とを示している。

0020

電力負荷推定システム1の需要家機器データベース11について説明する。需要家機器データベース11には、需要家機器5の無効電力の高調波含有率を示す無効電力高調波データ7が記憶されている。
図6及び図7は、それぞれ異なる需要家機器5について無効電力の高調波含有率を示す無効電力高調波データ7の例を示すグラフである。図6(a)は音響機器の例、図6(b)はエレベータの例、図7(a)はエアコンディショナ(以下、「エアコン」と略記する)の例、図7(b)は照明機器の例である。いずれのグラフにおいても、縦軸が高調波含有率、横軸が高調波の次数を示している。

0021

電力負荷推定システム1の機器無効電力等推定部9について説明する。
前記(2)式から計算されるi番目の次数の高調波含有率をαiとし、需要家機器5の無効電力をQL、そのうちのi番目の次数の高調波の大きさをQL_iとすれば、αiとQLとQL_iとの間には、下記(3)式の関係がある。



需要家機器5の無効電力にN次の高調波が含まれていると仮定すれば、式(3)から下記式(4)の関係を示すことができる。



また、j番目の需要家機器5における無効電力をQLjとし、j番目の需要家機器5におけるi次の無効電力をQLjiとし、i番目の次数の高調波含有率をαijとすれば、下記式(5)の関係がある。

0022

図8は、需要家内の電気系統4に5個の需要家機器5が接続されている構成例を示す図である。図8においては、需要家内に存在する1番目から5番目までの需要家機器5に、上位電力系統32から電気系統4を経由して電力を供給しているものとする。
図8に示したように、1番目の需要家機器5であるエアコンに供給される無効電力をQL1、2番目の需要家機器5であるエレベータに供給される無効電力をQL2、3番目の需要家機器5であるエスカレータに供給される無効電力をQL3、4番目の需要家機器5である音響機器に供給される無効電力をQL4、5番目の需要家機器5である照明機器に供給される無効電力をQL5とする。

0023

図9は、需要家内の複数の電気系統4a〜4cに5個の需要家機器5が接続されている構成例を示す図である。図9においては、需要家内に存在する1番目から5番目までの需要家機器5に、上位電力系統32から電気系統4a〜4cを経由して電力を供給しているものとする。
複数の電気系統4a〜4cは、例えば、ビルディングの電気系統において、エアコン等を繋ぐエアコン用電気系統(電気系統4a)、エスカレータ等を繋ぐ電気系統(電気系統4b)、照明機器を繋ぐ電機系統(電気系統4c)を分ける例などが挙げられる。

0024

図9に示されるように、1番目の需要家機器5であるエアコンは、測定点aを通って、電気系統4aを経由して無効電力QL1が供給されている。測定点aを通る無効電力をQa、測定点aを通る電流をIaとする。
2番目の需要家機器5であるエレベータへは、測定点bを通って、電気系統4bを経由して無効電力QL2が供給されている。3番目の需要家機器5であるエスカレータへは、測定点bを通って、電気系統4bを経由して無効電力QL3が供給されている。4番目の需要家機器5である音響機器へは、測定点bを通って、電気系統4bを経由して無効電力QL4が供給されている。測定点bを通る無効電力をQb、電流をIbとする。
5番目の需要家機器5である照明機器へは、測定点cを通って、電気系統4cを経由して無効電力QL5が供給されている。測定点cを通る無効電力をQc、測定点cを通る電流をIcとする。

0025

1番目の需要家機器5であるエアコンに供給されている無効電力をQL1とし、測定点aを通る無効電力Qaとの間において無効電力QL1が電気系統4aを通ることによって発生する無効電力ロスをQlos1とすると、下記の式(6)aの関係がある。



2番目の需要家機器5であるエレベータに供給されている無効電力をQL2とし、3番目の需要家機器5であるエスカレータに供給されている無効電力をQL3とし、4番目の需要家機器5である音響機器に供給されている無効電力をQL4とする。
測定点bを通る無効電力Qbに対して、無効電力QL2が電気系統4bを通ることによって発生する無効電力ロスをQlos2とし、無効電力QL3が電気系統4bを通ることによって発生する無効電力ロスをQlos3とし、無効電力QL4が電気系統4bを通ることによって発生する無効電力ロスをQlos4とすると、前記の式(6)bの関係がある。
5番目の需要家機器5である照明機器に供給されている無効電力QL5と、測定点cを通る無効電力Qcとの間には、無効電力QL5が電気系統4cを通ることによって発生する無効電力ロスをQlos5とすると、前記の式(6)cの関係がある。

0026

次に、式(6)a、式(6)b、式(6)cを高調波の次数毎に展開する。
Qaのi次の高調波をQai、QL1のi次の高調波をQLi1、Qlos1のi次の高調波に起因するものをQlosi1とすれば、式(6)aは、下記の式(7)aとなる。



同様に、式(6)bは式(7)bとなり、式(6)cは式(7)bとなる。

0027

測定点aから電気系統4aを通って、1番目の需要家機器5であるエアコンに至るインダクタンスをLaとし、Iaのi次高調波をIaiとすると、式(7)aは、下記の式(8)aとなる。ωiは、i次の高調波の角速度である。



測定点bから電気系統4bを通って、2番目の需要家機器5であるエレベータと、3番目の需要家機器5であるエスカレータと、4番目の需要家機器5である音響機器とに至るまでのインダクタンスをLbとし、Ibのi次高調波をIbiとすると、式(7)bは、前記の(8)b式となる。
また、測定点cから電気系統4cを通り、5番目の需要家機器5である照明機器に至るインダクタンスをLcとし、Icのi次高調波をIciとすると、式(7)bは、前記の(8)c式となる。

0028

よって、これらから、下記の式(9)a、式(9)b、式(9)cが導かれる。



式(9)aにおいて、求めたいのは、QL1、Laの2つの値であり、式(9)bにおいて求めたいのは、QL2、QL3、QL4、Lbの4つの値であり、式(9)cにおいて求めたいのは、QL5、Lcの2つの値である。
よって、式(9)aを用いて、QL1、Laの2つの値を求めるには、2つ以上の式からなる方程式、式(9)bを用いて、QL2、QL3、QL4、Lbの4つの値を求めるには、4つ以上の式からなる方程式、式(9)cを用いて、QL5、Lcの2つの値を求めるには、2つ以上の式からなる方程式が必要となる。

0029

式(9)aを用いて、QL1、Laの2つの値を求めてみる。
また、式(9)aをi次の高調波とk次の高調波で表わすと、式(9)aはそれぞれ式(10)a1、式(10)a2となる。



式(9)bをi次、k次、l次、m次の高調波で表わすと、式(9)bはそれぞれ前記の式(10)b1、式(10)b2、式(10)b3、式(10)b4となる。
式(9)cををi次の高調波とk次の高調波で表わすと、式(9)cはそれぞれ前記の式(10)c1、式(10)c2となる。

0030

式(10)a1と式(10)a2とは、変数2の連立方程式であり、独立な式が2つであるから解が得られる。また、式(10)b1、式(10)b2、式(10)b3、式(10)b4とは、変数4の連立方程式であり、独立な式が4つであるから解が得られる。式(10)c1、式(10)c2も変数2の連立方程式であり、独立な式が2つであるから解が得られる。

0031

式(10)a1、式(10)a2を行列で表わせば、下記の式(11)aとなり、式(10)b1、式(10)b2、式(10)b3、式(10)b4を行列で表わせば、下記の式(11)bとなり、式(10)c1、式(10)c2を行列で表わせば、下記の式(11)cとなる。

0032

式(10)a1〜式(10)a2と式(10)b1〜式(10)b4と式(10)c1〜式(10)c2とは、独立な式である。従って、式(11)a〜式(11)cの各列は、逆行列が存在する正則行列となる。従って、下記の式(12)a〜式(12)cが得られる。



式(12)a〜式(12)cを解くことにより、式(12)aからQL1、Laを求め、式(12)bからQL2、QL3、QL4、Lbを求め、式(12)cからQL5、Lcを求めることができる。

0033

図9の測定点aを通る電流Ia、測定点bを通る電流Ib、測定点cを通る電流Icは既知であるから、測定点aから電気系統4aを通って、1番目の需要家機器5であるエアコンに至る無効電力ロスをQlos_a、測定点bから電気系統4bを通って、2番目の需要家機器5であるエレベータと、3番目の需要家機器5であるエスカレータと、4番目の需要家機器5である音響機器に至る無効電力ロスをQlos_b、測定点cから電気系統4cを通り、5番目の需要家機器5である照明機器に至る無効電力ロスをQlos_cとすると、Qlos_a、Qlos_b、Qlos_cはそれぞれ、下記の式(13)a、式(13)b、式(13)cから求めることができる。



図10は、機器無効電力等推定部9の入出力関係を示す図である。機器無効電力等推定部9に対する入力は、測定点aの無効電力Qaとその高調波成分と電流Iaとその高調波成分、測定点bの無効電力Qbとその高調波成分と電流Ibとその高調波成分、測定点cの無効電力Qcとその高調波成分と電流Icとその高調波成分である。これに対して、機器無効電力等推定部9の出力は、需要家機器5の無効電力であるQL1、QL2、QL3、QL4、QL5と、電気系統4aのインダクタンス分Laとそこで発生する無効電力ロスQlos_a、電気系統4bのインダクタンス分Lbとそこで発生する無効電力ロスQlos_b、電気系統4cのインダクタンス分Lcとそこで発生する無効電力ロスQlos_cである。機器無効電力等推定部9は、式(12)a〜式(12)c、式(13)a〜式(13)cを解くことによって各出力値を得る。

0034

機器無効電力等推定部9は、需要家機器5の無効電力であるQL1、QL2、QL3、QL4、QL5、電気系統4aのインダクタンス分Laとそこで発生する無効電力ロスQlos_a、電気系統4bのインダクタンス分Lbとそこで発生する無効電力ロスQlos_b、電気系統4cのインダクタンス分Lcとそこで発生する無効電力ロス、Qlos_cを機器無効電力等推定結果20として出力する。

0035

図11は、機器無効電力等推定部9を含む電力負荷推定システム1の機能の概略を示す説明図である。
需要家機器データベース11に存在する機器(機器1〜機器N)毎の高調波パターンに需要家機器5の無効電力を掛け合わせた合計値と、測定点の電流の高調波の二乗に電気系統のインダクタンスLを掛け合わせたものの和が測定点の無効電力の高調波となるような、需要家機器5の無効電力と、電気系統のインダクタンスLを求める。
図11に示す測定点の電力について、図3に示す電力Pの波形、測定点の無効電力実測高調波が無効電力の高調波成分(図5)、測定点の電流実測高調波が電流の高調波成分(図5)となる機器1〜機器Nの高調波パターン(図6図7参照)を用いる。機器1〜機器Nの高調波パターンは、式(12)a〜式(12)cにおけるマトリクス[αij]で示される。このような高調波パターンは予め取得されるものであれば、その作成方法は任意である。

0036

図6図7では、機器毎に異なる需要家機器5の需要家機器高調波成分7を示した。このグラフに示す高調波のパターンには、需要家機器5毎の特徴がある。
例えば、図6(a)の音響機器では、次数5、7、11、13の成分の大きさに特徴がある。図6(b)のエレベータでは、次数3、5、7、9、11、13、15、17、19の成分の大きさに特徴がある。図7(a)のエアコンでは、次数3、5、7、9、11、13、15、17、19の成分の大きさに特徴がある。図7(b)の照明機器では、次数3、5、7、9、11の成分の大きさに特徴がある。
このように、成分の大きな次数を選択して計算すれば、需要家機器5の無効電力が求めやすくなる。例えば、音響機器は、11次、13次の成分に特に特徴があり、エアコンは、3次、15次の成分に特に特徴があり、一般照明は、次数3、5、7の成分に特に特徴がある。よって、これらから、例えば次数3、5、7、11、13を、式(12)a〜式(12)cにて選択すれば有効である。

0037

例えば、式(12)aでは、次数3、5、の成分を選択するとして、i=1、k=5とすることが有効である。あるいは、次数1(基本成分)を選択することも可能であり、この場合は、i=1,k=3等となる。
例えば、式(12)bでは、次数3、5、7、13の成分を選択するとして、i=3、k=5、l=7、m=13とすることが有効である。あるいは、次数1(基本成分)を選択することも可能であり、この場合は、i=1、k=3、l=5、m=7等となる。
例えば、式(12)cでは、次数3、5の成分を選択するとして、i=3、k=5とすることが有効である。あるいは、次数1(基本成分)を選択することも可能であり、この場合は、i=1、k=3等となる。

0038

図12は、機器無効電力等推定部9の入出力関係を示す図である。機器無効電力等推定部9は、前述の入力に対して、式(12)aの有効な次数をi=1、k=5、またはi=1、k=3として計算し、式(12)bの有効な次数をi=3、k=5、l=7、m=13、または、i=1、k=3、l=5、m=7として計算し、式(12)cの有効な次数をi=3、k=5、またはi=1、k=3とし、式(13)a〜cを適用することによって前述の各出力値を得る。

0039

次に、電力負荷推定システム1が、配電線にインダクタンス以外にキャパシタンス分が含まれる場合に、これを計算する手法について説明する。
式(10)aにおいて、電気系統4aにキャパシタンスCaがある場合を考える。この場合、変数が一つ増えるから、方程式を解くには式を一つ増やす必要がある。i次の高調波とk次の高調波に加えて、1次の高調波の式を加えることにする。
式(10)aは、下記の式(14)a1〜式(14)a3で表わされる。

0040

式(10)bにて電気系統4bにキャパシタンスCbがある場合を考える。この場合、変数が一つ増えるから、方程式を解くには式を一つ増やす必要がある。i次の高調波とk次の高調波と1次の高調波とm次の高調波に加えて、n次の高調波の式を加えることにする。
式(10)bは、前記の式(14)b1〜式(14)b5で表わされる。

0041

式(10)cにて電気系統4cにキャパシタンスCcがある場合を考える。この場合、変数が一つ増えるから、方程式を解くには式を一つ増やす必要がある。i次の高調波とk次の高調波に加えて、1次の高調波の式を加えることにする。
式(10)cは、前記の式(14)c1〜式(14)c3で表わされる。

0042

式(14)a1〜式(14)a3は、変数3の連立方程式であり、独立な式が3つであるから解が得られる。また、式(14)b1〜式(14)b5は、変数5の連立方程式であり、独立な式が5つであるから解が得られる。また、式(14)c1〜式(14)c3は、変数3の連立方程式であり、独立な式が5つであるから解が得られる。
式(14)a1〜式(14)a3を行列で表せば下記の式(15)aになり、式(14)b1〜式(14)b5を行列で表せば下記の(15)b式になり、式(14)c1〜式(14)c3を行列で表せば下記の式(15)cになる。



式(14)a1〜式(14)a3、式(14)b1〜式(14)b5、式(14)c1〜式(14)c3はそれぞれ独立な式である。従って、式(15)a〜式(15)cに示す行列は、それぞれ逆行列が存在する正則行列(逆行列が存在する行列)となる。式(15)aでは、QL1、La、Caについて纏め、式(15)bでは、QL2、QL3、QL4、Lb、Cbについて纏め、式(15)cでは、QL5、Lc、Ccについて纏めることにより、下記の式(16)a、式(16)b、式(16)cが得られる。



式(16)a〜式(16)cを解くことにより、式(16)aからQL1、La、Caが求められ、式(16)bからQL2、QL3、QL4、Lb、Cbが求められ、式(16)cからQL5、Lc、Ccが求められる。

0043

ここで、測定点aを通る電流Ia、測定点bを通る電流Ib、測定点cを通る電流Icは既知であるから、測定点aから電気系統4aを通って、1番目の需要家機器5であるエアコンに至る無効電力ロスをQlos_a、測定点bから電気系統4bを通り、2番目の需要家機器5であるエレベータと、3番目の需要家機器5であるエスカレータと、4番目の需要家機器5である音響機器に至る無効電力ロスをQlos_b、測定点cから電気系統4cを通り、5番目の需要家機器5である照明機器に至る無効電力ロスをQlos_cとすると、Qlos_a、Qlos_b、Qlos_cは、それぞれ下記の式(17)a〜式(17)cから求めることができる。



図13は、機器無効電力等推定部9の入出力関係を示す図である。機器無効電力等推定部9は、例として電気系統4aを挙げれば、入力である測定点aの無効電力Qa、電流Iaとその高調波成分に対して、式(16)a、式(17)aを用いて、需要家機器5の無効電力であるQL1、電気系統4aのインダクタンス分La、キャパシタンス分Caとそこで発生する無効電力ロスQlos_aを出力として求める。

0044

次に、電力負荷推定システム1が、測定点から需要家機器5に至る配電線インダクタンスが需要家機器5によって異なる場合に、これを補正する手法について説明する。
例えば、電気系統4bにおいて、測定点bから電気系統4bを通り、2番目の需要家機器5であるエレベータに至るインダクタンスをLB2とし、3番目の需要家機器5であるエスカレータに至るインダクタンスをLb3とし、4番目の需要家機器5である音響機器に至るインダクタンスをLb4とし、インダクタンスLb2、インダクタンスLb3、インダクタンスLb4を求める場合について述べる。

0045

前述の通り、電気系統4bについては、式(10)b1〜式(10)b4からQL2、QL3、QL4、Lbを求められることを示した。
測定点bから電気系統4bを通って、2番目の需要家機器5であるエレベータに流れる電流をIb_2とし、3番目の需要家機器5であるエスカレータに流れる電流をIb_3とし、4番目の需要家機器5である音響機器に流れる電流をIb_4とし、Ib_2、Ib_3、Ib_4のi次高調波を、それぞれIb_2i、Ib_3i、Ib_4iとすれば、式(10)b1、式(10)b2、式(10)b3の関係を用いれば、下記の式(18)b1、式(18)b2、式(18)b3の関係を導くことができる。



更に、i次の高調波波分であるIb_2i、Ib_3i、Ib_4iは、需要家機器5の電圧をVとすれば、それぞれ下記の式(19)b1、式(19)b2、式(19)b3の関係を導くことができる。



次数k、lの高調波成分についても同様に求めることができる。ここで、Vは需要家機器5の電圧であるが、定格電圧によって近似できるものとした。
また、式(19)b1、式(19)b2、式(19)b3において、力率2、力率3、力率4は、2番目、3番目、4番目の需要家機器5の定格力率である。
式(18)b1、式(18)b2、式(18)b3を行列形式で表わすと、下記の式(20)bとなる。



式(20)bをLb2、Lb3、Lb4について纏めると、下記の式(21)bとなる。



式(21)bを解くことにより、Lb2、Lb3、Lb4を求めることができる。
図14は、機器無効電力等推定部9の入出力関係を示す図である。機器無効電力等推定部9は、例として電気系統4bを挙げれば、入力である測定点bの無効電力Qb、電流Ibとその高調波成分に対して、式(12)b、式(19)b1、式(19)b2、式(19)b3、式(21)bを用いて、需要家機器5の無効電力であるQL2、QL3、QL4、電気系統4bのインダクタンス分Lb、測定点bから2番目の需要家機器5であるエレベータに至るインダクタンスLb2、3番目の需要家機器5であるエスカレータに至るインダクタンスLb3、4番目の需要家機器5である音響機器に至るインダクタンスLb4を出力する。

0046

図15は、電力負荷推定システム1の別態様を示すブロックである。この態様において、電力負荷推定システム1は、結果表示部23を備えている。結果表示部23は、液晶ディスプレイなどの表示装置である。
高調波成分計算部2において実測高調波成分計算結果6を計算し、機器無効電力等推定部9において、需要家機器5毎の無効電力や無効電力ロスを計算した後、結果表示機能23において、需要家機器5毎の無効電力や無効電力ロスを表示する。これを一定時間毎に繰り返す。

0047

図16は、結果表示部23に表示される需要家機器5毎の無効電力のグラフの例である。図16において、縦軸が需要家機器5毎の無効電力、横軸が時間である。図16の例は、24時間(一日)分の表示例である。図16の例では、需要家機器5として、エアコン、エレベータ、エスカレータ、音響機器、照明機器の無効電力をプロットしている。

0048

図17は、結果表示部23に表示される需要家機器5毎の無効電力と無効電力ロスと、それらの合計値の表示例である。図17において、縦軸が需要家機器5毎の無効電力、無効電力ロス、それらの合計値であり、横軸が時間である。図17の例は、24時間(一日)分の表示例である。図17の例では、需要家機器5として、エアコンの無効電力と、無効電力ロスと、それらの合計値をプロットしている。

0049

(2.第2の実施形態)
上述の実施形態では、測定点の無効電力Qや電流の高調波と、需要家機器5の高調波や測定点から需要家機器5までのインダクタンスLの間には、式(11)a、式(11)b、式(11)c、または、式(12)a、式(12)b、式(12)cの関係があることを示した。これらの式の行列方程式に示す行列は正方行列(行の数と列の数とが同じ行列)であるが、実際には行と列の数が異なることも多い。式(11)bを例にすると、式(11)bの左辺実測電力高調波ベクトル60、式(11)bの行列における列ベクトルを需要家機器高調波ベクトル61とし、高調波の数をm、需要家機器5の数をn−1とすれば、式(22)に示す近似式であらわされる。

0050

前記の式の行列方程式に示す行列は正方行列(行と列の数が同じ行列)であるが、実際には行と列の数が異なることも多い。
式(11)bを例に、式(11)の左辺を実測電力高調波ベクトル60、右辺の列ベクトルをn個の需要家機器高調波ベクトル61とし、高調波の数をm、需要家機器5の数をn−1とすれば、次の式(22)に示す近似式であらわされる。



次に、需要家機器無効電力62とインダクタンスLの求め方を説明する。式(22)は近似式であるから、式(22)の右辺から求まるベクトルを実測電力高調波近似値ベクトル63とすれば、この関係は、下記の式(23)で表される。
需要家機器無効電力62とインダクタンスLとを、実測電力高調波ベクトル60にて表される実測値と、式(23)で表される実測電力高調波近似値ベクトル63の誤差が最小となるように求めるものとする。実測電力高調波ベクトル60の要素と、実測電力高調波近似値ベクトル63の要素の差分の二乗の合計値を最小化する需要家機器無効電力62を求めるものとする。この手法は最小二乗法と呼ばれ、最も誤差が小さくなる近似式を求める一般的な手法である。



実測電力高調波ベクトル60の要素と、実測電力高調波近似値ベクトル63の要素との差分の二乗の合計値をSとすると、Sは、下記の式(24)で表される。



誤差を最小二乗法で最小化するには、式(24)を各の需要家機器無効電力62で偏微分し、これらがとなる需要家機器無効電力62を求めることが必要となる。
j番目の需要家機器無効電力62で偏微分すると式(25)となる。
誤差を最小二乗法で最小化するには、式(24)を需要家機器無効電力62で偏微分し、これらが零となる需要家機器無効電力62を求めることが必要となる。
j番目の需要家機器無効電力62で偏微分すると下記の式(25)となる。



式(25)を展開すると、下記の式(26)となる。



分かりやすくするため、ωi×Ii2= αin ;i=1,mとする。
式(25)を零とおき、各の需要家機器無効電力62で式(26)を計算し、行列形式で表すと式(28)となる。



式(27)右辺の行列は、各要素はΣαik×αij(k列j行またはj列k行)、Σαj×αij(j列j行の対角成分)の対称行列である。
式(27)の右辺行列は、(高調波次数の数)≧(高調波発生機器の数)であれば、逆行列を計算できる正則行列を計算ができ、式(28)により、需要家機器無効電力62とインダクタンスLを計算できる。



機器無効電力等推定部9では、次の式(29)によって、需要家機器5の無効電力であるQL1、QL2、QL3、・・・、QLn−1とインダクタンスを機器無効電力等推定結果20として出力する。



図18は、電力負荷推定システム1の構成、機能を示す概略図である。
高調波成分計算部2においては、実測高調波成分計算結果6を計算し、機器無効電力等推定部9において、需要家機器5毎の無効電力や無効電力ロスを計算する。負荷制御候補選出部67においては、無効電力と無効電力ロスの和の大きな需要家内機器を、需要家内機器の消費電力に対する無効電力と無効電力ロスの和の比率の大きな需要家内機器を負荷制御の候補として選出する。
インダクタンスを機器無効電力等推定結果20として出力する。
図19は、電力負荷推定システム1の負荷制御候補選出機能67において、無効電力と無効電力ロスの和の大きな需要家内機器を負荷制御の候補として選出するため、需要家内機器の消費電力に対する無効電力と無効電力ロスとの和の比率を表示させた例である。図19に、エアコン、エレベータ、エスカレータ、音響装置、照明機器の消費電力に対する無効電力ロスの比率を一日24時間分プロットした。このケースでは、比率の最も大きなエァコンがピークカット等の必要性が生じたときの負荷制御の対象となる。

0051

負荷制御候補選出機能67において、無効電力と無効電力ロスの和の大きな需要家内機器を選出し、需要家内機器の消費電力に対する無効電力と無効電力ロスの和の比率の大きな需要家内機器を負荷制御の候補として選出する。

0052

高調波成分計算部2において、実測高調波成分計算結果6を計算し、機器無効電力等推定部9において、需要家機器5毎の無効電力や無効電力ロスを計算した後、負荷制御候補選出機能67において、無効電力と無効電力ロスの和の大きな需要家内機器を、需要家内機器の消費電力に対する無効電力と無効電力ロスの和の比率の大きな需要家内機器を負荷制御の候補として選出する。

0053

図20は、電力負荷推定システム1の負荷制御候補選出機能67において、無効電力ロスの大きな需要家内機器を負荷制御の候補として選出するため、需要家内機器の無効電力と無効電力ロスの和とを表示させた例である。需要家内機器の無効電力と無効電力ロスの和が小さいほど力率が1に近くなるから、無効電力と無効電力ロスの和が小さい需要家内機器を残し、無効電力と無効電力ロスとの和が大きい需要家内機器を負荷制御の候補として選出する方が効果的である。

0054

図20では、エアコンの無効電力と無効電力ロスの和、エレベータの無効電力と無効電力ロスの和、エスカレータの無効電力と無効電力ロスの和、音響機器の無効電力と無効電力ロスの和、照明機器の無効電力と無効電力ロスの和を一日24時間分プロットした。このケースでは、無効電力と無効電力ロスとの和の最も大きなエアコンがピークカット等の必要性が生じたときの負荷制御の対象となる。

0055

エアコン、エレベータ、エスカレータ、音響機器、照明機器の消費電力に対する無効電力ロスの比率を一日24時間分プロットした。このケースでは、比率の最も大きなエアコンがピークカット等の必要性が生じたときの負荷制御の対象となる。
図20は、電力負荷推定システム1は、負荷制御候補選出部67において、無効電力と無効電力ロスの和の大きな需要家内機器を負荷制御の候補として選出するため、需要家内機器の消費電力に対する無効電力と無効電力ロスの和の比率を表示させた例である。
図20は、エアコン、エレベータ、エスカレータ、音響機器、照明機器の消費電力に対する無効電力ロスの比率を一日24時間分プロットした。このケースでは、比率の最も大きなエアコンがピークカット等の必要性が生じたときの負荷制御の対象となる。

0056

需要家内機器の力率は、ほぼ一定しており、これをcos(θ)とする。需要家内機器の無効電力は、例えば式(12)a、式(12)b、式(12)cから求めることができるから、需要家内機器の消費電力は、式(29)から求めることができる。

0057

このため、少ない計測点で需要家内機器の負荷量を監視するシステムが望まれる。
また、需給制御としてピークカットやピークシフト等の負荷制御をするとき、需要家機器の無効電力や、配電線の無効電力の消費を考慮する必要があるときは、これらも推定する必要がある。

0058

電力負荷推定システムは、電気系統から測定された電流や電力等の電気物理量の波形分析から無効電力の高調波を求める手段(以下無効電力高調波成分計算手段)と電流の高調波を求める手段(以下電流高調波成分計算手段)をもち、需要家内機器の無効電力高調波成分(以下負荷機器高調波成分)を蓄えたデータベース(以下負荷機器高調波成分データベース)を持ち、前記無効電力高調波成分計算手段によって計算された無効電力高調波成分の結果(以下実測無効電力高調波成分結果)と前記電流高調波成分計算手段によって計算された電流高調波成分の結果(以下電流高調波成分結果)と、負荷機器高調波成分データベースに保存された複数の負荷機器高調波成分の関係から需要家内機器の無効電力を推定する手段(機器無効電力推定手段)と、測定点から需要家内機器までの配電線インダクタンス値を推定する手段(以下配電線インダクタンス値推定手段)を持ち、これらに基づいて、需要家内機器の無効電力(以下無効電力負荷)と配電線インダクタンス値と、配電線による無効電力ロス量(以下無効電力ロス)を推定する機能を有することを特徴とした電力負荷推定システムを提供する。

0059

電力負荷推定システムは、需要家内機器の特徴ある無効電力高調波成分を用いて、無効電力負荷、配電線インダクタンス値と、無効電力ロスを推定する機能を有することを特徴とした電力負荷推定システムを提供する。
電力負荷推定システムは、配電線キャパシタンス値を推定する機能を加えたことを特徴とした電力負荷推定システムを提供する。
電力負荷推定システムにおいて、測定点から需要家内機器に至る配電線インダクタンス値が需要家内機器によっては異なる場合に、これを補正する機能を有することを特徴とした電力負荷推定システムを提供する。
電力負荷推定システムは、時々刻々に、無効電力負荷や配電線インダクタンス値や無効電力ロスの推定計算を行い、推定結果を一定時間のトレンドグラフ等で表示する機能を有する。
電力負荷推定システムは、ピークカット等により負荷制御する必要があったとき、無効電力と無効電力ロスの和の大きな需要家内機器を負荷制御の候補とすることを特徴とした電力負荷推定システムを提供する。
電力負荷推定システムは、ピークカット等により負荷制御する必要があったとき、需要家内機器の消費電力に対する無効電力と無効電力ロスの和の比率の大きな需要家内機器を負荷制御の候補とすることを提供する。
需要家内の計測点を流れる電力と電流の高調波により需要家内機器の負荷量と、計測点から需要家内機器までのインダクタンスと無効電力ロスを推定するシステムを提供する。

0060

また、図1の各機能ブロックを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより制御処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワーク電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。

0061

また、図1の各機能ブロックを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより制御処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。

0062

また、図1の各機能ブロックを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより制御処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。

0063

また、図1の各機能ブロックを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより制御処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。

0064

また、前記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、前記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル差分プログラム)であってもよい。

0065

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0066

1電力負荷推定システム
2高調波成分計算部
3 実測高調波成分保存手段
4電気系統
5需要家機器
6 実測無効電力高調波成分結果
7 需要家機器高調波成分
8測定点
9機器無効電力等推定部
11 需要家機器データベース
12電気物理量
20 機器無効電力等推定結果
22フィーダ
23結果表示機能
24測定装置
30母線
32上位電力系統
34 電気物理量情報
50 需要家

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