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技術 パーキンソン病の早期診断方法

出願人 有限会社ピコデバイス
発明者 津田孝雄大野欽司平山正昭角田誠
出願日 2013年9月11日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2013-206769
公開日 2015年3月23日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2015-055620
状態 特許登録済
技術分野 その他の電気的手段による材料の調査、分析 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 号公報特許公開 早期判断 マーカ物質 低温装置 数字番号 二酸化酸素 多変量解析法 自動サンプリング装置
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この項目の情報は公開日時点(2015年3月23日)のものです。
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図面 (5)

課題

本発明は、パーキンソン病早期診断するため、臨床的に有効な疾病マーカー見出すことが重要であり、その疾病マーカーを測定するための被験者からのサンプリング非侵襲的な方法が望ましことが課題である。

解決手段

皮膚ガスまたはを用いてクロマトグラフを用いる手順により、新たなパーキンソン疾患の指標発見した。本サンプリング方法は極めて非侵襲的である。本発明は、皮膚ガスまたは汗採取のサンプリングを行い、得られた試料分離分析手段により測定し、含まれる化学成分の濃度を測定し、パーキンソン病疾患の早期診断するものである。

概要

背景

現状のパーキンソン病診断は、脳MRIでもMIBG心筋シンチでも不可能で、特異的診断マーカーは未だ開発されていない。左右差のあるパーキンソン症状といった臨床徴候と、抗パーキンソン病薬に対する反応性による診断によるのみである。
上記に定義するパーキンソン病とは、黒質緻密層ドパミン神経細胞変性を主病変とし、緩徐進行性運動徴候安静振戦固縮、運動緩慢および無動姿勢反射障害)を発現する特発性、進行性の疾患であり、通常孤発性で、家族発症例は約5%程度である。日本における有病率は人口10万人に対して110人程度、欧米白人の有病率はわが国の約1.5〜2.5倍と高いと言われている。
また、発症年齢は50代後半から60歳代にかけての年齢が最も多く、20歳代から80歳代まで幅広く見られ、早期診断の実現が期待されている。
従来、皮膚ガスの微量成分を定量するためには、皮膚ガスを採取して、濃縮して次いでガスクロマトグラフにより測定することが実施されている。

これまでに皮膚ガスについては、採集については、指からの採取(特許文献1)、腕からの採取(特許文献2)、が実施されており、これらのサンプリングを用いて得た皮膚ガス成分の測定は、皮膚ガス濃度が薄いために、試料皮膚ガスを低温装置に導入し濃縮したのち、ガスクロマトグラフにより皮膚ガス成分を測定している。(非特許文献1)。この方法により、皮膚ガス中のアセトン糖尿病疾患においてコントロールの2倍の値をとることが分かり、非侵襲である皮膚ガス採集から疾病見出すことが示された。(非特許文献1)。しかしながらこれまで皮膚ガスからのパーキンソン病に関する測定は実施されていない。

これまでにの採集法については、本出願による指からの採集方法〈特許文献4および5〉が提案され、汗中ナトリウムカリウム比が多汗症治療指標として有効であることが示された。(非特許文献2)。また汗中の塩素イオン濃度慢性膵炎の指標として用いられることが示された。(非特許文献3)。しかしながらこれまで皮膚ガスからのパーキンソン病に関する測定は実施されていない。

パーキンソン病の診断として、特表2004−517634号公報(特許文献3)が提案されているが、この提案は神経変性疾患である脊髄小脳性運動失調1(SCA−1)のショウジョウバエモデルに関する。特に、SCA−1治療のための、正常ヒトアタキシン−1又は伸長したポリグルタミン反復配列を持つ突然変異体ヒトアタキシン−1を発現する遺伝子組換えショウジョウバエに関するものであり、さらに、SCA−1を発症することへの素因の診断に関するものである。さらに、SCA−1及び他の神経変性疾患の治療薬スクリーニングするために遺伝子組換えショウジョウバエを使用する方法に関し、SCA−1及び他の神経変性疾患の治療及び診断用途のため、ならびに治療薬をスクリーニングするための、アタキシン−1の過剰発現によって生じるSCA−1表現型変更遺伝子の同定に関するもので、さらに、正常アタキシン−1の過剰発現を検出することを含む、SCA−1への素因の診断に関するものである。このことにより診断は可能となるが本発明の目的である非侵襲ではない。

パーキンソン病の臨床的な有効なマーカーが現在見出されていないために、多くのパーキンソン病患者が50%の進行状態で初めて治療が開始される状態にあるので、パーキンソン病のマーカーが開発されることは重要な課題である。

概要

本発明は、パーキンソン病を早期診断するため、臨床的に有効な疾病マーカーを見出すことが重要であり、その疾病マーカーを測定するための被験者からのサンプリングは非侵襲的な方法が望ましことが課題である。皮膚ガスまたは汗を用いてクロマトグラフを用いる手順により、新たなパーキンソン疾患の指標を発見した。本サンプリング方法は極めて非侵襲的である。本発明は、皮膚ガスまたは汗採取のサンプリングを行い、得られた試料を分離分析手段により測定し、含まれる化学成分の濃度を測定し、パーキンソン病疾患の早期診断するものである。

目的

パーキンソン病の臨床的な有効なマーカーが現在見出されていないために、多くのパーキンソン病患者が50%の進行状態で初めて治療が開始される状態にあるので、パーキンソン病のマーカーが開発されることは重要な課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

パーキンソン病早期診断するためのものであり、ヒトの体の皮膚方面の一部を覆い、覆われた部分の皮膚ガスサンプリングを行い、捕集した皮膚ガスを分離分析し、皮膚ガス成分濃度や質量分析計から得られるフラグメントデーターを計測し、被験者測定値とあらかじめ測定されたパーキンソン疾患患者の測定値との比較により判断することを特徴とするパーキンソン病の早期診断方法。

請求項2

パーキンソン病を早期診断するためのものであり、ヒトの体の皮膚表面の一部を覆い、覆われた部分の皮膚ガスがであることを特徴とする請求項1記載のパーキンソン病の早期診断方法。

請求項3

皮膚ガスにおけるベンジルアルコール安息香酸エステルの比で判断することを特徴とする請求項1記載のパーキンソン病の早期診断方法。

請求項4

捕集した皮膚ガスを低温濃縮後にガスクロマトグラフあるいはガスクロマトグラフまたは液体クロマトグラフにより分離分析し、炭化水素類芳香族類エステル類アルコール類アルデヒド類ケトン類イオウ化合物類、テルペン類カルボン酸類の皮膚ガス濃度を計測したことを特徴とする請求項1記載のパーキンソン病の早期診断方法。

請求項5

皮膚ガスが汗である成分のフェニルアラニンチロシンの比で判断することを特徴とする請求項1記載のパーキンソン病の早期診断方法。

請求項6

皮膚ガス成分の一計測手段に質量分析計を用い、測定により得られるフラグメントの強度とパーキンソン病の重度を示す指標との関係式Yはパーキンソン病の重度を示す指標であるUPDRSであり、aは係数、xはフラグメントが示す質量ごとのカウント数を用いる。ここでカウント数とはその特定の質量を持ったフラグメントの強度を示す。によりパーキンソ病を判断することを特徴とする請求項1記載のパーキンソン病の早期診断方法。

技術分野

0001

本発明は、パーキンソン病早期診断するため、皮膚ガスあるいはを用いて、クロマトグラフ装置を用いることにより、パーキンソン病の早期診断のための方法に関する。

背景技術

0002

現状のパーキンソン病の診断は、脳MRIでもMIBG心筋シンチでも不可能で、特異的診断マーカーは未だ開発されていない。左右差のあるパーキンソン症状といった臨床徴候と、抗パーキンソン病薬に対する反応性による診断によるのみである。
上記に定義するパーキンソン病とは、黒質緻密層ドパミン神経細胞変性を主病変とし、緩徐進行性運動徴候安静振戦固縮、運動緩慢および無動姿勢反射障害)を発現する特発性、進行性の疾患であり、通常孤発性で、家族発症例は約5%程度である。日本における有病率は人口10万人に対して110人程度、欧米白人の有病率はわが国の約1.5〜2.5倍と高いと言われている。
また、発症年齢は50代後半から60歳代にかけての年齢が最も多く、20歳代から80歳代まで幅広く見られ、早期診断の実現が期待されている。
従来、皮膚ガスの微量成分を定量するためには、皮膚ガスを採取して、濃縮して次いでガスクロマトグラフにより測定することが実施されている。

0003

これまでに皮膚ガスについては、採集については、指からの採取(特許文献1)、腕からの採取(特許文献2)、が実施されており、これらのサンプリングを用いて得た皮膚ガス成分の測定は、皮膚ガス濃度が薄いために、試料皮膚ガスを低温装置に導入し濃縮したのち、ガスクロマトグラフにより皮膚ガス成分を測定している。(非特許文献1)。この方法により、皮膚ガス中のアセトン糖尿病疾患においてコントロールの2倍の値をとることが分かり、非侵襲である皮膚ガス採集から疾病見出すことが示された。(非特許文献1)。しかしながらこれまで皮膚ガスからのパーキンソン病に関する測定は実施されていない。

0004

これまでに汗の採集法については、本出願による指からの採集方法〈特許文献4および5〉が提案され、汗中ナトリウムカリウム比が多汗症治療指標として有効であることが示された。(非特許文献2)。また汗中の塩素イオン濃度慢性膵炎の指標として用いられることが示された。(非特許文献3)。しかしながらこれまで皮膚ガスからのパーキンソン病に関する測定は実施されていない。

0005

パーキンソン病の診断として、特表2004−517634号公報(特許文献3)が提案されているが、この提案は神経変性疾患である脊髄小脳性運動失調1(SCA−1)のショウジョウバエモデルに関する。特に、SCA−1治療のための、正常ヒトアタキシン−1又は伸長したポリグルタミン反復配列を持つ突然変異体ヒトアタキシン−1を発現する遺伝子組換えショウジョウバエに関するものであり、さらに、SCA−1を発症することへの素因の診断に関するものである。さらに、SCA−1及び他の神経変性疾患の治療薬スクリーニングするために遺伝子組換えショウジョウバエを使用する方法に関し、SCA−1及び他の神経変性疾患の治療及び診断用途のため、ならびに治療薬をスクリーニングするための、アタキシン−1の過剰発現によって生じるSCA−1表現型変更遺伝子の同定に関するもので、さらに、正常アタキシン−1の過剰発現を検出することを含む、SCA−1への素因の診断に関するものである。このことにより診断は可能となるが本発明の目的である非侵襲ではない。

0006

パーキンソン病の臨床的な有効なマーカーが現在見出されていないために、多くのパーキンソン病患者が50%の進行状態で初めて治療が開始される状態にあるので、パーキンソン病のマーカーが開発されることは重要な課題である。

0007

特許公開2006−234843号公報特許公開2006−234844号公報特表2004−517634号公報特許公開 2000−287942号公報特許公開 2003−315340号公報

先行技術

0008

Norio Yamane,Takao Tsuda,Kazutoshi Nose,Akiko Yamamoto,Hiroshi Ishiguro,Takaharu Kondo,Clinica Chimica Acta 365,325−329(2006).Yuichiro Ohshima,Hirokazu Shimizu,Takeshi Yanagishita,Daisuke Watanabe,Yasuhiko Tamada,Junichi Sugenoya,Takao Tsuda,Yoshinari Matsumoto,Arch Dermatol Res 300,595−600(2002).Naruse S,Ishiguro H,Suzuki Y,Fujiki K,Mizuno N,Takemura T,Yamamoto A,Yoshikawa T,Jin C,Suzuki R,Kitagawa M,Tsuda T,Kondo T,Hayakawa T,Pancreas,2004 Apr,28(3):e80−5.

発明が解決しようとする課題

0009

パーキンソン病診断、治療ツールとしての汗と皮膚ガスの測定によりパーキンソン病の早期診断を可能としたものである。パーキンソン病診断には、汗や皮膚ガスにパーキンソン病に特異的な物質が出ていないかを検討することであり、これにより疾患の診断や進行度の使用に供することが課題である。

課題を解決するための手段

0010

本発明は皮膚ガスあるいは汗中のサンプル中に、パーキンソンと関連の有る化合物を複数みいだし、これらの化合物単独あるいはそれらの相対比あるいは複数の因子として取扱い、パーキンソン疾患の新疾病マーカーとして使用できることを見出した。このマーカーを用いてパーキンソンの早期発見のための測定方法考案し、パーキンソン病の早期発見の手段を提供するものである。

0011

パーキンソン病を早期診断するために、ヒトの体の皮膚方面の一部を覆い、覆われた部分の皮膚ガスのサンプリングを行い、捕集した皮膚ガスを分離分析し、皮膚ガス成分濃度を計測し、あらかじめ求められた判定基準を用いてパーキンソン病の早期診断あるいは疾病の進行度合い算定することを特徴とするパーキンソン病の早期診断方法である。測定方法は、皮膚ガスを捕集し、これを低温濃縮装置により濃縮し、オンラインでガスクロマトグラフあるいはガスクロマトグラフ/質量分析計を用いて測定を行い、皮膚ガス成分の濃度を得た。あらかじめ疾病マーカーを定め、それら濃度から作成した判定基準を用いてパーキンソン病の早期発見を行った。
また、皮膚ガス試料のガスクロマトグラフ/質量分析計による測定から得られたフラグメントデーターに、あらかじめパーキンソン病疾患から得られた統計処理を加えてパーキンソン病の指標を算出した。これにより早期発見を行った。

0012

パーキンソン病を早期診断するために、指の皮膚表面あるいは手の表面あるいは腕の皮膚表面あるいは腹部の皮膚表面あるいはの皮膚表面を覆い、その皮膚ガスのサンプリングを行い、捕集した皮膚ガスを低温濃縮後にガスクロマトグラフあるいはガスクロマトグラフ/質量分析計または液体クロマトグラフにより分離分析し、炭化水素類芳香族類エステル類アルコール類アルデヒド類ケトン類イオウ化合物類、テルペン類カルボン酸類の皮膚ガス濃度を計測し、あらかじめ測定された判定基準を用いてパーキンソン病の早期診断あるいは疾病の進行度合いを算定した。

0013

パーキンソン病の疾病マーカーとして、皮膚ガス中のベンジルアルコールがきわめて有効である。図1に認められるように疾病群と健常人の差が明らかにできた。この方法をより明確にするために、ベンジルアルコール/安息香酸エステルの比を用いると、図2に示すように健常人と疾病群の分け方が、良好な確率で達成できた。上記比率が2以上であることで判別できる。ここで安息香酸エステルとは、安息香酸ブチルエステル安息香酸イソブチルエステルなどである。

0014

パーキンソン病疾患より得られる皮膚ガスマーカ物質としては、さらに次の物質が加えられる。ジクロロベンゼントリメチルベンゼンリモネンである。これらの化合物濃度がパーキンソン病と依存するのでこれを判断基準とする。

0015

パーキンソン病を早期診断するためのものであり、指の皮膚表面あるいは手の皮膚表面あるいは腕の皮膚表面あるいは腹部皮膚表面あるいは腋の皮膚表面を覆い、汗を採集するサンプリングを行い、捕集した汗を液体クロマトグラフあるいは液体クロマトグラフ/質量分析計により分離分析し、芳香族エステル芳香族アルコール、アルデヒド類、ケトン類、炭化水素類、アミノ酸類の濃度を計測してパーキンソン病の早期診断あるいは疾病の進行度合いを算定した。

0016

パーキンソン病患者群健常者群の汗中の成分を液体クロマトグラフにより測定し、得られた汗中に存在するアミノ酸の比をパーキンソン病患者群と健常者群について図3に示した。この図よりパーキンソン病患者群と健常者群の区別が明確にできた。これを被験者に実施したところ、それぞれの妥当な群への区分が出来た。汗中の上記比率が2以上であることで判別できる。

0017

皮膚ガス試料のガスクロマトグラフ/質量分析計による測定から得られたフラグメントデーターに、あらかじめパーキンソン病疾患から得られた統計処理を加えてパーキンソン指標を算出した。これにより早期発見を行った。パーキンソン疾病群を分けて、一つの群により統計処理(多変量解析法のうちのPL回帰Partial Least Squares Regressionの使用)を実施し、得られた処理方法を用いて、もう一つの群に適用したところ良い相関係数0.9が得られた。この実施例により、パーキンソン病の重度を示す指標(UPDRS、パーキンソン病統一スケール)が個々の患者さんに得られた。
上記により得られた式は

でYはUPDRSであり、aは係数、xはフラグメントが示す質量ごとのカウント数を用いる。ここでカウント数とはその特定の質量を持ったフラグメントの強度を示す。
得られた式の係数を横軸質量数(x)、縦軸に係数(a)の大きさで図4に示した。図4の縦軸には上記の一次式の係数an数であり、横軸にはフラグメント質量50〜200から選定した50個の質量を1〜50の数字として示してある。横軸に用いた65個のフラグメント質量は50−54,57,59−62,67−71,96−117,120−132,134−146,148−150である。
この得られた式を用いて上記方法を一般の被験者に適用した。すなわち一般の被験者の皮膚ガスを採集し、ガスクロマトグラフ/質量分析計による測定を実施しフラグメントデータ(質量数に対応した強度)を得て、次いで前記式を適用して、UPDRSを得る。得られたなUPDRSにより病気になっていないかを判断する。

0018

パーキンソン病を早期診断するためのものであり、ヒトの体の皮膚表面の一部を覆い、覆われた部分の汗を採集するサンプリングを行い、捕集した汗を液体クロマトグラフ/質量分析計で分離分析し、質量分析計より得られたフラグメントとあらかじめ測定されているUPDRSを用いて統計処理を実施して相関を得た。この相関をパーキンソン病患者群へ適用したところ、妥当なUPDRSが得られこれによりパーキンソン病の判断をする。

0019

パーキンソン病を早期診断するためのものであり、指の皮膚表面あるいは手の皮膚表面あるいは腕の皮膚表面あるいは腹部の皮膚表面をあるいは腋の皮膚表面を覆い、その汗を採集するサンプリングを行い、捕集した汗を分離分析手段であるガスクロマトグラフまたはガスクロマトグラフ/質量分析計、または液体クロマトグラフまたは液体クロマトグラフ/質量分析計により分離分析し、芳香族アミン類芳香族カルボン類、アミノ酸類の濃度を計測し、あるいは当該質量分析計から得られたフラグメントデーターを用い、あらかじめ測定された検量線を用いてパーキンソン病の早期診断あるいは疾病の進行度合いを算定した。

0020

皮膚ガスのパーキンソン病マーカ物質と汗中のパーキンソン病マーカ物質の双方をも用いることにより、より確度の高い判定を得ることが出来る。すなわち皮膚ガスの測定結果や汗の測定結果や用いた質量分析計のフラグメントの統計処理結果総合して、パーキンソン病を早期診断することはより確度の高い方法である。

発明の効果

0021

パーキンソン病の有用な臨床的疾病マーカーはこれまで見出されていない。本発明は皮膚ガス及び汗からパーキンソン病の疾病マーカーを見出した。また疾病マーカーを見出す手法を発見した。本発明によりこれまでパーキンソン病の疾患は50%進行して医学的に見出される現状であったが、これが改善され早期発見が出来るようになる。すなわち本発明によりパーキンソン病の早期発見が可能になり、したがって早期に治療の開始ができるので、人々の健康維持に貢献できる。

0022

本発明は人の皮膚ガスあるいは汗をサンプリングして、次いで分離分析を実施して、疾病マーカーの濃度を検知し、これを用いて被検者のパーキンソン病に罹病しているか否かを判定する。非常に非侵襲的な方法で、受け入れやすく、早期発見に寄与する。

0023

本発明は被験者の皮膚ガスをサンプリングして、分離手段に供し、用いた質量分析計により皮膚ガス中の化学成分のフラグメントのデータを得て、ついであらかじめパーキンソン疾患のUPDRSとの統計処理を実施して得た数式に代入して、新たに被検者のUPDRSが求められる。この方法により得られたUPDRSはパーキンソン病疾患の進行度を示しており、治療の参考に用いることが出来る。

0024

以上説明したように本発明は、ひと肌から放出される皮膚ガスを捕集して、分離手段を用いて皮膚ガス中に含まれる化学物質の濃度を定量し,化学物質の濃度及びそれらの相対比からパーキンソン病疾患と健常者との区分を見出すことが出来る。

図面の簡単な説明

0025

パーキンソン患者と健常人の皮膚ガス中の化合物ベンジルアルコールの比較した結果の図である。 皮膚ガスについても皮膚ガス中の分子の比、すなわちによりパーキンソン病新規バイオマーカーを示す図である。縦軸はベンジルアルコールと安息香酸エステルの比の値を示す。汗中のパーキンソン病新規バイオマーカーを見出すために行った実験結果を示す図である。縦軸はフェニルアラニンチロシンの比の値を示す。 縦軸には皮膚ガスのフラグメントから得られたパーキンソンの重度を示す指標であり、横軸にはフラグメント質量50〜200から選定した65個の質量を1〜50の数字番号として示してある。

実施例

0026

発明を実施する一つの形態として、次の測定手順を用いてパーキンソンマーカの濃度を測定する。
測定手順は、まず人の皮膚表面を覆い、皮膚ガスを捕集する。例えば、手についてはポリテトラフロロエチレンシートから袋を作り手にかぶせて皮膚ガスを捕集する。自動サンプリング装置ピコデバイス製,GS−3型)を用いて手の皮膚より得られた皮膚ガスをサンプル保存バッグに保つ。次いでサンプル保存バッグ中の皮膚ガス25mlを低温濃縮装置(ピコデバイス製、NIT−P型)に吸引させ、15秒間濃縮してオンラインでガスクロマトグラフ/質量分析計に導きクロマトグラムが得られる。これを解析して、必要な情報を得る。例えば、ベンジルアルコール、安息香酸エステル、ノナナールノネナールトルエン、ジクロロベンゼン、アセトアルデヒドアルコール、リモネン、トリメチルベンゼン等のピークが得られ、保持時間、ピーク面積質量スペクトルも同時に得られる。また全体の質量/電荷のフラグメントが得られる。これらは、それぞれパーキンソン病との疾患を求めるのに使える。すなわち疾病群との見分けを用いることが出来る。その典型例を図1図2に示した。

0027

得られる皮膚ガス中の化学物質についてさらに詳しく例を挙げて説明する。炭化水素類としてはメタンエタンプロパンブタンペンタンヘキサンオクタンヘプタン、オクタン、デカンドデカン等があり、その異性体もある。芳香族化合物については、ベンゼン、トルエン、キシレンスチレン、トリメチルベンゼン、クレゾールパラジクロロベンゼンなどの化合物やその置換体等が認められる。エステル類については酢酸エステル酢酸リナリルエステル、安息香酸エステル、フタル酸エステルなどが認められる。アルコールについてはメタノールエタノールイソプロパノール、ベンジルアルコール、2−エチルヘキサノール、リモネン、リナロール等が認められる。アルデヒド類についてはアセトアルデヒド、2−メチルブタナールヘキサナールオクタナール、ノナナール、ノネナール等が認められ、ケトン類についてはアセトン、2−ブタノン、2,3−ジメチルブタノン等がある。イオウ化合物については硫化水素二硫化炭素メチルメルカプタンアリメチルスルフィッド、ジメチルジスルフィッド等がある。またテルペン類についてはメントール、α—ピネン、β—ピネン、カンファー等がある。カルビン酸類については、酢酸イソ吉草酸酪酸などがある。アミン類についてはアンモニアトリメチルアミンインドールスカトールなどがある。ガス類については水素一酸化酸素二酸化酸素等が認められる。これらの化合物の濃度について検討した。

0028

汗についての採取の手順を示す。汗は手のひらから採取した。まずプラスチックシャーレに2mlの蒸留水を入れ、この口に上から手のひらを押し付けて、次いでを180度回転して手のひらを上側に向ける。この動作は被検者を椅子に座らせて、検査委員が実施する。この状態を10分間保つ。その間手の指に指プローブ(特許文献1)を装着し、この指プローブに一定速度で乾燥空気送風し、指プローブを通過後の湿度と測り、湿度と風量から発汗量を算出した。この発汗量を用いてあらかじめ確立した倍率を用いて、手のひらの発汗量を求めた。すなわち10分間に水溶液2ml中に含まれる汗の量が計算できた。この汗を含んだ水溶液を分離分析手段にかけた。すなわち液体クロマトグラフあるいは液体クロマトグラフ/質量分析計あるいはイオンクロマトグラフを用いて分離分析する。この様にして多種類の汗中化学物質の濃度が得られる。すなわちチロシン、フェニルアラニン、ロイシンイソロイシンプロリンスレオニン金属イオン類が得られる。これらは、それぞれパーキンソン病との疾患を求めるのに使える。また質量分析計による化合物のフラグメントのデータが得られる。この様にして得られたパーキンソン病の新規疾病マーカーを図3に示した。

0029

ここで、パーキンソン病についての実験結果を説明すると、図1乃至図3により説明すると、図1はパーキンソン患者と健常人の皮膚ガス中の化合物ベンジルアルコール(図中では化合物X1と表示)の比較であり、健常者と患者のグラフを比較するとベンジルアルコールのピークが患者に強く認められるが、健常者にはこれがあまり見られないかまたは低いことが分かる。すなわちベンジルアルコールのピークの高さから判定が出来る。ベンジルアルコールはパーキンソン病の新規疾病マーカーである。

0030

また、図2は皮膚ガスのパーキンソン病の新規疾病マーカーを示す。すなわちベンジルアルコールの比を健常人群とパーキンソン病疾病群について分けて示してある。健常者群とパーキンソン病患者群との差が明らかとなり、新規パーキンソン病疾病マーカーとしてベンジルアルコール/安息香酸エステルの相対比が有効であることを示している。この相対比が4.0の値以下の値を健常人群はとることが判明した。アルコール/安息香酸エステルの相対比4.0以下を健常群とすることが出来る。一部疾病群においても相対比4.0以下の値を取っているが、通常の疾病マーカーにおいて完全な類別が出来ない例は多く、その現象がこのマーカーでも認められるが、この現象は疾病マーカーとして用いられる範囲内のことで、提案のベンジルアルコール/安息香酸エステルの相対比が新たな疾病マーカーであることを否定するものではない。

0031

パーキンソン病疾患より得られる皮膚ガスマーカ物質としては、さらに次の物質が加えられる。ジクロロベンゼン、トリメチルベンゼン,リモネンである。これらの化合物の濃度がパーキンソン病と依存するので、これらの化合物の存在量が多いとパーキンソン病の発症の可能性が増すと判定できた。

0032

また図3には汗中の成分から見出したパーキンソン病疾病マーカーによる効果を示す。汗中の成分としてフェニルアラニンとチロシンが有効な疾病マーカであることを見出した。フェニルアラニン/チロシンの相対比の値1.0のところで疾病群と健常者群とが明確に分かれている。これは非常に良い新規疾病マーカーである。皮膚ガスが汗である成分のフェニルアラニンとチロシンの比が1.0以上であることを特徴とするパーキンソン病の早期診断方法である。

0033

パーキンソン病疾病患者と健常人の汗中成分を比較すると、その化学成分が認められる割合を検出率として示すと、プロリンについて患者は6%で健常人は88%であり、スレオニンについて患者は4%で健常人は75%であり、ロイシンについて患者は27%で健常人は0%であり、イソロイシンについて患者は83%で健常人は13%であった。これらの化学物質が存在するか調べることによりパーキンソン病の判定が出来る。すなわちロイシン、イソロイシンが存在しプロリン、スレオニンが存在するときはパーキンソン病が疑われると判断できた。

0034

測定の手順で質量分析計を用いることにより皮膚ガスあるいは汗中に含まれる化学物質のフラグメントデーターが得られ、これとパーキンソン病統一スケール(UPDRS)との統計解析より、被験者がパーキンソン病の可能性を判定することが出来た。

0035

皮膚ガス試料のガスクロマトグラフ/質量分析計による測定から得られたフラグメントデーターに、あらかじめパーキンソン病疾患から得られた統計処理を加えてパーキンソン指標を算出した。これにより早期発見を行った。
すなわち、パーキンソン疾病群を分けて、一つの群により統計処理(多変量解析法のうちのPLS回帰Partial Least Squares Regressionの使用)を行ない、得られた処理方法を用いて、もう一つの群に適用したところ良い相関係数0.9が得られた。得られた関係式により、パーキンソン病の重度を示す指標(UPDRS、パーキンソン病統一スケール)が個々の被験者について得られた。
上記に統計処理についてさらに詳しく説明する。得られた関係式は、

でYはUPDRSであり、aは係数、xはフラグメントが示す質量ごとのカウント数を用いる。ここでカウント数とはその特定の質量を持ったフラグメントの強度を示す。
この式の係数を横軸に質量ごとのカウント数(x)、縦軸に係数(a)の大きさで図4に示した。
上記方法をある被験者に適用した。すなわち皮膚ガスを採集し、ガスクロマトグラフ/質量分析計による測定を実施しフラグメントデータ(質量数に対応した強度)を得て、次いでパーキンソン病疾患から得られた式を適用し、UPDRSを求めたところ、5以下の小さな値を示しほぼ健常人と判断された。

0036

以上パーキンソン病疾病マーカーとして皮膚ガス・汗中に存在する複数の化学物質を見出した。その運用には、その化学物質の量またはそれらの相対比が新たな疾病マーカー用いることが出来るが、好ましくは複数のマーカーの併用により、より正確にパーキンソン病の疾病判断をすることである。また、皮膚ガスについての実施例について説明したが、身体からの汗についても同様である。

0037

あらたなパーキンソン病疾病マーカを用いることにより、早期判断が正確に実施でき治療の早期開始による人々の健康への回復が期待できるようになると想定できる。

0038

本発明は、医療現場での利用が出来れば、パーキンソン病の疾病の早期発見が可能となり、早期治療の開始により人々の健康の回復が期待できる大きな効果が期待できるので、本発明を実施する検査機関の確立などの医療産業に効果をもたらす。また早期治療用の薬剤の開発が進み医薬産業への貢献が可能となる。さらに脳科学の進歩にも貢献できる。またパーキンソン病の早期診断のための皮膚ガス及び汗を用いたクロマトグラフ装置の使用をしていることより分析機器産業や医療産業に効果がある。

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