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技術 中性子制御装置及び中性子照射装置

出願人 三菱重工機械システム株式会社国立大学法人大阪大学
発明者 久利修平高橋利治堀池寛帆足英二村田勲土井幸子加藤逸郎
出願日 2013年9月6日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2013-185742
公開日 2015年3月19日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2015-052540
状態 特許登録済
技術分野 粒子加速器 その他の放射線取扱い 放射線治療装置
主要キーワード ブロックシート 円柱台 バックウォール 外円板 黒鉛体 減速能力 空間線量 束強度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年3月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

熱外中性子が多い中性子束を得ること。

解決手段

この中性子照射装置100は、陽子ビームを導入する導入管1と、当該導入管1の下端に設けたターゲット構造2と、当該ターゲット構造2の下方であって当該ターゲット構造2で発生した中性子照射経路に配置したフッ化アルミニウム層3と、当該フッ化アルミニウム層3の下に積層した重水層4とを有する。フッ化アルミニウム層3は、熱外中性子が増加する厚さに設定する。フッ化アルミニウム層3のみでは、厚さが増しすぎるので、重水を設置する。重水により、中性子は素早く減速され、厚みを増やすことなく、熱外中性子を増やすことができる。このフッ化アルミニウム層3及び重水層4の組み合わせによれば、高速中性子のみを減衰して熱外中性子を増加させ、熱中性子を増やさないようにすることができる。この結果、熱外中性子が多い中性子束を得られる。

概要

背景

現在、ホウ素中性子捕捉療法(Boron neutron capture therapy; BNCT)が癌細胞を選択的に殺傷し治療できる技術として注目されている。BNCTでは、熱中性子熱外中性子を利用する必要があるため、患者中性子を生成利用できる原子炉まで出向く必要がある等の制約が多いため、病院内で中性子を発生させ得る小型の中性子発生装置が望まれている。中性子発生装置では、ベリリウムリチウムターゲット加速器加速させた陽子重陽子衝突させる。

従来の加速器としては、非特許文献1に記載のようなものが知られている。この加速器は、ECR(electron cyclotron resonance)型のイオン源と、高周波四重極線形加速器(RFQリニアック)と、ドリフト導入管型線形加速器DTL)とを連設した構成である。この加速器では、RFQリニアックにより重陽子イオンを5MeVまで加速させ、DTLにより40MeVまで加速させる。加速した重陽子イオンのビームは、湾曲したバックウォール上に流れる液体リチウム照射され、その背後に中性子を発生させる。

概要

熱外中性子が多い中性子束を得ること。 この中性子照射装置100は、陽子ビームを導入する導入管1と、当該導入管1の下端に設けたターゲット構造2と、当該ターゲット構造2の下方であって当該ターゲット構造2で発生した中性子の照射経路に配置したフッ化アルミニウム層3と、当該フッ化アルミニウム層3の下に積層した重水層4とを有する。フッ化アルミニウム層3は、熱外中性子が増加する厚さに設定する。フッ化アルミニウム層3のみでは、厚さが増しすぎるので、重水を設置する。重水により、中性子は素早く減速され、厚みを増やすことなく、熱外中性子を増やすことができる。このフッ化アルミニウム層3及び重水層4の組み合わせによれば、高速中性子のみを減衰して熱外中性子を増加させ、熱中性子を増やさないようにすることができる。この結果、熱外中性子が多い中性子束を得られる。

目的

BNCTでは、熱中性子や熱外中性子を利用する必要があるため、患者が中性子を生成利用できる原子炉まで出向く必要がある等の制約が多いため、病院内で中性子を発生させ得る小型の中性子発生装置が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

陽子ビーム照射したターゲットで生じる中性子照射経路に、フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム又はフルエンタルを含むフッ化層と、重水素を含む重水素層と、を積層配置したことを特徴とする中性子制御装置

請求項2

更に、前記重水層の下流に板状のカドミウムからなる第一中性子吸収体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の中性子制御装置。

請求項3

更に、前記第一中性子吸収体の下流に鉛板を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の中性子制御装置。

請求項4

更に、前記第一中性子吸収体の周囲に板状のホウ素又はリチウムを含む第二中性子吸収体を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の中性子制御装置。

請求項5

陽子ビームを導入する陽子ビーム導入管と、陽子ビーム導入管の先端に設けたターゲットと、当該ターゲットの周囲に配置した黒鉛体と、前記陽子ビーム導入管の先端に設けた請求項1〜4のいずれか一つの中性子制御装置と、黒鉛体及び中性子制御装置を囲むように配置したホウ酸水その他の中性子減速材を導入する中性子減速タンクと、からなることを特徴とする中性子照射装置

技術分野

0001

本発明は、熱外中性子を多く含む中性子束を得る中性子制御装置及び中性子照射装置に関するものである。

背景技術

0002

現在、ホウ素中性子捕捉療法(Boron neutron capture therapy; BNCT)が癌細胞を選択的に殺傷し治療できる技術として注目されている。BNCTでは、熱中性子や熱外中性子を利用する必要があるため、患者が中性子を生成利用できる原子炉まで出向く必要がある等の制約が多いため、病院内で中性子を発生させ得る小型の中性子発生装置が望まれている。中性子発生装置では、ベリリウムリチウムターゲット加速器加速させた陽子重陽子衝突させる。

0003

従来の加速器としては、非特許文献1に記載のようなものが知られている。この加速器は、ECR(electron cyclotron resonance)型のイオン源と、高周波四重極線形加速器(RFQリニアック)と、ドリフト導入管型線形加速器DTL)とを連設した構成である。この加速器では、RFQリニアックにより重陽子イオンを5MeVまで加速させ、DTLにより40MeVまで加速させる。加速した重陽子イオンのビームは、湾曲したバックウォール上に流れる液体リチウム照射され、その背後に中性子を発生させる。

先行技術

0004

国際核融合材料照射施設(IFMIF)計画概要北大金属材料研究所,日本原子力研究所井秀樹 第11回核融合研究開発問題検討会 平成15年9月29日 第14頁

発明が解決しようとする課題

0005

熱中性子は、人体表層付近でその強度がピークを示すため、表層付近の病巣に対する治療に適している。しかし、熱中性子は、表層から深部に進むにつれて線量が減衰するため、人体外部からの照射では深部の病巣に必要な量の中性子を照射できず、手術により患部を開いて中性子照射する等の必要がある。一方、熱外中性子は、表層から深部に至る過程エネルギーを失い、熱中性子となる。このため、表層から70mm程度までの深さの病巣に対して、人体外部から熱外中性子を照射することで治療が可能となる。

0006

そこで、この発明は、深い病巣の治療のため熱外中性子を増加させて照射できるように制御することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

この発明に係る中性子制御装置は、陽子ビームを照射したターゲットで生じる中性子の照射経路に、フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム又はフルエンタル(Fluental)を含むフッ化物層と、重水素を含む重水素層と、を積層配置したことを特徴とする。

0008

この発明では前記ターゲットで発生した高エネルギー高速中性子減速するために前記フッ化物層を第一減速層として用いる。フッ化物層は、高速中性子の吸収を抑えつつそのエネルギーを10keV以下に下げる。フッ化物層のみでは、必要厚さが大きくなるため、減速能力が大きい重水素層を第二減速層として用いる。これらの厚さを調整することで、高速中性子成分を抑えながら、熱中性子を増やさない理想的な熱外中性子場を作ることができる。

0009

また、前記重水層の下流に板状のカドミウムからなる第一中性子吸収体を設けても良い。係る構成によれば、上記フッ化物層及び重水素層で発生した熱中性子を、熱外中性子束強度を落とさず、カドミウムにより減少させることができる。これにより、熱/熱外中性子比を改善することができると同時に、高い熱外中性子束が得られる。この場合において、前記第一中性子吸収体の下流に鉛板を配置するのが好ましい。これにより、カドミウムで生じたガンマ線遮蔽できるので、ガンマ線線量が小さい熱外中性子束が得られる。

0010

また、前記第一中性子吸収体の周囲に板状のホウ素又はリチウムを含む第二中性子吸収体を設けても良い。前記第一中性子吸収体との組み合わせにより、低エネルギー中性子を効果的に遮へいし、回り込みで患者に届く不必要な中性子を遮断できるため、熱外中性子をビーム化することができる。

0011

この発明の中性子照射装置は、陽子ビームを導入する陽子ビーム導入管と、陽子ビーム導入管の先端に設けたターゲットと、当該ターゲットの周囲に配置した黒鉛体と、前記陽子ビーム導入管の先端に設けた上記中性子制御装置と、黒鉛体及び中性子制御装置を囲むように配置したホウ酸水その他の中性子減速材を導入する中性子減速タンクとからなることを特徴とする。

図面の簡単な説明

0012

この発明の実施の形態にかかる中性子照射装置を示す構成図である。
中性子制御装置による中性子のコリメート結果を示す図表である。

実施例

0013

図1は、この発明の実施の形態に係る中性子照射装置を示す構成図である。この中性子照射装置100は、陽子ビームを導入する導入管1と、当該導入管1の下端に設けたターゲット構造2と、当該ターゲット構造2の下方であって当該ターゲット構造2で発生した中性子の照射経路に配置したフッ化アルミニウム層3と、当該フッ化アルミニウム層3の下に積層した重水層4とを有する。フッ化アルミニウム層3及び重水層4は、中性子の持つエネルギーを制御する減速層を構成する。なお、前記フッ化アルミニウム層3及び重水層4は、ターゲット構造2で生じた中性子を制御する中性子制御装置を構成する。

0014

前記導入管1は、イオン源、RFQ等加速器、DTL等の付加的加速器に接続される(図示省略)。前記ターゲット構造2は、液体リチウムをターゲットとして当該液体リチウムを導入管1の下端で循環させる構造である。なお、ターゲットは、液体リチウムに限定されず、固体リチウム薄膜でも良い。

0015

前記フッ化アルミニウム層3は、中性子の第一減速層となり、円柱台形状であり且つフッ化アルミニウム粉末焼結体からなる。前記フッ化アルミニウム層3に代えて、フッ化マグネシウム又はフルエンタル(Fluental)からなるフッ化物層でも良い。

0016

前記重水層4は、中性子の第二減速層となり、所定量の重水と、前記フッ化アルミニウム層3と同径の円柱台形状の前記重水を封入するタンクとからなる。重水層4を設置するのは、フッ化アルミニウム層3のみでは必要な減速をするには厚さが増しすぎるためである。なお、重水層4は、前記フッ化アルミニウム層3と同径の円柱台形状の重水素化したプラスチック成形しても良い。前記フッ化アルミニウム層3及び重水層4の厚さは、腫瘍の大きさ、数、深さに基づき決定する。なお、前記フッ化アルミニウム層3及び重水層4の組を中性子の照射経路上に複数積層しても良い。

0017

重水層4の下には、第一中性子吸収体である、所定の径を有するカドミウムからなる材料で構成した内円板5が配置される。内円板5は、中性子ビームを腫瘍の大きさ、数、深さに基づいて照射するための径を有する。内円板5の周囲には、第二中性子吸収体である、ドーナツ形をしたホウ素を含む材料で構成した外円板6が配置される。外円板6の周囲には、ホウ素を含む材料で構成した円環状の側壁7が設けられる。なお、外円板6に含む元素として、前記ホウ素に代えてリチウムを用いても良い。

0018

内円板5及び外円板6の下側全面には、鉛層8が設けられる。鉛層8は、所定厚を有する複数のブロックシート状に形成した鉛板を周方向に配設した構成である。

0019

導入管1の先端近傍及びフッ化アルミニウム層3、重水層4の周囲には、中性子を反射・減速する黒鉛領域9が設けられる。この黒鉛領域9は、黒鉛体の複数のブロックを組み合わせて構成したものでも良い。

0020

前記内円板5を除き、導入管1の先端近傍及びフッ化アルミニウム層3、重水層4、黒鉛領域9は、ホウ酸水を入れたタンクで囲われている。タンク10は、重水層4の周囲に水平に設けた下部タンク11と、黒鉛領域9の周囲に設けた側部タンク12と、黒鉛領域9の上側に設けた上部タンク13とから構成される。上部タンク10の中心には、導入管1を通す開口14が設けられる。

0021

上記構造物は複数の柱15により支持され、その下側には照射空間16が形成される。当該照射空間16であって前記ターゲット構造2の直下方向、即ちコリメートされた中性子ビームの照射経路上にベッドBに載せた患者の患部が位置するようになる。

0022

上記構成において、例えば前記加速器には静電型のものを用い、そのポテンシャルは、Ep=2.4〜2.8MeV,Ip=15〜40mAとする。前記ターゲットには、液体リチウム流を用いる。

0023

この中性子照射装置100を用い、陽子ビームを前記加速器から前記導入管1を通して先端のターゲットに照射する。当該ターゲットの背面には中性子が発生する。中性子には、熱中性子、熱外中性子、高速中性子の領域が存在する。フッ化アルミニウム層3では、主にフッ素の作用により高速中性子を10keV以下の熱外中性子まで減速する。フッ化アルミニウム層3は、熱外中性子が最大になる厚さに設定するが、それでは、厚さが厚すぎるので強度を保てない。そこで、重水を下流側に設置することにより、中性子は素早く減速され、厚みを増やすことなく、熱外中性子を増やすことができる。このフッ化アルミニウム層3及び重水層4の組み合わせによれば、高速中性子のみを減衰して熱外中性子を増加させ、熱中性子を増やさないようにすることができる。

0024

更に、中性子の照射方向における前記重水層4の下流では、カドミウムからなる内円板5により熱中性子成分が取り除かれる。即ち、上記フッ化アルミニウム層3及び重水層4から構成した減速層で生じた熱中性子は、当該中性子吸収体である内円板5で吸収される結果、熱外中性子の割合が多い中性子束が得られる。

0025

前記内円板5の周囲のホウ素を含む外円板6では、患部に対する照射範囲から外れた中性子を遮蔽する。また、外円板6上面に配置されたタンク10のホウ酸水が当該中性子を減速するので、外円板6のホウ素で当該中性子を捕捉しやすくなる。これにより、回り込みで患者に届く不必要な中性子を遮断できるため、患者へ導入する熱外中性子をビーム化することができる。

0026

黒鉛領域9は、フッ化アルミニウム層3の上面及び側面をすべて囲んでいるので、中性子は散乱し、重水層4に至る。重水層4の側面は、上部が黒鉛領域9で囲まれているが下部が前記ホウ酸水のタンク10に隣接するので、ここから出た熱/熱外中性子はホウ酸水で減速され、前記外円板6のホウ素で遮蔽される。

0027

また、前記鉛層8により、中性子の減速・吸収に伴い生じるガンマ線が遮蔽される。上記内円板5のカドミウムはガンマ線を生じさせる。このため、鉛層8を内円板5の下流側に設けることで、当該内円板5で生じたガンマ線を遮蔽する。これにより、ガンマ線線量の少ない状態で熱外中性子を増やすことができる。

0028

以上の中性子照射装置100にEp=2.65MeV,Ip=数100μAの加速器により陽子ビームを照射し、中性子束強度、ガンマ線空間線量を測定した。なお、下記実験値は236μAの電流で行っているため、30mAの実機外挿した場合の中性子束は比例計算により下記の通りとなる。

0029

中性子束(n/sec/cm2)実験値(Iave=236μA) 30mA(実機)への外挿
熱中性子:4.6x10E4 5.8x10E6
熱外中性子:6.4x10E6 8.1x10E8
高速中性子:9.6x10E5 1.2x10E8
実験値(Iave=185μA)
γ線空間線量(Gy/hr) :1.5x10E-3 0.24

0030

また、図2に示すように、中性子束強度の径方向分布を測定した。減速層の半径が10cmの場合、熱外中性子の中性子束は、減速層の半径に応じて効果的にコリメートされていることが判った。

0031

以上、この発明の中性子照射装置100では、高速中性子成分を減衰させ、熱中性子が少なく、熱外中性子を増やした中性子束を得ることができる。このため、深い病巣の治療に有効である。なお、上記実施の形態に示した中性子照射装置は、BNCT以外にも適用可能である。

0032

100中性子照射装置
1導入管
2ターゲット構造
3フッ化アルミニウム層
4重水層
5 内円板
6外円板
10 タンク

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