図面 (/)

技術 バッテリの健全度推定装置および健全度推定方法

出願人 カルソニックカンセイ株式会社学校法人慶應義塾
発明者 馬場厚志足立修一
出願日 2013年9月5日 (6年6ヶ月経過) 出願番号 2013-184479
公開日 2015年3月19日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-052482
状態 特許登録済
技術分野 遮断器と発電機・電動機と電池等の試験 電池等の充放電回路
主要キーワード 離散システム 内部状態量 動的システム 観測雑音 誤差モデル システムノイズ 観測ノイズ 次状態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年3月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

バッテリ健全度の推定精度を向上するバッテリの健全度推定装置および健全度推定方法を提供する。

解決手段

健全度推定装置は、充放電電流値を検出する充放電電流検出部1と、端子電圧値を検出する端子電圧検出部2と、充放電電流値を積算して第1の充電率推定する第1の充電率推定部4と、開放電圧値と充電率との関係に基づき第2の充電率を推定する第2の充電率推定部5と、第1及び第2の充電率に基づいて第1の健全度を推定する第1の健全度推定部6と、バッテリの内部抵抗値と健全度との関係に基づき第2の健全度を推定する第2の健全度推定部7と、第1の充電率を修正するための第1の修正値を、第1の健全度と第2の健全度との差に基づいて算出する第1の修正値算出部9と、を備え、第1の充電率推定部4は、第1の修正値を用いて第1の充電率を修正する。

概要

背景

従来から、バッテリのうち充放電が可能な二次電池が、電気自動車等に採用されている。電池によって電気自動車が走行可能な距離や、電池が充放電可能な電流値などを把握するためには、電池の内部状態量である電池の充電率(SOC:State of Charge)や健全度(SOH:State of Health)等を検出する必要がある。

これらの内部状態量は直接検出できないため、電流積算法クーロンカウント法)や開放電圧推定法(逐次パラメータ法)が用いられる。電流積算法は、電池の充放電電流を時系列で検出し電流を積算することで充電率(ASOC:Absolute State of Charge)を推定する。また、開放電圧推定法は、電池の等価回路モデルを用いて電池の開放電圧を推定することで充電率(RSOC:Relative State of Charge)を推定する。また、SOHは、ASOCの変化量とRSOC変化量との比をとることによって推定する(例えば、特許文献1参照)。

概要

バッテリの健全度の推定精度を向上するバッテリの健全度推定装置および健全度推定方法を提供する。健全度推定装置は、充放電電流値を検出する充放電電流検出部1と、端子電圧値を検出する端子電圧検出部2と、充放電電流値を積算して第1の充電率を推定する第1の充電率推定部4と、開放電圧値と充電率との関係に基づき第2の充電率を推定する第2の充電率推定部5と、第1及び第2の充電率に基づいて第1の健全度を推定する第1の健全度推定部6と、バッテリの内部抵抗値と健全度との関係に基づき第2の健全度を推定する第2の健全度推定部7と、第1の充電率を修正するための第1の修正値を、第1の健全度と第2の健全度との差に基づいて算出する第1の修正値算出部9と、を備え、第1の充電率推定部4は、第1の修正値を用いて第1の充電率を修正する。

目的

本発明の目的は、バッテリの健全度の推定精度を向上するバッテリの健全度推定装置および健全度推定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

バッテリ充放電電流値を検出する充放電電流検出部と、前記バッテリの端子電圧値を検出する端子電圧検出部と、前記充放電電流値を積算して第1の充電率推定する第1の充電率推定部と、前記バッテリの開放電圧値と充電率との関係に基づき第2の充電率を推定する第2の充電率推定部と、前記第1及び第2の充電率に基づいて第1の健全度を推定する第1の健全度推定部と、前記バッテリの内部抵抗値と健全度との関係に基づき第2の健全度を推定する第2の健全度推定部と、前記第1の充電率を修正するための第1の修正値を、前記第1の健全度と前記第2の健全度との差に基づいて算出する第1の修正値算出部と、を備え、前記第1の充電率推定部は、前記第1の修正値を用いて前記第1の充電率を修正する、バッテリの健全度推定装置

請求項2

前記第1の充電率又は前記第2の充電率を修正するための第2の修正値を、前記第1の充電率と前記第2の充電率との差に基づいて算出する第2の修正値算出部を更に備える、請求項1に記載の健全度推定装置。

請求項3

前記充放電電流値及び前記端子電圧値を用いて、前記バッテリの等価回路モデルにより前記バッテリの開放電圧値を推定するパラメータ推定部を更に備え、前記第2の充電率推定部は、前記開放電圧値を用いて、開放電圧値と充電率との関係に基づき前記第2の充電率を推定する、請求項1又は2に記載の健全度推定装置。

請求項4

前記第2の充電率推定部は、前記端子電圧値を用いて、開放電圧値と充電率との関係に基づき前記第2の充電率を推定する、請求項1又は2に記載の健全度推定装置。

請求項5

バッテリの充放電電流値を検出するステップと、前記バッテリの端子電圧値を検出するステップと、前記充放電電流値を積算して第1の充電率を推定するステップと、前記バッテリの開放電圧値と充電率との関係に基づき第2の充電率を推定するステップと、前記第1及び第2の充電率に基づいて第1の健全度を推定するステップと、前記バッテリの内部抵抗値と健全度との関係に基づき第2の健全度を推定するステップと、前記第1の充電率を修正するための第1の修正値を、前記第1の健全度と前記第2の健全度との差に基づいて算出するステップと、前記第1の修正値を用いて前記第1の充電率を修正するステップと、を含む、バッテリの健全度推定方法

技術分野

0001

本発明は、電気自動車等に用いるバッテリ健全度を推定するバッテリの健全度推定装置および健全度推定方法に関する。

背景技術

0002

従来から、バッテリのうち充放電が可能な二次電池が、電気自動車等に採用されている。電池によって電気自動車が走行可能な距離や、電池が充放電可能な電流値などを把握するためには、電池の内部状態量である電池の充電率(SOC:State of Charge)や健全度(SOH:State of Health)等を検出する必要がある。

0003

これらの内部状態量は直接検出できないため、電流積算法クーロンカウント法)や開放電圧推定法(逐次パラメータ法)が用いられる。電流積算法は、電池の充放電電流を時系列で検出し電流を積算することで充電率(ASOC:Absolute State of Charge)を推定する。また、開放電圧推定法は、電池の等価回路モデルを用いて電池の開放電圧を推定することで充電率(RSOC:Relative State of Charge)を推定する。また、SOHは、ASOCの変化量とRSOC変化量との比をとることによって推定する(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開2012−58028号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、電流積算法により算出するASOCは、例えば電流センサ誤差蓄積する等の問題があった。このため、ASOCの変化量を用いて算出する健全度も同様に誤差が蓄積してしまい、健全度の推定精度が悪化する原因となっていた。

0006

かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、バッテリの健全度の推定精度を向上するバッテリの健全度推定装置および健全度推定方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するために本発明に係る健全度推定装置は、
バッテリの充放電電流値を検出する充放電電流検出部と、
前記バッテリの端子電圧値を検出する端子電圧検出部と、
前記充放電電流値を積算して第1の充電率を推定する第1の充電率推定部と、
前記バッテリの開放電圧値と充電率との関係に基づき第2の充電率を推定する第2の充電率推定部と、
前記第1及び第2の充電率に基づいて第1の健全度を推定する第1の健全度推定部と、
前記バッテリの内部抵抗値と健全度との関係に基づき第2の健全度を推定する第2の健全度推定部と、
前記第1の充電率を修正するための第1の修正値を、前記第1の健全度と前記第2の健全度との差に基づいて算出する第1の修正値算出部と、を備え、
前記第1の充電率推定部は、前記第1の修正値を用いて前記第1の充電率を修正することを特徴とする。

0008

また、本発明に係る健全度推定装置は、
前記第1の充電率又は前記第2の充電率を修正するための第2の修正値を、前記第1の充電率と前記第2の充電率との差に基づいて算出する第2の修正値算出部を更に備えることが好ましい。

0009

また、本発明に係る健全度推定装置は、
前記充放電電流値及び前記端子電圧値を用いて、前記バッテリの等価回路モデルにより前記バッテリの開放電圧値を推定するパラメータ推定部を更に備え、
前記第2の充電率推定部は、前記開放電圧値を用いて、開放電圧値と充電率との関係に基づき前記第2の充電率を推定することが好ましい。

0010

また、本発明に係る健全度推定装置は、
前記第2の充電率推定部は、前記端子電圧値を用いて、開放電圧値と充電率との関係に基づき前記第2の充電率を推定することが好ましい。

0011

また、本発明に係る健全度推定方法は、
バッテリの充放電電流値を検出するステップと、
前記バッテリの端子電圧値を検出するステップと、
前記充放電電流値を積算して第1の充電率を推定するステップと、
前記バッテリの開放電圧値と充電率との関係に基づき第2の充電率を推定するステップと、
前記第1及び第2の充電率に基づいて第1の健全度を推定するステップと、
前記バッテリの内部抵抗値と健全度との関係に基づき第2の健全度を推定するステップと、
前記第1の充電率を修正するための第1の修正値を、前記第1の健全度と前記第2の健全度との差に基づいて算出するステップと、
前記第1の修正値を用いて前記第1の充電率を修正するステップと、
を含むことを特徴とする。

発明の効果

0012

請求項1に記載の健全度推定装置によれば、電流積算法充電率(第1の充電率)の変化量と開放電圧法充電率(第2の充電率)の変化量との比により推定する第1の健全度と、バッテリの内部抵抗値と健全度の関係に基づいて推定する第2の健全度と、の差に基づいて、電流積算法充電率を修正する。このため、電流積算法充電率の推定精度を向上することができ、この結果、バッテリの健全度の推定精度を向上することができる。

0013

請求項2に記載の健全度推定装置によれば、電流積算法充電率と開放電圧法充電率との差に基づいて、電流積算法充電率又は開放電圧法充電率を修正する。このため、電流積算法充電率又は開放電圧法充電率の推定精度を向上することができ、この結果、バッテリの健全度の推定精度を更に向上することができる。

0014

請求項3に記載の健全度推定装置によれば、バッテリの等価回路モデルを用いてバッテリの開放電圧値を推定し、推定した開放電圧値を用いて開放電圧法充電率を推定する。このため、開放電圧法充電率の推定精度を向上することができ、この結果、バッテリの健全度の推定精度を更に向上することができる。

0015

請求項4に記載の健全度推定装置によれば、バッテリの端子電圧値を検出し、検出した端子電圧値を開放電圧値とみなして開放電圧法充電率を推定する。このため、バッテリの開放電圧値を推定する必要がなく、処理負担を低減して健全度を推定することができる。

0016

請求項5に記載の健全度推定方法によれば、電流積算法充電率の変化量と開放電圧法充電率の変化量との比により推定する第1の健全度と、バッテリの内部抵抗と健全度の関係に基づいて推定する第2の健全度と、の差に基づいて、電流積算法充電率を修正する。このため、電流積算法充電率の推定精度を向上することができ、この結果、バッテリの健全度の推定精度を向上することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の実施の形態1に係る健全度推定装置の概略構成を示すブロック図である。
図1の健全度推定装置から一部の構成要素を取り除いた健全度推定装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1に係る健全度推定装置による健全度推定結果を説明するための図である。
本発明の実施の形態2に係る健全度推定装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明の変形例1に係る健全度推定装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明の変形例2に係る健全度推定装置の概略構成を示すブロック図である。

実施例

0018

以下、本発明の実施の形態について説明する。

0019

(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るバッテリの健全度推定装置のブロック図である。実施の形態1に係るバッテリの健全度推定装置は、充放電電流検出部1と、端子電圧検出部2と、パラメータ推定部3と、電流積算法充電率推定部(第1の充電率推定部)4と、開放電圧法充電率推定部(第2の充電率推定部)5と、第1の健全度推定部6と、第2の健全度推定部7と、第1の減算部8と、第1の修正値算出部9と、を備える。また、健全度推定装置には、バッテリBが接続されている。概略として、実施の形態1に係るバッテリの健全度推定装置は、第1の修正値算出部9が、電流積算法充電率を修正するための第1の修正値を、第1の健全度推定部6及び第2の健全度推定部7がそれぞれ推定する第1の健全度SOH1と第2の健全度SOH2との差に基づいて算出し、電流積算法充電率推定部4が、算出された第1の修正値によって電流積算法充電率を修正する。

0020

バッテリBは、リチャージャブル・バッテリであり、以下の説明にあっては、リチウムイオン・バッテリを用いるものとして説明する。なお、バッテリBがリチウム・イオン・バッテリであることに限られることはなく、ニッケル水素バッテリ等、他の種類のバッテリを用いてもよいことは言うまでもない。

0021

充放電電流検出部1は、バッテリBから図示しない電気モータ等へ電力を供給する場合の放電電流の値を検出する。また、充放電電流検出部1は、制動時に電気モータを発電機として機能させて制動エネルギの一部を回収したり、あるいは地上の電源設備から充電したりする場合の充電電流の値を検出する。充放電電流検出部1は、たとえば、シャント抵抗等を使ってバッテリBに流れる充放電電流値iを検出する。検出した充放電電流値iは、入力信号としてパラメータ推定部3と電流積算法充電率推定部4との双方へ入力される。なお、充放電電流検出部1は、上記構成に限られず種々の構造・形式を有するものを適宜採用できる。

0022

端子電圧検出部2は、バッテリBの端子間の電圧の値を検出するものであり、ここで検出した端子電圧値vは、パラメータ推定部3へ入力される。なお、端子電圧検出部2は、種々の構造・形式を有するものを適宜採用できる。

0023

パラメータ推定部3は、充電電流検出部1及び端子電圧検出部2からそれぞれ入力される充放電電流値i及び端子電圧値vに基づいて、バッテリBの等価回路モデルにおける各パラメータを推定する。具体的には、パラメータ推定部3は、コンデンサ及び内部抵抗を備えるバッテリBの等価回路モデルを用いて、例えば最小二乗法等に基づきコンデンサの静電容量C、内部抵抗R、及び開放電圧(OCV:OpenCircuit Voltage)OCVestを推定する。なお、バッテリBの等価回路モデルは、バッテリの内部を表す数学モデルであれば任意のものを採用することができる。

0024

電流積算法充電率推定部4は、電流積算法充電率(第1の充電率)SOCiを推定する。具体的には、電流積算法充電率推定部4は、充放電電流検出部1から入力される充放電電流値iを積算して、状態変数としてSOCiを推定する。また、電流積算法充電率推定部4は、第1の修正値算出部9から入力される第1の修正値に基づいてSOCiを修正する。なお、SOCiを修正する処理の詳細については後述する。

0025

開放電圧法充電率推定部5は、開放電圧法充電率(第2の充電率)SOCvを推定する。具体的には、開放電圧法充電率推定部5は、予め実験で求めた開放電圧と充電率との関係をOCV−SOCルックアップテーブルとして記憶しておき、当該ルックアップテーブルにおいて、パラメータ推定部3から入力される推定開放電圧OCVestの値に対応する充電率をSOCvとして推定する。

0026

第1の健全度推定部6は、電流積算法充電率推定部4で推定したSOCi及び開放電圧法充電率推定部5で推定したSOCvに基づいて、第1の健全度SOH1を推定する。具体的には、第1の健全度推定部6は、式(1)に示すように、バッテリBの測定開始時点からの電流積算法充電率の変化量ΔSOCiと開放電圧法充電率の変化量ΔSOCvとの比によりSOH1を推定する。
SOH1=ΔSOCi/ΔSOCv
=(SOCi−SOC0)/(SOCv−SOC0) (1)

0027

ここで、SOC0は、バッテリBの測定開始時における充電率である。例えば、SOC0は、バッテリBの測定開始時にバッテリBの端子電圧値v0を測定し、測定した端子電圧値v0をOCV−SOCルックアップテーブルと照合して決定する等、任意の方法により決定することができる。

0028

第2の健全度推定部7は、バッテリBの内部抵抗値と健全度との関係に基づき第2の健全度SOH2を推定する。具体的には、第2の健全度推定部7は、予め実験で求めたバッテリBの内部抵抗と健全度との関係をR−SOHルックアップテーブルとして記憶しておき、当該ルックアップテーブルにおいて、パラメータ推定部3で推定したバッテリBの内部抵抗値Rに対応する健全度をSOH2として推定する。

0029

第1の減算部8は、第2の健全度推定部7で推定したSOH2から第1の健全度推定部6で推定したSOH1を減算する。

0030

第1の修正値算出部9は、第1の減算部8から入力された健全度の差分(SOH2−SOH1)にカルマンゲインを乗じて第1の修正値を算出する。そして、第1の修正値算出部9は、算出した第1の修正値を電流積算法充電率推定部4に入力する。

0031

ここで、第1の修正値を算出する処理及びSOCiを修正する処理について説明する。当該処理は、例えばカルマンフィルタを用いて行う。カルマンフィルタは、対象となるシステムモデルを設計し、このモデルと実システムに同一の入力信号が入力された場合の両者の出力を比較する。そして、カルマンフィルタは、それらに差があれば、この差にカルマンゲインを乗算してモデルへフィードバックすることで、両者の差が最小になるようにモデルを修正する。カルマンフィルタは、これを繰り返すことで、真の内部状態量を推定する。

0032

なお、カルマンフィルタにあっては、観測雑音正規性白色雑音であるとの仮定を置く。したがって、この場合、システムのパラメータが確率変数となるため、真のシステムは確率システムとなる。そこで、観測値線形回帰モデル記述され、逐次パラメータ推定問題は状態空間表現を用いて定式化でき、逐次状態を記録せずとも、時変パラメータを推定することができる。このようにして、対象とする動的システム入出力データの測定値から、所定の目的のもとで、対象と同一であるということを説明できるような数学モデルが作成可能、すなわち、システム同定が可能となる。

0033

カルマンフィルタでは、以下のような離散システムを考える。
xk+1=f(xk)+bu(uk)+bυk (2)
yk=h(xk,uk)+ωk (3)

0034

ここで、xは状態変数、yは観測値、uは入力を示し、kは離散時間の時刻である。また、υとωは、それぞれN(0,συ2)、N(0,σω2)である互いに独立なシステムノイズ観測ノイズである。

0035

上記システムに対して、カルマンフィルタは、以下のアルゴリズムにより状態変数xを推定する。

0036

ここで、式(2),(3)において以下の式を用いる電流積算モデルを考え、カルマンフィルタによりSOCiを推定する。

0037

ここで、τサンプリング周期FCC0は満充電容量(Full Charge Capacity)である。FCC0の値は、設計容量DC(Design Capacity)、即ちバッテリBの新品時のFCCの公称値を用いてもよく、或いはその劣化度を考慮した値を用いてもよい。

0038

0039

次に、図2及び図3を参照して、実施の形態1に係る健全度推定装置を用いて行ったシミュレーションの結果について説明する。

0040

図2は、実施の形態1に係る健全度推定装置から、第2の健全度推定部7と、第1の減算部8と、第1の修正値算出部9と、を取り除いた健全度推定装置の概略構成を示すブロック図である。図2に示す健全度推定装置の電流積算法充電率推定部4aは、第1の修正値算出部9から第1の修正値が入力されないため、電流積算法充電率SOCiの値を修正することなく、充放電電流iを積算してSOCiを推定する。したがって、電流積算法充電率推定部4aが推定するSOCiには、図1に示す電流積算法充電率推定部4により推定されるSOCiと異なり、充放電電流検出部の測定誤差等が蓄積している。なお、図2に示す健全度推定装置から出力される第1の健全度をSOH3とする。

0041

図3(a)は、図2に示す健全度推定装置により推定されるSOH3のシミュレーション結果を示す図であり、時間の経過とともに誤差が累積され、次第に増加している。図3(b)は、実施の形態1に係る健全度推定装置により推定されるSOH2のシミュレーション結果を示す図であり、ノイズの影響により不安定な値となっている。図3(c)は、実施の形態1に係る健全度推定装置により推定されるSOH1のシミュレーション結果を示す図であり、SOH2よりも値が安定しており健全度SOHを精度良く推定できていることを示している。

0042

このように、本発明の実施の形態1によれば、電流積算法充電率推定部4が、電流積算法充電率SOCiを推定し、開放電圧法充電率推定部5が、開放電圧法充電率SOCvを推定する。また、第1の健全度推定部6が、SOCi及びSOCvに基づいて、即ちOCiの変化量とSOCvの変化量との比により第1の健全度SOH1を推定する。また、第2の健全度推定部7が、パラメータ推定部3により推定されるバッテリBの内部抵抗値を用いて、バッテリBの内部抵抗値と健全度との関係に基づき第2の健全度SOH2を推定する。そして、第1の修正値算出部9が、SOH2とSOH1との差にカルマンゲインKを乗算して第1の修正値を算出し、電流積算法充電率推定部4が、SOCiに第1の修正値を加算して修正する。このようにして、電流積算法充電率推定部4により推定されるSOCiを修正することによりSOCiの推定精度を向上し、SOCiを用いて推定するSOH1の推定精度を向上することができる。

0043

また、実施の形態1によれば、パラメータ推定部3が、充放電電流検出部1及び端子電圧検出部2からそれぞれ入力された充放電電流値i及び端子電圧値vを用いて、バッテリBの等価回路モデルによりバッテリの開放電圧値OCVestを推定し、開放電圧法充電率推定部5が、パラメータ推定部3が推定したOCVestを用いて、開放電圧値と充電率との関係に基づき開放電圧法充電率SOCvを推定する。このように、バッテリの開放電圧値を推定し、推定した開放電圧値を用いてSOCvを推定するため、SOCvの推定精度を向上し、SOCvを用いて推定するSOH1の推定精度を向上することができる。

0044

(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る健全度推定装置について説明する。

0045

図4は、実施の形態2に係る健全度推定装置の概略構成を示すブロック図である。以下、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。実施の形態2に係る健全度推定装置は、実施の形態1と比較して、第2の減算部10と、第2の修正値算出部11と、第3の減算部12と、を更に備える点が異なる。概略として、実施の形態2に係る健全度推定装置は、第2の修正値算出部11が、電流積算法充電率SOCiと開放電圧法充電率SOCvとの差に基づいてSOCvを修正するための第2の修正値を算出し、第3の減算部12が、第2の修正値を用いてSOCvを修正する。

0046

第2の減算部10は、開放電圧法充電率推定部5で得たSOCvから、電流積算法充電率推定部4で得たSOCiを減算する。ここで、電流積算法充電率推定部4が推定するSOCiは、真の充電率SOCtrueに推定誤差(ノイズ)niが重畳された値になっている。また、開放電圧法充電率推定部5が推定するSOCvは、真の充電率SOCtrueに推定誤差(ノイズ)nvが重畳された値になっている。したがって、第2の減算部10による減算結果は、SOCv−SOCi=nv−niとなり、推定誤差成分のみが残る。

0047

第2の修正値算出部11は、第2の減算部10から入力された充電率の差分(SOCv−SOCi=nv−ni)にカルマンゲインを乗じて第2の修正値を算出する。第2の修正値を算出する処理の詳細については後述する。

0048

第3の減算部12は、開放電圧法充電率推定部5が推定したSOCvから第2の修正値を減算することでSOCvを修正し、修正したSOCvを第1の健全度推定部6に入力する。

0049

ここで、第2の修正値を算出する処理及びSOCvを修正する処理について説明する。当該処理は、例えばカルマンフィルタを用いて行う。具体的には、式(2),(3)において以下の式を用いる誤差モデルを考え、カルマンフィルタによりnvを推定することができる。

0050

0051

0052

このように、本発明の実施の形態2によれば、第2の修正値算出部11が、開放電圧法充電率SOCvを修正するための第2の修正値を、電流積算法充電率SOCiと開放電圧法充電率SOCvとの差に基づいて算出する。そして、第3の減算部12が、SOCvから第2の修正値を減算して修正する。このようにして、開放電圧法充電率推定部5により推定されるSOCvの推定精度を向上することにより、SOCvを用いて推定するSOH1の推定精度を更に向上することができる。

0053

(変形例1)
次に、本発明の実施の形態の変形例1について説明する。

0054

図5は、変形例1に係る健全度推定装置の概略構成を示すブロック図である。以下、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。変形例1に係る健全度推定装置は、実施の形態1及び2と比較して、端子電圧検出部2が検出した端子電圧値vを開放電圧法充電率推定部5に入力する点が異なる。

0055

このように、本発明の実施の形態の変形例1によれば、開放電圧法充電率推定部5が、端子電圧検出部2から入力される端子電圧値vを開放電圧値OCVとみなして開放電圧法充電率SOCvを推定する。このようにして、パラメータ推定部3が開放電圧値OCVestを推定する必要がなく、処理負担を低減して健全度を推定することができる。

0056

(変形例2)
次に、本発明の実施の形態の変形例2について説明する。

0057

図6は、変形例2に係る健全度推定装置の概略構成を示すブロック図である。以下、実施の形態2と同一の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。変形例2に係る健全度推定装置は、実施の形態2と比較して、第2の修正値算出部11aが、電流積算法充電率推定部4が推定するSOCiを修正するための第2の修正値としてniを算出し、第3の減算部12aが、第2の修正値を用いてSOCiを修正する点が異なる。

0058

変形例2における第2の修正値の算出は、実施の形態2と同様の処理により行うことができる。具体的には、式(2),(3)において以下の式を用いる誤差モデルを考え、カルマンフィルタによりniを推定することができる。

0059

0060

このように、本発明の実施の形態の変形例2によれば、第2の修正値算出部11aが、電流積算法充電率SOCiを修正するための第2の修正値を、電流積算法充電率SOCiと開放電圧法充電率SOCvとの差に基づいて算出する。そして、第3の減算部12aが、SOCiから第2の修正値を減算して修正する。このようにして、電流積算法充電率推定部4により推定されるSOCiの推定精度を向上することにより、SOCiを用いて推定するSOH1の推定精度を更に向上することができる。

0061

本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。

0062

例えば、上述の実施の形態においては、状態量の推定にカルマンフィルタを用いたが、他の適応フィルタを用いて状態量を推定するようにしてもよい。

0063

また、バッテリの温度を検出する温度検出部を更に備え、検出したバッテリの温度をパラメータ推定部3に入力するようにしてもよい。この場合、パラメータ推定部3は、充放電電流値iと、端子電圧値vと、バッテリ温度とに基づいてバッテリ等価回路モデルにおける各パラメータを推定する。

0064

Bバッテリ
1充放電電流検出部
2端子電圧検出部
3パラメータ推定部
4,4a電流積算法充電率推定部(第1の充電率推定部)
5開放電圧法充電率推定部(第2の充電率推定部)
6 第1の健全度推定部
7 第2の健全度推定部
8 第1の減算部
9 第1の修正値算出部
10,10a 第2の減算部
11,11a 第2の修正値算出部
12,12a 第3の減算部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社デンソーの「 制御装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】消費電力を低減させることができる制御装置を提供すること。【解決手段】制御装置(50)は、充放電可能な蓄電池(30)と、蓄電池に接続される回転電機(20)と、蓄電池に接続される電気負荷(40)と... 詳細

  • 株式会社デンソーの「 制御装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】騒音や振動を抑制することができる制御装置を提供すること。【解決手段】制御装置(50)は、回転電機(20)により電動車両(10)を駆動又は制動させる走行期間と、回転電機を停止させて電動車両を惰行... 詳細

  • 株式会社デンソーの「 制御装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】消費電力を低減させることができる制御装置を提供すること。【解決手段】制御装置(50)は、充放電可能な蓄電池(30)と、電圧変換器(41)を介して前記蓄電池に接続される電気負荷(40)と、を有す... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ