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技術 エネルギ管理システムおよびその方法、ならびにプログラム

出願人 株式会社東芝
発明者 米良恵介松澤茂雄
出願日 2013年9月2日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2013-181406
公開日 2015年3月16日 (5年9ヶ月経過) 公開番号 2015-050849
状態 特許登録済
技術分野 給配電網の遠方監視・制御 交流の給配電
主要キーワード 加熱保温装置 エネルギ負荷 季節外れ 消費エネルギ量 基準電力量 前年以前 環境値 エネルギ蓄積装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年3月16日)のものです。
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図面 (7)

課題

需要家エネルギを有効活用しているか否かを推定可能にする。

解決手段

本発明の実施形態としてのエネルギ管理システムは、基準消費量算出部と、負荷シフト判定部とを備える。前記基準消費量算出部は、需要家のエネルギ消費量履歴に基づき、前記エネルギ消費量の統計量である基準消費量を算出する。前記負荷シフト判定部は、前記エネルギ消費量の履歴のうち対象時間帯を含む期間のエネルギ消費量と、前記基準消費量とに基づいて、前記需要家において前記対象時間帯に需要家の発電装置および電力系統の少なくとも一方から供給されるエネルギをエネルギ蓄積装置蓄積する動作、または前記需要家において前記対象時間帯以外の時間帯に行われるエネルギ消費を前記対象時間帯に変更する動作の少なくとも一方を含む負荷シフトが行われたかを判定する。

概要

背景

従来、自然エネルギを含む分散電源出力変動への対策としては、需要家電力系統に対し分散電源を並列解列する方法や、需要家が蓄電装置蓄熱装置を用いて発電電力蓄電放電する方法がある。

また、従来、電力系統運用者が需要家の電力消費量を管理する方法としては、情報通信手段を用いたデマンドレスポンス需要応答)により、需要家の電力消費量を増減する方法がある。

自然エネルギを含む分散電源が大幅に増加すると、分散電源による発電量が、需要家による電力消費量を超過し、余剰エネルギが発生する可能性が生じる。この際は、電力系統運用者は、需要家に対して、余剰エネルギを消費することを促すデマンドレスポンスの要請を行うことで、需要家は電力消費量を増加し、余剰エネルギを削減できる。電力系統運用者は、当該要請に基づいて行動した需要家に対し、電力料金割り引いたり、報奨金支払うなどの対価を与える。

しかし、電力系統運用者は、需要家の電力消費の手段を特定できないため、種々の問題が生じる可能性がある。

当該問題の第一の例は、電力系統運用者が、需要家が余剰エネルギを有効活用しているか否かを判別できないこと挙げられる。有効活用していない場合は、余剰エネルギが無駄となり、非効率である。

有効活用の例としては、需要家が電力消費のスケジュールを変更して余剰エネルギが発生している時間帯に電力消費をシフトしたり、余剰エネルギを蓄電装置に蓄電して該エネルギを別の時間帯に消費することが挙げられる。

有効活用ではない例としては、需要家が余剰エネルギを消費するために、高温時に不要な電熱ヒータ稼働させたり、昼間の日照のある時間帯に不要な照明装置を稼働させることが挙げられる。

上記問題の第二の例は、余剰エネルギを消費した需要家であっても、余剰電力を有効活用した需要家と、有効活用しなかった需要家とで、不公平が生じ得ることが挙げられる。一般に、余剰エネルギを有効活用する蓄電装置は高コストである一方で、余剰エネルギを有効活用しない電熱ヒータ等の機器低コストである。したがって、単に余剰エネルギを消費したか否かで対価の付与を決定することは、需要家間でコストの不公平感につながり得る。

概要

需要家がエネルギを有効活用しているか否かを推定可能にする。本発明の実施形態としてのエネルギ管理システムは、基準消費量算出部と、負荷シフト判定部とを備える。前記基準消費量算出部は、需要家のエネルギ消費量履歴に基づき、前記エネルギ消費量の統計量である基準消費量を算出する。前記負荷シフト判定部は、前記エネルギ消費量の履歴のうち対象時間帯を含む期間のエネルギ消費量と、前記基準消費量とに基づいて、前記需要家において前記対象時間帯に需要家の発電装置および電力系統の少なくとも一方から供給されるエネルギをエネルギ蓄積装置蓄積する動作、または前記需要家において前記対象時間帯以外の時間帯に行われるエネルギ消費を前記対象時間帯に変更する動作の少なくとも一方を含む負荷シフトが行われたかを判定する。

目的

本発明の実施形態は、需要家がエネルギを有効活用しているか否かを推定可能にするエネルギ管理システム、方法およびプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

需要家エネルギ消費量履歴に基づき、前記エネルギ消費量の統計量である基準消費量を算出する基準消費量算出部と、前記エネルギ消費量の履歴において対象時間帯を含む期間のエネルギ消費量である対象エネルギ消費量と、前記基準消費量とに基づいて、前記需要家において前記対象時間帯に需要家の発電装置および電力系統の少なくとも一方から供給されるエネルギエネルギ蓄積装置蓄積する動作、または前記需要家において前記対象時間帯以外の時間帯に行われるエネルギ消費を前記対象時間帯に変更する動作の少なくとも一方を含む負荷シフトが行われたかを判定する負荷シフト判定部とを備えたエネルギ管理システム

請求項2

前記負荷シフト判定部は、前記対象エネルギ消費量と、前記基準消費量との差分に基づいて、前記負荷シフトが行われたかを判定する請求項1に記載のエネルギ管理システム。

請求項3

前記負荷シフト判定部は、前記対象エネルギ消費量から前記基準消費量を減算した値が一定値未満の場合に、前記負荷シフトが行われたと判定し、前記一定値以上の場合に、前記負荷シフトが行われていないと判定する請求項1または2に記載のエネルギ管理システム。

請求項4

前記基準消費量算出部は、前記エネルギ消費量の履歴においてあらかじめ定められた条件を満たす時間帯のエネルギ消費量に基づき、前記基準消費量を算出する請求項1ないし3のいずれか一項に記載のエネルギ管理システム

請求項5

前記基準消費量算出部は、前記エネルギ消費量の履歴において前記対象時間帯以外の時間帯のエネルギ消費量に基づき、前記基準消費量を算出する請求項1ないし4のいずれか一項に記載のエネルギ管理システム。

請求項6

前記基準消費量算出部は、前記需要家の環境値が所定の標準範囲に属する時間帯のエネルギ消費量データに基づき、前記基準消費量を算出する請求項5に記載のエネルギ管理システム。

請求項7

前記基準消費量算出部は、他の需要家のエネルギ消費量の履歴に基づき、前記対象時間帯を含む期間のエネルギ消費量と、前記期間より過去の第1期間のエネルギ消費量との比率を計算し、前記比率に応じて、前記需要家の基準消費量を補正し前記負荷シフト判定部は、補正された基準消費量を用いて、前記負荷シフトの判定を行う請求項1ないし6のいずれか一項に記載のエネルギ管理システム。

請求項8

前記基準消費量算出部は、前記エネルギ消費量の平均値中央値中間値または最頻値を、前記基準消費量として算出する請求項1ないし7のいずれか一項に記載のエネルギ管理システム。

請求項9

前記基準消費量算出部は、定期的または任意の時間間隔で基準消費量を計算することにより、複数の基準消費量を取得し、前記負荷シフト判定部は、前記複数の基準消費量の平均値または移動平均値と、前記対象エネルギ消費量に基づき、前記負荷シフトが行われたかを判定する請求項1ないし8のいずれか一項に記載のエネルギ管理システム。

請求項10

前記対象時間帯は、前記需要家に対しデマンドレスポンス要請された時間帯である請求項1ないし9のいずれか一項に記載のエネルギ管理システム。

請求項11

前記負荷シフトは、前記対象時間帯に蓄積されたエネルギを、前記対象時間帯の後に使用する動作をさらに含む請求項1ないし10のいずれか一項に記載のエネルギ管理システム。

請求項12

需要家のエネルギ消費量の履歴に基づき、前記エネルギ消費量の統計量である基準消費量を算出する基準消費量算出ステップと、前記エネルギ消費量の履歴において対象時間帯を含む期間のエネルギ消費量である対象エネルギ消費量と、前記基準消費量とに基づいて、前記需要家において前記対象時間帯に需要家の発電装置および電力系統の少なくとも一方から供給されるエネルギをエネルギ蓄積装置に蓄積する動作、または前記需要家において前記対象時間帯以外の時間帯に行われるエネルギ消費を前記対象時間帯に変更する動作の少なくとも一方を含む負荷シフトが行われたかを判定する負荷シフト判定ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム

請求項13

需要家のエネルギ消費量の履歴に基づき、前記エネルギ消費量の統計量である基準消費量を算出する基準消費量算出ステップと、前記エネルギ消費量の履歴において対象時間帯を含む期間のエネルギ消費量である対象エネルギ消費量と、前記基準消費量とに基づいて、前記需要家において前記対象時間帯に需要家の発電装置および電力系統の少なくとも一方から供給されるエネルギをエネルギ蓄積装置に蓄積する動作、または前記需要家において前記対象時間帯以外の時間帯に行われるエネルギ消費を前記対象時間帯に変更する動作の少なくとも一方を含む負荷シフトが行われたかを判定する負荷シフト判定ステップとをコンピュータが実行する方法。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、エネルギ管理システムおよびその方法、ならびにプログラムに関する。

背景技術

0002

従来、自然エネルギを含む分散電源出力変動への対策としては、需要家電力系統に対し分散電源を並列解列する方法や、需要家が蓄電装置蓄熱装置を用いて発電電力蓄電放電する方法がある。

0003

また、従来、電力系統運用者が需要家の電力消費量を管理する方法としては、情報通信手段を用いたデマンドレスポンス需要応答)により、需要家の電力消費量を増減する方法がある。

0004

自然エネルギを含む分散電源が大幅に増加すると、分散電源による発電量が、需要家による電力消費量を超過し、余剰エネルギが発生する可能性が生じる。この際は、電力系統運用者は、需要家に対して、余剰エネルギを消費することを促すデマンドレスポンスの要請を行うことで、需要家は電力消費量を増加し、余剰エネルギを削減できる。電力系統運用者は、当該要請に基づいて行動した需要家に対し、電力料金割り引いたり、報奨金支払うなどの対価を与える。

0005

しかし、電力系統運用者は、需要家の電力消費の手段を特定できないため、種々の問題が生じる可能性がある。

0006

当該問題の第一の例は、電力系統運用者が、需要家が余剰エネルギを有効活用しているか否かを判別できないこと挙げられる。有効活用していない場合は、余剰エネルギが無駄となり、非効率である。

0007

有効活用の例としては、需要家が電力消費のスケジュールを変更して余剰エネルギが発生している時間帯に電力消費をシフトしたり、余剰エネルギを蓄電装置に蓄電して該エネルギを別の時間帯に消費することが挙げられる。

0008

有効活用ではない例としては、需要家が余剰エネルギを消費するために、高温時に不要な電熱ヒータ稼働させたり、昼間の日照のある時間帯に不要な照明装置を稼働させることが挙げられる。

0009

上記問題の第二の例は、余剰エネルギを消費した需要家であっても、余剰電力を有効活用した需要家と、有効活用しなかった需要家とで、不公平が生じ得ることが挙げられる。一般に、余剰エネルギを有効活用する蓄電装置は高コストである一方で、余剰エネルギを有効活用しない電熱ヒータ等の機器低コストである。したがって、単に余剰エネルギを消費したか否かで対価の付与を決定することは、需要家間でコストの不公平感につながり得る。

先行技術

0010

特許4213941号
特開2011−234558号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の実施形態は、需要家がエネルギを有効活用しているか否かを推定可能にするエネルギ管理システム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明の実施形態としてのエネルギ管理システムは、基準消費量算出部と、負荷シフト判定部とを備える。

0013

前記基準消費量算出部は、需要家のエネルギ消費量履歴に基づき、前記エネルギ消費量の統計量である基準消費量を算出する。

0014

前記負荷シフト判定部は、前記エネルギ消費量の履歴において対象時間帯を含む期間のエネルギ消費量である対象エネルギ消費量と、前記基準消費量とに基づいて、前記需要家において前記対象時間帯に需要家の発電装置および電力系統の少なくとも一方から供給されるエネルギをエネルギ蓄積装置蓄積する動作、または前記需要家において前記期間以外には前記対象時間帯以外の時間帯に行われるエネルギ消費を前記対象時間帯に変更する動作の少なくとも一方を含む負荷シフトが行われたかを判定する。

図面の簡単な説明

0015

第1の実施形態に係わるエネルギ管理システムを示すブロック図。
エネルギ消費量データ蓄積部が保持するエネルギ消費量データの例を示す図。
基準消費量算出部の動作を示すフローチャート
基準消費量データ蓄積部に保持される基準消費量の例を示す図。
負荷シフト判定部のフローチャート。
負荷シフト判定の判断フローの内容を詳しく説明するための図。

実施例

0016

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。

0017

(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるエネルギ管理システムを示すブロック図である。この第1の実施形態に係わるエネルギ管理システムは、デマンドレスポンス発行部11と、エネルギ消費量データ収集部12と、エネルギ消費量データ蓄積部13と、基準消費量算出部14と、基準消費量データ蓄積部15と、負荷シフト判定部16とを具える。

0018

このエネルギ管理システムは、通信網21を介して、需要家1におけるエネルギ消費量計31と接続される。エネルギ消費量計31は、需要家のエネルギ消費量の計測機能と、通信機能を具える。

0019

需要家1は、1つ以上のエネルギ負荷32を有する。エネルギ負荷32は、エネルギを消費する需要家の機器である。需要家1は、エネルギ消費量計31を複数備えても良い。

0020

需要家は、エネルギを蓄積する装置を備えていても良い。エネルギ蓄積装置の例として、蓄電池のように電気の形でエネルギを蓄電する装置でもよいし、加熱保温装置のように水等を加熱して熱の形でエネルギを蓄積する装置でもよい。また需要家は、太陽光発電装置等の発電装置を備えていても良い。

0021

ここでは、需要家は1つのみ示しているが、エネルギ管理システムは、実際には複数の需要家と通信網21を介して接続されている。

0022

デマンドレスポンス発行部11は、需要家に対して、デマンドレスポンスの要請を発行する。要請の種類には、「抑制」と「余剰対策」の2種類が含まれることが通例である。「抑制」は、需要家に対して、所定の時間帯に消費電力の低減を促す要請である。「余剰対策」は、需要家に対して、所定の時間帯に消費電力の増加を促す要請である。本実施形態においては、「余剰対策」を扱う場合を特に示すが、「抑制」と「余剰対策」の両方を扱うことも可能である。

0023

エネルギ消費量データ収集部12は、需要家毎にエネルギ消費量のデータを収集する。エネルギ消費量データ蓄積部13は、エネルギ消費量データ収集部12により収集されたエネルギ消費量データの履歴を記憶する。

0024

基準消費量算出部14は、需要家毎に、エネルギ消費量データの履歴に基づき、エネルギ消費量の統計量である基準消費量を、需要家毎に算出する。基準消費量データ蓄積部15は、基準消費量算出部14により算出された基準消費量のデータを記憶する。

0025

負荷シフト判定部16は、エネルギ消費量の履歴において、対象時間帯(たとえばデマンドレスポンス時間帯)を含む期間のエネルギ消費量(対象エネルギ消費量)と、基準消費量とに基づき、需要家が当該対象時間帯で負荷シフトしたか否かを判定する。例えば基準消費量と当該エネルギ消費量の大小関係や、基準消費量と当該エネルギ消費量の差分(減算または比率)に基づき、負荷シフトの判別を行う。

0026

ここで、負荷シフトとは、需要家において普段は前記対象時間帯以外の時間帯に行われるエネルギ消費を前記対象時間帯に変更する動作、またはエネルギ蓄積装置にエネルギの蓄積を実施する動作の少なくとも一方を含み、さらに蓄積を実施した時間帯とは別の時間帯に、当該エネルギを使用する動作を含んでよい。

0027

例えば、昼間に太陽光発電装置により発電された電力または電力系統から供給された電力を蓄電池に蓄積し、夜間にその蓄積した電力を、照明空調装置の稼働に用いることが挙げられる。また、昼間に太陽光発電装置により発電された電力を用いて水を加熱し、夜間にその加熱された水を給湯装置や空調装置で消費することが挙げられる。負荷シフトにより、エネルギが生成され蓄積される時間帯と、エネルギを使用する時間帯を別にできるため、時間帯ごと電力需要抑制や電力余剰対策が可能となる。

0028

図2乃至図5を用いて、本発明の第1の実施形態に係わるシステムの動作について説明する。

0029

図2は、エネルギ消費量データ蓄積部13が保持するエネルギ消費量データの例を示す。

0030

需要家毎の、一日毎の電力消費量(積算値)と、デマンドレスポンスの発行の有無と種類を表している。ただしエネルギ消費量データの形式、必ずしもこの形式に限定されず、後述の基準消費量の計算に必要な情報が含まれていれば、別の形式でもよい。例えば、30分毎の電力消費量(積算値)の形式でもよい。または、複数のメータ(エネルギ消費量計31)を具える需要家の場合、一つの需要家に対して、複数のメータの値が記されたデータでもよい。

0031

図3は、基準消費量算出部14の動作を示すフローチャートである。

0032

基準消費量算出部14は、需要家毎の過去のエネルギ消費量データのうち、所定の選択条件に基づいて、データを選択する(S101)。選択したデータを用いて、所定の算出条件に基づき、需要家毎に、基準消費量(統計量)を算出する(S102)。需要家毎に算出した基準消費量のデータを、基準消費量データ蓄積部15に保存する(S103)。

0033

図4は、基準消費量データ蓄積部15に保持される基準消費量のデータ例を示す。

0034

ここでは、図3のステップS101の処理で使用する消費エネルギ量の選択条件を、2012年の2月において「デマンドレスポンス発行が無かった日のエネルギ消費量」としている。また、図3のステップS102の処理で使用する基準消費量の算出条件を「(単純)平均」としている。

0035

需要家1は、2012年2月において、デマンドレスポンス発行が無かった日のエネルギ消費量の平均が100kWhであったことが示されている。また、需要家2は、2012年2月において、デマンドレスポンス発行が無かった日のエネルギ消費量の平均が200kWhであったことが示されている。需要家3以降も同様にして基準消費量が計算されるが、ここでは図示を省略している。

0036

ここでは、一例として現時点が2012年2月5日である場合を想定するが、これに限定されるものではない。なお、ここで用いた消費電力量の選択条件および基準消費量の算出条件の例はあくまで一例であり、後述する他の実施形態のように、他の種類の選択条件および算出条件を用いることも可能である。

0037

図5は、負荷シフト判定部16のフローチャートである。

0038

ここでは例として、負荷シフト判別を行う対象需要家を「需要家1」、該当日を(余剰対策のデマンドレスポンスを発行した日である)「2012−02−04」とした場合の具体例を示す。

0039

まず、エネルギ消費量データ蓄積部13から、対象需要家のエネルギ消費量データ(この例では、図2から2012年2月4日の「95」という値)を取得する(S201)。

0040

次に、基準消費量データ蓄積部15から、対象需要家の基準消費量(この例では、図4から「100」という値)を取得する(S202)。そして、エネルギ消費量が基準消費量より大きいか否かを判断する。

0041

エネルギ消費量が基準消費量より大きい場合は、対象需要家は「負荷シフトしていない」と推定し(S203)、エネルギ消費量が基準消費量より大きくない(つまり、同じであるか小さい)場合は、負荷シフト判定部16は、対象需要家が「負荷シフトしている」と推定する(S204)。この例では、需要家1のエネルギ消費量が基準消費量より大きくない(小さい)ので、負荷シフト判定部16は、需要家1は「負荷シフトしている」と推定する。

0042

ここでは、負荷シフト判別の基準の例を、エネルギ消費量が基準消費量より大きいか否かとしたが、これに限定されず、別の基準を用いても良い。例えば、測定誤差などを考慮して、基準消費量の値にマージンを取っても良い。つまりエネルギ消費量と基準消費量との差が一定値以下であれば、負荷シフトしている、あるいは負荷シフトしてないと判定してもよい。

0043

上記の例では需要家1の場合を示したが、負荷シフト判別を行う対象需要家を需要家2、該当日を(余剰対策のデマンドレスポンスを発行した日である)「2012−02−04」とした場合の具体例を示す。この場合、対象需要家のエネルギ消費量は「240」であり、対象需要家の基準消費量は「200」である。エネルギ消費量が基準消費量より大きいため、負荷シフト判定部16は、需要家2は「負荷シフトしていない」と推定する。

0044

図6を参照して、負荷シフト判定の判断フローの内容を詳しく説明する。

0045

図6の左上の棒グラフは、負荷シフトしていない(無駄使いしてしまった、増エネしてしまった)需要家2の消費電力量の例を示し、図6の左下の棒グラフは、負荷シフトした需要家1の消費電力量の例を示す。斜線が施された棒グラフ(ピッチが3種類あり、粗いピッチと、中程度のピッチと、細かいピッチがある)は、実際に消費された電力量を表している。ピッチが中程度の棒グラフは、実際に消費された電力量のうち、蓄電池に蓄積した電力量を表す。ピッチの細かい棒グラフは、実際に消費された電力量のうち、増エネ(無駄)の電力量を表している。粗いピッチの棒グラフは、これら以外の通常消費された電力量を表している。破線で囲まれた白抜きの縦の棒グラフは、蓄電池から放電した電力量を表す。

0046

時間帯T1は、デマンドレスポンス発行部11が発行した「余剰対策」デマンドレスポンス要請に含まれる、所定の時間帯(余剰対策デマンドレスポンス対象時間帯)である。本例では、時間帯T1は、昼間で日照の強度が高く、分散電源の一つである太陽光発電による発電量が多くなり易い時間帯に相当する。

0047

需要家1では、時間帯T1に蓄電池へ蓄電(例えば自動制御による充電)することでその時間帯で消費電力が増加しているが、時間帯T1以外で、蓄電池から放電することで、全体(1日)として、消費電力量が少なくなっている。これは、需要家1が負荷シフトをした結果である。一方、需要家2では、需要家1に比べて、時間帯T1以外の時間帯に消費電力が減少していない。これは、需要家2が負荷シフトをしていない(時間帯T1で蓄電池への充電を行っていない)結果である。

0048

すると、一日の積算としては、図6の右のグラフのように、負荷シフトした需要家1は、消費電力量が基準消費量並みであるのに対し、負荷シフトしていない需要家2は、消費電力量が基準消費量を超過することになる。故に、図5で示した判断フローのように、エネルギ消費量と基準消費量との比較に基づいて、負荷シフトしたか否かを推定することが可能となる。

0049

以下に、負荷シフト判定の結果の利用形態の例を述べる。

0050

第一の例としては、電力系統運用者が需要家に対して余剰対策を要請した後に、該需要家が負荷シフトしなかったと判定された場合(図5のS203参照)、該需要家に対して、今後負荷シフトを実施するよう要請してもよい。または、該需要家への要請の対価としてのインセンティブ減額する(つまりペナルティ課す)ことや、該需要家へ要請を今後行わない(つまり該需要家へ今後インセンティブを与えない)ことを行っても良い。または、警告として、負荷シフトを実施しない場合に行うこれらの事項通知した上で、今後負荷シフトの実施を要請することも可能である。

0051

第二の例としては、電力系統運用者が需要家に対して余剰対策を要請した後に、該需要家が負荷シフトしたと判定された場合、該需要家に対して、該需要家への要請の対価としてのインセンティブを減額しない(つまりペナルティを課さない)ことや、インセンティブを増加させることや、該需要家への要請を今後も継続する(つまり該需要家へ今後もインセンティブを与える)ことを行ってもよい。

0052

上記の例では、過去(たとえば昨日)に行われた余剰対策の時間帯について負荷シフトを行ったかを判定したが、リアルタイムに判定する構成も可能である。つまり、余剰対策時間帯の間に、負荷シフトを行ったかを判定し、判定結果に基づき、上記のような利用形態に応じた動作を行うことも可能である。

0053

以上のように、電力系統運用者は、需要家が余剰エネルギを有効活用しているか否かを推定して、需要家に対して余剰エネルギの有効利用を促進することが可能となる。また、需要家間でのコスト(費用)の公平性を向上させることが可能となる。

0054

(第2の実施形態)
本実施形態では、基準消費量算出部14が基準消費量を算出するために用いる消費電力量の選択条件(図3のS101参照)について詳細に説明する。

0055

消費電力量の選択条件の一例としては、所定の時間帯の消費電力量を選択することが挙げられる。所定の時間帯とは、例えば、一時間毎(例:13時台、14時台、他)や数時間毎(例:12時〜15時、他)、一日、数日、一週間、一か月、数か月(季節)等、種々の時間間隔が考えられる。

0056

但し、消費電力量の選択条件としては、本願の趣旨に従い、需要家の負荷シフトを推定するのにふさわしい時間間隔で積算された消費電力量を選択することが好ましい。例えば、需要家の負荷シフトが最大一日程度のうちに行われるのであれば、一日程度もしくはそれより短い時間の消費電力量を選択するのが好ましい。

0057

また、消費電力量の選択条件として、基準電力量の趣旨に従い、デマンドレスポンスが発行されていない日の消費電力量を選択することが好ましい。これは、デマンドレスポンスが発行されていない日であれば、需要家が意図的に消費電力を減少させたり増加させたりする行動をとっている可能性が相対的に低いためである。

0058

さらに、消費電力量の選択条件として、所定の種類の日の消費電力量を選択することが考えられる。所定の種類の日は例えば、前年以前の同じ季節の日や、曜日(平日・土曜・日曜・祝祭日)、需要家の稼働日や不稼働日、需要家の在・不在が挙げられる。需要家の住居在宅・不在や、需要家の営業所の稼働・不稼働によって、需要家の消費電力量の特性が異なる可能性が高いため、このような事情を考慮すべく、所定の種類の日を区別して消費電力量を選択することが好ましい。

0059

加えて、消費電力量の選択条件として、所定の環境要因を条件に含めることが考えられる。所定の環境要因としては、例えば、需要家周辺外気温湿度雨量日照量などの環境値が、季節外れに異常に高い(多い)または低い(少ない)など、標準範囲に属さないことがある。このような日は、需要家の消費電力量の特性が異なる可能性が高い。そこで、季節外れであった日の値を除外して消費電力量を選択する、すなわち環境値が標準範囲に含まれる日の消費電力量を選択することが好ましい。

0060

さらに加えて、消費電力量の選択条件として、該需要家の複数の消費電力量の値のうち、平均値から大きく外れる値(いわゆる外れ値)を除外することが考えられる。これにより、需要家のエネルギ消費の行動が普段と異なる(例:来客時やイベント開催、エネルギ消費量に影響する点検工事)場合を考慮して、消費電力量の選択を行うことが可能となる。

0061

なお、基準消費量の算出に用いる消費電力量を選択する条件を、需要家に知られない方が好ましい。これは、需要家が消費電力量を意図的に減少または増大させてしまう可能性があるためである。

0062

(第3の実施形態)
本実施形態では、基準消費量算出部14が選択した消費電力量から基準消費量を算出するための算出条件(図3のS102参照)について詳細に説明する。

0063

基準消費量の算出条件としては、上述した選択条件に基づいて選択された需要家の消費電力量の値を、平均値や、中央値中間値最頻値などの統計量を算出することが挙げられる。例えば、上記選択条件に基づいて選択された消費電力量を基に、平均値を算出することが挙げられる。

0064

さらに、基準消費量の算出条件に種々の変形を加えることが考えられる。

0065

例えば、需要家がエネルギ負荷32となる機器を追加で使用し始めることで、平均的なエネルギ消費量が増加する場合は、基準消費量を調整するのが好ましい。調整の方式の例としては、基準消費量の算出を定期的に実施し、常に最新の基準消費量を負荷シフト判定に用いてもよいし、過去の複数の基準消費量の平均値(いわゆる移動平均値)を負荷シフト判定に用いてもよい。前者の方式の場合、常に最新の基準消費量での負荷シフト判定が可能となる点が好ましいが、一時的な需要家のエネルギ消費量の増減の影響を受け易い課題も生じうる。一方後者の方式の場合は、一時的な需要家のエネルギ消費量の増減の影響を緩和できるという点が好ましい。

0066

別の例では、一時的な気温高低などの環境要因が発生した場合にも、基準消費量を調整するのが好ましい。調整の方式としては、基準消費量の算出に用いた需要家のエネルギ消費量を計測した時間・期間の外気温と、負荷シフト判定に用いた該需要家のエネルギ消費量を計測した時間・期間の外気温とを比較し、それらの外気温の高低差に応じて、基準消費量またはエネルギ消費量を調整する。または、別の基準消費量として、負荷シフト判定の際の外気温に近い外気温の際(季節)に算出された基準消費量を適用する例が挙げられる。

0067

さらに、別の基準消費量の例として、他の需要家のエネルギ消費量の変化を加味することが考えられる。例えば他の需要家のエネルギ消費量が総じて増加または減少している場合は、該需要家の基準消費量もその増加の割合分だけ増加または減少させることが挙げられる。例えば、他の需要家のエネルギ消費量の履歴に基づき、対象期間のエネルギ消費量と、当該対象期間より過去の別の期間のエネルギ消費量との比率を計算する。過去の別の期間は、対象期間の前年度の同じ日、当該日に近い日、当該対象期間と環境条件が同じ日などがあり得る。当該計算した比率の平均、最頻値、中央値などの代表値を計算し、当該代表値の比率に応じて、該需要家の基準消費量を補正する。例えば当該比率を基準消費量に乗じることで補正する。ここでは、他の需要家のエネルギ消費量から計算したが、該需要家のエネルギ消費量も含めて計算してもよい。負荷シフト判定部では、補正された基準消費量を用いて、負荷シフトの判定を行う。

0068

なお、各実施形態におけるエネルギ管理システムは、例えば、汎用コンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、図1に記したシステムの全部または一部の機能は、上記のコンピュータ装置に搭載されたプロセッサにプログラムを実行させることにより実現することができる。このとき、該システムは、上記のプログラムをコンピュータ装置にあらかじめインストールすることで実現してもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶して、あるいはネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータ装置に適宜インストールすることで実現してもよい。また、エネルギ消費量データ蓄積部13および基準消費量データ蓄積部15は、上記のコンピュータ装置に内蔵あるいは外付けされたメモリハードディスクもしくはCD−R、CD−RW、DVD−RAM、DVD−Rなどの記憶媒体などを適宜利用して実現することができる。

0069

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

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