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技術 電力変換装置、協調制御方法およびプログラム

出願人 株式会社東芝
発明者 西林泰如伊瀬恒太郎坂本岳文東坂悠司青山育也
出願日 2013年8月30日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2013-180443
公開日 2015年3月16日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2015-050834
状態 特許登録済
技術分野 交流の給配電
主要キーワード 単位ボルト 結線確認 稼働性 周波数監視 内部フィードバック ひずみ波 電力インフラ 定格情報
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図面 (20)

課題

複数の異なる電力変換装置間で自律協調制御を各装置の特性を考慮して適正に行う。

解決手段

電力変換装置において、第1接続部および第2接続部は、複数の電力線のうちの第1の電力線および第2の電力線に接続し、電力変換部は、前記第1および第2接続部の一方から入力された電力を変換して他方から出力し、通信部は、他の電力変換装置と通信し、制御部は、前記通信部を用いて他の電力変換装置の電力属性情報通信属性情報を取得し、取得した電力属性情報と通信属性情報、および前記電力変換部の電力属性情報と前記通信部の通信属性情報とに基づき、前記複数の電力線のうちの少なくとも1つのある電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に対し入出力する電力量の配分に関する電力分担制御の主体となる電力変換装置と、前記電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に出力する電力の位相同期に関する電源位相制御の主体となる電力変換装置を決定する。

概要

背景

電力を変換するインバータユニット(電力変換装置)が通信機能を搭載し、複数の電力変換装置同士での電源位相や電力分担等の自律協調型制御を適用することで、運用の柔軟性を確保しながら、増設時や異常発生時を含めた自動での容量変更を実施するシステムを想定する。

このようなシステムでは、複数台の電力変換装置が、受電容量内での電力入出力を動的に配分する電力分担制御と呼ばれる機能を搭載することが考えられる。また、複数台の電力変換装置を並列的に運転させ、電力の出力増を図る用途において、電源位相制御と呼ばれる機能を搭載することが考えられる。

電源位相制御の機能とは、交流側出力における横流(起電力の差によって流れる無効横流、起電力の位相差によって流れる同期横流、起電力の波形差によって流れる高調波横流)の発生を防止することである。この場合、複数の電力変換装置同士間で制御権主体の決定、すなわち、マスター(制御主体の装置)/スレーブ(被制御主体の装置)を決定した上で、マスターがスレーブに電源位相のための電力情報同期情報(時刻同期情報周波数情報)を指示することが、電力入出力のスループット増に有用となる。同一の電力線に3台以上の電力変換装置が接続する場合は、各装置の計画値に対する個別の実績値の認識は、電力線の情報のみでは困難となるため、通信制御を用いて電力情報を交換し、マスターにスレーブが同期する。

従来、マスター/スレーブの役割が固定的に設定された複数インバータが、光通信線による同期を用いて電源位相に相当する並列運転を実現する方法が開示されている。また、機器がシステムに接続した際、機器情報を、通信を用いサーバ通知することで、機器を監視制御するサーバのソフトウェアを動的に設定する方法が開示されている。

複数の電力変換装置間でマスター/スレーブの役割を動的に決定する場合、初期設置時や異常発生時、各装置は各々別個に動作するため、電力を制御(分担制御、位相制御)する論理構成の情報の各装置での一致を考慮しないと、システム内に複数のマスターが存在した状態で運転が開始される等の状況が発生しうる。この場合、どの電力変換装置からの同期情報を受信して動作すればよいかの判断を一元化させることが困難となるため、電源位相の機能が正しく動作しない課題がある。また、電源位相のための同期情報の発信主体の決定についても実際の設置状態を考慮しないと、高い精度での位相同期が実現出来ない課題がある。従来の技術では、こうした課題を解決することが出来なかった。

概要

複数の異なる電力変換装置間で自律協調制御を各装置の特性を考慮して適正に行う。電力変換装置において、第1接続部および第2接続部は、複数の電力線のうちの第1の電力線および第2の電力線に接続し、電力変換部は、前記第1および第2接続部の一方から入力された電力を変換して他方から出力し、通信部は、他の電力変換装置と通信し、制御部は、前記通信部を用いて他の電力変換装置の電力属性情報通信属性情報を取得し、取得した電力属性情報と通信属性情報、および前記電力変換部の電力属性情報と前記通信部の通信属性情報とに基づき、前記複数の電力線のうちの少なくとも1つのある電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に対し入出力する電力量の配分に関する電力分担制御の主体となる電力変換装置と、前記電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に出力する電力の位相同期に関する電源位相制御の主体となる電力変換装置を決定する。6

目的

電源位相制御の機能とは、交流側出力における横流(起電力の差によって流れる無効横流、起電力の位相差によって流れる同期横流、起電力の波形差によって流れる高調波横流)の発生を防止することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

複数の電力線のうちの第1の電力線に接続する第1接続部と、前記複数の電力線のうちの第2の電力線に接続する第2接続部と、前記第1および第2接続部の一方から入力された電力を変換して他方から出力する電力変換部と、他の電力変換装置通信する通信部と、前記通信部を用いて他の電力変換装置の電力属性情報通信属性情報を取得し、取得した電力属性情報と通信属性情報、および前記電力変換部の電力属性情報と前記通信部の通信属性情報とに基づき、前記複数の電力線のうちの少なくとも1つのある電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に対し入出力する電力量の配分に関する電力分担制御の主体となる電力変換装置と、前記電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に出力する電力の位相同期に関する電源位相制御の主体となる電力変換装置を決定する制御部と、を備えた電力変換装置。

請求項2

前記制御部は、前記電力線に対して電源位相制御を行うか否かをあらかじめ決められた条件に基づき判定し、行わないと決定した場合は、前記電源位相制御の主体となる電力変換装置の決定を行わない、請求項1に記載の電力変換装置。

請求項3

前記制御部は、前記電力線に接続される電力変換装置が外部から位相同期用のリファレンス信号受信可能である場合は、前記電源位相制御を行わないと決定する請求項1に記載の電力変換装置。

請求項4

前記制御部は、前記電力線に接続されている電力変換装置群が直流電力を前記電力線に入出力する場合は、前記電源位相制御を行わないことを決定する請求項1に記載の電力変換装置。

請求項5

前記通信部は、前記電源位相制御用同期情報を通信する同期通信部と、前記同期情報と異なる情報を通信する汎用通信部とを備え、前記通信属性情報として、前記同期通信部の通信属性情報および前記他の電力変換装置の同期通信部の通信属性情報を用いる請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電力変換装置。

請求項6

前記制御部は、前記通信属性情報として、前記他の電力変換装置および前記同期通信部が、集中型通信および分散型通信のどちらの通信を実行するかに基づき前記電源位相制御の主体となる電力変換装置を決定する請求項5に記載の電力変換装置。

請求項7

前記制御部は、前記他の電力変換装置および前記同期通信部が前記分散型通信を行う場合に、それぞれが接続可能な電力変換装置の台数に応じて前記電源位相制御の主体となる電力変換装置を決定する請求項6に記載の電力変換装置。

請求項8

前記制御部は、前記他の電力変換装置および前記同期通信部が前記分散型通信を行う場合に、それぞれが他の電力変換装置から受信する信号の強度に応じて前記電源位相制御の主体となる電力変換装置を決定する請求項6に記載の電力変換装置。

請求項9

前記制御部は、前記他の電力変換装置および前記同期通信部が前記集中型通信を行う場合に、前記他の電力変換装置および前記同期通信部を備える前記電力変換装置が、基地局か子局のいずれの役割を担うかに応じて前記電源位相制御の主体となる電力変換装置を決定する請求項6に記載の電力変換装置。

請求項10

前記制御部は、前記他の電力変換装置および前記同期通信部を備える前記電力変換装置のうち、前記基地局の役割を担う電力変換装置を前記電源位相制御の主体となる電力変換装置に決定する請求項9に記載の電力変換装置。

請求項11

前記制御部は、前記電力分担制御の主体を前記電源位相制御の主体となる電力変換装置に一致させる請求項10に記載の電力変換装置。

請求項12

複数の電力線のうちの第1の電力線に接続する第1接続部と、前記複数の電力線のうちの第2の電力線に接続する第2接続部と、前記第1および第2接続部の一方から入力された電力を変換して他方から出力する電力変換部と、他の電力変換装置および電力計測装置のうち少なくとも前記他の電力変換装置と通信する通信部と、前記通信部を用いて他の電力変換装置の電力属性情報を取得し、取得した電力属性情報および前記電力変換部の電力属性情報に基づき、前記複数の電力線のうちの少なくとも1つのある電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に対し入出力する電力量の配分に関する電力分担制御を行う主体となる電力変換装置を決定する制御部と、を備え、前記電力分担制御の主体となる電力変換装置は前記電力計測装置の計測情報を前記電力計測装置との通信または他の電力変換装置との通信を介して収集し、前記計測情報に基づき前記電力分担制御を行う、電力変換装置。

請求項13

一方の電力線から入力された電力を変換して他方の電力線から出力する複数の電力変換装置を相互接続する複数の電力線のうちのある1つの電力線に接続された電力変換装置群について、電力属性情報と通信属性情報を取得するステップと、取得した電力属性情報と通信属性情報に基づき、前記電力線に対し入出力する電力量の配分に関する電力分担制御の主体となる電力変換装置と、当該電力線にされた電力変換装置群が前記電力線に出力する電力の位相同期に関する電源位相制御の主体となる電力変換装置とを決定するステップを備えた、協調制御方法

請求項14

一方の電力線から入力された電力を変換して他方の電力線から出力する複数の電力変換装置を相互接続する複数の電力線のうちのある1つの電力線に接続された電力変換装置群の電力属性情報を取得するステップと、前記電力属性情報に基づき、前記電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に対し入出力する電力量の配分に関する電力分担制御を行う主体となる電力変換装置を決定するステップと、前記電力分担制御の主体となる電力変換装置が前記電力計測装置の計測情報を前記電力計測装置との通信または他の電力変換装置との通信を介して収集し、前記計測情報に基づき前記電力分担制御を行うステップと、を備えた協調制御方法。

請求項15

請求項13または14に記載のステップをコンピュータに実行させるためのプログラム

技術分野

0001

本発明の実施形態は、電力変換装置協調制御方法およびプログラムに関する。

背景技術

0002

電力を変換するインバータユニット(電力変換装置)が通信機能を搭載し、複数の電力変換装置同士での電源位相や電力分担等の自律協調型制御を適用することで、運用の柔軟性を確保しながら、増設時や異常発生時を含めた自動での容量変更を実施するシステムを想定する。

0003

このようなシステムでは、複数台の電力変換装置が、受電容量内での電力入出力を動的に配分する電力分担制御と呼ばれる機能を搭載することが考えられる。また、複数台の電力変換装置を並列的に運転させ、電力の出力増を図る用途において、電源位相制御と呼ばれる機能を搭載することが考えられる。

0004

電源位相制御の機能とは、交流側出力における横流(起電力の差によって流れる無効横流、起電力の位相差によって流れる同期横流、起電力の波形差によって流れる高調波横流)の発生を防止することである。この場合、複数の電力変換装置同士間で制御権主体の決定、すなわち、マスター(制御主体の装置)/スレーブ(被制御主体の装置)を決定した上で、マスターがスレーブに電源位相のための電力情報同期情報(時刻同期情報周波数情報)を指示することが、電力入出力のスループット増に有用となる。同一の電力線に3台以上の電力変換装置が接続する場合は、各装置の計画値に対する個別の実績値の認識は、電力線の情報のみでは困難となるため、通信制御を用いて電力情報を交換し、マスターにスレーブが同期する。

0005

従来、マスター/スレーブの役割が固定的に設定された複数インバータが、光通信線による同期を用いて電源位相に相当する並列運転を実現する方法が開示されている。また、機器がシステムに接続した際、機器情報を、通信を用いサーバ通知することで、機器を監視制御するサーバのソフトウェアを動的に設定する方法が開示されている。

0006

複数の電力変換装置間でマスター/スレーブの役割を動的に決定する場合、初期設置時や異常発生時、各装置は各々別個に動作するため、電力を制御(分担制御、位相制御)する論理構成の情報の各装置での一致を考慮しないと、システム内に複数のマスターが存在した状態で運転が開始される等の状況が発生しうる。この場合、どの電力変換装置からの同期情報を受信して動作すればよいかの判断を一元化させることが困難となるため、電源位相の機能が正しく動作しない課題がある。また、電源位相のための同期情報の発信主体の決定についても実際の設置状態を考慮しないと、高い精度での位相同期が実現出来ない課題がある。従来の技術では、こうした課題を解決することが出来なかった。

0007

特開2003-348851号公報

先行技術

0008

電力中央研究所報告:報告書番号:R10023「設備保全システムプラグアンドプレイ方式-センサ設置に伴うソフトウェア設定の簡素化-」

発明が解決しようとする課題

0009

上述したように、従来技術では、電力変換装置間の役割が固定的に定められており、装置の初期設置時や運転開始後の異常発生時に、電力分担制御と電源位相制御の論理構成管理と役割決定を動的に行い、運用の柔軟性を確保しながら電力入出力のスループットを増加させる方法について開示されていなかった。特に、複数の電力変換装置の協調動作時は、実際に設置されたシステム構成を考慮した役割決定が必要である。

0010

本発明の実施形態は、複数の異なる電力変換装置間で自律協調制御を各装置の特性を考慮して適正に行うことを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の一態様としての電力変換装置は、第1接続部と、第2接続部と、通信部と、制御部とを備える。

0012

前記第1接続部は、複数の電力線のうちの第1の電力線に接続する。

0013

前記第2接続部は、前記複数の電力線のうちの第2の電力線に接続する。

0014

前記電力変換部は、前記第1および第2接続部の一方から入力された電力を変換して他方から出力する。

0015

前記通信部は、他の電力変換装置と通信する。

0016

前記制御部は、前記通信部を用いて他の電力変換装置の電力属性情報通信属性情報を取得し、取得した電力属性情報と通信属性情報、および前記電力変換部の電力属性情報と前記通信部の通信属性情報とに基づき、前記複数の電力線のうちの少なくとも1つのある電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に対し入出力する電力量の配分に関する電力分担制御の主体となる電力変換装置と、前記電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に出力する電力の位相同期に関する電源位相制御の主体となる電力変換装置を決定する。

図面の簡単な説明

0017

本発明の実施形態に係わる全体のシステム構成図。
本発明の実施形態に係わる蓄電池/自然エネルギーのシステム構成図。
本発明の実施形態に係わるEVのシステム構成図。
本発明の実施形態に係わる複数の電力変換装置によるシステム構成図。
本発明の実施形態に係わる複数の電力変換装置によるシステム構成図。
本発明の実施形態に係わる電力変換装置の装置構成図。
本発明の実施形態に係わる複数の電力変換装置の全体動シーケンス図。
本発明の実施形態に係わる複数の電力変換装置の構成管理シーケンス図。
本発明の実施形態に係わる電力変換装置の状態遷移図。
本発明の実施形態に係わる電力変換装置の電力制御処理の概略図。
本発明の実施形態に係わる電力変換装置の構成管理情報図。
本発明の実施形態に係わる電力変換装置の構成管理情報図。
本発明の実施形態に係わる電力変換装置の構成管理内部動作フロー図。
本発明の実施形態に係わる電力変換装置の構成管理内部動作フロー図。
本発明の実施形態に係わる複数の電力変換装置の電源位相に関する概略図。
本発明の実施形態に係わる複数の電力変換装置の電源位相に関する概略図。
本発明の実施形態に係わる複数の電力変換装置の電源位相に関する概略図。
本発明の実施形態に係わる複数の電力変換装置の電源位相に関する概略図。
本発明の実施形態に係わる複数の電力変換装置の電源位相に関する概略図。
本発明の実施形態に係わる複数の電力変換装置の電源位相に関する概略図。
本発明の実施形態に係わる電力変換装置とスマートメータとの連携動作図。
本発明の実施形態に係わる電力変換装置とスマートメータとの連携動作図。
本発明の実施形態に係わる電力変換装置とスマートメータとの連携動作図。
本発明の実施形態に係わる広告通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる探索要求の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる探索応答の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる構成情報書き込み要求の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる構成情報書き込み応答の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる構成情報読み込み要求の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる構成情報読み込み応答の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる電力結線確認要求の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる電力結線確認応答の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる制御指令の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる同期通信の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わる制御状態の通信メッセージ構成例。
本発明の実施形態に係わるスマートメータの通信メッセージ構成例。

実施例

0018

本発明の実施形態において、電力変換装置は、電力分担制御に関するマスター/スレーブを決定するための「電力属性情報」、電源位相制御の同期に関するマスター/スレーブを決定するための「通信属性情報」、各装置間で決定したマスター/スレーブの主従関係表現する「構成管理情報」を記憶すると共に、これらの情報を元に、複数台の電力変換装置における動的な自律協調制御を実施する。これによって、柔軟性と稼働性を確保しながら、電力入出力スループットの増加を実現することが可能となる。以下、本発明の実施形態の詳細について説明する。

0019

図1に本発明におけるシステム構成の全体概要提示する。電力インフラ側には、発電所(給電指令所)11、自然エネルギー源 (太陽光発電システム風力発電システム水力発電システム等からなるエネルギー源)12、蓄電池システム13、EMS(Energy Management System)14が設置されている。

0020

また、家庭ビル等の需要家側には、スマートメータ21、35、蓄電池システム22、32、EV(Electric Vehicle)システム23、需要家側EMS24、34等が設置されている。また、太陽光発電(PV: Photovoltaic)や風力発電等の自然エネルギー源25も設置されている。家庭用の需要家側EMSはHEMS(Home Energy Management System)、ビル用の需要家側EMSはBEMS(Building Energy Management System)、工場用の需要家側EMSはFEMS(Factory Energy Management System)として、需要家内電力監視制御を実施する。自然エネルギー源12、25、蓄電池システム13、22、32には、入出力電力を変換(直流/交流、直流/直流)するインバータ(電力変換装置)P1、P4、P2、P5、P3が接続されている。

0021

発電所(給電指令所)11は、火力原子力等の燃料源によって大容量の電力を生成し、送配電網を通じて家庭やビル、工場等の需要家側に供給する。本発明の実施形態では発電所11から需要家に至る送配電網を総称して、電力インフラ(電力系統網)と呼ぶ。自然エネルギー源12は、風力太陽光といった自然界に存在するエネルギーを元に電力を生成する発電装置を有し、発電所と同様に送配電網を通じて電力系統網から需要家に電力を供給する。自然エネルギー源を電力系統網に設置することで、発電所の負担を減らして効率的に運用させることが出来る。この中で蓄電池システム13は、発電所11や自然エネルギー源12が生成した余剰電力貯蔵する役割を持つ。また、EMS14は、こうした発電所11や自然エネルギー源12の供給電力と、需要家側で消費する負荷電力を含めた電力システム全体の安定化を、電力網及び通信網双方を活用して制御する役割を担当する。

0022

スマートメータ21、35は、需要家側の構内で消費された電力量を計測し、周期的に電力事業者管理サーバに通知する。一般に当該管理サーバはMDMS(Metering Data Management System)と呼ばれるが、図1中では図示を省略している。前述のEMS14はMDMSと連携し、需要家側の負荷電力の総量を算出することが出来る。需要家の構内に設置された蓄電池システム32、22は、電力事業者の系統網から供給された電力、あるいは構内の自然エネルギー源が生成した電力を貯蔵する。EVシステム23は充電器を介して、車載電池に電力を貯蔵する。HEMSは家庭内電力消費量を、BEMSはビルや工場内の電力消費量を監視制御する。本発明の実施形態は家庭だけではなく、前述したように、ビルや工場においても同様に実施出来る。この場合、ビル構内ではBEMS、工場ではFEMS(Factory Management System)と呼ばれる需要家側EMSが構内の電力消費量を監視制御する役割を担当することになる。

0023

電力事業者の系統側の蓄電池システムの用途としては、系統の周波数電圧などの電力の品質を維持するために、瞬間的な負荷変動に応じて秒単位出力調整を行い、系統を安定させるアンシラリーサービス(短周期制御)と呼ばれる機能実現のために蓄電池システムが活用される。また、家庭やビル等の需要家側の蓄電池システムの用途として、単価の安い夜間電力を貯蔵することで、昼間の電力利用が集中する時間帯融通を行うピークシフト(日間運用)と呼ばれる機能実現のために活用されることもある。電力変換装置P1〜P5は、蓄電池システム又は自然エネルギー源が入出力する直流電力と、電力系統網の交流電力の間の電力の変換を行う。

0024

図2及び図3に本発明の電力変換装置の図1の実施形態に関わる基本システム構成を示す。これらは図1のシステム構成を詳細化したものである。図2に蓄電池システム及び自然エネルギーシステムの構成詳細、図3にEVシステムの構成詳細を提示する。蓄電池システム内の蓄電池は、充電放電の双方を行い、風力や太陽光発電等の自然エネルギーの発電装置(蓄電池(BMU)部分に相当)は、放電のみを実施できる特徴がある。

0025

図2の蓄電池システム/自然エネルギー源は、通信網および電力網44を介してEMS45に接続されている。EMS45は、系統側のEMSでも、需要家側のEMSでもよい。蓄電池システム/自然エネルギー源は、蓄電池(BMU: Battery Management Unit)42又は発電装置と、電力変換装置43で構成される。電力変換装置43は、インバータやコンバータPCS(Power Conditioning System)と呼ばれるもので、電力の入出力の変換や電圧量の調整の役割を担当する。

0026

蓄電池(BMU)42は、複数の電池セルに加え、電池パック内部の状態を管理する内部プロセッサを備え、電力変換装置43からの要求に基づき電力の充放電制御を実施する。蓄電池(BMU)42は制御部に対して、定格電圧充放電時の最大電流値充電率(SOC: State Of Charge)、寿命率(SOH: State Of Health)といった情報を通知する。

0027

図2の例では、電力変換装置43は、蓄電池42との間では直流の電力を、電力系統網44との間では交流の電力をやり取りする。電力変換装置43は、直流/交流変換電圧変動抑制を行うが、それらの機能は、装置外部に接続したプロセッサで実現することも考えられる。

0028

また、蓄電池(BMU)42と電力変換装置43間の充放電制御及び情報通知は、CAN(Controller Area Network)を用い実現する形態、イーサネット等の有線通信媒体、あるいは無線LAN(Local Area Network)等の無線通信媒体、更に、製品販売するベンダが独自定義した電気信号線を用いて実現する方法が考えられるが、本発明の実施形態はいずれかの通信手段で限定されるものではない。

0029

図2の蓄電池システムにおける電力変換装置43は、通信機能を備え、電力系統網又は需要家構内に設置された各種EMS45と通信する。一般に蓄電池は自然放電する特徴を備えることから、EMS45は蓄電池システムから、SOCやSOH等の情報を取得することで、時々刻々と変化する状態を適切に監視し、充放電制御の指示を行うことが出来る。

0030

尚、電力変換装置を介した電力入出力を、充放電と表記する場合もある。また、蓄電池(BMU)42のかわりに、風力や太陽光発電等の自然エネルギーの発電装置を適用する場合は、基本的に電力変換装置は電力出力のみを行うため、この場合の用途においては、電力変換装置を介した電力出力は放電と表記する場合もある。複数の電力変換装置で構築された電力システムでは、電力変換装置が電力の入出力の流量をスイッチする役割を担うが、図4で詳細に説明する。

0031

図3のEVシステムは、図2の蓄電池システム/自然エネルギーと類似した構成であるが、蓄電池52に接続して動作する第1の電力変換装置53の他に、充電器として動作する第2の電力変換装置54が存在する点が異なる。EVシステム51は、通信網および電力網55を介してEMS56に接続されている。

0032

図3のEVシステム51における蓄電池52に接続した第1の電力変換装置53は、蓄電池(BMU)52と第2の電力変換装置(充電器)54間の電力及び通信情報中継する。この場合、第1の電力変換装置53は、電力系統網上又は需要家構内の各種EMS56と通信するための通信能力を必ずしも有する必要はない。すなわち、図2の蓄電池システムにおける電力変換装置における交流/直流の変換機能は、図3の例では第2の電力変換装置54である充電器側移行する点が異なる。図3の構成では、第1の電力変換装置53は直流/直流変換、第2の電力変換装置54は直流/交流変換を実施する。

0033

だが、本発明の実施形態を実現するための具体的手順は、図2及び図3双方で共通である他、EVシステムの役割を、蓄電池システムと同様の役割に定義することが出来る。また、蓄電池(BMU)52に対する充放電に係わるアルゴリズム制御は、第1の電力変換装置53に集約する形態、第2の電力変換装置(充電器)54に集約する形態、需要家構内のHEMS/BEMS、電力系統のEMSに集約する形態等複数あるが、いずれの形態を用いても本発明の実施形態は同様の枠組みで実現することが可能である。

0034

図2及び図3の例に加えて、本発明の実施形態に係る電力変換装置は、図4に示すように複数の電力変換装置同士を組み合わせる構成にも適用することが出来る。例えば、複数の蓄電池(及び/または自然エネルギーの発電装置)を組み合わせて、電力ユニット論理的な集合体を形成する場合、同集合体には、ローカルコントローラ、電力変換装置(AC/DC、DC/DC)、蓄電池(及び/または発電装置)等が1つまたは複数含まれる。図示の例では、同集合体となる電力システムにおいて、電力変換装置(AC/DC)63, 63−1〜63−α、電力変換装置(DC/DC)64、64−1〜64−β、蓄電池66、66−1〜66−β等が含まれ、電力網および通信網を介して接続されている。電力変換装置(AC/DC)63, 63−1〜63−αは通信網を介してローカルコントローラ62に接続され、ローカルコントローラ62はさらにEMS68および表示端末69に接続されている。

0035

この場合、外部のEMS68/ローカルコントローラ62(ローカルコントローラ自体は省略可)と電力変換装置間は、図2や図3の例に相当し、有効電力/無効電力の制御等の電力アプリケーションを実現することが出来る。これに加え、複数の電力変換装置で連携動作をする場合は、複数台の電力変換装置を並列的に運転させると、電力の出力増を図ることが出来る。

0036

図4の例では、交流側に接続した電力変換装置(AC/DC)の個々の入出力電力の定格が、AkW(キロワット)だとして、1+α個並列運転させることでA×(1+α)kWに出力を増設し、電力分担制御や電源位相制御と呼ばれる電力アプリケーション機能を実現することが出来る。電力分担は受電容量内での入出力電力量を動的に配分することで実現される。

0037

電源位相制御は、交流側出力における横流(起電力の差によって流れる無効横流、起電力の位相差によって流れる同期横流、起電力の波形差によって流れる高調波横流)発生を防止することで実現されるが、このためには、並列動作する複数の電力変換装置間で、並列運転の同期元となる装置を識別するための制御主体の決定(マスター/スレーブ決定)を行わないと正しく同期が取れない課題がある。

0038

具体的には、例えば、電力系統網のような大きな電力信号に接続する場合、電力変換装置は特に通信網を介して同期のための情報を交換する必要はなく、電力の特性から当該電力網の信号に徐々に同期する特徴があるが、停電時のように、入出力する電力量の規模が同程度で複数台が一斉に動作する場合は、どこに同期するかの情報を、通信網を介してやり取りしないと、電力変換装置のユーザーが意図した電力入出力が行われない課題がある。

0039

3台以上の電力変換装置が接続した場合、各装置の計画値に対する実績値の認識は、電力線の情報のみでは困難となるため、通信線の情報を用いてマスターに同期することが必須である。一方、直流側に接続した電力変換装置(DC/DC)は、入出力する電力が直流であるため、電源位相のように同期を取ることはない。しかし、複数台による電力増や電力分担等の電力アプリケーション機能を実現する場合は、電源位相制御と同様に、制御主体を決定(マスター/スレーブ決定)の後、配分量の選択(充放電する蓄電池を選択等)を行う。電力変換装置又はローカルコントローラに、表示端末69を通信網を介して接続させることで、データモニタや異常通知、パラメータ調整の電力アプリケーションを実現出来る。

0040

尚、前述のように、電力系統網側では、瞬間的な負荷変動に対応するために、各々の蓄電池がアンシラリーサービスと呼ばれる機能に対応する仕組みが一般的にある。この場合、発電所に匹敵する大規模の蓄電容量を確保する必要があることから、図4のような、電力変換装置に接続された蓄電池/自然エネルギー発電装置の集合体を活用することが有用である。

0041

需要家側でも、単価の安い夜間電力を貯蔵することで昼間の電力利用が集中する時間帯の融通を行うために、ピークシフトと呼ばれる仕組みを持つことが一般的にある。需要家側に一定のインセンティブを与える条件の下、電力事業者が需要家側に設置された蓄電池や自然エネルギーの電力を利用するという活用形態も有用である。

0042

こうした種々の利用形態によっては、制御主体と被制御主体が各々複数存在する可能性もありうるため、マスター/スレーブの決定手順を適用して、監視制御のコンフリクトを回避することが必要になる。

0043

図5A、図5B、図5C、図5Dに、本発明の実施形態における複数の電力変換装置の活用に焦点を当てた4種類の電力アプリケーション機能を提示する。

0044

図5Aは、「自律協調:受電容量内での電力分担」、図5Bは「自律協調:複数電源同期運転(電源位相)」、図5Cは「自律協調:ブラックアウト時の自立運転」、図5Dは「EMS連携:有効電力/無効電力の監視制御」を示している。これらは、図4における構成図をアプリケーション機能の観点と、設置構成の観点から整理し直したものである。

0045

図5Aに示すように、電源/負荷に接続した複数の電力変換装置(AC/DC)が電力を直流側/交流側に入出力する場合は電力分担制御、直流側のみの接続を持ち、電源に接続した複数の電力変換装置(DC/DC)が電力出力する場合(図4参照)も電力分担制御の範囲になる。図5Aの例では、各電力変換装置は電力系統に接続され、電力系統が正常に機能しているため、電源位相制御は不要である。この場合、電源位相制御のマスターは不要であり、電力分担制御のマスターのみ決定すればよい。

0046

一方図5Bに、電源に接続した複数の電力変換装置(AC/DC)が交流系に交流電力を並列出力する場合に電力分担制御に加えて、電源位相制御を行う場合を示している。この例では、電力系統がブラックアウトした場合は、工場内等の構内で図示の電力システムを動かす場合を想定している。この場合、電力分担制御のマスターとともに、電源位相制御のマスターも決めることで、各電力変換装置の出力波形を合わせることで、横流の発生を防ぐ必要がある。

0047

一方、図5Cおよび図5Dのように、複数の電力変換装置を階層状に接続する構成も考えうる。複数の電力変換装置(DC/DC)を束ねて電量変換装置(AC/DC)に接続している。電力変換装置(AC/DC)は電力系統(系統電源)に接続されている。ここで、図5Cのように、EMSを用いずに電力変換装置同士でやり取りして自律協調動作を行う場合と、図5Dのように、EMSを用いて集中制御の監視制御をする場合がある。本発明の実施形態では図5A、図5B、図5Cの例のような、EMSを用いない構成を自律協調型の監視制御と定義する。

0048

図6に本発明の実施形態における電力変換装置の構成例を提示する。前述のように電力変換装置は、図2の蓄電池システム/自然エネルギー源において、蓄電池(BMU)又は発電装置と接続する電力変換装置に対応する。あるいは、図3のEVシステムにおいて蓄電池(BMU)と接続する第1の電力変換装置、充電器に接続する第2の電力変換装置に対応する。この他、図4及び図5における各々の電力変換装置に同様に対応する。

0049

図6の電力変換装置は、電力入力部71、電力変換部72、電力出力部73、情報記憶部74、自律協調制御部75、通信部76、アンテナ77を備える。通信部76は、汎用通信部76aと同期通信部76bとを含む。図示の例では通信部76はアンテナ77を用いて無線通信を行う構成であるが、汎用通信部76aと同期通信部76bは、無線通信ではなく、銅線などの有線通信を行う構成でもよい。特に同期通信部76bは光ファイバ等の光通信を行う構成でもよい。汎用通信部76aと同期通信部76bを分けずに、1つの機能の通信部の構成としてもよい。図6の構成の一部又は、全ては電力変換装置上の適用に限定されることはなく、EMSやローカルコントローラ等にも同様に適用し実施可能である。

0050

電力入力部71、電力変換部72、電力出力部73の役割は、具体的には、直流/交流、直流/直流や交流/交流の電力変換、電力の周波数監視と調整、電圧の変動検出と調整等の役割を担当する。電力入力部71、電力出力部73は各々複数存在する構成の他、各々1つ存在する構成が考えられる。実際の実施においては、電力変換装置は、蓄電池(BMU)や自然エネルギーの発電装置からの電力を電力入力部71に入力させる場合と、電力系統網からの電力を電力入力部71に入力させる場合がある。また、電力入力部71から入力した電力は直流/交流、直流/直流や交流/交流の電力変換を施した後、電力出力部73から出力するが、電力入力部71と電力出力部73は、各々物理的に別個の電力回路として用意する構成の他、物理的に同じ回路で共通して用意する形態もある。本発明の実施形態は、特定の形態に依存するものではない。

0051

また、本発明の実施形態において、蓄電池(BMU)や発電装置の電力入出力時(充放電時)の電力量は、単位ワット時間(Wh: Watt hour)で示される電力量の他に、単位アンペア時間(Ah: Ampere hour)で示される電流量単位ボルト時間で示される電圧量(Vh: Volt hour)、又は瞬時電力量W等で表現が出来る。

0052

情報記憶部74は、電力属性情報、通信属性情報、構成管理情報の大きく3種類の情報を記憶する。電力属性情報は、電力分担制御のマスター/スレーブを決定する際に用いる情報である。通信属性情報は、電源位相制御のマスター/スレーブ(位相同期の発信元等)を決定する際に用いる情報である。構成管理情報は、装置間で決定したマスター/スレーブの主従関係を表現する情報である。当該記憶部に格納する情報はこれら3種類に限定されるものではない。

0053

構成管理情報の例を図11および図12に示す。図11は装置単位の構成管理情報、図12はシステム全体の構成管理情報である。各装置とも、図11および図12の構成管理情報を記憶する。マスターおよびスレーブの決定処理が行われた時点ですべての項目確定され、その後も状況に応じて随時更新され得る情報である。

0054

図11に提示するように、構成管理情報は、「ユニット番号」、「ユニット種別」、「通信結線」、「電力結線」、「電力分担制御マスター/スレーブ」、「電源位相制御マスター/フレーブ」の複数の情報で構成される。

0055

ユニット番号は、各装置のユニークなコード(製造番号等)を示すための情報である。この情報に関連付けて、電力変換装置が電力結線の把握時に、電力線に対して印加/検出する電気信号の値を管理することも出来る。

0056

ユニット種別は、EMS、ローカルコントローラ、電力変換装置等のシステム内に存在する装置の電力属性を表現するもので、EMS、INV(AC/DC):蓄電池、INV(AC/DC):太陽光、INV(AC/DC)、INV(DC/DC):蓄電池、INV(DC/DC):太陽光、INV(DC/DC)、スマートメータに区分される。これらは、後述するように、電力分担制御のマスターの優先度順に並べられている。ユニット種別は、電力分担制御のマスター/スレーブを決定する際に用いる情報である電力属性情報に対応する。

0057

INV(AC/DC)は、交流および直流間の変換を行う電力変換装置、すなわち、電力変換装置(AC/DC)と同義である。INV(DC/DC)は、直流間の変換を行う電力変換装置、すなわち、電力変換装置(DC/DC)と同義である。INV(AC/DC):蓄電池は、蓄電池に接続された電力変換装置(AC/DC)と同義であり、INV(AC/DC):太陽光は、太陽光発電装置に接続された電力変換装置(AC/DC)と同義である。INV(DC/DC):蓄電池は、蓄電池に接続された電力変換装置(DC/DC)と同義であり、INV(DC/DC):太陽光は、太陽光発電装置に接続された電力変換装置(DC/DC)と同義である。

0058

このように、ユニット種別には、電力変換装置の電力変換の機能の情報だけではなく、当該電力変換装置に蓄電池や発電装置が接続しているか否かの情報を判別するための情報を含む。こうした情報は、電力変換装置に電源や負荷が接続した際にイーサネットやCAN、RS-232/RS-485等の通信手段を用いて取得することが考えられるが、出荷時に固定で設定する場合も考えられる。

0059

「通信結線」は、同一通信ブロードキャストドメイン上の装置(群)の情報、「電力結線」は、同一母線上の装置(群)の情報である。

0060

「電力分担制御マスター/スレーブ」は、電力分担制御に関するマスター(制御主体となる装置)、スレーブ(被制御の装置)の識別情報である。

0061

「電源位相制御マスター/スレーブ」は、電源位相制御に関するマスター(制御主体となる装置)、スレーブ(被制御の装置)の識別情報である。

0062

ここで、「電力結線」の情報の設定については、
・「作業員による表示端末を用いた手動入力と確認」
・「電力変換装置間の自動認識方法(特定の電気信号の出力について、通信を交えながら電力線上の挙動を確認)」
・「自動認識及び手動入力の中間(例えば同じ時間区間に作業員からの特定の操作によって特定の状態に移行した電力変換装置を、同一母線上に位置すると認識)」
等の複数の可能性がある。本発明の実施形態は特定の方法に依存するものではない。

0063

電力結線情報の検出の自動処理について更に詳細に説明すると、電力面通信面結線関係を確認する際、どこまで作業員の手を使わずに自動で実現出来るかは運用基準、システム構成による。

0064

たとえばシステム構成として、交流系の電力線上に電力変換装置を並列に並べた場合、交流系が電力系統である場合は、ブラックアウト等の異常時を除き常に通電状態にある。このことから、電力面の結線関係を確認するために、電力変換装置が電力線に電気信号を印加する方法ではなく、交流側から読み取った電圧/周波数等の情報を通信制御で相互に交換して、それぞれが読み取った値が所定の閾値にある場合に、同一の電力母線上にあると判断することが出来る。

0065

一方、交流系から直流系までツリー状に装置を並べたシステム構成の場合は、内側の直流系には通常運転開始までの間通電されていないことから、電力変換装置同士が電力線への電気信号の印加を相互に行い、電力線から所定の信号を検出した場合に、同一の電力母線上にあると判断することが出来る。

0066

また、作業員の手順を全て自動処理に置き換えることが難しい場合は、手動での確認を終えた後の、作業手順の再確認として一部の自動処理の結果を提示する等の応用も考えられる。上述の手動確認とは、作業員が個別に目視設計図等を用いて個別の接続関係を確認して電力変換装置に入力する方法を意味する。

0067

ここで、電力分担制御のマスター/スレーブの判定方法を説明する。電力分担制御のマスター/スレーブの決定は、ユニット種別に応じた優先度に基づいて行う。

0068

電力属性情報であるユニットの種別を電力変換装置間で相互に通信し、交流系への接続有り、蓄電池/太陽光等の電源系の収容有りを優先する。例えば、EMS>>INV(AC/DC):蓄電池>>INV(AC/DC):太陽光>>INV(AC/DC)>>INV(DC/DC):蓄電池>>INV(DC/DC):太陽光>>INV(DC/DC) >>スマートメータの順で、優先度が高くなるように、決定基準重みづけを行う。マスター/スレーブ決定における交流系への接続有りと電源系の収容有りの優先度は、組み替えることも出来る。INV(AC/DC)は、電池または太陽光発電装置以外の負荷や他の電力変換装置が接続された交流—直流変換を行う電力変換装置を指す。INV(DC/DC)は、蓄電池または太陽光発電装置以外の負荷等が接続された直流—直流変換を行う電力変換装置を指す。スマートメータは、通信結線や電力結線等の本発明の実施形態で適用される通信メッセージの内容そのものを必ずしも全て含む必要はなく、装置自身がスマートメータであることをもってプラグアンドプレイの仕組みを同様に適用出来る。

0069

各装置は、最初に起動する際に、自らのシステムの種別を理解(例えば電力変換装置に接続した電源や負荷の情報から自らの種別を判断)し、電力分担制御のマスター/スレーブ決定の基準に反映させる。電力属性情報であるユニット種別が同一の場合は、通信属性情報を、電力分担制御のマスター決定の基準に反映させること等も考えられる。

0070

本発明の実施形態における通信属性情報は、としては、分散型通信処理および集中型通信処理といったシステム内の通信制御の構成に関する情報、汎用通信と同期通信の区分といった情報、通信で接続する他装置の情報や、通信制御における役割(集中型制御における基地局か子局か)等の情報のうちの少なくとも1つが考えられる。また、当該役割において、他装置との通信時の受信信号強度や、他装置との接続台数収容台数)が考えられる。

0071

また、上述の優先度に当てはまらない場合、「先に起動した装置」「後に起動した装置」「プリコンフィグ」「ランダム」等の方法を元に、マスター/スレーブを決定する。

0072

EMSやローカルコントローラ等は、一般に複数機能を搭載するため各種アルゴリズム処理を実行可能な汎用計算機等で実現される場合が多いが、結線関係のある電力変換装置の個々の情報を管理すると共に、システム全体としての識別情報付与や一括制御を動的に行うことも考えうる。

0073

電力変換装置が収容する対象について、蓄電池や太陽光等の電源、負荷等で更に優先度の区分を設ける理由は、例えば異常発生時のシステム可制御化を鑑み、ブラックアウト等の異常発生に先駆け必要な電力を貯蔵出来る蓄電池を高優先度でマスターに選定するためである。

0074

図12に示すように、システム全体での構成管理情報は、ユニット番号、ユニット種別、通信結線、電力結線、マスター/スレーブの項目を含む。この例ではテーブル形式で示される。「通信結線」は、通信結線の関係がある他電力変換装置のユニット番号の一覧を表す。「電力結線」は、電力結線の関係がある他電力変換装置のユニット番号の一覧を表す。「マスター/スレーブ」は、電力分担制御のマスター/スレーブとなっている他電力変換装置のユニット番号の一覧を表す。たとえばユニット番号1の電力変換装置は、交流/直流間の電力変換を行う電力変換装置(INV(AC/DC))であり、電力変換装置2、3と同じ通信可能であり、電力変換装置2、3と同じ電力線に接続され、電力変換装置2、3が電力変換装置1の電力分担制御のスレーブ(電力変換装置1が電力分担制御のマスター)である。

0075

図2の例では、電源位相制御のマスター/スレーブ情報は省略しているが、これらの情報を更に追加してもよい。また、電力変換装置以外の、EMSやローカルコントローラに関する情報を更に追加してもよい。複数のマスターが存在すると、複数の制御指令が同時に行われる可能性があるため、排他制御の点で、マスターが1台になることが好ましい。

0076

尚、ここで、電力変換装置は、電力変換の機能毎に物理的な装置構成を分けることも、機能を共通化することも考えうる。例えば、電力変換機能を共通化させる場合、電力変換装置は、交流-直流(AC/DC)変換の処理も、直流-直流(DC/DC)変換の処理も実施出来る。この時、電力属性情報の表現は、取りうる電力変換の機能を全て記載する方法の他、実際に運用するシステム内での役割を用いる方法が考えられる。

0077

例えば、交流-直流(AC/DC)変換の処理も、直流-直流(DC/DC)変換の処理も出来る電力変換装置であっても、実際のシステムで交流の電力線上に接続したことを検知した場合は、電力変換装置(AC/DC)とする。

0078

具体的には、電力線に接続して電力を入出力する役割に対応させて、電力変換装置(AC/DC)か電力変換装置(DC/DC)かの装置種別を決定する方法が考えられる。交流系の母線と少なくとも1以上接続すると共に、直流系の母線と少なくとも1以上接続する場合、当該電力変換装置の装置種別は交流-直流(AC/DC)のように決定出来る。いずれか1種類の母線に接続する場合は、交流-交流(AC/AC)や直流-直流(DC/DC)のように決定する。

0079

図6の通信部76は、電力制御(分担制御、電源位相制御)に関する構成検出/構成解析/構成決定に関わる通信メッセージ、通常運転/自立運転時の監視制御に関する通信メッセージ、通常運転/自立運転等の運転開始後の監視制御情報に関する通信メッセージを送受信する。送受信の相手は、EMSやローカルコントローラ、他の電力変換装置である。通信部76は、各種通信メッセージを送受信するための汎用通信部と76a、同期情報の送受信に特化した同期通信部76bを有する。すなわち通信部は、汎用の通信メッセージを送受信する処理に加えて、電源位相同期用の通信処理を行う。これらの機能は、個別に分けて実現する形態の他、一体化して実現する形態を適用することが出来る。無論、本発明の実施形態は特定の形態に依存するものではない。なお、本発明の実施形態で述べる通信制御は、汎用通信と同期通信の双方を差す。同期とは、電力に出力する電力位相の同期を意味する。同期の方法にはたとえば、(1)汎用通信を用い数ミリ単位の同期を実現する場合、(2)専用通信を用い数マイクロ秒単位の同期を実現する場合の2種類がある。汎用通信を用いた同期はイーサネット(登録商標)や無線通信等、広範囲の通信を用いた同期がこれに該当し、多ビット情報フィールドを含む通信メッセージを送受信することで同期を実現する。専用通信を用いた同期は、基本的にパルス直接送受信することで同期を行い、光ファイバや銅線などでパルスを送受信することで同期を図る。本実施形態の同期通信部76bは、これらのいずれの方法の同期通信でも構わない。本実施形態で同期情報というときは、(1)の場合の通信メッセージおよび(2)のパルスのいずれも含むものとする。通信メッセージはたとえば、(1)の無線LAN等でやり取りされるようなメッセージ(後述する図33参照)またはビーコンフレーム(後述する図15〜図18参照)を指すものとする。

0080

通信部76の物理的な構成としてはEMSやローカルコントローラ、他の電力変換装置と通信するための第1の通信部の他に、電力変換装置が収容する蓄電池や太陽光等の電源と通信するための第2の通信部を備える形態が考えられる。

0081

例えば第1の通信部は、光ファイバや専用線、イーサネット等の有線通信媒体の他、IEEE802.11無線や920MHz無線等の無線通信媒体によって実現し、第2の通信部をCANやRS-232/RS-485等で実現する形態が考えられる。本発明の実施形態における通信媒体は特定の通信媒体に依存するものではない。

0082

電力変換装置は、EMSやローカルコントローラ、他の電力変換装置からの通信メッセージを第1の通信部を介して取得する。その一方で、第2の通信部は、電力変換装置に接続された蓄電池(BMU)や自然エネルギーの発電装置の固有情報(定格容量、充放電終始電圧、上限温度、下限温度、最大充放電電流、定格電圧等)を更に取得する他、動作中の計測情報/設定情報を取得する。

0083

蓄電池(BMU)が電力変換装置に接続した場合は、蓄電池(BMU)動作時の変動情報である計測情報(SOC、SOH、充放電電流充放電電圧)を周期的に取得する。第2の通信部は上述のようにCANやRS-232/RS-485等の通信媒体の他、ベンダが独自に規定した電気信号線(Analogue Input Output/Digital Input Output)によって実現することが考えられるが、本発明の実施形態は、特定の通信媒体に依存するものではない。

0084

また、電力変換装置が蓄電池を収容する場合、一般に内部電池セルは自然放電する特徴を持つことから、値が時々刻々と変化する特徴を考慮して、EMSやローカルコントローラ、他の電力変換装置にSOCやSOH等の情報を適宜通知することが考えられる。

0085

また、本発明の実施形態においてインバータとして動作する電力変換装置は、蓄電池(BMU)の収容に限定されるものでなく、太陽光発電や風力発電、又は、これらと連携するEMSやローカルコントローラに適用可能で、特定の装置の形態に制約されることはない。

0086

自律協調制御部75は、電力分担制御処理、電源位相制御処理、通信制御処理、マスター/スレーブの構成判定処理を行う。電力分担制御処理と電源位相制御処理の全体概要は後述する図7、図8に示す通りである。自律協調制御部75は、電力結線や通信結線を動的に検出するための、電気印加/検出処理、通信印加/検出処理、結線検出時の正常確認、衝突検出時の再送処理の機能を有することも考えられる。

0087

自律協調制御部75は、通信部76を用いて他の電力変換装置の電力属性情報と通信属性情報を取得し、取得した電力属性情報と通信属性情報、および自装置の電力属性情報と通信属性情報とに基づきマスター/スレーブ決定を行う。複数の電力線のうちの少なくとも1つのある電力線に接続された電力変換装置群が当該電力線に対し入出力する電力量の配分に関する電力分担制御の主体となる電力変換装置と、電力線に接続された電力変換装置群が前記電力線に出力する電力の位相同期に関する電源位相制御の主体となる電力変換装置を決定する。電力変換装置群のうち電力分担制御の主体でない電力変換装置は電力分担制御の非制御主体となり、電源位相制御の主体でない電力変換装置は電源位相制御の非制御主体となる。なお、マスター/スレーブの決定は、同じ電力線に接続されているか否かに関わらず実行できる。電源位相制御のマスターは、同じ電力線に接続されている電力変換装置群の中から決定することを前提としてもよいし、同じ電力線に接続されていない電力変換装置が電源位相制御のマスターとなることを許容してもよい。電力分担制御のマスターは、同一の電力線に接続されている電力変換装置の中からマスターを決定してもよいし、異なる電力線に接続されている電力変換装置がマスターとして決定される構成も可能である。電力変換装置が階層状に接続されている場合、最上位から段階的にマスターが存在することも可能である。この場合、下位のマスターは上位のマスターのスレーブとなる。なお、自律協調制御部75は電力系統等の外部から位相同期用のリファレンス値が受信されているか、またはブラックアウト等の停電が起こったかを検出する手段を備えていても良い。外部からの位相同期用のリファレンス値は通信部76または別の経路から入力されてもよい。

0088

自律協調制御部75は、初期設置時や異常発生時に行うマスター/スレーブの決定といった動作の他に、通常運転時の電力アプリケーション機能に必要となる、リアルタイム用の監視制御情報、非リアルタイム用の監視制御情報を処理することが出来る。

0089

リアルタイム用の監視制御情報は、例えば、電源位相制御の機能の場合、電圧や周波数の制御指令値実測値の他、時刻同期用の位相誤差情報(例えばPLL回路クロックと通信部のクロック間誤差)を処理する。

0090

一方、非リアルタイム用の監視制御情報としては、上位EMS/ローカルコントローラから配分される運転計画情報がある。運転計画情報は、電力変換装置に接続された蓄電池(BMU)や自然エネルギーの発電装置、電力系統網からの要求に基づいた計画情報で、「横軸:時間、縦軸:電力量等」の形で表現することが出来る。この情報を構成するためには、1つの例として、蓄電池(BMU)や自然エネルギーの発電装置の充放電制御に固有な情報を用いる方法がある。例えば蓄電池(BMU)の場合、単位ワット(W: Watt)で示される定格充放電電力、単位ワット時間(Wh: Watt hour)で示される定格容量、単位百分率で示される充電率(SOC: State Of Charge)、SOCに対応付けられた放電可能時間及び充電可能時間の概念が一般的に存在する。

0091

蓄電池(BMU)の一般的な充電方式である定電流充電方式では、百分率で示されるSOCが所定の閾値に達するまで蓄電池(BMU)内の電池セルが入出力する電力量(電流量)が一定状態推移する。このことから、蓄電池(BMU)からSOCの値を取得することで、当該情報に対応付けられた充電可能時間及び放電可能時間、最大充放電電力、充放電に必要な電力量(充放電可能時間と電力の積)を算出することが出来る。定電流充電では、SOCが所定の閾値を超えた後は充電に必要な電流量が極小化する特性があるため、充放電計画に必要な情報の概算を算出することが出来る。

0092

尚、充放電制御時の電力量は、単位ワット時間(Wh)で示される電力量の他に、単位アンペア時間(Ah)で示される電流量、及び単位ボルト時間で示される電圧量(Vh)各々を用いることが出来る。

0093

また、太陽光発電や風力発電等の自然エネルギーの発電装置の場合には電力を貯蔵(充電)することは出来ないため、SOCの概念は無く、放電専用の装置として動作する。逆に、電力変換装置に接続された装置が蓄熱装置である場合は、電力を放電することは出来ないため、充電専用の装置として制御する。

0094

電力変換装置の運転計画は、これらの情報をベースに、当該装置に接続した電源(あるいは負荷)に対する具体的充放電動作を実施するための計画情報として作成される。

0095

電力系統網における電力供給瞬断を防止する際は、通信メッセージを適宜送受信するリアルタイム型の動作することが望ましい。その一方で、夜間時間帯で比較的ゆるやかな時間間隔で制御する際は、動作タイミングの時間間隔を設定する非リアルタイム型の動作をすることが考えられる。本発明の実施形態はリアルタイム、非リアルタイム等の特定の運転動作に依存するものではない。

0096

図7に電力変換装置の自動構成管理(電力分担制御/電源位相制御のマスター/スレーブ決定)、電力分担制御、電源位相制御の全体シーケンスを示す。図7では、3つの電力変換装置が新規に設置され、ステップS11で自動構成管理(電力分担制御のマスター/スレーブ決定)が行われ、電力分担制御C11が行われる。電力分担制御の間に電力系統のブラックアウトなどの異常が発生すると、ステップS31で再度、自動構成管理(電力分担制御と電源位相制御のマスター/スレーブ決定)が行われ、続いて電力分担制御C12-1および電源位相制御C12-2が行われる。この運転状態から、例えば、電力システムのメンテナンス時や装置故障の発生時に、1台の電力変換装置の運転を停止させてシステムの規模を縮小させるような状況の場合、当該装置がマスターであれば、プラグアンドプレイの仕組みを動作させて、他の電力変換装置にマスターの権利委譲することが考えられる(S51)。また、全ての電力変換装置の運転を停止させる場合は、図9の終了手順(離脱通知から終了処理)を実行し、各電力変換装置に割り当てられたマスター/スレーブの役割を解放(リセット)させる(S51)。

0097

まず、ステップS11で、自動構成管理(電力分担制御のマスター/スレーブ決定)が行われ、マスターおよびスレーブが決定される。この動作シーケンスは、図8に示される。図8は、自動構成管理(マスター/スレーブ決定)の動作シーケンス図である。図中には3台の電力変換装置が存在、各々、左から順に、ユニット番号1、ユニット番号2、ユニット番号3、これらの順で優先度がプレコンフィグされているものとする。「M」の文字はマスター、「S」の文字はスレーブの役割を表しているが、本動作シーケンスの開始時にはまだマスターおよびスレーブは決まっていないとする。ステップS11の自動構成管理では図5Aのケースに相当し、電力分担制御のマスター/スレーブのみ決定するとする。

0098

まず、1回目の構成決定手順D1において、各電力変換装置は広告メッセージを送信して、自らの存在を通知する(S61)。図8の例では、ユニット番号2がユニット番号3の通信線・電力線の結線確認を行った後(S62)、ユニット番号3から構成情報を取得し(S63)、マスター/スレーブの判定を行っている。ユニット番号2は、自らがマスターになることを判定した後(S64)、更新した構成情報をユニット番号3に書き込むことで(S65)、2台の装置の構成情報の内容が一致する。なお、ユニット番号3がユニット番号2から構成情報を取得し、同様にして判定を行っても良い。この場合、判定アルゴリズムが同じであれば、同じ判定結果になるため、相手装置への構成情報の書き込みを省略する構成も可能である。

0099

2回目の構成決定手順D2として、D1と同様の手順を、ユニット番号1とユニット番号2の間で実施して、ユニット番号1をマスターとする最新の構成情報が構築される(D2)。この時点では、ユニット番号3が持つ構成情報は古いままである。

0100

3回目の構成決定手順D3において、ユニット番号1はユニット番号3との間でマスター/スレーブの構成決定を行うと、ユニット番号1はユニット番号3と、ユニット番号3のマスターであるユニット番号2とに対して構成情報の書き込みを行う。この時点で、システム内の3台の電力変換装置における構成情報が一致する。

0101

図8に示したような動作シーケンスにより電力分担制御に関するマスターとスレーブが、ユニット番号1〜3の電力変換装置に対して決定されると、図7に示すように、複数の電力変換装置間の電力分担制御C11が行われる。

0102

電力分担制御C11は、通常運転時と自立運転時の電力入出力の分担制御を行う自律協調制御の機能の一つである。一般的な電力システムでは、上位のEMSあるいはローカルコントローラが、電力制御の指令値(例:有効電力や無効電力の指令値)を下位の蓄電池/太陽光用の電力変換装置(PCS)に通信メッセージを用いて通知する。自律協調制御では、このような外部のEMS装置を用いずに、複数の電力変換装置間が個別に協調動作をすることから、指令値を発行するマスターの役割を、動的に割り当てることが必須となる。

0103

図7の動作シーケンス図では、電力分担制御C11において、マスターとなった電力変換装置が充電あるいは放電といった電力の入出力を行いながら、配下のスレーブ装置に充電あるいは放電等の電力の入出力の制御指令を実施する。スレーブとなった電力変換装置は、自らの各種制御状態(たとえば要求された電力量を無事入力または出力したことの報告など)をマスターに周期的に送信する。具体的な配分量の決定アルゴリズムは任意の方法を用いればよく本明細書では説明を省略する。尚、電力分担制御を実行する際、電力系統に接続しながらの動作を行う場合は、位相情報は電力系統からのリファレンス値を用いればく、各装置間で通信を用いて同期させる必要はない。

0104

その一方で、電力系統にブラックアウト等の異常が生じた場合、電力系統からのリファレンス値といった参照情報が得られなくなるため、装置間で相互に同期することが好ましい。図示の例では、ブラックアウト等の異常が発生すると、再度、自動構成管理(マスター/スレーブ決定)を行ってマスター/スレーブを決定する。ここでは電力分担制御のマスター/スレーブに加え、電源位相制御のマスター/スレーブも決定する。なお、電源位相制御のマスター/スレーブの決定方法は後述する。決定後、複数の電力変換装置間で電力分担制御C12-1および電源位相制御C12-2が行われる。図示の例では、先と同じ装置がそれぞれ、電力分担制御および電源位相制御のマスターおよびスレーブに選ばれている。複数の電力変換装置間の電源位相制御C12は、自立運転時の電力出力の周波数制御位相同期制御を行う自律協調制御の機能の一つである。電源位相制御のマスターの制御の下、マスターの周波数及びPLL位相(例えば50Hz/60Hz)に、複数台のスレーブが合わせるように動作が行われる。なお、位相制御は、一般的な電力システムからの流れを応用させたものを用いることができる。

0105

図9に本発明の実施形態に係わる電力変換装置の状態遷移図を示す。図中の文字が記入された楕円により、装置の状態が表されている。各状態間の遷移は、通信メッセージ送受信あるいはタイマ期間満了トリガとなる。装置は、「起動」の状態から始まって、「終了」の状態で終了する。これらの間に遷移しうる状態として、「存在通知・存在要求」、「IDLE」、「構成検出」、「構成解析」、「構成決定」、「通常運転・自立運転」、「更新通知」、「離脱通知」の状態がある。

0106

例えば、アプリケーションプログラムの起動時、IPアドレスの取得等の初期処理を実行する。その後、「存在通知・存在要求」状態に遷移し、装置の存在を通知するための広告メッセージや、他の装置の存在を確認するための探索要求メッセージを送信する。送信後、「IDLE」状態に遷移し、所定期間内に、他の装置から送信された広告メッセージや探索応答メッセージを受信した場合、「構成検出」の状態に移行する。「構成検出」から「構成解析」、「構成決定」に順次遷移し、それぞれで構成検出、構成解析、構成決定の処理を実行する。ユニット番号やユニット識別子は、出荷時あるいはシステム構築時に固定の情報であるが、通信結線および電力結線情報は動的に取得することが可能な情報である。構成検出および構成解析において、通信結線は他の装置から通信メッセージを受信した場合に、当該装置と自装置が互いに同一の通信ブロードキャストドメインに属するものと認識する。電力結線は同一の母線に接続しているか否かを判別するために、例えば、交流系に対して並列で接続する場合は、電力変換装置の自律協調制御部が、電力線の種別(3相交流/2相交流/単相交流/直流)、電圧値周波数値の情報を取得、その情報を電力変換装置間で相互に交換する方法が考えられる。マスター/スレーブの決定時は、各装置ごとに、1台のスレーブに複数のマスターが存在しないように、後述する図13Bに提示するような判定基準で選定する。構成決定の処理が完了すると、「更新通知」に移動して構成情報の更新通知を行い、各装置での構成情報が確定すると、「通常運転・自立運転」に遷移して、通常運転(電力分担に相当)あるいは自立運転(電源位相に相当)の運転状態に移行する。ここでは、周期的な制御状態の通信メッセージの交換や、広告メッセージの送信を行う。自装置が運転を終了する場合は「離脱通知」に遷移し、離脱の広告送信やIPアドレスの解放を行って「終了」に遷移する。他装置が運転を終了した場合、あるいは、他装置から所定期間広告を未受信の場合は、再度、自動構成管理(構成検出/構成解析/構成決定)の各状態に移行して処理を行う。広告未受信の判別に通信を用いる場合、環境によっては、不具合個所の特定(装置の異常か電力系統の異常か等)が困難になるため、適宜電力線情報を用いることが好ましい。

0107

図10は、図6の電力変換装置における自律協調制御部75の電力制御処理に関わる概略構成を示したものである。

0108

電力制御(分担制御、同期制御)の処理は、外部からの電力目標値(例:EMSやローカルコントローラ、マスターからの有効電力あるいは無効電力の指令値)に基づいた電力制御を行うことで、交流信号(AC電力)を生成する。このためキャリア波(約10KHz)を生成するキャリア波出力部108、基本波/変調波(例えば日本国内では電力系統の周波数50/60Hz)を生成する基本波/変調波出力部109を搭載する。

0109

キャリア波は、変調が行われていない基準信号のことで、搬送波とも呼ばれており、一定の周波数、振幅、位相を持つ三角型の波である。キャリア波の周波数、振幅、位相を変化させて、信号を伝えることが出来る。基本波/変調波は、一つの非正弦波(ひずみ波)を構成する種々の周波数の正弦波のうち、最も低い周波数の正弦波である。これらのキャリア波および基本波/変調波を元に、PWM(Pulse Width Modulation)部110はパルス波形を生成する。

0110

PWMは変調方法の一つであり、パルス波デューティー比を変化させて変調を実施する。例えば、PWMで制御するインバータの場合、マイコン等により、スイッチング素子ゲート電極に信号を流すタイミングを決めるために、搬送波における三角波と、基本波における正弦波が生成される。そして、ゲート電極に信号を流すゲートドライブが搬送波と基本波の交点を検出し、2個(単相交流)または4個(3レベルインバータによる単相交流)、6個(三相交流)または12個(3レベルインバータによる三相交流)のスイッチング素子をオン/オフする。図ではこれらのスイッチング素子は電力変換部101によって表されている。スイッチング素子のオン/オフの結果、パルス波形が得られ、その平均電圧が、正弦波の交流電力となる。フィルタ102は、電力変換部101から出力される交流電力を滑らかにして横流を防ぐことを目的とする。

0111

PLL(Phase Lock Loop)103は、入力される周期的な信号を元にフィードバック制御を加えて、PLL103内部の別の発振器から、入力信号に位相が同期した信号を出力する電子回路である。フィードバックで加える信号を操作することで、多様な信号を安定した状態で作り出すことが出来る。

0112

PLLは、ωt(ω:角周波数、t:時間)で示される位相情報から、∫ωtdtで示されるキャリア波の形、sin(ωt)で示される基本波/変調波の形、f(ωt)で示されるパルス波の形を取り扱うことが出来る。PLLの出力結果は、更に比較器104、106を通じた内部フィードバック制御につながりながら、電力制御105と電流制御107が実行される。

0113

ここで、複数の電力変換装置(インバータ等)の電源位相制御時における同期の方法の一例について述べる。同期の方法は、PWMの出力波形を一致させる方法、PLLの出力波形を一致させる方法が考えられる。

0114

例えば前者のPWMの出力波形を一致させる方法は、光ファイバ等を用いて直接パルス波をマスター/スレーブ間で交換する方法である。この方法では、マスターからの同期情報(パルス波)はPWMに入力されることで、位相制御が行われる。

0115

一方、後者のPLL103の出力波形を一致させる方法は、光ファイバだけでなくその他の通信媒体を用いて、電力出力部で実測した正弦波の実測値(位相に関するリファレンス値)を元にPLLが生成したパルス波を交換する方法である。この方法では、同期情報(周波数・位相誤差)はPLLに入力され、位相制御が行われる。この場合、汎用の通信媒体を用いる場合は、内部のPLLと通信媒体間のクロック誤差を考慮し、パルス幅の間隔で表現される波長クロック値と通信媒体の内部クロック値の剰余結果を内部誤差として同期通信時に通知することも考えられる。

0116

前述のように、電力変換装置(インバータ)が電力系統に接続し運転する場合、位相に関するリファレンス値は系統から参照しながら動作すれば良いが、ブラックアウト等異常発生時は、マスターのPWMあるいはPLLの出力結果をスレーブに通信を用いて同期させることが必要になる。尚、本発明の実施形態では、通信媒体は特定の形態に依存せずに適用出来る。

0117

図13Aおよび図13Bに、本発明の実施形態に関わる電力変換装置の自動構成管理における動作フローチャートを提示する。本動作フローは一例を示したものであり、本実施形態はこれに制限されるものではない。運用プロセスの全体としては、初期設置、通常運転、異常発生等が存在するが、図13Aおよび図13Bのフローチャートは初期設置時や異常発生時の構成検出と構成決定を対象とする。

0118

ステップS101において、初期設置時(起動後の初期処理)、電力変換装置は、自身の属性情報を取得し、自身がEMS、INV(AC/DC)、INV(DC/DC)のいずれかを判別する。さらに、電力変換装置に直接接続した電源/負荷等の装置が、INV:電源(蓄電池)、INV:電源(PV)、INV:負荷等を更に判別する。

0119

ステップS102において、自身の通信方法・汎用通信・同期通信の形態を確認する。たとえば使用する通信方式を確認し、集中型通信か分散型通信か等を確認する。

0120

ステップS103でライフタイム検査を行い、ステップS104で構成検出を行うことを決定する。装置エントリが無いもしくは構成に変更がない場合は(S105のNO)、一定時間待機し(ライフタイムを延長し)、ステップS103に戻る。ライフタイム検査では異常が発生していないかを検査し、異常が検出された場合は、構成検出を行うことを決定する(S104のYES)。装置エントリが有るもしくは構成に変更が有る場合は、ステップS107に進む。装置エントリが有るもしくは構成に変更が有るかは、たとえば他の装置から広告を受信することで判定してもよい。自装置が起動した場合は、自身が装置エントリとなるため、装置エントリがあると判断される。また自身に接続された機器が変更された場合には構成が変更されたと判断できる。

0121

ステップS107では、システム構成の動的検出を行うべく電力線の結線および通信線の結線の検出を行うことで、自装置と同じ電力線につながっている装置、および自装置と通信可能な装置を特定する。なお通信線とは、有線および無線のいずれも含み得る。ステップS108では、通信可能な装置から、無線または有線の通信網を介して、電力属性情報および通信属性情報、構成管理情報を取得する。相手装置にマスターがいる場合は(S109のYES)、当該マスターに対してステップS108、S109、S110を再帰的に実行する。

0122

すなわち、電力変換装置が他の装置から上記属性情報、構成管理情報を取得した際、既に当該相手装置が他の装置との間でマスター/スレーブを決定済みの場合がある。この場合は、当該装置の構成管理情報に記載されたマスターとなる装置の情報の取得を更に試みる。これによって、複数の電力変換装置が設置されたシステムにおいて、マスターの重複を回避して、電源位相制御や電力分担制御といった自律協調型の電力アプリケーション機能を実現する際の制御権の衝突を防ぐことが出来る。

0123

情報の一連取得処理が完了した後は、マスター/スレーブを決定する構成決定ルーチンに移行するが、具体的な構成決定を行う前に、判定を行う装置間の通信結線と電力結線を確認することが好ましい。

0124

上述のように、本発明の実施形態における電力変換装置は、用途によって異なる電力アプリケーション機能(電源位相制御や電力分担制御)を複数装置の組み合わせによって実現するが、システムの設置形態によっては、通信面の接続関係と電力面の接続関係が1対1に対応しない場合がある。

0125

例えば、複数の電力変換装置の集合をSと定義し、Sの部分集合S1とS2(S1∪S2= S、S1∩S2=0)を定義する。S_i(i=1,2)の電力変換装置は、各々電力網P_iと通信網C_iに接続するとする。結果、通信面と電力面の接続関係は、合計で4種類存在することから、各々の状態に応じてマスター/スレーブの決定処理を開始するか否かの判定を行うことが好ましい。

0126

例えば、通信面で結線関係があって電力面で結線関係がない場合は、2台の電力変換装置が、同一母線に接続していないため、電源位相制御や電力分担制御に向けた同期処理は必要がない。

0127

なお、マスター/スレーブの構成管理情報を取得、および配布するアルゴリズムは、上記、再帰的に問い合わせを行う手順の他、システム内でブロードキャスト通信マルチキャスト通信等を用いて一括して管理する手順を適用することも考えられる。本発明の実施形態は特定手順に依存しない。

0128

結線関係を確認した後、各々の電力変換装置は取得した情報の内容を元に、自律協調制御部内でマスター/スレーブの判定を行い(S111〜S119)、構成管理情報の内容を更新する。電源位相制御のマスター/スレーブの決定は、ブラックアウトなど電力系統に異常が生じて位相同期用のリファレンス値が受信されなくなった場合や、工場内等で外部からのリファレンスを受信することなく自律運転する場合などあらかじめ定めた条件が成立する場合に行われ、ACの電力線を対象に行う。DCの電力線は、位相同期は不要であるため行う必要は無い。

0129

本フローにおいて、判定は通信線の結線関係がある装置を対象に行う。電力属性情報が異なりかつ電力線の結線関係がある場合(S112のYES)、通信属性情報が異なりかつ電力線の結線関係がある場合(S113のYES)、電力属性情報が異なりかつ電力線の結線関係がない場合(S114)、それ以外の場合(S114のNO)に応じて、マスター/スレーブの決定を行う(S115、S116、S117、S118)。

0130

マスター/スレーブの具体的な判定優先度は、2台の装置間で装置種別を比較するループを行う。EMS>>ローカルコントローラ>>INV(AC/DC):蓄電池>>INV(AC/DC):太陽光>>INV(AC/DC)>>INV(DC/DC):蓄電池>>INV(DC/DC):太陽光>>INV(DC/DC) >>スマートメータの順で決定基準に重みづけを行った優先度を適用して、マスター/スレーブを決定する(S115、S117)。これは特に電力分担制御に関する決定に相当する。

0131

各装置は、最初に起動する際に、自らのシステムの種別を理解(例えば電力変換装置に接続した電源や負荷の情報)し、マスター/スレーブ決定優先度に反映させる。ローカルコントローラはEMSに分類する。電力変換装置(AC/DC)は前述のように、システムの構成上、上位に位置することから電力系統網やEMSとの連携を考慮すると、ローカルコントローラをマスターに選定することが効率面から好ましい。電力変換装置(DC/DC)について、接続機器として電源(蓄電池)、電源(PV)、負荷等複数存在するが、異常発生時の動作する確率が最も高い装置を鑑み、異常発生に先駆け動作に必要な電力を貯蔵出来る電源(蓄電池)をマスターに選定することが可制御化の点から好ましい。

0132

電力線の結線関係があるが、通信属性情報が異なる場合は、他の装置からの接続数、または信号強度の大きさ等に基づき、マスター/スレーブを決定する(S116)。通信属性情報が異なる場合は、たとえば基地局と子局の役割の様に役割が異なる場合、接続数が異なる場合、信号強度が異なる場合がある。本ステップは、たとえば電源位相制御に関する決定に相当する。

0133

電力属性情報が同一の場合は、例えば、構成管理情報のシーケンス番号が大きい装置をマスターに決定することが考えられる。また、上述の優先度に当てはまらない場合、「先に起動した装置」「後に起動した装置」「プリコンフィグ」「ランダム」等の方法を元にマスター/スレーブを決定することも考えられる(S118)。

0134

また、各電力変換装置においてマスターが1台となるよう構成情報の内容更新を実施する(S119)。

0135

こうしたマスター/スレーブ構成決定の途中の状態で、自律協調型の電力アプリケーション機能を実行すると制御権の衝突が発生する可能性があるため、構成決定内容を作業員に表示して目視で確認させるか、又は一致しているかの動作シーケンスを実行することが好ましい(S120)。後者の動作シーケンスとして、システム内に存在する複数の装置間の情報を一致させるため、通常運転の開始まで一定時間待機することや、構成管理情報を順次取得し、内容を比較することが考えられる。

0136

各装置で構成情報の内容の一致が確認できたら、この内容でマスター/スレーブ構成を確定し、各装置は運転許可を決定する。運転許可を決定した各装置は、協調動作を行う(S121)。この後、通信方法・汎用通信・同期通信の形態に変更が無いか等を管理し(S122)、ステップS103に戻る。

0137

構成決定が終わった後の通常運転時は、各装置間でリアルタイム制御/非リアルタイム制御に関する通信メッセージを交換しながら電力の監視制御を実施する。例えば、監視系の情報としては、有効電力の現在値(W)、無効電力の現在値(VAR)、位相あたりの単位電圧力率の現在値等がある。また、制御系の情報としては、電力網への接続許可PV出力利用許可、蓄電池出力の利用許可、有効電力/無効電力制御の利用許可、有効電力の目標値(W)、無効電力の目標値(VAR)、力率の目標値、有効電力の出力レベル値(%)、無効電力の出力レベル値(%)、周波数値等がある。更に、定格系の情報としては、定格有効電力(W)、定格皮相電力(VA)、定格無効電力(VAR)等がある。制御情報は読み書き双方が可能、監視/定格情報は読み込みのみ可能であることが一般的な実施形態の可能性として考えられる。

0138

図14から図18を用いて、本発明の実施形態における自動構成管理から自律協調制御、特に電源位相制御に関する詳細動作について説明を進める。

0139

図14は電源位相制御を実現する際のシステム構成を整理したものである。

0140

前述のように、自律協調制御における電力分担制御は、マスターとなった電力変換装置が、スレーブとなった電力変換装置に、スレーブの受電容量内での電力配分量の指令を実施する。一方、電源位相制御は、交流系への電力出力のための位相同期の仕組みが必要になる。

0141

電力系統にブラックアウト等の異常が発生している場合や、工場やビル内の電力システムを電力系統とは切り離して稼働している場合には、各装置間でPLL位相を同期させることが横流防止の観点で必要になる。この際、通信を用いることになるが、通信制御は規格や製品毎に、データリンク層物理層の仕組みが異なる。

0142

これらの概観を整理すると、図14に示すように、分散型通信処理(無線通信の場合はアドホック型通信と呼ばれる処理)の場合、集中型通信処理(無線通信の場合は基地局型通信と呼ばれる処理)の場合に区分することが出来る。これらの通信処理の区分に、本発明の実施形態で述べてきた汎用通信と同期通信の機能をシステム内で分けることを考えると、図14のように、電力分担制御マスターが同期情報発信装置と一致する場合(電源位相制御マスターに一致する場合)と、電力分担制御マスターが同期情報発信装置と一致しない場合に区分出来る。

0143

図15は、分散型通信処理を行う構成の下、電力分担制御マスターが同期情報発振装置に一致しない場合のシステム構成の動作シーケンスを示す。図16は、分散型通信処理を行う構成の下、電力分担制御マスターが同期情報発振装置に一致する場合のシステム構成の動作シーケンスを示す。図17は、集中型通信処理を行う構成の下、電力分担制御マスターが同期情報発振装置に一致する場合のシステム構成の動作シーケンスを示す。図18は、集中型通信処理を行う構成の下、電力分担制御マスターが同期情報発振装置に一致しない場合のシステム構成の動作シーケンスを示す。より詳細には、図15から図18は、図7で提示した自動構成管理の上位アプリケーション層の通信制御を、各システム構成に合わせて、更に詳細に落とし込んだものである。図15から図18のシーケンスでは、特にOSI(Open Systems Interconnection:アプリケーション層プレゼンテーション層セッション層トランスポート層ネットワーク層、データリンク層、物理層)における下位データリンク層に焦点を当てている。図15〜図18において、ハッチングが施された丸で「M」、「S」の文字が入っているのは電力分担制御のマスターおよびスレーブを表し、白抜きの丸の中に「M」、「S」の文字が入ったものは電源位相制御のマスターおよびスレーブを表す。破線の丸の中に「−」が入ったものはマスター/スレーブがまだ決まっていないことを示す。「MACDATA」は、MAC層MACフレームを表し、「BEACON」はビーコンフレームを表す。「ACK」はACKフレームを表す。MACフレームやビーコンフレームの前にある菱形の図形は、CSMA/CA通信のバックオフ時間を表している。図17および図18の「POLL」はポーリング信号を表している。

0144

尚、図23から図35には本発明の実施形態における各通信メッセージが示される。これらの通信メッセージは、上位アプリケーション層のものを示しているが、実際に通信媒体から送受信される際は、トランスポート層/ネットワーク層のTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)用通信ヘッダあるいはUDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)用通信ヘッダ、データリンク層のMAC(Medium Access Control)用通信ヘッダが付加され、物理層、すなわち有線通信や無線通信で送受信される。これらのメッセージの詳細については後述する。

0145

図15、図16、図17、図18では、通信部の通信媒体に無線通信、特にIEEE802.11に見られるような無線LANを用いた場合の一例を示しているが、本発明の実施形態は特定の通信媒体に依存するものではない。無線通信は、この他、IEEE802.15.4等を用いることも可能である他、有線通信についてもイーサネットや光ファイバを適用することが可能である。図15から図18までのデータリンク層での全体動作シーケンスはあくまで無線通信を用いる際の例である。

0146

一般にデータリンク層では、イーサネットに見られるようなCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection:送信装置が送信途中で通信信号の衝突を検出)、無線通信に見られるようなCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance: 送信装置が送信途中で通信信号の衝突を行うことが出来ないため送信後に送達確認を受信)、この他、トークンリング方式やポーリング方式等、複数の方式が存在する。

0147

図15から図18は、無線通信におけるCSMA/CAをベースに全体動作シーケンスを提示しているが、前述のように、本発明の実施は特定のデータリンク層/物理層に依存するものではない。CSMA/CAではMAC層の通信メッセージ(図23から図35の通信メッセージにTCP/IP通信ヘッダあるいはUDP/IP通信ヘッダ、更にMAC層通信ヘッダを付加したもの)を送信の後、ユニキャスト型のデータ(MACDATA)については、送信先からの送達確認(ACK)を受信する。送達確認が所定期間内に受信出来ない場合は、再度通信メッセージを送信する。

0148

一般に分散型通信処理ではシステムに参加する各装置が任意のタイミングで汎用の通信メッセージを送受信することが可能であるため、図15および図16に提示するように、自動構成管理(マスター/スレーブ決定)のプロセスが実施される。その後、制御指令や制御状態等の汎用通信に加えて、電源位相制御に見られるようにマスターの同期情報をスレーブに通知する同期通信を行う。このため、信号同期元となる装置によっては機能の実現が困難になると考えられる。具体的には、分散型通信処理(無線通信ではアドホック型通信と呼ばれる)では、メッシュ型のシステムにおいて、通信メッセージを各装置が中継する場合があり、通信メッセージの中継があると、同期情報のように高い精度でクロック情報通知が必要な場合、中継による転送遅延ゆらぎが生じ得る。このことから、電源位相の自律協調制御の実現が、特定の装置(例えば、クロック情報の取得と通信メッセージへの付与をハードウェア/ソフトウェアで分担して実施するのではなく全てハードウェアで実現する等)に限定される課題がある。

0149

このため、分散型通信処理における自律協調制御の電源位相同期を特定の通信媒体に依存しない形で実現するためには、同期情報の送信元となる電源位相制御のマスターを、他の装置を最も多く収容する装置に選定し、同期情報の不要な中継を防止することが好ましい。または、他の装置からの受信信号強度が最も大きい装置をマスターにしてもよい。たとえば受信強度を一定期間測定し、測定された最大信号強度または平均強度を装置間で比較して、最も大きい強度の装置をマスターに決定してもよい。

0150

前述のように、汎用通信と同期通信は、1台の電力変換装置の通信部の中で一体的に取り扱う形態(例えばIEEE802.11無線通信の例ではデータリンク層で同期の機能を提供)の他、汎用通信と同期通信を分離した形態を考えることも出来る。つまり、ある電力変換装置の通信部が、電力分担制御のマスターとしての制御指令等の通信メッセージの送受信、および汎用通信を行いかつ、他の電力変換装置が位相同期マスターを実施する形態の他、1台の電力変換装置の中でこれらの機能を個々に実現する形態も考えることが出来る。

0151

本発明の実施形態における通信属性情報は、分散型通信処理や集中型通信処理といったシステム内の通信制御の構成、汎用通信と同期通信の適用構成といった情報の他、通信部分で接続する他装置の情報および通信制御における役割(集中型制御における基地局)等の情報も含んでよい。

0152

図17は、集中型通信処理を行う構成の下、電力分担制御のマスターが同期情報発信装置と一致する場合を示している。一方、図18は、集中型通信処理を行う構成の下、電力分担制御のマスターが同期情報発信装置と一致しない場合を示している。

0153

これらの図もIEEE802.11等の無線通信に見られるようなデータリンク層、物理層の処理を一例に記載しているが、前述のように、本発明の実施形態は特定の通信媒体に依存するものではない。

0154

尚、集中型通信(例えば無線通信における基地局型通信)は、基地局が設定されていない場合、基地局に収容される子機が相互に通信出来ないという制約がある。このため、図17や図18における自動構成管理の手順は、基地局が既に設定され、動作しているという条件の下、構成管理に関する通信メッセージを各電力変換装置が送受信して、マスター/スレーブを決定する。

0155

一方、自動構成管理後における、電力分担制御や電源位相制御等の制御指令、制御状態、位相同期に関する同期情報を送受信する際、集中型通信処理の構成では、子機が送信する通信メッセージは基地局を経由して他の子機に転送される形になることから、前述の分散型通信処理と同様、同期精度を高める観点で、同期に関する通信メッセージが中継されないように、電源位相制御のマスター(同期情報の送信元)を決定することが好ましい。
このため、図17や図18に示すように、電源位相制御のマスター(同期情報の送信元)を基地局に選定し、更に、通信効率を考慮して、電力分担制御のマスターを更にこれに合わせることが好ましい。

0156

尚、図15から図18の例では同期情報が、IEEE802.11等の無線通信におけるデータリンク層のビーコン信号(BEACON)に含める形の例を示しているが、本発明の実施形態は、特定の通信媒体に依存するものではない。例えば、後述する図33に示すようなアプリケーション層の通信メッセージを用いること、あるいは、通信メッセージではなく、光ファイバ等を用いたパルス信号の直接通知等の形態を用いることが可能である。

0157

同期情報は、電力変換装置の通信部における同期通信部から送受信されるが、通信部の汎用通信と同期通信は、1つのハードウェア/ソフトウェアとして一体に扱う形態や、個々のハードウェア/ソフトウェアとして分離する形態、更に、異なる装置上に配分する等の形態が考えられる。

0158

図19は、これらの特徴を踏まえた電力分担制御と電源位相制御のマスター/スレーブ決定手順に関するフローを示す。新規設置・異常発生(ブラックアウト)時(S201)の自動構成管理において、構成検出・構成解析時に電力分担制御および電源位相制御の少なくとも前者についてマスター/スレーブ決定を行う(S202、S203)が、このときの決定手順を具体化したものである。決定の手順は、以下のようになる。なお本例では電力分担制御のマスター/スレーブの決定を先に行っているが、通信制御(位相同期)のマスター/スレーブの決定を先に行うことも可能である。

0159

マスタースレーブ決定の動作を開始する(1)。この際、電力分担制御のみ行う場合は、電源位相制御(位相同期)のマスターは不要(1-1)であるため、電源位相制御のマスター/スレーブ決定は行わず、電力分担制御のマスター/スレーブ決定のみ行う。この場合の具体例を図19Bのケース1に示す。

0160

一方、電源位相制御が必要な場合は、位相同期用のマスターが必要であるため、電力分担制御のマスター/スレーブ決定に加え、電源位相制御のマスター/スレーブ決定を行う(1-2)。電源位相制御のマスターを決定する際、分散型通信の場合は、収容数が最大または閾値以上の装置を、位相同期のマスターに決定する。この場合の具体例を図19Bのケース2に示す。

0161

一方、集中型通信の場合は、基地局(親局)となる装置、または、収容数が最大または閾値以上の装置を、位相同期のマスターに決定する。さらに、電力分担制御のマスターを、当該電源位相制御のマスター(位相同期マスター)に合致させてもよい。電力分担制御のマスターと電源位相制御のマスターを合致させる際、基地局を候補にすることが好ましい。この場合の具体例を図19Bのケース3に示す。

0162

その後、通常運転・自立運転(電力分担制御・電源位相制御)の状態に移行する(S204)。

0163

これまで本発明の実施形態では、複数の電力変換装置による電力分担や電源位相等の自律協調制御に焦点を当てた形で説明を進めてきた。次に、図22、図23、図24を用いて、電力変換装置がスマートメータと連携することでこれらの機能を更に進めた形での実施形態について述べる。

0164

電力変換装置が、電力分担や電源位相の機能を実現する際、具体的な入出力電力量の指標算出は、個別の電力変換装置からの指示情報を元に決定する。その一方で、電力系統や需要家構内の電力需給量バランスを管理するEMSやローカルコントローラと電力変換装置とが図5に提示したEMS連携のような形で結びつくことで、全体の電力供給量電力需要量を正しく把握することが出来ることから、入出力電力量を更に正確に決定することが出来る。

0165

図20に示すように、μEMSやBEMS、FEMS、HEMS等の一般的なEMSは、1ないし複数台の個別の装置や各種のセンサから、運転状態・電力量・熱量・温度差・圧力・流量等情報を取得し、エネルギー最適制御の観点で、情報蓄積分析省エネ支援(見える化)等の実施と共に、具体的な省エネ制御として、中央集中での制御(電源・負荷)を実施する。電源は例えば蓄電池や太陽光発電装置であり、負荷は空調、照明モータ等の機器である。

0166

EMSによる制御の具体例は、本発明の実施形態で述べたような電力制御に関する指示の他に、装置の運転開始停止温度設定パルプ制御・モータ制御等の生産制御までを含むことになる。個別の装置はEMSの指示内容解釈し、それに基づき動作し、動作結果をEMSにフィードバックする。

0167

図20ではEMSを中心とした個別の電力変換装置との連携の構成を示したが、図21のようにスマートメータを中心とした個別の電力変換装置との連携の構成も可能である。具体的には、スマートメータは、電力量・熱量・温度差・圧力・流量等の情報を、情報蓄積・分析・省エネ支援(見える化)等の観点で実現する。図示のスマートメータは、図20と図21を比較して分かるように、図20に示したEMSが備える機能から省エネ制御および中央集中制御の機能を除去したものに相当し、電力変換装置に省エネ制御および自律協調制御の機能を搭載している。

0168

スマートメータの前身であるアナログ計量では計測することに特化し、需要家内の施設フロア毎に、電力・ガス・水道の計量情報蓄積するセンサの役割を持っていた。スマートメータは、こうしたアナログ計量の機能からデジタル計量機能への転換に加え、情報通信(情報入出力)機能を搭載することで、需要家内外の装置と連携し、需給予測の情報の提示や需要家への省エネ支援等を行うことができる。

0169

特に、スマートメータは、電力・ガス・水道用に区分されるが、これらを一体に取り扱う構成に加え、分離して個別に取り扱う構成があり得る。また、電力会社や外部事業者等のMDMSと連携するための取引メータ(親メータ)、需要家内部の個別のフロア等に設置された内部メータ(子メータ)等に区分することも出来る。

0170

取引用スマートメータは、需要家内外のMDMS等と連携し、需給予測の情報を元に決定された抑制依頼(デマンドレスポンス信号)の仲介や解釈をし、需要家内部でのエネルギー最適化を行う場合もある。このようなインテリジェント化の潮流を踏まえると、EMSと個別の電力変換装置の構成だけではなく、図21のように、スマートメータと個別の電力変換装置の連携構成を取ることで、場合によっては、EMSに搭載する機能が過剰になる課題を解決することが出来る。過剰とは、蓄電池や太陽光の制御を行うシステムにおいて負荷制御の機能までを搭載することや、少数の電力変換装置を監視制御すれば良いシステムにおいて多数の装置を監視制御するような機能を搭載することを意味する。

0171

これによって、これまで本発明の実施形態で記載してきた複数の電力変換装置同士を自律協調制御することで、柔軟なシステム構成と電力入出力のスループット増に加えて、設置されたフロア等の区域毎に最適なレベルでの入出力量を決定することが出来る。

0172

図20に示したEMS連携の構成では、各々の電力変換装置はEMSの指示に基づいて動作するが、図21に示したスマートメータ連携の構成では、装置が施設・フロアの運転状態・電力量・熱量・温度差・圧力・流量等をスマートメータから取得し、装置自身が、自律協調制御(省エネ制御や、電力分担や電源位相の電力量制御)の制御量を正しく把握、し、過剰な電力出力や電力入力を防止することが出来る。たとえばスマートメータの計測種別計測量と装置の電力入出力量を対応づけたテーブルを用意しておき、取得した計測量の情報とテーブルから装置が担当すべき電力の入出力量を決定し、決定した量の電力の入出力を制御してもよい。尚、スマートメータは、電力・ガス・水道を一体に取り扱う構成や個別に分離する構成、外部事業者との取引用メータ(親メータ)や個々の需要家内のメータ(子メータ)等の特定形態には依存しない。

0173

図22には電力変換装置とスマートメータを連携させてシステム構成における動作シーケンスの例を示す。図7と異なる点は、図7に示したユニット番号3の電力変換装置がスマートメータに置換され、電力変換装置がスメートメータの情報(状態)を監視し(S81、S84)、スマートメータは電力の入出力量を監視している(S82、S83、S85、S86)点である。つまり、電力変換装置は必要な電力量等をスマートメータ等から取得して制御量(入出力量)の決定等を行い、スマートメータ自身は、電力の入出力は行わず、電力線を流れる電力を計測する。スマートメータが、自動構成管理の対象となることもでき、この場合、スマートメータは、マスター優先度は最も低く、スレーブとして扱えばよい(図11参照)。

0174

図23から図35に本発明の実施形態の電力変換装置が送受信する通信メッセージの構成を提示する。

0175

図23から図31は自動構成管理に関する通信メッセージ、図32から図34は電力制御(電力分担制御と電源位相制御)の制御指示状態監視に関する通信メッセージ、図35はスマートメータが管理する計測量情報に関する通信メッセージを示す。各通信メッセージは、ヘッダ部から始まり、ヘッダ部は、データ長(データ部の長さをバイト数単位で表現するための情報)、データ種別(データ部本体の内容を識別するための情報)、ユニット番号(各装置のユニークなコード、製造番号等を表現するための情報)、日付情報(通信メッセージ発信元の装置が負荷する時刻情報)を含む。ヘッダ部の前には、更に、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)用の通信ヘッダ、MAC層ヘッダ等が追加された上で、通信網上で送受信される。

0176

図23〜図31は自動構成管理に関する通信メッセージを示す。

0177

図23は、広告に関する通信メッセージを示す。広告種別は、存在広告、更新広告、離脱広告を表現できる。ある装置が自らの存在を他の機器に通知する際は、広告種別を「存在広告」に設定し、初期起動時、および一定周期間隔ブロードキャスト/マルチキャスト通信する。自装置の動作状態あるいはシステム構成の変更を他の装置に通知する際は、広告種別を「更新広告」に設定してブロードキャスト/マルチキャスト通信する。装置が動作を終了する際は、広告種別を「離脱広告」にしてブロードキャスト/マルチキャスト通信する。

0178

図24は、探索要求に関する通信メッセージを示す。広告メッセージが各装置が能動的に自らの存在を通知する際に用いるのに対して、探索要求メッセージは、問い合わせを行うために用いる。この際、ブロードキャスト/マルチキャスト通信の形で探索要求メッセージを送信する。通信タイミングは任意である。探索要求メッセージを受信した電力変換装置は、通信メッセージ同士の衝突を防ぐため最大待ち時間で指定される時間の範囲内でランダムな時間待機した後、探索応答メッセージを返信する。

0179

図25は、探索応答に関する通信メッセージを示す。広告メッセージとほぼ同様の構成だが、探索要求メッセージを送信した電力変換装置に向けユニキャストで送信する点が異なる。

0180

図26は、構成情報書き込み要求に関する通信メッセージを示す。シーケンス番号(通信メッセージの再送制御のために使用)、ユニット情報数(構成情報に含まれるユニット情報の個数)、構成情報(ユニット番号、ユニット種別、通信結線情報数、電力結線情報数、スレーブ情報数、マスター情報、通信結線情報、電力結線情報、スレーブ情報)を含む。TCP/IPを用いる場合、再送型の通信制御が実施されるが、UDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)を用いる場合、図26に示すようなシーケンス番号を用いて所定回数再送制御を実施することが好ましい。

0181

図27は、構成情報書き込み応答に関する通信メッセージを示す。この通信メッセージは、書き込み要求に対する応答メッセージであり、構成情報の受信・内部記憶が完了したことを通知する。シーケンス番号は構成情報書き込み要求メッセージ受信時の内容を反映する。

0182

図28は構成情報読み込み要求、図29は構成情報読み込み応答に関する通信メッセージで、基本的には書き込みに関する要求(図26)と応答(図27)の通信メッセージの内容を踏襲する。

0183

図30は電力結線確認要求に関する通信メッセージ、図31は電力結線確認応答に関する通信メッセージを示す。電力結線確認要求を受信した電力変換装置は、種別・電圧・周波数等の情報を電力入力部および電力出力部から取得して、電力結線確認応答の通信メッセージを生成、送信する。電力結線確認要求の送信元は応答に関する通信メッセージの内容を元に、種別・電圧・周波数の情報が同一(あるいは所定の閾値の範囲以内)に収まる場合、電力変換装置同士が互いに同一の電力母線上に位置することを判定する。なお、同一の電力母線上の位置することの検出方法はこの方法に限定されない。尚、通信結線の把握は、自動構成管理の通信メッセージを直接受信した場合に、同一通信線上にあると判定する。

0184

図32は、電力分担や電源位相等の自律協調制御の動作時に、マスターの電力変換装置(あるいはEMS、ローカルコントローラ)が、スレーブとなった電力変換装置に指示する制御内容を通知するメッセージを示す。

0185

また、図33は、電源位相制御時における同期通信用の通信メッセージを示す。交流波形を生成するための周波数情報(例えば日本国内では50Hz/60Hz)、位相誤差あるいは位相情報(同期用のクロック情報)を含む。

0186

図34は、マスターがスレーブの動作状態をモニタするための情報を通知する通信メッセージを示す。この通信メッセージは、スレーブの電力変換装置からマスターの電力変換装置(あるいはEMS、ローカルコントローラ)へと送信する。

0187

図35は、スマートメータが計量する電力、熱量、温度差、圧力量、流量等のセンサ情報に関する通信メッセージを示す。同図の例では、電気・ガス・水道の検針を1台のスマートメータが一体的に扱う場合の通信メッセージの一例を示しているが、電気用メータ、ガス用メータ、水道用メータと分離している場合は、通信メッセージの内容も分けて扱う。この通信メッセージは、たとえばスマートメータからマスターの電力変換装置(あるいはEMS、ローカルコントローラ)に送信する。

0188

以上、本発明の実施形態によれば、複数の異なる電力変換装置間での構成の動的な管理を行い、運用の柔軟性と可動性を確保しながら、協調運転による電力入出力のスループットを増加させる効果が得られるようにした、電力変換装置、電力変換方法および電力変換プログラムが提供される。

0189

尚、この電力変換装置は、例えば、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、上記のコンピュータ装置に搭載されたプロセッサにプログラムを実行させることにより実現することができる。このとき、電力変換装置は、上記のプログラムをコンピュータ装置にあらかじめインストールすることで実現してもよいし、CD-ROMなどの記憶媒体に記憶して、あるいは通信網を介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータ装置に配置することで実現出来る。また、上記のコンピュータ装置に内蔵あるいは外付けされたメモリハードディスク又はCD-R、CD-RW、DVD-RAM、DVD-R等の記憶媒体などを利用することが出来る。

0190

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

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