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技術 凍結乾燥ホップを原料に用いたビールテイスト飲料及びホップ香気の増強方法

出願人 アサヒビール株式会社
発明者 森本真仁生澤靖明ユルゲン・シュミット
出願日 2013年9月3日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2013-182218
公開日 2015年3月16日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2015-047135
状態 特許登録済
技術分野 発酵液の蒸留、酒類の加工、食酢及びビール 酒類 非アルコール性飲料
主要キーワード 冷凍環境 粉砕ペレット 乾燥圧力 時間勾配 収穫後乾燥 絶対評価 ホップ成分 SBS
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年3月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

ホップ成分本来の風味を有するビールテイスト飲料を提供すること。

解決手段

収穫後乾燥することなく凍結乾燥したホップを、原料として用いて製造した、ビールテイスト飲料。

概要

背景

ビールテイスト飲料香気及び苦味製造原料としてホップを使用することで調整され、ほろ苦いビールテイストが実現される。本明細書において文言「ビールテイスト」はビール風味同意義である。風味香り及び味を意味する。

ホップは水分を大量に含み、収穫後即座に劣化し、褐変を始め、同時に枯れ草臭が生成する。そのため、ホップは通常収穫後乾燥して、圧縮もしくは粉砕ペレット状に加工して、低温保存された後に使用される。一般に、ホップは加熱乾燥させる。

しかし、高温条件下ではホップ成分揮散及び劣化が促進される。そのため、ホップの乾燥及び加工中にホップ成分本来の香気が低下し、加熱乾燥したホップには劣化したホップ成分が蓄積する。

劣化したホップ成分は乾燥ホップ特有臭気を有し、ホップ成分本来の香気及び味質に悪影響を与える。そのため、製造原料として加熱乾燥したホップを使用する場合、ビールテイスト飲料にホップ成分本来の香気及び味質を付与することは困難である。

特許文献1には、発酵麦芽飲料の製造原料として、収穫後乾燥することなく凍結した生ホップ若しくはその粉砕物を使用することが記載されている。しかしながら、凍結させただけのホップには大量の水分が含まれる。そのためホップ重量当りに含まれる香気成分の量が少なくなり、醸造工程中での添加量も多くなる。そのため取り扱いも非常に労力を要する。また保存においても冷凍環境下で大量のホップを保存せねばならず、保存に要するエネルギー保管場所も大きくなる。

工業的規模実生産することを前提にすると、凍結した生ホップは十分な量を調達するためには制約が多く、取り扱いに労力を要するため、使用量を十分に増大させることが困難である。そのため、製造コストが高く、製造操作が煩雑であり、ビールテイスト飲料にホップ成分本来の香気及び味質を充分及び安定的に付与することは未だ困難である。

概要

ホップ成分本来の風味を有するビールテイスト飲料を提供すること。収穫後乾燥することなく凍結乾燥したホップを、原料として用いて製造した、ビールテイスト飲料。なし

目的

本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

収穫後乾燥することなく凍結乾燥したホップを、原料として用いて製造した、ビールテイスト飲料

請求項2

収穫後乾燥することなく凍結乾燥したホップの水分含有率が12重量%以下である請求項1に記載のビールテイスト飲料。

請求項3

凍結乾燥の条件が乾燥温度60℃以下、乾燥圧力100Pa以下である請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。

請求項4

10〜30ppmのリナロール、5〜15ppmのゲラニオール、及び7.5〜17ppmのシトロネロールを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。

請求項5

6ppm以下のフムレノールを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。

請求項6

収穫後乾燥することなく凍結乾燥したホップを、原料として用いて製造することで、ビールテイスト飲料のフルーティー様香気シトラス様香気及びグリーン様香気から成る群から選択される少なくとも一種の香気を増強する方法。

技術分野

0001

本発明はビールテイスト飲料に関し、特に、風味が改善されたビールテイスト飲料に関する。

背景技術

0002

ビールテイスト飲料の香気及び苦味製造原料としてホップを使用することで調整され、ほろ苦いビールテイストが実現される。本明細書において文言「ビールテイスト」はビール風味同意義である。風味は香り及び味を意味する。

0003

ホップは水分を大量に含み、収穫後即座に劣化し、褐変を始め、同時に枯れ草臭が生成する。そのため、ホップは通常収穫後乾燥して、圧縮もしくは粉砕ペレット状に加工して、低温保存された後に使用される。一般に、ホップは加熱乾燥させる。

0004

しかし、高温条件下ではホップ成分揮散及び劣化が促進される。そのため、ホップの乾燥及び加工中にホップ成分本来の香気が低下し、加熱乾燥したホップには劣化したホップ成分が蓄積する。

0005

劣化したホップ成分は乾燥ホップ特有臭気を有し、ホップ成分本来の香気及び味質に悪影響を与える。そのため、製造原料として加熱乾燥したホップを使用する場合、ビールテイスト飲料にホップ成分本来の香気及び味質を付与することは困難である。

0006

特許文献1には、発酵麦芽飲料の製造原料として、収穫後乾燥することなく凍結した生ホップ若しくはその粉砕物を使用することが記載されている。しかしながら、凍結させただけのホップには大量の水分が含まれる。そのためホップ重量当りに含まれる香気成分の量が少なくなり、醸造工程中での添加量も多くなる。そのため取り扱いも非常に労力を要する。また保存においても冷凍環境下で大量のホップを保存せねばならず、保存に要するエネルギー保管場所も大きくなる。

0007

工業的規模実生産することを前提にすると、凍結した生ホップは十分な量を調達するためには制約が多く、取り扱いに労力を要するため、使用量を十分に増大させることが困難である。そのため、製造コストが高く、製造操作が煩雑であり、ビールテイスト飲料にホップ成分本来の香気及び味質を充分及び安定的に付与することは未だ困難である。

先行技術

0008

特開2004−81113号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、ホップ成分本来の風味を有するビールテイスト飲料を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、収穫後乾燥することなく凍結乾燥したホップを、原料として用いて製造した、ビールテイスト飲料を提供する。

0011

ある一形態においては、収穫後乾燥することなく凍結乾燥したホップの水分含有率が12重量%以下である。

0012

ある一形態においては、凍結乾燥の条件が乾燥温度60℃以下、乾燥圧力100Pa以下である。

0013

ある一形態においては、上記ビールテイスト飲料は10〜30ppmのリナロール、5〜15ppmのゲラニオール、及び7.5〜17ppmのシトロネロールを含む。

0014

ある一形態においては、上記ビールテイスト飲料は6ppm以下のフムレノールを含む。

0015

また、本発明は、収穫後乾燥することなく凍結乾燥したホップを、原料として用いて製造することで、ビールテイスト飲料のフルーティー様香気、シトラス様香気及びグリーン様香気から成る群から選択される少なくとも一種の香気を増強する方法を提供する。

発明の効果

0016

本発明の方法によれば、ホップ成分本来の風味を有するビールテイスト飲料が提供される。本発明の方法で得られるビールテイスト飲料は乾燥ホップ特有の臭気が低減され、渋味が低減されている。また、本発明の方法で得られるビールテイスト飲料はフルーティー様香気、シトラス様香気又はグリーン様香気が増強されている。従って、本発明の方法で得られるビールテイスト飲料は従来とは異なる嗜好性を有するものである。

図面の簡単な説明

0017

本発明の方法で得られたビールについて官能試験を行った結果を示すグラフである。
従来の方法で得られたビールについて官能試験を行った結果を示すグラフである。

0018

本発明の方法で使用する凍結乾燥したホップは、収穫したホップを凍結乾燥させることにより製造する。凍結乾燥は、乾燥物を凍結させた状態で水を昇華させる乾燥方法をいう。凍結乾燥では減圧低温で乾燥が行われる。また、乾燥時間も加熱乾燥に比較して短時間である。そのため、ホップの香気成分の揮散及び劣化、苦味成分等の劣化が少ないと考えられる。

0019

凍結乾燥の条件は通常行われる範囲内で適宜調整される。例えば、乾燥圧力は100Pa以下、好ましくは80Pa以下、より好ましくは60Pa以下である。例えば、乾燥温度は60℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。乾燥温度は時間勾配を設けて良い。その場合、乾燥終盤で周囲温度が40℃程度に達することがありうるが、かかる高温時間帯は加熱乾燥と比べて短く、よって香気成分の揮散と苦味成分の劣化は少ない。

0020

凍結乾燥したホップは0.5〜12重量%、好ましくは2〜9重量%、さらに好ましくは2〜6重量%の水分含有率を有する。0.5重量%以下の水分含有率を実現することは技術的に困難である。凍結乾燥したホップの水分含有率が12重量%を超えると劣化が早まり、醸造工程中での添加量も多くなるため、取り扱いに労力を要し、好ましくない。

0021

凍結乾燥したホップは、ビールテイスト飲料の製造においてフレーバリングの原料として従来使用されてきたホップに代えて、又は該ホップの一部に代えて使用する。フレーバリングの原料として従来使用されてきたホップは、一般に、加熱乾燥したホップである。凍結乾燥したホップは、そのまま使用されてよく、粉砕又はペレット化された形態で、又は、アルコール液化炭酸ガスのような抽出液を用いて香味成分を抽出したホップフレーバーの形態で用いてよい。

0022

ビールテイスト飲料とは、ビールらしい風味を有する飲料の全てを指していう。例えば、ビール様飲料には、酵母を用いて、炭素源窒素源、ホップ類などの原料を発酵させた飲料が一例として挙げられる。炭素源としては、麦芽及び大麦、米、とうもろこしなどの穀物類糖化して得た糖液や、糖類そのものから得た糖液などが使用される。窒素源としては、麦芽以外の植物由来タンパク質もしくはその加水分解物が使用される。ビール様飲料の具体例には、ビール、発泡酒雑酒リキュール類スピリッツ類、低アルコール飲料、ノンアルコール飲料などであって、ビールらしい風味を有するものが含まれる。

0023

例えば、凍結乾燥したホップは、発酵麦芽飲料の製造工程における、麦汁煮沸後(麦汁煮沸工程終了後)、発酵後(又は発酵工程の終了時)、又は熟成貯蔵)後(又は熟成工程の終了時)に、フレーバリングの原料として添加される。

0024

本発明の方法で製造されたビールテイスト飲料はフムレノールの含有量が少ない。フムレノールの含有量は6ppm以下、好ましくは4ppm以下である。フムレノールはホップ成分が劣化した場合に生成する物質である。尚、フムレノール自体には臭気は認められない。

0025

つまり、本発明の方法で製造されたビールテイスト飲料は劣化したホップ成分の含有量が少ない。その結果、乾燥ホップ特有の臭気が低減され、渋味が低減されている。

0026

また、本発明の方法で製造されたビールテイスト飲料はリナロール、ゲラニオール及びシトロネロールの含有量が多い。これらの香気成分の含有量は、リナロールは10〜30ppm、好ましくは16〜26ppmであり、ゲラニオールは5〜15ppm、好ましくは5〜9ppmであり、シトロネロールは7.5〜17ppm、好ましくは8〜12ppmである。

0027

その結果、本発明の方法で製造されたビールテイスト飲料はホップ成分本来の風味を実現する。具体的には、本発明の方法で製造されたビールテイスト飲料はフルーティー様香気、シトラス様香気及びグリーン様香気から成る群から選択される少なくとも一種の香気が増強されている。

0028

以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。

0029

実施例
凍結乾燥したホップとしてBayWa社から提供されたドイツ産Polaris品種を準備した。これは、ホップを収穫後、加熱乾燥を行わず、50Paの圧力、40℃の温度で凍結乾燥させて製造したものである。この凍結乾燥したホップの水分含有率は約3重量%である。

0030

麦芽(カナダ産)3.9kgを粉砕し、コーンスターチ2.1kg及び水30Lと混合して糖化させた後に、80分間煮沸し、上記凍結乾燥したホップを加え、その後4℃に冷却することによって麦汁を得た。ホップ添加量は、苦味成分の元物質であるα 酸が、麦汁に対して100mg/Lとなるように調節した 。

0031

得られた麦汁に酵母を加えて1週間発酵させた。その後、ろ過することにより酵母などの不溶成分を除去した。得られたビールについて、成分分析及び官能検査を行った。

0032

成分分析としては、SBSE+GCMS法により香気成分(テルペン類)の含有量を測定した。測定結果を表1に示す。

0033

官能検査としては、専門評価者パネリスト)7名によって、調製したビールのホップ香気についてフローラル、フルーティー、シトラス、スパイシーグリーン、乾燥ホップの6項目を三段階で絶対評価し、平均値を取った。検査結果図1に示す。評価者から得られたコメントは、香りが軽い、さわやか、しまり、マイルド、渋味なし、であった。

0034

比較例
加熱乾燥したホップとして実施例と同じくドイツ産Polaris品種を準備した。これは、ホップを収穫後、約60℃の熱風を一晩以上循環させて乾燥させたものである。この加熱乾燥したホップの水分含有率は約8重量%である。

0035

凍結乾燥したホップの代わりに上記加熱乾燥したホップを用いること以外は実施例と同様にしてビールを製造し、成分分析及び官能検査を行った。結果を表1及び図2に示す。評価者から得られたコメントは、青臭い、フルーティー、軽快、渋味残る、広がり、粗い、であった。

0036

[表1]

実施例

0037

官能試験の結果によれば、実施例のビールは比較例のビールと比較して、乾燥ホップ特有の臭気、スパイシー様香気が少なく、渋味がない。更に、実施例のビールは比較例のビールと比較して、フルーティー様香気、シトラス様香気及びグリーン様香気が多い。

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