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技術 シワ分析方法及びシワ分析装置

出願人 花王株式会社
発明者 中川典昭富永昌二堀内隆彦秋山拓巳
出願日 2013年8月26日 (6年6ヶ月経過) 出願番号 2013-174176
公開日 2015年3月5日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-042199
状態 特許登録済
技術分野 生体の呼吸・聴力・形態・血液特性等の測定 診断用測定記録装置
主要キーワード バラツキ特性 シワ状 情報エントロピー フーリエ変換画像 平均順位 加重平均フィルタ 角度ヒストグラム 被評価者
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

肌画像に基づいて肌のシワ状態を高精度に定量化する。

解決手段

シワ分析方法は、分析対象部位の肌輝度画像を取得し、この肌輝度画像に対してフーリエ変換を適用することにより、角度毎のパワースペクトル分布情報を算出し、この分布情報から、角度毎のパワースペクトルの分布偏りの大きさを示す方向性エントロピーを算出する、ことを含む。

概要

背景

下記特許文献1は、皮膚表面の皮溝皮丘とによって構成されるキメ等の皮膚性状鑑別する方法を提案する。下記特許文献1は、この鑑別方法の1つとして、皮膚の状態を示すカラー画像から、単一色画素又は単一色画素に演算処理を行った処理画素からなる画像を生成し、この画像にフーリエ変換を適用することで得られるフーリエ変換画像の、輝度ヒストグラム及び/又は輝度形状特性から得られる指標値を皮膚性状の指標とする方法を提案する。

概要

肌画像に基づいて肌のシワ状態を高精度に定量化する。シワ分析方法は、分析対象部位の肌輝度画像を取得し、この肌輝度画像に対してフーリエ変換を適用することにより、角度毎のパワースペクトル分布情報を算出し、この分布情報から、角度毎のパワースペクトルの分布偏りの大きさを示す方向性エントロピーを算出する、ことを含む。

目的

本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、肌画像に基づいて肌のシワ状態を高精度に定量化する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

分析対象部位の肌輝度画像を取得し、前記肌輝度画像に対してフーリエ変換を適用することにより、角度毎のパワースペクトル分布情報を算出し、前記分布情報から、角度毎のパワースペクトルの分布偏りの大きさを示す方向性エントロピーを算出する、ことを含むシワ分析方法

請求項2

前記分布情報の算出は、0度方向及び90度方向の成分が除去された前記分布情報を算出する、請求項1に記載のシワ分析方法。

請求項3

方向性エントロピーとシワ状態が定量化されたシワ指標値との相関関係に基づいて、前記算出された方向性エントロピーに対応するシワ指標値を算出する、ことを更に含む請求項1又は2に記載のシワ分析方法。

請求項4

前記肌輝度画像に対して平滑化フィルタを適用し、前記平滑化フィルタ適用後の肌輝度画像と前記肌輝度画像との差分画像を算出する、ことを更に含み、前記分布情報の算出は、前記差分画像に対してフーリエ変換を実行する、請求項1から3のいずれか1項に記載のシワ分析方法。

請求項5

分析対象部位の肌輝度画像を取得する画像取得部と、前記肌輝度画像に対してフーリエ変換を適用することにより、角度毎のパワースペクトルの分布情報を算出する分布算出部と、前記分布情報から、角度毎のパワースペクトルの分布の偏りの大きさを示す方向性エントロピーを算出するエントロピー算出部と、前記方向性エントロピーの出力処理を行う出力処理部と、を備えるシワ分析装置

請求項6

請求項1から4のいずれか1項に記載のシワ分析方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラム

技術分野

0001

本発明は、肌画像分析技術に関する。

背景技術

0002

下記特許文献1は、皮膚表面の皮溝皮丘とによって構成されるキメ等の皮膚性状鑑別する方法を提案する。下記特許文献1は、この鑑別方法の1つとして、皮膚の状態を示すカラー画像から、単一色画素又は単一色画素に演算処理を行った処理画素からなる画像を生成し、この画像にフーリエ変換を適用することで得られるフーリエ変換画像の、輝度ヒストグラム及び/又は輝度形状特性から得られる指標値を皮膚性状の指標とする方法を提案する。

先行技術

0003

特開2006−61170号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上述の提案手法は、皮丘間隔の相対的バラツキ特性を反映し易いという思想に基づいて、輝度ヒストグラムから得られる指標値(標準偏差等)を皮膚性状の指標として用いる。但し、輝度形状特性からの指標値の具体的取得手法については言及されておらず、キメの方向性の大きさの定量化についても言及されていない。つまり、上述の提案手法は、皮丘間隔の相対的バラツキ特性を定量化すること、即ち、キメの状態を鑑別することのみを目的としており、シワを精度よく分析することができない可能性がある。キメの状態をそのままシワの状態とみなせるとは限らない。

0005

本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、肌画像に基づいて肌のシワ状態を高精度に定量化する技術を提供する。

課題を解決するための手段

0006

本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。

0007

第1の側面は、シワ分析方法に関する。第1の側面に係るシワ分析方法は、分析対象部位の肌輝度画像を取得し、この肌輝度画像に対してフーリエ変換を適用することにより、角度毎のパワースペクトル分布情報を算出し、この分布情報から、角度毎のパワースペクトルの分布偏りの大きさを示す方向性エントロピーを算出する、ことを含む。

0008

第2の側面は、シワ分析装置に関する。第2の側面に係るシワ分析装置は、分析対象部位の肌輝度画像を取得する画像取得部と、その肌輝度画像に対してフーリエ変換を適用することにより、角度毎のパワースペクトルの分布情報を算出する分布算出部と、その分布情報から、角度毎のパワースペクトルの分布の偏りの大きさを示す方向性エントロピーを算出するエントロピー算出部と、その方向性エントロピーの出力処理を行う出力処理部と、を有する。

0009

なお、本発明の他の側面として、上記第1の側面に係る方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形媒体を含む。

発明の効果

0010

上記各側面によれば、肌画像に基づいて肌のシワ状態を高精度に定量化する技術を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

第1実施形態におけるシワ分析装置のハードウェア構成例を概念的に示す図である。
第1実施形態におけるシワ分析装置の動作例を示すフローチャートである。
肌輝度画像から角度毎のパワースペクトルの分布情報を算出する例を概念的に示す図である。
第1実施形態におけるシワ分析装置の処理構成例を概念的に示す図である。
第2実施形態におけるシワ分析装置の動作例を示すフローチャートである。
第2実施形態におけるシワ分析装置の処理構成例を概念的に示す図である。
第3実施形態におけるシワ分析装置の動作例を示すフローチャートである。
第3実施形態におけるシワ分析装置の処理構成例を概念的に示す図である。
シワ量の多い肌の肌輝度画像及び角度毎のパワースペクトルの分布情報を示す図である。
シワ量の少ない肌の肌輝度画像及び角度毎のパワースペクトルの分布情報を示す図である。
方向性エントロピーとシワ状態との相関関係を示すグラフである。

0012

以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に挙げる各実施形態はそれぞれ例示であり、本発明は以下の各実施形態の構成に限定されない。

0013

[第1実施形態]
〔ハードウェア構成〕
図1は、第1実施形態におけるシワ分析装置10のハードウェア構成例を概念的に示す図である。第1実施形態におけるシワ分析装置10は、いわゆるコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)2、メモリ3、入出力インタフェース(I/F)4等を有する。メモリ3は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク可搬型記憶媒体等である。

0014

入出力I/F4は、入力部7、出力部9、他のコンピュータや他の装置と通信を行う通信装置等と接続される。入力部7は、キーボードマウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。出力部9は、ディスプレイ装置プリンタ等のようなユーザに情報を提供する装置である。なお、分析装置10のハードウェア構成は制限されない。

0015

〔動作例(シワ分析方法)〕
図2は、第1実施形態におけるシワ分析装置10の動作例を示すフローチャートである。以下、図2を用いて、第1実施形態におけるシワ分析方法を説明する。
シワ分析装置10により実行されるシワ分析方法は、図2に示されるように、画像取得工程(S21)、分布算出工程(S22)及びエントロピー算出工程(S23)を含む。以下、これら各工程について詳述する。

0016

画像取得工程(S21)では、シワ分析装置10は、分析対象部位の肌輝度画像を取得する。分析対象部位には、例えば、見た目年齢を左右するシワが生じ易い目の下や目尻所定範囲が選ばれる。但し、分析対象部位は制限されない。肌輝度画像は、肌の分析対象部位が写る画像であり、画素毎に明暗情報を持つ画像である。肌輝度画像は、一般的なカメラ撮像されたカラー画像がグレースケール化されることで得られるグレースケール画像であってもよい。また、肌輝度画像は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式GIF(Graphic Interchange Format)形式等の画像ファイルとして取得されてもよいし、各画素の明暗情報を羅列したデータとして取得されてもよい。本実施形態は、肌輝度画像のデータ形式を制限しない。シワ分析装置10は、当該肌輝度画像を、可搬型記録媒体、他の装置等から入出力I/F4を経由して取得することができる。

0017

分布算出工程(S22)では、シワ分析装置10は、(S21)で取得された肌輝度画像に対してフーリエ変換を適用することにより、角度毎のパワースペクトルの分布情報を算出する。肌輝度画像に適用されるフーリエ変換としては、例えば、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))や離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform(DFT))等が周知である。シワ分析装置10は、肌輝度画像の縦方向及び横方向にそれぞれフーリエ変換(2次元フーリエ変換)を適用することで、パワースペクトルを算出し、このパワースペクトルから角度毎のパワースペクトルの分布情報を抽出する。分布情報の角度間隔は制限されない。但し、当該角度間隔は、小さい程、分析精度が向上するため、5度未満の小さい間隔に設定されることが望ましい。

0018

また、分布算出工程(S22)では、シワ分析装置10は、0度方向及び90度方向の成分が除去された状態で、上記分布情報を算出することが望ましい。これは、0度方向(180度方向を含む)及び90度方向(270度方向を含む)の成分は、画像の縦横成分に対応し、画像を周期信号として計算するフーリエ変換の特性上、シワの状態に関わらず高い値を示すからである。このように縦横成分を除外することで、当該分布情報からシワ成分以外のノイズ成分を除去することができ、シワ分析の精度を向上させることができる。シワ分析装置10は、0度以上180度未満の範囲の分布情報を算出した後、その分布情報から0度及び90度の成分を除去するようにしてもよい。分布情報の角度範囲は、0度より大きくかつ180度未満の範囲に設定されればよい。肌輝度画像に写るシワテクスチャの方向性が検出できればよく、180度より大きく360度未満の角度範囲から得られる成分は、0度より大きくかつ180度未満の角度範囲の成分と同等と考えることができるからである。

0019

図3は、肌輝度画像から角度毎のパワースペクトルの分布情報を算出する例を概念的に示す図である。図3では、分布情報として角度ヒストグラムが示されている。また、図3の例では、分布情報の角度間隔が1度に設定され、90度を除く1度から179度までの角度毎のパワースペクトルの分布情報が算出されている。図3の例に示される分布情報(角度ヒストグラム)によれば、125度近辺でパワースペクトルのピークが発生しており、分布が偏っていることが分かる。

0020

エントロピー算出工程(S23)では、シワ分析装置10は、(S22)で算出された分布情報から、角度毎のパワースペクトルの分布の偏りの大きさを示す方向性エントロピーを算出する。例えば、(S22)で算出される、角度毎のパワースペクトルの分布が確率密度分布仮定され、方向性エントロピーが、確率変数(角度)が持つ情報エントロピーHとして下記式により算出される。下記式において、piは、角度iのヒストグラム値であり、nは、データの個数であり、180に設定される。上記式で算出される方向性エントロピーは、ヒストグラムが特定の角度に偏っている場合に、小さい値を取り、ヒストグラムが全体的に分散している場合に、大きい値を取る。但し、方向性エントロピーの算出方法は、角度毎のパワースペクトルの分布の偏りの大きさを算出することができる手法であれば、以下の式に限定されない。

0021

上述の第1実施形態におけるシワ分析方法では、分布算出工程(S22)及びエントロピー算出工程(S23)の開始は、シワ分析装置10により自動で行われてもよいし、ユーザの操作を契機に行われてもよい。

0022

〔処理構成〕
図4は、第1実施形態におけるシワ分析装置10の処理構成例を概念的に示す図である。第1実施形態におけるシワ分析装置10は、画像取得部11、分布算出部12、エントロピー算出部13、出力処理部14等を有する。これら各処理部は、例えば、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。また、当該プログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/F4を介してインストールされ、メモリ3に格納されてもよい。

0023

シワ分析装置10は、図4に示される各処理部を用いて、上述のシワ分析方法を実行することができる。即ち、シワ分析装置10は、図2に示されるように動作する。例えば、画像取得部11は、上述の画像取得工程(S21)を実行し、分布算出部12は、上述の分布算出工程(S22)を実行し、エントロピー算出部13は、上述のエントロピー算出工程(S23)を実行する。

0024

出力処理部14は、エントロピー算出部13により算出された方向性エントロピーの出力処理を行う。例えば、出力処理部14は、方向性エントロピーを出力部9に出力させる。この出力は、画面表示、印刷音声出力等である。また、出力処理部14は、方向性エントロピーのデータを入出力I/F4を介して、可搬型記録媒体に格納(出力)してもよいし、他の装置に送信(出力)してもよい。このように、本実施形態は、方向性エントロピーの出力形態を制限しない。

0025

シワ分析装置10は、分析対象部位の肌輝度画像を、シワ分析装置10自身で予め保持していてもよいし、シワ分析装置10自身で生成してもよいし、他のコンピュータや可搬型記録媒体等から入出力I/F4を介して取得してもよい。

0026

〔第1実施形態における作用及び効果〕
上述のように、第1実施形態では、分析対象部位が写る肌輝度画像に対してフーリエ変換が適用されることで、角度毎のパワースペクトルの分布情報が算出され、この分布情報の方向性エントロピーが算出される。角度毎のパワースペクトルの分布は、肌輝度画像に写る肌(分析対象部位)のテクスチャの方向性を示す。強い方向性を持つテクスチャが存在する場合、そのテクスチャの方向と直交する特定方向に偏って高周波成分が表われる。一方、肌のテクスチャが方向性を持たない場合、或る特定方向に高周波成分が偏ることはなく、高周波成分は分散する。よって、角度毎のパワースペクトルの分布の偏りの大きさを示す方向性エントロピーは、肌輝度画像に写る肌のテクスチャの方向性の強さを示すと言える。

0027

本発明者らは、シワが方向性を持つ肌テクスチャであると考え、上述のような画像解析で得られる方向性エントロピーによりシワ状態を定量化できることを見出した。そこで、本発明者らは、実施例として後述するように、方向性エントロピーとシワ状態を定量化したシワ指標値との間に相関関係が存在することを検証した。ここで、シワ状態とは、シワが多い又は少ないと視認させる肌のテクスチャの状態を意味し、シワ感と表現することもできる。

0028

このように、第1実施形態によれば、複雑な物理モデルや特殊な設備を用いることなく、簡易画像処理により、シワ状態が定量化されたシワ指標値の1つ(方向性エントロピー)を抽出することができる。

0029

[第2実施形態]
以下、第2実施形態におけるシワ分析装置10及びシワ分析方法について、第1実施形態と異なる内容を中心に説明する。第2実施形態では、シワの分析精度を上げ得る画像の平滑化処理及び差分画像算出処理が新たに追加される。以下、第1実施形態と同じ内容の説明は、適宜省略される。第2実施形態におけるシワ分析装置10のハードウェア構成は、図1に示される第1実施形態と同じである。

0030

〔動作例(シワ状態分析方法)〕
以下、第2実施形態におけるシワ分析方法を図5を用いて説明する。図5は、第2実施形態におけるシワ分析装置10の動作例を示すフローチャートである。図5では、図2と同じ工程については同じ符号が付されている。
シワ分析装置10により実行される第2実施形態におけるシワ分析方法は、図2に示される第1実施形態の方法に加えて、平滑化工程(S51)及び差分画像算出工程(S52)を更に含む。以下、第1実施形態と異なる内容の工程を中心に、各工程について詳述する。

0031

平滑化工程(S51)において、シワ分析装置10は、(S21)で取得された肌輝度画像に対して平滑化フィルタを適用する。平滑化フィルタとは、隣接する画素の輝度値の分布を滑らかにするフィルタであり、移動平均フィルタ加重平均フィルタガウシアンフィルタ等が存在する。本実施形態では、例えば、ガウシアンフィルタが利用される。

0032

差分画像算出工程(S52)において、シワ分析装置10は、(S51)で平滑化された肌輝度画像と、(S21)で取得された肌輝度画像との差分画像を算出する。これにより、分布算出工程(S22)では、シワ分析装置10は、(S52)で算出された差分画像に対してフーリエ変換を適用する。

0033

〔処理構成〕
図6は、第2実施形態におけるシワ分析装置10の処理構成例を概念的に示す図である。第2実施形態におけるシワ分析装置10は、第1実施形態の構成に加えて、平滑化処理部15及び差分算出部16を更に有する。平滑化処理部15及び差分算出部16についても、他の処理部と同様に、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。

0034

シワ分析装置10は、図6に示される各処理部を用いて、上述のシワ分析方法を実行することができる。即ち、シワ分析装置10は、図5に示されるように動作する。この場合、平滑化処理部15は、上述の平滑化工程(S51)を実行し、差分算出部16は、上述の差分画像算出工程(S52)を実行する。分布算出部12は、差分算出部16により算出された差分画像に対してフーリエ変換を実行する。他の各処理部は、第1実施形態と同様である。

0035

〔第2実施形態における作用及び効果〕
上述のように、第2実施形態では、肌輝度画像に対して平滑化フィルタが適用され、平滑化された肌輝度画像と元の肌輝度画像との差分画像が算出される。平滑化フィルタを適用することにより、肌輝度画像から、肌表面凹凸形状以外に由来する肌テクスチャ(ノイズテクスチャ)を抽出することができる。抽出されるノイズテクスチャには、例えば、シミソバカスホクロ等の色ムラ成分、及び、光源ムラ成分等が存在する。そして、上記差分画像の算出により、元の肌輝度画像からこのようなノイズテクスチャを除去することができ、結果として、肌表面の凹凸形状に由来する肌テクスチャを差分画像として高純度に抽出することができる。第2実施形態では、その差分画像に対してフーリエ変換が適用されることで、角度毎のパワースペクトルの分布情報が算出される。

0036

従って、第2実施形態によれば、シワ成分とは関係性の薄い肌テクスチャが除去された画像から、方向性エントロピーが算出されるため、シワの分析精度を向上させることができる。

0037

[第3実施形態]
以下、第3実施形態におけるシワ分析装置10及びシワ分析方法について、第1実施形態及び第2実施形態と異なる内容を中心に説明する。第3実施形態では、方向性エントロピーに対応するシワ指標値が算出される点において、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。以下、第1実施形態及び第2実施形態と同じ内容の説明は、適宜省略される。第3実施形態におけるシワ分析装置10のハードウェア構成は、図1に示される第1実施形態と同じである。

0038

〔動作例(シワ状態分析方法)〕
以下、第3実施形態におけるシワ分析方法を図7を用いて説明する。図7は、第3実施形態におけるシワ分析装置10の動作例を示すフローチャートである。

0039

シワ分析装置10により実行される第3実施形態におけるシワ分析方法は、第1実施形態及び第2実施形態に加えて、指標値算出工程(S71)を更に含む。但し、図7は、第1実施形態の方法に、第3実施形態における新たな工程(S71)を追加した例を示すが、工程(S71)は、図5に示される第2実施形態の方法に追加されることもできる。図7では、図2と同じ工程については同じ符号が付されている。以下、第1実施形態と異なる内容の工程を中心に、各工程について詳述する。

0040

指標値算出工程(S71)において、シワ分析装置10は、(S22)で算出された方向性エントロピーと、シワ状態が定量化されたシワ指標値との相関関係に基づいて、当該算出された方向性エントロピーに対応するシワ指標値を算出する。シワ指標値は、例えば、シワが多いと視認されるシワ状態ほど大きくなり、シワが少ないと視認されるシワ状態ほど小さくなるような値に設定され、被評価者にとって把握し易い値に設定されることが望ましい。方向性エントロピーとシワ指標値との相関関係は、関数形式、表形式等の所定の形式でデータ化され、メモリ3に格納される。この相関関係の詳細については、実施例の項において詳述する。

0041

〔処理構成〕
図8は、第3実施形態におけるシワ分析装置10の処理構成例を概念的に示す図である。第3実施形態におけるシワ分析装置10は、第1実施形態及び第2実施形態の構成に加えて、指標値算出部17を更に有する。指標値算出部17についても、他の処理部と同様に、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。但し、図8は、第1実施形態の処理構成に、指標値算出部17が新たに追加された処理構成の例を示す。

0042

シワ分析装置10は、図8に示される各処理部を用いて、上述のシワ分析方法を実行することができる。即ち、シワ分析装置10は、図7に示されるように動作する。この場合、指標値算出部17は、上述の指標値算出工程(S71)を実行する。また、出力処理部14は、方向性エントロピー、及び、指標値算出部17により算出されたシワ指標値の少なくとも一方の出力処理を行う。他の各処理部は、第1実施形態と同様である。

0043

〔第3実施形態における作用及び効果〕
第3実施形態では、方向性エントロピーから変換されるシワ指標値が算出される。従って、第3実施形態によれば、方向性エントロピーよりも、被評価者にとって把握し易いシワ状態の定量値を算出し、出力することができる。

0044

以下に実施例を挙げ、上述の各実施形態を更に具体的に説明する。本発明は以下の各実施例から何ら限定を受けない。

0045

図9Aは、シワ量の多い肌の肌輝度画像及び角度毎のパワースペクトルの分布情報を示す図であり、図9Bは、シワ量の少ない肌の肌輝度画像及び角度毎のパワースペクトルの分布情報を示す図である。図9A及び図9Bでは、シワが目立ち易い目の下の所定領域が分析対象部位として選択された。また、図9A及び図9Bの各方向性ヒストグラムは、上述の第2実施形態の手法で各肌輝度画像を分析して得られた角度毎のパワースペクトルの分布情報をそれぞれ示している。

0046

図9Aの方向性ヒストグラムでは、パワースペクトルの分布が特定の角度範囲(135度くらいから170度くらいの範囲)に偏っており、図9Bの方向性ヒストグラムでは、パワースペクトルの分布は概ね分散している。よって、図9A及び図9Bによれば、角度毎のパワースペクトルの分布の偏りの大きさが、シワ状態(シワ量の多い又は少ない)を表すことが証明される。なお、図9Aの肌輝度画像から得られる方向性エントロピーは、6.975であり、図9Bに関する方向性エントロピーは、7.337であった。

0047

更に、20名の肌輝度画像を用いた官能評価により、方向性エントロピーとシワ状態との間に相関関係が存在することが検証された。この検証では、目の下の所定領域が分析対象部位に選ばれ、20名の肌輝度画像を3名の評価者に見せ、各評価者に、視認されるシワ量が少ない画像から多い画像へ昇順順位付けさせ、平均順位を各肌輝度画像のシワ状態ポイントとした。一方で、上述の第2実施形態の方法で、各肌輝度画像の方向性エントロピーがそれぞれ算出された。

0048

上記官能評価の結果として、横軸がシワ状態ポイントを示し、縦軸が方向性エントロピーを示す2次元グラフ上に、20名の肌輝度画像に対応する点(ひし形ドット)がプロットされた。結果、図10に示されるように、方向性エントロピーとシワ状態との間に負の相関相関係数r=−0.565)があることが証明された。そして、上述の各実施形態のように算出される方向性エントロピーが、シワ状態を表すシワ指標値の1つとなり得ることが検証された。

0049

上述の第3実施形態は、図10に示される相関関係、又は、図10に示される方法で得られる相関関係を用いて、方向性エントロピーに対応するシワ指標値を算出するようにすればよい。図10の例の場合には、シワ状態ポイントがシワ指標値として算出されればよい。

0050

また、上述の官能評価で用いられた肌輝度画像は、被験者の肌の分析対象部位の法線方向から40度の方向から照明を照らした状態で撮像された。上述の各実施形態及び実施例では、肌表面の形状に由来する肌テクスチャ(シワ状態)が分析対象であるため、分析対象の肌テクスチャが画像に表われ易いように、照明角度が調整されることが望ましい。例えば、肌の分析対象部位の法線方向から、30度から50度の範囲に照明角度が設定されることが望ましい。

0051

なお、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、上述の各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。

0052

上記の各実施形態及び実施例の一部又は全部は、次のようにも特定され得る。但し、上述の各実施形態及び実施例が以下の記載に制限されるものではない。

0053

<1>分析対象部位の肌輝度画像を取得し、
前記肌輝度画像に対してフーリエ変換を適用することにより、角度毎のパワースペクトルの分布情報を算出し、
前記分布情報から、角度毎のパワースペクトルの分布の偏りの大きさを示す方向性エントロピーを算出する、
ことを含むシワ分析方法。

実施例

0054

<2> 前記分布情報の算出は、0度方向及び90度方向の成分が除去された前記分布情報を算出する<1>に記載のシワ分析方法。
<3> 方向性エントロピーとシワ状態が定量化されたシワ指標値との相関関係に基づいて、前記算出された方向性エントロピーに対応するシワ指標値を算出する、
ことを更に含む<1>又は<2>に記載のシワ分析方法。
<4> 前記肌輝度画像に対して平滑化フィルタを適用し、
前記平滑化フィルタ適用後の肌輝度画像と前記肌輝度画像との差分画像を算出する、
ことを更に含み、
前記分布情報の算出は、前記差分画像に対してフーリエ変換を実行する<1>から<3>のいずれか1つに記載のシワ分析方法。
<5>分析対象部位の肌輝度画像を取得する画像取得部と、
前記肌輝度画像に対してフーリエ変換を適用することにより、角度毎のパワースペクトルの分布情報を算出する分布算出部と、
前記分布情報から、角度毎のパワースペクトルの分布の偏りの大きさを示す方向性エントロピーを算出するエントロピー算出部と、
前記方向性エントロピーの出力処理を行う出力処理部と、
を備えるシワ分析装置。
<6> 前記分布算出部は、0度方向及び90度方向の成分が除去された前記分布情報を算出する<5>に記載のシワ分析装置。
<7> 方向性エントロピーとシワ状態が定量化されたシワ指標値との相関関係に基づいて、前記算出された方向性エントロピーに対応するシワ指標値を算出する指標値算出部を更に備える<5>又は<6>に記載のシワ分析装置。
<8>前記肌輝度画像に対して平滑化フィルタを適用する平滑化処理部と、
前記平滑化フィルタ適用後の肌輝度画像と前記肌輝度画像との差分画像を算出する差分算出部と、
を更に備え、
前記分布算出部は、前記差分画像に対してフーリエ変換を実行する<5>から<7>のいずれか1つに記載のシワ分析装置。
<9> <1>から<4>のいずれか1つに記載のシワ分析方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラム。
<10> <9>に記載のプログラムをコンピュータが読み取り可能に記録する記録媒体。

0055

2 CPU
3メモリ
4入出力I/F
7 入力部
9 出力部
10シワ分析装置
11画像取得部
12分布算出部
13エントロピー算出部
14出力処理部
15平滑化処理部
16差分算出部
17指標値算出部

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