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技術 熱処理小麦粉の製造方法

出願人 日清製粉株式会社
発明者 北剛臣大渕康彦志賀誠司
出願日 2014年3月7日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2014-044479
公開日 2015年3月5日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2015-042165
状態 特許登録済
技術分野 穀類誘導製品 ベイカリー製品及びその製造方法
主要キーワード 製造中間品 密閉型容器 ロール製粉機 実施順序 乾熱温度 相関曲線 鯛焼き 普通小麦
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

外観及び食感が良好な菓子類等の二次加工食品を安定的に製造可能な熱処理小麦粉の製造方法を提供すること。

解決手段

本発明の熱処理小麦粉の製造方法は、A)軟質系小麦主体とする原料小麦品温80〜100℃で1〜90分間湿熱処理した後、該原料小麦の品温を60℃以上且つ該湿熱処理時の品温未満で1〜90分間保持し、しかる後、該原料小麦を製粉するか、又はB)軟質系小麦を主体とする原料小麦を品温80〜100℃で1〜180分間湿熱処理した後、該原料小麦を製粉する。

概要

背景

従来、菓子類等の、小麦粉を用いた食品風味食感、色等を改良するために、小麦粉の熱処理が行なわれている。例えば特許文献1には、外観(膨らみ具合)及び食感(ねとつき感又はドライ感)が良好な高品質カステラの製造方法として、製粉直後の小麦粉を特定条件乾熱処理することが記載されており、この特定条件(乾熱温度、処理時間)は、小麦粉を焦がさないでカステラに最大の膨らみを与え得る小麦粉の乾熱温度と処理時間との相関曲線から求めるとされている。

また特許文献2及び3には、キメが細かく、しっとりとして口溶けが極めて良好で、しかも崩れるような脆さがある、独特な食感を有する菓子類が得られる菓子類用小麦粉として、粗蛋白質含量グルテンバイタリティ、α化度及び平均粒径がそれぞれ特定範囲にある菓子類用小麦粉が記載されており、また、その製造方法として、軟質系小麦主体とする原料小麦を、加熱水蒸気により、品温85〜100℃で1〜5分間湿熱処理するか、あるいは品温60〜80℃で30分間〜3時間湿熱処理した後、この湿熱処理小麦を常法に従って製粉する工程を含む、菓子類用小麦粉の製造方法が記載されている。

概要

外観及び食感が良好な菓子類等の二次加工食品を安定的に製造可能な熱処理小麦粉の製造方法を提供すること。本発明の熱処理小麦粉の製造方法は、A)軟質系小麦を主体とする原料小麦を品温80〜100℃で1〜90分間湿熱処理した後、該原料小麦の品温を60℃以上且つ該湿熱処理時の品温未満で1〜90分間保持し、しかる後、該原料小麦を製粉するか、又はB)軟質系小麦を主体とする原料小麦を品温80〜100℃で1〜180分間湿熱処理した後、該原料小麦を製粉する。なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

軟質系小麦主体とする原料小麦品温80〜100℃で1〜90分間湿熱処理した後、該原料小麦の品温を60℃以上且つ該湿熱処理時の品温未満で1〜90分間保持し、しかる後、該原料小麦を製粉する、熱処理小麦粉の製造方法。

請求項2

軟質系小麦を主体とする原料小麦を品温80〜100℃で1〜180分間湿熱処理した後、該原料小麦を製粉する、熱処理小麦粉の製造方法。

請求項3

湿熱処理した原料小麦を製粉して得られた小麦粉を、分級又は衝撃式粉砕機によって粉砕し、その粒径分布を下記(1)〜(3)の範囲に調整する請求項1又は2に記載の熱処理小麦粉の製造方法。(1)平均粒径が15〜50μm(2)粒径60μm以上の粗粉画分含有割合が5〜30質量%(3)粒径30μm以下の微粉画分の含有割合が50〜80質量%

請求項4

請求項1〜3の何れか一項に記載の熱処理小麦粉の製造方法により得られた熱処理小麦粉。

請求項5

請求項4に記載の熱処理小麦粉を用いて得られた食品

技術分野

0001

本発明は、熱処理が施された小麦粉に関する。

背景技術

0002

従来、菓子類等の、小麦粉を用いた食品風味食感、色等を改良するために、小麦粉の熱処理が行なわれている。例えば特許文献1には、外観(膨らみ具合)及び食感(ねとつき感又はドライ感)が良好な高品質カステラの製造方法として、製粉直後の小麦粉を特定条件乾熱処理することが記載されており、この特定条件(乾熱温度、処理時間)は、小麦粉を焦がさないでカステラに最大の膨らみを与え得る小麦粉の乾熱温度と処理時間との相関曲線から求めるとされている。

0003

また特許文献2及び3には、キメが細かく、しっとりとして口溶けが極めて良好で、しかも崩れるような脆さがある、独特な食感を有する菓子類が得られる菓子類用小麦粉として、粗蛋白質含量グルテンバイタリティ、α化度及び平均粒径がそれぞれ特定範囲にある菓子類用小麦粉が記載されており、また、その製造方法として、軟質系小麦主体とする原料小麦を、加熱水蒸気により、品温85〜100℃で1〜5分間湿熱処理するか、あるいは品温60〜80℃で30分間〜3時間湿熱処理した後、この湿熱処理小麦を常法に従って製粉する工程を含む、菓子類用小麦粉の製造方法が記載されている。

先行技術

0004

特開2008−193996号公報
特開2012−254052号公報
特開2012−254053号公報

発明が解決しようとする課題

0005

近年、小麦粉の二次加工食品多様化等を背景に、該二次加工食品に要望される外観や食感のレベル上昇傾向にあり、高品質の二次加工食品を安定的に製造可能な小麦粉が要望されている。しかしながら、そのような小麦粉は未だ提供されていない。

0006

本発明の課題は、外観及び食感が良好な菓子類等の二次加工食品を安定的に製造可能な熱処理小麦粉の製造方法に関する。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、軟質系小麦を主体とする原料小麦を品温80〜100℃で1〜90分間湿熱処理した後、該原料小麦の品温を60℃以上且つ該湿熱処理時の品温未満で1〜90分間保持し、しかる後、該原料小麦を製粉する、熱処理小麦粉の製造方法である。
また本発明は、軟質系小麦を主体とする原料小麦を品温80〜100℃で1〜180分間湿熱処理した後、該原料小麦を製粉する、熱処理小麦粉の製造方法である。
また本発明は、前記製造方法により得られた熱処理小麦粉である。
また本発明は、前記熱処理小麦粉を用いて得られた食品である。

発明の効果

0008

本発明の熱処理小麦粉の製造方法によれば、外観及び食感が良好な二次加工食品を安定的に製造可能な熱処理小麦粉が得られる。また、本発明の製造方法により得られた熱処理小麦粉は、その優れた特性により、菓子類等の種々の食品に用いることができ、特に、しっとり感と良好な口溶けと、崩れるような脆さのバランスが極めて好適な製品が得られることから、小麦粉の二次加工食品の中でも特に菓子類、とりわけスポンジケーキ等のケーキ類の製造に好適である。

0009

以下、本発明の熱処理小麦粉の製造方法をその好ましい実施態様に基づいて説明する。 本発明では、原料小麦として、「軟質系小麦を主体とする原料小麦」を用いる。本発明で用いる軟質系小麦としては、例えば、ウエスタンホワイト、ソフトレッドホイート、ソフトホワイトホイート等の外国産軟質系小麦の他、日本産普通小麦、オーストラリア麺用小麦等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの軟質系小麦の中でも特にウエスタンホワイトが好ましい。また、本発明で用いる「軟質系小麦を主体とする原料小麦」は、原料小麦中における軟質系小麦の含有率が50質量%以上を占めるものであり、該含有率は、好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%である。

0010

本発明の製造方法は、原料小麦の前処理工程と、前処理済みの原料小麦を製粉する製粉工程とを含む。本発明においては、この前処理工程(原料小麦の湿熱処理)に先立ち、原料小麦に加水し、テンパリング調質)を施すことが好ましい。原料小麦の加水・テンパリングは常法に従って行えば良く、例えば原料小麦100質量部に対し、水を3〜10質量部、好ましくは4〜7質量部を加えて、約4〜24時間、好ましくは約8〜16時間、例えば約12時間行う。

0011

本発明に係る前処理工程は、原料小麦を湿熱処理する工程である。湿熱処理は、原料小麦中の水分を維持しながら、又は水分を加えながら行う熱処理である。湿熱処理としては、水蒸気又は水の存在下で原料小麦を加熱する方法が挙げられ、その際、水蒸気又は水自体で原料小麦を加熱しても良い。より具体的には、例えば、原料小麦を高速撹拌機で均一加水しながら、蒸気を導入し加熱処理する方法、密閉型容器内に飽和水蒸気を導入し加熱処理する方法等が挙げられる。

0012

本発明に係る前処理工程は、下記A法又はB法を用いて実施することができる。特にA法は、外観及び食感が良好な二次加工食品をより安定的に製造できるため、本発明で好ましく利用できる。尚、本発明において、品温とは、処理対象物(原料小麦)自体の温度を意味する。例えば、100℃の水蒸気を用いて原料小麦の湿熱処理を実施する場合、その湿熱処理時の原料小麦の品温は、水蒸気の温度100℃と同じになるとは限らず、通常これよりもやや低い温度になる。

0013

・A法:原料小麦を品温80〜100℃で1〜90分間湿熱処理した後、該原料小麦の品温を60℃以上且つ該湿熱処理時の品温未満で1〜90分間保持する。
・B法:原料小麦を品温80〜100℃で1〜180分間湿熱処理する。

0014

前記A法において、湿熱処理時の原料小麦の品温が80℃未満であると、湿熱処理が不足となるため、例えば最終的に得られた熱処理小麦粉を用いて菓子類を製造した場合に、その菓子類は、しっとり感と口溶けはある程度は良いものの、独特の崩れるような脆さが得られず、また、湿熱処理時の原料小麦の品温が100℃超であると、湿熱処理が過度となり、得られる菓子類はある程度の脆さはあるものの、しっとり感が十分とはいえず、口溶けも劣るようになる。また、前記A法において、湿熱処理時間が1分間未満であると、湿熱処理が不足となり、得られる菓子類はしっとり感と口溶けはある程度は良いものの、独特の崩れるような脆さが得られず、また、湿熱処理時間が90分間超であると、湿熱処理が長時間にわたるため熱処理小麦粉の生産性が低下するだけでなく、湿熱処理が過度となり、得られる菓子類の口溶けが悪くなり、また、独特の崩れるような脆さも得られない。前記A法においては、菓子類等の二次加工食品の外観及び食感の更なる向上の観点から、原料小麦を品温90〜100℃で5〜20分間湿熱処理するのが特に好ましい。

0015

前記A法に固有の処理として、湿熱処理後の原料小麦の品温を60℃以上且つ該湿熱処理時の品温未満で1〜90分間保持する、品温保持処理がある。品温保持処理は、通常、湿熱処理の終了後速やかに実施され、両処理の間には他の処理は入らず、両処理は連続している。品温保持処理における原料小麦の加熱方法は、湿熱処理における原料小麦の加熱方法と同じであっても良く(即ち例えば、湿熱処理で水蒸気を用いて原料小麦を加熱した場合、品温保持処理でも引き続き水蒸気を用いて原料小麦を加熱しても良く)、異なっていても良い。品温保持処理において、原料小麦の品温(保持温度)は、湿熱処理時の品温未満であることを前提として、好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、保持時間は、好ましくは20〜80分間、更に好ましくは30〜60分間である。

0016

一方、前記品温保持処理の無い前記B法において、原料小麦の品温は60℃以上あれば、熱処理小麦粉の品質としては十分であるが、本発明では、更なる品質向上の観点から、品温80℃を湿熱処理時の下限値に設定している。また、前記B法において、原料小麦の品温が100℃超であると、得られる菓子類はやや脆さはあるものの、しっとり感が十分とはいえず、口溶けも劣るようになる。また、前記B法において、湿熱処理時間が1分間未満であると、得られる菓子類はしっとり感と口溶けはやや良いものの、独特の崩れるような脆さが得られず、また、湿熱処理時間が180分間超であると、湿熱処理が長時間にわたるため菓子用小麦粉の生産性が低下するだけでなく、湿熱処理が過度となり、得られる菓子類の口溶けが悪くなり、また、独特の崩れるような脆さも得られない。前記B法においては、菓子類等の二次加工食品の外観及び食感の更なる向上の観点から、原料小麦を品温80〜90℃、特に品温85℃で、90〜150分間、特に120分間湿熱処理するのが好ましい。

0017

本発明に係る製粉工程は、前処理(湿熱処理)済みの原料小麦(軟質系小麦を主体とする原料小麦)を製粉する工程である。前処理済みの原料小麦は、通常50℃以下に冷却されてから、製粉工程に導入される。前処理済みの原料小麦の冷却は、公知の冷却手段を用いて常法に従って実施することができる。本発明に係る製粉工程において、製粉法及び製粉装置は特に制限されず、例えば、ロール製粉機石臼衝撃式粉砕機等の公知の製粉装置を用いて常法に従って実施することができる。必要に応じ、ロール製粉機等による原料小麦の粉砕後に、その粉砕により得られた小麦粉を、を用いて篩分け分級)しても良い。

0018

本発明の製造方法により得られた熱処理小麦粉の平均粒径は、特に制限されず、熱処理小麦粉の用途等に応じて適宜調整することができる。熱処理小麦粉の平均粒径の調整は、前記製粉工程において常法に従って実施することができ、例えば、原料小麦の粉砕とその後の篩分けとを繰り返すことで実施することができる。例えば、熱処理小麦粉をケーキ類等の菓子類の製造に用いる場合、その菓子類用熱処理小麦粉の平均粒径は、好ましくは15〜40μm、更に好ましくは20〜35μmである。菓子類用熱処理小麦粉の平均粒径をこの範囲に調節すると、得られる菓子類において、しっとり感と良好な口溶けと崩れるような脆さとのバランスが極めて好適なものとなる。尚、熱処理小麦粉の平均粒径は、測定対象の熱処理小麦粉の粒径分布を測定することにより測定可能であり、この粒径分布は、例えば日機装株式会社製「マイクロトラック粒径分布測定装置9200FRA」を用いて乾式で測定することができる。

0019

本発明の製造方法により得られた熱処理小麦粉の好ましい一実施形態として、粒度分布が下記(1)〜(3)の範囲に調整された熱処理小麦粉が挙げられる。粒径分布が下記(1)〜(3)の全てを満たす熱処理小麦粉は、特に菓子類用小麦粉として有用であり、これを用いて得られた菓子類は、しっとり感と良好な口溶けと崩れるような脆さとのバランスが極めて好適なものとなる。尚、下記(2)の粗分画分の含有割合及び下記(3)の微粉画分の含有割合は、それぞれ、前述したように乾式で測定した粒径分布を解析し計算して得られる「検出頻度割合」である。この検出頻度割合については、例えば、前記マイクロトラック粒径分布測定装置9200FRAに添付された資料「マイクロトラック粒度分析計測定結果見方」が参考になる。

0020

(1)平均粒径が15〜50μm、好ましくは15〜40μm、さらに好ましくは20〜35μm。
(2)粒径60μm以上の粗粉画分の含有割合が5〜30質量%、好ましくは5〜20質量%。
(3)粒径30μm以下の微粉画分の含有割合が50〜80質量%、好ましくは55〜75質量%。

0021

前記(1)に関し、熱処理小麦粉の平均粒径が15μm未満であると、粉砕が過度なものであることを意味し、得られる菓子類はある程度の脆さはあるものの、しっとり感が十分とはいえず、口溶けも劣るようになり、さらに菓子用小麦粉の生産性にも劣るようになる。また、熱処理小麦粉の平均粒径が50μm超であると、粉砕が十分ではないことを意味し、得られる菓子類はしっとり感と口溶けはある程度は良いものの、独特の崩れるような脆さが得られない。

0022

前記(2)に関し、熱処理小麦粉における粒径60μm以上の粗粉画分の含有割合が5質量%未満であると、得られる菓子類は崩れるような脆さはあるものの、しっとり感が十分とはいえず、口溶けもやや劣るようになる。また、この粗粉画分の含有割合が30質量%超であると、得られる菓子類はしっとり感と口溶けはやや良いものの、独特の崩れるような脆さが得られない。

0023

前記(3)に関し、熱処理小麦粉における粒径30μm以下の微粉画分の含有割合が5質量%未満であると、得られる菓子類はしっとり感と口溶けはある程度は良いものの、独特の崩れるような脆さが得られない。また、この微粉画分の含有割合が80質量%超であると、得られる菓子類はある程度の脆さはあるものの、しっとり感が十分とはいえず、口溶けも劣るようになり、さらに熱処理小麦粉の生産性にも劣るようになる。

0024

前記(1)〜(3)の全てを満たす熱処理小麦粉は、前記A法又はB法によって湿熱処理した原料小麦を製粉し、そうして得られた小麦粉(製造中間品としての熱処理小麦粉)を、分級又は衝撃式粉砕機によって粉砕することによって得られる。この「分級」及び「衝撃式粉砕機による粉砕」は、何れか一方のみを行っても良く、両方を行っても良く、両方を行う場合は実施順序は問わない。

0025

湿熱処理した原料小麦の製粉によって得られた小麦粉の分級では、粒径60μm以上の粗粉部分を除去することが好ましい。その分級手段としては、特に制限されるものではないが、篩により分級することが好ましい。分級する場合には、母体となる小麦粉の粒度等により異なるが、通常は目開き約60〜130μmの篩、好ましくは約80〜120μmの篩を用いれば良い。尚、粒径60μm以上の粗粉部分の除去量は、分級前の母体小麦粉の粒度により異なるが、該母体小麦に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。

0026

本発明の製造方法により得られた熱処理小麦粉は、二次加工して種々の用途(食品)に用いることができ、その二次加工食品の外観及び食感の向上に有効である。本発明の製造方法により得られた熱処理小麦粉の代表的な用途としては菓子類(焼き菓子類)がある。菓子類の具体例としては、スポンジケーキ、ロールケーキシフォンケーキパンケーキ等のケーキ類の他、カステラ、ワッフル、ソフトワッフル、クッキークレープ、どら焼き、鯛焼き等が挙げられる。本発明の製造方法により得られた熱処理小麦粉は、特に、ケーキ類、カステラ、ソフトワッフル等の製造に好適である。

0027

本発明の製造方法により得られた熱処理小麦粉を菓子類に用いる場合、その菓子類用原料中の全穀粉に占める該熱処理小麦粉の含有率は、通常50〜100質量%程度であり、100質量%とする場合もあり得る。菓子類用原料には、熱処理小麦粉以外の穀粉(熱処理されていない穀粉)として、例えば、薄力粉、中力粉、強力粉等の小麦粉の他、ライ麦粉大麦粉、そば粉米粉豆粉コーンフラワー等の1種以上が含まれていても良い。また、菓子類用原料には、穀粉以外の副原料として、例えば、馬鈴薯澱粉コーンスターチワキシースターチ小麦澱粉、及びこれらにα化、エーテル化エステル化架橋酸化等の処理を施した加工澱粉炭酸水素ナトリウム重曹)、ベーキングパウダー炭酸アンモニウム炭酸水素アンモニウム塩化アンモニウム等の膨張剤あるいはイーストサラダ油等の油脂類砂糖等の糖類;全卵白卵黄等の卵類牛乳脱脂粉乳バター等の乳製品食塩等の塩類乳化剤増粘剤酸味料香料香辛料着色料果汁果実ビタミン類等の添加物の1種以上が含まれていても良い。本発明の製造方法により得られた熱処理小麦粉を含む菓子類(食品)の製造は、常法に従って行うことができる。

0028

本発明を具体的に説明するために実施例及び比較例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。

0029

〔実施例A1〕
前記A法に従って原料小麦の前処理を行った後、その前処理(湿熱処理)済みの原料小麦を製粉することにより、熱処理小麦粉を得た。より具体的には、アメリカ産軟質系小麦「ウエスタンホワイト」100質量部(水分含量約9質量%)に、1次加水として6質量部の加水を行い、よく攪拌した後、室温で約12時間のテンパリング(調質)を行い、原料小麦を調製した。この原料小麦をテクベータ投入して、攪拌しながら、約100℃の水蒸気を吹き込んで2分間の湿熱処理を行った。この湿熱処理における原料小麦の品温は95℃であった。湿熱処理後、約90℃の水蒸気を吹き込むことにより、原料小麦の品温を85℃で30分間保持した(品温保持処理)。こうして前処理工程を経て得られた湿熱処理済みの原料小麦を、通常の製粉工程にかけて挽砕し、平均粒径33μmの熱処理小麦粉を得た。

0030

〔実施例A2〜A7及び比較例A1〜A8〕
湿熱処理又は品温保持処理における品温若しくは処理時間を適宜変更した以外は実施例A1と同様にして、平均粒径33μmの熱処理小麦粉を得た。

0031

〔実施例A8〕
実施例A1と同じ条件で品温保持処理まで行った後、湿熱処理済みの原料小麦を、通常の製粉工程にかけて挽砕し、平均粒径52μm、粒径60μm以上の粗粉画分の含有割合35質量%、粒径30μm以下の微粉画分の含有割合42質量%の製造中間品としての熱処理小麦粉を得た。そして、この製造中間品としての熱処理小麦粉を、衝撃式粉砕機(槙野産業製、「ピンミルコロプレクス」)を用いて粉砕し、平均粒径28μm、粒径60μm以上の粗粉画分の含有割合7質量%、粒径30μm以下の微粉画分の含有割合72質量%の熱処理小麦粉を得た。

0032

〔実施例B1〕
前記B法に従って原料小麦の前処理を行った後、その前処理(湿熱処理)済みの原料小麦を製粉することにより、熱処理小麦粉を得た。より具体的には、アメリカ産軟質小麦「ウエスタンホワイト」100質量部(水分含量約9質量%)に、1次加水として6質量部の加水を行い、よく攪拌した後、室温で約12時間のテンパリング(調質)を行い、原料小麦を調製した。この原料小麦をテクノベータに投入して、攪拌しながら、約100℃の水蒸気を吹き込んで120分間の湿熱処理を行った。この湿熱処理における原料小麦の品温は85℃であった。こうして前処理工程を経て得られた湿熱処理済みの原料小麦を、実施例1と同じ条件で製粉し、平均粒径34μmの熱処理小麦粉を得た。

0033

試験例〕
実施例及び比較例で得られた熱処理小麦粉の二次加工性を確認するために、下記工程により菓子類(ケーキ類)の1種であるスポンジケーキを製造し、該スポンジケーキの質量及び容積を測定すると共に、該スポンジケーキの外観及び食感を、10名のパネラーに下記評価基準に基づき評価してもらった。その測定結果及び評価結果(パネラー10名の平均点)を下記表1に示す。スポンジケーキの配合は次の通り。熱処理小麦粉100質量部、砂糖135質量部、全卵180質量部、牛乳18質量部、バター18質量部。

0034

<スポンジケーキの製造工程>
〔1〕軽くほぐした全卵及び砂糖をミキサーボールに入れて、温度を25〜30℃に保ちながらホイッパーで混合し、比重0.26±0.01まで泡立てた。
〔2〕あらかじめ篩で一度篩っておいた熱処理小麦粉を前記〔1〕に加え、かたまりが生じないように均一に混ぜ合わせて、比重0.38±0.01とした。
〔3〕牛乳とバターを一緒湯煎で溶かしたものを前記〔2〕に加え、更に混ぜ合わせて、均一で滑らかな状態の比重0.43±0.01のスポンジケーキ生地を調製した。
〔4〕前記〔3〕のスポンジケーキ生地を5号型に300g分注し、180℃のオーブンで30分間焼成し、スポンジケーキを得た。
〔5〕得られたスポンジケーキは、90分間の放冷を行い、所定の製品ボックスに入れ蓋をして一晩保管した後、評価試験に供した。

0035

<外観の評価基準>
5点:形状は沈みがなく、焼き色も適度であり、皮質伸びも良く、非常に良好。
4点:形状は沈みがなく、焼き色も適度ながら、皮質の伸びに劣る。
3点:形状の沈みはないが、やや濃い焼き色で、皮質の伸びに劣る。
2点:若干の沈みがあり、やや濃い焼き色で、皮質は滑らかさに欠け伸びに劣る。
1点:極端な沈みがあり、赤黒く濃い焼き色であり、ザラツキの目立つ皮質で伸びが無い。

0036

<食感の評価基準>
5点:しっとり感があり、口溶けが良く、かつ崩れるような脆さがあり、極めて良好。
4点:しっとり感がややあり、口溶けがやや良く、かつ崩れるような脆さがややあり、良好。
3点:しっとり感や口溶けにやや劣るか、崩れるような脆さがわずかである。
2点:しっとり感や口溶けに劣るか、崩れるような脆さがなく、不良。
1点: しっとり感がなく、口溶けも悪く、崩れるような脆さがなく、極めて不良。

0037

尚、下記表1では、実施例A1〜A7及び比較例A1〜A8をI〜IVの4つのグループに分けているところ、グループIは、湿熱処理における原料小麦の品温を適宜変化させた例であり、グループIIは、湿熱処理の処理時間を適宜変化させた例であり、グループIIIは、品温保持処理における原料小麦の品温を適宜変化させた例であり、グループIVは、品温保持処理の処理時間を適宜変化させた例である。表の見易さの観点から、下記表1では、実施例A1をグループI〜IVに重複記載している。

実施例

0038

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