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技術 支持剛性制御装置及び車両用シート

出願人 株式会社豊田中央研究所トヨタ紡織株式会社
発明者 安田栄一田口敏行川野健二本幡和之
出願日 2013年8月20日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2013-170591
公開日 2015年3月2日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-039913
状態 特許登録済
技術分野 車両用座席 椅子の脚、座部、背もたれ及び付属物
主要キーワード 高周波振動成分 荷重中心位置 剛体支持 演算アンプ 後席中央 筋負担 ゴムベローズ 減少特性
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

乗員の乗り心地を向上させることができる。

解決手段

支持剛性可変部2によって、シート着座している乗員の上体部に対する左右方向又はロール方向の支持剛性を可変し、車両状態検出部30によって、車両の横加速度を微分した横ジャーク、又は横加速度の高周波成分を取得し、制御部40によって、車両の横ジャーク又は横加速度の高周波成分が大きいほど、シートによる左右方向又はロール方向の支持剛性を低減させるように、支持剛性可変部2を制御する。

概要

背景

車両サイドサポート制御に関して、検出した車両の横加速度の大きさに応じてサイドサポートの角度とその調整速度を制御し、乗員のホールド性を向上させるサイドサポート制御装置が知られている(特許文献1)。

アームレスト装置に関しては、車両の運転者上腕部又は前腕部を支持し、置かれた上腕部又は前腕部に対して反力を与えるアームレストと、車両の走行状態車速及びヨーレート)を検出する検出手段(車速センサー及びヨーレートセンサー)と、検出された走行状態に基づいて、アームレストが上腕部又は前腕部に付与する反力を調整する調整部と、を備えたアームレスト装置が知られている(特許文献2)。

概要

乗員の乗り心地を向上させることができる。支持剛性可変部2によって、シート着座している乗員の上体部に対する左右方向又はロール方向の支持剛性を可変し、車両状態検出部30によって、車両の横加速度を微分した横ジャーク、又は横加速度の高周波成分を取得し、制御部40によって、車両の横ジャーク又は横加速度の高周波成分が大きいほど、シートによる左右方向又はロール方向の支持剛性を低減させるように、支持剛性可変部2を制御する。

目的

本発明では、上記問題点を解決するために成されたものであり、乗員の乗り心地を向上させることができる支持剛性制御装置及び車両用シートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

シート着座している乗員の上体部に対する左右方向又はロール方向の支持剛性可変する支持剛性可変手段と、車両の横加速度を微分した横ジャーク、又は横加速度の高周波成分を取得する車両状態得手段と、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分が大きいほど、前記シートによる左右方向又はロール方向の支持剛性を低減させるように、前記支持剛性可変手段を制御する制御手段と、を含む、支持剛性制御装置

請求項2

前記制御手段は、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記支持剛性を低減させるように前記支持剛性可変手段を制御する請求項1記載の支持剛性制御装置。

請求項3

前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分に基づいて、前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分が大きいほど、前記シートによる左右方向又はロール方向の支持剛性を低減させるように、前記支持剛性の目標値を算出する目標支持剛性算出手段を更に含み、前記支持剛性制御手段は、前記目標支持剛性算出手段により算出された前記支持剛性の目標値となるように前記支持剛性可変手段を制御する請求項1又は2記載の支持剛性制御装置。

請求項4

前記シートにより作用させる前記乗員の上体部を支持する力を検出する支持力検出手段と、前記支持力検出手段により検出された支持力に基づいて求められる作用点の位置と、予め定められた前記乗員の左右肩部の中心位置との距離に基づいて、前記距離が大きいほど前記閾値が高くなるように前記閾値の値を決定する閾値決定手段と、を更に含む請求項1〜3の何れか1項記載の支持剛性制御装置。

請求項5

前記支持剛性可変手段は、前記シートのサイド支持部の支持剛性を可変することにより、前記左右方向の支持剛性を可変する請求項1〜4の何れか1項記載の支持剛性制御装置。

請求項6

前記支持剛性可変手段は、アームレストの支持剛性を可変することにより、前記ロール方向の支持剛性を可変する請求項1〜4の何れか1項記載の支持剛性制御装置。

請求項7

シートに着座している乗員の上体部に対する前後方向の支持剛性を可変する支持剛性可変手段と、車両の前後加速度を微分した後方ジャーク、又は前後加速度の高周波成分を取得する車両状態取得手段と、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記後方ジャーク又は前記前後加速度の高周波成分が大きいほど、前記シートによる前後方向の支持剛性を低減させるように、前記支持剛性可変手段を制御する制御手段と、を含む、支持剛性制御装置。

請求項8

前記制御手段は、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記後方ジャーク又は前記前後加速度の高周波成分が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記支持剛性を低減させるように前記支持剛性可変手段を制御する請求項7記載の支持剛性制御装置。

請求項9

前記支持剛性可変手段は、前記シートの肩甲骨を支持する部分の支持剛性を可変することにより、前記前後方向の支持剛性を可変する請求項7又は請求項8の何れか1項記載の支持剛性制御装置。

請求項10

シートに着座している乗員の上体部を支持する力を前記シートにより作用させるときの作用点の位置を可変する作用点可変手段と、車両の横加速度を微分した横ジャーク、又は横加速度の高周波成分を取得する車両状態取得手段と、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分が大きいほど、前記作用点の位置を下げるように、前記作用点可変手段を制御する制御手段と、を含む、支持剛性制御装置。

請求項11

前記制御手段は、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記シートの作用点の位置を下げるように前記作用点可変手段を制御する請求項10記載の支持剛性制御装置。

請求項12

シートに着座している乗員の上体部を支持する力を前記シートにより作用させるときの作用点の位置を可変する作用点可変手段と、車両の前後加速度を微分した後方ジャーク、又は前後加速度の高周波成分を取得する車両状態取得手段と、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記後方ジャーク又は前記前後加速度の高周波成分が大きいほど、前記作用点の位置を下げるように、前記作用点可変手段を制御する制御手段と、を含む、支持剛性制御装置。

請求項13

前記制御手段は、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記後方ジャーク又は前記前後加速度の高周波成分が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記シートの作用点の位置を下げるように前記作用点可変手段を制御する請求項12記載の支持剛性制御装置。

請求項14

前記作用点可変手段は、前記シートのバックレストの上部を後方に傾けることにより、前記作用点の位置を可変する請求項12又は請求項13記載の支持剛性制御装置。

請求項15

請求項1〜請求項14の何れか1項記載の支持剛性制御装置と、乗員が着座するためのシートと、を含む車両用シート

技術分野

0001

本発明は、支持剛性制御装置及び車両用シート係り、特に、シート着座している乗員に対する支持剛性を可変する支持剛性制御装置及び車両用シートに関する。

背景技術

0002

車両サイドサポート制御に関して、検出した車両の横加速度の大きさに応じてサイドサポートの角度とその調整速度を制御し、乗員のホールド性を向上させるサイドサポート制御装置が知られている(特許文献1)。

0003

アームレスト装置に関しては、車両の運転者上腕部又は前腕部を支持し、置かれた上腕部又は前腕部に対して反力を与えるアームレストと、車両の走行状態車速及びヨーレート)を検出する検出手段(車速センサー及びヨーレートセンサー)と、検出された走行状態に基づいて、アームレストが上腕部又は前腕部に付与する反力を調整する調整部と、を備えたアームレスト装置が知られている(特許文献2)。

先行技術

0004

特開2008−49837号公報
特開2011−148383号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、特許文献1記載のサイドサポート制御装置は、車両の横加速度変化が遅い場合と早い場合も関係なく横加速度の大きさのみで、サイドサポートの角度及びその調整速度を制御している。そのため、旋回中(横加速度が発生)に路面外乱による急峻な横加速度が入った場合にも、サイドサポートの角度を閉じてホールド性を高めた制御になる。

0006

このような状況では、の支持剛性が高いことにより、頭に車両の横加速度が直接作用するので、頭が早く動かされ、視線が定まらず不快感が増す、という問題がある。また、太さが細い首の筋(胸鎖乳突筋)で頭の早い揺れを抑制しようとするため、首の筋負担が増大し、筋疲労が増す、という問題がある。

0007

また、特許文献2記載のアームレスト装置は、車両の運転者の操作性向上を目的に反力を制御したものであり、リヤ席の乗員の乗り心地を向上させるためにアームレストの反力を制御する装置ではない。

0008

また、運転者は、ハンドル操作による横加速度を予測できるが、他の乗員は、横加速度を予測できない。そのため、身構えができずに背中の筋(脊柱起立筋)や、首の筋(胸鎖乳突筋)を使って、体の揺れを抑制しなければならない、という問題がある。その際に、アームレストに前腕を置いた乗員は、反射的に肩とひじで体を支えロール運動を抑制しようとするため、アームレストに前腕を置かない場合に比べて、前腕と上腕、及び胸が剛体結合されるので、車体に作用する急峻な横加速度(高周波振動成分)が、直接、頭に作用してしまう、という問題がある。

0009

本発明では、上記問題点を解決するために成されたものであり、乗員の乗り心地を向上させることができる支持剛性制御装置及び車両用シートを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記目的を達成するために、第1の発明の支持剛性制御装置は、シートに着座している乗員の上体部に対する左右方向又はロール方向の支持剛性を可変する支持剛性可変手段と、車両の横加速度を微分した横ジャーク、又は横加速度の高周波成分を取得する車両状態得手段と、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分が大きいほど、前記シートによる左右方向又はロール方向の支持剛性を低減させるように、前記支持剛性可変手段を制御する制御手段と、を含んで構成されている。

0011

第1の発明によれば、支持剛性可変手段により、乗員の上体部に対する左右方向又はロール方向の支持剛性を可変し、車両状態取得手段により、横ジャーク又は横加速度の高周波成分を取得し、制御手段により、横ジャーク又は横加速度の高周波成分が大きいほど、シートによる左右方向又はロール方向の支持剛性を低減させるように支持剛性可変手段を制御する。

0012

このように、横ジャーク又は横加速度の高周波成分が大きいほど、シートによる左右方向又はロール方向の支持剛性を低減させるように支持剛性を制御することにより、乗員の乗り心地を向上させることができる。

0013

また、第1の発明によれば、前記制御手段により、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記支持剛性を低減させるように前記支持剛性可変手段を制御することができる。

0014

また、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分に基づいて、前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分が大きいほど、前記シートによる左右方向又はロール方向の支持剛性を低減させるように、前記支持剛性の目標値を算出する目標支持剛性算出手段を更に含み、前記制御手段は、前記目標支持剛性算出手段により算出された前記支持剛性の目標値となるように前記支持剛性可変手段を制御することができる。

0015

また、前記シートにより作用させる前記乗員の上体部を支持する力を検出する支持力検出手段と、前記支持力検出手段により検出された支持力に基づいて求められる作用点の位置と、予め定められた前記乗員の左右肩部の中心との距離に基づいて、前記距離が大きいほど前記閾値が高くなるように前記閾値の値を決定する閾値決定手段と、を更に含むことができる。

0016

また、前記支持剛性可変手段は、前記シートのサイド支持部の支持剛性を可変することにより、前記左右方向の支持剛性を可変することができる。

0017

また、前記支持剛性可変手段は、アームレストの支持剛性を可変することにより、前記ロール方向の支持剛性を可変することができる。

0018

第2の発明の支持剛性制御装置は、シートに着座している乗員の上体部に対する前後方向の支持剛性を可変する支持剛性可変手段と、車両の前後加速度を微分した後方ジャーク、又は前後加速度の高周波成分を取得する車両状態取得手段と、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記後方ジャーク又は前記前後加速度の高周波成分が大きいほど、前記シートによる前後方向の支持剛性を低減させるように、前記支持剛性可変手段を制御する制御手段と、を含んで構成されている。

0019

第2の発明によれば、支持剛性可変手段により、乗員の上体部に対する前後方向の支持剛性を可変し、車両状態取得手段により、後方ジャーク又は前後加速度の高周波成分を取得し、制御手段により、後方ジャーク又は前後加速度の高周波成分が大きいほど、シートによる前後方向の支持剛性を低減させるように支持剛性可変手段を制御する。

0020

このように、後方ジャーク又は前後加速度の高周波成分が大きいほど、シートによる前後方向の支持剛性を低減させるように支持剛性を制御することにより、乗員の乗り心地を向上させることができる。

0021

また、第2の発明によれば、前記制御手段は、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記後方ジャーク又は前記前後加速度の高周波成分が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記支持剛性を低減させるように前記支持剛性可変手段を制御することができる。

0022

また、第1及び第2の発明によれば、前記支持剛性可変手段は、前記シートの肩甲骨を支持する部分の支持剛性を可変することにより、前記前後方向の支持剛性を可変することができる。

0023

第3の発明の支持剛性制御装置は、シートに着座している乗員の上体部を支持する力を前記シートにより作用させるときの作用点の位置を可変する作用点可変手段と、車両の横加速度を微分した横ジャーク、又は横加速度の高周波成分を取得する車両状態取得手段と、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分が大きいほど、前記作用点の位置を下げるように、前記作用点可変手段を制御する制御手段と、を含んで構成されている。

0024

第3の発明によれば、作用点可変手段により、乗員の上体部を支持する力をシートに作用させるときの作用点の位置を可変し、車両状態取得手段により、横ジャーク又は、横加速度の高周波成分を取得し、制御手段により、横ジャーク又は横加速度の高周波成分が大きいほど、作用点の位置を下げるように作用点可変手段を制御する。

0025

このように、横ジャーク又は横加速度の高周波成分が大きいほど、作用点の位置を下げるように作用点を可変することにより、乗員の乗り心地を向上させることができる。

0026

また、第3の発明によれば、前記制御手段は、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記横ジャーク又は前記横加速度の高周波成分が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記シートの作用点の位置を下げるように前記作用点可変手段を制御することができる。

0027

第4の発明の支持剛性制御装置は、シートに着座している乗員の上体部を支持する力を前記シートにより作用させるときの作用点の位置を可変する作用点可変手段と、車両の前後加速度を微分した後方ジャーク、又は前後加速度の高周波成分を取得する車両状態取得手段と、前記車両状態取得手段により取得された前記車両の前記後方ジャーク又は前記前後加速度の高周波成分が大きいほど、前記作用点の位置を下げるように、前記作用点可変手段を制御する制御手段と、を含んで構成されている。

0028

第4の発明によれば、作用点可変手段により、乗員の上体部を支持する力をシートに作用させるときの作用点の位置を可変し、車両状態取得手段により、後方ジャーク又は、前後加速度の高周波成分を取得し、制御手段により、後方ジャーク又は前後加速度の高周波成分が大きいほど、作用点の位置を下げるように作用点可変手段を制御する。

0029

このように、後方ジャーク又は前後加速度の高周波成分が大きいほど、作用点の位置を下げるように作用点を可変することにより、乗員の乗り心地を向上させることができる。

0030

また、第4の発明によれば、前記作用点可変手段は、前記シートのバックレストの上部を後方に傾けることにより、前記作用点の位置を可変することができる。

0031

第5の発明の車両用シートは、第1〜第4の発明の支持剛性制御装置と、乗員が着座するためのシートと、を含んで構成されている。

発明の効果

0032

以上説明したように、本発明の支持剛性制御装置及び、車両用シートによれば、乗員の乗り心地を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0033

シートと乗員の支持剛性モデルの例を示す図である。
胸鎖乳突筋及び脊柱起立筋を示す図である。
第1の実施の形態の車両用シートを示す概略図である。
第1の実施の形態の車両用シートの機能的構成を示すブロック図である。
支持剛性可変部の構成を示す図である。
ばね定数車両横ジャークの関係を示す図である。
第1の実施の形態の車両用シートにおける支持剛性制御処理ルーチンを示す図である。
ばね定数と車両横ジャークの関係を示す図である。
車両横ジャークの閾値と既定の左右肩部の中心位置から作用点までの距離の関係を示す図である。
第2の実施の形態の車両用シートを示す概略図である。
第2の実施の形態の車両用シートの機能的構成を示すブロック図である。
第2の実施の形態の車両用シートにおける支持剛性制御処理ルーチンを示す図である。
アームレストと乗員の支持剛性モデルの例を示す図である。
第3の実施の形態の車両用シートを示す概略図である。
第3の実施の形態の車両用シートの機能的構成を示すブロック図である。
第3の実施の形態の車両用シートにおける支持剛性制御処理ルーチンを示す図である。
鉄道車両のアームレストの例を示す図である。
第4の実施の形態の車両用シートを示す概略図である。
ばね定数と車両後方ジャークの関係を示す図である。
第4の実施の形態の車両用シートの機能的構成を示すブロック図である。
第4の実施の形態の車両用シートにおける支持剛性制御処理ルーチンを示す図である。
第5の実施の形態の車両用シートの機能的構成を示すブロック図である。
第5の実施の形態の車両用シートにおける支持剛性制御処理ルーチンを示す図である。
第6の実施の形態の車両用シートを示す概略図である。
第6の実施の形態の車両用シートの機能的構成を示すブロック図である。
第6の実施の形態の車両用シートにおける支持剛性制御処理ルーチンを示す図である。

実施例

0034

以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。

0035

<車両用シートの原理
本発明の第1の実施の形態に係る車両用シート100による支持剛性を制御する原理について説明する。

0036

一般に、車両横加速度の大きさに応じてロール方向に乗員の身体が傾く。その際、ドライバ運転操作による低周波振動成分が主体の車両横加速度が乗員に作用する場合には、体のロール方向の動きシートバックのサイド支持部でしっかり支持させる必要がある。

0037

しかし、カント路面や横風等による高周波振動成分が多い急峻な車両横加速度に対しては、サイド支持部の支持剛性が高いままだと、頭に車両の横加速度が直接作用するので、頭が早く動かされ、視線が定まらず不快感が増す。また、太さが細い首の筋(胸鎖乳突筋)で頭の早い揺れを抑制しようとするため、首の筋負担が増大し、疲労が増す。

0038

この現象を防ぐためには、車両横加速度の低周波振動と高周波振動の質の違いを分別し、サイド支持部の支持剛性を変更すれば良い。第1の実施の形態に係る車両用シート100では、質の違いを分別する方法として、車両横加速度の変化、すなわち車両の横加速度を微分した値(以下、車両横ジャーク)が予め定められた閾値Jy0未満の場合には、低周波振動が主体の車両横加速度と判断し、閾値Jy0以上の場合には、高周波振動が主体の車両横加速度と判断する。

0039

車両横ジャークの値が閾値Jy0未満の場合には、サイド支持部の、乗員の脇から肩までの部分に配置された空気ばねのばね定数が、低周波の車両横加速度に対して十分なサイド支持剛性が得られる初期ばね定数に維持される。そのため、脇から肩までの部分のサイド支持により、胸の左右の動きが抑制される(ホールド性が高い)。これは、図1(a)、(b)に示す簡略化したシートと乗員の支持剛性モデルで示すと、図1(b)の様に胸がほぼ剛体支持されたことになる。ただし、シートバックのサイド支持部は、直接空気ばねで支持していると仮定する。

0040

ところで、人は、無意識に前方を見ようとして、図2に示す脊柱の左右に配置されている脊柱起立筋を反射的に活動させ、姿勢維持コントロールを逐次行っている。例えば、体が右に傾くと、左の脊柱起立筋の筋を縮めて体が右に傾くのを止めようとする。この脊柱起立筋の筋活動は、体の揺れの大きさに対応しているので、シートバックのサイド支持部に内装された空気ばねで体の揺れが抑制されると、筋活動が小さくなり、筋疲労が低減される。

0041

一方、車両横ジャークの値が閾値Jy0以上である場合には、高周波振動成分が多い急峻な車両横加速度に対して、胸のサイド支持剛性を高剛性の初期ばね定数から低剛性のばね定数するために、空気ばね定数目標設定値を、初期ばね定数よりも小さいばね定数とする。すなわち、乗員の胸を支持するサイド支持剛性を下げて、胸をロール方向に動きやすくする。

0042

これは、図1(a)、(c)に示す簡略化したシートと乗員の支持剛性モデルで示すと、図1(c)の様にシートと乗員との間に胸の質量Mtと、空気ばね定数Kaが初期ばね定数よりも低いばね定数と空気ばねの減衰係数Caによる2自由度のばねマス振動系(ローパスフィルター)を形成して、急峻な車両横加速度(高周波振動成分)を胸の動きで吸収させる。

0043

<第1の実施の形態に係る車両用シートの構成>
次に、本発明の第1の実施の形態に係る車両用シート100の構成について説明する。

0044

本発明の第1の実施の形態に係る車両用シート100は、図3に示すように、シート1000と、シートバック1のサイド支持部8の脇から肩までの部分に内装された2つの支持剛性可変部2と、車両状態検出部30と、制御部40とを備えている。また、本発明の第1の実施の形態に係る車両用シート100の機能をブロック図で表したものが図4である。制御部40は、電子制御ユニット(ECU)で実現され、横ジャーク算出部34、目標支持剛性決定部42、及び支持剛性制御部44を備えている。なお、制御部40と、支持剛性可変部2との組み合わせが支持剛性制御装置の一例である。

0045

支持剛性可変部2は、図5に示すように、シートバックフレーム3に取り付けられた固定プレート4に装着された空気ばね5と、クッションパッド6に取り付けられた押圧板7とを備えている。支持剛性可変部2は、支持剛性制御部44の制御により支持剛性を可変する。

0046

空気ばね5は、図5に示すように、空気圧P0が封入されているゴムベローズ51と、空気ばねケース52と、空気ばね5に内装された電磁アクチュエータ53とを備えている。

0047

電磁アクチュエータ53は、電磁コイル53Aと、ピストン53Bと、コイルスプリング53Cとを備えている。電磁コイル53Aに通電(ON)すると、ピストン53Bがコイルスプリング53Cを縮めて図5の矢印方向に動き、ピストン53Bの移動で生じるゴムベローズ51の空気室体積V0の増加ΔVにより、空気ばねKaが低下する。また、電磁コイルの通電を止めると(OFF)、コイルスプリング53Cによりピストン53Bが矢印と反対方向、すなわち図5の状態に戻される。ここで、電磁コイルに通電しない(OFF)時の空気ばねのばね定数KaをKa0とし、通電時の空気ばねのばね定数KaをKa´とする(Ka0>Ka´)。

0048

車両状態検出部30は、横加速度センサを備えており、車両の横加速度を検出する。

0049

本実施の形態では、車両状態検出部30は、横加速度を横ジャーク算出部34に出力する。

0050

横ジャーク算出部34は、車両状態検出部30から入力された横加速度を微分して、右方向及び左方向の車両横ジャークの値をそれぞれ算出し、目標支持剛性決定部42に出力する。なお、右方向及び左方向は車両の進行方向に向かって右方向及び左方向とする。

0051

目標支持剛性決定部42は、横ジャーク算出部34から入力された右方向の車両横ジャークの値に基づいて、右側の支持剛性可変部2の目標ばね定数を決定する。具体的には、車両横ジャークの値に対して、絶対値と極性判定値を用いて右方向の車両横ジャークを求める。極性判定値は、車両横ジャークが正(車両進行方向に対して左方向)の場合には「1」を出力し、負(車両進行方向に対して右方向)の場合には「−1」を出力する。そして、図6に示すように、車両横ジャークの絶対値について、予め定められた閾値Jy0以上か否かを判断し、閾値Jy0以上の場合には、極性判定値「−1」に基づき右側の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数を、Ka´に決定する。また、右方向の車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0未満の場合には、右側の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数をKa0に決定する。なお、目標ばね定数はサイド支持部の支持剛性と対応付けされている。

0052

目標支持剛性決定部42は、横ジャーク算出部34から入力された左方向の車両横ジャークの絶対値に基づいて、右側の支持剛性可変部2の目標ばね定数と同様に、予め定められた閾値Jy0以上か否かを判断し、左側の支持剛性可変部2の目標ばね定数を決定する。

0053

支持剛性制御部44は、目標支持剛性決定部42において決定された右側の目標ばね定数Kaに基づいて、右側の支持剛性可変部2の電磁コイル53Aに通電又は通電を停止し、空気ばね5のばね定数が目標ばね定数になるように制御する。なお、目標支持剛性決定部42により目標ばね定数を決定し、支持剛性可変部2の空気ばね5のばね定数を制御する処理は、予め定められたサンプリング時間ごとに繰り返して行う。

0054

支持剛性制御部44は、目標支持剛性決定部42において決定された左側の目標ばね定数Kaに基づいて、左側の支持剛性可変部2の電磁コイル53Aに通電又は通電を停止し、空気ばね5のばね定数が目標ばね定数になるように制御する。

0055

<第1の実施の形態に係る車両用シートの作用>
次に、本発明の第1の実施の形態に係る車両用シート100の作用について説明する。まず、車両状態検出部30により、車両の左右方向の横加速度が逐次検出されているときに、車両用シート100のROMに記憶されたプログラムを、CPUが実行することにより、図7に示す支持剛性制御処理ルーチンが実行される。なお、右方向の横加速度の場合には、右側の支持剛性可変部2に対して処理が行われ、左方向の横加速度の場合には、左側の支持剛性可変部2に対して処理が行われる。以下では、左方向の横加速度を検出した時の支持剛性を制御する場合について説明する。

0056

まず、ステップS100では、車両状態検出部30の横加速度センサにより検出された車両の横加速度を取得する。

0057

次に、ステップS102では、ステップS100において検出した車両の横加速度を微分し、車両の車両横ジャークの値を算出する。

0058

次に、ステップS104では、ステップS102において算出された車両横ジャークに対して、絶対値と極性判定値を求める。車両横ジャークの絶対値について、閾値Jy0以上か否かを判定する。車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0以上の場合には、ステップS110に移行し、車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0未満の場合には、ステップS108に移行する。ここでは、極性判定値が「1」で左方向の横ジャークの場合について以下に示す。

0059

次に、ステップS108では、左側の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数をKa0に設定する。

0060

ステップS110では、左側の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数KaをKa´に設定する。

0061

次に、ステップS112では、左側の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaを、ステップS108又はステップS110において設定された目標ばね定数に設定するために、左側の支持剛性可変部2の電磁コイル53Aに通電又は通電を停止する。

0062

次に、ステップS100に移行し、ステップS100〜ステップS112の処理を繰り返す。

0063

また、右方向の場合には、上記の支持剛性制御処理ルーチンと同様の処理を行って、右側の支持剛性を制御する。

0064

以上、説明したように、第1の実施の形態に係る車両用シート100によれば、左右の横ジャークが大きいほど、シートの左右方向の支持剛性を低減させるように支持剛性を制御することにより、急峻な車両横加速度(高周波振動成分)を胸の動きで吸収させることができる。

0065

そのため、頭に伝達される車両の横加速度は、緩やかな成分(低周波振動成分)となり、頭が早く振られなくなり、不快感が低減される。その結果、乗員の乗り心地を向上させることができる。

0066

また、運転操作による低周波成分の車両横加速度が乗員に作用する場合には、サイド支持部の空気ばねのばね定数を大きな値で維持させて、乗員のホールド性を高めることで、乗員のロール方向の動揺を低減させることにより、乗り心地を向上させる。また、乗員のロール方向の動揺低減に伴い、脊柱起立筋の活動量が抑制されるので、筋負担を低減させることが出来る。

0067

また、路面外乱や横風外乱等による高周波成分の車両横加速度に対しては、サイド支持部の空気ばねのばね定数を低くし(胸の横方向の支持剛性を低下)、胸を動揺させることで、頭部への急峻な車両横加速度(高周波成分)を遮断する。これにより、乗員の頭部がゆっくり動かされるので、太さが細い首の筋(図2の胸鎖乳突筋)でも頭部の動揺が抑制でき、首の筋疲労を減少させることが出来る。

0068

また、車両の横加速度の質に応じて乗員の横方向の支持剛性を制御することで、運転操作に伴う低周波成分の横加速度に対してホールド性を向上させると共に、路面外乱による高周波成分の横加速度に対して頭部の揺れを抑制することで、姿勢を安定させ、首の筋疲労を低減させる効果により、車両の乗り心地が大幅に向上する。

0069

なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。

0070

次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成及び作用となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。

0071

第2の実施の形態では、シートバックに作用する支持力の作用点に基づいて車両横ジャークの閾値Jy0を設定する点が第1の実施の形態と異なっている。

0072

<第2の実施の形態に係る車両用シートの原理>
本発明の第2の実施の形態に係る車両用シート200による支持剛性を制御する原理について説明する。

0073

車両横加速度が乗員に作用する場合に、シートバックで受け持つ支持力の作用点(荷重センサの有効な領域に加わる荷重の作用点)が左右肩部の中心位置からに近づくほど、胸が揺れやすくなる。

0074

そこで、この作用点と左右肩部の中心位置との相対距離が大きくなる程、車両横ジャークの閾値を大きくし、空気ばねのばね定数を下げないようにする。例えば、腰をシートバックに押し付けて背上部の支持力が少ない姿勢で着座する人は、シートバックの支持力の作用点が腰椎部に位置し、急峻な車両横加速度が作用しても胸がロール方向に動きやすいので、頭部に伝達される車両横加速度は、緩やかな成分となる。

0075

したがって、このような乗員に対しては、それほど大きくない車両横ジャークに対しては、胸の支持剛性を低下させなくても良いと考える。そのため、図9のように支持力の作用点が肩部から腰に近づくほど、車両横ジャークの閾値を大きく決定する。

0076

<第2の実施の形態に係る車両用シートの構成>
次に、第2の実施の形態に係る車両用シート200の構成について説明する。

0077

本発明の第2の実施の形態に係る車両用シート200は、図10に示すように、シート1000と、2つの支持剛性可変部2と、車両状態検出部30と、制御部40と、荷重センサ60と、演算アンプ70とを備えている。また、本発明の第2の実施の形態に係る車両用シート200の機能をブロック図で表したものが図11である。制御部40は、横ジャーク算出部34、閾値決定部41、目標支持剛性決定部42、及び支持剛性制御部44を備えている。

0078

荷重センサ60は、シートバック1のメッシュ上に配置されており、シートバック1に加えられる乗員の荷重の分布を、シートバック1による支持力の分布として検出する。

0079

演算アンプ70は、荷重センサ60から入力される支持力の分布の情報に基づいて、荷重センサ60の検出領域における作用点を検出する。

0080

閾値決定部41は、演算アンプ70により検出された作用点の位置と、予め定められている乗員の左右肩部の中心位置とに基づいて、車両横ジャークの閾値Jy0を設定する。具体的には、図9に示すように、予め定めた乗員の左右肩部の中心位置から、検出された作用点の位置までの距離が大きくなるにつれて閾値Jy0を増加させるようにJy0を決定する。

0081

<第2の実施の形態に係る車両用シートの作用>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る車両用シート200の作用について説明する。まず、車両状態検出部30により、車両の左右方向の横加速度が逐次検出され、荷重センサ60により荷重の分布が逐次検出され、演算アンプ70により作用点が逐次検出されているときに、車両用シート200のROMに記憶されたプログラムを、CPUが実行することにより、図12に示す支持剛性制御処理ルーチンが実行される。なお、右方向の横加速度の場合には、右側の支持剛性可変部2に対して処理が行われ、左方向の横加速度の場合には、左側の支持剛性可変部2に対して処理が行われる。以下では、左方向の横加速度を検出した時の支持剛性を制御する場合について説明する。

0082

ステップS200では、演算アンプ70により検出された、作用点の位置を取得する。

0083

次に、ステップS202では、ステップS200において検出した作用点の位置と、予め定められた乗員の左右肩部の中心位置とに基づいて、車両横ジャークの閾値Jy0を決定する。

0084

次に、ステップS104では、ステップS102において算出された車両横ジャークに対して、絶対値と極性判定値を求める。車両横ジャークの絶対値について、ステップS202において決定した閾値Jy0以上か否かを判定する。車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0以上の場合には、ステップS110に移行し、車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0未満の場合には、ステップS108に移行する。ここでは、極性判定値が「1」で左方向の横ジャークの場合について以下に示す。

0085

以上、説明したように、第2の実施の形態における車両用シート200によれば、左右の横ジャークが大きいほど、シートの左右方向の支持剛性を低減させるように支持剛性を制御することにより、急峻な車両横加速度(高周波振動成分)を胸の動きで吸収させることができる。そのため、頭部がゆっくり動かされるので乗員の乗り心地を向上させることができる。また、作用点と左右肩部の中心位置との相対距離に応じて、車両横ジャークの閾値を変更するので、乗員の体格着座姿勢に応じた適切な支持剛性が得られる。そのため、乗員の体格や着座姿勢に関係なく乗り心地を大幅に向上させることができる。

0086

次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同様の構成及び作用となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。

0087

第3の実施の形態では、荷重センサにより取得される支持力に基づいて、支持剛性を可変するか否かを判断する点が第2の実施の形態と異なっている。

0088

<第3の実施の形態に係る車両用シートの原理>
本発明の第3の実施の形態に係る車両用シート300による支持剛性を制御する原理について説明する。

0089

一般に、車両横加速度の大きさに応じてロール方向に乗員の体が傾く。その際、前腕がアームレストに置いてある場合には、図13(a)に示すように、人の反応として上腕と前腕及び胸の筋肉を働かせて肘関節の剛性Keと肩の関節剛性Ksを極力大きくし、肩とひじで体を支えてロール運動を抑制しようとする。そのため、図13(b)に示すように前腕と上腕、および胸が剛体結合されるので車体に作用する急峻な横加速度(高周波振動成分)が、直接、頭に作用する。その結果、頭が早く動かされ、不快感が増す。また、太さが細い首の筋(胸鎖乳突筋)で頭の早い揺れを抑制することができず首の筋負担が増大し、疲労が増す。

0090

この現象を防ぐためには、車体に急峻な横加速度(高周波振動成分)が作用した場合に、アームレストの剛性、すなわちアームレストに作用するばね定数Kaを初期ばね定数Ka0からKa´に小さくする。これにより、前腕がアームレストに沈み込み、肩関節の位置が下がるので、胸はロールしやすくなる。言い換えれば、胸を支持する肘関節の剛性KeがKe´に、肩関節の剛性KsがKs´に低下するとともに、アームレストのばね定数Kaが直列結合になるため、アームレストから胸までの等価ばね定数は、Ka´=Ke´Ks´Ka/(Ke´Ks´+Ks´Ka+Ke´Ka)となる。ここで、Ke´≒Ks´>>Kaとすれば、Ka´≒Kaとなる。すなわち、胸の支持剛性は、アームレストのばね定数Kaでほぼ決まることになる。また、肘関節と肩関節の等価減衰係数をほぼゼロと仮定すると、アームレストの減衰係数Caとなる。

0091

このことは、図13(c)に示すように胸の質量Mtと、空気ばね定数Ka´と、空気ばねの減衰係数Caによる2自由度のばねマス振動系(ローパスフィルター)により、急峻な車両横加速度(高周波振動成分)が吸収されるので、頭に伝達される車両の横加速度は、緩やかな成分(低周波振動成分)となる。その結果、頭が早く振られなくなり、不快感が低減される。また、細い首の筋(胸鎖乳突筋)で抑制可能なレベルとなるため、筋疲労が低減される。

0092

また、アームレストで前腕を支持する場合にその作用点が肩関節から距離が長いほど体を支える有効な支持力が減少するので、体がロール方向に動きやすくなる。すなわち、アームレストの空気ばねのばね定数を下げる車両横ジャークの閾値を大きくしても良いことになる。このような考えで、図9に示すように既定の肩関節位置から作用点までの距離Lに対して、車両横ジャークの閾値を大きくする。

0093

<第3の実施の形態に係る車両用シートの構成>
次に、第3の実施の形態における車両用シート300の構成について説明する。

0094

本発明の第3の実施の形態に係る車両用シート300は、図14に示すように、後席中央のアームレスト101と、後席右のドア内側にあるアームレスト102と、アームレストに内装された2つの支持剛性可変部2と、アームレスト101、102に設置された2つの荷重センサ60と、車両状態検出部30と、制御部40と、演算アンプ70とを備えている。また、本発明の第3の実施の形態に係る車両用シート300の機能をブロック図で表したものが図15である。

0095

制御部40は、横ジャーク算出部34、閾値決定部41、目標支持剛性決定部42、支持力判定部43、支持剛性制御部44を備えている。

0096

一方の荷重センサ60は、アームレスト101のメッシュ上に配置されており、アームレスト101に加えられる乗員の荷重の分布を、アームレスト101による支持力の分布として検出する。

0097

他方の荷重センサ60は、アームレスト102のメッシュ上に配置されており、アームレスト102に加えられる乗員の荷重の分布を、アームレスト102による支持力の分布として検出する。

0098

演算アンプ70は、アームレスト101のメッシュ上に配置された荷重センサ60から入力される支持力の分布の情報に基づいて、アームレスト101のメッシュ上に配置された荷重センサ60の検出領域における作用点及び当該作用点の支持力を検出する。また、演算アンプ70は、アームレスト102のメッシュ上に配置された荷重センサ60から入力される支持力の分布の情報に基づいて、アームレスト102のメッシュ上に配置された荷重センサ60の検出領域における作用点及び当該作用点の支持力を検出する。

0099

支持力判定部43は、演算アンプ70から入力されたアームレスト101による作用点の支持力が予め定められた支持力(を置いた場合の支持力)の閾値F0以上か否かを判定する。また、支持力判定部43は、演算アンプ70から入力されたアームレスト102による作用点(アームレストの荷重中心位置)の支持力が予め定められた支持力の閾値F0以上か否かを判定する。

0100

閾値決定部41は、支持力判定部43において、アームレスト101による作用点の支持力が予め定められた支持力の閾値F0以上、すなわち、アームレストに肘が置かれていると判定された場合に、演算アンプ70により検出されたアームレスト101のメッシュ上に配置された荷重センサ60の検出領域における作用点の位置と、予め定められている乗員の肩部の位置とに基づいて、アームレスト101に内装されている支持剛性可変部2における車両横ジャークの閾値Jy0を設定する。また、閾値決定部41は、支持力判定部43において、アームレスト102による作用点の支持力が予め定められた支持力の閾値F0以上と判定された場合に、演算アンプ70により検出されたアームレスト102のメッシュ上に配置された荷重センサ60の検出領域における作用点の位置と、予め定められている乗員の左右肩部の中心位置とに基づいて、アームレスト102に内装されている支持剛性可変部2における車両横ジャークの閾値Jy0を設定する。

0101

目標支持剛性決定部42は、アームレスト101による作用点の支持力が予め定められた支持力の閾値F0以上と判定された場合に、横ジャーク算出部34から入力された左方向の車両横ジャークの値に基づいて、アームレスト101に内装されている左側の支持剛性可変部2の目標ばね定数を決定する。具体的には、左方向の車両横ジャークの値に対して、絶対値を求める。そして、図6に示すように、左方向の車両横ジャークの絶対値について、閾値決定部41により決定された閾値Jy0以上か否かを判断し、閾値Jy0以上の場合には、アームレスト101に内装されている左側の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数を、Ka´に決定する。また、左方向の車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0未満の場合には、アームレスト101に内装されている左側の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数をKa0に決定する。また、目標支持剛性決定部42は、アームレスト101による作用点の支持力が支持力の閾値F0未満と判定された場合に、アームレスト101に内装されている支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数をKa0に決定する。

0102

目標支持剛性決定部42は、アームレスト102による作用点の支持力が予め定められた支持力の閾値F0以上と判定された場合に、横ジャーク算出部34から入力された右方向の車両横ジャークの値に基づいて、アームレスト102に内装されている右側の支持剛性可変部2の目標ばね定数を決定する。具体的には、右方向の車両横ジャークの値に対して、絶対値を求める。そして、図6に示すように、右方向の車両横ジャークの絶対値について、閾値決定部41により決定された閾値Jy0以上か否かを判断し、閾値Jy0以上の場合には、アームレスト102に内装されている右側の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数を、Ka´に決定する。また、右方向の車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0未満の場合には、アームレスト102に内装されている右側の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数をKa0に決定する。また、目標支持剛性決定部42は、アームレスト102による作用点の支持力が支持力の閾値F0未満と判定された場合に、アームレスト102に内装されている支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数をKa0に決定する。

0103

<第3の実施の形態に係る車両用シートの作用>
次に、本発明の第3の実施の形態に係る車両用シート300の作用について説明する。まず、車両状態検出部30により、車両の左右方向の横加速度が逐次検出され、2つの荷重センサ60により荷重の分布が逐次検出され、演算アンプ70によりそれぞれの荷重の分布に基づいて作用点及び支持力が逐次検出されているときに、車両用シート300のROMに記憶されたプログラムを、CPUが実行することにより、図16に示す支持剛性制御処理ルーチンが実行される。なお、右方向の横加速度の場合には、後席右側のアームレスト102の荷重センサ60の検出値を用いて右側の支持剛性可変部2に対して処理が行われ、左方向の横加速度の場合には、後席左側のアームレスト101の荷重センサ60の検出値を用いて左側の支持剛性可変部2に対して処理が行われる。以下では、左方向の横加速度を検出し、後席左側のアームレスト101の荷重センサ60の検出値を用いた時の支持剛性を制御する場合について説明する。

0104

まず、ステップS300では、演算アンプ70により検出された、作用点の位置を取得すると共に、当該作用点の位置の支持力を取得する。

0105

次に、ステップS302では、ステップS300において取得した作用点の支持力が予め定められた閾値F0以上か否かを判定する。作用点の支持力が閾値F0以上の場合には、ステップS100に移行し、作用点の支持力が閾値F0未満の場合には、ステップS108に移行する。

0106

以上、説明したように、第3の実施の形態における車両用シート300によれば、横ジャークが大きいほど、アームレストの支持剛性を低減させるように制御することにより、急峻な車両横加速度(高周波振動成分)を胸の動きで吸収させることができ、頭部がゆっくり動かされるため乗員の乗り心地を向上させることができる。また、アームレストの支持剛性を制御することにより、急峻な車両横加速度(高周波振動成分)を胸の動きで吸収させることができ、頭部がゆっくり動かされるため、後部座席の乗員の乗り心地を向上させることができる。

0107

なお、第3の実施の形態においては、乗用車のアームレストに空気ばねを用いたが、これに限定されるものではなく、鉄道車両のアームレストにおいてコイルスプリングを用いてもよい。この場合、図17に示すようにアームレスト取り付け点にコイルスプリングを配し、車両横ジャークの閾値Jy0を超えた場合に回転又は肘の位置をスライドさせてもよい。

0108

次に、第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同様の構成及び作用となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。

0109

第4の実施の形態では、車両横ジャークの絶対値に基づいて、左右のバックレストの支持剛性を同時に可変することにより、乗員に作用する支持力の作用点の位置を変更する点が第1の実施の形態と異なっている。

0110

<第4の実施の形態に係る車両用シートの原理>
本発明の第4の実施の形態に係る車両用シート400による支持剛性を制御する原理について説明する。

0111

シートバックのバックレストで受け持つ支持力の作用点が左右肩部の中心位置から腰に近づくほど、胸が揺れやすくなる。この作用点と胸の揺れの関係を利用して、車両に急峻な横加速度(高周波振動成分)が作用する場合には、バックレストの、乗員の肩甲骨に対応する部分の支持剛性を低減する。これにより、バックレスト支持力の作用点が肩部から腰の方に移動し、胸がロール方向に揺れやすくなる。

0112

<第4の実施の形態に係る車両用シートの構成>
次に、第4の実施の形態に係る車両用シート400の構成について説明する。

0113

本発明の第4の実施の形態に係る車両用シート400は、図18に示すように、シート1000と、シートバック1の肩甲骨支持部に左右に内装された2つの支持剛性可変部2と、車両状態検出部30と、制御部40とを備えている。また、本発明の第4の実施の形態に係る車両用シート400の機能をブロック図で表したものが図20である。なお、2つの支持剛性可変部2が作用点可変手段の一例である。

0114

車両状態検出部30は、横加速度センサを備えており、車両の横加速度を検出する。第4の実施の形態においては、車両の進行方向に向かって右方向をプラス、左方向をマイナスとして車両の横加速度を検出し、横ジャーク算出部34に出力する。

0115

横ジャーク算出部34は、車両状態検出部30から入力された横加速度を微分して、車両横ジャークの値を算出し、目標支持剛性決定部42に出力する。

0116

目標支持剛性決定部42は、横ジャーク算出部34から入力された車両横ジャークの絶対値に基づいて、2つの支持剛性可変部2に対して、共通の目標ばね定数を決定する。具体的には、図6に示すように、車両横ジャークの絶対値について、予め定められた閾値Jy0以上か否かを判断し、閾値Jy0以上の場合には、左右の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの共通の目標ばね定数を、Ka´に決定する。また、車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0未満の場合には、左右の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの共通の目標ばね定数をKa0に決定する。

0117

支持剛性制御部44は、目標支持剛性決定部42において決定された目標ばね定数Kaに基づいて、左右の支持剛性可変部2の各々の電磁コイル53Aに通電又は通電を停止し、空気ばね5のばね定数が目標ばね定数になるように制御する。なお、目標支持剛性決定部42により目標ばね定数を決定し、支持剛性可変部2の空気ばね5のばね定数を制御する処理は、予め定められたサンプリング時間ごとに繰り返して行う。

0118

<第4の実施の形態に係る車両用シートの作用>
次に、本発明の第4の実施の形態に係る車両用シート400の作用について説明する。まず、車両状態検出部30により、車両の横加速度が逐次検出されているときに、車両用シート400のROMに記憶されたプログラムを、CPUが実行することにより、図21に示す支持剛性制御処理ルーチンが実行される。なお、第4の実施の形態においては、横加速度を微分した車両横ジャークの絶対値に基づいて、左右の支持剛性可変部2が同時に制御される。

0119

まず、ステップS100では、車両状態検出部30の横加速度センサにより検出された車両の横加速度を取得する。

0120

次に、ステップS102では、ステップS100において取得した車両の横加速度を微分し、車両横ジャークを算出する。

0121

次に、ステップS400では、ステップS102において算出された車両横ジャークについて、車両横ジャークの絶対値が予め定められた閾値Jy0以上か否かを判定する。車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0以上の場合には、ステップS110に移行し、車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0未満の場合には、ステップS108に移行する。

0122

次に、ステップS108では、左右の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数をKa0に各々設定する。

0123

ステップS110では、左右の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数KaをKa´に各々設定する。

0124

次に、ステップS112では、左右の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaを、ステップS108又はステップS110において設定された目標ばね定数に設定するために、左右の支持剛性可変部2の各々の電磁コイル53Aに通電又は通電を停止する。

0125

次に、ステップS100に移行し、ステップS100〜ステップS112の処理を繰り返す。

0126

以上、説明したように、第4の実施の形態に係る車両用シート400によれば、横ジャークが大きいほど、作用点の位置を下げるように作用点を可変することにより、急峻な車両横加速度(高周波振動成分)を胸の動きで吸収させることができ、頭部がゆっくりうごかされるため、乗員の乗り心地を向上させることができる。

0127

また、路面外乱による高周波振動成分が多い車両横加速度に対して、車両の横方向について乗員の乗り心地を向上させるとともに、筋疲労を大幅に低減できる。

0128

次に、第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同様の構成及び作用となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。

0129

第5の実施の形態では、車両の前後加速度を微分して求められる後方に作用する後方ジャークのみの値(車両後方ジャークの値)と、予め定められた車両後方ジャークの閾値Jx0とに基づいて、バックレストの支持剛性を可変することにより、乗員に作用する支持力の作用点の位置を変更する点が第4の実施の形態と異なっている。

0130

<第5の実施の形態における車両用シートの原理>
本発明の第5の実施の形態に係る車両用シート500による支持剛性を制御する原理について説明する。

0131

車両前後加速度が後方に作用する際に、すなわち、加速時に車両に急峻な後方加速度(高周波振動成分)が作用する場合には、乗員の肩甲骨に対応する部分の支持剛性を低減する。これにより、バックレストの支持力の作用点が肩部から腰の方に移動し、腰を中心として胸を後方にピッチしやすくし、頭部への急峻な車両前後加速度(高周波成分)を遮断する。また、頭部がゆっくり動かされるので、太さが細い首の筋(胸鎖乳突筋)でも頭部の動揺が抑制でき、首の筋疲労を減少させることが出来る。一方、車両に通常の後方加速度(低周波振動成分)が作用する場合、乗員の肩甲骨に対応する部分の支持剛性を増加させる。

0132

<第5の実施の形態における車両用シートの構成>
次に、第5の実施の形態における車両用シート500の構成について説明する。

0133

本発明の第5の実施の形態に係る車両用シート500は、図18に示すように、シート1000と、シートバック1の肩甲骨支持部に左右に内装された2つの支持剛性可変部2と、車両状態検出部30と、制御部40とを備えている。また、本発明の第5の実施の形態に係る車両用シート500の機能をブロック図で表したものが図22である。なお、2つの支持剛性可変部2が作用点可変手段の一例である。

0134

車両状態検出部30は、前後加速度センサを備えており、車両の前後加速度を検出する。第5の実施の形態では、車両状態検出部30は、車両の後方に作用する加速度を検出し、前後ジャーク算出部38に出力する。

0135

前後ジャーク算出部38は、車両状態検出部30から入力された車両の前後加速度を微分して、後方に作用する後方ジャークのみを目標支持剛性決定部42に出力する。

0136

目標支持剛性決定部42は、前後ジャーク算出部38から入力された車両後方ジャークの絶対値に基づいて、2つの支持剛性可変部2に対して、共通の目標ばね定数を決定する。具体的には、図19に示すように、車両後方ジャークの絶対値について、予め定められた閾値Jx0以上か否かを判断し、閾値Jx0以上の場合には、左右の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの共通の目標ばね定数を、Ka´に決定する。また、車両後方ジャークの絶対値が閾値Jx0未満の場合には、左右の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの共通の目標ばね定数をKa0に決定する。

0137

支持剛性制御部44は、目標支持剛性決定部42において決定された目標ばね定数Kaに基づいて、左右の支持剛性可変部2の各々の電磁コイル53Aに通電又は通電を停止し、空気ばね5のばね定数が目標ばね定数になるように制御する。なお、目標支持剛性決定部42により目標ばね定数を決定し、支持剛性可変部2の空気ばね5のばね定数を制御する処理は、予め定められたサンプリング時間ごとに繰り返して行う。

0138

<第5の実施の形態に係る車両用シートの作用>
次に、本発明の第5の実施の形態に係る車両用シート500の作用について説明する。まず、車両状態検出部30により、車両の前後加速度が逐次検出されているとき、車両用シート500のROMに記憶されたプログラムを、CPUが実行することにより、図23に示す支持剛性制御処理ルーチンが実行される。なお、第5の実施の形態においては、車両前後加速度を微分し、後方に作用する後方ジャークの絶対値に基づいて、左右の支持剛性可変部2が同時に制御される。

0139

まず、ステップS500では、車両状態検出部30の前後加速度センサにより検出された車両の前後加速度を取得する。

0140

次に、ステップS502では、ステップS500において取得した車両の前後加速度を微分し、後方に作用する後方ジャークを算出する。

0141

次に、ステップS504では、ステップS502において算出された車両後方ジャークについて、車両後方ジャークの絶対値が予め定められた閾値Jx0以上か否かを判定する。車両後方ジャークの絶対値が閾値Jx0以上の場合には、ステップS110に移行し、車両後方ジャークの絶対値が閾値Jx0未満の場合には、ステップS108に移行する。

0142

次に、ステップS108では、左右の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数をKa0に設定する。

0143

ステップS110では、左右の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaの目標ばね定数KaをKa´に設定する。

0144

次に、ステップS112では、左右の支持剛性可変部2の空気ばね5の空気ばね定数Kaを、ステップS108又はステップS110において設定された目標ばね定数に設定するために、左右の支持剛性可変部2の各々の電磁コイル53Aに通電又は通電を停止する。

0145

次に、ステップS500に移行し、ステップS500〜ステップS112の処理を繰り返す。

0146

以上、説明したように、第5の実施の形態に係る車両用シート500によれば、車両前後加速度を微分し、後方に作用する後方ジャークが大きいほど、シートによる後方の支持剛性を低減させるように支持剛性を制御することにより、乗員の乗り心地を向上させることができる。また、後方ジャークが大きいほど、シートによる後方の支持剛性を低減させて、作用点の位置を下げるように作用点を変化させることにより、乗員の乗り心地を向上させることができる。

0147

また、路面外乱による高周波振動成分が多い車両前後加速度に対して、車両の加速(後方加速度)について乗員の乗り心地を向上させるとともに、首に作用する筋疲労を大幅に低減できる。

0148

また、ハーシュネス路や段差路による高周波振動成分が多い場合においても、胸を前後(ピッチ)方向に動揺させることで頭部振動を抑制させることができる。

0149

次に、第6の実施の形態について説明する。なお、第1〜第5の実施の形態と同様の構成及び作用となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。

0150

第6の実施の形態では、バックレストの乗員の肩甲骨に対応する部分の下部付近に配した、横方向に延びる回転軸を中心に、バックレスト上部の角度をピッチ方向に調整できるシート機能を用いることにより、乗員に作用する作用点を可変する点が第4及び第5の実施の形態と異なっている。

0151

<第6の実施の形態における車両用シートの原理>
本発明の第6の実施の形態に係る車両用シート600による支持剛性を制御する原理について説明する。

0152

車体に急峻な横加速度(高周波振動成分)が作用する場合に、シートバックのバックレスト上部を後方に傾けるように調整することにより、作用点の位置を胸から腰の方に変更する。これにより、胸を左右(ロール)または前後(ピッチ)方向に動きやすくし、頭部への急峻な車両横加速度(高周波成分)を遮断することが出来る。

0153

<第6の実施の形態における車両用シートの構成>
次に、第6の実施の形態における車両用シート600の構成について説明する。

0154

本発明の第6の実施の形態に係る車両用シート600は、図24に示すように、シート1000と、シートバック1の肩甲骨下部に内装されたバックレスト可変部9と、車両状態検出部30と、制御部540とを備えている。また、本発明の第6の実施の形態に係る車両用シート600の機能をブロック図で表したものが図25である。なお、バックレスト可変部9が作用点可変手段の一例である。制御部540は、横ジャーク算出部34、及びバックレスト制御部46を備えている。

0155

バックレスト制御部46は、横ジャーク算出部34から入力された車両横ジャークの値の絶対値に基づいて、バックレストの上部を制御する。具体的には、車両横ジャークの絶対値が予め定められた閾値Jy0以上か否かを判断し、閾値Jy0以上の場合には、バックレスト上部のピッチ方向の角度が、後方に傾ける角度となるように制御する。また、横ジャークの絶対値が予め定められた閾値Jy0未満の場合には、バックレスト上部のピッチ方向の角度が、初期角度となるように制御する。

0156

バックレスト可変部9は、バックレスト制御部46から入力される制御に基づいて、回転軸B−Bを中心にバックレストの上部の角度をピッチ方向に可変させる。

0157

<第6の実施の形態に係る車両用シートの作用>
次に、本発明の第6の実施の形態に係る車両用シート600の作用について説明する。まず、車両状態検出部30により、車両の横加速度が逐次検出されているときに、車両用シート600のROMに記憶されたプログラムを、CPUが実行することにより、図26に示す支持剛性制御処理ルーチンが実行される。

0158

ステップS400では、ステップS102において検出された車両横ジャークの絶対値が予め定められた閾値Jy0以上か判定する。車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0以上である場合には、ステップS600に移行し、車両横ジャークの絶対値が閾値Jy0未満の場合には、ステップS604に移行する。

0159

ステップS600では、バックレスト上部のピッチ方向の角度が、後方に傾けた角度となるようにバックレスト可変部9を制御し、ステップS100に移行し、ステップS100〜ステップS400までの処理を繰り返す。

0160

ステップS604では、バックレスト上部のピッチ方向の角度が、初期角度となるようにバックレスト可変部9を制御し、ステップS100に移行し、ステップS100〜ステップS400までの処理を繰り返す。

0161

以上、説明したように、第6の実施の形態に係る車両用シート600によれば、横ジャークが大きいほど、作用点の位置を下げるように作用点を可変することにより、乗員の乗り心地を向上させることができる。

0162

なお、第6の実施の形態においては、車両横ジャークを用いる場合について説明したがこれに限定されるものではなく、車両後方ジャークを用いてもよい。この場合、予め定められている閾値はJx0を用いる。

0163

例えば、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態、第6の実施の形態においては、横加速度を横加速度センサで検出し、検出した横加速度を微分して車両横ジャークの値を算出する場合について説明したが、この限りではない。例えば、操舵角と車速の各々をセンサで検出し、検出した操舵角と車速から横加速度を推定し、推定された横加速度を微分して車両横ジャークの値を算出してもよい。

0164

また、第5の実施の形態、第6の実施の形態においては、前後加速度を前後加速度センサで検出し、検出した前後加速度を微分し、後方に作用する後方ジャークの値を算出する場合について説明したが、この限りではない。例えば、アクセルペダルストロークギヤ比、又は車速の各々をセンサで検出し、検出したアクセルペダルストロークとギヤ比、又は車速を微分して、車両前後加速度を推定し、推定された車両前後加速度を微分し、後方に作用する後方ジャークの値を算出してもよい。

0165

また、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態、第5の実施の形態においては、空気ばね定数KaをKa0とKa´の2段階に切り替える場合について説明したがこの限りではない。例えば、図8に示すように、車両横ジャーク又は車両後方ジャークの値が大きいほど、空気ばね定数Kaを連続的に減少させるように、車両横ジャーク又は車両後方ジャークの値に応じた空気ばね定数Kaを算出してもよい。その場合には、目標設定された空気ばね定数Kaの減少特性と反対に電磁コイルに流す電流特性を増大特性にし、ピストン53Bの移動距離を連続的に制御するようにすればよい。

0166

また、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態、第5の実施の形態、第6の実施の形態においては、車両横ジャーク又は車両後方ジャークの絶対値について閾値Jy0又は閾値Jx0以上か否かの判断を行っている場合について説明したがこの限りでない。例えば、横加速度又は後方に作用する加速度の時系列データを取得し、当該データに対してスペクトル分析を行った結果から得られる高周波成分の値が閾値Jy0又はJx0以上か否かを判断し、高周波成分の値が、閾値Jy0又はJx0以上である場合に、空気ばね定数KaをKa´に設定してもよい。又は、ハイパスフィルターにより高周波振動を直接抽出し、高周波成分の値が、閾値Jy0´又はJx0´以上かを判断してもよい。

0167

また、第4の実施の形態、第5の実施の形態、第6の実施の形態においては、予め定められた閾値Jy0又は閾値Jx0を用いる場合について説明したが、これに限定されるわけではない。例えば、上記第2の実施の形態と同様に、荷重センサと演算アンプを更に設け、シートバックに作用する支持力の作用点と左右肩部の中心位置との相対距離が大きくなるほど、車両横ジャークの閾値Jy0又は車両後方ジャークの閾値Jx0を大きくするようにしてもよい。

0168

1シートバック
2支持剛性可変部
3シートバックフレーム
4固定プレート
5空気ばね
6クッションパッド
7押圧板
8サイド支持部
9バックレスト可変部
30車両状態検出部
34横ジャーク算出部
38前後ジャーク算出部
40 制御部
41閾値決定部
42目標支持剛性決定部
43支持力判定部
44 支持剛性制御部
46 バックレスト制御部
51ゴムベローズ
52ケース
53電磁アクチュエータ
53A電磁コイル
53Bピストン
53Cコイルスプリング
60荷重センサ
70演算アンプ
100車両用シート
101アームレスト
102 アームレスト
200 車両用シート
300 車両用シート
400 車両用シート
500 車両用シート
540 制御部
600 車両用シート
1000 シート

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