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課題

脱燐スラグなどの燐を含有する製鋼スラグリサイクルにあたり、該製鋼スラグから燐及び鉄を安価に回収するとともに、回収した燐及び鉄を資源として有効活用することのできる、製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法を提供する。

解決手段

本発明の製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、燐を含有する製鋼スラグを炭素、Si、Alなど還元剤を用いて還元処理して(但し、鉄鋼溶湯存在下で還元処理する場合を除く)、製鋼スラグ中鉄酸化物及び燐酸化物還元し、前記燐酸化物が還元されて生成した燐を、前記鉄酸化物が還元されて生成した鉄に溶解させて、燐濃度が0.5質量%以上の溶融状態燐含有溶融鉄として回収する工程と、前記燐含有溶融鉄を、フッ素を含有しないCaO系フラックスを用いて、燐含有溶融鉄中の燐濃度が0.1質量%以下となるまで脱燐処理し、CaO系フラックス中に燐をP2O5として20質量%以上濃縮させる工程と、を有する。

概要

背景

鉄鉱石の成分に起因して、高炉で溶製される溶銑には燐(P)が含有される。燐は鋼材にとって有害成分であるので、従来から鉄鋼製品材料特性向上のために、製鋼工程において脱燐処理が行われている。この脱燐処理では、一般的に、溶銑中或いは溶鋼中の燐は、酸素ガス酸化鉄によって酸化され、その後、酸化された燐がCaOを主成分とするスラグ中へと固定されることによって除去されている。溶銑中或いは溶鋼中の燐を酸素ガスによって酸化する際には鉄も酸化され、酸化鉄を添加しない場合であっても、スラグ中には鉄も酸化鉄の形態で含有される。溶銑の予備脱燐処理転炉での脱炭精錬などで発生する、燐を含有する製鋼スラグは、従来、土木用材料などとして製鋼プロセスの系外に排出されており、燐含有製鋼スラグ中の燐及び鉄は回収されることはない。尚、予備脱燐処理とは、溶銑を転炉にて脱炭精錬する前に、予め溶銑中の燐を除去する処理のことである。

近年、環境対策及び省資源の観点から、製鋼スラグのリサイクル使用を含めて、製鋼スラグの発生量を削減することが実施されている。例えば、予備脱燐処理された溶銑の転炉脱炭精錬において発生したスラグ(転炉脱炭精錬において発生するスラグを「転炉スラグ」という)を、鉄源及び造滓剤用のCaO源として、焼結工程を経て高炉にリサイクルすることや、溶銑予備処理工程のCaO源としてリサイクルすることが行われている。

予備脱燐処理された溶銑(「脱燐溶銑」ともいう)、特に製品燐濃度ベルまで予備脱燐処理された脱燐溶銑の転炉脱炭精錬において発生する転炉スラグは、燐をほとんど含有せず、高炉ヘリサイクルすることによる溶銑中燐濃度の増加(ピックアップ)は危惧する必要はないが、予備脱燐処理時に発生するスラグや、予備脱燐処理されていない溶銑(「通常溶銑」ともいう)或いは予備脱燐処理されていても脱燐処理後の燐濃度が製品の燐濃度レベルまで低下していない脱燐溶銑の転炉脱炭精錬で発生する転炉スラグのように燐を含有するスラグでは、酸化物として高炉にリサイクルされた燐が、高炉内還元されて溶銑の燐含有量を増加させ、その結果、溶銑からの脱燐負荷が増加するという悪循環に陥る。そこで、燐を含有する製鋼スラグのリサイクルについては、特に還元精錬を伴う工程へのリサイクルについては、燐のピックアップを防止するべく、種々の提案がなされている。勿論、予備脱燐処理などの酸化工程へのリサイクルの場合にも、脱燐剤としての機能が損なわれ、リサイクルされる量は限られる。

例えば、特許文献1には、クロム鉱石溶融還元製錬工程と、該溶融還元製錬によって溶製された含クロム溶銑の転炉脱炭精錬工程との組み合せによってステンレス溶鋼を溶製する際に、前記含クロム溶銑の脱燐処理により発生した脱燐スラグ炭材を加えて加熱し、脱燐スラグに気化脱燐処理を施し、気化脱燐処理後の脱燐スラグを前記溶融還元製錬工程にリサイクルする技術が開示されている。

また、特許文献2には、溶融状態高炉スラグと、溶融状態の転炉スラグとを混合し、この混合スラグ中に、炭素珪素マグネシウムの1種以上を添加すると同時に、酸素ガスを吹き込んで、混合スラグ中の燐酸化物を還元して燐蒸気とし、且つ、混合スラグ中の硫黄(S)をSO2とし、これらを揮発させて燐及び硫黄の少ないスラグとなし、このスラグを高炉または転炉にリサイクルする技術が開示されている。

また更に、特許文献3には、アルカリ金属炭酸塩を主成分とする造滓剤を用いた、溶銑または溶鋼の脱燐処理で生成する脱燐スラグを、水及び炭酸ガスで処理してアルカリ金属リン酸塩を含む抽出液を得、該抽出液にカルシウム化合物を添加して、燐を燐酸カルシウムとして析出させて分離回収する技術が開示されている。

概要

脱燐スラグなどの燐を含有する製鋼スラグのリサイクルにあたり、該製鋼スラグから燐及び鉄を安価に回収するとともに、回収した燐及び鉄を資源として有効活用することのできる、製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法を提供する。 本発明の製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、燐を含有する製鋼スラグを炭素、Si、Alなど還元剤を用いて還元処理して(但し、鉄鋼溶湯存在下で還元処理する場合を除く)、製鋼スラグ中鉄酸化物及び燐酸化物を還元し、前記燐酸化物が還元されて生成した燐を、前記鉄酸化物が還元されて生成した鉄に溶解させて、燐濃度が0.5質量%以上の溶融状態の燐含有溶融鉄として回収する工程と、前記燐含有溶融鉄を、フッ素を含有しないCaO系フラックスを用いて、燐含有溶融鉄中の燐濃度が0.1質量%以下となるまで脱燐処理し、CaO系フラックス中に燐をP2O5として20質量%以上濃縮させる工程と、を有する。 なし

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、脱燐スラグや転炉スラグなどの燐を含有する製鋼スラグのリサイクルにあたり、該製鋼スラグから燐及び鉄を安価に回収するとともに、回収した燐及び鉄をそれぞれ資源として有効活用することのできる、製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

製鋼精錬プロセスにおいて発生した燐を含有する製鋼スラグを、炭素珪素アルミニウムのうちの1種以上を含有する還元剤を用いて還元処理して(但し、鉄鋼溶湯存在下で還元処理する場合を除く)、前記製鋼スラグ中鉄酸化物及び燐酸化物還元し、前記燐酸化物が還元されて生成した燐を、前記鉄酸化物が還元されて生成した鉄に溶解させて、燐濃度が0.5質量%以上の溶融状態燐含有溶融鉄として製鋼スラグから回収する工程と、前記還元処理により回収した燐含有溶融鉄を、フッ素を含有しないCaO系フラックスを用いて、燐含有溶融鉄中の燐濃度が0.1質量%以下となるまで脱燐処理し、CaO系フラックス中に燐をP2O5として20質量%以上濃縮させる工程と、を有することを特徴とする、製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法

請求項2

転炉での溶銑脱炭精錬において発生したスラグを、前記還元処理に供することを特徴とする、請求項1に記載の製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法。

請求項3

転炉での溶銑の脱炭精錬において発生したスラグと、溶銑の予備脱燐処理で発生したスラグとの混合物を、前記還元処理に供することを特徴とする、請求項1に記載の製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法。

請求項4

前記燐含有溶融鉄が、炭素を3質量%以上含有する溶銑であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法。

請求項5

CaO系フラックス中に燐を濃縮させる工程で使用した、燐を濃縮するCaO系フラックスを、燐資源として利用することを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法。

技術分野

0001

本発明は、溶銑予備脱燐処理によって生成される脱燐スラグなどの燐を含有する製鋼スラグから、該製鋼スラグに含有される鉄及び燐を回収する方法に関するものである。

背景技術

0002

鉄鉱石の成分に起因して、高炉で溶製される溶銑には燐(P)が含有される。燐は鋼材にとって有害成分であるので、従来から鉄鋼製品材料特性向上のために、製鋼工程において脱燐処理が行われている。この脱燐処理では、一般的に、溶銑中或いは溶鋼中の燐は、酸素ガス酸化鉄によって酸化され、その後、酸化された燐がCaOを主成分とするスラグ中へと固定されることによって除去されている。溶銑中或いは溶鋼中の燐を酸素ガスによって酸化する際には鉄も酸化され、酸化鉄を添加しない場合であっても、スラグ中には鉄も酸化鉄の形態で含有される。溶銑の予備脱燐処理や転炉での脱炭精錬などで発生する、燐を含有する製鋼スラグは、従来、土木用材料などとして製鋼プロセスの系外に排出されており、燐含有製鋼スラグ中の燐及び鉄は回収されることはない。尚、予備脱燐処理とは、溶銑を転炉にて脱炭精錬する前に、予め溶銑中の燐を除去する処理のことである。

0003

近年、環境対策及び省資源の観点から、製鋼スラグのリサイクル使用を含めて、製鋼スラグの発生量を削減することが実施されている。例えば、予備脱燐処理された溶銑の転炉脱炭精錬において発生したスラグ(転炉脱炭精錬において発生するスラグを「転炉スラグ」という)を、鉄源及び造滓剤用のCaO源として、焼結工程を経て高炉にリサイクルすることや、溶銑予備処理工程のCaO源としてリサイクルすることが行われている。

0004

予備脱燐処理された溶銑(「脱燐溶銑」ともいう)、特に製品燐濃度ベルまで予備脱燐処理された脱燐溶銑の転炉脱炭精錬において発生する転炉スラグは、燐をほとんど含有せず、高炉ヘリサイクルすることによる溶銑中燐濃度の増加(ピックアップ)は危惧する必要はないが、予備脱燐処理時に発生するスラグや、予備脱燐処理されていない溶銑(「通常溶銑」ともいう)或いは予備脱燐処理されていても脱燐処理後の燐濃度が製品の燐濃度レベルまで低下していない脱燐溶銑の転炉脱炭精錬で発生する転炉スラグのように燐を含有するスラグでは、酸化物として高炉にリサイクルされた燐が、高炉内還元されて溶銑の燐含有量を増加させ、その結果、溶銑からの脱燐負荷が増加するという悪循環に陥る。そこで、燐を含有する製鋼スラグのリサイクルについては、特に還元精錬を伴う工程へのリサイクルについては、燐のピックアップを防止するべく、種々の提案がなされている。勿論、予備脱燐処理などの酸化工程へのリサイクルの場合にも、脱燐剤としての機能が損なわれ、リサイクルされる量は限られる。

0005

例えば、特許文献1には、クロム鉱石溶融還元製錬工程と、該溶融還元製錬によって溶製された含クロム溶銑の転炉脱炭精錬工程との組み合せによってステンレス溶鋼を溶製する際に、前記含クロム溶銑の脱燐処理により発生した脱燐スラグに炭材を加えて加熱し、脱燐スラグに気化脱燐処理を施し、気化脱燐処理後の脱燐スラグを前記溶融還元製錬工程にリサイクルする技術が開示されている。

0006

また、特許文献2には、溶融状態高炉スラグと、溶融状態の転炉スラグとを混合し、この混合スラグ中に、炭素珪素マグネシウムの1種以上を添加すると同時に、酸素ガスを吹き込んで、混合スラグ中の燐酸化物を還元して燐蒸気とし、且つ、混合スラグ中の硫黄(S)をSO2とし、これらを揮発させて燐及び硫黄の少ないスラグとなし、このスラグを高炉または転炉にリサイクルする技術が開示されている。

0007

また更に、特許文献3には、アルカリ金属炭酸塩を主成分とする造滓剤を用いた、溶銑または溶鋼の脱燐処理で生成する脱燐スラグを、水及び炭酸ガスで処理してアルカリ金属リン酸塩を含む抽出液を得、該抽出液にカルシウム化合物を添加して、燐を燐酸カルシウムとして析出させて分離回収する技術が開示されている。

先行技術

0008

特開2004−143492号公報
特開昭55−97408号公報
特開昭56−22613号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。

0010

即ち、特許文献1では、脱燐スラグは、燐が気化脱燐により除去されてリサイクル可能となるが、気化脱燐した燐は回収されておらず、燐資源の確保という観点からは効果的なリサイクル方法とはいえない。

0011

特許文献2では、燐含有スラグである転炉スラグに、転炉スラグとほぼ同量の高炉スラグを混合させているが、近年、高炉スラグは、廃棄物ではなく、土木建築資材として利用価値の高い資源と位置づけられており、このような高炉スラグを転炉スラグの希釈用として使用することは経済的に不利である。

0012

また、特許文献3は湿式処理であり、湿式処理の場合、処理に必要な薬品が高価であるのみならず、大掛かりな処理設備が必要であり、設備費及び運転費ともに高価となる。

0013

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、脱燐スラグや転炉スラグなどの燐を含有する製鋼スラグのリサイクルにあたり、該製鋼スラグから燐及び鉄を安価に回収するとともに、回収した燐及び鉄をそれぞれ資源として有効活用することのできる、製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0014

上記課題を解決するための第1の発明に係る製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、製鋼精錬プロセスにおいて発生した燐を含有する製鋼スラグを、炭素、珪素、アルミニウムのうちの1種以上を含有する還元剤を用いて還元処理して、前記製鋼スラグ中鉄酸化物及び燐酸化物を溶融状態の燐含有溶融鉄として製鋼スラグから還元・回収する第1の工程と、鉄酸化物及び燐酸化物が除去された製鋼スラグを、製銑工程または製鋼工程におけるCaO源としてリサイクルする第2の工程と、前記還元処理により回収した燐含有溶融鉄を、フッ素を含有しないCaO系フラックスを用いて、燐含有溶融鉄中の燐濃度が0.1質量%以下となるまで脱燐処理し、CaO系フラックス中に燐を濃縮させる第3の工程と、前記脱燐処理が施された、燐濃度が0.1質量%以下の燐含有溶融鉄を、鉄源として高炉から出銑された高炉溶銑に混合する第4の工程と、を有することを特徴とするものである。

0015

第2の発明に係る製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、第1の発明において、転炉での溶銑の脱炭精錬において発生したスラグを、前記第1の工程の還元処理に供することを特徴とするものである。

0016

第3の発明に係る製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、第1の発明において、転炉での溶銑の脱炭精錬において発生したスラグと、溶銑の予備脱燐処理で発生したスラグとの混合物を、前記第1の工程の還元処理に供することを特徴とするものである。

0017

第4の発明に係る製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記燐含有溶融鉄が、炭素を3質量%以上含有する溶銑であることを特徴とするものである。

0018

第5の発明に係る製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、第1ないし第4の発明の何れかにおいて、前記第1の工程の還元処理を、高炉溶銑の存在下で行うことを特徴とするものである。

0019

第6の発明に係る製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、第1ないし第5の発明の何れかにおいて、前記第2の工程における製鋼スラグのリサイクル先が、鉄鉱石の焼結工程または高炉での溶銑製造工程であることを特徴とするものである。

0020

第7の発明に係る製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、第1ないし第5の発明の何れかにおいて、前記第2の工程における製鋼スラグのリサイクル先が、溶銑の脱燐工程または転炉での溶銑脱炭精錬工程であることを特徴とするものである。

0021

第8の発明に係る製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、第1ないし第7の発明の何れかにおいて、前記第3の工程で使用した、燐を濃縮するCaO系フラックスを、燐資源として利用することを特徴とするものである。

発明の効果

0022

本発明によれば、溶銑の予備脱燐処理により発生する脱燐スラグや、通常溶銑或いは脱燐が十分でない脱燐溶銑を使用した転炉脱炭精錬により発生する転炉スラグなどの燐を含有する製鋼スラグのリサイクルにあたり、先ず、製鋼スラグ中の鉄酸化物及び燐酸化物を燐含有溶融鉄として還元・回収し、鉄酸化物及び燐酸化物の除去された製鋼スラグは、製銑工程または製鋼工程におけるCaO源としてリサイクルし、燐含有溶融鉄は、燐濃度が0.1質量%以下まで脱燐処理されて高炉溶銑と混合され、一方、燐含有溶融鉄中の燐は、脱燐処理によりCaO系フラックス中に、燐資源として回収するに十分な程度にまで濃縮されるので、製鋼スラグの製銑工程または製鋼工程へのリサイクル使用において、溶銑の燐濃度を上昇させる、或いは脱燐剤としての機能を損なうなどの弊害をもたらすことなく、製鋼スラグに含有される鉄及び燐をそれぞれ資源として有効活用することが実現される。

図面の簡単な説明

0023

本発明で使用した脱燐処理設備の概略図を示す図である。
高燐溶銑の脱燐処理中の燐の挙動を示す図である。

0024

以下、本発明を詳細に説明する。

0025

本発明者らは、溶銑の予備脱燐処理時に発生する脱燐スラグや、通常溶銑或いは予備脱燐処理されていても脱燐処理後の燐濃度が製品の燐濃度レベルに比較して高い脱燐溶銑を使用した転炉脱炭精錬時に発生する転炉スラグなどの燐を含有する製鋼スラグを、脱燐剤や造滓剤用のCaO源として製銑工程または製鋼工程でリサイクル使用するにあたり、先ず、該製鋼スラグに含有される燐の、高炉から出銑される溶銑への影響を解消することを検討した。

0026

予め製品の燐濃度レベルまで予備脱燐処理が施された溶銑の脱炭精錬時に発生する転炉スラグは、溶銑での燐濃度のピックアップを来すことなく、鉄鉱石の焼結工程を経て高炉に造滓剤としてリサイクル使用されている。従って、燐含有製鋼スラグから燐を除去すれば、高炉へのリサイクル使用は可能になる。そこで、燐含有製鋼スラグからの燐の除去を検討した。

0027

燐含有製鋼スラグには、燐はP2O5なる酸化物で含有されており、また、一般的に製鋼スラグはCaO及びSiO2を主成分としており、燐は、カルシウム(Ca)及び珪素(Si)に比較して酸素との親和力が弱いことから、燐含有製鋼スラグを、炭素、珪素、アルミニウムなどで還元すれば、燐含有製鋼スラグ中のP2O5は容易に還元されることが分かった。この場合、燐含有製鋼スラグには、鉄が、FeOやFe2O3の形態(以下、まとめて「FexO」と記す)の酸化物で含有されており、これらの鉄酸化物は酸素との親和力が燐と同等であるので、燐含有製鋼スラグを、炭素、珪素、アルミニウムなどで還元すると、同時に製鋼スラグ中のFexOが還元されることが分かった。

0028

また、燐は鉄中への溶解度が高く、還元により生成した燐は、還元により生成した鉄に迅速に溶解することが分かった。ここで、本発明は、燐を燐含有製鋼スラグから除去し、燐含有量の低い製鋼スラグに改質することを目的としており、還元により生成した燐を製鋼スラグと迅速に分離するには、還元により生成した鉄が溶融状態になるように、高温下で還元することが望ましいことが分かった。つまり、還元により生成した鉄が溶融状態であれば、本来溶融した鉄はスラグと分離しやすく、還元により生成した鉄の製鋼スラグからの分離が促進される。また、この溶融鉄に、生成した燐が溶解することで、燐の製鋼スラグからの分離も迅速化することが分かった。製鋼スラグを溶融状態にした場合には、燐を含有する鉄との分離が更に促進されることが分かった。

0029

この場合、生成される溶融鉄の融点が低いほど、溶融鉄とスラグとの分離が促進されることから、生成される溶融鉄に炭素を溶解させ、溶融鉄として溶銑を生成させることが好ましいことも分かった。具体的には、炭素濃度が3質量%以上になると、溶銑の液相線温度が1300℃以下となることから、溶銑の炭素濃度を3質量%以上確保することが好ましいことが分かった。生成される溶融鉄に炭素を溶解させるには、炭素を還元剤として使用する、または、珪素やアルミニウムなどを還元剤とする場合には、炭素を製鋼スラグと共存させることにより、生成する溶融鉄は浸炭して自ずと燐を高濃度で含有する溶銑(この溶銑を高炉溶銑と区別するために「高燐溶銑」と呼ぶ)になる。

0030

また、予め高炉溶銑を別途装入し、高炉溶銑を燐含有製鋼スラグと共存させた状態で還元処理を行うことにより、上記の条件が全て満足され、燐の製鋼スラグからの分離が促進化することも分かった。つまり、溶銑を調達できる条件であるならば、予め高炉溶銑を別途装入して燐含有製鋼スラグの還元処理を行うことが好ましいことが分かった。

0031

燐含有製鋼スラグ中の燐及び鉄の質量比(P/Fe)は、0.005〜0.075であるので、還元後の溶融鉄(高燐溶銑)には燐が0.5〜7.5質量%程度含有される。これに対して、現在、高炉から出銑される高炉溶銑の燐含有量は、0.1質量%程度である。従って、燐濃度が0.5〜7.5質量%の高燐溶銑を、燐濃度が0.1質量%程度の高炉溶銑のレベルまで脱燐できない場合には、前記高燐溶銑の運用は限られたものとなり、場合によっては鉄源として利用できないことも起こり得る。

0032

そこで、現在、高炉溶銑の予備脱燐処理に使用されている脱燐処理設備を用い、燐濃度を4.0質量%(水準1)、2.0質量%(水準2)、1.1質量%(水準3)、0.5質量%(水準4)の4水準に調整した高炉溶銑を高燐溶銑の代替として使用し、脱燐試験を実施した。高炉溶銑の燐濃度は、鉄−燐合金を用いて調整した。

0033

図1に、使用した脱燐処理設備の概略図を示す。図1において、燐濃度が調整された高燐溶銑2を収容した溶銑鍋4が、台車5に積載されて脱燐処理設備1に搬入されている。この脱燐処理設備1には、溶銑鍋4の内部を上下移動可能な、上吹きランス6及びインジェクションランス7が設置されており、上吹きランス6からは、酸素ガスまたは鉄鉱石などの酸化鉄が高燐溶銑2に吹き付けられ、また、インジェクションランス7からは、CaO系フラックスまたは酸化鉄が高燐溶銑2に吹き込まれる構成になっている。脱燐処理設備1には、更に、CaO系フラックスや酸化鉄を溶銑鍋4の内部に上置き添加するためのホッパーシュートなどの原料供給設備が設置されているが、図1では省略している。

0034

この脱燐処理設備1を用い、上吹きランス6から酸素ガスを吹き付けると同時に、インジェクションランス7から、窒素ガス搬送用ガスとして粉体状のCaO系フラックスを吹き込んで高燐溶銑2の脱燐処理を実施した。吹き込まれたCaO系フラックスは溶融して脱燐スラグ3を形成する。この場合、高燐溶銑中の燐は酸素ガスによって酸化されてP2O5となり、滓化したCaO系フラックスに取り込まれて高燐溶銑2の脱燐が進行する。実験条件を表1に示す。尚、CaO系フラックスとしては生石灰を使用し、ホタル石などのフッ素源を含有しないものである。また、所定量のCaOを溶銑に添加するにあたり、インジェクションランス7と併用して上吹きランス6より酸素ガスとともに溶銑浴面に吹き付けてもよい。

0035

0036

実験で行った脱燐処理における高燐溶銑中の燐の挙動を図2に示す。図2に示すように、脱燐反応速度は脱燐処理開始前の溶銑中燐濃度が高いほど高位であることが分かった。また、高炉溶銑に対して一般的に行われている脱燐処理方法であっても、高炉溶銑と同等な燐濃度0.1質量%程度までの脱燐処理が、高燐溶銑2に対して可能であることが分かった。そして、脱燐処理後の高燐溶銑2は、高炉溶銑と何ら遜色なく、鉄源として高炉溶銑に混合して使用可能であることが確認できた。

0037

また、この脱燐処理で生成した脱燐スラグの組成を表2に示す。この脱燐スラグを燐資源として有効活用するには、燐酸鉱石の組成である3CaO・P2O5(CaOとP2O5との質量比=54:46)と同等レベルとすることが好ましく、従って、脱燐スラグは少なくとも20質量%のP2O5を含有することを目標とした。

0038

0039

表2に示すように、脱燐処理前の溶銑中燐濃度が0.5質量%の水準4であっても、生成される脱燐スラグにはP2O5が20質量%含有されており、更に、水準1及び水準2では脱燐スラグ中のP2O5濃度はCaO濃度よりも高く、3CaO・P2O5の組成よりも更にP2O5が濃縮されることが分かった。つまり、生成される脱燐スラグは燐資源として十分に活用可能であることが分かった。

0040

尚、高炉溶銑の予備脱燐処理に用いるCaO系フラックスは、ホタル石などのフッ素源を5質量%程度添加することにより、CaOの滓化が促進されて脱燐反応が促進されることが知られているが、生成される脱燐スラグを、例えば燐肥料として使用する場合には、燐肥料(脱燐スラグ)からフッ素が溶出し、土壌環境基準に対してフッ素溶出値が問題となるため、本発明においてはフッ素源を使用しないこととした。

0041

本発明は、上記試験結果に基づいてなされたものであり、本発明に係る製鋼スラグからの鉄及び燐の回収方法は、製鋼精錬プロセスにおいて発生した燐を含有する製鋼スラグを、炭素、珪素、アルミニウムのうちの1種以上を含有する還元剤を用いて還元処理して、前記製鋼スラグ中の鉄酸化物及び燐酸化物を溶融状態の燐含有溶融鉄として製鋼スラグから還元・回収する第1の工程と、鉄酸化物及び燐酸化物が除去された製鋼スラグを、製銑工程または製鋼工程におけるCaO源としてリサイクルする第2の工程と、前記還元処理により回収した燐含有溶融鉄を、フッ素を含有しないCaO系フラックスを用いて、燐含有溶融鉄中の燐濃度が0.1質量%以下となるまで脱燐処理し、CaO系フラックス中に燐を濃縮させる第3の工程と、前記脱燐処理が施された、燐濃度が0.1質量%以下の燐含有溶融鉄を、鉄源として高炉から出銑された高炉溶銑に混合する第4の工程と、を有することを特徴とする。

0042

上記構成の本発明によれば、溶銑の予備脱燐処理により発生する脱燐スラグや通常溶銑或いは脱燐が十分でない脱燐溶銑を使用した転炉脱炭精錬により発生する転炉スラグなどの燐を含有する製鋼スラグのリサイクルにあたり、先ず、製鋼スラグ中の鉄酸化物及び燐酸化物を燐含有溶融鉄として還元・回収し、鉄酸化物及び燐酸化物の除去された製鋼スラグは、製銑工程または製鋼工程におけるCaO源としてリサイクルし、燐含有溶融鉄は、燐濃度が0.1質量%以下まで脱燐処理されて高炉溶銑に混合され、一方、燐含有溶融鉄中の燐は、脱燐処理によりCaO系フラックス中に、燐資源として回収するに十分な程度に濃縮されるので、溶銑の燐濃度を上昇させるなどの弊害をもたらすことなく、製鋼スラグに含有される鉄及び燐をそれぞれ資源として有効活用することが実現される。

0043

尚、予め製品の燐濃度レベルまで予備脱燐処理が施された溶銑の脱炭精錬時に発生する転炉スラグも、燐の含有量はゼロでなく燐を含有する。従って、この転炉スラグにも本発明を適用することは可能であるが、当該スラグは燐の含有量が低く、そのまま高炉などにリサイクルしても、燐の影響は無視することができ、本発明を適用することにより却ってコスト上昇を招く。従って、本発明で対象とする、燐を含有する製鋼スラグとは、その製鋼スラグを高炉などにリサイクルすると溶銑または溶鋼の燐濃度が上昇し、通常の操業に対してコスト上昇を発生させる濃度以上の燐を含有する製鋼スラグである。

0044

還元処理によって鉄酸化物及び燐酸化物の除去された製鋼スラグのリサイクル方法としては、上記説明のように、鉄鉱石の焼結工程におけるCaO源(造滓剤)として利用し、その後、高炉での溶銑製造工程で装入原料として使用する方法以外に、高炉での溶銑製造工程での造滓剤として直接使用する方法、または、高炉溶銑の予備脱燐処理における脱燐剤としてのCaO系フラックスとして使用する方法、或いは、転炉での溶銑の脱炭精錬工程における造滓剤として使用する方法、更には、高炉溶銑の脱硫処理におけるCaO系脱硫剤として使用する方法などが、好適な例として挙げられる。これ以外の工程であっても、製鉄所における製銑工程及び製鋼工程である限り、生石灰を使用している工程であれば、生石灰の代替として使用可能である。

0045

更に、本発明を実施する上で好適な、燐を含有する製鋼スラグの例を示せば、通常溶銑或いは脱燐が十分でない脱燐溶銑を使用した転炉脱炭精錬により発生した転炉スラグ単独、及び、この転炉スラグと溶銑の予備脱燐処理により発生する脱燐スラグとの混合物が好適である。

0046

これは、転炉スラグは塩基度(質量%CaO/質量%SiO2)が高く(通常3〜5程度)、第2工程の鉄鉱石の焼結工程におけるCaO源として有利である。但し、転炉スラグは塩基度が高く、焼結工程時の滓化性に劣ることから、滓化性を高めたい場合には、転炉スラグに脱燐スラグを混合すればよい。脱燐スラグは、塩基度が1.5〜2.5程度であり、含有されるSiO2によって滓化性が向上する。つまり、転炉スラグと脱燐スラグとの混合物を使用した場合には、焼結工程においては、フッ素源を使用しなくても、焼結が円滑に行われ、また、燐含有溶融鉄の燐濃度が高くなることから、第3工程において回収される脱燐処理後のCaO系フラックスの燐濃度が上昇し、燐資源としての活用が促進される。しかしながら、脱燐スラグを単独で使用することは、塩基度が低く焼結工程におけるCaO源として不足するので、好ましくない。

0047

また、第1工程の還元処理に供する製鋼スラグとして、転炉スラグと脱燐スラグとの混合物を使用した場合には、脱燐スラグに含有されるSiO2によって還元処理される製鋼スラグの滓化性が向上し、還元処理時、還元して得られる燐含有溶融鉄と製鋼スラグとの分離が促進されるという効果も発現する。

0048

尚、発生する転炉スラグの全量を本発明の第1の工程の還元処理に供しても構わないが、溶銑の予備脱燐処理において転炉スラグを使用することは省資源の観点からも有効であり、従って、発生した転炉スラグの一部を溶銑の予備脱燐処理工程におけるCaO源として使用し、この転炉スラグの残部を、第1の工程の還元処理に供しても構わない。

0049

高炉から出銑された高炉溶銑を、トーピードカー受銑し、トーピードカーに収容された高炉溶銑に脱珪処理及び予備脱燐処理を施し、その後高炉溶銑を溶銑鍋に移し替え、溶銑鍋内の高炉溶銑に機械攪拌式脱硫処理を施し、この脱硫処理終了後の高炉溶銑を転炉に装入して転炉にて脱炭精錬を施し、かくして、高炉溶銑から溶鋼を溶製する、製銑−製鋼工程において、本発明を適用した。高炉での出銑から転炉脱炭精錬終了までの高炉溶銑及び溶鋼の化学成分の例を表3に示す。

0050

0051

表3に示すように、脱珪、脱燐後の高炉溶銑には0.05質量%の燐が含有されており、製品の燐濃度レベル(0.025質量%以下)に比較して高く、この高炉溶銑を用いた転炉脱炭精錬により発生する転炉スラグには、1.5質量%程度の燐(P2O5で3.4質量%程度)が含有される。この製鋼スラグを焼結工程でのCaO源とした再使用すると、高炉溶銑の燐の濃化が発生する。そこで、この転炉スラグに本発明を適用する試験(本発明例1)を実施した。

0052

250トンの転炉スラグ、50トンの高炉溶銑、及び還元剤としてのコークス3相交流式アーク炉に装入し、アークを発生させて転炉スラグ及びコークスを加熱して、転炉スラグの還元処理を実施した。高炉溶銑は、溶湯を予め炉内に存在させて製鋼スラグを加熱することにより、製鋼スラグの還元を促進させると同時に、製鋼スラグの還元により生成する燐含有鉄を迅速に取り込み、燐含有鉄と製鋼スラグとの分離を促進させる目的で、装入したものである。尚、高炉溶銑の温度は1300℃であった。30分間の還元処理により、予め装入した高炉溶銑と合わせて約100トンの高燐溶銑が得られた。表4に、還元処理の条件を示し、表5に、還元処理前後の製鋼スラグの組成を示す。

0053

0054

0055

また、溶銑の予備脱燐処理で発生した脱燐スラグと上記転炉スラグとの混合物(混合比=1:1)に本発明を適用する試験(本発明例2)も実施した。尚、転炉スラグの組成は本発明例1で使用した転炉スラグ(表5参照)と同一であり、脱燐スラグの組成は、CaO:22質量%、SiO2:18質量%、P:2.4質量%、FexO:28質量%、MgO:5.2質量%、MnO:4.1質量%であった。

0056

上記のアーク炉に、転炉スラグと脱燐スラグとの混合物250トンと、高炉溶銑50トンと、還元剤としてのコークスを装入し、アークを発生させて混合スラグ及びコークスを加熱して、混合スラグの還元処理を実施した。高炉溶銑は、溶湯を予め炉内に存在させて混合スラグを加熱することにより、混合スラグの還元を促進させると同時に、混合スラグの還元により生成する燐含有鉄を迅速に取り込み、燐含有鉄と混合スラグとの分離を促進させる目的で、装入したものである。

0057

上記の本発明例1に比べて炉内スラグが早期に溶融し、25分間の還元処理により、予め装入した高炉溶銑と合わせて約100トンの高燐溶銑が得られた。還元処理の条件は前述した表4と同一である。前述した表5に還元処理前後の混合スラグの組成を示す。

0058

本発明例1及び本発明例2ともに、得られた高燐溶銑をアーク炉から溶銑鍋に出湯し、その後、炉内に残留する約200トンの転炉スラグをスラグポットに排出した。得られた高燐溶銑の化学成分は、本発明例1では、炭素:4.3質量%、珪素:0.01質量%、マンガン:2.2質量%、燐:3.0質量%、硫黄:0.05質量%で、本発明例2では、炭素:4.3質量%、珪素:0.01質量%、マンガン:3.1質量%、燐:4.5質量%、硫黄:0.05質量%であった。本発明例2の方が燐濃度が高いが、その他は同等であった。

0059

燐含有製鋼スラグのP/Feは、P濃度に換算すると0.5〜7.5質量%であるが、本実施例では高炉溶銑を用いて約1/2の濃度に希釈しており、この場合にはP濃度は0.25〜3.75質量%となり、上記燐濃度はこの範囲内であり、従来の実績と一致している。この高燐溶銑に対して、図1に示す脱燐処理設備を用いて脱燐処理を施した。表6に、本発明例1及び本発明例2で高燐溶銑に対して行った脱燐処理条件を示す。

0060

0061

この脱燐処理により、高燐溶銑の燐濃度は、本発明例1及び本発明例2ともに0.1質量%まで減少した。脱燐処理前後の高燐溶銑の化学組成を表7に示す。

0062

0063

脱燐処理後の高燐溶銑を、高炉溶銑に混合し、混合した溶銑に対して脱珪・脱燐処理を施し、その後、脱硫処理工程を経て、転炉に装入した。転炉では通常の精錬を施し、所定の成分の溶鋼を溶製した。また、この高燐溶銑の脱燐処理により、本発明例1及び本発明例2ともに、CaO:62質量%、SiO2:2.2質量%、P:28質量%、FexO:2.8質量%、MgO:4質量%、MnO:0.8質量%の脱燐スラグが得られた。この脱燐スラグは、燐肥料として利用が可能であった。

0064

一方、還元処理後の転炉スラグは、冷却した後、鉄鉱石の焼結工程において、造滓剤用のCaO源として使用し、製造した焼結鉱は、鉄源として高炉に装入し、高炉溶銑を溶製した。溶製された高炉溶銑の燐濃度は0.1質量%程度で、全く問題はなかった。

0065

これに対して、上記製鋼工程において発生する転炉スラグをそのまま焼結鉱のCaO源としてリサイクルした場合には、高炉から出銑される溶銑の燐濃度が高くなり、溶銑の予備脱燐処理における脱燐剤(酸素源及びCaO系フラックス)の原単位及び発生する脱燐スラグ量が1.5倍になり、生産性は20%低下した。

実施例

0066

尚、本発明においては、転炉スラグに含有される鉄分の約80質量%が回収されており、これは、転炉スラグをそのまま焼結鉱のCaO源としてリサイクルした場合とほぼ同等であった。

0067

1脱燐処理設備
2高燐溶銑
3脱燐スラグ
4溶銑鍋
5台車
6 上吹きランス
7 インジェクションランス

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