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技術 鋼帯の製造方法および製造設備

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 武田玄太郎佐々木成人高橋秀行
出願日 2013年8月19日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2013-169580
公開日 2015年2月26日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2015-038234
状態 特許登録済
技術分野 ストリップ・線材の熱処理 熱処理のプロセス制御
主要キーワード 形状矯正機 InGaAs素子 使用段数 矯正ライン 遮蔽ボックス 変形履歴 方向温度差 急冷焼
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

生産性品質を低下させることなく、所望の特性を有する鋼帯を安定的に製造することができる鋼帯の製造方法および製造設備を提供することを目的とする。

解決手段

鋼帯を連続焼鈍処理する鋼帯の製造方法において、第1冷却装置で前記鋼帯を急冷した後、前記第1冷却装置の出側に配置される加熱装置で、急冷された前記鋼帯を加熱して鋼帯表面温度を一定温度に保持し、次いで前記加熱装置の出側に配置される第2冷却装置で、加熱された前記鋼帯を急冷することを特徴とする鋼帯の製造方法。

概要

背景

鋼帯連続焼鈍において、処理する鋼帯に所期機械的特性を付与するためには、加熱および冷却という熱処理条件の制御が重要である。特に、近年、高張力鋼板需要が増大しており、高張力鋼板の製造に有利な急速冷却技術の重要性増している。急速冷却技術としては、水焼入れ法ロール冷却法、気水混合(ミスト冷却法ガスジェット冷却法があり、必要な材質を得るためにそれぞれの方法が適宜選択されている。これらの中で、冷却水に浸漬する水焼入れ法が最も冷却速度が速く、強度を高めるための合金元素の添加も少なくなることから、水焼入れ法は高張力鋼板の製造に適している。

水焼入れ法は、一般的に、加熱された鋼帯を浸漬槽内で冷却水に浸漬させると同時に、浸漬槽内に設けられたクエンチノズルにより冷却水を鋼帯に噴射して、鋼帯を急冷する方法である。しかし、水焼入れ法では、冷却速度が速いために、冷却停止温度を制御することが非常に難しく、鋼帯が浸漬槽内を通過する間に水温まで一気に冷却されてしまう。したがって、鋼帯幅方向に均一な冷却が達成できていたとしても、長手方向・板厚方向の急激な温度変化が生じるとともに、急冷された部分は収縮する。このため、鋼帯に座屈が発生する。

また、水焼入れ法により製造される鋼帯は、急冷中にマルテンサイト変態させるといった組織制御を行う場合がある。しかし、マルテンサイト変態が起こると逆に膨張するため、複雑で不均一な凹凸状の形状になってしまう。通板中に形状が乱れると、下流側に設置される過時効帯内で蛇行が発生するため、生産効率を落として操業せざるを得なくなる。

さらに、製品出荷のためには、鋼帯の平坦度許容範囲内にしなければならない。水焼入れ法により製造される鋼帯が、780MPa以上の高張力鋼板である場合、オンラインでの鋼帯の形状矯正が困難になる場合が多く、別の矯正ライン矯正する必要がある。そのため、コストが増加するという問題もある。

水焼入れ法の速い冷却速度を維持しつつ、鋼帯形状平坦にする方法として、特許文献1や特許文献2の方法が開示されている。特許文献1は、鋼帯を急冷するにあたり、板幅方向での圧縮応力が発生している領域またはその近傍領域で、鋼帯両面側から鋼帯を拘束することにより面外変形を抑制する方法であり、具体的には、冷却水槽水面付近拘束ロールを配置する方法である。また、特許文献2は、急冷焼入部にて急冷焼入工程に付される鋼板張力を変えることができる張力変更手段として、ブライドルロールを急冷焼入部前後に設ける方法であり、急冷焼入工程の張力を上げることで座屈固有モードを変更する方法である。

概要

生産性品質を低下させることなく、所望の特性を有する鋼帯を安定的に製造することができる鋼帯の製造方法および製造設備を提供することを目的とする。鋼帯を連続焼鈍処理する鋼帯の製造方法において、第1冷却装置で前記鋼帯を急冷した後、前記第1冷却装置の出側に配置される加熱装置で、急冷された前記鋼帯を加熱して鋼帯表面温度を一定温度に保持し、次いで前記加熱装置の出側に配置される第2冷却装置で、加熱された前記鋼帯を急冷することを特徴とする鋼帯の製造方法。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、生産性や品質を低下させることなく、所望の特性を有する鋼帯を安定的に製造することができる鋼帯の製造方法および製造設備を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

鋼帯連続焼鈍処理する鋼帯の製造方法において、第1冷却装置で前記鋼帯を急冷した後、前記第1冷却装置の出側に配置される加熱装置で、急冷された前記鋼帯を加熱して鋼帯表面温度を一定温度に保持し、次いで前記加熱装置の出側に配置される第2冷却装置で、加熱された前記鋼帯を急冷することを特徴とする鋼帯の製造方法。

請求項2

請求項1に記載の鋼帯の製造方法において、前記第1冷却装置の入側に鋼帯表面温度を測定する温度計を配置し、前記第1冷却装置の入側で測定される鋼帯表面温度の測定値に基づき前記第1冷却装置の出側の鋼帯表面温度を算出し、該第1冷却装置の出側の鋼帯表面温度と前記急速加熱装置の出側の鋼帯表面温度の目標値とから、前記加熱装置の加熱量を制御することを特徴とする鋼帯の製造方法。

請求項3

請求項1に記載の鋼帯の製造方法において、前記第1冷却装置の入側に鋼帯表面温度を測定する温度計を配置し、前記第1冷却装置の入側で測定される鋼帯表面温度の測定値に基づき前記第1冷却装置の出側の鋼帯表面温度を算出し、該第1冷却装置の出側の鋼帯表面温度と前記第1冷却装置の出側の鋼帯表面温度の目標値とから、前記第1冷却装置の冷却量を制御することを特徴とする鋼帯の製造方法。

請求項4

請求項1に記載の鋼帯の製造方法において、前記加熱装置の出側に鋼帯表面温度を測定する温度計を配置し、前記加熱装置の出側で測定される鋼帯表面温度の測定値と前記加熱装置の出側の鋼帯表面温度の目標値とから、前記加熱装置の加熱量を制御することを特徴とする鋼帯の製造方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の鋼帯の製造方法において、前記第1冷却装置の入側および出側にそれぞれ一対のロールを配置し、前記鋼帯表面に滞留する冷媒を除去することを特徴とする鋼帯の製造方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の鋼帯の製造方法において、前記第1冷却装置は鋼帯が下方から上方に移動する縦パス中に設置することを特徴とする鋼帯の製造方法。

請求項7

鋼帯の製造設備において、鋼帯を連続焼鈍処理する連続焼鈍装置が、前記鋼帯を急冷する第1冷却装置と、前記第1冷却装置の出側に配置されて、前記鋼帯を加熱して鋼帯表面温度を一定温度に保持する加熱装置と、前記加熱装置の出側に配置されて、前記鋼帯を急冷する第2冷却装置とを備えることを特徴とする鋼帯の製造設備。

請求項8

請求項7に記載の鋼帯の製造設備において、前記第1冷却装置の入側および前記加熱装置の出側に配置されて、鋼帯表面温度を測定する温度計を備えることを特徴とする鋼帯の製造設備。

請求項9

請求項7または8に記載の鋼帯の製造設備において、前記第1冷却装置は冷媒を供給する冷却ノズルを有し、前記冷却ノズルは前記鋼帯の搬送方向と平行に複数配置されていることを特徴とする鋼帯の製造設備。

請求項10

請求項7〜9のいずれかに記載の鋼帯の製造設備において、前記第1冷却装置の入側および出側に、一対のロールを備えることを特徴とする鋼帯の製造設備。

請求項11

請求項7〜10のいずれかに記載の鋼帯の製造設備において、前記第1冷却装置は鋼帯が下方から上方に移動する縦パス中に設置することを特徴とする鋼帯の製造設備。

技術分野

0001

本発明は、鋼帯の製造方法および製造設備に関する。具体的には、焼鈍した鋼帯を焼入れするために、水冷によって急速冷却する鋼帯の製造方法および製造設備に関する。

背景技術

0002

鋼帯の連続焼鈍において、処理する鋼帯に所期機械的特性を付与するためには、加熱および冷却という熱処理条件の制御が重要である。特に、近年、高張力鋼板需要が増大しており、高張力鋼板の製造に有利な急速冷却技術の重要性増している。急速冷却技術としては、水焼入れ法ロール冷却法、気水混合(ミスト冷却法ガスジェット冷却法があり、必要な材質を得るためにそれぞれの方法が適宜選択されている。これらの中で、冷却水に浸漬する水焼入れ法が最も冷却速度が速く、強度を高めるための合金元素の添加も少なくなることから、水焼入れ法は高張力鋼板の製造に適している。

0003

水焼入れ法は、一般的に、加熱された鋼帯を浸漬槽内で冷却水に浸漬させると同時に、浸漬槽内に設けられたクエンチノズルにより冷却水を鋼帯に噴射して、鋼帯を急冷する方法である。しかし、水焼入れ法では、冷却速度が速いために、冷却停止温度を制御することが非常に難しく、鋼帯が浸漬槽内を通過する間に水温まで一気に冷却されてしまう。したがって、鋼帯幅方向に均一な冷却が達成できていたとしても、長手方向・板厚方向の急激な温度変化が生じるとともに、急冷された部分は収縮する。このため、鋼帯に座屈が発生する。

0004

また、水焼入れ法により製造される鋼帯は、急冷中にマルテンサイト変態させるといった組織制御を行う場合がある。しかし、マルテンサイト変態が起こると逆に膨張するため、複雑で不均一な凹凸状の形状になってしまう。通板中に形状が乱れると、下流側に設置される過時効帯内で蛇行が発生するため、生産効率を落として操業せざるを得なくなる。

0005

さらに、製品出荷のためには、鋼帯の平坦度許容範囲内にしなければならない。水焼入れ法により製造される鋼帯が、780MPa以上の高張力鋼板である場合、オンラインでの鋼帯の形状矯正が困難になる場合が多く、別の矯正ライン矯正する必要がある。そのため、コストが増加するという問題もある。

0006

水焼入れ法の速い冷却速度を維持しつつ、鋼帯形状平坦にする方法として、特許文献1や特許文献2の方法が開示されている。特許文献1は、鋼帯を急冷するにあたり、板幅方向での圧縮応力が発生している領域またはその近傍領域で、鋼帯両面側から鋼帯を拘束することにより面外変形を抑制する方法であり、具体的には、冷却水槽水面付近拘束ロールを配置する方法である。また、特許文献2は、急冷焼入部にて急冷焼入工程に付される鋼板張力を変えることができる張力変更手段として、ブライドルロールを急冷焼入部前後に設ける方法であり、急冷焼入工程の張力を上げることで座屈固有モードを変更する方法である。

先行技術

0007

特開2003−277833号公報
特開2011−184773号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1の方法では、冷却水槽の水面で鋼帯を拘束しても、初期圧縮部の形状を低減できるだけであり、急冷中の圧縮やマルテンサイト変態進行時の膨張を回避することは難しく、形状矯正効果は小さい。

0009

また、特許文献2の方法では、急冷焼入部前の高温の鋼帯に大きな張力をかけるため、鋼帯の破断が起きる。また、急冷焼入部前のロールには大きなサーマルクラウンが発生するため、ロールと鋼帯が不均一な接触状態となり、逆に鋼帯に座屈が発生したり疵が発生したりする。このため、通板速度を上げられないうえに、鋼帯形状を改善することもできない。

0010

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、生産性品質を低下させることなく、所望の特性を有する鋼帯を安定的に製造することができる鋼帯の製造方法および製造設備を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、鋼帯の連続焼鈍において、従来と同等の速い冷却速度で急速冷却して、次いで急冷後の鋼帯を加熱装置で加熱することにより、鋼帯の冷却を所定温度付近で一旦停止して長手方向および板厚方向温度差を小さくしたうえで、再度水焼入れするという方法を見出した。本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]鋼帯を連続焼鈍処理する鋼帯の製造方法において、
第1冷却装置で前記鋼帯を急冷した後、
前記第1冷却装置の出側に配置される加熱装置で、急冷された前記鋼帯を加熱して鋼帯表面温度を一定温度に保持し、
次いで前記加熱装置の出側に配置される第2冷却装置で、加熱された前記鋼帯を急冷することを特徴とする鋼帯の製造方法。
[2][1]に記載の鋼帯の製造方法において、前記第1冷却装置の入側に鋼帯表面温度を測定する温度計を配置し、前記第1冷却装置の入側で測定される鋼帯表面温度の測定値に基づき前記第1冷却装置の出側の鋼帯表面温度を算出し、該第1冷却装置の出側の鋼帯表面温度と前記急速加熱装置の出側の鋼帯表面温度の目標値とから、前記加熱装置の加熱量を制御することを特徴とする鋼帯の製造方法。
[3][1]に記載の鋼帯の製造方法において、前記第1冷却装置の入側に鋼帯表面温度を測定する温度計を配置し、前記第1冷却装置の入側で測定される鋼帯表面温度の測定値に基づき前記第1冷却装置の出側の鋼帯表面温度を算出し、該第1冷却装置の出側の鋼帯表面温度と前記第1冷却装置の出側の鋼帯表面温度の目標値とから、前記第1冷却装置の冷却量を制御することを特徴とする鋼帯の製造方法。
[4][1]に記載の鋼帯の製造方法において、前記加熱装置の出側に鋼帯表面温度を測定する温度計を配置し、前記加熱装置の出側で測定される鋼帯表面温度の測定値と前記加熱装置の出側の鋼帯表面温度の目標値とから、前記加熱装置の加熱量を制御することを特徴とする鋼帯の製造方法。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の鋼帯の製造方法において、
前記第1冷却装置の入側および出側にそれぞれ一対のロールを配置し、前記鋼帯表面に滞留する冷媒を除去することを特徴とする鋼帯の製造方法。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の鋼帯の製造方法において、
前記第1冷却装置は鋼帯が下方から上方に移動する縦パス中に設置することを特徴とする鋼帯の製造方法。
[7]鋼帯の製造設備において、鋼帯を連続焼鈍処理する連続焼鈍装置が、
前記鋼帯を急冷する第1冷却装置と、
前記第1冷却装置の出側に配置されて、前記鋼帯を加熱して鋼帯表面温度を一定温度に保持する加熱装置と、
前記加熱装置の出側に配置されて、前記鋼帯を急冷する第2冷却装置と
を備えることを特徴とする鋼帯の製造設備。
[8][7]に記載の鋼帯の製造設備において、
前記第1冷却装置の入側および前記加熱装置の出側に配置されて、鋼帯表面温度を測定する温度計を備えることを特徴とする鋼帯の製造設備。
[9][7]または[8]に記載の鋼帯の製造設備において、
前記第1冷却装置は冷媒を供給する冷却ノズルを有し、前記冷却ノズルは前記鋼帯の搬送方向と平行に複数配置されていることを特徴とする鋼帯の製造設備。
[10][7]〜[9]のいずれかに記載の鋼帯の製造設備において、
前記第1冷却装置の入側および出側に、一対のロールを備えることを特徴とする鋼帯の製造設備。
[11][7]〜[10]のいずれかに記載の鋼帯の製造設備において、
前記第1冷却装置は鋼帯が下方から上方に移動する縦パス中に設置することを特徴とする鋼帯の製造設備。

発明の効果

0012

本発明によれば、生産性や品質を低下させることなく、所望の特性を有する鋼帯を安定的に製造することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の実施に供する鋼帯の連続焼鈍設備の一例を示す概略図である。
本発明の実施に供する鋼帯の冷却設備の一例を示す概略図である。
従来法における鋼帯の連続焼鈍設備の一例を示す概略図である。
従来法における鋼帯の冷却設備の一例を示す概略図である。
従来法における鋼帯の温度履歴の一例を示す図である。
本発明における鋼帯の温度履歴の一例を示す図である。
一般的な恒温変態曲線TTT線図)に基づいた本発明と従来例の冷却履歴鋼組織変態を示す図である。
従来法における鋼帯の収縮・膨張挙動の概略を示す図である。
本発明における鋼帯の収縮・膨張挙動の概略を示す図である。
本発明で用いた冷却ノズルの熱伝達係数鋼板表面温度との関係を表す図である。
本発明を実施した際の鋼帯の温度履歴の一例を示す図である。
本発明を実施した際の鋼帯の温度履歴の一例を示す図である。

0014

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。

0015

図1および図2は、本発明の実施に供する鋼帯の連続焼鈍設備および冷却設備の一例を示す概略図である。また、図3および図4は、従来の連続焼鈍設備および冷却設備の一例を示す概略図である。

0016

図1に示すとおり、本発明の鋼帯の連続焼鈍設備は、連続して搬送される鋼帯1を連続加熱する加熱帯2、均熱帯3、ガスジェット冷却帯4、冷却設備5、誘導加熱装置6、過時効帯7とから構成されている。

0017

図2に示すとおり、本発明の鋼帯の冷却設備5は、鋼帯1に冷媒(以下、単に冷却水と称することもある。)を噴射し急速冷却を行う第1冷却装置8と、第1冷却装置8の出側に配置される急速加熱装置9と、急速加熱装置9の出側に配置される第2冷却装置10とから構成されている。第1冷却装置8および第2冷却装置10は、鋼帯の表裏面に冷却水を噴射する複数の冷却ノズル(スリットノズル)から構成されている。冷却ノズルは鋼帯の搬送方向と平行に、複数列配置されている。第1冷却装置8の入側および急速加熱装置9の出側には、鋼帯の表面温度を測定する温度計11が配置されている。第1冷却装置8の入側および出側には、冷媒を除去するための一対のロール12が配置されている。第1冷却装置8の周囲には、鋼帯冷却後の水が周囲へ飛散するのを防止するために、遮蔽ボックス13が配置されている。また、第1冷却装置8の出側でロール12の手前には、水切りエアパージノズル14が配置されている。なお、第2冷却装置10は、浸漬槽15の水面下に配置される。また、浸漬槽15の出側には、リンガーロールドライヤーとが配置される(図示しない。)。

0018

従来の連続焼鈍設備では、図3図4に示すように、冷却設備16において冷却された鋼帯1は、誘導加熱装置6により再加熱後、過時効帯7において過時効処理が施される。冷却設備16では、図4に示すとおり、加熱された鋼帯1を浸漬槽15内に浸漬させると同時に、浸漬槽15の水面下に配置されたクエンチノズル17から冷却水を鋼帯に噴射し、急冷を行う。なお、クエンチノズル17の入側の直上にはピンチロール18が配置され、クエンチノズル17の出側にはリンガーロール19とドライヤー20とが配置される。

0019

図5は、従来の連続焼鈍設備における鋼帯の温度履歴の一例を示す図である。従来の冷却方法の場合、図5に示すように、鋼帯はクエンチノズル17および浸漬槽15内で冷却水温まで一気に冷却される。

0020

一方、本発明は、第1冷却装置8で鋼帯を急冷した後、第1冷却装置8の出側に配置される急速加熱装置9で急冷された鋼帯を加熱し、その後急速加熱装置9の出側に配置される第2冷却装置10で、加熱された鋼帯を急冷することを特徴とする。図6は、本発明の連続焼鈍設備における鋼帯の温度履歴の一例を示す図である。本発明の場合、図6に示すように、第1冷却装置8での冷却後、第1冷却装置8の出側に配置される急速加熱装置9により、鋼帯を300〜500℃程度の一定温度に均熱保持する。そして、引き続き第2冷却装置10で水焼入れを行い、鋼帯を冷却する。鋼帯を300〜500℃程度の一定温度に均熱保持することにより、鋼帯形状を従来より平坦化できる。

0021

図7には、一般的な恒温変態曲線(TTT線図)に基づいた本発明と従来例の冷却履歴と鋼組織変態を示す。図7に示すとおり、本発明の冷却設備5を用いて鋼帯を冷却する場合、マルテンサイト変態が始まる温度(Ms点)付近で均熱保持された後、Mf点まで一気に冷却されている。一方、従来の水焼入れの場合、Ms点からMf点まで一気に冷却されている。

0022

図8には、図5の温度履歴を経た場合(従来の水焼入れによる冷却を行った場合)の鋼帯の変形履歴を示す。従来の水焼入れでは、鋼帯長手方向、幅方向あるいは板厚方向に温度差が生じたままマルテンサイト変態する。図8に示すとおり、鋼帯内部と鋼帯表面との間ではδL/Lで表されるひずみ(L:鋼帯のある部位の水焼入れ前の鋼帯長さ、δL:水焼入れによる鋼板長さ変化量)が異なり、ひずみ偏差が起こる。このため、体積収縮体積膨張が混在した状態でマルテンサイト変態が起こり、引張応力や圧縮応力が発生して座屈し、酷い鋼帯形状になる。

0023

図9には、図6の温度履歴を経た場合(本発明の冷却を行った場合)の鋼帯の変形履歴を示す。本発明の場合、第1冷却装置8で鋼帯に温度偏差が生じても、急速加熱装置9で加熱し均熱保持する。このため、図9に示すように、鋼帯の応力偏差を解消できる。したがって、その後、第2冷却装置で水焼入れを行っても、形状を大きく崩すことなく次の工程に進むことが可能となる。

0024

本発明では、第1冷却装置8内において、鋼帯表面温度が水温に到達する途中の温度領域である300〜500℃で急冷を一旦停止するために、第1冷却装置は鋼帯が下方から上方に移動する縦パス中に設置する。

0025

第1冷却装置8の入側および出側には、水切り用の一対のロール12を配置することが好ましい。図2のように、鋼帯が鉛直方向の下方から上方に移動する縦パスの場合、第1冷却装置8の入側にロールを配置しない場合、第1冷却装置8からの冷却水が鋼帯上流側へ流出し、冷却開始前の鋼帯が冷却されてしまう。その結果、第1冷却装置8での鋼帯の冷却開始温度が変動し、品質低下を招く。第1冷却装置8の入側にロール12を配置して冷却水を除去することにより、冷却水を鋼帯上流側へ流出するのを防止することができる。その結果、冷却開始温度を一定に保持することが可能となる。

0026

また、第1冷却装置8の出側にも水切り用の一対のロール12を配置することにより、冷却後の鋼帯に冷却水が滞留するのを防止することができる。冷却後の冷却水が鋼帯表面に滞留すると、冷却水の蒸発により鋼帯が不均一に冷却され、材質不均一、形状不均一の原因となる。第1冷却装置8の出側にロール12を設置することにより鋼帯表面の冷却水を分離することが可能となり、鋼帯表面温度を均一に保持することが可能となる。
このように、第1冷却装置8は、鋼帯に付着した冷却水が通板上流側に漏れることや、鋼帯上方から離脱した飛散水が通板下流側(ロール12の上方側)に漏れることを防止できる。したがって、冷却停止精度が向上し、板幅方向温度分布も均一にすることができる。

0027

さらに、第1冷却装置8の出側で、第1冷却装置8とロール12との間に、水切り用のエアパージノズル14を配置してもよい。図2に示すように、エアパージノズル14により、第1冷却装置8の出側に配置されるロール12の水切り性がさらに向上する。エアパージノズル14の先端は、水切り性向上のために鋼帯に対して斜め下方向に配置されればよい。また、第1冷却装置8で使用する冷却ノズルの段数を変更する場合、エアパージノズル14を用いることによりノズル不使用部の水をパージできるので、冷却停止時の温度の精度も向上する(目標停止温度に対して高精度に冷却停止できる)という効果がある。

0028

また、鋼帯冷却後の水が周囲へ飛散するのを防止するために、第1冷却装置8の入側に遮蔽ボックス13を配置することが好ましい。図2のように、鋼帯が鉛直方向の下方から上方に移動する縦パスの場合、第1冷却装置8に遮蔽ボックス13を配置することにより、鋼帯下部へ流出する冷却水をき止めることができる。その結果、冷却開始温度を一定に保持することが可能となる。

0029

本発明の第1冷却装置8は、複数の冷却ノズル(以下、単にスリットノズルと称することもある。)から構成されていることが好ましい。図2に示すとおり、冷却ノズルは鋼帯の搬送方向と平行に、鋼帯の表裏面に複数配置されればよい。冷却ノズルの先端は鋼帯に向けられ、冷却ノズルから冷却水が鋼帯に向けて噴射される。複数の冷却ノズルについては、使用する冷却ノズル数(使用ゾーン数)を適宜変更することができる。これにより、第1冷却装置の冷却量を適宜制御することができる。
また、第1冷却装置の平均冷却速度は、1000℃/sec以上が好ましい。

0030

本発明の急速加熱装置9について、急速加熱する方式としては、誘導加熱方式近赤外線加熱方式高温ガスを鋼帯へ吹き付ける方式などが挙げられる。なお、鋼帯が急速加熱装置9を通過する際に所定の温度へ加熱可能であれば、いずれの方式を用いてもよい。急速加熱装置9の加熱量の制御は、例えば、誘導加熱方式の場合は使用段数印加電力量を、近赤外線加熱方式の場合は使用段数やヒーター温度を、高温ガス方式の場合は使用段数やガス温度ガス風速を、制御すればよい。

0031

本発明では、第1冷却装置8入側、急速加熱装置9出側に温度計11を設置し、板厚、ライン速度、急速加熱装置出側目標温度、第1冷却装置水冷熱伝達係数、第1冷却装置入側温度実績値、急速加熱装置出側温度実績値を入力値として演算装置21に入力し、1次元温度計算を算出することで急速加熱装置出側目標温度となるように急速加熱装置9の加熱量を制御装置22を用いて制御している。

0032

一般的に、冷媒に水を用いて鋼帯を急速冷却する場合、鋼帯の表面温度が400〜500℃で遷移沸騰領域となり、鋼帯からの抜熱量が大きくなる。このため、冷却が不均一となりやすく、鋼帯が過冷却されやすくなる。本発明の第1冷却装置8の場合、鋼板表面温度と熱伝達係数の関係は、図10のようになっており、500℃以下にて遷移沸騰領域となる。

0033

そこで、第1冷却装置8の入側の鋼帯表面温度760℃、鋼帯の搬送速度120m/minとし、図10に示す冷却時の熱伝達係数を用いて、1次元の温度計算を行った。第1冷却装置8に使用したスリットノズルは100mmピッチで9段配置されており、スリットノズルを5段使用した。なお、鋼帯の温度履歴は、噴射したノズル段数に応じた冷却長さ分に、図10の熱伝達係数を与えて一次元温度計算することで算出できる。なお、鋼帯の温度履歴は、例えば『板圧延の理論と実際』(P141-148、日本鉄鋼協会、1984年)に記載されているように、1次元の熱伝導方程式既知初期条件(冷却開始温度、板厚、ライン速度、冷却時間)と境界条件(水冷時の熱伝達係数)から差分法を用いて解くことにより算出される。本発明では、1次元の熱伝導方程式を差分法を用いて解くことにより、第1冷却装置入側から第1冷却装置出側までの温度履歴を算出した。

0034

図11は、板厚1.6mmの鋼帯を冷却した際の温度履歴の図である。急速加熱装置9の出側の鋼帯表面目標温度を400±20℃とする場合、図11に示すような温度履歴となる。一方、板厚1.6mmの鋼帯の冷却処理と同様の条件で、板厚1.4mmの鋼帯を処理した場合、図12に示すような温度履歴となる。図12に示すように、ノズル使用段数が5段では第1冷却装置8の出側温度が320℃程度まで冷却されてしまい、過冷となってしまう。

0035

そこで本発明では、第1冷却装置8の入側および急速加熱装置9の出側に、鋼帯の表面温度を測定する温度計11を配置することが好ましい。この温度計11で鋼帯の表面温度を測定することにより、第1冷却装置8の冷却量または急速加熱装置9の加熱量を適宜制御することができる。なお、温度計11は、例えば、放射温度計を用いればよい。放射温度計を用いる場合、放射温度計の測定波長は短いほど好ましく、例えばSi素子(0.8〜1.1μm)、InGaAs素子(1.0〜2.0μm)、PbSe素子(4.0μm)などを、測定温度レンジを加味して選定すればよい。

0036

本発明では、第1冷却装置8の入側で測定される鋼帯表面温度の測定値に基づき第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度を算出し、該第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度と急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度の目標値とから、急速加熱装置9の加熱量を制御することができる。まず、第1冷却装置8の入側に配置される温度計11により、第1冷却装置8の入側の鋼帯表面温度を測定する。そして、この測定値(第1冷却装置8の入側の鋼帯表面温度の実測値)、ライン速度、板厚から、第1冷却装置8の出側の温度を演算にて算出する。この算出した第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度と、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度の目標値との差分を算出する。この差分から、急速加熱装置9での必要な加熱量を求めることができる。急速加熱装置9での必要な加熱量の求め方は、例えば、差分ΔT:30℃で、板厚t:1.2mm、板幅w:1200mm、ライン速度v:130mpmとすると、密度ρ=7850kg/m3、比熱cp=600J/kgdegとして、投入すべき熱量(=ρtwvcpΔT)=440856J/s=441kWと算出でき、誘導加熱であれば、あらかじめ把握している加熱効率で除して、441÷0.7=630kWが必要電力になる。急速加熱装置9での必要な加熱量を求めることにより、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度を一定値に保持することが可能となり、サイズ変更(板幅変更)に伴うライン速度の加減速を行うことなく高能率での操業が可能となる。

0037

また、本発明では、第1冷却装置8の入側で測定される鋼帯表面温度の測定値に基づき第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度を演算装置21で算出し、該第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度と第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度の目標値とから、第1冷却装置8の冷却量を制御することができる。まず、第1冷却装置8の入側の鋼帯表面温度を、温度計11により測定する。温度測定値、ライン速度、板厚から、第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度を演算装置21で算出する。例えば、この算出した第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度が、第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度の目標値以下の場合、目標値以上になるように、第1冷却装置8の使用する冷却ノズル数(使用ゾーン数)を制御装置22で適宜変更することにより、第1冷却装置8の冷却量を制御することができる。例えば、図12に示すように、冷却ノズルの使用段数が5段の場合、材質制御上320℃までの過冷では引張強度低下などの問題が考えられる。そこで、図12のように、冷却ノズルの使用段数を4段にすることにより、第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度を一定に保持することができる。材質制御上、第1冷却帯出側温度低下で引張り強度低下などの問題があり、第1冷却帯での下限温度を400℃にしたい場合、第1冷却装置入側温度と急速加熱帯出側温度実績から、第1冷却装置内での下限温度を算出し、図12の場合のように1.4mmで過冷却になる場合、ノズル使用段数を4段とすることで、停止温度を上方に変更した後に、第2冷却帯で水焼入れすることも可能である。

0038

なお、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度の目標値と急速加熱装置9の出側の鋼帯表面の実測値との差を算出し、この差分に基づき適宜急速加熱装置9の加熱量を制御してもよい。急速加熱装置9の加熱条件に対する対象鋼種の被加熱量をあらかじめ求めておき(例えば、誘導加熱方式であれば、投入電力に対する加熱量、近赤外線加熱方式であれば使用段数やヒーター温度に対する加熱量)、数式化あるいはテーブル化しておくことで、精度良く制御することができる。その結果、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度を一定値に保持することが可能となり、サイズ変更に伴うライン速度の加減速を行うことなく高能率での操業が可能となる。この場合、第1冷却装置8での冷却条件は一定のままで操業することができる。

0039

鋼帯の強度は急冷時の冷却速度に依存し、冷却速度が遅いと強度不足となる。図3および図4に示すような、浸漬槽中で冷却水を噴射する従来の冷却方法では、単に鋼帯を水中に浸漬させるよりも速い冷却速度を達成させるために、噴流により鋼帯表面と浸漬槽の浸漬水との境界層打ち破ることを利用していた。しかし、十分な水量をスリットノズルから噴射すれば、水中で噴射するのと同等の冷却能力が得られる。同一の鋼帯サイズの場合、冷却速度はノズルからの噴射流速および冷却水の水温に依存する。ノズルからの噴射流速が速いほど、冷却速度は増加するものの、ある程度以上の噴射流速になるとほぼ同じ冷却速度になる。一方、水温が高いほど冷却速度は低下する。したがって、速い冷却速度を保つためには、冷却水の水温は極力低い方が好ましい。本発明者らが鋭意検討した結果、材質との兼ね合いから水温は60℃以下が好ましいことがわかった。さらに、焼入れ開始温度、水温のばらつき、ライン速度の変動等を考慮すると、45℃以下の水温が好ましい。したがって、本発明の第1冷却装置においては、45℃以下の水温で鋼帯を製造することにより、安定的な操業が可能となる。

0040

本発明の第2冷却装置については、浸漬槽と鋼帯表裏に配置された水中スプレイノズルを有し、45℃以下の水温で鋼帯を冷却することが望ましい。

0041

以下、本発明の実施例を従来方法の比較例と比較して説明する。

0042

図1および図2に示した連続焼鈍ラインを用いて、焼入れ温度(ガスジェット冷却帯出口での鋼板温度)を760℃として、板厚1.6mmおよび1.2mm、板幅がともに1000mmである引張強度が1180MPa級高張力冷延鋼板を製造した。第1冷却装置8のスリットノズルは表裏面ともに9段とし、必要なスリットノズル本数のみ冷却水を噴射することができる(水温:35℃)。長手方向表裏1段あたりのスリットノズルからの噴射水量は、100トン/時間とした。急速加熱装置9については、誘導加熱方式を用い、搬送方向に鋼帯の表裏面に誘導加熱コイルを4段ずつ設置した。また、温度計11を用いて、鋼帯表面温度を測定した。第2冷却装置については、浸漬槽と鋼帯表裏に配置された長手方向6段の水中スプレイノズルを有する構造とし、冷却水温は35℃とした。

0043

実施例1および2は、第1冷却装置8の入側の鋼帯表面温度(測定値)、ライン速度、板厚から第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度を演算にて算出し、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面目標温度との差から、急速加熱装置9の必要加熱量を算出した。そして、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度の目標値440±20℃となるように調整した。ここで、第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度(演算値)が、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度の目標値である440±20℃を上回る場合は、急速加熱装置9はOFFとした。

0044

実施例3は、実施例1と同じ板厚の鋼帯を用いて第1冷却装置の冷却量を制御した例である。実施例3は、第1冷却装置8の入側の鋼帯表面温度(測定値)、ライン速度、板厚から第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度を演算にて算出し、第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度が目標値以下の場合、目標値以上になるように、第1冷却装置8の使用ゾーン数を変更した。なお、第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度の目標値は440±20℃である。ここで、実施例1で演算により算出した第1冷却装置8の出側の鋼帯表面温度(演算値)は373℃であり、目標値を下回っていたので、使用ゾーン数を6段から5段に変更した。その後、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度を測定し、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度の目標値である440±20℃との差を算出したところ、目標温度内であったので、急速加熱装置9をOFFにした。

0045

実施例4は、第1冷却装置8の使用ゾーン数を5段に固定して連続焼鈍処理を行った例である。板厚1.2mmの鋼帯を通板し、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度の目標値(440±20℃)と、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度の測定値との差分を求め、急速加熱装置9の加熱量を調整した。急速加熱装置9がOFFの状態では、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度は265℃だったので、急速加熱装置9の出側の鋼帯表面温度が430℃となるように、急速加熱装置9の加熱量を調整した。

0046

比較例1、2として、図3および図4に示す従来法(図4のピンチロール18は1mm開放状態)により、本発明と同一の高張力冷延鋼板を製造した。また、比較例3、4として、特許文献1に記載の形状矯正方法図4のピンチロール18を押込んだ状態)により、本発明と同一の高張力冷延鋼板を製造した。クエンチノズル17は水槽内に設置され、クエンチノズル17から噴射される冷却水および水槽内の水温は30℃とした。
比較例1〜4では、水槽内で使用したクエンチノズルの段数は9段とした。

0047

得られた鋼帯について、反り量を測定した。鋼帯中央部付近における幅方向反り高さおよび両端部の長手方向反り量(耳波高さ)を実測した。反り高さは3mm以下を合格とした。耳波高さは3mm以下を合格とした。

0048

結果を表1に示す。

0049

0050

いずれの実施例も、反り高さ、耳波高さのいずれも合格レベルであった。なお、得られた鋼板について、機械特性等の品質検査も行ったところ、いずれの実施例でも引張強度が1180MPaを確保できており、全く問題なかった。

実施例

0051

比較例については、いずれも反り高さおよび耳波高さが不合格であり、また、鋼板形状が悪化しているため、ライン速度を低くせざるを得ず、生産能率は低い。特に、特許文献1のように形状矯正機構がある場合でも、冷却後の形状が非常に乱れるため、過時効帯での蛇行防止のために、ライン速度は80m/min以下まで低下せざるを得ず、生産能率が低下した。

0052

1鋼帯
2加熱帯
3均熱帯
4ガスジェット冷却帯
5冷却設備
6誘導加熱装置
7過時効帯
8 第1冷却装置
9 急速加熱装置
10 第2冷却装置
11温度計
12ロール
13遮蔽ボックス
14エアパージノズル
15浸漬槽
16 冷却設備
17クエンチノズル
18ピンチロール
19リンガーロール
20ドライヤー
21演算装置
22 制御装置

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