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技術 スイッチング電源装置

出願人 コーセル株式会社
発明者 永田英士
出願日 2013年8月9日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2013-166874
公開日 2015年2月19日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2015-035932
状態 特許登録済
技術分野 DC‐DCコンバータ
主要キーワード 方形波状 オン時比率 平滑インダクタ 側ダイオード 入力巻線 連続巻 ハンダ接続 時間比率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年2月19日)のものです。
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図面 (5)

課題

スイッチング素子電圧が一定以下に制限され、オン時比率50%以上の範囲でも正常に動作できるシンプルな2石フォワード型スイッチング電源装置を提供する。

解決手段

トランス42の入力巻線44は、上段巻線44(1)、中段巻線44(2)及び下段巻線44(3)を直列に配して構成され、上段巻線44(1)側の一端が上段側スイッチング素子18aに接続され、下段巻線44(3)側の一端が下段側スイッチング素子18bに接続される。第一及び第二ダイオード26a,26bが設けられ、第一ダイオード26aは、アノード端子が中段巻線44(2)と下段巻線44(3)との接続点に接続され、カソード端子がプラス側ライン22(+)に接続される。第二ダイオード26bは、アノード端子がマイナス側ライン22(-)に接続され、カソード端子が上段巻線44(1)と中段巻線44(2)との接続点に接続される。

概要

背景

従来から、2石フォワード型スイッチング電源装置10が広く使用されている。スイッチング電源装置10は、図3に示すように、入力巻線12及び出力巻線14を有するトランス16と、入力巻線12の両側に配された2つのスイッチング素子18a,18bとを備えている。上段側スイッチング素子18aは、入力電源20の一端が接続されるプラス側ライン22(+)と入力巻線12の一端との間に接続され、下段側スイッチング素子18bは、入力電源20の他端が接続されるマイナス側ライン22(-)と入力巻線12の他端との間に接続されている。入力電源20は、プラス側及びマイナス側ライン22(+),22(-)の間に入力電圧Viを供給する。2つのスイッチング素子18a,18bは、制御回路24が出力する駆動パルスVg18によって駆動され、同位相オンオフする。

入力巻線12及び下段側スイッチング素子18bの接続点とプラス側ライン22(+)との間には、カソード端子がプラス側ライン22(+)に接続された第一ダイオード26aが設けられている。また、入力巻線12及び上段側スイッチング素子18aの接続点とマイナス側ライン22(-)との間には、アノード端子がマイナス側ライン22(-)に接続された第二ダイオード26bが設けられている。

出力巻線14には、出力巻線14に発生する電圧整流平滑して直流出力電圧Voを生成する整流平滑回路28が接続されている。整流平滑回路28は、整流側ダイオード30、転流側ダイオード32、平滑インダクタ34、及び平滑コンデンサ36で構成され、平滑コンデンサ36の両端に負荷38が接続される。整流側ダイオード30は、2つのスイッチング素子18a,18bがオンの時に導通し、転流側ダイオード32は、2つのスイッチング素子18a,18bがオフの時に導通する。

制御回路24が出力する駆動パルスVg18は、図4に示すように、周期が一定の方形波状パルス電圧であり、スイッチング素子18a,18bは、駆動パルスVg18がハイレベルときにオンし、ローレベルのときにオフする。制御回路24は、出力電圧Voが目標値に保持されるように、1周期におけるハイレベルの時間比率(以下、オン時比率Donと称す。)を可変調節する。

スイッチング電源装置10の場合、オン時比率Donの可変範囲を0〜50%にしないと正常に動作できない。スイッチング素子18a,18bがオンするtonの期間、入力巻線12の電圧V12は正の電圧Viに保持される。また、スイッチング素子18a,18bがオフするtoffの期間、tonの期間中にトランス16に蓄積された励磁エネルギーを放出するため、入力巻線12に負電圧が発生し、taの期間、第一及び第二ダイオード26a,26bが導通することにより、電圧V12の負の波高値が電圧Viにクランプされる。スイッチング電源装置10が正常に動作するためには、電圧V12が正になる期間の電圧及び時間の積VT(+)と、負になる期間の電圧及び時間の積VT(-)とが、互いに等しくなることが条件となる。

VT(+)とVT(-)は、それぞれ式(1),(2)のように表わされる。ここで、Tはオン時間tonとオフ時間toffを合計したスイッチングの1周期である。また、時間taは、オフ時間toff以下である。

例えば、オン時比率Don=50%のときの動作を考えると、図4の動作波形に示すように、時間ton=toff=T/2であり、時間taがオフ時間toff=T/2と等しくなることで、VT(+)=VT(-)の条件を満たすことができる。このことから、オン時比率Donが50%を超えると、必ずVT(+)がVT(-)より大きくなってしまうことが分かる。

VT(+)とVT(-)が同じでなくなると、トランス16が偏磁して磁気飽和が起こり、回路故障する可能性がある。したがって、スイッチング電源装置10を設計するときは、トランス16の磁気飽和を回避するため、通常、オン時比率Donは0〜50%以下の範囲で可変可能とし、その範囲で出力電圧Voを目標値に保持できるように入力巻線12及び出力巻線14の巻数比を設定する。

スイッチング電源装置10は、スイッチング素子18a,18bの両端電圧が、それぞれ入力電圧Vi以下に制限されるので、安全性が高く、低耐圧の素子導通抵抗が小さい素子)を使用できるという利点がある。

その一方で、オン時比率Donを50%以下の範囲に設定しなければならないので、入力電圧Viの範囲が広い場合に対応しにくいという欠点がある。特に入力電圧Viが高いとき、入力側に流れるスイッチング電流実効値が大きくなり、入力巻線12等の抵抗成分に発生する損失が大きくなる。また、入力巻線12及び出力巻線14の巻数比の関係で、整流側及び転流側ダイオード30,32は、高耐圧の素子(導通時の電圧降下が大きい素子)を使用しなければならず、損失が大きくなるという欠点がある。さらに、転流側ダイオード32の導通時間toffが整流側ダイオード30の導通時間tonよりも常に長くなるので、転流側ダイオード32の側に損失と発熱が集中しやすいという問題もある。

近年、上述した2石フォワード型のスイッチング電源装置10を改良し、オン時比率Donが50%以上の範囲でも正常動作できるようにする技術が複数提案されている。例えば、特許文献1に開示されているように、上記スイッチング電源装置10の第一及び第二ダイオード26a,26bを開放除去した電源回路がある。この電源回路によれば、スイッチング素子22a,22bがオフの期間、入力巻線12の電圧V12の負の波高値が制限されないので、オン時比率Donが50%以上に可変されたとき、VT(+)が大きくなるのに合わせてVT(-)積も大きくなれるので、トランス12の磁気飽和を回避できる。

また、特許文献2に開示されているように、3つのスイッチング素子と2つの入力巻線を交互に配して直列に接続し、2つの入力巻線のそれぞれに、上記の第一及び第二ダイオード26a,26bに相当するダイオードを接続したスイッチング電源回路がある。このスイッチング電源回路によれば、3つのスイッチング素子の両端電圧が、それぞれ入力電圧Vi以下に制限されるので、安全性が高い。また、スイッチング素子22a,22bがオフの期間、入力巻線の負電圧の波高値の制限が2倍に緩和されるので、オン時比率Donが50%以上に可変されたとき、VT(+)が大きくなるのに合わせてVT(-)も大きくなることができ、トランス12の磁気飽和を回避できる。

概要

スイッチング素子の電圧が一定以下に制限され、オン時比率50%以上の範囲でも正常に動作できるシンプルな2石フォワード型のスイッチング電源装置を提供する。トランス42の入力巻線44は、上段巻線44(1)、中段巻線44(2)及び下段巻線44(3)を直列に配して構成され、上段巻線44(1)側の一端が上段側スイッチング素子18aに接続され、下段巻線44(3)側の一端が下段側スイッチング素子18bに接続される。第一及び第二ダイオード26a,26bが設けられ、第一ダイオード26aは、アノード端子が中段巻線44(2)と下段巻線44(3)との接続点に接続され、カソード端子がプラス側ライン22(+)に接続される。第二ダイオード26bは、アノード端子がマイナス側ライン22(-)に接続され、カソード端子が上段巻線44(1)と中段巻線44(2)との接続点に接続される。

目的

本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、スイッチング素子の電圧が一定以下に制限され、オン時比率50%以上の範囲でも正常に動作できるシンプルな2石フォワード型のスイッチング電源装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力巻線及び出力巻線を有するトランスと、入力電源の一端が接続されるプラス側ラインと前記入巻線の一端との間に接続された上段側スイッチング素子と、前記入力電源の他端が接続されるマイナス側ラインと前記入力巻線の他端との間に接続され、前記上段側スイッチング素子と同位相オンオフする下段側スイッチング素子と、前記出力巻線に発生する電圧整流平滑して出力電圧を生成する整流平滑回路とを備え、前記入力巻線は、上段巻線、中段巻線及び下段巻線を直列に配して構成され、前記上段巻線側の一端が前記上段側スイッチング素子に、前記下段巻線側の一端が前記下段側スイッチング素子にそれぞれ接続され、前記プラス側ラインと前記マイナス側ライン間に、第一及び第二ダイオードが設けられ、前記第一ダイオードは、アノード端子が前記中段巻線と前記下段巻線との接続点に、カソード端子が前記プラス側ラインにそれぞれ接続され、前記第二ダイオードは、アノード端子が前記マイナス側ラインに、カソード端子が前記上段巻線と前記中段巻線との接続点にそれぞれ接続されていることを特徴とする2石フォワード型スイッチング電源装置

請求項2

入力巻線及び出力巻線を有するトランスと、入力電源の一端が接続されるプラス側ラインと前記入力巻線の一端との間に接続された上段側スイッチング素子と、前記入力電源の他端が接続されるマイナス側ラインと前記入力巻線の他端との間に接続され、前記上段側スイッチング素子と同位相でオンオフする下段側スイッチング素子と、前記出力巻線に発生する電圧を整流平滑して出力電圧を生成する整流平滑回路とを備え、前記入力巻線は、上段巻線と下段巻線とを直列に配して構成され、前記上段巻線側の一端が前記上段側スイッチング素子に、前記下段巻線側の一端が前記下段側スイッチング素子にそれぞれ接続され、前記プラス側ラインと前記マイナス側ライン間に第一及び第二ダイオードが設けられ、前記第一ダイオードは、アノード端子が前記上段巻線と前記下段巻線との接続点に、カソード端子が前記プラス側ラインにそれぞれ接続され、前記第二ダイオードは、アノード端子が前記マイナス側ラインに、カソード端子が前記上段巻線と前記上段側スイッチング素子との接続点にそれぞれ接続されていることを特徴とする2石フォワード型のスイッチング電源装置。

請求項3

入力巻線及び出力巻線を有するトランスと、入力電源の一端が接続されるプラス側ラインと前記入力巻線の一端との間に接続された上段側スイッチング素子と、前記入力電源の他端が接続されるマイナス側ラインと前記入力巻線の他端との間に接続され、前記上段側スイッチング素子と同位相でオンオフする下段側スイッチング素子と、前記出力巻線に発生する電圧を整流平滑して出力電圧を生成する整流平滑回路とを備え、前記入力巻線は、上段巻線と下段巻線とを直列に配して構成され、前記上段巻線側の一端が前記上段側スイッチング素子に、前記下段巻線側の一端が前記下段側スイッチング素子にそれぞれ接続され、前記プラス側ラインと前記マイナス側ライン間に、第一及び第二ダイオードが設けられ、前記第一ダイオードは、アノード端子が前記下段巻線と前記下段側スイッチング素子との接続点に、カソード端子が前記プラス側ラインにそれぞれ接続され、前記第二ダイオードは、アノード端子が前記マイナス側ラインに、カソード端子が前記上段巻線と前記下段巻線との接続点にそれぞれ接続されていることを特徴とする2石フォワード型のスイッチング電源装置。

請求項4

前記トランスの入力巻線は、多層基板導体層に形成されたコイルパターンで構成され、前記第一及び第二ダイオードは、前記多層基板上に実装され、前記コイルパターンの所定の電位を引き出す配線パターンを介して前記入力巻線に接続されている請求項1乃至3のいずれか記載の2石フォワード型のスイッチング電源装置。

技術分野

0001

本発明は、トランス入力巻線が2つの主スイッチング素子の間に接続されている2石フォワード型スイッチング電源装置に関する。

背景技術

0002

従来から、2石フォワード型のスイッチング電源装置10が広く使用されている。スイッチング電源装置10は、図3に示すように、入力巻線12及び出力巻線14を有するトランス16と、入力巻線12の両側に配された2つのスイッチング素子18a,18bとを備えている。上段側スイッチング素子18aは、入力電源20の一端が接続されるプラス側ライン22(+)と入力巻線12の一端との間に接続され、下段側スイッチング素子18bは、入力電源20の他端が接続されるマイナス側ライン22(-)と入力巻線12の他端との間に接続されている。入力電源20は、プラス側及びマイナス側ライン22(+),22(-)の間に入力電圧Viを供給する。2つのスイッチング素子18a,18bは、制御回路24が出力する駆動パルスVg18によって駆動され、同位相オンオフする。

0003

入力巻線12及び下段側スイッチング素子18bの接続点とプラス側ライン22(+)との間には、カソード端子がプラス側ライン22(+)に接続された第一ダイオード26aが設けられている。また、入力巻線12及び上段側スイッチング素子18aの接続点とマイナス側ライン22(-)との間には、アノード端子がマイナス側ライン22(-)に接続された第二ダイオード26bが設けられている。

0004

出力巻線14には、出力巻線14に発生する電圧整流平滑して直流出力電圧Voを生成する整流平滑回路28が接続されている。整流平滑回路28は、整流側ダイオード30、転流側ダイオード32、平滑インダクタ34、及び平滑コンデンサ36で構成され、平滑コンデンサ36の両端に負荷38が接続される。整流側ダイオード30は、2つのスイッチング素子18a,18bがオンの時に導通し、転流側ダイオード32は、2つのスイッチング素子18a,18bがオフの時に導通する。

0005

制御回路24が出力する駆動パルスVg18は、図4に示すように、周期が一定の方形波状パルス電圧であり、スイッチング素子18a,18bは、駆動パルスVg18がハイレベルときにオンし、ローレベルのときにオフする。制御回路24は、出力電圧Voが目標値に保持されるように、1周期におけるハイレベルの時間比率(以下、オン時比率Donと称す。)を可変調節する。

0006

スイッチング電源装置10の場合、オン時比率Donの可変範囲を0〜50%にしないと正常に動作できない。スイッチング素子18a,18bがオンするtonの期間、入力巻線12の電圧V12は正の電圧Viに保持される。また、スイッチング素子18a,18bがオフするtoffの期間、tonの期間中にトランス16に蓄積された励磁エネルギーを放出するため、入力巻線12に負電圧が発生し、taの期間、第一及び第二ダイオード26a,26bが導通することにより、電圧V12の負の波高値が電圧Viにクランプされる。スイッチング電源装置10が正常に動作するためには、電圧V12が正になる期間の電圧及び時間の積VT(+)と、負になる期間の電圧及び時間の積VT(-)とが、互いに等しくなることが条件となる。

0007

VT(+)とVT(-)は、それぞれ式(1),(2)のように表わされる。ここで、Tはオン時間tonとオフ時間toffを合計したスイッチングの1周期である。また、時間taは、オフ時間toff以下である。

0008

0009

例えば、オン時比率Don=50%のときの動作を考えると、図4動作波形に示すように、時間ton=toff=T/2であり、時間taがオフ時間toff=T/2と等しくなることで、VT(+)=VT(-)の条件を満たすことができる。このことから、オン時比率Donが50%を超えると、必ずVT(+)がVT(-)より大きくなってしまうことが分かる。

0010

VT(+)とVT(-)が同じでなくなると、トランス16が偏磁して磁気飽和が起こり、回路故障する可能性がある。したがって、スイッチング電源装置10を設計するときは、トランス16の磁気飽和を回避するため、通常、オン時比率Donは0〜50%以下の範囲で可変可能とし、その範囲で出力電圧Voを目標値に保持できるように入力巻線12及び出力巻線14の巻数比を設定する。

0011

スイッチング電源装置10は、スイッチング素子18a,18bの両端電圧が、それぞれ入力電圧Vi以下に制限されるので、安全性が高く、低耐圧の素子導通抵抗が小さい素子)を使用できるという利点がある。

0012

その一方で、オン時比率Donを50%以下の範囲に設定しなければならないので、入力電圧Viの範囲が広い場合に対応しにくいという欠点がある。特に入力電圧Viが高いとき、入力側に流れるスイッチング電流実効値が大きくなり、入力巻線12等の抵抗成分に発生する損失が大きくなる。また、入力巻線12及び出力巻線14の巻数比の関係で、整流側及び転流側ダイオード30,32は、高耐圧の素子(導通時の電圧降下が大きい素子)を使用しなければならず、損失が大きくなるという欠点がある。さらに、転流側ダイオード32の導通時間toffが整流側ダイオード30の導通時間tonよりも常に長くなるので、転流側ダイオード32の側に損失と発熱が集中しやすいという問題もある。

0013

近年、上述した2石フォワード型のスイッチング電源装置10を改良し、オン時比率Donが50%以上の範囲でも正常動作できるようにする技術が複数提案されている。例えば、特許文献1に開示されているように、上記スイッチング電源装置10の第一及び第二ダイオード26a,26bを開放除去した電源回路がある。この電源回路によれば、スイッチング素子22a,22bがオフの期間、入力巻線12の電圧V12の負の波高値が制限されないので、オン時比率Donが50%以上に可変されたとき、VT(+)が大きくなるのに合わせてVT(-)積も大きくなれるので、トランス12の磁気飽和を回避できる。

0014

また、特許文献2に開示されているように、3つのスイッチング素子と2つの入力巻線を交互に配して直列に接続し、2つの入力巻線のそれぞれに、上記の第一及び第二ダイオード26a,26bに相当するダイオードを接続したスイッチング電源回路がある。このスイッチング電源回路によれば、3つのスイッチング素子の両端電圧が、それぞれ入力電圧Vi以下に制限されるので、安全性が高い。また、スイッチング素子22a,22bがオフの期間、入力巻線の負電圧の波高値の制限が2倍に緩和されるので、オン時比率Donが50%以上に可変されたとき、VT(+)が大きくなるのに合わせてVT(-)も大きくなることができ、トランス12の磁気飽和を回避できる。

先行技術

0015

特開2003−134819号公報
特昭62−163568号公報

発明が解決しようとする課題

0016

しかし、特許文献1の電源回路の場合、2つのスイッチング素子の両端電圧が制限されないので、スイッチング素子が故障しないように高耐圧の素子(導通抵抗が大きい素子)を使用しなければならず、損失が増加するという問題がある。

0017

また、特許文献2のスイッチング電源回路の場合、回路構成が非常に複雑であり、スイッチング電源装置10のシンプルな構成に対して、絶縁された入力巻線を1つ、スイッチング素子とその駆動回路を1組、第一及び第二ダイオード26a,26bに相当するダイオードを1組、を追加なければならない。また、2つの入力巻線の巻数が同じでなければならないという制約があり、トランスの磁気飽和を回避できるオン時比率Donの上限値が約66.7%に固定され、自由に変更することができない。

0018

本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、スイッチング素子の電圧が一定以下に制限され、オン時比率50%以上の範囲でも正常に動作できるシンプルな2石フォワード型のスイッチング電源装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0019

本発明は、入力巻線及び出力巻線を有するトランスと、入力電源の一端が接続されるプラス側ラインと前記入巻線の一端との間に接続された上段側スイッチング素子と、前記入力電源の他端が接続されるマイナス側ラインと前記入力巻線の他端との間に接続され、前記上段側スイッチング素子と同位相でオンオフする下段側スイッチング素子と、前記出力巻線に発生する電圧を整流平滑して出力電圧を生成する整流平滑回路とを備え、
前記入力巻線は、上段巻線、中段巻線及び下段巻線を直列に配して構成され、前記上段巻線側の一端が前記上段側スイッチング素子に、前記下段巻線側の一端が前記下段側スイッチング素子にそれぞれ接続され、
前記プラス側ラインと前記マイナス側ライン間に、第一及び第二ダイオードが設けられ、前記第一ダイオードは、アノード端子が前記中段巻線と前記下段巻線との接続点に、カソード端子が前記プラス側ラインにそれぞれ接続され、前記第二ダイオードは、アノード端子が前記マイナス側ラインに、カソード端子が前記上段巻線と前記中段巻線との接続点にそれぞれ接続されている2石フォワード型のスイッチング電源装置である。

0020

また本発明は、入力巻線及び出力巻線を有するトランスと、入力電源の一端が接続されるプラス側ラインと前記入力巻線の一端との間に接続された上段側スイッチング素子と、前記入力電源の他端が接続されるマイナス側ラインと前記入力巻線の他端との間に接続され、前記上段側スイッチング素子と同位相でオンオフする下段側スイッチング素子と、前記出力巻線に発生する電圧を整流平滑して出力電圧を生成する整流平滑回路とを備え、
前記入力巻線は、上段巻線と下段巻線とを直列に配して構成され、前記上段巻線側の一端が前記上段側スイッチング素子に、前記下段巻線側の一端が前記下段側スイッチング素子にそれぞれ接続され、
前記プラス側ラインと前記マイナス側ライン間に、第一及び第二ダイオードが設けられ、前記第一ダイオードは、アノード端子が前記上段巻線と前記下段巻線との接続点に、カソード端子が前記プラス側ラインにそれぞれ接続され、前記第二ダイオードは、アノード端子が前記マイナス側ラインに、カソード端子が前記上段巻線と前記上段側スイッチング素子との接続点にそれぞれ接続されている2石フォワード型のスイッチング電源装置である。

0021

また本発明は、入力巻線及び出力巻線を有するトランスと、入力電源の一端が接続されるプラス側ラインと前記入力巻線の一端との間に接続された上段側スイッチング素子と、前記入力電源の他端が接続されるマイナス側ラインと前記入力巻線の他端との間に接続され、前記上段側スイッチング素子と同位相でオンオフする下段側スイッチング素子と、前記出力巻線に発生する電圧を整流平滑して出力電圧を生成する整流平滑回路とを備え、
前記入力巻線は、上段巻線と下段巻線とを直列に配して構成され、前記上段巻線側の一端が前記上段側スイッチング素子に、前記下段巻線側の一端が前記下段側スイッチング素子にそれぞれ接続され、
前記プラス側ラインと前記マイナス側ライン間に、第一及び第二ダイオードが設けられ、前記第一ダイオードは、アノード端子が前記下段巻線と前記下段側スイッチング素子との接続点に、カソード端子が前記プラス側ラインにそれぞれ接続され、前記第二ダイオードは、アノード端子が前記マイナス側ラインに、カソード端子が前記上段巻線と前記下段巻線との接続点にそれぞれ接続されている2石フォワード型のスイッチング電源装置である。

0022

前記トランスの入力巻線は、多層基板導体層に形成されたコイルパターンで構成され、前記第一及び第二ダイオードは、前記多層基板上に実装され、前記コイルパターンの所定の電位を引き出す配線パターンを介して前記入力巻線に接続されている。

発明の効果

0023

本発明のスイッチング電源装置によれば、スイッチング素子の電圧が一定以下に制限される安全性を確保しつつ、オン時比率50%以上の範囲でもトランスの磁気飽和を回避することができる。また、トランスの磁気飽和を回避できるオン時比率Donの上限値は、入力巻線を構成する個々の巻線(上段巻線、中段巻線、下段巻線)の巻線の巻数比を変えることによって、自由に調節することができる。

0024

また、入力巻線は、3つの巻線を直列に配した構成なので、トランスを製作する際、1つの巻線から中間タップを引き出すような形で形成することができ、端子の数もさほど増えない。特に、多層基板の導体層で形成したコイルパターンで入力巻線を形成すれば、容易に中間タップを引き出すことができる。また、特許文献2のスイッチング電源回路のように、スイッチング素子や第一及び第二ダイオードの数を増やす必要がない。したがって、電源装置の構造を非常なシンプルにすることができる。

図面の簡単な説明

0025

本発明のスイッチング電源装置の一の実施形態を示す回路図である。
この実施形態のスイッチング電源装置の各部の動作波形である。
従来のスイッチング電源装置を示す回路図である。
従来のスイッチング電源装置の各部の動作波形である。

実施例

0026

以下、本発明の2石フォワード型のスイッチング電源装置の一実施形態について、図1図2に基づいて説明する。ここで、従来のスイッチング電源装置10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。

0027

本実施形態のスイッチング電源装置40は、新規なトランス42を有している点に特徴があり、その他の構成は、従来のスイッチング電源装置10とほぼ同様である。

0028

トランス42は、入力巻線44と出力巻線14とを備えている。入力巻線44は、上段巻線44(1)、中段巻線44(2)及び下段巻線44(3)を直列に配して構成され、上段巻線44(1)側の一端が上段側スイッチング素子18aに接続され、下段巻線44(3)側の一端が下段側スイッチング素子18bに接続されている。第一ダイオード26aは、中段巻線44(2)及び下段巻線44(3)の接続点とプラス側ライン22(+)との間に設けられ、カソード端子がプラス側ライン22(+)に接続されている。第二ダイオード26bは、上段巻線44(1)及び中段巻線44(2)の接続点とマイナス側ライン22(-)との間に設けられ、アノード端子側がマイナス側ライン22(-)に接続されている。

0029

次に、スイッチング電源装置40の動作について説明する。ここで、上段巻線44(1)の両端電圧をV44(1)、中段巻線44(2)の両端電圧をV44(2)、下段巻線44(3)の両端電圧をV44(3)とし、入力巻線44の両端電圧をV44(=V44(1)+V44(2)+V44(3))とする。

0030

スイッチング素子22a,22bがオンするtonの期間、入力巻線44の電圧V44は、正の電圧Viに保持される。したがって、各巻線の電圧V44(1),V44(2),V44(3)は、各々の巻数N44(1),N44(2),N44(3)の比に応じて電圧Viを分圧した値になる。

0031

スイッチング素子18a,18bがオフするtoffの期間は、tonの期間に蓄積された励磁エネルギーを放出するため中段巻線44(2)に負電圧が発生し、taの期間、第一及び第二ダイオード26a,26bが導通することにより、電圧V44(2)の負の波高値が電圧Viにクランプされる。この動作により、taの期間の電圧V44(1),V44(2),V44(3),V44は、それぞれ式(3)〜(6)で表わされる値となる。

0032

0033

0034

0035

式(6)から分かるように、taの期間の入力巻線44の電圧V44は、入力電圧Viよりも高くなることができる。

0036

ここで、入力巻線44の電圧V44が正になる期間の電圧及び時間の積VT(+)と、電圧V44が負になる期間の電圧及び時間の積VT(-)について考える。VT(+)は、上記の式(1)で表わされるが、VT(-)は、上記の式(2)とは異なり、次の式(7)のように表わされる。

0037

例えば、オン時比率Don=50%のときの動作を考えると、図2の動作波形に示すように、時間ton=toff=T/2であり、時間taがオフ時間toff=T/2よりも短い状態で、VT(+)=VT(-)の条件を満たすことができる。このことから、オン時比率Donが50%を超えてVT(+)がさらに大きくなったとき、時間taがもっと長くなることによってVT(-)が大きくなれるので、VT(+)=VT(-)の条件を満たすことが可能である。したがって、オン時比率Donが50%以上に可変されたとき、トランス42の磁気飽和を回避できる。

0038

ただし、時間taはオフ時間toffよりも長くなれないので、オン時比率Donが一定の値(上限値Don1)を超えると、VT(+)=VT(-)を満たせなくなる点に留意する。この上限値Don1は、巻数N44(1),N44(2),N44(3)の比を調節することによって、自由に変更することができる。

0039

以上説明したように、スイッチング電源装置40によれば、オン時比率Donが50%以上の範囲でもトランス42の磁気飽和を回避することができる。また、トランス42の磁気飽和を回避できるオン時比率Donの上限値Don1は、入力巻線18を構成する3つの巻線44(1),44(2),44(3)の巻数比を変更することで調節することができるという利点もある。

0040

上段側及び下段側スイッチング素子18a,18bの両端電圧は、それぞれ式(8),(9)で表わされる電圧V18a(max),V18b(max)に制限され、一定の安全性が確保される。

0041

0042

入力巻線44は、従来のトランス16の入力巻線12と比較すると、回路図上巻線数が2つ増えている。しかし、3つの巻線44(1),44(2),44(3)を直列にした構成なので、トランス42を製作するときは、1つのコイルを中間タップを設けながら連続巻きする等の方法で形成できるので、巻線作業者の負担の増加は小さく、端子数も2つ増えるだけである。

0043

また、電源回路を実装する多層基板内に入力巻線44を形成することも可能であり、この場合、入力巻線44を導体層に形成されたコイルパターンで形成し、コイルパターンの所定の電位を配線パターンで引き出し、多層基板上の第一及び第二ダイオード26a,26bにハンダ接続することができるので、トランス42を製作する際の作業性や端子数は全く問題にならない。また、トランス42以外の部分は従来のスイッチング電源装置10の構成と同じであり、部品点数の増加もない。

0044

なお、上段巻線44(1)の巻数N44(1)、中段巻線44(2)の巻数N44(2)、下段巻線44(3)の巻数N44(3)は、自由に変更することができる。例えば、巻数N44(1)=ゼロターンとし、巻数N44(2)とN44(3)を1ターン以上にしてもよい。この場合、入力巻線44は、上段巻線(上記の中段巻線44(2))及び下段巻線(上記の下段巻線44(3))の2つで構成されることになる。また、巻数N44(3)=ゼロターンとし、巻数N44(1)とN44(2)を1ターン以上にしてもよい。この場合、入力巻線44は、上段巻線(上記の上段巻線44(1))及び下段巻線(上記の中段巻線44(2))の2つで構成されることになる。何れの場合も上記の式(3)〜(9)は成立するので、設計する際の考え方は同じである。ただ、巻数N44(1)とN44(3)が異なると、式(8),(9)から求まる上限値V18a(max),V18b(max)が違う値になるので、使用するスイッチング素子18a,18bの耐電圧注意が必要である。

0045

10,40スイッチング電源装置
12,44入力巻線
14出力巻線
16,42トランス
18a上段側スイッチング素子
18b下段側スイッチング素子
22(+) プラス側ライン
22(-)マイナス側ライン
24制御回路
26a 第一ダイオード
26b 第二ダイオード
28整流平滑回路
44(1) 上段巻線
44(2)中段巻線
44(3) 下段巻線

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