図面 (/)

技術 レーダ装置

出願人 日本信号株式会社
発明者 白井稔人富田雅昭大泉拓
出願日 2013年8月8日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2013-165028
公開日 2015年2月19日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2015-034725
状態 特許登録済
技術分野 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 速度計測回路 受信線路 速度計測用 参照信号生成回路 周波数掃引速度 反射対象物 漏れ成分 外来電磁波
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年2月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

受信信号周波数検出正常性判断を行う自己診断機能を有するレーダ装置を提供する。

解決手段

対象物における反射信号を受信して装置本体と前記対象物との間の距離又は相対速度を計測するレーダ装置であって、受信信号に予め定められた周波数の成分が検出されると、周波数検出は正常であると判定する周波数検出確認機能を有するものである。

概要

背景

従来の自己診断機能を有するレーダ装置は、所定距離に設置した検査用反射対象物からの反射信号所定レベル以上で検出され、且つ上記反射信号に基づいて計測された上記検査用反射対象物までの距離が上記所定距離に相当するものである場合に、装置は正常であると判断するものとなっていた(例えば、特許文献1参照)。

概要

受信信号周波数検出正常性判断を行う自己診断機能を有するレーダ装置を提供する。対象物における反射信号を受信して装置本体と前記対象物との間の距離又は相対速度を計測するレーダ装置であって、受信信号に予め定められた周波数の成分が検出されると、周波数検出は正常であると判定する周波数検出確認機能を有するものである。

目的

本発明は、このような問題点に対処し、受信信号の周波数検出の正常性判断を行う自己診断機能を有するレーダ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

対象物における反射信号を受信して装置本体と前記対象物との間の距離又は相対速度を計測するレーダ装置であって、受信信号に予め定められた周波数の成分が検出されると、周波数検出は正常であると判定する周波数検出確認機能を有するレーダ装置。

請求項2

前記予め定められた周波数の成分は、ドップラー周波数とは異なる周波数成分であることを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。

請求項3

前記予め定められた周波数の成分は、前記対象物に向けて送信される距離又は速度計測用送信信号自体、又は前記距離又は速度計測用の送信信号を一定周波数だけシフトさせて生成された信号の前記周波数シフトに相当する周波数成分であって、送信機側から受信機側に漏洩した前記送信信号自体又は前記周波数シフトに相当する周波数成分であることを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。

請求項4

前記周波数検出確認機能の他に、前記受信信号に基づいて前記対象物までの距離を計測し、予め定められた距離と一致する成分を含むことを確認する検出範囲確認機能、前記対象物からの反射信号の受信レベル一定値以上であることを確認する検出感度確認機能、及び前記対象物との間の距離又は相対速度の計測及び前記周波数検出確認に用いる以外の電磁波が一定レベル以下であることを確認する電磁波環境確認機能のうちの少なくともいずれか一つを含み、該機能による確認結果と前記周波数検出の確認結果とを論理積して装置の正常性を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーダ装置。

請求項5

前記装置本体は、車両に搭載されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーダ装置。

技術分野

0001

本発明は、対象物における反射信号を受信して装置本体と対象物との間の距離又は相対速度を計測するレーダ装置に関し、特に、受信信号周波数検出正常性判断を行う自己診断機能を有するレーダ装置に係るものである。

背景技術

0002

従来の自己診断機能を有するレーダ装置は、所定距離に設置した検査用反射対象物からの反射信号が所定レベル以上で検出され、且つ上記反射信号に基づいて計測された上記検査用反射対象物までの距離が上記所定距離に相当するものである場合に、装置は正常であると判断するものとなっていた(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2001−51056号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、このような従来のレーダ装置は、レーダ波(例えば超音波)を送信し、その送信から受信までに要する時間に基づいて互いに固定された装置と検査用反射対象物との間の距離を測定するものであり、相対的に移動する装置と反射対象物との間の距離や相対速度を測定するものではない。したがって、上記レーダ装置は、距離測定の正常性判断及び検出感度の正常性判断の自己診断機能は有するものの、受信信号の周波数検出は行っていないため、周波数検出の正常性判断の自己診断機能は有していなかった。

0005

相対的に移動している反射対象物との間の距離や相対速度の測定には、FMCWレーダ装置ドップラーレーダ装置が使用される。これらの装置は、送信電波受信電波との周波数差(以下「差周波数」という)を検出し、この差周波数成分に基づいて距離測定又は相対速度の測定を行っている。この場合、送信電波の周波数に異常が生じたり、上記差周波数の検出が正しく行われなかったりしたときには、正確な距離測定や相対速度の測定ができないという問題がある。

0006

そこで、本発明は、このような問題点に対処し、受信信号の周波数検出の正常性判断を行う自己診断機能を有するレーダ装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、本発明によるレーダ装置は、対象物における反射信号を受信して装置本体と前記対象物との間の距離又は相対速度を計測するレーダ装置であって、受信信号に予め定められた周波数の成分が検出されると、周波数検出は正常であると判定する周波数検出確認機能を有するものである。

発明の効果

0008

本発明によれば、所定周波数送信信号を用いて対象物との間の距離又は相対速度を計測するレーダ装置において、受信信号の周波数検出の正常性判断を行うことができる。したがって、送信機又は受信機の異常を容易に検出することができ、距離又は相対速度の誤計測を防止することができる。これにより、例えば、列車走行の安全性をより向上することができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明によるレーダ装置の実施形態を示すブロック図である。
本発明によるレーダ装置が列車車両の下部に取り付けられた例を示す説明図である。
本発明によるレーダ装置の正常性確認の一動作例を説明するフローチャートである。
上記正常性確認において、電磁波環境確認について示す説明図である。
上記正常性確認において、FMCW信号を用いた検出範囲確認、検出感度確認及び周波数検出確認について示す説明図であり、(a)は参照信号、送信信号及び受信信号の関係を示す図であり、(b)は周波数増加中の受信信号の周波数減算処理後の周波数スペクトルを示し、(c)は周波数低下中の受信信号の周波数減算処理後の周波数スペクトルを示す。
本発明によるレーダ装置の正常性確認の他の動作例を説明するフローチャートである。
上記他の動作例における周波数検出確認及び速度計測について説明するための周波数スペクトルである。

実施例

0010

以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明によるレーダ装置の実施形態を示すブロック図である。このレーダ装置は、対象物における反射信号を受信して装置本体と対象物との間の距離又は相対速度を計測するもので、送信機1と、受信機2と、速度計測回路3と、正常性確認回路4と、動作切換部5とを備えて構成されている。以下の説明においては、図2に示すように、一例として本発明によるレーダ装置6が列車車両7の下部に搭載されたドップラーレーダ装置である場合について述べる。

0011

上記送信機1は、列車車両7に対して相対移動する反射対象物としての道床8に速度計測用の周波数fの送信信号Stを生成して送信するもので、信号生成回路9と、送信回路10と、送信アンテナTXとを備えている。

0012

ここで、上記信号生成回路9は、上記速度計測用の信号周波数fを、後述の周波数検出確認用として予め設定された一定周波数fsだけシフトさせた信号Sf1を生成して後段の送信回路10に伝送路11を介して伝送するものである。また、上記送信回路10は、上記信号生成回路9から入力した信号Sf1を速度計測に必要なレベルまで電力増幅し、送信信号Stとして出力するものである。さらに、上記送信アンテナTXは、上記送信回路10に繋がった送信線路12を介して入力した送信信号Stを道床8に向けて送信するためのアンテナである。

0013

上記受信機2は、反射対象物としての道床8で反射されて戻ってきた信号を受信し、それを処理してドップラー信号を出力するもので、受信アンテナRXと、参照信号生成回路13と、周波数減算回路14とを備えている。

0014

ここで、上記受信アンテナRXは、道床8で反射されて戻ってくる反射信号を受信し、受信線路15を介して後述の周波数減算回路14に入力するためのアンテナである。そして、上記送信アンテナTXと共に電波透過率が高いグラスファイバーテフロン登録商標)等で形成されたレドーム16によって保護されている。また、上記参照信号生成回路13は、上記速度計測用の信号と同じ周波数fの参照信号Sf2を生成して出力するものである。この場合、上記送信機1の信号生成回路9から上記速度計測用の信号を取り出して、参照信号として使用してもよい。さらに、上記周波数減算回路14は、上記受信線路15を介して入力される受信信号Srの周波数と参照信号生成回路13から入力する参照信号Sf2の周波数fとを減算処理し、さらに周波数スペクトル分析、例えばFFT(fast Fourier transform)処理を行ってドップラー周波数fdなど、差周波数成分を抽出するものである。

0015

上記受信機2の周波数減算回路14には、速度計測回路3が電気的に接続して設けられている。この速度計測回路3は、上記周波数減算回路14により抽出されたドップラー周波数fdに基づいて列車車両7の速度Vを算出するものである。一般に、速度Vは、ドップラー周波数fdを用いて
V=c・fd/(2gcosθ)・・・(1)
演算して求めることができる。ここで、V(m/s)は対地速度、g(Hz)は速度計測用の信号の周波数、c(m/s)は光速(3×108m/s)、θ(rad)は対地角度及びfd(Hz)はドップラー周波数である。

0016

さらに、上記受信機2の周波数減算回路14には、正常性確認回路4が電気的に接続して設けられている。この正常性確認回路4は、装置の正常性を確認するためのものであり、上記周波数減算回路14により受信信号Srと参照信号Sf2とが減算処理された後の出力Brの周波数スペクトルに、上記ドップラー信号の周波数fdとは異なる予め定められた一定周波数fsが検出されると周波数検出は正常であると判定する周波数検出確認回路17と、反射信号に基づいて道床8までの距離を計測し、予め定められた距離と一致する成分を含むことを確認する検出範囲確認回路18と、反射対象物からの反射信号の受信レベルが予め定められた値以上であることを確認する検出感度確認回路19と、少なくとも上記相対速度の計測に用いる帯域における外来電磁波が予め定められた閾値以下であることを確認する電磁波環境確認回路20と、上記周波数検出確認回路17、検出範囲確認回路18、検出感度確認回路19及び電磁波環境確認回路20の出力を論理積演算する演算回路(以下「AND回路21」という)とを備えて構成されている。

0017

上記送信機1、受信機2、速度計測回路3、及び正常性確認回路4に電気的に接続して動作切換部5が設けられている。この動作切換部5は、コマンド(以下「CMD」という)で指示した制御命令を送信機1、受信機2、速度計測回路3、及び正常性確認回路4に送り、所望の正常性確認の動作が行われるように正常性確認モード切換えを行うものである。この正常性確認モードは、例えば、送信機1をオフ制御して受信動作のみによる電磁波環境確認を行う第1ステップと、送信機1及び受信機2をオン制御して一定周期周波数掃引するFMCW信号を一定周波数fsだけ周波数シフトさせた信号Sf1を生成し、これを増幅して送信信号Stとして送信アンテナTXから道床8に向かって送信すると共に、上記FMCW信号に同期して周波数掃引するFMCWの参照信号Sf2を生成し、送信信号Stが道床8で反射されて戻り受信アンテナRXで受信された受信信号Srを上記参照信号Sf2で減算処理して周波数検出確認、検出範囲確認及び検出感度確認を行う第2ステップとを基本動作として1回又は複数回繰り返し実行する第1モードがある。この場合、上記第1ステップにおいては、速度計測回路3はオフ制御されて速度計測は行われない。また、上記第2ステップにおいては、速度計測回路3はオン制御されてFMCWの受信信号Sr及び参照信号Sf2を用いた速度計測が行われる。

0018

又は、上記正常性確認モードは、指示CMDの制御命令に従って、送信機1をオフ制御して受信動作のみによる電磁波環境確認を行う第1ステップと、送信機1及び受信機2をオン制御して、一定周期で周波数掃引するFMCW信号を一定周波数fsだけ周波数シフトさせた信号Sf1を生成し、送信信号Stとして送信すると共に、上記信号Sf1に同期して周波数掃引するFMCWの参照信号Sf2を生成し、FMCWの受信信号Srを参照信号Sf2で減算処理して検出範囲確認及び検出感度確認を行う第2ステップと、送信機1及び受信機2をオン制御し、周波数fの信号を一定周波数fsだけ周波数シフトさせた信号Sf1を生成し、これを増幅して送信信号Stとして送信アンテナTXから道床8に向かって送信すると共に、上記周波数fと同じ周波数fの参照信号Sf2を生成し、送信信号Stが道床8で反射されて戻り受信アンテナRXで受信された受信信号Srを参照信号Sf2で減算処理して周波数検出確認を行う第3ステップとを基本動作として1回又は複数回繰り返し実行する第2モードであってもよい。この場合、上記第1及び第2ステップにおいては、速度計測回路3はオフ制御されて速度計測は行われない。また、上記第3ステップにおいては、速度計測回路3はオン制御されて上記受信信号Sr及び参照信号Sf2を用いた速度計測が行われる。

0019

次に、このように構成されたドップラーレーダ装置6の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。ここでは、正常性確認の第1モードが選択されている場合について説明する。
先ず、ステップS1においては、電磁波環境確認が実行される。この場合、動作切換部5からの指示CMDの制御命令に従って送信機1及び速度計測回路3がオフ制御され、受信機2及び正常性確認回路4の電磁波環境確認回路20がオン制御される。これにより、送信機1は送信動作をせず、受信機2のみが受信動作をする。このとき、上記電磁波環境確認回路20は、受信機2の周波数減算回路14の出力Brを入力し、該入力に含まれる周波数と信号レベルを分析する。そして、図4に示すように、0Hz付近を除く少なくとも速度計測に使用する周波数範囲(fs+fd)内に予め定められた閾値以上の信号が存在しないことを確認する。なお、図4において、0Hz付近の成分は、周波数減算回路14の端子間における参照信号Sf2の漏れ成分等によるものである。

0020

電磁波環境確認回路20における正常性確認の結果、一定レベル以上の信号が存在せず正常と判断されると電磁波環境確認回路20から“1”が出力され、一旦メモリに保存される。一方、一定レベル以上の信号が存在して異常と判断されると電磁波環境確認回路20から“0”が出力され、一旦メモリに保存される。

0021

次に、ステップS2においては、検出範囲確認、検出感度確認及び周波数検出確認が実行される。この場合、動作切換部5からの指示CMDの制御命令に従って送信機1及び受信機2並びに速度計測回路3がオン制御されると共に、正常性確認回路4の検出範囲確認回路18、検出感度確認回路19及び周波数検出確認回路17がオン制御される。これにより、受信機2の参照信号生成回路13では、図5(a)に示すように、周波数掃引するFMCWの参照信号Sf2が生成される。また、送信機1の信号生成回路9では、参照信号Sf2に対して一定周波数fsだけ周波数シフトし、参照信号Sf2に同期して周波数掃引するFMCWの信号Sf1が生成され、送信信号Stとして送信アンテナTXから道床8に向かって送信される。

0022

一方、道床8で反射されて受信アンテナRXに受信される受信信号Srは、図5(a)に破線で示すように、道床8までの電波の往復による遅れ時間tだけ遅延すると共に、相対速度Vに比例して変化する周波数fd分だけ周波数シフトしたFMCW信号である。

0023

受信機2の周波数減算回路14では、受信信号Srと参照信号Sf2とが減算処理され、出力Brが得られる。この場合、上記周波数減算回路14の出力Brの周波数スペクトルには、道床8までの距離に対応する周波数fL、道床8との相対速度Vに比例して変化する周波数fd及び上記一定周波数fsの成分が含まれる。

0024

ここで、検出範囲確認及び検出感度確認は、図5(b)に示す送信信号St及び参照信号Sf2の周波数増加中の上記出力Brの周波数スペクトルにおける差周波数(fs−fL+fd)成分と、同図(c)に示す送信信号St及び参照信号Sf2の周波数低下中の上記出力Brの周波数スペクトルにおける差周波数(fs+fL+fd)成分とに基づいて実行される。即ち、送信信号Stの送信方向が正しくて、列車車両7から一定距離離れた道床8からの反射信号が予め定められた閾値以上で受信できていることが確認できると、検出範囲及び検出感度は正常であると判断することができる。そして、このとき、検出範囲確認回路18及び検出感度確認回路19から夫々“1”が出力され、一旦メモリに保存される。一方、上記閾値以上で受信できておらず異常と判断されると検出範囲確認回路18及び検出感度確認回路19から“0”が出力され、一旦メモリに保存される。

0025

さらに、周波数検出確認は、周波数減算回路14の出力Brの周波数スペクトルに一定周波数fsが含まれているか否かを判定することにより実行される。この場合、一般に、送信機1の送信線路12と受信機2の受信線路15との間の信号漏洩や、レドーム16を介した送信機1側から受信機2側への信号漏洩がある。したがって、送信機1及び受信機2が正常に動作しているときには、上記周波数減算回路14に入力する受信信号Srに、送信機1から受信機2へ漏洩した周波数fs成分が含まれている。それ故、周波数減算回路14の出力Brの周波数スペクトルには、上記周波数fsが検出されることになる。このように、予め定められた一定周波数fsが検出されたときには、周波数検出は正常と判断され、周波数検出確認回路17から“1”が出力されて一旦メモリに保存される。なお、ここでは、送信信号Stや参照信号Sf2の周波数が正常であることも同時に確認される。一方、送信機1及び受信機2のいずれかに異常があり、一定周波数fsが検出されないときには、異常と判断されて周波数検出確認回路17から“0”が出力され、一旦メモリに保存される。

0026

次いで、ステップS3においては、メモリから上記電磁波環境確認結果、検出範囲確認結果、検出感度確認結果及び周波数検出確認結果が読み出され、AND回路21で論理積される。この場合、メモリから読み出された上記各確認結果がいずれも正常であり、“1”であるときには、AND回路21から“1”が出力され、装置は正常と判断される。そして、その結果は、一旦、メモリに保存される。一方、上記各確認結果のいずれか1つでも異常であり、“0”であるときには、AND回路21から“0”が出力され、装置は異常と判断される。そして、この場合も、判定結果は、一旦、メモリに保存される。

0027

続いて、ステップS4においては、上記装置の正常性判断(自己診断)が予め定められた繰り返し回数だけ実行されたか否かが判定される。ここで、“NO”判定となると、ステップS1に戻り、自己診断回数所定回数に達するまでステップS1〜S4が繰り返し実行される。そして、その都度、装置の正常性判定結果がメモリに保存される。

0028

一方、自己診断回数が所定回数に達し、ステップS4において“YES”判定となると、ステップS5に進む。そして、ステップS5において、メモリから自己診断の各回の診断結果が読み出され、装置の正常性の総合判断が行われる。この総合判断は、複数回の自己診断結果に1回でも異常が存在した場合には、装置は異常と判断してもよく、又は、異常の検出率が予め定められた値よりも低いか否かで正常性を総合判断してもよい。この総合判断をどのように実行するかは、現実性を考え適宜決定すればよい。総合判断の結果、異常となったときには、警報が発せられる。なお、ステップS4,S5は省略してもよい。この場合は、ステップS3において、装置の正常性の最終判定が行われる。

0029

以上の説明においては、電磁波環境確認は、ステップS1において、送信機1をオフ制御した状態で行う場合について述べたが、相対速度の計測に必要な上記差周波数(fs−fL+fd)成分及び差周波数(fs+fL+fd)成分、並びに周波数検出確認に必要な一定周波数fs成分以外の周波数成分が予め定められた閾値以下であることを確認することで、ステップS2においても電磁波環境確認を行うことができる。したがって、この場合には、ステップS1は省略することができる。

0030

ところで、上述のようにFMCW信号を用いて正常性判断をする場合には、図5(b)に示すように一定周波数fsに対して差周波数(fs−fL+fd)成分が低周波側にあり、同図(c)に示すように差周波数(fs+fL+fd)成分が高周波側にあるようにするのがよい。そのためには、fL>fdmaxとなるように周波数掃引速度を定めることになる。この場合、周波数掃引速度を速めるほどfLは大きくなる。一方、周波数掃引速度が遅いほど周波数掃引周期は伸びて測定時間が長くなるため、ドップラー周波数fd計測の周波数分解能が向上するという特徴がある。したがって、FMCW信号を使用した場合には、ドップラー周波数fdの計測精度がfL>fdmaxの条件により制約されることになる。この点、一定周波数の電波を送信して送信信号のドップラー周波数fdを計測するCW方式では、周波数減算回路14の出力Brの周波数スペクトルにfL成分が含まれない。したがって、CW方式では、上記のような制約がないためドップラー周波数fdの計測時間を所望の長さに設定することができ、ドップラー周波数fdの計測精度を向上することができるという特徴がある。そこで、以下にCW方式を含む正常性確認の第2モードについて説明する。

0031

図6は正常性確認の第2モードの動作について説明するフローチャートである。
先ず、ステップS11においては、電磁波環境確認が実行される。このステップは前述のステップS1と同様にして行われる。即ち、動作切換部5からの指示CMDの制御命令に従って送信機1及び速度計測回路3がオフ制御され、受信機2及び正常性確認回路4の電磁波環境確認回路20がオン制御される。これにより、送信機1は送信動作をせず、受信機2のみが受信動作をする。このとき、上記電磁波環境確認回路20は、受信機2の周波数減算回路14の出力を入力し、該入力に含まれる周波数と信号レベルを分析する。そして、図4に示すように、0Hz付近を除く少なくとも速度計測に使用する周波数範囲(fs+fd)内に予め定められた閾値以上の信号が存在しないことを確認する。

0032

電磁波環境確認回路20における正常性確認の結果、上記閾値以上の信号が存在せず正常と判断されると電磁波環境確認回路20から“1”が出力され、一旦メモリに保存される。一方、一定レベル以上の信号が存在して異常と判断されると電磁波環境確認回路20から“0”が出力され、一旦メモリに保存される。

0033

次に、ステップS12においては、検出範囲確認及び検出感度確認が実行される。この場合、動作切換部5からの指示CMDの制御命令に従って送信機1及び受信機2がオン制御されると共に、正常性確認回路4の検出範囲確認回路18、検出感度確認回路19がオン制御される。なお、ステップS2と違って、ステップS12においては、周波数検出確認及び速度計測は行わないため、周波数検出確認回路17及び速度計測回路3はオフ制御される。こうして、ステップS12においては、受信機2の参照信号生成回路13で、図5(a)に示すように、周波数掃引するFMCWの参照信号Sf2が生成される。また、送信機1の信号生成回路9では、参照信号Sf2に対して一定周波数fsだけ周波数シフトし、参照信号Sf2に同期して周波数掃引するFMCWの信号Sf1が生成され、送信信号Stとして送信アンテナTXから道床8に向かって送信される。

0034

一方、道床8で反射されて受信アンテナRXに受信される、図5(a)に破線で示す受信信号Srは、受信機2の周波数減算回路14でFMCWの参照信号Sf2と減算処理される。そして、周波数減算回路14から信号Brが得られる。

0035

ここで、検出範囲確認及び検出感度確認は、図5(b)に示す送信信号Stと参照信号Sf2の周波数増加中の上記出力Brの周波数スペクトルにおける差周波数(fs−fL+fd)成分と、同図(c)に示す送信信号Stと参照信号Sf2の周波数低下中の上記出力Brの周波数スペクトルにおける差周波数(fs+fL+fd)成分とに基づいて、ステップS2と同様にして実行される。そして、列車車両7から一定距離離れた道床8からの反射信号が予め定められた閾値以上で受信できていることが確認されて、検出範囲及び検出感度は正常であると判断できたときは、検出範囲確認回路18及び検出感度確認回路19から夫々“1”が出力されてメモリに保存される。一方、上記閾値以上で受信できておらず異常と判断されると検出範囲確認回路18及び検出感度確認回路19から“0”が出力されてメモリに保存される。

0036

次に、ステップS13においては、周波数検出確認と速度計測が実行される。この場合、動作切換部5からの指示CMDの制御命令に従って、送信機1及び受信機2がオン制御されると共に送信機1の信号生成回路9及び受信機2の参照信号生成回路13がCW動作する。即ち、信号生成回路9の出力信号Sf1を周波数(f+fs)に固定し、参照信号生成回路13の参照信号Sf2を周波数fに固定する。これにより、受信信号Srには、送信機1から受信機2への漏洩信号である周波数f成分及び周波数fs成分と、受信電波の周波数が列車の速度Vに比例して変化する周波数fd成分とが含まれる。したがって、受信信号Srと参照信号Sf2との差信号である受信機2の周波数減算回路14の出力Brの周波数スペクトルには、図7に示すように周波数fsと差周波数(fs+fd)とが検出されることになる。

0037

周波数検出確認回路17では、上記出力Brを入力し、出力Brの周波数スペクトルに予め定められた周波数fsが含まれているか否かを検出し、周波数fsが検出されると周波数検出は正常と判断し、“1”を出力する。そして、この確認結果は、メモリに保存される。一方、出力Brから周波数fsが検出されないときには、送信機1及び受信機2のいずれかに異常があると判断して“0”を出力する。そして、この確認結果も、メモリに保存される。

0038

また、同時に、速度計測回路3では、上記出力Brに基づいて速度計測が行われる。詳細には、出力Brの周波数スペクトルからドップラー周波数fdを抽出し、該ドップラー周波数fdを使用して前述の式(1)を演算することにより列車の速度Vが算出される。

0039

ステップS14においては、メモリから上記電磁波環境確認結果、検出範囲確認結果、検出感度確認結果及び周波数検出確認結果が読み出され、AND回路21で論理積される。この場合、メモリに保存されている上記各確認結果がいずれも正常であり、“1”であるときには、AND回路21から“1”が出力され、装置は正常と判断される。そして、その結果は、一旦、メモリに保存される。一方、上記各確認結果のいずれか1つでも異常であり、“0”であるときには、AND回路21から“0”が出力され、装置は異常と判断される。そして、この場合も、判定結果は、一旦、メモリに保存される。

0040

次いで、ステップS15においては、上記装置の正常性判断(自己診断)が予め定められた回数だけ実行されたか否かが判定される。ここで、“NO”判定となると、ステップS11に戻り、自己診断回数が所定回数に達するまでステップS11〜S15が繰り返し実行される。そして、その都度、装置の正常性判定結果がメモリに保存される。

0041

一方、自己診断回数が所定回数に達し、ステップS15において“YES”判定となると、ステップS16に進む。そして、ステップS16において、メモリから自己診断の各回の診断結果が読みだされ、装置の正常性の総合判断が行われる。この総合判断は、前述の第1モードと同様に行うとよい。なお、ステップS15,S16は省略してもよい。この場合は、ステップS14において、装置の正常性の最終判定が行われる。

0042

以上の説明においては、電磁波環境確認は、ステップS11において、送信機1をオフ制御した状態で行う場合について述べたが、ステップS12で差周波数(fs−fL+fd)成分及び差周波数(fs+fL+fd)成分、並びに周波数検出確認に必要な一定周波数fs成分以外の周波数成分が予め定められた閾値以下であることを確認することで、ステップS12においても電磁波環境確認を行うことができる。したがって、この場合には、ステップS11は省略することができる。あるいは、ステップS13で周波数fsと(fs+fd)成分以外の周波数成分が予め定められた閾値以下であることを確認することで、ステップS13おいても電磁波環境確認を行うことができる。また、ステップS12では、周波数検出確認を行わないことから、ステップS12での周波数fsはゼロとしてもよい。

0043

なお、上記実施形態においては、周波数検出確認を予め定められた一定周波数fsを検出して行う場合について説明したが、本発明はこれに限られず、送信機1側から受信機2側に漏洩した速度計測用の周波数fを検出して行ってもよい。この場合、参照信号Sf2の周波数をゼロとして周波数減算処理を行い、周波数減算回路14の出力Brの周波数スペクトルに周波数fが検出されるか否かで周波数検出の正常性を判断すればよい。

0044

また、周波数検出確認に用いる周波数fsは、一定値でなく所定の変調がなされていてもよい。例えば、fs1,fs2,…,fsNを用意して、周波数fsをfs1→fs2→…→fsN→fs1→…のように切換え選択してもよい(例えば、周波数検出確認ステップを実施する毎に)。fs<fs1<fs2<…<fsN≒fs+fd(速度検出に使用する周波数範囲)とすれば、周波数検出ができることの確認を速度検出に使用する周波数について実施できることになり、正常性判断の信頼性が向上する。

0045

また、上記実施形態においては、電磁波環境確認、検出範囲確認、検出感度確認及び周波数検出確認の全ての項目が自己診断に使用される場合について説明したが、本発明はこれに限られず、周波数検出確認のみ、又は周波数検出確認と共に電磁波環境確認、検出範囲確認及び検出感度確認のうちの少なくとも1つを組み合わせて行ってもよい。

0046

さらに、上記実施形態においては、レーダ装置6がドップラーレーダ装置の場合について説明したが、本発明はこれに限られず、一般のレーダ装置にも適用することができる。例えば、周波数を検出するFMCWのレーダ装置であってもよい。

0047

そして、以上の説明においては、列車車両7に搭載されたレーダ装置6について述べたが、本発明はこれに限られず、レーダ装置6は、他の車両であっても、又は固定して使用されるものであってもよく、対象物との間の距離又は相対速度を計測するためのものであれば如何なるレーダ装置であってもよい。

0048

1…送信機
2…受信機
3…速度計測回路
4…正常性確認回路
6…レーダ装置
7…列車車両
8…道床(対象物)
17…周波数検出確認回路
18…検出範囲確認回路
19…検出感度確認回路
20…電磁波環境確認回路

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 三菱電機株式会社の「 駐車支援装置」が 公開されました。( 2019/06/27)

    【課題・解決手段】駐車支援装置(100)は、自車両(1)の走行中に自車両(1)の側方に向けて検出波を送信し、検出波の反射波を受信する距離センサ(2FL,2FR,2RL,2RR)と、検出波が反射された位... 詳細

  • 三菱電機株式会社の「 レーダ装置」が 公開されました。( 2019/06/27)

    【課題・解決手段】送信部(1)は、リニアにFM変調されたパルス信号に第1の窓関数を乗じた送信信号を生成する。パルス圧縮部(6)は、パルス信号に第1の窓関数とは異なる第2の窓関数を乗じた第1の基準信号に... 詳細

  • 株式会社小糸製作所の「 センサシステム」が 公開されました。( 2019/06/24)

    【課題・解決手段】透光カバー(12)は、ハウジング(11)とともに収容空間(13)を区画し、車両の外面の一部を形成する。カメラ(14)、前LiDARセンサ(15)、および右LiDARセンサ(16)は、... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ