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技術 抵抗推定装置、エネルギ推定装置、方法およびプログラム

出願人 株式会社東芝
発明者 石井恵奈吉田充伸
出願日 2013年7月31日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2013-159782
公開日 2015年2月16日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2015-030327
状態 特許登録済
技術分野 駆動装置の関連制御、車両の運動制御 航行(Navigation)
主要キーワード 損失エネルギ 空気抵抗力 ブレーキ損失 駆動源出力 押下量 垂直抗力 網羅率 計算周期
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

走行抵抗を精度よく推定することができる。

解決手段

本開示の一実施形態に係る抵抗推定装置は、駆動源検出部、ブレーキ検出部、速度検出部および抵抗算出部を含む。駆動源検出部は、車両の駆動源の出力を検出して出力値を得る。ブレーキ検出部は、ブレーキの制動力の強さを検出し制動値を得る。速度検出部は、前記車両の速度を検出する。抵抗算出部は、前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出する。

概要

背景

カーナビゲーションなどの車載機器において、ある経路走行するために必要なエネルギ推定する技術が要求されている。走行時に必要なエネルギを算出する方法として、空気抵抗勾配(登抵抗転がり抵抗加速抵抗などの走行時における抵抗を計算して足し合わせる手法がある。しかし、道路の勾配および路面の状況は地点によって異なるため、勾配抵抗や転がり抵抗の値を正確に把握することは困難である。

そこで、車両全体のエネルギから補機類消費エネルギおよび勾配以外の走行抵抗によって発生するエネルギ損失を引くことで道路勾配を算出する手法がある。

概要

走行抵抗を精度よく推定することができる。本開示の一実施形態に係る抵抗推定装置は、駆動源検出部、ブレーキ検出部、速度検出部および抵抗算出部を含む。駆動源検出部は、車両の駆動源の出力を検出して出力値を得る。ブレーキ検出部は、ブレーキの制動力の強さを検出し制動値を得る。速度検出部は、前記車両の速度を検出する。抵抗算出部は、前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出する。

目的

本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、走行抵抗または消費エネルギを精度よく推定することができる抵抗推定装置、エネルギ推定装置、方法およびプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

車両の駆動源の出力を検出して出力値を得る駆動源検出部と、ブレーキ制動力の強さを検出し制動値を得るブレーキ検出部と、前記車両の速度を検出する速度検出部と、前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出する抵抗算出部とを具備することを特徴とする抵抗推定装置

請求項2

前記抵抗算出部は、前記第1時点から第1時間遡った第3時点と該第1時点との間の第1期間、および、前記第2時点と該第2時点から第2時間経過後の第4時点との間の第2期間を前記走行期間に含めることを特徴する請求項1に記載の抵抗推定装置。

請求項3

前記駆動源からエネルギを得て動作する補機稼働状態を検出する補機検出部と、前記補機の稼働状態における仕事率を格納する格納部と、をさらに具備し、前記抵抗算出部は、前記補機の稼働状態に対応する前記仕事率に基づいて、前記走行抵抗を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の抵抗推定装置。

請求項4

前記抵抗算出部は、前記走行期間において、前記車両特性および前記速度に基づいて空気抵抗による損失エネルギである空気抵抗損失エネルギを算出し、前記出力値に基づいて駆動源の出力エネルギである駆動源出力エネルギを算出し、前記制動値に基づいて前記ブレーキによる損失エネルギであるブレーキ損失エネルギを算出し、該空気抵抗損失エネルギ、該駆動源出力エネルギおよび該ブレーキ損失エネルギを用いて前記走行抵抗を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の抵抗推定装置。

請求項5

車両の駆動源の出力を検出して出力値を得る駆動源検出部と、ブレーキの制動力の強さを検出し制動値を得るブレーキ検出部と、前記車両の速度を検出する速度検出部と、前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出する抵抗算出部と、前記車両の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて、前記走行期間に車両が走行した経路に対応する地図上の経路と前記走行抵抗とを対応付けデータベース登録する登録部と、目的地までの予定経路を取得する経路取得部と、前記予定経路を走行するときに想定される速度情報である速度パターンと前記予定経路に対応する前記地図上の経路に対応する前記走行抵抗と前記車両特性とに基づいて、該予定経路を走行するときの消費エネルギを算出するエネルギ算出部と、を具備することを特徴とするエネルギ推定装置

請求項6

前記車両が走行するときの天候および路面状態を含む走行条件を取得する走行条件取得部をさらに具備し、前記登録部は、前記走行抵抗と該走行抵抗を算出した際の前記走行条件とを対応付けて前記データベースに登録し、前記エネルギ算出部は、現在の走行条件に対応する条件下で予め算出された走行抵抗に基づいて、前記消費エネルギを算出することを特徴とする請求項5に記載のエネルギ推定装置。

請求項7

前記登録部は、同一経路について双方向から走行したときの走行抵抗が前記データベースに存在する場合、該双方向の走行抵抗に基づいて、前記車両が走行するときの路面との摩擦に関する抵抗を表す転がり抵抗係数と、該路面の勾配を表す道路勾配とを算出し、該転がり抵抗係数および該道路勾配をそれぞれ前記データベースに登録し、前記エネルギ算出部は、前記転がり抵抗係数および前記道路勾配に基づいて前記消費エネルギを算出することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のエネルギ推定装置。

請求項8

車両の駆動源の出力を検出して出力値を得る駆動源検出部と、ブレーキの制動力の強さを検出し制動値を得るブレーキ検出部と、前記車両の速度を検出する速度検出部と、前記前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出する抵抗算出部と、前記車両の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて、前記走行期間に車両が走行した経路に対応する地図上の経路と前記走行抵抗とを対応付けてデータベースに登録する登録部とを具備するエネルギ推定装置、および前記データベースを格納する格納部を具備するサーバ、を具備するエネルギ推定システムであって、前記エネルギ推定装置は、ユーザからの入力により目的地までの予定経路を取得し、前記予定経路に対応する前記地図上の経路に対応する走行抵抗である対応走行抵抗を前記サーバから受信する経路取得部と、前記予定経路を走行するときに想定される速度情報である速度パターンと前記対応走行抵抗と前記車両特性とに基づいて、該予定経路を走行するときの消費エネルギを算出するエネルギ算出部と、をさらに具備することを特徴とするエネルギ推定システム。

請求項9

車両の駆動源の出力を検出して出力値を得、ブレーキの制動力の強さを検出し制動値を得、前記車両の速度を検出し、前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出することを特徴とする抵抗推定方法

請求項10

車両の駆動源の出力を検出して出力値を得、ブレーキの制動力の強さを検出し制動値を得、前記車両の速度を検出し、前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出し、前記車両の位置に関する位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて、前記走行期間に車両が走行した経路に対応する地図上の経路と前記走行抵抗とを対応付けてデータベースに登録し、目的地までの予定経路を取得し、前記予定経路を走行するときに想定される速度情報である速度パターンと前記予定経路に対応する前記地図上の経路に対応する前記走行抵抗と前記車両特性とに基づいて、該予定経路を走行するときの消費エネルギを算出することを特徴とするエネルギ推定方法

請求項11

コンピュータを、車両の駆動源の出力を検出して出力値を得る駆動源検出手段と、ブレーキの制動力の強さを検出し制動値を得るブレーキ検出手段と、前記車両の速度を検出する速度検出手段と、前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出する抵抗算出手段として機能させるための抵抗推定プログラム

請求項12

コンピュータを、車両の駆動源の出力を検出して出力値を得る駆動源検出手段と、ブレーキの制動力の強さを検出し制動値を得るブレーキ検出手段と、前記車両の速度を検出する速度検出手段と、前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出する抵抗算出手段と、前記車両の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報に基づいて、前記走行期間に車両が走行した経路に対応する地図上の経路と前記走行抵抗とを対応付けてデータベースに登録する登録手段と、目的地までの予定経路を取得する経路取得手段と、前記予定経路を走行するときに想定される速度情報である速度パターンと前記予定経路に対応する前記地図上の経路に対応する前記走行抵抗と前記車両特性とに基づいて、該予定経路を走行するときの消費エネルギを算出するエネルギ算出手段として機能させるためのエネルギ推定プログラム。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、抵抗推定装置エネルギ推定装置、方法およびプログラムに関する。

背景技術

0002

カーナビゲーションなどの車載機器において、ある経路走行するために必要なエネルギを推定する技術が要求されている。走行時に必要なエネルギを算出する方法として、空気抵抗勾配(登抵抗転がり抵抗加速抵抗などの走行時における抵抗を計算して足し合わせる手法がある。しかし、道路の勾配および路面の状況は地点によって異なるため、勾配抵抗や転がり抵抗の値を正確に把握することは困難である。

0003

そこで、車両全体のエネルギから補機類消費エネルギおよび勾配以外の走行抵抗によって発生するエネルギ損失を引くことで道路勾配を算出する手法がある。

先行技術

0004

特開2013−7570号公報
特開2001−183150号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、上述の手法では処理周期ごとに道路勾配を算出しているため、特に加速時および減速時に、エネルギ源の出力が変化してから車両速度が変化するまでの時間遅れの影響や検出系の雑音の影響をうけて正確な勾配を算出することが困難である。

0006

本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、走行抵抗または消費エネルギを精度よく推定することができる抵抗推定装置、エネルギ推定装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一実施形態に係る抵抗推定装置は、駆動源検出部、ブレーキ検出部、速度検出部および抵抗算出部を含む。駆動源検出部は、車両の駆動源の出力を検出して出力値を得る。ブレーキ検出部は、ブレーキの制動力の強さを検出し制動値を得る。速度検出部は、前記車両の速度を検出する。抵抗算出部は、前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出する。

0008

また、本発明の一実施形態に係るエネルギ推定装置は、駆動源検出部、ブレーキ検出部、速度検出部、抵抗算出部、位置情報取得部、登録部、経路取得部およびエネルギ算出部を含む。駆動源検出部は、車両の駆動源の出力を検出して出力値を得る。ブレーキ検出部は、ブレーキの制動力の強さを検出し制動値を得る。速度検出部は、前記車両の速度を検出する。抵抗算出部は、前記車両が始動し速度がゼロから変化する第1時点から該車両が停止して速度がゼロとなる第2時点までの期間である走行期間において、前記車両の重量および該車両の前面投影面積を含む車両の特性を示す車両特性、前記出力値、前記制動値および前記速度を用いて、該車両が走行した路面に起因する走行抵抗を算出する。位置情報取得部は、前記車両の位置に関する位置情報を取得する。登録部は、前記位置情報に基づいて、前記走行期間に車両が走行した経路に対応する地図上の経路と前記走行抵抗とを対応付けデータベースに登録する。経路取得部は、目的地までの予定経路を取得する。エネルギ算出部は、前記予定経路を走行するときに想定される速度情報である速度パターンと前記予定経路に対応する前記地図上の経路に対応する前記走行抵抗と前記車両特性とに基づいて、該予定経路を走行するときの消費エネルギを算出する。

図面の簡単な説明

0009

第1の実施形態に係る抵抗推定装置を示すブロック図。
ブレーキペダル踏込量と制動力との関係を示す図。
第1の実施形態に係る抵抗算出部の動作を示すフローチャート
第2の実施形態に係る抵抗推定装置を示すブロック図。
第2の実施形態に係る抵抗推定装置の動作を示すフローチャート。
第3の実施形態に係るエネルギ推定装置を示すブロック図。
第3の実施形態に係る地図情報登録部における登録処理を示すフローチャート。
第3の実施形態に係る消費エネルギ算出部の動作を示すフローチャート。
第4の実施形態に係るエネルギ推定装置を示すブロック図。
第5の実施形態に係るエネルギ推定システム概念図。
第5の実施形態に係るエネルギ推定システムを示すブロック図。
同一経路を双方向から走行することを示す概念図。
第6の実施形態に係る地図情報登録部の動作を示すフローチャート。
第6の実施形態に係る消費エネルギ算出部の動作をしめすフローチャート。
本実施形態により算出した消費エネルギ推定結果を示す図。
従来手法により算出した消費エネルギ推定結果を示す図。

実施例

0010

以下、図面を参照しながら本開示の一実施形態に係る抵抗推定装置、エネルギ推定装置、方法およびプログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行なうものとして、重ねての説明を省略する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る抵抗推定装置について図1のブロック図を参照して説明する。
本実施形態に係る抵抗推定装置100は、ブレーキ踏込量検出部101、駆動源出力検出部102、車両速度検出部103、車両特性データベース104(以下、車両特性DB104という)および抵抗算出部105を含む。

0011

ブレーキ踏込量検出部101は、ブレーキの制動力の強さを検出し、制動値を得る。本実施形態では、車両に備わるブレーキペダルに対するユーザの踏み込みを検出し、どの程度ブレーキペダルを踏み込んだかを表す踏込量を制動値として得る。なお、車両は、電気自動車を含む自動車など道路を走行する車両を想定するが、これに限らず、他の移動手段にも適用することができる。また、本実施形態では、制動手段としてブレーキペダルを想定し、制動力の強さを踏込量で判定するが、制動手段の制動力の強さを検出し制動値を取得できるものであれば、ボタン押下量などその他の検出基準でもよい。

0012

駆動源出力検出部102は、車両の駆動源の出力を検出し、出力値を得る。車両の駆動源は、エンジン電動機などである。出力値は、トルクと回転速度から算出することができる。
車両速度検出部103は、車両の走行時の速度を検出する。
車両特性DB104は、車両ごとに、車両の特性に関する情報である車両特性を格納する。車両特性は、例えば、車両の重量、空気抵抗係数、車両の前面投影面積、ブレーキペダルの踏込量と制動力との関係式を含む。

0013

抵抗算出部105は、ブレーキ踏込量検出部101から制動値を、駆動源出力検出部102から出力値を、車両速度検出部103から速度を、車両特性DB104から車両特性をそれぞれ受け取る。抵抗算出部105は、制動値、出力値、速度および車両特性に基づいて、車両が始動して速度が0(ゼロ)から変化する時点から車両が停止して速度がゼロとなる時点までの期間である走行期間において、車両が走行した路面に起因する抵抗である走行抵抗を算出する。

0014

次に、ブレーキペダルの踏込量と制動力との関係について図2を参照して説明する。
図2は、ブレーキの踏込量と制動力との関係を表す関係式のグラフである。縦軸は、制動力を示し、横軸は、ブレーキペダルの踏込量を示す。ブレーキペダルの遊び部分を除いて、踏込量に応じて制動力の強さが比例しており、踏込量に対応する制動力を制動値として得ることができる。このような関係式を車両ごとに生成し、車両特性DB104に記憶しておけばよい。

0015

次に、第1の実施形態に係る抵抗算出部105の走行抵抗算出処理について図3のフローチャートを参照して説明する。
なお、図3に示すステップS301から処理の計算周期は、例えば、数ミリ秒から数秒の間で設定することが望ましいが、これに限らず、さらに細かい周期計測するようにしてもよい。

0016

ステップS301では、速度がゼロかどうかを判定する。速度がゼロであるかどうかの判定は、車両速度検出部103からの速度に基づいて判定すればよい。速度がゼロであれば、ステップS304に進み、速度がゼロでない、すなわち車両が動いている状態であれば、ステップS302に進む。

0017

ステップS302では、状態フラグが停止状態であるかどうかを判定する。状態フラグは、車両の速度に基づいて決定されるフラグであり、例えば、車両が走行状態であれば1、車両が停止状態であれば0(ゼロ)とすればよい。状態フラグが停止状態であれば、ステップS303に進み、状態フラグが停止状態でない、すなわち状態フラグが走行状態であればステップS309に進む。

0018

ステップS303では、車両は停止状態であるので、踏込量、出力値、速度を記憶する。これらのデータは、例えばバッファに記憶すればよく、バッファの容量が最大となり、新たなデータを記憶できない場合は、最も古いデータを消去し、最新のデータを記憶するようにすればよい。バッファの容量は、駆動源の出力が変化してから車両の速度が変化するまでの時間に対応するデータを記憶できる容量以上とすることが望ましい。例えば、駆動源に出力が発生してから車両が始動するまでに0.1秒かかる車両では、抵抗算出部105の計算周期が0.01秒である場合、バッファの容量は10回分のデータが記憶できるように設定すればよい。ステップS303の処理が終了すると、ステップS301に戻り同様の処理を繰り返す。

0019

ステップS304では、状態フラグが停止状態であるかどうかを判定する。状態フラグが停止状態であれば、ステップS305に進み、状態フラグが停止状態でなければステップS308に進む。
ステップS305では、車両が停止状態から始動する段階であるので、状態フラグを走行状態に設定する。

0020

ステップS306では、踏込量、出力値、速度に基づいて、駆動源出力エネルギ、空気抵抗損失エネルギブレーキ損失エネルギおよび走行距離積算値を算出する。例えば、バッファに10計算周期分のデータが記憶されている場合は、その全てのデータについて積算処理を行う。
駆動源出力エネルギは、駆動源の出力エネルギであり、駆動源の出力トルクと角速度との積を時間積分した値である。空気抵抗損失エネルギは、空気抵抗による損失エネルギであり、空気抵抗力と車両速度との積を時間積分した値である。空気抵抗力は、車両特性DB104から得た空気抵抗係数および前面投影面積を用いて(1)式より算出することができる。

0021

なお、予め空気抵抗係数と前面投影面積との積を計算し、車両特性DB104に格納してもよい。また、空気密度は、本実施形態では定数とするが、標高に応じて変更するようにしてもよい。

0022

ブレーキ損失エネルギは、ブレーキの制動力による損失エネルギであり、制動値と速度との積を時間積分した値、または、ブレーキトルクブレーキ作用部の回転数との積を時間積分した値である。ブレーキ損失エネルギは、例えば、図2に示すグラフの関係式を用いて計算すればよい。なお、制動値は、ブレーキペダルの踏込量と制動力との関係を予め測定して、テーブル形式で車両特性DB104に格納しておき、ブレーキ踏込量検出部101で検出された踏込量に対する制動値を車両特性DB104から取得するようにしてもよい。または、ブレーキ損失エネルギを算出する際に、抵抗算出部105において速度から減速度を計算し、速度と減速度との関数として制動力を算出してもよい。
走行距離は、速度を時間積分することにより算出する。

0023

ステップS307では、バッファの容量を空けるため、踏込量、出力値、速度のデータを消去し、ステップS301に戻り同様の処理を繰り返す。

0024

ステップS308では、車両が走行状態であるので、ブレーキ踏込量検出部101、駆動源出力検出部102および車両速度検出部103で新たに検出された、踏込量、出力および速度のそれぞれに基づいて、駆動源出力エネルギ、空気抵抗損失エネルギ、ブレーキ損失エネルギおよび走行距離の積算値を更新する。ステップS308の処理が終了後、ステップS301に戻り同様の処理を繰り返す。

0025

ステップS309では、速度がゼロで、状態フラグが停止状態でない場合、すなわち車両が停止しようとする段階であり、速度がゼロになった継続時間閾値以上であるかどうかを判定する。閾値は、例えば、バッファフルとなるまでデータを記憶したときにかかった時間と同程度に設定すればよい。速度がゼロになった継続時間が閾値以上であれば、ステップS310に進み、速度がゼロになった時間が閾値未満であれば、車両がまだ停止していないとしてステップS308に進む。

0026

ステップS310では、車両が停止したと判定して、状態フラグを停止状態にする。

0027

ステップS311では、駆動源出力エネルギの積算値から空気抵抗損失エネルギの積算値およびブレーキ損失エネルギの積算値を減じることにより、道路勾配と転がり抵抗とを合わせた抵抗による損失エネルギの積算値を算出する。この積算値を走行距離の積算値で除算することにより、道路勾配と転がり抵抗とを合わせた走行抵抗を算出することができる。以上で、抵抗算出部105の動作を終了する。

0028

図3に示す抵抗算出部105の処理により、車両が始動し速度がゼロでなくなった時点よりも一定期間遡った時点から、車両が停止してから一定期間経過後の時点までの走行期間における、出力値、踏込量および速度に基づくことで、時間遅れの影響や検出系の雑音の影響を低減することができる。

0029

なお、車両が始動して速度がゼロでなくなった時点から車両が停止して速度がゼロになった時点までの期間において走行抵抗を算出してもよい。この場合は、ステップS303、ステップS307およびステップS309の処理を行わずに、ステップS302において、走行状態フラグが停止状態であればS301に戻り、ステップ走行状態フラグが停止状態でない、すなわち走行状態であれば、ステップS310に進む処理を行えばよい。

0030

以上に示した第1の実施形態によれば、車両が始動してから停止するまでの出力エネルギおよび損失エネルギに基づいて走行抵抗を算出することで、出力が変化してから車両速度が変化するまでの時間遅れの影響や検出系の雑音の影響を受けずに、安定的に精度よく走行抵抗を推定することができる。

0031

(第2の実施形態)
第2の実施形態では、補機消費されるエネルギを含めて抵抗力を算出する点が第1の実施形態と異なる。補機は、駆動エネルギ源から直接エネルギを得て動作する機器を示し、駆動エネルギ源から補助バッテリへの充電などが行われる場合は補助バッテリを補機とみなす

0032

第2の実施形態に係る抵抗推定装置について図4のブロック図を参照して説明する。
第2の実施形態に係る抵抗推定装置400は、ブレーキ踏込量検出部101、車両速度検出部103、駆動源出力検出部401、補機類検出部402、車両特性DB403および抵抗算出部404を含む。
ブレーキ踏込量検出部101、車両速度検出部103および車両特性DB104は、第1の実施形態と同様であるのでここでの説明を省略する。

0033

駆動源出力検出部401は、第1の実施形態に係る駆動源出力検出部102とほぼ同様であるが、ここでは、車両の駆動エネルギ源の出力を検出して、出力値を得る。駆動エネルギ源は、例えば二次電池であり、駆動エネルギ源の出力値は、例えば二次電池によって駆動される車両であれば二次電池の電圧値および電流値である。

0034

補機類検出部402は、各補機の稼働状態を検出する。補機の稼働状態とは、例えば灯火類であれば点灯であるか消灯であるかを示し、回転数が調整可能な電動コンプレッサであれば回転数を示す。

0035

車両特性DB403は、第1の実施形態に係る車両特性DB104に格納されるデータに加えて、補機の稼働状態と、仕事率(補機が電動である場合は消費電力)との対応が格納される。例えば、ヘッドライトが点灯している場合は、消費電力は50Wであるといったデータが格納される。

0036

抵抗算出部404は、ブレーキ踏込量検出部101から制動値を、駆動源出力検出部102から出力値を、車両速度検出部103から速度を、補機類検出部402から補機の稼働状態を、車両特性DB403から車両特性および補機の稼働状態に対応する仕事率をそれぞれ受け取る。抵抗算出部105は、制動値、出力値、速度、車両特性および補機の稼働状態に対応する仕事率に基づいて、走行期間における走行抵抗を算出する。

0037

次に、第2の実施形態に係る抵抗推定装置の動作について図5のフローチャートを参照して説明する。
ステップS501からステップS504までの処理以外は、図3に示すステップと同様であるので、ここでの説明を省略する。

0038

ステップS501では、踏込量、出力値、速度および補機の稼働状態をバッファに記憶する。

0039

ステップS502では、ステップS306と同様に算出した駆動源出力エネルギ、空気抵抗損失エネルギ、ブレーキ損失エネルギ、走行距離の積算値に加えて、補機損失エネルギの積算値を計算する。補機損失エネルギは、補機が稼働することにより消費される損失エネルギであり、バッファに記録された補機の稼働状態に対応する、車両特性DB403から取得した補機の仕事率(補機が電動である場合は消費電力)を時間積分することにより算出する。

0040

ステップS503では、駆動源出力エネルギ、空気抵抗損失エネルギ、ブレーキ損失エネルギ、補機損失エネルギおよび走行距離のそれぞれの積算値を更新する。

0041

ステップS504では、駆動源出力エネルギの積算値から、空気抵抗損失エネルギとブレーキ損失エネルギと補機損失エネルギとのそれぞれの積算値を減算することで、道路勾配と転がり抵抗を合わせた抵抗による損失エネルギの積算値を求める。この積算値を走行距離の積算値で除算することにより、走行抵抗を算出する。

0042

以上に示した第2の実施形態によれば、補機の稼働状態を含めて走行抵抗を算出することで、例えば電気自動車といった二次電池を駆動源として用いる場合でも、安定的に精度よく走行抵抗を推定することができる。

0043

(第3の実施形態)
第3の実施形態は、抵抗推定装置を含むエネルギ推定装置について説明する。抵抗推定装置を含むエネルギ推定装置により、車両の現在位置から目的地までの消費エネルギを正確に推定することができる。

0044

第3の実施形態に係るエネルギ推定装置について図6を参照して説明する。
第3の実施形態に係るエネルギ推定装置600は、ブレーキ踏込量検出部101、駆動源出力検出部102、車両速度検出部103、車両特性DB104、抵抗算出部105、位置情報取得部601、地図情報登録部602、地図情報データベース603(地図情報DB603ともいう)、予定経路取得部604および消費エネルギ算出部605を含む。
ブレーキ踏込量検出部101、駆動源出力検出部102、車両速度検出部103、車両特性DB104および抵抗算出部105については、上述の実施形態と同様の処理を行うのでここでの説明を省略する。

0045

位置情報取得部601は、例えばGPS受信機などから、車両の位置情報を示す自車位置情報を取得する。
地図情報登録部602は、抵抗算出部105から走行抵抗を、位置情報取得部601から自車位置情報をそれぞれ受け取り、自車位置情報に基づいて走行した経路と走行抵抗とを関連付けて地図データベースに登録する。
地図情報DB603は、地図データベースを格納し、地図情報登録部602からの指示により、地図データベース上の経路と走行抵抗とを対応付けて格納する。
予定経路取得部604は、ユーザからの入力により、現在位置から目的地までの経路である予定経路を取得する。
消費エネルギ算出部605は、車両特性DB104から車両特性を、地図情報DB603から地図データベースに対応付けられる走行抵抗を、予定経路取得部604から予定経路をそれぞれ受け取る。消費エネルギ算出部605は、予定経路に対応する走行抵抗に基づいて、予定経路を車両が走行する際に消費されるエネルギである消費エネルギを算出する。

0046

次に、地図情報登録部602における登録処理について図7のフローチャートを参照して説明する。なお、登録処理の計算周期は、抵抗算出部105の計算周期と同じか、または抵抗算出部105の計算周期よりも長い周期とすることが望ましい。

0047

ステップS701では、前回の計算周期から今回の計算周期の間において状態フラグが停止から走行に変化しているかどうかを判定する。状態フラグの判定は、抵抗算出部105において状態フラグが変化した場合に地図情報登録部602が受け取るようにすればよい。状態フラグが停止状態から走行状態に変化した場合は、ステップS702に進み、状態フラグが停止状態のまま変化していない場合は、ステップS703に進む。

0048

ステップS702では、状態フラグが停止状態から走行状態に変化したときの自車位置情報が示す現在位置を始点位置としてバッファに記憶し、ステップS701に戻り同様の処理を繰り返す。

0049

ステップS703では、状態フラグが走行状態から停止状態に変化したかどうかを判定する。状態フラグが走行状態から停止状態に変化した場合は、ステップS704に進み、状態フラグが走行状態のまま変化していない場合は、ステップS701に戻り同様の処理を繰り返す。

0050

ステップS704では、状態フラグが停止状態となった時点の自車位置を終点位置として、バッファに一時的に保存し、始点位置、終点位置、および走行抵抗とを関連付けて、地図データベースに登録する。なお、地図データベースに登録する走行抵抗は、走行抵抗そのものであってもよいし、走行抵抗を車両に働く重力で除算した抵抗係数であってもよい。以上で地図情報登録部602の処理を終了する。

0051

次に、消費エネルギ算出部605の動作について図8のフローチャートを参照して説明する。
ステップS801では、予定経路取得部604から取得した予定経路について、予定経路を走行する際の速度パターンを取得する。速度パターンは、予定経路を走行するときに想定される速度情報である。速度パターンは、例えば、走行開始からの経過時間と速度との関係であればよく、外部から取得してもよいし、地図情報DB603に経路と速度パターンとを対応付けて予め格納してもよい。また、移動距離と速度との関係を求め、(2)式により、時刻と速度との関係に換算して算出してもよい。

0052

ステップS802では、速度から加速度を算出する。

0053

ステップS803では、車両が走行を開始した時点からステップS802での計算を行なう時点までの速度を時間積分することで、車両位置を算出する。

0054

ステップS804では、ステップS802で算出した車両位置に基づいて、地図データベースから走行抵抗を取得する。なお、地図情報DB603から取得した走行抵抗が抵抗係数である場合、車両特性DB104から取得した車量の重量(車重ともいう)および重力加速度を乗じて走行抵抗を算出する。この場合の走行抵抗は、例えば以下の(3)式を用いて算出すればよい。

0055

走行抵抗[N]=抵抗係数×車重[kg]×重力加速度[m/s2] (3)
ステップS805では、車両特性DB104から取得した空気抵抗係数および前面投影面積と、速度パターンから得られる速度から、(4)式を用いて空気抵抗力を計算する。

0056

ステップS806では、ステップS802で算出した加速度と、車両特性DB104から取得した車量の重量を乗算して、加速抵抗力を計算する。
ステップS807では、走行抵抗と空気的抗力と加速抵抗力との和に車速を乗算することで駆動源の出力を算出する。駆動源の出力を速度パターンの時間間隔で時間積分することで、速度パターンにおける前の時刻と現在の時刻との間の消費エネルギを算出する。なお、車両特性DB104に駆動源および動力伝達系の効率が含まれる場合、駆動源の出力を効率で除算することにより、駆動源に入力される仕事率(電動機の場合は電力)を求めることができ、消費エネルギの推定がより正確になる。

0057

ステップS808では、速度パターンにおける全ての時刻について計算したかどうかを判定する。速度パターンにおける全ての時刻について計算していれば処理を終了する。速度パターンにおける全ての時刻について計算していなければ、ステップS802に戻り、速度パターンが与えられた各時刻に対して、以下のステップS802からステップS808までの処理を行うように、処理を繰り返す。最終的に速度パターンの各時刻の消費エネルギを積算することで、予定経路の消費エネルギを算出することができる。

0058

以上に示した第3の実施形態によれば、地点による変動が大きい転がり抵抗および勾配抵抗に関する走行抵抗を用いて消費エネルギを算出することで、消費エネルギの推定精度を大幅に向上させることができる。

0059

(第4の実施形態)
第4の実施形態では、車両の走行条件を考慮して消費エネルギを算出する点が上述の実施形態とは異なる。
第4の実施形態に係るエネルギ推定装置について図9のブロック図を参照して説明する。
第4の実施形態に係るエネルギ推定装置900は、ブレーキ踏込量検出部101、駆動源出力検出部102、車両速度検出部103、車両特性DB104、抵抗算出部105、位置情報取得部601、地図情報DB603、予定経路取得部604、走行条件取得部901、地図情報登録部902および消費エネルギ算出部903を含む。

0060

ブレーキ踏込量検出部101、駆動源出力検出部102、車両速度検出部103、車両特性DB104、抵抗算出部105、位置情報取得部601、地図情報DB603および予定経路取得部604は、上述した実施形態と同様の動作を行うので、ここでの説明は省略する。

0061

走行条件取得部901は、外部から車両の走行条件を取得する。走行条件は、車両が走行するときの状況であり、例えば、天候、タイヤ空気圧路面状態を含む情報である。走行条件は、外部のセンサから取得すればよく、例えば、温度や湿度などの天候であれば、外気温および湿度を計測する温度計および湿度計計測値を用いればよく、降雨の有無であれば、フロントガラスへの水滴の付着を判定する光学センサを用いればよい。タイヤの空気圧であれば、タイヤの空気圧を計測する空気圧計を用いればよい。また、路面状態であれば、路面の湿潤状態を計測する光学センサを用いればよい。

0062

地図情報登録部902は、第3の実施形態に係る地図情報登録部602とほぼ同様であるが、地図情報DB603に走行抵抗を登録する際の情報として、始点位置、終点位置、走行抵抗に加えて、走行条件取得部901から受け取った走行条件も併せて地図データベースに登録する点が異なる。

0063

消費エネルギ算出部903は、第3の実施形態に係る消費エネルギ算出部605とほぼ同様であるが、走行条件取得部901から現在の走行条件を受け取り、地図情報DB603から予定経路および走行条件に近い走行抵抗を取得し、取得した予定経路と予定経路に対応する走行条件とに基づいて消費エネルギを算出する点が異なる。

0064

以上に示した第4の実施形態によれば、走行抵抗を算出したときの車両の走行条件を併せて地図情報に登録することで、車両が走行する際の気候路面状況などと近い走行条件における走行抵抗に基づいて消費エネルギを算出することができ、消費エネルギの推定精度をさらに向上させることができる。

0065

(第5の実施形態)
第5の実施形態では、地図情報DBをサーバに格納し、抵抗推定装置を含む各車両がネットワークを介してサーバと通信する点が上述の実施形態と異なる。

0066

第5の実施形態に係るエネルギ推定システムの概念図について図10を参照して説明する。
図10に示すエネルギ推定システム1000は、車両1001−1、1001−2、1001−3、サーバ1002および通信ネットワーク1003を含む。なお、ここでは、車両1001が3台の場合を示すが、4台以上でも2台以下でもよい。

0067

車両1001−1、1001−2および1001−3はそれぞれ、上述した抵抗推定装置を含み、実際に走行した際の経路情報と、走行した経路に対応する走行抵抗とを通信ネットワーク1003を介して送信する。また、車両1001−1から1001−3は、サーバ1002に対して、予定経路に対応する走行抵抗を通信ネットワーク1003を介して要求する。

0068

サーバ1002は、複数の車両1001から、経路情報および対応する走行抵抗を通信ネットワーク1003を介して受け取り、経路情報と走行抵抗とを対応付けて格納する。また、サーバ1002は車両1001からの予定経路に対応する走行抵抗の要求に応じて、予定経路の走行抵抗を通信ネットワーク1003を介して送信する。

0069

なお、各車両1001は、経路情報と走行抵抗とを送信する際に、自身の車両特性を併せて送信してもよい。サーバ1002は、車両特性も併せて地図データベースに登録することで、走行抵抗を要求する車両の特性に近い車両特性に関連する走行抵抗を提示することができ、消費エネルギの推定精度を高めることができる。

0070

次に、第5の実施形態に係るエネルギ推定システム1000について図11のブロック図を参照して説明する。
第5の実施形態に係るエネルギ推定システム1000は、車両1001とサーバ1002とを含む。

0071

車両1001は、ブレーキ踏込量検出部101、駆動源出力検出部102、車両速度検出部103、車両特性DB104、抵抗算出部105、位置情報取得部601、地図情報登録部602、予定経路取得部604、消費エネルギ算出部605および地図情報取得部1101を含む。サーバ1002は、地図情報DB603を含む。

0072

ブレーキ踏込量検出部101、駆動源出力検出部102、車両速度検出部103、車両特性DB104、抵抗算出部105、位置情報取得部601、地図情報登録部602、地図情報DB603、予定経路取得部604および消費エネルギ算出部605は、上述の実施形態と同様であるのでここでの説明は省略する。

0073

地図情報取得部1101は、予定経路に対応する走行抵抗をサーバ1002に要求し、サーバ1002から予定経路および走行抵抗を取得する。

0074

以上に示した第5の実施形態によれば、複数の車両が走行した地点の走行抵抗を共有できるため、地図データベースにおける経路の網羅率が高まるので、より正確の消費エネルギを推定することができる。

0075

(第6の実施形態)
第6の実施形態では、同一経路を双方向から走行した場合の走行抵抗を登録する点が異なる。

0076

第6の実施形態に係るエネルギ推定装置のブロック図については、図9に示すエネルギ推定装置900のブロック図と同様であるので説明を省略する。

0077

同一経路を双方向から走行することの概念について図12を参照して説明する。
図12は、1つの経路1201であり、AからDの方向へ向かう第1方向、および、DからAの方向へ向かう第1方向とは逆方向となる第2方向により、同一経路を双方向から走行する場合を想定する。なお、同一の経路とは、始点と終点が完全に一致する場合のみでなく、経路の一部が一致する場合も含む。経路の一部が一致するとは、始点がAであり終点がCである経路1202と、始点がDであり終点がBである経路1203のような場合を示し、この場合には、BからCまでの経路が双方向であると判定する。

0078

第6の実施形態に係る地図情報登録部902の動作について図13のフローチャートを参照して説明する。なお、ステップS1301からステップS1304まで以外のステップは、図7に示すステップと同様であるので説明を省略する。

0079

ステップS1301では、位置情報取得部601で取得した現在位置を終点位置とする。

0080

ステップS1302では、始点位置、終点位置を指定して地図情報DB603を参照し、同一の経路を逆方向に走行した際の走行抵抗が地図データベースに存在するかどうかを判定する。同一経路を逆方向に走行した際の走行抵抗が存在する場合、ステップS1303に進み、同一経路を逆方向に走行した際の走行抵抗が存在しない場合は、ステップS704に進む。
ステップS1303では、抵抗算出部105で算出した走行抵抗と、地図情報DB603から取得した同一経路を逆方向に走行した際の走行抵抗とから転がり抵抗係数および道路勾配を計算する。転がり抵抗係数は、車両が走行するときに路面との摩擦やタイヤの変形によって生じる抵抗をタイヤにかかる垂直抗力正規化した係数を表し、道路勾配は、路面の勾配を表す。なお、ここでは走行抵抗と転がり抵抗係数および道路勾配とは、それぞれを車量の重量および重力速度で除算した抵抗係数の形式で表されているものとする。
転がり抵抗係数および道路勾配の具体的な計算方法としては、まず道路勾配を算出し、次に転がり抵抗係数を算出する。双方向の走行抵抗を比較し、大きい方の値から小さい方の値を減じ、2で除算して、逆正弦をとった値が道路勾配となる。値が大きい方の走行抵抗の抵抗係数をA、小さい方の走行抵抗の抵抗係数をBとすると、道路勾配は以下の(5)式で表せる。なお、抵抗係数が大きいほうが上り勾配、抵抗係数が小さい方が下り勾配となる。

0081

双方向の抵抗係数の平均を、勾配の余弦で除算したものが転がり抵抗係数となる。転がり抵抗係数の算出式は以下の(6)式となる。

0082

ステップS1304では、始点位置および終点位置と、転がり抵抗係数および道路勾配とを関連付けて地図情報DB603に登録する。この際、抵抗算出部105から算出された走行抵抗もあわせて登録してもよい。また、この際、同一経路を逆方向に走行したデータについても転がり抵抗係数、道路勾配を地図情報DB603に追加登録する。以上で地図情報登録部902の動作を終了する。

0083

次に、第6の実施形態に係る消費エネルギ算出部903の動作について図14のフローチャートを参照して説明する。
第6の実施形態に係る消費エネルギ算出部903の処理は、ステップS1401およびステップS1402以外の処理は、図8に示すフローチャートと同様であるので説明を省略する。

0084

ステップS1401では、地図情報DB603から取得される転がり抵抗、道路勾配の情報が2つを合わせた抵抗係数ではなく、転がり抵抗係数および道路勾配の2つの値を取得する。

0085

ステップS1402では、以下の(7)式および(8)式から転がり抵抗力、勾配抵抗力をそれぞれ求める。

0086

転がり抵抗力[N]=転がり抵抗係数×車重[kg]×重力加速度[m/s2]×cos(道路勾配) (7)
勾配抵抗力[N]=車重[kg]×重力加速度[m/s2]×sin(道路勾配) (8)
次に、上述した実施形態における消費エネルギ算出装置により算出した消費エネルギの推定結果を図15に示す。

0087

図15の横軸は時刻であり、左の縦軸は車速、右の縦軸は消費電力である。図中の細線1501が速度を示し、太い破線1502が実際に車両(電気自動車)で該当する経路を走行したときの消費エネルギ(消費電力)を示し、太線1503がエネルギ推定装置で推定した消費電力を示す。一点鎖線1504で示したのは、地図情報DBから取得した勾配情報である。走行した経路は前半が上り勾配、後半が下り勾配である。図15に示すように、走行した経路においてシミュレーションの消費電力と実際の消費電力との差分が小さく、消費エネルギが精度よく推定されている。

0088

以上に示した第6の実施形態によれば、同一経路を双方向から走行した場合の走行抵抗について、転がり抵抗係数と、道路勾配とを切り分けて算出することにより、転がり抵抗係数および道路勾配をより一般化することができ、消費エネルギをさらに精度よく推定することができる。

0089

(比較例)
一方、比較例として、転がり抵抗および道路勾配の地点による変動がないと想定する従来手法により、算出した消費エネルギ推定結果を図16に示す。

0090

図16に示すように、後半の道路勾配において、シミュレーションの消費エネルギと実際の消費電力との差分が大きく、消費エネルギの推定精度が低いことがわかる。

0091

一方、上述した実施形態におけるエネルギ推定装置により算出した消費エネルギは、図15に示すように後半の道路勾配でも正確であり、図15図16とを比較すると、格段に消費エネルギの推定精度が向上していることがわかる。

0092

上述の実施形態の中で示した処理手順に示された指示は、ソフトウェアであるプログラムに基づいて実行されることが可能である。汎用計算機システムが、このプログラムを予め記憶しておき、このプログラムを読み込むことにより、上述した抵抗推定装置およびエネルギ推定装置による効果と同様な効果を得ることも可能である。上述の実施形態で記述された指示は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスクフレキシブルディスクハードディスクなど)、光ディスクCD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD±R、DVD±RW、Blu−ray(登録商標)Discなど)、半導体メモリ、又はこれに類する記録媒体に記録される。コンピュータまたは組み込みシステム読み取り可能な記録媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。コンピュータは、この記録媒体からプログラムを読み込み、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させれば、上述した実施形態の抵抗推定装置およびエネルギ推定装置と同様な動作を実現することができる。もちろん、コンピュータがプログラムを取得する場合又は読み込む場合はネットワークを通じて取得又は読み込んでもよい。
また、記録媒体からコンピュータや組み込みシステムにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワーク等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
さらに、本実施形態における記録媒体は、コンピュータあるいは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記録媒体も含まれる。
また、記録媒体は1つに限られず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も、本実施形態における記録媒体に含まれ、媒体の構成は何れの構成であってもよい。

0093

なお、本実施形態におけるコンピュータまたは組み込みシステムは、記録媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するためのものであって、パソコンマイコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
また、本実施形態におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本実施形態における機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。

0094

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0095

100,400・・・抵抗推定装置、101・・・ブレーキ踏込量検出部、102,401・・・駆動源出力検出部、103・・・車両速度検出部、104,403・・・車両特性データベース(車両特性DB)、105,404・・・抵抗算出部、402・・・補機類検出部、600,900・・・エネルギ推定装置、601・・・位置情報取得部、602,902・・・地図情報登録部、603・・・地図情報データベース(地図情報DB)、604・・・予定経路取得部、605,903・・・消費エネルギ算出部、901・・・走行条件取得部、1000・・・エネルギ推定システム、1001・・・車両、1002・・・サーバ、1003・・・通信ネットワーク、1101・・・地図情報取得部、1201,1202,1203・・・経路、1501・・・細線、1502・・・破線、1503・・・太線、1504・・・点線

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