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技術 貴金属触媒の製造方法および貴金属触媒

出願人 国立大学法人東北大学
発明者 亀岡聡蔡安邦若林慧
出願日 2013年8月6日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2013-163196
公開日 2015年2月16日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2015-029974
状態 特許登録済
技術分野 触媒
主要キーワード X線回折法 リーチング処理 基金属間化合物 Cu系化合物 流通条件 銅ハース 準結晶 g製造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年2月16日)のものです。
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図面 (6)

課題

様々な担体に、貴金属粒子を均一に高分散化させることができる貴金属触媒の製造方法および貴金属触媒を提供する。

解決手段

Al100−(x+y)M1xM2y(ただし、M1はTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,WおよびReのうちの少なくとも1つの金属、M2はAu,Pt,Ir,Ag,Pd,Rh,Ru,NiおよびCuのうちの少なくとも1つの金属、10原子%≦x≦30原子%、0原子%<y≦10原子%)で示される組成のAl基金属間化合物(ただし、Al−Co−Cu系化合物を除く)のインゴット粉砕、またはフレーク状またはリボン状にした後、5〜20質量%濃度のNaOH水溶液リーチング処理を行う。リーチング処理により、Al基金属間化合物からAlを溶出させ、金属M1の酸化物粒子または水酸化物粒子に、金属M2の粒子が均一に分散した複合粒子を形成する。

概要

背景

貴金属は、その反応性の高さから、酸化水素化、脱水素化、NOx分解・還元等のさまざまな反応系の触媒として用いられている。しかし、貴金属は高価であり、また資源量も少ないため、その使用量の低減が重要課題の一つとなっている。従来の貴金属を担持した触媒は、使用貴金属量あたりの表面積最大限にするために、酸化物などの担体貴金属粒子ナノ粒子状態で分散担持させたものが一般的である。

このような従来の担持貴金属触媒は、含浸法ゾルゲル法析出沈殿法などの様々な方法により調製されている(例えば、非特許文献1参照)。その際、貴金属原料として、塩化物硝酸塩アミン等の無機または有機金属塩や、アセチルアセトナート等の金属錯体を用いており、金属化の過程で加熱による貴金属の前駆物質の分解や還元処理を行っている(例えば、特許文献1または2参照)。また、貴金属の塩または錯体アルコール類などで液相還元させてカーボンに担持させる、温和な条件下での製造方法も用いられている(例えば、特許文献3参照)。また、本発明者等により、Al100−a−bCuaCob(ただし、5原子%≦a≦30原子%、5原子%≦b≦25原子%)で示される組成準結晶Al合金インゴット粉砕した後、リーチング処理する銅触媒の製造方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。

なお、貴金属として金を担持した触媒試料は、ワールドゴールドカウシル(World Gold Council;WGC)が標準触媒試料として提供しており、比較的容易に入手することができる(例えば、非特許文献2参照)。

概要

様々な担体に、貴金属粒子を均一に高分散化させることができる貴金属触媒の製造方法および貴金属触媒を提供する。Al100−(x+y)M1xM2y(ただし、M1はTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,WおよびReのうちの少なくとも1つの金属、M2はAu,Pt,Ir,Ag,Pd,Rh,Ru,NiおよびCuのうちの少なくとも1つの金属、10原子%≦x≦30原子%、0原子%<y≦10原子%)で示される組成のAl基金属間化合物(ただし、Al−Co−Cu系化合物を除く)のインゴットを粉砕、またはフレーク状またはリボン状にした後、5〜20質量%濃度のNaOH水溶液でリーチング処理を行う。リーチング処理により、Al基金属間化合物からAlを溶出させ、金属M1の酸化物粒子または水酸化物粒子に、金属M2の粒子が均一に分散した複合粒子を形成する。

目的

本発明は、このような課題に着目してなされたもので、様々な担体に、貴金属粒子を均一に高分散化させることができる貴金属触媒の製造方法および貴金属触媒を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

Al100−(x+y)M1xM2y(ただし、M1はTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,WおよびReのうちの少なくとも1つの金属、M2はAu,Pt,Ir,Ag,Pd,Rh,Ru,NiおよびCuのうちの少なくとも1つの金属、10原子%≦x≦30原子%、0原子%<y≦10原子%)で示される組成のAl基金属間化合物(ただし、Al−Co−Cu系化合物を除く)のインゴット粉砕した後、アルカリ水溶液リーチング処理することを特徴とする貴金属触媒の製造方法。

請求項2

Al100−(x+y)M1xM2y(ただし、M1はTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,WおよびReのうちの少なくとも1つの金属、M2はAu,Pt,Ir,Ag,Pd,Rh,Ru,NiおよびCuのうちの少なくとも1つの金属、10原子%≦x≦30原子%、0原子%<y≦10原子%)で示される組成のAl基金属間化合物(ただし、Al−Co−Cu系化合物を除く)のインゴットを、液体急冷法によりフレーク状またはリボン状にした後、アルカリ水溶液でリーチング処理することを特徴とする貴金属触媒の製造方法。

請求項3

前記リーチング処理により、金属M1の酸化物粒子または水酸化物粒子に、金属M2の粒子が均一に分散した複合粒子を形成することを特徴とする請求項1または2記載の貴金属触媒の製造方法。

請求項4

前記Al基金属間化合物を、5〜20質量%濃度のNaOH水溶液でリーチング処理することにより、前記Al基金属間化合物からAlを溶出させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の貴金属触媒の製造方法。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貴金属触媒の製造方法で製造されることを特徴とする貴金属触媒。

技術分野

0001

本発明は、貴金属触媒の製造方法および貴金属触媒に関する。

背景技術

0002

貴金属は、その反応性の高さから、酸化水素化、脱水素化、NOx分解・還元等のさまざまな反応系の触媒として用いられている。しかし、貴金属は高価であり、また資源量も少ないため、その使用量の低減が重要課題の一つとなっている。従来の貴金属を担持した触媒は、使用貴金属量あたりの表面積最大限にするために、酸化物などの担体貴金属粒子ナノ粒子状態で分散担持させたものが一般的である。

0003

このような従来の担持貴金属触媒は、含浸法ゾルゲル法析出沈殿法などの様々な方法により調製されている(例えば、非特許文献1参照)。その際、貴金属原料として、塩化物硝酸塩アミン等の無機または有機金属塩や、アセチルアセトナート等の金属錯体を用いており、金属化の過程で加熱による貴金属の前駆物質の分解や還元処理を行っている(例えば、特許文献1または2参照)。また、貴金属の塩または錯体アルコール類などで液相還元させてカーボンに担持させる、温和な条件下での製造方法も用いられている(例えば、特許文献3参照)。また、本発明者等により、Al100−a−bCuaCob(ただし、5原子%≦a≦30原子%、5原子%≦b≦25原子%)で示される組成準結晶Al合金インゴット粉砕した後、リーチング処理する銅触媒の製造方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。

0004

なお、貴金属として金を担持した触媒試料は、ワールドゴールドカウシル(World Gold Council;WGC)が標準触媒試料として提供しており、比較的容易に入手することができる(例えば、非特許文献2参照)。

0005

触媒学会編、「触媒便覧」、講談社、2008年、p.263-267
Gold referencecatalysts, Gold Bulletin, 2003年, No.36, p.24

先行技術

0006

特開2001−79402号公報
特開2005−314739号公報
特開2003−320249号公報
特開2004−267878号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1および2に記載の貴金属触媒の製造方法では、金属化を行う際の加熱過程で、貴金属粒子の凝集が起こるため、貴金属粒子の分散性が悪く、粒子径も不均一になるという課題があった。また、特許文献3に記載の貴金属触媒の製造方法では、担体がカーボンに制限されるという課題があった。また、特許文献4に記載の銅触媒の製造方法では、高分散化したCu粒子が得られるが、担体がCoを含むものに限定されるという課題があった。

0008

本発明は、このような課題に着目してなされたもので、様々な担体に、貴金属粒子を均一に高分散化させることができる貴金属触媒の製造方法および貴金属触媒を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明に係る貴金属触媒の製造方法は、Al100−(x+y)M1xM2y(ただし、M1はTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,WおよびReのうちの少なくとも1つの金属、M2はAu,Pt,Ir,Ag,Pd,Rh,Ru,NiおよびCuのうちの少なくとも1つの金属、10原子%≦x≦30原子%、0原子%<y≦10原子%)で示される組成のAl基金属間化合物(ただし、Al−Co−Cu系化合物を除く)のインゴットを粉砕した後、アルカリ水溶液でリーチング処理することを特徴とする。

0010

また、本発明に係る貴金属触媒の製造方法は、Al100−(x+y)M1xM2y(ただし、M1はTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,WおよびReのうちの少なくとも1つの金属、M2はAu,Pt,Ir,Ag,Pd,Rh,Ru,NiおよびCuのうちの少なくとも1つの金属、10原子%≦x≦30原子%、0原子%<y≦10原子%)で示される組成のAl基金属間化合物(ただし、Al−Co−Cu系化合物を除く)のインゴットを、液体急冷法によりフレーク状またはリボン状にした後、アルカリ水溶液でリーチング処理してもよい。

0011

本発明に係る貴金属触媒の製造方法は、Al−M1の一部を貴金属M2で置換したAl基金属間化合物の合金を前駆物質とし、これをアルカリ水溶液でリーチング処理することにより、Alを選択的に溶出させる。この工程において、金属M1が酸化物または水酸化物に変化し、貴金属M2はそのまま残留するため、加熱処理を必要とせずに、高分散担持貴金属触媒を得ることができる。加熱処理を行わないため、貴金属M2の粒子が凝集せず、金属M1の酸化物または水酸化物から成る担体に、均一な粒子径の貴金属粒子を均一に高分散化させることができる。

0012

このように、本発明に係る貴金属触媒の製造方法は、前記リーチング処理により、金属M1の酸化物粒子または水酸化物粒子に、金属M2の粒子が均一に分散した複合粒子を形成することができる。本発明に係る貴金属触媒の製造方法は、加熱処理を行わないため、従来の調製法と比べて簡便であり、貴金属粒子を様々な担体に安定して高分散化させることができる。また、貴金属粒子を均一に高分散化させることができるため、貴金属の担持効率を高めることができ、貴金属使用量の低減化を図ることができる。

0013

本発明に係る貴金属触媒の製造方法で、Al基金属間化合物は、単一相結晶合金であることが好ましく、単一相結晶合金になるよう、金属M1と金属M2の含有率x,yがそれぞれ、10原子%≦x≦30原子%、0原子%<y≦10原子%となっている。Al基金属間化合物の組成は、特に、21.5原子%≦x≦26原子%、0.5原子%<y≦4原子%であることが好ましい。この場合、組成割合x,yがそれぞれの下限未満では、十分な触媒活性が得られなくなる傾向にある。また、x,yがそれぞれの上限を超えると、単一な金属間化合物相を得にくくなるばかりでなく、高分散状態も得られにくくなる傾向にある。

0014

本発明に係る貴金属触媒の製造方法は、リーチング処理の前に、Al基金属間化合物のインゴットを粉砕することにより、リーチング効率を高めることができる。また、さらに金属M2の置換組成範囲を広げ、ハンドリング性を良くするために、Al基金属間化合物のインゴットを粉砕する代わりに、液体急冷法によりフレーク状またはリボン状に形成してもよい。本発明に係る貴金属触媒の製造方法で、金属M1は、リーチング処理によりイオンにならず、酸化物または水酸化物になる金属であればいかなるものであってもよく、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,WおよびReのうちの少なくとも1つの金属から成っている。リーチング処理は、pHが12以上のアルカリ水溶液で行うことが好ましい。

0015

また、本発明に係る貴金属触媒の製造方法は、前記Al基金属間化合物を、5〜20質量%濃度のNaOH水溶液でリーチング処理することにより、前記Al基金属間化合物からAlを溶出させることが好ましい。この場合、効率良くAlを溶出させることができ、貴金属粒子を安定して高分散化させることができる。

0016

本発明に係る貴金属触媒は、本発明に係る貴金属触媒の製造方法で製造されることを特徴とする。
本発明に係る貴金属触媒は、本発明に係る貴金属触媒の製造方法で製造されるため、金属M1の酸化物または水酸化物から成る担体に、均一な粒子径の貴金属粒子が均一に高分散化されている。本発明に係る貴金属触媒は、従来の調製法で得られる触媒と比べ、貴金属粒子の分散性が高く、高活性で性能が高い。なお、貴金属は、金属ナノ粒子状態で分散している。

発明の効果

0017

本発明によれば、様々な担体に、貴金属粒子を均一に高分散化させることができる貴金属触媒の製造方法および貴金属触媒を提供することができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法により得られた貴金属触媒の、(a)リーチング処理前、(b)リーチング処理後のX線回折パターンである。
本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法により得られた、Auを含む貴金属触媒の、CO酸化反応試験の結果を示すグラフである。
本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法により得られた、異なる貴金属を含む貴金属触媒の、CO酸化反応試験の結果を示すグラフである。
本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法により得られた、実施例3の貴金属触媒の透過型電子顕微鏡TEM写真明視野像)である。
本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法により得られた実施例3の貴金属触媒、および比較例2の触媒の細孔分布曲線を示すグラフである。

実施例

0019

以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法では、まず、Al基金属間化合物のAl100−(x+y)M1xM2y(ただし、M1はTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,WおよびReのうちの少なくとも1つの金属、M2はAu,Pt,Ir,Ag,Pd,Rh,Ru,NiおよびCuのうちの少なくとも1つの金属、10原子%≦x≦30原子%、0原子%<y≦10原子%)を形成する。そのために、Alと金属M1と貴金属M2とを、所望のAl基金属間化合物の組成になるよう量し、その各原料水冷した銅ハース内に入れて、アルゴン雰囲気下でアーク溶解する。そのまま銅ハース内で冷却することにより、Al基金属間化合物のインゴットを得る。

0020

次に、得られたインゴットに対して、単ロール液体急冷装置(例えば、株式会社真壁技研製「RQM−T−20」)で液体急冷法を行うことにより、フレーク状またはリボン状のAl基金属間化合物を得る。このフレーク状またはリボン状のAl基金属間化合物を、10wt%のNaOH(水酸化ナノリウム)水溶液投入して、室温で4時間攪拌してリーチング処理を行い、Al基金属間化合物からAlを溶出させる。このとき、NaOH水溶液の量は、例えば、5gのAl基金属間化合物に対して、500gである。その後、吸引濾過により水溶液中から残留物を取り出し、それを洗浄して、40℃で12時間乾燥する。これにより、金属M1の酸化物粒子または水酸化物粒子に、金属M2のナノ粒子が均一に分散した複合粒子、すなわち本発明の実施の形態の貴金属触媒が得られる。

0021

なお、インゴットのAl基金属間化合物を、液体急冷法によりフレーク状またはリボン状にする代わりに、平均一次粒子径が100〜200μm程度になるよう微粉末状に粉砕し、その粉砕物に対して、リーチング処理を行ってもよい。この場合にも、本発明の実施の形態の貴金属触媒が得られる。

0022

このように、本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法は、Al−M1の一部を貴金属M2で置換したAl基金属間化合物の合金を前駆物質とし、これをアルカリ水溶液でリーチング処理することにより、Alを選択的に溶出させる。この工程において、金属M1が酸化物または水酸化物に変化し、貴金属M2はそのまま残留するため、加熱処理を必要とせずに、高分散担持貴金属触媒を得ることができる。加熱処理を行わないため、貴金属M2の粒子が凝集せず、金属M1の酸化物または水酸化物から成る担体に、均一な粒子径の貴金属ナノ粒子を均一に高分散化させることができる。

0023

本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法は、加熱処理を行わないため、従来の調製法と比べて簡便であり、貴金属粒子を様々な担体に安定して高分散化させることができる。また、貴金属粒子を均一に高分散化させることができるため、貴金属の担持効率を高めることができ、貴金属使用量の低減化を図ることができる。本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法により得られた本発明の実施の形態の貴金属触媒は、従来の調製法で得られる触媒と比べ、貴金属粒子の分散性が高く、高活性で性能が高い。

0024

状態評価および特性評価試験試料
本発明の実施の形態の貴金属触媒について、状態評価のための粉末X線回折試験、および特性評価のためのCO酸化反応試験を行った。一般に、金属がナノ粒子化すると回折ピークブロード化するため、状態評価のためにXRD法(X線回折法)を用いた。また、Au触媒は、ナノ粒子化して初めて高いCO酸化活性を示すため、ナノ粒子化状態の特性評価のためにCO酸化反応を行った。

0025

本発明の実施の形態の貴金属触媒の試験試料として、本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法を用いて、表1に示す実施例1〜7を準備した。各試料とも、前駆物質のAl基金属間化合物を5g製造し、使用している。なお、表1中のAlの溶出量とは、Al基金属間化合物中のAl全量に対する、リーチング処理によるAlの溶出量を表している。

0026

0027

また、比較のため、表1に示す比較例1〜2も準備した。比較例1は、原料の組成以外は、本発明の実施の形態の貴金属触媒の製造方法と同様の方法で製造している。比較例2は、ワールド・ゴールド・カウンシルが提供している標準触媒試料Au−Fe2O3(No.82C,#02−05;金担持量4.4重量%) 5gに対して、水素雰囲気下で、250oCで1時間の還元処理を行って、Au−Fe3O4の状態にしたものである。

0028

X線回折試験]
実施例1〜5、比較例1を用いて、リーチング処理前のAl基金属間化合物、およびリーチング処理後の貴金属触媒について、それぞれX線回折試験を行った。このX線回折試験の結果を、図1に示す。なお、比較例2の触媒はリーチング処理を行っていないが、比較例2の触媒についてもX線回折試験を行い、図1(b)に示している。

0029

図1(a)に示すように、リーチング処理前のAl基金属間化合物において、Auの組成が1原子%程度までの実施例1〜3では、比較例1と同じ回折ピークパターンを示していることから、Auが構造骨格中に置換されていることが確認された。また、Auの組成が4原子%以上の実施例4〜5では、実施例1〜3や比較例1とは異なる回折ピークパターンを示していることから、他の相が形成されてきていることが確認された。

0030

また、図1(b)に示すように、アルカリ水溶液中でリーチング処理を行うと、実施例1〜5では、比較例2と同様の回折ピークパターンを示していることから、母相消滅してすべてAuおよびFe3O4に変化していることが確認された。また、実施例1〜5のいずれの試料においても、Auの回折ピークは極めてブロードであり、Auがナノ粒子状態で高分散化していることが確認された。

0031

[CO酸化反応試験]
実施例1〜7、比較例1〜2を用いて、COの酸化活性を評価する試験を行った。この試験では、触媒100mgをそれぞれ石英製反応管内径:4mm)に充填した後、常圧固定床流通式反応装置内に設置した。次に、CO(1容量%)とO2(0.5容量%)とHe(残部)とからなる入りガスを各触媒に接触させて、触媒に接触した後の出ガス中に含まれる成分の測定を行った。なお、入りガスの流通条件は、30ml/min,SV=20,000h−1とした。また、出ガス中の成分は、オンラインガスクロマトグラフィー(株式会社島津製作所製;「GC−8A」、検出器:TCD)、カラム:MS 5A(CO,O2)並びにPorapak Q(CO2)により分析を行った。

0032

また、CO酸化反応(CO+1/2O2→CO2)によるCO転化率を、
[CO転化率(%)]={([入りガス中CO濃度]−[出ガス中のCO濃度])
/[入りガス中のCO濃度]}×100
により求めた。なお、この試験は触媒ごとに複数回行い、試験中の温度条件は各回ごとに、−12℃,0℃,20℃,50℃,80℃,100℃,120℃,150℃,180℃,200℃,250℃,300℃,350℃のうちいずれかの温度に設定した。

0033

CO酸化反応試験の結果を、図2および図3に示す。図2は、貴金属としてAuを含む実施例1〜5、および比較例1〜2の結果であり、図3は、貴金属としてそれぞれAu,Pt,Cuを1原子%含む実施例3,6,7、および比較例1の結果である。

0034

図2に示すように、実施例1〜5のAuを含む触媒は、Auが存在しない触媒(比較例1)に比べ、触媒活性が向上していることが確認された。また、実施例1〜5、特に実施例2〜5に示す本発明の実施の形態の貴金属触媒は、従来から存在する比較例2の触媒と同程度の活性を有することが確認された。実施例1〜4の結果から、Auの置換量が増えるに従って触媒活性が著しく向上し、実施例3および4の触媒活性が特に高いことが確認された。ただし、実施例5に示すように、置換量が8原子%まで増えると、触媒活性が低下することも確認された。

0035

また、図3に示すように、Au以外のPt,Cuといった貴金属を含むものであっても、触媒活性が高く、担持貴金属触媒として有効であることが確認された。

0036

図4に、実施例3の貴金属触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)写真(明視野像)を示す。図4に示すように、本発明の実施の形態の貴金属触媒は、ナノ粒子から構成された複合粒子であることが明らかである。また、図5に、実施例3および比較例2の触媒の細孔分布曲線を示す。この細孔分布曲線は、細孔容積(V)を細孔半径(rp)で微分した値(dV/drp)を、細孔半径(rp)に対してプロットした曲線である。この細孔分布曲線は、表面積測定法であるBET法における吸着等温線から、BJH法を用いて求めたものである。図5に示すように、実施例3の触媒は、約2nmの中心細孔半径を有するポーラス構造を形成しているのに対し、比較例2の触媒は、明確なポーラス構造を有していないことが確認された。すなわち、比較例2の触媒は、ポーラスではなく、Fe3O4の粒子の上にAuが載っている構造を有しているのに対し、本発明の実施の形態の貴金属触媒はポーラスであるため、反応物質を多く溜めることができるという利点を有している。

0037

本発明によれば、COの酸化性能に優れ、十分に高度な触媒活性を有する貴金属触媒およびその製造方法を提供することができる。このような本発明に係る貴金属触媒は、特に低温でのCO酸化活性に優れているため、CO酸化触媒等の用途に特に有用である。

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