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技術 ハムの着色方法

出願人 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
発明者 三内剛小川雄右
出願日 2013年7月31日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2013-159544
公開日 2015年2月16日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2015-029442
状態 特許登録済
技術分野 食品の着色及び栄養改善 肉類、卵、魚製品
主要キーワード 着色料製剤 インジェクション処理 食用天然色素 着色製剤 結晶粉 カロテノイド系色素 リコピン含量 解析式
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年2月16日)のものです。
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課題

インジェクション方式によって調製されるハムを、リコピンカンタキサンチン等の結晶状態赤系カロテノイド色素を用いて着色する際に良好な発色と均一な色調に染着する方法を提供する。

解決手段

ハム等の食肉加工品を調製する際、ピックル液調味液等の液状物質を肉の内部に均一に分散させるインジェクション方法において、リコピンやカンタキサンチン等の結晶状態の赤系カロテノイド色素と、水溶性多糖類ガティガムアラビアガム)を含むピックル液を用いて、当該方式によってハムを着色する。赤系カロテノイド色素をメタノール希釈溶解した際、波長400〜550nmの範囲における極大波長が460nm以上である。

概要

背景

従来ハムの着色には、紅麹色素コチニール色素が使用されていた。
コチニール色素は酸性で赤橙色、中性で赤色、アルカリ性赤紫色を呈し、熱、光及び発酵に強く、特に酸性領域で安定性が高いため、好適に用いられている。しかし、添加する食品蛋白質が含まれる場合は紫変することが知られており、コチニール色素を用いて食品を赤色に着色する場合は、変色を防止するために色調安定剤(みょうばん酒石酸ナトリウムリン酸塩等)との併用が行われている(新版食用天然色素)。

また、コチニール色素以外にもアントシアニン系の赤色天然色素ベタシアニジン系の赤色天然色素とからなる色素(特公平7−28673号公報)、トマトより果汁を除いた残渣(特開2001−292727号公報)を用いてハム等の食品を着色する方法が開示されているが、色素の分散性に問題があり、経時的に色素が変色する等、色素の安定性に欠けるため、様々な改良方法が検討されている。

トマト色素を利用した技術として、例えば、結晶性カロテノイド色素親油性成分を含有する飲食品において、セルロースを配合することを特徴とする結晶性カロテノイド色素の変色抑制方法(特許文献1)、カロテノイド極性有機溶媒に溶解した溶液と、単糖及び/又はアミノ酸を溶解した水溶液とを混合し、乾燥した水溶性カロテノイド組成物(特許文献2)、トマトより果汁を除いた残渣を有効成分とすることを特徴とする着色料(特許文献3)、リコピンの溶液にテルペン類共存させることを特徴とする安定なリコピン色素の製造方法(特許文献4)、ヤシ科アブラヤシより抽出して得られた抽出物であって、β−カロチン等の天然色素を含有するパーム油カロチンが配合されたことを特徴とするパーム油カロチン含有食品(特許文献5)、特定の色価となるように調整した場合に、酸価が10以下、アセトン不溶部の割合が5重量%以下を示す天然由来カロテノイド色素(特許文献6)等が開示されている。これらの文献には、かかる色素製剤等によってハム等の畜肉加工食品を着色する旨の記載があるが、実際にハムを調製し、そこで色調が不均一になるという課題に着目した記載は一切されていない。また、コチニール色素で着色したような色調への着色ができない点も問題視されていた。

概要

インジェクション方式によって調製されるハムを、リコピンやカンタキサンチン等の結晶状態赤系カロテノイド色素を用いて着色する際に良好な発色と均一な色調に染着する方法を提供する。ハム等の食肉加工品を調製する際、ピックル液調味液等の液状物質を肉の内部に均一に分散させるインジェクション方法において、リコピンやカンタキサンチン等の結晶状態の赤系カロテノイド色素と、水溶性多糖類ガティガムアラビアガム)を含むピックル液を用いて、当該方式によってハムを着色する。赤系カロテノイド色素をメタノール希釈溶解した際、波長400〜550nmの範囲における極大波長が460nm以上である。なし

目的

その結果、コチニール色素で着色したものと同様の、おいしそうなハムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

結晶状態赤系カロテノイド色素と、アラビアガム及び/又はガティガム含水溶液を混合して使用することを特徴とするハム着色方法

請求項2

結晶状態の赤系カロテノイド色素と、アラビアガム及び/又はガティガムの含水溶液をピックル液に添加して使用するものである請求項1記載のハムの着色方法。

請求項3

結晶状態の赤系カロテノイド色素と、アラビアガム及び/又はガティガムの含水溶液の配合割合が、重量比で1:1〜30である請求項1又は2に記載のハムの着色方法。

請求項4

赤系カロテノイド色素をメタノール希釈溶解した際、波長400〜550nmの範囲における極大波長が460nm以上である請求項1乃至3に記載のハムの着色方法。

請求項5

ハムがインジェクション方式によって調製されるものである請求項1乃至4に記載のハムの着色方法。

技術分野

0001

本発明は、ハム、特にインジェクション方式で製造されるハムの着色方法に関する。

背景技術

0002

従来ハムの着色には、紅麹色素コチニール色素が使用されていた。
コチニール色素は酸性で赤橙色、中性で赤色、アルカリ性赤紫色を呈し、熱、光及び発酵に強く、特に酸性領域で安定性が高いため、好適に用いられている。しかし、添加する食品蛋白質が含まれる場合は紫変することが知られており、コチニール色素を用いて食品を赤色に着色する場合は、変色を防止するために色調安定剤(みょうばん酒石酸ナトリウムリン酸塩等)との併用が行われている(新版食用天然色素)。

0003

また、コチニール色素以外にもアントシアニン系の赤色天然色素ベタシアニジン系の赤色天然色素とからなる色素(特公平7−28673号公報)、トマトより果汁を除いた残渣(特開2001−292727号公報)を用いてハム等の食品を着色する方法が開示されているが、色素の分散性に問題があり、経時的に色素が変色する等、色素の安定性に欠けるため、様々な改良方法が検討されている。

0004

トマト色素を利用した技術として、例えば、結晶性カロテノイド色素親油性成分を含有する飲食品において、セルロースを配合することを特徴とする結晶性カロテノイド色素の変色抑制方法(特許文献1)、カロテノイド極性有機溶媒に溶解した溶液と、単糖及び/又はアミノ酸を溶解した水溶液とを混合し、乾燥した水溶性カロテノイド組成物(特許文献2)、トマトより果汁を除いた残渣を有効成分とすることを特徴とする着色料(特許文献3)、リコピンの溶液にテルペン類共存させることを特徴とする安定なリコピン色素の製造方法(特許文献4)、ヤシ科アブラヤシより抽出して得られた抽出物であって、β−カロチン等の天然色素を含有するパーム油カロチンが配合されたことを特徴とするパーム油カロチン含有食品(特許文献5)、特定の色価となるように調整した場合に、酸価が10以下、アセトン不溶部の割合が5重量%以下を示す天然由来カロテノイド色素(特許文献6)等が開示されている。これらの文献には、かかる色素製剤等によってハム等の畜肉加工食品を着色する旨の記載があるが、実際にハムを調製し、そこで色調が不均一になるという課題に着目した記載は一切されていない。また、コチニール色素で着色したような色調への着色ができない点も問題視されていた。

先行技術

0005

特開2010−178655号公報
特開2010−105972号公報
特開2001−292727号公報
特開平8−113723号公報
特開平6−189711号公報
国際公開番号WO2002/102902

発明が解決しようとする課題

0006

ハム等の食肉加工品を調製する際、ピックル液調味液等の液状物質を肉の内部に均一に分散させる手法として、インジェクション方法が採られている。具体的にはハムの塩漬、焼き調味目的で行われているが、ハムの加工工程における塩漬は基本的な工程であり、保存・防腐効果、肉の発色や保水性粘着性の向上、肉の熟成による風味の向上等、様々な効果を促すことが知られている。

0007

ここで、上述の通りリコピンを主成分とするトマト色素をハムの着色に用いることは既に行われている事項である。しかし、インジェクション方式によりリコピン等の成分を含有するピックル液を注入して製造された場合に生じる問題点、即ちインジェクションによって注入したピックル液に含まれるリコピンが、肉中に均一に分散せず、筋状のムラ濃淡を生じたり、均一に染着しない、黄色く変色するといった着色の不具合を指摘するものや、それを示唆した文献は存在せず、何ら解決に向けての検討はなされていないのが現状である。

0008

本願発明は、上述のようなインジェクション方式によって製造されるハムにおいて生じる、リコピン等の赤系カロテノイド系色素を主成分とする着色料製剤のハム中の不均一な分散を改善し、ハムを均一な色調に、さらにはコチニール色素で着色したものと同等の色調を呈することができる方法を提案するものである。

課題を解決するための手段

0009

本願発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行ったところ、結晶状態の赤系カロテノイド系色素と、アラビアガム及び/又はガティガム含水溶液をピックル液に添加し、ハムにインジェクションを行うことにより、ハムを均一な色調に着色できるとの知見を得て、本願発明を完成するに至った。

0010

即ち、本願発明は以下の態様を有するハムの着色方法に関する;
項1
結晶状態の赤系カロテノイド色素と、アラビアガム及び/又はガティガムの含水溶液を混合して使用することを特徴とするハムの着色方法。
項2
結晶状態の赤系カロテノイド色素と、アラビアガム及び/又はガティガムの含水溶液をピックル液に添加して使用するものである項1記載のハムの着色方法。
項3
結晶状態の赤系カロテノイド色素と、アラビアガム及び/又はガティガムの含水溶液の配合割合が、重量比で1:1〜30である項1又は2に記載のハムの着色方法。
項4
赤系カロテノイド色素をメタノール希釈溶解した際、波長400〜550nmの範囲における極大波長が460nm以上である項1乃至3に記載のハムの着色方法。
項5
ハムがインジェクション方式によって調製されるものである項1乃至4に記載のハムの着色方法。

発明の効果

0011

本願発明に係る着色方法によれば、多糖類を使用せずに赤系カロテノイド色素の一つであるリコピンで着色した際に生じる血管のような筋状の濃淡が生じることなく、また黄色い変色を生じることがない。また、コチニール色素を用いて着色したものと同等の色調・発色を呈するハムを調製することができる。詳細には、結晶状態の赤系カロテノイド系色素と、アラビアガム及び/又はガティガムの含水溶液を含むピックル液を用いて、インジェクション方式により製造されるハムであっても、従来品のように色素が分散せず一部のみが赤く着色して生じる不均一な赤み(筋のような濃淡)が出たりすることなく、またコチニール色素で着色したものと同等の色調に着色することが可能となる。その結果、コチニール色素で着色したものと同様の、おいしそうなハムを提供することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0012

本願発明は、製造工程中にインジェクション処理を含み、着色料を用いて着色するハム等の製造方法として利用することができ、赤系カロテノイド色素を含む色素製剤をピックル液に含み、インジェクション処理して製造されるハム等であれば、制限なく本願発明の対象とすることができる。

0013

本願発明の対象となるものとして、、豚等の畜肉魚肉原料として製造されるハム、ソーセージベーコン、焼き豚、ローストビーフ等の食肉加工食品であり、特にインジェクション処理をその製造工程中に含むものがあげられる。当該食肉加工食品の原料、製造方法は特に制限されず、インジェクションするピックル液中に、赤系カロテノイド系色素と、アラビアガム及び/又はガティガムの含水溶液を添加し、定法により製造するだけで本願発明の効果を享受することができる。

0014

本発明で使用する結晶状態の赤系カロテノイド色素は、リコピンやカンタキサンチンアスタキサンチンアポカロテナールカプサンチン等が例示でき、好ましくはリコピン及びカンタキサンチンである。かかる色素の「赤系」とは、具体的には、メタノールに希釈溶解した際、波長400〜550nmの範囲における極大波長が460nm以上であるものが対象となる。先に例示した色素の極大波長を例示するとリコピン470nm、カンタキサンチン480nm、アスタキサンチン480nm、アポカロテナール463nm及びカプサンチン475nmなどが挙げられる。

0015

本願発明におけるハムの着色方法は、公知の方法に従って、牛肉豚肉鶏肉等の原料にピックル液をインジェクションするものであり、その後必要に応じてタンブリング静置、加熱や乾燥等の処置を行うことにより実施できる。リコピン等の結晶状態の赤系カロテノイド系色素は、アミノ酸類食塩有機酸及びその塩類甘味料酸味料保存料酸化防止剤、蛋白質、香料増粘剤、安定剤等からなるピックル液に加えて調製し、このピックル液を定法に従い、インジェクターによって原料肉にインジェクションすればよい。

0016

ピックル液は、原料肉100重量部に対し10〜200重量部、更に好ましくは60〜100重量部インジェクションすることが好ましい。そして当該ピックル液へのリコピン等の結晶状態の赤系カロテノイド系色素の添加料は、ピックル液100部に対し0.01〜0.5部(リコピン含量1%として)、好ましくは0.05〜0.3部であるが、最終的にハムに対しカロテノイド系色素が0.01〜0.5部(リコピン含量1%として)の範囲で含まれるよう、適宜色素製剤の添加量を任意で調節すればよい。

0017

添加する色素は、結晶状態の赤系カロテノイド系色素を主成分とする色素製剤であれば制限なく利用できる。例えば、後述のアラビアガムやガティガムにより製剤化したものであっても良い。

0018

本発明で使用できる結晶状態の赤系カロテノイド色素の一種であるリコピンは、既存添加物の着色料の一つで、トマト(Lycopersicon esculentumMiller)の果実から得られる色素の主成分として、第8版食品添加物公定書収載されている。リコピンは赤色〜ピンク色を呈し、他のカロテノイド色素と比べて赤みが強く鮮やかであるという特徴がある。また、近年のトマトに対する生理活性が明らかになるに伴い、ヘルシーなイメージの着色料として消費者に認識され、普及が進んでいる。

0019

リコピンの一般的な製法として、トマトの果実から酢酸エチル等で抽出し、溶媒を除去することで得られることが知られている。得られたオレオレジンはトマト特有の臭いが残存するため、更に精製・脱臭を行い製剤化される。また、リコピンはトマト以外にもスイカグァバ、ピンクグレーフルーツ等に含まれていることが知られていることから、これらを原料として同様の処理を行い、リコピンを抽出、精製して利用しても良い。さらに、公知の合成技術によって合成・半合成されたものや、微生物や発酵により得られたもの、さらにはこれらを適宜混合したものをも本発明では利用できる。

0020

また、同じく結晶状態の赤系カロテノイド色素の一種であるカンタキサンチンについても、公知の発酵方法や、特開平6−237787号公報に記載されている微生物による培養方法にて生産されたもの、特開2003−304875号公報に記載された菌株により生産されたもの、その他の動植物由来のもの、或いは合成品や特開2000−351763号公報に記載された工業的な製造方法によって得られたもの等、さらにはこれらを適宜精製したもの、或いはこれらの混合物のいずれをも利用することができる。

0021

これらリコピンやカンタキサンチン等の結晶状態の赤系カロテノイド色素は、結晶状態でピックル液に添加するが、事前にアラビアガムやガティガムと公知技術により粉末化した製剤の状態でピックル液に添加してもよい。

0022

簡便には三栄源エフエフアイ株式会社のリコピンベースシリーズ、カンタキサンチンの製剤等を利用することができる。その際に、色素製剤中の赤系カロテノイド色素であるリコピン及び/又はカンタキサンチンの粒子径を0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmとすることにより、発色をより美しくすることが可能となる。

0023

本願発明では、上述の結晶状態の赤系カロテノイド色素であるリコピン及び/又はカンタキサンチンと、アラビアガム及び/又はガティガムの含水溶液を含有するピックル液を用いてハムを着色することを特徴とする。

0024

アラビアガム、ガティガムは、いずれも食品添加物として従来利用されているものを制限なく使用することができる。具体例として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のガムアラビックSD、スーパーガムEM10、ビストップD—4023やガムガティSDといった製品を例示することができる。

0025

アラビアガム、ガティガムのピックル液への添加順序や条件等は特になく、公知の方法にてアラビアガムやガティガムの含水溶液を調製し、これと他の原料成分を同様に添加混合する方法、或いはアラビアガムやガティガムを含む原料成分をピックル液に添加し、加熱混合することでアラビアガム等を溶解する方法によって調製すればよい。前述の通り、アラビアガムやガティガムをピックル液に添加する前に、結晶状態の赤系カロテノイド色素と予め適宜公知技術により粉末化してからピックル液に添加してもよい。

0026

添加料は、リコピン等の赤系カロテノイド色素の1部に対し、1〜30部の範囲が例示できる。さらに好ましくは、アラビアガムを使用する場合1〜30部、ガティガムを使用する場合1〜20部の範囲で添加することが好ましい。さらに上記範囲内のアラビアガムとガティガムを併用して用いることもできる。かかる範囲の添加量以下であればハムの色調を均一にすることができず、添加量が多くしても一定以上の効果は見込まれず、むしろハムの食感に影響が出たり、ピックル液に粘度が生じ作業性が低下するため好ましくない。

0027

上記成分以外にも、通常のハムの製造において利用される原材料や成分、ピックル液に添加して使用される成分等については、本願発明の効果を妨げない範囲において制限なく利用することができる。

0028

これにより本発明は達成される。本発明を利用することにより、リコピン単独での着色では、血管のような着色の濃淡や、黄色い変色を生じていたが、アラビアガム及び/又はガティガムをピックル液に添加してハムを着色することにより、従来のコチニール色素で着色していたハムと同等の色調・発色を呈し、均一に着色された食欲をそそる外観を呈するハムを提供することが可能となる。

0029

以下に、本願発明の内容を実施例を用いて具体的に説明する。但し、これらによって本願発明が限定されるものではない。尚、下記処方の単位は特に言及しない限り「部」は重量部を意味するものとする。文中「*」のものは三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品を意味し、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。

0030

実験例1
次に記載の処方に基づきピックル液を調整した。使用した試料(色素製剤)については、別途表1に示す。

0031

ピックル液処方
水あめ(林原商事ハローデックス) 8
乾燥卵白
粉末大豆たん白
乳清たん白ミルプロ※WG−900*) 1
カゼインナトリウム
ゲル化剤製剤(HM−150*) 0.8
重合リン酸塩0.8
L−アスコルビン酸ナトリウム(結晶) 0.2
亜硝酸ナトリウム0.027
10食塩4.3
11調味料サンライクアミノベースNAG*) 0.3
12試料(色素製剤。表1参照) 所定量
13冷水所定量
合計 100

0032

<ピックル液の調製方法
1冷水に表1の1〜9を加え、ターボミキサーにて30分攪拌した。
2 次いで、攪拌後の1に10〜13を加え、10分攪拌後冷却してピックル液とした。

0033

<色素製剤の調製>
結晶のリコピン25gをエタノール225gに添加混合し、湿式摩砕機ダイノミル(WAB社製ダイノミルRL)を用い3時間粉砕しリコピン結晶粉砕部を調製した。尚、リコピンの波長400〜550nmの範囲における極大波長は470nmである。

0034

・着色料製剤Aリコピン製剤(実施例1品)
水650gにアラビアガム製剤(スーパーガムEM10三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製 アラビアガム含量100%)を250g配合して90℃に過熱溶解後冷却したものに、上記で得られたリコピン結晶粉砕部100gを添加し、高圧ホモジナイザーにて圧力350kg/cm2で分散均一化処理して、着色料製剤Aを調製した。着色料製剤Aの粒度分布レーザー解析式粒度分布計(SALD−2100島津製作所社製)にて測定したところ0.45μmであった。リコピン含量は1%であった。

0035

・着色料製剤Bリコピン製剤(比較例1品)
上記で得られたリコピン結晶粉砕部100gを、水850gにメチルセルロース50gを配合して溶解したものに添加し、高圧ホモジナイザーにて圧力350kg/cm2で分散均一化処理して、着色料製剤Bを調製した。着色料製剤Bの粒度分布をレーザー解析式粒度分布計(SALD−2100島津製作所社製)にて測定したところ0.45μmであった。リコピン含量は1%であった。

0036

0037

<ハムの製造方法>
色素製剤を添加した各ピックル液を使用し、ハムを調製した。
豚ロース肉に対し上記ピックル液を50%インジェクションし、タンブリング後一晩塩漬した。
2 一晩塩漬けした1をファイブラスケーシング充填し、加熱した。
(乾燥 60℃ 60分・スモーク70℃ 30分、スチーム80℃中心温度75℃)。

0038

製造したハムの断面の写真撮影し、またハムの切断面を色差計V−560(日本分光工業(株)社)にて反射測色した。結果を表2に示す。
装置 ; 色差計V-560ILV-471積分球吸光度測定装置(日本分光工業(株)社) 測色 ; 反射測色
色差; 色差 = √((L1−L2)2+ (a1−a2)2 + (b1−b2)2)

0039

0040

<結果>
コチニール色素を用いて着色したハム(標準品。写真を図1に示す)を基準として、発色の程度や肉の着色具合を評価した。

0041

着色料製剤Aを添加したピックル液を用いて着色したハム(No.1。写真を図2に示す)は、全体が均一な色調で、ムラなくきれいに着色できていた。色調もコチニール色素を用いて着色したものを遜色のないものとなっており、食欲をそそる外観を呈していた。

0042

一方、メチルセルロースを用いた着色料製剤Bを含むピックル液によって着色したハム(No.2。写真を図3に示す)は、発色が弱く暗い色調となっており、ハムの一部に片寄った着色をしている部分が認められた。

0043

表2に示す色差計の測定値においても、標準品のハムとNo.1のハムでは測定値の差がほとんどなく、No.2はかなり離れていた。

0044

色差値別の許容差設定事例(平井敏夫:色彩研究、No.1,13(1985))によると、色差ΔEが0.8〜1.6の時の色差の程度は、一般の測色器機の器差を含む誤差範囲であり、隣接比較で色差が感じられるレベルである。またΔEが1.6〜3.2の時の色差の程度は、離問比較ではほとんど気付かない色差で、一般には同じ色だと思われているレベルである、とされている。

0045

上記判断事例によれば、本発明で得られるリコピンとアラビアガムをピックル液に添加して着色したハムは、コチニール色素により着色したハムと同色であると判断でき、また肉眼で比較しても違いがわからないほどに着色されていた。

0046

実験例2
・着色料製剤Cリコピン製剤(実施例2品)
水800gにガティガムRD(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を100g配合して90℃に過熱溶解後冷却したものに、実験例1で着色料製剤A及びBにおいて使用したリコピン結晶粉砕部100gを添加し、高圧ホモジナイザーにて圧力350kg/cm2で分散均一化処理して、着色料製剤Cを調製した。着色料製剤Cの粒度分布をレーザー解析式粒度分布計(SALD−2100島津製作所社製)にて測定したところ0.42μmであった。リコピン含量は1%であった。

0047

・着色料製剤Dカンタキサンチン製剤(実施例3品)
水740gにアラビアガム150g、プロピレングリコール100gを配合して溶解し、水相成分を調製した水相成分に結晶のカンタキサンチン10gを添加混合し、湿式摩砕機ダイノミル(WAB社製ダイノミルKDL)を用い粉砕し、着色製剤Dを調製した。着色製剤Dの粒度分布をレーザー解析式粒度分布計(SALD−2100島津製作所社製)にて測定したところ0.45μmであった。カンタキサンチン含量は1%であった。尚、カンタキサンチンの波長400〜550nmの範囲における極大波長は480nmである。

0048

・着色料製剤Eリコピン製剤(比較例2品)
リコピンをグリセリン脂肪酸エステルを用いて分散した着色料製剤(リコピンベースNo.35153*。リコピン含有量2.5%)

0049

・着色料製剤Fリコピン製剤(比較例3品)
着色料製剤Aで使用したリコピン結晶粉砕部250gを、水830gにショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬社製、DKエステルSS)40g、レシチン(辻製油株式会社SLP-ホワイト)30gを配合して溶解したものに添加し、高圧ホモジナイザーにて圧力350kg/cm2で分散均一化処理して、比較例3品を調製した。比較例3の粒度分布をレーザー解析式粒度分布計(SALD−2100島津製作所社製)にて測定したところ0.38μmであった。リコピン含量は2.5%であった。

0050

・着色料製剤Gリコピン製剤(比較例4品)
着色料製剤Aで使用したリコピン結晶粉砕部50gを、水900gにゼラチン(ゼライス株式会社、ゼラチンF−3578)50gを配合して溶解したものに添加し、高圧ホモジナイザーにて圧力350kg/cm2で分散均一化処理して、比較例4を調製した。比較例4の粒度分布をレーザー解析式粒度分布計(SALD−2100島津製作所社製)にて測定したところ0.45μmであった。リコピン含量は0.5%であった。

0051

・着色料製剤Hカロテノイド製剤(比較例5品)
波長400〜550nmの範囲における極大波長が450nmである結晶状態のβカロチン25gを、着色料製剤Aと同様の方法により製剤とした。この着色料製剤に含まれるβカロチンの粒度分布をレーザー解析式粒度分布計(SALD−2100島津製作所社製)にて測定したところ0.43μmであった。βカロチン含量は1%であった。

0052

<試料(色素製剤)添加量>

0053

0054

<ピックル液の調製、ハムの調製>
実験例1と同じ処方、工程により、ピックル液を調製した。
得られたピックル液を用いて、実験例1と同じ処方、工程によりハムを調製した。

0055

<結果>
No.1のコチニール色素を用いて着色したものを基準として、発色の程度や肉の着色具合を評価した。

0056

着色料製剤Cを含むピックル液を用いて着色したハム(No.3)は、今回調製したハムの中で最も良い発色であり、色調もコチニール色素を用いて着色した標準品と近似しており、断面全体を満遍なく均一な色調に着色できていた。写真を図4に示す。

0057

また、カンタキサンチンを含む着色料製剤Dを含むピックル液を用いて調製したハム(No.4)は、リコピンよりもや赤味が強い色調であるものの、全体を満遍なく着色できていた。写真を図5に示す。

0058

多糖類を使用せず調製した着色料製剤Eを含むピックル液で調製したハム(No.5)は、他のリコピンを用いた実施例に比べ、発色が劣っていた。また、一部が黄色く変色し、筋の発生が認められた。写真を図6に示す。

0059

ショ糖脂肪酸エステルを用いて調製した着色料製剤Fを含むピックル液で調製したハム(No.6)は、全体として黄色味の強い色調に着色され、一部黄色く変色していた。写真を図7に示す。

0060

ゼラチンを用いて調製した着色料製剤Gを含むピックル液で調製したハム(No.7)は、明らかに筋状に着色された部分が認められ、製品としての価値は失われていた。写真を図8に示す。

0061

上記のように、赤系カロテノイド色素のリコピン及び/又はカンタキサンチンと、水溶性多糖類であるアラビアガム及び/又はガティガムを用いた色素製剤を用いて製造したハム(No.3及び4)については、赤系カロテノイド色素の色調が十分に表現されていた。特にガティガムを使用した着色料製剤Cを使用した場合が、最も良い発色状態であり、コチニール色素による着色したハムと遜色ないものであった。

0062

一方、水溶性多糖類を使用せずに赤系カロテノイド色素を用いて着色したハム(No.5〜7)では、色素の分散が不十分となり発色も良くなかった。

0063

また、βカロチンを使用したハム(No.8)は、全体が黄色い色調となっており、コチニール色素とかけ離れた外観となり、商品としての価値が損なわれていた。

図面の簡単な説明

0064

標準品(コチニール色素)をピックル液に添加して製造したハムの断面
No.1の着色料製剤Aをピックル液に添加して製造したハムの断面
No.2の着色料製剤Bをピックル液に添加して製造したハムの断面
No.3の着色料製剤Cをピックル液に添加して製造したハムの断面
No.4の着色料製剤Dをピックル液に添加して製造したハムの断面
No.5の着色料製剤Eをピックル液に添加して製造したハムの断面
No.6の着色料製剤Fをピックル液に添加して製造したハムの断面
No.7の着色料製剤Gをピックル液に添加して製造したハムの断面

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