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技術 板幅制御方法及び板幅制御装置

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 浅野一哉久山修司
出願日 2013年7月25日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2013-154487
公開日 2015年2月5日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2015-024417
状態 特許登録済
技術分野 金属圧延一般 圧延ラインにおける付加的加工装置 圧延の制御
主要キーワード 歩留ロス レーザドップラー速度計 目標幅 概略一定 プレス工具 幅測定値 ドッグボーン形状 荷重測定器
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

プレス装置の出側におけるスラブの幅が所定値でない場合に段差プレスの効果が損なわれることを抑制すること。

解決手段

板幅制御装置10は、プレス装置2を利用して先端部の幅圧下量定常部の幅圧下量より小さくして加熱したスラブを幅圧下した後、エッジャー5a及び粗圧延機3aを利用してスラブSの垂直方向及び水平方向の粗圧延を行う熱間粗圧延工程における板幅制御装置であって、プレス装置2の出側におけるスラブSの先端部の幅を測定するプレス出側幅計12と、測定されたスラブSの先端部の幅に基づいて粗圧延の1パス目におけるエッジャー5aの開度を制御する開度制御装置14と、を備えている。

概要

背景

鋼板熱間圧延工程では、粗圧延工程によって板厚250[mm]程度、板幅800〜2000[mm]程度のスラブから板厚40[mm]程度のシートバーが製造される。シートバーは、仕上圧延工程によって所望の製品厚又は次工程で必要とされる1〜20[mm]程度の板厚に圧延された後にコイラーによって巻き取られる。粗圧延工程及び仕上圧延工程はそれぞれ、複数の圧延機からなる圧延機群を用いて行われる。また、鋼板の熱間圧延工程では、鋼板の板厚に加えて板幅も目標板幅になるように制御する必要があり、粗圧延工程及び仕上圧延工程において鋼板の板幅制御が行われている。

粗圧延工程における板幅制御では、金型を用いてスラブを板幅方向に縮幅加工する一対のプレス工具を有するサイジングプレス(以下、プレス装置表記)及びエッジャー竪ロール)を利用して、加熱炉で加熱されたスラブを板幅方向に圧下する方法が採用されている。一方、仕上圧延工程における板幅制御では、複数の圧延機間のシートバーに付加されている張力を操作することによって、仕上圧延工程の入側から出側までの間におけるシートバーの幅圧下量を制御する方法が採用されている。

ところが、仕上圧延工程において採用されている板幅制御方法板幅制御能力は粗圧延工程において採用されている板幅制御方法の板幅制御能力に比べて小さい。このため、鋼板の板幅を大きく変化させる作業は主に粗圧延工程の役目になっている。特にプレス装置はエッジャーに比べてスラブを大幅に圧下することができる。これにより、連続鋳造工程で幅の広い材料を集約して鋳込み、熱間圧延工程において様々な板幅の鋼板に作り分けることが行われるようになっている。

プレス装置で幅圧下を行った後のスラブの断面形状は、幅方向端部が板厚方向に盛り上がった形状、いわゆるドッグボーン形状を呈している。このドッグボーン形状はその後の水平圧延によってならされ、幅戻りが生じる。スラブの先尾端部では、材料が長手方向に流れやすいために幅戻り量が定常部に比べて小さい。このため、水平圧延後のスラブの先尾端部の板幅が定常部の板幅に比べて狭くなる現象、いわゆる幅落ちが生じる。幅落ちが一旦生じると、その後の板幅制御によって板幅を回復させることは困難である。これにより、コイラーで巻き取られたコイルの板幅にも幅落ちが残存し、板幅が所望の板幅を下回る場合には切り捨てることになり、歩留ロスとなる。

このような背景から、幅落ちが発生することを抑制するために、特許文献1には、後続の水平圧延時におけるスラブ先後端部と定常部との幅戻り量の差に応じて、定常部の幅圧下量に対して幅が広くなるようにプレス装置によるスラブ先端部及び/又は尾端部の幅圧下量を制御する板幅制御方法(以下、段差プレスと呼ぶ)が提案されている。また、特許文献2には、スラブ先尾端部の少なくとも一方が定常部と比べて圧下量差αとなるようにプレス装置による幅圧下を行った後、少なくとも粗圧延機の1パス目でのスラブ先尾端部の少なくとも一方の垂直圧延を圧下量βで行う板幅制御方法が提案されている。

概要

プレス装置の出側におけるスラブの幅が所定値でない場合に段差プレスの効果が損なわれることを抑制すること。板幅制御装置10は、プレス装置2を利用して先端部の幅圧下量を定常部の幅圧下量より小さくして加熱したスラブを幅圧下した後、エッジャー5a及び粗圧延機3aを利用してスラブSの垂直方向及び水平方向の粗圧延を行う熱間粗圧延工程における板幅制御装置であって、プレス装置2の出側におけるスラブSの先端部の幅を測定するプレス出側幅計12と、測定されたスラブSの先端部の幅に基づいて粗圧延の1パス目におけるエッジャー5aの開度を制御する開度制御装置14と、を備えている。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、プレス装置の出側におけるスラブの幅が所定値でない場合に段差プレスの効果が損なわれることを抑制可能な板幅制御方法及び板幅制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

プレス装置を利用して先端部の幅圧下量定常部の幅圧下量より小さくして加熱したスラブ幅圧下した後、エッジャー及び粗圧延機を利用してスラブの垂直方向及び水平方向の粗圧延を行う熱間粗圧延工程における板幅制御方法であって、前記プレス装置の出側における前記スラブの先端部の幅を測定する測定ステップと、測定された前記スラブの先端部の幅に基づいて前記粗圧延の1パス目におけるエッジャーの開度を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする板幅制御方法。

請求項2

前記制御ステップは、前記粗圧延の1パス目におけるエッジャーの開度を測定された前記スラブの先端部の幅に等しくなるように設定した後、粗圧延の際にエッジャーの圧延荷重が略一定になるようにエッジャーの開度を制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の板幅制御方法。

請求項3

前記制御ステップは、粗圧延の際、プレス装置の出側で全長に渡って測定されたスラブの幅に基づいてエッジャーの開度を制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の板幅制御方法。

請求項4

プレス装置を利用して先端部の幅圧下量を定常部の幅圧下量より小さくして加熱したスラブを幅圧下した後、エッジャー及び粗圧延機を利用してスラブの垂直方向及び水平方向の粗圧延を行う熱間粗圧延工程における板幅制御装置であって、前記プレス装置の出側における前記スラブの先端部の幅を測定する測定手段と、測定された前記スラブの先端部の幅に基づいて前記粗圧延の1パス目におけるエッジャーの開度を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする板幅制御装置。

技術分野

0001

本発明は、垂直方向及び水平方向の粗圧延を行う熱間粗圧延工程における被圧延材板幅制御方法及び板幅制御装置に関する。

背景技術

0002

鋼板熱間圧延工程では、粗圧延工程によって板厚250[mm]程度、板幅800〜2000[mm]程度のスラブから板厚40[mm]程度のシートバーが製造される。シートバーは、仕上圧延工程によって所望の製品厚又は次工程で必要とされる1〜20[mm]程度の板厚に圧延された後にコイラーによって巻き取られる。粗圧延工程及び仕上圧延工程はそれぞれ、複数の圧延機からなる圧延機群を用いて行われる。また、鋼板の熱間圧延工程では、鋼板の板厚に加えて板幅も目標板幅になるように制御する必要があり、粗圧延工程及び仕上圧延工程において鋼板の板幅制御が行われている。

0003

粗圧延工程における板幅制御では、金型を用いてスラブを板幅方向に縮幅加工する一対のプレス工具を有するサイジングプレス(以下、プレス装置表記)及びエッジャー竪ロール)を利用して、加熱炉で加熱されたスラブを板幅方向に圧下する方法が採用されている。一方、仕上圧延工程における板幅制御では、複数の圧延機間のシートバーに付加されている張力を操作することによって、仕上圧延工程の入側から出側までの間におけるシートバーの幅圧下量を制御する方法が採用されている。

0004

ところが、仕上圧延工程において採用されている板幅制御方法の板幅制御能力は粗圧延工程において採用されている板幅制御方法の板幅制御能力に比べて小さい。このため、鋼板の板幅を大きく変化させる作業は主に粗圧延工程の役目になっている。特にプレス装置はエッジャーに比べてスラブを大幅に圧下することができる。これにより、連続鋳造工程で幅の広い材料を集約して鋳込み、熱間圧延工程において様々な板幅の鋼板に作り分けることが行われるようになっている。

0005

プレス装置で幅圧下を行った後のスラブの断面形状は、幅方向端部が板厚方向に盛り上がった形状、いわゆるドッグボーン形状を呈している。このドッグボーン形状はその後の水平圧延によってならされ、幅戻りが生じる。スラブの先尾端部では、材料が長手方向に流れやすいために幅戻り量が定常部に比べて小さい。このため、水平圧延後のスラブの先尾端部の板幅が定常部の板幅に比べて狭くなる現象、いわゆる幅落ちが生じる。幅落ちが一旦生じると、その後の板幅制御によって板幅を回復させることは困難である。これにより、コイラーで巻き取られたコイルの板幅にも幅落ちが残存し、板幅が所望の板幅を下回る場合には切り捨てることになり、歩留ロスとなる。

0006

このような背景から、幅落ちが発生することを抑制するために、特許文献1には、後続の水平圧延時におけるスラブ先後端部と定常部との幅戻り量の差に応じて、定常部の幅圧下量に対して幅が広くなるようにプレス装置によるスラブ先端部及び/又は尾端部の幅圧下量を制御する板幅制御方法(以下、段差プレスと呼ぶ)が提案されている。また、特許文献2には、スラブ先尾端部の少なくとも一方が定常部と比べて圧下量差αとなるようにプレス装置による幅圧下を行った後、少なくとも粗圧延機の1パス目でのスラブ先尾端部の少なくとも一方の垂直圧延を圧下量βで行う板幅制御方法が提案されている。

先行技術

0007

特開昭63−140701号公報
特開2002−361301号公報

発明が解決しようとする課題

0008

一般に、粗圧延工程では、スラブはエッジャーを通過した後に水平ミルを通過する。しかしながら、特許文献1には、粗圧延工程の1パス目におけるエッジャーの開度設定方法及び制御方法は開示されていない。一方、プレス装置による幅圧下では、スラブに座屈捩れが生じることがある。スラブに座屈や捩れが生じた場合、実質的な幅圧下量が小さくなり、プレス装置の出側におけるスラブの幅がプレス装置による幅圧下量から想定されるものより広くなることがある。

0009

特許文献2には、スラブ先尾端部の1パス目のエッジャーの幅圧下量をβとすることが提案されているが、座屈や捩れによってプレス装置の出側におけるスラブの幅が想定よりも広くなった場合、スラブ先尾端部に対する1パス目のエッジャーの幅圧下量は設定よりも大きくなる。この場合、プレス装置で予め幅を広くしたスラブ先尾端部が1パス目のエッジャーの幅圧下で大きく幅圧下されてしまい、幅落ち防止のためにプレス装置において先尾端部の幅を広げる段差プレスの効果が損なわれる。

0010

また、プレス装置において定常部よりも幅を広くした先尾端部をエッジャーで軽圧下すると、それよりも幅が狭い定常部ではエッジャーが全くかからない状態となる。この場合、エッジャーによってスラブが横方向(圧延方向に対して垂直な方向)に拘束されないため、水平圧延の途中でスラブが圧延方向に対して傾いた方向で水平ロール進入し、水平圧延出側でスラブが横方向に曲がってしまうことがある。

0011

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、プレス装置の出側におけるスラブの幅が所定値でない場合に段差プレスの効果が損なわれることを抑制可能な板幅制御方法及び板幅制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明に係る板幅制御方法は、プレス装置を利用して先端部の幅圧下量を定常部の幅圧下量より小さくして加熱したスラブを幅圧下した後、エッジャー及び粗圧延機を利用してスラブの垂直方向及び水平方向の粗圧延を行う熱間粗圧延工程における板幅制御方法であって、前記プレス装置の出側における前記スラブの先端部の幅を測定する測定ステップと、測定された前記スラブの先端部の幅に基づいて前記粗圧延の1パス目におけるエッジャーの開度を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。

0013

本発明に係る板幅制御方法は、上記発明において、前記制御ステップは、前記粗圧延の1パス目におけるエッジャーの開度を測定された前記スラブの先端部の幅に等しくなるように設定した後、粗圧延の際にエッジャーの圧延荷重が略一定になるようにエッジャーの開度を制御するステップを含むことを特徴とする。

0014

本発明に係る板幅制御方法は、上記発明において、前記制御ステップは、粗圧延の際、プレス装置の出側で全長に渡って測定されたスラブの幅に基づいてエッジャーの開度を制御するステップを含むことを特徴とする。

0015

本発明に係る板幅制御装置は、プレス装置を利用して先端部の幅圧下量を定常部の幅圧下量より小さくして加熱したスラブを幅圧下した後、エッジャー及び粗圧延機を利用してスラブの垂直方向及び水平方向の粗圧延を行う熱間粗圧延工程における板幅制御装置であって、前記プレス装置の出側における前記スラブの先端部の幅を測定する測定手段と、測定された前記スラブの先端部の幅に基づいて前記粗圧延の1パス目におけるエッジャーの開度を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明に係る板幅制御方法及び板幅制御装置によれば、プレス装置の出側におけるスラブの幅が所定値でない場合に段差プレスの効果が損なわれることを抑制できる。

図面の簡単な説明

0017

図1は、本発明の一実施形態である板幅制御装置が適用される熱間圧延ラインの構成を示す模式図である。
図2は、本発明の一実施形態である板幅制御装置の構成を示すブロック図である。
図3は、本実施形態の板幅制御方法及び従来の板幅制御方法を実施した際の粗圧延機の出側におけるスラブ幅の変化を示す図である。
図4は、本実施形態の板幅制御方法及び従来の板幅制御方法を実施した際の粗圧延機の出側におけるスラブ幅の変化を示す図である。
図5は、プレス装置の出側におけるスラブの先尾端部及び定常部の目標幅を示す図である。

実施例

0018

以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である板幅制御装置の構成について説明する。

0019

〔熱間圧延ラインの構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態である板幅制御装置が適用される熱間圧延ラインの構成について説明する。

0020

図1は、本発明の一実施形態である板幅制御装置が適用される熱間圧延ラインの構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である板幅制御装置が適用される熱間圧延ライン1は、プレス装置2の下流に水平圧延を行う3台の粗圧延機3a,3b,3c(R1,R2,R3)がスラブSの搬送方向に対して直列に配置された構成を有している。また、粗圧延機3a,3b,3cの上流側にはそれぞれ垂直圧延を行うエッジャー5a,5b,5c(E1,E2,E3)が付設されている。プレス装置2において幅圧下されたスラブSは、テーブルローラ4によってエッジャー5a,5b,5c及び粗圧延機3a,3b,3cに順次搬送されることにより垂直圧延及び水平圧延される。粗圧延工程では、スラブSの厚さから仕上圧延機入側までの圧下量を得るためにスラブSを往復させて複数パスで圧延することもある。

0021

〔板幅制御装置の構成〕
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態である板幅制御装置の構成について説明する。

0022

図2は、本発明の一実施形態である板幅制御装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、本発明の一実施形態である板幅制御装置10は、操業用計算機プロセスコンピュータ)11、プレス出側幅計12、荷重測定器13、開度制御装置14、及び油圧サーボ装置15を主な構成要素として備えている。

0023

操業用計算機11は、パーソナルコンピュータワークステーション等の情報処理装置によって構成され、図1に示す熱間圧延ライン1を管理及び制御する。操業用計算機11は、スラブSがエッジャー5aに到達する前までにエッジャー5aのロール位置(以下、エッジャー開度と表記)が設定されるようにエッジャー開度の設定タイミングを制御する。

0024

プレス出側幅計12は、レーザ距離計によって構成されている。プレス出側幅計12は、図1に示すプレス装置2によって幅圧下されたスラブ先端部の幅を測定し、測定値を開度制御装置14に入力する。スラブSの幅の測定方法としては、スラブSの幅方向両側にレーザ距離計を設置して各レーザ距離計からスラブ側面までの距離を算出し、2台のレーザ距離計間の距離から各レーザ距離計からスラブ側面までの距離の和を差し引く方法、スラブSの下方に線状の光源を設置し、CCDカメラ等を利用して上方からスラブSの画像を撮影し、撮影画像からスラブSによって遮られた光源の位置を検出することによってスラブ幅方向端部を検出する方法、光源は用いずにスラブSの自発光をCCDカメラ等で撮像し、撮影画像からスラブ幅方向端部を検出する方法等を用いることができる。

0025

荷重測定器13は、エッジャー5aの圧延荷重を測定し、測定値を開度制御装置14に入力する。

0026

開度制御装置14は、プレス出側幅計12の測定値に基づいてエッジャー開度の目標値(目標開度)を算出し、算出された目標開度を油圧サーボ装置15に入力する。具体的には、本実施形態では、開度制御装置14は、エッジャー開度がプレス出側幅計12によって計測されたスラブ先端部の幅に等しくなるように目標開度を設定し、その目標開度をスラブSの全長に渡って保持する。但し、スラブSの板幅が変動しても確実にエッジャー5aでスラブを拘束するため、プレス出側幅計12の測定値から一定値(0〜数mm程度)を差し引いた値を目標開度としてもよい。

0027

油圧サーボ装置15は、エッジャー開度を開度制御装置14から入力された目標開度に調整する。

0028

〔板幅制御処理〕
次に、図3乃至図5を参照して、本発明の一実施形態である板幅制御装置10による板幅制御方法について説明する。

0029

図3,4は、本実施形態の板幅制御方法及び従来の板幅制御方法を実施した際の粗圧延機3a(R1)の出側におけるスラブ幅の変化を定常部のスラブ幅を基準に示した図である。従来の板幅制御方法では、スラブ先端部に対するエッジャー5aの幅圧下量が0[mm]となるようにエッジャー5aの目標開度を設定し、その目標開度をスラブ全長に渡って保持するものとした。また、図5に示すように、スラブの先尾端部に対しては、板幅が定常部の板幅よりも20[mm]広くなるように段差プレスが施され、プレス装置2の出側におけるスラブの先尾端部及び定常部の目標幅はそれぞれ1020[mm]及び1000[mm]に設定されている。

0030

図3は、プレス装置2の出側におけるスラブ幅が目標値通り(1020[mm])であった場合の粗圧延機3a(R1)の出側におけるスラブ幅の変化を定常部のスラブ幅を基準に示したものである。本実施形態及び従来の板幅制御方法のいずれの場合もエッジャー5aの目標開度は1020[mm]であるために、全長に渡ってエッジャー5aによる幅圧下は行われない。このため、プレス装置2の出側におけるスラブ幅と粗圧延機3a(R1)の出側におけるスラブ幅との違いは、粗圧延機3a(R1)による水平圧延に伴う幅広がり量だけであり、本実施形態の板幅制御方法と従来の板幅制御方法とでは圧延結果に違いはない。

0031

図4は、スラブの座屈や捩れ等によってプレス装置2の出側におけるスラブ幅が目標値より20[mm]広くなった場合、すなわちスラブ幅が先尾端部で1040[mm]、定常部で1020[mm]となった場合の粗圧延機3a(R1)の出側におけるスラブ幅の変化を示す。従来の板幅制御方法では、エッジャー5aの目標開度は1020[mm]であるために、定常部では、幅圧下量は0(=1020−1020)[mm]となり、影響はない。しかしながら、先尾端部では、幅圧下量は20(=1040−1020)[mm]となり、エッジャー5aの出側では先尾端部及び定常部共に板幅が1020[mm]となる。

0032

そして、その後、粗圧延機3a(R1)による水平圧延おいて、プレス装置2及びエッジャー5aによって幅圧下されたことによってスラブSの幅方向端部に生じた厚み方向の盛り上がり、すなわちドッグボーンが幅方向に広がる幅戻りが生じる。1−(幅戻り量/幅圧下量)を幅圧下効率と定義し、その値を0.5とすると,粗圧延機3a(R1)の出側における先尾端部と定常部との板幅の差異は20[mm]から10[mm]に減少し、段差プレス量半減してしまう。

0033

図3図4に示すように、粗圧延機3a(R1)の出側では、先端部に5〜6[mm]の幅落ちが生じている。粗圧延機3b,3c(R2,R3)ではさらに幅落ちが生じるため、従来の板幅制御方法では先端部の幅が定常部の幅よりも狭くなる。そして、先端部の幅が製品幅を下回った場合は幅不良となり、不良部を切り捨てる必要が生じるため、歩留が低下する。

0034

一般に、熱間圧延工程では、幅不良が生じないように製品幅に一定のマージン加算したものを目標幅としているが、従来の板幅制御方法ではこのマージンを大きくする必要があり、これも歩留低下の要因となる。また、図4に示す場合よりもスラブ出側幅が目標値よりもさらに広くなった場合も同様に、先尾端部と定常部との圧下量の差異の半分が粗圧延機3a(R1)の出側における先尾端部と定常部との板幅の差異となり、この場合は10[mm]となるので段差プレスの量は半減する。

0035

これに対し、本実施形態では、プレス装置2の出側におけるスラブ先端部の幅の測定値に基づいてエッジャー5aの目標開度を設定する。このため、プレス装置2の出側におけるスラブ幅が目標値よりも20[mm]広くなった場合、すなわち先尾端部及び定常部で板幅がそれぞれ1040[mm]及び1020[mm]となった場合、エッジャー5aの目標開度は1040[mm]に設定される。

0036

このため、スラブSの先尾端部における幅圧下量は0[mm]となり、幅圧下されないので、段差プレスの効果が損なわれることはない。また、プレス装置2の出側におけるスラブ幅が広くなった場合や逆に何らかの理由によって狭くなった場合であっても、エッジャー5aの目標開度は常にプレス装置2の出側におけるスラブ先端部の幅と等しく設定されるので、段差プレスの効果はプレス装置2の出側におけるスラブの幅が目標値である場合と変わることはない。

0037

なお、本実施形態では、スラブ先端部に対するエッジャー5aの幅圧下量が0[mm]になるようにエッジャー5aの目標開度を設定し、その目標開度をスラブ全長に渡って保持するものとしたが、この場合、定常部ではエッジャー5aが全くかからない状態となる。エッジャー5aが全くかからない状態である場合、エッジャー5aによってスラブSが横方向に拘束されないため、水平圧延の途中でスラブSが圧延方向に対して傾いた方向で水平ロールに進入し、その結果、水平圧延出側でスラブSが横方向に曲がってしまう可能性がある。

0038

そこで、プレス装置2の出側におけるスラブ先端部の幅の測定値に等しくなるようにエッジャー5aの目標開度を設定した後、エッジャー5aの圧延荷重が概略一定になるようにエッジャー開度を調整するようにしてもよい。具体的には、荷重測定器13によって計測されたエッジャー5aの圧延荷重の実績値と目標値とを比較し、実績値と目標値との偏差に基づくPI制御等によってエッジャー開度を調整してもよい。これにより、エッジャー5aのロールの位置はスラブ端面をならうように制御される。

0039

プレス工程では、スラブSを間欠的に移動しながら金型によってスラブSを幅方向に圧縮するため、スラブSの端部に凹凸が生じる。このため、上記の制御を行ってもエッジャー5aの圧延荷重は完全に一定にはならないが、本制御の目的はエッジャー5aによってスラブSを拘束することであるので、エッジャー5aの圧延荷重は概略一定であればよい。エッジャー5aの圧延荷重の目標値は、幅圧下が生じない又は数mm以内の軽微なものとなるように定めればよく、通例数トン以内である。

0040

エッジャー5aをスラブ端面にならわせるために、プレス出側幅計12を用いてプレス装置2の出側におけるスラブSの幅を全長に渡って測定し、測定された幅に応じてエッジャー開度を制御してもよい。この場合もエッジャー5aのロールをスラブ端面の凹凸に正確にならわせる必要はなく、エッジャー5aのロールがスラブ端面にほぼ追従すればよい。

0041

この方法では、プレス装置2の出側におけるスラブSの長手方向位置と各長手方向位置における幅とを対応させて記憶し、エッジャー5aのロールバイト下にある材料に対してその位置での幅に基づいてエッジャー開度を制御する必要がある。そのためには、プレス出側幅計12及びエッジャー5aの各位置においてスラブSの長手方向位置を同定する手段、すなわちトラッキング手段が必要である。

0042

トラッキング手段としては、例えばスラブSを搬送するテーブルローラに接続したパルスジェネレータによって一定の回転角度毎パルスを発生し、発生したパルスをカウントすることによって長さに変換する方法、スラブSの上方から測長用のロールを接触させ、それに接続したパルスジェネレータによって一定の回転角度毎にパルスを発生し、パルスをカウントすることにより長さに変換する方法、レーザドップラー速度計によってスラブSの速度を測定し、測定値を積分して長さに変換する方法、エッジャー5aにおいては、エッジャー5aに接続したパルスジェネレータにより一定の回転角度毎にパルスを発生し、パルスをカウントすることによって長さに変換する方法等、公知の技術を用いることができる。

0043

本実施形態では、テーブルローラにパルスジェネレータを接続する方法を用いて、プレス出側幅計12におけるスラブSの速度を測定し、プレス出側幅計12における測定値の立ち上がりのタイミングを起点としてスラブSの速度を積分することにより、その位置におけるスラブSの長手方向位置を求め、それとプレス出側幅測定値を対応させた。また、エッジャー5aでは、エッジャー5aの圧延荷重の立ち上がりのタイミングを起点として、スラブSの速度をそれぞれ積分することにより現在のスラブSの長手方向位置を求め、それに対応した幅に基づいてエッジャー開度を制御した。

0044

以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、本実施形態は、本発明をスラブSの先端部に適用したものであるが、本発明はスラブSの尾端部に対しても同様に適用することができる。このように、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。

0045

1熱間圧延ライン
2プレス装置
3a,3b,3c粗圧延機
4テーブルローラ
5a,5b,5cエッジャー
10板幅制御装置
11操業用計算機(プロセスコンピュータ)
12プレス出側幅計
13荷重測定器
14開度制御装置
15 油圧サーボ装置

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    【課題】本発明は、圧延材の蛇行挙動をより適切に検出できる蛇行検出装置および蛇行検出方法を提供する。【解決手段】本発明の圧延機の蛇行検出装置2aは、圧延機の一対のワークロール以前の入側に配置され、前記圧... 詳細

  • 日本製鉄株式会社の「 鋼片の製造方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】ホットチャージ圧延において、再加熱のコストを低位に抑えながら表面割れの少ない鋼片を製造できる鋼片の製造方法を提供する。【解決手段】ホットチャージ圧延プロセスにおいて、鋳型から引き抜かれた鋳片を... 詳細

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