図面 (/)

技術 RNAの検出方法

出願人 タカラバイオ株式会社
発明者 碓井圭名子上森隆司向井博之加藤郁之進
出願日 2014年11月4日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2014-224007
公開日 2015年2月5日 (5年9ヶ月経過) 公開番号 2015-023874
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 酵素・酵素の調製 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード リアルタイム装置 温度サイクル数 エンド型 SOX 反応組成物 製品コード プライマー伸長鎖 緩衝成分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年2月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

従来のものに比べて優れた、RNAの検出方法、及び該方法にて用いる組成物を提供すること。

解決手段

RNAを検出するための方法であって、(C)逆転写酵素、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び逆転写反応鋳型となるRNAを含有する組成物を逆転写反応に供して得られるcDNAと鋳型となったRNAとで形成されるDNA/RNAハイブリッドと、耐熱性DNAポリメラーゼ耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含む成分とを混合して組成物を調製する工程、(D)工程(C)で調製した組成物を90℃以上、15秒〜10分の熱処理ポリメラーゼ連鎖反応に供し、核酸増幅する工程、並びに(E)工程(D)において増幅された核酸を、インターカレーティング色素からの蛍光シグナルの強度を測定することによって検出する工程、を含む方法。

概要

背景

核酸増幅方法、なかでもポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction、PCR)法は、試験管内において簡便に所望の核酸断片増幅する技術であり、近年、遺伝子に関する研究のみならず、生物学、医学農業幅広い分野において不可欠の実験手法となっている。また、PCRによる核酸の増幅を、例えばインターカレーティング色素を利用して経時的に測定することで、鋳型となるDNAの定量を精度良く行う方法が開発されている(非特許文献1)。この方法は、それまで知られていた定量的PCRと区別する意味で、リアルタイムPCR法と呼ばれている。

リアルタイムPCR法は、インターカレーティング色素を用いる方法以外に、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動オリゴヌクレオチドプローブを用いる方法も知られている。FRETオリゴヌクレオチドプローブを用いるリアルタイムPCRとしては、DNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を利用する方法(Taq Man Probe法)、Molecular Beaconプローブを用いる方法、標的核酸ハイブリダイズした場合にFRETが起こるように設計された2種類のオリゴヌクレオチドプローブを用いる方法(HybriProbe法)、及びリボヌクレオチドを含有するFRETオリゴヌクレオチドプローブと耐熱性リボヌクレアーゼH(RNaseH)とを利用する方法(CycleavePCR法、特許文献1)等が知られている。

PCR法は、RNAの検出方法にも応用され、Reverse TranscriptasePCR(RT−PCR)法と呼ばれている。RT−PCR法は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性、すなわち逆転写活性を有する逆転写酵素、あるいは逆転写活性を併せ持つDNAポリメラーゼを用いてRNAに相補的なDNA転写物cDNA)を合成し、続いてこれを鋳型としてPCRを行うことによりRNA由来cDNAを特異的に増幅、検出する方法である。RT−PCR法は、mRNA由来のcDNAのクローニングやcDNAライブラリーの作製に利用されるほか、特定のmRNAの発現状態を調べる方法としても有用である。また、RT−PCRをリアルタイムPCRに応用したリアルタイムRT−PCR法は、mRNAの定量を精度良く行えるため、遺伝子の発現解析発現プロファイルの作成等に応用されている。

RT−PCRにおいて、逆転写反応後のcDNAは逆転写酵素の鋳型として用いたRNAとDNA/RNAハイブリッドを形成している。このため、RT−PCRが開発された当初より、RT−PCRの反応性を向上させるためには、逆転写反応後にアルカリ、熱、又は酵素での処理によって、PCRの前にcDNAを一本鎖にしておくことが良いとされている。例えば、鋳型となるRNAのGC含量が高い場合には、逆転写反応後に大腸菌由来のリボヌクレアーゼHによる酵素処理の実施が効果的であるとの報告がある(非特許文献2)。

概要

従来のものに比べて優れた、RNAの検出方法、及び該方法にて用いる組成物を提供すること。RNAを検出するための方法であって、(C)逆転写酵素、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び逆転写反応の鋳型となるRNAを含有する組成物を逆転写反応に供して得られるcDNAと鋳型となったRNAとで形成されるDNA/RNAハイブリッドと、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含む成分とを混合して組成物を調製する工程、(D)工程(C)で調製した組成物を90℃以上、15秒〜10分の熱処理とポリメラーゼ連鎖反応に供し、核酸を増幅する工程、並びに(E)工程(D)において増幅された核酸を、インターカレーティング色素からの蛍光シグナルの強度を測定することによって検出する工程、を含む方法。なし

目的

本発明の課題は、従来のものに比べて優れた、RNAの検出方法、及び該方法にて用いる組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

RNAを検出するための方法であって、(C)逆転写酵素、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び逆転写反応鋳型となるRNAを含有する組成物を逆転写反応に供して得られるcDNAと鋳型となったRNAとで形成されるDNA/RNAハイブリッドと、耐熱性DNAポリメラーゼ耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含む成分とを混合して組成物を調製する工程、(D)工程(C)で調製した組成物を90℃以上、15秒〜10分の熱処理ポリメラーゼ連鎖反応に供し、核酸増幅する工程、並びに(E)工程(D)において増幅された核酸を、インターカレーティング色素からの蛍光シグナルの強度を測定することによって検出する工程、を含む方法。

請求項2

工程(E)が工程(D)におけるポリメラーゼ連鎖反応中に実施される、請求項1記載の方法。

請求項3

さらに、(F)工程(E)で測定されたシグナル強度から鋳型となるRNAの定量を行う工程を含む、請求項1又は2記載の方法。

請求項4

請求項1〜3いずれか記載のRNAを検出するための方法において使用する組成物であって、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含有してなる組成物。

請求項5

さらに、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び反応用緩衝液からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有してなる請求項4記載の組成物。

技術分野

0001

本発明は、RNAの検出方法、及び、該方法に有用な組成物に関する。

背景技術

0002

核酸増幅方法、なかでもポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction、PCR)法は、試験管内において簡便に所望の核酸断片増幅する技術であり、近年、遺伝子に関する研究のみならず、生物学、医学農業幅広い分野において不可欠の実験手法となっている。また、PCRによる核酸の増幅を、例えばインターカレーティング色素を利用して経時的に測定することで、鋳型となるDNAの定量を精度良く行う方法が開発されている(非特許文献1)。この方法は、それまで知られていた定量的PCRと区別する意味で、リアルタイムPCR法と呼ばれている。

0003

リアルタイムPCR法は、インターカレーティング色素を用いる方法以外に、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動オリゴヌクレオチドプローブを用いる方法も知られている。FRETオリゴヌクレオチドプローブを用いるリアルタイムPCRとしては、DNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を利用する方法(Taq Man Probe法)、Molecular Beaconプローブを用いる方法、標的核酸ハイブリダイズした場合にFRETが起こるように設計された2種類のオリゴヌクレオチドプローブを用いる方法(HybriProbe法)、及びリボヌクレオチドを含有するFRETオリゴヌクレオチドプローブと耐熱性リボヌクレアーゼH(RNaseH)とを利用する方法(CycleavePCR法、特許文献1)等が知られている。

0004

PCR法は、RNAの検出方法にも応用され、Reverse TranscriptasePCR(RT−PCR)法と呼ばれている。RT−PCR法は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性、すなわち逆転写活性を有する逆転写酵素、あるいは逆転写活性を併せ持つDNAポリメラーゼを用いてRNAに相補的なDNA転写物cDNA)を合成し、続いてこれを鋳型としてPCRを行うことによりRNA由来cDNAを特異的に増幅、検出する方法である。RT−PCR法は、mRNA由来のcDNAのクローニングやcDNAライブラリーの作製に利用されるほか、特定のmRNAの発現状態を調べる方法としても有用である。また、RT−PCRをリアルタイムPCRに応用したリアルタイムRT−PCR法は、mRNAの定量を精度良く行えるため、遺伝子の発現解析発現プロファイルの作成等に応用されている。

0005

RT−PCRにおいて、逆転写反応後のcDNAは逆転写酵素の鋳型として用いたRNAとDNA/RNAハイブリッドを形成している。このため、RT−PCRが開発された当初より、RT−PCRの反応性を向上させるためには、逆転写反応後にアルカリ、熱、又は酵素での処理によって、PCRの前にcDNAを一本鎖にしておくことが良いとされている。例えば、鋳型となるRNAのGC含量が高い場合には、逆転写反応後に大腸菌由来のリボヌクレアーゼHによる酵素処理の実施が効果的であるとの報告がある(非特許文献2)。

0006

国際公開第2003/074696号パンフレット

先行技術

0007

Biotechnology (N Y). 1993 Sep;11(9):1026−1030.
Biosci Biotechnol Biochem. 2003 Nov;67(11):2474−2476.

発明が解決しようとする課題

0008

RT−PCRにおいて、逆転写反応後にアルカリ、熱、又は酵素による処理を行うと、これらの処理を行わない場合に比べて反応終了までにより多くの時間を要する。また、アルカリや酵素での処理を行う場合には、逆転写反応液にアルカリや酵素を添加する工程が必要となるため、操作が煩雑となり、コンタミネーションの危険も増す。従って、これらの問題点の改善が望まれている。

0009

本発明の課題は、従来のものに比べて優れた、RNAの検出方法、及び該方法にて用いる組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意努力した結果、驚くべきことに、RNAを鋳型とした逆転写反応によって合成されたcDNAを鋳型とする核酸増幅反応において、耐熱性リボヌクレアーゼHを利用することによって、簡便で、高い特異性で、かつ高い効率での核酸増幅反応が可能であることを見出した。また、更に驚くべきことに、インターカレーティング色素の存在下であっても耐熱性リボヌクレアーゼ Hが機能することを見出し、本発明を完成させた。

0011

本発明の第1の発明は、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含有する、逆転写反応によって合成されたcDNAを増幅し、逆転写反応の鋳型となったRNAを検出するための組成物に関する。本発明の第1の発明において、耐熱性DNAポリメラーゼとしては高度好熱菌由来のDNAポリメラーゼが例示される。また、本発明の第1の発明において、耐熱性リボヌクレアーゼ Hとしては、Thermus属細菌やThermococcus属古細菌のような高度好熱菌に由来するリボヌクレアーゼ Hが例示される。本発明の第1の発明の組成物は、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び反応用緩衝液からなる群より選ばれる少なくとも1つをさらに含有していても良い。

0012

本発明の第2の発明は、
(A)逆転写酵素、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び逆転写反応の鋳型となるRNAを含有する組成物を調製する工程、
(B)工程(A)で調製した組成物をインキュベーションし、cDNAを合成する工程、
(C)工程(B)で合成したcDNA、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含有する組成物を調製する工程、
(D)工程(C)で調製した組成物を用いてポリメラーゼ連鎖反応を行い、核酸を増幅する工程、並びに
(E)工程(D)において増幅された核酸を、インターカレーティング色素からの蛍光シグナルの強度を測定することによって検出する工程、
包含する、RNAを検出するための方法に関する。本発明の第2の発明において、工程(E)は工程(D)におけるポリメラーゼ連鎖反応中に実施されていても良い。また、工程(E)で測定されたシグナル強度から鋳型となるRNAの定量が実施されても良い。

0013

本発明の第3の発明は、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含有する、RNAを検出するためのキットに関する。本発明の第3の発明における耐熱性DNAポリメラーゼ及び耐熱性リボヌクレアーゼ Hとしては、本発明の第1の発明において例示されたものと同様のものが例示される。本発明の第3の発明のキットは、逆転写酵素、少なくとも1種のプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び反応用緩衝液からなる群より選ばれる少なくとも1つをさらに含有していても良い。

発明の効果

0014

本発明により、従来に比べて作業時間が短く、簡便な操作で行うことができ、かつ反応性が優れた、RNA検出用試薬、RNAの検出方法、及びRNAの検出用キットが提供される。

図面の簡単な説明

0015

PCR反応液中のRNaseH量とCt値との関係を示す図である。
PCR反応液中のRNase H量とCt値との関係を示す図である。

0016

(1)本発明の組成物
本発明の組成物は、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含む。

0017

また、耐熱性DNAポリメラーゼ及び耐熱性リボヌクレアーゼHを含み、かつリボヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチドプローブを含まない組成物も本発明の一態様である。この態様の組成物は、FRETオリゴヌクレオチドプローブを用いるリアルタイムRT−PCRや、RT−PCRによって得られた増幅産物電気泳動により確認する方法等に有用である。

0018

核酸増幅反応の反応性は、特に限定するものではないが、PCRにおいて核酸増幅量がある一定量に達する時の温度サイクル数(Ct値)により確認することができる。例えば、2つの異なる核酸増幅反応系の反応性を比較する場合、同じ量の鋳型を用いてそれぞれの系の核酸増幅反応を実施してCt値を確認すれば、Ct値が低い方を反応性が高い核酸増幅反応系と見なすことができる。

0019

本明細書において、耐熱性DNAポリメラーゼとは、75℃以上の温度で30分間処理した後であっても活性を保持するDNA依存性DNAポリメラーゼの事を言う。当該耐熱性DNAポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性、及び/又はRNA依存性DNAポリメラーゼ活性をさらに有していてもよい。

0020

本発明に使用される耐熱性DNAポリメラーゼは、PCRに使用可能なものであればよく、すでに多くの種類のものが市販されている。本発明を特に限定するものではないが、本発明に使用される耐熱性DNAポリメラーゼとしては、高度好熱菌由来のDNAポリメラーゼが例示される。高度好熱菌とは75℃以上の環境下でも生育できる菌の事を指す。高度好熱菌としては、例えば真正細菌ではThermus aquaticu、Thermus thermophilus、Thermus flavus、及びThermus filiformisのようなThermus属の真正細菌、古細菌ではPyrococcus furiosus、Pyrococcus woseii、Pyrococcus horikoshiiのようなPyrococcus属の古細菌、並びにThermococcus litoralis、Thermococcus celler、Thermococcus siculi、Thermococcus sp. KS−1、及びThermococcus kodakaraensisのようなThermococcus属の古細菌が挙げられる。なお、本発明における耐熱性DNAポリメラーゼとしては、2種以上の耐熱性DNAポリメラーゼの混合物を用いても良い。

0021

リボヌクレアーゼHとは、DNA/RNAハイブリッドのRNA鎖のみを特異的にエンド型で切断する加水分解酵素の事を言い、RNaseHと表記されることもある。本明細書において、耐熱性リボヌクレアーゼ Hとは、60℃以上の温度で15分間処理した後であっても活性を保持するリボヌクレアーゼ Hの事を言う。

0022

本発明における耐熱性リボヌクレアーゼHとしては、特に限定するものではないが、高度好熱菌由来のリボヌクレアーゼ Hが例示され、Thermus thermophilusやThermus flavus等のThermus属細菌由来リボヌクレアーゼ H、及びThermococcus litoralis等のThermococcus属古細菌由来リボヌクレアーゼ Hがより好適に例示される。国際公開第02/22831号パンフレットにも耐熱性リボヌクレアーゼ Hが開示されている。

0023

インターカレーティング色素とは、二本鎖核酸へのインターカレーションにより蛍光が増強される色素のことを言う。例えば臭化エチジウム、SYBR(登録商標)Green I、PicoGreen、SYTO9、SYTO13、EvaGreen、YOYO、TOTO、及びこれらの類似体等がリアルタイムPCR用のインターカレーティング色素として利用されている。本発明におけるインターカレーティング色素としては、上記の色素が例示されるが、特にこれらに限定されるものではなく、核酸へのインターカレーションにより蛍光が増強される色素であれば、本発明におけるインターカレーティング色素に包含される。

0024

本発明の組成物には、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素に加えて、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び/又は反応用緩衝液が含まれていても良い。

0025

オリゴヌクレオチドプライマー(単に、プライマーともいう)は、使用される反応条件において鋳型となる核酸又は相補鎖側のプライマー伸長鎖に対してアニールするオリゴヌクレオチドであれば特に限定されるものではない。プライマーの鎖長は、特異的なアニーリングを行う観点から、好ましくは6ヌクレオチド以上であり、より好ましくは10ヌクレオチド以上であり、オリゴヌクレオチドの合成の観点から、好ましくは100ヌクレオチド以下であり、より好ましくは30ヌクレオチド以下である。前記オリゴヌクレオチドは、例えばABI社(Applied Biosystem Inc.)のDNAシンセサイザー394型を用いて、ホスホアミダイト法により合成出来る。他にもリン酸トリエステル法、H−ホスホネート法、チオホスホネート法等いかなる方法で合成されたものであっても良い。また、生物試料由来のオリゴヌクレオチドであっても良く、例えば天然試料より調製したDNAの制限エンドヌクレアーゼ消化物から単離して作製しても良い。

0026

デオキシリボヌクレオチドは、有機塩基に結合しているデオキシリボースホスホエステル結合によってリン酸基が結合したものである。天然型DNAは、4種類のヌクレオチドを含有する。アデニングアニンシトシン及びチミン塩基を有する各ヌクレオチドが天然型DNAに含まれる。塩基のアデニン、グアニン、シトシン、及びチミンはそれぞれ、A、G、C、及びTと略されることが多い。

0027

デオキシリボヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオシド一リン酸型、二リン酸型及び三リン酸型(すなわち、リン酸部分が、それぞれ、1つ、2つ又は3つのリン酸基を有する)を含む。従って、デオキシリボヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオシド三リン酸(例えば、dATP、dCTP、dITP、dGTP及びdTTP)並びにそれらの誘導体を含む。好適には、dATP、dCTP、dGTP及びdTTPの4種のデオキシリボヌクレオチドを含有する組成物が本発明に使用される。

0028

デオキシリボヌクレオチド誘導体は、[αS]dATP、7−デアザ−dGTP、7−デアザ−dATP、及び核酸分解抵抗性を示すデオキシヌクレオチド誘導体を含む。ヌクレオチド誘導体は、例えば、32P若しくは35Sなどの放射性同位体蛍光部分化学発光部分、生物発光部分又は酵素で検出できるように標識されているデオキシリボヌクレオチドを含む。これらのデオキシリボヌクレオチド誘導体は、必要に応じて本発明の組成物に添加され、又は前記の天然型DNAに対応するデオキシリボヌクレオチドと置換される。

0029

反応用緩衝液とは、反応液のpHを調節するための1種又は複数の緩衝成分を含む溶液のことを示し、2価陽イオン及び1価陽イオンをさらに含む場合もある。反応用緩衝液は前記の成分の他、界面活性剤や耐熱性DNAポリメラーゼ及び/又は耐熱性リボヌクレアーゼHの活性や安定性を向上させるための成分を含んでもよい。

0030

本発明の組成物の調製方法に特に限定はなく、具体的には、例えば、耐熱性DNAポリメラーゼ、インターカレーティング色素、必要により、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び反応用緩衝液を含有する混合物に、耐熱性リボヌクレアーゼH及び少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーを混合することで調製することができる。なお、耐熱性DNAポリメラーゼ、インターカレーティング色素、デオキシリボヌクレオチド、及び反応用緩衝液を含有する混合物としては、SYBR(登録商標) Premix Ex TagTM(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製)等の市販品を好適に使用することができる。

0031

本発明の組成物の一つの態様として、本発明の組成物に鋳型DNAを添加して、滅菌蒸留水等で用時に希釈することにより、各種成分がPCRに適した濃度となるように配合された、濃縮型の組成物が挙げられる。本態様により、核酸増幅用反応液を簡便に調製することが可能となる。

0032

(2)本発明の方法
本発明のRNAの検出方法は、
(A)逆転写酵素、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び鋳型となるRNAを含有する組成物を調製する工程、
(B)工程(A)で調製した組成物をインキュベーションし、cDNAを合成する工程、
(C)工程(B)で合成したcDNA、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含有する組成物を調製する工程、
(D)工程(C)で調製した組成物を用いてポリメラーゼ連鎖反応を行い、核酸を合成する工程、並びに
(E)工程(D)において合成された核酸を、インターカレーティング色素からの蛍光シグナルの強度を測定することによって検出する工程、
を含む。

0033

上記の工程(A)における逆転写酵素は、逆転写活性、すなわちRNAを鋳型としてこれに相補的なDNAを合成する活性を有するものであれば本発明に使用でき、このような逆転写酵素としては、モロニーマウス白血病ウイルス由来逆転写酵素(MMLV由来逆転写酵素)やトリ骨髄芽球症ウイルス由来逆転写酵素(AMV由来逆転写酵素)等のウイルス由来の逆転写酵素、サーマス(Thermus)属細菌由来DNAポリメラーゼ(Tth DNAポリメラーゼ等)や好熱性バチルス(Bacillus)属細菌由来DNAポリメラーゼ(Bca DNAポリメラーゼ等)等の真正細菌由来の耐熱性の逆転写酵素が例示される。市販の逆転写酵素を使用してもよい。

0034

本発明の方法には、ウイルス由来の逆転写酵素が好適に使用され、MMLV由来逆転写酵素がより好適に使用される。また、逆転写活性を有する範囲で天然由来アミノ酸配列改変が施された逆転写酵素も本発明に使用できる。

0035

鋳型となるRNAは、プライマーがアニーリングした場合に、プライマーからの逆転写反応の鋳型として働くことができるRNAである。工程(A)で調製される組成物中には、1種類の鋳型RNAが含まれていても、又は異なるヌクレオチド配列を有する複数種の鋳型が含まれていてもよい。特定の鋳型RNAに特異的なプライマーを使用することによって前記鋳型に相補的なcDNAを作製することができる。複数の鋳型RNAにアニーリングしうるプライマーを選択した場合には、核酸混合物中の複数種の鋳型についてプライマー伸長産物を作製することができる。複数の鋳型は、異なる核酸内に存在しても同一の核酸内に存在してもよい。

0036

本発明に適用することができる鋳型となるRNAとしては特に制限はなく、試料中の全RNA、即ち、mRNA、tRNArRNA等のRNA分子群、あるいは特定のRNA分子群(例えば、共通の塩基配列モチーフを有するRNA分子群、RNAポリメラーゼによる転写物、サブトラクション法によって濃縮されたRNA分子群)が挙げられ、逆転写反応に使用されるプライマーが作製可能な任意のRNAが挙げられる。

0037

本発明において、鋳型となるRNAは、例えば細胞組織、血液のような生体由来試料食品土壌、排水のような生物を含有する可能性のある試料に含有されたものであっても良く、該試料等を公知の方法で処理することによって得られる核酸含有調製物に含有されたものであっても良い。該調製物としては、例えば細胞破砕物やそれを分画して得られる試料、該試料中の全RNA、あるいは特定のRNA分子群、例えば、mRNAを富化した試料等が挙げられる。

0038

逆転写反応を行うための組成物、すなわち逆転写反応液の調製方法は当業者に周知であり、上記の各種成分を適切な濃度で含む反応液を調製すればよい。市販の逆転写用キットを使用すれば容易に逆転写反応液を調製できる。

0039

上記の方法における工程(B)では、鋳型となるRNAに相補的なcDNAが合成される。当該工程(B)におけるインキュベーションの条件としては、特に限定するものではないが、温度条件としては30℃〜65℃が例示され、37℃〜45℃がより好適である。また、反応時間としては、5分〜120分が例示され、15分〜60分がより好適である。前記条件は使用する逆転写酵素や鋳型RNA量に応じて適宜調節すればよい。

0040

上記の方法における工程(C)では、工程(B)で合成したcDNA、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含有する組成物を調製する。耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼ H、及びインターカレーティング色素としては、前記の(1)「本発明の組成物」に記載のものが例示され、工程(B)で合成したcDNAに、本発明の組成物を混合して調製してもよい。

0041

上記の方法における工程(D)では、工程(C)で調製した組成物を用いて、工程(B)において合成されたcDNAを鋳型にポリメラーゼ連鎖反応により核酸増幅を行う。本発明の方法におけるPCRは、3段階の温度を1サイクルとする温度サイクルで行うPCRであっても良く、2段階の温度を1サイクルとする温度サイクルで行うシャトルPCRであっても良い。PCRは、例えば20サイクル〜50サイクルの温度サイクルで行えばよい。

0042

また、上記の3段階又は2段階の温度サイクルの前に、90℃以上、15秒〜10分の熱処理を施しても良い。逆転写反応により生成したcDNAを鋳型とするPCRにおいては、反応性の向上の観点から、PCRの温度サイクル前に熱処理を行うことが好ましい。驚くべきことに、cDNAを鋳型とするPCRに本発明の組成物を用いた場合には、上記のPCRの温度サイクル前に熱処理を行うPCRの増幅効率が更に向上する。

0043

上記方法における工程(E)では、工程(D)において増幅された核酸を、インターカレーティング色素からの蛍光シグナルの強度を測定することによって検出する。これにより、増幅された核酸の鋳型となったRNAを検出することができる。インターカレーティング色素からの蛍光シグナルは、インターカレーティング色素の励起光反応組成物照射することによって発せられ、2本鎖核酸量の増大とともにその強度が増大する。蛍光シグナル強度の検出は、PCR反応終了後に行っても良いし、工程(D)におけるPCR反応の温度サイクルごとに行っても良い。PCR反応の温度サイクルごとにインターカレーティング色素からの蛍光シグナル強度を測定することにより、PCRの鋳型のcDNA量を定量することが可能であり、さらには、定量されたcDNA量から、増幅されたcDNAの鋳型となったRNA量を決定することが可能となる。従って、本発明のRNAの検出方法は、さらに、(F)工程(E)で測定されたシグナル強度から鋳型となるRNAの定量を行う工程を含んでもよい。

0044

PCR反応における蛍光シグナル強度の測定には、例えば市販のリアルタイムPCR用の機器を用いれば良い。市販のリアルタイムPCR用の機器としては、Thermal Cycler Dice(登録商標) Real Time System(タカラバイオ社製)、Smart Cycler(登録商標) II System(タカラバイオ社製)が例示される。

0045

(3)本発明のキット
本発明のキットは、RNAの検出を行うためのキットであり、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、及びインターカレーティング色素を含む。本発明のキットは、逆転写反応によって合成されたcDNAを鋳型とする核酸増幅反応を効率よく行うことができるため、目的の配列を有するRNAの検出に有用であり、また、目的の配列を有するRNAの定量により有用である。

0046

本発明のキットには、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、インターカレーティング色素に加えて、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び/又は反応用緩衝液が含まれていても良い。

0047

耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、インターカレーティング色素、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び/又は反応用緩衝液は、これらのうち一部又は全部が混合された状態でキットに包含されていても、それぞれが単独のコンポーネントの状態でキットに包含されていてもよい。例えば、耐熱性DNAポリメラーゼ、インターカレーティング色素、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び反応用緩衝液が混合されたものとして、SYBR(登録商標) Premix Ex TagTM(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製)等の市販品が挙げられる。

0048

また、本発明のキットには、逆転写反応を行うための試薬がさらに含有されていても良い。このような試薬としては、逆転写酵素、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び/又は反応用緩衝液が挙げられる。なお、ここでいうプライマーとしては、逆転写用に好適に用いられるものが挙げられ、特に限定はない。

0049

本発明のキットに含まれる耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼH、インターカレーティング色素、逆転写酵素、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び反応用緩衝液としては、前記の(1)「本発明の組成物」や(2)「本発明の方法」に記載のものが例示される。

0050

本発明の組成物は、cDNA合成の鋳型となったRNAによる核酸増幅反応への影響を抑えることができるため、RNAの検出に有用であり、さらには、RNAを検出し、その定量を行うために使用されてもよい。また、目的の配列を有するRNAのリアルタイムRT−PCRによる定量により有用である。

0051

以下に実施例をもってさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。なお、下記実施例において各酵素の活性は、特段の記載がない限り各酵素に添付の説明書の表示に基づいて示した。

0052

実施例1
(1)RNAからのcDNAの合成
Human Testis Total RNA(Clontech社製)を鋳型として、PrimeScript(登録商標)RTreagent Kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製、製品コードRR037A)を利用し、製品標準プロトコールに従い逆転写反応を行い、cDNAを調製した。

0053

(2)cDNAの増幅及び検出
リアルタイムPCR装置としては、Thermal Cycler Dice(登録商標) Real Time System (タカラバイオ社製)を用いた。逆転写反応により得られたcDNAのうち20ng分を鋳型に、SYBR(登録商標) Premix Ex TagTM(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製、製品コード:RR041)を使用して、Apolipoprotein E(APOE)遺伝子の配列を増幅・検出した。具体的には、cDNAの増幅及び検出用の反応液として、(1)により得られたcDNA 20ngに、Premix Ex TagTM(登録商標)(Perfect Real Time)に添付の2倍濃度の反応液に、配列表の配列番号1に示される塩基配列を有するAPOE−Fプライマー10pmol、配列表の配列番号2に示される塩基配列を有するAPOE−Rプライマー 10pmol、及び滅菌蒸留水を添加し、さらに、0.0001U、0.001U、0.01U、0.1U、1U、10U、又は100UのThermococcus litralis由来リボヌクレアーゼH(以下、TliRNaseHという、国際公開第02/22831号パンフレットの記載に従って調製)を添加したものを加え、Tli RNase Hの含有量がそれぞれ異なる7種類の反応液(各25μL)を調製した。また、Tli RNase Hを含まない以外は上記の反応液と同様の組成を持つ反応液を調製した(計25μL)。上記8種類の反応液について、1段階:95℃、5秒、2段階:60℃、30秒を1Cycleとする40CyclesのPCRに供した(n=2)。このとき、PCRのCycleごとに、SYBR(登録商標) GreenIからの蛍光強度を測定し、増幅産物量の変化を観測した。反応終了後リアルタイム装置により、Auto設定でCrossing Point法により算出されたCt値を確認し、また、平均値を求めた。

0054

(3)結果
算出されたCt値を表1に示す。また、PCR反応液中のRNaseH量とCt値との関係を図1グラフに示す。

0055

0056

その結果、RNaseH無添加の場合と比較し、Tli RNase Hを含む反応液では低いCt値であった。このことから、逆転写反応によって合成されたcDNAを鋳型とするPCRの際に、反応液中に耐熱性RNase Hを添加することにより増幅効率が向上することが明らかとなった。

0057

実施例2
実施例1と同様の装置及び試薬を使用し、熱変性をPCR核酸増幅前に行った場合についても、RNaseHを添加することでCt値が低下することを確認した。

0058

実施例1(1)と同様の方法で調製したcDNA10ngに、Premix Ex TaqTM(登録商標)(Perfect Real Time)に添付の2倍濃度の反応液に、APOE−Fプライマー10pmol、APOE−Rプライマー 10pmol、及び滅菌蒸留水を添加し、さらに、1UのTliRNaseHを加えたものを添加して、計25μLのAPOE遺伝子断片の増幅及び検出用反応液を調製した。また、APOE−Fプライマー及びAPOE−Rプライマーの代わりに、配列表の配列番号3に示される塩基配列を有するSOX−Fプライマー及び配列表の配列番号4に示される塩基配列を有するSOX−Rプライマーを用いる以外は上記と同様の方法で、Sex−Determining Region Y Box 18(SOX18)遺伝子断片の増幅及び検出用反応液を調製した。同様に、APOE−Fプライマー及びAPOE−Rプライマーの代わりに、配列表の配列番号5に示される塩基配列を有するNAT−Fプライマー及び配列表の配列番号6に示される塩基配列を有するNAT−Rプライマーを用いてN−acetyltransferase 14(NAT14)遺伝子断片の増幅及び検出用反応液を調製した。また、1UのTli RNase Hを含まない以外は上記の各反応液と同様の組成を持つ各標的配列の増幅及び検出用の反応液を調製した。

0059

上記6種類の反応液それぞれについて、PCR前に熱変性を実施しない場合と、PCR前に熱変性を実施する場合の増幅効率を確認した。PCR反応前に熱変性を実施しない場合は、1段階:95℃、5秒、2段階:60℃、30秒を1Cycleとする40CyclesのPCRに反応液を供し、PCR前に熱変性を実施する場合は、熱変性95℃、30秒の処理後に1段階:95℃、5秒、2段階:60℃、30秒を1Cycleとする40CyclesのPCRに反応液を供した(各n=1)。PCRの際には、CycleごとにSYBR(登録商標) GreenIからの蛍光強度を測定して増幅産物量の変化を観測した。反応終了後、リアルタイム装置によりAuto設定でCrossing Point法により算出されたCt値を確認した。算出されたCt値を表2に示す。

0060

0061

その結果、PCRの反応前に熱変性を実施した場合においても、RNaseHを添加することにより更に反応効率が向上することが分かった。この結果から、逆転写反応後のcDNAと逆転写反応の鋳型となったRNAとで形成されるDNA/RNAハイブリッドを、熱変性により核酸増幅反応前に解消した場合であっても、PCR反応液中の耐熱性RNase Hが効果を示すことが明らかとなった。

0062

実施例3
TliRNaseHの代わりにHybridaseTM(登録商標) Thermostable RNase H(以下、Hybridaseという、Epicentre社製、Thermus属細菌由来耐熱性RNase H)を用いる点、RNase H量を反応液25μL当り0.0001U、0.001U、0.01U、0.1U、及び1Uとする点、並びに95℃、30秒間の初期変性をPCRの前に実施する点以外は、実施例1と同様の方法でcDNAの増幅及び検出を行い、Ct値を確認した。

0063

算出されたCt値を表3に示す。また、反応液中のRNaseH量とCt値との関係を図2に示す。

0064

0065

その結果、耐熱性RNaseHとしてThermus属細菌由来のものを用いた場合も、RNase Hの添加による核酸増幅効率の向上が見られた。

実施例

0066

なお、本発明の態様として、以下のものが挙げられる。

〔1〕逆転写反応によって合成されたcDNAを増幅し、前記逆転写反応の鋳型となったRNAを検出するための組成物であって、
耐熱性DNAポリメラーゼ、
耐熱性リボヌクレアーゼH、及び
インターカレーティング色素
を含有してなる組成物。
〔2〕 耐熱性DNAポリメラーゼが高度好熱菌由来のDNAポリメラーゼである、〔1〕記載の組成物。
〔3〕 耐熱性リボヌクレアーゼ Hが高度好熱菌由来のリボヌクレアーゼ Hである、〔1〕記載の組成物。
〔4〕 高度好熱菌由来のリボヌクレアーゼ Hが、Thermus属細菌由来リボヌクレアーゼ H、及び/又はThermococcus属古細菌由来のリボヌクレアーゼ Hである、〔3〕記載の組成物。
〔5〕 さらに、
少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、
少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び
反応用緩衝液
からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有してなる〔1〕記載の組成物。
〔6〕 逆転写反応の鋳型となったRNAを検出し、さらに定量するために使用される、〔1〕〜〔5〕いずれか記載の組成物。
〔7〕 RNAを検出するための方法であって、
(A)逆転写酵素、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマー、少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び逆転写反応の鋳型となるRNAを含有する組成物を調製する工程、
(B)工程(A)で調製した組成物をインキュベーションし、cDNAを合成する工程、
(C)工程(B)で合成したcDNA、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性リボヌクレアーゼ H、及びインターカレーティング色素を含有する組成物を調製する工程、
(D)工程(C)で調製した組成物を用いてポリメラーゼ連鎖反応を行い、核酸を増幅する工程、並びに
(E)工程(D)において増幅された核酸を、インターカレーティング色素からの蛍光シグナルの強度を測定することによって検出する工程、
を含む方法。
〔8〕 工程(E)が工程(D)におけるポリメラーゼ連鎖反応中に実施される、〔7〕記載の方法。
〔9〕 さらに、(F)工程(E)で測定されたシグナル強度から鋳型となるRNAの定量を行う工程を含む、〔7〕又は〔8〕記載の方法。
〔10〕 RNAを検出するためのキットであって、
耐熱性DNAポリメラーゼ、
耐熱性リボヌクレアーゼ H、及び
インターカレーティング色素
を含有してなるキット。
〔11〕 耐熱性DNAポリメラーゼが高度好熱菌由来のDNAポリメラーゼである、〔10〕記載のキット。
〔12〕 耐熱性リボヌクレアーゼ Hが高度好熱菌由来のリボヌクレアーゼ Hである、〔10〕記載のキット。
〔13〕 高度好熱菌由来のリボヌクレアーゼ Hが、Thermus属細菌由来リボヌクレアーゼ H、及び/又はThermococcus属古細菌由来のリボヌクレアーゼ Hである、〔12〕記載のキット。
〔14〕 さらに、逆転写酵素、
少なくとも1種のプライマー、
少なくとも1種のデオキシリボヌクレオチド、及び
反応用緩衝液
からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有してなる〔10〕〜〔13〕いずれか記載のキット。

0067

本発明の組成物、該組成物を用いるRNAの検出方法、及びRNAの検出用キットは、広く遺伝子工学の分野に有用である。なかでも、本発明によりcDNA合成の鋳型となったRNAによる核酸増幅反応への影響を抑えることができるため、RNAの検出に有用であり、また、目的の配列を有するRNAのリアルタイムRT−PCRによる定量により有用である。

0068

SEQID NO:1 ;Primer to amplify thecDNAfragment of humanAPOE gene.
SEQ ID NO:2 ;Primer to amplify the cDNA fragment of human APOE gene.
SEQ ID NO:3 ;Primer to amplify the cDNA fragment of humanSOX18 gene.
SEQ ID NO:4 ;Primer to amplify the cDNA fragment of human SOX18 gene.
SEQ ID NO:5 ;Primer to amplify the cDNA fragment of human NAT14 gene.
SEQ ID NO:6 ;Primer to amplify the cDNA fragment of human NAT14 gene.

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ