図面 (/)

技術 無線通信ネットワークシステム、常時動作無線端末、無線通信方法、および、プログラム

出願人 富士電機株式会社
発明者 リュウセイ畠内孝明
出願日 2013年7月16日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2013-147545
公開日 2015年2月2日 (5年9ヶ月経過) 公開番号 2015-023304
状態 特許登録済
技術分野 移動無線通信システム
主要キーワード データ転送条件 送信要因 データ滞留 送信事象 到達遅延 バロメータ 転送要求パケット 受信側無線端末
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年2月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

受信者駆動方式による起動により中継転送しながらデータを収集先転送するシステムであって、収集先周辺のデータ輻輳緩和して収集先へのデータの到達遅延を防止し且つ通信到達率を向上させる無線通信ネットワークシステムを提供する。

解決手段

信無線端末(N)は自端末フリーになった場合には、複数の周辺送信無線端末(O)〜(R)に[受信可能]パケット同報送信する。[受信可能]パケットを受信した送信無線端末(P)及び(Q)からは[転送要求]パケットを送信する。[転送要求]パケットには、“優先フラグ”、“ネットワーク滞留時間”の情報が格納されており、受信無線端末(N)はこの情報を元にデータ転送の条件に合致する送信端末として送信無線端末(P)を選択し、送信無線端末(P)に対して[転送要求応答]パケットを送信し、これを受信した送信無線端末(P)が[転送データ]パケットを送信して、データ転送処理を終了する。

概要

背景

一般に、無線MAC(media access control)層通信は、通常では、送信無線端末が1台で受信無線端末が1台の1:1の通信形態を採るが、稀に、送信無線端末が1台で受信無線端末が不特定多数同報通信ブロードキャスト)の通信形態や送信無線端末が1台で受信無線端末が複数の受信無線端末から送信無線端末によって選択された選択性同報送信マルチキャスト)の通信形態を採る場合がある。そして送信無線端末が複数の受信無線端末から選択して通信を行う方法には、間欠動作する無線端末間で通信を行う方法と、常時動作する送信無線端末で受信無線端末を選択する方法などが知られている。

上記における通信形態は、いずれも1台の送信無線端末が複数の受信無線端末から選択した相手にデータを転送する方式である。一方、センサーネットワークのような多数の発生源から発出されたデータが収集先の一箇所に集中するようなシステムでは、多数の送信無線端末に対して1台の受信無線端末という通信形態が無線MAC層通信において想定される。

図7は、従来の送信者駆動による無線通信ネットワークシステムを説明する図である。図7において、データ発生源(図中の白丸)とデータ収集先X(図中の黒丸)は各々無線通信によってデータの授受を行う。無線通信の到達距離には制限があり、データ収集先Xから離れたデータ発生源、例えば、データ発生源I,K,M,O,P,Rからのデータは、途中のデータ発生源がデータ中継を行って最終的にデータ収集先Xまでデータ転送されることになる。

図7において、一例として、データ発生源I、すなわち後述する送信者駆動方式に基づいて送信者であるデータ発生源Iが通信シーケンスを主導して、受信者であるデータ発生源Aにデータ転送し、今度はデータ発生源Aが送信者となってデータ発生源Aからデータをデータ収集先X(図中の黒丸)に転送する。

図7では、データ収集先Xに近いデータ発生源がデータの中継無線端末となってデータ発生源Iからデータ収集先Xへ矢印で示すようにデータを中継転送している。このように図7に示す送信者駆動による無線ネットワークシステムにおいては、データ発生源からデータ収集先Xまでの距離が無線通信の到達距離よりも長く、途中、無線端末がデータ中継することで多数散在するデータ発生源のデータを無線通信によって一箇所にデータ転送しているため、データ収集先Xに近い周辺のデータ発生源、例えば、データ発生源A,B,C,D,E,Fのそれぞれがほぼ同時期に収集先Xに転送すべきデータを保持してしまうと通信輻輳が生じてしまい、通信の輻輳によるデータの到達遅延、通信到達率の悪化が起こることになる。

図8は、従来の送信者駆動により起動される通信シーケンス例を示す図である。図8において送信側無線端末、図示例では送信者(N)、で送信事象が発生(転送データを保持)した場合には、周辺に存在する複数の受信側無線端末、図示例では受信者(O),受信者(P),受信者(Q),受信者(R)、に(1)[転送要求]パケットを同報送信する。この[転送要求]パケットを受信した、受信者(P)および受信者(O)から(2)[転送要求応答]パケットが返信される。他の受信者(Q),受信者(R)からは、例えば別のデータを所持しているなど新規にデータを受信できないため、[転送要求応答]パケットは送信されないものとする。

送信者(N)は、(2)[転送要求応答]パケットが送信された受信者(P)および受信者(O)の中から、データ転送の条件に合致する受信者(O)を選択し、受信者(O)に対して(3)[転送データ]パケットを送信して、データ転送処理を終了する。

送信者(N)は、データ転送処理が終了したあとは、自無線端末を送信者から受信者に切り替え、また、受信者(O),受信者(P),受信者(Q),受信者(R)の中のいずれかで、送信事象が発生(転送データを保持)した場合には、上記した送信者(N)と同様に、周辺に存在する複数の受信側無線端末に(1)[転送要求]パケットを同報送信する。そして上記と同様に、この[転送要求]パケットを受信した受信者のいずれかから(2)[転送要求応答]パケットが送信され、データ転送の条件に合致するいずれかの受信者に対して(3)[転送データ]パケットを送信して、データ転送処理を終了する。以後、この通信シーケンスを繰り返すことでデータ転送が継続して行われる。

図9は、従来の送信者駆動方式のパケット転送シーケンス例を説明する図である。いま送信側の無線端末Pに送信要因が発生してデータ送信を開始するにあたり、無線端末Pはまず通信要求(RREQ)としてパケットT11を送信する。なお通信要求(RREQ)は、受信者から送信者に通信応答を促すものである。

無線端末Pから周辺の無線端末に送信された通信要求(RREQ)を無線端末Pの周辺に位置する複数の無線端末(図示例では無線端末Q,Rのみを図示している)がほぼ同時に受信する。

受信側の無線端末Q,Rは、無線端末内に応答送信タイミング生成部を持たず且つ各々の無線端末にあらかじめ設定されている応答を送信するための送信タイミングが同一に設定されているため、通信要求(RREQ)を送信した無線端末Pに対して通信要求(RREQ)を受信した不特定の無線端末のそれぞれにおいて中継転送可能と判断したら同一タイミングで通信応答(RNO)としてのパケットT12を送信する。このため、通信応答(RNO)の衝突が発生して通信が異常終了となってしまう。

このように、従来の無線通信ネットワークシステムにおける各無線端末は、送信側の無線端末から送出された通信要求(RREQ)に対してこれを受信した受信側の無線端末が中継(転送)可能と判断した場合には、他の受信側の無線端末の応答送信のタイミングを返りみずに各受信側の無線端末で同一に設定されている応答送信タイミングで通信応答(RNO)を送信することにより通信応答(RNO)の衝突が発生して通信が異常終了するため再送信を余儀なくされていた。

下記特許文献1には、自身の無線端末装置以外の無線端末装置に宛てられたデータを受信している期間、及びそのデータの受信終了後の予め定めた期間(例えば、データを送信した無線端末装置が、それに宛てた無線端末装置がデータを正常に受信できたか否かを判別するに必要な期間)を避けて、送信させるべきデータを無線端末装置に送信させることでパケットの衝突を回避する無線通信システムが記載されている。

また下記特許文献2には、無線MAC(media access control)処理部における送信パケットスケジューリングに関して、トラヒック制御パケット送信優先度を、データパケットの送信優先度よりも高く設定し、データパケットとして、高リアルタイム性パケット高信頼性パケットとが送信されるようにし、トラヒック制御パケットは、高信頼性パケットのトラヒック制御パケットにし、トラヒック制御パケットは、データパケットの送達確認パケットとし、高信頼性パケットはTCP(transmission control protocol)に基づくようにした送信パケットスケジューリング方法が記載されている。

概要

受信者駆動方式による起動により中継転送しながらデータを収集先に転送するシステムであって、収集先周辺のデータ輻輳を緩和して収集先へのデータの到達遅延を防止し且つ通信到達率を向上させる無線通信ネットワークシステムを提供する。受信無線端末(N)は自端末フリーになった場合には、複数の周辺送信無線端末(O)〜(R)に[受信可能]パケットを同報送信する。[受信可能]パケットを受信した送信無線端末(P)及び(Q)からは[転送要求]パケットを送信する。[転送要求]パケットには、“優先フラグ”、“ネットワーク滞留時間”の情報が格納されており、受信無線端末(N)はこの情報を元にデータ転送の条件に合致する送信端末として送信無線端末(P)を選択し、送信無線端末(P)に対して[転送要求応答]パケットを送信し、これを受信した送信無線端末(P)が[転送データ]パケットを送信して、データ転送処理を終了する。

目的

本発明は、データ発生源から発出されたデータを途中の無線端末が受信者駆動方式による起動により中継転送しながらデータを収集先に転送するシステムであって、収集先周辺の無線端末における輻輳を緩和して収集先へのデータ到達遅延防止、通信到達率の向上を図る無線通信ネットワークシステムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

データ発生源から収集先までの距離が無線通信到達距離よりも長く、途中、受信機能送信機能を有する無線端末がデータを中継することによって一つの収集先に収集する無線通信ネットワークシステムにおいて、前記無線端末のいずれかがポーリング主体となる受信無線端末となるとともに前記データ発生源で発生した転送すべきデータを所持する前記無線端末がポーリング主体となった前記受信無線端末からのポーリング信号を受信して該ポーリング信号に対する応答信号を送信する送信無線端末となる通信シーケンスを継続し最後に前記収集先が前記受信無線端末となって前記データ発生源からのデータを収集する無線通信ネットワークシステムであって、前記受信無線端末は、自無線端末フリー状態になったことを示す受信可パケット周辺の送信無線端末に同報送信する手段と、前記周辺の送信無線端末から前記受信可能パケットに対する応答としてデータの優先度を示す情報が含まれた転送要求パケットを各送信無線端末が演算して求めた応答送信イミングで受信する手段と、前記転送要求パケットに含まれる前記優先度を示す情報から送信無線端末を選択する手段と、選択した送信無線端末に転送要求応答パケットを送信する手段と、該転送要求応答パケットを受信した送信無線端末からデータパケットを受信する手段と、を有し、前記送信無線端末は、前記受信無線端末から送信された受信可能パケットを受信する手段と、該受信可能パケットに対して応答する場合に、応答送信タイミングを自端末内の演算で求めて該応答送信タイミングでデータの優先度を示す情報を含む転送要求パケットを送信する手段と、前記転送要求パケットに対する応答として前記受信無線端末から転送要求応答パケットを受信する手段と、該転送要求応答パケットを受信した場合には、データパケットを送信する手段と、を有する、ことを特徴とする無線通信ネットワークシステム。

請求項2

請求項1記載の無線通信ネットワークシステムにおいて、前記転送要求パケットに含まれる優先度を示す情報は、優先フラグネットワーク滞留時間組合せから成ることを特徴とする無線通信ネットワークシステム。

請求項3

請求項2記載の無線通信ネットワークシステムにおいて、前記優先度は、前記優先フラグがセットされ且つネットワーク滞留時間が最も長い時間を示すときを優先度が最も高いデータとして処理することを特徴とする無線通信ネットワークシステム。

請求項4

請求項2記載の無線通信ネットワークシステムにおいて、前記優先度は、前記優先フラグがセットされていない場合には、前記ネットワーク滞留時間が最も長い時間を示すときを優先度が高いデータとして処理することを特徴とする無線通信ネットワークシステム。

請求項5

パケット衝突回避機能を有する常時動作無線端末をランダムに複数配置し、各常時動作無線端末は情報を中継・転送することで収集先の常時動作無線端末に情報を伝達する無線通信ネットワークシステムにおいて、前記常時動作無線端末は、少なくとも自無線端末のIDを記憶するメモリと、フリー状態であることを示す受信可能パケットが受信無線端末となった常時動作無線端末から同報送信された場合に、前記受信可能パケットを受信した無線端末は転送すべきデータを自無線端末内に保持しているときには送信無線端末となって所定の応答送信タイミングを算出するよう応答送信タイミング生成部に指示するパケット制御部と、前記パケット制御部から応答タイミングを算出するように指示された場合に、前記メモリに記憶された前記自無線端末のIDを読み出し、読み出した前記自無線端末のIDに所定の係数掛算して前記応答タイミングを算出し、算出した応答送信タイミングを前記パケット制御部に出力する応答送信タイミング生成部と、を備え、前記応答送信タイミング生成部から出力された応答送信タイミングで前記パケット制御部が前記受信可能パケットを同報送信した前記受信無線端末に転送要求パケットを送信し、前記受信可能パケットを同報送信した前記受信無線端末が前記転送要求パケットを受信して前記転送要求パケットに含まれる優先度を示す情報を前記受信無線端末の前記パケット制御部が解析して前記転送要求パケットを送信した複数の送信無線端末のいずれかを選択し、該選択した送信無線端末に転送要求応答パケットを送信することで前記選択された前記送信無線端末はデータパケットを送信し、該データパケットを受信した前記受信無線端末は別の受信無線端末から同報送信される受信可能パケットを受信するように制御して、該受信可能パケットを受信したらその応答として転送要求パケットを送信し、該転送要求パケットを送信して前記受信無線端末により送信無線端末として選択された場合には前記データパケットを転送することで一連情報転送を終了することを特徴とする無線通信ネットワークシステム。

請求項6

パケット衝突回避機能を有する常時動作無線端末をランダムに複数配置し、各常時動作無線端末は情報を中継・転送することで収集先の常時動作無線端末に情報を伝達する無線通信ネットワークシステムにおける常時動作無線端末であって、該常時動作無線端末は、少なくとも、無線送信回路と、無線受信回路と、送受切替回路と、アンテナと、無線端末全体を制御する制御部とを備え、無線端末全体を制御する前記制御部は、少なくとも自無線端末のIDを記憶するメモリと、フリー状態であることを示す受信可能パケットが受信無線端末となった常時動作無線端末から同報送信された場合に、前記受信可能パケットを受信した無線端末は転送すべきデータを自無線端末内に保持しているときには送信無線端末となって前記受信無線端末に所定の応答送信タイミングを算出するよう応答送信タイミング生成部に指示するパケット制御部と、前記パケット制御部から応答タイミングを算出するように指示された場合に、前記メモリに記憶された前記自無線端末のIDを読み出し、読み出した前記自無線端末のIDに所定の係数を掛算して前記応答タイミングを算出し、算出した応答送信タイミングを前記パケット制御部に出力する応答送信タイミング生成部と、を有し、前記制御部が、前記応答送信タイミング生成部から前記パケット制御部に出力された応答送信タイミングで受信可能パケットを送信した受信無線端末に転送要求パケットを送信する、ことを特徴とする常時動作無線端末。

請求項7

パケット衝突回避機能を有する常時動作無線端末をランダムに複数配置し、各常時動作無線端末は情報を中継・転送することで収集先の常時動作無線端末に情報を伝達する無線通信ネットワークシステムにおける無線通信方法であって、前記常時動作無線端末は、受信無線端末となって自無線端末内の処理が終了するとポーリング主体となって自無線端末がフリー状態になったことを示す受信可能パケットを周辺の常時動作無線端末に同報送信し、前記受信可能パケットを受信した周辺の常時動作無線端末は転送すべきデータを自無線端末内に保持しているときには送信無線端末となって所定の応答送信タイミングを算出するよう応答送信タイミング生成部に指示し、自無線端末内の応答送信タイミング生成部は、メモリ内に記憶された自無線端末のIDに所定の係数を掛算して前記応答送信タイミングを算出し、算出した応答送信タイミングを前記パケット制御部に出力し、前記パケット制御部は、前記応答送信タイミング生成部から出力された応答送信タイミングで前記受信可能パケットを送信した受信無線端末にデータの優先度を示す情報が含まれた転送要求パケットを送信し、前記受信無線端末は前記転送要求パケットに含まれる前記優先度を示す情報から送信無線端末を選択し、選択した送信無線端末に対して転送要求応答パケットを送信することで前記送信無線端末からデータパケットを受信する、ことを特徴とする無線通信方法。

請求項8

パケット衝突回避機能を有する常時動作無線端末をランダムに複数配置し、各常時動作無線端末は情報を中継・転送することで収集先の常時動作無線端末に情報を伝達する無線通信ネットワークシステムにおける受信側の常時動作無線端末のコンピュータを、自無線端末がフリー状態になった常時動作無線端末は自ら受信無線端末となって、フリー状態になったことを示す受信可能パケットを周辺の無線端末に同報送信する手段と、前記受信可能パケットを受信した周辺の送信無線端末からデータの優先度を示す情報が含まれた転送要求パケットを受信する手段と、前記転送要求パケットに含まれる前記優先度を示す情報から送信無線端末を選択する手段と、選択した前記送信無線端末に対して転送要求応答パケットを送信する手段と、選択した前記送信無線端末からデータパケットを受信する手段、として機能させるためのプログラム

請求項9

パケット衝突回避機能を有する常時動作無線端末をランダムに複数配置し、各常時動作無線端末は情報を中継・転送することで収集先の常時動作無線端末に情報を伝達する無線通信ネットワークシステムにおける送信側の常時動作無線端末のコンピュータを、前記常時動作無線端末が受信無線端末となった場合に該受信無線端末から送信される受信可能パケットを受信する手段と、該受信可能パケットに対して応答する場合に、応答送信タイミングを自端末内の演算で求めて該応答送信タイミングでデータの優先度を示す情報を含む転送要求パケットを送信する手段と、前記転送要求パケットに対する応答として前記受信無線端末から転送要求応答パケットを受信する手段と、該転送要求応答パケットを受信した場合には、前記受信無線端末にデータパケットを送信する手段、として機能させるためのプログラム。

技術分野

0001

本発明は、多数の散在するデータ発生源のデータを無線通信によって一つの収集先収集するシステムにおいて、データ発生源から収集先までの距離が無線通信の到達距離よりも長く、途中、無線端末がデータを中継することによって一つの収集先に収集可能とする無線通信ネットワークシステムに関する。

背景技術

0002

一般に、無線MAC(media access control)層通信は、通常では、送信無線端末が1台で受信無線端末が1台の1:1の通信形態を採るが、稀に、送信無線端末が1台で受信無線端末が不特定多数同報通信ブロードキャスト)の通信形態や送信無線端末が1台で受信無線端末が複数の受信無線端末から送信無線端末によって選択された選択性同報送信マルチキャスト)の通信形態を採る場合がある。そして送信無線端末が複数の受信無線端末から選択して通信を行う方法には、間欠動作する無線端末間で通信を行う方法と、常時動作する送信無線端末で受信無線端末を選択する方法などが知られている。

0003

上記における通信形態は、いずれも1台の送信無線端末が複数の受信無線端末から選択した相手にデータを転送する方式である。一方、センサーネットワークのような多数の発生源から発出されたデータが収集先の一箇所に集中するようなシステムでは、多数の送信無線端末に対して1台の受信無線端末という通信形態が無線MAC層通信において想定される。

0004

図7は、従来の送信者駆動による無線通信ネットワークシステムを説明する図である。図7において、データ発生源(図中の白丸)とデータ収集先X(図中の黒丸)は各々無線通信によってデータの授受を行う。無線通信の到達距離には制限があり、データ収集先Xから離れたデータ発生源、例えば、データ発生源I,K,M,O,P,Rからのデータは、途中のデータ発生源がデータ中継を行って最終的にデータ収集先Xまでデータ転送されることになる。

0005

図7において、一例として、データ発生源I、すなわち後述する送信者駆動方式に基づいて送信者であるデータ発生源Iが通信シーケンスを主導して、受信者であるデータ発生源Aにデータ転送し、今度はデータ発生源Aが送信者となってデータ発生源Aからデータをデータ収集先X(図中の黒丸)に転送する。

0006

図7では、データ収集先Xに近いデータ発生源がデータの中継無線端末となってデータ発生源Iからデータ収集先Xへ矢印で示すようにデータを中継転送している。このように図7に示す送信者駆動による無線ネットワークシステムにおいては、データ発生源からデータ収集先Xまでの距離が無線通信の到達距離よりも長く、途中、無線端末がデータ中継することで多数散在するデータ発生源のデータを無線通信によって一箇所にデータ転送しているため、データ収集先Xに近い周辺のデータ発生源、例えば、データ発生源A,B,C,D,E,Fのそれぞれがほぼ同時期に収集先Xに転送すべきデータを保持してしまうと通信輻輳が生じてしまい、通信の輻輳によるデータの到達遅延、通信到達率の悪化が起こることになる。

0007

図8は、従来の送信者駆動により起動される通信シーケンス例を示す図である。図8において送信側無線端末、図示例では送信者(N)、で送信事象が発生(転送データを保持)した場合には、周辺に存在する複数の受信側無線端末、図示例では受信者(O),受信者(P),受信者(Q),受信者(R)、に(1)[転送要求]パケットを同報送信する。この[転送要求]パケットを受信した、受信者(P)および受信者(O)から(2)[転送要求応答]パケットが返信される。他の受信者(Q),受信者(R)からは、例えば別のデータを所持しているなど新規にデータを受信できないため、[転送要求応答]パケットは送信されないものとする。

0008

送信者(N)は、(2)[転送要求応答]パケットが送信された受信者(P)および受信者(O)の中から、データ転送の条件に合致する受信者(O)を選択し、受信者(O)に対して(3)[転送データ]パケットを送信して、データ転送処理を終了する。

0009

送信者(N)は、データ転送処理が終了したあとは、自無線端末を送信者から受信者に切り替え、また、受信者(O),受信者(P),受信者(Q),受信者(R)の中のいずれかで、送信事象が発生(転送データを保持)した場合には、上記した送信者(N)と同様に、周辺に存在する複数の受信側無線端末に(1)[転送要求]パケットを同報送信する。そして上記と同様に、この[転送要求]パケットを受信した受信者のいずれかから(2)[転送要求応答]パケットが送信され、データ転送の条件に合致するいずれかの受信者に対して(3)[転送データ]パケットを送信して、データ転送処理を終了する。以後、この通信シーケンスを繰り返すことでデータ転送が継続して行われる。

0010

図9は、従来の送信者駆動方式のパケット転送シーケンス例を説明する図である。いま送信側の無線端末Pに送信要因が発生してデータ送信を開始するにあたり、無線端末Pはまず通信要求(RREQ)としてパケットT11を送信する。なお通信要求(RREQ)は、受信者から送信者に通信応答を促すものである。

0011

無線端末Pから周辺の無線端末に送信された通信要求(RREQ)を無線端末Pの周辺に位置する複数の無線端末(図示例では無線端末Q,Rのみを図示している)がほぼ同時に受信する。

0012

受信側の無線端末Q,Rは、無線端末内に応答送信タイミング生成部を持たず且つ各々の無線端末にあらかじめ設定されている応答を送信するための送信タイミングが同一に設定されているため、通信要求(RREQ)を送信した無線端末Pに対して通信要求(RREQ)を受信した不特定の無線端末のそれぞれにおいて中継転送可能と判断したら同一タイミングで通信応答(RNO)としてのパケットT12を送信する。このため、通信応答(RNO)の衝突が発生して通信が異常終了となってしまう。

0013

このように、従来の無線通信ネットワークシステムにおける各無線端末は、送信側の無線端末から送出された通信要求(RREQ)に対してこれを受信した受信側の無線端末が中継(転送)可能と判断した場合には、他の受信側の無線端末の応答送信のタイミングを返りみずに各受信側の無線端末で同一に設定されている応答送信タイミングで通信応答(RNO)を送信することにより通信応答(RNO)の衝突が発生して通信が異常終了するため再送信を余儀なくされていた。

0014

下記特許文献1には、自身の無線端末装置以外の無線端末装置に宛てられたデータを受信している期間、及びそのデータの受信終了後の予め定めた期間(例えば、データを送信した無線端末装置が、それに宛てた無線端末装置がデータを正常に受信できたか否かを判別するに必要な期間)を避けて、送信させるべきデータを無線端末装置に送信させることでパケットの衝突を回避する無線通信システムが記載されている。

0015

また下記特許文献2には、無線MAC(media access control)処理部における送信パケットスケジューリングに関して、トラヒック制御パケット送信優先度を、データパケットの送信優先度よりも高く設定し、データパケットとして、高リアルタイム性パケット高信頼性パケットとが送信されるようにし、トラヒック制御パケットは、高信頼性パケットのトラヒック制御パケットにし、トラヒック制御パケットは、データパケットの送達確認パケットとし、高信頼性パケットはTCP(transmission control protocol)に基づくようにした送信パケットスケジューリング方法が記載されている。

先行技術

0016

特開2002−290322号公報
特開2006−245887号公報

発明が解決しようとする課題

0017

従来の無線通信ネットワークシステムを構成する無線端末のそれぞれは、無線端末内に応答送信タイミング生成部を持たず且つ各無線端末にあらかじめ設定されている応答を送信するための送信タイミングが同一に設定されているため、通信要求を送信した無線端末に対して前記通信要求を受信した不特定の無線端末のそれぞれにおいて中継転送可能と判断したら同一タイミングで通信応答を送信してしまうことで通信応答の衝突が発生して通信が異常終了となるため、ネットワークの通信達成率が上がらず、通信資源の有効活用が出来ないという問題があった。

0018

上記した特許文献1のパケット衝突回避技術は、中継無線端末となった無線端末装置はエコー到来するのを予測して自身のパケット送信タイミングをそのデータを受信していたタイムスロット、及びそれに続く1タイムスロットを避けてデータを送信するようにしたものであって、「受信可能」パケットを同報送信により受信した不特定の送信側無線端末が「転送要求」パケットの重複を避けることについてなんら言及していない。

0019

そこで本発明は、データ発生源から発出されたデータを途中の無線端末が受信者駆動方式による起動により中継転送しながらデータを収集先に転送するシステムであって、収集先周辺の無線端末における輻輳を緩和して収集先へのデータ到達遅延防止、通信到達率の向上を図る無線通信ネットワークシステムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0020

上記目的を達成するために本発明の無線通信ネットワークシステムは、データ発生源から収集先までの距離が無線通信の到達距離よりも長く、途中、受信機能送信機能を有する無線端末がデータを中継することによって一つの収集先に収集する無線通信ネットワークシステムにおいて、
前記無線端末のいずれかがポーリング主体となる受信無線端末となるとともに前記データ発生源で発生した転送すべきデータを所持する前記無線端末がポーリング主体となった前記受信無線端末からのポーリング信号を受信して該ポーリング信号に対する応答信号を送信する送信無線端末となる通信シーケンスを継続し最後に前記収集先が前記受信無線端末となって前記データ発生源からのデータを収集する無線通信ネットワークシステムであって、
前記受信無線端末は、
自無線端末がフリー状態になったことを示す受信可能パケットを周辺の送信無線端末に同報送信する手段と、
前記周辺の送信無線端末から前記受信可能パケットに対する応答としてデータの優先度を示す情報が含まれた転送要求パケットを各送信無線端末が演算して求めた応答送信タイミングで受信する手段と、
前記転送要求パケットに含まれる前記優先度を示す情報から送信無線端末を選択する手段と、
選択した送信無線端末に転送要求応答パケットを送信する手段と、
該転送要求応答パケットを受信した送信無線端末からデータパケットを受信する手段と、を有し、
前記送信無線端末は、
前記受信無線端末から送信された受信可能パケットを受信する手段と、
該受信可能パケットに対して応答する場合に、応答送信タイミングを自端末内の演算で求めて該応答送信タイミングでデータの優先度を示す情報を含む転送要求パケットを送信する手段と、
前記転送要求パケットに対する応答として前記受信無線端末から転送要求応答パケットを受信する手段と、
該転送要求応答パケットを受信した場合には、データパケットを送信する手段と、を有する、
ことを特徴とする。

0021

上記において、前記転送要求パケットに含まれる優先度を示す情報は、優先フラグとネットワーク滞留時間組合せから成ることを特徴とする。
また上記において、前記優先度は、前記優先フラグがセットされ且つネットワーク滞留時間が最も長い時間を示すときを優先度が最も高いデータとして処理することを特徴とする。

0022

さらに上記において、前記優先度は、前記優先フラグがセットされていない場合には、前記ネットワーク滞留時間が最も長い時間を示すときを優先度が高いデータとして処理することを特徴とする。

0023

また上記目的を達成するために本発明の無線通信ネットワークシステムは、パケット衝突回避機能を有する常時動作無線端末をランダムに複数配置し、各常時動作無線端末は情報を中継・転送することで収集先の常時動作無線端末に情報を伝達する無線通信ネットワークシステムにおいて、
前記常時動作無線端末は、
少なくとも自無線端末のIDを記憶するメモリと、
フリー状態であることを示す受信可能パケットが受信無線端末となった常時動作無線端末から同報送信された場合に、前記受信可能パケットを受信した無線端末は転送すべきデータを自無線端末内に保持しているときには送信無線端末となって所定の応答送信タイミングを算出するよう応答送信タイミング生成部に指示するパケット制御部と、
前記パケット制御部から応答タイミングを算出するように指示された場合に、前記メモリに記憶された前記自無線端末のIDを読み出し、読み出した前記自無線端末のIDに所定の係数掛算して前記応答タイミングを算出し、算出した応答送信タイミングを前記パケット制御部に出力する応答送信タイミング生成部と、を備え、
前記応答送信タイミング生成部から出力された応答送信タイミングで前記パケット制御部が前記受信可能パケットを同報送信した前記受信無線端末に転送要求パケットを送信し、前記受信可能パケットを同報送信した前記受信無線端末が前記転送要求パケットを受信して前記転送要求パケットに含まれる優先度を示す情報を前記受信無線端末の前記パケット制御部が解析して前記転送要求パケットを送信した複数の送信無線端末のいずれかを選択し、該選択した送信無線端末に転送要求応答パケットを送信することで前記選択された前記送信無線端末はデータパケットを送信し、該データパケットを受信した前記受信無線端末は別の受信無線端末から同報送信される受信可能パケットを受信するように制御して、該受信可能パケットを受信したらその応答として転送要求パケットを送信し、該転送要求パケットを送信して前記受信無線端末により送信無線端末として選択された場合には前記データパケットを転送することで一連情報転送を終了することを特徴とする。

0024

また上記目的を達成するために本発明の常時動作無線端末は、パケット衝突回避機能を有する常時動作無線端末をランダムに複数配置し、各常時動作無線端末は情報を中継・転送することで収集先の常時動作無線端末に情報を伝達する無線通信ネットワークシステムにおける常時動作無線端末であって、該常時動作無線端末は、
少なくとも、無線送信回路と、無線受信回路と、送受切替回路と、アンテナと、無線端末全体を制御する制御部とを備え、
無線端末全体を制御する前記制御部は、
少なくとも自無線端末のIDを記憶するメモリと、
フリー状態であることを示す受信可能パケットが受信無線端末となった常時動作無線端末から同報送信された場合に、前記受信可能パケットを受信した無線端末は転送すべきデータを自無線端末内に保持しているときには送信無線端末となって所定の応答送信タイミングを算出するよう応答送信タイミング生成部に指示するパケット制御部と、
前記パケット制御部から応答タイミングを算出するように指示された場合に、前記メモリに記憶された前記自無線端末のIDを読み出し、読み出した前記自無線端末のIDに所定の係数を掛算して前記応答タイミングを算出し、算出した応答送信タイミングを前記パケット制御部に出力する応答送信タイミング生成部と、を有し、
前記制御部が、前記応答送信タイミング生成部から前記パケット制御部に出力された応答送信タイミングで受信可能パケットを送信した受信無線端末に転送要求パケットを送信する、ことを特徴とする。

0025

また上記目的を達成するために本発明の無線通信方法は、パケット衝突回避機能を有する常時動作無線端末をランダムに複数配置し、各常時動作無線端末は情報を中継・転送することで収集先の常時動作無線端末に情報を伝達する無線通信ネットワークシステムにおける無線通信方法であって、
前記常時動作無線端末は、受信無線端末となって自無線端末内の処理が終了するとポーリング主体となって自無線端末がフリー状態になったことを示す受信可能パケットを周辺の常時動作無線端末に同報送信し、
前記受信可能パケットを受信した周辺の常時動作無線端末は転送すべきデータを自無線端末内に保持しているときには送信無線端末となって所定の応答送信タイミングを算出するよう応答送信タイミング生成部に指示し、
自無線端末内の応答送信タイミング生成部は、メモリ内に記憶された自無線端末のIDに所定の係数を掛算して前記応答送信タイミングを算出し、算出した応答送信タイミングを前記パケット制御部に出力し、
前記パケット制御部は、前記応答送信タイミング生成部から出力された応答送信タイミングで前記受信可能パケットを送信した受信無線端末にデータの優先度を示す情報が含まれた転送要求パケットを前記受信端末に送信し、前記受信無線端末は前記転送要求パケットに含まれる前記優先度を示す情報から送信無線端末を選択し、選択した送信無線端末に対して転送要求応答パケットを送信することで前記送信無線端末からデータパケットを受信する、ことを特徴とする。

0026

また上記目的を達成するために本発明の受信側の常時動作無線端末のコンピュータに機能させるためのプログラムは、パケット衝突回避機能を有する常時動作無線端末をランダムに複数配置し、各常時動作無線端末は情報を中継・転送することで収集先の常時動作無線端末に情報を伝達する無線通信ネットワークシステムにおける受信側の常時動作無線端末のコンピュータを、
自無線端末がフリー状態になった常時動作無線端末は自ら受信無線端末となって、フリー状態になったことを示す受信可能パケットを周辺の無線端末に同報送信する手段と、
前記受信可能パケットを受信した周辺の送信無線端末からデータの優先度を示す情報が含まれた転送要求パケットを受信する手段と、
前記転送要求パケットに含まれる前記優先度を示す情報から送信無線端末を選択する手段と、
選択した前記送信無線端末に対して転送要求応答パケットを送信する手段と、
選択した前記送信無線端末からデータパケットを受信する手段、
として機能させる。

0027

また上記目的を達成するために本発明の送信側の常時動作無線端末のコンピュータに機能させるためのプログラムは、パケット衝突回避機能を有する常時動作無線端末をランダムに複数配置し、各常時動作無線端末は情報を中継・転送することで収集先の常時動作無線端末に情報を伝達する無線通信ネットワークシステムにおける送信側の常時動作無線端末のコンピュータを、
前記常時動作無線端末が受信無線端末となった場合に該受信無線端末から送信される受信可能パケットを受信する手段と、
該受信可能パケットに対して応答する場合に、応答送信タイミングを自端末内の演算で求めて該応答送信タイミングでデータの優先度を示す情報を含む転送要求パケットを送信する手段と、
前記転送要求パケットに対する応答として前記受信無線端末から転送要求応答パケットを受信する手段と、
該転送要求応答パケットを受信した場合には、前記受信無線端末にデータパケットを送信する手段、
として機能させる。

発明の効果

0028

本発明によれば、データ発生源から発出されたデータを途中の無線端末が受信者駆動方式による起動により中継転送しながらデータを収集先に転送するシステムにおける収集先周辺の無線端末における輻輳を緩和して収集先へのデータ到達遅延防止、通信到達率の向上を図ることができる。

0029

また受信者駆動方式による起動により中継転送を行っているため優先度の高いデータを通常のデータに優先してデータ収集先に転送することが可能となる。

図面の簡単な説明

0030

本発明の実施形態に係る受信者駆動による無線通信ネットワークシステムを説明する図である。
本発明の実施形態に係る受信者駆動により起動される通信シーケンス例を示す図である。
本発明の実施形態に係る受信者駆動方式のパケット転送シーケンス例を説明する図である。
図2に示した受信者駆動により起動される通信シーケンスを実現するための処理フローを示す図である。
図3に示した受信者駆動方式の転送シーケンスを具現するための受信無線端末および送信無線端末の構成例を示す図である。
本発明の実施形態に係る転送要求のデータフォーマット例を示す図である。
従来の送信者駆動による無線通信ネットワークシステムを説明する図である。
従来の送信者駆動により起動される通信シーケンス例を示す図である。
従来の送信者駆動方式のパケット転送シーケンス例を説明する図である。

実施例

0031

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る受信者駆動による無線通信ネットワークシステムを説明する図である。図1において、データ発生源(図中の白丸)とデータ収集先X(図中の黒丸)は各々無線通信によってデータの授受を行う。無線通信の到達距離には制限があり、データ収集先Xから離れたデータ発生源、例えば、データ発生源H,I,K,M,O,P,Q,R,Sからのデータは、途中のデータ発生源、例えばデータ発生源Hからのデータであれば無線端末Aが受信者駆動によるポーリング方式によりデータを収集し、収集したデータをデータ収集先Xにデータ中継を行うことでデータ収集先Xへのデータ転送が実現される。

0032

詳しくは図1において、受信無線端末Aが受信者駆動によるポーリング方式によってデータ発生源(送信無線端末)H及びIのデータを収集する例について説明する。すなわち後述する受信者駆動方式に基づいて受信者である無線端末A内の処理が終了した(フリーになった)時点で周辺の無線端末に[受信可能]パケットを同報送信することで転送すべきデータを所持するデータ発生源H,Iに対してポーリングを開始する。[受信可能]パケットを同時に受信したデータ発生源H,Iは、受信者Aに対して[転送要求]パケットをポーリング返送信号として送信する。受信者Aは所定の選択手順(これについては後述する)にしたがって例えば送信者Hを選択し、送信者Hに対して[転送要求応答]パケットを送信する。送信者Hは[転送要求応答]パケットを受信したら直ちに[転送データ]パケットを受信者Aに送信する。受信者Aはこれを受信したら[転送肯定応答]パケットを送信者Hに対して送信することでデータ発生源Hからのデータ転送を終了する。

0033

無線端末Aがこの処理が終了したら、次の固定周期の冒頭に(図2を参照)再び周辺の無線端末に[受信可能」パケットを同報送信する。するとデータ発生源Iが同報送信された[受信可能]パケットを受信し、受信者Aに対して[転送要求]パケットを送信する。受信者Aは所定の選択手順(後述する)にしたがって送信者Iを選択し、送信者Iに対して[転送要求応答]パケットを送信する。送信者Iは[転送要求応答]パケットを受信したら直ちに[転送データ]パケットを受信者Aに送信する。受信者Aはこれを受信したら[転送肯定応答]パケットを送信者Iに対して送信することでデータ発生源Iからのデータ転送を終了する。こうすることで受信無線端末Aは、受信者駆動によるポーリング方式によりデータ発生源H及びIのデータを収集することができる。

0034

次いで今度はデータ収集先Xが受信者となって、無線端末Aを含む周辺の無線端末B,C,D、E,F,Gを受信者駆動によるポーリング方式に基づいてポーリングすることで、最終的にすべての無線端末からのデータを途中の無線端末がデータ中継しながらデータ収集することが可能となる。データ収集先Xが受信者となってデータ収集する仕組みは上記した無線端末Aと同じであるためその説明を省略することにする。

0035

このように図1に示す受信者駆動による無線通信ネットワークシステムにおいては、データ発生源からデータ収集先Xまでの距離が無線通信の到達距離よりも長く、途中、無線端末がデータ中継することで多数散在するデータ発生源のデータを無線通信によって一箇所にデータ収集できるようにしているため、データ収集先Xに近い周辺のデータ発生源、例えば、データ発生源A,B,C,D,E,F,Gのそれぞれが転送すべきデータを保持したとしてもデータが消失することがなく且つ効率的にデータを収集することが可能となるため、データ収集先Xの近傍で通信輻輳やデータの到達遅延が生ずることがなく通信到達率を向上させることができる。

0036

図2は、本発明の実施形態に係る受信者駆動により起動される通信シーケンス例を示す図である。図2において受信側の無線端末(図示例では受信者(N)と表示)で自端末内における処理が終了した(フリーになった)場合には、周辺に存在する複数の送信側の無線端末(図示例では送信者(O),送信者(P),送信者(Q),送信者(R)と表示)に(1)[受信可能]パケットをポーリング信号として同報送信する。この[受信可能]パケットを受信した、送信者(P)および送信者(Q)から(2)[転送要求]パケットをポーリング返送信号として送信する。[転送要求]パケットには、図6に示すデータフォーマット(これについては後述する)に示すように、“優先フラグ”、“ネットワーク滞留時間”の情報が格納されており、この情報を送信した送信者のいずれかを受信者(N)はデータ転送の条件に合致する送信者として選択する。図示例では送信者として送信者(P)が選択される例について示している。なお他の送信者(O),送信者(R)からは転送すべきデータを所持しないとして上記[転送要求]パケットは返信されないものとしている。

0037

受信者(N)は、(2)[転送要求]パケットが返信された送信者(P)および送信者(Q)の中から、データ転送の条件に合致する送信者(P)を選択し、送信者(P)に対して(3)[転送要求応答]パケットを送信し、これを受信した送信者(P)が(4)[転送データ]パケットを送信して、データ転送処理を終了する。

0038

受信者(N)は、固定周期で起動して再び(1)[受信可能]パケットをポーリング信号として同報送信する。この[受信可能]パケットを受信した、送信者(Q)から(2)[転送要求]パケットをポーリング返送信号として送信する。受信者(N)は、(2)[転送要求]パケットが返信された送信者(Q)に対して(3)[転送要求応答]パケットを送信し、これを受信した送信者(Q)が(4)[転送データ]パケットを送信して、一連のデータ転送処理を終了する。

0039

なお受信者(N)は、一連のデータ転送処理が終了したあとは、自無線端末を受信無線端末から送信無線端末に切り替え、また、例えば、送信者(O),送信者(P),送信者(Q),送信者(R)の中のいずれかが受信側の無線端末になって、自端末内における処理が終了した(フリーになった)場合には、上記した受信者(N)と同様に、周辺に存在する複数の送信側の無線端末に(1)[受信可能]パケットをポーリング信号として同報送信する。そして上記と同様に、この[受信可能]パケットをポーリング信号として受信した送信者のいずれかから(2)[転送要求]パケットがポーリング返送信号として送信され、これを受信した受信側の無線端末が(3)[転送要求応答]パケットを送信し、これを受信した上記いずれかの送信者のうちのデータ転送の条件に合致する送信者から(4)[転送データ]パケットが送信されて、データ転送処理を終了する。以後、この通信シーケンスを繰り返すことでデータ転送が継続して行われる。

0040

図3は、本発明の実施形態に係る受信者駆動方式のパケット転送シーケンス例を説明する図である。いま受信側の無線端末X内における処理が終了したら(フリーになったら)、データ受信が可能であることを示す[受信可能](ROK)パケットT11を同報送信してポーリングを開始する。なお[受信可能](ROK)としてのパケットT11は、送信側から受信側に[転送要求](TREQ)をポーリング応答としてのパケットT12の受信を促すものである。

0041

無線端末Xから同報送信された[受信可能](ROK)パケットを無線端末Xの周辺に位置する複数の無線端末(図示例では無線端末Y,Zのみを図示している)がほぼ同時に受信する。

0042

送信側の無線端末Y,Zは、[受信可能](ROK)パケットを受信すると、無線端末Y,Zは、予め設定された所定時間例えばT時間に各無線端末に固有な番号、例えば無線端末のID(識別番号)、を掛算することによって得られる所定時間経過後に、[転送要求](TREQ)パケットを送信する。図示例では送信側の無線端末Yは、Tα時間後に[転送要求](TREQ)としてのパケットT12を送信し、送信側の無線端末Zは、Tβ後に[転送要求](TREQ)としてのパケットT12を送信することとなる。ここで[転送要求]パケット(TREQ)の送信タイミングTα及びTβは、Tα<Tβに設定されている。

0043

送信側の無線端末Yは、[受信可能](ROK)パケットを受信したらTα時間後に[転送要求](TREQ)パケットを送信し、送信側無線端末Zは、Tβ時間後に[転送要求](TREQ)パケットを送信するようにして[転送要求](TREQ)パケットが衝突しないようにして衝突による通信輻輳を回避する。

0044

なお送信側の無線端末ZからTβ時間後にパケットT12が受信側の無線端末Xに送信される。こうして、受信側の無線端末Xは、Tα時間経過時に送信側の無線端末YからパケットT12をポーリング応答として[転送要求](TREQ)パケットを受信し、Tβ時間経過時に送信側の無線端末ZからパケットT12をポーリング応答として[転送要求](TREQ)パケットを受信する。受信側の無線端末Xは、このようにして無線端末Yおよび無線端末Zから[転送要求](TREQ)パケットを衝突せずに受信することになるが、[転送要求](TREQ)パケットのヘッダ部に格納された“優先フラグ”、“ネットワーク滞留時間”の情報(これについては後述する)を解析して、この図示例では、送信側の無線端末として無線端末Yを選択する。そして選択した送信端末Yに対して受信側の無線端末Xから[転送要求応答](TNO)としてのパケットT13が送信側の無線端末Yに送信され、これに対して送信側の無線端末Yから[転送データ]としてパケットT14が受信側の無線端末Xに送信され、さらにこれに対して受信側の無線端末Xから[転送肯定応答」としてパケットT15が送信側の無線端末Yに送信される。

0045

一方、送信側の無線端末Zは、受信側の無線端末Xが処理終了して(フリーになって)、次周期の冒頭で[受信可能](ROK)パケットの同報送信がなされるのでこれを受信し、Tβ時間後に[転送要求](TREQ)パケットを送信することになる。受信側の無線端末Xは上記と同様の処理を行って送信側の無線端末Zを選択したならば、[転送要求応答](TNO)としてのパケットT13が送信側の無線端末Zに送信され、これに対して送信側の無線端末Zから[転送データ]としてパケットT14が受信側の無線端末Xに送信され、さらにこれに対して受信側の無線端末Xから[転送肯定応答」としてパケットT15が送信側の無線端末Zに送信される。

0046

図4は、図2に示した受信者駆動により起動される通信シーケンスを実現するための処理フローを示す図である。図4に示す処理フローの冒頭における処理開始は、図2に示した受信者が処理終了した(フリーになった)ときに開始される。この通信シーケンスは受信者が処理終了(フリー)になれば固定周期で起動される。

0047

まずステップS1において、受信無線端末すなわち受信者は周辺の無線端末に[受信可能]パケットを同報送信する。なお、図4においては、ステップを“S”と略記している。
次いで、ステップS2において、受信者が[受信可能]パケットを同報送信した後の一定時間だけ受信者は周辺の送信無線端末すなわち送信者からの[転送要求]パケットを受信する。[転送要求]パケットのデータフォーマットは図6に示されており、これについては後述する。

0048

ステップS3において、受信者は[転送要求]パケットの受信の有無を判定する。[転送要求]パケットが無かった場合には、処理を終了する。しかし[転送要求]パケットが有った場合には、ステップS4に進み、受信者は「優先フラグ」の有無を判定する。“優先フラグ”は、送信者によって図6に示されるデータフォーマットのヘッダ部に記述されている情報であり、この“優先フラグ”の有無に応じて処理が分かれる。すなわち、“優先フラグ”が無かった場合には、ステップS5に進み、ステップS5において、受信者は全ての[転送要求]パケットの中で“無線ネットワーク滞留時間”(以降、単に、滞留時間とも略記する。)が最長の[転送要求]パケットを送信してきた無線端末を選択し、ステップS7に進む。この“滞留時間”も図6に示されるデータフォーマットのヘッダ部に記述されている情報であり、データ発生源からデータが発出されてからの経過時間を表しており、データ収集先までデータを転送する際に途中でデータ中継する無線端末は“滞留時間”を更新(これについては後述する)しながら次の無線端末にデータ転送するので“滞留時間”を監視することで当該データの無線通信ネットワークにおける滞留時間を知ることができる。

0049

また“優先フラグ”が有った場合には、ステップS6に進み、ステップS6において、受信者は“優先フラグ”有りの中で上述の“滞留時間”が最長の[転送要求]パケットを選択し、ステップS7に進む。

0050

ステップS7において受信者は上記ステップS5又はS6において選択した送信者に対して「転送要求応答」パケットを送信する。次いでステップS8に進み、送信者から送信される[転送データ]パケットを受信する。以上の処理により、受信者は送信者からの[転送データ]パケットの受信を終了する。

0051

次に、上記[転送データ]パケットを受信した受信者は、今度は送信者になって、自無線端末よりデータ収集先に近い無線端末に[転送データ]パケットを送信するための処理について説明する。すなわち、
上記ステップS8において、[転送データ]パケットを受信した無線端末は、ステップS9において、自無線端末よりデータ収集先に近い受信無線端末、すなわち受信者からの[受信可能]パケットの同報送信を待つ。そして受信者からの[受信可能]パケットを受信した場合には、ステップS10において[転送要求]パケットを送信する。次いでステップS11において受信者から送信される[転送要求応答]パケットを待つ。そしてステップS12において上記ステップS2における場合と同様に一定時間だけ「転送要求応答」パケットの送信を待ち、[転送要求応答]パケットの有無を判定する。ステップS12の判定において一定時間内に[転送要求応答]パケットの受信が無ければ、ステップS9に戻って、ステップS9〜ステップS12までの処理を繰り返す。一方、ステップS12の判定において一定時間内に[転送要求応答]パケットの受信が有れば、ステップS13に進み、ステップS13において[転送データ]パケットを送信することで、一連の処理を終了して、ステップS1に戻る。

0052

図5は、図3に示した受信者駆動方式の転送シーケンスを具現するための受信無線端末および送信無線端末の構成例を示す図である。図5に示すように、常時動作無線端末11は、一つの受信無線端末11aと、二つの送信無線端末11b,11cとに分けて示しているが、無線端末11が採り得る態様を考慮して一つの受信無線端末11aに対して周辺に送信無線端末11b,11cが二つ存在する例を示すが、一つの受信無線端末11aの周辺に送信無線端末11b,11cより多く存在する例であっても構わない。

0053

そして図5では、受信無線端末11aがポーリング主体となり、受信無線端末11aから上述した図3に示されるように[受信可能](ROK)パケットが周辺の送信無線端末に同報送信され、これを二つの送信無線端末11b,11cがほぼ同時に受信することでポーリングがなされるものとしている。「受信可能」(ROK)パケットを受信した送信無線端末11b,11cは、制御部12b,12c内の応答送信タイミング生成部33b,33cがそれぞれ独自に演算した応答送信タイミングで「転送要求」(TREQ)パケットを送信する。図示例では、送信無線端末11bはTα時間後に「転送要求」(TREQ)パケットを送信し、送信無線端末11cはTβ時間後に「転送要求」(TREQ)パケットを送信するものとする。これにより「転送要求」(TREQ)パケットが衝突しないようにして上記した図3に示したシーケンスを具現している。

0054

図5において、受信無線端末11aは、自端末内における処理が終了したら(フリーになったら)、切り替え部15aを無線送信回路13a側に切り替えて、パケット制御部32aで生成したデータ受信が可能であることを示す[受信可能](ROK)パケットをアンテナ16aを介して無線通信ネットワーク上の周辺の無線端末に向けて同報送信する。同報送信したら直ちに切り替え部15aを無線受信回路14a側に切り替えて、送信無線端末11b,11cから送信される[転送要求](TREQ)パケットを一定時間だけ待つ。そして[転送要求](TREQ)パケットが複数の送信無線端末から応答送信タイミングをずらして送信されてきたら、これらをすべて受信し、その中からデータ転送条件に合致する送信無線端末、ここでは送信無線端末11b、を選択して、選択した送信無線端末11bに[転送要求応答](TNO)パケットを送信する。送信無線端末11bが「転送要求応答」(TNO)パケットを受信したら直ちに[転送データ]パケットを受信無線端末11aに送信する。そして受信無線端末11aから[転送肯定応答]パケットを送信無線端末11bが受信することでデータ転送の処理を終了する。

0055

これをさらに詳しく説明すると、送信無線端末11bは、後述する図6に示す転送要求(TREQ)のデータフォーマットのヘッダ部に“送信者アドレス(自端末ID)”、“受信者アドレス(受信先端末ID)”を格納して、[受信可能](ROK)パケットに対するポーリング応答信号として[転送要求](TREQ)パケットを送信する。受信無線端末11aは[受信可能](ROK)パケットの同報送信後に直ちに切り替え部15aを受信側に切り替え、ポーリング応答としての[転送要求](TREQ)パケットの受信を一定時間だけ待つ。そして[転送要求](TREQ)パケットを複数の送信無線端末、ここでは送信無線端末11b,11cから応答送信タイミングをずらして受信したら、データ転送条件に合致する送信無線端末、ここでは送信無線端末11b、を選択し、選択した送信無線端末11bに対して[転送要求応答](TNO)パケットを送信する。この[転送要求応答](TNO)パケットを受信した送信無線端末11bは、直ちに[転送データ]パケットを送信する。そしてこれを受信した受信無線端末11aは[転送肯定応答]パケットを送信し、送信無線端末11bがこれを受信することでデータ転送処理を終了する。

0056

一方、送信無線端末11b,11cでは、同報送信された[受信可能](ROK)パケットを、アンテナ16b,16c、切り替え部15b,15c、無線受信回路14b,14cを介して受信し、パケット制御部32b,32cで[受信可能](ROK)パケットを解析するとともにメモリ31b,31cに格納されている“自端末ID”を読み出して応答送信タイミング生成部33b,33cに出力し、応答送信タイミング生成部33b,33cにおいて所定の演算を施すことで送信無線端末の応答送信タイミングを算出し、応答送信タイミング生成部33b,33cは演算により求めた応答送信タイミングをパケット制御部32b,32cに出力し、パケット制御部32b,32cは[転送要求](TREQ)パケットを受信無線端末11aに送信することになる。

0057

上記においてパケット制御部32b、32cで[受信可能](ROK)パケットを解析し、その解析結果から、受信無線端末11aが[転送要求](TREQ)パケットの送信を促していることを知り、送信無線端末11b,11cは、メモリ31b,31cに格納されている“自端末ID”を読み出して応答送信タイミング生成部33b,33cに出力することで応答送信タイミング生成部33b,33cは上述したように“自端末ID”をキーにして応答送信タイミングを演算してパケット制御部32b,32cに出力する。この結果、上述したように送信無線端末11bはTα時間後に[転送要求](TREQ)パケットを送信し、送信無線端末11cはTβ時間後に[転送要求](TREQ)パケットを送信することになる。ここでTα<Tβに設定されているため、送信無線端末11bが[転送要求](TREQ)パケットを先に送信し、送信無線端末11cが[転送要求](TREQ)パケットを後に送信する。受信無線端末11aは送信無線端末11b,11cから送信された[転送要求](TREQ)パケットに格納されているヘッダ部の情報に基づいてデータ転送条件に合致する送信無線端末のいずれかを選択し、選択した送信無線端末、ここでは送信無線端末11b、に対して[転送要求応答](TNO)パケットを送信する。これを受信した送信無線端末11bは、[転送データ]パケットを直ちに送信し、これを受信した受信無線端末11aは[転送肯定応答]パケットを送信無線端末11bに送信してデータ転送処理を終了させる。

0058

さらに具体的に説明すると図5に示す受信無線端末11aは、情報の送受信の制御を行う制御部12a、情報を無線にて送信する無線送信回路13a、無線で送信された情報を受信する無線受信回路14a、情報の送受信の切り替えを行う切り替え部15a、情報を電波として放出したり電波を受信したりするアンテナ16a、不図示の上位装置と情報のやり取りを行うインターフェース(図示せず)を備えている。制御部12aは、不図示のインターフェースを介して情報のやり取りを行う上位装置、例えば、パソコン等の情報処理装置計装機器を構成するスイッチ、センサ表示器などに接続することができる。また図示省略しているが、外部に設けられた給電部から制御部12a、無線送信回路13a及び無線受信回路14a等に電力が供給され、常時動作が可能になるようにされている。さらに制御部12aには、メモリ31a、パケット制御部32a、および、応答送信タイミング生成部33aが設けられている。

0059

一方、送信無線端末11b,11cは、受信無線端末11aと同様に、情報の送受信の制御を行う制御部12b,12c、情報を無線にて送信する無線送信回路13b,13c、無線で送信された情報を受信する無線受信回路14b,14c、情報の送受信の切り替えを行う切り替え部15b,15c、情報を電波として放出したり電波を受信したりするアンテナ16b,16c、不図示の上位装置と情報のやり取りを行うインターフェース(図示せず)を備えている。制御部12b,12cは、不図示のインターフェースを介して情報のやり取りを行う上位装置、例えば、パソコン等の情報処理装置、計装機器を構成するスイッチ、センサ、表示器などに接続することができる。また図示省略しているが、外部に設けられた給電部から制御部12b,12c、無線送信回路13b,13c及び無線受信回路14b,14c等に電力が供給され、常時動作が可能になるようにされている。さらに制御部12b,12cには、メモリ31b,31c、パケット制御部32b,32c、および、応答送信タイミング生成部33b,33cが設けられている。

0060

メモリ31b,31cには、自無線端末に予め一意割り当てられている端末ID(無線端末識別子)や、パケット制御部32b,32c及び応答送信タイミング生成部33b,33cが備えるCPU/MPU等がパケット処理するためや応答送信タイミングを算出するために所定のアプリケーションプログラム等が記憶されている。

0061

パケット制御部32b,32cは、CPU/MPU等を備え、メモリ31b,31cに記憶されている所定のアプリケーションプログラムを使用して図3に示した受信者駆動方式のパケット転送シーケンス例に示されているような各種パケット等の生成や解析を実行する。またパケット制御部32b,32cは、受信無線端末11aから送られてくる[受信可能](ROK)パケットを始めとする各種パケットを解析する。[転送要求](TREQ)パケットの送信時には、図6に示す転送要求(TREQ)のデータフォーマットのヘッダ部における“優先フラグ”や“無線ネットワーク滞留時間”の設定・更新等を行うとともに、メモリ31b,31cに格納されている“自端末ID”の情報を応答送信タイミング生成部33b,33cに出力する。そしてパケット制御部32b,32cは、応答送信タイミング生成部33b,33cにおいて算出された応答送信タイミングを受信し、受信した応答送信タイミングで[転送要求](TREQ)パケットを受信端末11aに送信する。

0062

応答送信タイミング生成部33b,33cは、メモリ31b,31cに格納されている“自端末ID”の情報を元に図示していないCPU/MPUで演算を行って応答送信タイミング、例えば、上記Tα時間やTβ時間を算出する。なお、応答送信タイミングを算出するためのソフトウェアは、メモリ31b,31cに格納されており、応答送信タイミング生成部33b,33cはメモリ31b,31cにアクセスして自装置内に適宜取り込む。さらに応答送信タイミング生成部33b,33cは、演算処理一環としてタイマ機能を備えており、パケット制御部32b,32cからの応答送信タイミング生成のための入力時にタイマ機能を起動する。そして転送要求(TREQ)パケットの送信時に、タイマ機能で得た時間を用いて図6に示す転送要求(TREQ)のデータフォーマットのヘッダ部における“無線ネットワーク滞留時間”を更新する。ここでタイマ機能は、もっぱらソフトタイマによるものを想定しているが、ハードウェアタイマを備えるようにしても良い。

0063

図6は、本発明の実施形態に係る転送要求のデータフォーマット例を示す図である。転送要求(TREQ)は、受信者が自端末内における処理終了(フリー)になったことで周辺の無線端末に[受信可能]パケットを同報送信することに応答して、転送データを有する送信者が受信者に対して転送要求の受信を促すものである。転送要求(TREQ)のデータフォーマットの冒頭にはコマンド種別が“転送要求コマンド”であることを示す領域が設けられており、次いで“ヘッダ部”が設けられている。“ヘッダ部”は、“送信者アドレス(自端末ID)”、“受信者アドレス(受信先端末ID)”、“優先フラグ”および“無線ネットワーク滞留時間”から構成されている。

0064

さらに、最初のデータ発生源において設定された、“発信元アドレス”、“宛先アドレス”および“データ”の各格納領域を備えている。これらの格納領域の内容は、最初のデータ発生源において埋め込まれているもので、データ中継を行う無線端末はこの格納領域に立ち入らずにデータ中継のみを行って次の無線端末(データ収集先に近い無線端末)にそのまま送信する。

0065

ここで“優先フラグ”について説明する。本発明の実施形態にかかる無線通信ネットワークシステムは、上述したように、(最初の)データ発生源で発出されたデータを途中の無線端末が受信者駆動方式による起動により中継転送しながらデータをデータ収集先に転送するシステムにおいて、データ収集先周辺の無線端末におけるデータ集中を緩和して通信の輻輳によるデータの到達遅延、到達率の悪化を軽減するために、データ収集先へのデータ転送を優先的に実現するために、送信者から送信される[転送要求]データフォーマットのヘッダ部に“優先フラグ”格納領域を設け、当該“優先フラグ”が設定された[転送要求](TREQ)パケットを受信者が受信し、さらに別の受信者が受信して通常のデータに優先してデータ収集先へのデータ転送を可能とすることを企図したものである。

0066

具体的には、転送データを有する送信者による“優先フラグ”が設定された場合には、例えば、90%前後の通信到達率を期待して設計された通常の(定期的な)データに対して、99%の通信到達率が達成できるように、例えば、“緊急性が高く緊急に通知すべきデータ”や“故障検出信号を含むデータ”を含む転送データが無線通信ネットワークにおけるデータ滞留時間の超過で消失しないように“優先フラグ”を設定して転送すべきデータの優先性を本実施形態の無線通信ネットワークで保障するようにしている。

0067

次に、“無線ネットワーク滞留時間”について説明する。本発明の実施形態にかかる受信者駆動方式を採る無線通信ネットワークシステムも、送信者駆動方式を採る無線通信ネットワークシステムと同様、データがネットワーク内にいつまでも滞留することがないように監視する機能が予めシステムに組み込まれており、当該監視機能により滞留が所定時間経過したデータはシステムから消失されるよう設計されている。

0068

そのため、ネットワークにおける滞留が消失時間に接近した状態にあるデータを把握できるように上述の転送要求(TREQ)のデータフォーマットのヘッダ部に“無線ネットワーク滞留時間”格納領域を設けておき、途中の受信者となった無線端末が転送要求(TREQ)のデータフォーマットにおける上記“無線ネットワーク滞留時間”を更新させることでデータ収集先にデータ転送が優先的に行われることを企図して設けられている。このため本発明の実施形態では、転送中継に関連した無線端末が、データ発生源からデータが発出されてからの経過時間を“無線ネットワーク滞留時間”領域に記述し、データ収集先までデータを転送する際に途中でデータ中継する無線端末は“無線ネットワーク滞留時間”を更新しながら次の無線端末にデータ転送する。したがって、“無線ネットワーク滞留時間”を監視することで当該データが無線通信ネットワークに滞留している時間を即座に識別することができるため、“無線ネットワーク滞留時間”の長いデータを優先的に処理することで、データの消失を回避してデータ収集先にデータ転送を行うことが可能となる。

0069

上述した“優先フラグ”および“無線ネットワーク滞留時間”の組合せによって送信者が所持する転送データの“優先度”を表すことができる。すなわち、“優先フラグ”がセットされ且つ“無線ネットワーク滞留時間”が最も長い時間を示す転送データは、本実施形態の無線通信ネットワーク上で最高の“優先度”を持つ転送データとしてデータ処理される。また“優先フラグ”がセットされていない場合には、“無線ネットワーク滞留時間”が最も長い時間を示す転送データは、本実施形態の無線通信ネットワーク上で“優先度”が高いとしてデータ処理される。

0070

このように“優先度”は、本実施形態の無線通信ネットワークシステムにおいては“優先フラグ”と“無線ネットワーク滞留時間”とによりデータの緊急性を示すバロメータと取り扱われるので、その値を参考に受信無線端末が優先的にデータを処理すべきかどうか判断することが可能となる。

0071

11a受信端末
11b,11c送信端末
12a,12b,12c 制御部
13a,13b,13c無線送信回路
14a,14b,14c無線受信回路
15a,15b,15c切り替え部
16a,16b,16cアンテナ
31a,31b,31cメモリ
32a,32b,32cパケット制御部
33a,33b,33c応答送信タイミング生成部

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ