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技術 熱可塑性再生樹脂材料及び熱可塑性合成樹脂材料を用いた成形体

出願人 パナソニック株式会社
発明者 徳弘憲一方美娜野末章浩中島啓造天良智尚
出願日 2013年7月11日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2013-145218
公開日 2015年1月29日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2015-017186
状態 未査定
技術分野 物品の選別 プラスチック廃棄物の分離・回収・処理 高分子組成物
主要キーワード 近赤外線センサ 材料識別 再生ポリプロピレン 分別対象 近赤外線吸収スペクトル 再生ポリプロピレン樹脂 分別板 混入樹脂
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年1月29日)のものです。
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図面 (6)

課題

複数種合成樹脂が混在する廃材から対象樹脂分別選別して再資源化するに際し、信頼性が高く高品質熱可塑性再生系樹脂を提供することを課題とする。

解決手段

複数の樹脂が混在した熱可塑性樹脂廃材から、材料識別装置を用いて分別回収されたポリプロピレン系樹脂重量比率が90%以上であって、その他に、ポリスチレン系樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂ポリ塩化ビニル樹脂の内の1種類以上の樹脂を含有し、前記ポリプロピレン系樹脂の平均球晶サイズが50マイクロメートル以下とする。

概要

背景

近年の大量生産大量消費、大量廃棄型の経済活動が、地球温暖化資源枯渇など地球規模での環境問題を引き起こしている。このような状況の中、循環型社会構築に向けて、平成13年4月から家電リサイクル法が完全施行され、使用済みになったエアコンテレビ冷蔵庫冷凍庫洗濯機リサイクル義務付けられている。

回収された家電製品は、家電リサイクル工場において、破砕後に、磁気風力振動等を利用して材料毎に分別回収され、再資源化されている。特に金属材料は、比重選別装置磁気選別装置を用いることで、鉄、銅、アルミニウムなど材料毎に高純度で回収され、高い再資源化率が実現されている。

一方、樹脂材料では、水を活用して低比重物高比重物分別し、回収する水比重選別法や、近赤外線などの電磁波を照射物質特有吸収特性を利用した選別方法や、材料ごとに異なる電気的な性質の違いを利用して分離する静電分離法などが用いられている。

しかしながら、再生された樹脂材料には、様々な非相容の不純物混入していたり、ポリプロピレン系樹脂材料自体の低分子化などによる物性の低下が指摘されており、これまでにもいくつかの物性回復方法が提案されている。

従来の物性回復方法としては、再生樹脂造核剤を添加して物性の向上を検証したものがあった(例えば、特許文献1参照)。

概要

複数種合成樹脂が混在する廃材から対象樹脂を分別・選別して再資源化するに際し、信頼性が高く高品質熱可塑性再生系樹脂を提供することを課題とする。複数の樹脂が混在した熱可塑性樹脂廃材から、材料識別装置を用いて分別回収されたポリプロピレン系樹脂重量比率が90%以上であって、その他に、ポリスチレン系樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂ポリ塩化ビニル樹脂の内の1種類以上の樹脂を含有し、前記ポリプロピレン系樹脂の平均球晶サイズが50マイクロメートル以下とする。

目的

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、非相容の異物や、均一でない分子量の影響により低下した再生樹脂の物性回復を実現した、ポリプロピレン再生樹脂材料およびその成形物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の樹脂が混在した熱可塑性樹脂廃材から、材料識別装置を用いて分別回収されたポリプロピレン系樹脂重量比率が90%以上であって、その他に、ポリスチレン系樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂ポリ塩化ビニル樹脂の内の1種類以上の樹脂を含有し、前記ポリプロピレン系樹脂の平均球晶サイズが50マイクロメートル以下であることを特徴とする熱可塑性再生樹脂材料

請求項2

ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体およびポリ塩化ビニル樹脂の内の1種類以上の混入樹脂平均分散粒子径を100ナノメートル以上2000ナノメートル以下に設定し、前記ポリプロピレン系樹脂と前記混入樹脂が海島構造を構成していることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性再生樹脂材料。

請求項3

前記熱可塑性樹脂廃材が冷蔵庫冷凍庫空調機洗濯機から選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性再生樹脂材料。

請求項4

請求項1に記載の材料識別装置が近赤外線選別装置であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱可塑性再生樹脂材料。

請求項5

請求項1から4のいずれか1項に記載の熱可塑性再生樹脂材料を用いた成形体

技術分野

0001

本発明は、使用済み家電製品などの複数種類樹脂材が混在する廃材から、分別選別した上で、再資源化するポリプロピレン系樹脂材料再生技術に関するものである。

背景技術

0002

近年の大量生産大量消費、大量廃棄型の経済活動が、地球温暖化資源枯渇など地球規模での環境問題を引き起こしている。このような状況の中、循環型社会構築に向けて、平成13年4月から家電リサイクル法が完全施行され、使用済みになったエアコンテレビ冷蔵庫冷凍庫洗濯機リサイクル義務付けられている。

0003

回収された家電製品は、家電リサイクル工場において、破砕後に、磁気風力振動等を利用して材料毎に分別回収され、再資源化されている。特に金属材料は、比重選別装置磁気選別装置を用いることで、鉄、銅、アルミニウムなど材料毎に高純度で回収され、高い再資源化率が実現されている。

0004

一方、樹脂材料では、水を活用して低比重物高比重物と分別し、回収する水比重選別法や、近赤外線などの電磁波を照射物質特有吸収特性を利用した選別方法や、材料ごとに異なる電気的な性質の違いを利用して分離する静電分離法などが用いられている。

0005

しかしながら、再生された樹脂材料には、様々な非相容の不純物混入していたり、ポリプロピレン系樹脂材料自体の低分子化などによる物性の低下が指摘されており、これまでにもいくつかの物性回復方法が提案されている。

0006

従来の物性回復方法としては、再生樹脂造核剤を添加して物性の向上を検証したものがあった(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0007

特開2002−128907号公報

発明が解決しようとする課題

0008

特許文献1においては、再生樹脂製造工程中で造核剤を添加することで、成形物の物性向上を図っている。特許文献1には、成形物の物性が向上した原因については記載されておらず、再生樹脂に造核剤を添加することにより成形物の物性が向上する原因について記載された文献はない。

0009

本出願人は、成形物の物性向上の原因は、造核剤を添加することにより、造核剤を加える前の成形物と比べて細かい球晶が形成されているためであると推測している。

0010

球晶サイズは、造核剤の種類や量のみならず混練成形時の条件に大きく依存するが、特許文献1には、球晶サイズについては考慮されておらず、特許文献1に記載の方法では、最適な球晶サイズが得られているか判別できない。

0011

通常ポリプロピレンなどの結晶性高分子の場合、球晶サイズが細かくなるほど物性は向上していき、あるところまで小さくなると、向上の度合飽和してくる傾向にあるため、確実に物性が飽和する範囲の球晶サイズを実現する必要がある。

0012

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、非相容の異物や、均一でない分子量の影響により低下した再生樹脂の物性回復を実現した、ポリプロピレン系再生樹脂材料およびその成形物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上記課題を解決するために、本発明は、複数の樹脂が混在した熱可塑性樹脂廃材から、材料識別装置を用いて分別回収されたポリプロピレン系樹脂重量比率が90%以上であって、その他に、ポリスチレン系樹脂アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂ポリ塩化ビニル樹脂の内の1種類以上の樹脂を含有し、前記ポリプロピレン系樹脂の平均球晶サイズが50マイクロメートル以下であることを特徴とする。

0014

本構成によって、再生材料にとって最適な球晶サイズを有するポリプロピレン系再生樹脂材料およびその成形体を実現することができる。

発明の効果

0015

本発明の熱可塑性再生樹脂によれば、非相容の異物による物性の低下を回復させることができ、非相容の異物に由来するブリードアウトなどの成形時の問題を防止することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施の形態1における一般的な再生工程を示す図
本発明の実施の形態1における近赤外線選別システムを示す図
本発明の実施の形態1における球晶サイズと物性値との関係を示す図
本発明の実施の形態1における相容化剤混入量とポリプロピレン再生材の物性との関係を示す図
本発明の実施の形態1におけるポリプロピレン再生材中のPS、ABSPVCの平均分散径の評価を示す図

0017

以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。

0018

(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱可塑性樹脂廃材の再資源化方法の再生化工程の一例を示すものである。

0019

本実施の形態1は、回収された廃家電品のリサイクル工程の一例として、使用済み冷蔵庫のリサイクル工程を説明する。

0020

本実施の形態1の熱可塑性樹脂廃材は、使用済み冷蔵庫から、冷媒コンプレッサーを取り除き、さらに野菜室冷凍室ケース冷蔵室などの樹脂を手解体により取り除いた後、破砕機で破砕し、さらに、金属やプラスチックが混ざった破砕片から、磁力により鉄などの金属を取り除き、軽量のウレタンフォーム等を風力で吸引除去する。さらに、鉄などの金属とウレタンフォーム等を取り除いた破砕片を、うず電流選別器で金属とそれ以外の破砕片に分別した後、さらにい分けすることにより5〜150mmの大きさの混合熱可塑性樹脂廃材を回収する。

0021

次に、混合熱可塑性廃材から、近赤外線選別システムを用いてポリプロピレン系再生材を分別回収する。

0022

以下に、熱可塑性樹脂再生材を分別回収するための近赤外分光分析法を用いた近赤外線選別システムについて説明する。

0023

有機化合物は物質中の原子団ごとに光の吸収波長帯が異なるため、分子構造によって、固有近赤外線吸収スペクトルを示す。近赤外線選別システムとは、有機化合物が分子構造によって、固有の近赤外線吸収スペクトルを示すことを利用して有機化合物の材質識別するシステムのことである。

0024

具体的には、合成樹脂材料に近赤外線を照射し、吸収スペクトル計測することで、合成樹脂材料の種別を特定する。近赤外線吸収スペクトルの特徴として、水素結合分子間相互作用ピーク位置や幅、強度が変化するため、臭素含有樹脂も近赤外線吸収スペクトルを計測することにより識別することができる。

0025

図2は、本発明の実施の形態1における近赤外線識別システムを模式的に示す斜視図である。

0026

図2に示すように、近赤外線識別システム20は、粉砕された混合材料を搬送する搬送装置1と、搬送装置1により運搬される混合材料の個々の材質を判別する情報取得装置である近赤外線選別装置4と、吐出口5を備える管体8と、管体8に高圧空気を供給する空圧源15と、空圧源15から管体8への高圧空気を制御する電磁弁10と、制御手段14と、分別板6とを備えている。

0027

本実施の形態1においては、近赤外線選別装置4は、分別対象となる熱可塑性樹脂材料2としてポリプロピレン樹脂を設定しており、粉砕された混合材料からポリプロピレン樹脂を判別する。ポリプロピレン樹脂としては、ホモポリマーブロックコポリマーランダムポリマーのいずれかに限定するものでもない。本実施の形態1の混合材料は、使用済みの冷蔵庫からの廃材であるため、ポリプロピレン樹脂以外に、ポリスチレン(PS)樹脂やアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体(ABS)樹脂、塩化ビニル(PVC)樹脂などが主に含まれている。

0028

以下、近赤外線識別システムの動作、作用を説明する。

0029

分別対象となるポリプロピレン2や他の合成樹脂材料3を含む粉砕された熱可塑性樹脂廃材11を、それぞれがなるべく重ならないように搬送装置1の上に散布する。搬送装置1は、熱可塑性樹脂廃材11を約2m/秒の速度で、情報取得装置である近赤外線選別装置4に向けて搬送する。近赤外線選別装置4は、搬送装置1により搬送される熱可塑性樹脂廃材11の種別を判別すると共に、個々の幅方向(x軸方向)の位置情報を取得する。

0030

具体的には、近赤外線選別装置4は、近赤外線センサを備え、ポリプロピレン2と他の合成樹脂材料3との近赤外線吸収スペクトルの差に基づいてポリプロピレン2と他の合成樹脂材料3とを識別する。また、熱可塑性樹脂廃材11を撮像し、得られた画像の解析結果と近赤外線吸収スペクトルによる識別結果に基づいてポリプロピレン2の位置情報を取得する。

0031

搬送装置1は、熱可塑性樹脂廃材11を、近赤外線選別装置4の下流側に向けて搬送する。制御手段14は、近赤外線選別装置4からのポリプロピレン2の位置情報に基づいて電磁弁10を制御し、搬送装置1端部から落下するポリプロピレン2に向かって吐出口5から高圧空気(吐出圧力:5bar)を噴射して、分別板6を飛び越えさせる。ポリプロピレン2以外の合成樹脂材料3が吐出口5を通過する際には、吐出口5から高圧空気を噴射させないため、分別板6を飛び越えることなく落下する。これにより、ポリプロピレン
2とそれ以外の合成樹脂材料3とを分別し、ポリプロピレン2を効率的に高純度で回収することが可能となる。

0032

近赤外線識別システム20の各構成部品の具体構成を説明すると、管体8は、具体的には金属製のパイプを例示することができる。電磁弁10は、具体的にはいわゆるソレノイドバルブである。制御手段14は、具体的にはいわゆるコンピュータである。空圧源15は、具体的には空気を一定の圧力で供給するコンプレッサーである。

0033

近赤外線選別システムにより分別したポリプロピレン2は、破砕機で2〜50mmの大きさに粉砕した後、図1フローチャートに示すように乾式洗浄装置により表面付着物を除去して、樹脂片表面の汚れシールなどを除去する。乾式洗浄の後、さらに、風力選別静電セパレーター選別、金属感知選別などを行って、より不純物を除去するようにしてもよい。

0034

なお、洗浄方法としては、乾式洗浄、湿式洗浄などの方式が存在するが、本発明では、水を使用しないために環境への影響が最も少ない乾式洗浄を採用した。乾式洗浄装置には、高速回転するハンマブレード打撃によって表面付着物を除去する手段や、原料同士の相互擦り作用によって洗浄する手段等、種々の方式があるが、特に限定するものではない。

0035

そして、洗浄したポリプロピレン2に、造核剤および相容化剤を添加し、混練機シリンダダイスの温度を180〜240℃に設定して加熱混練押出しを行った。この押出し時に、メッシュサイズ40〜100程度のスクリーンを通過させることで、メッシュより大きい金属成分やシリコン成分ゴム成分等の異物を除去することができる。また、ポリプロピレン再生材を利用した成形品耐久性機械物性を更に向上させるために、樹脂材再生化工程中の任意の工程において、熱安定性光安定剤帯電防止剤滑剤フィラー抗菌剤、および着色剤、さらに酸化防止剤などの添加剤を添加することもできる。

0036

なお、押出機一軸押出機でも二軸押出機でも多軸押出機でもかまわないが、スクリュー形状回転数、押出径や長さ等にもよるが、混練条件を向上させるために二軸以上の多軸押出機(L/Dが45以上)を用いることが好ましい。また、溶融した樹脂の冷却に液体を使用し、冷却に使用する液体の温度を制御する機構が設けてあり、さらに、押出機により製造されたペレット状成形物を制御された温度で保管するための機構が設置されていても良い。

0037

また、本実施の形態1は、冷蔵庫のリサイクル工程を説明したが、冷蔵庫の合成樹脂廃材に限定するものではなく、エアコンや洗濯乾燥機などの他の製品から回収した合成樹脂廃材や複数種類の製品から回収した合成樹脂廃材であってもよい。

0038

改質されたポリプロピレン系再生材は、射出成型を行うことにより、エアコンなどの家電製品や一般の樹脂成型品として再利用される。

0039

図1の再生工程に示すように、造核剤としてNA−27(ADEKA製)を0.3重量%となるように溶融混練時に添加し、二軸押出機にてペレット状成形物を作製する際の冷却温度を制御することにより球晶サイズを制御した。

0040

球晶サイズは偏光顕微鏡を用いて測定し、球晶ごとにサイズにばらつきが見られたが、平均的と思われる大きさの球晶サイズを10個測定し、それらの平均値を球晶サイズとした。観察試料は、作製したペレット状成形物をホットプレス装置にてシート状にすること
で作製した。物性評価は、ペレット状成形物を射出成形によりダンベル状形状に成形し、シャルピー衝撃試験(JIS K7111−1に準ずる)により行った。
(比較例1)造核剤を添加していない再生ポリプロピレン物性測定結果
(実施例1)造核剤を添加し、球晶サイズを82マイクロメートルに制御した試料の物性測定結果。
(実施例2)造核剤を添加し、球晶サイズを46マイクロメートルに制御した試料の物性測定結果。
(実施例3)造核剤を添加し、球晶サイズを10マイクロメートルに制御した試料の物性測定結果。

0041

バージン材においては、成形後の冷却速度に依存して球晶サイズが変化するということが知られているが、透過型電子顕微鏡TEM)にて確認したところ、再生材においても冷却速度が速くなるほど球晶サイズは小さくなっていくことが確認された。球晶サイズと物性値の関係を図3に示す。

0042

球晶サイズと物性値の間には相関関係があり、球晶サイズが小さくなるほど物性値が向上していく傾向が見られた。この結果から、球晶サイズは、80マイクロメートル以下であれば、結晶核剤の効果が現れてくるが、まだその結晶サイズは最適ではなく、好ましくは50マイクロメートル以下に制御することが好ましい。さらに好ましくは、シャルピー衝撃試験による靭性以外の物性も考慮して、球晶サイズは10マイクロメートル以下に制御することが好ましい。

0043

分別されたポリプロピレン再生材に、実験的に効果を検証しやすくするために、ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)樹脂を30重量%混ぜ、SEBS系の相容化剤(JSR製)を、それぞれ1.5重量%、3.0重量%、10.0重量%、20.0重量%加えて二軸押出機にて混練し、ペレタイズを行った。二軸押出機にてペレタイズをする際には、球晶サイズが50マイクロメートル以下になるように、冷却温度の制御を行った。作製したペレット状成形物を四酸化オスミウムおよび四酸化ルテニウムで染色して透過型電子顕微鏡(TEM)観察用の試料を作製して観察を行った。混練時の流れの影響を排除できるペレット状成形物の内部を切り出して観察用の試料とした。

0044

結果を図4に示す。

0045

試料の中に含まれるポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)の平均分散径はそれぞれ2200、1100、300、100nmであった。また、相容化剤を加えないものは、4300nmであった。相容化剤を10.0重量%添加した時のTEM像を見ると、分散相が連続して存在せず、ポリプロピレンの海の中に、ポリスチレンが島のように存在する「海島構造」をとっていることがわかった。

0046

平均分散径はTEMの画像の中から無作為に10個の分散粒子を選んでその粒子径を測長し、10の位を四捨五入して求めた。歪んだ形状をしているときは短軸の長さを粒子径とした。

0047

また、物性評価はシャルピー衝撃試験(JIS K7111−1に準ずる)により行った。

0048

比較として、ポリスチレンを添加せず、分別されたポリプロピレン再生材のみの試験も行った。図4に示すシャルピー衝撃値は、ポリプロピレン再生材にポリスチレン樹脂を30重量%混ぜたのみで相容化剤を添加していない試料の試験結果を1としたときの換算値
である。

0049

シャルピー衝撃試験の結果と平均分散径の間には相関関係があり、平均分散径が、20000nm以下になると、ポリスチレンを混ぜていない純粋なポリプロピレン再生材の試験結果を上回ることから、添加したポリスチレン樹脂の影響を排除できた状態、すなわち相容化が達成された状態であるということがわかる。

0050

シャルピー衝撃値の値は、平均分散径が1000nmを下回るとほぼ一定となり、平均分散径に対してほぼ飽和することから、平均分散径は1000nm以下であることがさらに好ましい。

0051

通常平均分散径は、母材であるマトリックス樹脂、本実施の形態の場合はポリプロピレンと、分散相の界面張力、各成分の粘度などに依存して決定される。相容化剤を添加した場合、分散相の周囲を相容化剤が被覆するため、界面張力は小さくなり、平均分散径は小さくなる。

0052

せん断速度を大きくし、界面張力を小さくしていくことで平均分散径は小さくなっていくが、小さくすればするほどその表面積は大きくなり、必要な相容化剤の量も増えていくため、100nm、さらに好ましくは150nm以下まで平均分散径を小さくすることは好ましくない。

0053

また、相容化すべき非相容の異樹脂の量が多くなると、平均分散径を小さくするために添加すべき相容化剤の量が増えてしまうことから、熱可塑性再生材に重量が最大の割合で含まれる樹脂の重量比率が90%以上であることが好ましい。

0054

さらに、相容化剤は再生材の中で分散相の周囲を被覆するように存在するが、相容化剤の添加量が増えすぎるとコスト増になるため、TEMで観察したときに分散相の周囲を被覆している相容化剤が、120nm以下になるように加えるのが良いが、さらに好ましくは80nm以下の厚みになるように加えるのが良い。

0055

以上は、効果を検証し易くするために、分別されたポリプロピレン再生材に、ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)樹脂を30重量%混ぜて行った実験について説明したが、以下に、ポリスチレン樹脂を混ぜないで行う実施例と比較例について説明する。
(比較例2)再生ポリプロピレン樹脂を混練し、添加物を加えずに二軸押出機にてペレタイズを行った。
(比較例3)再生ポリプロピレン樹脂にSEBS系の相容化剤(JSR製)を2重量%加えて二軸押出機にてペレタイズを行った。
(比較例4)再生ポリプロピレン樹脂にPP−g−AS系相容化剤(日油製)を1重量%加えて二軸押出機にてペレタイズを行った。
(実施例4)再生ポリプロピレン樹脂にSEBS系の相容化剤(JSR製)を2重量%、およびPP−g−AS系相容化剤(日油製)を1重量%加えて二軸押出機にてペレタイズを行った。

0056

ポリプロピレン再生材の中に異物として含まれるポリスチレン(PS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、およびポリ塩化ビニル(PVC)樹脂の平均分散径の評価は前述の通り透過型電子顕微鏡により行った。

0057

結果を図5に示す。

0058

比較例2においては、PS、ABS、およびPVC全ての平均分散径が2000nm以
上であり、全く相容化していないことがわかる。

0059

比較例3においては、PSの平均分散径は1000nm以下となり相容化したことがうかがえるが、ABSおよびPVCの平均分散径については2000nm以上であり相容化していないことがわかる。

0060

比較例3は、物性のみで評価すると、PSが相容化した分だけ物性の向上がみられるが、実際はABSとPVCが相容化していないため、製造工程でブリードアウトなどの悪影響が出る可能性がある。

0061

比較例4においても、ABSおよびPVCについてはその平均分散径が1000nm以下となり相容化したことがうかがえるが、PSの平均分散径は2000nm以上であり相容化していないことがわかる。

0062

実施例4においては、PS、ABSおよびPVCともその平均分散径は1000nm以下となり、完全相容化を達成したといえる。実施例4の材料においては、10000ショット以上の射出成形試験を行ってもブリードアウトなど非相容樹脂に由来する現象は発生していない。

0063

また、本実施の形態1で用いられた熱可塑性樹脂廃材は冷蔵庫・冷凍庫、空調機、洗濯機から選ばれた廃材であるため、分散相としてPS、ABSおよびPVC樹脂の分散径のみを考慮しておけばよい。

実施例

0064

熱可塑性樹脂廃材から樹脂を再生するプロセスの工程中または工程の最後に、混練後のペレット状成形体もしくは射出成形体の観察を行い、複数種類の熱可塑性樹脂それぞれの分散相の平均分散径を測定する工程と球晶サイズを測定する工程があり、測定結果フィードバックして相容化剤の量や造核剤の量、混練条件を最適化する機構があっても良い。

0065

本発明にかかる熱可塑性樹脂再生材によれば、球晶サイズの規定による結晶性制御を行うことで、ポリプロピレン再生材を用いた材料およびその成形品を構成する高品位にするとともに、非相容の異樹脂の影響を排除することが可能となるため、廃家電一般廃棄物を別の成型品に再資源化できる材料として、材料の資源循環に適用できる。

0066

1搬送装置
2熱可塑性樹脂材料
3 他の合成樹脂材料
4近赤外線選別装置
5吐出口
6 分別板

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