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技術 エレクトロクロミック素子の駆動装置、その駆動方法、光学フィルタ、撮像装置、レンズユニットおよび窓材

出願人 キヤノン株式会社
発明者 山本潤岡田伸二郎
出願日 2014年5月13日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2014-099901
公開日 2015年1月22日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2015-014784
状態 特許登録済
技術分野 エレクロ、電気泳動、可変反射吸収素子 陰極線管以外の表示装置の制御
主要キーワード 連続スイッチ 任意波形発生装置 還元電圧 低抵抗体 有機エレクトロクロミック材料 光学ガラス基板 還元着色 調光部材
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図面 (12)

課題

吸収スペクトルの形状を保持した階調表示を行うことができるエレクトロクロミック(EC)素子駆動装置およびその駆動方法を提供する。

解決手段

一対の電極間に少なくとも1種の有機EC材料混入した溶液EC素子透過率調整をして階調表示を行う駆動装置において、前記素子の透過率調整を行う制御手段を有し、前記制御手段は、前記素子の透過率変化飽和させ初期状態とする手段Aと、手段Aの後に続いて透過率を制御する手段Bを含むEC素子の駆動装置。上記の溶液型EC素子の透過率調整をして階調表示を行う駆動方法において、前記素子の透過率調整を行う制御工程を有し、前記制御工程は、前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程Aと、工程Aの後に続いて透過率を制御する工程Bを含むEC素子の駆動方法。

概要

背景

エレクトロクロミック(EC)現象とは、電圧を加えた時に生ずる可逆的な電気化学反応酸化反応あるいは還元反応)の誘起により、物質光吸収域が変化し、物質が着色又は消色する現象をいう。かかるエレクトロクロミック現象を利用する電気化学的着色/消色素子をエレクトロクロミック(EC)素子と称し、光透過率を変化させる調光素子として、応用が期待されている。

EC材料としては、WO3等の金属酸化物を用いるものが知られているほか、導電性高分子を用いたEC素子や、ビオロゲン等の有機低分子を用いたEC素子などが知られている。このうち、低分子系有機材料溶液状態で着色/消色する有機EC素子は、着色状態において十分なコントラスト比が得られる一方で、消色状態透過率が高いなどの利点が知られている。また、吸収波長が異なる複数の材料を混合することで色調を任意に制御できる利点が知られている。

これらEC素子を光学フィルタに用いるためには、透過光量を任意に制御する階調制御駆動が求められる。階調制御の駆動方法としては、例えば特許文献1には、電圧パルス印加するPWM駆動法が開示されている。該駆動方法では1パルス内での有機EC材料の酸化反応と還元反応が生じる時間幅を制御することで、階調制御を行っている。

また、特許文献2には、EC素子を使用の開始時あるいは終了時に初期状態リセットすることで、EC素子使用開始時のEC材料の消え残りを防止する方法が開示されている。

また、非特許文献1には、酸化反応により着色していく過程ラジカル種同士が会合体を形成する材料が報告されている。

概要

吸収スペクトルの形状を保持した階調表示を行うことができるエレクトロクロミック(EC)素子の駆動装置およびその駆動方法を提供する。一対の電極間に少なくとも1種の有機EC材料を混入した溶液型EC素子の透過率調整をして階調表示を行う駆動装置において、前記素子の透過率調整を行う制御手段を有し、前記制御手段は、前記素子の透過率変化飽和させ初期状態とする手段Aと、手段Aの後に続いて透過率を制御する手段Bを含むEC素子の駆動装置。上記の溶液型EC素子の透過率調整をして階調表示を行う駆動方法において、前記素子の透過率調整を行う制御工程を有し、前記制御工程は、前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程Aと、工程Aの後に続いて透過率を制御する工程Bを含むEC素子の駆動方法。

目的

本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、吸収スペクトルの形状を保持した階調表示を行うことができるエレクトロクロミック素子の駆動装置、その駆動方法、光学フィルタ、撮像装置レンズユニットおよび窓材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

一対の電極間に少なくとも1種の有機エレクトロクロミック材料混入した溶液エレクトロクロミック素子透過率調整をして階調表示を行う駆動装置において、前記素子の透過率調整を行う制御手段を有し、前記制御手段は、前記素子の透過率変化飽和させ初期状態とする手段Aと、手段Aの後に続いて透過率を制御する手段Bを含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動装置。

請求項2

前記手段Aは、電圧V1を印加して前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程1からなり、前記手段Bは、手段Aの後に続いて、前記電圧V1が再還元電圧以下である場合は、電圧V1よりも高く酸化電圧以上である電圧V2を印加し、あるいは前記電圧V1が酸化電圧以上である場合は、電圧V1よりも低く再還元電圧以下である電圧V2を印加し、時間T1の間、前記素子を含む閉回路中に抵抗R1を直列に接続する工程2と、時間T2の間、前記素子を含む閉回路中に前記抵抗R1よりも大きな抵抗R2を直列に接続し、回路電流を減少させる工程3と、からなり、前記手段Bを実行している間は工程2および工程3は交互に連続して繰り返されることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子の駆動装置。

請求項3

前記手段Aは、電圧V1を印加して前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程1からなり、前記手段Bは、手段Aの後に続いて、前記電圧V1が再酸化電圧以下である場合は、電圧V1よりも高く還元電圧以上である電圧V2を印加し、あるいは前記V1が還元電圧以上である場合は、電圧V1よりも低く再酸化電圧以下である電圧V2を印加し、時間T1の間、前記素子を含む閉回路中に抵抗R1を直列に接続する工程2と、時間T2の間、前記素子を含む閉回路中に前記抵抗R1よりも大きな抵抗R2を直列に接続し、回路電流を減少させる工程3と、からなり、前記手段Bを実行している間は工程2および工程3は交互に連続して繰り返されることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子の駆動装置。

請求項4

前記手段Bは、前記工程2が行われる時間T1、および前記工程3が行われる時間T2の和(T1+T2)を一定とし、T1を変化させて前記素子の透過率調整を行うことを特徴とする請求項2または3に記載のエレクトロクロミック素子の駆動装置。

請求項5

前記時間(T1+T2)は100ミリ秒以下であるであることを特徴とする請求項4に記載のエレクトロクロミック素子の駆動装置。

請求項6

前記有機エレクトロクロミック材料は複数の種類からなり、前記電圧V1および前記V2の値は、前記複数の有機エレクトロクロミック材料が示す複数の酸化および再還元電圧の中で最も高い酸化電圧以上もしくは最も低い再還元電圧以下の電圧であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子の駆動装置。

請求項7

複数種の有機エレクトロクロミック材料を有し、前記複数種の有機エレクトロクロミック材料のうちの少なくとも1種は、他の前記有機エレクトロクロミック材料と光の吸収ピークが異なることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子の駆動装置。

請求項8

複数種の有機エレクトロクロミック材料を有し、前記複数種の有機エレクトロクロミック材料のうちの少なくとも1種は、波長440nm以上490nmの範囲または波長540nm以上630nm以下の範囲のいずれかに光の吸収ピークを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子の駆動装置。

請求項9

前記有機エレクトロクロミック材料の少なくとも一つは、下記構造式で示される化合物(1)乃至(4)から選ばれることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子の駆動装置。

請求項10

一対の電極間に少なくとも1種の有機エレクトロクロミック材料を混入した溶液型エレクトロクロミック素子の透過率調整をして階調表示を行う駆動方法において、前記素子の透過率調整を行う制御工程を有し、前記制御工程は、前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程Aと、工程Aの後に続いて透過率を制御する工程Bを含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子の駆動方法。

請求項11

前記工程Aは、電圧V1を印加して前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程1からなり、前記工程Bは、工程Aの後に続いて、前記電圧V1が再還元電圧以下である場合は、電圧V1よりも高く酸化電圧以上である電圧V2を印加し、あるいは前記電圧V1が酸化電圧以上である場合は、電圧V1よりも低く再還元電圧以下である電圧V2を印加し、時間T1の間、前記素子を含む閉回路中に抵抗R1を直列に接続する工程2と、時間T2の間、前記素子を含む閉回路中に前記抵抗R1よりも大きな抵抗R2を直列に接続し、回路電流を減少させる工程3と、からなり、前記工程Bを実行している間は工程2および工程3は交互に連続して繰り返されることを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。

請求項12

前記工程Aは、電圧V1を印加して前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程1からなり、前記工程Bは、工程Aの後に続いて、前記電圧V1が再酸化電圧以下である場合は、電圧V1よりも高く還元電圧以上である電圧V2を印加し、あるいは前記V1が還元電圧以上である場合は、電圧V1よりも低く再酸化電圧以下である電圧V2を印加し、時間T1の間、前記素子を含む閉回路中に抵抗R1を直列に接続する工程2と、時間T2の間、前記素子を含む閉回路中に前記抵抗R1よりも大きな抵抗R2を直列に接続し、回路電流を減少させる工程3と、からなり、前記工程Bを実行している間は工程2および工程3は交互に連続して繰り返されることを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。

請求項13

前記工程Bは、前記工程2が行われる時間T1、および前記工程3が行われる時間T2の和(T1+T2)を一定とし、T1を変化させて前記素子の透過率調整を行うことを特徴とする請求項11または12に記載のエレクトロクロミック素子の駆動方法。

請求項14

エレクトロクロミック素子と、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子の駆動装置と、を有することを特徴とする光学フィルタ

請求項15

請求項14に記載の光学フィルタと、前記光学フィルタを通過した光を受光する受光素子とを有することを特徴とする撮像装置

請求項16

複数のレンズを有する光学系と、請求項14に記載の光学フィルタとを有するレンズユニットであって、前記光学フィルタを通過した光が前記光学系を通過するように配置されていることを特徴とするレンズユニット。

請求項17

複数のレンズを有する光学系と、請求項14に記載の光学フィルタとを有するレンズユニットであって、前記光学系を通過した光が前記光学フィルタを通過するように配置されていることを特徴とするレンズユニット。

請求項18

請求項1乃至9のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子の駆動装置と、前記駆動装置に駆動電圧を供給するための回路を有することを特徴とする窓材

技術分野

0001

本発明はエレクトロクロミック素子駆動装置、その駆動方法光学フィルタ撮像装置レンズユニットおよび窓材に関し、特に階調を制御する手段を備えた有機エレクトロクロミック素子の駆動装置、その駆動方法、それを用いた光学フィルタ、撮像装置、レンズユニットおよび窓材に関する。

背景技術

0002

エレクトロクロミック(EC)現象とは、電圧を加えた時に生ずる可逆的な電気化学反応酸化反応あるいは還元反応)の誘起により、物質光吸収域が変化し、物質が着色又は消色する現象をいう。かかるエレクトロクロミック現象を利用する電気化学的着色/消色素子をエレクトロクロミック(EC)素子と称し、光透過率を変化させる調光素子として、応用が期待されている。

0003

EC材料としては、WO3等の金属酸化物を用いるものが知られているほか、導電性高分子を用いたEC素子や、ビオロゲン等の有機低分子を用いたEC素子などが知られている。このうち、低分子系有機材料溶液状態で着色/消色する有機EC素子は、着色状態において十分なコントラスト比が得られる一方で、消色状態透過率が高いなどの利点が知られている。また、吸収波長が異なる複数の材料を混合することで色調を任意に制御できる利点が知られている。

0004

これらEC素子を光学フィルタに用いるためには、透過光量を任意に制御する階調制御駆動が求められる。階調制御の駆動方法としては、例えば特許文献1には、電圧パルス印加するPWM駆動法が開示されている。該駆動方法では1パルス内での有機EC材料の酸化反応と還元反応が生じる時間幅を制御することで、階調制御を行っている。

0005

また、特許文献2には、EC素子を使用の開始時あるいは終了時に初期状態リセットすることで、EC素子使用開始時のEC材料の消え残りを防止する方法が開示されている。

0006

また、非特許文献1には、酸化反応により着色していく過程ラジカル種同士が会合体を形成する材料が報告されている。

0007

特開平11−109423号公報
特開平11−316396号公報

先行技術

0008

“Chem.Mater.”1992,4,1106から1113頁

発明が解決しようとする課題

0009

電気化学的反応量を制御する有機EC素子の階調制御においては、材料単体或いは複数の材料間で次のような課題が生じていた。

0010

まず、非特許文献1に開示されているように、反応により着色していく過程で、生成したラジカル種同士が会合体(二量体ダイマー))を形成する材料が存在する。会合体は材料のラジカル種とは異なる電子状態を有するため、ラジカル種と会合体で異なる吸収を示す。本発明者等の検討において、このような材料では、着色時と消色時でラジカル種と会合体の吸収の変化の挙動が異なるため、吸収スペクトルが変化することが分かっている。そのため、会合体を形成する材料では、着色方向と消色方向の両方向での吸収スペクトルを維持した階調制御を行うことは困難である。

0011

また、中性状態から酸化反応でカチオンを形成し、再還元によってカチオンから中性状態に戻る材料を複数混合した場合では、材料毎の酸化電圧および酸化後の再還元電圧が異なるため、着色時の材料間の吸収比と再還元時の材料間の吸収比が崩れてしまう。一般に材料の酸化反応は材料自身の酸化電圧と材料に作用する電極電圧の差が正に大きいほど生じやすくなる。一方、再還元反応は材料自身の再還元電圧と材料に作用する電極電圧の差が負に大きいほど生じやすくなる。そのため、複数の材料を同時に酸化させる場合、最も酸化電圧の低い材料は、酸化電圧の高い他の材料に比べて、反応が生じやすい。しかし、酸化反応で生じた複数の材料のカチオンを同時に再還元させる場合には、逆に再還元電圧が他の材料に比べて低いために、反応が有利とはならない。

0012

本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、吸収スペクトルの形状を保持した階調表示を行うことができるエレクトロクロミック素子の駆動装置、その駆動方法、光学フィルタ、撮像装置、レンズユニットおよび窓材を提供するものである。

課題を解決するための手段

0013

上記の課題を解決するエレクトロクロミック素子の駆動装置は、一対の電極間に少なくとも1種の有機エレクトロクロミック材料混入した溶液型エレクトロクロミック素子の透過率調整をして階調表示を行う駆動装置において、
前記素子の透過率調整を行う制御手段を有し、前記制御手段は、前記素子の透過率変化飽和させ初期状態とする手段Aと、手段Aの後に続いて透過率を制御する手段Bを含むことを特徴とする。

0014

上記の課題を解決するエレクトロクロミック素子の駆動方法は、一対の電極間に少なくとも1種の有機エレクトロクロミック材料を混入した溶液型エレクトロクロミック素子の透過率調整をして階調表示を行う駆動方法において、
前記素子の透過率調整を行う制御工程を有し、前記制御工程は、前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程Aと、工程Aの後に続いて透過率を制御する工程Bを含むことを特徴とする。

0015

上記の課題を解決する光学フィルタは、エレクトロクロミック素子と、上記のエレクトロクロミック素子の駆動装置と、を有することを特徴とする。

0016

上記の課題を解決する撮像装置は、上記の光学フィルタと、前記光学フィルタを通過した光を受光する受光素子とを有することを特徴とする。

0017

上記の課題を解決するレンズユニットは、複数のレンズを有する光学系と、上記の光学フィルタとを有するレンズユニットであって、前記光学フィルタを通過した光が前記光学系を通過するように配置されていることを特徴とする。

0018

また、上記の課題を解決するレンズユニットは、複数のレンズを有する光学系と、上記の光学フィルタとを有するレンズユニットであって、前記光学系を通過した光が前記光学フィルタを通過するように配置されていることを特徴とする。

0019

上記の課題を解決する窓材は、上記のエレクトロクロミック素子の駆動装置と、前記駆動装置に駆動電圧を供給するための回路を有することを特徴とする。

0020

なお、本発明において、素子とは、一対の電極間に少なくとも1種の有機エレクトロクロミック材料を混入した溶液型エレクトロクロミック素子のことを表す。尚、溶液の粘性を高くし、ゲル状にした素子形態も本発明に含まれる。

発明の効果

0021

本発明によれば、吸収スペクトルの形状を保持した階調表示を行うことができるエレクトロクロミック素子の駆動装置、その駆動方法、光学フィルタ、撮像装置、レンズユニットおよび窓材を提供することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明のEC素子の一実施態様を示す模式図である。
本発明のEC素子の駆動装置の一実施形態を示す模式図である。
会合体を形成する材料の吸収スペクトルを示す図である。
複数の材料を含むEC素子を一定電圧で駆動したときの吸収スペクトルを示す図である。
本発明の第1実施例の駆動制御形態を説明する図である。
複数の材料を含むEC素子のパルス幅変調駆動での吸収スペクトルの内、630nmの経時変化を示した図である。
本発明の第2実施例の駆動制御形態を説明する図である。
本発明の第3実施例の駆動制御形態を説明する図である。
本発明の光学フィルタを用いたレンズユニット、及びレンズユニットを有する撮像装置を示す模式図である。
本発明の光学フィルタを有する撮像装置を示す模式図である。
本発明の駆動装置を用いた窓材を示す模式図である。

実施例

0023

以下、本発明を詳細に説明する。

0024

本発明に係るエレクトロクロミック(EC)素子の駆動装置は、一対の電極間に少なくとも1種の有機エレクトロクロミック材料を混入した溶液型エレクトロクロミック素子の透過率調整をして階調表示を行う駆動装置において、
前記素子の透過率調整を行う制御手段を有し、前記制御手段は、前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする手段Aと、手段Aの後に続いて透過率を制御する手段Bを含むことを特徴とする。

0025

以下に本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。

0026

図1は、本発明のEC素子の一実施態様を示す模式図である。図1に示すように、本発明のEC素子は、一対の透明電極3、5を形成した一対の透明基板2、6を電極面が対向するようスペーサ4を介して貼り合せ、前記一対の透明電極3、5とスペーサ4で形成された空隙内に電解質および有機EC材料を溶媒に溶解したEC層7が存在する構造である。

0027

透明電極3、5は駆動電源8に接続され、両電極間に電圧を印加することで、有機EC材料は電気化学的反応を起こす。

0028

本発明に係るエレクトロクロミック素子(「EC素子」とも略記す。)としては、エレクトロクロミック材料(「EC材料」とも略記す。)として無機材料および有機材料を用いたものが挙げられるが、特にEC材料として有機材料を用いた有機エレクトロクロミック素子(「有機EC素子」とも略記す。)が好ましい。

0029

一般に有機EC材料は、電圧が印加されていない状態で中性状態を取り、可視光領域に吸収を持たない。このような消色状態において、EC素子は高い透過率を示す。両電極間に電圧を印加すると有機EC材料中で電気化学反応が起き、中性状態から酸化状態(カチオン)あるいは還元状態アニオン)となる。有機EC材料はカチオンあるいはアニオンの状態で可視光領域に吸収を有すようになり、着色する。このような着色状態において、EC素子は低い透過率を示す。

0030

ここで以下に、中性状態から酸化してカチオンを形成する反応を酸化反応、酸化反応が生じる電圧を酸化電圧と呼び、また、カチオンが中性状態に戻る反応を再還元反応、再還元反応が生じる電圧を再還元電圧と呼ぶ。同様に、中性状態から還元してアニオンを形成する反応を還元反応、還元反応が生じる電圧を還元電圧と呼び、また、アニオンが中性状態に戻る反応を再酸化反応、再酸化反応が生じる電圧を再酸化電圧と呼ぶことにする。

0031

EC素子を調光素子に用いる場合、光学系への影響を小さくするために消色状態では高い透過率を保つことが好ましい。そのため、透明基板や透明電極には可視光を十分に透過させる材料を用いることがより好ましい。

0032

透明基板2、6には一般にはガラス材が用いられ、Corning#7059やBK−7等の光学ガラス基板を好適に使用することができる。また、プラスチックセラミック等の材料であっても十分な透明性があれば適宜使用が可能である。透明基板は剛性で歪みを生じることが少ない材料が好ましい。また、基板として可撓性が少ないことがより好ましい。透明基板の厚みは一般に、数十μmから数mmである。

0033

透明電極3、5は可視光領域における高い光透過性とともに高い導電性を有した材料が好ましい。これらの材料として、酸化インジウムスズ合金(ITO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化銀酸化バナジウム酸化モリブデン、金、銀、白金、銅、インジウムクロムなどの金属や金属酸化物、多結晶シリコンアモルファスシリコン等のシリコン系材料カーボンブラックグラファイトグラッシーカーボン等の炭素材料などを挙げることができる。また、ドーピング処理などで導電率を向上させた導電性ポリマー(例えば、ポリアニリンポリピロールポリチオフェンポリアセチレンポリパラフェニレンポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸錯体など)も好適に用いられる。本発明のEC素子においては、消色状態で高い透過率を有することが好ましいため、可視光領域に光吸収を示さないITO、IZO、NESA、導電率を向上させた導電性ポリマーが特に好ましく用いられる。これらはバルク状微粒子状など様々な形態で使用できる。尚、これらの電極材料は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。

0034

EC層7は電解質と有機EC材料を溶媒に溶解したものから構成される。

0035

溶媒としては、電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、特に極性をするものが好ましい。具体的には水や、メタノールエタノールプロピレンカーボネートエチレンカーボネートジメチルスルホキシドジメトキシエタンアセトニトリルγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンスルホランジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオンニトリルジメチルアセトアミドメチルピロリジノンジオキソラン等の有機極性溶媒が挙げられる。

0036

電解質としては、イオン解離性の塩で、良好な溶解性を示し、有機EC材料の着色を確保できる程度に電子供与性を有するカチオンあるいはアニオンを含む塩であれば特に限定されない。各種のアルカリ金属塩アルカリ土類金属塩などの無機イオン塩や4級アンモニウム塩や環状4級アンモニウム塩などがあげられ、具体的にはLiClO4、LiSCN、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiPF6、LiI、NaI、NaSCN、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、KSCN、KCl等のLi、Na、Kのアルカリ金属塩等や、(CH3)4NBF4、(C2H5)4NBF4、(n−C4H9)4NBF4、(C2H5)4NBr、(C2H5)4NClO4、(n−C4H9)4NClO4等の4級アンモニウム塩および環状4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの電解質材料は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。

0037

また、有機EC材料は、溶媒に対して溶解性を有し、電気化学的な反応で着色と消色を表現できるものであれば、どのようなものであっても構わない。公知の酸化/還元着色性EC材料を使用することができる。EC素子を調光素子に用いた場合、透過率コントラスト波長平坦性が求められる。これらを考慮して有機EC材料はできるだけ消色状態での透過率が高く、且つ着色効率注入電荷量に対する光学濃度の比)が高い材料を用いることが好ましい。さらに、波長平坦性という点では一つの材料で平坦な吸収を実現することが難しい場合は、複数種の材料を併用することも可能である。

0038

有機EC材料の具体例としては、例えば、ビオロゲン色素スチリル色素フルオラン色素、シアニン色素芳香族アミン色素等の有機色素、金属−ビピリジル錯体、金属−フタロシアニン錯体等の有機金属錯体等を使用することができる。

0039

また、無機EC材料を溶液に分散させたものを用いることも可能である。無機EC材料としては、例えば、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化イリジウム酸化ニッケル酸化マンガン酸化チタン等を挙げることができる。

0040

EC層7は液体またはゲルであることが好ましい。EC層7は、好適には上記からなる溶液状態として用いられるが、ゲル状の状態で用いることも可能である。ゲル化には、溶液にさらにポリマーゲル化剤を含有させる。上記ポリマー(ゲル化剤)としては、特に限定されず、例えばポリアクリロニトリルカルボキシメチルセルロースポリ塩化ビニルポリ臭化ビニルポリエチレンオキサイドポリプロピレンオキサイドポリウレタンポリアクリレートポリメタクリレートポリアミドポリアクリルアミドポリエステルポリフッ化ビニリデンナフィオンなどが挙げられる。このようにEC層7として粘稠若しくはゲル状としたもの等を用いることができる。

0041

また、上記のような混合状態で使用する他、透明かつ柔軟な網目構造を有した構造体(例えばスポンジ状のもの)にこれら溶液を担持させても良い。

0042

図2は、本発明のEC素子の駆動装置の一実施形態を示す模式図である。本発明のEC素子の駆動装置は、EC素子1、駆動電源8、抵抗切替手段9、制御手段10を有する。

0043

駆動電源8は、EC素子に初期状態にリセットするための電圧V1、および、EC素子の階調表示を行うための駆動電圧V2を印加する。V1およびV2の印加は別の駆動電源で行っても良い。

0044

抵抗切替手段9は、駆動電源とEC素子を含む閉回路中に、抵抗R1および抵抗R1よりも大きな抵抗R2を切り替え直列に接続するものである。抵抗R1の抵抗値としては、少なくとも素子閉回路の最も大きなインピーダンスよりも小さいことが好ましく、好ましくは1Ω以下である。抵抗R2の抵抗値としては、素子閉回路の最も大きなインピーダンスよりも大きいことが好ましく、好ましくは1MΩ以上である。

0045

また、抵抗R2は空気と見なしても構わない。この場合、厳密には閉回路は開回路となるが、空気を抵抗R2と見なすことで閉回路と等価となる。

0046

制御手段10は、駆動電源8の電圧V1およびV2の制御、抵抗切替手段9の抵抗R1およびR2の切り替えの制御を行う。制御手段10の具体的な構成例は、前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする手段Aと、手段Aの後に続いて透過率を制御する手段Bを含むことを特徴とする。

0047

また、酸化でカチオンを形成する有機EC材料を用いた場合、および還元でアニオンを形成する有機EC材料を用いた場合の制御手段10の具体的な制御形態(1)および制御形態(2)を示す。尚、制御形態(1)の酸化反応および再還元反応を利用する場合、電圧V1およびV2の高低はプラス方向に沿って考えられ、プラス側ほど高い電圧となる。酸化電圧よりも大きな電圧とは酸化電圧よりもプラス側にある電圧を意味する。また、制御形態(2)の還元反応および再酸化反応を利用する場合、電圧V1およびV2の高低はマイナス方向に沿って考えられ、還元電圧よりも大きな電圧とは還元電圧よりもマイナス側にある電圧を意味する。

0048

制御手段10の別の具体的な制御形態(1)としては、前記手段Aは、電圧V1を印加して前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程1からなり、
前記手段Bは、手段Aの後に続いて、前記電圧V1が再還元電圧以下である場合は、電圧V1よりも高く酸化電圧以上である電圧V2を印加し、あるいは前記電圧V1が酸化電圧以上である場合は、電圧V1よりも低く再還元電圧以下である電圧V2を印加し、
時間T1の間、前記素子を含む閉回路中に抵抗R1を直列に接続する工程2と、
時間T2の間、前記素子を含む閉回路中に前記抵抗R1よりも大きな抵抗R2を直列に接続し、回路電流を減少させる工程3と、からなり、
前記手段Bを実行している間は工程2および工程3は交互に連続して繰り返されることを特徴とする。

0049

また、制御手段10の別の具体的な制御形態(2)としては、前記手段Aは、電圧V1を印加して前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程1からなり、
前記手段Bは、手段Aの後に続いて、前記電圧V1が再酸化電圧以下である場合は、電圧V1よりも高く還元電圧以上である電圧V2を印加し、あるいは前記V1が還元電圧以上である場合は、電圧V1よりも低く再酸化電圧以下である電圧V2を印加し、
時間T1の間、前記素子を含む閉回路中に抵抗R1を直列に接続する工程2と、
時間T2の間、前記素子を含む閉回路中に前記抵抗R1よりも大きな抵抗R2を直列に接続し、回路電流を減少させる工程3と、からなり、
前記手段Bを実行している間は工程2および工程3は交互に連続して繰り返されることを特徴とする。

0050

また、前記手段Bは、前記工程2が行われる時間T1、および前記工程3が行われる時間T2の和(T1+T2)を一定とし、T1を変化させて前記素子の透過率調整を行うことを特徴とする。

0051

前記時間(T1+T2)は100ミリ秒以下であるであることが好ましい。

0052

上記載のEC材料は酸化反応および再還元反応を行い、中性状態とカチオンの間を行き来するものであるが、酸化反応を還元反応に、再還元反応を再酸化反応に置き換え、中性状態とアニオンの間を行き来するEC材料であっても適用可能である。

0053

また、本発明に係るエレクトロクロミック(EC)素子の駆動方法は、一対の電極間に少なくとも1種の有機エレクトロクロミック材料を混入した溶液型エレクトロクロミック素子の透過率調整をして階調表示を行う駆動方法において、
前記素子の透過率調整を行う制御工程を有し、前記制御工程は、前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程Aと、工程Aの後に続いて透過率を制御する工程Bを含むことを特徴とする。

0054

また、酸化でカチオンを形成する有機EC材料を用いた場合、および還元でアニオンを形成する有機EC材料を用いた場合の制御工程の具体的な制御形態(3)および制御形態(4)を示す。尚、制御形態(3)の酸化反応および再還元反応を利用する場合、電圧V1およびV2の高低はプラス方向に沿って考えられ、プラス側ほど高い電圧となる。酸化電圧よりも大きな電圧とは酸化電圧よりもプラス側にある電圧を意味する。また、制御形態(4)の還元反応および再酸化反応を利用する場合、電圧V1およびV2の高低はマイナス方向に沿って考えられ、還元電圧よりも大きな電圧とは還元電圧よりもマイナス側にある電圧を意味する。

0055

制御工程の別の具体的な制御形態(3)としては、前記工程Aは、電圧V1を印加して前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程1からなり、
前記工程Bは、工程Aの後に続いて、
前記電圧V1が再還元電圧以下である場合は、電圧V1よりも高く酸化電圧以上である電圧V2を印加し、あるいは前記電圧V1が酸化電圧以上である場合は、電圧V1よりも低く再還元電圧以下である電圧V2を印加し、
時間T1の間、前記素子を含む閉回路中に抵抗R1を直列に接続する工程2と、
時間T2の間、前記素子を含む閉回路中に前記抵抗R1よりも大きな抵抗R2を直列に接続し、回路電流を減少させる工程3と、からなり、
前記工程Bを実行している間は工程2および工程3は交互に連続して繰り返されることを特徴とする。

0056

制御工程の別の具体的な制御形態(4)としては、前記工程Aは、電圧V1を印加して前記素子の透過率変化を飽和させ初期状態とする工程1からなり、
前記工程Bは、工程Aの後に続いて、前記電圧V1が再酸化電圧以下である場合は、電圧V1よりも高く還元電圧以上である電圧V2を印加し、あるいは前記V1が還元電圧以上である場合は、電圧V1よりも低く再酸化電圧以下である電圧V2を印加し、
時間T1の間、前記素子を含む閉回路中に抵抗R1を直列に接続する工程2と、
時間T2の間、前記素子を含む閉回路中に前記抵抗R1よりも大きな抵抗R2を直列に接続し、回路電流を減少させる工程3と、からなり、
前記工程Bを実行している間は工程2および工程3は交互に連続して繰り返されることを特徴とする。

0057

また、前記工程Bは、前記工程2が行われる時間T1、および前記工程3が行われる時間T2の和(T1+T2)を一定とし、T1を変化させて前記素子の透過率調整を行うことを特徴とする。

0058

本発明において、前記複数種の有機エレクトロクロミック材料のうちの少なくとも1種は、他の前記有機エレクトロクロミック材料と光の吸収ピークが異なることが好ましい。

0059

また、前記複数種の有機エレクトロクロミック材料のうちの少なくとも1種は、波長440nm以上490nmの範囲または波長540nm以上630nm以下の範囲のいずれかに光の吸収ピークを有することが好ましい。

0060

また、前記有機エレクトロクロミック材料の少なくとも一つは、下記構造式で示される化合物(1)乃至(4)から選ばれることが好ましい。

0061

0062

0063

0064

0065

本発明の駆動装置により、吸収スペクトルの形状を保持した階調表示を行うことができるエレクトロクロミック素子の駆動装置を用いた光学フィルタ、撮像装置、レンズユニットおよび窓材を提供することができる。

0066

本発明に係る光学フィルタは、上記のエレクトロクロミック素子と、前記エレクトロクロミック素子を制御する駆動装置とを有することを特徴とする。

0067

光学フィルタは、カメラの如き撮像装置に用いられてもよい。撮像装置に用いられる場合、光学フィルタは、撮像装置本体に設けられても、レンズユニットに設けられてもよい。

0068

本発明に係る撮像装置は、上記の光学フィルタと、前記光学フィルタを通過した光を受光する受光素子とを有することを特徴とする。

0069

本発明に係るレンズユニットは、複数のレンズを有する光学系と、上記の光学フィルタとを有するレンズユニットであって、前記光学フィルタを通過した光が前記光学系を通過するように配置されていることを特徴とする。

0070

また、本発明に係る別のレンズユニットは、複数のレンズを有する光学系と、請求項14に記載の光学フィルタとを有するレンズユニットであって、前記光学系を通過した光が前記光学フィルタを通過するように配置されていることを特徴とする。

0071

本発明に係る窓材は、上記のエレクトロクロミック素子の駆動装置と、前記駆動装置に駆動電圧を供給するための回路を有することを特徴とする。

0072

以下に、本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。

0073

(第一の実施形態)
本実施形態では、有機EC材料として酸化反応により中性種からカチオンを形成して着色する材料を例にあげ、透過率の制御について説明する。また、EC素子のリセット後の初期状態を、着色の殆ど無い状態であるとする。

0074

本発明者等の検討において、非特許文献1のように会合体を形成する材料では、着色時と消色時でラジカル種と会合体の吸収の変化の挙動が異なるため、吸収スペクトルが変化することが分かっている。会合体を形成する低分子系有機EC材料として、下記の化合物1がある。

0075

0076

図3は、化合物1を支持電解質(TBAP)とともに炭酸プロピレン溶媒に溶解した溶液の着色時および消色時の吸収スペクトルの透過率変化を示したものである。化合物1の濃度は10mMであり、TBAPの濃度は0.1Mである。EC素子の構成は、150umのスペーサを介して2枚のガラスITO基板を貼り合せ、基板とスペーサで形成された空隙に有機EC材料を含む溶液を注入した構成である。着色時は両電極間に2Vを印加し、消色時は0Vを印加した。図3において波長530nmは化合物1のカチオン種の吸収ピーク、波長496nmはカチオン種同士が形成した会合体の吸収ピークと考えられる。両者の吸収ピークの比を見ると、消色時は会合体の吸収が早く減少する傾向にあり、着色時と消色時で吸収比が大きく変化している。そのため、会合体を形成する材料では、着色方向と消色方向の両方向での吸収スペクトルを保持した階調制御を行うことは困難である。

0077

また、任意の色調を表現するために、複数種の有機EC材料を混合した場合では、材料毎の酸化電圧と再還元電圧が異なるため、酸化電圧印加時において着色時の該複数種の材料間の光吸収量比と再還元電圧印加時の材料間の光吸収量比が変化してしまう。一般に材料の酸化反応および再還元反応は下記の(式1)のバトラーボルマーの式で示されるように酸化電圧および再還元電圧からの分極状態過電圧)に応じて生じやすくなる。ここで、過電圧とは材料の酸化電圧と再還元電圧と作用電極に印加した電圧との電圧差を示す。(式1)において、iは反応の電流密度、i0は交換電流密度、αは電荷移動係数、nは反応電子数、Fはファラデー定数、ηは過電圧、Rは気体定数、Tは温度である。また、i0は(式2)の関係を持つ。(式2)において、k0は反応速度定数、cOは酸化体濃度、cRは還元体濃度である。

0078

0079

0080

一般に、複数の材料が同時に酸化する電圧の印加に対して、最も酸化電圧の低い材料は、材料間での酸化反応で流れる電流が最も生じやすい。一方で、複数の材料が同時に再還元する電圧に対して、最も再還元電位の低い材料は、材料間での再還元反応では逆に電流を生じにくい。

0081

一方で、(式1)から、温度および濃度が一定である場合、電気化学的な反応は過電圧に依存する。これから過電圧すなわちEC素子に印加する電圧値が一定であれば、電極表面での各材料の反応量は一定であり、また、全体の反応量は材料の電極表面への供給量、即ち拡散定数に依存するため一定となる。これから、EC素子の初期状態から酸化(着色)反応を行えば、各材料の吸収の比を揃えた着色が可能である。

0082

図4は、複数の材料を含むEC素子を一定電圧で駆動したときの吸収スペクトルを示す図である。図4(a)は、化合物1および下記の化合物2、3、4の4材料に一定電圧を印加した場合の時間に対する吸収スペクトルの透過率変化を示した図である。

0083

0084

0085

0086

各化合物1から4の濃度をそれぞれ、2mM、8mM、13mM、30mMとした以外は図3の測定時の素子構造と同一である。初期状態をリファレンスとし、印加電圧2Vに対する吸収の変化量を透過率の変化量として表しており、印加時間に応じて透過率が小さくなり、各階調を示していることが分かる。図4(a)の吸収スペクトルは4つの材料の各吸収スペクトルの和で表されている。化合物1は496nmと530nmに、化合物2は500nmと630nmに、化合物3は440nmと490nmに、化合物4は540nmと600nmにそれぞれ強吸収を有し、図4(a)の440nm、490nm、540nm、630nmの吸収は各材料の強吸収を反映している。

0087

また、図4(b)は、図4(a)の各時間における吸収スペクトルを透過率から吸光度換算し、630nmの吸光度を1として規格化し重ね合わせたものである。透過率と吸光度は、−Log(透過率)=(吸光度)の関係であり、吸光度はランバートベールの法則から、(吸光度)=(モル吸光係数)×(材料濃度)×(光路長)の関係にある。着色による吸光度の変化量と、カチオンの濃度の変化量には線形性が存在するため、吸収スペクトルの時間変化に対して、各吸収スペクトルの形状が一致しているかを議論するには吸光度を用いる方が好ましい。

0088

図4(b)から各吸収スペクトルの吸光度は良い一致を示しており、複数種の材料からなるEC素子において、一定電圧の印加で吸収スペクトルの形状を保持した駆動が可能であった。

0089

これから、EC素子を初期状態から着色方向に駆動する場合には、一定電圧を印加することで吸収スペクトルの形状を保持した駆動が可能である。

0090

そのため、EC素子の階調を制御する駆動装置においては、EC素子の階調を変化させる場合には、一度EC素子を初期状態にリセットし、リセット後に一定電圧を印加する駆動によって、EC素子を目標とする次の階調に制御すれば良い。このような駆動装置によって、会合体を形成する材料、酸化還元電位の異なる複数の材料からなるEC素子であっても、吸収スペクトルの形状を保持した階調表示が可能となる。

0091

また、本発明者等の検討において、図5に示したような駆動制御形態を用いることで、吸収スペクトルの形状を保持した階調状態の保持が可能である。

0092

図5はEC素子に印加する電圧V1およびV2と、EC素子の閉回路に接続する抵抗体R1およびR2と、抵抗体R1およびR2の接続時間T1およびT2と、それに伴う透過率の変化を説明するものである。

0093

以下に、図4で用いた化合物1から4を混合したEC素子を駆動する場合について説明する。化合物1から4は、酸化電圧の印加で着色し、再還元電圧の印加で消色する。消色状態を初期状態(リセット状態)とし、再還元電圧をV1、酸化電圧をV2と設定する。EC素子を初期状態に戻す過程は手段Aであり、手段Aの後に続く透過率を次の階調に制御する過程は手段Bとなる。

0094

手段Bでは酸化電圧V2を印加した状態で、素子の閉回路に抵抗R1を時間T1で接続する工程と、抵抗R2を時間T2で接続する工程と、を繰り返し連続で行う。

0095

抵抗R1は低抵抗であり、R1が接続された場合は、閉回路に電流が流れるため酸化反応が生じやすい。抵抗R2は高抵抗であり、R2が接続された場合は、閉回路に電流が流れず酸化反応が生じにくい。

0096

一般に、EC材料に溶液の有機材料を用いるEC素子では、酸化反応で生じたカチオンを、開回路状態(閉回路に高抵抗である空気を接続すると等価)で放置すると自己消色によって中性状態に戻ることが知られている。

0097

そのため、酸化反応が生じる時間T1と自己消色が生じる時間T2の和(T1+T2)を一定とし、時間T1の割合を制御することで、透過率の変化量が制御される。時間T1の割合を大きくすれば透過率の変化量が大きく、時間T1の割合を小さくすれば透過率の変化量が小さくなる。

0098

吸収スペクトルの形状を保持するために、ある階調から次の階調に変化させる場合には、一度手段Aによって初期状態にリセットし、その後に続いて手段Bによって階調制御を行う。

0099

電圧V1およびV2は駆動電源から一定電圧を印加する。EC素子と駆動電源の接続は抵抗切替手段であるリレー回路アナログスイッチ回路)で制御され、アナログスイッチ回路は駆動電源とEC素子の配線を接続および非接続にスイッチングする。アナログスイッチ回路の制御のタイミングは任意波形発生装置からの電圧供給で行った。任意波形発生装置は制御手段の一部機能に相当する。アナログスイッチ回路の動作は、EC素子の配線に低抵抗体および高抵抗体を直列に接続することと同様である。この場合、低抵抗体は配線材料の抵抗と見なせ、mΩオーダーである。また、高抵抗体は空気であるため、MΩを遥かに越える。

0100

このように素子回路を低抵抗/高抵抗に切り替えることで、回路を流れる電流量を制御する。低抵抗体に接続した場合は、電流が流れ酸化反応が生じ着色する。高抵抗体に接続した場合は、電流が流れず酸化反応が生じない。このとき、有機EC材料は拡散による自己消色現象を示す。

0101

リセット後の初期状態を着色が殆ど無い状態であるとし、初期状態から手段Bによって酸化電圧(V2)印加状態下で、抵抗R1およびR2の接続を、時間T1およびT2で連続スイッチすると、酸化反応開始時は、電極近傍で中性種濃度が圧倒的に多いため、酸化反応が優勢であり、自己消色量を上回る。そのため、全体の着色量が徐々に大きくなり、吸収が大きくなる。着色量がある程度大きくなると、電極近傍の中性種濃度が減少するため酸化反応が減少するが、自己消色量はカチオン種濃度が増加しているため大きくなる。このように着色量と自己消色量のバランスが保たれてくる。バランスが保たれた濃度平衡点近傍でEC素子の透過率が安定し、階調が保持される。

0102

時間T1とT2の和(T1+T2)に占める低抵抗体接続の割合(T1/(T1+T2))を大きくし、低抵抗体に接続する時間を長くすると、着色量が多くなり、自己消色量が少なくなる。濃度の平衡点が着色量の大きい側にシフトするため、EC素子の透過率変化はより大きな状態で保持される。反対に、低抵抗体に接続する時間を短くすると、着色量が小さくなり、自己消色量が多くなる。濃度の平衡点が着色量の小さい側にシフトするため、EC素子の透過率変化はより小さな状態で保持される。

0103

図6図4で用いた化合物1から4を混合したEC素子を図5の駆動制御形態で動作させた場合の、単一波長630nmの透過率変化量の経時変化を示したものである。

0104

図6はリセット後の初期状態から、酸化電圧(V2)1.7Vを印加した状態で、抵抗R1とR2の接続を、時間T1とT2の和(T1+T2)が100Hz(10m秒)となるよう繰り返し連続で行っている。時間T1とT2の和(T1+T2)に占める低抵抗体接続の割合(T1/(T1+T2))を0.1%、0.3%、0.8%、2%、10%とし、手段Bで300秒間駆動した場合の単一波長630nmの透過率変化量の経時変化である。本実施例で述べる駆動制御形態を用い、低抵抗体接続の割合を調整することで、図6に示したように、EC素子の透過率変化量の大きさを制御し、かつ、保持することが可能であった。

0105

そのため、EC素子の階調を制御する駆動装置においては、EC素子の階調を変化させる場合には、一度EC素子を初期状態にリセットし、リセット後に一定電圧下で素子回路を低抵抗/高抵抗に切り替える駆動制御形態を取ることによって、EC素子を目標とする次の階調に制御すれば良い。このような駆動装置によって、会合体を形成する材料、酸化還元電位の異なる複数の材料からなるEC素子であっても、吸収スペクトルの形状を保持した階調表示が可能となる。

0106

(第二の実施形態)
本実施形態では、有機EC材料として酸化反応により中性種からカチオンを形成して着色する材料を例にあげ、透過率の制御について説明する。また、EC素子のリセット後の初期状態を、着色し透過率が小さい状態であるとする。

0107

図7はEC素子に印加する電圧V1およびV2と、EC素子の閉回路に接続する抵抗体R1およびR2と、抵抗体R1およびR2の接続時間T1およびT2と、それに伴う透過率の変化を説明するものである。

0108

以下に、図4で用いた化合物1から4を混合したEC素子を駆動する場合について言及する。化合物1から4は、酸化電圧の印加で着色し、再還元電圧の印加で消色する。着色状態を初期状態(リセット状態)とし、酸化電圧をV1、再還元電圧をV2と設定する。EC素子を初期状態に戻す過程は手段Aであり、手段Aの後に続く透過率を次の階調に制御する過程は手段Bとなる。

0109

手段Bでは再還元電圧V2を印加した状態で、素子の閉回路に抵抗R1を時間T1で接続する工程と、抵抗R2を時間T2で接続する工程と、を繰り返し連続で行う。

0110

抵抗R1は低抵抗であり、R1が接続された場合は、閉回路に電流が流れるため再還元反応が生じやすい。抵抗R2は高抵抗であり、R2が接続された場合は、閉回路に電流が流れず再還元反応が生じにくい。

0111

一般に、EC材料に溶液の有機材料を用いるEC素子では、酸化反応で生じたカチオンを、開回路状態(閉回路に高抵抗である空気を接続すると等価)で放置すると自己消色によって中性状態に戻ることが知られている。このため、V2をマイナス側に大きくすると、EC材料のほとんどが再還元され中性状態に戻ってしまう。一方で、電気化学的測定において、酸化反応と再還元反応の間には、60mVから数百mVの電圧幅で両方の反応が同時に行われる領域が存在する。再還元電圧として再還元電反応が酸化反応よりもやや優勢となる電圧を選択することで、再還元量を抑制し、階調制御することが可能となる。

0112

そのため、再還元反応が生じる時間T1と生じない時間T2の和(T1+T2)を一定とし、時間T1の割合を制御することで、透過率の変化量が制御される。時間T1の割合を大きくすれば透過率の変化量が大きく、時間T1の割合を小さくすれば透過率の変化量が小さくなる。

0113

一度手段Aによって初期状態にリセットし、その後に続いて手段Bによって階調制御を行うことで、吸収スペクトルの形状を保持した階調制御が可能である。

0114

(第三の実施形態)
本実施形態では、有機EC材料として還元反応により中性種からアニオンを形成して着色する材料を例にあげ、透過率の制御について説明する。また、EC素子のリセット後の初期状態を、消色し透過率が大きい状態であるとする。

0115

図8はEC素子に印加する電圧V1およびV2と、EC素子の閉回路に接続する抵抗体R1およびR2と、抵抗体R1およびR2の接続時間T1およびT2と、それに伴う透過率の変化を説明する。

0116

アニオンを形成するEC材料としては、例えばビオロゲン色素が挙げられる。

0117

ビオロゲンは、還元電圧の印加で着色し、再酸化電圧の印加で消色する。消色状態を初期状態(リセット状態)とし、再酸化電圧をV1、還元電圧をV2と設定する。EC素子を初期状態に戻す過程は手段Aであり、手段Aの後に続く透過率を次の階調に制御する過程は手段Bとなる。

0118

手段Bでは還元電圧V2を印加した状態で、素子の閉回路に抵抗R1を時間T1で接続する工程と、抵抗R2を時間T2で接続する工程と、を繰り返し連続で行う。

0119

抵抗R1は低抵抗であり、R1が接続された場合は、閉回路に電流が流れるため還元反応が生じやすい。抵抗R2は高抵抗であり、R2が接続された場合は、閉回路に電流が流れず還元反応が生じにくい。

0120

一般に、EC材料に溶液の有機材料を用いるEC素子では、還元反応で生じたアニオンを、開回路状態(閉回路に高抵抗である空気を接続すると等価)で放置すると自己消色によって中性状態に戻ることが知られている。

0121

そのため、還元反応が生じる時間T1と生じない時間T2の和(T1+T2)を一定とし、時間T1の割合を制御することで、透過率の変化量が制御される。時間T1の割合を大きくすれば透過率の変化量が大きく、時間T1の割合を小さくすれば透過率の変化量が小さくなる。

0122

一度手段Aによって初期状態にリセットし、その後に続いて手段Bによって階調制御を行うことで、吸収スペクトルの形状を保持した階調制御が可能である。

0123

(第四の実施形態)
本実施形態の光学フィルタは、第一の実施形態のEC素子の駆動装置と、第一の実施形態のEC素子の駆動装置が駆動するEC素子と、を有する。

0124

EC素子を有し、光学フィルタを構成すること以外は第一の実施形態と同じである。

0125

このような光学フィルタとしては、減光(Neutral Density,ND)フィルタなどがある。

0126

減光フィルタ黒色吸収であり、可視光域で均等な光吸収が必要である。有機EC材料を用いた黒色吸収の実現には、可視光域で異なる吸収域を持つ複数種の材料を混合し、可視光域での吸収を平坦なものとすればよい。有機EC材料を混合した場合の吸収スペクトルは、各材料の吸収スペクトルの和で表現されるため、適切な波長域を持つ材料の選択と、その濃度の調整から黒色吸収を実現することが可能である。

0127

減光(ND)フィルタの駆動例を以下に示す。一般的に減光(ND)フィルタは光量を1/2n(nは整数)とする。1/2では透過率が100%から50%になり、1/4では100%から25%になる。また、透過率を1/2にした場合、−LOG(透過率)=(吸光度)の関係から吸光度の変化量は0.3となり、1/4では0.6となる。

0128

したがって、例えば、1/2〜1/64までの減光を行うには、吸光度の変化量を0.3刻みで0.〜1.8まで制御すれば良い。また、減光の大きさを変化させる場合には、本実施形態の駆動装置によりEC素子を初期状態にリセットし、リセット後に次の減光量に制御する。

0129

このように、有機EC素子と、有機EC素子を制御する駆動装置と、を有する光学フィルタにより、光透過率制御を精度良く行うことが可能である。本実施形態のように、有機EC素子からなる光学フィルタを調光部材として用いることで、調光量を一つのフィルタで適宜可変させることが可能となり、部材点数の削減や省スペース化といった利点がある。

0130

(第五の実施形態)
本実施形態の撮像装置は、レンズユニットと、撮像ユニットとを有する撮像装置である。レンズユニット内あるいは撮像ユニット内に存在する光学フィルタが第四の実施形態の光学フィルタである。

0131

図9は本実施形態の撮像装置を示す模式図である。

0132

本実施形態の撮像装置は、レンズユニット102と、撮像ユニット103と、を有し、レンズユニット102はマウント部材(不図示)を介して撮像ユニット103に着脱可能に接続されている。

0133

レンズユニット102は、複数のレンズあるいはレンズ群を有するユニットであり、絞りより後でフォーカシングを行うリアフォーカス式ズームレンズである。

0134

レンズユニット102は、物体側より順に正の屈折力の第1のレンズ群104、負の屈折力の第2のレンズ群105、正の屈折力の第3のレンズ群106、正の屈折力の第4のレンズ群107、の4つのレンズ群と、第2のレンズ群105と第3のレンズ群106との間に開口絞り108と、第3のレンズ群106と第4のレンズ群107との間に光学フィルタ101と、を有する。第2のレンズ群105と第3群のレンズ群106との間隔を変化させて変倍を行うことで、第4のレンズ群107の一部のレンズ群を移動させてフォーカスを行う。レンズユニット102を通過する光は、第1〜第4のレンズ群、開口絞り108、光学フィルタ101を通過するよう配置されており、開口絞り108および光学フィルタ101を用いて光量の調整を行うことができる。

0135

撮像ユニット103は、ガラスブロック109と受光素子110を有する。

0136

ガラスブロック109はローパスフィルタフェースプレート色フィルタ等のガラスブロックである。

0137

受光素子110は、レンズユニット102を通過した光を受光するセンサ部であって、CCDやCMOS等の撮像素子を使用できる。また、フォトダイオードのような光センサであっても良く、光の強度あるいは波長の情報を取得し出力するものを適宜利用可能である。

0138

本実施形態の撮像装置では、第四の実施形態の光学フィルタ101が光学レンズユニット内の第3のレンズ群と第4のレンズ群の間に配置されているが、本発明の撮像装置では、光学フィルタ101の位置はその配置に限定されるものではなく、開口絞り108の前あるいは後のいずれに配置しても良く、第1〜第4のレンズ群のいずれの前、後、レンズ群の間であっても良い。なお、光の収束する位置に配置することで、光学フィルタの面積を小さくできるなどの利点がある。また、本発明の撮像装置では、レンズユニットの形態も適宜選択可能であり、リアフォーカス式の他、絞りより前でフォーカシングを行うインナーフォーカス式であっても良く、その他方式であっても構わない。また、ズームレンズ以外にも魚眼レンズマクロレンズなどの特殊レンズも適宜選択可能である。

0139

さらに、本実施形態の撮像装置では、第四の実施形態の光学フィルタ101がレンズユニット102の内部に配置されているが、本発明の撮像装置では、第四の実施形態の光学フィルタのうちのEC素子がレンズユニット内に存在し、EC素子の駆動装置はレンズユニット外、すなわち撮像ユニットに配置されていても良い。このような場合には、配線を通してレンズユニット内のEC素子とEC素子の駆動装置が接続され、駆動制御する。

0140

また、本発明の撮像装置では、第四の実施形態の光学フィルタ101が撮像ユニット103の内部に配置されていても良い。

0141

図10は、第四の実施形態の光学フィルタ101が撮像ユニット103の内部に配置されている構成の撮像装置の模式図である。

0142

光学フィルタ101は撮像ユニット103の内部のガラスブロック109と受光素子110の間に配置されている。撮像ユニット103自体が光学フィルタ101を内蔵する場合、接続されるレンズユニット102は光学フィルタを持たなくても良いため、既存のレンズユニットを用いた調光可能な撮像装置を構成することが可能となる。

0143

なお、図10においては、光学フィルタ101は、受光素子110とガラスブロック109の間に配置されているが、受光素子110が光学フィルタ101を通過した光を受光するよう配置されていれば良く、光学フィルタ101は、受光素子110とガラスブロック109の間以外の位置に配置されていても良い。

0144

このような撮像装置は、光量調整と受光素子の組合せを有する製品などがあげられ、例えば、カメラ、デジタルカメラビデオカメラデジタルビデオカメラ携帯電話スマートフォン、PC、タブレットなどの撮像部位であっても良い。

0145

本実施形態では、絞りより後でフォーカシングを行うリアフォーカス式のズームレンズを表している。

0146

(第六の実施形態)
本実施形態の調光窓は、窓材である光学フィルタと透明板とフレームとを有する調光窓である。

0147

図11は、本実施形態の調光窓を示す概念図である。

0148

図11(a)は本実施形態の調光窓の概観図であり、図11(b)は図11(a)のX−X’で切断した際の断面図を示す図である。なお、図11の符号において図1と共通する符号がふられているものは、図1と共通のものを示す。

0149

調光窓111は、窓材である光学フィルタと、それを挟持する透明板113と、全体を囲繞して一体化するフレーム112とから成る。

0150

光学フィルタは第四の実施形態の光学フィルタであり、光学フィルタ内の有機EC素子を1に図示しており、駆動装置は不示図である。

0151

透明板113は光透過率が高い材料であれば特に限定されず、窓としての利用を考慮すればガラス素材であることが好ましい。

0152

本実施形態の調光窓111は、例えば日中の太陽光の室内への入射量を調整する用途に適用できる。太陽の光量の他、熱量の調整にも適用できるため、室内の明るさや温度の制御に使用することが可能であり、例えば、建造物用ガラス窓自動車電車飛行機など乗り物の窓に適用可能である。また、シャッターとして、室外から室内への眺望遮断する用途にも適用可能である。

0153

本実施形態の調光窓111は、透明板113と有機EC素子が有する透明基板2、6が別に存在する構成であるが、本発明の調光窓111では透明板113が存在せず、透明基板2、6が透明板の機能を兼ねていても良い。また、透明板と光学フィルタが貼り合わせ等で直接結合している場合は、必ずしもフレームは必要ではない。

0154

本実施形態の調光窓111は、調光窓111内の光学フィルタ101内に駆動装置を有しているが、本発明の調光窓では、駆動装置がフレーム112内に一体化されていても良く、フレーム112外に配置され配線を通して有機EC素子と接続されていても良い。

0155

本発明のエレクトロクロミック素子の駆動システムは、吸収スペクトルの形状を保持した階調表示および階調保持を行うことができるので、光学フィルタ、特にカメラ用の減光(ND)フィルタに利用することができる。

0156

1有機EC素子
2、6 透明基板
3、5透明電極
4スペーサ
7EC層
8駆動電源
9抵抗切替手段
10 制御手段
101光学フィルタ
102レンズユニット
103撮像ユニット
104 第1のレンズ群
105 第2のレンズ群
106 第3のレンズ群
107 第4のレンズ群
108開口絞り
109ガラスブロック
110受光素子
111調光窓
112フレーム
113 透明板

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