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技術 抗体抗原反応評価方法

出願人 国立大学法人九州工業大学西原達次
発明者 竹中繁織西原達次
出願日 2013年7月5日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2013-142085
公開日 2015年1月22日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2015-014542
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード セルロース混合エステル製 電気的反応 電気的手法 サンプル評価 電流計測値 メンブレン膜 微分パルスボルタンメトリー マイクロ波照射装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

本発明は、従来行われてきたELISA法よりも、簡便にかつ定量的なデータを取得することができ、POCTとして達成することができる抗体抗原反応評価方法を提供することを目的とする。

解決手段

抗体をマイクロ波照射によりメンブレンに固定する工程と、当該抗体が固定されたメンブレンに被検体を接触させる工程と、当該被検体を接触させた後のメンブレンに二次抗体を接触させる工程と、当該二次抗体を接触させたメンブレンの電気特性を測定する工程とを有することで、抗体—抗原反応の有無を評価する抗体抗原反応評価方法。

概要

背景

被検者の傍らで、医療従事者が行う検査方法であるPoint of care testing(POCT)は、検査時間の短縮および被検者が検査を身近に感じることができる診療看護方法であり、疾病拡散防止や予防にも資する方法である。わが国でも、インフルエンザなどの微生物検査の方法の一つとして、POCTへの関心が高まっており、これに関する製品も普及し始めている。一般的なPOCTの製品としては、イムノクロマトグラフィーとよばれる技術を活用したものが知られており、15〜30分程度の検査時間で結果が得られるものが多い。しかしながら、従来のイムノクロマトグラフィーは、比色分析のものが多く、定量性にかける点や低感度な点が問題となることがあった(非特許文献1)。

ここで、抗原抗体反応を活かした検査方法の一つであるイムノクロマトグラフィーとは、免疫クロマトグラフィーともよばれ、抗体を固定したメンブレンの一部(例えば中央等)に抗原等を含む可能性がある液状の被検体滴下等の方法で接触させ、当該液状の被検体が毛細管現象により、展開した際、抗体が固定されている場所で、被検体中に抗原が含まれていれば抗原抗体反応が生じる。ここに抗原抗体反応が生じたとき着色する二次標識となる二次抗体やさらなる基質等を加えておくことで、二次標識の着色が生じるか否かを直接観察することができる。

一方、ヒト炎症性メディエータ一種として知られるTumor Necrosis Factor−α(TNF−α)(非特許文献2)は、炎症部位浸潤したマクロファージ角化細胞から放出され、血管透過性亢進血管拡張白血球遊走・浸潤、組織破壊などの作用を引き起こすサイトカインである。このタンパク質が引き起こす炎症性疾患を検出するシステムとして、酵素反応の発色、発光具合で検出するELISA法があげられるが、精密な定量データを得られるとは限らないものであった。また、煩雑な作業と時間を要し、コストも決して安価とはいえないものであった。

概要

本発明は、従来行われてきたELISA法よりも、簡便にかつ定量的なデータを取得することができ、POCTとして達成することができる抗体抗原反応評価方法を提供することを目的とする。 抗体をマイクロ波照射によりメンブレンに固定する工程と、当該抗体が固定されたメンブレンに被検体を接触させる工程と、当該被検体を接触させた後のメンブレンに二次抗体を接触させる工程と、当該二次抗体を接触させたメンブレンの電気特性を測定する工程とを有することで、抗体—抗原反応の有無を評価する抗体抗原反応評価方法。

目的

本発明は、このELISA法よりも、簡便にかつ定量的なデータを取得することができ、POCTとして達成することができる検出方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

一次抗体マイクロ波照射によりメンブレンに固定する工程と、当該一次抗体が固定されたメンブレンに被検体を接触させる工程と、当該被検体を接触させた後のメンブレンに二次抗体を接触させる工程と、当該二次抗体を接触させたメンブレンの電気特性を測定する工程とを有することで、抗体—抗原反応の有無を評価する抗体抗原反応評価方法

請求項2

前記メンブレンが、ニトロセルロース膜またはセルロース混合エステル製メンブレン膜であり、前記マイクロ波照射が、水分子振動させることで加熱する波長マイクロ波であり、かつ、前記メンブレンの電気特性を測定する工程が、p−アミノフェニルリン酸を用いて、ピーク電流計測法で電気特性を測定するものである請求項1記載の抗体抗原反応評価方法。

請求項3

前記抗体が、抗TNF−α抗体であり、前記被検体が、TNF−αである請求項1または2記載の抗体抗原反応評価方法。

技術分野

0001

本発明は、抗原抗体反応を評価する方法に関する。より詳しくは、抗体の固定化を効率的に行い、かつ抗原抗体反応を電気的方法で評価することで正確に評価することができる評価方法に関するものである。特に、炎症性サイトカインの検出に適しているため例えば歯周病検査に適した評価法に関する。

背景技術

0002

被検者の傍らで、医療従事者が行う検査方法であるPoint of care testing(POCT)は、検査時間の短縮および被検者が検査を身近に感じることができる診療看護方法であり、疾病拡散防止や予防にも資する方法である。わが国でも、インフルエンザなどの微生物検査の方法の一つとして、POCTへの関心が高まっており、これに関する製品も普及し始めている。一般的なPOCTの製品としては、イムノクロマトグラフィーとよばれる技術を活用したものが知られており、15〜30分程度の検査時間で結果が得られるものが多い。しかしながら、従来のイムノクロマトグラフィーは、比色分析のものが多く、定量性にかける点や低感度な点が問題となることがあった(非特許文献1)。

0003

ここで、抗原抗体反応を活かした検査方法の一つであるイムノクロマトグラフィーとは、免疫クロマトグラフィーともよばれ、抗体を固定したメンブレンの一部(例えば中央等)に抗原等を含む可能性がある液状の被検体滴下等の方法で接触させ、当該液状の被検体が毛細管現象により、展開した際、抗体が固定されている場所で、被検体中に抗原が含まれていれば抗原抗体反応が生じる。ここに抗原抗体反応が生じたとき着色する二次標識となる二次抗体やさらなる基質等を加えておくことで、二次標識の着色が生じるか否かを直接観察することができる。

0004

一方、ヒト炎症性メディエータ一種として知られるTumor Necrosis Factor−α(TNF−α)(非特許文献2)は、炎症部位浸潤したマクロファージ角化細胞から放出され、血管透過性亢進血管拡張白血球遊走・浸潤、組織破壊などの作用を引き起こすサイトカインである。このタンパク質が引き起こす炎症性疾患を検出するシステムとして、酵素反応の発色、発光具合で検出するELISA法があげられるが、精密な定量データを得られるとは限らないものであった。また、煩雑な作業と時間を要し、コストも決して安価とはいえないものであった。

先行技術

0005

谷直人、医機学、80,37−38(2010)
T.Huang et al.,J.Am.Chem.Soc.,130,17095-17105(2009).

発明が解決しようとする課題

0006

前述のように、TNF−αは慢性関節リウマチなどヒト自己免疫疾患に深く関与している炎症性メディエータであるが、従来の検出法であるELISA法は煩雑かつ高価で、詳細で精密な定量データを得られるとはいえないものであった。本発明は、このELISA法よりも、簡便にかつ定量的なデータを取得することができ、POCTとして達成することができる検出方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。

0008

本発明の特徴は、抗原抗体反応を原理の一つとして検出するものの、抗体とメンブレンの結合にマイクロ波照射方法を用いることで作業を大幅に簡略化し、また電気化学的手法を用いて計測することで、より数値としての定量的データを得られるものである。より詳しくは、TNF−αの検出にヒトTNF−αモノクローナル抗体と抗原と酵素標識した二次抗体を使用し、電気化学的測定を用い、抗体とセルロースメンブレンの結合をマイクロ波照射により簡易的に固定することを特徴のひとつとする。

0009

すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1>一次抗体をマイクロ波照射によりメンブレンに固定する工程と、当該一次抗体が固定されたメンブレンに被検体を接触させる工程と、当該被検体を接触させた後のメンブレンに二次抗体を接触させる工程と、当該二次抗体を接触させたメンブレンの電気特性を測定する工程とを有することで、抗体—抗原反応の有無を評価する抗体抗原反応評価方法。
<2> 前記メンブレンが、ニトロセルロース膜またはセルロース混合エステル製メンブレン膜であり、前記マイクロ波照射が、水分子振動させることで加熱する波長マイクロ波であり、かつ、前記メンブレンの電気特性を測定する工程が、p−アミノフェニルリン酸を用いて、ピーク電流計測法で電気特性を測定するものである前記<1>記載の抗体抗原反応評価方法。
<3> 前記抗体が、抗TNF−α抗体であり、前記被検体が、TNF−αである前記<1>または<2>記載の抗体抗原反応評価方法。

発明の効果

0010

本発明の特徴は、抗原抗体反応で検出するものの、検出手法である抗体とメンブレンの結合にマイクロ波照射を使うことで作業を大幅に簡略化(例えば、抗体の固定開始から1時間程度で、評価結果を確認することができる)し、また電気化学的手法を用いて計測することで、より数値としての定量的データを得られるところにある。

図面の簡単な説明

0011

本発明の実施例におけるTNF−α濃度と電流計測値グラフである。

0012

以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。

0013

本発明は、一次抗体をマイクロ波照射によりメンブレンに固定する工程と、当該一次抗体が固定されたメンブレンに被検体を接触させる工程と、当該被検体を接触させたメンブレンに二次抗体を接触させる工程と、当該二次抗体を接触させたメンブレンの電気特性を測定する工程とを有することで、抗体抗原反応の有無を評価する抗体抗原反応評価方法に関するものである。

0014

先ず、本発明は、一次抗体をマイクロ波照射によりメンブレンに固定する工程を有する。イムノクロマトグラフィーにおいては、メンブレンに固定された抗体と、被検体中の抗原が反応し、抗体抗原反応が起こり、当該抗体抗原反応に、さらに二次抗体を用いて抗体抗原反応が生じていることを確認する。このため、メンブレンに抗体を固定することが必要である。メンブレンに抗体を固定させた所定の位置(一次抗体固定部)で、抗体抗原反応が起こり、当該所定の位置での二次抗体との反応を確認することで、抗体抗原反応の有無を確認することができる。

0015

本発明において、一次抗体とは、被検体中に含まれる抗原と直接抗原抗体反応する抗体を指す。一般的に、一次抗体は、モノクローナル抗体として、当該一次抗体を含む液状で市販されたり、各々の研究所等で維持管理されたりしている。本発明の好ましい実施の態様の一つとして、炎症性サイトカインであるHuman Tumor Necrosis Factor−α(以下、単に「TNF−α」と略記する。)の検出方法として達成することができる。この時、一次抗体としては、抗TNF−α抗体を用いることが好ましい。具体的な固定化量としては、例えば、PBS緩衝液(例えば、137mM NaCl,2.68mM KCl, 8.1mM Na2HPO4,1.47mM KH2PO4)等で適宜希釈した1〜100μg/mLの抗TNF−α抗体を、1〜100μLメンブレンに固定する。

0016

本発明においては、マイクロ波照射によって、メンブレンに一次抗体を固定する。この液状の一次抗体を、メンブレンに固定するに当たって、本発明は、マイクロ波照射により、極めて短時間でおこなうことが特徴である。ここでマイクロ波としては、例えば、水分子を振動させることで加熱する2.4GHz帯のマイクロ波等を照射することができ、いわゆる電子レンジにより簡易的な照射を行うことができる。マイクロ波照射を行うと、タンパク質の変性等が生じ、抗原抗体反応が生じないと一般的には考えられる可能性があったが、本発明者等は、マイクロ波照射を行っても、抗原抗体反応は十分に生じることを見出し、さらに、前述のように極めて短時間で抗体を固定することができることを見出した。このように、極めて短時間で簡単に抗体を固定することができるため、抗体を頻繁に変更して、抗体抗原反応の有無等を確認したい場合等、非常に有用であり、適宜調整されるPOCTにも適している。

0017

本発明において、抗体を固定するメンブレンは、被検体が展開するものであればよく、被検体に応じて適宜選択することができる。一般的には、親水性多孔質膜を用いる。例えば、セルロースアセテートメンブレン膜や、ニトロセルロースメンブレン膜、セルロースアセテートとニトロセルロースとのセルロース混合エステル性メンブレン膜等を用いることができる。メンブレンの厚みは、溶液等の吸収性やマイクロ波照射による収縮等の影響、実験時の作業の行いやすさ等から100〜500μm程度が好ましく、また、孔径が0.3〜5μm程度であることが好ましく、タンパク質結合容量が10〜500μg/cm2程度であるものが好ましい。本発明の好ましい実施の態様の一つとして、炎症性サイトカインの検出として、本発明を達成する場合、メンブレンとしては、ニトロセルロース膜またはセルロース混合エステル製メンブレン膜を用いることが好ましい。

0018

さらに、一次抗体が固定されたメンブレンには、コントロール抗体が固定された部分(コントロール標識部)が、適宜設けられていることが好ましい。当該コントロール部は、被検体中にコントロール抗体と反応するコントロール抗原を混合させておくことで、被検体液がコントロール部に達する程度に展開していることを確認することができるため有用である。

0019

本発明の一次抗体が固定されたメンブレンは、ブロッキングを行っていることが好ましい。このブロッキングとは、抗原等と吸着しやすいメンブレンの非一次抗体固定部を、抗原抗体反応と関係のない物質飽和させるもので、これによって、抗原が非特異的な吸着を起こすことを防止し、一次抗体と抗原の反応確率を向上させるものである。このようなブロッキング剤は、抗体抗原反応用のブロッキング剤として市販されている。

0020

本発明は、さらに、当該一次抗体が固定されたメンブレンに被検体を接触させる工程を有する。被検体は、一次抗体と反応する抗原の有無を確認する対象となるもので、一般的には液状である。例えば、血中の抗原の有無を確認したい場合、必要に応じて前処理した血液を用いることができるし、歯周病の検査の場合、唾液を用いたりすることができる。また、被検体が液状でない場合は、そのままでメンブレンに展開させ、抗体と接触させることができるものであればそのまま接触に供してもよいが、展開しやすいように、適宜、生理食塩水等の抗原が変性しない液体に分散や溶解させて接触に供してもよい。前記の一次抗体が固定されたメンブレンに被検体を接触させるとき、抗体が固定された抗体固定部に直接接触させたり、メンブレンの端部等に被検体を接触させたりすることが一般的である。メンブレンの毛細管現象によって展開させ、この展開に伴う流れによって、被検体中に抗原が含まれている場合、メンブレンの一次抗体固定部に固定された抗体と、抗原とが抗体抗原反応する。なお、抗原のフロー(展開)自体が的確に行われていることを確認するために、被検体にはコントロール抗体と反応するコントロール抗原が含まれていることが好ましい。

0021

本発明は、さらに、当該被検体を接触させた後のメンブレンに二次抗体を接触させる工程を有する。ここで二次抗体とは、抗原抗体反応が生じた一次抗体と抗原の反応体に対して反応する抗体であり、抗体抗原反応の有無を検出しやすくするために用いる物である。
例えば、本発明の好ましい実施の態様の一つである、炎症性サイトカインの検出方法として、本発明を達成する時、二次抗体としては、B−TNF−α Mabが好ましく用いられる。このB−TNF−α Mabは、後述する、p−APP等と結合し、酵素処理することで電気的反応の有無を確認することができるものの一例である。

0022

この二次抗体の接触は、前記一次抗体が固定された一次抗体固定部に、二次抗体が接触し、一次抗原抗体反応物と二次抗体の反応を行わせるものである。具体的には、抗原の有無を確認するための被検体に、二次抗体を含有する液を加えて、2つの工程にあたる作業を同時に行っても良いし、被検体液を一次抗体固定部に接触させた後、二次抗体を一次抗体抗原反応部に接触させても良い。

0023

なお、本発明においては、適宜、メンブレンの清浄化や、ブロッキング剤の不要成分の除去、二次抗体の未反応物の除去等の目的で、洗浄を行うことができる。洗浄を行う場合、評価対象となる抗体や抗原等に応じて、適宜洗浄液を選択するが、例えば、リン酸生理食塩水や、トリス(Tris)と省略して呼ばれているトリスヒドロキシメチルアミノメタン(tris(hydroxymethyl)aminomethane、THAM)を使用した緩衝液などを用いることができる。

0024

本発明は、さらに、当該二次抗体を接触させたメンブレンの電気特性を測定する工程を有する。このような電気特性を測定することで、一次抗体抗原反応を正確に検出することができ、さらに、電気特性は電流値等のように数値化が容易な方法であるため、比色法と比べ、測定結果が安定する。

0025

ここで、二次抗体と電気特性を測定する工程について、詳述する。本発明の二次抗体としては、二次抗体にさらに基質と結合させ、酵素反応等させることにより二次抗体と抗体抗原反応物との結合の有無やその程度を電気的手法で検出できるものを用いる。電気的手法で検出できるものとしては、酵素反応により分解されると電気化学的に活性化される基質を用いて当該活性化基質の電気化学的応答を測定することができるものであればよい。このような二次抗体と結合し電気特性を測定するために用いられる酵素、基質等は、一次抗体抗原反応物や二次抗体に応じて適宜選択されるが、例えば、酵素としてアルカリフォスファターゼ、基質としてp−アミノフェニルリン酸の組み合わせや、酵素として西洋わさびペルオキシダーゼ、基質として過酸化水素フェロセンメタノール混合溶液の組み合わせなどが挙げられる。

0026

本発明に好ましい実施の態様の一つである炎症性サイトカインの検出を行うとき、本発明の二次抗体と結合する基質としては、p−アミノフェニルリン酸(p−AminoPhenylPhosphate;以下、「pAPP」と略記。)を用いることができる。この、pAPPは、酵素(p−キノンイミン)により分解され、p−AminoPhenol(pAP)となり還元反応によってp−Quinoneimine(pQI)となる過程での電気化学的応答を検出することで抗原抗体反応の有無を、電流電圧の変化として電気的手法で検出することができるものである。

0027

電気的手法での検出を行うにあたっては、特に限定されるものではないが、各種アンペロメトリーボルタンメトリーが好適である。アンペロメトリーは、電位ステップに対して電極に流れる電流を時間に対して測定、解析する手法であり、溶液中の電気化学活性種の定量分析に、広く用いられている方法である。ボルタンメトリーは、電極電位を変化させた時の応答電流を測定する手法として、広く用いられている。電極電位を直線的に変化させるサイクリックボルタンメトリーや、パルスにより変化させるパルスボルタンメトリーがある。得られる応答電流値は、溶液中の電気化学活性種の濃度に依存する。本発明においては、このような公知の電気化学的方法・手段を用いて、溶液中に生成した活性化基質の電気化学的応答を測定し、元の抗原の定性あるいは定量分析を行うものである。

0028

これらの工程を有することで、本発明は、二次抗体の固定化から、検出までを短時間で達成することができる。また、その測定結果は数値化でき安定する。前述のように、本発明の好ましい実施の態様の一つは、炎症性サイトカインの検出方法として達成することができるが、本発明では、抗原をTNF−αとし、一次抗体を抗TNF−α抗体とし、二次抗体をB−TNFαとし、電気特性を測定するための基質をp−APPとすることで、1pg/mL〜100μg/mLオーダーの抗原を検出することも可能である。この検出感度は、従来一般的に行われていたELISA法と同程度から、それよりも高濃度低濃度の検出も可能とするものであり、非常に多岐にわたり利用できる。

0029

また、この一連の作業は、一次抗体の固定〜検出結果を得るまでに、30分〜2時間程度で達成することができる手法であり、作業時間の短縮という点において非常に有用である。特に、抗体抗原反応の評価においては、それぞれの要件に併せた抗体、抗原の選択を行ったうえでの、大量のサンプル評価を行う必要があり、この評価結果をフィードバックした新たな実験系の設定を急ぐことも求められるため、本発明の抗原抗体反応評価方法の短時間で結果を得ることができる構成は非常に優れている。

0030

本発明は、炎症性サイトカインの検査方法を一例として、抗体抗原反応の評価方法を解説したが、同様に、検査対象としたものにあわせて、適宜、条件を設定することでさまざまな検査を行うことができる。具体的には、インフルエンザウイルスノロウイルスアデノウイルスのようなウイルス検査にも用いることができる。この場合、ウイルス表面抗原に適宜合わせた一次抗体、二次抗体、電気特性を測定するための反応を行わせることで、目的とするウイルスの検査を行うことができる。特に、これらのウイルスは、遺伝子の変化により種(亜種)の変化が速いものがあり、その変化に伴い抗原部も変化することがあるため、その抗原に適した抗体の選択も含めて実験結果を速やかにフィードバックさせることができる本発明の対象に適している。また、本発明の抗体抗原反応評価方法は、妊娠検査薬や、食品中のアレルゲン検査、微生物検査等にも適している。

0031

以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。ここでは、炎症性サイトカインであるTNF−αの検出を目的として、以下の実験を行った。

0032

試薬・材料等]
・メンブレンミリポア社製MF−Millipore Membrane Filter
・抗TNF−αモノクローナル抗体R&Dシステム社製
・TNA−α抗原R&Dシステム社製
・B−TNF−α抗体 R&Dシステム社製
・p−アミノフェニルリン酸(pAPP) 九州工業大学バイオマイクロセンシング技術研究センター内で合成したものを用いた。
酢酸アンモニウムシグマアルドリッチ社
リン酸緩衝液ニッポンジーン社製
リン酸緩衝生理食塩水(PBST) シグマアルドリッチ社製
カゼインシグマアルドリッチ社製
界面活性剤Tween20 シグマアルドリッチ社製
ビオチンシグマアルドリッチ社製
・アルカリフォスファターゼで修飾されたストレプトアビジンサーモサイエンティフィック社製
・Tris−HCl(pH9.0) シグマアルドリッチ社製

0033

実験装置
マイクロ波照射装置社製電子レンジ
・96wellプレートサーモサイエンティフィック社製
微分パルスボルタンメトリーDPV) CH instrument社製ALS1222B

0034

[抗体抗原反応評価法]
以下の、一次抗体を固定する工程、ブロッキング工程、被検体を接触させる工程、二次抗体を接触させる工程、メンブレンの電気特性を測定する工程を実施例における抗体抗原反応評価法とした。

0035

「一次抗体を固定する工程(メンブレンに固定する工程)」
一次抗体として、抗TNF−αモノクローナル抗体を以下の方法で、セルロースメンブレンに固定した。
エッペンチューブで扱える大きさに丸くカットした専用のセルロースメンブレンに、濃度10μg/mLの抗TNF−αモノクローナル抗体10μLを塗布し、500Wのマイクロ波照射で1分30秒間処理することで抗体を固定する。

0036

「ブロッキング工程」
これに100mM酢酸アンモニウムを含むリン酸緩衝液からなる溶液で洗浄した後、0.5%カゼインを含むリン酸緩衝生理食塩水を用いて、マイクロ波照射で30秒間、メンブレンをブロッキングする。このブロッキング後のメンブレンの不純物を洗浄するために、界面活性剤Tween20を加えたリン酸緩衝液で20分間洗浄し、マイクロ波を1分間照射した。

0037

「被検体を接触させる工程」
被検体であるTNFα抗原を含みその濃度をリン酸緩衝生理食塩水で調整した液、および含まない液を、一次抗体が固定されたメンブレンに以下の方法で接触させた。
前述のブロッキング工程までを経て調整されたセルロースメンブレンに、TNF−α抗原を含む(または含まない)被検体溶液10μLを、一次抗体固定部状に直接塗布し、マイクロ波を30秒間照射した。

0038

「二次抗体を接触させる工程」
前述の非検体を接触させたメンブレンに、二次抗体であるB−TNF−αを以下の方法で接触させた。さらに、電気化学的特性を測定するための基質として、p−アミノフェニルリン酸を以下の方法で接触させた。
これにビオチンで修飾された二次抗体、アルカリフォスファターゼで修飾されたストレプトアビジン15μL加え、再びマイクロ波照射で30秒間固定し、800μLのPBSTで5分間、2回洗浄する。
その後、Tris−HCl(pH9.0)バッファー(50mM Tris−HCl,10mM KCl,10mM MgCl2,pH9.0)で5分浸潤させた後、96wellプレートに移し、0.5mM p−アミノフェニルリン酸(pAPP)を加えたTris−HCl(pH9.0)バッファーを200μL加え、37℃で30分間保存する。

0039

「メンブレンの電気特性を測定する工程」
それぞれの二次抗体を接触させた最終サンプル金電極を浸し、微分パルスボルタンメトリー(DPV)測定により電気化学的に計測する。抗原としてのTNF−αが存在した場合、結合した二次抗体中のp−アミノフェノールがp−キノンイミンに分解され、電流の増加として定量的に認められることから、TNF−αの活性指標とすることが可能になる。

実施例

0040

[実施例1]
前述の、本実施例における抗体抗原反応評価法において、被検体中の抗原TNF−α濃度を変更したときの、DPV測定結果の電流ピーク値図1に示す。
図1のように、本発明の抗体抗原反応評価法においては、1pg/mLから100μg/mLの濃度まで検出が可能であり、検出される電流ピーク値より、TNF−αの有無を確認することができ、さらにその濃度も求めることができる。

0041

本発明は、短時間で評価でき、かつ測定結果が定量的である抗体抗原反応評価法に関するものであり、例えば、炎症性サイトカインの検出等を行うことができる評価方法に関するものであり、POCT等の現場で使用できるメンブレンの提供などに資するものである。

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