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技術 直動案内ユニット

出願人 日本トムソン株式会社
発明者 渋谷祐一
出願日 2013年7月4日 (7年5ヶ月経過) 出願番号 2013-140963
公開日 2015年1月22日 (5年11ヶ月経過) 公開番号 2015-014316
状態 特許登録済
技術分野 直線運動をする物品用の軸受 軸受の密封
主要キーワード 幅方向直線 取付け用ねじ孔 横断面形 断面中心線 保持バンド 搬送機械 シール取付面 変形用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年1月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

この直動案内ユニットは,リップ部をエンドキャップ干渉しないように芯金支え,リップ部の変形を芯金で抑制し,密封性を向上させる。

解決手段

エンドシール6のリップ部19をスライダ2の外側に伸び外側リップ部21と内側に伸びる内側リップ部22から構成する。外側リップ部21と内側リップ部22とに分岐する根元部31を芯金8に固着し,外側リップ部21と内側リップ部22との中心線CL上に掛かる力が芯金8で支持する。芯金8は,取付け面取付け部,リップ部19のエンドキャップ4への干渉を阻止するためスライダの外側に幅方向に直線状に伸びて屈曲する屈曲部,及び屈曲部から部へと伸びる平行面に形成されたリップ形成部を有する。

概要

背景

近年,直動案内ユニットについて,スライダ内への塵埃侵入を防止するために密封性の向上が要求されると共に,潤滑剤の長期のメンテナンスフリー摺動速度アップなどへの対応が求められている。そこで,直動案内ユニットは,スライダに設けたエンドシールは,シール締め代のアップ,外側シール及び内側シールによるダブルリップ形式に構成されている。例えば,図22(A)に示すように,従来の直動案内ユニットは,軌道レール1と軌道レール1上を転動体を介して相対移動するスライダ2Pとから成り,スライダ2Pは,ケーシング,該ケーシングの両端にそれぞれ固定されたエンドキャップ4P,及びエンドキャップ4Pの外端面14Pに配設されたエンドシール6Pから構成されている。エンドシール6Pは,弾性体7Pと,弾性体7Pの骨組みとなる補強部材である芯金8Pとで構成されている。弾性体7Pには,軌道レール1の上面10に対して接触摺動するスライダ2Pの外側へ伸び外側リップ部21Pとスライダ2Pの内側へ伸びる内側リップ部22Pとから成るダブルリップ形式のリップ部19Pを備えている。

従来,リニアガイド装置として,サイドシールプロテクタの間への異物滞留を防止しながら,サイドシールのリップ部による適切なシール力を得るものが知らせている。該リニアガイド装置は,プロテクタ側のリップ部が板状部より突出した形状にサイドシールを形成し,これによりサイドシールとプロテクタをスライダへ取り付けた時に,サイドシールの第1のリップ部は,プロテクタで押されて弾性変形し,案内レールの面に押し付けられた状態となり,プロテクタのコ字状の開口全域に渡って接触した状態になる(例えば,特許文献1参照)。

また,リニアガイド装置のサイドシール構造として,スライダが移動する際に一対のリップ部が異常に変形するのを防止し,異物の多い環境で使用してもシール性,潤滑剤の保持性を長期にわたって確保するものが知られている。該リニアガイド装置のサイドシール構造は,スライダの端面に取り付けられ,横断面がスライダの移動方向に略V字状に開いて外周面摺接する一対のリップ部を備え,一対のリップ部と外周面とスライダの内面の間で潤滑剤を保持する。一対のリップ部の横断面形状は,外周面に直交する面に対して面対称の形状に形成されている。サイドシールの心材は,前記面に板厚の中心を一致させた状態で一対のリップ部まで埋め込んで一対のリップ部を支持している。該サイドシール構造は,エンドキャップ側のリップ部がエンドキャップに干渉しないようにリップ部をエンドキャップから隔置させるため,間座を介在させるか,又は補強材をリップ部に沿って折り曲げている(例えば,特許文献2参照)。

概要

この直動案内ユニットは,リップ部をエンドキャップに干渉しないように芯金で支え,リップ部の変形を芯金で抑制し,密封性を向上させる。エンドシール6のリップ部19をスライダ2の外側に伸びる外側リップ部21と内側に伸びる内側リップ部22から構成する。外側リップ部21と内側リップ部22とに分岐する根元部31を芯金8に固着し,外側リップ部21と内側リップ部22との中心線CL上に掛かる力が芯金8で支持する。芯金8は,取付け面取付け部,リップ部19のエンドキャップ4への干渉を阻止するためスライダの外側に幅方向に直線状に伸びて屈曲する屈曲部,及び屈曲部から部へと伸びる平行面に形成されたリップ形成部を有する。

目的

この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,スライダ両端面に配設されたエンドシールがスライダの摺動方向に沿ってスライダの外側に伸びる外側リップ部とスライダ内である内側に伸びる内側リップ部とが根元部で一体構造に構成されて,外側リップ部と内側リップ部とが共に芯金によって支えられた構造となるように,外側リップ部及び内側リップ部の根元部が芯金に固着された構造,即ち,少なくとも外側リップ部と内側リップ部の断面であるそれぞれの中心線上に芯金が存在する構造に構成され,特に,エンドシールの芯金をリップ形成部を幅方向直線上に伸びて屈曲させて,変形時のリップ部のエンドキャップへの干渉を防止し,軌道レール表面とリップ部の間に発生する摺動抵抗を受けてもリップ部を芯金で支えて変形を抑制することができ,その結果,潤滑剤のスライダの外側への漏洩を防止でき,密封性を向上させ,潤滑剤の長期のメンテナンスフリーを達成でき,軌道レール上でのスライダ摺動速度をアップさせることができることを特徴とする直動案内ユニットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

両側面の長手方向に沿って第1軌道溝がそれぞれ形成された軌道レール及び前記軌道レールの前記長手方向に沿って多数の転動体を介して相対移動可能なスライダから成り,前記スライダが,前記軌道レールの前記第1軌道溝に対向して第2軌道溝と前記第2軌道溝に平行に延びるリターン路とが形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記第1軌道溝と前記第2軌道溝との間に形成される軌道路と前記リターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ,前記エンドキャップのそれぞれの外端面に配設され且つ前記軌道レールと前記エンドキャップとの隙間をシールするエンドシール,及び前記軌道路と前記方向転換路と前記リターン路とから成る循環路を転走する前記転動体を有し,前記エンドシールが剛性を有する板状の芯金と前記芯金に固着された弾性体とから構成され,前記弾性体が本体部と前記本体部に一体構造リップ部とから成り,前記リップ部が前記軌道レールに対向して前記軌道レールの上面と前記両側面とに摺動接触することから成る直動案内ユニットにおいて,前記エンドシールは,前記軌道レールの前記両側面にそれぞれ対向する一対の部と前記軌道レールの前記上面に対向して前記袖部を連結する連結部とからコ字形状板状体に形成され,前記リップ部は,前記本体部から前記スライダの外側に伸びて前記軌道レールに摺動接触する外側リップ部と,前記本体部から前記スライダの内側に伸びて前記軌道レールに摺動接触する内側リップ部とから構成されており,前記外側リップ部と前記内側リップ部とに分岐する根元部が前記芯金に固着して構成されており,前記外側リップ部と前記内側リップ部との少なくとも断面中心線上の前記根元部に前記芯金が存在しており,前記エンドシールの前記芯金は,前記エンドキャップの前記外端面に固着するための取付け孔が形成されると共に前記エンドキャップの前記外端面に当接する取付け面に形成され且つ前記連結部に位置する取付け部,前記連結部に位置して前記取付け部から前記スライダの前記外側に幅方向に直線状に伸びて屈曲する屈曲部,及び前記屈曲部から前記袖部へと伸びる前記取付け面に平行に偏倚した平行面に形成されたリップ形成部を有し,前記外側リップ部と前記内側リップ部との前記中心線上に掛かるそれぞれの作用力が前記芯金によりそれぞれ支持されていることを特徴とする直動案内ユニット。

請求項2

前記エンドシールに設けた前記外側リップ部と前記内側リップ部は,前記コ字形状の板状体における前記弾性体の前記軌道レール側の内側周囲に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の直動案内ユニット。

請求項3

前記エンドシールは,前記リップ部以外の領域では,両面が実質的に平行に伸びる前記板状体に形成されており,前記リップ部における前記外側リップ部は前記板状体の外側面から突出しており,前記リップ部における前記内側リップ部は前記板状体の内側面から引っ込んでいることを特徴とする請求項2に記載の直動案内ユニット。

請求項4

前記エンドシールの前記芯金には,前記軌道レールに対向する内側端部に前記弾性体の前記外側リップ部と前記内側リップ部との前記根元部が固着され,前記外側リップ部と前記内側リップ部とが前記内側周囲にわたって前記芯金により支えられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の直動案内ユニット。

請求項5

前記エンドシールの前記芯金の前記リップ形成部は,前記芯金の厚み方向の中心位置が,前記外側リップ部と前記内側リップ部に分岐する前記リップ部の前記根元部の厚み方向における中心位置と一致することなく,前記内側リップ部側に偏倚していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。

請求項6

前記エンドシールは,前記内側リップ部の先端が前記エンドキャップの前記外端面に当接しないように前記芯金の前記リップ形成部が前記取付け部から外側に偏倚しており,前記内側リップ部の上方の前記弾性体には,弾性変形した前記内側リップ部が干渉しないように凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。

請求項7

前記エンドシールにおける前記外側リップ部は,前記内側リップ部の厚さより厚く形成されて前記内側リップ部より弾性変形し難く形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。

請求項8

前記エンドシールは,前記外側リップ部の両側面の傾斜角度(α1 ,α2 )と前記内側リップ部の両側面の傾斜角度(β1β2)とが互いにそれぞれ同一に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の直動案内ユニット。

技術分野

0001

この発明は,例えば,軌道レールと,該軌道レール上を相対移動可能でエンドシールを備えたスライダとから成る直動案内ユニットに関する。

背景技術

0002

近年,直動案内ユニットについて,スライダ内への塵埃侵入を防止するために密封性の向上が要求されると共に,潤滑剤の長期のメンテナンスフリー摺動速度アップなどへの対応が求められている。そこで,直動案内ユニットは,スライダに設けたエンドシールは,シール締め代のアップ,外側シール及び内側シールによるダブルリップ形式に構成されている。例えば,図22(A)に示すように,従来の直動案内ユニットは,軌道レール1と軌道レール1上を転動体を介して相対移動するスライダ2Pとから成り,スライダ2Pは,ケーシング,該ケーシングの両端にそれぞれ固定されたエンドキャップ4P,及びエンドキャップ4Pの外端面14Pに配設されたエンドシール6Pから構成されている。エンドシール6Pは,弾性体7Pと,弾性体7Pの骨組みとなる補強部材である芯金8Pとで構成されている。弾性体7Pには,軌道レール1の上面10に対して接触摺動するスライダ2Pの外側へ伸び外側リップ部21Pとスライダ2Pの内側へ伸びる内側リップ部22Pとから成るダブルリップ形式のリップ部19Pを備えている。

0003

従来,リニアガイド装置として,サイドシールプロテクタの間への異物滞留を防止しながら,サイドシールのリップ部による適切なシール力を得るものが知らせている。該リニアガイド装置は,プロテクタ側のリップ部が板状部より突出した形状にサイドシールを形成し,これによりサイドシールとプロテクタをスライダへ取り付けた時に,サイドシールの第1のリップ部は,プロテクタで押されて弾性変形し,案内レールの面に押し付けられた状態となり,プロテクタのコ字状の開口全域に渡って接触した状態になる(例えば,特許文献1参照)。

0004

また,リニアガイド装置のサイドシール構造として,スライダが移動する際に一対のリップ部が異常に変形するのを防止し,異物の多い環境で使用してもシール性,潤滑剤の保持性を長期にわたって確保するものが知られている。該リニアガイド装置のサイドシール構造は,スライダの端面に取り付けられ,横断面がスライダの移動方向に略V字状に開いて外周面摺接する一対のリップ部を備え,一対のリップ部と外周面とスライダの内面の間で潤滑剤を保持する。一対のリップ部の横断面形状は,外周面に直交する面に対して面対称の形状に形成されている。サイドシールの心材は,前記面に板厚の中心を一致させた状態で一対のリップ部まで埋め込んで一対のリップ部を支持している。該サイドシール構造は,エンドキャップ側のリップ部がエンドキャップに干渉しないようにリップ部をエンドキャップから隔置させるため,間座を介在させるか,又は補強材をリップ部に沿って折り曲げている(例えば,特許文献2参照)。

先行技術

0005

特開2011−247359号公報
特開2002−266858号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら,上記直動案内ユニットでは,図22(B)に示すように,スライダ2Pが軌道レール1上を相対摺動する時に,ダブルリップ形式のリップ部19Pの外側リップ部21Pは,その中心線CL上に芯金8Pが存在して支持されているので,変形が発生しないが,内側リップ部22Pが軌道レール1の上面10に押し付けられて変形し,軌道レール1の上面10に存在する潤滑剤41がスライダ2Pの外側へ漏れ出てしまう現象が発生し,直動案内ユニットの密封性の要求を満足できず,潤滑剤の漏出で長期のメンテナンスフリーを期待できず,摺動性能を低下させるという問題が生じる。

0007

上記リニアガイド装置としても同様な問題を有しており,芯金端部から弾性体のリップ先端まで長く伸びており,レール表面とリップの間に発生する摩擦抵抗を受けると,撓み易い構造になっており,リップ形成方向と逆向きの力が作用すると,内側リップが変形して潤滑剤の漏出の問題が発生する。サイドシールの外側リップ部を防塵用のプロテクタで押し,弾性変形させて案内レール表面に接触させているが,内側のシールリップ金属板サポートされずにフリー状態になっているので,外力を受けると,撓みやすい構造に構成されている。

0008

この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,スライダ両端面に配設されたエンドシールがスライダの摺動方向に沿ってスライダの外側に伸びる外側リップ部とスライダ内である内側に伸びる内側リップ部とが根元部で一体構造に構成されて,外側リップ部と内側リップ部とが共に芯金によって支えられた構造となるように,外側リップ部及び内側リップ部の根元部が芯金に固着された構造,即ち,少なくとも外側リップ部と内側リップ部の断面であるそれぞれの中心線上に芯金が存在する構造に構成され,特に,エンドシールの芯金をリップ形成部を幅方向直線上に伸びて屈曲させて,変形時のリップ部のエンドキャップへの干渉を防止し,軌道レール表面とリップ部の間に発生する摺動抵抗を受けてもリップ部を芯金で支えて変形を抑制することができ,その結果,潤滑剤のスライダの外側への漏洩を防止でき,密封性を向上させ,潤滑剤の長期のメンテナンスフリーを達成でき,軌道レール上でのスライダ摺動速度をアップさせることができることを特徴とする直動案内ユニットを提供することである。

課題を解決するための手段

0009

この発明は,両側面の長手方向に沿って第1軌道溝がそれぞれ形成された軌道レール及び前記軌道レールの前記長手方向に沿って多数の転動体を介して相対移動可能なスライダから成り,前記スライダが,前記軌道レールの前記第1軌道溝に対向して第2軌道溝と前記第2軌道溝に平行に延びるリターン路とが形成されたケーシング,前記ケーシングの両端面にそれぞれ取り付けられ且つ前記第1軌道溝と前記第2軌道溝との間に形成される軌道路と前記リターン路とを連通する方向転換路が形成されたエンドキャップ,前記エンドキャップのそれぞれの外端面に配設され且つ前記軌道レールと前記エンドキャップとの隙間をシールするエンドシール,及び前記軌道路と前記方向転換路と前記リターン路とから成る循環路を転走する前記転動体を有し,前記エンドシールが剛性を有する板状の芯金と前記芯金に固着された弾性体とから構成され,前記弾性体が本体部と前記本体部に一体構造のリップ部とから成り,前記リップ部が前記軌道レールに対向して前記軌道レールの上面と前記両側面とに摺動接触することから成る直動案内ユニットにおいて,
前記エンドシールは,前記軌道レールの前記両側面にそれぞれ対向する一対の部と前記軌道レールの前記上面に対向して前記袖部を連結する連結部とからコ字形状板状体に形成され,
前記リップ部は,前記本体部から前記スライダの外側に伸びて前記軌道レールに摺動接触する外側リップ部と,前記本体部から前記スライダの内側に伸びて前記軌道レールに摺動接触する内側リップ部とから構成されており,前記外側リップ部と前記内側リップ部とに分岐する根元部が前記芯金に固着して構成されており,前記外側リップ部と前記内側リップ部との少なくとも断面中心線上の前記根元部に前記芯金が存在しており,
前記エンドシールの前記芯金は,前記エンドキャップの前記外端面に固着するための取付け孔が形成されると共に前記エンドキャップの前記外端面に当接する取付け面に形成され且つ前記連結部に位置する取付け部,前記連結部に位置して前記取付け部から前記スライダの前記外側に幅方向に直線状に伸びて屈曲する屈曲部,及び前記屈曲部から前記袖部へと伸びる前記取付け面に平行に偏倚した平行面に形成されたリップ形成部を有し,
前記外側リップ部と前記内側リップ部との前記中心線上に掛かるそれぞれの作用力が前記芯金によりそれぞれ支持されていることを特徴とする直動案内ユニットに関する。

0010

この直動案内ユニットにおいて,前記エンドシールの弾性体に設けた前記外側リップ部と前記内側リップ部は,前記エンドシールの前記コ字形状の板状体の前記軌道レール側の内側周囲に沿って形成されている。更に,前記エンドシールは,前記リップ部以外の領域では,両面が実質的に平行に伸びる板状体に形成されており,前記リップ部における前記外側リップ部は前記板状体の外側面から突出しており,前記リップ部における前記内側リップ部は前記板状体の内側面から引っ込んで形成されている。

0011

また,前記エンドシールの前記芯金には,前記軌道レールに対向する内側端部に前記弾性体の前記外側リップ部と前記内側リップ部との前記根元部が固着され,前記外側リップ部と前記内側リップ部とが前記内側周囲にわたって前記芯金により支えられているものである。更に,前記エンドシールの前記芯金の前記リップ形成部は,前記芯金の厚み方向の中心位置が前記外側リップ部と前記内側リップ部に分岐する前記リップ部の前記根元部の厚み方向における中心位置と一致することなく,前記内側リップ部側に偏倚しているものである。

0012

この直動案内ユニットにおいて,前記エンドシールは,前記内側リップ部の先端が前記エンドキャップの前記外端面に当接しないように前記芯金の前記リップ形成部が前記取付け部から外側に偏倚しており,前記内側リップ部の上方の前記弾性体には,弾性変形した前記内側リップ部が干渉しないように凹溝が形成されているものである。

0013

また,この直動案内ユニットにおいて,前記エンドシールにおける前記外側リップ部は,前記内側リップ部の厚さより厚く形成されて前記内側リップ部より弾性変形し難く形成されている。また,前記エンドシールは,前記外側リップ部の両側面の傾斜角度(α1 ,α2 )と前記内側リップ部の両側面の傾斜角度(β1β2)とが互いにそれぞれ同一に形成されている。

発明の効果

0014

この直動案内ユニットは,上記のように構成されているので,外側リップ部と内側リップ部とが同一の芯金で支えられ,内側リップ部が芯金で支えることにより,今までよりもシール締め代をアップでき,密封性を向上でき,摺動速度のアップへの対応が可能になると共に,内側リップ部による密封性が向上して潤滑剤のスライダからの漏れが防止され,潤滑剤の長期メンテナンスフリーに貢献することができる。特に,エンドシールにおける芯金は,エンドキャップの外端面に当接する取付け面に形成される取付け部に位置して該取付け部から前記スライダの前記外側に屈曲する屈曲部を幅方向に直線状に伸びて形成したので,該屈曲部から袖部へと伸びる前記取付け面に平行に偏倚してリップ形成部を平行面に形成でき,外側リップ部と内側リップ部とのリップ部の形成がシンプルになって芯金は勿論のことリップ部の加工が極めて容易になって堅牢に形成でき,また,前記弾性体の前記本体部は,両面が平行な板状に形成するだけで済み,加工が容易で,構造がシンプルである。また,連結部にスライダ前後方向に屈曲する屈曲部を形成することによって,内側リップ部の根元部まで延びて,その端部において内側リップ部を支えることが可能になると共に,内側リップ部の両側面の傾斜角度と外側リップ部の両側面の傾斜角度とを同一に形成することも可能に成り,内側リップ部のめくれや巻き込みが防止され,適正に内側リップ部のシール性能を発揮することができる。また,エンドシールは,弾性体の内側リップ部を芯金で支えたことにより,従来のものよりもシール締め代をアップでき,摺動速度のアップへの対応が可能になると共に,内側リップ部による密封性が向上して潤滑剤のスライダからの漏れが防止され,潤滑剤の長期メンテナンスフリーに貢献することができる。また,エンドシールは,その芯金の先端部を内側リップ部の先端部近くまで延長しており,内側リップ部が芯金にサポートされ,ゴム製のリップには適度なが与えられ,シールの締め代によって軌道レール表面とリップ部の間に摺動抵抗が発生するが,リップ部を引っ張る力に対して変形し難くなり,リップ部の形成方向に対して,逆方向へのめくれを予防することができる。

0015

また,エンドシールは,潤滑剤を漏出し難い構造に構成されており,特に,内側リップ部は,その根元部が芯金で支持されて変形し難いので,軌道レールの表面と密接することができ,内側リップ部は,軌道レールの表面の存在する潤滑剤のうち,スライダ内側位置の潤滑剤を掻き取って外側に漏出させることがなく,スライダは外部に潤滑剤を漏らし難くなり,軌道レールの表面とリップ部の接触部が潤滑不足にならない程度に潤滑剤を掻き取ってスライダ内に保持し,潤滑剤の無駄な消費を防ぐことができる。また,スライダ外部に潤滑剤を漏らさないので,潤滑剤を無駄に消費せず,潤滑剤を漏らさないので,周囲環境汚染することもなく,使用するグリースを低発塵タイプに構成すれば,発塵量を抑えたクリーン環境用の直動案内ユニットとして使用することができる。また,この直動案内ユニットは,潤滑剤の消費量を抑え,直動案内ユニットの長寿命化を図れる。更に,この直動案内ユニットは,エンドシールをスライダに強固に固定でき,固定ボルト位置の芯金をシール取付面側に寄せているので,ボルト締付けによる軸力を伝達してエンドシールをスライダに強固に固定できる。また,この直動案内ユニットは,エンドシールにおける芯金の軽量化と強度の確保を図れることができ,芯金を屈曲させているので曲げ方向の外力に対して変形しにくくなり,芯金の板厚を薄くして軽量化を図りながら,必要な強度を確保することができる。更に,この直動案内ユニットは,エンドシールの凹溝に油溜りの効果を期待することができ,内側リップ部の変形用逃がし溝である凹溝は,内側リップ部のそばに形成されており,内側リップ部が軌道レール上の潤滑剤を掻き集め,リップ部周辺に形成された空間を通り凹溝に移動させ,潤滑剤を保持することができる。

図面の簡単な説明

0016

この発明による直動案内ユニットの2条列ボールタイプの実施例であって,スライダ及び軌道レールについて一部断面部分を含んでいる斜視図である。
図1の符号A領域の拡大断面部分を含んでいる斜視図である。
この発明による直動案内ユニットについて図の右半分が断面されている正面図である。
図3の直動案内ユニットにおけるB−B断面における断面図である。
この発明による直動案内ユニットを示す正面図である。
図5の直動案内ユニットにおけるC−C断面であって軌道レールの上面位置に対するエンドシールの位置状態を示す断面図である。
図5の直動案内ユニットにおけるD−D断面であって軌道レールの軌道溝位置に対するエンドシールの位置状態を示す断面図である。
図5の直動案内ユニットにおけるE−E断面であって軌道レールの保持バンド溝位置に対するエンドシールの位置状態を示す断面図である。
図5の直動案内ユニットにおけるF−F断面であって軌道レールの側面位置に対するエンドシールの位置状態を示す断面図である。
この発明による直動案内ユニットにおけるエンドシールの外側リップ側の正面を示す斜視図である。
この発明による直動案内ユニットにおけるエンドシールの内側リップ側の背面を示す斜視図である。
この発明による直動案内ユニットにおけるエンドシールの外側リップ側の本体部と袖部とを示す正面図である。
この発明による直動案内ユニットにおけるエンドシールの内側リップ側の本体部と袖部とを示し,芯金の露出面が取付け面であってそれ以外が弾性体を示す背面図である。
図12のエンドシールのG−G位置においてエンドシールの本体部が断面であって袖部の内側であってリップ部が軌道レールに対して傾斜した状態を示す側面図である。
図12のエンドシールのI−I位置においてエンドシールの本体部と袖部とを示す断面図である。
図12のエンドシールのH領域を示す拡大図である。
図16のエンドシールのJ−J位置を示す断面図である。
この発明による直動案内ユニットにおけるエンドシールを構成する芯金を示す斜視図である。
この発明による直動案内ユニットにおけるエンドシールを構成する芯金を示す正面図である。
この発明による直動案内ユニットにおけるエンドシールを構成する芯金を示す側面図である。
この発明による直動案内ユニットにおけるエンドシールを備えたスライダが移動する場合であって,(A)が摺動移動前の状態を示し,(B)は摺動移動後の状態を示し,内側リップ部が軌道レールの表面に付着した潤滑剤を掻き取る仕組みを示している説明図である。
従来の直動案内ユニットにおけるエンドシールを備えたスライダが移動する場合であって,(A)が摺動移動前の状態を示し,(B)は摺動移動後の状態を示し,内側リップ部が摺動抵抗のため変形して軌道レールの表面に付着した潤滑剤を掻き取ことができずに漏出した状態を示している説明図である。

実施例

0017

以下,図面を参照して,この発明による直動案内ユニットの一実施例について説明する。この発明による直動案内ユニットは,概して,図1図4に示すように,長手方向の両側面9に延びる逃がし溝48に沿って軌道溝11(第1軌道溝)がそれぞれ形成された軌道レール1,及び軌道レール1に跨架して転動体であるボール5を介して相対移動するスライダ2から構成された2条列ボールタイプについてである。スライダ2は,軌道レール1の軌道溝11に対向して軌道溝12(第2軌道溝)がそれぞれ形成され且つ軌道溝11と軌道溝12との間に形成される負荷路の軌道路20に沿って平行に延びる一対の無負荷路のリターン路15がそれぞれ形成されたケーシング3,ケーシング3の両端面13にそれぞれ取り付けられ且つ軌道路20とリターン路15とをそれぞれ連通する円弧状の無負荷路の方向転換路30がそれぞれ形成されたエンドキャップ4,エンドキャップ4のそれぞれの外端面14に配設され且つ軌道レール1とエンドキャップ4との隙間をシールするエンドシール6,及び軌道路20とリターン路15とそれらの両側に位置する方向転換路30とで構成される循環路40を転走する複数の転動体であるボール5を有している。また,この直動案内ユニットは,エンドシール6を備えた構造であって,例えば,軌道レール1の幅寸法が12mm程度のサイズである。エンドシール6は,金属等の剛性を有する板状の芯金8と,芯金8に固着された弾性体7とから構成されている。弾性体7は,本体部18と本体部18に一体構造のリップ部19とから構成されており,リップ部19は,軌道レール1に対向して軌道レール1の上面10と両側面9にそれぞれ摺動接触するようにエンドシール6の内側の全周にわたって形成されている。エンドシール6における弾性体7のリップ部19の厚さ,即ち,外側リップ部21の先端から内側リップ部22の先端までの厚さBは,本体部18の厚さbより厚く形成されている。

0018

この直動案内ユニットについては,主として,エンドシール6のリップ部19は,本体部18からスライダ2の長手方向外側に伸びて軌道レール1に摺動接触する外側リップ部21と,本体部18からスライダ2の長手方向内側に伸びて軌道レール1に摺動接触する内側リップ部22とから構成されたダブルリップ形式に関するものである。スライダ2はコ字形の形状に形成されており,ケーシング3には,固定用取付けねじ孔33が設けられ,取付けねじ孔33にねじを通して他の機器,ワーク,取付体等の相手側部材がスライダ2に取り付け可能になっている。この直動案内ユニットでは,エンドキャップ4は,その外端面14に固定したエンドシール6の端面に配設されたグリースニップル36からの潤滑剤をボール5に供給するため,給油孔(図示せず)と油溝50が形成されている。また,この直動案内ユニットは,スライダ2のリターン路15に潤滑剤を含有した含油部品スリーブ17を配置し,循環路40内で含油部品に接触する転動体に給油する構造に構成することもでき,含油部品は,超高分子量合成樹脂微粒子を押し固めた状態で加熱成形され,合成樹脂微粒子間が連通して多孔になる多孔質構造焼結樹脂で形成され,潤滑剤が含浸されているものを使用できるものである。スライダ2は,その下面に下面シール37が設けられている。また,リターン路15は,ケーシング3の袖部にそれぞれ形成された一対の嵌挿孔16に挿通された長手状のスリーブ17の通し孔でそれぞれ形成されている。エンドキャップ4には,方向転換路30と連通するリターン路15の出入口部を形成する接続凸部が設けられ,エンドキャップ4の接続凸部をケーシング3に形成された嵌挿孔16に嵌入して固定した時に,方向転換路30とリターン路15とが滑らかに連通することができる。

0019

この直動案内ユニットでは,スライダ2におけるエンドシール6は,軌道レール1上に位置する上部の連結部23と,軌道レール1に跨架した状態で連結部23の幅方向両側から軌道レール1の側面9に沿って垂下して延びる両袖部24から構成されている。スライダ2は,ケーシング3にエンドキャップ4とエンドシール6とを固定して構成されており,具体的には,固定ボルト32をエンドキャップ4とエンドシール6の取付け用孔28(図10)に通してケーシング3の取付け用ねじ孔(図示せず)に締め込むことによって一体に構成される。軌道レール1には,ベースベッド等の他の部材に取り付けるため,ボルトを挿通する取付け用孔34が長手方向に隔置して形成されている。エンドキャップ4は,方向転換路30の外周面を形成するエンドキャップ本体44,及び方向転換路30を形成するためエンドキャップ本体44に形成された凹部に嵌入して方向転換路30の内周面を形成するスペーサ45とから構成されている。また,ボール5は,ケーシング3の軌道溝12に対して保持バンド35によってガイド保持されている。それによって,スライダ2を軌道レール1から外した場合でも,ボール5がスライダ2から脱落することが無いものになっている。

0020

この発明による直動案内ユニットは,特に,エンドシール6の構成に特徴を有している。エンドシール6は,特に,弾性体7と該弾性体7に固着された金属等の剛性を有する板状の芯金8から構成されている。弾性体7に設けたダブルリップ形式のリップ部19は,外側リップ部21と内側リップ部22とから成り,外側リップ部21と内側リップ部22とに分岐する根元部31は,芯金8に固着して構成されている。特に,図6図9に示すように,外側リップ部21と内側リップ部22との少なくとも断面中心線CL上の根元部31に芯金8が存在しており,外側リップ部21と内側リップ部22との中心線CL上に掛かるそれぞれの作用力が芯金8によりそれぞれ支持されて腰を強く構成されていることを特徴としている。また,エンドシール6は,軌道レール1の両側面9にそれぞれ対向する一対の袖部24と,軌道レール1の上面10に対向し且つ袖部24を連結する連結部23とからコ字形状の板状体に形成されている。リップ部19を構成する外側リップ部21と内側リップ部22は,エンドシール6のコ字形状の板状体の軌道レール1側の内側周囲にわたって弾性体7で形成されている。従って,エンドシール6について,特に,エンドシール6の芯金8における軌道レール1に対向する芯金8の内側端部には,弾性体7の外側リップ部21と内側リップ部22との根元部31が固着され,外側リップ部21と内側リップ部22とが内側周囲にわたって芯金8により支えられ,摺動抵抗を受けても変形し難い構造に構成されることになる。

0021

この発明による直動案内ユニットにおいて,エンドシール6の芯金8は,特に,図15図20に示すように,連結部23に位置し且つエンドキャップ4の外端面14に当接する取付け面29に形成された取付け部25,連結部23に位置し且つ取付け部25からスライダ2の外側に屈曲した屈曲部26,及び屈曲部26から袖部24へと伸びる取付け面29に平行に偏倚した平行面に形成されたリップ形成部27から形成されている。特に,エンドシール6における芯金8は,エンドキャップ4の外端面14に当接する取付け面29に形成される取付け部25に位置して,取付け部25からスライダ2の外側に屈曲する屈曲部26を幅方向に直線状に伸びて形成したので,該屈曲部26から袖部24へと伸びる取付け面29に平行に偏倚してリップ形成部27を平行面に形成でき,外側リップ部21と内側リップ部22とのリップ部19を形成する位置が平行面であってことリップ部19がシンプルになり,リップ部19の加工が極めて容易になって堅牢に形成できる。また,エンドシール6の弾性体7は,リップ部19以外の領域即ち本体部18では,両面が実質的に平行に伸びる板状体に形成されており,弾性体7の加工は両面が平行な板状に形成するだけで済み,加工が容易で,構造がシンプルである。また,リップ部19における外側リップ部21は,板状体の外側面から突出しており,リップ部19における内側リップ部22は,板状体の内側面即ち端面43から引っ込んで形成されている。従って,この直動案内ユニットは,全体的に単純な簡潔な構造に構成することができ,内側リップ部22に摺動抵抗が付勢されても,その変形がエンドキャップ4等に干渉することがない。

0022

また,芯金8の厚さtは,例えば,0.8mm程度であり,取付け部25,屈曲部26及びリップ形成部27を通じて略同一の厚さに形成されており,また,リップ形成部27は,取付け部25から偏倚量δだけ偏倚している。更に,エンドシール6は,内側リップ部22の先端がエンドキャップ4の外端面14に当接しないように,芯金8のリップ形成部27が取付け部25から外側に屈曲部26で偏倚しており,それによってエンドシール6に形成した内側リップ部22がエンドキャップ4の外端面14から隔置するように形成されている。また,内側リップ部22の上方の弾性体7には,軌道レール1に対してスライダ2が摺動移動する時に,弾性変形した内側リップ部22が弾性体7に干渉しないように凹溝39が形成されている。また,エンドシール6の芯金8には,エンドキャップ4の外端面14に固着するためのザグリ穴42付きの取付け孔28とグリースニップル36を固着するためのザグリ穴42G付きの取付け孔28Gが形成されている。更に,この直動案内ユニットにおいて,エンドシール6における外側リップ部21は,図6図7図9等に示すように,芯金8から近い内側リップ部22の厚さより厚く形成されて内側リップ部22より弾性変形し難く形成されており,また,外側リップ部21が内側リップ部22より芯金8から遠くまで伸びているので,摺動抵抗や軌道レール表面に付着した異物を除去する時に受ける外力に耐えるように形成されている。

0023

また,エンドシール6のリップ部19は,実施例では,図14に示すように,軌道レール1の表面(即ち,上面10と両側面9)に対して傾斜しており,外側リップ部21の両側面の傾斜角度(α1 ,α2 )と,内側リップ部22の両側面の傾斜角度(β1,β2)とが互いにそれぞれ同一に形成されている。具体的には,例えば,外側リップ部21の内側即ち軌道レール側傾斜面と軌道レール1の表面とのなす角度α1 及び内側リップ部22の内側即ち軌道レール側傾斜面と軌道レール1の表面とのなす角度β1 は,約35°に設定されており,また,外側リップ部21の外側の傾斜面と軌道レール1の表面とのなす角度α2 及び内側リップ部22の外側の傾斜面と軌道レール1の表面とのなす角度β2 は,約45°に設定されている。リップ部19の外側リップ部21の端面に傾斜角度α3 と内側リップ部22の端面に傾斜角度β3 とは,異なる角度に形成されている。内側リップ部22の端面に傾斜面と軌道レール1の表面との成す傾斜角度β3 は,外側リップ部21の端面に傾斜面と軌道レール1の表面との成す傾斜角度α3 よりも大きな値に設定されており,軌道レール1の表面の潤滑剤を書き取り易く構成されている。また,この直動案内ユニットでは,内側リップ部22の先端部即ちエッジ部は,エンドキャップ4の外端面14よりも外側リップ部22側に位置して隙間49が形成されており,この実施例では,隙間49の距離は,約0.1mmに設定されている。従って,内側リップ部22は,スライダ2が軌道レール1上を摺動移動して変形したとしても,エンドシール6の内側リップ部22の先端がエンドキャップ4の外端面14に干渉することがない。更に,エンドシール6の芯金8のリップ形成部27は,芯金8の厚み方向の中心位置CPが外側リップ部21と内側リップ部22に分岐するリップ部19の根元部31の厚み方向における中心位置CPと一致することなく,内側リップ部22側に偏倚しており,内側リップ部22が芯金8によって良好に支持される構造に構成されている。

0024

この直動案内ユニットは,上記のように,スライダ2の両端位置に設けるエンドシール6がゴム等の弾性体7と芯金8とから構成されているが,軌道レール1の上面10に位置する部分と,側面9に位置する部分とでは,図18図20に示すように,芯金8の断面形状を屈曲させて平行な2段の平面に形成されて異なっている。芯金8の端部は,エンドシール6のリップ部19の先端に近い位置まで伸びており,更に,軌道レール1の逃がし溝48へと突出するエンドシール6にも突出部47として伸びており,リップ部19,特に,内側リップ部22は,芯金8によって適度な強度と腰を与えられている。また,外側リップ部21及び内側リップ部22には,保持バンド溝38に対してリップ変形用の略矩形の逃がし溝46を形成されている。この直動案内ユニットでは,保持バンド溝38の位置以外の外側リップ部21と内側リップ部22との厚さは,外側リップ部21の方が外力に耐えるように,内側リップ部22よりも厚く形成されている。エンドシール6の芯金8は,軌道レール1の上面10以外の位置では,芯金断面形状は直線に延びている。エンドシール6のリップ部19は,軌道レール1に対して締め代が与えられるように構成されており,外側リップ部21と内側リップ部22との締め代はほぼ同じ量に設定されている。

0025

図16は,図12のH領域,即ち,軌道レール1の軌道溝11に対応する領域におけるエンドシール6のリップ部19の拡大図であり,また,図17は,図16の線J−Jにおけるエンドシール6について軌道レール1に形成された保持バンド溝38(図2)の位置におけるリップの断面形状を示す断面図である。エンドシール6には,外側リップ部21側と内側リップ部22側の両方に,リップ変形用の逃がし溝46が形成されている。リップ変形用の逃がし溝46は,内側リップ部22が集めた潤滑剤41を一時的に保持する油溜りとして機能することができる。また,この実施例では,エンドシール6のリップ部19の軌道レール1に対する保持バンド溝38での外側リップ部21の傾斜角度α4 と内側リップ部22の傾斜角度β4 とが互いに実質的に同一角度に形成されている。具体的には,外側リップ部21の内側即ち軌道レール1側の傾斜面と軌道レール1の保持バンド溝38の表面との成す傾斜角度α4 ,及び内側リップ部22の内側即ち軌道レール1側の傾斜面と軌道レール1の保持バンド溝38の表面との成す傾斜角度β4 は,約23.5°に設定されている。保持バンド溝38での傾斜角度は,他の部分よりリップ部19に強度を与えるため大きく設定されている。即ち,保持バンド溝38位置では狭い場所になっており,リップ部19に3方向からの力が作用するので,リップ部19の角度を小さくして,芯金8の埋め込みスペースを確保している。更に,エンドシール6については,芯金8は,保持バンド溝38の位置でもリップ部19(外側リップ部21と内側リップ部22)の先端の近くまで伸びており,保持バンド溝38の位置のリップ部19を補強している。

0026

この直動案内ユニットについては,図21(B)に示すように,エンドシール6を備えたスライダ2が軌道レール1上を摺動移動する時に,リップ部19の内側リップ部22は,その中心線CL上に芯金8が存在して支持され,内側リップ部22の剛性がアップして変形し難い構造になっているので,内側リップ部22が軌道レール1の表面に付着した潤滑剤41を掻き取る状態になって,スライダ2外への潤滑剤41の漏出を防止している。即ち,内側リップ部22は,芯金8によって支持されているので,従来の内側リップ部22P(図22)に比較して,剛性を有して変形し難い構造であるので,スライダ2の摺動移動に伴って,軌道レール1上の潤滑剤41を掻き取り,それによって,軌道レール1の表面が潤滑不足にならない程度に,軌道レール1の表面から潤滑剤41を掻き取り,潤滑剤41のスライダ2外への漏出がなく,メンテナンスフリーの長寿命化に寄与することができる。

0027

これに対して,従来の直動案内ユニットは,軌道レール1に対するエンドシール6Pの締め代を与えて潤滑剤41を軌道レール1から掻き取る時に,軌道レール1の表面とリップ部19Pのリップ接触部の間の摺動抵抗が大きくなり,摺動抵抗でリップ部19Pが引っ張られて,リップ部19Pの内側リップ部22Pが形成方向と逆向きにめくれる場合がある〔図22(B)参照〕。図22(B)に示すように,内側リップ部22Pがめくれると,軌道レール1の表面の潤滑剤41を掻き取れずに,スライダ2Pの外側の軌道レール1の表面に潤滑剤が残される。スライダ2の外側に残された潤滑剤41は,外側リップ部21Pによってスライダ2Pのストローク範囲外に押し出されることになる。スライダ2Pの外部に排出された潤滑剤41は回収できないので,周囲環境を汚す原因になる。従って,従来の直動案内ユニットでは,潤滑剤41が無駄に消費されるので,潤滑不足により早期破損する可能性が生じる。

0028

この直動案内ユニットは,実施例では,軌道レール1の幅寸法が12mm程度のサイズで,転動体にボール5を使用したタイプについて説明したが,転動体がローラの場合にも適用できることは勿論であり,軌道レール1やスライダ2についてのタイプ,形状,サイズ等についても特に限定するものではない。また,エンドキャップ4は,そのいずれかの端部に凹部(図示せず)を形成して潤滑剤を含有した貯油板を嵌合配置できるように構成されている。例えば,エンドキャップ4には,ケーシング3の端面14側の凹部(図示せず)に潤滑剤を含浸した焼結樹脂部材等の多孔質成形体から成る潤滑部材の貯油板(図示せず)が配設されて,該貯油板の突出部を方向転換路30の開口部に露出させ,貯油板から循環路40の方向転換路30を転走するボール5に給油できるように構成されている。従って,この直動案内ユニットは,方向転換路30を転走するボール5に潤滑剤が供給されるので,給油されたボール5が軌道路20を転走することによって軌道路20に潤滑剤が給油されるように構成され,小形コンパクトな短小形にあっても十分な潤滑剤を保留できる構造に構成されており,潤滑剤のメンテナンスフリーを達成するように構成される。

0029

この発明による直動案内ユニットは,工作機械,各種組立装置,搬送機械,各種ロボット半導体製造装置精密機械,測定・検査装置医療機器マイクロマシーン等の各種装置における摺動部に組み込んで利用して,エンドシールのリップ部によって潤滑剤に対する密封性能をアップできる。

0030

1軌道レール
2スライダ
3ケーシング
4エンドキャップ
5ボール(転動体)
6エンドシール
7弾性体
8芯金
9 側面
10 上面
11軌道溝(第1軌道溝)
12 軌道溝(第2軌道溝)
13 端面
14外端面
15リターン路
18 本体部
19リップ部
20軌道路
21外側リップ部
22内側リップ部
23 連結部
24袖部
25取付け部
26屈曲部
27 リップ形成部
28,28G取付け孔
29取付け面
30方向転換路
31根元部
40循環路
CL リップ部のセンタライン
α1 ,α2 外側リップ部の傾斜角度
β1,β2内側リップ部の傾斜角度

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