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課題

本発明は、燃料電池等の電極にも利用可能な、耐食性により優れた金属多孔体を安価に提供することを目的とする。

解決手段

シート状の金属多孔体であって、前記金属多孔体は少なくともニッケル、スズ及びクロムを含み、前記金属多孔体の少なくとも片方の表面のクロムの濃度が3質量%以上、50質量%以下である燃料電池用の金属多孔体。前記金属多孔体は、片方の表面のクロムの濃度がもう一方の表面のクロムの濃度よりも高いことがより好ましい。

概要

背景

従来、気効率が高く表面積の大きな金属多孔体製造法として、発泡樹脂等の樹脂多孔体の表面に金属層を形成する方法が知られている。例えば特開平11−154517号公報(特許文献1)には、樹脂多孔体に導電化処理を施し、この上に金属からなる電気めっき層を形成し、必要に応じて樹脂多孔体を焼却して除去することにより金属多孔体を製造する方法が記載されている。

また、特開2012−132083号公報(特許文献2)では、耐酸化性及び耐食性を有するとともに多孔度が大きく、各種電池キャパシタ燃料電池等の集電体に適した金属多孔体として、ニッケルスズ合金からなる金属多孔体が提案されている。更に、特開2012−149282号公報(特許文献3)では、高い耐食性を有する金属多孔体として、ニッケル−クロム合金からなる金属多孔体が提案されている。

概要

本発明は、燃料電池等の電極にも利用可能な、耐食性により優れた金属多孔体を安価に提供することを目的とする。シート状の金属多孔体であって、前記金属多孔体は少なくともニッケル、スズ及びクロムを含み、前記金属多孔体の少なくとも片方の表面のクロムの濃度が3質量%以上、50質量%以下である燃料電池用の金属多孔体。前記金属多孔体は、片方の表面のクロムの濃度がもう一方の表面のクロムの濃度よりも高いことがより好ましい。なし

目的

特開平11−154517号公報
特開2012−132083号公報
特開2012−149282号公報






近年は、各種電池、キャパシタ、燃料電池等に対してますます高出力化高容量化(小型化)が望まれており、これに伴って集電体を構成する金属多孔体に対してもさらなる耐酸化性及び耐食性の向上が望まれている

効果

実績

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請求項1

シート状の金属多孔体であって、前記金属多孔体は少なくともニッケル、スズ及びクロムを含み、前記金属多孔体の少なくとも片方の表面のクロムの濃度が3質量%以上、50質量%以下である燃料電池用の金属多孔体。

請求項2

前記金属多孔体の片方の表面のクロムの濃度がもう一方の表面のクロムの濃度よりも高い請求項1に記載の金属多孔体。

請求項3

少なくともニッケルを含むシート状の金属多孔体に、スズめっきによってスズめっき層を形成する工程と、前記スズめっき層を形成した金属多孔体の少なくとも片方の表面にクロムめっきによってクロムめっき層を形成する工程と、を有する燃料電池用の金属多孔体の製造方法。

請求項4

少なくともスズを含むシート状の金属多孔体に、ニッケルめっきによってニッケルめっき層を形成する工程と、前記ニッケルめっき層を形成した金属多孔体の少なくとも片方の表面にクロムめっきによってクロムめっき層を形成する工程と、を有する燃料電池用の金属多孔体の製造方法。

請求項5

前記クロムめっき層を形成した後の金属多孔体、又は前記クロムめっき層を形成する前のニッケルとスズとを含む金属多孔体を熱処理する工程を有する請求項3又は請求項4に記載の金属多孔体の製造方法。

請求項6

請求項1又は請求項2に記載の金属多孔体を集電体として使用する燃料電池

技術分野

0001

本発明は各種電池キャパシタ燃料電池等の集電体等に用いられる金属多孔体、金属多孔体の製造方法、及び前記金属多孔体を用いた燃料電池に関する。

背景技術

0002

従来、気効率が高く表面積の大きな金属多孔体の製造法として、発泡樹脂等の樹脂多孔体の表面に金属層を形成する方法が知られている。例えば特開平11−154517号公報(特許文献1)には、樹脂多孔体に導電化処理を施し、この上に金属からなる電気めっき層を形成し、必要に応じて樹脂多孔体を焼却して除去することにより金属多孔体を製造する方法が記載されている。

0003

また、特開2012−132083号公報(特許文献2)では、耐酸化性及び耐食性を有するとともに多孔度が大きく、各種電池、キャパシタ、燃料電池等の集電体に適した金属多孔体として、ニッケルスズ合金からなる金属多孔体が提案されている。更に、特開2012−149282号公報(特許文献3)では、高い耐食性を有する金属多孔体として、ニッケル−クロム合金からなる金属多孔体が提案されている。

先行技術

0004

特開平11−154517号公報
特開2012−132083号公報
特開2012−149282号公報

発明が解決しようとする課題

0005

近年は、各種電池、キャパシタ、燃料電池等に対してますます高出力化高容量化(小型化)が望まれており、これに伴って集電体を構成する金属多孔体に対してもさらなる耐酸化性及び耐食性の向上が望まれている。特に、前記の従来の金属多孔体を燃料電池の電極に用いる場合にあっては、膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)から強酸が発生するため、更に耐食性を高めることが要求されている。

0006

本発明は上記問題点に鑑みて、燃料電池の電極に利用可能な、耐食性により優れた金属多孔体を安価に提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は上記課題を解決すべく以下の構成を採用する。
即ち、本発明は(1)シート状の金属多孔体であって、前記金属多孔体は少なくともニッケル、スズ及びクロムを含み、前記金属多孔体の少なくとも片方の表面のクロムの濃度が3質量%以上、50質量%以下である燃料電池用の金属多孔体、である。
なお、上記(1)の構成は、金属多孔体にニッケル(Ni)、スズ(Sn)およびクロム(Cr)とは別の一種類以上の添加元素が、上記課題を解決可能な限りにおいて意図的あるいは不可避的に含まれることを許容する。また、本発明において金属多孔体の表面とは、金属多孔体をある一方の面から見たときに視認できる金属多孔体の骨格表面のことをいうものとする。また、前記骨格表面とは、骨格の最表面から0.1μm以上、10μm以下の深さの範囲のことをいうものとする。

発明の効果

0008

本発明により、燃料電池の電極に利用可能な、耐食性により優れた金属多孔体を安価に提供することが可能となる。

0009

最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明は、シート状の金属多孔体であって、前記金属多孔体は少なくともニッケル、スズ及びクロムを含み、前記金属多孔体の少なくとも片方の表面のクロムの濃度が3質量%以上、50質量%以下である燃料電池用の金属多孔体、である。
上記(1)に記載の発明により、燃料電池の電極のように使用中に腐食性の強い酸に曝される環境下であっても利用可能な耐食性に優れる金属多孔体を安価に提供することができる。

0010

(2)また、前記金属多孔体は、片方の表面のクロムの濃度がもう一方の表面のクロムの濃度よりも高いことが好ましい。
上記(2)に記載の、片方の面ともう一方の面のクロムの濃度が異なるシート状の金属多孔体は、燃料電池において高クロム濃度の面がMEAに接する側となるように配置することで、クロムによる耐食性を発揮させることができる。また、金属多孔体の両面側のクロム濃度を高くする場合に比べてクロムの添加量を少なくすることができるため、前記金属多孔体をより安価に提供することができる。

0011

(3)本発明は、少なくともニッケルを含むシート状の金属多孔体に、スズめっきによってスズめっき層を形成する工程と、前記スズめっき層を形成した金属多孔体の少なくとも片方の表面にクロムめっきによってクロムめっき層を形成する工程と、を有する燃料電池用の金属多孔体の製造方法、である。
(4)本発明は、少なくともスズを含むシート状の金属多孔体に、ニッケルめっきによってニッケルめっき層を形成する工程と、前記ニッケルめっき層を形成した金属多孔体の少なくとも片方の表面にクロムめっきによってクロムめっき層を形成する工程と、を有する燃料電池用の金属多孔体の製造方法、である。
上記(3)又は上記(4)に記載の発明により、前記課題を解決することが可能な金属多孔体を製造することができる。

0012

(5)また、本発明の実施形態である金属多孔体の製造方法は、前記クロムめっき層を形成した後の金属多孔体、又は前記クロムめっき層を形成する前のニッケルとスズとを含む金属多孔体を熱処理する工程を有することが好ましい。
金属多孔体を熱処理してニッケルとスズ、あるいはニッケルとスズとクロムとを拡散させることで、金属多孔体の骨格において耐食性が均一になるようにすることができる。

0013

(6)本発明の燃料電池は、上記(1)又は上記(2)に記載の金属多孔体を集電体として使用する燃料電池である。
前記金属多孔体は気効率が高いためガス拡散性能に優れており、更に、少なくとも片方の表面が高耐食性の金属によって形成されている。このため前記金属多孔体を集電体として使用する燃料電池は、ガスを効率よく拡散して触媒と接触させることが可能である。また、燃料電池の使用時の強酸性環境下においても前記金属多孔体が腐食せず、長期にわたっての使用が可能である。

0014

[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る金属多孔体等の具体例を以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

0015

<金属多孔体>
本発明の実施形態である燃料電池用の金属多孔体はシート状の形状であって、骨格が少なくともニッケル、スズ及びクロムを含んでおり、前記シート状の金属多孔体の少なくとも片方の表面においてクロムの濃度は、3質量%以上、50質量%以下である。
上記のように金属多孔体の少なくとも片方の表面はクロムを含む合金によって形成されているため耐食性に非常に優れている。このため、燃料電池の集電体のように使用中に高腐食性の酸に曝される用途であっても好ましく利用することができる。

0016

前記金属多孔体は、両方の表面のクロムの濃度が3質量%未満であると耐食性を充分に発揮することができず好ましくない。また、50質量%超であると電気抵抗が高くなるため好ましくない。このような観点から前記金属多孔体は、少なくとも片方の表面のクロムの濃度が5質量%以上、45質量%以下であることが好ましく、7質量%以上、40質量%以下であることがより好ましい。

0017

前記金属多孔体は、少なくとも片方の表面のクロム濃度が前記範囲にあればよいのであり、もちろん、両面側の表面のクロム濃度が前記範囲になっていてもよい。しかしながら前述のように、クロムは耐食性に優れているが電気抵抗が高いという性質もあるため、前記金属多孔体は、片方の表面のクロムの濃度がもう一方の表面のクロムの濃度よりも高くなるように構成されていることが好ましい。これにより、クロムの濃度が高い側の面によって高耐食性を発揮しつつ、逆側のクロムの濃度が低い面の電気抵抗を低くして集電性を高めることができる。また、燃料電池において、前記金属多孔体のクロムの濃度が高い面がMEA側となるように配置した各セル直列に接続してスタックすると、前記金属多孔体のクロム濃度が高い側が凸になるように反りが生じる。このため、短絡の危険性が低下するという効果が得られる。
上記の観点から、前記金属多孔体のクロムの濃度が低い側の表面のクロムの濃度は、0質量%以上であって、クロムの濃度が高い側の表面のクロムの濃度の半分以下、であることが好ましい。

0018

また、前記シート状の金属多孔体は、三次元網目状構造を有することが好ましい。これにより前記金属多孔体の気効率(多孔度)を大きい値に設定し易くなる。また、燃料電池の集電体として用いた場合に、ガスの拡散性をよくすることができる。

0019

<金属多孔体の製造方法>
前記本発明の実施形態である燃料電池用の金属多孔体は、少なくともニッケルを含むシート状の金属多孔体に、スズめっきによってスズめっき層を形成する工程と、前記スズめっき層を形成した金属多孔体の少なくとも片方の表面にクロムめっきによってクロムめっき層を形成する工程と、を有する金属多孔体の製造方法によって提供される。
また、前記本発明の実施形態である燃料電池用の金属多孔体は、少なくともスズを含むシート状の金属多孔体の表面にニッケルめっきによってニッケルめっき層を形成する工程と、前記ニッケルめっき層を形成した金属多孔体の少なくとも片方の表面にクロムめっきによってクロムめっき層を形成する工程と、を有する燃料電池用の金属多孔体の製造方法によっても提供される。

0020

上記のように、本発明の実施形態に係る燃料電池用の金属多孔体の製造方法においてはめっき法によって各金属めっき層を形成するが、クロムめっきを最後に行えばよい。すなわち、クロムめっきをする前の金属多孔体は、ニッケルを含む金属多孔体にスズめっきをしたものであってもよいし、あるいはスズを含む金属多孔体にニッケルめっきをしたものであってもよい。
なお、上記のニッケルを含む金属多孔体とスズを含む金属多孔体は、骨格の内部に樹脂成形体を含んでいてもよい。

0021

以下、各工程についてより詳細に説明する。
(ニッケルを含む金属多孔体の準備)
まず、ニッケルを含む金属多孔体を用意し、これをシート状に加工する。前記本発明の実施形態である金属多孔体は、燃料電池などの集電体として好適に用いられるものであるためシート状であることが好ましい。シート状であれば四角形でも丸形でも構わない。
ニッケルを含む金属多孔体は公知または市販のものを採用することが可能である。市販の物としては、例えば、住友電気工業社製のセルメット登録商標)を好ましく用いることができる。

0022

また、上記のニッケルを含む金属多孔体は、例えば、次のようにして製造することができる。
基材としての樹脂成形体の準備−
まず、基材として多孔質の樹脂成形体を準備する。前記樹脂成形体の素材は任意の樹脂を選択でき、ポリウレタンメラミンポリプロピレンポリエチレン等の発泡樹脂成形体を好ましく用いることができる。発泡樹脂成形体と表記したが、連続した気孔(連通孔)を有するものであれば任意の形状の樹脂成形体を選択できる。例えば繊維状の樹脂を絡めて不織布のような形状を有するものも、発泡樹脂成形体に代えて使用可能である。
上記のように前記樹脂成形体は連通孔を有する多孔質のものであれば特に限定されないが、三次元網目状構造を有するものであることが好ましい。これにより三次元網目状構造を有する金属多孔体を製造することが可能となる。

0023

発泡ウレタン及び発泡メラミンは気孔率が高く、また気孔の連通性があるとともに熱分解性にも優れているため樹脂成形体として好ましく使用できる。発泡ウレタンは気孔の均一性入手の容易さ等の点、更に、気孔径の小さなものが得られる点で好ましい。

0024

樹脂成形体には発泡体製過程での製泡剤未反応モノマーなどの残留物があることが多く、洗浄処理を行うことが後の工程のために好ましい。樹脂成形体が骨格として三次元的に網目状の構造を有することで、全体として連続した気孔を構成している。発泡ウレタンの骨格はその延在方向に垂直な断面において略三角形状をなしている。

0025

前記樹脂成形体の気孔率は80%〜98%、気孔径は50μm〜500μmとするのが好ましい。
気孔率は、次式で定義される。
気孔率=(1−(多孔質材の重量[g]/(多孔質材の体積[cm3]×素材密度)))×100[%]
また、気孔径は、樹脂成形体表面顕微鏡写真等で拡大し、1インチ(25.4mm)あたりの気孔数セル数として計数して、平均孔径=25.4mm/セル数として平均的な値を求める。

0026

前記樹脂成形体の気効率は限定的ではなく、用途に応じて適宜選択されるものであるが、通常は60%以上、98%以下、より好ましくは80%以上、96%以下である。
前記樹脂成形体の厚みは限定的ではなく、用途に応じて適宜選択されるものであるが、通常は150μm以上、5000μm以下、より好ましくは200μm以上、2000μm以下、さらに好ましくは300μm以上、1200μm以下が望ましい。

0027

−樹脂成形体表面の導電化
電解めっきによって前記樹脂成形体の表面にニッケルめっき層を形成するためには、樹脂成形体の表面が導電性を有する必要がある。このため前記樹脂成形体の表面をあらかじめ導電化処理して導電被覆層を形成しておくことが好ましい。
導電化処理としては、樹脂成形体の表面に導電性を有する層を設けることができる処理である限り特に制限はない。例えば、ニッケル等の導電性金属の無電解めっき、蒸着及びスパッタリング、又はカーボン等の導電性粒子を含有した導電性塗料の塗布等、任意の方法を選択することができる。

0028

ニッケルを用いた無電解めっき処理の具体例としては、次亜リン酸ナトリウムを含有した硫酸ニッケル水溶液等の公知の無電解ニッケルめっき浴に前記樹脂成形体を浸漬する方法等が挙げられる。また、必要に応じて、前記樹脂成形体をめっき浴に浸漬する前に微量のパラジウムイオンを含む活性化液カニゼン社製の洗浄液)に浸漬しても良い。

0029

ニッケルを用いたスパッタリング処理の具体例としては、基板ホルダーに前記樹脂成形体を固定し、不活性ガスを導入しつつ基板ホルダーとターゲット(ニッケル)との間に直流電圧印加することにより、イオン化した不活性ガスをニッケルに衝突させ、吹き飛ばしたニッケル粒子を前記樹脂成形体の表面に堆積させる方法等が挙げられる。

0030

カーボン粒子等の導電性塗料を塗布する処理の具体例としては、前記樹脂成形体の表面に導電性を有する粉末(例えば、ステンレススチール等の金属材料の粉末、結晶質グラファイト、非晶質のカーボンブラック等のカーボンの粉末)とバインダとの混合物塗着する方法等が挙げられる。

0031

前記導電被覆層の目付量(前記樹脂成形体への付着量)は限定的ではないが、例えば導電被覆層としてニッケルを用いる場合には、通常は5g/m2以上15g/m2以下、より好ましくは7g/m2以上10g/m2以下とすれば良い。

0032

−ニッケルめっき層の形成−
前記樹脂成形体の表面にニッケルめっき層を形成するには、公知のめっき法を採用することができるが、なかでも電気めっき法を用いることが好ましい。上記した無電解めっき処理及び/又はスパッタリング処理によってめっき膜の厚みを増していけばニッケルめっき層の形成は必要性ないが、生産性コストの観点から好ましくない。このため、上記したように、まず、多孔質で連通孔を有する樹脂成形体を導電化処理した後に、電気めっき法によってニッケルめっき層を形成する方法を採用することが好ましい。

0033

ニッケルの電気めっき処理は、常法に従って行えばよい。めっき浴としては、公知又は市販のものを使用することができ、例えば、ワット浴塩化浴スルファミン酸浴等が挙げられる。上記の無電解めっきやスパッタリング等により表面に導電被覆層が形成された樹脂成形体を前記めっき浴に浸し、樹脂成形体を陰極に、ニッケルの対極板陽極に接続して直流或いはパルス断続電流通電させることにより、導電被覆層上に、さらにニッケルめっき層を形成することができる。

0034

ニッケルめっき層は導電被覆層が露出しない程度に形成されていればよく、その目付量は限定的でない。ニッケルの目付量は、通常100g/m2以上1000g/m2以下程度、好ましくは200g/m2以上800g/m2以下程度とすればよい。

0035

(スズめっき層の形成)
市販のあるいは上記のようにして得たニッケルを含む金属多孔体の表面にスズめっき層を形成する。なお、ニッケルを含む金属多孔体は基材として前記樹脂成形体を含んでいるものであってもよいし、熱処理等することによって前記樹脂成形体が除去されたものであってもよい。

0036

前記ニッケルを含む金属多孔体の表面にスズめっき層を形成するには、公知のめっき法を採用することができる。スズめっき浴としては、公知又は市販のものを使用することができ、例えば、硫酸浴有機酸浴アルカリ浴等が挙げられる。前記ニッケルを含む金属多孔体を前記スズめっき浴に浸し、金属多孔体を陰極に、スズの対極板を陽極に接続して直流或いはパルス断続電流を通電させることにより、金属多孔体の表面にスズめっき層を形成することができる。
スズめっき層の目付量(スズの付着量)は限定的でなく、金属多孔体全体の目付量の5質量%以上、25質量%以下とすることが好ましく、10質量%以上、20質量%以下とすることがより好ましい。

0037

また、ニッケルを含む金属多孔体へのスズめっきの密着性を向上させるため、直前ストライクニッケルめっきを行って、金属多孔体を洗浄し、乾燥させずに濡れたままスズめっき液投入することが望ましい。これによりスズめっき層の密着性を高めることができる。
ストライクニッケルめっきの条件は、例えば次のようにすることができる。すなわち、ウッドストライクニッケル浴として、塩化ニッケル240g/L、塩酸比重1.18程度のもの)125ml/Lの組成のものを用意し、温度を室温にして、陽極にニッケルまたはカーボンを用いることで行うことができる。

0038

以上のようにすることでニッケルとスズとを含む金属多孔体を得ることができる。そして、当該ニッケルとスズとを含む金属多孔体の少なくとも片方の表面にクロムをめっきすることで本発明の実施形態に係る燃料電池用の金属多孔体を得ることができる。
上記では、ニッケルを含む金属多孔体を準備して当該ニッケルを含む金属多孔体の表面にスズをめっきすることによってニッケルとスズとを含む金属多孔体を得る方法を説明したが、スズを含む金属多孔体を準備して当該スズを含む金属多孔体の表面にニッケルをめっきすることによってもニッケルとスズとを含む金属多孔体を得ることができる。以下に、スズを含む金属多孔体を準備して当該スズを含む金属多孔体の表面にニッケルをめっきする方法について簡単に説明する。

0039

(スズを含む金属多孔体の準備)
スズを含む金属多孔体は、前記ニッケルを含む金属多孔体と同様に、三次元網目状構造を有することが好ましい。このような金属多孔体を得るためには、前記のニッケルを含む金属多孔体を製造する場合と同様に、まず、基材としての樹脂成形体を準備し、当該樹脂成形体の表面を導電化処理する。そして、この導電化処理された樹脂成形体の表面に、ニッケルめっき層を形成する代わりにスズめっき層を形成すればよい。スズめっき層を形成する条件は、上記で説明したニッケルを含む金属多孔体の表面にスズめっき層を形成する場合の条件と同様にすればよい。

0040

(ニッケルめっき層の形成)
続いて、上記の様にして作製したスズを含む金属多孔体の表面にニッケルめっき層を形成することで、ニッケルとスズとを含む金属多孔体を得ることができる。ニッケルめっき層を形成する条件は、上記で説明した導電化処理した樹脂成形体の表面にニッケルめっき層を形成する場合の条件と同様にすればよい。

0041

(クロムめっき層の形成)
以上のように、ニッケルを含む金属多孔体の表面にスズめっき層を形成するか、あるいはスズを含む金属多孔体の表面にニッケルめっき層を形成することによって得られるニッケルとスズとを含む金属多孔体の表面にクロムめっき層を形成する。クロムめっき層を形成する方法は、公知のめっき法を採用可能であり特に限定されるものではないが、電気めっき法を用いることが好ましい。スパッタリング処理によってめっき膜の厚みを増していけば電気めっき処理の必要性はないが、生産性、コストの観点から好ましくない。

0042

また、クロムめっき層の形成は、前記金属多孔体の少なくとも片方の表面のクロムの濃度が3質量%以上、50質量%以下となるように行う。シート状の金属多孔体の両側の表面のクロムの濃度が前記範囲となるようにクロムめっき層を形成してもよいが、前述のように、金属多孔体の片方の表面のクロムの濃度がもう一方の表面のクロムの濃度よりも高くなるようにクロムめっき層を形成することがより好ましい。金属多孔体の少なくとも片方の表面のクロムの濃度を上記範囲にするためには、例えばクロムを付着させたい側のみにクロム電極を配置してめっきを行い、クロムめっき層の形成を行えばよい。金属多孔体の両側の表面にクロムめっき層を形成する場合には、めっき槽において金属多孔体の両側にクロム電極を配置してめっきを行えばよく、金属多孔体の片側の表面のみにクロムめっき層を形成する場合には、めっき槽において金属多孔体の片側のみにクロム電極を配置してめっきを行えばよい。なお、金属多孔体の片側の表面のみにクロムめっき層を形成する場合には、めっき液撹拌を止める方が好ましい。

0043

クロムめっき層の形成は、公知のクロムめっき方法に従って行えばよい。めっき浴としては公知又は市販のものを使用することができ、例えば、6価クロム浴、3価クロム浴等を用いることができる。前記スズめっき層を形成した金属多孔体を前記クロムめっき浴に浸して陰極に接続し、対極としてのクロム板を陽極に接続して直流或いはパルス断続電流を通電させることにより、クロムめっき層を形成することができる。

0044

(熱処理)
本発明の実施形態に係る金属多孔体の製造方法では前記クロムめっき層を形成した後の金属多孔体、又は前記クロムめっき層を形成する前のニッケルとスズとを含む金属多孔体を熱処理する工程を有することが好ましい。これによって金属多孔体の骨格において各金属が拡散し、耐食性のばらつきを抑制することができる。

0045

前記熱処理は、不活性雰囲気減圧や、窒素アルゴンなど)あるいは還元雰囲気水素)で行うことができる。熱処理温度は、低すぎると拡散に時間がかかり、高すぎると軟化して自重多孔体構造を損なう可能性があるため、900℃以上、1300℃以下の範囲で行うことが好ましい。また、還元雰囲気で行うことが好ましい。熱処理温度のより好ましい範囲は1000℃以上、1300℃以下であり、更に好ましい範囲は1100℃以上、1250℃以下である。

0046

なお、金属多孔体の骨格の中心部分に基材としての樹脂成形体が残っていた場合には、この熱処理工程により樹脂成形体は燃焼除去される。

0047

<燃料電池>
本発明の燃料電池は、前記本発明の実施形態である金属多孔体を集電体として用いる燃料電池である。以下に、固体高分子形燃料電池PEFC:PolymerElectrolyte Fuel Cell)構造を例にして本発明の実施形態である燃料電池を説明する。

0048

本発明の実施形態である固体高分子形燃料電池は、固体高分子膜触媒電極から成る膜電極複合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)の両側に、前記金属多孔体をガス拡散層兼集電体として設けたものを基本構造としている。そして、一方の金属多孔体には燃料となる水素を供給し、他方の金属多孔体には酸素を供給する構造となっている。MEAと金属多孔体の間に、カーボンペーパーを設置してもよい。
前記MEAにおいては、前記金属多孔体のクロムの濃度が3質量%以上50質量%以下である方の表面が触媒電極側になるにようする。これにより、使用時において固体高分子膜から発生する強酸に対して金属多孔体が耐食性を示し、腐食することを抑制することができる。

0049

以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は例示であって、本発明の金属多孔体等はこれらに限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲の範囲によって示され、特許請求の範囲の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。

0050

[実施例1]
(三次元網目状構造を有する樹脂成形体の導電化処理)
三次元網目状構造を有する樹脂成形体として、1.5mm厚のポリウレタンシートを用いた。このポリウレタンシートの表面を導電化するために、粒径0.01〜0.2μmの非晶性炭素であるカーボンブラック100gを0.5Lの10%アクリル酸エステル系樹脂水溶液に分散した導電性塗料を作製した。そして、前記ポリウレタンシートを前記塗料に連続的に漬けロールで絞った後に乾燥させることで前記ポリウレタンシータに導電化処理を施した。これによりポリウレタンシート(三次元網目状構造を有するシート状の樹脂成形体)の表面に導電被覆層が形成された。

0051

(ニッケルめっき)
上記の様にして表面を導電化したポリウレタンシートに、目付け300g/m2のニッケルめっきを施し、ニッケルめっき層を形成した。めっき液としては、スルファミン酸ニッケルめっき液を用いた。スルファミン酸浴は、スルファミン酸ニッケル450g/Lと硼酸30g/Lの濃度の水溶液で、pHを4に調製した。そして、温度を55℃とし、電流密度を20ASD(A/dm2)としてニッケルめっきを行った。これによりニッケルを含む金属多孔体が得られた。

0052

(スズめっき)
上記で作製したニッケルを含む金属多孔体の表面に目付け56g/m2のスズめっきを施し、スズめっき層を形成した。スズめっき液としては、水1000gに対し、硫酸第一スズ55g/L、硫酸100g/L、クレゾールスルホン酸100g/L、ゼラチン2g/L、βナフトール1g/Lの組成としたものを使用した。また、めっき浴の浴温は20℃とし、陽極電流密度は1A/dm2とした。

0053

(樹脂成形体の除去)
前記ニッケルとスズとを含む金属多孔体を大気中1000℃で15分間加熱することによって基材(ポリウレタンシート)を燃焼除去した。このとき金属多孔体も一部酸化されるため、その後更に、還元(水素)雰囲気で1000℃、20分の条件で還元処理を行った。

0054

(クロムめっき)
上記で作製したニッケル及びスズを含む金属多孔体の片方の表面にクロムめっき層を目付け25g/m2形成して金属多孔体1を得た。このとき金属多孔体1の片方の表面のクロムの濃度は、成分分析計(Niton XL3t−700、Thermo Fisher Scientific 社製)を用いた蛍光X線による測定において30質量%であった。また、同様にして金属多孔体1の反対側表面のクロムの濃度を測定したところ3.7質量%であった。
クロムめっき液としては、3価クロムめっき液を用いた。また、めっき浴の浴温は30℃とし、陽極電流密度は12A/dm2とした。

0055

[実施例2]
実施例1において、クロムめっき層を目付け5g/m2形成し、金属多孔体の片方の表面のクロムの濃度が4.1質量%となるようにした以外は実施例1と同様にして金属多孔体2を作製した。金属多孔体2の反対側表面のクロムの濃度は1.3質量%であった。

0056

[実施例3]
実施例1において、クロムめっき層を目付け10g/m2形成し、金属多孔体の片方の表面のクロムの濃度が11質量%となるようにした以外は実施例1と同様にして金属多孔体3を作製した。金属多孔体3の反対側表面のクロムの濃度は1.7質量%であった。

0057

[実施例4]
実施例1において、クロムめっき層を目付け18g/m2形成し、金属多孔体の片方の表面のクロムの濃度が21質量%となるようにした以外は実施例1と同様にして金属多孔体4を作製した。金属多孔体4の反対側表面のクロムの濃度は2.2質量%であった。

0058

[実施例5]
実施例1において、クロムめっき層を目付け65g/m2形成し、金属多孔体の片方の表面のクロムの濃度が49質量%となるようにした以外は実施例1と同様にして金属多孔体5を作製した。金属多孔体5の反対側表面のクロムの濃度は4.3質量%であった。

0059

[実施例6]
実施例1のようにして作製した金属多孔体1に更に次の熱処理を行った。
(熱処理)
前記金属多孔体1を水素雰囲気下で1100℃に加熱することにより金属多孔体6を得た。なお、前記熱処理においては1100℃に保持する時間を30分間とした。金属多孔体6の片方の表面のクロムの濃度は26質量%となった。また、金属多孔体6の反対側表面のクロムの濃度は3.1質量%であった。

0060

[比較例1]
実施例1において、クロムめっき層を目付け2g/m2形成し、金属多孔体の片方の表面のクロムの濃度が1.6質量%となるようにした以外は実施例1と同様にして金属多孔体7を作製した。金属多孔体7の反対側表面のクロムの濃度は0.3質量%であった。

0061

[比較例2]
実施例1において、クロムめっき層を目付け97g/m2形成し、金属多孔体の片方の表面のクロムの濃度が54質量%となるようにした以外は実施例1と同様にして金属多孔体8を作製した。金属多孔体8の反対側表面のクロムの濃度は2.8質量%であった。

0062

燃料電池評価
実施例1〜6及び比較例1、2で作製した金属多孔体1〜8を用いて以下の様にして固体高分子型燃料電池を作製した。
まず、触媒電極部分が5cm×5cmのMEAを準備し、その両側にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で撥水処理した5cm×5cmカーボンペーパーを配置し、さらにその外側にクロムめっき側をMEA側になるようにして5cm×5cmの金属多孔体を配置した。そして全体をカーボンで成型したケースで挟み込んで燃料電池1〜8を構成した。

0063

上記のようにして作製した燃料電池1〜8を80℃の温度で100時間、0.2A/cm2の一定電流運転して電圧を調べた。また、耐食性の評価として、100時間運転後の燃料電池を解体し、カーボンペーパーのセルメット側表面をEDX(エネルギー分散X線分析日立製S−3400N)でマッピングし、ニッケル、スズ、クロムの溶出がないか調べた。なお、EDXの加速電圧は15kVとして分析を行った。その結果を下記表1に示す。

実施例

0064

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