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技術 バルーンコーティング方法およびバルーンコーティング装置

出願人 テルモ株式会社
発明者 後藤博江畑勝紀
出願日 2013年7月2日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2013-138881
公開日 2015年1月19日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2015-009095
状態 特許登録済
技術分野 医療用材料 媒体導出入付与装置
主要キーワード 目的場所 形態型 ABS樹脂 軟質ポリ塩化ビニル樹脂 メタクリル酸塩共重合体 コーティング厚 不水溶性 ラテックスゴム
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

コーティング層の厚さや薬剤形態型などを自在に調節しつつコーティング可能なバルーンコーティング方法および装置を提供する。

解決手段

バルーン30の表面にコーティング層32を形成するバルーンコーティング方法およびバルーンコーティング装置50であって、バルーン30の外表面の少なくとも一部を周方向に覆う対向面81が形成された適用部80とバルーン30との間の隙間に水不溶性薬剤を溶解させた揮発性溶媒を含むコーティング液Rを供給しつつ、バルーン30を当該バルーン30の軸心Xを中心として回転させてバルーン30の外表面にコーティング液Rを塗布する塗布工程と、バルーン30の外表面に塗布されたコーティング液Rの揮発性溶媒を揮発させる揮発工程と、を有している。

概要

背景

近年、生体管腔内に生じた病変部(狭窄部)の改善のために、バルーンカテーテルが用いられている。バルーンカテーテルは、通常、長尺シャフト部と、シャフト部の先端側に設けられて径方向拡張可能バルーンとを備えており、収縮されているバルーンを、細い生体管腔を経由して体内目的場所まで到達させた後に拡張させることで、病変部を押し広げることができる。

しかしながら、病変部を強制的に押し広げると、内皮細胞が過剰に増殖して病変部に新たな狭窄(再狭窄)が発症する場合がある。このため、最近では、バルーンの外表面に狭窄を抑制するための薬剤コーティングした薬剤溶出バルーンが用いられている。薬剤溶出バルーンは、拡張することで外表面にコーティングされている薬剤を病変部へ瞬時に放出し、薬剤を生体組織移行させることができ、これにより、再狭窄を抑制することができる。

バルーンに薬剤をコーティングする方法として、種々の方法が提案されている。例えば特許文献1には、バルーンを回転させつつ軸方向へ移動させながら、薬剤および溶媒を含むコーティング液をバルーンの表面に塗布量を制御しつつ供給し、コーティング液を乾燥させて薬剤を含むコーティング層を形成する方法が記載されている。

また、特許文献2には、バルーンの表面を全周囲的に囲んでバルーン上にコーティング液を供給可能な環状の装置をバルーンの軸方向へ移動させつつ、バルーンの表面に薬剤および溶媒を含むコーティング液を塗布した後、コーティング液を乾燥させて薬剤を含むコーティング層を形成する方法が記載されている。

概要

コーティング層の厚さや薬剤の形態型などを自在に調節しつつコーティング可能なバルーンコーティング方法および装置を提供する。バルーン30の表面にコーティング層32を形成するバルーンコーティング方法およびバルーンコーティング装置50であって、バルーン30の外表面の少なくとも一部を周方向に覆う対向面81が形成された適用部80とバルーン30との間の隙間に水不溶性薬剤を溶解させた揮発性溶媒を含むコーティング液Rを供給しつつ、バルーン30を当該バルーン30の軸心Xを中心として回転させてバルーン30の外表面にコーティング液Rを塗布する塗布工程と、バルーン30の外表面に塗布されたコーティング液Rの揮発性溶媒を揮発させる揮発工程と、を有している。

目的

本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、コーティング層の厚さや薬剤の形態型などを自在に調節しつつコーティング可能なバルーンコーティング方法および装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

バルーンカテーテルバルーン外表面にコーティング層を形成するバルーンコーティング方法であって、前記バルーンの外表面の少なくとも一部を周方向に覆う対向面が形成された適用部と前記バルーンとの間の隙間に水不溶性薬剤を溶解させた揮発性溶媒を含むコーティング液を供給しつつ、前記バルーンを当該バルーンの軸心を中心として回転させて前記バルーンの外表面に前記コーティング液を塗布する塗布工程と、前記バルーンの外表面に塗布された前記コーティング液の揮発性溶媒を揮発させる揮発工程と、を有するバルーンコーティング方法。

請求項2

前記適用部の前記バルーンと対向する前記対向面に、前記バルーンに向かって突出する突起部を有する請求項1または2に記載のバルーンコーティング方法。

請求項3

前記突起部は、表面が滑らかに形成される請求項3に記載のバルーンコーティング方法。

請求項4

前記突起部は、前記バルーンと近接する頂部が、前記バルーンの軸心の方向に幅を有して形成される請求項2または3に記載のバルーンコーティング方法。

請求項5

前記突起部は、前記バルーンと近接する頂部が、前記バルーンの周方向に幅を有して形成される請求項2〜4のいずれか1項に記載のバルーンコーティング方法。

請求項6

前記突起部は、表面に溝が形成される請求項2〜5のいずれか1項に記載のバルーンコーティング方法。

請求項7

バルーンカテーテルのバルーンの外表面にコーティング層を形成するバルーンコーティング装置であって、前記バルーンを当該バルーンの軸心を中心として回転させる回転機構と、前記バルーンの外表面の少なくとも一部を周方向に覆う対向面が形成された適用部と、前記バルーンと前記適用部との間の隙間に水不溶性薬剤を溶解させた揮発性溶媒を含むコーティング液を供給する供給部と、を有するバルーンコーティング装置。

請求項8

前記適用部は、前記バルーンと対向する前記対向面に前記バルーンに向かって突出する突起部を有する請求項7に記載のバルーンコーティング装置。

請求項9

前記突起部は、表面が滑らかに形成される請求項8に記載のバルーンコーティング装置。

請求項10

前記突起部は、前記バルーンと近接する頂部が、前記バルーンの軸心の方向に幅を有して形成される請求項8または9に記載のバルーンコーティング装置。

請求項11

前記突起部は、前記バルーンと近接する頂部が、前記バルーンの軸心の方向に幅を有して形成される請求項8〜10のいずれか1項に記載のバルーンコーティング装置。

請求項12

前記突起部は、表面に溝が形成される請求項8〜11のいずれか1項に記載のバルーンコーティング装置。

技術分野

0001

本発明は、バルーンの表面にコーティング層を形成するバルーンコーティング方法およびバルーンコーティング装置に関する。

背景技術

0002

近年、生体管腔内に生じた病変部(狭窄部)の改善のために、バルーンカテーテルが用いられている。バルーンカテーテルは、通常、長尺シャフト部と、シャフト部の先端側に設けられて径方向拡張可能なバルーンとを備えており、収縮されているバルーンを、細い生体管腔を経由して体内目的場所まで到達させた後に拡張させることで、病変部を押し広げることができる。

0003

しかしながら、病変部を強制的に押し広げると、内皮細胞が過剰に増殖して病変部に新たな狭窄(再狭窄)が発症する場合がある。このため、最近では、バルーンの外表面に狭窄を抑制するための薬剤コーティングした薬剤溶出バルーンが用いられている。薬剤溶出バルーンは、拡張することで外表面にコーティングされている薬剤を病変部へ瞬時に放出し、薬剤を生体組織移行させることができ、これにより、再狭窄を抑制することができる。

0004

バルーンに薬剤をコーティングする方法として、種々の方法が提案されている。例えば特許文献1には、バルーンを回転させつつ軸方向へ移動させながら、薬剤および溶媒を含むコーティング液をバルーンの表面に塗布量を制御しつつ供給し、コーティング液を乾燥させて薬剤を含むコーティング層を形成する方法が記載されている。

0005

また、特許文献2には、バルーンの表面を全周囲的に囲んでバルーン上にコーティング液を供給可能な環状の装置をバルーンの軸方向へ移動させつつ、バルーンの表面に薬剤および溶媒を含むコーティング液を塗布した後、コーティング液を乾燥させて薬剤を含むコーティング層を形成する方法が記載されている。

先行技術

0006

米国特許出願公開第2010/005294号明細書
特表2012−529945号公報

発明が解決しようとする課題

0007

バルーンの外表面にコーティングされる薬剤は、溶媒を揮発させる際の時間の長短温度条件等によって、結晶型非結晶質アモルファス)型、およびそれらの混合型などの異なる形態型となり得る。結晶および非晶質は、必ずしもどちらが望ましいというものではなく、目的に応じて選択できることが望まれる。

0008

本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、コーティング層の厚さや薬剤の形態型などを自在に調節しつつコーティング可能なバルーンコーティング方法および装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成する本発明に係るバルーンコーティング方法は、バルーンカテーテルのバルーンの外表面にコーティング層を形成するバルーンコーティング方法であって、前記バルーンの外表面の少なくとも一部を周方向に覆う対向面が形成された適用部と前記バルーンとの間の隙間に水不溶性薬剤を溶解させた揮発性溶媒を含むコーティング液を供給しつつ、前記バルーンを当該バルーンの軸心を中心として回転させて前記バルーンの外表面に前記コーティング液を塗布する塗布工程と、前記バルーンの外表面に塗布された前記コーティング液の揮発性溶媒を揮発させる揮発工程と、を有する。

発明の効果

0010

上記のように構成したバルーンコーティング方法は、対向面が形成された適用部とバルーンとの間の隙間にコーティング液を供給しつつ、バルーンを回転させてバルーンの外表面にコーティング液を塗布するため、バルーンを覆う対向面によってコーティング液の厚さのバラツキを抑制でき、コーティング液(コーティング層)の厚さの調節が容易となる。また、コーティング液の厚さを調節することで、揮発性溶媒を揮発させる時間を調節することが容易となり、コーティング層の薬剤の形態型や大きさなどを自在に調節することができる。

0011

前記適用部の前記バルーンと対向する前記対向面に、前記バルーンに向かって突出する突起部を有するようにすれば、突起部に沿ってコーティング液をバルーンへ導き、突起部が設けられる特定の位置でバルーンの外表面へコーティング液を塗布するため、コーティング層の厚さや薬剤の形態型などを調節しやすくなる。

0012

前記突起部は、表面が滑らかに形成されるようにすれば、突起部がバルーンと接触した場合のバルーンの損傷を抑制でき、安全性が向上する。

0013

前記突起部は、前記バルーンと近接する頂部が、前記バルーンの軸心の方向に幅を有して形成されるようにすれば、コーティング液を軸心の方向に均一に塗布しやすくなり、コーティング層の厚さのバラツキを低減できる。また、バルーンと頂部との間でスクイーズ膜効果が期待され、頂部とバルーンとの接触が抑制されて、バルーンの損傷を抑制できる。

0014

前記突起部は、前記バルーンと近接する頂部が、前記バルーンの周方向に幅を有して形成されるようにすれば、バルーンの軸心を中心に回転するバルーンとの接触面を広く確保することができ、コーティング層の厚さや薬剤の形態型などを調節しやすくなる。

0015

前記突起部は、表面に溝が形成されるようにすれば、コーティング液を頂部へ向かって良好に導くことができる。

0016

バルーンカテーテルのバルーンの外表面にコーティング層を形成するバルーンコーティング装置であって、前記バルーンを当該バルーンの軸心を中心として回転させる回転機構と、前記バルーンの外表面の少なくとも一部を周方向に覆う対向面が形成された適用部と、前記バルーンと前記適用部との間の隙間に水不溶性薬剤を溶解させた揮発性溶媒を含むコーティング液を供給する供給部と、を有するバルーンコーティング装置であれば、バルーンを覆う対向面によってコーティング液の厚さのバラツキを抑制でき、コーティング液(コーティング層)の厚さの調節が容易となる。また、コーティング液の厚さを調節することで、揮発性溶媒を揮発させる時間を調節することが容易となり、コーティング層の薬剤の形態型や大きさなどを自在に調節することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の実施形態に係るバルーンコーティング方法を行うための装置を示す概略図である。
バルーンカテーテルを示す断面図である。
適用部を示す平面図である。
図3矢線Aから観た適用部の平面図である。
図3のB−B線に沿う適用部の断面図である。
適用部によりバルーンへコーティング液を適用する際の状態を示す拡大平面図である。
適用部の変形例を示す平面図である。
適用部の他の変形例を示す平面図である。
適用部のさらに他の変形例を示す平面図である。

実施例

0018

以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。

0019

本実施形態に係るバルーンコーティング方法は、バルーンの表面に薬剤を含むコーティング層を形成するものであり、図1に示すコーティング装置50により実施される。なお、本明細書では、バルーンカテーテル10の管腔に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、操作する手元側を「基端」若しくは「基端側」と称することとする。

0020

まず、バルーンカテーテル10の構造を説明する。バルーンカテーテル10は、図2に示すように、長尺なカテーテル本体部20と、カテーテル本体部20の先端部に設けられるバルーン30と、カテーテル本体部20の基端に固着されたハブ40とを有している。

0021

カテーテル本体部20は、先端および基端が開口した管状体である外管21と、外管21の内部に配置される内管22とを備えている。外管21および内管22の間には、バルーン30を拡張するための拡張用流体流通する拡張ルーメン23が形成されており、内管22の内側には、ガイドワイヤー挿通されるガイドワイヤールーメン24が形成されている。

0022

バルーン30は、先端側が内管22に接着され、基端側が外管21に接着されており、バルーン30の内部が、拡張ルーメン23に連通している。

0023

ハブ40は、外管21の拡張ルーメン23と連通して拡張用流体を流入出させるポートとして機能する第1開口部41と、ガイドワイヤールーメン24を挿通させる第2開口部42とを備えている。第2開口部42には、血液の流出を抑制する止血弁43が設けられている。

0024

バルーン30は、ある程度の可撓性を有する材料により形成されることが好ましく、そのような材料としては、例えば、ポリエチレンポリプロピレンポリブテンエチレン−プロピレン共重合体エチレン酢酸ビニル共重合体アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂ポリアミドポリアミドエラストマーポリエステルポリエステルエラストマーポリウレタンフッ素樹脂等の熱可塑性樹脂シリコーンゴムラテックスゴム等が使用できる。

0025

次に、コーティング装置50について説明する。コーティング装置50は、図1に示すように、バルーンカテーテル10を保持してバルーンカテーテル10の軸心Xを中心として回転させる回転機構60と、バルーンカテーテル10を軸心Xに沿う方向へ移動させる移動機構70と、バルーン30の表面にコーティング液Rを塗布する塗布機構90と、コーティング装置50を制御する制御機構100と、を有する。

0026

回転機構60は、バルーン30を回転可能に保持しつつ、内蔵されるモーター等の駆動源によってバルーンカテーテル10を回転させる。バルーンカテーテル10は、ガイドワイヤールーメン24内に芯材61が挿通されて保持されるとともに、芯材61によってコーティング液Rのガイドワイヤールーメン24内への流入が防止されている。また、バルーンカテーテル10は、拡張ルーメン23を覆うようにハブ40の第1開口部41にキャップ63が被せられ、バルーン30を拡張させた際に拡張用流体を密封することができる。

0027

移動機構70は、内蔵されるモーター等の駆動源によって直線的に移動可能な移動台71を備え、この移動台71に、回転機構60が設置されている。移動台71を移動させることで、回転機構60に保持されたバルーンカテーテル10を、バルーンカテーテル10の軸心Xに沿う両方向へ移動させることができる。

0028

塗布機構90は、コーティング液Rを収容する容器91と、バルーン30へコーティング液Rを適用するための適用部80と、容器91から適用部80へコーティング液Rを供給する送液チューブ93と、制御機構100によって制御されて任意の送液量でコーティング液Rを適用部80から吐出させる送液量調節部94(供給部)と、を備えている。送液量調節部94は、コーティング液Rを適用部80へ供給するともとに適用部80を支持する支持部95を備えている。

0029

適用部80は、図3〜5に示すように、内部にバルーン30を受け入れることが可能な環形状で形成されており、内側に、バルーン30の外表面と対向する円弧状の対向面81が形成されている。対向面81には、環の中心へ向かって突出する突起部82が形成されている。突起部82は、環の一方の開口部から他方の開口部まで状に延びて形成される。すなわち、突起部82は、バルーン30と近接する頂部83が、バルーン30の軸心Xの方向に幅を有して形成される。突起部82の頂部83は、鋭利とならずに滑らかな表面で形成されることが好ましい。突起部82の突出長さは、特に限定されないが、例えば1〜10mmである。また、適用部80は、送液量調節部94の支持部95を通って供給されるコーティング液Rを、対向面81まで導く導入孔84を有している。導入孔84は、突起部82の頂部83を挟んで両側で開口している。また、突起部82には、基部から頂部83へ向かって延びる溝部85が形成されている。なお、溝部85の数は、特に限定されない。また、適用部80は、軸心Xと交差する断面における対向面81の断面形状が、局所的に突出する突起部82を除き円形となっているが、必ずしも円形でなくてもよく、例えば、多角形形状であってもよい。この場合、バルーン30の外表面と対向する対向面は、円弧面ではなしに平面となる。また、突起部82は、環の一方の開口部から他方の開口部まで稜状に延びて形成されているが、略円錐形状で形成されて、頂部が幅を有さなくてもよい。

0030

制御機構100は、例えばコンピュータにより構成され、回転機構60、移動機構70、および塗布機構90を、統括的に制御する。

0031

コーティング液Rは、薬剤、添加剤、および揮発性溶媒を含んでいる。薬剤は、生体へ作用する物質であり、水溶性薬剤および不水溶性薬剤のいずれであってもよいが、薬剤の血中への溶出を抑制するという観点から、不水溶性薬剤が好ましい。

0032

不水溶性薬剤は、水に不溶または難溶性である薬剤を意味し、具体的には、水に対する溶解度が、pH5〜8で5mg/mL未満である。その溶解度は、1mg/mL未満、さらに、0.1mg/mL未満でもよい。水不溶性薬剤は、脂溶性薬剤を含む。

0034

水不溶性薬剤としては、ラパマイシン、パクリタキセル、ドセタキセルおよびエベロリムスからなる群から選択される少なくとも1つが好ましい。ラパマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、エベロリムスは、それぞれ、同様の薬効を有する限り、それらの類似体および/またはそれらの誘導体を含む。例えば、パクリタキセルとドセタキセルとは類似体の関係にあり、ラパマイシンとエベロリムスとは誘導体の関係にある。これらのうちでは、パクリタキセルがさらに好ましい。

0035

本実施形態におけるコーティング液Rは、上記水不溶性薬剤を、好ましくは5〜60mg/mLの濃度で、より好ましくは20〜50mg/mLの濃度で、さらに好ましくは30〜40mg/mLの濃度で、含有する。

0036

添加剤は、特に制限されないが、薬剤と固体分散体を形成するポリマー重合体)及び/又は高分子または低分子化合物を適用でき、例えば、ポリオレフィン、ポリイソブチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体アクリルポリマーおよび共重合体、ポリ塩化ビニルポリビニルメチルエーテルポリフッ化ビニリデンポリ塩化ビニリデンポリアクリロニトリル、ポリビニルケトンポリスチレンポリ酢酸ビニル、エチレン−メチル・メタクリル酸塩共重合体アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂ナイロン12およびそのブロック共重合体ポリカプロラクトンポリオキシメチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、レーヨントリアセテートセルロース酢酸セルロース酪酸セルロース、セロハン硝酸セルロースプロピオニルセルロース、セルロース・エーテル、カルボキシメチルセルロースキチンポリ乳酸ポリグリコール酸ポリエチレンオキシド、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシド共重合体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン・グリコールグリセロールポリビニルアルコールポリビニルピロリドン有機酸有機酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。なお、添加剤は、必ずしも設けられなくてもよい。

0037

添加剤は、薬剤に対して少量であることが好ましく、マトリクスを形成しないことが好ましい。また、添加剤は、ミセルリポソーム造影剤乳化剤界面活性剤を含まないことが好ましいが、含まれてもよい。また、添加剤は、ポリマーを含まず低分子の化合物のみを含むことが好ましい。

0038

揮発性溶媒は、特に限定されないが、メタノールエタノールジオキサンテトラヒドロフランジメチルホルムアミドアセトニトリルジメチルスルホキシドアセトン等の揮発性有機溶媒を少なくとも1種類を含むことが好ましい。また、揮発性有機溶媒に水等が混合されてもよい。

0039

次に、上述したコーティング装置50を用いてバルーン30の表面に薬剤を含むコーティング層32を形成するバルーンコーティング方法を説明する。

0040

初めに、バルーンカテーテル10の第1開口部41から拡張用の流体をバルーン30内に供給し、バルーン30を拡張させた状態で第1開口部41にキャップ63を被せて密封し、バルーン30を拡張させた状態で維持する。次に、バルーンカテーテル10を回転機構60に設置する。このとき、バルーン30が適用部80に挿通され、突起部82がバルーン30の外表面に近接する。この後、回転機構60によりバルーンカテーテル10を回転させ、塗布機構90の送液量調節部94により塗布量を調節しつつコーティング液Rを適用部80へ供給するとともに、移動機構70によりバルーンカテーテル10を移動させる。送液量調節部94から適用部80へ供給されたコーティング液Rは、導入孔84を通って対向面81に到達し、図6に示すように、対向面81に沿って突起部82の頂部83へ導かれ、バルーン30の外表面に塗布される(塗布工程)。このとき、対向面81には頂部83へ向かって溝部85が形成されているため、コーティング液Rを頂部83へ向かって良好に導くことができる。

0041

また、頂部83に対してバルーン30の回転方向上流側に供給されたコーティング液Rは、バルーン30の回転によって、頂部83に向かって引きずられて頂部83とバルーン30との間の隙間に到達することになる。これにより、コーティング液Rは頂部83の近傍で膜厚が薄くなって圧力が高まり、スクイーズ膜効果が期待され、頂部83とバルーン30との接触が抑制されて、不均一なコーティングを防ぐとともにバルーン30の損傷を抑制できる。このような効果は、バルーン30と近接する頂部83が、バルーン30の軸心Xの方向に幅を有することで、より高く期待できる。

0042

この後、バルーン30の表面に塗布されたコーティング液Rに含まれる揮発性溶媒が揮発して、バルーン30の表面に薬剤および添加物を含むコーティング層32が徐々に形成される(揮発工程)。揮発させる時間は、溶媒により適宜設定されるが、例えば、数秒〜十数秒程度である。

0043

バルーン30の外表面にコーティングされる薬剤は、結晶型、非結晶質(アモルファス)型、およびそれらの混合型などの異なる形態型となり得る。薬剤が結晶型となる場合でも、結晶構造が異なる種々の形態型が存在する。さらに、結晶や非晶質は、コーティング層32において規則性を有するように配置されてもよいが、不規則に配置されてもよい。そして、このような薬剤の形態型は、揮発性溶媒を揮発させる時間の長短や雰囲気温度により影響を受ける。したがって、揮発させる時間を適宜設定することで、コーティング層32に含まれる薬剤の形態型をより自在に調節することが可能となる。本実施形態では、適用部80がバルーン30を覆っているため、適用部80の対向面81とバルーン30との隙間の大きさにより、揮発性溶媒が揮発するまでの時間を調節することが可能であり、したがって、コーティング液Rに含まれる薬剤の形態型や大きさなどを、自在に調節することが可能となる。

0044

そして、バルーン30を回転させつつ徐々に軸心Xの方向へ移動させることで、バルーン30の表面に、コーティング層32を徐々に形成する。バルーン30のコーティングする範囲の全体にコーティング層32が形成された後、回転機構60、移動機構70および塗布機構90を停止させる。

0045

回転機構60による回転速度、移動機構70による移動速度、塗布機構90によるコーティング液Rの供給量は、バルーン30の寸法、コーティング液Rの種類等に応じて適宜設定可能である。コーティング液Rの供給量は、例えば0.02〜10mlであるが、これに限定されず、バルーン30の寸法やコーティング厚さ等に応じて適宜設定可能である。

0046

コーティング層32の厚さは、例えば1〜50μmであるが、これに限定されず、バルーン30の寸法やコーティング厚さ等に応じて適宜設定可能である。

0047

この後、バルーンカテーテル10をコーティング装置50から取り外して、バルーン30のコーティングが完了する。

0048

以上のように、本実施形態に係るバルーンコーティング方法は、バルーン30の外表面の少なくとも一部を周方向に覆う対向面81が形成された適用部80とバルーン30との間の隙間に水不溶性薬剤を溶解させた揮発性溶媒を含むコーティング液Rを供給しつつ、バルーン30を当該バルーン30の軸心Xを中心として回転させてバルーン30の外表面にコーティング液Rを塗布する塗布工程と、バルーン30の外表面に塗布されたコーティング液Rの揮発性溶媒を揮発させる揮発工程と、を有している。このため、バルーン30を覆う対向面81によって塗布されるコーティング液Rの厚さのバラツキを抑制でき、コーティング液R(コーティング層32)の厚さの調節が容易となる。また、コーティング液Rの厚さを調節することで、揮発性溶媒を揮発させる時間を調節することが容易となり、コーティング層32に含まれる薬剤の形態型や大きさなどを自在に調節することができる。また、対向面81がバルーン30の外表面を覆っているため、対向面81とバルーン30との隙間の大きさにより、揮発性溶媒が揮発するまでの時間を調節することが可能であり、コーティング層32に含まれる薬剤の形態型や大きさなどを自在に調節することができる。

0049

また、適用部80のバルーン30と対向する対向面81に、バルーン30に向かって突出する突起部82が形成されるため、突起部82に沿ってコーティング液Rをバルーン30へ導き、突起部82が設けられる特定の位置でバルーン30の外表面へコーティング液Rを塗布するため、コーティング層32の厚さや薬剤の形態型などを調節しやすくなる。

0050

また、突起部82は、表面が滑らかに形成されるため、突起部82がバルーン30と接触した場合のバルーン30の損傷を抑制できる。

0051

また、突起部82は、バルーン30と近接する頂部83が、バルーン30の軸心Xの方向に幅を有して形成されるため、コーティング液Rを軸心Xの方向に均一に塗布しやすくなり、コーティング層32の厚さのバラツキを低減できる。また、バルーン30と頂部83との間でスクイーズ膜効果が期待され、頂部83とバルーン30との接触が抑制されて、バルーン30の損傷を抑制できる。

0052

また、突起部82は、表面に溝が形成されるため、コーティング液Rを頂部へ向かって良好に導くことができる。

0053

なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、適用部80の導入孔84は、頂部83を挟んで両側に設けられているが、一方側のみに設けられてもよい。また、導入孔が、突起部の近傍に設けられなくてもよい。また、適用部の対向面にコーティング液Rを供給できるのであれば、適用部に導入孔が設けられなくてもよい。一例として、適用部のバルーン30が挿入される軸方向の開口部から、適用部とバルーン30の隙間へコーティング液Rを供給することもできる。

0054

また、適用部の対向面の溝部が延びる方向は、適用部の周方向でなくてもよく、例えば適用部の周方向と傾斜するように形成されてもよく、または適用部の周方向と直交するように形成されてもよい。また、適用部の対向面に、溝部が形成されなくてもよい。また、対向面に沿って線状に延びる稜状の突出部を形成することで、突出部から一段下がった溝部を構成することもできる。

0055

また、図6では、バルーン30の外表面に塗布されたコーティング液Rと対向面81との間に隙間が形成されているが、コーティング液Rと対向面とが接触して、隙間ができなくてもよい。

0056

また、適用部の対向面の突起部が延びる方向は、適用部のバルーン30の軸心Xの方向と一致しなくてもよく、軸心Xの方向に対して傾斜してもよい。また、対向面に、複数の突起部が形成されてもよい。

0057

また、適用部における突起部の位置は、対向面の上方でなくてもよい。一例として、図7に示す変形例のように、適用部110の突起部112が、対向面111の上方ではなしに、下方に設けられてもよい。

0058

また、図8に示す他の変形例のように、適用部120が、バルーン30を全周的に覆うのではなしに、部分的に覆ってもよい。なお、図8では、適用部120がバルーン30の上方の180度の範囲を覆っているが、覆う位置および角度は、特に限定されない。適用部120がバルーン30を覆う範囲を適宜設定することで、バルーン30に塗布された揮発性溶媒が揮発するまでの時間を調節することが可能であり、したがって、コーティング層32に含まれる薬剤の形態型や大きさなどを、自在に調節することができる。

0059

また、図9に示す他の変形例のように、適用部130に形成される突起部132のバルーン30と近接する頂部133が、バルーン30の周方向に幅を有して形成されてもよい。このようにすれば、軸心Xを中心に回転するバルーン30との接触面を広く確保することができ、コーティング層32の厚さや薬剤の形態型などを調節しやすくなる。

0060

また、突起部は、設けられなくてもよい。突起部がなくても、対向面により、コーティング液をバルーン30へ塗布することができる。

0061

10バルーンカテーテル、
30バルーン、
32コーティング層、
50コーティング装置、
60回転機構、
80,110,120,130 適用部、
81,111 対向面、
82,112,132突起部、
83,133 頂部、
84導入孔、
85 溝部、
94 送液量調節部(供給部)、
Rコーティング液。

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