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技術 セロビオースリピッドを含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤

出願人 東洋紡株式会社
発明者 山下周子山本周平
出願日 2014年5月28日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-109826
公開日 2015年1月15日 (5年10ヶ月経過) 公開番号 2015-007031
状態 特許登録済
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化粧料 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 秩序形成 核磁気共鳴分光測定 境界部位 エスキュレンタ 老化成分 皮膚しわ シュードザイマ ステアロイル乳酸
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年1月15日)のものです。
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図面 (2)

課題

コラーゲン産生促進作用に優れ、長期にわたる使用に十分に耐えうる安全性を備えた抗老化剤、肌キメ調整剤、皮膚しわ防止剤を提供し、これらを有効成分とした化粧品医薬部外品医薬品、飲食品を提供する。

解決手段

概要

背景

真皮コラーゲンエラスチン絡み合い、その間を酸性ムコ多糖で埋められた構造をしており、これにより皮膚の弾力、ハリを与えられる。ところが、紫外線、乾燥、ストレスなどによる外的要因加齢による細胞衰えとともに、コラーゲンの代謝の恒常的なバランスが損なわれたり、変性したりすることによりシワ、たるみ、皮膚弾力性の低下が引き起こされる。

コラーゲンを産生促進する作用を有する物質としては、甘草葉抽出物ハス胚芽抽出物加水分解バレイショタンパクの葉抽出物又はサンザシ果実抽出物米糠溶媒抽出物アヤメ科クロッカス属サフラン抽出物ウリ科植物種子抽出物などが知られており、これらの一部はコラーゲン産生促進剤として医薬部外品化粧品への応用が試みられているが、作用効果が十分とは言えず、満足すべき作用効果を発揮するコラーゲン産生促進剤は得られていなかった。

糖脂質は、糖の性質由来する親水性と脂質の性質に由来する親油性の二つの性質を合わせ持つ両親媒性物質であり、界面活性剤としての機能を持つ。生体中には各種の両親媒物質が存在し、様々な界面で物質、エネルギー、情報の交換関与し、生態秩序形成に大きな役割を果たしている。

これらの界面活性物質を効率良く生産する微生物の存在が知られている。この生物由来界面活性剤(バイオサーファクタント)は、安全性が高く、生分解に優れることから合成界面活性剤に比べ環境に対する負荷が少ない。また合成では容易に作り出せないような複雑な構造をしており、優れた生理機能を持つといわれている。例えば、糖脂質系のバイオサーファクタントは、それ自体の保湿効果が高いことが知られており、化粧品等の成分として用いることが期待されている。このような特異性を持つことからバイオサーファクタントの研究は、食品工業、化粧品工業、医薬品工業化学工業、環境分野等各方面で進められている。

現在、微生物が生産する界面活性物質としては、糖脂質系、アシルペプタイド系、リン脂質系、脂肪酸系及び高分子化合物系の5つに分類されている。この内の糖脂質系の界面活性剤については、最もよく研究され、細菌及び酵母による多くの種類の物質が報告されている。

近年糖脂質系バイオサーファクタントの一種であるセロビオースリピッドが、抗真菌活性を示すことが報告されて注目されている(非特許文献1)。セロビオースリピッドは、Ustilago maydis(ウスチラゴメイディス)やCryptococcus humicola(クリプトコッカスフミコーラ)が生産することが知られている(非特許文献2)。また、Pseudozyma flocculosa(シュードザイマフロキュローサ)もフロキュロシンというセロビオースリピッドの一種を生産することが知られている(非特許文献3)。さらに、ウスチラゴエスキュレンタ(Ustilago esculenta)はセロビオースリピッドを大量に生産できることが分かっている(特許文献1)。これらの微生物が生産するセロビオースリピッドは、すべて優れた抗真菌活性を示すため、抗真菌薬としての実用化が期待されている。

セロビオースリピッドは、洗剤、化粧品等幅広い分野で工業利用が進められており、リポソーム形成剤としての利用(特許文献2参照)、乳化剤可溶化剤(特許文献3参照)、タンパク質分離担体(特許文献4参照)、低分子オルガノゲル(特許文献5参照)などの報告がある。

セロビオースリピッドは、生分解性が高く、低毒性で環境に優しいため、特に、化粧品や医薬品の素材としての実用化が期待されている。しかし今現在セロビオースリピッドの生理活性機能は見出されておらず、効果や効能は報告されていない。

概要

コラーゲン産生促進作用に優れ、長期にわたる使用に十分に耐えうる安全性を備えた抗老化剤、肌キメ調整剤、皮膚しわ防止剤を提供し、これらを有効成分とした化粧品・医薬部外品、医薬品、飲食品を提供する。糖脂質型バイオサーファクタントの一種であるセロビオースリピッドを含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤。なし

目的

本発明の目的は、細胞のコラーゲン産生促進剤として優れ、長期にわたる使用に十分に耐え得る安全性を備えた化合物を提供し、これらを有効成分とした化粧品・医薬部外品、医薬品、飲食品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

セロビオースリピッドを含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤

請求項2

下記一般式(I)又は(II)で表される構造を有するセロビオースリピッドを含有することを特徴とする、請求項1に記載のコラーゲン産生促進剤。 (式(I)中、R1は、水素又はヒドロキシル基を表し、n1は炭素数が12または14を示す。また式I中の糖1のR2、R3、R4はアセチル基またはヒドロキシル基であることを示す。) (式(II)中、R1、及びR2は、それぞれ水素又はヒドロキシル基を表す。またn1は炭素数11あるいは12のアルキレン基を表し、n2は炭素数2または4のアルキレン基を表す。)

請求項3

請求項1又は2に記載のコラーゲン産生促進剤を含む抗老化剤

請求項4

請求項1又は2に記載のコラーゲン産生促進剤を含む肌のキメ調整剤。

請求項5

請求項1又は2に記載のコラーゲン産生促進剤を含む皮膚のしわ防止・抑制剤

技術分野

0001

本発明は、バイオサーファクタントを有効成分とするコラーゲン産生促進剤に関するものであり、特にコラーゲン産生により抗老化、肌のキメの調整、皮膚のしわ防止・抑制に有効なバイオサーファクタントを含有する化粧品医薬部外品医薬品、飲食品に関するものである。

背景技術

0002

真皮コラーゲンエラスチン絡み合い、その間を酸性ムコ多糖で埋められた構造をしており、これにより皮膚の弾力、ハリを与えられる。ところが、紫外線、乾燥、ストレスなどによる外的要因加齢による細胞衰えとともに、コラーゲンの代謝の恒常的なバランスが損なわれたり、変性したりすることによりシワ、たるみ、皮膚弾力性の低下が引き起こされる。

0003

コラーゲンを産生促進する作用を有する物質としては、甘草葉抽出物ハス胚芽抽出物加水分解バレイショタンパクの葉抽出物又はサンザシ果実抽出物米糠溶媒抽出物アヤメ科クロッカス属サフラン抽出物ウリ科植物種子抽出物などが知られており、これらの一部はコラーゲン産生促進剤として医薬部外品や化粧品への応用が試みられているが、作用効果が十分とは言えず、満足すべき作用効果を発揮するコラーゲン産生促進剤は得られていなかった。

0004

糖脂質は、糖の性質由来する親水性と脂質の性質に由来する親油性の二つの性質を合わせ持つ両親媒性物質であり、界面活性剤としての機能を持つ。生体中には各種の両親媒物質が存在し、様々な界面で物質、エネルギー、情報の交換関与し、生態秩序形成に大きな役割を果たしている。

0005

これらの界面活性物質を効率良く生産する微生物の存在が知られている。この生物由来界面活性剤(バイオサーファクタント)は、安全性が高く、生分解に優れることから合成界面活性剤に比べ環境に対する負荷が少ない。また合成では容易に作り出せないような複雑な構造をしており、優れた生理機能を持つといわれている。例えば、糖脂質系のバイオサーファクタントは、それ自体の保湿効果が高いことが知られており、化粧品等の成分として用いることが期待されている。このような特異性を持つことからバイオサーファクタントの研究は、食品工業、化粧品工業、医薬品工業化学工業、環境分野等各方面で進められている。

0006

現在、微生物が生産する界面活性物質としては、糖脂質系、アシルペプタイド系、リン脂質系、脂肪酸系及び高分子化合物系の5つに分類されている。この内の糖脂質系の界面活性剤については、最もよく研究され、細菌及び酵母による多くの種類の物質が報告されている。

0007

近年糖脂質系バイオサーファクタントの一種であるセロビオースリピッドが、抗真菌活性を示すことが報告されて注目されている(非特許文献1)。セロビオースリピッドは、Ustilago maydis(ウスチラゴメイディス)やCryptococcus humicola(クリプトコッカスフミコーラ)が生産することが知られている(非特許文献2)。また、Pseudozyma flocculosa(シュードザイマフロキュローサ)もフロキュロシンというセロビオースリピッドの一種を生産することが知られている(非特許文献3)。さらに、ウスチラゴエスキュレンタ(Ustilago esculenta)はセロビオースリピッドを大量に生産できることが分かっている(特許文献1)。これらの微生物が生産するセロビオースリピッドは、すべて優れた抗真菌活性を示すため、抗真菌薬としての実用化が期待されている。

0008

セロビオースリピッドは、洗剤、化粧品等幅広い分野で工業利用が進められており、リポソーム形成剤としての利用(特許文献2参照)、乳化剤可溶化剤(特許文献3参照)、タンパク質分離担体(特許文献4参照)、低分子オルガノゲル(特許文献5参照)などの報告がある。

0009

セロビオースリピッドは、生分解性が高く、低毒性で環境に優しいため、特に、化粧品や医薬品の素材としての実用化が期待されている。しかし今現在セロビオースリピッドの生理活性機能は見出されておらず、効果や効能は報告されていない。

0010

特開2004−254595号公報
特開2006−028069号公報
特開2007−181789号公報
特開2006−219455号公報
特開2012−176904号公報

先行技術

0011

「J. Oleo Sci.」Vol.58, No.3, p133-140(2009)
「Biochim. Biophys. Acta」Vol.1558, No.2, p161-170(2002)
「Appl. Environ. Microbiol.」Vol.69, No.5, p2595-2602(2003)

発明が解決しようとする課題

0012

本発明の目的は、細胞のコラーゲン産生促進剤として優れ、長期にわたる使用に十分に耐え得る安全性を備えた化合物を提供し、これらを有効成分とした化粧品・医薬部外品、医薬品、飲食品を提供することである。

課題を解決するための手段

0013

本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意努力した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。

0014

1.セロビオースリピッドを含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤。
2.下記一般式(I)又は(II)で表される構造を有するセロビオースリピッドを含有することを特徴とする、1に記載のコラーゲン産生促進剤。




(式(I)中、R1は、水素又はヒドロキシル基を表し、n1は炭素数が12〜14を示す。また式I中の糖1のR2、R3、R4はアセチル基またはヒドロキシル基であることを示す。)




(式(II)中、R1、及びR2は、それぞれ水素又はヒドロキシル基を表す。またn1は炭素数11あるいは12のアルキレン基を表し、n2は炭素数2または4のアルキレン基を表す。)
3.1又は2に記載のコラーゲン産生促進剤を含む抗老化剤
4.1又は2に記載のコラーゲン産生促進剤を含む肌のキメ調整剤。
5.1又は2に記載のコラーゲン産生促進剤を含む皮膚のしわ防止・抑制剤

発明の効果

0015

本発明により安全性に優れたコラーゲン産生作用が期待でき、セロビオースリピッドを有効成分とした化粧品・医薬部外品(皮膚外用剤浴用剤育毛剤など)、医薬品、飲食品を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

正常ヒト皮膚線維芽細胞を用いたCLの細胞賦活作用を示すグラフである
正常ヒト皮膚線維芽細胞を用いたCLのコラーゲン産生促進作用を示すグラフである。

0017

コラーゲン産生促進
本明細書において「コラーゲン産生促進」とは、細胞により生産されるコラーゲンの生産量を増加させる効果のことである。表皮と真皮の境界部位は、コラーゲンIV、VIIが表皮細胞の支持、接着などに関与する。加齢や紫外線によるダメージ、特に紫外線によってコラーゲンIV、VIIが減少し、表皮、真皮支持機能が減少し、選別透過機能が弱化して有害な成分が容易に皮膚に影響を及ぼすため、シワが生成される。また真皮を構成する細胞外マトリックスは、真皮内の線維芽細胞から作られ、コラーゲン、エラスチンなどの繊維状のタンパク質ヒアルロン酸などの酸性ムコ多糖と呼ばれる多糖類で構成されており、皮膚の弾力性、代謝、生気などに直接関与している。線維芽細胞の活性が特に加齢や光老化より低下すると、コラーゲン生合成性が減少して変性されたエラスチンが増加する。さらに真皮の主成分であるコラーゲンI型を分解するマトリックスメタロプロテナーゼMMP−1の増加によってコラーゲンなどの細胞外マトリックス成分の分解が増加し、真皮内にキズが発生して、表皮−真皮の境界破壊され、真皮の分解が加速化される。最終的には、皮膚の弾力性やみずみずしさ、生気が失われ、シワ、小ジワ肌荒れが発生し皮膚の老化をもたらされる。このため「コラーゲン産生促進」の効果により抗老化作用が期待される。

0018

〔セロビオースリピッド〕
セロビオースリピッドは、生物により生産される界面活性能力や乳化能力を有する糖脂質型バイオサーファクタントの一種である。「バイオサーファクタント」とは生物によって生み出される界面活性能力や乳化能力を有する物質の総称であり、優れた界面活性や、高い生分解性を示すばかりでなく、様々な生理作用を有していることから合成界面活性剤とは異なる挙動・機能を発現する可能性がある。

0019

セロビオースリピッド(以下、CLということがある。)は構造に様々なバリエーションがあり、これらの分子構造の違いは生産微生物の相異に基づく。式(I)中、R1は、それぞれ水素又はヒドロキシル基を表し、n1が12〜14を示す。さらに式(I)中の糖1のR2、R3、R4はアセチル基またはヒドロキシル基であることを示す。これらは混合体で得られるが、精製分離操作を行い単独のCL化合物を使用してもよい。また水溶性を高めるため、アルカリ処理を施しナトリウム塩として使用してもよい。また式(II)中、R1、及びR2は、それぞれ水素又はヒドロキシル基を表す。n1が11〜12を表し、n2が2〜4を表す。これらは混合体で得られるが、精製分離操作を行い単独のCL化合物を使用しても混合体のまま用いてもよい。また水溶性を高めるため、アルカリ処理を施しナトリウム塩として使用してもよい。

0020

〔セロビオースリピッドの製法
セロビオースリピッドは、セロビオースリピッド生産菌の培養液を抽出、精製することにより得られる。CL生産菌としては、例えば、クリプトコッカス(Cryptococcus属)やウスチラゴ(Ustilago)属に属し、かつセロビオースリピッドを生産する能力を有する微生物が挙げられる。クリプトコッカス (Cryptococcus)属微生物は主に上記構造式(I)のセロビオースリピッドを生産し、ウスチラゴ(Ustilago)属の微生物は主に構造式(II)のセロビオースリピッドを生産する。

0021

セロビオースリピッドの製造方法は特に制限されるものはないが、公知のバイオサーファクタント生産微生物を用いた発酵方法を任意に選択して行えばよい。例えばセロビオースリピッドの培養生産は、クリプトコッカスフミコーラ(Cryptococcus humicola)や、ウスチラゴエスキュレンタ(Ustilago esculenta)を常法に従って培養することにより生産することができる。セロビオースリピッド生産微生物としては、上記以外にウスチラゴ・メイディス(Ustilago maydis)、シュードザイマフロキュローサ(Pseudozyma flocculosa)、シュードザイマ・グラミニコーラ(Pseudozyma graminicola)、等を用いることができる。バイオサーファクタント生産微生物は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。

0022

セロビオースリピッドを生産するときの発酵培地は、酵母エキスペプトン等のN源、グルコースフルクトース等のC源、および硝酸ナトリウム等の無機窒素源リン酸水素二カリウム硫酸マグネシウム水塩等の無機塩類からなる一般的な組成培地を用いることができる。

0023

pHや温度等の発酵条件や培養時間等は任意に設定でき、発酵後の培養液をそのまま本発明のバイオサーファクタントとして使用することが可能である。また、発酵後の培養液を必要に応じて濾過遠心分離、抽出、精製、滅菌等の任意の操作を適宜加えることも可能であり、得られたエキス希釈濃縮、乾燥することもできる。

0024

無機窒素源としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、硝酸アンモニウム尿素、硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム硫安等が挙げられる。

0025

セロビオースリピッドの回収精製方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、培養液を遠心分離して油分を回収し、酢酸エチル等の有機溶媒抽出濃縮することにより回収することができる。

0026

抽出溶媒としては、水、アルコール類ケトン類ジエチルエーテルジオキサンアセトニトリルエステル類キシレンベンゼンクロロホルムなどの有機溶媒を、単独であるいは2種類以上の混液を任意に組み合わせて使用することができ、また、各々の溶媒抽出物が組み合わされたものでも使用することができる。

0027

抽出方法は特に制限されるものはないが、通常、常温から常圧下での溶媒沸点の範囲であればよく、抽出後は濾過またはイオン交換樹脂を用い、吸着・脱色・精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすればよい。多くの場合は、そのままの状態で利用できるが、必要であれば、その効力に影響のない範囲でさらに脱臭、脱色などの精製処理を加えてもよい。脱臭・脱色等の精製処理手段としては、活性炭カラムなどを用いればよく、抽出物質により一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行えばよい。必要に応じて、シリカゲルカラムを用いて精製することにより、純度の高いセロビオースリピッドを得ることができる。

0028

上述のようにして得られるセロビオースリピッドは、そのままコラーゲン産生促進剤として利用することも可能であるが、化粧品、医薬部外品、医薬品、食品に配合して利用することが好ましい。セロビオースリピッドを配合する濃度は、吸収程度、作用程度、製品形態使用頻度などによって適宜選択され、特に限定されるものではないが、通常は0.0001重量%〜0.1重量%、好ましくは0.0001重量%〜0.01重量%、より好ましくは0.001重量%〜0.01重量%である。

0029

ここで、コラーゲン産生促進剤に配合するセロビオースリピッドの使用形態は任意である。例えば、セロビオースリピッドを培養液からの抽出物のまま、あるいは精製した高純度品できる。セロビオースリピッドは疎水性が高いため、非イオン性の界面活性剤や低級アルコール多価アルコールに溶解して用いることが好ましい。または、水に溶解しやすいセロビオースリピッドのナトリウム塩を用いてもよい。

0030

[肌のキメ調整剤]
「肌のキメ」とは表皮の表面にあるくぼみ皮溝)と盛り上がり皮丘)でできた凹凸のことを指す。また「肌のキメ」が整っているとは、皮溝の幅が狭く皮丘が平らでそろっている状態をいい、皮溝の幅と間隔により決まる。それらは表皮の厚さと硬さ、細胞間基質の弾力などにより構成される。加齢または光老化とともにこの構成要素が不均一になるとキメの規則性が損なわれる。細胞間基質の弾力にはコラーゲンが関与している。本発明に係るコラーゲン産生促進剤の有効成分であるセロビオースリピッドを用いることによりコラーゲン産生能が活性化され、細胞間基質の弾力が改善され、キメが正常な状態に調整される。キメが整うことで、光の散乱効果が高まり皮膚のくすみが消え肌のトーンが明るくなるといった効果が得られる。

0031

[皮膚のしわ防止・抑制剤]
「皮膚のしわ防止・抑制」とは加齢や光老化に伴うしわ形成を阻止する効果を指す。本発明に係るセロビオースリピッドを用いることにより細胞のコラーゲン産生能が促進されることによりしわの防止、抑制される。しわの発生は、紫外線の照射に伴い真皮細胞がダメージを受けたり、加齢による影響で、エラスチンやコラーゲンで構成される真皮の構造が壊れたり、それらの産生が低下することに起因する。
[本発明の使用形態]

0032

上述のように、本発明に係るコラーゲン産生促進剤は、有効成分であるバイオサーファクタントを化粧品、医薬部外品、医薬品、食品に配合して組成物の形態で実施することが好ましい。

0033

化粧品、医薬部外品、医薬品の形態で実施する場合、外用剤とすることが好適である。ただし、バイオサーファクタントは経口摂取も可能であるため、外用剤に限定されず、内用剤、飲食品としてもよい。

0034

剤形は限定されず、アンプルカプセル、粉末、顆粒丸剤錠剤固形剤液剤、ゲル、気泡乳液クリーム軟膏シートムース、浴用剤など多様なものとすることができる。

0036

飲食品としては、例えば清涼飲料炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料乳酸飲料等の飲料、種々の形態の健康・栄養補助食品保健機能食品、錠剤、カプセル剤ドリンク剤トローチなどが挙げられる。

0037

本発明に係るコラーゲン産生促進剤はヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が期待できる限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。

0038

本発明に係るコラーゲン産生促進剤は、有効成分であるセロビオースリピッドに加え、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲内で、化粧品、医薬部外品、医薬品、飲食品に使用される成分や添加剤を併用して配合することができる。

0040

以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。

0041

[ 実施例1:クリプトコッカス・フミコーラ(Cryptococcus humicola)を用いたセロビオースリピッド(CL)製造]
種菌培養はCryptococcus humicola NBRC 10251のコロニー種培地(50mL/500mL坂口フラスコ)に1 Loop植菌して実施した。27 ℃にて一晩培養した。得られた培養液を種菌とした。種培地組成は10g/Lグルコース、3g/L硝酸ナトリウム、0.5g/L硫酸マグネシウム7水和物、0.03g/Lリン酸二水素ナトリウム0.1g/L酵母エキスとした。.培養は上記種菌 60mLを生産培地6L(10L-jar)に植菌し、27 ℃、530rpm(攪拌回転)、3L/min(Air)の条件で10L-jarを用いて培養した。生産培地組成は、10g/L グルコース、3g/L 硝酸ナトリウム、0.5g/L硫酸マグネシウム7水和物、0.03g/Lリン酸二水素ナトリウム 0.1g/L 酵母エキスとした。6日間培養した培養液を遠心分離(7500rpm, 20min ) を行い、菌体上清を分離した。菌体と等量の酢酸エチル:アセトン=4:1を加え攪拌後、CL抽出を行った。沈殿と上清に分け、上清をエバポレーターで乾燥させ、粉末を得た。得られた粉末からさらに脂質不純物を取り除くため、ヘキサン(300g)を加え攪拌後、ガラスフィルターろ過とエバポレーションを行いヘキサン除去した。これにより、CLの混合体を得た。

0042

[実施例2:ウスチラゴ・エスキュレンタ(Ustilago esculenta)を用いたセロビオースリピッド(CL)製造]
種菌培養はUstilago esculenta NBRC 9887のコロニーを種培地(50mL/500mL坂口フラスコ) に1 loop植菌して実施した。27 ℃にて一晩培養した。得られた培養液を種菌とした。種培地組成は50g/Lグルコース、3g/L硝酸ナトリウム、0.5g/L硫酸マグネシウム7水和物、0.25g/Lリン酸二水素カリウム0.5g/Lリン酸水素二カリウム、8g/L酵母エキスとした。培養は上記種菌100mLを生産培地6L(10L-jar)に植菌し、27 ℃、530rpm(攪拌回転)、3L/min(Air)の条件で10L-jarを用いて培養した。生産培地組成は、50g/L グルコース、3g/L 硝酸ナトリウム、0.5g/L硫酸マグネシウム7水和物、0.25g/Lリン酸二水素カリウム 0.5g/Lリン酸水素二カリウム、8g/L酵母エキスとした。6日間培養した培養液を遠心分離(7500rpm, 20min ) を行い、菌体と上清を分離した。菌体と等量の酢酸エチル:アセトン=4:1を加え、十分攪拌後、CL抽出を行った。沈殿と上清に分け、上清をエバポレーターで乾燥させ、粉末を得た。得られた粉末からさらに脂質不純物を取り除くため、ヘキサン(300g)を加え、攪拌後、ガラスフィルターろ過とエバポレーションを行いヘキサン除去した。これにより、CLの混合体を得た。

0043

[実施例3:セロビオースリピッドのNa塩化]
実施例1又は2で得られたCLを4gに蒸留水20mLを添加して撹拌した。この溶液に1N NaOHを滴下し、pH7〜8になるように調製を行った。粉末化のため、エバポレーターで水分を除去後さらにエタノールを添加、乾燥させた。

0044

[実施例4:セロビオースリピッドの構造解析
クリプトコッカス・フミコーラ(Cryptococcus humicola)およびウスチラゴ・エスキュレンタ(Ustilago esculenta)それぞれから得られたCLの同定は、共鳴周波数500MHzの1H−NMR測定プロトン型核磁気共鳴分光測定)にて行った。測定装置はBRUKER社製NMR装置AVANCE 500を用い、溶媒には重クロロホルム(CDCl3)および重メタノール(CD3OD)を用いた。その結果、これらの株から得られた粉末はすべてCLであることが判明した。化3、化4に一般式を示す。化3にクリプトコッカス・フミコーラ(Cryptococcus humicola)由来のCLの主な構造を示し、化4にウスチラゴ・エスキュレンタ(Ustilago esculenta)から得られたCLの主な構造を示す。それぞれ代表的な構造について、重クロロホルムを用いた測定ではクロロホルムのピークを7.24ppm、重メタノールを用いた測定ではメタノールのメチルプロトンのピークを3.30ppmとしたときの、帰属された化学シフトをまとめて表1、表2に示す。なお、表1は式(III)において、n1=14,R1=OHであり、表2は式(IV)においてn1=12、R1=OH,R2=OHである。

0045

(式(III)中、R1は、水素又はヒドロキシル基を表し、n1は炭素数が12または14を示す。また式I中の糖1のR2、R3、R4はアセチル基またはヒドロキシル基であることを示す。)

0046

(式(IV)中、R1、及びR2は、それぞれ水素又はヒドロキシル基を表す。またn1は炭素数11あるいは12のアルキレン基を表し、n2は炭素数2または4のアルキレン基を表す。)

0047

0048

0049

[実施例5:ヒト正常皮膚線維芽細胞を用いたセロビオースリピッドの細胞賦活化作用]
ヒト正常皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×104個となるように48穴マイクロプレート播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM) に10%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5%中にて24時間培養後、CL−Na塩を終濃度100μg/mL〜1μg/mLとなるよう試験培地に添加し、さらに72時間培養した。
溶媒対照として、蒸留水を設けた。次いで生細胞数測定試薬SFを25μL添加して3時間培養し、マイクロプレートリーダーにて450nmの吸光度を測定した。
同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。

0050

評価結果を、蒸留水における細胞賦活作用を100とした相対値にて図1に示した。
図1より、CL−Na塩を終濃度100μg/mL〜10μg/mL添加すると、ヒト正常皮膚線維芽細胞に対して、蒸留水よりも高い細胞賦活化作用を示した。特にCLを終濃度25μg/mL添加した場合には、蒸留水よりも30%以上の有意な細胞賦活化作用が認められた。この結果より、CLが優れた細胞賦活化作用を有することが明らかとなった。

0051

[実施例6 CL−Na塩によるコラーゲン産生能の評価 ]
実施例3に記載されているCL−Na塩の粉末を蒸留水に溶解し、それぞれCL−Na塩の終濃度が100μg/mL、50μg/mL、25μg/mL、10μg/mL、5μg/mL、および1μg/mLであるセロビオースリピッド水溶液を用意して、正常ヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン産生量の変化を評価した。コントロールとして蒸留水のみ用い、同じく評価した。評価は、以下の手順で行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞を1ウェル当たり1.0×104個となるように48穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて24時間培養後、PBS(−)で2回洗浄した後、任意の濃度の試料を添加した無血清培地に交換し、さらに3日間、6日間同条件にて培養した。培養上清から、ヒト線維芽細胞が産生するI型プロコラーゲンC末端ペプチド(Procollagen typeIcarboxyterminal propeptide:PIP)を、Procollagen type I C-peptide (PIP)EIAKit (TaKaRa)で測定した。コラーゲン産生促進率は、標準品を上記ELISAキットにて測定し、その結果から検量線を作成、その検量線から試料添加時のコラーゲン産生量及び試料無添加時のコラーゲン産生量を求めた。

0052

図2より、CL−Na塩を終濃度100μg/mL〜10μg/mL添加すると、ヒト正常皮膚線維芽細胞に対して、蒸留水よりも高いコラーゲン産生促進作用を示した。特にCLを終濃度50μg/mL添加した場合には、蒸留水と比べて260%以上の有意なコラーゲン産生促進作用が認められた。この結果より、CLが優れたコラーゲン産生促進作用を有することが明らかとなった。

0053

コラーゲンは線維芽細胞により産生される。しかし図1のCLによる線維芽細胞の賦活化活性が100〜130%であるのに対し、図-2のCLによるコラーゲン産生率は160%〜260%と極めて高い値を示している。したがって本結果は、CLによる線維芽細胞の賦活化能に伴いコラーゲン産生能が向上しただけではなく、CLがコラーゲンの代謝系のいずれかの経路に作用することによりコラーゲン産生が促進していることが示唆するものである。

0054

[実施例7:美容液の製造例]
以下に示す組成の美容液を常法により製造した。
(組成) (重量%)
クエン酸0.01
クエン酸Na 0.04
CL−Na塩0.5
1.3.ブチレングリコール5.0
濃グリセリン2.5
1.2.ペンタンジオール2.0
フェノキシエタノール0.25
精製水全体で100となる量

0055

[実施例8:乳液の製造例]
以下に示す組成の乳液を常法により製造した。
(組成) (重量%)
グリセルエーテル1.5
CL−Na塩0.01
ショ糖脂肪酸エステル1.5
モノステアリン酸ソルビタン1.0
スクワラン7.5
ジプロピレングリコール5.0
精製水全体で100となる量

0056

[実施例9:クリームの製造例]
以下に示す組成のクリームを常法により製造した。
(組成) (重量%)
ε−アミノカプロン酸0.2
CL−Na塩0.1
パラオキシ安息香酸メチル0.5
フェノキシエタノール0.2
1,3−ブチレングリコール7.5
MEL0.1
セタノール2.5
ベヘニルアルコール3.0
スクワラン5.0
トリカプリル酸カプリン酸グリセリル15.0
ペンタステアリン酸ポリグリセリル−10 0.95
ステアロイル乳酸Na 0.3
精製水全体で100となる量

実施例

0057

[実施例10:洗顔料の製造例]
以下に示す組成の洗顔料を常法により製造した。
(組成) (重量%)
エデト酸ナトリウム0.05
ε−アミノカプロン酸0.2
濃グリセリン1.5
CL−Na塩0.1
パラオキシ安息香酸メチル0.15
1,3−ブチレングリコール4.5
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(30%水溶液)
3.0
N-ヤシ油脂肪酸アシル-DL-アラニントリエタノールアミン液 (30%水溶液)
30.0
フェノキシエタノール0.5
精製水全体で100となる量

0058

本発明により、バイオサーファクタント由来の安全性に優れたコラーゲン産生促進作用、抗老化作用が期待でき、コラーゲン産生および抗老化成分を有効成分とした化粧品・医薬部外品(皮膚外用剤、浴用剤、育毛剤等)、飲食品、医薬品を提供することできることからも、産業界に大きく寄与することが期待される。

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