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技術 物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステム

出願人 清水建設株式会社
発明者 石塚崇大久保寛
出願日 2013年6月18日 (7年6ヶ月経過) 出願番号 2013-127371
公開日 2015年1月5日 (5年11ヶ月経過) 公開番号 2015-001923
状態 特許登録済
技術分野 CAD 特定用途計算機
主要キーワード 仮想境界面 波動成分 外周境界 精度比較 伝搬計算 波動伝搬 吸収境界 時間ステップ幅
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年1月5日)のものです。
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図面 (4)

課題

吸収境界内の波動伝搬シミュレーションを高精度で行うことが可能な物理シミュレーション方法を提供する。

解決手段

本発明は、解析対象領域と前記解析対象領域の周縁に配される吸収境界層とに設定されている格子点に対応する物理量をシミュレーションする物理量シミュレーション方法であって、前記吸収境界層における吸収係数を格子点の位置の関数として定める吸収境界設定ステップと、移流方程式に基づいて、前記吸収境界層における格子点の物理量を、CIP法により数値的に演算する第1演算ステップ(S102)と、前記第1演算ステップにより演算された物理量と、前記関数と、減衰方程式とに基づいて、前記吸収境界層における格子点の物理量を、解析的に演算する第2演算ステップ(S105)と、からなることを特徴とする。

概要

背景

従来より、コンピューター上で音波電磁波の時間に伴う伝搬波動理論に基づきシミュレーションする手法として、FDTD(Finite Differnce Time
Domain)法やCIP(Constrained Interpolation Profile)法が提案されている。

屋外等の開放空間波動伝搬のシミュレーションを行う場合、FDTD法やCIP法のような空間離散化解法では、解析対象領域有限打ち切る必要がある。その際、解析対象領域外周の仮想境界面からの反射波が、シミュレーション結果に影響を与えないようにする必要がある。

CIP法では、シミュレーションの計算過程において波動進行波成分後退波成分(ある軸方向の正方向と負方向に進む波動成分)に分けるため、外周境界面で解析対象領域内に向かう成分を0と置き換えることで反射波を抑えることができる。

ただし、この方法は、境界面に対して正面から波動が入射する場合、すなわち、境界面と波動の進行方向が直交する場合には有効であるが、境界面に対して斜めに入射する場合には反射波を生じる。

一方で、PML(Perfectly Matched Layer)吸収境界は、あらゆる入射方向に対して有効な手法として、FDTD法では広く用いられている(非特許文献1参照)。また、PML吸収境界のCIP法への適用手法は、非特許文献2おいて電磁波解析への適用例が開示されている。
音環境数値シミュレーション—波動音響解析技法と応用—」、日本建築学会編、日本建築学会、2011年
“Implementation of the Perfect Matched Layer to the CIP Method”,Yoshiaki Ando and Masashi Hayakawa,IEICE Trans.Electron.,Vol.E89−C,No.5,2006.

概要

吸収境界内の波動伝搬シミュレーションを高精度で行うことが可能な物理シミュレーション方法を提供する。本発明は、解析対象領域と前記解析対象領域の周縁に配される吸収境界層とに設定されている格子点に対応する物理量をシミュレーションする物理量シミュレーション方法であって、前記吸収境界層における吸収係数を格子点の位置の関数として定める吸収境界設定ステップと、移流方程式に基づいて、前記吸収境界層における格子点の物理量を、CIP法により数値的に演算する第1演算ステップ(S102)と、前記第1演算ステップにより演算された物理量と、前記関数と、減衰方程式とに基づいて、前記吸収境界層における格子点の物理量を、解析的に演算する第2演算ステップ(S105)と、からなることを特徴とする。

目的

本発明に係る物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステムは、M型CIP法に比べ、より計算精度の高いC型CIP法に対するPML吸収境界の実装方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

解析対象領域と前記解析対象領域の周縁に配される吸収境界層とに設定されている格子点に対応する物理量をシミュレーションする物理量シミュレーション方法であって、前記吸収境界層における吸収係数を格子点の位置の関数として定める吸収境界設定ステップと、移流方程式に基づいて、前記吸収境界層における格子点の物理量を、CIP法により数値的に演算する第1演算ステップと、前記第1演算ステップにより演算された物理量と、前記関数と、減衰方程式とに基づいて、前記吸収境界層における格子点の物理量を、解析的に演算する第2演算ステップと、からなることを特徴とする物理量シミュレーション方法。

請求項2

前記第2演算ステップには、2階微分された物理量が含まれることを特徴とする請求項1に記載の物理量シミュレーション方法。

請求項3

物理量は、特定方向に伝搬する移流の成分を表す特性値である請求項1又は請求項2に記載の物理量シミュレーション方法。

請求項4

前記特性値から音圧を求めることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の物理量シミュレーション方法。

請求項5

前記特性値から粒子速度を求めることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の物理量シミュレーション方法。

請求項6

請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の方法を実行することを特徴とする物理量シミュレーションシステム

技術分野

0001

本発明は、コンピューター上で音波電磁波の時間に伴う伝搬シミュレーションするために好適な物理シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステムに関する。

背景技術

0002

従来より、コンピューター上で音波や電磁波の時間に伴う伝搬を波動理論に基づきシミュレーションする手法として、FDTD(Finite Differnce Time
Domain)法やCIP(Constrained Interpolation Profile)法が提案されている。

0003

屋外等の開放空間波動伝搬のシミュレーションを行う場合、FDTD法やCIP法のような空間離散化解法では、解析対象領域有限打ち切る必要がある。その際、解析対象領域外周の仮想境界面からの反射波が、シミュレーション結果に影響を与えないようにする必要がある。

0004

CIP法では、シミュレーションの計算過程において波動進行波成分後退波成分(ある軸方向の正方向と負方向に進む波動成分)に分けるため、外周境界面で解析対象領域内に向かう成分を0と置き換えることで反射波を抑えることができる。

0005

ただし、この方法は、境界面に対して正面から波動が入射する場合、すなわち、境界面と波動の進行方向が直交する場合には有効であるが、境界面に対して斜めに入射する場合には反射波を生じる。

0006

一方で、PML(Perfectly Matched Layer)吸収境界は、あらゆる入射方向に対して有効な手法として、FDTD法では広く用いられている(非特許文献1参照)。また、PML吸収境界のCIP法への適用手法は、非特許文献2おいて電磁波解析への適用例が開示されている。
音環境数値シミュレーション—波動音響解析技法と応用—」、日本建築学会編、日本建築学会、2011年
“Implementation of the Perfect Matched Layer to the CIP Method”,Yoshiaki Ando and Masashi Hayakawa,IEICE Trans.Electron.,Vol.E89−C,No.5,2006.

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、非特許文献2記載の手法は、M型CIP法に対してPML吸収境界を実装する手法であり、より計算精度の高いC型CIP法に対する実装方法はこれまで提供されていない、という問題があった。

0008

また、非特許文献2記載の手法は、PML吸収境界層内部での波動の減衰を表す微分方程式について、微分係数差分近似して計算を行っている。この微分の差分近似により計算誤差が生じてしまうこととなる。特に、非特許文献2記載の手法は、時間微分を1次精度の前進差分で近似しており誤差を生じやすい、という問題があった。

課題を解決するための手段

0009

この発明は、上記課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、解析対象領域と前記解析対象領域の周縁に配される吸収境界層とに設定されている格子点に対応する物理量をシミュレーションする物理量シミュレーション方法であって、前記吸収境界層における吸収係数を格子点の位置の関数として定める吸収境界設定ステップと、移流方程式に基づいて、前記吸収境界層における格子点の物理量を、CIP法により数値的に演算する第1演算ステップと、前記第1演算ステップにより演算された物理量と、前記関数と、減衰方程式とに基づいて、前記吸収境界層における格子点の物理量を、解析的に演算する第2演算ステップと、からなることを特徴とする。

0010

また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の物理量シミュレーション方法において、前記第2演算ステップには、2階微分された物理量が含まれることを特徴とする。

0011

また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の物理量シミュレーション方法において、物理量は、特定方向に移流する波動の成分を表す特性値である。

0012

また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の物理量シミュレーション方法において、前記特性値から音圧を求めることを特徴とする。

0013

また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の物理量シミュレーション方法において、前記特性値から粒子速度を求めることを特徴とする。

0014

また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の方法を実行することを特徴とする物理量シミュレーションシステムである。

発明の効果

0015

本発明に係る物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステムでは、第1演算ステップにより演算された物理量と、関数と、減衰方程式とに基づいて、吸収境界層における格子点の物理量を演算する第2演算ステップにおいて、これを解析的に行うので、微分係数の差分近似は含まれていないため、近似誤差を生じることなく吸収境界層内部の波動伝搬シミュレーションを高精度で行うことが可能となる。

0016

また、本発明に係る物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステムは、M型CIP法に比べ、より計算精度の高いC型CIP法に対するPML吸収境界の実装方法を提供するものである。

0017

また、本発明により、特定方向に移流する波動の成分を表す特性値であるfx±、gx±及び移流方向と直交する方向への微分値ηx±、ξx±などを用いるC型CIP法による波動伝搬シミュレーションにおいて、仮想境界面からの反射波を低減することができる。

0018

本発明に係る物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステムは、PML吸収境界内の波動伝搬のみでなく、一般的な減衰のある場におけるCIP法を用いた波動伝搬シミュレーションに対しても適用でき、減衰しつつ伝搬する波動の高精度な予測計算が可能になる。

0019

また、本発明に係る物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステムは、音波の伝搬解析以外にも、電磁波など他の波動一般の伝搬解析にも適用可能である。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施形態に係る物理量シミュレーションシステムを構成するコンピューターの一例を示す図である。
解析対象領域の周囲に設定される吸収境界層を説明する図である。
本発明に係る物理量シミュレーション方法をコンピューターに実行させるためのフローチャート例を示す図である。

実施例

0021

以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る物理量シミュレーションシステムを構成するコンピューターの一例を示す図である。図1において、10はシステムバス、11はCPU(Central Processing Unit)、12はRAM(Random Access Memory)、13はROM(Read Only Memory)、14は外部情報機器との通信を司る通信制御部、15はキーボードコントローラなどの入力制御部、16は出力制御部、17は外部記憶装置制御部、18はキーボードポインティングデバイスマウスなどの入力機器からなる入力部、19は印刷装置などの出力部、20はHDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置、21はグラフィック制御部、22はディスプレイ装置をそれぞれ示している。

0022

図1において、CPU11は、ROM13内のプログラム用ROM、或いは、大容量の外部記憶装置20に記憶されたプログラム等に応じて、外部機器と通信することでデータを検索・取得したり、また、図形、イメージ文字、表等が混在した出力データの処理を実行したり、更に、外部記憶装置20に格納されているデータベースの管理を実行したり、などといった演算処理を行うものである。

0023

また、CPU11は、システムバス10に接続される各デバイスを統括的に制御する。ROM13内のプログラム用ROMあるいは外部記憶装置20には、CPU11の制御用基本プログラムであるオペレーティングシステムプログラム(以下OS)等が記憶されている。また、ROM13あるいは外部記憶装置20には出力データ処理等を行う際に使用される各種データが記憶されている。メインメモリーであるRAM12は、CPU11の主メモリワークエリア等として機能する。

0024

入力制御部15は、キーボードや不図示のポインティングデバイスからの入力部18を制御する。また、出力制御部16は、プリンタなどの出力部19の出力制御を行う。

0025

外部記憶装置制御部17は、ブートプログラム、各種のアプリケーションフォントデータ、ユーザーファイル編集ファイルプリンタドライバ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)や、或いはフロッピーディスク(FD)等の外部記憶装置20へのアクセスを制御する。本発明の物理量シミュレーション方法を実現するシステムプログラムは、上記のような外部記憶装置20に記憶されている。また、グラフィック制御部21は、ディスプレイ装置22に表示する情報を描画処理するための構成である。

0026

また、通信制御部14は、ネットワークを介して、外部機器と通信を制御するものであり、これによりシステムが必要とするデータを、インターネットイントラネット上の外部機器が保有するデータベースから取得したり、外部機器に情報を送信したりすることができるように構成される。

0027

外部記憶装置20には、CPU11の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム(以下OS)以外に、本発明の物理量シミュレーションシステムをCPU11上で動作させるシステムプログラム、及びこのシステムプログラムで用いるデータなどがインストールされ保存・記憶されている。

0028

本発明の物理量シミュレーション方法を実現するシステムプログラムで利用されるデータとしては、基本的には外部記憶装置20に保存されていることが想定されているが、場合によっては、これらのデータを、通信制御部14を介してインターネットやイントラネット上の外部機器から取得するように構成することも可能である。また、本発明の物理量シミュレーション方法を実現するシステムプログラムで利用されるデータを、USBメモリやCD、DVDなどの各種メディアから取得するように構成することもできる。

0029

次に、上記のようなシステム構成のコンピューターにより実行可能な本発明に係る物理量シミュレーション方法について、以下説明する。

0030

以下の例では、上記のようなコンピューター上で、解析対象領域における音波の時間に伴う伝搬をシミュレーションする例を説明するが、本発明は電磁波など他の波動一般の伝搬解析にも適用可能である。

0031

図2は解析対象領域の周囲に設定される吸収境界層を説明する図である。解析対象領域及び前記解析対象領域の周縁に配される吸収境界層には、不図示のx方向と平行なグリッド及びy方向に平行なグリッドが定義されており、本発明に係る物理量シミュレーション方法においては、このグリッドが交差する点として定義される各格子点における物理量(2次元の音波の伝搬の場合は、音圧pと粒子速度ux、uy)がシミュレーションされる。また、音圧pと粒子速度ux、uyを算出する上で、CIP法では、特定方向に移流する波動の成分を表す特性値fやgが演算される。

0032

解析対象領域におけるCIP法の適用については、
・「C型CIP法を用いた音場解析に関する検討」、信学技報、Vol.106,No.481,pp.17−22,s2006−98,2006.
・「CIP法による音波伝搬シミュレーションにおけるサブグリッドテクニック精度比較」,日本音響学会2011年季研究発表会講演論文集,pp.1497−1500,2011.
などに記載のCIP法に関する記載を参照して援用する。

0033

ここでは、吸収境界層における物理量シミュレーションについて、より詳しく説明する。本発明に係る物理量シミュレーション方法は、CIP法による波動伝搬シミュレーションにおいてPML吸収境界(PML層)を実現する手段として、より精度の高いC型CIP法への実装方法、および差分近似を用いない高精度な実装方法を提供するものである。

0034

以下では、2次元の音響伝搬シミュレーションを例に記述するが、本発明は振動、電磁波など音響以外の波動伝搬シミュレーション、またこれらの3次元シミュレーションに対しても有効である。

0035

PML吸収境界とは、解析対象領域の外周に設定する、波動が徐々に減衰するように物性値を与えた吸収層である。このPML吸収境界は、図2の解析対象領域の外周における(A)、(B)、(C)に示す領域である。音響伝搬シミュレーションでは、PML吸収境界として、吸収係数Rを徐々に大きくした吸収層を解析対象領域の外周部に設定する。

0036

このとき、吸収係数は音波を吸収したい軸方向にのみ設定する。すなわち、図2において右側の解析対象領域端では、x方向に進行する音波のみ吸収したいので、Rxを徐々に
大きくなるように設定する一方で、Ry=0とする。すなわち、図2の(A)の領域では
下式(1)、(2)のように設定される。

0037

0038

0039

また、図2において、上側の解析対象領域端ではy方向に進行する音波のみ吸収したいので、Ryを徐々に大きくなるように設定する一方で、Rx=0とする。すなわち、図2の(B)の領域では、下式(3)、(4)のように設定される。

0040

0041

0042

図2右上の隅部においては、x,y両方向に進行する音波を吸収したいので、Rx及び
Ryを徐々に大きくなるように設定する。すなわち、図2の(C)の領域では、下式(5
)、(6)のように設定される。

0043

0044

0045

Rx及びRyはPML層の表面からの距離の関数として式(1)、(4)〜(6)のように与える。

0046

ここで、Rmaxは吸収係数の最大値定数)、xo及びyoはPML層表面のx及びy座
標、dはPML層の厚さ、mはPML層内での吸収係数の分布を求める次数(m=1,2,3,・・・)である。

0047

吸収係数Rによる減衰のある音場のCIP法によるシミュレーション方法を以下に示す。CIP法では、2次元以上の音場の解析シミュレーションは、支配方程式を各軸方向に分離し、それぞれの軸方向への波動伝搬を互い違いに計算することで行う。以下では、x軸方向への音波の伝搬計算の方法を記述する。y方向への音波の伝搬は、以下の各式においてxとyを入れ替えて同じ手順に従えば計算できる。

0048

吸収係数による減衰のある場におけるx軸方向の音波伝搬の支配方程式は、以下の式(
7)、(8)、(9)の通りである。

0049

0050

0051

0052

ここで、pは音圧、uxはx方向粒子速度、cは音速、ρは媒質密度、Zは媒質の特性
インピーダンスである。fx±は、±x方向へ移流する波動の成分を表す特性値である。

0053

CIP法では、移流を表す移流方程式(下式の式(10)に示すもの)と、減衰を表す減衰方程式(下式の式(11)に示すもの)に分離して計算を行う。本発明においては、
移流方程式を演算する上では数値計算を行い、減衰方程式を演算する上ではこれを解析的に演算する。また、時間ステップnにおける演算では、まず移流方程式の演算を実行することで、中間ステップの値を得て、次に減衰方程式の演算を実行することで、時間ステップ(n+1)の値を得る。

0054

まず、移流を表す移流方程式の演算について説明する。

0055

0056

0057

移流方程式をxに関して偏微分することで次式を得る。

0058

0059

ここで、

0060

0061

である。

0062

式(10)と式(12)とは、fx±とその微分値gx±に関する移流方程式であるので、CIP法による移流計算が可能である。また、ある時間ステップの中間ステップにおける移流計算の結果を、fn*x±およびgn*x±とする。

0063

C型CIP法による2次元音場の解析では、fx±及びgx±のy方向微分値の移流計算を行う必要がある。式(10)と式(12)をy方向で偏微分すると次式を得る。

0064

0065

ここで、

0066

0067

である。

0068

また、

0069

0070

ここで、

0071

0072

である。

0073

式(14)と式(16)とは、ηx±とその微分値ξx±に関する移流方程式であるので、CIP法による移流計算が可能である。ある時間ステップ(中間ステップ)における移流計算の結果を、ηn*x±およびξn*x±とする。

0074

次に、減衰方程式の演算について説明する。

0075

式(11)の減衰に関する偏微分方程式は解析的に解くことが可能である。時間ステップ(n+1)におけるfx±は次式(18)で計算できる。

0076

0077

ここで、Δtは時間ステップ幅である。

0078

また、gx±に関する減衰は、式(18)をx方向に偏微分した次の式(19)で解析
的に計算を行うことができる。

0079

0080

また、式(19)中の∂r/∂xは、式(1)、(9)より以下の式で計算することができる。

0081

0082

また、ηx±に関する減衰については、式(11)をy方向に偏微分すると、下式(2
1)が得られる。

0083

0084

これを、fx±と同様に解析的に解いて、

0085

0086

により計算することができる。
また、ξx±に関する減衰は、式(22)をx方向に偏微分した次の式で(23)計算で
きる。

0087

0088

なお、上記のような演算で得られるfx±から、音圧p及び粒子速度uxは、それぞれ下式(24)及び(25)によって計算することができる。

0089

0090

0091

なお、図2に示されていないが図2において左側の解析領域端にPML吸収境界を設定した場合、Rxは左側の解析領域端に向けて徐々に大きくなるように与えるので、以上の
計算において、式(1)及び(20)をそれぞれ次のように置き換えて計算する。

0092

0093

0094

ここで、xO’は左側解析領域端に設定したPML層表面のx座標である。

0095

次に、以上のような本発明に係る物理量シミュレーション方法を、コンピューターで演算する際のアルゴリズムの一例を説明する。図3は本発明に係る物理量シミュレーション方法をコンピューターに実行させるためのフローチャート例を示す図である。

0096

図3において、ステップS100でシミュレーションの処理が開始されると、続くステップS101では、ステップを表す変数nに値として1がセットされる。

0097

続く、ステップS102では、前記移流方程式を、CIP法を用いて数値的に演算する。特許請求の範囲では、この演算を第1演算と称している。このステップS102の第1演算が実行されると、(28)及び(29)に示すような中間ステップにおける値を得ることができる。

0098

0099

0100

ステップS103においては、吸収境界層内であるか否かが判定される。ステップS103における判定がYESである場合には、ステップS105で、これまで説明したように、減衰方程式を解析的に演算する。特許請求の範囲では、この演算を第2演算と称している。このステップS105の第2演算が実行されると、(30)及び(31)に示すような中間ステップからステップ(n+1)における値を得ることができる。

0101

0102

0103

一方、ステップS103における判定がNOである場合には、一般のCIP法通り、下式(32)乃至(35)によりステップ(n+1)における値を得る。

0104

0105

0106

0107

0108

ステップS106では、全ての格子点で、fn+1、gn+1、ηn+1、ξn+1の各値が演算されたか判定される。この判定がNOであれば、ステップS108に進み、次の格子点について演算するためにループする。

0109

一方、判定がYESであれば、ステップS107に進み、最終ステップnlastに到達したか否かが判定される。この判定がNOであれば、ステップS109に進み、nの値が1インクリメントされ、再び演算ステップをループする。

0110

ステップS107における判定がYESとなれば、ステップS110に進み、処理を終了する。

0111

以上、本発明に係る物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステムでは、第1演算ステップにより演算された物理量と、関数と、減衰方程式とに基づいて、吸収境界における格子点の物理量を演算する第2演算ステップにおいて、これを解析的に行うので、微分係数の差分近似は含まれていないため、近似誤差を生じることなく吸収境界層内部の波動伝搬シミュレーションを高精度で行うことが可能となる。

0112

また、本発明に係る物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステムは、M型CIP法に比べ、より計算精度の高いC型CIP法に対するPML吸収境界の実装方法を提供するものである。

0113

また、本発明により、特定方向に移流する波動の成分を表す特性値であるfx±、gx±及び移流方向と直交する方向への微分値ηx±、ξx±などを用いるC型CIP法による波動伝搬シミュレーションにおいて、仮想境界面からの反射波を低減することができる。

0114

本発明に係る物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステムは、PML吸収境界内の波動伝搬のみでなく、一般的な減衰のある場におけるCIP法を用いた波動伝搬シミュレーションに対しても適用でき、減衰しつつ伝搬する波動の高精度な予測計算が可能になる。

0115

また、本発明に係る物理量シミュレーション方法及びそれを用いた物理量シミュレーションシステムは、音波の伝搬解析以外にも、電磁波など他の波動一般の伝搬解析にも適用可能である。

0116

10・・・システムバス
11・・・CPU(Central Processing Unit)
12・・・RAM(Random Access Memory)
13・・・ROM(Read Only Memory)
14・・・通信制御部
15・・・入力制御部
16・・・出力制御部
17・・・外部記憶装置制御部
18・・・入力部
19・・・出力部
20・・・外部記憶装置
21・・・インターフェイス
21・・・グラフィック制御部
22・・・ディスプレイ装置

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