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技術 神経変性疾患を治療する組成物及び方法

出願人 コグニションセラピューティクス,インコーポレイテッド
発明者 カタラーノ,スーザン,エム.リシュトン,ギルバートイッツォ,ニコラス,ジェイ.
出願日 2012年8月27日 (8年4ヶ月経過) 出願番号 2014-527357
公開日 2014年11月13日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2014-529613
状態 拒絶査定
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 酵素、微生物を含む測定、試験 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 特有な方法による材料の調査、分析 非環式または炭素環式化合物含有医薬 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬
主要キーワード 試験計器 下降部分 青色着色料 構造的状態 気体検出器 線形対数 記憶作用 分解カラム
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題

本発明は、Aベータ病理に関連する神経変性疾患及び障害処置することを目的とする。

解決手段

本発明は、ニューロン細胞中でAベータ関連シナプス消失又はシナプス不全阻害し、ニューロン細胞中でAベータ関連膜輸送変化を調節し、Aベータの病理に関連する認知低下治療する方法における、シグマ−2受容体拮抗物質、及びそのような化合物を含む薬学的組成物の使用、シグマ−2受容体との結合能力に基づいて、認知低下を阻害する際の活性で化合物をスクリーニングする方法を提供する。

概要

背景

[001] 本出願は、米国国有企業で米国以外の国全部で指名される出願人であるCognition Therapeutics, Inc.、及び米国のみで指名される出願人である米国国民のSusan M. Catalano、Gilbert Rishton及びNicholas J. Izzo, Jr.の名前PCT国際特許出願として2012年8月27日に出願され、2011年8月25日出願の米国仮特許出願第61/527,584号及び2011年8月26日出願の米国仮特許出願第61/527,963号に対する優先権を主張し、その出願は全体が参照により本明細書に組み込まれている。

[002]アミロイドベータ過剰産生及び蓄積アルツハイマー病病理的特徴である。ヒトアミロイドベータ(Aベータ)は、アルツハイマー病患者の脳に見られる不溶性アミロイドプラーク沈着物の主成分である。プラークはAベータの原繊維集合体で構成される。アミロイドベータ原繊維は、アルツハイマー病の進行ステージと関連付けられている。

[003]初期アルツハイマー病(AD)の認知特徴は、新しい記憶を形成する能力が著しく欠けていることである。初期の記憶消失は、可溶性Aβオリゴマーにより引き起こされたシナプス障害と考えられている。これらのオリゴマーは、シナプス可塑性の古典的な実験パラダイムである長期残留記憶作用遮断し、ADの脳組織及び遺伝子組み換えADモデルで驚異的に上昇する。初期の記憶消失はニューロン死以前のシナプス障害が原因であり、シナプス障害は原細胞ではなく可溶性Aβオリゴマーの作用に由来すると仮定されてきた。Lacor他のSynaptic targeting by Alzheimer's-related amyloid β oligomers(J. Neurosci. 2004, 24(45):10191-10200)。

[004] Aベータは、ニューロンのシナプスへの集中が見られる膜内在性タンパク質であるアミロイド前駆体タンパク質APP)の開裂生成物である。アルツハイマー患者の脳及び組織には可溶性形のAベータが存在し、その存在は疾患の進行と相関する。Yu他の2009年のStructural characterization of a soluble amyloid beta-peptide oligomer(Biochemistry, 48(9):1870-1877)。可溶性アミロイドβオリゴマーは、学習及び記憶を遮断するニューロンのシナプスの変化を誘発することが実証されている。

[005] 比較的小さい可溶性Aβオリゴマーは、正常なシナプス可塑性にとって重要なシグナル伝達経路を幾つか妨害し、最終的に及びシナプスの消失が生じる。Selkoe他の2008年のSoluble oligomers of the amyloid beta-protein impair synaptic plasticity and behavior (Behav Brain Res 192(1): 106-113)。アルツハイマー病は、シナプス可塑性疾患として発病し、継続する。

[006] 可溶性Aβオリゴマーの存在は、前アルツハイマー病の脳における初期認知低下の原因になると考えられる。アミロイドベータオリゴマーはニューロンのシナプスに結合し、ニューロン及びグリアにはシグマ−2受容体が大量に存在することが知られている。

[007] AD治療法を開発するための1つの方法は、抗Aβモノクローナル抗体を生成することを含み、その幾つかは臨床開発の種々様々な相にある。例えばバピネウズマブ(AA−00;Janssen、Elan、Pfizer)、ソラネズマブ(LY2062430;Eli Lilly)、PE−04360365(Pfizer)、MABT5102A(Genentech)、GSK933776(GlaxoSmithKline)及びガンネルマブ(R1450、RO4909832、Hoffman-LaRoche)である。しかし、これまでにAD治療のために認可された静脈内アミロイドベータ特異的モノクローナル抗体はまだない。最近、静脈内バピネオズマブの開発が終了した。軽度から中等度のアルツハイマー病患者における2つの後期試験で、効力がなかったからである。しかし、ソラネズマブは第III相臨床試験の結果の2次的分析で、軽度のAD患者では認知低下に統計的に有意な遅れを示したが、中等度のAD患者では示さなかったことが最近報告された。この方法の1つの問題は、脳に十分な浸透性がないことに関係があるようである。

[008]アルツハイマー病(AD)治療のために現在FDAが認可している薬物は5つだけである。その4つはコリンエステラーゼ阻害剤、すなわちタクリンCOGNEX(登録商標)、Sciele)、ドネパジル(ARICEPT(登録商標)、Pfizer)、リバスチグミン(EXELON(登録商標)、Novartis)、及びガランタミン、(RAZADYNE (登録商標)、Ortho-McNeil-Janssen)である。ドネペジル、リバスチグミン、及びガランタミンは、肝毒性の可能性があるので滅多に配合されない第一世代の化合物タクリンの後継者であり、ADの全ステージで認知性及び機能の症状を改善するのにほぼ同等に効力がある。5番目に認可された薬物療法メマンチン(Namenda(登録商標);Forest)であり、これは親和性が低く、頻度依存性のN−メチル−D−アスパラギン酸グルタミン酸受容体拮抗物質であり、同様の利点があるが、重度のADに対する緩和のみである。これらの化合物の臨床効果は小さく一時的であり、現在入手可能なデータは疾患修飾剤としてのその使用を支援するには決定的でない。例えばKerchner他の2010年のBapineuzumab(Expert Opin Biol Ther., 10(7):1121-1130)を参照されたい。ADを処置する代替アプローチが必要であることは明白である。

[009] 本発明は、一部は、シグマ−2受容体拮抗物質が、特定の要件を満たすと可溶性Aβオリゴマーの有害作用阻害するという広範な知見に基づいている。幾つかの実施形態では、シグマ−2受容体拮抗物質及び組成物を使用して、被験者シナプス機能不全を処置又は予防する。

概要

本発明は、Aベータの病理に関連する神経変性疾患及び障害を処置することを目的とする。 本発明は、ニューロン細胞中でAベータ関連シナプス消失又はシナプス不全を阻害し、ニューロン細胞中でAベータ関連膜輸送変化を調節し、Aベータの病理に関連する認知低下を治療する方法における、シグマ−2受容体拮抗物質、及びそのような化合物を含む薬学的組成物の使用、シグマ−2受容体との結合能力に基づいて、認知低下を阻害する際の活性で化合物をスクリーニングする方法を提供する。 B

目的

幾つかの実施形態では、アルツハイマー病の早期ステージを処置するために、治療的に有効な量のシグマ−2機能性拮抗物質を投与することを含む方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

ニューロン細胞に対するアミロイドベータの効果を阻害する方法/使用であって、前記細胞中のアミロイドベータオリゴマー結合を阻害するために有効な量の選択的シグマ−2受容体拮抗物質化合物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む有効量の組成物投与することを含む方法/使用。

請求項2

前記化合物が以下の式で表されるものではない、請求項1に記載の方法/使用:〔式中、R、R1、及びR2はそれぞれ独立にC1−6アルキルアルコキシハロハロアルキル、又はハロアルコキシであり、n=0〜8である。〕。

請求項3

前記化合物が、前記細胞膜輸送欠損を阻害するのにも有効な量で投与され、前記膜輸送効果が、可溶性アミロイドベータオリゴマーへの前記細胞の曝露に関連する、請求項1又は2に記載の方法/使用。

請求項4

前記化合物が、前記細胞中の可溶性アミロイドベータオリゴマーに対する前記細胞の曝露に関連する前記オリゴマー結合及びシナプス消失の両方を阻害するのに有効な量である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法/利用。

請求項5

前記化合物が、可溶性アミロイドベータオリゴマー媒介性認知効果を阻害するのに有効な量で投与される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法/使用。

請求項6

前記認知効果が、認知低下動物モデル試験される認知低下である、請求項5に記載の方法/使用。

請求項7

前記認知低下が、恐怖条件付けアッセイで試験される学習の低下である、請求項6に記載の方法/使用。

請求項8

前記認知低下が、モリス水迷路試験で試験される空間学習及び記憶の低下である、請求項6に記載の方法/使用。

請求項9

前記認知低下が、アルツハイマー病遺伝子組み換え動物モデルで試験される海馬系の空間学習及び記憶の低下である、請求項6に記載の方法/使用。

請求項10

前記化合物が以下の式VIIIqの化合物又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法/使用:〔式中、R1及びR2は、H、OH、ハロ、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、C1−6ハロアルキル、(R16)(R17)N−C1−4アルキレン−O−からそれぞれ独立に選択されるか、又はR1及びR2が相互に連結されて−O−C1−2メチレン−O−基を形成し、ここで、R16及びR17はそれぞれ独立にC1−4アルキル又はベンジルであるか、又はR16及びR17が窒素とともに下式から選択される環を形成し、式中、XがN又はOであり、R18がH又は非置換フェニルであり、ここで、R1及びR2の少なくとも1つがHではなく、R3は下式から選択され、式中、R6、R7、R8、R9、及びR10は、H、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキル、及びS(O)2−C1−6アルキルからそれぞれ独立に選択され、R20はHであり、nは1〜4であり、R4はC1−6アルキルであり、R4’はH又はC1−6アルキルであり、R5は、H、C1−6アルキル、及びC(O)O(C1−4アルキル)、C(O)(C1−4アルキル)、又はC(O)(C1−4ハロアルキル)であるか、又は、R3及びR5は一緒に窒素とともに下式から選択される環を形成し、式中、R11及びR12はH、ハロ、及びC1−6ハロアルキルからそれぞれ独立に選択され、YはCH又はNであり、R13は、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、非置換フェニル若しくはC1−6ハロアルキルで置換したフェニル、又は非置換ベンジルであり、R14及びR15はH及びハロからそれぞれ独立に選択され、R19はHである。〕、(但し、以下の化合物のラセミ混合物を除く:)。

請求項11

前記化合物が以下の化合物群から選択される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法/使用:。

請求項12

前記化合物が下式:から選択される、請求項11に記載の方法/使用。

請求項13

前記化合物が式VIIIoの化合物又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項2に記載の方法/使用:〔式中、は、単結合又は二重結合であり、R1はC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、非置換ベンジル又はハロ、C1−6アルキル、若しくはC1−6ハロアルキルで置換したベンジルであり、R2はHであるか、又はR1及びR2が窒素とともに以下の環を形成し、式中、XはCH、N、又はOであり、R4は存在しないか、又はH、C1−6アルキル、又は非置換フェニル又はハロ、C1−6アルキル、若しくはC1−6ハロアルキルで置換したフェニルであり、R3はC1−4アルキル、C1−6ハロアルコキシ又はハロ〕、(但し、以下の化合物のラセミ混合物を除く:)。

請求項14

前記化合物が以下の化合物群から選択される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項13に記載の方法/使用:。

請求項15

前記化合物が抗体、又はその活性結合フラグメントから選択され、ここで、前記抗体又はフラグメントがシグマ−2受容体に特異的である、請求項1に記載の方法/利用。

請求項16

前記抗体又はフラグメントが、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:9、又は配列番号:10のうち1つ又は複数に存在する抗原エピトープに対して特異的である、請求項15に記載の方法/利用。

請求項17

ニューロン細胞のアミロイドベータオリゴマー誘発のシナプス不全を阻害するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法/使用であって、前記細胞中でアミロイドベータオリゴマー結合を阻害するのに有効な量で、シグマ−2受容体拮抗物質化合物を含む前記組成物に前記細胞を接触させることを含み、前記不全が、前記細胞を可溶性アミロイドベータオリゴマーに曝露することに関連する、方法/使用。

請求項18

対象の長期残留記憶の抑制を阻害するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法/使用であって、それを必要とする前記対象に、シグマ−2受容体拮抗物質化合物を含む前記組成物を治療有効量投与することを含む、方法/使用。

請求項19

認知低下を呈するか、又はそれを呈するリスクがある対象の認知低下を阻害するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法/使用であって、シグマ−2受容体拮抗物質化合物を含む前記組成物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法/使用。

請求項20

中枢ニューロンに対するアミロイドベータオリゴマーの効果に関連する対象の認知低下を阻害するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法/使用であって、シグマ−2受容体拮抗物質化合物を含む前記組成物の治療有効量を、前記認知低下に悩む対象に投与することを含む、方法/使用。

請求項21

必要とする対象のアルツハイマー病の軽度の認知障害処置するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法/使用であって、シグマ−2受容体拮抗物質化合物を含む前記組成物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法/使用。

請求項22

シグマ−2拮抗物質化合物が以下の追加的特性のうち1つ又は複数を有する、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法/使用:、(a)1つ又は複数の非シグマCNS受容体と比較して、少なくとも10倍大きい、少なくとも20倍大きい、少なくとも50倍大きい、又は少なくとも100倍大きい親和性でシグマ−2受容体と選択的に結合し、前記化合物が200nM未満、150nM未満、100nM未満又は60nM未満のKiでシグマ−2受容体と結合する、(b)ニューロン細胞中のAベータオリゴマー結合又はシナプス消失を阻害し、前記消失がAベータオリゴマーに対する前記細胞の曝露に関連する、(c)中枢ニューロンにおける膜輸送異常を阻害し、前記異常が1つ又は複数のAベータオリゴマーに対する前記細胞の曝露に関連する、(d)アミロイドベータオリゴマーが存在しない状態で、中枢ニューロン中の輸送又はシナプス数に影響しない。

請求項23

選択的で高親和性のシグマ−2拮抗物質化合物を識別する方法/使用であって、1つ又は複数の非シグマCNS受容体と比較して、少なくとも10倍大きい、少なくとも20倍大きい、少なくとも50倍大きい、又は少なくとも100倍大きい親和性でシグマ−2受容体と選択的に結合する能力に基づき、試験用の化合物を選択する工程であって、ここで、前記化合物は200nM、150nM、100nM又は60nM未満のKiでシグマ−2受容体と結合する、工程と、ニューロン細胞を前記化合物に接触させる工程と、前記化合物が以下の追加の特性のうち1つ又は複数を有するか否かを判定する工程と、を含む方法/使用:(a)中枢ニューロン中でアミロイドベータオリゴマー結合又はシナプス消失を阻害し、前記消失がアミロイドベータオリゴマーに対する前記ニューロンの曝露に関連し;(b)1つ又は複数のアミロイドベータオリゴマーに対する前記細胞の曝露に関連する、中枢ニューロンの膜輸送異常を阻害し;及び(c)アミロイドベータオリゴマーが存在しない状態で、輸送又はシナプス数に影響しない。

請求項24

ニューロン細胞に対するアミロイドベータの効果を阻害する組成物であって、前記細胞中でアミロイドベータオリゴマー結合を阻害するのに有効な量の選択的シグマ−2受容体拮抗物質化合物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、組成物。

請求項25

シグマ−2受容体拮抗物質を含み、前記化合物が以下の式で表されるものではない、請求項24に記載の組成物:〔式中、R、R1、及びR2はそれぞれ独立にC1−6アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、又はハロアルコキシであり、n=0〜8である。〕。

請求項26

前記化合物が式VIIIqの化合物又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項24又は25に記載の組成物:〔式中、R1及びR2は、H、OH、ハロ、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、C1−6ハロアルキル、(R16)(R17)N−C1−4アルキレン−O−からそれぞれ独立に選択されるか、又はR1及びR2が相互に連結されて−O−C1−2メチレン−O−基を形成し、R16及びR17はそれぞれ独立にC1−4アルキル又はベンジルであるか、又はR16及びR17が窒素とともに下式から選択される環を形成し、式中、XはN又はOであり、R18はH又は非置換フェニルであり、ここで、R1及びR2のうち少なくとも一方はHではなく、R3は下式から選択され、式中、R6、R7、R8、R9、及びR10は、H、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキル、及びS(O)2−C1−6アルキルから別個に選択され、R20はHであり、nは1〜4であり、R4はC1−6アルキルであり、R4’はH又はC1−6アルキルであり、R5は、H、C1−6アルキル、及びC(O)O(C1−4アルキル)、C(O)(C1−4アルキル)、又はC(O)(C1−4ハロアルキル)であるか、又は、R3及びR5は窒素とともに下式から選択される環を形成し、式中、R11及びR12はH、ハロ、及びC1−6ハロアルキルからそれぞれ独立に選択され、YはCH又はNであり、R13は、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、非置換フェニル又はC1−6ハロアルキルで置換したフェニル、又は非置換ベンジルであり、R14及びR15はH及びハロからそれぞれ独立に選択され、R19はHである。〕、(但し、以下の化合物のラセミ混合物を除く:)。

請求項27

前記化合物が以下の化合物群から選択される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項24〜26のいずれか1項に記載の組成物:。

請求項28

前記化合物が下式:から選択される、請求項27に記載の組成物。

請求項29

前記化合物が式VIIIoの化合物又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項24又は25に記載の組成物:〔式中、は、単結合又は二重結合であり、R1はC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、非置換ベンジル、又はハロ、C1−6アルキル、若しくはC1−6ハロアルキルで置換したベンジルであり、R2はHであるか、又はR1及びR2が窒素とともに以下の環:を形成し、ここで、XがCH、N、又はOであり、R4は存在しないか、又はH、C1−6アルキル、又は非置換フェニル、又はハロ、C1−6アルキル、若しくはC1−6ハロアルキルで置換したフェニルであり、R3がC1−4アルキル、C1−6ハロアルコキシ、又はハロである。〕(但し、以下の化合物のラセミ混合物は除く:)。

請求項30

前記化合物が以下の化合物群から選択される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項29に記載の組成物:。

請求項31

前記化合物が抗体、又はその活性結合フラグメントから選択され、ここで、前記抗体又はフラグメントがシグマ−2受容体に特異的である、請求項24に記載の組成物。

請求項32

前記抗体又はフラグメントが、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:9、又は配列番号:10のうち1つ又は複数に存在する抗原のエピトープに対して特異的である、請求項31に記載の組成物。

背景技術

0001

[001] 本出願は、米国国有企業で米国以外の国全部で指名される出願人であるCognition Therapeutics, Inc.、及び米国のみで指名される出願人である米国国民のSusan M. Catalano、Gilbert Rishton及びNicholas J. Izzo, Jr.の名前PCT国際特許出願として2012年8月27日に出願され、2011年8月25日出願の米国仮特許出願第61/527,584号及び2011年8月26日出願の米国仮特許出願第61/527,963号に対する優先権を主張し、その出願は全体が参照により本明細書に組み込まれている。

0002

[002]アミロイドベータ過剰産生及び蓄積アルツハイマー病病理的特徴である。ヒトアミロイドベータ(Aベータ)は、アルツハイマー病患者の脳に見られる不溶性アミロイドプラーク沈着物の主成分である。プラークはAベータの原繊維集合体で構成される。アミロイドベータ原繊維は、アルツハイマー病の進行ステージと関連付けられている。

0003

[003]初期アルツハイマー病(AD)の認知特徴は、新しい記憶を形成する能力が著しく欠けていることである。初期の記憶消失は、可溶性Aβオリゴマーにより引き起こされたシナプス障害と考えられている。これらのオリゴマーは、シナプス可塑性の古典的な実験パラダイムである長期残留記憶作用遮断し、ADの脳組織及び遺伝子組み換えADモデルで驚異的に上昇する。初期の記憶消失はニューロン死以前のシナプス障害が原因であり、シナプス障害は原細胞ではなく可溶性Aβオリゴマーの作用に由来すると仮定されてきた。Lacor他のSynaptic targeting by Alzheimer's-related amyloid β oligomers(J. Neurosci. 2004, 24(45):10191-10200)。

0004

[004] Aベータは、ニューロンのシナプスへの集中が見られる膜内在性タンパク質であるアミロイド前駆体タンパク質APP)の開裂生成物である。アルツハイマー患者の脳及び組織には可溶性形のAベータが存在し、その存在は疾患の進行と相関する。Yu他の2009年のStructural characterization of a soluble amyloid beta-peptide oligomer(Biochemistry, 48(9):1870-1877)。可溶性アミロイドβオリゴマーは、学習及び記憶を遮断するニューロンのシナプスの変化を誘発することが実証されている。

0005

[005] 比較的小さい可溶性Aβオリゴマーは、正常なシナプス可塑性にとって重要なシグナル伝達経路を幾つか妨害し、最終的に及びシナプスの消失が生じる。Selkoe他の2008年のSoluble oligomers of the amyloid beta-protein impair synaptic plasticity and behavior (Behav Brain Res 192(1): 106-113)。アルツハイマー病は、シナプス可塑性疾患として発病し、継続する。

0006

[006] 可溶性Aβオリゴマーの存在は、前アルツハイマー病の脳における初期認知低下の原因になると考えられる。アミロイドベータオリゴマーはニューロンのシナプスに結合し、ニューロン及びグリアにはシグマ−2受容体が大量に存在することが知られている。

0007

[007] AD治療法を開発するための1つの方法は、抗Aβモノクローナル抗体を生成することを含み、その幾つかは臨床開発の種々様々な相にある。例えばバピネウズマブ(AA−00;Janssen、Elan、Pfizer)、ソラネズマブ(LY2062430;Eli Lilly)、PE−04360365(Pfizer)、MABT5102A(Genentech)、GSK933776(GlaxoSmithKline)及びガンネルマブ(R1450、RO4909832、Hoffman-LaRoche)である。しかし、これまでにAD治療のために認可された静脈内アミロイドベータ特異的モノクローナル抗体はまだない。最近、静脈内バピネオズマブの開発が終了した。軽度から中等度のアルツハイマー病患者における2つの後期試験で、効力がなかったからである。しかし、ソラネズマブは第III相臨床試験の結果の2次的分析で、軽度のAD患者では認知低下に統計的に有意な遅れを示したが、中等度のAD患者では示さなかったことが最近報告された。この方法の1つの問題は、脳に十分な浸透性がないことに関係があるようである。

0008

[008]アルツハイマー病(AD)治療のために現在FDAが認可している薬物は5つだけである。その4つはコリンエステラーゼ阻害剤、すなわちタクリンCOGNEX(登録商標)、Sciele)、ドネパジル(ARICEPT(登録商標)、Pfizer)、リバスチグミン(EXELON(登録商標)、Novartis)、及びガランタミン、(RAZADYNE (登録商標)、Ortho-McNeil-Janssen)である。ドネペジル、リバスチグミン、及びガランタミンは、肝毒性の可能性があるので滅多に配合されない第一世代の化合物タクリンの後継者であり、ADの全ステージで認知性及び機能の症状を改善するのにほぼ同等に効力がある。5番目に認可された薬物療法メマンチン(Namenda(登録商標);Forest)であり、これは親和性が低く、頻度依存性のN−メチル−D−アスパラギン酸グルタミン酸受容体拮抗物質であり、同様の利点があるが、重度のADに対する緩和のみである。これらの化合物の臨床効果は小さく一時的であり、現在入手可能なデータは疾患修飾剤としてのその使用を支援するには決定的でない。例えばKerchner他の2010年のBapineuzumab(Expert Opin Biol Ther., 10(7):1121-1130)を参照されたい。ADを処置する代替アプローチが必要であることは明白である。

0009

[009] 本発明は、一部は、シグマ−2受容体拮抗物質が、特定の要件を満たすと可溶性Aβオリゴマーの有害作用阻害するという広範な知見に基づいている。幾つかの実施形態では、シグマ−2受容体拮抗物質及び組成物を使用して、被験者シナプス機能不全を処置又は予防する。

技術分野

0010

[010] 本発明は、ニューロン細胞のアミロイドベータ(Aβ)関連シナプス消失及びシナプス不全を阻害する方法における、選択的シグマ−2受容体拮抗物質化合物、及びそれを含む医薬組成物の使用に関する。幾つかの実施形態では、組成物は、ニューロン細胞のAβ関連膜輸送変化を修飾し、それを必要とする患者のAβ病理に関連する認知低下を治療するのに有用である。幾つかの実施形態では、化合物及び組成物は、Aベータの病理に関連する神経変性疾患及び障害を治療するのに使用される。本発明はまた、シグマ−2受容体で拮抗物質に結合し、拮抗物質として作用する能力に基づき、認知低下を阻害する活性について化合物をスクリーニングする方法に関し、さらに第一に、化合物がAβ誘発膜輸送欠損を遮断し、Aβ誘発シナプス消失を遮断するが、Aβオリゴマーが存在しない状態で輸送又はシナプス数に影響しないか又は影響するかの何れかに基づいて、このようなスクリーニング法を改良する方法にも関する。シグマ−2受容体拮抗物質化合物は、シグマ−2受容体に対して選択的である小分子、又は抗体又はそのフラグメントから選択される。

発明が解決しようとする課題

0011

[011] 本発明は、一部は、以下で規定するように、シグマ−2拮抗物質、好ましくは他の態様の特殊な治療表現型も呈するシグマ−2受容体拮抗物質は、ニューロン細胞中の可溶性アミロイドベータ(「Aベータ」又は「Aβ」)ペプチド及びオリゴマー及びその他の可溶種の阻害に参加して、その有害な効果を阻害し、その結果、アルツハイマー病などのAベータが誘発する病理に関連する疾患及び障害などの状態を処置するために使用できるという広範な知見に基づく。可溶性Aベータオリゴマーは、可逆性病理リガンドと同様に挙動するが、これは特定の受容体に結合して、正常なシナプスの可塑性にとって重大なシグナル伝達経路を妨害し、最終的に棘及びシナプスが消失する。シグマ−2受容体に結合し、機能的ニューロン拮抗物質として挙動する化合物は、Aベータオリゴマーとの薬理競合を呈することが発見された。したがって、本明細書で説明するようなシグマ−2拮抗物質化合物は、Aベータオリゴマーが誘発する細胞毒性のようなAベータオリゴマーの効果を低減又は防止することができる。除外されるのは、シグマ−2受容体拮抗物質であることが知られていなかった、及び(i)シグマ−2受容体に結合し、ニューロン細胞中の膜輸送の欠陥又はシナプス減少などのAベータ誘発病理を軽減又は解消することが知られているか、又は(ii)シグマ−2受容体の相互作用と関係なくアルツハイマー病の症状に対する活性を有することが知られている先行技術の特定の化合物である。本発明は、Aベータオリゴマー又は他の可溶性Aベータ種がニューロン細胞に及ぼす効果、及びさらに一般的にはアミロイドベータの病理を阻害し、細胞を本発明によるシグマ−2拮抗物質に接触させることを含む方法も包含する。幾つかの実施形態では、アルツハイマー病の早期ステージを処置するために、治療的に有効な量のシグマ−2機能性拮抗物質を投与することを含む方法を提供する。

課題を解決するための手段

0012

[012] 幾つかの実施形態では、本発明のシグマ−2拮抗物質はシグマ−2受容体と結合し、Aβオリゴマーのニューロン、特にシナプスへの結合を阻害する。幾つかの実施形態では、シグマ−2拮抗物質は、ニューロン及び特にシナプスとのAβオリゴマーの結合と競合するか、又はAβオリゴマーの形成を妨害するか、Aβオリゴマーへの結合を妨害するか、又は場合によってはAβオリゴマーがニューロンへのその結合に伴うシグナル伝達機構を作動させる能力を妨害することによってなどの他の方法でAβオリゴマーがニューロンに結合する能力を破壊する。特定の実施形態では、シグマ−2拮抗物質はこのように、特に、膜輸送障害、シナプス不全、動物の記憶及び学習欠損、シナプス数の減少、樹状突起棘の長さ又は棘の形態の変化、又は長期残留記憶(LTP)の欠陥など、Aβの非致死性病理効果(「Aβの非致死的病理」又は「アミロイドベータの非致死的病理」)を阻害する。すなわち、本発明の発明者の観察では、本明細書で例証しているような他のアッセイで活性である本発明のシグマ−2拮抗物質は、ニューロンを正常状態回復させるか、又はAβオリゴマー誘発のシナプス不全を妨害する能力を有する。理論に拘束されることなく、本発明のシグマ−2拮抗物質は、Aβオリゴマー構造、ニューロンに結合したAβオリゴマー、又はAβオリゴマーに誘発された分子シグナル伝達機構のうち1つ又は複数を妨害し、これはAβオリゴマーの非致死的効果を相殺し、可溶性Aβオリゴマー関連の病理の早期ステージを処置するのに役立つ。

0013

[013] 一実施形態では、本発明のシグマ−2拮抗物質は機能的ニューロン拮抗物質であり、ニューロン細胞のシナプス消失を阻害する方法に使用され、消失は、1つ又は複数のAベータオリゴマー又は他のAベータ複合体、又はさらに一般的にはモノマー又はオリゴマー又は他の可溶性複合体形態のAベータペプチドなどのAベータ種に細胞が曝露することに関連し(以下で規定するように)、この方法は、上記消失を回避又は減少させるか、又は上記細胞のシナプス数を曝露前のレベルに完全に回復させるのに有効な量の1つ又は複数のシグマ−2拮抗物質の量に上記細胞を接触させることを含む。

0014

[014] 別の実施形態では、本発明のシグマ−2拮抗物質は、ニューロン細胞の膜輸送変化を調節する方法に使用され、上記変化は1つ又は複数のAベータ種に対する上記細胞の曝露に関係し、上記方法は、上記膜輸送変化を回避又は減少させるか、又は上記Aベータ種に上記細胞が曝露する前に観察されたレベルに、又はそのレベル付近に維持するのに有効な量の1つ又は複数のシグマ−2拮抗物質の量に上記細胞を接触させることを含む。

0015

[015] 別の実施形態では、本発明のシグマ−2拮抗物質は本発明のシグマ−2拮抗物質の1つ又は複数を被験者に投与することを含む、認知低下を処置する方法に使用される。

0016

[016] さらに別の実施形態では、本発明のシグマ−2拮抗物質は認知低下又は神経変性障害又はシナプスの機能及び/又は数の欠陥を処置するために、本発明のシグマ−2拮抗物質の1つ又は複数を被験者に投与することを含む方法に使用される機能的ニューロンシグマ−2拮抗物質である。

0017

[017] 本発明はまた、認知低下を阻害するか、又は神経変性疾患を治療する化合物をスクリーニングする方法も提供し、該方法は、CNS受容体の他の非シグマクラスより優先的にシグマ−2受容体に結合する能力に基づき、試験のために1つ又は複数の化合物を選択することを含む。シグマ−2拮抗物質は、シグマ−1受容体に結合することもあり、しないこともある。

0018

[018] 幾つかの実施形態では、本開示は、ニューロン細胞のアミロイドベータオリゴマー誘発のシナプス不全を阻害し、Aベータオリゴマーに対するニューロンの曝露によって引き起こされる海馬の長期残留記憶の抑制を阻害し、シグマ−2受容体拮抗物質を含む組成物及び方法を提供する。

0019

[019] 本発明は認知低下を阻害するか、又は神経変性疾患を処置する化合物を識別する方法を提供し、上記方法は、
シグマ−2受容体に結合する化合物に細胞を接触させることと、上記化合物が以下の追加的特性、すなわち、
(a)中枢ニューロンのシナプス消失を阻害することで、上記消失はAベータオリゴマーに対するニューロンの曝露に関連する、
(b)中枢ニューロンの膜輸送異常を阻害することで、異常は1つ又は複数のAベータオリゴマーに対する上記細胞の曝露に関連する、
(c)アルツハイマー病の動物モデルのAベータオリゴマーで仲介される認知効果を阻害すること、又は
(d)アルツハイマー病の動物モデルの海馬主体空間学習及び記憶低下を阻害することのうち少なくとも1つを有するか否かを判定することとを含む。

0020

[020] 幾つかの実施形態では、認知低下を阻害するか、又は神経変性疾患を治療する能力について選択的シグマ−2拮抗物質化合物をスクリーニングする挙動効力を予測するインビトロアッセイプラットホーム方法が開示され、該方法は、シグマ−2受容体で拮抗物質と結合し、拮抗物質として作用する化合物に細胞を接触させることを含み、上記化合物は、以下の特性のそれぞれを有する。すなわち、
(a)中枢ニューロンのシナプス消失を阻害し、上記消失はニューロンがAベータオリゴマーに曝露することに関連し、
(b)中枢ニューロンの膜輸送異常を阻害し、異常は上記細胞が1つ又は複数のAベータオリゴマーに曝露することに関連し、さらに、
(c)Aベータオリゴマーが存在しない状態で輸送又はシナプス数に影響しない。

0021

[021] 本発明はまた、認知低下を阻害するか、又は神経変性疾患を治療する化合物を識別する方法も提供する。幾つかの実施形態では、上記方法はシグマ−2受容体に結合する化合物に細胞を接触させることを含む。幾つかの実施形態では、上記方法は、シグマ−2受容体に結合する追加の化合物を識別することも含む。幾つかの実施形態では、シグマ−2受容体に結合する化合物を識別する方法は、既知のシグマ−2リガンドの存在下で試験化合物がシグマ−2受容体に接触する競合的結合アッセイを含み、既知のリガンドの結合を競合的に阻害する試験化合物は、シグマ−2受容体リガンドとして識別される。このような方法は、動物モデルを使用して実施することができ、これは任意の動物モデルとすることができるが、齧歯類モデルであることが好ましい。任意の適切な結合アッセイを使用して、化合物がシグマ−2受容体に結合するか否か(又は化合物が結合することが既に判定できているか、又は知られているかも)判定することができる。

図面の簡単な説明

0022

[022]図1Aは、細胞内小胞が、膜輸送アッセイにおけるカーゴテトラゾリウム塩色素の取り込み及び化学還元の結果であるホルマザンを含有する状態で、インビトロで21日間維持された海馬及び皮質の1次培養物を示す顕微鏡写真である。
[023]図1Bは、ホルマザンの開口分泌後にニューロン及びグリアの細胞膜の外側に細胞外ホルマザン結晶が形成された状態で、姉妹培養物を示す顕微鏡写真であり、細胞が膜輸送アッセイでAベータオリゴマーに曝露している。この図は、ヒトAベータ1−42オリゴマーがカーゴ色素産物ホルマザンの表現型(細胞内小胞対細胞外結晶)を変化させ、したがって細胞膜輸送欠損を引き起こすことを示す。
[024]図1Cは、細胞内小胞を示す顕微鏡写真であり、細胞がAベータオリゴマーと、化合物(cpd)II、すなわち本発明による選択的で高親和性のシグマ−2拮抗物質化合物との両方に曝露している。この図は、化合物IIがAベータオリゴマーによって生じた膜輸送欠損を遮断することができ、膜輸送表現型を正常に回復することを示す。
[025]図1Dは、膜輸送アッセイの数量化を示し、y軸は、カーゴテトラゾリウム塩色素の投与後所定の時点における細胞内小胞に含有されるホルマザン産物のビヒクル処置値で正規化した量を表す。赤い円はAベータオリゴマーで処置した培養物を表し、青い四角ビヒクルで処置した対照培養物を表し、黒又はグレーの四角は、Aベータオリゴマーの前に化合物を添加(予防)した場合に、様々な濃度のcpdII+Aベータ、及びcpdIXa、IXb+Aベータで処置した培養物からの値を表す。横座標には化合物の濃度ログが使用されている。この図は、化合物が膜輸送に対するAベータオリゴマーの効果を用量依存的に阻害することを示す。
[026]図1Eは、図1Dと同じタイプのプロットであるが、Aベータオリゴマーの後に化合物を添加(処置)した場合の膜輸送アッセイの用量反応曲線を示す。横座標には化合物の濃度ログが使用されている。この図は、化合物が膜輸送に対するAベータオリゴマーの効果を用量依存的に阻害することを示す。
[027]図1Fは、様々な濃度の合成Aベータオリゴマーのみ(EC50 820nM)、及び様々な濃度の化合物II、及びその結果の小胞が各濃度で(%ビヒクルとして)存在する状態で、図1Dと同じタイプのプロットでの膜輸送アッセイを示す。化合物IIの濃度上昇が存在することにより、EC50の右方シフトシルド傾斜=−0.75)を呈した。この図は、cpdIIが膜輸送を媒介する分子標的アクセスするためにオリゴマーと薬理学的に競合し、したがって化合物IIの存在により合成Aベータオリゴマーのシナプス毒性が低下したことを実証している。
[028]図1Gは、様々な濃度の合成Aベータオリゴマーのみ、及び様々な濃度の化合物混合IXa、IXb、及びその結果の小胞が各濃度で(%ビヒクルとして)存在する状態で、図1Dと同じタイプのプロットでの膜輸送アッセイを示す。化合物混合IXa、IXbの濃度上昇が存在することにより、EC50の右方シフト(シルド傾斜=−0.51)を呈した。この図は、cpd混合IXa、IXbが膜輸送を媒介する分子標的にアクセスするためにオリゴマーと薬理学的に競合し、したがって化合物混合IXa、IXbの存在により合成Aベータオリゴマーのシナプス毒性が低下したことを実証している。
[029]図1Hは、ヒトアルツハイマー患者由来の様々な濃度の合成Aベータオリゴマーのみ、及び様々な濃度の化合物II、及びその結果の小胞が各濃度で(%ビヒクルとして)存在する状態で、図1Dと同じタイプのプロットでの膜輸送アッセイを示す。化合物IIの濃度上昇が存在することにより、EC50の右方シフトを呈した。この図は、cpdIIが膜輸送を媒介する分子標的にアクセスするためにオリゴマーと薬理学的に競合し、したがって化合物IIの存在によりヒトアルツハイマー病関連のAベータオリゴマーのシナプス毒性が低下したことを実証している。
[030]図1Iは、ヒトアルツハイマー患者由来の様々な濃度の合成Aベータオリゴマーのみ、及び様々な濃度の化合物混合IXa、IXB、及びその結果の小胞が各濃度で(%ビヒクルとして)存在する状態で、図1Dと同じタイプのプロットでの膜輸送アッセイを示す。化合物混合IXa、IXbの濃度上昇が存在することにより、EC50の右方シフトを呈した。この図は、cpd混合IXa、IXbが膜輸送を媒介する分子標的にアクセスするためにオリゴマーと薬理学的に競合し、したがって化合物混合IXa、IXbの存在によりヒトアルツハイマー病関連のAベータオリゴマーのシナプス毒性が低下したことを実証している。
[031]図1Jは、様々な濃度の合成Aベータオリゴマーのみ、及び様々な濃度の化合物CF、及びその結果の小胞が各濃度で(%ビヒクルとして)存在する状態で、図1Dと同じタイプのプロットでの膜輸送アッセイを示す。化合物CFの濃度上昇が存在することにより、EC50の右方シフトを呈した。この図は、cpdCFが膜輸送を媒介する分子標的にアクセスするためにオリゴマーと薬理学的に競合し、したがって化合物CFの存在により合成Aベータオリゴマーのシナプス毒性が低下したことを実証している。
[032]図1Kは、様々な濃度の合成Aベータオリゴマーのみ、及び様々な濃度の化合物W、及びその結果の小胞が各濃度で(%ビヒクルとして)存在する状態で、図1Dと同じタイプのプロットでの膜輸送アッセイを示す。化合物Wの濃度上昇が存在することにより、EC50の右方シフトを呈した。この図は、cpdWが膜輸送を媒介する分子標的にアクセスするためにオリゴマーと薬理学的に競合し、したがって化合物Wの存在により合成Aベータオリゴマーのシナプス毒性が低下したことを実証している。
[033]図1Lは、アルツハイマー病患者から単離したAベータオリゴマーを使用した膜輸送アッセイの結果を示す。化合物CF(20マイクロモル濃度)は、膜輸送を媒介する分子標的にアクセスするためにAD患者から分離したAベータオリゴマーとの薬理学的競合を呈し、したがって化合物CFの存在によりヒトアルツハイマー病関連のAベータオリゴマーのシナプス毒性が低下した。
[034]図1Mは、(i)ビヒクルのみ(1番目の棒)、(ii)ヒトアルツハイマー病患者の脳からのAベータオリゴマーの製剤(2番目の棒で、1番目の棒と比較して有意に減少している)、(ii)本明細書で開示した通りの化合物II+Aベータオリゴマー(3番目の棒、2番目の棒より有意に高い)、及び(iv)Aベータオリゴマーがない化合物II(4番目の棒、1番目の棒と有意な差がない)がある状態で識別(及び数量化)されたニューロンのホルマザン充填小胞百分率で示した輸送アッセイ結果棒グラフである。この図は、ヒトアルツハイマー病関連のAベータオリゴマーにより生じた膜輸送欠損を遮断し、膜輸送表現型を正常に回復させるが、Aベータオリゴマーが存在しない状態で単独で投与された場合に膜輸送に影響しないことを実証する。
[035]図1Nは、図Jと同一タイプであるが、年齢相応組織学的に正常なヒトの脳から単離したAベータオリゴマー製剤を使用して生成したデータを示す棒グラフである。この図は、正常なヒトの脳に由来するAベータオリゴマーは膜輸送に重大な影響を与えず、cpdIIはこのようなオリゴマーの有無にかかわらず膜輸送にさらに影響しないことを実証する。
[036]図2Aは、化合物IIの皮下(白抜きの三角形)及び静脈内(iv)(白抜きの円)単回投与後血漿内で(左側の縦座標、ng/mL)、及び化合物IIのiv単回投与塗りつぶした円)後に脳内で(右側の縦座標、ng/g)化合物IIの濃度を得た薬物動態学的データのプロットである。化合物IIは初回通過代謝の対象であることが知られており、したがって皮下投薬した。それにもかかわらず化合物IIは急投薬後に高度に脳に浸透していた。この図は、cpdIIが急皮下投薬後に高度に脳に浸透することを実証している。
[037]図2Bは、化合物IIを1日1回5日間、異なる量で皮下投与(0.5mg/kg/日:下向きの塗りつぶした三角形;0.35mg/kg/日:上向きの塗りつぶした三角形;及び0.1mg/日は塗りつぶした四角形)後に血漿内で(左側の縦座標)、及び化合物IIを同じ量だけ皮下投与(それぞれ下向きの白抜きの三角形、上向きの白抜きの三角形、及び白抜きの四角形)後に脳内で(右側の縦座標)化合物IIの濃度を得た薬物動態学的データのプロットである。化合物IIは初回通過代謝の対象であることが知られており、したがって皮下投薬した。それにもかかわらず化合物IIは長期投薬後に高度に脳に浸透していた。この図は、cpdIIが慢性皮下投薬後に高度に脳に浸透することを実証している。
[038]図2Cは、化合物CB(10mg/kg/日)の単回急経口投与後に血漿内で(左側の縦座標、閉じた三角形)、及び単回急経口投与後に脳内で(右側の縦座標、白抜きの三角形)化合物CBの濃度を得た薬物動態学的データのプロットである。化合物CBは急経口投薬後に高度に脳に浸透し、血漿半減期が3.5時間で50%の生物学的利用能を呈した。この図は、cpdCBが急経口投薬後に高度に脳に浸透することを実証している。
[039]図2Dは、化合物CBを1日1回、10mg/kg/日(三角形)又は30mg/kg/日(逆三角形)の量で5日間慢性経口投薬した後、血漿内(左側の縦座標、閉じた三角形)、及び脳内(右側の縦座標、白抜きの三角形)で化合物CBの濃度を得た薬物動態学的データのプロットである。化合物CBは慢性経口投薬後に高度に脳に浸透し、1日1回の経口投与5日間まで3の脳/血漿比を呈した。この図は、cpdCBが慢性経口投薬後に高度に脳に浸透することを実証している。
[040]図3AパネルAは、化合物IXa、IXbが存在しない状態でAベータオリゴマーにインビトロで21日間曝露したままの1次海馬及び皮質培養物の蛍光顕微鏡写真であり、Aベータ(モノクローナル抗体6E10の免疫標識視覚化してある)は、シナプスにてニューロンシナプス後棘を含む細胞膜に結合している。 [041]図3A−パネルBは、負の対照(図示せず)と比較してAベータオリゴマーが存在した状態でシナプス(シナプトフィジン免疫標識で視覚化してある)の数が減少していることを示す、図3AのパネルAで見たものと同じ視野である。 [042]図3A−パネルCは、化合物IXa、IXbが存在しない状態でAベータオリゴマーにインビトロで21日間曝露したままの1次海馬及び皮質培養物の倍率下げた蛍光顕微鏡写真であり、Aベータ(モノクローナル抗体6E10の免疫標識で視覚化してある)は、シナプスにてニューロンシナプス後棘を含む細胞膜に結合している。 [043]図3A−パネルDは、化合物IXa、IXbが存在する状態でAベータオリゴマーにインビトロで21日間曝露したままの1次海馬及び皮質培養物の姉妹培養物を示し、ニューロンシナプス後棘を含む細胞膜に結合しているAベータの量が目に見えて減少している。
[044]図3B−パネルAは、化合物IXa、IXbが存在する状態でAベータオリゴマーにインビトロで21日間曝露したままの1次海馬及び皮質培養物の姉妹培養物の蛍光顕微鏡写真を示し、ニューロンシナプス後棘を含む細胞膜に結合しているAベータの量が目に見えて減少している。この図は、化合物IXz、IXbが存在することで、(i)ニューロンシナプス後棘を含む細胞膜に結合したAベータオリゴマーの量が大幅に減少したことを実証している。化合物IIの存在下で同様の保護が見られた(データは図示せず)。 [045]図3B−パネルBは、図3A−パネルBと比較して、シナプトフィジンの視覚化が向上した化合物IXa、IXbが存在した状態でシナプス(シナプトフィジン免疫標識で視覚化してある)の数が回復していることを示す、図3AのパネルCで見たものと同じ視野である。この図は、化合物混合IXa、IXbがAベータオリゴマーが誘発するシナプス消失を大幅に遮断することを実証している。化合物IIの存在下で同様の保護が見られた(データは図示せず)。
[046]図3Cは、図3AのパネルA〜Dで示したデータをシナプス消失アッセイ実験の棒グラフで数量化したものである。シナプス消失は認知機能と最も近い相関を提供する。シナプス消失アッセイでは、Aベータオリゴマーがインビトロでビヒクルに対して18.2%のシナプス消失を引き起こした。化合物II又は化合物混合IXa、IXbの存在は、このシナプス退縮を完全に解消した。Aベータオリゴマーがない状態でビヒクルのみに入れた化合物を投薬しても、効果が見られなかった。特に、蛍光顕微鏡写真のシナプトフィジンで免疫標識した区域の数、強度及び面積画像処理に基づく数量化によりシナプスのカウントを計算して、ビヒクルのみ(黒い第1の棒)、ビヒクル及び化合物IXa、IXb又はビヒクル及び化合物II(それぞれ第2及び第3の棒は、化合物がシナプスに与えた効果がないことを示す)、Aベータオリゴマー(第4の棒は第1の棒と比較してシナプスの数に有意な減少を示す)、及び化合物IXa、IXb又はIIの存在下でAベータオリゴマー(第5及び第6の棒)に曝露したニューロン中の負の対照(ビヒクル)のパーセントとして表す。この図は、化合物IXa、IXb及びIIが保護効果を呈し、Aベータオリゴマーが誘発するシナプス数の減少を阻止したことを実証している。
[047]図3Dは、Aベータのみをビヒクルに添加した場合(第1の棒グラフ)、及びAベータ及び化合物II又は化合物混合物IXa、IXbが同時に存在した状態で有意に減少した場合に、蛍光顕微鏡写真の6E10で免疫標識付けした領域の数及び強度及び面積の画像処理に基づく数量化によって計算したAベータ結合強度図3AのパネルA〜Dに示したデータを棒グラフで数量化したものである。この図は、化合物IXa、IXb及びIIが細胞膜に結合するAベータの量を低下させることを実証している。
[048]図4は、ビヒクルのみ(第1の棒)、ビヒクルとAベータオリゴマー(第2の棒)、化合物IIとAベータオリゴマー(第3の棒)、及び化合物IIのみ(第4の棒)を投与したマウスについて、ベースライン訓練時及び訓練後24時間に、及びビヒクルのみ(第1の棒)、ビヒクルとAベータオリゴマー(第2の有意に低下した棒)、化合物IIとAベータオリゴマー(第3の棒)、及び化合物IIのみを投与して24時間に測定した、インビボ恐怖条件付けアッセイにおいてすくみ反応百分率で測定した記憶能力の棒グラフである。Aベータオリゴマー(200ナノモル海馬内に単回注射)は、ビヒクル(N=18)と比較して、3〜4月齢オスのC57BL/6白マウス(N=16)の記憶形成に有意な欠損を生じさせた。化合物II(オリゴマーの1時間前に2マイクロモルを海馬内に単回注射)は、Aベータオリゴマーにより生じた記憶欠損(N=11)を除去した。化合物のみの効果はなく、挙動の副作用は観察されなかった。この図は、化合物IIはAベータオリゴマー誘発の記憶欠損を防止できる一方、単独で投与した場合に記憶能力に影響していないことを実証している。
[049]図5Aは、シグマ−2結合親和性(表2から)と輸送アッセイにおける効力(表5から)との相関関係グラフである。輸送アッセイで活性であった化合物のみが含まれ、シグマ1拮抗物質でもある化合物は除外された。
[050]図5Bは、図5Aの生成に使用したものと同じ化合物について、シグマ−2結合親和性(表2から)と輸送アッセイにおける効力(表5から)との同じ相関関係のグラフであるが、シグマ−2リガンドとシグマ−1拮抗物質との両方である化合物のデータ点も追加で含まれる(これらの外れ値のデータ点は、グラフの右手下の象限密集しており、相関係数の計算には使用されなかった)。
[051]図5Cは、シグマ−1結合親和性(表2から)と輸送アッセイにおけるEC50(表5から)との間に相関がないことを示すグラフであり、r2=0.06、P>0.05である。
[052]図5Dは、シグマ2結合親和性(表2から)と輸送アッセイにおけるAベータの最大阻害(表5から)との間に相関関係がないことを示すグラフである。全データ点が解析に含まれる。
[053]図6は、動物を(i)ビヒクルのみ(第1の棒)、(ii)Aベータオリゴマー(第2の棒、試験動物が新しい記憶を獲得する能力の大幅な低下を示す)、(iii)化合物IXa、IXbの混合物(第3の棒、Aベータオリゴマーに誘発される記憶欠損の完全な(及び統計学的に有意な)阻害を示す)、又は(iv)Aベータオリゴマーが存在しない状態で化合物IXaとIXbの混合物(第4の棒、記憶に効果がないことを示す)で処置した場合に、図4を引き起こしたものと同じ文脈的恐怖条件づけアッセイにて、すくみ反応で測定した記憶機能を示す、図4と同じタイプの棒グラフである。挙動に回避行動は認められなかった。この図は、化合物混合IXa、IXbが、Aベータオリゴマーに誘発される記憶欠損を防止することができるが、単独で投薬された場合には記憶機能に効果を与えないことを実証している。
[054]図7Aは、トレオイフェンプロジル(TIF)があるか、又はない状態でオリゴマー前に化合物IIを添加する予防モードで使用する1次海馬及び皮質培養物で実施した膜輸送アッセイを示す。トレオ−イフェンプロジル(TIF)は、他の受容体(s2が0.9nM、s1が59nM、NR2Bが222nM、K+chが88nMなど)に親和性があり、単独で投薬した場合はアポトーシスを引き起こさない、輸送に影響しないか、又はAベータオリゴマー誘発の輸送欠損を侵害しない(データは示さず)シグマ−2受容体リガンドであり(Monassier他、JPET, 322(1):341-350、2007)、したがって親和性が高いシグマ受容体結合は治療表現型を生成するのに十分ではない。この図は、TIFが、ニューロン中で予防フォーマットのII(及びIXa、IXb;図示せず)との薬理学的競合を呈することを実証し、シグマ受容体上のその結合部位が部分的に重なることを示す。これは、シグマリガンドによるニューロン中の機能競合を初めて実証したものであり、シグマ受容体がAベータオリゴマー誘発の膜輸送プロセスに関与していることを実証する。
[055]図7Bは、トレオ−イフェンプロジル(TIF)があるか、又はない状態でオリゴマー後に化合物IIを添加する治療モードで使用する1次海馬及び皮質培養物で実施した膜輸送アッセイを示す。この図は、トレオ−イフェンプロジル(TIF)がニューロン中で治療フォーマットの化合物II(及びIXa、IXb;図示せず)との薬理学的競合を呈することを実証し、シグマ受容体上のその結合部位が部分的に重なることを示す。
[056]図7Cは、治療モードで使用する1次海馬及び皮質培養物で実施した膜輸送アッセイを示す。データは、ビヒクル(白抜きの四角形)及びAベータオリゴマー(白抜きの円)の存在下で細胞内小胞に含有されるホルマザンの量を示す。膜輸送に対するAベータオリゴマーの効果は、化合物CF(閉じた四角形)の存在によって用量依存的に減衰される。TIFを添加すると、化合物CFによる最大阻害が有意に低下して、EC50値が右方向にシフトし、したがってTIFは治療フォーマット(Aベータ後に化合物添加)では化合物CFに結合した同じ受容体の拮抗物質として作用する。
[057]図7Dは、ビヒクル(白抜きの四角形)及びAベータオリゴマー(白抜きの円)が存在する状態での膜輸送データを示す。Aベータの効果は、化合物II(閉じた四角形)の存在によって用量依存的に減衰される。TIFを添加すると、化合物IIによる最大阻害が有意に低下して、EC50値がシフトする。したがって、TIFは治療フォーマットでは化合物IIとの薬理学的競合を呈する。
[058]図8Aは、(左側パネル)正常な患者、レビー小体型認知症(DLB)患者、又はアルツハイマー病(AD)患者のヒト前頭皮質組織切片における[3H]−(+)−ペンタゾシン(シグマ1受容体リガンド)のオートラジオグラフィ結合を示し、BS特異的結合、BNSは非特異的結合であり、(右側パネルは)対照(正常)、DLB、又はAD患者のオートラジオグラフィ実験の[3H]ペンタゾシンの平均的な特異的結合のグラフを示す。シグマ1受容体は、ADに見られるニューロン消失の程度と平行して、対照の年齢相応の脳と比較してアルツハイマー病の脳では大幅に低下している。この図は、シグマ1受容体の発現がアルツハイマー病の脳で一定に維持されることがあることを実証している。
[059]図8Bは、(左側パネル)正常な患者、レビー小体型認知症(DLB)患者、又はアルツハイマー病(AD)患者の隣接的ヒト前頭皮質組織切片における[125I]−RHM−4(シグマ−2受容体リガンド)のオートラジオグラフィ結合を示し、(右側パネルは)対照(正常)、DLB、又はAD患者のオートラジオグラフィ実験の[125I]RHM−4の平均的な特異的結合のグラフを示す。シグマ−2受容体は、対照の年齢相応の脳と比較してアルツハイマー病及びレビー小体型認知症の脳では、これらの疾病でニューロン消失が見られるにもかかわらず、大幅に低下していない。この図は、生存ニューロン及び/又はグリアでのシグマ−2受容体の発現が、DLB及びアルツハイマー病の脳で上方調節されることがあることを実証している。
[060]図8Cは、(左側パネルは)サルの前頭皮質、サルの海馬又はヒトの側頭皮質で18.4nMの[3H]−RHM−1(シグマ−2受容体リガンド)がシグマ−2リガンドで置換されたことを示し、(右側パネルは)それぞれ1uMのシラメシン及び化合物IXa、IXb及びIIがある及びない状態で[3H]−RHM−1の結合密度を示すグラフである。この図は、化合物II及び混合物IXa、IXbが、サル及びヒトの脳組織切片中でシグマ−2受容体からの[3H]−RHM−1のような既知の放射標識したシグマ−2リガンドと競合的に置換されることを実証している。
[061]図9Aは、シグマ化合物で48時間処置したSKOV−3ヒト卵巣癌細胞系でのMTSアッセイの細胞生存度として、シグマ−2受容体作用物質腫瘍細胞細胞障害性を示す。シグマ−2作用物質(シラメシン、SV−119、WC−26)は腫瘍細胞を死滅させる。シグマ−2拮抗物質(RHM−1、IXa、IXb及びII)は、作用物質が存在しない状態ではるかに高い濃度にした場合のみ、死滅させる。この図は、cpdII及びIXa、IXbが本アッセイでは既知のシグマ−2拮抗物質と同様に挙動することを実証し、したがって腫瘍細胞中のシグマ−2拮抗物質であることを示唆する。
[062]図9Bは、シグマ−2化合物を使用したニューロン培養物の24時間後の核強度の変動として、シグマ−2受容体作用物質のニューロン細胞の細胞傷害性を示す。シグマ−2作用物質(シラメシン、SV−119、WC−26)は、ニューロン中の異常な核形態を引き起こし、シグマ−2拮抗物質(RHM−1、IXa、IXb及びII)は引き起こさない。この図は、cpdII及びIXa、IXbが本アッセイでは既知のシグマ−2拮抗物質と同様に挙動することを実証し、したがって1次海馬及び皮質細胞のシグマ−2拮抗物質であることを示唆する。
[063]図10Aは、シグマ−2作用物質のシラメシンによって誘発されたSKOV−3ヒト卵巣癌細胞でのカスパーゼ−3の活性を示し、シグマ−2受容体拮抗物質RHM−1、化合物II及びIXa、IXbはカスパーゼ3の活性を誘発しなかった。Aベータオリゴマーは低レベルのカスパーゼ−3活性を引き起こして、LTDをもたらす。高レベルのオリゴマー及びカスパーゼ3は細胞死をもたらす。シグマ−2受容体作用物質(SV−119、シラメシン)は、腫瘍細胞及びニューロン中のカスパーゼ−3を活性化し、シグマ−2拮抗物質は活性化しない(図10A及び図10B)。この図は、cpdII及びIXa、IXbが本アッセイでは既知のシグマ−2拮抗物質と同様に挙動することを実証し、したがって腫瘍細胞中のシグマ−2拮抗物質であることを示唆する。
[064]図10Bは、シグマ−2作用物質のシラメシンによって誘発されたニューロンでのカスパーゼ3の活性を示し、シグマ−2受容体拮抗物質RHM−1、化合物II及びIXa、IXbはカスパーゼ−3の活性を誘発しなかった。この図は、cpdII及びIXa、IXbが本アッセイでは既知のシグマ−2拮抗物質と同様に挙動することを実証し、したがって1次海馬及び皮質細胞中のシグマ−2拮抗物質であることを示唆する。
[065]図10Cは、シグマ−2受容体作用物質SV−119によるSKOV−3ヒト卵巣腫瘍細胞中のカスパーゼ−3の活性を示す。シグマ−2受容体拮抗物質化合物IXa、IXb及びII、RHM−1は、腫瘍細胞中でシグマ−2受容体作用物質SV−119によって引き起こされるカスパーゼ−3の活性化を遮断しない。この図は、cpdII及びIXa、IXbが本アッセイでは既知のシグマ−2拮抗物質と同様に挙動することを実証し、したがって腫瘍細胞中のシグマ−2拮抗物質であることを示唆する。
[066]図10Dは、24時間後の様々な作用物質の濃度におけるシグマ−2受容体作用物質SV−119によるニューロン培養物中のカスパーゼ−3の活性化を示す。この図は、1次海馬及び皮質細胞中で、シグマ−2受容体拮抗物質化合物IXa、IXb及びIIは、シグマ−2受容体作用物質SV−119によって引き起こされたカスパーゼ−3の活性化を遮断したが、RHM−1は遮断しなかったことを実証している。
[067]図11Aは、輸送アッセイ、及びAベータオリゴマーが存在することによる輸送欠損(ビヒクルと比較した小胞の減少)を示す。シグマ−2作用物質シラメシンを添加すると、低濃度でAベータオリゴマー輸送欠損を遮断するが、高濃度では細胞毒性を引き起こす。シグマ−2拮抗物質IIは、試験した全濃度でオリゴマー誘発の輸送欠損を遮断する。この図は、cmpdIIが治療表現型を呈し、既知のシグマ−2作用物質と同様の挙動をしないことを実証している。
[068]図11Bは、輸送アッセイ、及びAベータオリゴマーが存在することによる輸送欠損(ビヒクルと比較した小胞の減少)を示す。シグマ−2作用物質SV119を添加すると、低濃度でAベータオリゴマー輸送欠損を遮断するが、高濃度では細胞毒性を引き起こす。シグマ−2拮抗物質RHM−1は、試験した全濃度でオリゴマー誘発の輸送欠損を遮断するが、構造が薬物様ではないので治療表現型を呈さない。この図は、cmpdIIが既知のシグマ−2拮抗物質と同様の挙動をすることを実証している。
[069]図12Aは、様々な用量でシグマ−2受容体拮抗物質化合物を5.5カ月経口投与した後、15月齢のオスの遺伝子導入アルツハイマー病マウスモデルで訓練後24時間の1〜3分に、インビボ恐怖条件づけアッセイで測定したすくみ反応百分率の記憶能力を示す。10及び30mg/kg/日のCB(p<0.05)及び30mg/kg/日のCF(p<0.005)で処置した遺伝子導入(Tg)動物では、ビヒクルで処置したTg動物と比較して、記憶欠損に有意の改善が生じた(マンホイットニーU検定)。この図は、慢性長期投与後にcmpdCB及びCFが遺伝子導入アルツハイマー病動物で定着した記憶欠損を逆転させることを実証している。
[070]図12Bは、ビヒクルで処置した非遺伝子導入同腹子に対して、ビヒクルで39日間経口(p.o.)処置した場合にY迷路にて大幅な記憶欠損を呈した9月齢のメスの遺伝子導入(Tg)アルツハイマー病マウス(%交替)の挙動データの棒グラフを示す(すなわち、ビヒクル処置したTgマウスは機会で実行し、ビヒクル処置した非Tg同腹子は、機会よりもはるかに良好に実行した。各棒の近傍のアステリスク及び線を参照)。Tg動物の30mg/KG/日のCpd.CFでの経口処置は、欠損を改善した。挙動の回避行動は認められなかった。この図は、慢性短期投与後にcmpdCFが遺伝子導入アルツハイマー病マウスで定着した記憶欠損を逆転させることを実証している。
[071]図13Aは、6E10のAベータ特異的抗体免疫標識で視覚化した1次ニューロン培養物21 DIVとのAベータオリゴマー結合の蛍光顕微鏡写真を示す。
[072]図13Bは、ニューロン特異的MAP2免疫標識によりニューロンが選択的に視覚化された13Aと同じ視野を示す。
[073]図13Cは、78nMの抗PGRMC1のC末端抗体21DIVで前処理した姉妹1次ニューロン培養物とのAベータオリゴマー(6E10免疫標識で視覚化)の結合の蛍光顕微鏡写真を示す。この図は、抗PGRMCのC末端抗体が存在した結果、Aベータオリゴマーの結合が有意に減少し、対照標準のAベータのみで処理した培養物より47%低かったことを実証している。
[074]図13Dは、ニューロン特異的MAP2免疫標識によりニューロンが選択的に視覚化された図13Cと同じ視野を示す。姉妹対照標準培養物(図13A)で見られるのと同様の密度のニューロンが培養物中に存在する。
[075]図13Eは、78nMの対照標準抗体(非免疫IgG)で前処理した姉妹1次ニューロン培養物とのAベータオリゴマー(6E10免疫標識で視覚化)の結合の蛍光顕微鏡写真を示す。この図は、非免疫IgGが存在しても、Aベータの結合強度は、Aベータのみで処理した対照標準培養物(図13A)から有意に変化しないことを実証している。
[076]図13Fは、ニューロン特異的MAP2免疫標識によりニューロンが選択的に視覚化された13Eと同じ視野を示す。姉妹対照標準培養物(図13A)に見られるのと同様の密度のニューロンが培養物中に存在する。
[077]図13Gは、78nMの抗PGRMC1のN末端抗体で前処理した姉妹1次ニューロン培養物とのAベータオリゴマー(6E10免疫標識で視覚化)の結合の蛍光顕微鏡写真を示す。この図は、78nMの抗PGRMC1のN末端抗体が存在しても、Aベータの結合密度は、Aベータのみで処理した対照標準培養物(図13A)から有意に変化しないことを実証している。
[078]図13Hは、ニューロン特異的MAP2免疫標識によりニューロンが選択的に視覚化された13Gと同じ視野を示す。姉妹対照標準培養物(図13A)で見られるのと同様の密度のニューロンが培養物中に存在する。縮尺バー=15ミクロン
[079]図14Aは、蛍光顕微鏡写真の6E10で免疫標識付けした領域の数、強度及び面積の画像処理に基づく数量化によって計算したニューロン1個当たりのAベータ結合強度に関して、図13に示したデータの数量化を棒グラフで示す。抗体がない状態(「対照標準」とのラベルがある白抜きの棒)、及びC末端及びN末端特異的抗PGRMC1抗体それぞれの3つの濃度、さらに非免疫対照標準のIgG抗体(それぞれのラベルがある棒)のニューロン1個当たりのAベータオリゴマー結合強度。C末端特異的抗PGRMC1抗体は、Aベータオリゴマー結合を用量依存的に有意に減少させる唯一の抗体である。ニューロン1個当たりの結合点の数及び結合面積の抗体によって誘発された変化は、強度について示された変化と非常に類似していた。この図は、これらの培養物中に存在するAベータオリゴマーの大きいパーセンテージがシグマ−2受容体に結合するという解釈と一致する。
[080]図14Bは、図13及び図14Aと同じニューロン培養物中の核の面積を示す。処理する抗体の濃度を上昇させても、核の面積、すなわち細胞毒性の尺度は変化しない。したがって、抗体を添加してもニューロン培養物の健康に影響しない。

実施例

0023

[081] 本発明の化合物、組成物及び方法を詳細に説明する前に、説明する特定のプロセス、組成物、又は方法は変化することがあるので、本発明がこれに限定されないことを理解されたい。説明で使用する用語は、特定のバージョン又は実施形態を説明することのみが目的であり、請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定するものではないことも理解されたい。他に規定していない限り、本明細書で使用する全ての専門用語及び科学用語は、当業者が一般的に理解する通りの意味を有する。本明細書で説明するものと同様又は同等の方法及び材料は全て、本発明の実施形態の実践又は試験に使用することができるが、次に好ましい方法、装置、及び材料を説明する。

0024

[082]明快さを期して別個の実施形態の状況で説明する本発明の特定の特徴を、単一の実施形態で組み合わせても提供できることがさらに認識される。逆に、簡潔さを期して単一の実施形態の状況で説明する本発明の様々な形態を、別個に、又は任意の適切な下位組み合わせでも提供することができる。
定義

0025

[083]単数形の「ある」及び「上記」は、異なることが文脈で明白に規定していない限り、複数の表示を含む。したがって、例えばある「細胞」に言及した場合、それは1つ又は複数の細胞及び当業者に知られているその同等物などに言及したことになる。

0026

[084] 本明細書で使用する「約」という用語は、所与の値の±10%を意味する。例えば「約50%」は45%〜55%の範囲にあるという意味である。

0027

[085] 「シグマ−2リガンド」は、シグマ−2受容体に結合する化合物を指し、作用物質、拮抗物質、部分作用物質逆作用物質、及び単純にこの受容体又はタンパク質の他のリガンドの競合物質を含む。

0028

[086] 「作用物質」という用語は、存在すると、ある受容体に対して自然に発生したリガンドの存在に起因する生物活性と同じである上記受容体の生物活性をもたらす化合物を指す。

0029

[087] 「部分作用物質」という用語は、存在すると、ある受容体に対して自然に発生したリガンドの存在に起因する生物活性と同じであるが、それより小さい大きさの上記受容体の生物活性をもたらす化合物を指す。

0030

[088] 「拮抗物質」という用語は、存在すると、受容体の生物活性の大きさが低下することになる実態、例えば化合物、抗体、又はフラグメントを指す。特定の実施形態では、拮抗物質が存在した結果、受容体の生物活性が完全に阻害される。本明細書で使用する「シグマ−2受容体拮抗物質」という用語は、ある化合物が、シグマ−2受容体において、例えば膜輸送アッセイ、又はシナプス消失アッセイなどのインビトロアッセイで、又はAベータオリゴマー仲介のシグマ−2受容体によるカスパーゼ−3活性で、又は挙動アッセイで、又はそれを必要とする患者で見られるようなAベータの効果、例えばAベータオリゴマー誘発のシナプス不全を遮断するという点で、「機能性拮抗物質」として作用することを説明するために使用される。機能性拮抗物質は、例えばシグマ−2受容体とのAベータオリゴマーなどの結合を阻害することによって直接的に、又はAベータオリゴマーがシグマ−2受容体に結合する結果である下流のシグナル伝達を妨害することによって間接的に作用することができる。

0031

[089] 「シグマ−2受容体拮抗物質化合物」という用語は、測定可能な量のシグマ−2受容体に結合し、シグマ−2受容体結合の結果であるAベータの効果、すなわちオリゴマー誘発のシナプス不全に関して機能性拮抗物質として作用する小分子、抗体、又はそれらの活性結合フラグメントを指す。

0032

[090] 「選択性」又は「選択的」という用語は、非シグマ受容体と比較して、シグマ受容体、例えばシグマ−2受容体に対する化合物の結合親和性(Ki)の差を指す。シグマ−2拮抗物質は、シナプスニューロン中のシグマ受容体に対する高い選択性を有する。シグマ−2受容体、又はシグマ−2受容体及びシグマ−1受容体両方のKiは、非シグマ受容体のKiに匹敵する。幾つかの実施形態では、選択的シグマ−2受容体拮抗物質、又はシグマ−1受容体リガンドは、様々な受容体で結合解離定数Kiの値、又はIC50の値、又は結合定数を比較することにより評価して、非シグマ受容体と比較してシグマ受容体に結合するために少なくとも10倍、20倍、30倍、50倍、70倍、100倍、又は500倍以上高い親和性を有する。任意の既知のアッセイプロトコルを使用して、例えば既知の解離定数を有する放射標識化合物の受容体からの競合的置換を監視することにより、例えばCheng及びPrusoff(1973)(Biochem. Pharmacol. 22, 3099-3108)の方法により、又は特に本明細書で提供するように、様々な受容体におけるKi又はIC50値を評価することができる。幾つかの実施形態では、シグマ−2拮抗物質化合物は、非シグマ受容体と比較してシグマ−2受容体との結合に特異的な抗体、又はその活性結合フラグメントである。抗体又はフラグメントの場合、シグマ−2受容体、又はフラグメントにおける結合定数は、当技術分野で知られている任意の方法で、例えばBeatty他(1987、J Immunol Meth, 100(1-2):173-179)の方法、又はChalquest(1988、J. Clin. Microbiol. 26(12): 2561-2563)の方法により、計算して非シグマ受容体における結合定数と比較することができる。非シグマ受容体は、例えばムスカリン様M1−M4受容体、セロトニン5−HT)受容体、アルファアドレナリン様受容体、ベータアドレナリン様受容体、オピオイド受容体、セロトニン輸送体ドーパミン輸送体、アドレナリン様輸送体、ドーパミン受容体、又はNMDA受容体から選択される。

0033

[091] 本出願では、「高親和性」という用語は、参照により本明細書に組み込まれ、シグマ1及びシグマ−2受容体部位に対する化合物の結合親和性を測定したWeber他(Proc, Natl. Acad. Sci (USA) 83: 8784-8788 (1986))によって開示されたように、シグマ受容体結合アッセイにおいて例えば、[3H]−DTGに対して600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、150nM未満、100nM未満、80nM未満、60nM未満、又は好ましくは50nM未満のKi値を呈する化合物を意味するものである。特に好ましいシグマリガンドは、[3H]−DTGに対して約150nM未満、好ましくは100nM未満、約60nM未満、約10nM未満、又は約1nM未満のKi値を呈する。

0034

[092] 「治療表現型」という用語は、インビトロアッセイで挙動効力が予想可能である化合物の活性パターンを説明するために使用される。(1)高い親和性でシグマ−2受容体と選択的に結合し、(2)ニューロン中のAベータオリゴマー誘発の効果に関して機能性拮抗物質として作用する化合物は、(i)Aβ誘発の膜輸送欠損を遮断するか、又は減少させ、(ii)Aβ誘発のシナプス消失を遮断するか、又は減少させ、(iii)Aベータオリゴマーが存在しない状態で、輸送又はシナプス数に影響しない場合、「治療表現型」を有すると言われる。インビトロアッセイにおけるこの活性パターンが「治療表現型」と呼ばれ、挙動効力を予想することができる。

0035

[093] 「治療プロファイル」という用語は、治療表現型に適合し、良好な脳浸透性(血液脳関門を通過する能力)、良好な血漿安定性、及び良好な代謝安定性も有する化合物を説明するために使用される。

0036

[094] 「薬物様の特性」という用語は、本明細書では投与後のシグマ−2受容体リガンドの薬物動態及び安定性特徴を説明するために使用され、脳浸透性、代謝安定性及び/又は血漿安定性を含む。

0037

[095] 「Aベータ種」又は「Aβ」は、可溶性アミロイドペプチド含有成分、例えばAベータモノマー、Aベータオリゴマー、又は他の可溶性ペプチド又はタンパク質さらにアミロイド前駆体タンパク質の任意の加工品を含む他の可溶性Aベータ集合との(単量体二量体、又は重合体形態の)Aベータペプチドの複合体などの組成物を含むものである。可溶性Aβオリゴマーは神経毒性であることが知られている。Aβ1−42二量体さえも、マウスの海馬切片でシナプスの可塑性を損なうことが知られている。当技術分野で知られている1つの理論では、天然Aβ1−42モノマーは、神経保護性であると考えられ、神経毒性になるにはAβモノマーが可溶性Aベータオリゴマーに自己会合する必要がある。しかし、特定のAβ突然変異モノマー(北極型突然変異(E22G))は、家族型ADに関連すると報告されている。例えば、Giuffrida他の、「β-Amyloid monomers are neuroprotective」(J. Neurosci. 2009 29(34):10582-10587)を参照されたい。Aベータ種を含む製剤の非制限的な例が、米国特許出願第13/021,872号、米国特許公開第2010/0240868号、国際特許出願WO/2004/067561号、国際特許出願WO/2010/011947号、米国特許公開第20070098721号、米国特許公開第20100209346号、国際特許出願WO/2007/005359号、米国特許公開第20080044356号、米国特許公開第20070218491号、WO/2007/126473号、米国特許公開第20050074763号、国際特許出願WO/2007/126473号、国際特許出願WO/2009/048631号、及び米国特許公開第20080044406号で開示され、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれている。

0038

[096] 「投与」は、本発明の化合物との組み合わせで使用する場合、標的組織内に又は上に化合物を直接投与するか、又は患者又は他の対象に化合物を全身又は局所的に投与することを意味する。

0039

[097] 本明細書で使用する「動物」という用語は、ヒト及び非ヒト脊椎動物、例えば野生動物、実験、家畜及び農場の動物及びペットを含むが、これらに限定されない。

0040

[098] 本明細書で使用する「対象」、「個体」及び「患者」という用語は、区別なく使用され、任意の動物、例えば哺乳類、マウス、ラット、他の齧歯類、ウサギイヌネコブタウシヒツジウマ霊長類非ヒト霊長類、ヒトなどを指す。

0041

[099] 本明細書で使用する「接触」という用語は、2つのペプチド間又は1つのタンパク質と別のタンパク質又は他の分子、例えば小分子の間の非共有相互作用などの分子間相互作用を可能にする距離内になるように、分子同士を(又はある分子を細胞又は細胞膜のようにさらに高次の構造と)一緒にするか、又は組み合わせることを指す。幾つかの実施形態では、接触は、一般的な溶媒中で複合又は接触分子が混合され、自由に会合することができる溶液中で生じる。幾つかの実施形態では、接触は細胞で、又は他の方法で細胞内で、又は無細胞環境中で生じることがある。幾つかの実施形態では、無細胞環境は細胞から産生された溶解物である。幾つかの実施形態では、細胞溶解物全細胞溶解物核溶解物、細胞質溶解物、及びその組み合わせでよい。幾つかの実施形態では、無細胞溶解物は、核抽出及び単離により得られた溶解物であり、細胞集団の核を細胞から除去し、次に溶解させる。幾つかの実施形態では、核は溶解されないが、それでも無細胞環境と見なされる。分子は、渦巻き、振盪などの混合により一緒にすることができる。

0042

[0100] 「改善する」という用語は、本発明が、それが提供、適用又は投与された組織の特徴及び/又は身体的属性を変化させることを伝えるために使用される。「改善する」という用語は、疾病状態と組み合わせて使用することもでき、したがって疾病状態が「改善」されると、疾病状態に関連する症状又は身体的特徴が減少、低下、消失、遅滞、又は回避される。

0043

[0101] 「阻害」という用語は、特定の結果又はプロセスの妨害、忌避、又は逆の結果又はプロセスの回復を含む。本発明の化合物を投与することによる予防又は処置に関して、「阻害」は、症状に対して(部分的又は全体的に)保護するか、又はその発症遅延させるか、又は症状を緩和するか、又は疾患、状態又は障害に対して保護するか、それを減少させるか、又は消失させることを含む。

0044

[0102] 「輸送欠損を阻害する」という用語は、細胞、好ましくはニューロン細胞中で可溶性Aβオリゴマーが誘発する膜輸送欠損を遮断する能力を指す。輸送欠損を阻害することができる化合物は、膜輸送アッセイで20uM未満、15uM未満、10uM未満、5uM未満、及び好ましくは1μM未満のEC50を有し、さらに、例えば実施例6で説明するように、可溶性Aベータオリゴマーが誘発する膜輸送欠損のAベータオリゴマー効果を最大で少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも70%阻害することができる。

0045

[0103] 本明細書の様々な箇所で、本発明の化合物の置換基は複数の基又は範囲で開示されている。本発明の実施形態は、このような基及び範囲の要素の個別的下位組み合わせをそれぞれ全て含むことが特に意図される。例えば、「C1−6アルキル」という用語は、例えばメチル(C1アルキル)、エチル(C2アルキル)、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、及びC6アルキル、さらに例えばC1−C2アルキル、C1−C3アルキル、C1−C4アルキル、C2−C3アルキル、C2−C4アルキル、C3−C6アルキル、C4−C5アルキル、及びC5−C6アルキルを個々に開示するよう特に意図される。

0046

[0104]変種が複数回現れる本発明の化合物の場合、各変種は、変種を規定するMarkush基から選択された異なる部分とすることができる。例えば、同じ化合物上に同時に存在する2つのR基を有する構造を説明する場合、この2つのR基はRについて規定されたMarkush基から選択された異なる部分を表すことができる。

0047

[0105] nが整数である「n員」という用語は通常、ある部分の環形成原子の数を述べるものであり、環形成原子の数がnである。例えば、ピリジンは6員ヘテロアリール環の一例であり、チオフェンは5員ヘテロアリール基の一例である。

0048

[0106] 本明細書で使用する「アルキル」という用語は、直鎖状又は分岐した飽和炭化水素基を指すものとする。例示的なアルキル基にはメチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えばn−プロピル及びイソプロピル)、ブチル(例えばn−ブチルイソブチル、t−ブチル)、ペンチル(例えばn−ペンチル、イソペンチルネオペンチル)などが含まれるが、これらに限定されない。アルキル基は1個〜約20個、2個〜約20個、1個〜約10個、1個〜約8個、1個〜約6個、1個〜約4個、又は1個〜約3個の炭素原子を含有することができる。「アルキレン」という用語は、二価アルキル連結基を指す。アルキレンの一例はメチレン(CH2)である。

0049

[0107] 本明細書で使用する「アルケニル」は、1つ又は複数の炭素炭素二重結合を有するアルキル基を指す。例示的なアルケニル基には、エテニルプロペニルシクロヘキセニルなどが含まれるが、これらに限定されない。「アルケニニル」という用語は、二価連結アルケニル基を指す。

0050

[0108] 本明細書で使用する「アルキニル」は、1つ又は複数の炭素−炭素三重結合を有するアルキル基を指す。例示的なアルキニル基には、エチニルプロピニルなどが含まれるが、これらに限定されない。「アルキニレニル」という用語は、二価連結アルキニル基を指す。

0051

[0109] 本明細書で使用する「ハロアルキル」は、1つ又は複数のハロゲン置換基を有するアルキル基を指す。例えば、ハロアルキル基にはCF3、C2F5、CHF2、CCl3、CHCl2、C2Cl5、CH2CF3などが含まれるが、これらに限定されない。

0052

[0110] 本明細書で使用する「アリール」は、例えばフェニルナフチルアントラセニル、フェナントレニルインダニル、インデニルなどの一環又は多環(例えば2個、3個又は4個の縮合環を有する)芳香族炭化水素を指す。幾つかの実施形態では、アリール基は6個〜約20個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アリール基は6個〜約10個の炭素原子を有する。

0053

[0111] 本明細書で使用する「シクロアルキル」は、最大20個の環形成炭素原子を有する環化アルキル、アルケニル、及びアルキニル基を含む非芳香族環炭化水素を指す。シクロアルキル基は、一環又は多環式(例えば2個、3個又は4個の縮合環を有する)環構造、さらにスピロ環構造を含むことができる。シクロアルキル基は3個〜約15個、3個〜約10個、3個〜約8個、3個〜約6個、4個〜約6個、3個〜約5個、又は5個〜約6個の環形成炭素原子を含有することができる。シクロアルキル基の環形成炭素原子は、任意選択オキソ又はスルフィドで置換することができる。例示的なシクロアルキル基にはシクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルシクロヘプチルシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルシクロヘプタトリエニルノルボルニル、ノルピニル、ノルカルニル、アダマンチルなどが含まれるが、これらに限定されない。シクロアルキルの定義には、シクロアルキル環縮合した(すなわちそれと共通の原子化学結合を有する)1個又は複数個芳香環を有する部分、例えばペンタンペンテンヘキサンなどのベンゾ又はチエニル誘導体(例えば2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル、又は1H−インデン−2(3H)−オン−1−イル)も含まれる。「シクロアルキル」は、最大20個の環形成炭素原子を含有する環化アルキル基を指すことが好ましい。シクロアルキルの例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチルなどが含まれることが好ましい。

0054

[0112] 本明細書で使用する「ヘテロアリール」基は、最大20個の環形成原子を有し、硫黄酸素又は窒素などの少なくとも1つのヘテロ原子環員(環形成原子)を有する芳香族ヘテロ環を指す。幾つかの実施形態では、ヘテロアリール基は少なくとも1つ又は複数のヘテロ原子環形成原子を有し、それぞれが別個に硫黄、酸素、及び窒素から選択される。ヘテロアリール基は単環式及び多環式(例えば2、3又は4つの縮合環を有する)構造を含む。ヘテロアリール基の例には、ピリジルピリミジニル、ピラジニイル、ピリダジニイル、トリアジニイル、フリルキノリルイソキノリルチェニルイミダゾリルチアゾリルインドリル、ピリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチェニル、ベンズチアゾリル、イソキサゾリルピラゾリルトリアゾリル、テトラゾリルインダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチェニル、プリニル、カルバゾリルベンズイミダゾリルインドリニルなどが含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、ヘテロアリール基は1個〜約20個の炭素原子、他の実施形態では約1個〜約5個、約1個〜約4個、約1個〜約3個、約1個〜約2の炭素原子を環形成原子として有する。幾つかの実施形態では、ヘテロアリール基は3個〜約14個、3個〜約7個、又は5個〜6個の環形成原子を含有する。幾つかの実施形態では、ヘテロアリール基は1個〜約4個、1個〜約3個、又は1個〜2個のヘテロ原子を有する。

0055

[0113] 本明細書で使用する「ヘテロシクロアルキル」は、環化アルキル、アルケニル、及びアルキニル基を含む最大20個の環形成原子を有し、環形成炭素原子のうち1つ又は複数がO、N又はS原子などのヘテロ原子で置換される非芳香族ヘテロ環を指す。ヘテロシクロアルキル基は単環式又は多環式とすることができる(例えば縮合構造とスピロ構造の両方である)。例示的「ヘテロシクロアルキル」基には、モルホリノチオモルホリノ、ピペラジニルテトラヒドロフラニル、テトラヒドロチェニル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、1,3−ベンゾジオキソール、ベンゾ−1,4−ジオキサンピペリジニルピロリジニルイソキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、ピロリジン−2−オン−3−イルなどが含まれる。ヘテロシクロアルキル基の環形成炭素原子及びヘテロ原子は、任意選択でオキソ又はスルフィドで置換することができる。例えば、環形成S原子は1個又は2個のオキソで置換する[すなわち、S(O)又はS(O)2を形成する]ことができる。別の例では、環形成C原子をオキソで置換する(すなわちカルボニルを形成する)ことができる。ヘテロシクロアルキルの定義には、非芳香族ヘテロ環に縮合する(すなわち、それと共通の原子の化学結合を有する)1個又は複数の芳香族環を有する部分、例えばピリジニル、チオフェニル、フタルイミジルナフタルイミジル、及びヘテロ環のベンゾ誘導体、例えばインドレン、イソインドレン、イソインドリン−1−オン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロチェノ[2,3−c]ピリジン−5−イル、5,6−ジヒドロチェノ[2,3−c]ピリジン−7(4H)−オン−5−イル、及び3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オン−3イル基も含まれる。ヘテロシクロアルキル基の環形成炭素原子及びヘテロ原子は、任意選択でオキソ又はスルフィドで置換することができる。幾つかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は1個〜約20個の炭素原子、他の実施形態では約3個〜約20個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は3個〜約14個、3個〜約7個、又は5個〜6個の環形成原子を含有する。幾つかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は1個〜約4個、1個〜約3個、又は1個〜2個のヘテロ原子を有する。幾つかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は0個〜3個の二重結合を含有する。幾つかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は0個〜2個の三重結合を含有する。

0056

[0114] 本明細書で使用する「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロクロロ、ブロモ、及びヨードを含む。

0057

[0115] 本明細書で使用する「アルコキシ」は−O−アルキル基を指す。例示的なアルコキシ基にはメトキシエトキシプロポキシ(例えばn−プロポキシ及びイソプロポキシ)、t−ブトキシなどが含まれる。

0058

[0116] 本明細書で使用する「ハロアルコキシ」は、−O−ハロアルキル基を指す。例示的なハロアルコキシ基はOCF3である。本明細書で使用する「トリハロメトキシ」は3個のハロゲン置換基を有するメトキシ基を指す。トリハロメトキシ基の例には−OCF3、−OCClF2、−OCCl3などが含まれるが、これらに限定されない。

0059

[0117] 本明細書で使用する「アリールアルキル」は、C1−6アルキルがアリールで置換されたものを指し、「シクロアルキルアルキル」は、C1−6アルキルがシクロアルキルで置換されたものを指す。

0060

[0118] 本明細書で使用する「ヘテロアリールアルキル」は、C1−6アルキル基がヘテロアリール基で置換されたものを指し、「ヘテロシクロアルキルアルキル」は、C1−6アルキルがヘテロシクロアルキルで置換されたものを指す。

0061

[0119] 本明細書で使用する「アミノ」はNH2を指す。

0062

[0120] 本明細書で使用する「アルキルアミノ」はアミノ基をアルキル基で置換したものを指す。

0063

[0121] 本明細書で使用する「ジアルキルアミノ」は、アミノ基を2個のアルキル基で置換したものを指す。

0064

[0122] 本明細書で使用するC(O)はC(=O)を指す。

0065

[0123] 本明細書で使用する「任意選択で置換」という用語は、置換が任意選択であり、したがって非置換及び置換原子及び部分の両方を含むという意味である。「置換」原子又は部分は、指定された原子又は部分の任意の水素が、その指定原子又は部分の正常な原子価を超えない限り、指示された置換基からの選択肢で置き換えることができ、置換した結果、安定した化合物になることを示す。例えば、メチル基(すなわちCH3)を任意選択で置換する場合、炭素原子上の3個の水素原子を指示されるように置換基で置き換えることができる。

0066

[0124] 本明細書で使用する「アミロイドベータ効果」、例えば「非致死的アミロイドベータ効果」又はAベータオリゴマー効果は、Aベータ種と接触している細胞への効果、特に非致死的効果を指す。例えば、ニューロン細胞が可溶性アミロイドベータ(「Aベータ」)オリゴマーと接触している場合、オリゴマーはインビトロでニューロン細胞のサブセット上のシナプスのサブセットに結合することが判明している。この結合は、例えばインビトロでAベータオリゴマー結合を測定するアッセイで数量化することができる。記録されているAベータ種の別の効果は、シナプス数の減少であり、これはヒトの海馬では約18%になると報告されており(Scheff他、2007)、(例えばシナプス数を測定するアッセイで)数量化することができる。別の例として、ニューロン細胞がアミロイドベータ(「Aベータ」)オリゴマーと接触している場合、膜輸送が調節され、その後に膜輸送が変化することが判明している。この異常は、MTTアッセイを含むが、これに限定されない多くのアッセイで視覚化することができる。例えば、黄色いテトラゾリウム塩は細胞によって貪食され、エンドソーム経路内の小胞内に位置する酵素によって塩が紫の不溶性ホルマザンに還元される。紫のホルマザンのレベルは、培養物中で活発に代謝する細胞の数を反映し、ホルマザンの量の減少は培養物中の細胞死又は代謝毒性の尺度と見なされる。黄色いテトラゾリウム塩と接触している塩を顕微鏡で観察すると、最初に細胞を満たす細胞内小胞中に紫のホルマザンが見える。時間とともに、不溶性ホルマザンが水性媒質の環境に曝露するにつれ、小胞が貪食され、ホルマザンが血漿膜の外面上で針状結晶として沈殿する。Aベータ種のさらに他の効果には、新しい記憶を形成する能力の低下、及び記憶消失などの認知低下が含まれ、これは動物モデルを使用したアッセイでインビボで測定することができる。幾つかの実施形態では、Aベータ効果は、例えば膜輸送アッセイ、又はシナプス消失アッセイなどのインビトロアッセイで見られるようなAベータオリゴマー誘発のシナプス不全、又はAベータオリゴマー仲介のシグマ−2受容体によるカスパーゼ−3活性、又はAベータ誘発のニューロン不全、Aベータ仲介の長期残留記憶(LTP)低下、又は挙動アッセイ、又は必要とする患者における認知低下から選択される。

0067

[0125] 幾つかの実施形態では、試験化合物は、ニューロン細胞上の可溶性Aベータオリゴマー種に伴う効果を負の対照と比較して約10%超、好ましくは15%超、及び好ましくは20%超阻害できる場合に、認知低下又はそれに関連する疾病の処置に有効であると言われる。幾つかの実施形態では、試験薬剤は、アミロイド先駆タンパク質が媒介した効果を正の対照と比較して約10%超、好ましくは15%超、好ましくは20%超阻害できる場合、有効であると言われる。例えば、以下の実施例に示すように、Aベータオリゴマー結合を18%しか阻害しなくても、シナプスの減少を完全に阻害する。例えば図3C及び図3Dを参照されたい。本明細書ではニューロン代謝の異常やシナプス数の減少など、Aベータ種の非致死的効果の阻害に焦点を当てているが、これらは認知機能と相関することが示され、時間の経過とともに(未処置対象と比較して)アミロイド病理の測定可能な下流症状の減少をもたらすことがさらに予測され、症状とは、1)フロベタピル、PittB又は任意の他の造影剤のようなアミロイド造影剤によって測定される原繊維又はプラークの蓄積、2)FDG−PETで検出されるブドウ糖代謝低下によって測定されるようなシナプス消失又は細胞死、又は3)ELISAによって患者から得られた脳脊髄液、脳生検又は血漿中で撮像又はタンパク質/代謝物検出によって検出可能な脳又は身体中タンパク質発現又は代謝物量の変化(ELISAによって測定したAベータ42、リン酸化タウ、総タウのレベル及び比率の変化、又はELISAパネルで検出可能なタンパク質発現パターンの変化など)(参照文献:Wyss-Coray T.他の、「Modeling of pathological traits in Alzheimer's disease based on systemic extracellular signaling proteome」(Mol Cell Proteomics 2011 Jul 8)を参照されたい。これは全体が参照により本明細書に組み込まれている)、4)MRIによって検出可能な血管水腫又は微量出血の存在、及び撮像技術によって検出可能な任意の他の症状によって測定可能な脳血管異常、及び5)ADAS−Cog、MMSE、CBIC又は任意の他の認知試験計器のような任意の管理認知試験によって測定される認知消失、などの顕著な臨床症状である。

0068

[0126] 本明細書で使用する「ニューロン細胞」という用語は、単一の細胞又は細胞集団を指すために使用することができる。幾つかの実施形態では、ニューロン細胞は1次ニューロン細胞である。幾つかの実施形態では、ニューロン細胞は不死化又は形質転換ニューロン細胞又は幹細胞である。1次ニューロン細胞とは、グリア細胞などの他のタイプのニューロン細胞に分化することができないニューロン細胞である。幹細胞は、ニューロン及びグリアなどの他のタイプのニューロン細胞に分化することができる細胞である。幾つかの実施形態では、アッセイは、グリア細胞がない少なくとも1つのニューロン細胞を含む組成物を使用する。幾つかの実施形態では、組成物は、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、又は約1%未満のグリア細胞を含み、これはAベータを内部移行させ、蓄積することが知られている。1次ニューロン細胞は、動物の脳の任意の区域から誘導することができる。幾つかの実施形態では、ニューロン細胞は海馬又は皮質細胞である。グリア細胞の存在は、任意の方法で判定することができる。幾つかの実施形態では、グリア細胞はGFAPの存在によって検出することができ、ニューロンは、MAP2に対して配向された抗体で陽染することによって検出することができる。

0069

[0127] 「薬学的に許容可能な」というフレーズは、一般的に安全で非毒性であると見なされる分子要素及び組成物を指す。特に、本発明の薬学的組成物で使用する薬学的に許容可能な担体希釈剤又は他の賦形剤は、患者に投与した場合、生理学的に耐容性があり、他の成分と適合し、通常はアレルギー又は同様の有害反応(例えば急性蠕動眩暈など)を生じない。本明細書で使用する「薬学的に許容可能な」という用語は、動物、特にヒトに使用するために連邦又は州政府規制当局に認可されるか、又は米国薬局方又は他の一般的に認められている薬局方にリストされているという意味であることが好ましい。本明細書で使用する「薬学的に許容可能な塩」というフレーズは、哺乳類に使用するのに安全で効果的であり、所望の生物活性を有する本発明の化合物の塩を含む。薬学的に許容可能な塩には、本発明の化合物中に、又は本発明の方法により識別された化合物中に存在する酸性基又は塩基性基の塩が含まれる。薬学的に許容可能な酸添加塩には塩酸塩臭化水素酸塩ヨウ化水素酸塩、硝酸塩硫酸塩、重硫酸塩リン酸塩酸性リン酸塩イソニコチン酸塩、酢酸塩乳酸塩サリチル酸塩クエン酸塩酒石酸塩パントテン酸塩酒石酸水素塩アスコルビン酸塩コハク酸塩マレイン酸塩ゲンチシン酸塩フマル酸塩グルコン酸塩グルカル酸塩、サッカラート、蟻酸塩安息香酸塩グルタミン酸塩メタンスルホン酸塩エタンスルホン酸塩ベンゼンスルホン酸塩p−トルエンスルホン酸塩及びパモエート(すなわち1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))塩が含まれるが、これらに限定されない。本発明の特定の化合物は、様々なアミノ酸で薬学的に許容可能な塩を形成することができる。適切な塩基塩にはアルミニウムカルシウムリチウムマグネシウムカリウムナトリウム亜鉛、鉄及びジエタノールアミン塩が含まれるが、これらに限定されない。薬学的に許容可能な塩基添加塩も、有機アミンなどのアミンで形成される。適切なアミンの例には、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカインコリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン及びプロカインがある。

0070

[0128] 本明細書で使用する「治療的」という用語は、対象の望ましくない状態又は疾病を処置、退治寛解、保護又は改善するために使用する薬剤を意味する。

0071

[0129] 本明細書で使用する「有効量」という用語は、特定の疾患又は病態経過の少なくとも1つの症状又はパラメータの測定可能な阻害をもたらす量である。Aベータオリゴマーの存在下で測定可能なシナプス減少の低下を提供する本発明のシグマ−2リガンドの量は、有効量と認定される。何故なら、アミロイド病態の臨床症状が少なくとも即座には変化しなくても、病理経過を軽減するからである。

0072

[0130] 本発明の化合物又は組成物の「治療学的有効量」又は「有効量」は、任意の医学的処置に適用可能な妥当な利益/リスクの比率で、処置した対象に治療効果を与える所定の量である。治療効果は客観的(すなわち何らかの試験又はマーカによって測定可能)又は主観的(すなわち対象が効果を示すか、又は感じるか、又は医師が変化を観察する)であってよい。本発明の化合物の有効量は、約0.01mg/Kg〜約500mg/Kg、約0.1mg/Kg〜約400mg/Kg、約1mg/Kg〜約300mg/Kg、約0.05〜約20mg/Kg、約0.1mg/Kg〜約10mg/Kg、又は約10mg/Kg〜約100mg/Kgの広い範囲でよい。本明細書で想定される効果には、適宜、医学的に治療及び/又は予防的処置の両方が含まれる。治療及び/又は予防効果を獲得するために本発明により投与される化合物の特定の用量は、言うまでもなく症例を取り巻く特定の環境によって決定される。例えば、患者の投与化合物、投与経路、他の活性成分同時投与、処置中の状態、使用する特定の化合物の活性、使用する特定の組成物、年齢、体重、全体的健康、性及び食事と、処置の投与時間、投与経路、使用する特定の化合物の排出率及び継続時間などである。投与される有効量は、上記関連する環境及び健全な医学的判断を行使することに鑑みて、医師が決定する。本発明の化合物の治療的有効量は、通常は、生理学的に耐容性がある賦形剤組成物で投与すると、有効な全身濃度又は組織の局所濃度を達成するのに十分であるような量である。単回量又は分割量でヒト又は他の動物に投与される本発明の化合物の総1日量は、1日に体重当たり例えば、0.01mg/Kg〜約500mg/Kg、約0.1mg/Kg〜約400mg/Kg、約1mg/Kg〜約300mg/Kg、約10mg/Kg〜約100mg/Kg、又はさらに一般的には0.1〜25mg/kgの量でよい。単回量の組成物は、このような量又は1日量を構成するその約量を含有することができる。一般的に、このような治療を必要とする患者への投与を含む本発明による処置療法は、通常、単回量又は多回量で1日当たり本発明の化合物約1mg〜約5000mg、10mg〜約2000mg、20〜1000mg、好ましくは20〜500mg及び最も好ましくは約50mg含む。

0073

[0131] 本明細書で使用する「処置する」、「処置した」、又は「処置」という用語は、治療処置と予防措置との両方を指し、その目的は、望ましくない生理学的状態、障害又は疾病から(部分的又は全体的に)保護するか、又はそれを減速させる(例えば、軽減する又は発症を遅らせる)、又は異常になった、又は異常になるようなパラメータ、値、機能又は結果の低下を部分的又は全体的に回復又は阻害するような有利又は所望の臨床結果を得ることである。本発明では、有利又は所望の臨床結果には、症状の緩和、状態、障害又は疾病の程度又は勢い又は速度の減少、状態、障害又は疾病の安定化(すなわち悪化させないこと)、状態、障害又は疾病の発症の遅滞又はその進行の減速、状態、障害又は疾病状態の寛解、及び実際の臨床症状の即座の軽減、状態、障害又は疾病の増強又は改善に移行するか移行しないかにかかわらず(部分的又は全体的)緩解が含まれるが、これらに限定されない。処置は、過度なレベルの副作用がない状態で臨床的に重大な応答を引き出すことを目指す。処置は、処置を受けない場合に予測される生存期間と比較して生存期間を延長することも含む。

0074

[0132] 一般的に、「組織」という用語は、特定の機能を実行する際に一体化される同様に特殊化した細胞の任意の集合を指す。

0075

[0133] 本明細書で使用する「認知低下」は、動物の認知機能における任意の負の変化とすることができる。例えば、認知低下は記憶消失(挙動記憶消失)、新しい記憶の獲得失敗混乱、判断障害、人格変化見当識障害、又はその任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。したがって、認知低下の処置に効果的である化合物が効果的になり得るのは、長期ニューロン残留記憶(LTP)又は長期ニューロン抑鬱(LTD)又は電気生理学的に測定したシナプス可塑性バランスを回復する、神経変性を阻害、処置及び/又は寛解する、一般的アミロイドーシスを阻害、処置及び/又は寛解する、アミロイド産生、アミロイド集合、アミロイド凝集、及びアミロイドオリゴマー結合のうち1つ又は複数を阻害、処置、寛解する、1つ又は複数のAベータ種がニューロン細胞に及ぼす非致死的効果(シナプス消失又は不全及び異常な膜輸送など)を阻害、処置、及び/又は寛解する、及びその任意の組み合わせによるものである。また、その化合物はAベータ関連の神経変性疾病及び障害の処置にも効果的であることがあり、その疾病及び障害には軽度のアルツハイマー病を含むアルツハイマー病(AD)、ダウン症候群血管性認知症(脳アミロイド血管障害及び卒中)、レビー小体型認知症、HIV認知症、軽度の認知障害(MCI)を含むが、これらに限定されない認知症と、年齢に伴う記憶障害(AAMI)と、年齢関連性認知低下(ARCD)、症状発現前のアルツハイマー病(PCAD)と、認知症なし認知障害(CIND)とが含まれるが、これらに限定されない。

0076

[0134] 本明細書で使用する「自然リガンド」という用語は、対象の体内に存在し、タンパク質、受容体、膜脂質、又は他の結合パートナーとインビボで結合することができるか、又はインビトロで再現することができるリガンドを指す。自然リガンドは起源が合成でもよいが、自然に、且つ対象内でヒトの介入がない状態でも存在していなければならない。例えば、Aベータオリゴマーはヒト対象に存在することが知られている。したがって、対象の体内に見られるAベータオリゴマーは自然リガンドと見なされる。Aベータオリゴマーの結合パートナーとの結合は、組み換え技術又は合成技術を使用してインビトロで再現することができるが、Aベータオリゴマーの調製又は製造方法にかかわらず、Aベータオリゴマーはなお自然リガンドと見なされる。これも同じ結合パートナーに結合することができる合成小分子は、対象の体内に存在しない場合、自然リガンドではない。例えば、化合物II、化合物IXa及びIXb、さらに本明細書で説明する他の化合物は全て、通常は対象の体内に存在せず、したがって天然リガンドとは見なされない。

0077

[0135]シグマ−2受容体
[0136]シグマ受容体は、組織内の状態に関連した方法で幾つかの別個のタンパク質シグナル伝達複合体に関与する多機能アダプタシャペロンタンパク質である。シグマ−2受容体は、脳及び様々な末梢組織内に低レベルで発現する。(Walker他、1990、「Sigma receptors: biology and function」(Pharmacol. Rev. 42:355-402))。シグマ−2受容体は、ヒトの海馬及び皮質内に存在する。シグマ−2受容体は、以前に腫瘍細胞増殖生物マーカとしても確認されている。(Mach他の、「Sigma-2 receptors as potential biomarkers of proliferation in breast cancer」(Cancer Res. 57:156-161, 1997))。

0078

[0137]シグマ−2受容体は、ヘム結合、チトクロムP450代謝、コレステロール合成、プロゲステロンシグナル伝達、アポトーシス及び膜輸送などの多くのシグナル伝達経路に関係している。シグマ受容体結合部位/シグナル伝達経路のサブセットのみが、ADのオリゴマーシグナル伝達に関連する。シグマ−2受容体のノックアウトは現在のところ入手不能であり、シグマ−2配列のヒト突然変異体は神経変性の文脈では研究されていない。

0079

[0138]シグマ−2受容体は最近、ラットの肝臓中のシグマ−2受容体を不可逆的に標識する光親和性プローブWC−21を使用することにより、ラット肝臓のプロゲステロン受容体膜成分1(PGRMC1)として識別された(Xu他の、「Identification of the PGRMC1 protein complex as the putative sigma-2 receptor binding site」(Nature Communications 2,論文番号380、2011年7月5日、参照により本明細書に組み込まれている)。PGRMC1(プロゲステロン受容体膜成分1)は、2011年8月にXu 他によってシグマ−2受容体活性の重大な25kDa成分として識別された。PGRMC1は、シグマ−1タンパク質との相同性がない単膜内外タンパク質であり、ファミリーメンバーにはPTFMC2及びニューデシンが含まれる。PGRMC1はチトクロムb5ヘム結合ドメインを含有する。PGRMC1はS1タンパク質との相同性がない単膜内外タンパク質であり、ファミリーメンバーにはPGRMC2及びニューデシンが含まれる。PGRMC1はチトクロムb5ヘム結合ドメインを含有する。内在性PGRMC1リガンドはプロゲステロン/ステロイドコレステロール代謝物、グルココルチコイド、及びヘムを含む。PGRMC1は、様々な細胞内位置の様々なタンパク質複合体に関連するシャペロン/アダプタとして機能する(Cahill、2007、「Progesterone receptor membrane component 1: an integrative review」(J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 105:16-36))。PGRMC1は還元活性があるヘムと結合し、CYP450タンパク質と複合体を形成し(調整された酸化還元反応)、PAIRBP1と会合してアポトーシスのプロゲステロンブロックを仲介し、Insig−1及びSCAPと会合して、低コレステロールに応答してSRE関連の遺伝子転写を誘発する。C. elegans同族体VEM1はUNC−40/DCCと会合して、軸索誘導を仲介する。PGRMC1は2つのSH2標的配列、1つのSH3標的配列、1つのチロシンキナーゼ部位、2つの好酸性キナーゼ部位(CK2)、及びERK1及びPDK1のコンセンサス結合部位を含有する。PGRMC1は、膜輸送(小胞輸送、カルベオリン含有ピットクラスリン依存性取り込み)に関与する幾つかのITAM配列を含有する。

0080

[0139]シグマ−2受容体治療は、他のCNS適用についてはヒトの第II相臨床試験に到達しているが、それはAD治療についてではない。シグマ−2受容体リガンドの多くは非常に選択的ではなく、他の非シグマCNS受容体に対する高い親和性を有する。例えば、Cyr-101/MT-210(Cyrenaic Pharmaceuticals;Mitsubishi)は統合失調症の第IIa相臨床試験のシグマ−2受容体拮抗物質であるが、5HT2a、ADRA1、及びヒスタミンH1などの他の複数の受容体相互作用を有する。シラメシン(Lundbeck、Forest Lu28179)は、以前は不安に対する臨床試験が行われたが、中止されたシグマ−2受容体作用物質である。シグマ−1受容体リガンドは、様々なCNS適用について臨床試験中である。クタメシン二塩酸塩(AGY SA4503、M's Science Corp.)は、卒中に対して第II相臨床試験中、鬱病について第II相試験中であったシグマ−1受容体作用物質である。Anavex 2-73は、ムスカリン様コリン作動性受容体にてM2/3拮抗物質、M1作用物質としても作用し、様々なイオンチャネルNMDAR、Na+、Ca++)に対して拮抗物質であるシグマ−1受容体作動物質である。Anavex 2-73は、AD及び軽度の認知障害の患者について第IIa相臨床試験に入った。ADにおいては高度に選択的なシグマ−2受容体リガンド治療の臨床試験はこれまでない。

0081

[0140]シグマ−2拮抗物質
[0141] 理論に拘束されることなく、シグマ−2受容体はニューロン中のAベータオリゴマーの受容体であると提案される。プリオンタンパク質インスリン受容体、ベータアドレナリン様受容体及びRAGE(進行したグリケーション最終産物)など、可溶性Aベータオリゴマーに関して、文献で様々な受容体が提案されている。Lauren, J.他の2009年のNature(457(7233): 1128-1132)、Townsend, M.他のJ. Biol. Chem.(2007, 282:33305-33312)、Sturchler, E.他の2008年のJ. Neurosci.(28(20):5149-5158)。実際、Aベータオリゴマーが複数の受容体タンパク質に結合し得ると多くの研究者が考えている。理論に拘束されることなく、本明細書に提示された証拠に基づき、本発明の発明者は、(必ずしも排他的ではなく)ニューロン中に位置するAベータオリゴマーの追加の受容体を仮定する。

0082

[0142] 理論に拘束されることなく、Aベータオリゴマーは、シグマタンパク質複合体に結合し、迷走性輸送及びシナプス消失を引き起こすシグマ受容体拮抗物質である。ニューロン中のこの相互作用及び/又はシグマ受容体機能に拮抗する高親和性シグマ−2リガンドは、Aベータオリゴマーと競合し、ニューロン応答を正常に復帰させることが本明細書で実証されている。このようなリガンドは、機能的シグマ−2受容体拮抗物質と見なされ、このように、又はより簡単にシグマ−2受容体拮抗物質、又はシグマ−2拮抗物質と呼ばれる。

0083

[0143] 幾つかの実施形態では、本発明のシグマ−2受容体拮抗物質は、膜輸送アッセイで可溶性Aベータオリゴマーが誘発するシナプス消失を阻害し、可溶性Aベータオリゴマーが誘発する欠陥を阻害し、シグマ−2受容体にて高親和性を呈し、さらに任意の他の非シグマ受容体と比較して1つ又は複数のシグマ受容体に対して高い選択性を有し、及び良好な薬物様特性を呈することに関して、ニューロン細胞中で機能的拮抗物質として作用する。

0084

[0144] 幾つかの実施形態では、本明細書で詳述する特定のインビトロアッセイの基準に適合するシグマ−2受容体の機能的拮抗物質は、本明細書で開示するような1つ又は複数の関連する動物の挙動モデルにおいて、挙動有効性を呈するか、又は挙動有効性を有すると予想される。幾つかの実施形態では、挙動有効性はp.o.で10mg/kg以下で判定される。

0085

[0145] 幾つかの実施形態では、開示は高親和性のシグマ−2受容体リガンドの挙動有効性を予測するインビトロアッセイのプラットホームを提供する。インビトロアッセイのプラットホームによると、リガンドは高親和性でシグマ−2受容体と結合し、ニューロン中でAベータオリゴマーが誘発した効果に対して機能的拮抗物質として作用し、中枢ニューロン中でAベータオリゴマーが誘発するシナプス消失を阻害するか、又はニューロンへのAベータオリゴマー結合を減少させてシナプス消失を阻害し、Aベータオリゴマーが存在しない状態で輸送又はシナプス数に影響を与えない。インビトロアッセイにおけるこの活性パターンを「治療表現型」と呼ぶ。Aベータオリゴマーが存在しない状態で、シグマ−2受容体拮抗物質が正常な機能に影響せずに、成熟ニューロン中のAベータオリゴマーの効果を遮断する能力は、治療表現型の基準に適合する。次に、治療表現型を有する選択的シグマ−2拮抗物質は、Aベータオリゴマーが誘発するシナプス不全を遮断できることを開示する。

0086

[0146] 幾つかの実施形態では、必要とする患者のAベータオリゴマーが誘発したシナプス不全を治療するために、以下の特徴も有する治療表現型を有する高親和性の選択的シグマ−2拮抗物質が、治療候補として適切である。すなわち、シグマ受容体における高い親和性、他の非シグマCNS受容体と比較してシグマ受容体に対する高い選択性、シグマ−2及びシグマ1受容体におけるシグマ−2受容体の例えば1桁以内の高い親和性又は同等の親和性、中枢神経系に関する他の受容体とは対照的なシグマ受容体に対する選択性、及び良好な薬物様特性である。薬物様特性には、例えば肝ミクロソームに曝露することによって測定されるような許容可能な脳浸透性(血液脳関門を通過する能力)、血漿中の良好な安定性及び良好な代謝安定性が含まれる。理論に拘束されることなく、高親和性のシグマ−2受容体拮抗物質はAベータオリゴマーと競合し、及び/又はアルツハイマー病につながる病理学的なシグマ受容体のシグナル伝達を停止する。

0087

[0147] 幾つかの実施形態では、本発明の拮抗物質は、シグマ−2受容体より高い親和性でシグマ−1受容体に結合することができるが、それでもAベータオリゴマー誘発の効果(Aベータ効果)の遮断又は阻害に関して機能性ニューロン拮抗物質として挙動しなければならない。

0088

[0148] 幾つかの実施形態では、必要とする患者のAベータオリゴマーが誘発したシナプス不全を治療するために、以下の特徴も有する治療表現型を有するシグマ−2拮抗物質が、治療候補として適切である。すなわち、シグマ受容体における高い親和性、他の非シグマCNS受容体と比較してシグマ受容体に対する高い選択性、シグマ−2受容体に対する高い親和性、又はシグマ−2及びシグマ1受容体における同等の親和性、及び良好な薬物様特性である。薬物様特性には、高い脳浸透性、血漿安定性、及び代謝安定性が含まれる。

0089

[0149] 幾つかの実施形態では、結合活性研究で、最大約600nM、最大約500nM、最大約400nM、最大約300nM、最大約200nM、最大約150nM、最大約100nM、好ましくは最大約75nM、好ましくは最大約60nM、好ましくは最大40nM、さらに好ましくは最大10nM、最も好ましくは最大1nMのIC50又はKi値は、シグマ受容体結合部位に対して高い結合親和性を示す。

0090

[0150] 幾つかの実施形態では、他の非シグマCNS又は標的受容体と比較してシグマ受容体に対して約20倍超、約30倍超、約50倍超、約70倍超、又は好ましくは約100倍超の選択性を有して、脳浸透性及び良好な代謝及び/又は血漿安定性を含む良好な薬物様特性を有し、治療表現型を有するシグマ−2受容体にて、親和性が高い(好ましくはKiが、約600nM未満、約500nM未満、約400nM未満、約300nM未満、約200nM未満、約150nM未満、約100nM未満、約70nM未満、約60nM未満、約50nM未満、約30nM未満、又は約10nM未満の)シグマ−2受容体拮抗物質は、挙動有効性を有すると予想され、必要とする患者でAベータオリゴマーが誘発したシナプス不全の処置に使用することができる。

0091

[0151] 本明細書で使用する「脳浸透性」という用語は、薬物、抗体又はフラグメントが血液脳関門を通過する能力を指す。幾つかの実施形態では、動物の薬物動態学(pK)的研究、例えばマウスの薬物動態学/血液脳関門研究を用いて、脳浸透性を判定又は予想することができる。幾つかの実施形態では、例えば動物モデルで、様々な濃度、例えば3mg/kg、10mg/kg及び30mg/kgの薬物を例えばp.o.で5日間投与することができ、様々なpK特性を測定することができる。幾つかの実施形態では、用量関連の血漿及び脳レベルを判定する。幾つかの実施形態では、脳のCmaxは、100ng/mL超、300ng/mL超、600ng/mL超、1000ng/mL超、1300ng/mL超、1600ng/mL超、又は1900ng/mL超である。幾つかの実施形態では、良好な脳浸透性とは、0.1超、0.3超、0.5超、0.7超、0.8超、0.9超、好ましくは、1超、さらに好ましくは、2超、5超、又は10超の脳/血漿比と定義される。他の実施形態では、良好な脳浸透性は、所定の期間の後にBBBを通過した投与量の約0.1%超、約1%超、約5%超、約10%超、及び好ましくは、約15%超と定義される。特定の実施形態では、用量は経口(p.o.)投与される。他の実施形態では、用量はpK特性を測定する前に静脈内(i.v.)投与される。アッセイ及び脳浸透性については実施例7で説明し、化合物IIのデータを図2A及び図2Bに示す。化合物IIは初回通過代謝を受けることが知られ、したがって皮下投薬したが、それでも化合物IIは急性及び慢性投薬の後も脳浸透性が高かった。化合物IIの脳/血漿比は8を超えていた。

0092

[0152] 本明細書で使用する「血漿安定性」という用語は、例えばヒドロラーゼ及びエステラーゼなどによる血漿中の化合物の分解を指す。様々なインビトロアッセイのいずれかを使用することができる。薬物を血漿中で様々な期間インキュベートする。各時点にて残存する親化合物検体)百分率は血漿安定性を反映する。安定性の特徴が不良な場合、生物学的利用能が低くなる傾向があり得る。良好な血漿安定性とは、30分後の残存検体が50%を超える、45分後の残存検体が50%を超える、及び好ましくは60分後の残存検体が50%を超えると定義することができる。

0093

[0153] 本明細書で使用する「代謝安定性」という用語は、化合物が初回通過代謝(経口投与された薬物の腸内及び肝臓分解又は抱合)を乗り越える能力を指す。これは、例えば化合物をマウス又はヒトの肝ミクロソームに曝露させることによってインビトロで評価することができる。幾つかの実施形態では、良好な代謝安定性とは、化合物をマウス又はヒトの肝ミクロソームに曝露した後、t1/2>5分、>10分、>15分、>20分、及び好ましくは、>30分であることを指す。幾つかの実施形態では、良好な代謝安定性とは、固有クリアランス率(Clint)が300uL/分/mg未満、好ましくは、200uL/分/mg以下、及びさらに好ましくは、100uL/分/mg以下であることを指す。

0094

[0154] 幾つかの実施形態では、除外されるのは、シグマ−2拮抗物質であることが知られていなかった、及び(i)シグマ−2受容体に結合し、ニューロン細胞中の膜輸送の欠陥又はシナプス減少などのAベータ誘発病理を軽減又は解消することが知られていた、又は(ii)シグマ−2受容体の相互作用と関係なくアルツハイマー病の症状に対する活性を有することが知られていた先行技術の特定の化合物である。幾つかの実施形態では、表1Aに記載された化合物は、本開示の組成物又は方法に関して否定されており、表1Aに関しては、R、R1及びR2は別個にアルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、又はハロアルコキシとすることができ、n=0〜8である。
[0155]

0095

[0156] 幾つかの実施形態では、RHM−1、RHM−4、PB28、SM−21、M−14、NE100、BD1008、BD1047、フルボキサミン、PPBP、ペンタゾシン又はハロペリドールとして知られている化合物は、本開示の組成物又は方法に関して否認されている。特定のアッセイでは、シラメシン、SV−119及びWC−26は機能性シグマ−2受容体作用物質である。幾つかの実施形態では、本開示の組成物及び方法は、シラメシン、SV−119又はWC−26を含まない。

0096

[0157]シグマ−2作用物質は細胞毒性を引き起こす。
[0158] 理論に拘束されることなく、Aベータオリゴマーは、シグマタンパク質複合体に結合して、ニューロン毒性、異常輸送及びシナプス消失などの様々な有害なAベータ効果を引き起こし得るシグマ−2受容体作用物質であると提案される。シラメシン、SV−119及びWC−26などの既知のシグマ−2受容体作用物質は、腫瘍細胞を死滅させる能力によって示されるように、腫瘍細胞及びニューロンに対して細胞毒性であり、ニューロンに異常な核形態を引き起こすことが本明細書で実証されている(図9A及び図9B)。シグマ−2作用物質(シラメシン、SV−119)は、低濃度ではオリゴマー誘発の輸送欠損を遮断することができるが、比較的高い濃度では細胞毒性及びカスパーゼ−3活性を引き起こす(図10Aの作用物質シラメシン及び図10BのSV119を参照されたい)。化合物II及びIXa、IXbなどのシグマ−2拮抗物質は、図10Dに見られるように、SV−119などのシグマ−2受容体作用物質によって引き起こされるニューロン細胞中のカスパーゼ−3活性を遮断することができる。シグマ−2拮抗物質は、全ての試験濃度で細胞毒性を引き起こさず、Aベータオリゴマー誘発の輸送欠損を遮断する。例えば図11AのII及び図11BのRHM−1を参照されたい。

0097

[0159] 本明細書では、治療表現型、及び良好な薬物様の特性を有する高親和性の選択的シグマ−2機能性拮抗物質を使用して、Aベータオリゴマー誘発のシナプス不全を治療できることが開示される。

0098

[0160] 特定の実施形態では、本発明の組成物は、シグマ受容体に対して高い結合親和性を有する選択的シグマ−2機能性拮抗物質を含む。シグマ受容体には、シグマ−1サブタイプとシグマ−2サブタイプの両方が含まれる。Hellewell, S. B.及びBowen, W. D.のBrain Res. 527: 224-253 (1990)、及びWu, X.-Z.他のJ. Pharmacol. Exp. Ther. 257: 351-359 (1991)を参照されたい。両方のシグマ部位の推定上のリガンドの結合親和性を(親和性がほぼ同等の両方の部位を標識する3H−DTGに対して)定量化するシグマ受容体結合アッセイが、Weber他のProc. Natl. Acad. Sci (USA) 83: 8784-8788 (1986)に開示されている。あるいは、[3H]ペントゾシンを使用して、結合アッセイでシグマ−1結合部位を選択的に標識することができる。[3H]DTGと標識がない(+)ペンタゾシンの混合物を使用して、結合アッセイでシグマ−2部位を選択的に標識する。本発明はまた、シグマ−1及びシグマ−2受容体に対して選択的であり、シグマ−2機能性拮抗物質として作用する特定のリガンドを備える組成物に、さらにAベータオリゴマー誘発のシナプス不全の治療にこれらの組成物を使用することも指向する。2つのシグマ受容体サブタイプの一方に選択的であるこのようなリガンドの発見が、最小限の副作用で中枢神経系障害を治療する際に有効である化合物を識別するのに重要な要因となることがある。

0099

[0161] 幾つかの実施形態では、シグマ−2拮抗物質は、小分子又は抗体、又はその活性結合フラグメントから、可溶性Aベータオリゴマー結合又はAベータオリゴマー誘発シナプス不全を遮断する能力を有するシグマ−2受容体に対する高い親和性で選択される。

0100

[0162] 抗Aベータ抗体。アルツハイマー病の治療のために、幾つかの抗Aベータモノクローナル抗体が臨床開発中である。幾つかの実施形態では、本開示は、抗Aベータ抗体を有するシグマ−2受容体拮抗物質を含む組成物を提供する。例えば、バピネウズマブ(AAB−00;Janssen、Elan、Pfizer)は、軽度から中等度のアルツハイマー病の静脈内治療のために第III相臨床開発中の抗β−アミロイドヒト化IgG1モノクローナル抗体である。第II相臨床試験では、2mg/kgという高用量を投与された特定の患者が、可逆性の血管原性浮腫を経験した。1次効力分析では有意な違いは見られなかったが、メタアナリシスはAPOEε4の非キャリアで治療上違いのある可能性を示した。Salloway他の2009年の、「A phase 2 ascending dose trial of bapineuzumab in mild to moderate Alzheimer's disease」(Neurol. 2009; 73(24):2061-70)。現在第III相の試験中のバピネウズマブは、コリンエステラーゼ阻害剤又はメマンチジンを同時に使用することが許可された状態で、約13週間毎に1回、静脈内注射で0.5又は1.0mg/kgが投与される。バピネウズマブは、AベータのN末端エピトープ、すなわちAベータ1−5を認識する。他にも抗Aβヒト化モノクローナル抗体が様々な臨床開発相にある。例えば、Aベータ13−28に対して産生されたソラネズマブ(LY2062430;Lilly)、Aベータ33−40を標的とするPF−04360365(Pfizer)、MABT5102A(Genentech)、GSK933776(GlaxoSmithKline)、及びガンテネルマブ(R1450、RO4909832、Hoffman-LaRoche)である。ソラネズマブは、2次分析の第III相臨床試験結果で最近、軽度AD患者では認知低下に統計学的に有意な遅延を示すが、中等度のAD患者では示さないことが報告された。一実施形態では、軽度AD患者の認知低下を遅らせる方法に、シグマ−2拮抗物質及びソラネズマブを含む組成物を使用する。

0101

[0163]末梢投与した抗体は問題の組織に到達しなかったことがあるが、受動免疫化はマウスで作用するように見えたことが認められる。1つの仮説は、Aβに対する抗体が循環して、髄液から血漿へとAβペプチドの平衡をシフトさせ、脳のAβ負荷を間接的に軽減するということであった。Kerchner他の2010年の、「Bapineuzumab」(Expert Opin Biol Ther., 10(7):1121-1130)。あるいは、静脈内投与した抗体が脳内でAβに直接結合することが可能なようであると提案されている。例えば、Yamada他の2009年の、「Aβ immunotherapy: Intracerebral sequestration of Aβ by an anti-Ab monoclonal antibody 266 with high affinity to soluble Aβ」(J Neurosci 29(36):11393-11398)を参照されたい。残念ながら、これまでに静脈注射したアミロイドベータ特異的モノクローナル抗体が特に有効であるとは証明されていない。例えば、最近、軽度から中等度のアルツハイマー病の患者での2つの後期段階試験で効力がなかったことから、静脈注射のバピネウズマブの開発が終了した。

0102

[0164] 抗Aベータポリクローナル抗体は、静脈内免疫グロブリン(IVIg又はIGIV)のプール製剤中で自然に発生し、これは既に他の神経症状治療用にFDAが認可している。ADにIVIgを使用する少なくとも2つの臨床試験が、Baxter及びOctpharmaによって進行中である。下記のKerchner他(2010)を参照。幾つかの実施形態では、本開示は認知低下又はアルツハイマー病を治療する方法及び組成物を提供し、組成物はシグマ−2受容体拮抗物質化合物及び抗Aベータ抗体及び薬学的に許容可能な担体を含む。

0103

[0165]シグマ−2受容体抗体
[0166] 幾つかの実施形態では、シグマ−2受容体拮抗物質化合物は、可溶性Aベータオリゴマー結合又はAベータオリゴマー誘発シナプス不全を遮断する能力を有するシグマ−2受容体特異的抗体、又はその活性結合フラグメントである。好ましい実施形態では、本明細書で開示する方法で使用するシグマ−2拮抗物質抗体又はその免疫特異的フラグメントは、治療される動物、例えばヒトに有害な免疫応答を誘発しない。特定の実施形態では、本明細書で開示する治療法に使用するシグマ−2拮抗物質抗体又はその活性結合フラグメントは、当技術分野で認識されている技術を使用してその免疫原性を軽減するように修飾することができる。例えば、ヒト化、霊長類化、脱免疫化、合成又はキメラ抗体を作成することができる。これらのタイプの抗体は、親抗体の抗原結合特性は保持するか、又は実質的に保持するが、ヒトにおける免疫原性が低下している非ヒト抗体から、通常はマウス又は霊長類の抗体から誘導することができる。これは様々な方法で達成することができる。例えば、(a)非ヒト可変ドメイン全体をヒトの定常部グラフトして、キメラ抗体を生成する方法、(b)重大なフレームワーク残留物がある状態、又はない状態で、1つ又は複数の非ヒト相補性決定領域(CDR)の少なくとも一部をヒトフレームワーク及び定常部にグラフトする方法、(c)非ヒト可変ドメイン全体を移植するが、表面残留物を交換することによって、それをヒト様切片で「クローキング」する方法、又は(d)マウスが、ヒトのレパートリー、例えば免疫グロブリン重鎖及び軽鎖可変ドメインを発現するように遺伝子工学で作成した遺伝子修飾マウスを使用する方法であるが、これらに限定されない。このような方法が、Morrison他のProc. Natl. Acad. Sci. 81:6851-6855 (1984)、Morrison他のAdv. Immunol. 44:65-92 (1988)、Verhoeyen他のScience 239:1534-1536 (1988)、PadlanのMolec. Immun. 28:489-498 (1991)、PadlanのMolec. Immun. 31:169-217 (1994)、PetersonのILAR Journal 46(3): 314-319 (2005)、LonbergのNat. Biotechnol. 23(9): 1119-1125 (2005)、及び米国特許第5,585,089号、第5,693,761号、第5,693,762号、第6,190,370号、及びUS2012/0021409号で開示され、これらは全て全体が参照により本明細書に組み込まれている。

0104

[0167]脱免疫化は、抗体の免疫原性の低下にも使用することができる。本明細書で使用する「脱免疫化」という用語は、抗体を変化させてT細胞エピトープを修飾することを含む(例えばWO9852976A1号、第WO0034317A2号を参照)。例えば、開始抗体からのVH及びVL配列を分析し、各V領域からのヒトT細胞エピトープ「マップ」が、配列内の相補的決定領域(CDR)及び他の重要な残留物に対するエピトープの位置を示す。最終抗体の活性を変化させるリスクが低い代替アミノ酸置換基を識別するために、T細胞エピトープマップからの個々のT細胞エピトープを分析する。アミノ酸置換基の組み合わせを含むある範囲の代替VH及びVL配列を設計し、その後に本明細書で開示する方法で使用するために、ある範囲の結合ポリペプチド、例えばシグマ−2拮抗物質抗体又はその免疫特異的フラグメント内にこれらの配列を組み込み、次にその機能を試験する。通常は、12個と24個の間の変異抗体を生成して試験する。次に、修飾V及びヒトC領域を含む完全な重鎖及び軽鎖遺伝子から発現ベクトルクローンを作成し、その後のプラスミドを、抗体全体を産生するために細胞系に導入する。次に、適切な生化学及び生物学的アッセイで抗体を比較し、最適変異体を識別する。

0105

[0168] 本発明の方法で使用するシグマ−2拮抗物質抗体又はそのフラグメントは、当技術分野で知られている任意の適切な方法で生成することができる。ポリクローナル抗体は、当技術分野で周知の様々な手順で生成することができる。例えば、シグマ−2ポリペプチドフラグメントを、ウサギ、マウス、ラットなどを含むがこれらに限定されない様々な宿主動物に投与し、抗原に特異的なポリクローナル抗体を含有する血清の産生を誘導することができる。宿主種に応じて免疫応答を増大させるために、様々なアジュバントを使用することができ、それには(完全又は不完全フロイントのアジュバント、水酸化アルミニウムなどの鉱物ゲルリゾレシチンプルロニックポリオールポリアニオン、ペプチド、油乳濁液キーホールリンペットヘモシアニンジニトロフェノールなどの界面活性物質、及びBCGカルメット‐ゲラン杆菌)及びコリネバクテリウムパルヴムなどの潜在的に有用なヒトアジュバントが含まれるが、これらに限定されない。このようなアジュバントも当技術分野で周知である。

0106

[0169]モノクローナル抗体は、当技術分野で知られている広範囲の技術を使用して調製することができ、それにはハイブリドーマの使用、遺伝子組み換え、及びファージ提示技術、又はそれらの組み合わせが含まれる。例えば、モノクローナル抗体は、当技術分野で知られ、例えばHarlow他の、「Antibodies: A Laboratory Manual」(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed. (1988))、Hammerling他の、「Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas」(Elsevier, N.Y., 563-681 (1981))(上記参照文献は全体が参照により本明細書に組み込まれている)で教示されるようなハイブリドーマ技術を使用して産生することができる。本明細書で使用する「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術により産生された抗体に限定されない。「モノクローナル抗体」という用語は、任意の真核原核、又はファージクローンなどの単一のクローンから誘導される抗体を指すものであり、それが産生される方法を指すものではない。したがって、「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術により産生された抗体に限定されない。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマの使用、及び遺伝子組み換え及びファージ提示テクノロジーなど、当技術分野で知られている広範囲の技術を使用して調製することができる。

0107

[0170] 幾つかの実施形態では、シグマ−2受容体に特異的なモノクローナル抗体などのシグマ−2拮抗物質、又はその活性結合フラグメントを改変して、当技術分野で知られている任意の使用可能な技術を使用して血液脳関門(BBB)を通過する能力を向上させることができる。組み換えタンパク質の治療は、血液脳関門を通過しないので、通常は脳への送達に使用することができないが、生物学的治療の脳送達のための技術が当技術分野で知られている。例えば、参照により本明細書に組み込まれているPardridge及びBoadoの、「Reengineering biopharmaceuticals for targeted delivery across the blood-brain barrier」(MethodsEnzymol. 2012; 503:269-292)を参照されたい。Pardridge及びBoadoは、組み換えタンパク質を、BBB貫通IgG融合タンパク質として改変することができると報告し、ここでIgG部分は、ヒトインスリン受容体(HIR)又はトランスフェリン受容体(TfR)などの内在性BBB受容体に対して遺伝子的に改変されたモノクローナル抗体(MAb)である。IgGは内在性インスリン受容体又はTfRと結合して、BBBを通過する輸送のトリガとなり、分子のトロイの(MTH)として作用して、脳内に融合タンパク質治療を渡す。IgG融合タンパク質の薬物動態学的(PK)特性は典型的なMAb薬物とは異なり、脳ばかりではなく周辺組織による迅速な取り込みにより、小分子のPKプロファイルに類似している。IgG融合タンパク質の脳取り込みは、脳1個当たりの注入用量の2〜3%であり、小分子の脳取り込みに匹敵する。IgG融合タンパク質は、マウスモデルに慢性投与されており、免疫応答は低いタイタであり、インビボで血液からの融合タンパク質のクリアランス又は脳取り込みに影響しない。例えば、Zhou他は「トロイの馬」を使用して、血液脳関門(BBB)の分子のトロイの馬がある融合タンパク質として抗Aベータアミロイド抗体(AAA)を再改変した。AAAを単鎖Fv(ScFv)抗体として改変し、ScFvをマウストランスフェリン受容体(TfR)に対するキメラモノクローナル抗体(Mab)の重鎖に融合した。TfRMAb-ScFvタンパク質は、BBB TfRの輸送を介して血液からマウスの脳に浸透し、脳取り込みは、静脈内投与後、脳1グラム当たり注入用量の3.5%である。Zhou他の、「Receptor-mediated Abeta Amyloid Antibody Targeting to Alzheimer's Disease Mouse Brain」(Mol. Pharm. 2011, Feb 7; 8(1):280-285)。BBB MTHテクノロジーによって、標的薬物を脳に送達するために広範囲の組み換えタンパク質治療法を再改変することができる。

0108

[0171] 幾つかの実施形態では、抗体を改変して、Yu他(2011)の方法による脳取り込みを増大させることができる。BBBを構成する内皮細胞が高度に発現するトランスフェリン受容体を標的にする抗体が、受容体仲介の経細胞輸送によりBBBを通過すると報告されている。この方法の1つの問題は、トランスフェリン受容体を標的にする高親和性抗体により、抗体がCNS血管系から放出される確率を低下させることがあることである。Yu他は、脳血管内皮からの抗体の放出を増加させ、脳への取り込み及び分布を増大させるために、トランスフェリンに対する親和性が低い抗体を設計した。Yuの報告によると、抗TfR抗体の親和性が低下すると、脳取り込みが増加する。幾つかの実施形態では、抗シグマ−2受容体抗体は、二重特異性抗体であり、一方の腕は低親和性の抗トランスフェリン受容体抗体を含み、他方の腕は高親和性の抗シグマ−2受容体抗体又は抗PGRMC1抗体を備え、これはY. Joy Yu他のSci Transl Med 3, 84ra44(2011)、及びUS2012/0171120号の方法によるものであり、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれている。

0109

[0172] 幾つかの実施形態では、シグマ−2拮抗物質はシグマ−2受容体に特異的に結合する、及びAベータオリゴマー結合又はAベータオリゴマー誘発シナプス不全も遮断するか、又は機能性ニューロン拮抗物質として作用するか、又はAベータオリゴマー結合及びAベータ効果を遮断する任意の抗PGRMC1抗体から、又は任意の抗体、又はそれらのフラグメントから選択される。

0110

[0173] 幾つかの実施形態では、シグマ−2受容体抗体又はその結合フラグメントは、BBB浸透IgG融合タンパク質、又は結合体として再改変することができ、ここでIgG部分は、ヒトインスリン受容体(HIR)又はトランスフェリン受容体(TfR)などの内在性BBB受容体に対して遺伝子改変されたモノクローナル抗体(MAb)である。例えばキトサンナノ粒子、又はポリリンゴ酸結合体などを介したHIR又はTfR Mabへの抗シグマ−2受容体抗体又はそのフラグメントの結合体。例えば、Yemisci他の、「Transport of a caspase inhibitor across the blood-brain barrier by chitosan nanoparticles」(MethodsEnzymol., 2012; 508:243-269)、及びDing他の、「Inhibition of brain tumor growth by intravenous poly(b-L-malic acid) nanobioconjugate with a pH-dependent drug release」(PNAS, 2010 107(42) 18143-18148)を参照されたい。これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれている。幾つかの実施形態では、血液脳関門をまたいだサイトーシスを経験する受容体に対して産生される単ドメイン抗体を、融合タンパク質又は結合体中で使用する。例えば、参照により本明細書に組み込まれているAbulrob他のJ Neurochem 2005, 95(4):1201-121を参照されたい。

0111

[0174] 幾つかの実施形態では、抗シグマ−2受容体抗体が、ヒト膜関連プロゲステロン受容体成分1(ヒトPGRMC1)のエピトープ、又はアイソフォームホモログ、変異体、細胞外ドメイン又はそのフラグメントに対して産生される。例えば、ヒトPGRMC1の1つのタンパク質配列は195アミノ酸(aa)タンパク質である;GI:48146103:
maaedvvatg adpsdlesgg llheiftspl nllllglcif llykivrgdq paasgdsddd
eppplprlkr rdftpaelrr fdgvqdpril maingkvfdv tkgrkfygpe gpygvfagrd
asrglatfcl dkealkdeyd dlsdltaaqq etlsdwesqf tfkyhhvgkl lkegeeptvy
sdeeepkdes arknd(配列番号:1)

0112

[0175] 例えば、プロゲステロン受容体膜成分1、アイソフォーム、CRA_a[ホモサピエンス]、195aaタンパク質;GI:119610285:
maaedvvatg adpsdlesgg llheiftspl nllllglcif llykivrgdq paasgdsddd
eppplprlkr rdftpaelrr fdgvqdpril maingkvfdv tkgrkfygpe gpygvfagrd
asrglatfcl dkealkdeyd dlsdltaaqq etlsdwesqf tfkyhhvgkl lkegeeptvy
sdeeepkdes arknd(配列番号:2)

0113

[0176] 例えば、プロゲステロン受容体膜成分1、アイソフォームCRA_b[ホモサピエンス]、170aaタンパク質;GI:119610286:
maaedvvatg adpsdlesgg llheiftspl nllllglcif llykivrgdq paasgdsddd
eppplprlkr rdftpaelrr fdgvqdpril maingkvfdv tkgrkfygpe gpygvfagrd
asrglatfcl dkemrknqkm rvpgkmikaf sgsisifvfc kiicnsplcl
(配列番号:3)

0114

[0177] 例えば、プロゲステロン受容体膜成分1、アイソフォームCRA_c[ホモサピエンス]、143aaタンパク質;GI:119610287:
maaedvvatg adpsdlesgg llheiftspl nllllglcif llykivrgdq paasgdsddd
eppplprlkr rdftpaelrr fdgvqdpril maingkvfdv tkgrkfygpv kyhhvgkllk
egeeptvysd eeepkdesar knd(配列番号:4)

0115

[0178] ヒトPGRMC1のホモログは例えばラットのPGRMC1を含む。例えばラットのPGRMC1、243aaタンパク質;GI:11120720:
maaedvvatg adpseleggg llqeiftspl nllllglcif llykivrgdq pgasgdnddd
eppplprlkp rdftpaelrr ydgvqdpril maingkvfdv tkgrkfygpe gpygvfagrd
asrglatfcl dkealkdeyd dlsdltpaqq etlndwdsqf sspsstitwg kllegaeepi
vysddeeqkm rllgrvteav sgaylflyfa ksfvtfqsvf ttw(配列番号:5)

0116

[0179] 別のホモログはラットのPGRMC1、195aaタンパク質である;GI:38303845:
maaedvvatg adpseleggg llqeiftspl nllllglcif llykivrgdq pgasgdnddd
eppplprlkp rdftpaelrr ydgvqdpril maingkvfdv tkgrkfygpe gpygvfagrd
asrglatfcl dkealkdeyd dlsdltpaqq etlndwdsqf tfkyhhvgkl lkegeeptvy
sddeepkdea arksd(配列番号:6)

0117

[0180] 幾つかの実施形態では、特異的シグマ−2受容体拮抗物質化合物は、可溶性Aベータオリゴマーとシグマ−2受容体との間の結合を遮断する抗シグマ−2受容体抗体である。幾つかの実施形態では、抗シグマ−2受容体抗体は、PGRMC1タンパク質のアミノ酸配列に対応するエピトープを認識する。幾つかの実施形態では、シグマ−2受容体特異的抗体は、PGRMC1に対応するN末端配列、C末端配列、内部配列、又は完全長タンパク質配列から誘導したアミノ酸配列に対応するエピトープに対して特異的とすることができる。複数の実施形態では、シグマ−2受容体特異的抗体は、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、9又は10のうち1つ又は複数との結合に対して特異的とすることができる。幾つかの実施形態では、特異的シグマ−2受容体拮抗物質化合物は、ヒトPGRMC1のC末端アミノ酸185−195に対応する合成ペプチドEPKDESARKND(配列番号:7)を認識する抗PGRMC1抗体である。幾つかの実施形態では、シグマ−2受容体拮抗物質化合物は、ヒトPGRMC1タンパク質のN末端にある残基1−46に特異的な抗体ではない(MAAEDVVATGADPSDLESGGLLHEIFTSPLNLLLLGLCIFLLYKI(配列番号:9)、#sc-98680, Santa Cruz)。

0118

[0181] 幾つかの実施形態では、抗シグマ−2受容体抗体は、任意の既知の完全長PGRMC1タンパク質、又はその変異体、フラグメント、免疫原又はエピトープ、例えばPGRMC1のN末端、中心フラグメント、又はC末端領域、又はそのホモログ、免疫原又は変異体に対して産生されるか、又はいかなる場合でもそれを認識する抗体である。単離、精製又は合成タンパク質又はペプチドを免疫原として使用することができる。タンパク質又はフラグメントは任意選択で、免疫原性を向上させるために当技術分野で知られている様々な手段によりアジュバント及び/又は共役する。PGRMC1の同意語にはプロゲステロン結合タンパク質、HPR6.6;HGNC:16090、プロゲステロン受容体膜結合成分1、及びMPRが含まれる。一実施形態では、フラグメント又はエピトープは、ヒトPGRMC1のC末端アミノ酸185−195に対応するEPKDESARKND(配列番号:7)である。このフラグメントを使用して、市販されているヤギ抗ヒトPGRMC1ポリクローナル抗体(例えばAbcam ab48012;Sigma-Aldrich SAB2500782;及びEverest Biotech, Ltd. EB07207)を産生した。別のフラグメントは、ヒトPGRMC1の残基50−150taaqq etlsdwesqf tfkyhhvgkl lkegeeptvy sdeeepkdes arknd(配列番号:10)で構成され、このフラグメントを、当技術分野で知られている手段によってKLHに共役し、ウサギ抗PGRMC1ポリクローナル抗体を生成し、Abcam ab88948として販売されている。販売されている他の抗体にはSanta Cruz Biotechnologyのsc−98680(N末端aa1−46に対して産生されたヤギ抗ヒトPGRMC1ポリクローナル抗体、(MAAEDVVATGADPSDLESGGLLHEIFTSPLNLLLLGLCIF LLYKIV(配列番号:9);sc−82694(内部エピトープに対して産生されたヤギ抗ヒトPGRMC1ポリクローナル抗体);sc−133906(合成PGRMC1ペプチドに対して産生されたウサギ抗ヒトPGRMC1ポリクローナル抗体);sc−135720(PGRMC1(12B7)マウスMab);sc−271275(N末端1−46に対して産生されたPGRMC1(c−3)マウスMab);及び膜関連プロゲステロン受容体成分1組み換えタンパク質エピトープ符号タグ(PrEST)に対して産生されたシグマ−アルドリッチHPA002877抗PGRMC1ウサギポリクローナル抗体が含まれる。

0119

[0182] 本明細書で提供される実施例には、シグマ−1受容体(オピオイド受容体、シグマ−1;Oprs1)タンパク質、フラグメント、エピトープ又は免疫原に対して産生された他の抗体が使用される。このような抗シグマ−1受容体抗体にはThermo ScientificのPAS−12326(KLHに共役したOPRS1のN末端領域に対して産生されたウサギ抗シグマ−1受容体ポリクローナル抗体);Santa Cruz Biotechnology, Inc.のシグマ受容体(L−20)sc−16203(シグマ−1受容体の内部領域に対して産生されたヤギ抗ヒト);Santa Cruz Biothechnology, Inc.のウサギ抗ヒト完全長シグマ受容体aa1−223に対して産生されたシグマ受容体(FL−223)sc−20935;Santa Cruz Biotechnology, Inc.のヒトシグマ受容体の内部領域に対して産生されたシグマ受容体(S−18)sc−22948ヤギ抗ヒトポリクローナル抗体;Santa Cruz Biotechnology, Inc.のヒトシグマ−1受容体の内部領域のアミノ酸136−169間のエピトープマッピングに対して特異的なシグマ受容体(B−5)sc−137075マウスモノクローナル抗体(Mab);及びSanta Cruz Biotechnology, Inc.のアミノ酸1−223完全長ヒトシグマ−1受容体に対して産生されたシグマ受容体(F−5)マウスモノクローナル抗体が含まれる。

0120

[0183] ヒトシグマ−1受容体は、223aaタンパク質である。GI:74752153:
mqwavgrrwa waalllavaa vltqvvwlwl gtqsfvfqre eiaqlarqya gldhelafsr
livelrrlhp ghvlpdeelq wvfvnaggwm gamcllhasl seyvllfgta lgsrghsgry
waeisdtiis gtfhqwregt tksevfypge tvvhgpgeat avewgpntwm veygrgvips
tlafaladtv fstqdfltlf ytlrsyargl rlelttylfg qdp(配列番号:8)

0121

[0184] 幾つかの実施形態では、当技術分野で知られている任意の方法で、シグマ−1受容体拮抗物質として抗体を産生するために、N末端、C末端、中心領域などの任意のシグマ−1受容体完全長タンパク質、ホモログ、変異体、又はフラグメントを使用することができる。

0122

[0185] 幾つかの実施形態では、シグマ−2拮抗物質はシグマ−2受容体に対する親和性が高い小分子化合物である。

0123

[0186]シグマ−2受容体拮抗物質として選択するためのシグマ−2受容体リガンド
[0187] 幾つかの実施形態では、本発明で使用するシグマ−2受容体拮抗物質は、追加の選択基準にも適合するシグマ−2受容体リガンド化合物から選択される。追加の基準は、シグマ−2受容体リガンドから本発明に使用するシグマ−2受容体拮抗物質を選択するために使用される。追加の選択基準には、膜輸送アッセイで、可溶性Aβオリゴマー誘発シナプス消失を阻害する、及び可溶性Aβオリゴマー誘発欠損を阻害することに関して、ニューロン細胞中で機能性拮抗物質として作用することと、任意の他の非シグマ受容体と比較して1つ又は複数のシグマ受容体に対して高い選択性を有することと、シグマ−2受容体において高い親和性を呈することと、良好な脳浸透性、良好な代謝安定性、及び良好な血漿安定性などの良好な薬物様の特性を呈することとが含まれる。幾つかの実施形態では、シグマ−2受容体拮抗物質はさらに、以下の追加の特性のうち1つ又は複数を呈することに基づいて選択される。すなわち、Aベータオリゴマーが存在しない状態で輸送又はシナプス数に影響しないこと、ニューロン細胞中でカスパーゼ−3活性を誘導しないこと、シグマ−2受容体作用物質によるカスパーゼ−3活性の誘導を阻害すること、及び/又はシグマ−2受容体作用物質によって引き起こされるニューロン細胞中のニューロン毒性を減少させるか、又はそれに対して保護することである。

0124

[0188] 幾つかの実施形態では、さらなる選択基準にかけられる特定のシグマ−2受容体リガンド化合物は、本明細書で説明する化合物から選択され、本明細書、及びそれぞれ全体が参照により本明細書に組み込まれているWO2011/014880号(出願第PCT/US2010/044136号)、WO2010/118055号(出願第PCT/US2010/030130号)、出願第PCT/US2011/026530号、及びWO2012/106426号に記載された方法により合成することができる。これらの化合物を調製する追加の選択肢を、以下で詳細に検討する。

0125

[0189] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは、任意選択で置換されたピペラジン、フェニルテトラハイドロフラン−N,N−ジメチルメタンアミン、ジフェニルテトラハイドロフラン−N,N−ジメチルメタンアミン、4−フェニルペンチル−ピペラジン、ベンジルフェニル−ピペラジン、インドールオキサアザスピロデカン、ピペラジン−インドール、フェニルピペラジン−インドール、ピラゾールモルフォリン、ピラゾール−ピペラジン、ピラゾール−N,N−ジエチルエタンアミン、ピラゾール−ピロリジン、フェニル−ピラゾール−モルフォリン、ベンズアミドキノリン化合物、又はそれらの誘導体である。

0126

[0190] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは、任意選択で置換されたN−(4−(3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)ブチル)ベンズアミド、1−シクロヘキシル−4−(3−(1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−1−イル)プロピル)ピペラジン、(5,5−ジフェニルテトラヒドロフラン−3−イル)メタンアミン、1−(5,5−ジフェニルテトラハイドロフラン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン、N,N−ジメチル−1−(5−フェニルテトラハイドロフラン−3−イル)メタンアミン、1−(4−フェニルブチル)ピペラジン、1−(4−ベンジルフェニル)−4−メチルピペラジン、シクロヘキシル−4−(4−フェニルシクロヘキシル)ピペラジン、1−シクロヘキシル−4−(4−フェニルシクロヘキシル)ピペラジン、シクロヘキシル−4−(3−(1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−1−イル)プロピル)ピペラジン、1−シクロヘキシル−4−(3−(1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−1−イル)プロピル)ピペラジン、8−(2−(4,5,6,7−テトラハイドロ−1H−インドール−4−イル)エチル−2−オキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン、4−(2−(4−フェニルピペリジン−1−イル)エチル)−4,5,6,7−テトラハイドロ−1H−インドール、4−(2−(1H−ピラゾール−3−イルオキシ)アルキル)モルフォリン、4−(2−(1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル)モルフォリン、1−(2−(1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エチル)ピペリジン、1−(2−(1H−ピラゾール−3−イルオキシ)アルキル)ピペリジン、2−(1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−N,N−ジエチルエタンアミン、2−(1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−N,N−ジアルキルアルカンアミン、3−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)−1H−ピラゾール、3−(2−(ピロリジン−1−イル)アルコキシ)−1H−ピラゾール、1−(1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オル、1−(1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペラジン−1−イル)アルカン−2−オル、1−(1−アリル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペラジン−1−イル)アルカン−2−オル、1−(1−フェニル−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペラジン−1−イル)アルカン−2−オル、1−(1−アリール−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペラジン−1−イル)プロパン−2−オル、1−(1−ヘテロアリール−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペラジン−1−イル)アルカン−2−オル、1−(1−(ジハロアリール)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペラジン−1−イル)アルカン−2−オル、1−(1−ジハロヘテロアリール)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペラジン−1−イル)アルカン−2−オル、1−(1−(3,4−ジハロアリール)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペラジン−1−イル)アルカン−2−オル、1−(1−(3,4−ジハロヘテロアリール)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペリジン−1−イル)アルカン−2−オル、1−(1−(ジハロアリール)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ピペリジン−1−イル)アルカン−2−オル、1−(1−(ジハロヘテロアリール)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ジアルキルアミノ)アルカン−2−オル、1−(1−(ジクロロヘテロアリール)−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)−3−(ジアルキルアミノ)アルカン−2−オル、N−(4−(3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)ブチル)ベンズアミド、N−(4−(3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)アルキル)ベンズアミド、N−(4−(3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)アルキル)−2−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−(6,7−ジメトキシ−3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)ブチル)ベンズアミド、N−(4−(6,7−ジアルコキシ−3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)アルキル)ベンズアミド、N−(4−(6,7−ジメトキシ−3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)ブチル)−2−ナフタミド、N−(4−(6,7−ジアルコキシ−3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)アルキル)−2−ナフタミド、N−(4−(3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)ブチル)−2−ナフタミド、N−(4−(3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)アルキル)−2−ナフタミド、N−(2−(3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチル)−2,3−ジメトキシベンザミド、N−(2−(3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)アルキル)−2,3−ジアルコキシベンザミド、N−(2−(3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチル)ベンザミド、N−(2−(3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)アルキル)ベンザミド、N−(2−(4−(2,3−ジクロロフェニル)ピペリジン−1−イル)エチル)−2−ナフタミド、N−(2−(4−(2,3−ジハロアリール)ピペリジン−1−イル)アルキル)−2−ナフタミド、2,3−ジメトキシ−N−(4−(4−フェニルピペリジン−1−イル)ブチル)ベンザミド、2,3−ジアルコキシ−N−(4−(4−フェニルピペリジン−1−イル)アルキル)ベンザミド、N−(4−(4−(2,3−ジハロフェニル)ピペリジン−1−イル)アルキル)−2,3−ジアルコキシベンザミド、5−ハロ−N−(4−(4−(2,3−ジハロフェニル)ピペリジン−1−イル)アルキル)−2,3−ジアルコキシベンザミド(ここで、2、3及び5位置のハロは同じ、又は別個にF、Cl、Br又はIである)、N−(4−(6,7−ジメトキシ−3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)ブチル)−2−(2−フルオロエトキシ)−5−ヨード−3−メトキシベンザミド、N−(4−(6,7−ジアルコキシ−3,4−ジハイドロイソキノリン−2(1H)−イル)アルキル)−2−(2−ハロエトキシ)−5−ハロ−3−メトキシベンザミド(ここで、ハロ置換基は同じ、又は別個にF、Cl、Br又はIである)、9−ベンジル−9−アザバイシクロ[3.3.1]ノナン−3−イルフェニルカルバメート、9−ベンジル−9−アザバイシクロ[3.3.1]ノナン−3−イル2−アルコキシフェニルカルバメート、9−(5−フェニルアルキル)−9−アザバイシクロ[3.3.1]ノナン−3−イル2−メトキシ−5−メチルフェニルカルバメート、9−アルキル−9−アザバイシクロ[3.3.1]ノナン−3−イルフェニルカルバメート、3−(2−(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル)アルキル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン、6−アセチル−3−(4−(4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル)アルキル)ベンゾ[d]オキサゾール−2(3H)−オン、1−ベンジル−4−(1,2−ジフェニルエチル)ピペラジン、1−アリール−4−(1,2−ジフェニルエチル)ピペラジン、エチル2−(6−オキソ−5−フェニル−3,3a,6,6a−テトラハイドロシクロペンタ[c]ピロル−2(1H)−イル)プロパノエート、エチル2−(5−アルキル−6−オキソ−3,3a,6,6a−テトラハイドロシクロペンタ[c]ピロル−2(1H)−イル)プロパノエート、2−((3−(2H−ナフト[1,8−cd]イソチアゾール−2−イル)アルキル)(メチル)アミノ)アルカノール、2−((1−(2−(1−アルキル−1H−ピロール−2−イル)−2−オキソエチル)ピペリジン−4−イル)アルキル)イソインドリン−1−オン、2−((1−(2−オキソアルキル)ピペリジン−4−イル)アルキル)イソインドリン−1−オン、1’−(4−(1−(4−ハロアリール)−1H−インドール−3−イル)アルキル)−3H−スピロイソベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]、1’−(4−(1−(4−ハロヘテロアリール)−1H−インドール−3−イル)アルキル)−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]、3−(3−アルキルバット−2−アルキニル)−1,2,3,4,5,6−ヘキサハイドロベンゾ[d]アゾシン−8−オル、ペンタゾシン化合物、又はそれらの類似体又は誘導体である。

0127

[0191] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を含む。



式中、
R1、R2、R3、R4、及びR11はそれぞれ別個にH、OH,ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、及びNH(C1−4アルキル)から選択される、
R5及びR6はそれぞれ別個にH、C1−6ハロアルキル、C1−6アルキル、及びC3−7シクロアルキル、及びNH(C1−4アルキル)から選択される、
R7及びR8はそれぞれ別個にH、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、及びC3−7シクロアルキルから選択されるか、
又は、R2及びR3はそれらが結合するC原子とともに、OH、アミノ、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから別個に選択された1,2、3、4又は5置換基で任意選択で置換された4から8員シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、又はヘテロシクロアルキルを形成し、R2及びR3はそれぞれ別個に結合、C、N、S及びOから選択されるか、
又は、R9及びR10はそれらが結合するN及びC原子とともに、OH、アミノ、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから別個に選択された1、2、3、4又は5置換基で任意選択で置換された4〜8員ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール基を形成し、R9及びR10はそれぞれ別個に結合、C、N、S及びOから選択されるか、
又はR9及びR11はそれらが結合するN及びC原子とともに、OH、アミノ、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから別個に選択された1、2、3、4又は5置換基と任意選択で置換された6〜8員ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール基を形成し、R9及びR11はそれぞれ別個に結合、C、N、S及びOから選択されるか、
又はR1及びR11はそれらが結合するC原子とともに、OH,アミノ、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから別個に選択された1、2、3、4又は5置換基と任意選択で置換された4、5、6、7又は8員シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール基を形成し、R1及びR11はそれぞれ別個に結合、C、N、S及びOから選択されるか、
又はR1及びR2はそれらが結合するC原子とともに、OH、アミノ、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから別個に選択された1、2、3、4又は5置換基と任意選択で置換された4、5、6、7又は8員シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール基を形成し、R1及びR2はそれぞれ別個に結合、C、N、S及びOから別個に選択されるか、
又はR3及びR4はそれらが結合するC原子とともに、OH、アミノ、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから別個に選択された1、2、3、4又は5置換基と任意選択で置換された4、5、6、7又は8員シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール基を形成し、R3及びR4はそれぞれ別個に結合、C、N、S及びOから選択され、
ここで、O、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及びシクロアルキルはそれぞれ、OH,アミノ、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから別個に選択された1、2、3、4又は5置換基と任意選択で別個に置換される。

0128

[0192] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドはラセミ混合物又は化合物IIの鏡像異性体である。

0129

[0193] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R2及びR3はOH及びC1−6アルコキシから別個に選択される。

0130

[0194] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R2及びR3はOH及びNH(C1−4アルキル)から別個に選択される。

0131

[0195] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R2及びR3はH、ハロ、及びC1−6ハロアルキルから別個に選択される。

0132

[0196] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R2及びR3はそれぞれ別個にOH及びC1−6アルコキシから選択され、R7及びR8はそれぞれ別個にC1−6アルキルである。幾つかの実施形態では、R7及びR8はそれぞれメチルである。

0133

[0197] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R5及びR6はそれぞれ別個にH及びC1−6ハロアルキルから選択される。

0134

[0198] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R9はHである。

0135

[0199] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R2及びR3又はR3及びR4はそれらが結合するC原子とともに6員シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリール環を形成する。幾つかの実施形態では、R2及びR3はOである。

0136

[0200] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R7はC1−6アルキルであり、R8はHである。

0137

[0201] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R7はHであり、R8はC1−6アルキルである。

0138

[0202] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R2及びR3はH、OH、ハロ、C1−6アルコキシ及びC1−6ハロアルキルから別個に選択される。

0139

[0203] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R2及びR3はH、OH、Cl、F、−OMe及び−CF3から別個に選択される。

0140

[0204] 幾つかの実施形態では、シグマ−2リガンドは式Iの化合物又は薬学的に許容可能な塩であり、ここで、R2及びR3はH、OH、Cl、F、−OMe、及び−CF3から別個に選択され、R7及びR8はそれぞれH及びC1−6アルキルから別個に選択され、R9はHであり、R5及びR6はそれぞれH及びC1−6ハロアルキルから別個に選択される。

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