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課題・解決手段
本発明は、メチルマロン酸尿症および他の有機酸尿症を、この疾患の症状を緩和するために、α−トコトリエノールキノンをはじめとするトコトリエノールキノンで処置する方法に関する。例えば、個体におけるメチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置する方法であって、該方法は、治療上有効な量の、トコトリエノールキノンおよびトコトリエノールヒドロキノンからなる群より選択される化合物を、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する、方法が提供される。
概要
背景
(発明の背景)
有機酸尿症(有機酸血症としても公知)は、アミノ酸代謝における欠損によって引き起こされ、身体に酸の異常な蓄積を生じる一連の障害である。非特許文献1(Rezvani I., 「Defects in metabolism of amino acids」: Kliegman RM, Behrman RE, Jenson HB, Stanton BF, eds. Nelson Textbook of Pediatrics. 18th ed. Philadelphia, Pa: Saunders Elsevier; 2007, Chap 85)を参照のこと。
メチルマロン酸尿症(メチルマロン酸血症、MMA)は、メチルマロニル−CoAムターゼもしくはその補因子コバラミン(ビタミンB12)における欠損によって引き起こされる。MMAには、進行性脳障害、脱水、摂食問題(feeding problem)、発達遅滞、成長障害、嗜眠、再発性酵母感染、発作、嘔吐が付随し、腎疾患、腎不全、膵炎、昏睡もしくは死亡を生じ得る。World−Wide−Web.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMH0002147/およびURL ghr.nlm.nih.gov/condition/methylmalonic−acidemiaを参照のこと。MMAにおいて示された脳異常としては、脳室拡張、皮質萎縮、脳室周囲白質異常、脳梁菲薄化、皮質下白質異常、小脳萎縮、基底核石灰化、および髄鞘形成遅延が挙げられる(非特許文献2(Radmanesh et al., Pediatr Radiol (2008) 38:1054−1061)を参照のこと)。
別の有機酸尿症、イソ吉草酸血症(イソ吉草酸尿症;IVA)は、ロイシンの代謝を触媒するイソバレリル−CoAデヒドロゲナーゼの活性における欠損によって引き起こされ、イソ吉草酸の蓄積を生じる。イソ吉草酸血症の特徴は、生後数日以内に明らかになり、摂食不良、嘔吐、発作およびエネルギー不足を含む。上記症状は、発作、昏睡およびおそらく死亡へと進行し得る。いくつかの症例においては、上記症状は、小児期に出現し、そこで子供は、体重が増加せず、成長障害となる。イソ吉草酸血症の特徴的徴候は、急性疾患の間の、汗をかいた足の特徴的な臭いである。
有機酸尿症のコントロールは、しばしば、分枝鎖アミノ酸を欠いた特殊な食事の厳守に依存する。
従って、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、および他の有機酸尿症のための有効な処置が必要である。
概要
本発明は、メチルマロン酸尿症および他の有機酸尿症を、この疾患の症状を緩和するために、α−トコトリエノールキノンをはじめとするトコトリエノールキノンで処置する方法に関する。例えば、個体におけるメチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置する方法であって、該方法は、治療上有効な量の、トコトリエノールキノンおよびトコトリエノールヒドロキノンからなる群より選択される化合物を、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する、方法が提供される。
目的
本発明は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、および他の有機酸尿症を特定の化合物で処置する方法を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
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請求項1
個体におけるメチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置する方法であって、該方法は、治療上有効な量の、トコトリエノールキノンおよびトコトリエノールヒドロキノンからなる群より選択される化合物を、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する、方法。
請求項2
前記個体は、メチルマロン酸尿症に罹患している、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記化合物は、α−トコトリエノールキノンである、請求項1に記載の方法。
請求項4
前記個体は、メチルマロン酸尿症に罹患しており、MUT遺伝子において1つもしくはそれより多くの変異を有する、請求項1に記載の方法。
請求項5
前記個体は、メチルマロン酸尿症に罹患しており、MMAA遺伝子において1つもしくはそれより多くの変異を有する、請求項1に記載の方法。
請求項6
前記個体は、メチルマロン酸尿症に罹患しており、MMAB遺伝子において1つもしくはそれより多くの変異を有する、請求項1に記載の方法。
請求項7
前記個体は、イソ吉草酸尿症に罹患しており、IVD遺伝子において少なくとも1つの変異を有する、請求項1に記載の方法。
請求項8
請求項9
50mg〜400mgのα−トコトリエノールキノンを含む、薬学的調製物。
請求項10
患者に投与された場合に中枢神経系において治療レベルの化合物を提供するために十分なα−トコトリエノールキノンを含む、薬学的調製物。
請求項11
請求項12
α−トコトリエノールキノンの単位投与量製剤。
請求項13
前記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも95重量%を構成する、請求項12に記載の単位投与量製剤。
請求項14
前記製剤は、50mg〜400mgのα−トコトリエノールキノンを含む、請求項12に記載の単位投与量製剤。
請求項15
メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置することにおいて使用するための、請求項9に記載の薬学的調製物。
請求項16
メチルマロン酸尿症を有し、MUT、MMAA、もしくはMMABにおいて少なくとも1つの変異を有する個体を処置することにおいて使用するための;またはイソ吉草酸尿症を有し、IVDにおいて少なくとも1つの変異を有する個体を処置することにおいて使用するための、請求項15に記載の薬学的調製物。
請求項17
メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置することにおいて使用するための、請求項12に記載の単位投与量製剤。
請求項18
メチルマロン酸尿症を有し、MUT、MMAA、もしくはMMABにおいて少なくとも1つの変異を有する個体を処置することにおいて使用するための;またはイソ吉草酸尿症を有し、IVDにおいて少なくとも1つの変異を有する個体を処置することにおいて使用するための、請求項12に記載の単位投与量製剤。
請求項19
技術分野
0002
(発明の技術分野)
本発明は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、および他の有機酸尿症を、トコトリエノールキノン(トコトリエノールヒドロキノンを含む)、例えば、α−トコトリエノールキノンで処置する方法に関する。
背景技術
0003
(発明の背景)
有機酸尿症(有機酸血症としても公知)は、アミノ酸代謝における欠損によって引き起こされ、身体に酸の異常な蓄積を生じる一連の障害である。非特許文献1(Rezvani I., 「Defects in metabolism of amino acids」: Kliegman RM, Behrman RE, Jenson HB, Stanton BF, eds. Nelson Textbook of Pediatrics. 18th ed. Philadelphia, Pa: Saunders Elsevier; 2007, Chap 85)を参照のこと。
0004
メチルマロン酸尿症(メチルマロン酸血症、MMA)は、メチルマロニル−CoAムターゼもしくはその補因子コバラミン(ビタミンB12)における欠損によって引き起こされる。MMAには、進行性脳障害、脱水、摂食問題(feeding problem)、発達遅滞、成長障害、嗜眠、再発性酵母感染、発作、嘔吐が付随し、腎疾患、腎不全、膵炎、昏睡もしくは死亡を生じ得る。World−Wide−Web.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMH0002147/およびURL ghr.nlm.nih.gov/condition/methylmalonic−acidemiaを参照のこと。MMAにおいて示された脳異常としては、脳室拡張、皮質萎縮、脳室周囲白質異常、脳梁菲薄化、皮質下白質異常、小脳萎縮、基底核石灰化、および髄鞘形成遅延が挙げられる(非特許文献2(Radmanesh et al., Pediatr Radiol (2008) 38:1054−1061)を参照のこと)。
0005
別の有機酸尿症、イソ吉草酸血症(イソ吉草酸尿症;IVA)は、ロイシンの代謝を触媒するイソバレリル−CoAデヒドロゲナーゼの活性における欠損によって引き起こされ、イソ吉草酸の蓄積を生じる。イソ吉草酸血症の特徴は、生後数日以内に明らかになり、摂食不良、嘔吐、発作およびエネルギー不足を含む。上記症状は、発作、昏睡およびおそらく死亡へと進行し得る。いくつかの症例においては、上記症状は、小児期に出現し、そこで子供は、体重が増加せず、成長障害となる。イソ吉草酸血症の特徴的徴候は、急性疾患の間の、汗をかいた足の特徴的な臭いである。
0007
従って、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、および他の有機酸尿症のための有効な処置が必要である。
先行技術
0008
Rezvani I., 「Defects in metabolism of amino acids」: Kliegman RM, Behrman RE, Jenson HB, Stanton BF, eds. Nelson Textbook of Pediatrics. 18th ed. Philadelphia, Pa: Saunders Elsevier; 2007, Chap 85
Radmanesh et al., Pediatr Radiol (2008) 38:1054−1061
課題を解決するための手段
0009
(発明の要旨)
一実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、および他の有機酸尿症を特定の化合物で処置する方法を提供する。
0010
別の実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を、トコトリエノールキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量の1種もしくはそれより多くのトコトリエノールキノンを、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症に罹患している個体をα−トコトリエノールキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のα−トコトリエノールキノンを、メチルマロン酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を、α−トコトリエノールキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のα−トコトリエノールキノンを、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症に罹患している個体をβ−トコトリエノールキノン処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のβ−トコトリエノールキノンを、メチルマロン酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を、β−トコトリエノールキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のβ−トコトリエノールキノンを、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症に罹患している個体をγ−トコトリエノールキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のγ−トコトリエノールキノンを、メチルマロン酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を、γ−トコトリエノールキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のγ−トコトリエノールキノンを、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症に罹患している個体を、δ−トコトリエノールキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のδ−トコトリエノールキノンを、メチルマロン酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を、δ−トコトリエノールキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のδ−トコトリエノールキノンを、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。
0011
別の実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を、トコトリエノールヒドロキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量の1種もしくはそれより多くのトコトリエノールヒドロキノンを、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症に罹患している個体をα−トコトリエノールヒドロキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のα−トコトリエノールヒドロキノンを、メチルマロン酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を、α−トコトリエノールヒドロキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のα−トコトリエノールヒドロキノンを、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症に罹患している個体を、β−トコトリエノールヒドロキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のβ−トコトリエノールヒドロキノンを、メチルマロン酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を、β−トコトリエノールヒドロキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のβ−トコトリエノールヒドロキノンを、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症に罹患している個体を、γ−トコトリエノールヒドロキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のγ−トコトリエノールヒドロキノンを、メチルマロン酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を、γ−トコトリエノールヒドロキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のγ−トコトリエノールヒドロキノンを、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、メチルマロン酸尿症に罹患している個体を、δ−トコトリエノールヒドロキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のδ−トコトリエノールヒドロキノンを、メチルマロン酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。別の実施形態において、本発明は、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を、δ−トコトリエノールヒドロキノンで処置する方法を提供し、上記方法は、治療上有効な量のδ−トコトリエノールヒドロキノンを、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体に投与する工程を包含する。
0012
一実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する上記トコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約30重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約40重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約50重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約60重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約70重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約75重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約80重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約90重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約95重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約98重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約99重量%を構成する。
0013
一実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約30重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料あらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約40重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約50重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約60重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約70重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約75重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約80重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約90重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約95重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約98重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、α−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記α−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約99重量%を構成する。
0014
一実施形態において、本発明は、約50mg〜500mgの間のα−トコトリエノールキノンの単位投与量製剤を提供し、ここで上記製剤に存在するα−トコトリエノールキノンの純度は、重量で、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%を含む(comprise)。上記単位投与量製剤は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を処置するために使用され得る。
0015
一実施形態において、本発明は、約50mg〜500mgの間のα−トコトリエノールキノンの単位投与量製剤を提供し、ここで上記製剤に存在するα−トコトリエノールキノンの純度は、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%を含む。上記単位投与量製剤は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を処置するために使用され得る。
0016
α−トコトリエノールキノンの上記薬学的組成物、薬学的製剤および単位投与量製剤の実施形態のうちのいずれもが、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体(例えば、メチルマロン酸尿症を有する個体(例えば、メチルマロン酸尿症を有し、MUT、MMAA、および/もしくはMMAB遺伝子において1つの変異、1つもしくはそれより多くの変異、または2つもしくはそれより多くの変異を有する個体、あるいはイソ吉草酸血症(isovaleric academia)を有し、IVD遺伝子において1つの変異、1つもしくはそれより多くの変異、または2つもしくはそれより多くの変異を有する個体))を処置するために使用され得る。
0017
一実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約30重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約40重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約50重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約60重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約70重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約75重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約80重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約90重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約95重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約98重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約99重量%を構成する。
0018
一実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約30重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約40重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約50重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約60重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約70重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約75重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約80重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約90重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約95重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約98重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、β−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記β−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約99重量%を構成する。
0019
一実施形態において、本発明は、約50mg〜500mgの間のβ−トコトリエノールキノンの単位投与量製剤を提供し、ここで上記製剤に存在するβ−トコトリエノールキノンの純度は、重量で、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンの少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%を含む。上記単位投与量製剤は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を処置するために使用され得る。
0020
一実施形態において、本発明は、約50mg〜500mgの間のβ−トコトリエノールキノンの単位投与量製剤を提供し、ここで上記製剤に存在するβ−トコトリエノールキノンの純度は、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%を含む。上記単位投与量製剤は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を処置するために使用され得る。
0021
β−トコトリエノールキノンの上記薬学的組成物、薬学的製剤および単位投与量製剤の実施形態のうちのいずれもが、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体(例えば、メチルマロン酸尿症を有する個体(例えば、メチルマロン酸尿症を有し、MUT遺伝子、MMAA遺伝子、および/もしくはMMAB遺伝子において1つの変異、1つもしくはそれより多くの変異、または2つもしくはそれより多くの変異を有する個体)、あるいはイソ吉草酸尿症を有し、IVD遺伝子において1つの変異を有する個体)を処置するために使用され得る。
0022
一実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約30重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約40重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約50重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約60重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約70重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約75重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約80重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約90重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約95重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約98重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約99重量%を構成する。
0023
一実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約30重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約40重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約50重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約60重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約70重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約75重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約80重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約90重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約95重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約98重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、γ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記γ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約99重量%を構成する。
0024
一実施形態において、本発明は、約50mg〜500mgの間のγ−トコトリエノールキノンの単位投与量製剤を提供し、ここで上記製剤に存在するγ−トコトリエノールキノンの純度は、重量で、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%を含む。上記単位投与量製剤は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を処置するために使用され得る。
0025
一実施形態において、本発明は、約50mg〜500mgの間のγ−トコトリエノールキノンの単位投与量製剤を提供し、ここで上記製剤に存在するγ−トコトリエノールキノンの純度は、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%を含む。上記単位投与量製剤は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を処置するために使用され得る。
0026
γ−トコトリエノールキノンの上記薬学的組成物、薬学的製剤および単位投与量製剤の実施形態のうちのいずれもが、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体(例えば、メチルマロン酸尿症を有する個体(例えば、メチルマロン酸尿症を有し、MUT遺伝子、MMAA遺伝子、および/もしくはMMAB遺伝子において1つの変異、1つもしくはそれより多くの変異、もしくは2つもしくはそれより多くの変異を有する個体)、あるいはイソ吉草酸尿症を有し、IVD遺伝子において1つの変異、1つもしくはそれより多くの変異、もしくは2つもしくはそれより多くの変異を有する個体)を処置するために使用され得る。
0027
一実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約30重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約40重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約50重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約60重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約70重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約75重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約80重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約90重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約95重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約98重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約99重量%を構成する。
0028
一実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約30重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約40重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約50重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約60重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約70重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約75重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約80重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約90重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約95重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約98重量%を構成する。別の実施形態において、上記個体を処置することにおいて使用される薬学的組成物は、δ−トコトリエノールキノンを含み、ここで上記δ−トコトリエノールキノンは、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたもののうちの少なくとも約99重量%を構成する。
0029
一実施形態において、本発明は、約50mg〜500mgの間のδ−トコトリエノールキノンの単位投与量製剤を提供し、ここで上記製剤に存在するδ−トコトリエノールキノンの純度は、重量で、調製物に存在するトコトリエノールおよびトコトリエノールキノンのうちの少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%を含む。上記単位投与量製剤は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を処置するために使用され得る。
0030
一実施形態において、本発明は、約50mg〜500mgの間のδ−トコトリエノールキノンの単位投与量製剤を提供し、ここで上記製剤に存在するδ−トコトリエノールキノンの純度は、調製物に存在する材料からあらゆる添加される薬学的キャリアもしくは賦形剤の重量を除いたものの少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%を含む。上記単位投与量製剤は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体を処置するために使用され得る。
0031
δ−トコトリエノールキノンの上記薬学的組成物、薬学的製剤および単位投与量製剤の実施形態のうちのいずれもが、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体(例えば、メチルマロン酸尿症を有する個体(例えば、メチルマロン酸尿症を有し、MUT遺伝子、MMAA遺伝子、および/もしくはMMAB遺伝子において1つの変異、1つもしくはそれより多くの変異、もしくは2つもしくはそれより多くの変異を有する個体)、あるいはイソ吉草酸尿症を有し、IVD遺伝子において1つの変異、1つもしくはそれより多くの変異、または2つもしくはそれより多くの変異を有する個体)を処置するために使用され得る。
0032
一実施形態において、上記メチルマロン酸尿症に罹患している個体は、MUT、MMAA、および/もしくはMMABからなる群より選択される、1つの遺伝子、または少なくとも1つの遺伝子、または2つもしくはそれより多くの遺伝子において、1つの変異、または少なくとも2つの変異、または2つもしくはそれより多くの変異を有する。別の実施形態において、上記メチルマロン酸尿症に罹患している個体は、MUT遺伝子において、1つの変異を有するか、または少なくとも1つの変異を有するか、または2つもしくはそれより多くの変異を有する。別の実施形態において、上記メチルマロン酸尿症に罹患している個体は、MMAA遺伝子において、1つの変異を有するか、または少なくとも1つの変異を有するか、または2つもしくはそれより多くの変異を有する。別の実施形態において、上記メチルマロン酸尿症に罹患している個体は、MMAB遺伝子において、1つの変異を有するか、または少なくとも1つの変異を有するか、または2つもしくはそれより多くの変異を有する。別の実施形態において、上記イソ吉草酸尿症を有する個体は、IVD遺伝子において、1つの変異を有するか、または1つもしくはそれより多くの変異を有するか、または2つもしくはそれより多くの変異を有する。
0033
一実施形態において、上記メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体(例えば、メチルマロン酸尿症に罹患している個体)は、以下からなる群より選択される1つもしくはそれより多くの症状を有する:進行性脳障害、脱水、摂食問題、発達遅滞、成長障害、嗜眠、再発性酵母感染、発作、嘔吐、腎疾患、腎不全、膵炎、昏睡、脳異常、脳室拡張、皮質萎縮、脳室周囲白質異常、脳梁菲薄化、皮質下白質異常、小脳萎縮、基底核石灰化、および髄鞘形成遅延。
0034
一実施形態において、α−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、δ−トコトリエノールキノン、もしくはδ−トコトリエノールヒドロキノンのうちの1種もしくはそれより多くの治療上有効な量(例えば、α−トコトリエノールキノンの治療上有効な量)の、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症に罹患している個体(例えば、メチルマロン酸尿症に罹患している個体)への投与は、進行性脳障害、脱水、摂食問題、発達遅滞、成長障害、嗜眠、再発性酵母感染、発作、嘔吐、腎疾患、腎不全、膵炎、昏睡、脳異常、脳室拡張、皮質萎縮、脳室周囲白質異常、脳梁菲薄化、皮質下白質異常、小脳萎縮、基底核石灰化、および髄鞘形成遅延からなる群より選択される1つもしくはそれより多くの症状を緩和する。
0035
一実施形態において、処置において使用される上記化合物は、血液脳関門を越えて、脳脊髄液中の化合物の濃度によって測定した場合に治療レベルの化合物を中枢神経系に提供し得る。一実施形態において、処置において使用される上記化合物は、膜貫通拡散によって血液脳関門を越える。別の実施形態において、処置において使用される上記化合物は、脳脊髄液へと投与される。
0036
一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.1ng/ml〜約10ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.2ng/ml〜約5ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.4ng/ml〜約3ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.5ng/ml〜約2ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.75ng/ml〜約2ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約1ng/ml〜約2ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.75ng/ml〜約1.5ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約1ng/ml〜約1.5ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約1.3ng/mlであるような量において、上記患者に投与される。
0037
一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.1ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.2ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.3ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.4ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.5ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約0.75ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の脳脊髄液中の上記化合物の濃度が、約1ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。
0038
一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.1ng/ml〜約10ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.2ng/ml〜約5ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.4ng/ml〜約3ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.5ng/ml〜約2ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.75ng/ml〜約2ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約1ng/ml〜約2ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.75ng/ml〜約1.5ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約1ng/ml〜約1.5ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約1.3ng/mlであるような量において、上記患者に投与される。
0039
一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.1ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.2ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.3ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.4ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.5ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約0.75ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の脳脊髄液中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約1ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。
0040
一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約1ng/ml〜約5,000ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約10ng/ml〜約2,000ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約10ng/ml〜約2,000ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約10ng/ml〜約1,000ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約10ng/ml〜約500ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約10ng/ml〜約250ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約10ng/ml〜約150ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約10ng/ml〜約100ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約50ng/mlであるような量において、上記患者に投与される。
0041
一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約1ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約5ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約10ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約25ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約50ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約75ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、上記患者の血漿中の上記化合物の濃度が、約100ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。
0042
一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約1ng/ml〜約5,000ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約10ng/ml〜約2,000ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約10ng/ml〜約2,000ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約10ng/ml〜約1,000ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約10ng/ml〜約500ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約10ng/ml〜約250ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約10ng/ml〜約150ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約10ng/ml〜約100ng/mlの間であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約50ng/mlであるような量において、上記患者に投与される。
0043
一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約1ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約5ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約10ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約25ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約50ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約75ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。一実施形態において、処置のために使用される上記化合物は、α−トコトリエノールキノンであり、上記α−トコトリエノールキノンは、上記患者の血漿中のα−トコトリエノールキノン濃度が、約100ng/mlまたはそれより上であるような量において、上記患者に投与される。
0044
一実施形態において、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置することにおいて使用するための化合物は、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノン、または前述の化合物のうちの2つもしくはそれより多くの任意の組み合わせからなる群より選択され、栄養チューブ、栄養シリンジ、もしくは胃瘻造設術を介した投与に適した薬学的調製物中に製剤化される。別の実施形態において、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置することにおいて使用するための化合物は、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノン、または前述の化合物のうちの2つもしくはそれより多くの任意の組み合わせからなる群より選択され、1種もしくはそれより多くの植物由来油(例えば、胡麻油)、および/または1種もしくはそれより多くの動物由来油、および/または1種もしくはそれより多くの魚由来油を含む薬学的調製物中に製剤化される。別の実施形態において、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置することにおいて使用するための化合物は、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノン、または前述の化合物のうちの2つもしくはそれより多くの任意の組み合わせであり、1種もしくはそれより多くの植物由来油(例えば、胡麻油)、および/または1種もしくはそれより多くの動物由来油、および/または1種もしくはそれより多くの魚由来油を含む薬学的調製物中に製剤化され、ここで上記薬学的調製物は、栄養チューブ、栄養シリンジ、もしくは胃瘻造設術を介する投与に適している。
0045
トコトリエノールキノンを使用する、本明細書に記載される化合物および方法の全てに関して、上記キノン形態はまた、所望される場合、その還元された(ヒドロキノン、1,4−ベンゼンジオール)形態において使用され得る。同様に、上記ヒドロキノン形態はまた、所望される場合、その酸化された(キノン)形態において使用され得る。
0046
本明細書に記載される化合物および方法の全てに関して、本発明はまた、開示される化合物および方法の処置における使用を包含する。本発明はまた、メチルマロン酸尿症を処置することにおいて使用するための医薬の調製のための、本明細書に記載される化合物の使用を包含する。本発明はまた、イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症を処置することにおいて使用するための医薬の調製のための、本明細書に記載される化合物の使用を包含する。
0047
本発明は、複数の局面、特徴および実施形態を包含し、ここでこのような複数の局面、特徴および実施形態は、任意の所望の様式において組み合わされ得、入れ替えられ得る。本発明のこれらおよび他の局面、特徴および実施形態は、以下の詳細な説明を含め、本願の残りを参照して明らかになる。さらに、特定の組成物、および/もしくは方法をより詳細に記載する種々の参考文献が、本明細書において示される;全てのこのような参照は、それら全体において本明細書に参考文献として援用される。
図面の簡単な説明
0049
(発明の詳細な説明)
本発明は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、および/もしくは他の有機酸尿症を、特定の化合物で処置する方法に関する。
0050
一局面において、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、およびδ−トコトリエノールキノンをはじめとするトコトリエノールキノンは、処置における使用が企図される。別の局面において、α−トコトリエノールキノンは、処置における使用が企図される。トコトリエノールキノンの構造は、以下の表1に示される。上記天然に存在するトコトリエノール配置を有するトコトリエノールキノンは、本発明の一実施形態において使用されるが、他の立体異性体および/もしくは任意の比での立体異性体の混合物(例えば、ラセミ混合物)もまた、本発明において使用され得る。
0051
トコトリエノールキノンは、表1に示されるようなそれらの酸化形態において使用されてもよく、または表2に示されるようなそれらの還元されたヒドロキノン形態において使用されてもよい。上記キノン(シクロヘキサジエンジオン)形態およびヒドロキノン(ベンゼンジオール)形態は、適切な試薬を用いて容易に相互転換される。上記キノンは、エーテル性溶媒とNa2S2O4の塩基性水性溶液との二相混合物中で処理され得る(Vogel, A.I. et al. Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry, 5th Edition, Prentice Hall: New York, 1996; Section 9.6.14 Quinones, 「Reduction to the Hydroquinone」)。酸素の非存在下での標準的ワークアップ(workup)は、所望のヒドロキノンを生じる。上記ヒドロキノン形態は、硝酸第二セリウムアンモニウム(CAN)もしくは塩化第二鉄のような酸化試薬で上記キノン形態へと酸化され得る。上記キノン形態およびヒドロキノン形態はまた、当該分野で周知であるように、電気化学的に容易に相互転換される。例えば、Streitweiser & Heathcock, Introduction to Organic Chemistry, New York: Macmillan, 1976のSection 33.4を参照のこと。
0053
本明細書で考察される化合物および方法で疾患を「処置する」とは、上記疾患、もしくは上記疾患の1つもしくはそれより多くの症状のいずれかを低下もしくは排除するために、または上記疾患もしくは上記疾患の1つもしくはそれより多くの症状の進行を送らせるために、または上記疾患もしくは上記疾患の1つもしくはそれより多くの症状の重篤度を低下させるために、さらなる治療剤ありもしくはなしで、本明細書で考察される化合物のうちの1つもしくはそれより多くを投与すると定義される。本明細書で考察される化合物および方法での疾患の「抑制」とは、上記疾患の臨床的発現を抑制するために、または上記疾患の有害な症状の発現を抑制するために、さらなる治療剤ありもしくはなしで、本明細書で考察される化合物のうちの1種もしくはそれより多くを投与することと定義される。処置と抑制との間の区別は、上記疾患の有害な症状が被験体において明白になった後に処置が起こる一方で、抑制は、上記疾患の有害な症状が被験体において明白になる前に起こることである。抑制は、部分的、実質的に完全、もしくは完全であり得る。
0054
メチルマロン酸尿症およびイソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症は、遺伝的変異に起因するので、遺伝的スクリーニングが、上記疾患のリスクがある患者を同定するために使用され得る。メチルマロン酸尿症は、MUT遺伝子、MMAA遺伝子、もしくはMMAB遺伝子のうちの1つもしくはそれより多くにおける変異から生じ得る。本明細書で開示される化合物は、いかなる有害な症状の出現をも抑制するために、もしくは起こり得る症状の重篤度を低下させるために、上記MUT遺伝子、MMAA遺伝子、もしくはMMAB遺伝子のうちの1つもしくはそれより多くにおいて変異を有し、上記疾患の臨床症状を発生させるリスクがある無症候性患者に投与され得、本明細書で開示される本発明の方法は、上記患者を処置するために使用され得る。本明細書で開示される化合物は、上記疾患を処置するために、MUT遺伝子、MMAA遺伝子、もしくはMMAB遺伝子のうちの1つもしくはそれより多くにおいて変異を有する症候性患者に投与され得、本明細書で開示される本発明の方法は、上記患者を処置するために使用され得る。イソ吉草酸尿症は、IVD遺伝子における変異から生じ得る。本明細書で開示される化合物は、いかなる有害な症状の出現をも抑制するために、もしくは起こり得る症状の重篤度を低下させるために、IVD遺伝子において変異を有し、上記疾患の臨床症状を発生させるリスクがある無症候性患者に投与され得、本明細書で開示される本発明の方法は、上記患者を処置するために使用され得る。本明細書で開示される化合物、上記疾患を処置するために、IVD遺伝子において変異を有する症候性患者に投与され得、本明細書で開示される本発明の方法は、上記患者を処置するために使用され得る。
0055
本明細書で開示される化合物の「治療的使用」とは、上記で定義されるとおりの疾患を処置もしくは抑制するために、本明細書で考察される化合物のうちの1つもしくはそれより多くを使用することと定義される。化合物の「治療上有効な量」とは、被験体に投与される場合に、疾患、もしくは疾患の1つもしくはそれより多くの症状のいずれかを低下または排除するか、あるいは疾患、または疾患の1つもしくはそれより多くの症状の進行を遅らせるか、あるいは疾患、または疾患の1つもしくはそれより多くの症状の重篤度を低下させるか、あるいは疾患の臨床的発現を抑制するか、あるいは疾患の有害な症状の発現を抑制するために十分である上記化合物量である。治療上有効な量は、1回もしくはそれより多くの投与において与えられ得る。
0056
本明細書で記載される化合物が存在し得かつ中性(非塩)化合物として使用され得る一方で、記載は、本明細書で記載される化合物の全ての塩、ならびに上記化合物のこのような塩を使用する方法を包含することが意図される。一実施形態において、上記化合物の塩は、薬学的に受容可能な塩を包含する。薬学的に受容可能な塩は、薬物もしくは医薬として、ヒトおよび/もしくは動物に投与され得、かつ投与されるとその遊離化合物(中性化合物もしくは非塩化合物)の生物学的活性のうちの少なくとも一部を保持する塩である。塩基性化合物の所望の塩は、上記化合物を酸で処理することによって、当業者に公知の方法によって調製され得る。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、スルホン酸、およびサリチル酸が挙げられるが、これらに限定されない。塩基性化合物とアミノ酸との塩(例えば、アスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩)もまた、調製され得る。酸性化合物の所望の塩は、上記化合物を塩基で処理することによって、当業者に公知の方法によって調製され得る。酸化合物の無機塩の例としては、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、およびカルシウム塩);アンモニウム塩;およびアルミニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。酸化合物の有機塩の例としては、プロカイン塩、ジベンジルアミン塩、N−エチルピペリジン塩、N,N−ジベンジルエチレンジアミン塩、およびトリエチルアミン塩が挙げられるが、これらに限定されない。酸性化合物とアミノ酸との塩(例えば、リジン塩)もまた、調製され得る。
0057
本明細書中の化合物の記載はまた、上記化合物の全ての立体異性体(ジアステレオマーおよびエナンチオマーを含む)、ならびに任意の比での立体異性体の混合物(ラセミ混合物が挙げられるが、これらに限定されない)を含む。構造において立体化学が明確に示されないかぎり、上記構造は、示される化合物の全ての可能な立体異性体を包含することが意図される。分子のある部分に関して立体化学が明確に示されるが、分子の別の部分については明確に示されないのであれば、上記構造は、立体化学が明確に示されない上記部分についての全ての可能な立体異性体を包含することが意図される。
0058
上記化合物は、プロドラッグ形態において投与され得る。プロドラッグは、それら自体は比較的不活性であるが、それらが使用される被験体へと導入された場合に、インビボでの化学的プロセスもしくは生物学的プロセス(例えば、酵素変換)によって活性な化合物へと変換される上記化合物の誘導体である。適切なプロドラッグ製剤としては、本明細書で開示される化合物のペプチド結合体、および本明細書で開示される化合物のエステルが挙げられるが、これらに限定されない。適切なプロドラッグのさらなる考察は、H. Bundgaard, Design of Prodrugs, New York: Elsevier, 1985において; R. Silverman, The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, Boston: Elsevier, 2004において; R.L. Juliano (ed.), Biological Approaches to the Controlled Delivery of Drugs (Annals of the New York Academy of Sciences, v. 507), New York: New York Academy of Sciences, 1987において;およびE.B. Roche (ed.), Design of Biopharmaceutical Properties Through Prodrugs and Analogs (Medicinal Chemistry Section,APhA Academy of Pharmaceutical Sciences後援のシンポジウム、1976年11月の全国大会、Orlando, Florida), Washington : The Academy, 1977において提供される。
0059
(バイオマーカーを使用する、治療効力のモニタリング)
いくつかの代謝バイオマーカーが、メチルマロン酸尿症およびイソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症の処置における化合物の効力をモニターするために使用され得る。これらバイオマーカーとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:全血、血漿、脳脊髄液、もしくは脳室液のいずれかにおける乳酸(ラクテート)レベル;全血、血漿、脳脊髄液、もしくは脳室液のいずれかにおけるピルビン酸(ピルベート)レベル;全血、血漿、脳脊髄液、もしくは脳室液のいずれかにおけるラクテート/ピルベート比;ホスホクレアチンレベル、NADH(NADH+H+)レベルもしくはNADPH(NADPH+H+)レベル;NADもしくはNADPレベル;ATPレベル;嫌気性閾値;還元型コエンザイムQ(CoQred)レベル;酸化型コエンザイムQ(CoQox)レベル;総コエンザイムQ(CoQtot)レベル;酸化型シトクロムcレベル;還元型シトクロムcレベル;酸化型シトクロムc/還元型シトクロムc比;アセトアセテートレベル、β−ヒドロキシブチレートレベル、アセトアセテート/β−ヒドロキシブチレート比、8−ヒドロキシ−2’−デオキシグアノシン(8−OHdG)レベル;反応性酸素種のレベル;ならびに酸素消費(VO2)のレベル、二酸化炭素放出(VCO2)のレベル、および呼吸商(VCO2/VO2)。運動不耐容(Exercise intolerance)もまた、メチルマロン酸尿症およびイソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症の処置における化合物の効力のインジケーターとして使用され得る。これら臨床マーカーのうちのいくつかは、運動生理学実験室において慣用的に測定され、被験体の代謝状態の都合の良い評価を提供する。
0060
画像化による種々の器官、特に、脳におけるレドックス状態の評価のモニタリングは、HMPAO、Tc99m−HMPAO、もしくは他の使用される画像化剤のようなトレーサー技術で評価され得る。グルタチオンの血清レベルは、Tc99m−HMPAOを使用するHMPAOSPECT画像化によって、インビボで評価される。例えば、ミトコンドリア機能不全を有する個体は、グルタチオン欠損、同様に、低下した血漿シトルリンレベル(シトルリンはまた、処置効力についてのマーカーとして使用され得る)を有することが示された、Atkuri et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 106:3941−3945 (2009)を参照のこと。
0061
ピルベート(グルコースの代謝産物)は、嫌気状況において乳酸へと還元されることによって除去される;このプロセスが起こる程度は、ミトコンドリア呼吸鎖の機能に依存する。呼吸鎖の機能不全は、ピルベートからラクテートへの異常に高い変換(ミトコンドリア細胞症(mitochondrial cytopathies)において観察される上昇したラクテート/ピルベート比によって裏付けられる)をもたらし得る(Scriver CR. The metabolic and molecular bases of inherited disease. 7th ed. New York: McGraw−Hill, Health Professions Division; 1995; Munnich A, Rustin P, Rotig A, et al. Clinical aspects of mitochondrial disorders. J Inherit Metab Dis. 1992; 15(4):448−455)。従って、血中ラクテート/ピルベート比は、ミトコンドリア細胞症および毒性ミトコンドリアミオパチー(toxic mitochondrial myopathies)の検出のための非侵襲性試験として広く使用される(Chariot P, Ratiney R, Ammi−Said M, Herigault R, Adnot S, Gherardi R. Optimal handling of blood samples for routine measurement of lactate and pyruvate. Arch Pathol Lab Med. Jul 1994;118(7):695−697; Chariot P, Monnet I, Mouchet M, et al. Determination of the blood lactate:pyruvate ratio as a noninvasive test for the diagnosis of zidovudine myopathy. Arthritis Rheum. Apr 1994;37(4):583−586を参照のこと)。正常範囲を超えて上昇するラクテートの総濃度レベルおよびピルベートの総濃度レベルもまた、メチルマロン酸尿症において観察され、それら上昇した総濃度は、上昇したラクテート/ピルベート比に加えて、さらなるバイオマーカーとして働き得る。モニターされ得る別のバイオマーカーは、CoQ10濃度である。
0062
処置の効力をモニターするために使用され得るバイオマーカーおよびバイオマーカーの測定のための技術としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
0063
MRスペクトロスコピー: 脳ラクテート測定および定量は、細胞電子バランスを直接的に反映し、エネルギー生産を間接的に反映する。MRスペクトロスコピーは、ラクテートに焦点を当てて脳の代謝パラメーター(すなわち、ラクテートの中枢神経系(CNS)濃度およびラクテート/ピルベート比)を評価するために使用され得る。MRSは、プロトンMRS(1H−MRS)を使用してラクテートを測定するために使用されてきた(Kaufmann et al., Neurology 62(8):1297−302 (2004))。リンMRS(31P−MRS)は、皮質ホスホクレアチン(PCr)の低レベル(Matthews et al., Ann. Neurol. 29(4):435−8 (1991))、および骨格筋における運動後のPCr回復動態における遅延(Matthews et al., Ann. Neurol. 29(4):435−8 (1991); Barbiroli et al., J. Neurol. 242(7):472−7 (1995);Fabrizi et al., J. Neurol. Sci. 137(1):20−7 (1996))を示すために使用されてきた。
0064
プロトンMRS(Proton Magnetic Resonance Spectroscopy)(MRS)は、パートパーミリオン(ppm)単位でのケミカルシフトとして表される特有の共鳴周波数を発する、ミトコンドリア患者の脳中の異なる代謝化合物のレベルを測定するために使用される。ミトコンドリア疾患を有する患者は、ラクテート、N−アセチルアスパルテート(NAA)、スクシネート、総クレアチン、コリン(Cho)およびミオイノシトールについて評価される。ラクテートは、正常患者においては検出されない;しかし、代謝が、ミトコンドリア呼吸鎖欠損において嫌気性解糖にシフトしている場合、ラクテートレベルは上昇する(Barkovich and et al, AJNR Am. J. Neuroradiol.(1993) 14, (5) 1119−1137を参照のこと)。ニューロン完全性(neuronal integrity)の最良のバイオマーカーのうちの1つは、ニューロンおよび樹状突起に局在するNAAである(Clark,JB, Dev. Neurosci. (1998), 20 (4−5)271−276を参照のこと)。クレアチニンに対して正規化される場合のNAAレベルの低下は、ミトコンドリア疾患患者において認められる。コリン(Cho)についてのシグナルは、ミエリンを構成する遊離コリン、ホスホリルコリンおよびホスファチジルコリンを含む。Cho上昇は、膜ターンオーバーおよび脱髄を反映する。欠陥のある呼吸鎖活動は、この方法によって検出可能なスクシネート濃度の増大を生じる(Brockmann et al., Ann. Neurol. (2002)52 (1) 38−45を参照のこと)。従来のMRIと比較して得られたプロトンMRSは、代謝変化の可視化を通じてさらなる情報を提供する。
0065
乳酸(ラクテート)レベル: 脳ラクテート測定および定量は、細胞電子バランスを直接的に反映し、エネルギー生産を間接的に反映する。ラクテートレベルは、適切な体液(例えば、全血、血漿、もしくは脳脊髄液)のサンプルを採取することによって測定され得る。磁気共鳴を使用して、ラクテートレベルは、所望される身体(例えば、脳)の実質的に任意の体積において測定され得る。全血、血漿、および脳脊髄液のラクテートレベルは、市販の装置(例えば、YSI 2300 STATPlus Glucose & Lactate Analyzer (YSI Life Sciences, Ohio))によって測定され得る。
0066
NAD、NADP、NADHおよびNADPHのレベル: NAD、NADP、NADH(NADH+H+)もしくはNADPH(NADPH+H+)の測定は、種々の蛍光技術、酵素技術もしくは電気化学技術(例えば、US 2005/0067303において記載される電気化学アッセイ)によって測定され得る。
0067
酸素消費(vO2もしくはVO2)、二酸化炭素放出(vCO2もしくはVCO2)、および呼吸商(RQ=VCO2/VO2): vO2は、通常、安静時(安静時vO2)もしくは最大運動強度(vO2最大)のいずれかにおいて測定される。最適には、両方の値が測定される。しかし、重度に不能な患者(severely disabled patient)に関しては、vO2最大の測定は、非現実的であり得る。vO2の両方の形態の測定は、種々の業者(例えば、Korr Medical Technologies, Inc. (Salt LakeCity, Utah))の標準的装置を使用して容易に達成される。VCO2はまた、容易に測定され得、同じ条件下でのVCO2 対 VO2の比(安静時もしくは最大運動強度のいずれかにおけるVCO2/VO2)は、呼吸商(RQ)を提供する。
0068
他の酸素代謝欠損: 測定され得る酸素代謝に伴う他の問題としては、末梢酸素抽出の欠如(A−VO2較差)および増強された酸素送達(運動過剰循環(hyperkinetic circulation))が挙げられる(Taivassalo et al., Brain 126(Pt 2):413−23 (2003))。これは、静脈血の運動誘導性脱酸素化の欠如と直接的AVバランス測定(Taivassalo et al., Ann. Neurol. 51(1):38−44 (2002))によって、および近赤外線分光法(Lynch et al., Muscle Nerve 25(5):664−73 (2002); van Beekvelt et al., Ann. Neurol. 46(4):667−70 (1999))によって非侵襲的に実証され得る。
0069
酸化型シトクロムc、還元型シトクロムc、および酸化型シトクロムc 対 還元型シトクロムcの比: シトクロムcパラメーター(例えば、酸化型シトクロムcレベル(Cyt Cox)、還元型シトクロムcレベル(Cyt Cred)、および酸化型シトクロムc/還元型シトクロムc比(Cyt Cox)/(Cyt Cred)という比)は、インビボ近赤外線分光法によって測定され得る。例えば、Rolfe, P., 「In vivo near−infrared spectroscopy」, Ann. Rev. Biomed. Eng. 2:715−54 (2000)およびStrangman et al., 「Non−invasive neuroimaging using near−infrared light」 Biol. Psychiatry 52:679−93 (2002)を参照のこと。
0070
運動耐容性/運動不耐容: 運動不耐容は、「呼吸困難もしくは疲労の症状が原因の、大きな骨格筋の動的運動を含む活動を行う能力の低下」として定義される(Pin〜a et al.,Circulation 107:1210 (2003))。運動不耐容には、しばしば、筋組織の分解およびその後の筋ミオグロビンの尿中への排出に起因する、ミオグロビン尿症が付随する。運動不耐容の種々の尺度が使用され得る(例えば、疲労困憊する前にトレッドミルでの歩行もしくはランニングに費やした時間、疲労困憊する前にエクササイズバイシクル(固定式バイシクル)で費やした時間、および類似の試験)。
0071
アセトアセテート/3−ヒドロキシブチレート(アセトアセテート/β−ヒドロキシブチレート)比:肝臓ミトコンドリアのレドックス状態の変化は、動脈血ケトン体比(アセトアセテート/3−ヒドロキシブチレート:AKBR)を測定することによって調査され得る(Ueda et al., J. Cardiol. 29(2):95−102 (1997))。
0072
8−ヒドロキシ−2’−デオキシグアノシン(8−OHdG): 8−ヒドロキシ−2’−デオキシグアノシン(8−OHdG)の尿排出は、しばしば、臨床状況および作業状況の両方において、ROS誘導性DNA損傷の修復の程度を評価するために、バイオマーカーとして使用されてきた(Erhola et al., FEBSLett. 409(2):287−91 (1997); Honda et al., Leuk. Res. 24(6):461−8 (2000); Pilger et al., Free Radic. Res. 35(3):273−80 (2001); Kim et al. Environ Health Perspect 112(6):666−71 (2004))。
0073
慣用的血漿分析物: 血中ケトン体比(ラクテート:ピルベートおよびβ−ヒドロキシラクテート:アセトアセテートを含む)は、電子バランスを反映する。これら比の変化は、全身の代謝機能を評価するために使用され得る。増大した血中ラクテート、増大した血中ピルベート、増大した血中アラニン、および血液pH(代謝性アシドーシスをチェックするため)もまた、モニターされ得る。
0074
他の血液バイオマーカー、代謝バイオマーカー、もしくは酵素バイオマーカー:患者は、白血球数の増大、およびシトクロムcオキシダーゼ欠損についてモニターされ得る。
0075
心機能の慣用的尺度:ミトコンドリア疾患は、変化した心機能によって頻繁に特徴付けられる。12誘導ECGは、QT/QTcを測定するために使用され得る。経胸壁心エコーは、動的心機能を評価するために使用され得る。
0076
脳幹機能の測定:脳幹聴覚誘発反応(BAER)、体性感覚誘発電位(SEPもしくはSSEP)、瞬目反射、および睡眠ポリグラフ(PSG)は、脳幹機能を評価するために、患者においてモニターされ得る。
0078
血漿および尿のメタボローム解析: 血漿および尿の分析は、患者に対して行われ得、以下の有機酸の測定を含み得る:メチルマロン酸、イソ吉草酸、乳酸、ピルビン酸、コハク酸、フマル酸、2−ケトグルタル酸、3−OH酪酸、アセト酢酸、2−ケト−3−メチル吉草酸、2−ケト−イソカプロン酸、2−ケト−イソ吉草酸、エチルマロン酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、4−OH−フェニル酢酸、4−OH−フェニル乳酸、4−OH−フェニルピルビン酸、スクシニルアセトン、およびクレアチニン。上記患者に対して行われる尿分析はまた、以下のアミノ酸の測定を含み得る:プロリン、グルタミン、スレオニン、セリン、グルタミン酸、アルギニン、グリシン、アラニン、ヒスチジン、リジン、バリン、アスパラギン、メチオニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、ヒドロキシプロリン、クレアチニン、アスパラギン酸、システイン、オルニチン、シトルリン、ホモシステイン、およびタウリン。代謝分析の一団において、以下が測定され得る:ナトリウム、カリウム、クロリド、重炭酸イオン(bicarbonate)、アニオン・ギャップ、グルコース(血清)、尿素窒素(血液)、クレアチニン、カルシウム、ビリルビン、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、総タンパク質(血清)、アルブミン(血清)、および溶血指数。近年、クリティカルパスイニシアチブが、腎ミトコンドリア機能をも反映し得る薬物毒性を推定するために、一連のバイオマーカーを発表した。最後に、Haas, et al. Mol Genet Metab. (2008) 94(1):16−37は、本発明において使用され得る種々の試験(例えば、MRSベースの生化学分析)を記載する。
0079
(メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、および他の有機酸尿症:処置を受けることができる症状)
メチルマロン酸尿症、進行性脳障害、脱水、摂食問題、発達遅滞、成長障害、嗜眠、再発性酵母感染、発作、嘔吐、腎疾患、腎不全、膵炎、昏睡、脳異常、脳室拡張、皮質萎縮、脳室周囲白質異常、脳梁菲薄化、皮質下白質異常、小脳萎縮、基底核石灰化、および髄鞘形成遅延。
0080
イソ吉草酸尿症もしくは別の有機酸尿症の症状は、メチルマロン酸尿症のものに類似である。
0081
一実施形態において、本発明の方法は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症の1つもしくはそれより多くの症状(進行性脳障害、脱水、摂食問題、発達遅滞、成長障害、嗜眠、再発性酵母感染、発作、嘔吐、腎疾患、腎不全、膵炎、昏睡、脳異常、脳室拡張、皮質萎縮、脳室周囲白質異常、脳梁菲薄化、皮質下白質異常、小脳萎縮、基底核石灰化、および髄鞘形成遅延が挙げられる)を緩和し得る。
0082
標準的運動機能試験は、これら症状のうちの多くを評価するために使用され得る(患者の機能を評価するために、理学療法士、作業療法士、およびリハビリテーション医学専門家によって使用される試験を含む)。メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を示す多くの患者は若いので、年齢に適した試験が使用される。
0083
小児を評価するために小児科医にとっていくつかの公知の評価製品がある。身体能力に関しては、障害を持つ子どものための日常生活機能評価(Pediatric Evaluation of Disability Inventory)(PEDI)が使用され得(Haley, S. M., Coster, W. J., Ludlow, L. H., Haltiwanger, J. T., & Andrellos, P. J. (1992). Pediatric Evaluation of Disability Inventory: Development, Standardization, and Administration Manual, Version 1.0. Boston, MA : Trustees of Boston University, Health and Disability Research Instituteを参照のこと); PEDIは、標準化されたスコア形態を使用して、機能障害の評価を可能にする。上記PEDIは、小児の6ヶ月齢〜7歳における重要な機能的能力および性能を評価するために、および機能的能力が、障害のない7歳児より低い、より年長の小児を評価するために、使用され得る。PEDIは、機能障害を同定し、処置進行をモニターするために使用され得る。
0084
神経精神病学的評価のために、NEPSY−II評価(Korkman, Marit; Kirk, Ursula; & Kemp, Sally.(2007) NEPSY−II−Second Edition, San Antonio, Texas: Pearson)が、神経心理学的発達を測定するために使用され得る。3〜4歳の小児における試験は、6つの機能ドメインを評価し得る:注意および実行機能;言語およびコミュニケーション;感覚運動機能;空間視覚機能;学習および記憶;ならびに社会的知覚。
0085
さらに、Wolf N.I. et al., 「Mitochondrial disorders: a proposal for consensus diagnostic criteria in infants and children」, Neurology (2002) 59 (9) 1402−1405はまた、ミトコンドリア疾患を有する幼児および小児における診断基準を記載する。
0086
小児におけるミトコンドリア疾患の進行および処置をモニターするためのスケール(一般には、Newcastle Paediatric Mitochondrial Disease Scale(NPMDS)として公知)は、疾患進行の生物物理学的マーカーをモニターする。上記スケールは、C. Phoenix et al, 「A scale to monitor progression and treatment of mitochondrial disease in children」, Neuromuscular Disorders (2006) 16 814−820によって記載されるように、4つのドメインに基づく:現在の機能;システム特異的関係;現在の臨床評価;およびクオリティーオブライフ。
0087
(メチルマロン酸尿症を引き起こす変異)
代謝に関与する遺伝子におけるいくつかの変異が、メチルマロン酸尿症に関与している。これら遺伝子としては、MUT、MMAA、およびMMABが挙げられる。イソ吉草酸血症(isovaleric academia)に関与する遺伝子は、IVDである。
0088
(投与量)
本発明の方法において使用される化合物は、種々の量において投与され得る。使用され得る1日投与量の例は、約0.1mg/kg〜約300mg/kg体重の投与量範囲内、もしくは約0.1mg/kg〜約100mg/kg体重内、もしくは約0.1mg/kg〜約80mg/kg体重内、もしくは約0.1mg/kg〜約50mg/kg体重内、もしくは約0.1mg/kg〜約30mg/kg体重内、もしくは約0.1mg/kg〜約10mg/kg体重内、もしくは約1.0mg/kg〜約80mg/kg体重内、もしくは約1.0mg/kg〜約50mg/kg体重内、もしくは約1.0mg/kg〜約30mg/kg体重内、もしくは約1.0mg/kg〜約10mg/kg体重内内、もしくは約10mg/kg〜約80mg/kg体重内、もしくは約50mg/kg〜約150mg/kg体重内、もしくは約100mg/kg〜約200mg/kg体重内、もしくは約150mg/kg〜約250mg/kg体重内、もしくは約200mg/kg〜約300mg/kg体重内、もしくは約250mg/kg〜約300mg/kg体重内、または合計で、約0.1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgの有効量である。上記化合物は、単一1日用量において投与されてもよいし、合計1日投与量が1日に2回、3回もしくは4回の分割投与量において投与されてもよい。これら投与量は、長期間、例えば、数ヶ月、数年、さらには上記患者の生涯にわたって投与され得る。
0089
特定の患者に適した特定の投与量は、用量漸増法(dose titration)によって決定される。例えば、α−トコトリエノールキノン投与の動物研究から、ラットで、10mg/kgにおいて、バイオアベイラビリティーは高く(約90%)、Cmax=931ng/mL、Tmax=3.5時間およびt1/2=3.5時間であることが示された。用量の2.4:6:10:20の増大に関して、AUCの増大は1.5:2.8:4.0:6.7にすぎないので、用量比例性は低い。この用量比例性の欠如は、用量範囲にわたるt1/2において変化がないので、低下した吸収に起因し得る。ラットにおいて試験したα−トコトリエノールキノンは、最大で2000mg/kgまで実際に与えた場合に安全であった。絶食させたイヌにおいて、10mg/kgでは、バイオアベイラビリティーは低く(約16%)、Cmax=442ng/mL、Tmax=2.8時間およびt1/2=7.6時間である。
0090
α−トコトリエノールキノンの単一用量および反復用量血漿プロフィールを、Cmax<10μMおよびCmin>0.5μMを達成するように調節した用量を使用して摸倣した。1日用量および線形動態を仮定すると、70kgの成人について、総用量は、C24h 220.5ng/ml(0.5μM)を達成するために379mg(5.41mg/kg)である必要がある。上記用量は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を有する多くの患者が、70kgより遙かに体重の少ない小児であるので、適切に調節される。
0091
出発用量は、標題「Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers」の米国食品医薬品局ガイドライン(2005年7月)ならびに標題「Guidance on Non−clinical Safety Studies for the Conduct of Human Clinical Trials and Marketing Authorization for Pharmaceuticals」のInternational Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use (ICH)ガイドライン(2008年7月)に基づいて概算され得る。ICHガイドラインによれば、上記出発用量からの推定曝露は、mg/m2ベースでより感受性の高い種においてNOAEL(有害事象が観察されない有効レベル(No−Adverse−Observed−Effect−Level))の1/50を超えるべきではない。α−トコトリエノールキノンの単一経口用量に従って、上記NOAELは、雌性ラットに関しては500mg/kg、すなわち、3,000mg/m2であると確証された。この投与量は、成人において81mg/kgに等しい。81mg/kgの1/50は、1.6mg/kg、すなわち、70kgの成人については110mg、もしくは10kgの小児については16mgである。この用量は、1日に1回、2回、もしくは3回投与され得る。
0092
(共投与される薬剤)
本明細書で記載される化合物は、唯一の活性薬剤として投与されてもよい一方で、それらはまた、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症の処置もしくは抑制において使用される1種もしくはそれより多くの他の薬剤と組み合わせて使用されてもよい。メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症の処置もしくは抑制のために本明細書で記載される化合物との組み合わせに有用な代表的薬剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:コエンザイムQ(コエンザイムQ10を含む);イデベノン;MitoQ;アセチルカルニチン(例えば、アセチル−L−カルニチンもしくはアセチル−DL−カルニチン);パルミトイルカルニチン(例えば、パルミトイル−L−カルニチンもしくはパルミトイル−DL−カルニチン);カルニチン(例えば、L−カルニチンもしくはDL−カルニチン);ケルセチン;マンゴスチン;アサイー;ウリジン;N−アセチルシステイン(NAC);ポリフェノール(例えば、レスベラトロール);ビタミンA;ビタミンC;ルテイン;β−カロテン;リコペン;グルタチオン;脂肪酸(ω−3脂肪酸(例えば、α−リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、およびドコサヘキサエン酸(DHA))が挙げられる);リポ酸およびリポ酸誘導体;ビタミンB複合体;ビタミンB1(チアミン);ビタミンB2(リボフラビン);ビタミンB3(ナイアシン、ニコチンアミド、もしくはナイアシンアミド);ビタミンB5(パントテン酸);ビタミンB6(ピリドキシンもしくはピリドキサミン);ビタミンB7(ビオチン);ビタミンB9(葉酸(ビタミンB11もしくはビタミンMとしても公知));ビタミンB12(コバラミン(例えば、シアノコバラミン));イノシトール;4−アミノ安息香酸;フォリン酸;ビタミンE;他のビタミン;ならびに抗酸化化合物。
0093
上記共投与される薬剤は、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置することが意図される主要化合物の投与と同時、投与の前、もしくは投与の後に、投与され得る。
0094
(製剤および投与経路)
本発明の方法において使用される化合物は、上記化合物の十分な血漿および/もしくは中枢神経系レベルを提供する任意の適切な形態において投与され得る。上記化合物は、所望により、従来の非毒性の薬学的に受容可能なキャリア、賦形剤、アジュバント、およびビヒクルを含む単位投与量製剤において、腸に、経口的に、非経口的に、舌下に、吸入によって(例えば、ミストもしくはスプレーとして)、直腸に、もしくは局所的に投与され得る。例えば、適切な投与様式としては、経口、皮下、経皮、経粘膜、イオン導入、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、鼻内(例えば、鼻粘膜を介して)、硬膜下、直腸、胃腸など、ならびに特定のもしくは罹患した器官もしくは組織に直接的に、が挙げられる。中枢神経系への送達に関しては、脊髄投与および硬膜外投与、または脳室への投与が使用され得る。局所投与はまた、経皮投与(例えば、経皮パッチもしくはイオン導入デバイス)の使用を包含し得る。用語非経口は、本明細書で使用される場合、皮下注射、静脈内注射、動脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、もしくは注入技術を含む。上記化合物は、所望の投与経路に適した薬学的に受容可能なキャリア、賦形剤、アジュバント、およびビヒクルと混合される。
0095
本発明の特定の実施形態、特に、注射もしくは本明細書に列挙される経路を含むが経口投与、胃内投与、胃腸投与もしくは腸内投与のために使用される実施形態を含む、他の非経口投与のために製剤が使用される実施形態において、本発明の方法において使用される製剤および調製物は、無菌である。無菌の薬学的製剤は、当業者に公知の製薬グレード滅菌標準(米国薬局方第797章、1072章および1211章; California Business & Professions Code 4127.7; 16 California Code of Regulations 1751, 21 Code of Federal Regulations 211)に従って、配合もしくは製造される。
0096
経口投与は、その実行しやすさおよび患者(もしくは世話人)コンプライアンスに起因して有利である。しかし、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を有する患者は、摂食障害を有し得る。栄養チューブ、栄養シリンジ、もしくは胃瘻造設術を介した医薬の導入は、腸内投与を達成するために使用され得る。上記活性化合物(および、存在するのであれば、他の共投与される薬剤)は、胡麻油、または栄養チューブ、栄養シリンジ、もしくは胃瘻造設術を介した投与のための製剤化に適した任意の他の薬学的に受容可能なキャリア中で腸内投与され得る。
0097
用語「機能性食品(の)(nutraceutical)」とは、食品もしくは食品の一部であり、医療上もしくは健康上の利益(疾患の予防および処置を含む)を提供する任意の物質を言及するために使用されてきた。よって、表示「機能性食品」に分類される組成物は、単離された栄養素、栄養補助食品および特定の食物から、遺伝的に操作されたデザイナーフーズ、薬草製品、および加工食品(例えば、シリアル、スープおよび飲料)までの範囲に及び得る。より広い技術的意味において、上記用語は、食品から単離もしくは精製され、一般に、通常は食品と関連せず、生理学的利益を有するか、または慢性疾患からの保護を提供することが実証された医薬形態において販売される製品を言及するために使用されてきた。よって、本明細書における使用に関して記載される化合物はまた、添加剤(例えば、機能性食品としてもしくは栄養的に受容可能な賦形剤、機能性食品としてもしくは栄養的に受容可能なキャリア、および機能性食品としてもしくは栄養的に受容可能なビヒクル)とともに、機能性食品製剤もしくは栄養製剤として投与され得る。このような製剤は、ときおり、メディカルフードといわれる。適切な機能性食品として受容可能な賦形剤としては、液体溶液(例えば、1種もしくはそれより多くの植物由来油(例えば、胡麻油)、および/または1種もしくはそれより多くの動物由来油、および/または1種もしくはそれより多くの魚由来油を含む溶液)が挙げられ得る。
0098
本明細書中の使用に関して記載される化合物は、固体形態において、液体形態において、エアロゾル形態において、または錠剤、丸剤、散剤混合物、カプセル剤、顆粒剤、注射可能物、クリーム剤、液剤、坐剤、浣腸、腸洗浄、エマルジョン、分散物、食品プレミックスの形態において、および他の適切な形態において、投与され得る。上記化合物はまた、リポソーム製剤において投与され得る。上記化合物はまた、プロドラッグとして投与され得、ここで上記プロドラッグは、処置される被験体において、治療上有効である形態へと変換を受ける。さらなる投与法は、当該分野で公知である。
0099
注射可能調製物、例えば、無菌で注射可能な水性もしくは油性の懸濁物は、適切な分散剤もしくは湿潤剤、および懸濁剤を使用して、当該分野で公知の方法に従って製剤化され得る。上記無菌注射可能調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤もしくは溶媒中の無菌で注射可能な溶液もしくは懸濁物であり得る(例えば、プロピレングリコール中の溶液として)。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒もしくは懸濁媒体として従来どおりに使用される。この目的のために、任意の無刺激固定油(合成のモノグリセリドもしくはジグリセリドが挙げられる)が使用され得る。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は、注射可能物の調製における使用が見いだされる。
0100
経口投与のための固体投与量形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられ得る。このような固体投与量形態において、上記活性化合物は、少なくとも1種の不活性な希釈剤(例えば、スクロース、ラクトース、もしくはデンプン)と混合され得る。このような投与量形態はまた、不活性希釈剤以外のさらなる物質(例えば、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム))を含み得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、上記投与量形態はまた、緩衝化剤を含み得る。錠剤および丸剤は、腸溶性コーティングを伴ってさらに調製され得る。
0101
経口投与のための液体投与量形態としては、当該分野で一般に使用される不活性希釈剤(例えば、水)を含む、薬学的に受容可能なエマルジョン、液剤、懸濁物、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物はまた、アジュバント(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤)、シクロデキストリン、ならびに甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤を含み得る。あるいは、上記化合物はまた、適切であれば、薄めない形態のままで(in neat form)投与され得る。
0102
本発明における使用のための化合物はまた、リポソームの形態において投与され得る。当該分野で公知であるように、リポソームは、一般に、リン脂質もしくは他の脂質物質から得られる。リポソームは、水性媒体中に分散されるモノラメラもしくはマルチラメラの水和液晶によって形成される。リポソームを形成し得る任意の非毒性の生理学的に受容可能かつ代謝可能な脂質が使用され得る。リポソーム形態の本発明の組成物は、本発明における使用のための化合物に加えて、安定化剤、保存剤、賦形剤などを含み得る。好ましい脂質は、リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)(天然および合成の両方)である。リポソームを形成する方法は、当該分野で公知である。例えば、Prescott, Ed., Methodsin Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N.W., p. 33 et seq (1976)を参照のこと。
0103
単一投与量形態を生成するためにキャリア材料と合わせられ得る活性成分の量は、活性成分が投与される患者、および特定の投与様式に依存して変動し得る。しかし、任意の特定の患者についての具体的用量レベルが、種々の要因(使用される具体的化合物の活性;上記患者の年齢、体重、体表面積(body area)、ボディーマス指数(BMI)、全体的な健康状態、性別、および食事;投与時間および使用される投与経路;排出速度;あるとすれば、使用される薬物組み合わせ;ならびに治療を受けている患者における疾患の進行および重篤度が挙げられる)に依存することは、理解される。選択される薬学的単位投与量は、通常、血液、脳脊髄液、脳組織、脊髄組織、他の組織、他の器官、もしくは身体の他の標的領域における薬物の規定された最終濃度を提供するために、製造および投与される。
0104
本発明における使用のための化合物は、単一の1日用量において使用されてもよいし、合計1日投与量が1日に2回、3回もしくは4回の分割投与量において投与されてもよい。
0105
本発明における使用のための化合物は、唯一の活性な薬剤として投与されてもよい一方で、それらはまた、障害の処置もしくは抑制において使用される1種もしくはそれより多くの他の薬剤と組み合わせて使用されてもよい。
0106
さらなる活性薬剤が本発明における使用のための化合物と組み合わせて使用される場合、上記さらなる活性薬剤は、一般に、Physicians’ Desk Reference (PDR) 53rd Edition (1999)(本明細書に参考として援用される)において示されるとおりの治療上の量、または当業者に公知であるとおりのもしくは各患者に関して経験的に決定されるとおりこのような治療上有用な量において、使用され得る。
0107
本発明における使用のための化合物、および他の治療上活性な薬剤は、推奨される最大臨床投与量において、もしくはより低い用量において投与され得る。本発明における使用のための組成物中の活性化合物の投与量レベルは、投与経路、疾患の重篤度および患者の応答に依存して、所望の治療応答を得るように変動し得る。他の治療剤と組み合わせて投与される場合、上記治療剤は、同時にもしくは異なる時に与えられる別個の組成物として製剤化され得るか、または上記治療剤は、単一組成物として与えられ得る。
0108
一実施形態において、上記化合物の調製物(例えば、トコトリエノールキノン調製物)の純度は、任意の薬学的キャリアもしくは賦形剤、または任意のさらなる活性薬剤の添加の前に測定される。例えば、α−トコトリエノールキノンが、国際特許出願PCT/US2009/062212もしくは米国特許出願第12/606,923号に記載される方法のうちのいずれかに従って調製される場合、上記α−トコトリエノールキノンの純度は、選択される方法の最終生成物に対して、および上記薬学的キャリアもしくは賦形剤もしくはさらなる活性薬剤を添加する前に、測定される。所望のトコトリエノールキノン、もしくは他の化合物の重量での純度は、任意の薬学的キャリアもしくは賦形剤、または任意のさらなる活性薬剤の添加の前に、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%であり得る。これら同じ数値的純度レベルがまた、モル分率によって、または任意の他の相対的尺度(例えば、重量/体積)によって、使用され得る。
0109
別の実施形態において、上記化合物の調製物(例えば、トコトリエノールキノン調製物)の純度は、調製物中のトコトリエノールキノンおよび(あるとすれば)トコトリエノールの総量に対する所望のトコトリエノールキノンの割合として測定される。例えば、100mgのα−トコトリエノールキノン、50mgのβ−トコトリエノールキノン、および50mgのγ−トコトリエノールヒドロキノンを含む組成物は、上記組成物中に存在する他の非トコトリエノールもしくは非トコトリエノールキノン化合物の量とは無関係に、重量で50%のα−トコトリエノールキノンとして記載される。この純度測定値は、薬学的キャリアもしくは賦形剤の添加前もしくは添加後に測定されようが、任意の非トコトリエノール/非トコトリエノールキノン活性薬剤の添加前もしくは添加後に測定されようが、同じである。重量での所望のトコトリエノールキノンもしくは他の化合物の純度は、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%であり得る。これら同じ数値的純度レベルはまた、モル分率によって、もしくは任意の他の相対的尺度(例えば、重量/体積)によって使用され得る。
0110
血液脳関門を横断する化合物を投与することは好ましいが、血液脳関門を越えない化合物は、脊髄投与および硬膜外投与、または脳室への投与によって、中枢神経系へと送達され得る。α−トコトリエノールキノンは、マウスの血液脳関門を越える。
0111
(キット)
本発明はまた、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置するために有用な物質を含む製造品およびキットを提供する。上記製造品は、ラベル付きの容器を含む。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、および試験管が挙げられる。上記容器は、種々の材料(例えば、ガラスもしくはプラスチック)から形成され得る。上記容器は、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノンから選択される化合物、またはα−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノンから選択される活性薬剤を含む組成物を保持する。一実施形態において、上記化合物は、α−トコトリエノールキノンである。一実施形態において、上記活性薬剤は、α−トコトリエノールキノンである。上記容器上のラベルは、上記組成物がメチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を処置するために使用されることを示し、また、処置における使用のための指示を含み得る。
0112
本発明はまた、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノンから選択される化合物、またはα−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノンから選択される活性薬剤を含む組成物のうちのいずれか1種もしくはそれより多くを含むキットを提供する。いくつかの実施形態において、本発明のキットは、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノンから選択される化合物、またはα−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノンから選択される活性薬剤を含む組成物を保持する、上記容器を含む。他の実施形態において、本発明のキットは、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノンから選択される化合物、またはα−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノンから選択される活性薬剤を含む組成物を保持する上記の容器、ならびに上記化合物もしくは組成物のためのビヒクル(例えば、1種もしくはそれより多くの植物由来油(例えば、胡麻油)、および/または1種もしくはそれより多くの動物由来油、および/または1種もしくはそれより多くの魚由来油)を含む第2の容器を含む。他の実施形態において、本発明のキットは、α−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノンから選択される化合物、またはα−トコトリエノールキノン、β−トコトリエノールキノン、γ−トコトリエノールキノン、δ−トコトリエノールキノン、α−トコトリエノールヒドロキノン、β−トコトリエノールヒドロキノン、γ−トコトリエノールヒドロキノン、およびδ−トコトリエノールヒドロキノンから選択される活性薬剤を含む組成物を保持する上記の容器を含み、ここで、上記化合物もしくは組成物は、上記化合物もしくは組成物のためのビヒクル(例えば、1種もしくはそれより多くの植物由来油(例えば、胡麻油)、および/または1種もしくはそれより多くの動物由来油、および/または1種もしくはそれより多くの魚由来油)と予め混合されている。上記キットは、商業的およびユーザーの見地から望ましい他の材料(他のビヒクル、緩衝化剤、希釈剤、フィルタ、ニードル、シリンジ、およびメチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症の処置について本明細書に記載される方法のうちのいずれかを行うための説明書付きのパッケージ挿入物を含む)をさらに含み得る。
0113
他の局面において、上記キットは、本明細書に記載される方法のうちのいずれかのために(例えば、メチルマロン酸尿症、イソ吉草酸尿症、もしくは別の有機酸尿症を有する個体を処置することが挙げられる)使用され得る。
0114
(実施例1:MMA細胞株アッセイおよび有効な化合物の初期スクリーニング)
α−トコトリエノールキノン、そのレドックスサイレントバージョン(そのビス−Boc保護相当ヒドロキノン)および溶媒コントロールを、MMAと診断された患者のMMA線維芽細胞由来の細胞が、Jauslin et al., Hum. Mol. Genet. 11(24):3055 (2002)、Jauslin et al.,FASEB J. 17:1972−4 (2003)、および国際特許出願WO 2004/003565に記載されるようにL−ブチオニン−(S,R)−スルホキシイミン(BSO)の添加によってストレスを受けた場合に、上記細胞をレスキューするそれらの能力について試験した。試験化合物およびそのレドックスサイレントバージョンのEC50濃度を決定し、比較した。以下の化合物2−((6E,10E)−3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチル−ビス(t−ブチルオキシカルボニル)ベンゼン−1,4−ジオール(α−トコトリエノールキノンのビス−Boc保護されたヒドロキノン形態)を、上記「レドックスサイレント」α−トコトリエノールキノン、もしくはαTTQ−RSとして使用した。
0115
DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地) −グルコースなし、ピルベートなし−GIBCO(登録商標)−Invitrogenのカタログ番号11966−025。ウシ胎仔血清を、PAA Laboratoriesから得た。塩基性線維芽細胞増殖因子および表皮増殖因子を、PeproTechから購入した。ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミンミックス、L−ブチオニン(S,R)−スルホキシイミン、およびウシ膵臓由来インスリンを、Sigmaから購入した。カルセインAMを、Molecular Probesから購入した。細胞培養培地を、グルコースなしのDMEM、100U/mL ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、10% FBS、および5mM ピルベートを合わせることによって作製した。MEMEBSを、体積が500mLになるように添加した。10mMBSO溶液を、444mg BSOを200mLの培地に溶解し、その後濾過滅菌することによって調製した。この溶液を、H2O中で250μMにさらに希釈した。上記実験の過程の間、この溶液を、+4oCにおいて保存した。上記細胞を、MMA患者から得、10cm組織培養プレート中で増殖させた。3日ごとに、それらを1:3の比で分割した。
0116
試験サンプルを、1.5mLガラスバイアル中に与えた。上記化合物を、DMSO、エタノールもしくはPBSで希釈して、5mMストック溶液を生じた。いったん溶解したら、それらを−20℃において保存した。
0117
試験サンプルを、以下のプロトコルに従ってスクリーニングした:MMA線維芽細胞との培養を、液体窒素中に保存した約500,000細胞を含む1mLバイアルから始めた。細胞を9枚のプレートが利用可能になるまで、3日ごとに1:3の比で分割することによって、10cm細胞培養ディッシュ中で増殖させた。いったんコンフルエントになったら、線維芽細胞を回収した。54枚のマイクロタイタープレート(96ウェル−MTP)に関して、合計1430万個の細胞(8継代目)を、480mL培地(3,000細胞/ウェルを有する100μL培地に相当)中に再懸濁した。残りの細胞を、増殖のために10cm細胞培養プレート(500,000細胞/プレート)に分配した。上記プレートを、95%湿度および5%CO2を有する雰囲気において、37℃で一晩インキュベートして、上記細胞を上記培養プレートに接着させた。
0118
MTP培地(243μL)を、上記マイクロタイタープレートのウェルに添加した。上記試験化合物を凍っていないようにし、7.5μLの5mMストック溶液を、243μL培地を含むウェル中に溶解したところ、150μMマスター溶液を生じた。マスター溶液からの連続希釈を行った。上記1回の希釈工程の間の期間は、可能な限り短く保持した(一般に、1秒未満)。
0119
プレートを、細胞培養インキュベーター中で一晩保持した。翌日、10μLの250μMBSO溶液を上記ウェルに添加したところ、25μM最終BSO濃度を生じた。30時間後、3枚のプレートを位相差顕微鏡下で検鏡して、0%コントロール(ウェルE1〜H1)中の細胞が明らかに死滅したことを確認した。全てのプレートの培地を廃棄し、残りの液体を、上記プレートをペーパータオルの上に逆さにして穏やかにタッピングすることによって除去した。
0120
次いで、1.2μMカルセインAMを含むPBS100μLを、各ウェルに添加した。上記プレートを、室温において50〜70分間にわたってインキュベートした。その時間の後、上記PBSを廃棄し、上記プレートをペーパータオル上で穏やかにタッピングして、蛍光(励起/発光波長は、それぞれ、485nmおよび525nm)を、Gemini蛍光リーダーで読み取った。データを、マイクロソフトエクセル(エクセルは、スプレッドシートプログラムに関するマイクロソフト社の登録商標である)へとインポートし、各化合物のEC50濃度を計算するために使用した。
0121
上記化合物を、3回試験した。すなわち、上記実験を3回行った(上記細胞の継代数は、反復ごとに1ずつ増大する)。
0122
上記溶媒(DMSO、エタノール、PBS)はいずれも、非BSO処理細胞の生存率に対して有害な作用を有さず、試験した最高の濃度(1%)ですらもBSO処理線維芽細胞に対して有益な影響を有しなかった。上記化合物は、自己蛍光を示さなかった。非BSO処理線維芽細胞の生存率を100%と設定し、上記BSO処理細胞および化合物処理細胞の生存率を、この値との比較として計算した。
0123
α−トコトリエノールキノン(αTTQ)およびレドックスサイレントα−トコトリエノールキノン(αTTQ−RS)の存在下でのMMA細胞の細胞生存率アッセイの結果を、図1に示す。α−トコトリエノールキノンは、23nMのED50で上記細胞を保護する一方で、レドックスサイレントα−トコトリエノールキノンは、上記MMA患者に由来する線維芽細胞の細胞生存率を維持するには無効である。
0124
引用を同定することによる本明細書で言及される全ての刊行物、特許、特許出願および公開特許出願の開示は、それら全体において本明細書に参考として援用される。本明細書で開示される、ワールドワイドウェブ上のサイトへのハイパーリンクは、語句「ワールドワイドウェブ.」を「www.」で置き換えることによってアクティブになりかつ追跡され得る。