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技術 代謝障害及び疾患の治療のための組成物、使用及び方法

出願人 エヌジーエムバイオファーマシューティカルス,インコーポレーテッド
発明者 レイリングダーリンエー.リンドウト
出願日 2012年6月29日 (8年5ヶ月経過) 出願番号 2014-519191
公開日 2014年10月16日 (6年2ヶ月経過) 公開番号 2014-527402
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 微生物、その培養処理 酵素、微生物を含む測定、試験 突然変異または遺伝子工学 ペプチド又は蛋白質 特有な方法による材料の調査、分析 化合物または医薬の治療活性 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード 使用指針 試験小片 メモリーディスク 曝露レベル 使用容器 メモリー型 非限定的態様 表面電荷分布
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年10月16日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、グルコース降下活性などの1種以上の活性を有する、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)の変種及び融合体、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)の変種及び融合体、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)の融合体、並びに線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)のタンパク質配列及びペプチド配列(及びペプチド模倣体)の変種又は融合体、並びに高血糖症及び他の障害治療方法及び治療における使用に関する。

概要

背景

(緒言)
糖尿病は、膵β細胞からのインスリン産生欠如(I型)又はインスリン抵抗性若しくは不充分なインスリン産生(II型)によって引き起こされる衰弱代謝疾患である。β細胞は、食後の放出のためにインスリンを製造し且つ貯蔵するよう特化された内分泌細胞である。インスリンは、グルコースの血液からそれが必要とされる組織への輸送を促進するホルモンである。糖尿病患者は、血液グルコースレベルを頻繁にモニタリングしなければならず、且つ多くは生存のための毎日複数回のインスリン注射を必要とする。しかしそのような患者は、インスリン注射により理想的なグルコースレベルに達することは稀である(Turner, R.C.らの文献、JAMA, 281:2005 (1999))。更に長期にわたるインスリンレベルの上昇は、高血糖ショック及びインスリンに対する体の反応の脱感作などの、有害な副作用を生じ得る。結果的に、糖尿病患者は、心臓血管疾患腎疾患失明神経損傷及び創傷治癒障害などの、長期合併症を依然発症する(英国前向き糖尿病試験(UKPDS)グループ, Lancet, 352:837 (1998))。

肥満外科手術が、可能性のある糖尿病治療として提唱されている。その手術後の消化管ホルモン分泌の変化は、糖尿病状態の解消に寄与することが想定されている。その基礎となる分子機構はまだ解明されていないが、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)が、可能性のある候補と推定されている(Rubino, F.の文献、Diabetes Care, 32 Suppl 2:S368(2009))。FGF19は、遠位小腸において高度に発現され、FGF19のトランスジェニック過剰発現は、グルコースホメオスタシスを改善する(Tomlinson, E.の文献、Endocrinology, 143(5):1741-7(2002))。ヒトにおける血清FGF19レベルは、胃バイパス手術後に上昇する。FGF19の増大した発現及び分泌は、手術後に経験した糖尿病寛解を少なくとも一部説明することができる。

従って、ヒトにおける糖尿病、プレ糖尿病、インスリン抵抗性、高インスリン血症耐糖能異常又はメタボリック症候群などの高血糖状態、並びに上昇したグルコースレベルに関連した他の障害及び疾患の代替治療の必要性が存在する。本発明は、この必要性を満足し、且つ関連する利点を提供する。

概要

本発明は、グルコース降下活性などの1種以上の活性を有する、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)の変種及び融合体、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)の変種及び融合体、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)の融合体、並びに線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)のタンパク質配列及びペプチド配列(及びペプチド模倣体)の変種又は融合体、並びに高血糖症及び他の障害の治療方法及び治療における使用に関する。A

目的

一実施態様において、方法は:a)候補キメラペプチド配列又はペプチド配列を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

a)少なくとも7個のアミノ酸残基を含むN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、DSSPL又はDASPHを含むもの;並びに、b)配列番号:99[FGF19]の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基16-29、WGDPIRLRHLYTSGを含み、ここで該W残基が、C-末端領域の第一のアミノ酸位置に対応しているもの:を含む、キメラペプチド配列。

請求項2

a)配列番号:100[FGF21]の一部を含むN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含み、且つここで該V残基が、N-末端領域の最後のアミノ酸位置に対応しているもの;並びに、b)配列番号:99[FGF19]の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基21-29、RLRHLYTSGを含み、且つここで該R残基が、C-末端領域の第一の位置に対応しているもの:を含む、キメラペプチド配列。

請求項3

a)配列番号:100[FGF21]の一部を含むN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも5個の隣接アミノ酸を含み、且つここで該V残基が、N-末端領域の最後のアミノ酸位置に対応しているもの;並びに、b)配列番号:99[FGF19]の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基21-29、RLRHLYTSGを含み、且つここで該R残基が、C-末端領域の第一の位置に対応しているもの:を含む、キメラペプチド配列。

請求項4

前記N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも6個の隣接アミノ酸を含む、請求項3記載のペプチド配列

請求項5

前記N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも7個の隣接アミノ酸を含む、請求項3記載のペプチド配列。

請求項6

a)参照型又は野生型FGF19と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有する、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)配列の変種;b)参照型又は野生型FGF21と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有する、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)配列の変種;c)FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部;又はd)FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部であって、ここで該FGF19及び/又はFGF21配列部分が、参照型又は野生型FGF19及び/又はFGF21と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有するもの:のいずれかを含む又はからなる、ペプチド配列。

請求項7

前記ペプチド配列が、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端アミノ酸21-194に融合された配列番号:100[FGF21]のアミノ末端のアミノ酸1-16を有するか、或いは該ペプチド配列が、配列番号:100[FGF21]のカルボキシ末端のアミノ酸147-181に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-147を有する(M41)か、或いは該ペプチド配列が、配列番号:100[FGF21]のカルボキシ末端のアミノ酸17-181に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-20を有する(M44)か、或いは該ペプチド配列が、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端のアミノ酸148-194に融合された配列番号:100[FGF21]のアミノ末端のアミノ酸1-146を有する(M45)か、或いは該ペプチド配列が、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端のアミノ酸148-194に融合された配列番号:100[FGF21]の内部アミノ酸17-146に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-20を有する(M46)、請求項6記載のペプチド配列。

請求項8

前記ペプチド配列が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸16-20のWGDPI配列に対応するWGDPI配列モチーフを有する、請求項1、2又は6記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項9

前記ペプチド配列が、FGFR4媒介性活性を維持するか又は増大する、請求項8記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項10

前記ペプチド配列が、置換された、変異された又は非存在の、FGF19のアミノ酸16-20のFGF19 WGDPI配列に対応するWGDPI配列モチーフを有する、請求項1、2又は6記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項11

前記WGDPI配列が、置換された、変異された又は非存在の1個以上のアミノ酸を有する、請求項10記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項12

前記ペプチド配列が、アミノ酸16-20においてFGF19 WGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP又はFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列から区別される、請求項1、2又は6記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項13

前記N-末端又はC-末端領域が、長さ約20〜約200個のアミノ酸残基である、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項14

前記N-末端領域が、アミノ酸残基VHYGを含み、ここで該N-末端領域が、アミノ酸残基DASPHVHYGを含むか、又は該N-末端領域が、アミノ酸残基DSSPLVHYGを含む、請求項1記載のキメラペプチド配列。

請求項15

前記Gが、該N-末端領域の最後の位置に対応する、請求項14記載のキメラペプチド配列。

請求項16

前記N-末端領域が、アミノ酸残基DSSPLLQを含み、且つここで該Q残基が、該N-末端領域の最後のアミノ酸位置である、請求項1又は6記載のキメラペプチド配列。

請求項17

前記N-末端領域が、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、RHPIP;又は、Hが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、HPIP;又は、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、RPLAF;又は、Pが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、PLAF;又は、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、R:を更に含む、請求項15又は16記載のキメラペプチド配列。

請求項18

前記ペプチド配列が、M1-M98変種ペプチド配列のいずれか、又はM1-M98変種ペプチド配列のいずれかの部分配列若しくは断片を含む又はからなる、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項19

前記ペプチド配列が、のいずれか、又は前記ペプチド配列のいずれかの部分配列若しくは断片、又はR末端残基が欠失されている前記ペプチド配列のいずれか:を含む又はからなる、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項20

前記N-末端領域が、アミノ酸残基DSSPLLQFGGQVを含み、且つ該V残基が、該N-末端領域の最後の位置に対応している、請求項1又は2記載のキメラペプチド配列。

請求項21

前記アミノ酸残基HPIPが、該N-末端領域の最初の4個のアミノ酸残基である、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項22

前記N-末端領域の第一の位置がR残基であるか、又は該N-末端領域の第一の位置がM残基であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がMR配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がRM配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がRD配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がDS配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がMD配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がMS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がMDS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がRDS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がMSD配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がMSS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がDSS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第四の位置がRDSS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第四の位置がMDSS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第五の位置がMRDSS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第五の位置がMSSPL配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第六の位置がMDSSPL配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第七の位置がMSDSSPL配列である、請求項1〜3、6又は19のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項23

前記C-末端領域の最後の位置が、配列番号:99[FGF19]のほぼ残基194に対応している、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項24

前記ペプチド配列が:を含む又はからなる、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項25

前記部分配列又はそれらの断片が、アミノ末端、カルボキシ末端又は内部に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はそれよりも多いアミノ酸の欠失を有する、請求項18、19又は24記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項26

前記N-末端領域、又は該C-末端領域が、約5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個又はそれよりも多いアミノ酸のアミノ酸配列を含む又はからなる、請求項1、2又は6記載のキメラペプチド配列。

請求項27

前記FGF19配列部分、又は該FGF21配列部分が、FGF19又はFGF21の約5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個又はそれよりも多いアミノ酸のアミノ酸配列を含む又はからなる、請求項3又は6記載のペプチド配列。

請求項28

前記N-末端領域、又は該C-末端領域、又は該FGF19配列部分、又は該FGF21配列部分が、リンカー又はスペーサーにより連結されている、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項29

前記ペプチド配列のN-末端が:のいずれか、又はアミノ末端のR残基が欠失されている前記ペプチド配列のいずれかを含む又はからなる、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項30

前記ペプチド配列のN-末端が:のいずれか、又はアミノ末端のR残基が欠失されている前記ペプチド配列のいずれかを含む又はからなる、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項31

前記ペプチド配列が、C-末端に配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基30-194の付加を更に含み、その結果キメラポリペプチドを生じる、請求項29又は30記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項32

前記ペプチド配列が、該ペプチドのC-末端に配置された、下記のFGF19配列の全て又は一部を更に含むか:又は該アミノ末端"R"残基が、該ペプチドから欠失されている、請求項29又は30のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項33

請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列の部分配列であって、少なくとも1個のアミノ酸欠失を有する、前記部分配列。

請求項34

前記部分配列が、アミノ末端、カルボキシ末端又は内部に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個又はそれよりも多いアミノ酸の欠失を有する、請求項33記載の部分配列。

請求項35

前記参照型又は野生型FGF19配列が、下記のもの:である、請求項6記載のペプチド配列。

請求項36

前記参照型又は野生型FGF21配列が、下記のもの:である、請求項6記載のペプチド配列。

請求項37

前記N-末端領域の第一のアミノ酸位置が、"M"残基、"R"残基、"S"残基、"H"残基、"P"残基、"L"残基若しくは"D"残基であるか、又は該ペプチド配列が、該N-末端領域の第一のアミノ酸位置に"M"残基若しくは"R"残基を有さない、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項38

前記N-末端領域が、MDSSPL、MSDSSPL、SDSSPL、MSSPL又はSSPL配列のいずれか1つを含む、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項39

前記ペプチド配列が、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、低下された肝細胞癌(HCC)形成を有する、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項40

前記ペプチド配列が、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より大きいグルコース降下活性を有する、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項41

前記ペプチド配列が、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ない脂質増加活性を有する、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項42

前記ペプチド配列が、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ないトリグリセリドコレステロール、非-HDL又はHDL増加活性を有する、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項43

前記ペプチド配列が、FGF21と比べ、より少ない除脂肪量低下活性を有する、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項44

前記肝細胞癌(HCC)形成、グルコース降下活性、脂質増加活性、又は除脂肪量低下活性が、db/dbマウスにおいて確認される、請求項39〜43のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項45

前記ペプチド配列が、線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)に結合するか若しくはFGFR4を活性化するか、又は検出可能に線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)に結合しないか若しくはFGFR4を活性化しない、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項46

前記ペプチド配列が、FGFR4へのFGF19結合親和性よりもより少ない、同等又はより大きい親和性でFGFR4に結合する、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項47

前記ペプチド配列が、FGF19がFGFR4を活性化するよりも少ない、同等又はより大きい程度又は量までFGFR4を活性化する、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項48

前記ペプチド配列が、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸の置換、欠失又は挿入を有する、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項49

前記アミノ酸欠失が、N-若しくはC-末端、又は内部にある、請求項48記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項50

前記アミノ酸の置換、又は欠失が、FGF19のアミノ酸位置8-20(AGPHVHYGWGDPI)のいずれかにある、請求項48記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項51

前記ペプチド配列が、L-アミノ酸、D-アミノ酸、非天然アミノ酸、又はアミノ酸の模倣体誘導体若しくは類似体を1種以上含む、請求項1〜3又は6のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項52

請求項1〜51のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列を含有する、組成物

請求項53

請求項1〜51のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列を含有する、医薬組成物

請求項54

請求項1〜51のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列、及びグルコース降下剤を含有する、医薬組成物。

請求項55

前記ペプチド配列が単離又は精製されている、請求項1〜51のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列。

請求項56

請求項1〜51のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列をコードしている核酸分子

請求項57

インビトロ細胞内又はインビボにおいて該ペプチドをコードしている核酸分子の発現をもたらす、機能可能な連結で発現制御エレメントを更に含む、請求項56記載の核酸分子。

請求項58

請求項56又は57記載の核酸分子を含む、ベクター

請求項59

前記ベクターが、ウイルスベクターを含む、請求項58記載のベクター。

請求項60

請求項1〜51のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列を発現する、形質転換細胞又は宿主細胞

請求項61

請求項1〜51のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列を、障害治療するのに有効な量で、対象へ投与することを含む、該キメラペプチド配列又はペプチド配列により治療可能な疾患又は障害を有する、若しくは有するリスクのある対象を治療する方法。

請求項62

前記疾患又は障害が、高血糖状態インスリン抵抗性高インスリン血症耐糖能異常又はメタボリック症候群を含む、請求項61記載の方法。

請求項63

前記高血糖状態が、糖尿病を含む、請求項62記載の方法。

請求項64

前記高血糖状態が、インスリン-依存性(I型)糖尿病、II型糖尿病、又は妊娠性糖尿病を含む、請求項62記載の方法。

請求項65

前記障害が、肥満症又は望ましくない体質量を含む、請求項61記載の方法。

請求項66

請求項1〜51のいずれか記載のキメラペプチド配列又はペプチド配列を、対象のグルコース代謝を改善するのに有効な量で、該対象へ投与することを含む、それを必要とする対象においてグルコース代謝を改善する方法。

請求項67

前記対象が、100mg/dlより大きい空腹時血漿グルコースレベルを有するか、又は6%を上回るヘモグロビンA1c(HbA1c)レベルを有する、請求項63記載の方法。

請求項68

前記方法が、低下したグルコースレベル、増加したインスリン感受性、低下したインスリン抵抗性、低下したグルカゴン、耐糖能若しくはグルコース代謝若しくはホメオスタシスの改善、改善した膵臓機能、低下したトリグリセリド、コレステロール、IDL、LDL若しくはVLDLレベル、血圧低下血管内膜厚の減少、又は体質量若しくは体重増加の減少を生じる、請求項63又は67記載の方法。

請求項69

実質的肝細胞癌(HCC)活性を伴わずに、グルコース降下活性を有するペプチド配列を同定する方法であって:a)候補ペプチド配列を提供すること;b)該候補ペプチド配列を被験動物へ投与すること;c)該候補ペプチド配列の投与後、該動物のグルコースレベルを測定し、該候補ペプチド配列がグルコースレベルを低下するかどうかを決定すること;並びにd)該候補ペプチド配列を、該動物におけるHCCの誘導、又はHCC活性と相関するマーカーの発現について分析すること(ここで、グルコース降下活性を有し、且つ実質的HCC活性を有さない候補ペプチドが、そのことにより該候補ペプチド配列を、実質的肝細胞癌(HCC)活性を伴わずにグルコース降下活性を有するペプチド配列として同定する。):を含む、前記方法。

請求項70

前記被験動物が、db/dbマウスである、請求項69記載の方法。

請求項71

前記候補ペプチド配列がHCC誘導の証拠を示すかどうかを決定するために、該被験動物由来の肝組織試料を評価することを更に含む、請求項69記載の方法。

請求項72

前記HCC活性と相関するマーカーが、脂質プロファイルを含み、且つここでFGF19と比べより少ない脂質増加活性が、該ペプチドは実質的HCC活性を有さないことを示す、請求項69記載の方法。

請求項73

前記HCC活性と相関するマーカーが、アルド-ケト還元酵素遺伝子発現を含み、且つここでFGF19と比べアルド-ケト還元酵素遺伝子発現のアップレギュレーション又は増加が、該ペプチドは実質的HCC活性を有さないことを示す、請求項69記載の方法。

請求項74

前記HCC活性を示すマーカーが、Slc1a2遺伝子発現を含み、且つここでFGF21と比べSlc1a2遺伝子発現のダウンレギュレーション又は減少が、該ペプチドは実質的HCC活性を有さないことを示す、請求項69記載の方法。

技術分野

0001

(関連出願)
本出願は、2011年7月1日に出願された特許出願第61/504,128号、及び2011年8月4日に出願された特許出願第61/515,126号の優先権を請求するものであり、これら両出願は、それらの全体が明白に引用により本明細書中に組み込まれている。

0002

(発明の分野)
本発明は、グルコース降下活性を有する、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)のタンパク質及びペプチド配列(及びペプチド模倣体)の変種、並びに線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)のタンパク質及びペプチド配列(及びペプチド模倣体)の融合体、並びに線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)のタンパク質及びペプチド配列(及びペプチド模倣体)の融合体の変種、並びに高血糖症及び他の障害治療の方法及び治療における使用に関する。

背景技術

0003

(緒言)
糖尿病は、膵β細胞からのインスリン産生欠如(I型)又はインスリン抵抗性若しくは不充分なインスリン産生(II型)によって引き起こされる衰弱代謝疾患である。β細胞は、食後の放出のためにインスリンを製造し且つ貯蔵するよう特化された内分泌細胞である。インスリンは、グルコースの血液からそれが必要とされる組織への輸送を促進するホルモンである。糖尿病患者は、血液グルコースレベルを頻繁にモニタリングしなければならず、且つ多くは生存のための毎日複数回のインスリン注射を必要とする。しかしそのような患者は、インスリン注射により理想的なグルコースレベルに達することは稀である(Turner, R.C.らの文献、JAMA, 281:2005 (1999))。更に長期にわたるインスリンレベルの上昇は、高血糖ショック及びインスリンに対する体の反応の脱感作などの、有害な副作用を生じ得る。結果的に、糖尿病患者は、心臓血管疾患腎疾患失明神経損傷及び創傷治癒障害などの、長期合併症を依然発症する(英国前向き糖尿病試験(UKPDS)グループ, Lancet, 352:837 (1998))。

0004

肥満外科手術が、可能性のある糖尿病治療として提唱されている。その手術後の消化管ホルモン分泌の変化は、糖尿病状態の解消に寄与することが想定されている。その基礎となる分子機構はまだ解明されていないが、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)が、可能性のある候補と推定されている(Rubino, F.の文献、Diabetes Care, 32 Suppl 2:S368(2009))。FGF19は、遠位小腸において高度に発現され、FGF19のトランスジェニック過剰発現は、グルコースホメオスタシスを改善する(Tomlinson, E.の文献、Endocrinology, 143(5):1741-7(2002))。ヒトにおける血清FGF19レベルは、胃バイパス手術後に上昇する。FGF19の増大した発現及び分泌は、手術後に経験した糖尿病寛解を少なくとも一部説明することができる。

0005

従って、ヒトにおける糖尿病、プレ糖尿病、インスリン抵抗性、高インスリン血症耐糖能異常又はメタボリック症候群などの高血糖状態、並びに上昇したグルコースレベルに関連した他の障害及び疾患の代替治療の必要性が存在する。本発明は、この必要性を満足し、且つ関連する利点を提供する。

0006

(概要)
本発明は、一部、グルコース降下活性などの1種以上の活性を有する、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)ペプチド配列の変種、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)ペプチド配列の融合体、並びに線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)ペプチド配列の融合体(キメラ)の変種を基にしている。そのようなFGF19及び/又はFGF21ペプチド配列の変種及び融合体(キメラ)は、肝細胞癌(HCC)形成又はHCC腫瘍形成を増加又は誘導することのない配列を含む。そのようなFGF19及び/又はFGF21ペプチド配列の変種及び融合体(キメラ)は、脂質プロファイルの実質的上昇又は増加を誘導しない配列も含む。

0007

一実施態様において、キメラペプチド配列は、少なくとも7個のアミノ酸残基を有するN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、DSSPL又はDASPH配列を有するもの;並びに、FGF19の一部を有するC-末端領域であって、ここで該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域がFGF19のアミノ酸残基16-29(WGDPIRLRHLYTSG)を含み、且つここで該W残基が、C-末端領域の第一のアミノ酸位置に対応しているもの:を含むか又はこれらからなる。

0008

別の実施態様において、キメラペプチド配列は、FGF21の一部を有するN-末端領域であって、ここで該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、GQV配列を有し、且つここで該V残基が、N-末端領域の最後のアミノ酸位置に対応しているもの;並びに、FGF19の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、FGF19のアミノ酸残基21-29(RLRHLYTSG)を含み、且つここで該R残基が、C-末端領域の第一の位置に対応しているもの:を含むか又はこれらからなる。

0009

更なる実施態様において、キメラペプチド配列は、配列番号:100[FGF21]の一部を含むN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも5個の(又はそれよりも多い)隣接アミノ酸を含み、且つここで該V残基が、N-末端領域の最後のアミノ酸位置に対応しているもの;並びに、配列番号:99[FGF19]の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基21-29のRLRHLYTSGを含み、且つここで該R残基が、C-末端領域の第一の位置に対応しているもの:のいずれかを含むか又はそれからなる。特定の態様において、該N-末端領域は、アミノ酸残基GQVを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも6個の隣接アミノ酸(又はそれよりも多い、例えば7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、20〜25、25〜30、30〜40、40〜50、50〜75、75〜100個の隣接アミノ酸)を含む。

0010

追加の実施態様において、ペプチド配列は、参照型又は野生型FGF19と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有する、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)配列の変種;参照型又は野生型FGF21と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有する、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)配列の変種;FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部;又は、FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部であって、ここで該FGF19及び/若しくはFGF21配列部分が、参照型又は野生型FGF19及び/若しくはFGF21と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入若しくは欠失を有するもの:のいずれかを含むか又はそれからなる。

0011

また更なる実施態様において、ペプチド配列又はキメラペプチド配列は、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端アミノ酸21-194に融合された配列番号:100[FGF21]のアミノ末端のアミノ酸1-16を含むか又はこれらからなるか、或いは該ペプチド配列は、配列番号:100[FGF21]のカルボキシ末端のアミノ酸147-181に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-147を有する(M41)か、或いは該ペプチド配列は、配列番号:100[FGF21]のカルボキシ末端のアミノ酸17-181に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-20を有する(M44)か、或いは該ペプチド配列は、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端のアミノ酸148-194に融合された配列番号:100[FGF21]のアミノ末端のアミノ酸1-146を有する(M45)か、或いは該ペプチド配列は、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端のアミノ酸148-194に融合された配列番号:100[FGF21]の内部アミノ酸17-146に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-20を有する(M46)。

0012

また追加の実施態様において、ペプチド配列又はキメラペプチド配列は、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸16-20のWGDPI配列に対応するWGDPI配列モチーフを有するか、或いは、置換された、変異された又は非存在のFGF19のアミノ酸16-20のFGF19 WGDPI配列に対応するWGDPI配列モチーフを有するか、或いは該WGDPI配列モチーフは、置換された、変異された又は非存在の1個以上のアミノ酸を有するか;又は、アミノ酸16-20においてFGF19 WGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP又はFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列から区別される。

0013

より更なる実施態様において、ペプチド配列又はキメラペプチド配列は、アミノ酸残基VHYGを含むか又はこれらからなるN-末端領域を有し、ここで該N-末端領域は、アミノ酸残基DASPHVHYGを含むか、又は該N-末端領域は、アミノ酸残基DSSPLVHYGを含むか、又は該N-末端領域は、アミノ酸残基DSSPLLQを含むか、又は該N-末端領域は、アミノ酸残基DSSPLLQFGGQVを含む。特定の態様において、該Gは、該N-末端領域の最後の位置に対応するか、又は該Q残基は、該N-末端領域の最後のアミノ酸位置であるか、又は該V残基は、該N-末端領域の最後の位置に対応する。

0014

更に追加の実施態様において、ペプチド配列又はキメラペプチド配列は、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、RHPIP;又は、Hが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、HPIP(例えば、HPIPは、該N-末端領域の最初の4個のアミノ酸残基である);又は、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、RPLAF;又は、Pが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、PLAF;又は、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、R:を含むか又はこれからなるか、或いは、下記配列のいずれか1つをN-末端領域に有する:MDSSPL、MSDSSPL、SDSSPL、MSSPL又はSSPL。

0015

他の実施態様において、ペプチド配列又はキメラペプチド配列は、該N-末端領域の第一の位置に、"M"残基、"R"残基、"S"残基、"H"残基、"P"残基、"L"残基又は"D"残基を有する。代りの実施態様において、ペプチド配列又はキメラペプチド配列は、該N-末端領域の第一のアミノ酸位置に、"M"残基又は"R"残基を有さない。

0016

更に他の実施態様において、ペプチド配列又はキメラペプチド配列は、該N-末端領域の第一及び第二の位置にMR配列を、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置にRM配列を、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置にRD配列を、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置にDS配列を、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置にMD配列を、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置にMS配列を、又は該N-末端領域の第一から第三の位置にMDS配列を、又は該N-末端領域の第一から第三の位置にRDS配列を、又は該N-末端領域の第一から第三の位置にMSD配列を、又は該N-末端領域の第一から第三の位置にMSS配列を、又は該N-末端領域の第一から第三の位置にDSS配列を、又は該N-末端領域の第一から第四の位置にRDSS配列を、又は該N-末端領域の第一から第四の位置にMDSS配列を、又は該N-末端領域の第一から第五の位置にMRDSS配列を、又は該N-末端領域の第一から第五の位置にMSSPL配列を、又は該N-末端領域の第一から第六の位置にMDSSPL配列を、又は該N-末端領域の第一から第七の位置にMSDSSPL配列を有する。

0017

更に別の実施態様において、ペプチド配列又はキメラペプチド配列は、C-末端に配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基30-194の追加を有し、配列番号:99[FGF19]の約残基194に対応するC-末端領域の最後の位置を有するキメラポリペプチドを生じる。更なる他の実施態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、該ペプチドのC-末端に配置されたか、或いはアミノ末端の"R"残基が該ペプチドIから欠失されている、FGF19配列(例えば、配列番号:99)の全て又は一部を含む。

0018

より特定の実施態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、M1-M98変種ペプチド配列のいずれか、又はM1-M98変種ペプチド配列のいずれかの部分配列若しくは断片を含む又はからなる。

0019

追加の特定の実施態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、長さが約20〜約200個のアミノ酸残基のN-末端又はC-末端領域を有する。更に特定の実施態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する。また更なる特定の実施態様において、キメラペプチド配列若しくはペプチド配列、又はそれらの部分配列若しくは断片は、アミノ末端、カルボキシ末端又は内部に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はそれよりも多いアミノ酸欠失を有する。特定の非限定的態様において、アミノ酸の置換又は欠失は、FGF19のアミノ酸位置8-20(AGPHVHYGWGDPI)のいずれかである。

0020

より特定の実施態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、約5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個又はそれよりも多いアミノ酸のアミノ酸配列を含むか又はこれらからなる。より特定の実施態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、FGF19又はFGF21の約5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個又はそれよりも多いアミノ酸のアミノ酸配列を含むか又はこれらからなる。

0021

更に特定の実施態様において、キメラペプチド配列及びペプチド配列は、特定の機能又は活性を有する。一態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、FGFR4が媒介した活性を維持するか又は増加する。追加の態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)に結合するか若しくはFGFR4を活性化するか、又は線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)に検出可能に結合しないか若しくはFGFR4を活性化しないか、又はFGFR4に関するFGF19結合親和性よりもより少ない、同等若しくはより大きい親和性でFGFR4に結合するか、又はFGF19がFGFR4を活性化するよりも少ない、同等若しくはより大きい程度又は量までFGFR4を活性化する。更なる態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、低下された肝細胞癌(HCC)形成を有し、並びに/又はFGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より大きいグルコース降下活性を有し、並びに/又はFGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ない脂質増加活性を有し、並びに/又はFGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ないトリグリセリドコレステロール、非-HDL又はHDL増加活性を有し、並びに/又はFGF21と比べ、より少ない除脂肪量(lean mass)低下活性を有する。そのような機能及び活性は、例えばdb/dbマウスにおいて、インビトロ又はインビボにおいて確認することができる。

0022

更に追加の実施態様において、キメラペプチド配列及びペプチド配列は、単離若しくは精製され、並びに/又はキメラペプチド配列及びペプチド配列は、組成物中に含まれることができる。一実施態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、医薬組成物中に含まれる。そのような組成物は、不活性成分又は他の活性成分組合せを含む。一実施態様において、医薬組成物などの組成物は、キメラペプチド配列又はペプチド配列、及びグルコース降下剤を含有する。

0023

より更なる実施態様において、該キメラペプチド配列又はペプチド配列をコードしている核酸分子が提供される。そのような分子は更に、インビトロ、細胞内若しくはインビボにおいて該ペプチドをコードしている核酸分子の発現をもたらす、機能可能な連結で発現制御エレメント、又は核酸分子を含むベクター(例えばウイルスベクター)を更に含むことができる。該キメラペプチド配列及びペプチド配列を発現する形質転換細胞又は宿主細胞も、提供される。

0024

任意のキメラペプチド配列又はペプチド配列の投与又は送達を含む治療の使用及び方法も、提供される。特定の実施態様において、対象の治療の使用又は方法は、本発明のペプチド配列により治療可能な疾患又は障害を有する対象、若しくは有するリスクのある対象などの対象へ、本発明のキメラペプチド又はペプチド配列を、該疾患若しくは障害を治療するのに有効な量で、投与することを含む。更なる実施態様において、方法は、本発明のキメラペプチド又はペプチド配列を、高血糖状態(例えば、インスリン-依存性(I型)糖尿病、II型糖尿病、又は妊娠性糖尿病などの糖尿病)、インスリン抵抗性、高インスリン血症、耐糖能異常又はメタボリック症候群を有する対象、又は肥満症であるか若しくは望ましくない体質量(body mass)を有する対象などの、対象へ投与することを含む。

0025

前記方法及び使用の特定の態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、対象におけるグルコース代謝を改善するのに有効な量で、対象へ投与される。より特定の態様において、対象は、投与前に、100mg/dlより大きい空腹時血漿グルコースレベルを有するか、又は6%を上回るヘモグロビンA1c(HbA1c)レベルを有する。

0026

更なる実施態様において、対象の治療の使用又は方法は、低下したグルコースレベル、増加したインスリン感受性、低下したインスリン抵抗性、低下したグルカゴン、耐糖能若しくはグルコース代謝若しくはホメオスタシスの改善、改善した膵臓機能、又は低下したトリグリセリド、コレステロール、IDL、LDL若しくはVLDLレベル、又は血圧低下血管内膜厚の減少、又は体質量若しくは体重増加の減少を意図するか又はこれらを生じる。

0027

実質的肝細胞癌(HCC)活性を伴わずにグルコース降下活性を有するキメラペプチド配列及びペプチド配列などの、キメラペプチド配列又はペプチド配列を分析及び/又は同定する方法も、提供される。一実施態様において、方法は:a)候補キメラペプチド配列又はペプチド配列を提供すること;b)該候補ペプチド配列を被験動物(例えば、db/dbマウス)へ投与すること;c)該候補ペプチド配列の投与後、該動物のグルコースレベルを測定し、該候補ペプチド配列がグルコースレベルを低下するかどうかを決定すること:を含む。特定の態様において、該キメラペプチド配列又はペプチド配列はまた、動物におけるHCCの誘導(例えば、被験動物由来の肝組織試料の評価)、又はHCC活性に相関するマーカーの発現について分析され、ここで候補ペプチドは、グルコース降下活性を有し、且つ実質的HCC活性を有さない。そのような方法は、該候補を、同じく任意に実質的肝細胞癌(HCC)活性を伴うことなく、グルコース降下活性を有するものとして同定する。

図面の簡単な説明

0028

(図面の説明)
図1は、FGF19及びFGF21のタンパク質配列、並びに代表的変種配列、すなわち変種M5、変種M1、変種M2、変種M69、変種M3、変種M48、変種M49、変種M50、変種M51、変種M52、変種M53及び変種M70のペプチド配列を示す。FGF21の3つの追加の対立遺伝子型(多形体)、すなわちM71、M72及びM73も示している。

0029

図2は、FGF21(影なし)とFGF19(灰色影)タンパク質配列の間の代表的ドメイン交換、並びに生じた融合体(キメラ)配列を示す。該融合体(キメラ)中に存在するFGF21及びFGF19の各々由来のアミノ酸領域は、数字で示している。該キメラ配列の各々に関するグルコース降下及び脂質上昇を示している。

0030

図3A-3Iは、グルコース降下及び体重のデータを示している。A)変種M5;B)変種M1;C)変種M2及び変種M69;D)変種M3;E)変種M48及び変種M49;F)変種M51及び変種M50;G)変種M52ペプチド;H)変種M53ペプチド;並びに、I)変種M70ペプチド配列は全て、db/dbマウスにおいて、グルコース降下(すなわち、抗-糖尿病)活性を有する。マウスには、FGF19、FGF21、選択された変種を発現しているAAVベクターを注射し、且つ食塩水及びGFP陰性対照であった。

0031

図4A-4Iは、FGF19、FGF21、又はA)変種M5;B)変種M1;C)変種M2及び変種M69;D)変種M3;E)変種M48及び変種M49;F)変種M51及び変種M50;G)変種M52ペプチド;H)変種M53ペプチド;並びに、I)変種M70ペプチド配列を発現しているAAVベクターを注射したdb/dbマウスの血清脂質プロファイル(トリグリセリド、総コレステロール、HDL及び非-HDL)を示している。変種M5ペプチド配列は脂質を増加又は上昇しなかったのに対し、FGF19、M1、M2及びM69は脂質を増加し且つ上昇した。全ての変種の血清レベルは同等であった。食塩水及びGFPが陰性対照であった。

0032

図5A-5Iは、A)変種M5;B)変種M1;C)変種M2及び変種M69;D)変種M3;E)変種M48及び変種M49;F)変種M51及び変種M50;G)変種M52;H)変種M53ペプチド;並びに、I)変種M70ペプチド配列に関する、肝細胞癌(HCC)-関連データを示している。FGF19とは対照的に、全ての変種は、肝細胞癌(HCC)形成又はHCC腫瘍形成を有意に増加も誘導もしなかった。HCCスコアは、変種-注射したマウスに由来した肝臓全体の表面上のHCC結節の数を、野生型FGF19-注射したマウスからのHCC結節の数により除算して、記録した。

0033

図6A-6Iは、A)変種M5;B)変種M1;C)変種M2及び変種M69;D)変種M3;E)変種M48及び変種M49;F)変種M51及び変種M50;G)変種M52;H)変種M53ペプチド;並びに、I)変種M70ペプチド配列に関する、除脂肪量又は脂肪量(fat mass)データを示している。M2、M5及びM69を除き、これらの変種ペプチド配列は、FGF21とは対照的に、除脂肪量又は脂肪量を低下した。

0034

図7A-7Bは、組換えA)変種M5;及びB)変種M69ポリペプチドの注射は、ob/obマウスにおいて、血液グルコースを低下することを明らかにしている、図面データを示している。

0035

図8は、アルド-ケト還元酵素ファミリー1、メンバーC18(Akr1C18)及び溶質担体ファミリー1、メンバー2(slc1a2)の肝臓発現は、HCC活性に相関するようにみえることを示唆するデータを示している。

0036

(詳細な説明)
本発明は、グルコースのレベルを降下するか又は低下することができるキメラ配列及びペプチド配列を提供する。一実施態様において、キメラペプチド配列は、少なくとも7個のアミノ酸残基を有するN-末端領域並びに第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有するN-末端領域であって、ここで該N-末端領域が、DSSPL又はDASPH配列を有するもの;並びに、FGF19の一部を有するC-末端領域並びに第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有するC-末端領域であって、ここで該C-末端領域がFGF19のアミノ酸残基16-29(WGDPIRLRHLYTSG)を含み、且つ該W残基が、C-末端領域の第一のアミノ酸位置に対応しているもの:を含むか又はこれらからなる。

0037

別の実施態様において、キメラペプチド配列は、FGF21の一部を有するN-末端領域並びに第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有するN-末端領域であって、ここで該N-末端領域が、GQV配列を有し、且つ該V残基が、N-末端領域の最後のアミノ酸位置に対応しているもの;並びに、FGF19の一部を有するC-末端領域並びに第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有するC-末端領域であって、ここで該C-末端領域が、FGF19のアミノ酸残基21-29(RLRHLYTSG)を含み、且つ該R残基が、C-末端領域の第一の位置に対応しているもの:を含むか又はこれらからなる。

0038

更なる実施態様において、ペプチド配列は、参照型又は野生型FGF19と比べ、1以上のアミノ酸の置換、挿入又は欠失を有する線維芽細胞増殖因子19(FGF19)配列変種を含むか又はこれからなる。追加の実施態様において、ペプチド配列は、参照型又は野生型FGF21と比べ、1以上のアミノ酸の置換、挿入又は欠失を有する線維芽細胞増殖因子21(FGF21)配列変種を含むか又はこれからなる。また追加の実施態様において、ペプチド配列は、FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部を含むか又はこれからなる。更なる追加の実施態様において、ペプチド配列は、FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部であって、ここで該FGF19及び/又はFGF21配列部分が、参照型又は野生型FGF19及び/又はFGF21と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入若しくは欠失を有するものを含むか又はこれからなる。

0039

本発明はまた、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)ペプチド配列の変種及び融合体を使用し治療可能な代謝障害を有するか又は有するリスクのある対象を治療する方法及び使用を提供する。一実施態様において、方法は、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)ペプチド配列の1以上の変種又は融合体を、該障害を治療するのに有効な量で、対象と接触させるか又は投与することを含む。別の実施態様において、方法は、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)ペプチド配列の変種又は融合体をコードしている1以上の核酸分子(例えば、任意にベクターを含む、該ペプチド配列をコードしている核酸と機能可能に連結された発現制御エレメント)を、該障害を治療するのに有効な量で、対象と接触させるか又は投与することを含む。

0040

本発明のペプチドの作用の基礎となる機序の理解は、本発明を実践するには必要ではないが、特定の理論又は仮説に結びつけられるものではないが、本発明のペプチドは、肥満外科手術が、例えばグルコースホメオスタシス及び体重減少に対し有する効果を少なくとも一部は模倣していると考えられる。肥満外科手術後胃腸管ホルモン分泌(例えば、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1))の変化は、例えば糖尿病状態の回復の原因であると考えられる。FGF19は、遠位小腸において高度に発現され、且つFGF19のトランスジェニック過剰発現は、グルコースホメオスタシスを改善する。ヒトにおけるFGF19のレベルは、胃バイパス手術後も上昇するので、上昇したFGF19は、肥満外科手術後に観察された糖尿病寛解に関与しているであろう。

0041

代表的参照型又は野生型FGF19配列を、下記に示す:

0042

代表的参照型又は野生型FGF21配列を、下記に示す:



FGF21対立遺伝子変種は、図1に図示している(例えば、M70、M71及びM72)。

0043

用語「ペプチド」、「タンパク質」及び「ポリペプチド」配列は、アミド結合若しくは同等物により共有結合された2個以上のアミノ酸、又はアミノ酸の化学修飾及び誘導体を含む「残基」を意味するよう本明細書において互換的に使用される。ペプチドの全て又は一部を形成するアミノ酸は、既知の21種の天然のアミノ酸からであってよく、これらはそれらの1文字略語又は一般的3文字略語の両方で示される。本発明のペプチド配列において、従来のアミノ酸残基は、それらの従来の意味を有する。従って「Leu」はロイシンであり、「Ile」はイソロイシンであり、「Nle」はノルロイシンであるなどである。

0044

インビボにおいてグルコースを低下又は降下する、本明細書記載の参照型FGF19及びFGF21ポリペプチドとは異なるペプチド配列が、本明細書において例示されている(表1-8及び図1)。非限定的な特定の例は、FGF19のカルボキシ末端アミノ酸21-194に融合されたFGF21のアミノ末端アミノ酸1-16を持つペプチド配列;FGF21のカルボキシ末端アミノ酸147-181に融合されたFGF19のアミノ末端アミノ酸1-147を持つペプチド配列;FGF21のカルボキシ末端アミノ酸17-181に融合されたFGF19のアミノ末端アミノ酸1-20を持つペプチド配列;FGF19のカルボキシ末端アミノ酸148-194に融合されたFGF21のアミノ末端アミノ酸1-146を持つペプチド配列;及び、FGF19のカルボキシ末端アミノ酸148-194に融合されたFGF21の内部アミノ酸17-146に融合されたFGF19のアミノ末端アミノ酸1-20を持つペプチド配列である。

0045

追加の特定のペプチド配列は、FGF19のアミノ酸16-20のWGDPI配列に対応するWGDPI配列モチーフを有するか、FGF19のアミノ酸16-20のWGDPI配列に対応するWGDPI配列モチーフを欠いているか、又はFGF19のアミノ酸16-20のFGF19 WGDPI配列に対応する置換された(すなわち、変異された)WGDPI配列モチーフを有する。

0046

本発明の特定のペプチド配列は、FGF19及びFGF21とは異なる配列(例えば、本明細書に示したもの)、及びアミノ酸16-20においてFGF19 WGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP又はFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列も含む。従って、野生型FGF19及びFGF21(例えば、各々、配列番号:99及び配列番号:100として本明細書に示したもの)は、除外される配列であり、且つFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP又はFGDPIのいずれかを有するFGF19も同じく、除外されてよい。しかしこの除外は、例えば、配列が例としてGQV、GQV、GDI、若しくはGPIのいずれかを有するFGF19に融合された3つのFGF21残基、又はWGPI、WGDI、GDPI、WDPI、WGDI、若しくはWGDPのいずれかに融合された2つのFGF21残基を有する場合には適用されない。

0047

ペプチド配列の特定の非限定的例は、M1-M98(配列番号:1-98)として本明細書において特定された配列変種の全て又は一部を含むか又はそれらからなる。ペプチド配列のより特定する非限定的例は:





として示す配列の全て又は一部を含むか又はそれらからなるか、或いは前記ペプチド配列のいずれかについて、R末端残基は欠失されてよい。

0048

ペプチド配列の更なる特定の非限定的例は:



を含むか又はそれらからなる。

0049

ペプチド配列の追加の特定の非限定的例は、N-末端に、下記のいずれかの全て又は一部を含む又はからなるペプチド配列を有し:



:且つ前記ペプチド配列のいずれかについて、アミノ末端R残基は欠失されてよい。

0050

本発明のペプチド配列は加えて、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、肝細胞癌(HCC)の誘導若しくは形成の低下若しくは非存在を伴うものを含む。本発明のペプチド配列はまた、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より大きいグルコース降下活性を伴うものも含む。本発明のペプチド配列は更に、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP若しくはFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ない脂質(例えば、トリグリセリド、コレステロール、非-HDL又はHDL)増加活性を伴うものを含む。

0051

典型的には、本発明のペプチド配列中のアミノ酸又は残基の数は、合計約250個未満(例えば、アミノ酸又はそれらの模倣体)であろう。様々な特定の実施態様において、残基の数は、約20個から最大約200個までの残基(例えば、アミノ酸又はそれらの模倣体)を含む。追加の実施態様において、残基の数は、約50個から最大約200個までの残基(例えば、アミノ酸又はそれらの模倣体)を含む。更なる実施態様において、残基の数は、長さが約100個から最大約195個までの残基(例えば、アミノ酸又はそれらの模倣体)を含む。

0052

アミノ酸又は残基は、例えばグルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル二官能性マレイミド、又はN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)により形成されるものを含む、アミド化学結合により、又は非天然及び非-アミド化学結合により、連結され得る。非-アミド結合は、例えば、ケトメチレンアミノメチレンオレフィンエーテルチオエーテルなどを含む(例えば、Spatolaの文献、「アミノ酸、ペプチド及びタンパク質の化学及び生化学(Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins)」、第7巻、267-357頁(1983)の「ペプチド及び主鎖修飾(Peptide and Backbone Modifications)」、Marcel Decker社、NYを参照されたい)。従って、本発明のペプチドがFGF19配列の一部及びFG21配列の一部を含む場合、これら2つの部分は、アミド結合によって互いに連結される必要はないが、任意の他の化学部分により連結されるか又はリンカー部分を介して一緒複合され得る。

0053

本発明はまた、例示されたペプチド配列が少なくとも検出可能若しくは測定可能な活性若しくは機能を保持する限りは、前述のペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形を含む(表1-8及び図1に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列、並びに表1-8及び図1に列記されたFGF19/FGF21の融合体及びキメラを含む)。例えば、特定の例示された変種ペプチドは、C-末端部分に、例えば該変種の"TSG"アミノ酸残基に続けて、FGF19 C-末端配列



を有する。

0054

同じく特定の例示された変種ペプチド、例えば、アミノ末端にFGF21配列の全て又は一部を有するものは、N-末端に配置された"R"残基を有し、これは省略することができる。同様に、特定の例示された変種ペプチドは、N-末端に配置された"M"残基を含み、これは"R"残基などの省略された残基に追加(append)されるか又はそれと更に置換されることができる。より特定すると、様々な実施態様において、ペプチド配列はN-末端に、RDSS、DSS、MDSS又はMRDSSを含む。更に細胞において、"M"残基が"S"残基に隣接する場合、"M"残基は切断され、その結果"M"残基はペプチド配列から欠失されるのに対し、"M"残基が"D"残基に隣接する場合は、"M"残基は切断されないでよい。従って例として、様々な実施態様において、ペプチド配列は、N-末端に残基MDSSPL、MSDSSPL(切断されSDSSPLへ)及びMSSPL(切断されSSPLへ)を伴うものを含む。

0055

従って、本発明の「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」配列は、部分配列、変種又は修飾形(例えば、融合体又はキメラ)が少なくとも検出可能な活性又は機能を保持する限りは、表1-8及び図1に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列、並びに表1-8及び図1に列記されたFGF19/FGF21融合体及びキメラの、部分配列、変種及び修飾形を含む。

0056

本明細書において使用される用語「修飾する」及びその文法上の変形は、組成物が、ペプチド配列などの参照の組成物に関して逸脱していることを意味する。そのような修飾されたペプチド配列、核酸及び他の組成物は、参照の修飾されないペプチド配列、核酸、若しくは他の組成物と比べ、より大きい若しくはより少ない活性若しくは機能を有するか、又は異なる機能若しくは活性を有するか、或いは検出アッセイ及び/又はタンパク質精製において使用するための抗体を誘発するように、療法のために処方されたタンパク質において望ましい特性(例えば、血清半減期)を有する。例えば、本発明のペプチド配列は、血清半減期を増加するように、タンパク質のインビトロ及び/又はインビボ安定性を増大するようになど修飾されることができる。

0057

本明細書に例示されたペプチド配列のそのような部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記されたペプチド配列)の特定の例は、アミノ末端、カルボキシ末端又は内部への又はそれらからの、1個以上のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入/付加を含む。一例は、アミノ酸残基のペプチド配列内の別のアミノ酸残基との置換である。別のものは、1個以上のアミノ酸残基のペプチド配列からの欠失、又は1個以上のアミノ酸残基のペプチド配列への挿入若しくは付加である。

0058

置換、欠失又は挿入/付加された残基の数は、ペプチド配列の1個以上のアミノ酸(例えば、1〜3、3〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜110、110〜120、120〜130、130〜140、140〜150、150〜160、160〜170、170〜180、180〜190、190〜200、200〜225、225〜250個又はそれよりも多い)である。従って、FGF19又はFGF21配列は、置換、欠失又は挿入/付加された少数又は多数のアミノ酸(例えば、1〜3、3〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜110、110〜120、120〜130、130〜140、140〜150、150〜160、160〜170、170〜180、180〜190、190〜200、200〜225、225〜250個、又はそれよりも多い)を有することができる。加えて、FGF19アミノ酸配列は、FGF21由来のアミノ酸の約1〜3、3〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜110、110〜120、120〜130、130〜140、140〜150、150〜160、160〜170、170〜180、180〜190、190〜200、200〜225、225〜250個又はそれよりも多いアミノ酸配列を含む又はそれらからなるか;或いは、FGF21アミノ酸又は配列は、FGF19由来のアミノ酸の約1〜3、3〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜110、110〜120、120〜130、130〜140、140〜150、150〜160、160〜170、170〜180、180〜190、190〜200、200〜225、225〜250個、又はそれよりも多いアミノ酸配列を含むか又はそれらからなることができる。

0059

置換の具体例は、L-残基についてのD残基の置換を含む。従って、残基はL-異性体配置で記されているが、D-異性体が検出可能又は測定可能な機能の不在に繋がらない限りは、本発明のペプチド配列のいずれか特定の位置又は全ての位置でのD-アミノ酸が含まれる。

0060

追加の具体例は、非保存的置換及び保存的置換である。「保存的置換」は、生物学的、化学的又は構造的に類似した残基による、1個のアミノ酸の置き換えである。生物学的に類似とは、その置換は、生物活性、例えばグルコース降下活性が同等であることを意味する。構造的に類似とは、アミノ酸が、アラニングリシン及びセリンなど類似した長さの側鎖を有するか、又は類似したサイズを有するか、或いは第一、第二又は追加のペプチド配列の構造が維持されることを意味する。化学的に類似とは、残基が同じ電荷を有するか、又は親水性及び疎水性の両方であることを意味する。特定の例は、イソロイシン、バリン、ロイシン若しくはメチオニンなどの1個の疎水性残基の別のものとの置換、又はアルギニンリジンとの、グルタミン酸アスパラギン酸との、又はグルタミンアスパラギンとの、セリンのトレオニンとなどの置換のように、1個の極性残基の別のものとの置換を含む。慣習アッセイを使用し、部分配列、変種又は修飾形は、グルコース降下活性などの活性を有するかどうかを決定することができる。

0061

本明細書に例示されているペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記されたペプチド配列)の特定の例は、参照型ペプチド配列(例えば、表1-8及び図1のいずれかのペプチド配列)に50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、又は96%、97%、98%、若しくは99%の同一性を有する。用語「同一性」及び「相同性」及びそれらの文法上の変形は、2種以上の言及された実体が同じであることを意味する。従って、2つのアミノ酸配列が同一である場合、これらは同一のアミノ酸配列を有する。「同一の区域、領域又はドメイン」とは、2種以上の言及された実体の一部が同じであることを意味する。従って2つのアミノ酸配列が1つ以上の配列領域にわたり同一又は相同である場合、これらはこれらの領域において同一性を共有している。

0062

2つの配列間の同一性の程度は、当該技術分野において公知のコンピュータプログラム及び数学アルゴリズムを用い、評価することができる。配列同一性(相同性)の割合を計算するそのようなアルゴリズムは、一般に、比較領域にわたる配列ギャップ及びミスマッチを考慮している。例えば、BLAST(例えば、BLAST 2.0)検索アルゴリズム(例えば、Altschulらの文献、J. Mol. Biol. 215:403 (1990)参照、NCBIにより公に入手可能)は、下記の例証的検索パラメータを有する:ミスマッチ-2;ギャップオープン5;ギャップイクステンション2。ペプチド配列比較のためのBLASTPアルゴリズムは、典型的には、PAM100、PAM 250、BLOSUM 62又はBLOSUM 50などのスコアリングマトリックスと組合せて使用される。FASTA(例えば、FASTA2及びFASTA3)並びにSSEARCH配列比較プログラムもまた、同一性の程度を定量するために使用される(Pearsonらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:2444 (1988);Pearsonの文献、MethodsMol Biol. 132:185 (2000);及び、Smithらの文献、J. Mol. Biol. 147:195 (1981))。Delaunay-ベーストポロジーマッピングを使用する、タンパク質の構造類似性を定量するためのプログラムもまた開発されている(Bostickらの文献、Biochem Biophys Res Commun. 304:320 (2003))。

0063

本明細書に例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む本発明のペプチド配列において、「アミノ酸」又は「残基」は、従来のα-アミノ酸に加え、少なくとも1つの側鎖が本明細書に定義されたアミノ酸側鎖部分である、β-アミノ酸、α,αジ置換アミノ酸及びN-置換アミノ酸を含む。「アミノ酸」は更に、N-アルキルα-アミノ酸を含み、ここで該N-末端アミノ基は、C1〜C6の線状又は分岐したアルキル置換基を有する。従って用語「アミノ酸」は、天然のタンパク質アミノ酸の立体異性体及び修飾型非タンパク質のアミノ酸、翻訳後修飾されたアミノ酸(例えば、グリコシル化リン酸化エステル又はアミド切断などにより)、酵素的に修飾された又は合成されたアミノ酸、誘導体化されたアミノ酸、アミノ酸を模倣するようデザインされた構築物若しくは構造、修飾された側鎖部分を伴う、天然の部分から誘導体化された、又は合成された若しくは非天然のアミノ酸などを含む。修飾され且つ通常でないアミノ酸は、本発明のペプチド配列に含まれる(例えば、「合成ペプチド使用指針(Synthetic Peptides: A User's Guide)」:Hrubyらの文献、Biochem. J. 268:249 (1990);及び、Toniolo C.の文献、Int. J. Peptide Protein Res. 35:287 (1990)を参照されたい)。

0064

加えて、アミノ酸の保護基及び修飾基が含まれる。本明細書において使用される用語「アミノ酸側鎖部分」は、任意のアミノ酸の任意の側鎖を含み、この用語「アミノ酸」は本明細書において定義されている。従ってこれは、天然のアミノ酸中の側鎖部分を含む。これは更に、天然のタンパク質アミノ酸の立体異性体及び修飾型、非タンパク質アミノ酸、翻訳後修飾されたアミノ酸、酵素的に修飾された若しくは合成されたアミノ酸、誘導体化されたアミノ酸、アミノ酸を模倣するようデザインされた構築物若しくは構造などの中の側鎖部分などの、本明細書に示し且つ当業者に公知のような、修飾された天然のアミノ酸中の側鎖部分を含む。例えば、本明細書に開示された又は当業者に公知の任意のアミノ酸の側鎖部分は、この定義に含まれる。

0065

「アミノ酸側鎖部分の誘導体」は、アミノ酸側鎖部分の定義内に含まれる。誘導体化されたアミノ酸側鎖部分の非限定的例は、例えば、(a)存在するアルキル、アリール、又はアラルキル鎖への1個以上の飽和又は不飽和の炭素原子の付加;(b)側鎖中の炭素の別の原子、好ましくは酸素又は窒素との置換;(c)メチル(-CH3)、メトキシ(-OCH3)、ニトロ(-NO2)、ヒドロキシル(-OH)、又はシアノ(-C=N)を含む、側鎖の炭素原子への末端基の付加;(d)ヒドロキシ基チオール基又はアミノ基を含む側鎖部分に関して、好適なヒドロキシチオール又はアミノ保護基の付加;或いは、(e)環構造を含む側鎖部分に関して、直接又はエーテル連結を介して結合したヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、又はアリール基を含む、1個以上の環置換基の付加:を含む。アミノ基に関して、好適な保護基は、当業者に公知である。提供されたそのような誘導体化は、最終ペプチド配列において所望の活性を提供する(例えば、グルコース降下、改善されたグルコース又は脂質の代謝、抗-糖尿病活性、実質的HCC形成若しくは腫瘍形成の非存在、除脂肪量又は脂肪量の実質的調節の非存在など)。

0066

「アミノ酸側鎖部分」は、そのような誘導体化を全て含み、且つ特定の非限定的例としては、γ-アミノ酪酸、12-アミノドデカン酸、α-アミノイソ酪酸6-アミノヘキサン酸、4-(アミノメチル)-シクロヘキサンカルボン酸、8-アミノオクタン酸ビフェニルアラニン、Boc-t-ブトキシカルボニルベンジルベンゾイルシトルリンジアミノ酪酸ピロールリジン、ジアミノプロピオン酸、3,3-ジフェニルアラニン、オルソニン(orthonine)、シトルリン、1,3-ジヒドロ-2H-イソインドールカルボン酸エチル、Fmoc-フルオレニルメトキシカルボニルヘプタノイル(CH3--(CH2).sub.5-C(=O)-)、ヘキサノイル(CH3-(CH2)4-C(=O)-)、ホモアルギニンホモシステインホモリジン、ホモフェニルアラニンホモセリン、メチル、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホンノルバリン(NVA)、フェニルグリシンプロピルイソプロピルサルコシン(SAR)、tert-ブチルアラニン、及びベンジルオキシカルボニルが挙げられる。

0067

前述のもの全てを含む、天然のタンパク質アミノ酸の立体異性体及び修飾型、非タンパク質アミノ酸、翻訳後修飾されたアミノ酸、酵素的に合成されたアミノ酸、誘導体化されたアミノ酸を含む非天然のアミノ酸、前述のいずれかから誘導されたα,αジ置換アミノ酸(すなわち、少なくとも1本の側鎖は、それが誘導された残基のものと同じである、α,αジ置換アミノ酸)、前述のいずれかから誘導されたβ-アミノ酸(すなわち、β-炭素の存在について以外は、それが誘導された残基と同じであるβ-アミノ酸)を含む単独のアミノ酸は、本明細書において「残基」と称することができる。α-アミノ酸の側鎖部分に加え、好適な置換基は、C1〜C6の線状又は分岐したアルキルを含む。Aibは、α,αジ置換アミノ酸の例である。α,αジ置換アミノ酸は、従来のL-及びD-異性体の言及を用いて称することができるが、そのような言及は便宜上であること、及びα-位置の置換基が異なる場合、そのようなアミノ酸は、必要に応じ、指定されたアミノ酸側鎖部分を伴う残基のL-又はD-異性体から誘導されたα,αジ置換アミノ酸と互換的に称することができることは理解されるべきである。従って、(S)-2-アミノ-2-メチル-ヘキサン酸は、L-Nle(ノルロイシン)から誘導されたα,αジ置換アミノ酸、又はD-Alaから誘導されたα,αジ置換アミノ酸のいずれかということができる。同様に、Aibは、Alaから誘導されたα,αジ置換アミノ酸ということができる。α,αジ置換されたアミノ酸が提供される場合は常に、それらの(R)及び(S)配置の全てを含むことは理解されるべきである。

0068

「N-置換アミノ酸」は、任意にα-炭素位置にH以外の置換基が存在しない、アミノ酸側鎖部分が主鎖アミノ基に共有結合されているいずれかのアミノ酸を含む。サルコシンは、N-置換アミノ酸の例である。例として、サルコシン及びAlaのアミノ酸側鎖部分は、同じ、すなわちメチルである点において、サルコシンは、AlaのN-置換アミノ酸誘導体と称することができる。

0069

本明細書に例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む、本発明のペプチド配列の共有的修飾は、本発明に含まれている。共有的修飾の一つの型は、標的化されたアミノ酸残基を、該ペプチドの選択された側鎖又はN-若しくはC-末端残基と反応することが可能である有機誘導体化剤と反応させることを含む。二官能性物質による誘導体化は、例えば、抗-ペプチド抗体を精製する方法においてしようするための、水-不溶性支持体マトリックス又は表面にペプチドを架橋結合するために、又はその逆で、有用である。通常使用される架橋結合剤は、例えば1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸とのエステル、3,3'-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)などのジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタンなどの二官能性マレイミド及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)ジチオ]プロピイミダートなどの物質を含む。

0070

他の修飾は、グルタミニル残基及びアスパラギニル残基の、各々、対応するグルタミル残基及びアスパルチル残基への脱アミド化プロリン及びリジンの水酸化セリル残基又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化(T. E. Creightonの文献、「タンパク質:構造及び分子特性(Proteins: Structure and Molecular Properties)」、W.H. Freeman & Co.、サンフランシスコ、79-86頁(1983))、N-末端アミンアセチル化、任意のC-末端カルボキシル基のアミド化などを含む

0071

例示されたペプチド配列、並びに本明細書に例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)はまた、安定性のための主鎖の変形、誘導体、及びペプチド模倣体を含むことができる。用語「ペプチド模倣体」は、ピペラジンコア分子、ケト-ピペラジンコア分子及びジアゼピンコア分子を含むが、これらに限定されるものではない、残基の模倣体である分子(「模倣体」と称する)を含む。別に指定しない限りは、本発明のペプチド配列のアミノ酸模倣体は、カルボキシル基及びアミノ基の両方、並びにアミノ酸側鎖に対応する基を含むか、又はグリシンの模倣体の場合は水素以外の側鎖は含まない。

0072

例として、これらは、天然のアミノ酸の立体障害表面電荷分布極性などを模倣する化合物を含むが、生物学的システムにおいて安定性を付与するアミノ酸である必要はないであろう。例えば、プロリンは、適切なサイズ及び置換の他のラクタム又はラクトンにより置換されることができ;ロイシンは、アルキルケトン、N-置換アミドにより置換されることに加え、アルキル、アルケニル若しくは他の置換基を使用しアミノ酸側鎖の長さを変動させることができ、他のものは当業者に明らかであろう。そのような置換を行うのに必須の要素は、該分子をデザインするために使用した残基とおおまかに同じサイズ及び電荷及び立体配置の分子を提供することである。これらの修飾の緻密化は、該化合物を機能アッセイ(例えばグルコース降下アッセイ)又は他のアッセイにおいて分析し、且つ構造活性相関を比較することにより行われるであろう。そのような方法は、医化学及び創薬の分野の業者の範囲内である。

0073

例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記されたペプチドを含む)を含む、本発明のペプチド配列の別の修飾型は、グリコシル化である。本明細書において使用される「グリコシル化」は、広範に、1つ以上の糖部分(例えば、糖鎖)のタンパク質、脂質又は他の有機分子への存在、付加又は結合をいう。本明細書における用語「脱グリコシル化」の使用は、一般に、1つ以上の糖部分(例えば糖鎖)の除去又は欠失を意味することが意図される。加えて、この語句は、存在する様々な糖部分(例えば糖鎖)の種類及び割合(量)の変化に関与する、未変性タンパク質のグリコシル化における定性的変化を含む。

0074

グリコシル化は、アミノ酸残基の修飾によるか、又は未変性の配列に存在又は非存在し得る1以上のグリコシル化部位の追加により、実現することができる。例えば、典型的な非グリコシル化残基は、グリコシル化され得る残基で置換することができる。グリコシル化部位の追加は、アミノ酸配列の変更により達成することができる。該ペプチド配列への変更は、例えば、1つ以上のセリン又はトレオニン残基(O-結合型グリコシル化部位について)又はアスパラギン残基(N-結合型グリコシル化部位について)の付加又は置換により行うことができる。N-結合型及びO-結合型オリゴ糖の構造と各型に認められる糖残基の構造は、異なってよい。両方に共通して認められる糖の一つの型は、N-アセチルノイラミン酸(以後シアル酸と称す)である。シアル酸は通常、N-結合型及びO-結合型の両オリゴ糖の末端残基であり、且つその陰性電荷のために、糖タンパク質酸性特性をもたらし得る。

0075

本発明のペプチド配列は、ヌクレオチド(例えばDNA)レベルでの変化により、特に該ペプチドをコードしているDNAを所望のアミノ酸に翻訳されるコドンが生じるように予め選択された塩基で変異することにより、任意に変更することができる。該ペプチド上の糖鎖の数を増加する別の手段は、グリコシドのポリペプチドへの化学的又は酵素的カップリングである(例えば、WO 87/05330参照)。脱グリコシル化は、基礎となるグリコシル化部位を除去することにより、化学的手段及び/又は酵素的手段によりグリコシル化を欠失することにより、又はグリコシル化されるアミノ酸残基をコードしているコドンの置換により実現することができる。化学的脱グリコシル化技術は公知であり、且つポリペプチド上の糖鎖の酵素的切断は、様々なエンドグリコシダーゼ及びエキソグリコシダーゼの使用により実現することができる。

0076

様々な細胞株を使用し、グリコシル化されるタンパク質を生成することができる。非限定的例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)-欠損チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞であり、これは組換え糖タンパク質の生成に一般に使用される宿主細胞である。これらの細胞は、酵素β-ガラクトシドα-2,6-シアル酸転移酵素を発現せず、従ってα-2,6結合シアル酸をこれらの細胞において生成される糖タンパク質であるN-結合型オリゴ糖へ付加しない。

0077

別の修飾型は、別のタンパク質(例えば、対象タンパク質と異なるアミノ酸配列を有するタンパク質)、又は担体分子などの、本発明のペプチド配列のN-及び/又はC-末端での1以上の追加の成分又は分子の複合(例えば連結)である。従って、例示的ペプチド配列は、別の成分又は分子との複合体であることができる。

0078

いくつかの実施態様において、本発明のペプチド配列のアミノ末端又はカルボキシ末端は、免疫グロブリンFc領域(例えば、ヒトFc)に融合され、融合複合体(又は融合体分子)を形成することができる。Fc融合複合体は、生物薬剤全身半減期を増大することができ、その結果該生物薬剤製品は、延長された活性を有するか又は必要な投与頻度を減らすことができる。Fcは、血管を裏打ちしている内皮細胞内胎児性Fc受容体(FcRn)に結合し、且つ結合時に、このFc融合分子は、分解及び循環への再放出から保護され、該分子をより長く循環内に維持する。このFc結合は、それにより内在性IgGがそのより長い血漿半減期を保持する機序であると考えられる。周知であり且つ検証されたFc融合薬物は、薬物動態、溶解度、及び製造効率を向上するために、抗体のFc領域へ連結された生物薬剤の2つのコピーからなる。より最近のFc-融合技術は、従来のFc-融合複合体と比べ、該生物薬剤の薬物動態特性及び薬力学特性を最適化するための、抗体のFc領域への生物薬剤の単独コピーに結びつけられている。

0079

複合体修飾を使用し、第二分子の追加的又は相補的機能又は活性を伴う活性を維持するペプチド配列を作製することができる。例えば、溶解度、貯蔵、インビボ又は貯蔵半減期若しくは安定性、免疫原性の低下、インビボにおける遅延若しくは制御された放出を促進するために、例えばペプチド配列は、分子へ複合されることができる。他の機能又は活性は、複合されないペプチド配列に比べ毒性を低下する複合体、複合されないペプチド配列よりもより効率的にある種類の細胞又は臓器を標的化する複合体、又は本明細書に示した障害又は疾患(例えば糖尿病)に関連した原因又は作用に対抗するための薬物を含む。

0080

タンパク質療法の臨床的効性は、短い血漿半減期及び易分解性により限定されることがある。様々な治療的タンパク質の研究は、(例えば、典型的にはタンパク質及び非タンパク質性ポリマー(例えばPEG)の両方へ共有的に結合された連結部分を介して)ペプチド配列を様々な非タンパク質性ポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンへ複合又は連結することを含む様々な修飾は、半減期を延長することができることを示している。そのようなPEG-複合された生体分子は、より良い物理安定性及び温度安定性酵素分解され易さに対する保護、増加した溶解度、より長いインビボ循環半減期及び減少したクリアランス、低下した免疫原性及び抗原性、並びに低下した毒性を含む、臨床上有益な特性を有することが示されている。

0081

本発明のペプチド配列への複合に適したPEGは、一般に水中において室温で可溶性であり、且つ一般式R(O-CH2-CH2)nO-Rを有し、ここでRは水素又はアルキル基若しくはアルカノール基などの保護基であり、nは1〜1000の整数である。Rが保護基である場合、これは一般に1〜8個の炭素を有する。本ペプチド配列に複合されたPEGは、線形又は分岐型であることができる。分岐したPEG誘導体、「星型-PEG」及び多-アーム型PEGが、本発明に含まれる。本発明で使用されるPEGの分子量は、いずれか特定の範囲に限定されるものではないが、特定の実施態様は、分子量500〜20,000を有するのに対し、別の実施態様は、分子量4,000〜10,000を有する。

0082

本発明は、PEGが異なる「n」値を有し、その結果様々な異なるPEGが特定の比で存在する複合体の組成物を含む。例えば、一部の組成物は、n=1、2、3及び4である、複合体の混合物を含有する。一部の組成物において、n=1である複合体の割合は18〜25%であり、n=2である複合体の割合は50〜66%であり、n=3である複合体の割合は12〜16%であり、且つn=4である複合体の割合は最大5%である。そのような組成物は、当該技術分野において公知の反応条件及び精製方法により生成することができる。

0083

PEGは、本発明のペプチド配列へ直接的又は間接的(例えば、中間体を介して)結合することができる。例えば、一実施態様において、PEGは、末端反応基(「スペーサー」)を介して結合する。スペーサーは、例えば、1種以上のペプチド配列の遊離のアミノ基又はカルボキシル基と、ポリエチレングリコールの間の結合を媒介する末端反応基である。遊離アミノ基に結合することができるスペーサーを有するPEGは、ポリエチレングリコールのコハク酸エステルのN-ヒドロキシスクシニルイミドによる活性化により調製することができる、N-ヒドロキシスクシニルイミドポリエチレングリコールを含む。遊離アミノ基に結合することができる別の活性化されたポリエチレングリコールは、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルシアヌル酸クロリドとの反応により調製することができる、2,4-ビス(O-メトキシポリエチレングリコール)-6-クロロ-s-トリアジンである。遊離カルボキシル基に結合する活性化されたポリエチレングリコールは、ポリオキシエチレンジアミンを含む。

0084

1種以上の本発明のペプチド配列のスペーサーを有するPEGへの複合は、様々な従来の方法により実行することができる。例えばこの複合反応は、試薬のタンパク質に対するモル比4:1から30:1までを利用し、pH5〜10の溶液中で、温度4℃〜室温で、30分間〜20時間かけて実行することができる。反応条件は、主として所望の置換度の作製に向かう反応を指向するように選択することができる。概して、低い温度、低いpH(例えば、pH=5)、及び短い反応時間は、結合されるPEGの数を減少する傾向があるのに対し、高い温度、中性から高いpH(例えば、pH≧7)、及び比較的長い反応時間は、結合されるPEGの数を増加する傾向がある。当該技術分野において公知の様々な方法を使用し、この反応を終結することができる。一部の実施態様において、この反応は、反応混合液酸性化、及び例えば-20℃での凍結により終結される。

0085

例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(表1-8及び図1に列記されたペプチドを含む)を含む本発明のペプチド配列は更に、タンパク質;セファロースアガロースセルロースセルロースビーズなどの、多糖ポリグルタミン酸ポリリジンなどの、ポリマー性アミノ酸;アミノ酸コポリマー失活されたウイルス粒子ジフテリア破傷風コレラ由来のトキソイドロイコトキシン分子などの、失活された細菌性毒素;失活された細菌;及び、樹状細胞などの、大型のゆっくり代謝される巨大分子への複合を含む。そのような複合された形態は、望ましいならば、本発明のペプチド配列に対する抗体を産生するために使用することができる。

0086

追加の複合に適した成分及び分子としては、例えば、チログロブリンヒト血清アルブミン(HSA)などの、アルブミン破傷風トキソイドジフテリアトキソイドポリ(D-リジン:D-グルタミン酸)などの、ポリアミノ酸ロタウイルスのVP6ポリペプチド;インフルエンザウイルスヘマグルチニン、インフルエンザウイルス核タンパク質キーホールリンペットヘモシアニン(KLH);及び、B型肝炎ウイルスコアタンパク質及び表面抗原;又は、前述の任意の組合せが挙げられる。

0087

アルブミンの本発明のペプチド配列への融合は、例えば、HSA(ヒト血清アルブミン)をコードしているDNA又はそれらの断片が、ペプチド配列をコードしているDNAに連結されるなどの、遺伝子操作により実現することができる。その後好適な宿主を、融合体ポリペプチドを発現するように、例えば好適なプラスミドの形状で、この融合されたヌクレオチド配列により形質転換又はトランスフェクションすることができる。この発現は、インビトロの形態で、例えば原核細胞若しくは真核細胞において、又はインビボの形態で、例えばトランスジェニック生体において実行することができる。本発明の一部の実施態様において、融合タンパク質の発現は、哺乳動物の細胞株、例えばCHO細胞株において実行される。

0088

標的タンパク質又はペプチドをアルブミンへ遺伝子融合する更なる手段は、Albufuse(登録商標)(Novozymes Biopharma社;デンマーク)として公知の技術を含み、且つこの複合された治療的ペプチド配列は頻繁に生体に取り込まれやすくなり、はるかにより有効となり始める。この技術は、C型肝炎感染症を治療するために使用されるアルブミンとインターフェロンα-2Bの組合せである、Albuferon(登録商標)(Human Genome Sciences社)を製造するために商業的に利用されている。

0089

別の実施態様は、1種以上のヒトドメイン抗体(dAb)の使用を必然的に伴う。dAbは、ヒト抗体(IgG)の最も小さい機能性結合単位であり、且つ好ましい安定性及び溶解度の特徴を有する。この技術は、HSA及び関心対象の分子(例えば、本発明のペプチド配列)に複合されたdAbを必然的に伴う(これにより、「AlbudAb」が形成される;例えば、EP1517921B、WO2005/118642及びWO2006/051288参照)。AlbudAbは、ペプチドの血清半減期を延長するために使用される現在の技術よりも、細菌又は酵母などの微生物発現系における製造のために、より小さく且つより容易になることが多い。HSAは、半減期約3週間を有するので、得られる複合された分子は、その半減期を改善する。dAb技術の使用はまた、関心対象の分子の有効性を増強することができる。

0090

追加の複合に適した成分及び分子は、単離又は精製に適したものを含む。特定の非限定的例としては、ビオチン(ビオチン−アビジン特異結合対)、抗体、受容体リガンドレクチンなどの結合性分子、又は例えばプラスチック又はポリスチレン製ビーズプレート又はビーズ、磁気ビーズ試験小片、及び膜などの固形支持体を含む分子などが挙げられる。

0091

陽イオン交換クロマトグラフィーなどの精製法を使用し、電荷差により複合体を分離することができ、これは複合体をそれらの様々な分子量に効果的に分離する。例えば、陽イオン交換カラムに装加し、且つその後〜20mM酢酸ナトリウム、pH〜4により洗浄し、その後pH3〜5.5、好ましくはpH〜4.5で緩衝された線形(0M〜0.5M)のNaCl勾配により溶離することができる。陽イオン交換クロマトグラフィーにより得られた画分の内容は、例えば、質量分析、SDS-PAGE、又は分子量により分子実体を分離する他の公知の方法などの、従来の方法を用い、分子量により同定することができる。次に、修飾されないタンパク質配列及び他の数の結合PEGを有する複合体を含まない、結合され精製されたPEGを所望の数有する複合体を含む画分が、状況に応じて同定される。

0092

更に別の実施態様において、本発明のペプチド配列は、非限定的に、タキソールサイトカラシンBグラミシジンD、マイトマイシンエトポシド、テノポシド、ビンクリスチンビンブラスチンコルヒチンドキソルビシンダウノルビシン、及びそれらの類似体又は相同体を含む細胞毒性薬を含む、化学物質(例えば、免疫毒素又は化学療法薬)に連結される。他の化学物質は、例えば、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキセート、6-メルカプトプリン6-チオグアニンシタラビン5-フルオロウラシルダカルバジン);アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、カルムスチン及びロムスチンシクロスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファンジブロモマンニトールストレプトゾトシンマイトマイシンC、及びシスプラチン);抗生物質(例えば、ブレオマイシン);並びに、有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)を含む。細胞毒素は、当該技術分野において公知であり且つ本明細書に記載のリンカー技術を使用し、本発明のペプチドへ複合することができる。

0093

更に複合に適した成分及び分子は、アッセイにおける検出に適したものを含む。特定の非限定的例は、放射性同位体(例えば、125I;35S、32P;33P)、検出可能な生成物を生じる酵素(例えば、ルシフェラーゼβ-ガラクトシダーゼホースラディッシュペルオキシダーゼ及びアルカリホスファターゼ)、蛍光タンパク質発色性タンパク質、色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート);蛍光発光金属(例えば、152Eu);化学発光化合物(例えば、ルミノール及びアクリジニウム塩);生物発光化合物(例えば、ルシフェリン);並びに、蛍光タンパク質などの、検出可能な標識を含む。間接的標識物は、ペプチド配列に結合している標識された又は検出可能な抗体を含み、ここで該抗体は検出され得る。

0094

いくつかの実施態様において、本発明のペプチド配列は、放射性同位元素に複合され、診断薬又は治療薬として有用である、細胞傷害性放射性医薬(放射性免疫複合体)を作製する。そのような放射性同位元素の例は、ヨウ素13、インジウム1 1 '、イットリウム90、及びルテチウム177を含むが、これらに限定されるものではない。放射性免疫複合体を調製する方法は、当業者には公知である。市販されている放射性免疫複合体の例としては、イブツモマブ、チウキセタン、及びトシツモマブが挙げられる。

0095

本発明のペプチド配列の循環半減期を延長し、安定性を増加し、クリアランスを減少するか、又は免疫原性若しくはアレルゲン性を変更するために本発明に含まれる他の手段及び方法は、該分子の特徴を修飾するために、他の分子に連結されているヒドロキシエチルデンプン誘導体を利用する、HES化(hesylation)によるペプチド配列の修飾に関与している。HES化の様々な態様は、例えば、米国特許出願第2007/0134197号及び第2006/0258607号に説明されている。

0096

本発明のペプチド配列を修飾するために使用される前述の成分及び分子のいずれかは、任意にリンカーを介して複合されてよい。好適なリンカーは、一般に修飾されたペプチド配列と連結された成分及び分子の間の動きを可能にするのに十分な長さである「可動性リンカー」を含む。これらのリンカー分子は一般に、長さ約6〜50個の原子である。これらのリンカー分子はまた、例えば、アリールアセチレン、2〜10のモノマー単位を含むエチレングリコールオリゴマー、ジアミン、二酸、アミノ酸、又はそれらの組合せであることもできる。好適なリンカーは、容易に選択することができ、且つ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10〜20、20〜30、30〜50個のアミノ酸(例えば、Gly)などのいずれか好適な長さであることができる。

0097

例証的可動性リンカーは、グリシンポリマー(G)n、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)n、GSGGSn、及びGGGSn、ここでnは少なくとも1の整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、及び他の可動性リンカーを含む。グリシンポリマー及びグリシン-セリンポリマーは、比較的構造化されておらず(unstructured)、そのため成分間のニュートラルテザーとして役立つことができる。可動性リンカーの例は、GGSG、GGSGG、GSGSG、GSGGG、GGGSG、及びGSSSGを含むが、これらに限定されるものではない。

0098

表1-8及び図1に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列並びにFGF19/FGF21融合体及びキメラに加え、表1-8及び図1に列記された配列の部分配列、配列変種及び修飾形を含む本発明のペプチド配列は、本明細書に示す1つ以上の活性を有する。活性の一例は、グルコース降下活性である。活性の別の例は、例えばFGF19と比べ、肝細胞癌(HCC)の低下した刺激又は形成である。活性の追加の例は、例えばFGF21と比べ、より低い又は低下した脂質(例えば、トリグリセリド、コレステロール、非-HDL)又はHDLの増加活性である。活性の更なる例は、例えばFGF21と比べ、より低い又は低下した除脂肪筋肉量(lean muscle mass)の低下活性である。活性のまた別の例は、線維芽細胞増殖因子受容体-4(FGFR4)への結合、又はFGFR4の活性化であり、例えば、FGFR4についてのFGF19結合親和性と同等又はより大きい親和性でFGFR4に結合するペプチド配列;並びに、FGFR4を活性化するFGF19と同等又はより大きい程度又は量までFGFR4を活性化するペプチド配列である。活性のまた更なる例は、例えばFGF19と比べ、アルド-ケト還元酵素遺伝子発現のダウンレギュレーション又は低下;FGF21と比べSlc1a2遺伝子発現アップレギュレーション又は増加を含む。

0099

より特定すると、表1-8及び図1に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列並びにFGF19/FGF21融合体及びキメラに加え、表1-8及び図1に列記された配列の部分配列、配列変種及び修飾形を含む本発明のペプチド配列は、下記の活性を伴うものを含む:FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP又はFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、低下した肝細胞癌(HCC)形成を有するペプチド配列;FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP又はFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より大きいグルコース降下活性を有するペプチド配列;FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20においてWGDPI配列について置換されたGQV、GDI、WGPI、WGDPV、WGDI、GDPI、GPI、WGQPI、WGAPI、AGDPI、WADPI、WGDAI、WGDPA、WDPI、WGDI、WGDP又はFGDPIのいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ない脂質増加活性(例えば、より少ないトリグリセリド、コレステロール、非-HDL)又はより多いHDL増加活性を有するペプチド配列;並びに、FGF21と比べ、より少ない除脂肪量低下活性を有するペプチド配列。

0100

より特定すると、表1-8及び図1に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列並びにFGF19/FGF21融合体及びキメラに加え、表1-8及び図1に列記された配列の部分配列、配列変種及び修飾形を含む本発明のペプチド配列は、下記の活性を伴うものを含む:線維芽細胞増殖因子受容体-4(FGFR4)に結合するか、又はFGFR4を活性化するペプチド配列、例えば、FGFR4についてのFGF19結合親和性と同等又はより大きい親和性でFGFR4に結合するペプチド配列;FGFR4を活性化するFGF19と同等又はより大きい程度又は量までFGFR4を活性化するペプチド配列;例えばFGF19と比べ、アルド-ケト還元酵素遺伝子発現をダウンレギュレーション又は低下するペプチド配列;並びに、FGF21と比べ溶質担体ファミリー1、メンバー2(Slc1a2)遺伝子発現をアップレギュレーション又は増加するペプチド配列。

0101

例えば肝細胞癌(HCC)形成又は腫瘍形成、グルコース降下活性、脂質増加活性、又は除脂肪量低下活性などの活性は、db/dbマウスなどの動物において確認することができる。FGFR4への結合又はFGFR4の活性化の測定は、本明細書に開示されたアッセイ(例えば、実施例1参照)又は当業者に公知のアッセイにより確認することができる。

0102

用語「結合する」又は「結合している」は、ペプチド配列に関して使用される場合、ペプチド配列が、分子レベル相互作用することを意味する。従ってFGFR4に結合するペプチド配列は、FGFR4配列の全て又は一部に結合する。特異的及び選択的結合は、当該技術分野において公知のアッセイ(例えば、競合結合、免疫沈降ELISAフローサイトメトリーウェスタンブロット)を使用し、非特異的結合から区別することができる。

0103

ペプチド及びペプチド模倣体は、当該技術分野において公知の方法を用い、生成し且つ単離することができる。ペプチドは、化学的方法を用い、全体又は一部を合成することができる(例えば、Caruthersの文献、(1980)、Nucleic AcidsRes. Symp. Ser. 215;Hornの文献、(1980);及び、Banga, A.K.の文献、「治療用ペプチド及びタンパク質、製剤、処理及び送達システム(Therapeutic Peptides and Proteins, Formulation, Processing and Delivery Systems)、(1995)、Technomic Publishing社、ランカスター、PAを参照されたい)。ペプチド合成は、様々な固相技術を使用し、実行することができ(例えば、Robergeの文献、Science 269:202 (1995);Merrifieldの文献、Methods Enzymol. 289:3 (1997)参照)、且つ例えばABI431Aペプチド合成装置(Perkin Elmer社)を製造業者の指示に従い使用し、自動合成を実行することができる。ペプチド及びペプチド模倣体はまた、コンビナトリアル的方法を用いて合成することもできる。合成残基及び模倣体を取り込んでいるポリペプチドは、当該技術分野において公知の様々な手順及び方法を用い、合成することができる(例えば、「有機合成(Organic Syntheses)」、累積版、Gilmanら(編集)、John Wiley & Sons社、NY参照)。修飾されたペプチドは、化学修飾法により生成することができる(例えば、Belousovの文献、Nucleic Acids Res., 25:3440 (1997);Frenkelの文献、Free Radic. Biol. Med. 19:373 (1995);及び、Blommersの文献, Biochemistry, 33:7886 (1994)参照)。ペプチド配列の変動、誘導体化、置換及び修飾は同じく、オリゴヌクレオチド-媒介型(部位特異的)変異誘発、アラニンスキャニング、及びPCRベースの変異誘発などの方法を用い、行うことができる。部位特異的変異誘発(Carterらの文献、Nucl. Acids Res., 13:4331 (1986);Zollerらの文献、Nucl. Acids Res. 10:6487 (1987))、カセット変異誘発(Wellsらの文献、Gene 34:315 (1985))、制限部位選択変異誘発(Wellsらの文献、Philos. Trans. R. Soc. London SerA 317:415 (1986))及び他の技術を、本発明のペプチド配列、変種、融合体及びキメラ、並びにそれらの変動、誘導体化、置換及び修飾を生成するために、クローニングされたDNAについて実行することができる。

0104

「合成された」又は「製造された」ペプチド配列とは、手作業による操作に関与する任意の方法により作製されたペプチドである。そのような方法は、前述のもの、例えば化学合成組換えDNA技術、大型分子の生化学的又は酵素的断片化、及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されるものではない。

0105

例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む本発明のペプチド配列は、キメラ分子を形成するように、修飾することもできる。本発明に従い、異種ドメインを含むペプチド配列が提供される。そのようなドメインは、該ペプチド配列のアミノ末端又はカルボキシル-末端に付加することができる。異種ドメインはまた、該ペプチド配列内に配置されるか、並びに/又は代わりにFGF19及び/若しくはFGF21由来のアミノ酸配列の側方に位置することができる。

0106

用語「ペプチド」はまた、ペプチドの二量体又は多量体(オリゴマー)も含む。本発明に従い、例示されたペプチド配列に加え、例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)の二量体又は多量体(オリゴマー)も提供される。

0107

本発明は更に、表1-8及び図1に列記された配列の部分配列、配列変種及び修飾形を含む本発明のペプチド配列をコードしている核酸分子、並びに該ペプチドをコードしている核酸を含むベクターを提供する。従って「核酸」は、本明細書に開示された例示されたペプチド配列をコードしているものに加え、例示されたペプチド配列の機能性部分配列、配列変種及び修飾形をコードしているものが、少なくとも検出可能な又は測定可能な活性又は機能を維持している限りは、これらを含む。例えば、グルコースを降下又は低下する能力の一部を維持する、本明細書に開示された例示されたペプチド配列の部分配列、変種又は修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)は、正常なグルコースホメオスタシスを提供するか、又はインビボにおいて慢性若しくは急性高血糖症などに関連した組織病理学的状態を軽減する。

0108

本明細書において遺伝子、ポリヌクレオチド、ヌクレオチド配列、プライマー、オリゴヌクレオチド又はプローブとも称される核酸は、任意の長さの天然の又は修飾されたプリン-及びピリミジン-含有ポリマーポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチド又は混合型ポリリボ-ポリデオキシリボヌクレオチド及びそれらのα-アノマー型のいずれかをいう。2種以上のプリン-及びピリミジン-含有ポリマーは典型的には、ホスホエステル結合により又はそれらの類似体によって連結される。これらの用語は、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)を含む、核酸の全ての型を意味するよう、互換的に使用される。これらの核酸は、単鎖二重鎖、又は三重鎖、線状又は環状であることができる。核酸は、ゲノムDNA及びcDNAを含む。RNA核酸は、スプライシングされるか又はされないmRNArRNAtRNA又はアンチセンスであることができる。核酸は、天然、合成のものに加え、ヌクレオチド類似体及び誘導体を含む。

0109

遺伝暗号縮重の結果として、核酸分子は、本発明のペプチド配列をコードしている核酸分子に関して縮重している配列を含む。従って、本明細書に例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む、ペプチド配列をコードしている縮重した核酸配列が提供される。用語「相補的」とは、核酸配列に関して使用する場合、言及された領域が、100%相補的であること、すなわちミスマッチのない100%の塩基対合を示すことを意味する。

0110

核酸は、様々な公知の標準クローニング法及び化学合成法のいずれかを用いて、生成することができ、且つ部位特異的変異誘発又は当業者に公知の他の組換え技術により、意図的に変更することができる。ポリヌクレオチドの純度は、配列決定ゲル電気泳動、UV分光法により決定することができる。

0111

核酸は、「発現カセット」と本明細書において称される、そこでの核酸の発現が「発現制御エレメント」により影響されるか又は調節される核酸構築体に挿入されてよい。用語「発現制御エレメント」とは、機能的に連結されている核酸配列の発現を調節するか又は影響を及ぼす1以上の核酸配列エレメントをいう。発現制御エレメントは、タンパク質-コードしている遺伝子の前に、適宜、プロモーターエンハンサー転写ターミネーター、遺伝子サイレンサー開始コドン(例えばATG)を含むことができる。

0112

核酸配列に機能的に連結された発現制御エレメントは、核酸配列の転写及び適切ならば、翻訳を制御する。用語「機能的に連結された」とは、言及された成分が、それらの意図された様式で機能することを可能にする関係である隣接位置をいう。典型的には、発現制御エレメントは、遺伝子の5'末端又は3'末端に並置されるが、イントロン性であることもできる。

0113

発現制御エレメントは、転写を構成的に活性化するエレメントを含み、これは、誘導性(すなわち、活性化のために外部シグナル又は刺激を必要とする)、又は抑制解除性(すなわち、転写を停止するためにシグナルを必要とする;該シグナルが最早存在しない場合は、転写は活性化又は「抑制解除」される)である。同じく遺伝子発現を特定の細胞型又は組織について制御可能とするのに十分である制御エレメント(すなわち、組織-特異性制御エレメント)も、本発明の発現カセット中に含まれる。典型的には、そのようなエレメントは、コード配列上流又は下流(すなわち、5'側及び3'側)に位置する。プロモーターは一般に、コード配列の5'側に配置される。組換えDNA技術又は合成技術により作出されたプロモーターを使用し、本発明のポリヌクレオチドの転写を提供することができる。「プロモーター」は典型的には、転写を指示するのに十分である最小配列エレメントを意味する。

0114

核酸は、宿主細胞への形質転換のために並びに引き続きの発現及び/又は遺伝子操作のためにプラスミドへ挿入することができる。プラスミドは、宿主細胞において安定して増殖することができる核酸であり;プラスミドは、該核酸の発現を駆動するための発現制御エレメントを任意に含んでよい。本発明の目的に関して、ベクターは、プラスミドと同義語である。プラスミド及びベクターは一般に、細胞及びプロモーターにおける増殖のために少なくとも複製起点を含む。プラスミド及びベクターはまた、例えば、宿主細胞における発現のための発現制御エレメントを含むことができ、その結果例えばペプチド配列をコードするか、宿主細胞及び生物(例えば、治療が必要な対象)においてペプチド配列を発現するか、又はペプチド配列を作出する核酸の発現及び/又は遺伝子操作に有用である。

0115

本明細書において使用される用語「導入遺伝子」は、人工的に(by artifice)細胞又は生物へ導入されたポリヌクレオチドを意味する。例えば、導入遺伝子を有する細胞では、該導入遺伝子は、細胞の遺伝子操作又は「形質転換」により導入される。その中に導入遺伝子が導入された細胞又はそれらの子孫は、「形質転換された細胞」又は「形質転換体」と称される。典型的には、導入遺伝子は、形質転換体の子孫に含まれるか、又はその細胞から発生する生物の一部となり始める。導入遺伝子は、染色体DNAへ挿入されるか、又は自己複製プラスミド、YAC、ミニ染色体などとして維持される。

0116

細菌系プロモーターは、T7、並びにバクテリオファージλのpL、plac、ptrp、ptac(ptrp-lacハイブリッドプロモーター)などの誘導性プロモーター及びテトラサイクリン反応性プロモーターを含む。昆虫細胞系プロモーターは、構成的又は誘導性プロモーター(例えば、エクジソン)を含む。哺乳動物細胞構成的プロモーターは、SV40、RSVウシ乳頭腫ウイルス(BPV)及び他のウイルスプロモーター、又は哺乳動物細胞のゲノム由来の誘導性プロモーター(例えば、メタロチオネインIIAプロモーター;熱ショックプロモーター)、又は哺乳動物のウイルス由来の誘導性プロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;誘導性マウス乳癌ウイルス末端反復配列(LTR))を含む。或いはレトロウイルスゲノムは、好適な宿主細胞にペプチド配列を導入し、且つ発現を指示するように、遺伝子修飾されることができる。

0117

本発明の方法及び使用は、インビボ送達を含むので、発現系は更に、インビボ使用のためにデザインされたベクターを含む。特定の非限定的例としては、アデノウイルスベクター(米国特許第5,700,470号及び第5,731,172号)、アデノ随伴ウイルスベクター(米国特許第5,604,090号)、単純ヘルペスウイルスベクター(米国特許第5,501,979号)、レトロウイルスベクター(米国特許第5,624,820号、第5,693,508号及び第5,674,703号)、BPVベクター(米国特許第5,719,054号)、CMVベクター(米国特許第5,561,063号)、並びにパルボウイルス、ロタウイルス、ノーウォークウイルス及びレンチウイルスベクター(例えば、米国特許第6,013,516号参照)が挙げられる。ベクターは、幹細胞を含む腸管の細胞へ、遺伝子を送達するものを含む(Croyleらの文献、Gene Ther. 5:645 (1998);S.J. Henningの文献、Adv. Drug Deliv. Rev. 17:341 (1997)、米国特許第5,821,235号及び第6,110,456号)。これらのベクターの多くは、臨床試験のために承認されている。

0118

酵母ベクターは、構成的プロモーター及び誘導性プロモーターを含む(例えば、Ausubelらの文献、「分子生物学最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」、第2巻13章、Greene編集、Publish. Assoc. & Wiley Interscience社、1988;Grantらの文献、Methodsin Enzymology, 153:516 (1987), Wu及びGrossman編集;Bitterの文献、Methods in Enzymology, 152:673 (1987), Berger及びKimmel編集, Acad. Press社、N.Y.;及び、Strathernらの文献、「酵母サッカロミセスの分子生物学(The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces)」、(1982) Cold Spring Harbor Press編集、第I巻及び第II巻を参照されたい)。ADH若しくはLEU2などの構成的酵母プロモーター又はGALなどの誘導性プロモーターを使用することができる(R. Rothsteinの文献、「DNAクローニング、実践法(DNA Cloning, A Practical Approach)」、第11巻3章、D.M. Glover編集、IRL Press社、ワシトンD.C.、1986)。例えば相同組換えを介し、外来核酸配列酵母染色体への組み込みを促進するベクターは、当該技術分野において公知である。挿入されたポリヌクレオチドが、より一般的なベクターには大きすぎる(例えば約12Kbよりも大きい)場合には、酵母人工染色体(YAC)が典型的には使用される。

0119

発現ベクターは同じく、選択圧抵抗を付与する選択マーカー又は同定可能なマーカー(例えば、β-ガラクトシダーゼ)を含むこともでき、これにより該ベクターを有する細胞を選択、成長及び拡大することが可能である。或いは、選択マーカーは、ペプチド配列をコードしている核酸を含む第一のベクターにより、宿主細胞へ同時トランスフェクションされる第二のベクター上であることができる。選択システムは、各々、tk-細胞、hgprt-細胞又はaprt-細胞において利用することができる、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子(Wiglerらの文献、Cell, 11:223 (1977))、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(Szybalskaらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 48:2026 (1962))、及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(Lowyらの文献、Cell, 22:817 (1980))を含むが、これらに限定されるものではない。加えて、代謝拮抗物質抵抗性は、メトトレキセートに対する抵抗性を付与するdhfr(O'Hareらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 78:1527 (1981));ミコフェノール酸に対する抵抗性を付与するgpt遺伝子(Mulliganらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 78:2072 (1981));アミノ配糖体G-418に対する抵抗性を付与するネオマイシン遺伝子(Colberre-Garapinらの文献、J. Mol. Biol. 150:1(1981));ピューロマイシン;並びに、ヒグロマイシンに対する抵抗性を付与するヒグロマイシン遺伝子(Santerreらの文献、Gene, 30:147 (1984))の選択の基礎として使用することができる。追加の選択可能な遺伝子は、細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利用することを可能にするtrpB;ヒスチジンの代わりにヒスチノール(histinol)を利用することを可能にするhisD(Hartmanらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:8047 (1988));及び、オルニチンデカルボキシラーゼインヒビターである2-(ジフルオロメチル)-DL-オルニチン(DFMO)に対する抵抗性を付与するODC(オルニチンデカルボキシラーゼ)(McConlogueの文献、(1987)、「分子生物学の最新情報(Current Communications in Molecular Biology)」、Cold Spring Harbor Laboratory)を含む。

0120

本発明に従い、本明細書記載のFGF19及び/又はFGF21の変種又は融合体を生成する形質転換細胞(インビトロ、エクスビボ及びインビボ)並びに宿主細胞が提供され、ここでFGF19及び/又はFGF21の変種又は融合体の発現は、FGF19及び/又はFGF21の変種又は融合体をコードしている核酸により付与される。本発明のペプチド配列を発現する形質転換細胞及び宿主細胞は典型的には、本発明のペプチド配列をコードしている核酸を含む。一実施態様において、形質転換細胞又は宿主細胞は、原核細胞である。別の実施態様において、形質転換細胞又は宿主細胞は、真核細胞である。様々な態様において、真核細胞は、酵母又は哺乳動物(例えば、ヒト、霊長類など)の細胞である。

0121

本明細書において使用される「形質転換」細胞又は「宿主」細胞は、それにコードされたペプチド配列の発現を増大及び/又は転写することができる核酸が導入される細胞である。この用語はまた、宿主細胞の子孫又はサブクローンを含む。

0122

形質転換細胞及び宿主細胞は、細菌及び酵母などの微生物;並びに、植物、昆虫及び哺乳動物の細胞を含むが、これらに限定されるものではない。例えば、組換えバクテリオファージ核酸、プラスミド核酸若しくはコスミド核酸発現ベクターにより形質転換された細菌;組換え酵母発現ベクターにより形質転換された酵母;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)により感染された、若しくは組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)により形質転換された、植物細胞システム;組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)により感染された昆虫細胞システム;並びに、組換えウイルス発現ベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス)により感染された動物細胞システム、又は一過性又は安定した増殖又は発現のために操作された形質転換された動物細胞システムを含む。

0123

遺伝子治療での使用及び方法のために、形質転換細胞は、対象内であることができる。対象内の細胞は、インビボにおいて、本明細書に示した本発明のペプチド配列をコードしている核酸により形質転換されることができる。或いは細胞は、インビトロにおいて、導入遺伝子又はポリヌクレオチドにより形質転換され、その後治療を実行するために、対象の組織に移植されることができる。或いは初代細胞離株又は樹立された細胞株は、FGF19及び/若しくはFGF21の変種、又はFGF19の全て又は一部を含むか若しくはFGF21の全て又は一部を含むキメラペプチド配列などの、それらの融合体/キメラ配列(若しくは変種)をコードしている導入遺伝子又はポリヌクレオチドにより形質転換されることができ、その後任意に対象の組織に移植される。

0124

ペプチド配列の発現のための、特にインビボにおける発現のための非限定的標的細胞は、膵細胞(島細胞)、筋肉細胞粘膜細胞及び内分泌細胞を含む。そのような内分泌細胞は、FGF19及び/若しくはFGF21の変種、又はFGF19の全て又は一部を含む若しくはFGF21の全て又は一部を含むキメラペプチド配列などの、それらの融合体/キメラ配列(若しくは変種)の誘導的生成(分泌)を提供することができる。形質転換するための追加の細胞は、幹細胞、又は例えば多様な膵細胞(島細胞)、筋肉細胞、粘膜細胞及び内分泌細胞へと分化する始原細胞などの、他の多分化能細胞又は多能性細胞を含む。幹細胞の標的化は、本発明のペプチド配列のより長期の発現を提供する。

0125

本明細書において使用される用語「培養された」とは、細胞に関して使用する場合、細胞がインビトロにおいて成長することを意味する。そのような細胞の特定の例は、対象から単離された細胞、及び組織培養物中で成長されるか又は成長のために順応された細胞である。別の例は、インビトロにおいて遺伝子操作された細胞、及び同じ又は異なる対象へと戻し移植された細胞である。

0126

用語「単離された」とは、細胞に関して使用する場合、その天然のインビボ環境から分離される細胞を意味する。「培養された」細胞及び「単離された」細胞は、遺伝子形質転換など、手作業により操作されてよい。これらの用語は、細胞分裂時に生じる変異のために、親の細胞と同一でなくてよい子孫細胞を含む、該細胞の任意の子孫を含む。これらの用語は、ヒト全体を含まない。

0127

本発明のペプチド配列をコードしている核酸は、安定した発現のために、生物全体の細胞へ導入することができる。非-ヒトトランスジェニック動物を含むそのような生物は、動物全体におけるペプチド発現の効果及び治療的便益の研究に有用である。例えば本明細書に開示されるように、マウスにおいて、FGF19及び/若しくはFGF21の変種、又は本明細書に示したFGF19の全て又は一部を含む若しくはFGF21の全て又は一部を含むキメラペプチド配列などの、それらの融合体/キメラ配列(若しくは変種)は、グルコースを降下し、且つ抗-糖尿病性である。

0128

特定の疾患(例えば、糖尿病、変性疾患、癌など)を発症するか又は発症し易いマウス系統はまた、該疾患易罹患性のマウスにおいて、治療用タンパク質発現の効果を研究するために、本明細書において説明される治療用タンパク質を導入するために有用である。ストレプトゾトシン(STZ)-誘導性糖尿病(STZ)マウスなどの、特定の病態又は生理的状態に易罹患性であるトランスジェニック及び遺伝的動物モデルは、FGF19及び/若しくはFGF21の変種、又は本明細書に示したFGF19の全て又は一部を含む若しくはFGF21の全て又は一部を含むキメラペプチド配列などの、それらの融合体/キメラ配列(若しくは変種)を発現するのに適した標的である。従って本発明に従い、FGF19及び/若しくはFGF21の変種、又はFGF19の全て又は一部を含む若しくはFGF21の全て又は一部を含むキメラペプチド配列などの、それらの融合体/キメラ配列(若しくは変種)を生成する、非-ヒトトランスジェニック動物が提供され、その生成は、動物においては天然には生じず、これは動物の体細胞又は生殖細胞に存在する導入遺伝子によりもたらされる。

0129

用語「トランスジェニック動物」とは、その動物の体細胞又は生殖系列細胞が、微量注入又は組換えウイルスによる感染などによる細胞下レベルでの計画的な遺伝子操作により、直接又は間接に受け取った遺伝情報を生じる動物をいう。用語「トランスジェニック」とは更に、本明細書に記載のように遺伝子操作されたトランスジェニック動物から得られた細胞又は組織(すなわち、「トランスジェニック細胞」、「トランスジェニック組織」)を含む。本文脈において、「トランスジェニック動物」は、古典的交雑又は体外受精により作出された動物は包含せず、むしろ1つ以上の細胞が核酸分子を受け取っている動物を意味する。発明のトランスジェニック動物は、その導入遺伝子に関してヘテロ接合又はホモ接合のいずれかであることができる。マウス、ヒツジブタ及びカエルを含むトランスジェニック動物を作出する方法は、当該技術分野において周知であり(例えば、米国特許第5,721,367号、第5,695,977号、第5,650,298号、及び第5,614,396号参照)、従ってこれらは追加的に含まれる。

0130

ペプチド配列、ペプチド配列をコードしている核酸、ペプチド配列を発現しているベクター及び形質転換された宿主細胞は、単離された及び精製された形態を含む。用語「単離された」は、発明の組成物の修飾語句として使用される場合、組成物が、環境中の1種以上の成分から、実質的に完全に又は少なくとも一部分離されていることを意味する。一般に天然に存在する組成物は、単離される場合、天然にそれらが通常会合している1種以上の物質、例えば1種以上のタンパク質、核酸、脂質、炭水化物又は細胞膜を実質的に含まない。用語「単離された」は、変種、修飾又は誘導体化された形態、融合体及びキメラ、多量体/オリゴマーなどの組成物の代替の生理的形態、又は宿主細胞において発現された形態を除外しない。用語「単離された」はまた、そのいずれかが手作業により作製される、その中に組合せで存在する形態(例えば、医薬組成物、組合せ組成物など)を除外しない。

0131

「単離された」組成物はまた、夾雑物又は望ましくない物質若しくは材料などの、1種以上の他の材料の一部を、相当数、又はほとんど若しくは全てを含まない場合に、「精製される」ことができる。本発明のペプチド配列は一般に、天然に存在することは知られていないか又は存在するとは考えられていない。しかし、天然に存在する組成物に関して、単離された組成物は一般に、それが典型的には天然に会合している他の材料の一部を、相当数、又はほとんど若しくは全てを含まないであろう。従って、同じく天然に生じる単離されたペプチド配列は、例えば、タンパク質ライブラリーのタンパク質又はゲノムライブラリー若しくはcDNAライブラリー中の核酸などの、非常に多数の他の配列の中に存在するポリペプチド又はポリヌクレオチドを含まない。「精製された」組成物は、1以上の他の不活性分子又は活性分子との組合せを含む。例えば、本発明のペプチド配列は、例えば、グルコース降下薬又は治療薬などの、他の薬物又は薬剤と組合せた。

0132

本明細書に使用される用語「組換え」は、ペプチド配列、ペプチド配列をコードしている核酸などの修飾語句として使用される場合、組成物が、一般に天然(例えばインビトロ)においては生じない様式で操作されている(すなわち、設計されている(engineered))ことを意味する。組換えペプチドの特定の例は、本発明のペプチド配列が、ペプチド配列をコードしている核酸でトランスフェクションされた細胞により発現されている場合である。組換え核酸の特定の例は、ペプチド配列をコードしている核酸(例えば、ゲノム又はcDNA)が、該遺伝子が生物のゲノムで通常近接している5'領域、3'領域又はイントロン領域を伴い又は伴わずに、プラスミドへクローニングされている場合である。別の組換えペプチド又は核酸の例は、FGF19の一部及びFGF21の一部を含むキメラペプチド配列などの、ハイブリッド又は融合体配列である。

0133

本発明に従い、例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(表1-8及び図1に列記されたFGF19及びFGF21変種及び部分配列、並びに表1-8及び図1に列記されたFGF19/FGF21融合体及びキメラを含む)を含む、本発明のペプチド配列の組成物及び混合物が提供される。一実施態様において、混合物は、1種以上のペプチド配列及び医薬として許容し得る担体又は賦形剤を含有する。別の実施態様において、混合物は、1種以上のペプチド配列、並びに抗-糖尿病性若しくはグルコース降下性の薬物若しくは治療薬などの補助薬又は治療薬を含有する。薬物及び治療薬の例は、以下に示している。医薬として許容し得る担体又は賦形剤中の1種以上のペプチド配列の、1種以上の抗-糖尿病性若しくはグルコース降下性の薬物若しくは治療薬との組合せなども同じく、提供される。本発明のペプチド配列と、例えばグルコース降下性薬物又は治療薬などの別の薬物又は薬剤とのそのような組合せは、例えば対象の治療に関して、本発明の方法及び使用に従い有用である。

0134

組合せはまた、本発明のペプチド配列又は核酸の、ポリエステル、炭水化物、ポリアミン酸(polyamine acid)、ヒドロゲルポリビニルピロリドンエチレン-酢酸ビニルメチルセルロースカルボキシメチルセルロース硫酸プロタミン、又はラクチド/グリコリドコポリマーポリラクチド/グリコリドコポリマー、又はエチレン酢酸ビニルコポリマーなどの、粒子又は高分子物質への組み込み;例えば、各々、ヒドロキシメチルセルロース若しくはゼラチン-マイクロカプセル、又はポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセルを使用する、コアセルベーション技術によるか又は界面重合により調製されたマイクロカプセル中の捕獲高分子複合体ナノ-カプセルミクロスフェア、ビーズ、並びに例えば水中油型エマルションミセル混合型ミセル、及びリポソームを含む脂質-ベースのシステム(例えば、N-ラウロイル、N-オレオイルなどのN-脂肪酸アシル基ドデシルアミン、オレオイルアミンなどの脂肪酸アミンなど、米国特許第6,638,513号参照)などのコロイド薬物送達システム及び分散システム中への組み込みを含む。

0135

本明細書に示されたような例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(表1-8及び図1に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列、並びに表1-8及び図1に列記されたFGF19/FGF21融合体及びキメラを含む)を含む発明のペプチドは、グルコース代謝を調節し、且つ血液から筋肉、肝臓及び脂肪などの重要な代謝臓器へのグルコースの輸送を促進するために使用することができる。そのようなペプチド配列は、耐糖能を回復するのに及び/又はグルコースホメオスタシスを改善若しくは正常とするのに十分な量又は有効な量で生成され得る。

0136

本明細書に記載されたように、マウスへの様々なFGF19及び/FGF21変種並びに融合体ペプチド配列の投与は、グルコースレベルをうまく低下した。更にFGF19とは対照的に、特定のペプチド配列は、マウスにおいてHCC形成又は腫瘍形成を刺激又は誘導しなかった。従って、例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(表1-8及び図1に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列、並びに表1-8及び図1に列記されたFGF19/FGF21融合体及びキメラを含む)を含む発明のペプチドの、インビボ法又はエクスビボ法の直接又は間接のいずれかによる動物への投与(例えば、該変種若しくは融合体ペプチド、該変種若しくは融合体ペプチドをコードしている核酸、又は該変種若しくは融合体ペプチドを発現している形質転換された細胞若しくは遺伝子治療ベクターの投与)は、様々な障害の治療に使用することができる。

0137

従って本発明は、インビトロ、エクスビボ及びインビボ(例えば、対象への又は対象における)の方法及び使用を含む。そのような方法及び使用は、本明細書に示した任意の本発明のペプチド配列により実践することができる。

0138

本発明に従い、障害を有するか又は有するリスクのある対象を治療する方法が提供される。様々な実施態様において、方法は、表1-8及び図1に列記されたFGF19又はFGF21変種、融合体若しくはキメラ、又は表1-8及び図1に列記されたFGF19若しくはFGF21変種、融合体若しくはキメラの部分配列、変種若しくは修飾形などのペプチド配列を、該障害を治療するのに有効な量で対象へ投与することを含む。

0139

発明のペプチド並びに方法及び使用により治療、予防などが可能な障害の例は、代謝疾患及び障害を含む。疾患及び障害の非限定的例は、以下を含む:1.糖尿病(I型及びII型)、妊娠性糖尿病、高血糖症、インスリン抵抗性、異常なグルコース代謝、「プレ糖尿病」(空腹時血糖異常(IFG)又は耐糖異常(IGT))を含む、グルコース利用障害及びそれに関連した後遺症、並びに例えばβ-細胞破壊などの組織病理学的変化を含む高血糖状態に関連した若しくはその結果生じた他の生理的障害。治療のために、発明のペプチド配列は、約100mg/dlより大きい空腹時血漿グルコース(FPG)レベルを有する対象へ投与される。本発明のペプチド配列はまた、腎損傷(例えば、尿細管損傷又は腎症)、肝変性、眼損傷(例えば、糖尿病性網膜症又は白内障)、及び糖尿病による足の障害を含む、他の高血糖-関連障害においても有用であることができる;2.脂質異常症及び例えばアテローム性動脈硬化症冠動脈疾患脳血管障害などのそれらの後遺症;3.肥満症及び上昇した体質量(非限定的に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、及び多嚢胞卵巣症候群(PCOS)などのそれらの合併状態を含む)などの、メタボリック症候群に関連し得る他の状態を含み、並びにまた血栓症凝固能亢進状態及び血栓形成促進性状態(動脈性及び静脈性)、高血圧、心臓血管疾患、脳卒中及び心不全も含む;4.アテローム性動脈硬化症、慢性炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、喘息紅斑性狼瘡関節炎、又は他の炎症性リウマチ障害を含む、炎症反応が関与した障害又は状態;5.例えば脂肪肉腫固形癌及び新生物を含む脂肪細胞腫瘍脂肪腫癌腫などの、細胞周期又は細胞分化過程の障害;6.アルツハイマー病多発性硬化症パーキンソン病進行性多巣性白質脳症及びギランバレー症候群を含む、中枢神経及び末梢神経神経変性疾患及び/若しくは脱髄障害、並びに/又は神経炎症過程に関与した神経系疾患、並びに/又は他の末梢神経障害;7.紅斑性-扁平性皮膚症を含む、皮膚及び皮膚科的障害及び/又は創傷治癒過程の障害;並びに、8.X染色体症候群、変形性関節炎、及び急性呼吸窮迫症候群などの、他の障害。

0140

本明細書に使用される用語「高血糖性」又は「高血糖症」は、対象の状態に関して使用される場合に、対象の血液中に存在する一過性又は慢性的に異常に高いグルコースレベルを意味する。この状態は、グルコースの代謝又は吸収の遅延により引き起こされ、結果的に対象は、典型的には正常対象においては認められない耐糖能異常又は上昇したグルコース状態を示す(例えば、糖尿病発症のリスクのあるグルコース-不耐性プレ糖尿病対象において、又は糖尿病対象において)。正常血糖に関する空腹時血漿グルコース(FPG)レベルは約100mg/dl未満であり、障害のあるグルコース代謝については約100〜126mg/dlであり、且つ糖尿病については約126mg/dl以上である。

0141

本明細書に開示されたように、本発明は、肥満症又は望ましくない体質量(例えば、同等の年齢性別人種など、適切にマッチした対象と比べ、より大きい正常体指数、又は「BMI」)の進行、発症を予防する(例えば、特定の障害を有する素因のある対象において)、遅延する、緩徐化する又は阻害するか、或いは治療する(例えば、改善する)方法を含む。従って様々な実施態様において、例えば、肥満症又は望ましくない体質量(例えば、閉塞性睡眠時無呼吸症、関節炎、癌(例えば、乳癌子宮内膜癌、及び結腸癌)、胆石又は高血糖症などの、肥満症の合併状態を含む)の治療のための本発明の方法は、本明細書記載の本発明のペプチド(例えば、例として表1-8及び図1に列記されたFGF19及び/又はFGF21の変種又は融合体など)を、肥満症又は望ましくない体質量を治療するのに有効な量で、接触させるか又は投与することを含む。特定の態様において、対象は、25より大きい、例えば25〜30、30〜35、35〜40、又は40よりも大きい体質指数を有する。

0142

更に本発明は、その全てが、単独で若しくは組合せで、例えば、血栓形成、血管の狭窄若しくは閉塞、並びに高血圧、脳卒中及び冠動脈疾患リスクの増大に繋がり得る、望ましくないレベルの又は異常に上昇した血清/血漿LDL、VLDL、トリグリセリド又はコレステロールの進行を予防する(例えば、特定の障害を有する素因のある対象において)、緩徐化する又は阻害するか、或いは発症を遅延するか、或いは治療する方法を含む。そのような障害は、例えば、例として遺伝性素因又は食事に起因し得る。

0143

用語「対象」とは、動物をいう。典型的には、動物は、本発明のペプチド配列による治療から恩恵のある哺乳動物である。特定の例は、霊長類(例えばヒト)、イヌネコウマ、ウシ、ブタ及びヒツジを含む。

0144

対象は、障害、例えば糖尿病などの高血糖障害を有する対象、又は障害を有さないが障害を発症するリスクのある対象、例えば、100mg/dlより大きい、例えば約100〜126mg/dlのFPGレベルを有するプレ糖尿病対象などを含む。障害を発症するリスクのある対象は、例えばその食事が、急性又は慢性高血糖症(例えば糖尿病)、望ましくない体質量又は肥満症の発症に寄与し得る対象に加え、急性若しくは慢性高血糖症、又は望ましくない体質量若しくは肥満症の発症の家族歴若しくは遺伝性素因を有する対象を含む。

0145

本明細書に開示されたように、治療方法は、本明細書に記した本発明のペプチド(例えば、例として表1-8及び図1に列記されたFGF19及び/又はFGF21の変種又は融合体)を、対象において望ましい転帰又は結果を実現するのに有効な量で接触させるか又は投与することを含む。望ましい転帰又は結果を生じる治療は、対象における該状態の1以上の症状の重症度又は頻度を減少、低下又は予防すること、例えば、対象の状態の改善又は「有益な効果」又は「治療効果」を含む。その結果治療は、一過性に(例えば、1〜6、6〜12、又は12〜24時間)、中期間(例えば、1〜6、6〜12、12〜24又は24〜48日間)、又は長期間(例えば、1〜6、6〜12、12〜24、24〜48週間、又は24〜48週間以上)にわたり、該障害の1以上の症状の重症度又は頻度を減少又は低下又は予防し、該障害の進行又は増悪を安定化又は阻害し、且つ場合によっては、該障害を逆行することができる。従って高血糖障害の場合、例えば治療は、血液グルコースを降下又は低下し、耐糖能を改善し、グルコース代謝を改善し、正常なグルコースホメオスタシスを提供し、インスリン抵抗性を降下又は低下し、インスリンレベルを降下又は低下するか、或いはメタボリック症候群又は糖尿病などの高血糖障害に関連した若しくはその結果である組織病理学的変化を減少、予防、改善又は逆行することができる。

0146

例えば、ペプチド配列、方法又は使用は、100mg/dlより大きい、例えば約100〜125mg/dl、又は125mg/dlより大きいFPGレベルを有する1以上の対象において、5〜10%、10〜20%、20〜30%、又は30〜50%又はそれよりも多く、或いは例えば200mg/dl以上から200mg/dl未満に、150mg/dl以上から150mg/dl未満に、125mg/dl以上から125mg/dl未満になどグルコースを降下又は低下することができる。加えて、ペプチド配列、方法又は使用は、例えば、ベースラインHbAIcレベルを伴う、プレ糖尿病又は糖尿病(例えばII型)の対象に関して、約5%以上、6%、7%、8%、9%又は10%、特に5%、6%、又は7%グルコースを降下又は低下することができる。

0147

高血糖状態に関連した組織病理学的変化の改善の非限定的例は、例えば、膵細胞(例えばβ-細胞)の破壊又は変性尿細管石灰化若しくは腎症などの腎臓損傷、肝臓の変性、眼の損傷(例えば、糖尿病性網膜症、白内障)、糖尿病性足、口腔又は歯茎などの粘膜潰瘍形成歯周炎過度出血、損傷若しくは創傷治癒の緩徐化若しくは遅延(例えば、これは糖尿病性カルブンケルに繋がる)、皮膚感染症及び多の皮膚障害心臓血管系及び冠動脈性心臓病末梢血管障害、脳卒中、脂質異常症、高血圧、肥満症、又は前述のいずれかの発症のリスクの減少、阻害、低下又は停止を含む。望ましくない体質量又は肥満症の改善は、例えば、体質量(BMIなどにより反映される)の低下、又はトリグリセリド、コレステロール、LDL若しくはVLDLレベルの減少、血圧低下、血管内膜厚の減少、心臓血管疾患、若しくは脳卒中の減少若しくはリスクの低下、休息心拍数の減少などの、関連障害の改善を含むことができる。

0148

使用及び/又は対象の治療のための「有効な量」又は「十分な量」は、単独で、又は1種以上の他の組成物(薬物などの治療薬又は高血糖症の治療)、治療、プロトコール、若しくは治療的レジメンの薬剤と組合せて、単回投与量又は反復投与量で、任意の期間(一過性、中期間又は長期間)の検出可能な反応を、測定可能な若しくは検出可能な程度の又は任意の期間(例えば、数時間、数日間、数ヶ月間、数年間又は治癒)にわたる望ましい転帰又は主観的若しくは客観的恩恵を対象へ、提供する量をいう。そのような量は典型的には、障害、又は1つ、複数若しくは全ての有害症状、該障害の帰結又は合併症を、測定可能な程度改善するのに有効であるが、該障害の進行又は増悪の低下又は阻害は、満足できる転帰であると考えられる。

0149

本明細書において使用する用語「改善する」は、対象の障害の改善、該障害の重症度の低下、又は該障害の進行若しくは増悪の阻害(例えば、該障害の安定化)を意味する。高血糖障害(例えば、糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能異常、メタボリック症候群など)の症例において、例えば改善は、血液グルコースの降下若しくは低下、インスリン抵抗性の低下、グルカゴンの低下、耐糖能、若しくはグルコース代謝若しくはホメオスタシスの改善であることができる。高血糖障害の改善はまた、本明細書に示したような、改善された膵臓機能(例えば、β-細胞/島の破壊の阻害又は予防、又はβ-細胞の数及び/若しくは機能の増強)、罹患した組織若しくは臓器の組織病理の改善などの、該障害に関連した若しくは該障害から生じた病理の減少を含むことができる。望ましくない体質量又は肥満症の症例において、例えば改善は、体重増加の減少、体質量の低下(例えば低下したBMIで反映される)、又は例えば本明細書に示したような、望ましくない体質量肥満症に関連した状態の改善(例えば、血液グルコース、トリグリセリド、コレステロール、LDL又はVLDLレベルの降下又は低下、血圧低下、血管内膜厚の減少など)であることができる。

0150

従って治療的便益又は改善は、該障害又は疾患に関連した症状、合併症、結果又は基礎となる原因のいずれか一つ、ほとんど又は全ての完全な除去を必要としない。従って、ある期間にわたり(数時間、数日間、数週間、数ヶ月など)、対象の状態の一過性、中期間若しくは長期間の漸増する改善、又は発生、頻度、重症度、進行若しくは期間の部分的減少、又は1以上の関連した有害症状若しくは合併症若しくは結果若しくは基礎となる原因の阻害若しくは逆行、該障害又は疾患の増悪若しくは進行(例えば、該状態、障害若しくは疾患の1以上の症状又は合併症の安定化)が存在する場合に、満足できるエンドポイントが達成される。

0151

従って、本発明のペプチド配列により治療可能な障害の症例において、障害を改善するのに十分なペプチドの量は、該障害の種類、重症度及び程度、又は期間、望ましい治療効果又は転帰によって決まり、且つ当業者は容易に確定することができるであろう。同じく適量は、個々の対象(例えば、対象内の生物学的利用能、性別、年齢など)によって決まるであろう。例えば、対象における一過性の又は部分的な正常グルコースホメオスタシスの回復は、結果インスリンから完全に解放されることはないが、インスリン注射の用量又は頻度を低下することができる。

0152

有効量は、例えば、1以上の関連する生理的効果を測定することにより、確定することができる。高血糖状態の症例における特定の非限定的例において、血液グルコースの降下若しくは低下又は耐糖能試験の改善を使用し、例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む、発明のペプチド配列の量が、高血糖状態を治療するのに有効であるかどうかを決定することができる。別の特定の非限定的例において、有効量は、FPGを任意のレベル(例えば、ベースラインレベル)に低下又は減少するのに十分な量であり、これは例えば、FPGレベルを200mg/dl以上から200mg/dl未満に低下するのに十分な量、FPGレベル175mg/dl〜200mg/dlを投与前レベル未満に低下するのに十分な量、FPGレベル150mg/dl〜175mg/dlを投与前レベル未満に低下するのに十分な量、FPGレベル125mg/dl〜150mg/dlを投与前レベル未満に低下するのに十分な量など(例えば、FPGレベルを125mg/dl未満に、120mg/dl未満に、115mg/dl未満に、110mg/dl未満などに低下するのに十分な量)である。HbAIcレベルの場合、有効量は、レベルを約10%超を9%へ、約9%超を8%へ、約8%超を7%へ、約7%超を6%へ、約6%超を5%へなど低下又は減少するのに十分な量を含む。より特定すると、HbAIcレベルの約0.1%、0.25%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、33%、35%、40%、45%、50%又はそれ以上だけの低下又は減少は、本発明に従い有効量である。望ましくない体質量又は肥満症の場合の更に別の特定の非限定的例において、有効量は、対象の体質指数(BMI)を減少又は低下、グルコースを減少又は低下、トリグリセリド、脂質、コレステロール、脂肪酸、LDL及び/若しくはVLDLの血清/血漿レベルを減少又は低下するのに十分な量である。また更なる特定の非限定的例において、量は、前述のパラメータを、例えば、約0.1%、0.25%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、33%、35%、40%、45%、50%、又はそれ以上だけ減少又は低下するのに十分な量である。

0153

対象を治療するための本発明の方法及び使用は、高血糖障害などの対象の障害、又は望ましくない体質量若しくは肥満症の発達を予防するために、予防に関して適用可能である。或いは方法及び使用は、対象の治療時若しくは治療後に実践することができる。例えば、対象のインスリン又は他のグルコース降下薬若しくは治療薬を使用しグルコースを降下するための治療前、治療時又は治療後に、例えば本発明の方法又は使用を、例えば本発明のペプチド配列を、該対象へ投与することができる。加えて、本発明のペプチド配列などの組成物は、例えばグルコース降下薬又は治療薬などの、別の薬物又は薬剤と組合せることができる。

0154

従って対象を治療するための本発明の方法及び使用は、別の治療の前に、実質的に同時に又は後に実践することができ、且つ別の型の療法で補助することができる。補助療法は、インスリン、インスリン感度増強剤及び他の薬物治療などの他のグルコース降下治療、食事制限(低糖質低脂肪など)、体重減少手術(胃バイパス、胃切除術による容積の減少)、胃緊縛術胃バルーン胃スリーブなどを含む。例えば、高血糖障害又はインスリン抵抗性障害を治療するための本発明の方法又は使用は、対象においてグルコースを降下するか又はインスリン感受性を増大する薬物又は他の医薬組成物と組合せて使用することができる。糖尿病を治療するための薬物は、例えば、ビグアニド及びスルホニル尿素(例えば、トルブタミドクロルプロパミドアセトヘキサミドトラザミドグリベンクラミド及びグリピジド)、チアゾリジンジオン(ロシグリタゾンピオグリタゾン)、GLP-1類似体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤ブロモクリプチン製剤(例えば、胆汁酸金属イオン封鎖剤(例えば、コレセベラム)、及びインスリン(追加-基礎アナログ製剤)、チアゾリジンジオン(TZD)併用又は非併用のメトホルミン(例えば、メトホルミン塩酸塩)、及びSGLT-2阻害剤を含む。食欲抑制剤も周知であり、且つ本発明の方法と組合せて使用することができる。補助療法は、発明の方法及び使用の前、同時に又は後に投与することができる。

0155

例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む、本発明のペプチド配列は、単位投与量又は単位剤形に製剤することができる。特定の実施態様において、ペプチド配列は、例えば高血糖症のために治療が必要な対象を治療するのに有効な量である。単位投与量の例は、約25〜250、250〜500、500〜1000、1000〜2500又は2500〜5000、5000〜25,000、25,000〜50,000ng;約25〜250、250〜500、500〜1000、1000〜2500又は2500〜5000、5000〜25,000、25,000〜50,000μg;及び、約25〜250、250〜500、500〜1000、1000〜2500又は2500〜5000、5000〜25,000、25,000〜50,000mgの範囲である。

0156

例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む、本発明のペプチド配列は、例えば有効量又は十分量で、単回投与量又は反復用量として意図された効果を提供するために、投与することができる。投与量の例は、約25〜250、250〜500、500〜1000、1000〜2500又は2500〜5000、5000〜25,000、25,000〜50,000pg/kg;約50〜500、500〜5000、5000〜25,000又は25,000〜50,000ng/kg;及び、約25〜250、250〜500、500〜1000、1000〜2500又は2500〜5000、5000〜25,000、25,000〜50,000μg/kgの範囲である。単回投与量又は反復投与量は、例えば、1日に複数回、連続する日、隔日、毎週又は断続的に(例えば、毎週2回、1、2、3、4、5、6、7若しくは8週毎に1回、又は2、3、4、5若しくは6ヶ月毎に1回)投与することができる。

0157

例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む、本発明のペプチド配列を投与することができ、且つ方法は、任意の経路により、全身投与、局部(regional)投与又は局所投与により実践され得る。例えば、ペプチド配列は、非経口(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、若しくは腹腔内)、経口(例えば、摂食口腔内、若しくは下)、吸入、皮内、腔内、頭蓋内、経真皮(外用)、経粘膜的又は経直腸投与することができる。例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む、本発明のペプチド配列、並びに医薬組成物を含む本発明の方法は、(マイクロ)カプセル封入送達システムによるか又は投与のためのインプラント包装するかで投与することができる。

0158

本発明は更に、例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む、1又は複数の本発明のペプチド配列、並びに1種以上の医薬として許容し得る又は生理的に許容し得る希釈剤、担体又は賦形剤を含有する、「医薬組成物」を提供する。特定の実施態様において、1又は複数のペプチド配列は、治療的に許容し得る量で存在する。本医薬組成物は、本発明の方法及び使用に従い使用されてよい。従って例えば本医薬組成物は、本発明の治療方法及び使用を実践するために、エクスビボ又はインビボで対象へ投与することができる。

0159

本発明の医薬組成物は、意図された投与方法又は投与経路適合するように、製剤することができ;投与経路の例は、本明細書に示している。加えて、本医薬組成物は更に、本明細書に開示された他の治療的活性薬剤又は化合物(例えば、グルコース降下剤)、或いは本明細書に示した様々な疾患及び障害の治療又は予防に使用することができる当業者に公知の他の治療的活性薬剤又は化合物を含有してよい。

0160

医薬組成物は典型的には、例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(例えば、表1-8及び図1に列記された配列)を含む、本発明のペプチド配列の少なくとも1種を治療的有効量、並びに1種以上の医薬として及び生理的に許容し得る製剤物質を含有する。好適な医薬として又は生理的に許容し得る希釈剤、担体又は賦形剤としては、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸及び硫酸水素ナトリウム)、保存剤(例えば、ベンジルアルコールメチルパラベン、エチル又はn-プロピル、p-ヒドロキシ安息香酸エステル)、乳化剤懸濁化剤分散剤溶媒充填剤増量剤緩衝液媒体、希釈剤、及び/又はアジュバントが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、好適な媒体は、恐らく非経口的投与のために医薬組成物において一般的な他の材料を補充した、生理食塩水又はクエン酸緩衝食塩水であってよい。中性の緩衝食塩水又は血清アルブミンと混合した食塩水は、更なる媒体の例である。当業者は、本発明において使用される医薬組成物及び剤形において使用することができる様々な緩衝液を容易に認めるであろう。典型的緩衝液としては、医薬として許容し得る弱酸弱塩基、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。緩衝成分はまた、リン酸酒石酸乳酸コハク酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びそれらの塩などの水溶性材料を含む。

0161

媒体中の主要な溶媒は、事実上水性又は非水性のいずれかであってよい。加えて媒体は、医薬組成物のpH、浸透圧、粘度、無菌性又は安定性を調節又は維持するために、他の医薬として許容し得る賦形剤を含有することができる。特定の実施態様において、医薬として許容し得る媒体は、水性緩衝液である。他の実施態様において、媒体は、例えば塩化ナトリウム及び/又はクエン酸ナトリウムを含む。

0162

本発明の医薬組成物はまた、発明のペプチドの放出速度を調節又は維持するための他の医薬として許容し得る製剤物質を含むことができる。そのような製剤物質は、持続放出製剤の調製において当業者に公知のそれらの物質を含む。医薬として及び生理的に許容し得る製剤物質に関する更なる参照のために、例えば、「レミントン薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第18版(1990, Mack Publishing社、イーストン、Pa. 18042)、1435-1712頁;「メルクインデックス(The Merck Index)」、第12版(1996, Merck Publishing Group社、ホワイトハウス、NJ);及び、「固形剤形の医薬原理(Pharmaceutical Principles of Solid Forms)」(1993, Technonic Publishing社、ランカスター、Pa.)を参照されたい。投与に適した追加の医薬組成物は、当該技術分野において公知であり、且つ本発明の方法及び組成物において利用可能である。

0163

医薬組成物は、液剤懸濁剤ゲル剤乳剤固形剤、又は脱水若しくは凍結乾燥された散剤として、滅菌バイアル中に貯蔵されてよい。そのような組成物は、そのまま使用する形態、使用前に再構成が必要な凍結乾燥された形態、使用前に希釈が必要な液体形態、又は他の許容し得る形態のいずれかで貯蔵されてよい。一部の実施態様において、医薬組成物は、単回使用容器(例えば、単回使用バイアル、アンプル注射器、又は自動噴射装置(例えばEpiPen(登録商標)に類似したもの))の中で提供されるのに対し、反復使用容器(例えば、反復使用バイアル)が他の実施態様において提供される。インプラント(例えば、埋め込み型ポンプ)及びカテーテルシステムを含む、いずれかの薬物送達装置を使用し、発明のペプチドを送達することができ、これらは両方共当業者に公知である。一般に皮下又は筋肉内に投与されるデポ注射剤も、発明のペプチドを規定された期間にわたり放出するために利用することができる。デポ注射剤は通常、固体-又は油-ベースのいずれかであり、且つ一般に本明細書に示した製剤成分の少なくとも1つを含有する。当業者は、デポ注射剤の可能性のある製剤及び使用について熟知している。

0164

医薬組成物は、その意図された投与経路と適合するように製剤することができる。従って、医薬組成物は、非経口(例えば、皮下(s.c.)、静脈内、筋肉内、又は腹腔内)、皮内、経口(例えば、摂取)、吸入、腔内、頭蓋内、及び経真皮(外用)を含む経路による投与に適した担体、希釈剤、又は賦形剤を含む。

0165

医薬組成物は、無菌注射用水性又は油性の懸濁剤の形態であってよい。この懸濁剤は、本明細書に開示されたか又は当業者に公知の好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用い、製剤されてよい。無菌の注射用調製品はまた、例えば1,3-ブタンジオール中の液剤のように、無毒の非経口的に許容し得る希釈剤又は溶媒中の無菌の注射用液剤又は懸濁剤であってもよい。利用することができる許容し得る希釈剤、溶媒及び分散媒は、水、リンゲル液等張塩化ナトリウム溶液クレモフォールEL(商標)(BASF社, Parsippany, NJ)又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、エタノールポリオール(例えば、グリセロールプロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)、並びにそれらの好適な混合物を含む。加えて、無菌の不揮発性油は、溶媒又は懸濁媒体として従来使用されている。この目的のために、合成モノ-又はジグリセリドを含む、任意の無刺激性の不揮発性油を使用することができる。更にオレイン酸などの脂肪酸の、注射用調製品における使用を認める。特定の注射用製剤の延長された吸収は、吸収を遅延する物質(例えば、アルミニウムモノステアレート又はゼラチン)を含有することにより、実現することができる。

0166

医薬組成物は、例えば、錠剤カプセル剤トローチ剤舐剤水性若しくは油性懸濁剤、分散可能な散剤若しくは顆粒剤、乳剤、硬若しくは軟カプセル剤、又はシロップ剤、液剤、マイクロビーズ又はエリキシル剤のような、経口使用に適した形態であってよい。経口使用が意図された医薬組成物は、医薬組成物の製造に関して当該技術分野において公知の任意の方法に従い調製することができる。そのような組成物は、医薬として洗練され且つ口当たりの良い調製品を提供するために、甘味剤香味剤着色剤及び保存剤などの物質を1種以上含有することができる。発明のペプチドを含有する錠剤は、錠剤の製造に適した無毒の医薬として許容し得る賦形剤との混合物であってよい。これらの賦形剤は、例えば炭酸カルシウム炭酸ナトリウム乳糖リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの、希釈剤;例えばトウモロコシデンプン、又はアルギン酸などの、造粒剤及び崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチン又はアカシアゴムなどの、結合剤、並びに例えばステアリン酸マグネシウムステアリン酸又はタルクなどの、滑沢剤を含む。

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