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課題・解決手段

本発明は、プリドピジン、すなわち、ハンチントン病治療のために現在開発中の薬物物質新規結晶性形態に関する。より具体的には、本発明は、プリドピジン塩酸塩多形形態II、この多形形態を調製する方法、多形形態IIを含む医薬組成物、およびこの多形形態の使用方法を提供する。

概要

背景

材料科学において多形性は、固体材料が2つ以上の結晶形態で存在する能力であり、各形態は、結晶格子中で分子の異なる配向および/または立体配座を有する。各多形結晶中の構造配列の違いに起因する一連特有物理化学的性質を示すので、多形性は医薬成分の開発において重要である。したがって、溶解度および溶出速度は、多形の間で異なり、その結果、生物学的利用能の潜在的な違いがもたらされる可能性がある。さらに、化合物加工特性に影響を与える機械的特性、例えば、流動性およびコンパクト性が異なっていてもよい。化合物の安定性および貯蔵寿命はまた、選択した多形に依存する可能性がある。これらの理由のため、異なる多形形態の存在についてスクリーニングし、発見した形態を特徴決定することは価値がある。選択できる異なる多形形態を有することにより、医薬製品の性能を向上させる新たな機会が提供される。

化学合成の多形の結果は、結晶化条件、例えば、溶媒の選択、溶媒の添加速度、温度、撹拌速度、過飽和ベル、および不純物レベルによって決定される。したがって、異なる結晶化プロセスから異なる多形が生じることがある。多形はまた、異なる安定性を有し、ある形態から別の形態に自発的に転化することがある。

多形は、様々な技術により互いに区別することができる。多形は、異なる分光学的性質を示し、赤外分光法ラマン分光法、および13C−NMR分光法を使用して、同定することができる。各結晶形態はX線を異なる方向に回折するので、X線粉末回折法(XRPD)も同定に使用することができる。さらに、熱的方法、例えば、示差走査熱量測定法DSC)および熱重量分析法(TGA)は、特定の多形に特有の情報を与えることができる。

プリドピジン、すなわち、4−(3−メタンスルホニルフェニル)−1−プロピルピペリジンは、ハンチントン病治療のために現在臨床開発中の薬物物質である。4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンの塩酸塩およびその合成方法は、WO01/46145に記載されている。WO2006/040155には、4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンの合成に関する別法が記載されている。これらの合成経路に従うと、結晶相が199℃の融点で生じる。この結晶相を形態Iと称する。

プリドピジン塩酸塩の形態Iは、斜方晶系空間群Pna21で結晶化し、格子定数は、a=10.5Å、b=23.1Å、c=6.9Å、α=90℃、β=90℃、γ=90℃であり、セル体積は、1682Å3である。形態Iは、下記の表1に示す固有面間隔dを有するX線粉末ディフラクトグラム、または図1に実質的に示す通りのディフラクトグラム;図2に実質的に示す通りの、約199℃で開始する吸熱を有するDSCサーモグラム;図3に実質的に示す通りのIRスペクトル;および図4に実質的に示す通りのTGAサーモグラムにより特徴づけられる。

動的水蒸気吸着(DVS)プロファイルは、形態Iが80%RH未満では非吸湿性であるが、80%RH超では潮解性であることを示している(図5)。TGAは、形態Iが非溶媒和形態であることを示している(図4)。形態Iは、水性液体に高可溶性であり、水への溶解性は200mg/ml超である。

形態Iの粒子サイズおよび形状分布を、画像解析を使用して調べ、下記の表2に示した。D50は21μmであり、D10およびD90はそれぞれ9および42μmである。アスペクト比(AR)は、粒子の最長の寸法を最短の寸法で除算して得る。AR50が3.1なので、粒子は針状である。

形態Iのバルク密度およびタップ密度は、それぞれ0.212g/ml±2.2%および0.264g/ml±1.1%である。

様々な結晶化方法、例えば、有機溶媒中でのスラリー化、溶媒蒸発、冷却結晶化、クラッシュ冷却、および貧溶媒添加を含めて、プリドピジン塩酸塩に関する多形スクリーニングを行った。新規な多形形態を発見する機会を増やすために、溶媒の選択幅を広くした。しかし、スクリーニングにおいて既知の形態I以外の形態は発見されなかった。

概要

本発明は、プリドピジン、すなわち、ハンチントン病治療のために現在開発中の薬物物質の新規な結晶性形態に関する。より具体的には、本発明は、プリドピジン塩酸塩の多形形態II、この多形形態を調製する方法、多形形態IIを含む医薬組成物、およびこの多形形態の使用方法を提供する。

目的

本発明は、プリドピジン塩酸塩の多形形態II、この多形形態を調製する方法、多形形態IIを含む医薬組成物、およびこの多形形態の使用方法を提供する

効果

実績

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請求項1

結晶性形態(形態II)の4−(3−メタンスルホニルフェニル)−1−プロピルピペリジン塩酸塩またはその溶媒和物

請求項2

前記結晶性形態が無水である、請求項1に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩。

請求項3

面間隔d値6.1および4.9に対応する反射を有するX線粉末回折パターンにより特徴づけられる、請求項1に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩。

請求項4

面間隔d値8.9および4.1に対応する反射を有するX線粉末回折パターンにより特徴づけられる、請求項1に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩。

請求項5

面間隔d値8.9、7.7、6.7、6.1、5.1、4.9、4.3、4.1、3.6に対応する反射を有するX線粉末回折パターンにより特徴づけられる、請求項1に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩。

請求項6

図8に示すのと実質的に同じX線粉末回折パターンにより特徴づけられる、請求項1に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩。

請求項7

約210℃で開始する吸熱を有する、図9に実質的に示す通りのDSCサーモグラムにより特徴づけられる、請求項1に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩。

請求項8

図10に実質的に示す通りのFT−IRスペクトルにより特徴づけられる、請求項1に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩。

請求項9

図11に実質的に示す通りのTGAサーモグラムにより特徴づけられる、請求項1に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩。

請求項10

治療有効量の請求項1〜9の何れか1項に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩を、1種以上のアジュバント賦形剤担体、および/または希釈剤一緒に含む医薬組成物

請求項11

医薬として使用するための、請求項1〜9の何れか1項に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩。

請求項12

医薬組成物/医薬の製造のための、請求項1〜9の何れか1項に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩の使用。

請求項13

ヒトを含めた動物生体ドーパミン媒介障害を治療、予防、または軽減するための方法であって、治療有効量の請求項1〜9の何れか1項に記載の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩を、それを必要とする動物生体に投与する工程を含む方法。

技術分野

0001

本発明は、プリドピジン、すなわち、ハンチントン病治療のために現在開発中の薬物物質新規結晶性形態に関する。より具体的には、本発明は、プリドピジン塩酸塩多形形態II、この多形形態を調製する方法、多形形態IIを含む医薬組成物、およびこの多形形態の使用方法を提供する。

背景技術

0002

材料科学において多形性は、固体材料が2つ以上の結晶形態で存在する能力であり、各形態は、結晶格子中で分子の異なる配向および/または立体配座を有する。各多形結晶中の構造配列の違いに起因する一連特有物理化学的性質を示すので、多形性は医薬成分の開発において重要である。したがって、溶解度および溶出速度は、多形の間で異なり、その結果、生物学的利用能の潜在的な違いがもたらされる可能性がある。さらに、化合物加工特性に影響を与える機械的特性、例えば、流動性およびコンパクト性が異なっていてもよい。化合物の安定性および貯蔵寿命はまた、選択した多形に依存する可能性がある。これらの理由のため、異なる多形形態の存在についてスクリーニングし、発見した形態を特徴決定することは価値がある。選択できる異なる多形形態を有することにより、医薬製品の性能を向上させる新たな機会が提供される。

0003

化学合成の多形の結果は、結晶化条件、例えば、溶媒の選択、溶媒の添加速度、温度、撹拌速度、過飽和ベル、および不純物レベルによって決定される。したがって、異なる結晶化プロセスから異なる多形が生じることがある。多形はまた、異なる安定性を有し、ある形態から別の形態に自発的に転化することがある。

0004

多形は、様々な技術により互いに区別することができる。多形は、異なる分光学的性質を示し、赤外分光法ラマン分光法、および13C−NMR分光法を使用して、同定することができる。各結晶形態はX線を異なる方向に回折するので、X線粉末回折法(XRPD)も同定に使用することができる。さらに、熱的方法、例えば、示差走査熱量測定法DSC)および熱重量分析法(TGA)は、特定の多形に特有の情報を与えることができる。

0005

プリドピジン、すなわち、4−(3−メタンスルホニルフェニル)−1−プロピルピペリジンは、ハンチントン病治療のために現在臨床開発中の薬物物質である。4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンの塩酸塩およびその合成方法は、WO01/46145に記載されている。WO2006/040155には、4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジンの合成に関する別法が記載されている。これらの合成経路に従うと、結晶相が199℃の融点で生じる。この結晶相を形態Iと称する。

0006

プリドピジン塩酸塩の形態Iは、斜方晶系空間群Pna21で結晶化し、格子定数は、a=10.5Å、b=23.1Å、c=6.9Å、α=90℃、β=90℃、γ=90℃であり、セル体積は、1682Å3である。形態Iは、下記の表1に示す固有面間隔dを有するX線粉末ディフラクトグラム、または図1に実質的に示す通りのディフラクトグラム;図2に実質的に示す通りの、約199℃で開始する吸熱を有するDSCサーモグラム図3に実質的に示す通りのIRスペクトル;および図4に実質的に示す通りのTGAサーモグラムにより特徴づけられる。

0007

動的水蒸気吸着(DVS)プロファイルは、形態Iが80%RH未満では非吸湿性であるが、80%RH超では潮解性であることを示している(図5)。TGAは、形態Iが非溶媒和形態であることを示している(図4)。形態Iは、水性液体に高可溶性であり、水への溶解性は200mg/ml超である。

0008

形態Iの粒子サイズおよび形状分布を、画像解析を使用して調べ、下記の表2に示した。D50は21μmであり、D10およびD90はそれぞれ9および42μmである。アスペクト比(AR)は、粒子の最長の寸法を最短の寸法で除算して得る。AR50が3.1なので、粒子は針状である。

0009

形態Iのバルク密度およびタップ密度は、それぞれ0.212g/ml±2.2%および0.264g/ml±1.1%である。

0010

様々な結晶化方法、例えば、有機溶媒中でのスラリー化、溶媒蒸発、冷却結晶化、クラッシュ冷却、および貧溶媒添加を含めて、プリドピジン塩酸塩に関する多形スクリーニングを行った。新規な多形形態を発見する機会を増やすために、溶媒の選択幅を広くした。しかし、スクリーニングにおいて既知の形態I以外の形態は発見されなかった。

0011

薬物物質の新規な多形形態が発見されると、薬物の動作特性を向上させる新たな機会が提供される。重要なパラメータ、例えば、融点、吸湿性、および結晶化度は、薬物の最も適切な形態を選択する際に最も重要である。さらに、バルク特性、例えば、粒子サイズおよび形状は、薬物製品の製造に影響を与え得る。

0012

プリドピジンは塩酸塩として開発されており、本発明はその塩酸塩の結晶性形態IIを対象とする。この結晶性形態は、上記のWO01/46145およびWO2006/040155に記載されている合成の開発中では発見されておらず、上述のように、新規な固体形態の結晶化を容易にすることを目指した多形スクリーニングにおいて見つからなかった。したがって、形態IIの存在は明らかではなかった。

0013

本発明によれば、4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩の新規な多形を同定し、その調製プロセスを提供する。

0014

別の一側面では、治療有効量の本発明による4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩を、1種以上のアジュバント賦形剤担体、および/または希釈剤一緒に含む医薬組成物。

0015

別の一側面から見て、本発明は、医薬として使用するための本発明の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩に関する。

0016

さらなる一側面では、本発明は、ドーパミン媒介障害を治療、予防、または軽減する方法であって、治療有効量の本発明の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩を、それを必要とする動物生体投与する工程を含む方法を提供する。

0017

本発明のその他の目的は、以下の詳細な説明および例から当業者には明らかであろう。

発明の詳細な開示

0018

プリドピジンは、ハンチントン病治療のために現在開発中のドーパミン作動性安定剤である。この薬物物質は、第三級アミンの形態の弱塩基であり、計算pKa値が8.9である。

0019

プリドピジン塩酸塩の新規な結晶性形態、形態IIを、形態IのDSC分析中に発見した。いくつかの形態Iのバッチに関して、DSCサーモグラムが、形態Iの約199℃の融解吸熱に続いて、約210℃で開始する追加の吸熱を示した(図6)。これは、新規な結晶相の存在を示していた。この結晶相を単離するために、形態Iの試料を203℃に加熱し、続いて冷却した。得られた固相のXRPDは、新規な固体形態が形成されていたことを示し、この形態を形態IIと称した。

0020

したがって、その第1の側面では、本発明は、4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩の新規な結晶性形態、すなわち形態II、またはその溶媒和物を提供する。

0021

好ましい一態様では、結晶性形態IIを無水形態で提供する。

0022

別の好ましい一態様では、結晶性形態IIを無水形態および非溶媒和形態で提供する。

0023

本発明の結晶性形態IIは、下記の表3に示す面間隔dを有する粉末X線ディフラクトグラム、または図7に実質的に示す通りのディフラクトグラムにより特徴づけられる。

0024

したがって、第3の好ましい一態様では、本発明の結晶性4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩は、面間隔d値6.1および4.9に対応する反射を有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴づけられる。

0025

より好ましい一態様では、本発明の結晶性形態IIは、面間隔d値8.9および4.1に対応する反射を有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴づけられる。

0026

第3のより好ましい一態様では、本発明の結晶性形態IIは、面間隔d値8.9、7.7、6.7、6.1、5.1、4.9、4.3、4.1、および3.6に対応する反射を有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴づけられ得る。

0027

第3の好ましい一態様では、本発明の結晶性形態IIは、図8に実質的に示す通りのDSCサーモグラムを有することにより特徴づけられ得る。

0028

第4の好ましい一態様では、本発明の結晶性形態IIは、DSCで得られるように、約210℃で開始する吸熱を有することにより特徴づけられ得る。

0029

第5の好ましい一態様では、本発明の結晶性形態IIは、図9に実質的に示す通りのIRスペクトルを有することにより特徴づけられ得る。

0030

第6の好ましい一態様では、本発明の結晶性形態IIは、図10に実質的に示す通りのTGAサーモグラムを有することにより特徴づけられ得る。

0031

形態IIは、単斜晶系の空間群P21/cで結晶化し、格子定数は、a=12.2Å、b=13.5Å、c=10.2Å、α=90℃、β=91.1℃、γ=90℃であり、セルの体積は、1685Å3である。動的水蒸気吸着(DVS)プロファイルは、形態IIが80%RH未満では非吸湿性であるが、80%RH超では潮解性であることを示している(図11)。TGAは、形態IIが非溶媒和形態であることを示しており(図10)、Karl Fisher分析により、その塩の無水性が確認された。形態IIは溶媒に接触すると形態Iに急速に変形するので、室温における形態IIの溶解度を決定することはできなかった。

0032

1種の多形形態のみが、所与の温度で熱力学的に安定である。したがって、どの多形が周囲温度で最も安定であるか、多形間の安定関係が温度の変化によってどのように影響を受けるかを判定することは重要である。周囲温度での安定性は、両形態を溶媒に接触させてスラリーを形成させることにより判定した。溶媒に接触させると、形態IIは形態Iに急速に変形する。このことから、形態Iが周囲温度での安定形であることが結論付けられる。

0033

温度の関数としてのこれらの形態の相対的な熱力学的安定性を、熱データに基づいて調べた。Burger & Ramberger(Burger A and Ramberger R:On the polymorphism of pharmaceuticals andothermolecular crystals;I.Mikrochim.Acta.II 1979 259−271)が提案した融解熱法則によれば、形態IIは形態Iより融点が高く、かつ融解熱が低いので、多形はエナンチオトロピー的に関連している。DSCで決定したように、形態Iは融点199℃および融解熱34.8KJ/molを有し、形態IIは融点210℃および融解熱32.0KJ/molを有する。

0034

第7の好ましい一態様では、本発明の結晶性4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩は、図8に実質的に示す通りのDSCサーモグラムを有し、約210℃で開始する吸熱を有することにより特徴づけられる。

0035

2種の形態がエナンチオトロピー的に関連している場合、合成および医薬加工の結果を制御することができるように、遷移温度(Tt)を判定することは重要である。Lian Yu(Yu L:Inferring thermodynamic stability relationship of polymorphs from melting data;J.Pharm.Sci.1995 84 966−974)は、融点および融解熱に基づいてTtを計算することができるモデルを提案した。この方法を適用して、Tt127℃を得た。この調べた結果を実験的に確認するために、シーディング実験を行い、ここで、2種の形態の混合物を有機溶媒中で様々な温度で4時間スラリー化した。

0036

スラリー化の後に、得られた固相の同一性をXRPDで判定した。125℃未満の温度では、多形の結果は形態Iであり、130℃超では、結果は形態IIであった。したがって、研究から、形態IおよびIIがエナンチオトロピー的に関連しており、形態Iは室温で最も安定な形態であり、形態Iは127℃超の温度で最も安定な形態であることが示されている。

0037

形態IIの粒子サイズおよび形状分布を、画像解析を使用して調べ、下記の表4に示した。D50は170μmであり、D10およびD90はそれぞれ49および363μmである。アスペクト比(AR)は、粒子の最長の寸法を最短の寸法で除算して得る。形態IIのAR50は1.6なので、形態Iの3.1と比較して、形態IIの結晶は形態Iの結晶ほど針状ではない。これは医薬加工に関して有利としてよく、針状粒子が粉末の流れおよび圧縮性に影響を及ぼすことが知られている。

0038

形態IIのバルク密度およびタップ密度はそれぞれ0.382g/ml±0.3%および0.486g/ml±1.1%であり、これは形態Iの密度よりはるかに高い(表2を参照)。これは、例えば、カプセルの製剤化中、形態Iと比較して同量の形態IIを投与するのに、より小さな硬ゼラチンカプセルを使用することができるという含意を有し得る。

0039

調製方法
プリドピジン塩酸塩の形態IIは、127℃超で熱力学的に安定であり、したがって、形態Iを高温再結晶化して形態IIを調製することが可能なはずである。しかし、形態IIの種結晶を添加せずに、127℃超の温度で形態Iを再結晶化して形態IIを調製する試みは失敗であった。

0040

形態IIの調製を成功させるためには、形態Iの融解および形態IIへの再結晶を可能にするように固体の形態Iを203℃に加熱し、続いて冷却して、形態IIの種結晶を生成させることが必要であった。これはTGAオーブン中で行った。このようにして調製した種結晶を、形態IIの調製に使用した。形態Iを1,2−ジ−クロロベンゼン中に165℃で溶解させて、透明な溶液を形成した。形態IIの種結晶を添加し、シーディングした溶液を結晶化させるために165℃で放置した。生じた懸濁液を150℃でろ過し、結晶を真空下で乾燥させた。

0041

生物学的活性
WO01/46145、WO01/46146、WO2005/121087、WO2007/042295、WO2008/127188、およびWO2008/155357はすべて、置換4−フェニル−N−アルキルピペラジンおよび4−フェニル−N−アルキル−ピペリジンを記載しており、これらがドーパミン神経伝達モジュレーターであり、中枢神経系の様々な障害の症状の治療に有用であることを報告している。本発明の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩は、これらの刊行物に記載されるのと同じ医療適用に有用であると考えられ、したがって、これらの刊行物は参照により組み込まれる。

0042

これらの刊行物に従って企図する神経学的な適応症には、ハンチントン病および他の運動障害、ならびに薬物によって誘発される運動障害の治療が含まれる。

0043

したがって、好ましい一態様では、本発明は、ハンチントン病治療の医薬としての使用のための本発明の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩の使用に関する。

0044

医薬組成物
別の一側面から見て、本発明は、医薬としての使用のための、結晶性形態(形態II)の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩またはその溶媒和物を提供する。したがって、別の一側面では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を含む新規な医薬組成物を提供する。

0045

治療で使用するための本発明の化合物は未加工の化学化合物の形で投与してもよいが、有効成分を、任意に生理学的に許容される塩の形で、1種以上のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝液、希釈剤、および/または他の慣習的な医薬助剤と一緒の医薬組成物中に導入することが好ましい。

0046

本発明の医薬組成物は、とりわけ、WO01/46145に記載されるように製剤化してもよい。

0047

製剤化および投与に関する技術についてのさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.,Easton,PA)の最新版で見てもよい。

0048

投与する用量は、治療する個人年齢、体重および状態、ならびに投与経路剤形、および投与計画、および所望の結果に対して当然注意深く調整しなければならず、正確な投与量は、従事者によって当然決定されるべきである。

0049

実際の投与量は、治療する疾患の性質および重症度に依存し、医師の裁量に委ねられ、所望の治療効果を生ずるために本発明の特定の状況に合わせて投与量を用量設定(titration)することによって変えてもよい。しかし、個々の用量あたりの有効成分を約1〜約500mg、好ましくは約10〜約100mg、最も好ましくは約25〜約50mg含有する医薬組成物が治療的処置に適していると現在企図されている。1日量は、好ましくは、1日あたり1〜4回の個々の投与量で投与する。

0050

治療方法
別の一側面では、本発明は、ヒトを含めた動物生体のドーパミン媒介障害を治療、予防、または軽減するための方法であって、治療有効量の本発明の4−(3−メタンスルホニル−フェニル)−1−プロピル−ピペリジン塩酸塩を、それを必要とする動物生体に投与する工程を含む方法を提供する。

0051

好ましい一態様では、ドーパミン媒介障害はハンチントン病である。

0052

本発明について、添付図面を参照してさらに説明する。

図面の簡単な説明

0053

図1は、結晶性プリドピジン塩酸塩の形態Iの固有X線粉末回折パターンを示す。
図2は、結晶性プリドピジン塩酸塩の形態Iの固有DSCサーモグラムを示す。
図3は、結晶性プリドピジン塩酸塩の形態Iの固有FT−IRスペクトルを示す。
図4は、結晶性プリドピジン塩酸塩の形態Iの固有TGAサーモグラムを示す。
図5は、相対湿度範囲0〜95%における結晶性プリドピジン塩酸塩の形態Iの固有動的水蒸気吸着(DVS)プロファイルを示す。
図6は、結晶性プリドピジン塩酸塩の形態IのDSCサーモグラムを示し、これには、形態I(199℃)と形態II(210℃)の両方に特有の吸熱が存在している。
図7は、結晶性プリドピジン塩酸塩の形態IIの固有X線粉末回折パターンを示す。
図8は、結晶性プリドピジン塩酸塩の形態IIの固有DSCサーモグラムを示す。
図9は、結晶性プリドピジン塩酸塩の形態IIの固有FT−IRスペクトルを示す。
図10は、結晶性プリドピジン塩酸塩の形態IIの固有TGAサーモグラムを示す。
図11は、相対湿度範囲0〜95%における結晶性プリドピジン塩酸塩の形態IIの固有動的水蒸気吸着(DVS)プロファイルを示す。

0054

本発明について、以下の例を参照してさらに説明するが、これらの例は、本明細書で特許請求する本発明の範囲をいかなる意味でも限定することを意図するものではない。

0055

例1
プリドピジン形態IIの調製
より大きな(g)スケールの形態IIを調製するためには、mgスケールの形態IIの種結晶を最初に生成させることが必要であった。これは、形態Iの融解および後続の形態IIへの再結晶を可能にするように固体の形態Iを203℃に加熱し、続いて冷却することによって行った。これはTGAオーブン中で行った。このようにして、約10mgの形態IIを調製した。

0056

形態IIを調製するために、プリドピジン形態I15gを1,2−ジ−クロロベンゼン375mlに約180℃の加熱還流下で溶解させた。透明な溶液を約165℃で形成した。その溶液を165℃のオイルバスに移動させ、プリドピジン形態IIの種結晶を添加した。種結晶が成長し始めたらすぐに、撹拌を開始した。30分かけて温度を150℃に低下させた。さらに30分経過した後、懸濁液を150℃でろ過し、続いてヘプタン洗浄した。結晶を真空下で乾燥させた:融点210℃。CHN分析の結果を下記の表5に示す。

0057

NMR1H NMR(DMSO-d6): 0.93(3H, t), 1.73-1.79(2H, m), 2.00-2.13(4H, m), 2.96-3.06(5H, m), 3.23(3H, s), 3.54-3.57(2H, m), 7.61-7.67(2H, m), 7.79-7.84(2H, m), 10.52(1H, bs)

0058

例2
プリドピジンの多形スクリーニング
様々な溶媒を使用する様々な結晶化方法によって形態Iに代わる固体形態が形成できるかどうかを確かめるために、プリドピジンに関して多形スクリーニングを実施した。以下の溶媒および溶媒混合物を用いた。

0059

以下に、各実験を説明する。

0060

溶媒中でのスラリー化
出発量のプリドピジンを小型の透明なエッペンドルフプラスチック製バイアルに添加した。適切な溶媒/溶媒混合物を添加し、バイアルをロタミキサーに一晩かけた。その間に透明な溶液を観察できた場合、追加の化合物を添加し、バイアルをロタミキサーに戻した。全バイアル中に固体プリドピジン含有溶液を観察できるまで、これを継続した。全平衡化時間は7日であった。乾燥させた沈澱物をXRPDで検査した。

0061

溶媒蒸発
スラリー実験中に生成された上澄液を、穴を開けたパラフィルムで蓋をし、暗所に室温で放置した。高沸点溶媒真空オーブンにおいて40℃で蒸発させた。乾燥させた沈澱物をXRPDで分析した。

0062

冷却結晶化
水浴を使用して、プリドピジンの飽和溶液良溶媒において50℃で調製した。その溶液に蓋をし、冷蔵庫に一週間放置した。乾燥させた沈澱物をXRPDで分析した。

0063

クラッシュ冷却
水浴を使用して、プリドピジンの飽和溶液を良溶媒において50℃で調製した。その溶液を、ドライアイス塩混合物中に数分間置いて、クラッシュ冷却した。沈澱が即座に生じなかった場合、溶液を翌日まで冷凍庫中で保存した。上澄液を除去し、乾燥させた材料をXRPDで分析した。

0064

非溶媒沈澱
水浴を使用して、プリドピジンの飽和溶液を良溶媒において50℃で調製した。これらの溶液に、溶液体積が2倍になるまで冷たい(室温)非溶媒を滴下した。上澄液を除去し、乾燥させた材料をXRPDで分析した。

0065

圧縮
プリドピジン粉末を水圧IRプレス押出型充填した。押出型をプレスに設置し、粉末を10Tで24時間圧縮した。圧縮した材料をXRPDで分析した。

0066

XRPD分析は、形成した材料がすべて形態Iであったことを示していた。

0067

例3
分析方法
X線粉末回折
X線粉末回折(XRPD)実験は、以下に列挙したように構成したBruker D8 Advance回折計を使用して行った。

0068

試料を、ゼロバックグラウンドシリコン単結晶試料ホルダー上で、ワセリン薄膜中に置いた。Bruker「XRD Commander」バージョン2.6.1を使用してディフラクトグラムを取得し、「Bruker Evaluation」バージョン11,0,0,3を使用して評価した。

0069

この手順に従って、表2に示した面間隔dおよび図8に示したディフラクトグラムを得た。

0070

示差走査熱量測定
示差走査熱量測定(DSC)実験を、Mettler−Toledo StarEバージョン9.2ソフトウェアパッケージを使用して、Mettler Toledo DSC 821e示差走査熱量計で実施した。ピンホールを開けたアルミパンにおいて試料(約3mg)を10℃/分で30℃〜300℃加熱した。DSCを連続的にドライ窒素パージし、インジウムおよび亜鉛ルーチン的に測定した。

0071

この手順に従って、図9に示したDSCサーモグラムを得た。

0072

熱重量分析
熱重量分析(TGA)実験をMettler Toledo TGA/SDTA 851eで実施した。開いたAlるつぼにおいて試料(約10mg)を10℃/分で30℃〜300℃加熱した。TGAを連続的にドライ窒素でパージし、インジウムおよびアルミニウムでルーチン的に測定した。Mettler−Toledo StarEバージョン9.2ソフトウェアパッケージを使用して、データを評価した。

0073

この手順に従って、図11に示したTGAサーモグラムを得た。

0074

フーリエ変換赤外分光
フーリエ変換赤外分光(FTIR)実験を、Specacから供給される減衰全反射ATRユニットGoldengateを装備したPerkin−Elmer Spectrum One FTIR器機で実施した。Spectrumバージョン5.0.1ソフトウェアを使用して、システムを制御した。試料(約1〜2mg)をATRユニットのダイヤモンド表面上に直接置き、アンビルを試料に対してしっかりと圧迫した。試料を波数領域4000〜600cm−1で分析した。器機を内部ポリスチレンフィルタに対してルーチン的に較正した。

0075

この手順に従って、図10に示した結晶性プリドピジン塩酸塩の形態IIのFT−IRスペクトルを得た。

0076

カールフィッシャー滴定
カールフィッシャー(KF)滴定を使用する水分測定法を、無隔膜発生電極を装備したMetrohm KF 756 KF電量計を使用して行った。滴定器にはMetrohm 832 KF Thermoprepオーブンを装備させた。試料を小型のHPLCガラス製バイアルで量し、密閉し、オーブン(130℃)に導入した。ここで、針を使用して、HPLCバイアルのゴムセプタムに穴を開け、乾燥キャリアガス(N2)を使用して、加熱した管を介して放出水滴定チャンバに搬送した。

0077

試料の滴定前に、一連のブランクを滴定して、ブランクレベルを決定した。結果をブランク値に関して自動補正した。保証された含水量を含む固体標準物を使用して、器機をルーチン的に制御した。

0078

動的水蒸気吸着測定
動的水蒸気吸着(DVS)測定を、TA instruments製のQ5000 SAを使用して実施した。

0079

実験は、0%RH〜95%RHの2回吸着脱着サイクルで実施した。初回吸着サイクルの前に試料を20%RHで平衡化し、初期重量を記録した。試料をアルミニウムパンにおいて分析した。水分を0%RHに下げ、重量が所与の限度内に安定するまで試料を乾燥させた。温度は25℃で一定に保持した。最大ステップ時間は720分であった。ガス流は200cm3/分であった。

0080

この手順に従って、図12に示したDVSプロファイルを得た。

0081

CHN測定
CHN測定値を、Flash EA 1112分析装置を使用して、Mikroanalytisk Laboratorium、Kemisk Institut、University of Copenhagenで行った。

0082

化合物約2mgを小型のスズビーカーで秤量し、燃焼チャンバに挿入した。得られたガスカラム収集し、ガスクロマトグラフィーによって分析した。分析をデュプリケートで行った。

0083

画像解析
顕微鏡分析を、Zeiss Axiolab顕微鏡(Carl Zeiss、Gottingen、独国)を使用して実施した。顕微鏡写真を、DeltaPixデジタルカメラおよびDeltapixソフトウェアバージョン1.6(Maaloev、デンマーク国)を使用して取得した。倍率5倍の対物レンズ(1.626μm/ピクセル)を油浸オイルなしで使用し、倍率40倍の対物レンズ(0.208μm/ピクセル)を油浸オイルとして流動パラフィンを用いて使用した。粒子サイズを、Motic Image Plus 2.0ソフトウェア(Motic Group Inc、中国)を使用して、使用した対物レンズで得た基準スケールの写真に較正して決定した。粒子サイズ分布およびアスペクト比分布を、Matlabバージョン2009b(Mathworks Inc.、米国)を使用して計算した。

0084

バルク密度およびタップ密度
密度の決定をPh.Eur.2.9.34に記載されているように行った。250ml容量のガラス製シリンダに入れる試料量を50.0gとし、かつ2500回のタッピングを100タップ/分で実行するように方法を変更した。測定をトリプリケートで行った。

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