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技術 心臓弁弁尖の低侵襲性修復

出願人 ネオコードインコーポレイテッド
発明者 ゼントグラフ、ジョンパリンス、デイビッドジョセフサイニ、アルン
出願日 2012年6月1日 (7年9ヶ月経過) 出願番号 2014-513757
公開日 2014年9月11日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2014-523282
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 円形部品 吸引要素 フラップシール 側面切開 ロッキング要素 磁気追跡 封止要素 機械的ロック
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

心臓弁修復する方法は、心室中隔アプローチによる心臓弁の修復のために、血管内アクセスを提供する。外側ガイドカテーテルは、患者静脈を通じて、右心房を介して、右心室内に挿入される。内側ガイドカテーテル外側ガイドを通して挿入することができ、穿刺ツールは、中隔を通る左心室への開口を形成するために、中隔へのアクセスを提供する。次に、内側ガイドは、左心室内に進められ、心臓弁上に修復装置配備する配備カテーテルを案内するために用いられる。

概要

背景

現在、様々な種類の外科的処置心臓および胸部大血管の疾患を検査診断、および治療するために行われている。そのような処置としては、僧帽弁大動脈弁、および他の心臓弁修復および置換心房および心室中隔欠損の修復、血栓除去、動脈瘤の治療、電気生理学的マッピングおよび心筋アブレーション、並びに心臓または大血管の内部に介入装置が導入される他の処置が挙げられる。

現在の技術を用いると、これらの処置の多くは、患者胸腔内へのアクセスを得るために、通常は胸骨正中切開の形で、肉眼的開胸(gross thoracotomy)を必要とする。鋸子または他の切開器具を用いて、胸骨長手方向に切断し、胸郭の前方部分または腹側部分の2つの対向する半分部分を広げるようにする。こうして胸腔への大きな開口が形成され、その開口を介して、外科チームは心臓および他の胸郭の内容物を直接明視化して手術する。

開胸による心臓内外科的介入は、一般に、動脈系の残部からの心臓および冠状血管の分離、並びに心機能の停止(「開心」術(open heart procedure))を必要とする。通常、心臓は、胸骨切開により外部大動脈クロスクランプを導入し、そのクロスクランプを腕頭動脈冠動脈口との間の大動脈に取り付けることによって、動脈系から分離される。次に、心機能を停止させるために、心停止流体(cardioplegic fluid)が、冠動脈に対して、冠動脈口に直接的に、または大動脈起始部における穿刺によって、注入される。一部の例では、心停止流体は心筋の逆行性潅流のために冠状静脈洞に注入される。酸素化された血液の末梢循環を維持するために、患者は心肺バイパス下に置かれる。

本発明にとって特に興味深いことは、心臓弁、とりわけ僧帽弁および大動脈弁の外科的治療のための開心術である。最近の推定によれば、米国の病院では、毎年、79,000人を超える患者が大動脈および僧帽弁疾患と診断されている。米国では、かなりの数の心臓弁修復術とともに、年間49,000件を超える僧帽弁置換術または大動脈弁置換術が行われている。

開心術中、病変または損傷した弁を修復するために、弁輪形成(弁輪の収縮)、四角切除(弁狭小化)および交連切開(弁尖を分離するための弁交連の切断)、僧帽弁または三尖弁腱索(tricuspid valve chordae tendonae)の短縮、切断された僧帽弁もしくは三尖弁腱索または乳頭筋組織再付着、および弁および環状組織の脱灰を含む様々な外科技術が用いられ得る。これに代わって、前記弁は、生来の弁の弁尖を摘出し、通常は生来の弁輪に置換弁縫合することにより、置換弁を前記弁の位置に固定することによって交換されてもよい。機械的および生物学的人工器官同種移植片、並びに異型移植片を含む様々な種類の置換弁が現在使用されている。

心臓の左心房左心室との間に位置する僧帽弁は、心臓の通常は胸骨正中切開によって露出される側とは反対側の心臓の後部側に存在する左心房の壁を介して最も容易に到達することができる。従って、胸骨切開によって僧帽弁にアクセスするためには、左心房を胸骨切開によってアクセス可能な位置にもっていくために心臓を回転させる。次に、右肺静脈の前方の左心房に、開口、すなわち心房切開部(atriotomy)が形成される。前記心房切開部を縫合糸または開創装置(retraction device)によって牽引し、心房切開部のすぐ後方に僧帽弁を露出させる。次に前述の技術のうちの1つを用いて弁を修復するか、または置換する。

胸骨正中切開及び/又は心臓の回転操作が望ましくない場合には、開心術中に僧帽弁にアクセスするための別の技術が用いられる。この技術では、大きな切開口が胸部の右側方に、通常は第五肋間隙の領域に形成される。1本以上の肋骨を患者から除去し、前記切開口付近のその他の肋骨を外側に牽引して、胸腔に大きな開口部を形成する。次に、左心房を心臓の後部側において露出させ、左心房の壁に心房切開部を形成する。該心房切開部を介して、修復または置換のために僧帽弁にアクセスする。

ヒトの心臓内部にある僧帽弁及び三尖弁は、1つの口(輪)と、2つ(僧帽弁の場合)又は3つ(三尖弁の場合)の弁尖と、弁下部組織とを備える。弁下部組織は、可動な弁尖を心室の内側の筋肉組織(乳頭筋)に接続する多数の腱索を含む。腱索の断裂または伸長によって部分的または全体的な弁尖逸脱が生じ、これにより僧帽弁(又は三尖弁)の逆流が生じる。僧帽弁の逆流を外科的に修正するために一般的に用いられる技術は、弁の逸脱部と乳頭筋との間への人工腱索(artificial chordae)(通常4−0又は5−0のゴアテックス登録商標)縫合糸)の移植である。この開心手術は、通常、胸骨正中切開術によって行われ、大動脈クロスクランプによる心肺バイパス及び心臓の心筋保護下における心停止(cardioplegic arrest)を必要とする。

そのような開心技術を用いると、胸骨正中切開術または右側開胸術により設けられる大きな開口部により、外科医が左心房切開部を通じて僧帽弁を直接視認し、また外科用器具の操作、切除した組織の除去、および/または心臓内に取り付けるための心房切開部を介した置換弁の導入のために、外科医の手を心臓の外側に近接した胸腔内に配置することが可能となる。しかしながら、これらの侵襲的な開心術は高度の外傷、重大な合併症の危険性、長期にわたる入院、及び患者の痛みを伴う回復期間をもたらす。更に、心臓弁外科手術は、多くの患者に対して有益な結果をもたらすが、そのような手術が有効であり得る多くの他の者は、現在の技術の外傷および危険性に耐えることができないか、または耐えようとはしない。

開心手術の一つの別の方法は、DaVinci(登録商標)システムという登録商標で販売されている、ロボットによって誘導される(robotically guided)、胸腔鏡補助下(thoracoscopically assisted)心臓切開術である。DaVinci(登録商標)システムは、胸骨切開術を必要とする代わりに、カメラによる視覚化及びロボット技術によって誘導される低侵襲性アプローチを用いる。不都合なことに、DaVinci(登録商標)システムは、拍動心における僧帽弁修復術には認可されていない。従って、僧帽弁修復のためにDaVinci(登録商標)システムを用いるには、依然として、大動脈クロスクランプによる心肺バイパスおよび心臓の心筋保護下における停止を必要とする。

既に開発されている他の腹腔鏡および低侵襲性外科技術およびツールが存在するが、これらの装置のいずれも、拍動心における僧帽弁修復の特有要件には使用可能ではない。Superstich(登録商標)血管縫合装置(Superstich vascular suturing device)またはGore(登録商標)縫合糸パサー(Gore suture passer)は、外科的処置の一部として縫合糸の用手配置を可能にするように設計されているが、拍動心における使用のためには設計されていない。血管修復または心臓バイパス手術の一部として弁輪形成リングを縫合することができる特定の弁輪形成技術および器具は拍動心と関連して用いられ得るが、これらの弁輪形成術は、絶えず動いている弁尖の捕捉および保持を含まない。従って、弁輪形成技術および器具の設計および使用は、拍動心の処置中における心臓弁の低侵襲性胸腔鏡下修復のための器具および技術の開発における問題を解決するには、あまり役に立たない。

近年、心臓が依然として拍動している最中における心臓弁の低侵襲性胸腔鏡下修復のための技術が開発されている。参照により本願に援用されるスペツィアーリ(Speziali)に付与された特許文献1は、胸腔鏡下(thorascopic)心臓弁修復方法及び装置を開示している。停止した心臓での開心手術を必要とする代わりに、スペツィアーリ(Speziali)によって教示された胸腔鏡下心臓弁修復方法及び装置は、拍動心に用いられ得る低侵襲性外科処置中における視覚化技術として、経食道音波心臓図検査法(transesophageal echocardiography :TEE)と組み合わせた光ファイバー技術を用いている。アルティーブ(Alkhatib)に付与された特許文献2もまた、弁尖の逸脱の防止を助け、かつ/または弁尖の機能を向上させるために、患者の心臓弁の弁尖と患者の心臓の別の部分との間に人工テザー(prosthetic tether)を取り付けるための同様の装置を開示している。

これらの技術のより最近のものは、ゼントグラフ(Zentgraf)に付与された特許文献3および特許文献4に開示されている。前記特許文献は、心腔進入し、弁尖に誘導し、弁尖を捕捉し、適切な捕捉を確認し、僧帽弁逆流(mitral valve regurgitation:MR)の修復の一部として縫合糸を送達することができる総合装置を開示している。

これらの引例は、開胸外科アプローチ(open surgical approach)中に、例えば心室の心尖において心臓壁人工開口を形成することを必要とする開胸外科アプローチを通じて心臓にアクセスすることによって、弁尖を縫合することを開示している。低侵襲性縫合糸送達システムが、失血を最小限にするために、開胸外科アプローチまたは外側心室壁への切開を必要とすることなく、拍動心の処置において弁尖を縫合することができることは有益であろう。

概要

心臓弁を修復する方法は、心室経中隔アプローチによる心臓弁の修復のために、血管内アクセスを提供する。外側ガイドカテーテルは、患者の静脈を通じて、右心房を介して、右心室内に挿入される。内側ガイドカテーテル外側ガイドを通して挿入することができ、穿刺ツールは、中隔を通る左心室への開口を形成するために、中隔へのアクセスを提供する。次に、内側ガイドは、左心室内に進められ、心臓弁上に修復装置配備する配備カテーテルを案内するために用いられる。

目的

一実施形態において、本システムは、本システム内外における失血を最小限しながら、心腔内への静脈アクセス(大腿静脈または頚静脈を通る静脈アクセス)を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

患者拍動心内において心臓弁修復する方法であって、外側ガイドカテーテルを、患者の静脈を通じて、患者の心臓右心房内に挿入することと、前記外側ガイドカテーテルを患者の心臓の右心室内に進めることと、前記外側ガイドカテーテル内に内側ガイドカテーテルを挿入し、前記内側ガイドカテーテルを右心室内に進めることと、前記患者の心臓内中隔穿刺して、右心室と左心室との間に開口を形成することと、前記中隔の開口を介して、前記内側ガイドカテーテルを左心室内に進めることと、前記内側ガイドカテーテル内に配備カテーテルを挿入し、前記配備カテーテルを左心室において心臓弁に隣接するように進めることと、前記配備カテーテルによって前記心臓弁上に修復装置配備することとを含む、方法。

請求項2

前記内側ガイドカテーテルを通じて封止装置を前記中隔まで進めることと、前記封止装置を前記中隔の開口内に配置して、前記開口を封止することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記修復装置は縫合糸である、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記配備カテーテルによって前記心臓弁上に修復装置を配備することは、前記配備カテーテルのクランプ機構によって心臓弁弁捕捉することと、前記配備カテーテルの針によって心臓弁弁尖を通して前記縫合糸を挿入することとを含む、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記内側ガイドカテーテルを通じて、封止装置を前記中隔まで進めることと、前記封止装置内に延びる管腔を通して、前記縫合糸を延ばすことと、前記縫合糸の近位端が前記心臓弁から前記中隔を通って延びるように、前記封止装置を前記中隔の開口内に配置して、前記開口を封止することとをさらに含む、請求項3に記載の方法。

請求項6

前記縫合糸を錨着装置に通すことと、前記内側ガイドカテーテルを通じて、前記錨着装置を前記中隔まで進めることと、前記錨着装置を封止装置と相互作用させて、前記封止装置に対する前記縫合糸の位置をロックすることと、前記内側ガイドカテーテルを通じて、切断ツールを有する切断カテーテルを前記中隔まで進めることと、前記封止装置に隣接する前記右心室内の縫合糸を切断することとをさらに含む請求項5に記載の方法。

請求項7

前記中隔を通って所望の張力を有するように、前記縫合糸に選択的に張力を付与することをさらに含む請求項5に記載の方法。

請求項8

前記縫合糸の張力は、前記縫合糸と係合する封止要素内の封止体によって維持され、前記封止体と係合して、前記封止体に縫合糸を解放させることによって、前記縫合糸に対する張力を解放することと、前記縫合糸に再度張力を付与することとをさらに含む、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記配備カテーテルは、前記弁上に複数の縫合糸を配備する、請求項3に記載の方法。

請求項10

心臓弁修復システムを提供することと、前記システムは、外側ガイドカテーテル、前記外側ガイドカテーテルを通じて摺動可能に挿入されるように適合された内側ガイドカテーテル、中隔穿刺ツール、および配備カテーテルを備えることと、前記心臓弁修復システムによって患者の拍動心の心臓弁上に修復装置を配備するための指示を提供することとを含む方法であって、前記指示は、前記外側ガイドカテーテルを、患者の静脈を通じて、患者の心臓の右心房内に挿入することと、前記外側ガイドカテーテルを患者の心臓の右心室内に進めることと、前記外側ガイドカテーテルに内側ガイドカテーテルを挿入し、その内側ガイドカテーテルを右心室内に進めることと、前記内側ガイドカテーテルを通じて前記中隔穿刺ツールを挿入し、その中隔穿刺ツールによって患者の中隔を穿刺して、右心室と左心室との間に中隔を通る開口を形成することと、前記中隔の開口を介して、前記内側ガイドカテーテルを左心室内に進めることと、前記内側ガイドカテーテルを通じて前記配備カテーテルを挿入し、その配備カテーテルを心臓弁に隣接するように進めることと、前記配備カテーテルによって心臓弁上に修復装置を配備することとを含む、方法。

請求項11

前記心臓弁修復システムを提供することは封止装置を提供することを含み、前記指示は、前記内側ガイドカテーテルを通じて前記封止装置を前記中隔まで進めることと、前記封止装置を前記中隔の開口内に配置して、前記開口を封止することとをさらに含む、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記心臓弁修復システムを提供することは、修復装置として縫合糸を提供することを含み、前記配備カテーテルによって、前記心臓弁上に修復装置を配備することは、前記配備カテーテルのクランプ機構によって心臓弁弁尖を捕捉することと、前記配備カテーテルの針によって、心臓弁弁尖を通して前記縫合糸を挿入することとを含む、請求項10に記載の方法。

請求項13

前記心臓弁修復システムを提供することは、封止装置を提供することと、修復装置として縫合糸を提供することとを含み、前記指示は、前記内側ガイドカテーテルを通じて前記封止装置を中隔まで進めることと、前記封止装置内に延びる管腔を通して、前記縫合糸を延ばすことと、前記縫合糸の近位端が前記心臓弁から前記中隔を通って延びるように、前記封止装置を前記中隔の開口内に配置して前記開口を封止することとをさらに含む、請求項10に記載の方法。

請求項14

前記心臓弁修復システムを提供することは、錨着装置と、切断ツールを有する切断カテーテルとを提供することを含み、前記指示は、前記縫合糸を錨着装置に通すことと、前記内側ガイドカテーテルを通じて前記錨着装置を前記中隔まで進めることと、前記錨着装置を前記封止装置と相互作用させて、前記封止装置に対する縫合糸の位置をロックすることと、前記内側ガイドカテーテルを通じて前記切断装置を前記中隔まで進めることと、前記切断ツールによって、前記封止装置に隣接する前記右心室内の縫合糸を切断することとをさらに含む、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記指示は、前記中隔を通って所望の張力を有するように、前記縫合糸に選択的に張力を付与することをさらに含む、請求項14に記載の方法。

請求項16

患者の拍動心の右心室に静脈内アクセスするための手段と、右心室と左心室との間において患者の心臓の中隔を通る開口を形成するための手段と、心臓弁上に修復装置を配備するための手段と、左心室に配備するための手段を配置するための手段と、前記中隔の開口を封止するための手段とを備えるシステム。

請求項17

前記修復装置を配備するための手段は、心臓弁弁尖を把持するための手段と、前記弁尖を通して縫合糸を挿入するための手段とを含む、請求項16に記載のシステム。

請求項18

前記封止装置を通じて前記縫合糸に選択的に張力を付与するための手段をさらに備える、請求項17に記載のシステム。

請求項19

前記縫合糸を前記封止装置に着するための手段をさらに備える、請求項17に記載のシステム。

請求項20

前記縫合糸に選択的に再度張力を付与する手段をさらに備える、請求項18のシステム。

技術分野

0001

本発明は縫合糸の低侵襲送達(minimally invasive delivery)に関する。より詳細には、本発明は、血管内心室中隔アプローチ(intravascular ventricular septal approach)によって、拍動心(beating heart)内における動揺または逸脱弁尖に、人工腱索として縫合糸を取り付けることに関する。

背景技術

0002

現在、様々な種類の外科的処置心臓および胸部大血管の疾患を検査診断、および治療するために行われている。そのような処置としては、僧帽弁大動脈弁、および他の心臓弁修復および置換心房および心室中隔欠損の修復、血栓除去、動脈瘤の治療、電気生理学的マッピングおよび心筋アブレーション、並びに心臓または大血管の内部に介入装置が導入される他の処置が挙げられる。

0003

現在の技術を用いると、これらの処置の多くは、患者胸腔内へのアクセスを得るために、通常は胸骨正中切開の形で、肉眼的開胸(gross thoracotomy)を必要とする。鋸子または他の切開器具を用いて、胸骨長手方向に切断し、胸郭の前方部分または腹側部分の2つの対向する半分部分を広げるようにする。こうして胸腔への大きな開口が形成され、その開口を介して、外科チームは心臓および他の胸郭の内容物を直接明視化して手術する。

0004

開胸による心臓内外科的介入は、一般に、動脈系の残部からの心臓および冠状血管の分離、並びに心機能の停止(「開心」術(open heart procedure))を必要とする。通常、心臓は、胸骨切開により外部大動脈クロスクランプを導入し、そのクロスクランプを腕頭動脈冠動脈口との間の大動脈に取り付けることによって、動脈系から分離される。次に、心機能を停止させるために、心停止流体(cardioplegic fluid)が、冠動脈に対して、冠動脈口に直接的に、または大動脈起始部における穿刺によって、注入される。一部の例では、心停止流体は心筋の逆行性潅流のために冠状静脈洞に注入される。酸素化された血液の末梢循環を維持するために、患者は心肺バイパス下に置かれる。

0005

本発明にとって特に興味深いことは、心臓弁、とりわけ僧帽弁および大動脈弁の外科的治療のための開心術である。最近の推定によれば、米国の病院では、毎年、79,000人を超える患者が大動脈および僧帽弁疾患と診断されている。米国では、かなりの数の心臓弁修復術とともに、年間49,000件を超える僧帽弁置換術または大動脈弁置換術が行われている。

0006

開心術中、病変または損傷した弁を修復するために、弁輪形成(弁輪の収縮)、四角切除(弁尖の狭小化)および交連切開(弁尖を分離するための弁交連の切断)、僧帽弁または三尖弁腱索(tricuspid valve chordae tendonae)の短縮、切断された僧帽弁もしくは三尖弁腱索または乳頭筋組織再付着、および弁および環状組織の脱灰を含む様々な外科技術が用いられ得る。これに代わって、前記弁は、生来の弁の弁尖を摘出し、通常は生来の弁輪に置換弁縫合することにより、置換弁を前記弁の位置に固定することによって交換されてもよい。機械的および生物学的人工器官同種移植片、並びに異型移植片を含む様々な種類の置換弁が現在使用されている。

0007

心臓の左心房左心室との間に位置する僧帽弁は、心臓の通常は胸骨正中切開によって露出される側とは反対側の心臓の後部側に存在する左心房の壁を介して最も容易に到達することができる。従って、胸骨切開によって僧帽弁にアクセスするためには、左心房を胸骨切開によってアクセス可能な位置にもっていくために心臓を回転させる。次に、右肺静脈の前方の左心房に、開口、すなわち心房切開部(atriotomy)が形成される。前記心房切開部を縫合糸または開創装置(retraction device)によって牽引し、心房切開部のすぐ後方に僧帽弁を露出させる。次に前述の技術のうちの1つを用いて弁を修復するか、または置換する。

0008

胸骨正中切開及び/又は心臓の回転操作が望ましくない場合には、開心術中に僧帽弁にアクセスするための別の技術が用いられる。この技術では、大きな切開口が胸部の右側方に、通常は第五肋間隙の領域に形成される。1本以上の肋骨を患者から除去し、前記切開口付近のその他の肋骨を外側に牽引して、胸腔に大きな開口部を形成する。次に、左心房を心臓の後部側において露出させ、左心房の壁に心房切開部を形成する。該心房切開部を介して、修復または置換のために僧帽弁にアクセスする。

0009

ヒトの心臓内部にある僧帽弁及び三尖弁は、1つの口(輪)と、2つ(僧帽弁の場合)又は3つ(三尖弁の場合)の弁尖と、弁下部組織とを備える。弁下部組織は、可動な弁尖を心室の内側の筋肉組織(乳頭筋)に接続する多数の腱索を含む。腱索の断裂または伸長によって部分的または全体的な弁尖逸脱が生じ、これにより僧帽弁(又は三尖弁)の逆流が生じる。僧帽弁の逆流を外科的に修正するために一般的に用いられる技術は、弁の逸脱部と乳頭筋との間への人工腱索(artificial chordae)(通常4−0又は5−0のゴアテックス登録商標)縫合糸)の移植である。この開心手術は、通常、胸骨正中切開術によって行われ、大動脈クロスクランプによる心肺バイパス及び心臓の心筋保護下における心停止(cardioplegic arrest)を必要とする。

0010

そのような開心技術を用いると、胸骨正中切開術または右側開胸術により設けられる大きな開口部により、外科医が左心房切開部を通じて僧帽弁を直接視認し、また外科用器具の操作、切除した組織の除去、および/または心臓内に取り付けるための心房切開部を介した置換弁の導入のために、外科医の手を心臓の外側に近接した胸腔内に配置することが可能となる。しかしながら、これらの侵襲的な開心術は高度の外傷、重大な合併症の危険性、長期にわたる入院、及び患者の痛みを伴う回復期間をもたらす。更に、心臓弁外科手術は、多くの患者に対して有益な結果をもたらすが、そのような手術が有効であり得る多くの他の者は、現在の技術の外傷および危険性に耐えることができないか、または耐えようとはしない。

0011

開心手術の一つの別の方法は、DaVinci(登録商標)システムという登録商標で販売されている、ロボットによって誘導される(robotically guided)、胸腔鏡補助下(thoracoscopically assisted)心臓切開術である。DaVinci(登録商標)システムは、胸骨切開術を必要とする代わりに、カメラによる視覚化及びロボット技術によって誘導される低侵襲性アプローチを用いる。不都合なことに、DaVinci(登録商標)システムは、拍動心における僧帽弁修復術には認可されていない。従って、僧帽弁修復のためにDaVinci(登録商標)システムを用いるには、依然として、大動脈クロスクランプによる心肺バイパスおよび心臓の心筋保護下における停止を必要とする。

0012

既に開発されている他の腹腔鏡および低侵襲性外科技術およびツールが存在するが、これらの装置のいずれも、拍動心における僧帽弁修復の特有要件には使用可能ではない。Superstich(登録商標)血管縫合装置(Superstich vascular suturing device)またはGore(登録商標)縫合糸パサー(Gore suture passer)は、外科的処置の一部として縫合糸の用手配置を可能にするように設計されているが、拍動心における使用のためには設計されていない。血管修復または心臓バイパス手術の一部として弁輪形成リングを縫合することができる特定の弁輪形成技術および器具は拍動心と関連して用いられ得るが、これらの弁輪形成術は、絶えず動いている弁尖の捕捉および保持を含まない。従って、弁輪形成技術および器具の設計および使用は、拍動心の処置中における心臓弁の低侵襲性胸腔鏡下修復のための器具および技術の開発における問題を解決するには、あまり役に立たない。

0013

近年、心臓が依然として拍動している最中における心臓弁の低侵襲性胸腔鏡下修復のための技術が開発されている。参照により本願に援用されるスペツィアーリ(Speziali)に付与された特許文献1は、胸腔鏡下(thorascopic)心臓弁修復方法及び装置を開示している。停止した心臓での開心手術を必要とする代わりに、スペツィアーリ(Speziali)によって教示された胸腔鏡下心臓弁修復方法及び装置は、拍動心に用いられ得る低侵襲性外科処置中における視覚化技術として、経食道音波心臓図検査法(transesophageal echocardiography :TEE)と組み合わせた光ファイバー技術を用いている。アルティーブ(Alkhatib)に付与された特許文献2もまた、弁尖の逸脱の防止を助け、かつ/または弁尖の機能を向上させるために、患者の心臓弁の弁尖と患者の心臓の別の部分との間に人工テザー(prosthetic tether)を取り付けるための同様の装置を開示している。

0014

これらの技術のより最近のものは、ゼントグラフ(Zentgraf)に付与された特許文献3および特許文献4に開示されている。前記特許文献は、心腔進入し、弁尖に誘導し、弁尖を捕捉し、適切な捕捉を確認し、僧帽弁逆流(mitral valve regurgitation:MR)の修復の一部として縫合糸を送達することができる総合装置を開示している。

0015

これらの引例は、開胸外科アプローチ(open surgical approach)中に、例えば心室の心尖において心臓壁人工開口を形成することを必要とする開胸外科アプローチを通じて心臓にアクセスすることによって、弁尖を縫合することを開示している。低侵襲性縫合糸送達システムが、失血を最小限にするために、開胸外科アプローチまたは外側心室壁への切開を必要とすることなく、拍動心の処置において弁尖を縫合することができることは有益であろう。

先行技術

0016

国際特許出願公開第WO2006/078694A2号
米国特許出願公開第2008/0228223号明細書
米国特許出願公開第2009/0105751号明細書
米国特許出願公開第2009/0105729号明細書

発明が解決しようとする課題

0017

本発明の実施形態は、心腔に進入し、心臓弁弁尖に誘導し、弁尖を捕捉し、適切な捕捉を確認し、縫合糸を送達するための様々な工程および装置を含む、拍動心処置の間における心臓弁逆流の修復を可能にする。これらの実施形態の装置および処置は、心臓弁逆流の治療を目的とした縫合糸の送達のために、血管内カテーテルに基づいたアプローチとともに用いられ得る。

課題を解決するための手段

0018

一実施形態において、本システムは、本システム内外における失血を最小限しながら、心腔内への静脈アクセス(大腿静脈または頚静脈を通る静脈アクセス)を提供する。装置は右心房を通って、右心室内に挿入され、心室心尖内における位置は超音波または蛍光透視法によって視覚化される。心腔内へのアクセスが得られたならば、前記システムは非侵襲性画像診断法によって配置される。前記システムは、心臓内組織構造の捕捉を可能にする。捕捉されると、前記システムは前記組織構造に対して制御が維持されるようにする。画像診断法は、前記組織構造に関する前記システムの適切な捕捉位置の確認を可能にする。次に、前記システムは、適切な位置が確認されると、前記組織構造への配備カテーテルの送達を提供する。

0019

一実施形態において、ガイドインガイドカテーテルシステムは、左心室内腔にアクセスを提供するために、経中隔穿刺ツールに心室中隔壁(ventricular septal wall)への静脈アクセスを提供する。左心室にアクセスしたならば、内側ガイドカテーテルは、中隔壁を横切って左心室内へと、外側ガイド内に進められる。前記外側ガイドカテーテルは、内側ガイド、またはこれに代わって内部に中隔穿刺装置を備えた中隔穿刺カテーテルの、心室中隔を通過するための選択された領域への配置を容易にする側面退出管腔(side exiting lumen)を有することができる。前記ガイド内の湾曲部は、前記カテーテルの先端部(tip)を経中隔穿刺のための所望の位置に曲げる(angle)ことができる。位置を維持するためにガイドワイヤーを用いてもよい。中隔穿刺が完了した後、前記装置は除去され、中隔壁を通る前記ガイドの通過を支援するために、前記内側ガイドに拡張器が挿入される。前記拡張器は、前記内側ガイドが中隔壁を通過した後に除去される。前記内側ガイドはまた、遠位先端部への事前形成された湾曲を有し得る。この湾曲部は、配備カテーテルを僧帽弁に向けて案内するために方向付けの支援(direction support)を提供することができる。

0020

前記配備カテーテルは、僧帽弁と効果的に係合するように前記配備カテーテルを配置するために用いられるガイドワイヤーを受容する中央管腔を有する。前記中央管腔はまた、脈管内超音波装置または直接視覚化装置のために用いられてもよい。前記縫合糸は配備カテーテルによって選択された部位に配備される。前記配備カテーテルは、ガイドカテーテルから抜去され、次に続く縫合糸の配備のために再装着される(re−loaded)か、または交換される。

0021

一実施形態において、弁尖延長(leaflet extension)、受動的弁閉塞装置または綿撒糸(pledget)のような医療用修復装置(medical repair device)が前記処置に追加されてもよい。配備された縫合糸は内側ガイドカテーテルを退出し、身体の外部で一時的に固定され得る。所望量の縫合糸が配置されると、それらの縫合糸は、中隔封止装置の中央管腔を通して装着される。中隔封止装置は、外側ガイドカテーテルを通じて進められ、前記縫合糸および外側ガイドカテーテルによって、心室穿刺部位を通って案内される。前記封止装置の右心室側が配備され、次いで前記封止装置の左側が配備される。次に、前記内部カテーテルは、中隔封止要素から取り外され、外側ガイドカテーテルから抜去される。前記縫合糸は、僧帽弁に取り付けられた中隔閉鎖装置内部管腔内に留まり、外側ガイドを通って退出する。

0022

一実施形態において、前記縫合糸は、生理学的効果を評価するために個々に調整された張力を有する。前記評価は経食道心エコーまたは他の非侵襲性の方法を用いて行われ得る。前記縫合糸が過度に張力を付与されている場合には、カテーテルが外側ガイドを通って中隔封止装置の内側の管腔封止体に送達される。前記封止体を通ってカテーテルを進めることにより、前記縫合糸の張力が解放され、再度張力を付与することが可能となるであろう。張力付与(tensioning)作業が完了すると、前記縫合糸は中隔封止要素において固定される。

0023

一実施形態において、遠位側に取り付けられたカムロック要素または他の機械的ロックを備えた着カテーテル(anchor catheter)は、中隔封止要素に恒久的に固着し、調整された張力を維持しながら縫合糸の位置を固定する。この工程は中隔封止および縫合糸の張力付与を完了する。次に、錨着カテーテルは縫合糸の近位端とともに抜去される。次に、前記縫合糸は切断カテーテルの管腔または開口に通される。次に切断カテーテルは、該カテーテルが中隔封止装置と接触するまで、縫合糸上を進められる。次に、切断カテーテルは、前記縫合糸を前記封止体のところで切断して、植え込み処置を完了する。次に、カテーテルシステム全体が患者から除去され、アクセス部位閉鎖される。

0024

別の実施形態において、配備カテーテルは一回の作動で多数の縫合糸の配備が可能である。これは、器具交換回数を低減し、縫合糸の互いに関する位置の高い制御を提供する。

0025

さらなる実施形態は、縫合糸を用いてバイオマトリックスパッチを送達し、閉鎖を増強する。前記パッチは、縫合糸によって弁に取り付けられる。前記パッチは、僧帽弁弁尖の心室側または心房側に送達される。このパッチは、僧帽弁輪または弁下部組織を支持し得るバイオマトリックス材料の送達により支持される生来の弁尖組織構造を補強することによって、弁尖接合(leaflet coaptation)を改善し、僧帽弁逆流を低減/排除することができる。

0026

別の実施形態は、弁閉鎖を改善するように意図された受動的閉塞装置の配備を含み、前記装置は本願に記載する心室中隔アプローチによって送達され、配置され、錨着される。
本発明の様々な実施形態の上記の要約は、本発明の図示した各実施形態またはすべての実施を記述するようには意図されない。この要約は、本発明の基本的な理解を容易にするために、本発明の特定の態様の簡略化された大要を表わしており、本発明の鍵または重要な要素を特定したり、または本発明の範囲を線引きしたりするようには意図されない。

0027

本発明の実施形態は、添付の図面に関連する以下の様々な実施形態の詳細な説明を参酌して、より完全に理解され得る。

図面の簡単な説明

0028

本発明の実施形態に従った、心臓弁弁尖の修復を容易にするための大腿静脈を介した心腔内への静脈アクセスのための装置の図。
左心室内に通された内側ガイドおよび穿刺ツールを備えた本発明の実施形態に従った弁尖修復装置の図。
図2Aに示した弁尖修復装置の部分図。
側面退出ガイドカテーテルを退出する内側ガイドを備えた本発明の実施形態に従った弁尖修復装置の図。
内側ガイドを退出し、僧帽弁に配置された配備カテーテルを備えた本発明の実施形態に従った弁尖修復装置の図。
可動カテーテルジョーおよび縫合糸捕捉針を備え、前記カテーテルジョーは閉鎖位置にある、本発明の実施形態に従った配備カテーテル先端部の図。
開放位置にある可動カテーテルを備えた図5Aの配備カテーテル先端部の図。
図5Aおよび図5Bの配備カテーテル先端部の断面図。
僧帽弁に取り付けられ、内側ガイドを通って退出する数本の縫合糸を備えた本発明の実施形態に従った弁尖修復装置の図。
中心管腔を通って延びる縫合糸を有する、中隔壁に配備された心室中隔封止装置を備えた本発明の実施形態に従った弁尖修復装置の図。
心臓内の適所における図8の中隔封止装置の概略図。
本発明の実施形態に従った中隔封止体の種類の斜視図。
封止要素を解放するカテーテルによって張力から解放された縫合糸を示す、張力を付与した状態で縫合糸を保持するための封止要素を備えた中隔封止装置管腔の部分図。
縫合糸の位置を固定する錨着装置を備えた本発明の実施形態に従った弁尖修復装置の図。
封止体内側ロック形状と組み合うためのロッキング要素を備えた固定カテーテルを有する図12の錨着装置の側面切開図。
中隔封止体の右心室側で縫合糸を切断するための切断装置を備えた本発明の実施形態に従った弁尖修復装置の図。
図14の縫合糸切断装置の側断面図。
本発明の実施形態に従って弁尖修復装置を用いて完了した植え込み処置の図。
本発明の実施形態に従った心臓弁弁尖の修復のための外科的処置工程のフローチャート

実施例

0029

本発明は様々な修正および代替形態受け入れるが、それらのうちの特定のものを例として図面に示し、詳細に説明する。しかしながら、本発明は本発明を記載する特定の実施形態に限定するものではないことを理解すべきである。むしろ、本発明は、本発明の精神および範囲内にあるすべての変更物、均等物、および代替物を対象とするものとする。

0030

本発明の以下の詳細な説明では、本発明についての完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細について述べる。しかしながら、当業者は、本発明の様々な実施形態がこれらの特定の詳細を有することなく実施されてもよいことを認識するであろう。他の例では、周知の方法、手順および構成要素は、本発明の態様を不要に分かり難くしないために、詳細に記載されていない。

0031

心臓弁修復および送達システムの一実施形態は、標的心腔に進入し、修復装置を送達するために必要とされる多数のカテーテルアクセスステップを示すために検討される。この実施形態は、僧帽弁逆流(MR)を低減/排除するために作動する配備カテーテルによって障害がある弁を修復するために縫合糸を送達することにより、僧帽弁逆流の修復を行う。他の実施形態において、本願に記載するアクセスアプローチは、他の種類の処置、例えば、心臓弁置換、別の心臓構造の修復、または弁尖への縫合糸以外の修復装置の送達を目的として、心臓にアクセスするために用いられる。

0032

本発明の実施形態は血管アクセスシステムとして用いられる。前記システムは、1)静脈壁に対して器具が複数回通過する必要をなくし、2)器具漏れによる失血を最小限にし(円形部品はより精密な公差(closer tolerances)および封止能力により適している)、3)静脈壁上の押圧引張力を低減する、標準的な血管イントロデューサを備える。前記イントロデューサは、器具交換中に止血を維持するための封止体を収容している。側面退出外側ガイドカテーテル102は、図1に示すように右心室10へのアクセスを提供することができる。一実施形態において、外側ガイド102の遠位端部は、該端部が右心室内におけるその位置を、例えば右心室心尖で、保持することを保証するために吸引要素を備える。前記システムは、右心室10を介した右心室壁へのアクセスを容易にする、内側ガイドカテーテル104が側面退出外側ガイドカテーテル102内に配置された設計を有する。従って、イントロデューサおよび/または外側ガイドカテーテル102は右心室にアクセスするための手段として機能することができる。針状の端部を備えた標準的な中隔穿刺ツール106は、図2Aに示すように、中隔に開口を形成するための手段として機能し、心室中隔壁12に穴を形成して、前記壁を通るガイドカテーテル104の通路を提供することができる。本願においてカテーテルという用語は、長手軸線に沿って延び、長手軸線を中心とした直径を画定する、長尺状の概して可撓性かつ管状の医療装置を指す。

0033

次に、事前形成された内側ガイドカテーテル104は、図3に示すように、左心室14内に進められ、図4に示すように修復のために僧帽弁18の弁尖16を適切に捕捉するために配備カテーテル108を送達するように配置される。従って、内側ガイドカテーテル104は、配備カテーテル108を左心室内に配置する手段として機能することができる。配備カテーテル108は、図5A図5Bおよび図6に示すように、修復装置を配備するための手段を提供することができ、かつ、クランプ機構110または弁尖を捕捉するための他の把持手段と、縫合糸捕捉針112または弁尖に縫合糸を挿入するための他の手段を備えた縫合糸配備機構とを備える。配備カテーテル108は、図7に示すように、弁尖上において多数の縫合糸114の配備を可能にするために、ガイドカテーテル104内において交換可能である。これに代わって、配備カテーテル108は1回の配備で数本の縫合糸114を送達することができる。図7などのいくつかの図では、明瞭にするために、外側ガイドカテーテル102が示されていない。

0034

図4に見られるように、本発明の実施形態は、弁尖のような弁の一部の上に修復装置を配備するために、心臓弁にアクセスするためのトリカテーテルアプローチを提供する。前記トリカテーテルアプローチは、外側ガイドカテーテル102、外側ガイドカテーテル102内に受容された内側ガイドカテーテル104、および内側ガイドカテーテル104内に受容された配備カテーテル108を備える。いくつかの実施形態において、図4に示すように、トリカテーテル配列は、弁に対して略S字型アクセス形態を画定することができ、前記カテーテルは、右心室にアクセスするための右心房内の第1湾曲部と、内側ガイド104がそこで外側ガイド102を退出し、中隔を横切って左心室内の心臓弁にアクセスする第2湾曲部とを画定する。一実施形態において、外側ガイド102は約130度の湾曲を画定し、内側ガイド104は弁に向かって曲がる略U字型の遠位端部を有して、略S字型形態を画定する。外側ガイド102および内側ガイド104の双方は、所与の患者の解剖学的構造合致するように様々な湾曲を与えられる。一実施形態において、外側ガイド102は、4.0mm〜5.3mm(12フレンチ〜16フレンチ)の直径を有し、内側ガイド104は、外側ガイド102よりも約0.7mm(2フレンチ)小さいサイズを有する。内側ガイド104に挿入された送達カテーテル108および他のカテーテルは、内側ガイド104よりも約0.7mm(2フレンチ)小さい直径を有し得る。

0035

配備カテーテル108は、これに代わって、または加えて、弁尖延長または受動的弁閉塞装置のような付加的な医療用修復装置を送達することができる。前記医療用修復装置は、修復治療のために恒久的に植え込まれる装置、または主要な修復治療を支援する装置である。そのような医療用修復装置は、縫合材料、組織構造を支持または補強する(augment)ために用いされるバイオマトリックス材料、または心臓弁のうちの1つの装置支援接合(device assisted coaptation)による修復治療を提供する装置であり得る。一実施形態において、配備カテーテル108は、本願と所有者が共通する同時係属中の米国特許出願第13/339,865号に記載されているように、外科用綿撒糸を送達することができる。前記特許文献は、参照によって本願に援用される。別の実施形態では、配備カテーテル108は、置換弁、または弁輪内に着座し、弁尖間で下方に延びる部分を有し、その部分が心臓に錨着される装置を送達することができる。

0036

所望数の縫合糸114が配備された後、縫合糸114は中隔封止装置117の管腔内に通される。次に、中隔封止装置117は、封止カテーテルによって、ガイドカテーテル104を下って右心室10内に進められる。装置117は、図9に示した右側封止要素および左側封止要素116が中隔壁12の両側に配置されるように配置される。図8に示すように、封止要素116は、封止装置117によって中隔の開口を封止するための手段を提供するように配備され、カテーテルは抜去される。一実施形態において、封止装置117は、封止要素116を適所に保持するために中隔壁12の両側に当接する張力を付与されたフランジを両側に有する事前形成されたワイヤフレームと、該装置を通って延びる内側管腔118とを備える。一実施形態において、前記ワイヤフレームはニチノールから構成されている。

0037

縫合糸114は、ここで、適切な弁機能を提供する所望の張力を有するように、心臓の外部の位置から張力を付与される。中隔封止装置117の内側管腔118は、縫合糸114に対して設定した張力を維持するために縫合糸が容易に移動するのを防止するように縫合糸に圧力を与えて、張力を設定するための手段を提供する1つ以上の封止体126を有することができる。封止体126はまた、管腔118の完全性を維持するようにも機能する。前記封止体は、図10に示すような、シリコーンスリットシール122またはフラップシール120に類似し、それらの双方とも、図11に示すように、再度の張力付与を可能にすることが所望される場合に、カテーテル128または再度張力を付与するための他の手段を用いて、縫合糸114位置の解放を容易にする。

0038

縫合糸114の張力が経食道心エコーによって確認された後、例えば、縫合糸114は、縫合糸114の恒久的な錨着のために封止装置117に固定される。縫合糸114を錨着カテーテル130の管腔内に通して、縫合糸を封止装置117に錨着するための手段として機能し得るロッキング要素132または錨着装置の同軸配置を生じさせる。固定は解放可能なロッキング要素132を備えた錨着カテーテル130によって行われる。前記ロッキング要素132は、図12および図13に示すように、封止装置117の右側封止要素116内の内側ロック形状(internal lock features)134と相互作用し、縫合糸114を適所にロックし、封止装置117に恒久的に固着する。ロッキング機構132は、回転カムロックまたはねじ込み要素(screw in element)である。

0039

縫合糸114が封止要素116に恒久的に固定されたならば、縫合糸114は、図14に示すように、封止要素116と接触するまで進められた切断カテーテル136の端部に通される。次に、縫合糸114は、封止要素116において、図15にも示した切断カテーテル136内の切断装置またはツール138によって切断され、次いで切断装置またはツール138は抜去される。これで前記介入は完了し、ガイドカテーテルおよびイントロデューサは、図16に示すように、錨着された縫合糸114を後に残して抜去され得る。次いで前記アクセス部位は閉鎖され得る。

0040

図17は、本発明の実施形態に従って心臓弁弁尖を修復するために採用され得る外科的工程200のフローチャートを示している。工程202では、切開またはセルジンガー法(Seldinger technique)によって大腿静脈または頚静脈にアクセスし、止血弁を備えたイントロデューサを前記静脈内に挿入する。一実施形態において、前記イントロデューサの外径は最大8.0mm(24フレンチ)である。工程204では、ガイドワイヤーを用いて右心房20へのアクセスを得て、外側ガイドカテーテル102を前記ガイドワイヤー上において心室心尖まで進める。一実施形態において、外側ガイドカテーテル102は側面退出カテーテル(side−exiting catheter)である。前記ガイドワイヤーを除去した後、内側ガイドカテーテル104を外側ガイドカテーテル内に、内側ガイドカテーテルが外側ガイドを退出するまで挿入する。工程206では、心室中隔壁12の穿刺に適切な内側ガイドカテーテルの配置を確認し、中隔穿刺装置106を内側ガイド104内に挿入し、心室中隔壁12の所望位置まで前進させて、中隔壁12を穿刺する。次に、左心室14内における位置を維持するために、内側ガイド104を通してガイドワイヤーを進めることができる。穿刺ツール106を抜去し、拡張器を用いて内側ガイドカテーテル104の左心室14内への通過を容易にし、次いで前記拡張器を抜去することができる。

0041

工程208では、縫合糸配備カテーテル108を内側ガイドカテーテル104内に挿入し、左心室14内に進める。配備カテーテル108は、弁尖16付近に配置され、可動ジョー110によって弁尖16を捕捉し、縫合針112を弁尖16に通して進め、その針112を弁尖16に通してカテーテル108へと引き戻して、弁尖16を解放し、さらに抜去される。一実施形態において、弁尖16の適切な捕捉は、針112を弁尖16に通して進める前に確認される。一実施形態において、これは光ファイバー視覚化システムによって行うことができる。一実施形態において、弁尖16上に付加的な縫合糸114を配備するために、配備カテーテル108を再挿入することができる。別の実施形態では、弁尖の捕捉および縫合糸の配備は、所有者が共通する同時係属中の米国特許仮出願番号第61/565,795号に開示されるような磁気追跡を用いた拡張現実ナビゲーションシステム(augmented reality navigation system)によって支援され得る。前記文献は参照によって援用される。いくつかの実施形態において、配備カテーテル108は単一回の挿入で多数の縫合糸114を弁尖16上に配備することができる。

0042

工程210では、縫合糸114を心室中隔封止装置117の管腔118に通し、次いで心室中隔封止装置117を中隔封止カテーテルによって心室中隔壁12の穿刺部位に進める。中隔封止装置117は穿刺部を封止するように配備される封止要素116を有することができ、前記中隔封止カテーテルを抜去して、縫合糸114を封止装置117内に残し、かつ、体内を通って外部に延びるようにする。工程212では、縫合糸114は、適切な弁尖機能に対して所望されるレベルに張力を付与される。一実施形態において、適切な縫合糸114の張力付与および弁尖機能は、経食道エコー(transesophogeal echo)によって確認され得る。一実施形態において、縫合糸114の張力は、カテーテル128を用いて解放し、再調整することができる。

0043

工程214では、縫合糸114を錨着カテーテル130の管腔内に挿入し、その錨着カテーテル130を、内側ガイド104を通して中隔封止装置117まで進める。次に、錨着要素132を封止装置117内に配備して、縫合糸114を封止装置117内の適所に固定することができ、錨着カテーテル130を抜去し得る。工程216では、縫合糸切断カテーテル136をガイドカテーテル内に挿入し、その縫合糸切断カテーテル136を用いて、中隔封止装置117に隣接する縫合糸を切断要素138によって切断する。次に、切断カテーテル136、ガイドカテーテル102,104およびイントロデューサをすべて抜去し、アクセス部位を閉鎖して処置を完了することができる。

0044

本願に記載したシステムおよび方法は、主に心室中隔アプローチのための静脈内アクセスに関連して記載されているが、当然のことながら、記載した装置および方法は様々な他のアプローチとの使用に適し得る。例えば、前記システムは、左心房にアクセスを提供する経中隔穿刺のために心房中隔壁への静脈アクセスを提供することもできる。さらに、前記システムは、大動脈弁を介した左心室への静脈アクセスを提供するために用いることができる。

0045

さらに注目すべきは、本願に記載したシステムおよび方法は、主に心臓弁弁尖を修復することに関して記載されているが、他の組織構造も同様に修復の対象とされ得る。例えば、乳頭筋、心臓壁または他の心臓内構造を修復または錨着の対象とすることができる。

0046

様々な実施形態において、本願に記載されるような心臓弁修復システムは、本願に記載したような様々なカテーテルおよび装置、並びに本願に記載したような患者の心臓弁を修復するための指示を含むキットとして提供され得る。一実施形態において、本願は前記指示を含む。別の実施形態において、米国食品医薬品局が要求する使用説明書FDArequired Instructions for Use)は前記指示を含み得る。

0047

本願では、システム、装置および方法の様々な実施形態が記載されている。これらの実施形態は一例として与えられており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。さらに当然のことながら、記載した実施形態の様々な特徴を様々な方法で組み合わせて、多くの付加的な実施形態を得てもよい。さらに、様々な材料、寸法、形状、植込み位置などが開示した実施形態とともに使用するために記載されているが、開示したそれらに加えて他のものも本発明の範囲を逸脱することなく用いられ得る。

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