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技術 圧力変動下で関心動脈について動脈の状態が開から閉へ及びその逆にスイッチする瞬間を決定するための方法、装置及びシステム

出願人 コーニンクレッカフィリップスエヌヴェ
発明者 チェンイーナン
出願日 2012年7月5日 (8年4ヶ月経過) 出願番号 2014-518053
公開日 2014年7月28日 (6年3ヶ月経過) 公開番号 2014-518129
状態 特許登録済
技術分野 脈拍・心拍・血圧・血流の測定 超音波診断装置
主要キーワード キャリブレーション段階 パルス波信号 実験検証 出力特徴 初期設定フェーズ 膨張フェーズ 定常期間 再開状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題・解決手段

圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定する方法は以下のステップを有する:関心動脈へ変化する圧力を与えるように膨張若しくは収縮されることができるカフをつけた一肢の関心動脈上に置かれる、第1のドップラ超音波振動子を用いて関心動脈内の血流から第1のドップラ超音波信号を検出するステップ;第2のドップラ超音波振動子を用いて基準動脈内の血流から第2のドップラ超音波信号を検出するステップ、基準動脈は他の三肢のいずれか一つにある;第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号から第3の信号を得るステップ、第3の信号は第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号の間の同期の程度を示す;第3の信号が所定条件を満たす瞬間において関心動脈が閉じる若しくは再び開くことを示す第4の信号を出力するステップ。第2の超音波信号を基準として利用し、二つの超音波信号間の同期特性を示す信号を得ることによって、圧力変動下での関心動脈の開/閉状態患者の詳細な状態にかかわらずより安定してより確実に決定され得る。

概要

背景

ドップラ音波臨床応用において血流速度を測定するために広く使用されている。標準的なドップラ超音波血流測定では、熟練した医師が最初に適切なサイズのカフを選択しそれを関心動脈の上の位置で四肢に巻きつける。医師はドップラプローブ動脈の上にうまく配置された後ドップラ音が安定し律動的になるまで待つ必要がある。その後、医師はカフを膨張させてドップラ音が消えるまで(動脈が既に完全に閉塞されていることを示唆する)カフ圧を徐々に増す。重要な情報は動脈の状態が開から閉へ(若しくはその逆)変化する瞬間によって与えられるが、これはこの瞬間が血流測定において一部のパラメータを決定するために非常に重要だからである。例えば、このスイッチの瞬間(動脈の状態が開から閉に変わる)の直前の瞬間における血圧計からの対応する圧力測定値膨張収縮血圧(SBP)と定義される。膨張SBPは開閉スイッチの瞬間が正確に決定される場合正確に測定され得る。

そして、医師はカフ圧が膨張SBPを超えて20mmHg乃至30mmHgになるまでカフをさらに膨張させ、その後ドップラ音が再び現れるまでカフを徐々に収縮させる。同様に、医師が収縮過程において最初のドップラ音を聞く瞬間における血圧計からの対応する圧力測定値は収縮SBPと定義され、動脈の状態が閉から再開へ変化することを生理学的にあらわす。ドップラ超音波は関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定する、さらには収縮期圧を測定する究極判断基準として使用される。

しかしながら、圧力変動下での関心動脈の開/閉スイッチの瞬間の自動決定連続超音波信号の変化にのみ基づく。膨張フェーズにおける最後の音及び収縮フェーズにおける最初の音を正確に検出する方法は根本的な問題である。

従来、これは特徴マッピング問題として数学的に要約され得る。標準血流測定から発想を得て、三つの典型的な血流パラメータ、すなわち十分な音の出力、妥当な血流速度及び心拍に対応する安定したリズムが、動脈の開状態マップする直接的な特徴である。特徴の一つがカフ膨張中に急変する間、すなわち特徴閾値の外側は、動脈が閉じているとみなされる。カフ収縮フェーズについては、最初の音認識の安全状態、すなわち動脈の状態が閉から再開へ変化するときにドップラ音の全特徴が回復されるべきであることを要求する必要がある。

しかしながら、上述のこれら三つの特徴は、特に動脈疾患のある患者について動脈の二つの状態を区別する適切な閾値を見つけることに関して、様々なユーザによって容易に採用されない。これら特徴は全て人によって変化し、同じ人でも異なる時間によって変化し得るので、これは開/閉スイッチの瞬間の誤決定の問題を生じる。

例えば、出力特徴を用いる問題は、アテローム性動脈硬化症の患者にとって遠位狭窄虚血性であるため、振動子が遠位狭窄に置かれるときにドップラ音が低出力特性を示すことである。しかしながら、同じ患者でも近位狭窄における出力状況は遠位狭窄における場合と異なる。音の出力は狭窄部位周辺乱流層流からの出力寄与のために正常動脈と同じ高さである。音出力の大きさは動脈狭窄悪性度に依存するので、当業者は全測定症例に対して一つの出力閾値を設定することができない。さらに、低出力は動脈の開閉状態間の不明瞭出力境界を作り、有効な出力閾値を設定することを困難にする。動脈石灰化を患う患者についての状況は低出力状況と同様である。動脈石灰化を患う患者の動脈は完全に閉塞され得ないので、出力が明らかに低い定常期間を見つけることは通常難しい。

さらに、血流速度を用いる問題は以下の通りであり得る:2,3の要因血流測定速度に影響し得る。血行動態力学に関して、これらの要因は以下を含む:動脈の直径、血液の濃度及び動脈壁剛性血行動態パラメータは患者の疾患の状態によって変形される。作業行動に関して、血流の速度の観察値に影響を及ぼす主要因は超音波の透過角度である。血流速度の変動性のために、動脈の状態を識別する速度閾値は異なるユーザに対してカスタマイズされなければならず、これはアルゴリズムを非常に複雑にする。

さらに、音周期性を用いる問題は、被験者の心拍がドップラ信号の周期性と非常に関係があることである。人の心拍はその人の感情外部環境からの刺激に敏感である。人の心拍は緊張若しくは不安を感じるときに80bpmから120bpmに加速することが非常に一般的である。これは血流測定中にも起こり得る。被験者の心拍はキャリブレーション段階において推定され得るが、健常者の心拍は、不整脈患者とは極めて異なり、カフ圧が増加若しくは減少するにつれて大きく変化しやすい。律動的変化の程度は事前予測不可能なので、容易に緊張したり動揺したりする人の場合周期性閾値をうまく設定することは非常に困難である。律動的変化が過小評価若しくは過大評価される場合、推定されたスイッチの瞬間はそれに対応して正若しくは負のラグを持つことになる。

上記から、上述の問題が容易に解決されることができない重要な理由は、いかなるキャリブレーション手順も伴わずに被験者の血流の動態をあらわすこと、及びキャリブレーション予測を用いて測定中の変化にアルゴリズムを適合させることが不可能であるということであることがわかる。

従来の方法は動脈石灰化、狭窄及び不整脈を患う患者に対して正確なスイッチの瞬間を決定するために使用できない。方法がドップラ音の出力の変化に注目する場合、出力変化は動脈石灰化若しくは狭窄を患う患者の場合極めて小さくなり得るため、方法は誤りの恐れがある。方法がドップラ音の周期の変化に注目する場合、方法は被験者が不整脈の患者若しくは心拍が乱れやすい人である場合有効でない。

概要

圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定する方法は以下のステップを有する:関心動脈へ変化する圧力を与えるように膨張若しくは収縮されることができるカフをつけた一肢の関心動脈上に置かれる、第1のドップラ超音波振動子を用いて関心動脈内の血流から第1のドップラ超音波信号を検出するステップ;第2のドップラ超音波振動子を用いて基準動脈内の血流から第2のドップラ超音波信号を検出するステップ、基準動脈は他の三肢のいずれか一つにある;第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号から第3の信号を得るステップ、第3の信号は第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号の間の同期の程度を示す;第3の信号が所定条件を満たす瞬間において関心動脈が閉じる若しくは再び開くことを示す第4の信号を出力するステップ。第2の超音波信号を基準として利用し、二つの超音波信号間の同期特性を示す信号を得ることによって、圧力変動下での関心動脈の開/閉状態が患者の詳細な状態にかかわらずより安定してより確実に決定され得る。

目的

本発明は上記概念を実現する圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定するための方法と装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定する方法であって、前記関心動脈へ前記圧力変動を与えるように膨張若しくは収縮されることができるカフをつけた一肢の前記関心動脈上に置かれる、第1のドップラ超音波振動子を用いて前記関心動脈内の血流から第1のドップラ超音波信号を検出するステップと、第2のドップラ超音波振動子を用いて他の三肢のいずれか一つにある基準動脈内の血流から第2のドップラ超音波信号を検出するステップと、前記第1のドップラ超音波信号と前記第2のドップラ超音波信号から、前記第1のドップラ超音波信号と前記第2のドップラ超音波信号の間の同期の程度を示す第3の信号を得るステップと、前記第3の信号が所定条件を満たす瞬間において前記関心動脈が閉じる若しくは再び開くことを示す第4の信号を出力するステップとを有する、方法。

請求項2

前記第3の信号が前記第1の超音波信号と前記第2の超音波信号の間の相互共分散特性から得られる、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記第3の信号が前記第1及び第2のドップラ超音波信号の相互共分散係数並びに前記第1及び第2のドップラ超音波信号のラグ値の少なくとも一つを有する、請求項2に記載の方法。

請求項4

記相互共分散係数前値平均値の20%未満である、又はabs(Lc−Lp)>w*Lpである場合に、前記第3の信号が前記所定条件を満たし、Lcは現在の時間窓におけるラグ、Lpは以前に取得されたラグの平均、wは非同期公差の調節可能係数であり、前記出力するステップが、前記第3の信号が前記所定条件を満たす瞬間において前記関心動脈が閉じることを示す前記第4の信号を出力するステップを有する、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記第3の信号が前記第1及び第2のドップラ超音波信号の相互共分散係数並びに前記第1及び第2のドップラ超音波信号のラグ値を有し、前記相互共分散係数が前値の平均値の20%よりも高い、及びabs(Lc−Lp)<w*Lpの両方である場合に、前記第3の信号が前記所定条件を満たし、Lcは現在の時間窓におけるラグ、Lpは以前に取得されたラグの平均、wは非同期公差の調節可能係数であり。前記出力するステップが、前記第3の信号が前記所定条件を満たす瞬間において前記関心動脈が再び開くことを示す前記第4の信号を出力するステップを有する、請求項2に記載の方法。

請求項6

前記関心動脈の閉塞を示す前記第4の信号が出力されるように、前記関心動脈を閉塞するように前記カフ圧が最初に徐々に増加され、前記関心動脈の閉塞を示す前記第4の信号が出力された後、前記カフが膨張SBPを超える20mmHg‐30mmHgまでさらに膨張され、そして前記関心動脈の再開状態を示す前記第4の信号が出力されるように徐々に収縮される、請求項2に記載の方法。

請求項7

前記第1のドップラ超音波信号と前記第2のドップラ超音波信号が同期検出される、請求項1に記載の方法。

請求項8

wが0.2である請求項4又は5に記載の方法。

請求項9

圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定するための装置であって、第1のドップラ超音波振動子を用いて検出される前記関心動脈内の血流からの第1のドップラ超音波信号と、第2のドップラ超音波振動子を用いて検出される基準動脈内の血流からの第2のドップラ超音波信号とから第3の信号を得るためのプロセッサであって、前記第3の信号が前記第1のドップラ超音波信号と前記第2のドップラ超音波信号の間の同期の程度を示し、前記第1のドップラ超音波振動子が前記関心動脈へ前記圧力変動を与えるように膨張若しくは収縮されることができるカフをつけた一肢の前記関心動脈上に置かれ、前記第2のドップラ超音波振動子が他の三肢のいずれか一つの前記基準動脈上に置かれる、プロセッサと、前記第3の信号が所定条件を満たす瞬間において前記関心動脈が閉じる若しくは再び開くことを示す第4の信号を出力するためのインターフェースとを有する、装置。

請求項10

前記第3の信号が前記第1のドップラ超音波信号と前記第2のドップラ超音波信号の間の相互共分散特性から得られる、請求項9に記載の装置。

請求項11

前記第3の信号が前記第1及び第2のドップラ超音波信号の相互共分散係数並びに前記第1及び第2のドップラ超音波信号のラグ値の少なくとも一つを有する、請求項10に記載の装置。

請求項12

前記相互共分散係数が前値の平均値の20%未満である、又はabs(Lc−Lp)>w*Lpである場合に、前記第3の信号が前記所定条件を満たし、Lcは現在の時間窓におけるラグ、Lpは以前に取得されたラグの平均、wは非同期公差の調節可能係数であり、前記インターフェースが、前記第3の信号が前記所定条件を満たす瞬間において前記関心動脈が閉じることを示す前記第4の信号を出力する、請求項11に記載の装置。

請求項13

前記第3の信号が前記第1及び第2のドップラ超音波信号の相互共分散係数並びに前記第1及び第2のドップラ超音波信号のラグ値を有し、前記相互共分散係数が前値の平均値の20%よりも高い、及びabs(Lc−Lp)<w*Lpの両方である場合に、前記第3の信号が前記所定条件を満たし、Lcは現在の時間窓におけるラグ、Lpは以前に取得されたラグの平均、wは非同期公差の調節可能係数であり、前記インターフェースが、前記第3の信号が前記所定条件を満たす瞬間において前記関心動脈が再び開くことを示す前記第4の信号を出力する、請求項10に記載の装置。

請求項14

前記第1のドップラ超音波信号と前記第2のドップラ超音波信号が同期検出される、請求項9に記載の装置。

請求項15

圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定するためのシステムであって、第1のドップラ超音波振動子はカフをつけた一肢の前記関心動脈上に置かれ、第2のドップラ超音波振動子はカフのない他の三肢のいずれか一つの基準動脈上に置かれる、二つのドップラ超音波振動子と、請求項9乃至14のいずれか一項に記載の圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定するための装置とを有する、システム。

技術分野

0001

本発明はドップラ音波に関し、特に圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定するための方法、装置及びシステムに関する。

背景技術

0002

ドップラ超音波は臨床応用において血流速度を測定するために広く使用されている。標準的なドップラ超音波血流測定では、熟練した医師が最初に適切なサイズのカフを選択しそれを関心動脈の上の位置で四肢に巻きつける。医師はドップラプローブ動脈の上にうまく配置された後ドップラ音が安定し律動的になるまで待つ必要がある。その後、医師はカフを膨張させてドップラ音が消えるまで(動脈が既に完全に閉塞されていることを示唆する)カフ圧を徐々に増す。重要な情報は動脈の状態が開から閉へ(若しくはその逆)変化する瞬間によって与えられるが、これはこの瞬間が血流測定において一部のパラメータを決定するために非常に重要だからである。例えば、このスイッチの瞬間(動脈の状態が開から閉に変わる)の直前の瞬間における血圧計からの対応する圧力測定値膨張収縮血圧(SBP)と定義される。膨張SBPは開閉スイッチの瞬間が正確に決定される場合正確に測定され得る。

0003

そして、医師はカフ圧が膨張SBPを超えて20mmHg乃至30mmHgになるまでカフをさらに膨張させ、その後ドップラ音が再び現れるまでカフを徐々に収縮させる。同様に、医師が収縮過程において最初のドップラ音を聞く瞬間における血圧計からの対応する圧力測定値は収縮SBPと定義され、動脈の状態が閉から再開へ変化することを生理学的にあらわす。ドップラ超音波は関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定する、さらには収縮期圧を測定する究極判断基準として使用される。

0004

しかしながら、圧力変動下での関心動脈の開/閉スイッチの瞬間の自動決定連続超音波信号の変化にのみ基づく。膨張フェーズにおける最後の音及び収縮フェーズにおける最初の音を正確に検出する方法は根本的な問題である。

0005

従来、これは特徴マッピング問題として数学的に要約され得る。標準血流測定から発想を得て、三つの典型的な血流パラメータ、すなわち十分な音の出力、妥当な血流速度及び心拍に対応する安定したリズムが、動脈の開状態マップする直接的な特徴である。特徴の一つがカフ膨張中に急変する間、すなわち特徴閾値の外側は、動脈が閉じているとみなされる。カフ収縮フェーズについては、最初の音認識の安全状態、すなわち動脈の状態が閉から再開へ変化するときにドップラ音の全特徴が回復されるべきであることを要求する必要がある。

0006

しかしながら、上述のこれら三つの特徴は、特に動脈疾患のある患者について動脈の二つの状態を区別する適切な閾値を見つけることに関して、様々なユーザによって容易に採用されない。これら特徴は全て人によって変化し、同じ人でも異なる時間によって変化し得るので、これは開/閉スイッチの瞬間の誤決定の問題を生じる。

0007

例えば、出力特徴を用いる問題は、アテローム性動脈硬化症の患者にとって遠位狭窄虚血性であるため、振動子が遠位狭窄に置かれるときにドップラ音が低出力特性を示すことである。しかしながら、同じ患者でも近位狭窄における出力状況は遠位狭窄における場合と異なる。音の出力は狭窄部位周辺乱流層流からの出力寄与のために正常動脈と同じ高さである。音出力の大きさは動脈狭窄悪性度に依存するので、当業者は全測定症例に対して一つの出力閾値を設定することができない。さらに、低出力は動脈の開閉状態間の不明瞭出力境界を作り、有効な出力閾値を設定することを困難にする。動脈石灰化を患う患者についての状況は低出力状況と同様である。動脈石灰化を患う患者の動脈は完全に閉塞され得ないので、出力が明らかに低い定常期間を見つけることは通常難しい。

0008

さらに、血流速度を用いる問題は以下の通りであり得る:2,3の要因血流測定速度に影響し得る。血行動態力学に関して、これらの要因は以下を含む:動脈の直径、血液の濃度及び動脈壁剛性血行動態パラメータは患者の疾患の状態によって変形される。作業行動に関して、血流の速度の観察値に影響を及ぼす主要因は超音波の透過角度である。血流速度の変動性のために、動脈の状態を識別する速度閾値は異なるユーザに対してカスタマイズされなければならず、これはアルゴリズムを非常に複雑にする。

0009

さらに、音周期性を用いる問題は、被験者の心拍がドップラ信号の周期性と非常に関係があることである。人の心拍はその人の感情外部環境からの刺激に敏感である。人の心拍は緊張若しくは不安を感じるときに80bpmから120bpmに加速することが非常に一般的である。これは血流測定中にも起こり得る。被験者の心拍はキャリブレーション段階において推定され得るが、健常者の心拍は、不整脈患者とは極めて異なり、カフ圧が増加若しくは減少するにつれて大きく変化しやすい。律動的変化の程度は事前予測不可能なので、容易に緊張したり動揺したりする人の場合周期性閾値をうまく設定することは非常に困難である。律動的変化が過小評価若しくは過大評価される場合、推定されたスイッチの瞬間はそれに対応して正若しくは負のラグを持つことになる。

0010

上記から、上述の問題が容易に解決されることができない重要な理由は、いかなるキャリブレーション手順も伴わずに被験者の血流の動態をあらわすこと、及びキャリブレーション予測を用いて測定中の変化にアルゴリズムを適合させることが不可能であるということであることがわかる。

0011

従来の方法は動脈石灰化、狭窄及び不整脈を患う患者に対して正確なスイッチの瞬間を決定するために使用できない。方法がドップラ音の出力の変化に注目する場合、出力変化は動脈石灰化若しくは狭窄を患う患者の場合極めて小さくなり得るため、方法は誤りの恐れがある。方法がドップラ音の周期の変化に注目する場合、方法は被験者が不整脈の患者若しくは心拍が乱れやすい人である場合有効でない。

発明が解決しようとする課題

0012

上記を考慮して、スイッチの瞬間の決定をより信頼できるものにするよう、より効果的で適応できる特徴を採用する方法が必要とされ、この方法は不整脈、動脈狭窄及び石灰化などの動脈疾患を患う患者さえも含む、広範囲の使用に適応できる。

課題を解決するための手段

0013

本発明は特定ユーザベースにおける以前のアルゴリズムの制限を克服することを可能にする。

0014

発明者は任意の二つの動脈における血流が、それらが実際に人の心臓の同じ脈動由来するため、互いに高度に相関し同期していると理解する。この現象は動脈石灰化、狭窄若しくは不整脈の患者にも当てはまる。この理解に基づき、発明者はこの発明において被験者の動脈状態をより安定したより一般的な方法であらわし得る特徴を推論する。この方法はさらにSBP測定の自動化、精度及び一般化を実現するために利用され得る。

0015

具体的に、自動ABI足関節上腕血圧比)測定のために血流を検知するためにデュアルドップラ超音波が使用される。片側ABI測定のために四肢の一つにカフが巻かれる。第1のドップラ超音波振動子は関心動脈に変化する圧力を与えるように膨張若しくは収縮されることができるカフを巻いている一肢側の関心動脈上に置かれるべきである。第2のドップラ超音波振動子は全測定中血液が自由に流れる基準動脈上に置かれるべきである。言い換えれば、第2のドップラ超音波振動子はカフの膨張若しくは収縮からの影響なく他の三肢のいずれか一つにおける別の動脈上に置かれるべきである。

0016

デュアルドップラ超音波の処理は、デュアルドップラ超音波を用いて検出される二つの動脈内の血流からの波形が互いに同期すべきであるように、同時に可能にされるべきである。この同期はカフが最終的に関心動脈を閉塞するときに失われ、これは関心動脈の状態が開から閉へ変わることを示す。このように、本発明によって提案される方法は様々な臨床環境/状況において動脈状態スイッチの瞬間を決定する実現可能性と精度を改善し得る。

0017

本発明は上記概念を実現する圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定するための方法と装置を提供する。

0018

本発明の一態様によれば、以下のステップを有する圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定する方法を提供する:
関心動脈へ変化する圧力を与えるように膨張若しくは収縮されることができるカフをつけている一肢の関心動脈上に置かれる、第1のドップラ超音波振動子を用いて関心動脈内の血流から第1のドップラ超音波信号を検出するステップと、
第2のドップラ超音波振動子を用いて、他の三肢のいずれか一つにある基準動脈内の血流から第2のドップラ超音波信号を検出するステップと、
第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号から、第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号の間の同期の程度を示す第3の信号を得るステップと、
第3の信号が所定条件を満たす瞬間に関心動脈が閉じるか若しくは再び開くことを示す第4の信号を出力するステップ。

0019

本発明の方法において、二つの任意の動脈内の血流はそれらが実際に人の心臓の同じ脈動に由来するので互いに高度に相関し同期しているため、第1のドップラ超音波振動子がカフをつけている一肢側の関心動脈上に置かれる場合、全測定中血液が自由に流れる基準動脈上に置かれる第2の超音波振動子は、第1のドップラ超音波振動子によって検出される第1のドップラ超音波信号に加えて基準ドップラ超音波信号を検出するために使用され得る。

0020

二つの振動子によって検出される二つのドップラ超音波信号間の同期特性を示す第3の信号を得ることによって、被験ユーザの詳細な状態にかかわらずより安定したより信頼できる方法で関心動脈の状態スイッチの瞬間を決定することが可能である。さらに、この方法がSBP測定で利用される場合、同じ理由から、SBPは被験ユーザの詳細な状態にかかわらずより安定したより信頼できる方法で測定され得る。

0021

本発明の一実施形態において、第3の信号は第1の超音波信号と第2の超音波信号の間の相互共分散特性から得られる。

0022

この実施形態において、本発明の方法は同期の程度のよい指標となる相互共分散特性を採用する。第1の超音波振動子からの信号は測定動脈がカフ圧によって完全に閉塞されるまで第2の超音波振動子からの信号とよく相関する。従って、二信号間の高相関特性喪失及び回復は関心動脈の状態がカフ圧変化のためにそれぞれ開から閉へ及び閉から再開へスイッチする瞬間をあらわす。

0023

従って、この実施形態によれば、単純な相互共分散計算がドップラ音信号直接実行され、これは周波数領域でなく音領域において容易に計算され得る。計算時間はリアルタイム要件を満たすように短縮される。

0024

勿論、相互共分散特性以外の同期の程度を決定する特性若しくはアプローチが本発明の基本概念を実施するために使用され得る。しかしながら、上述の通り、相互共分散特性アプローチと比較して、同期の程度を決定する他のアプローチは周波数領域における複雑な計算を伴い得る。

0025

本発明のさらなる実施形態において、第3の信号は第1及び第2の超音波信号の相互共分散係数並びに第1及び第2の超音波信号のラグ値の少なくとも一つを有する。

0026

この実施形態において、第3の信号は相互共分散係数前値平均値の20%未満であるか、又はabs(Lc−Lp)>w*Lpである場合に所定条件を満たし、Lcは現在の時間窓におけるラグ、Lpは以前に取得されたラグの平均、wは非同期公差の調節可能係数であり、従ってこれは関心動脈の状態が開から閉へスイッチする瞬間において二つの超音波信号が高相関特性を失うことを示す。

0027

従って、出力するステップはこの瞬間において関心動脈が閉じることを示す第4の信号を出力するステップを有する。

0028

本発明のさらなる実施形態において、第3の信号は第1及び第2のドップラ超音波信号の相互共分散係数並びに第1及び第2のドップラ超音波信号のラグ値の両方を有してもよく、第3の信号は相互共分散係数が前値の平均値の20%より高い、及びabs(Lc−Lp)<w*Lpの両方である場合に所定条件を満たし、Lcは現在の時間窓におけるラグ、Lpは以前に取得されたラグの平均、wは非同期公差の調節可能係数であり、従ってこれは関心動脈の状態が閉から再開へスイッチする瞬間において二つの超音波信号が高相関特性を持つまで回復することを示す。

0029

従って、出力するステップはその瞬間において関心動脈が再び開くことを示す第4の信号を出力するステップを有する。

0030

一実施形態においてwは0.2であるように選ばれる。

0031

一実施形態において、関心動脈の閉塞を示す第4の信号が出力されるように、カフ圧は関心動脈を閉塞するように最初に徐々に膨張され、関心動脈の閉塞を示す第4の信号が出力された後、カフは膨張SBPを超えて20mmHg‐30mmHgまでさらに膨張され、そして関心動脈の再開状態を示す第4の信号が出力されるように徐々に収縮される。

0032

さらに、第1の超音波信号と第2の超音波信号は同期検出され、すなわちデュアル超音波を用いることによって検出される信号が互いに同期するように、デュアル超音波での操作が同時に可能にされるべきである。二つの血流が同じ源、すなわち患者の心臓から脈動されるため、この同期は不整脈を患う若しくは心拍が乱れやすい患者に対して安定性と信頼性を保つ。

0033

本発明の他の目的と結果は添付の図面と組み合わせてなされる記載を参照してより明らかになり容易に理解される。

0034

本発明は実施形態と組み合わせて図面を参照しながら以降により詳細に記載され説明される。

図面の簡単な説明

0035

ABI測定中のカフ及びデュアル超音波振動子のレイアウトを示す。
本発明の一実施形態にかかる圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定するための装置のブロック図である。
二人の被験者に対する本発明の実験検証を示す。
本発明の一実施形態にかかる圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定する方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態にかかる方法の詳細なフローチャートであり、図5aは方法の初期設定フェーズのフローチャートである。
本発明の一実施形態にかかる方法の詳細なフローチャートであり、図5bは相互共分散ベースの特徴を用いて関心動脈の状態が開から閉へスイッチする瞬間を決定するフローチャートである。
本発明の一実施形態にかかる方法の詳細なフローチャートであり、図5cは相互共分散ベースの特徴を用いて関心動脈の状態が閉から再開へスイッチする瞬間を決定するフローチャートである。

実施例

0036

図中の同じ参照符号は同様の若しくは対応する特徴及び/又は機能を示す。

0037

本発明の実施形態は図面を参照してより詳細に以降に記載される。

0038

図1はABI測定中のカフ及びデュアル振動子のレイアウトの一実施例をあらわす。

0039

図1から見られる通り、カフ11は上腕動脈(関心動脈)を閉塞するために左腕に巻かれる。一つのドップラ超音波振動子(第1のドップラ超音波振動子)12がカフと同じ腕の上に置かれ、別のドップラ超音波振動子(第2のドップラ超音波振動子)13がカフの影響がない他方の腕の基準動脈上に置かれる。二つのドップラ超音波振動子がよい位置にある場合、これらは振動子の直下にある動脈の血流信号を検知する。

0040

測定中、第1のドップラ振動子12を用いて検出される関心動脈内の血流からの信号は、関心動脈がカフ圧(膨張SBP)によって閉塞されると、若しくは逆の過程において急激な変化を示す。もう一つのドップラ振動子13を利用する目的は測定全体を通してカフ圧によって閉塞されない被験者の基準動脈内の連続血流の情報をとらえることである。

0041

カフの影響にかかわらず、測定中、これら二つの振動子を用いることによって検出される二つのドップラ超音波信号は音周期、音出力及び装置ノイズが時間に対して変化する可能性にもかかわらず互いに高度な相関関係を保つはずである。被験者の一回心拍出量及びその周期は一心拍ごとに異なる可能性があり、その影響は第1の振動子の信号に反映され得る。二つの振動子の音源が同じであるため、連続脈動が被験者の心臓に由来する場合、第2の振動子の音は第1の振動子の信号におけるこうした変動を追跡し追従することができる。さらに、同じ被験者における心臓と動脈のいずれかとの間の距離は一定であり、従ってこれら二つの音の同期を保証する。

0042

カフ膨張及び収縮動作により、相関特性は第1の振動子の下の動脈が完全に閉塞されるときに低レベル下がり、その後動脈が開状態へ戻るときに高レベルまで回復する。従って、関心動脈の状態が開から閉へ及び閉から再開へスイッチする瞬間はデュアル振動子信号間の相関動態の変化の角度を用いて決定されることができ、このアプローチはより安定的でより正確である。

0043

図2は本発明の一実施形態にかかる圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定するための装置20のブロック図である。

0044

図2から見られる通り、装置20は図1に示す二つの振動子を用いて検出される第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号から第3の信号を得るためのプロセッサ21を有する。

0045

プロセッサ21によって得られる第3の信号は第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号の間の同期の程度を示し得る。

0046

上述の通り、関心動脈が膨張フェーズにおいてカフ圧によって閉塞される場合、第1のドップラ超音波振動子を用いることによって検出される第1のドップラ超音波信号は第2のドップラ超音波振動子を用いることによって検出される第2のドップラ超音波信号との同期を失うはずである。なぜならこれらは動脈の血流の同じパルス波信号に関連し、これら二つの信号は動脈の一方が閉塞される場合互いに同期しないはずだからである。

0047

さらに、カフ圧が収縮フェーズにあるために関心動脈が再び開く場合、第1のドップラ超音波振動子を用いることによって検出される第1のドップラ超音波信号は第2のドップラ超音波振動子を用いることによって検出される第2のドップラ超音波信号と同期するまで回復するはずである。なぜならこれらは動脈の血流の同じパルス波信号に関連するからである。

0048

第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号の間の同期の程度を示す第3の信号を得る方法については、多くの信号処理技術が使用され得ることが当業者に容易に想到される。例えば、同期のよい指標となり、音領域から直接かつ容易に計算されることができ、それによってリアルタイムに実現されることを可能にするので、相互共分散特性が使用され得る。勿論、同期の程度を示す限り他のパラメータ若しくは特徴が使用され得る。

0049

装置20は第3の信号が所定条件を満たす瞬間に関心動脈が閉じる若しくは再び開くことを示す第4の信号を出力するためのインターフェース22をさらに有する。

0050

本発明の一実施形態において、第3の信号は第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号の間の相互共分散特性から得られる。

0051

この実施形態において、本発明の方法は同期の程度のよい指標となる相互共分散特性を採用する。第1の超音波振動子からの信号は測定動脈がカフ圧によって完全に閉塞されるまで第2の超音波振動子からの信号とよく相関する。従って、二信号間の相関特性を失うこと及びそれを高い程度まで回復することは、カフ圧変化のために関心動脈の状態がそれぞれ開から閉へ及び閉から再開へスイッチする瞬間をあらわす。

0052

従って、この実施形態によれば、単純な相互共分散計算がドップラ音信号に対して直接処理され、周波数領域でなく音領域において容易に計算され得る。処理時間はリアルタイム要件を満たすように短縮される。

0053

勿論、同期の程度を決定するために、本発明の基本概念を実施するように相互共分散特性以外の特性若しくはアプローチが使用され得る。しかしながら、上述の通り、相互共分散特性アプローチと比較して、同期の程度を決定する他のアプローチは周波数領域における複雑な計算を伴う可能性があり、リアルタイム処理と比較していくらか性能を失い得る。

0054

本発明のさらなる実施形態において、第1の超音波信号と第2の超音波信号の間の相互共分散特性から得られる第3の信号は第1及び第2の超音波信号の相互共分散係数並びに第1及び第2の超音波信号のラグ値の少なくとも一つを有し得る。

0055

一実施形態において、関心動脈の閉塞を示す第4の信号が出力されるようにカフ圧は最初に関心動脈を閉塞するように徐々に増加され、関心動脈の閉塞を示す第4の信号が出力された後、カフは膨張SBPを超える20mmHg‐30mmHgまでさらに膨張され、そして関心動脈の再開状態を示す第4の信号が出力されるように徐々に収縮される。

0056

この実施形態において、膨張フェーズ中、カフ圧は徐々に増加され、二つの超音波信号が二つの振動子を用いることによって検出される。第1及び第2の超音波信号の相互共分散係数若しくは第1及び第2の超音波信号のラグ値のいずれかがこれら二つの超音波信号から得られるか、又は両方が得られる。

0057

実験解析後、発明者は相互共分散係数が特定時間窓における前値の平均値の20%未満である場合、又はabs(Lc−Lp)>w*Lp(Lcは現在の時間窓におけるラグ、Lpは以前に取得されたラグの平均、wは非同期公差の調節可能係数)である場合、これは関心動脈の状態が開から閉へスイッチする瞬間において二つの超音波信号が高相関特性を失うことを示し得ることを発見した。

0058

一実施形態において、wは0.2であるように選ばれる。非同期公差は測定される動脈間の距離に関連し、二つの動脈間の距離が長いほど、血流速度変動のリスクの確率が高いので、公差は距離に比例するLpの比率である。通常、動脈の状態の差別化要因をうまく得るためにここで使用されるwは0.2である。

0059

従って、この決定される瞬間の直前に測定されるカフ圧が膨張SBPとして決定され得る。言い換えれば、測定される膨張SBPは動脈が完全に閉塞される前の膨張過程にわたる最後のドップラ音を反映する。

0060

この実施形態において、膨張SBPが決定された後、当業者に容易に理解される通り、収縮SBP測定を実施するべく血流を完全に閉塞するためにカフ圧は膨張SBPを超えて20mmHg‐30mmHgまでさらに増加される。

0061

その後、収縮フェーズ中、第3の信号が二つの超音波信号から得られるはずであり、この第3の信号は誤決定を回避するために第1及び第2の超音波信号の相互共分散係数と第1及び第2の超音波信号のラグ値の両方を有する。

0062

発明者は相互共分散係数が前値の平均値の20%より高い、及びabs(Lc−Lp)<w*Lpの両方の場合、これが関心動脈の状態が閉から再開へスイッチする瞬間において二つの超音波信号が高相関特性を再び有するまで回復していることを示し得ることを発見した。この実施形態において、wは同じく0.2であるように選ばれ得る。

0063

従って、その瞬間に測定されるカフ圧は収縮SBPとして決定され得る。

0064

さらに、第1の超音波信号と第2の超音波信号は同期検出される、すなわちデュアル超音波からの信号が互いに同期すべきであるようにデュアル超音波での操作が同時に可能にされるべきである。二つの血流が同じ源、すなわち患者の心臓から脈動されるので、この同期は不整脈を患う若しくは心拍が乱れやすい患者に対して安定性と信頼性を保つ。

0065

図3は二人の被験者に対する本発明の実験検証を示す。

0066

図3a及び3bはそれぞれ本発明が膨張SBP及び収縮SBPを測定するために使用されるときの二人の被験者に対する実験検証の結果を与える。これら図において、(1)はカフ圧信号、(2)及び(3)はそれぞれ二つの振動子からの音信号、(4)及び(5)はそれぞれ(2)と(3)の間の相互共分散及びラグの時間変動曲線である。(1)〜(5)の単位はmmHg、電圧、電圧、単位なし、秒である。

0067

関心動脈の閉状態期間は、相互共分散係数曲線において相関係数が実験で採用される特定時間窓における前値の平均値の20%である許容分散値より低い部分、又はラグ曲線においてラグが大幅に振動する部分によって明確に識別され得る。この部分の開始時間と終了時間に従って、膨張及び収縮フェーズにおけるSBP値がカフ圧曲線からそれに対応して測定され得る。

0068

図3aにおける相互共分散曲線は低い相関特性状態を持つ明らかな平坦部分を持ち、そのラグ曲線は低い同期状態を持つ明らかな非定常部分を持つ。第2の振動子信号との低相関若しくは非同期は、第2の振動子の下の動脈が終始開いているため、第1の振動子の下の動脈の閉状態を示す。

0069

例えば、図3aにおける(4)に関して、T1の直後の瞬間はその瞬間における相関係数が前値の平均値の20%である許容分散値よりも低いため、動脈の状態が開から閉へ変化する瞬間をあらわす。さらに、T2は相関係数が前値の平均値の20%より高くなるまで回復するので動脈の状態が閉から再開へ変化する瞬間をあらわす。

0070

従って、標準ドップラ超音波血流測定によれば、膨張SBPは決定される開‐閉スイッチの瞬間の直前の最後の瞬間である瞬間T1において測定され、収縮SBPは瞬間T2において測定される。

0071

この現象は図3bに示す第2の被験者に対して再現可能であるが、第1の被験者よりも音の出力が小さく音の周期性は規則性が低い。従って、装置若しくは患者自身によって生じる、時間変動周期性の存在及び低信号対ノイズ比にもかかわらず、動脈状態を決定するための相互共分散ベースの特徴は同様に安定している。

0072

図4は本発明の一実施形態にかかる圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定する方法のフローチャートである。

0073

図4に示す通り、本発明にかかる方法40は、関心動脈へ変化する圧力を与えるように膨張若しくは収縮されることができるカフをつけた一肢の関心動脈上に置かれる第1のドップラ超音波振動子を用いて関心動脈内の血流から第1のドップラ超音波信号を検出する検出ステップ41を有する。

0074

方法は第2のドップラ超音波振動子を用いて基準動脈内の血流から第2のドップラ超音波信号を検出する検出ステップ42をさらに有する。基準動脈は他の三肢のいずれか一つにあり得る。

0075

方法は第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号から第3の信号を得るための導出ステップ43をさらに有し、第3の信号は第1のドップラ超音波信号と第2のドップラ超音波信号の間の同期の程度を示す。ステップ43の機能は図2における装置20のプロセッサ21によって実行され得る。

0076

方法は第3の信号が所定条件を満たす瞬間において関心動脈が閉じる若しくは再び開くことを示す第4の信号を出力するための出力ステップ44をさらに有する。ステップ44の機能は図2における装置20のインターフェース22によって実行され得る。

0077

図5は本発明の一実施形態にかかる方法の詳細なフローチャートである。初期設定、膨張及び収縮の三つの異なるフェーズがそれぞれ図5a‐5cと併せて詳細に記載される。

0078

図5aは方法の初期設定フェーズのフローチャートである。図示の通り、この方法の初期設定フェーズは4ステップを有する:
S501:本発明のデュアル振動子及び装置が正しく動作しているか及び正しく接続されているかどうかをチェックする。
S502:ABI測定のガイドラインに従って一肢のまわりにカフをつけ、この一肢の関心動脈の上に一方の振動子を置き、他の三肢のいずれか一つの不干渉動脈(基準動脈)内の血流を検知するようにもう一方の振動子を用意する。
S503:デュアル振動子がよい位置にあることを確認するために、律動的な安定したドップラ音信号が受信されるまで数拍待つ。
S504:二つの振動子を用いることによってそれぞれ関心動脈及び基準動脈内の血流から二つのドップラ超音波信号を同時に読み取るように同時に2チャネルデータ収集を可能にする。

0079

図5bは相互共分散ベースの特徴を用いて関心動脈の状態が開から閉へスイッチする瞬間を決定するためのフローチャートである。図示の通り、この方法において、関心動脈の状態が開から閉へスイッチする瞬間を決定する膨張フェーズは以下のステップを有する:
S505:適切な割合でカフ内の圧力を徐々に膨張させる。
S506:一定の長さを持つスライドする時間窓を設定する。長さは時間窓において少なくとも一パルスを与えるように一心拍の時間よりも長くすべきである。リアルタイム及び精度要件を考慮して、長さは長過ぎてもいけない。時間窓におけるサンプル数はNと仮定され、時間窓の長さとデータ収集サンプリングレートによって決定される。
S507:各チャネルにおいて現在の時間窓にNサンプルをロードした後、長さ2N−1のベクトルにおける二チャネル信号の相互共分散シーケンスがラグ指数関数として計算される。
S508:相関係数として相互共分散シーケンスにおける最大値及び現在の瞬間における対応するラグ指数を見つける。現在の相関係数及びラグは現在の特徴を構成する。特徴はメモリに記録され、時間窓のスライドのために現在の瞬間が次の瞬間に置き換えられるときに忘れられない。従って、特徴は実際には経時的に長くなるマトリクスである。
S509:現在の相関係数が記憶されている前の係数の平均の20%未満であるか、又はラグが大きな値へ向かって振動する場合、プロセスは次のステップに入る。同時に、特徴マトリクス成長が止まる。そうでなければ、窓を次の瞬間へスライドし(図5bのステップS)、ステップS507へ戻る。
S510:現在の瞬間を関心動脈の状態が開から閉へスイッチする瞬間であると決定する。

0080

さらに、関心動脈の状態が閉から再開へスイッチする瞬間も決定される場合は、以下のステップが実行され得る:上記で決定される現在の瞬間の直前の瞬間をカフ圧にマップし、マップされた圧力を膨張SBPとして主張し、血流を完全に閉塞するために膨張SBPを超える20mmHg〜30mmHgまで圧力を膨張し続ける。

0081

図5cは相互共分散ベースの特徴を用いて関心動脈の状態が閉から再開へスイッチする瞬間を決定するためのフローチャートである。図示の通り、この方法において、関心動脈の状態が閉から再開へスイッチする瞬間を決定する収縮フェーズは以下のステップを有する:
S511:収縮の開始の瞬間はアクセス可能であるため、時間窓は関心動脈の状態が閉から再開へスイッチする瞬間の決定を開始する対応する瞬間へ速くジャンプする。
S512:ステップS508で述べたのと同様に特徴を計算する。
S513:現在の特徴両方が膨張フェーズにおいて記憶されている特徴マトリクスと同じレベルまで回復する場合、プロセスは次のステップに入る。そうでなければ、窓を次の瞬間へスライドし(図5cのステップS)、ループをあらわすステップS512へ戻る。
S514:現在の特徴がステップS513のチェックを通過しても、以下の特徴は安定性の視点からさらに検証されるべきである。従って現在の時間は疑わしいものとみなされるだけである。
S515:三連続時間窓若しくはより多くの時間観察し続け、項目別に特徴を計算する。
S516:前のステップから得られる特徴のいずれも激しい変動を示さない場合、プロセスは最終ステップへ進む。そうでなければ、窓を一単位長スライドし(図5cのステップS)、ステップS512へ戻る。
S517:カスケードチェックを通過後現在の瞬間を関心動脈の状態が閉から再開へスイッチする瞬間であると決定する。

0082

さらに、動脈状態スイッチの瞬間を決定するための本発明の方法が血圧を測定するために利用される場合、上記の通り決定される瞬間に検出されるカフ圧は収縮SBPとみなされ得る。上述の通り、本発明の方法を用いてこのように決定されるSBPは同じ理由から被験ユーザの詳細な状態にかかわらずより安定してより信頼できるものになり得る。

0083

図1の位置B1〜B4など、途切れないドップラ信号が基準音として皮膚表面で容易に取得されることを可能にする、第2の振動子について他の場所の選択肢が当業者に容易に想到され得ることが理解される。

0084

B1及びB3は下肢の両側の足背動脈DPA)である。B2とB4は下肢の両側の後脛骨動脈PTA)である。図1に示す二つの振動子12,13及びB1〜B4の位置における六つの動脈は全て、自動ABI測定がこれらの動脈を通る血流を検知する六つのドップラ振動子を必要とするので、ABI測定を実施することによって測定されるはずであることが周知である。本発明において、デュアル振動子が単一肢SBP測定のために必要であるが、六つの振動子を代替的に用いることによって追加コストが回避され得る。例えば、オペレータ左下肢のPTA若しくはDPAのいずれかのSBP値を測定しようとする場合、基準音は図1の12,13,B3及びB4における振動子のいずれか一つから収集され得る。ルールは以下の通り要約され得る:カフが一肢上に置かれる場合、基準音は他の三肢上のいずれかの振動子に由来する。

0085

さらに、当業者に容易に理解される通り、圧力変動下で関心動脈の開/閉スイッチの瞬間を決定するための上記方法と装置は本発明にかかる装置20と二つのドップラ超音波振動子12及び13を有するシステムにおいて使用されることができ、第1のドップラ超音波振動子12はカフをつけている一肢の関心動脈上に置かれ、第2のドップラ超音波振動子13はカフの影響がない他の三肢のいずれか一つの基準動脈上に置かれる。

0086

さらに、上述の通り、本発明の方法はSBP測定において利用され得るがそれに限定されない。動脈の状態スイッチの瞬間は血流測定において非常に重要であるため、これは何か他の目的でも同様に使用され得る。

0087

上述の実施形態は本発明を限定するのではなく例示するものであり当業者は添付のクレームの範囲から逸脱することなく代替的な実施形態を設計することができることが留意されるべきである。クレームにおいて、括弧の間に置かれる任意の参照符号はクレームを限定するものと解釈されてはならない。"有する"という語はクレーム若しくは記載に列挙されない要素若しくはステップの存在を除外しない。ある要素に先行する"a"若しくは"an"という語はかかる要素の複数の存在を除外しない。複数のユニットを列挙するシステムクレームにおいてこれらユニットのいくつかはソフトウェア及び/又はハードウェアの一つの同じ項目によって具体化され得る。第1、第2及び第3などの語の使用はいかなる順序も示さない。これらの語は名前として解釈されるものとする。

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