図面 (/)

技術 ポゴ効果を抑制する供給システムおよび方法

出願人 サフラン・エアクラフト・エンジンズサントル・ナシオナル・デテュード・スパシアル(セ・エヌ・ウ・エス)
発明者 ケルニリス、アランルモワンヌ、ニコラスブレ、リュディヴィーヌル、ゴニデック、セルジュ
出願日 2012年5月7日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2014-510855
公開日 2014年7月24日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2014-517893
状態 特許登録済
技術分野 ジエット推進設備
主要キーワード 気体注入装置 能動システム 測定関数 流量制限装置 液体燃料ロケット 減衰パラメータ 減衰システム 漸進的変化
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年7月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

課題・解決手段

本発明はロケットエンジン供給システムの分野に関し、特に供給回路(4)を有する供給システムであって、供給回路(4)は、ポゴ効果を抑制するために回路(4)内の気体体積を変化させる装置を含む、供給システムに関する。本発明は、気体が回路(4)へ注入される量を変化させることにより、少なくとも1つの液圧共振周波数(50)を変化させることによって、ポゴ効果を抑制する方法にも関する。

概要

背景

液体燃料ロケットの分野では、用語「ポゴ効果」は、ロケットエンジン供給回路内の液体推進剤ロケット機械的振動共振することを示すのに用いられる。供給回路が推進剤を供給する量によってロケットエンジンの推力が変化するので、このように共振すると、振動が急速に発散することがあり、それにより誘導の困難さ、さらには損傷も引き起こすことがあり、損傷は、有効搭載総量の損失または車両の損失にまで及ぶ可能性もある。用語「ポゴ効果」は、頭字語ではなく、ホッピング玩具由来する。ホッピング玩具は、ばね付きの棒を備え、この効果によって引き起こされるロケットの激しい長手方向の振動を技術者に思い起こさせるように弾む。したがって、液体推進剤ロケットの開発の当初から、このポゴ効果を抑制する対策を取ることは、極めて重要であった。本明細書との関連で用語「抑制する」は、全体的なポゴ効果の除去および部分的な低減の両方を包含して用いられる。

2種類の主要なポゴ効果補正ステム、すなわち受動システムおよび能動システムが、当業者には知られている。受動システムの場合、液圧共振周波数は、ロケットの機械的共振周波数と一致しないように変化する。液圧共振周波数は、減衰することもある。これは、例えば推進剤供給回路内に液圧アキュムレータを設置することによってなされる。このような液圧アキュムレータは、通常は気体および液体の両方を含有する加圧体積によって形成され、該体積は、供給回路と連通している。液圧アキュムレータは、質量がアキュムレータ内の液体の質量である、質量−ばね−減衰システムとして作動し、ばねは、気体によって形成され、減衰は、狭い導管を経由してアキュムレータに入ったり出たりする液体の粘度から得られる。フランス特許出願第2499641号明細書は、異なるロケットエンジンに適合可能なように調整できる液圧アキュムレータの一例を開示する。しかしながら、アキュムレータの圧縮率および減衰パラメータは、ロケットエンジンの作動中には変化することができない。ポゴ効果を補正する別の「受動的」方法は、一定流量の気体を回路注入することにより供給回路の液圧共振周波数を変化させ、回路内の音速を変化させることにある。それに比べて能動システムの場合、圧力および流量が正反対の振動が供給回路内に確立されて、回路内で測定された振動を抑止する。

しかしながら、受動システムおよび能動システムは、共に欠点を示す。受動システムは、作動中に機械周波数の大きな変化を示すロケットには適さないが、これは、設計周波数周り狭帯域の外側のモードをロケットが減衰させないからである。ロケットの飛行について予測される動的挙動と実際の動的挙動との間に差異がある場合には、受動システムは、ロケットの動作を補正する立場にない。能動システムは、プラスの効果を局部的にのみ有しがちであり、局部的あるいは全体的に、マイナスの効果をももたらす。

特開平03−287498号公報では、適応的液圧アキュムレータを有するポゴ効果補正システムが提案されている。この適応的液圧アキュムレータでは、圧縮率は、気体の圧力を変化させることによって変化し、上述したすべての減衰は、流量制限装置を変化させることによって変化する。しかしながら、いくつかの欠点が示される。まず、圧力の変化は、液圧アキュムレータ内の圧縮率を極めて限定された方法でのみ変化させる。加えて、減衰中により大きい変化を制御することが可能であるが、可変制限装置は、推進剤の流れ内移動部分を有し、かつ、特に推進剤が極低温の場合に信頼性の問題を招くことがある。

概要

本発明はロケットエンジン供給システムの分野に関し、特に供給回路(4)を有する供給システムであって、供給回路(4)は、ポゴ効果を抑制するために回路(4)内の気体の体積を変化させる装置を含む、供給システムに関する。本発明は、気体が回路(4)へ注入される量を変化させることにより、少なくとも1つの液圧共振周波数(50)を変化させることによって、ポゴ効果を抑制する方法にも関する。

目的

これは、とりわけ回路内の気体の体積を変化させ、回路内の圧縮率および液圧共振周波数を変化させる、比較的簡単な手段を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ロケットエンジンに少なくとも1つの液体推進剤を供給する供給システムであって、少なくとも1つの供給回路(4)を備え、前記回路(4)内の気体体積を変化させる少なくとも1つの装置をさらに備え、前記装置は、前記ロケットエンジンの作動中に、前記回路内の気体の体積を変化させるのに適していることを特徴とする供給システム。

請求項2

気体の体積を変化させる前記装置は、可変の液面を有する少なくとも1つの液圧アキュムレータ(8)を備える請求項1に記載の供給システム。

請求項3

前記液圧アキュムレータ(8)は、気体供給点(10)と、前記推進剤供給回路(4)の導管(15)への接続部(11)と、前記気体供給点(10)と前記接続部(11)との間において前記導管(15)を液圧アキュムレータ(8)の前記可変の液面に接続する少なくとも1つの浸漬管(12,13;12’)と、を備える請求項2に記載の供給システム。

請求項4

前記液圧アキュムレータ(8)は、複数の前記浸漬管(12,13)を備え、前記各浸漬管(12,13)は、それぞれバルブ(14,16)を備え、前記導管(15)をそれぞれ異なる液面に接続する請求項3に記載の供給システム。

請求項5

少なくとも1つの前記浸漬管(12’)は、前記導管(15)に接続する液面を変化するように、移動可能である請求項3または4に記載の供給システム。

請求項6

気体の体積を変化させる前記装置は、少なくとも1つの可変流量気体注入器(20)を備える請求項1〜5の何れか1項に記載の供給システム。

請求項7

気体の体積を変化させる前記装置を制御する制御ユニット(30)をさらに備える請求項1〜6の何れか1項に記載の供給システム。

請求項8

前記制御ユニット(30)に接続される少なくとも1つのセンサをさらに備え、前記制御ユニット(30)は、前記少なくとも1つのセンサによって検知された信号の関数として、気体の体積の変化を制御するように構成される請求項7に記載の供給システム。

請求項9

前記少なくとも1つのセンサは、加速度計(31)を備える請求項8に記載の供給システム。

請求項10

前記少なくとも1つのセンサは、前記推進剤の圧力を検知するセンサ(32)を備える請求項8または9に記載の供給システム。

請求項11

前記制御ユニット(30)は、気体の体積の変化を時間の関数として制御するように構成される請求項5〜8の何れか1項に記載の供給システム(4)。

請求項12

請求項1〜11の何れか1項に記載の供給システム(4)を有する少なくとも1つの液体推進剤を用いた、少なくとも1つのロケットエンジンを備える車両(1)。

請求項13

ロケットエンジンに少なくとも1つの液体推進剤を供給するシステムの供給回路(4)内の気体の体積は、前記ロケットエンジンが作動中に、前記供給回路(4)の少なくとも1つの液圧共振周波数(50)と、前記供給回路に結合された構造体の少なくとも1つの機械的共振周波数(51)との間の差を制御するように変化する、ことを特徴とするポゴ効果を抑制する方法。

請求項14

前記気体の体積は、前記差を所定のしきい値を上回る値に保つように変化する、請求項13に記載のポゴ効果を抑制する方法。

請求項15

前記気体の体積は、前記供給回路(4)の液圧共振周波数(50)と前記構造体の機械的共振周波数(51)との間の少なくとも1つの差の関数を最大にするように変化する、請求項13または14に記載のポゴ効果を抑制する方法。

請求項16

前記可変の気体の体積は、前記供給回路(4)の導管(15)に接続された液圧アキュムレータ(8)内に少なくとも部分的に配置される、請求項13〜15の何れか1項に記載のポゴ効果を抑制する方法。

請求項17

前記気体の体積は、前記供給回路(4)内の少なくとも1つの推進剤に気体が注入される量を変化することによって、変化する、請求項13〜15の何れか1項に記載のポゴ効果を抑制する方法。

請求項18

前記気体の体積は、前記構造体上で検知された少なくとも1つの機械的振動値の関数として、変化する、請求項13〜17の何れか1項に記載のポゴ効果を抑制する方法。

請求項19

スペクトル解析は、前記構造体の少なくとも1つの機械的共振周波数(51)を決定するために、少なくとも1つの機械的振動で実行される、請求項18に記載のポゴ効果を抑制する方法。

請求項20

例えばUnscentedカルマンフィルタなどのフィルタアルゴリズムは、少なくとも1つの前記機械的共振周波数(51)を決定するために、および/または該周波数未来の変化を予測するために、検知された少なくとも1つの機械的振動に適用される、請求項19に記載のポゴ効果を抑制する方法。

請求項21

請求項13〜20の何れか1項に記載のポゴ効果を抑制する方法を実行するための命令を含むコンピュータ・データ・サポート

技術分野

0001

本発明は、ロケットエンジンに少なくとも1つの液体推進剤を供給するシステムであって、少なくとも1つの供給回路を含む供給システムに関する。

背景技術

0002

液体燃料ロケットの分野では、用語「ポゴ効果」は、ロケットエンジンの供給回路内の液体推進剤がロケット機械的振動共振することを示すのに用いられる。供給回路が推進剤を供給する量によってロケットエンジンの推力が変化するので、このように共振すると、振動が急速に発散することがあり、それにより誘導の困難さ、さらには損傷も引き起こすことがあり、損傷は、有効搭載総量の損失または車両の損失にまで及ぶ可能性もある。用語「ポゴ効果」は、頭字語ではなく、ホッピング玩具由来する。ホッピング玩具は、ばね付きの棒を備え、この効果によって引き起こされるロケットの激しい長手方向の振動を技術者に思い起こさせるように弾む。したがって、液体推進剤ロケットの開発の当初から、このポゴ効果を抑制する対策を取ることは、極めて重要であった。本明細書との関連で用語「抑制する」は、全体的なポゴ効果の除去および部分的な低減の両方を包含して用いられる。

0003

2種類の主要なポゴ効果補正システム、すなわち受動システムおよび能動システムが、当業者には知られている。受動システムの場合、液圧共振周波数は、ロケットの機械的共振周波数と一致しないように変化する。液圧共振周波数は、減衰することもある。これは、例えば推進剤供給回路内に液圧アキュムレータを設置することによってなされる。このような液圧アキュムレータは、通常は気体および液体の両方を含有する加圧体積によって形成され、該体積は、供給回路と連通している。液圧アキュムレータは、質量がアキュムレータ内の液体の質量である、質量−ばね−減衰システムとして作動し、ばねは、気体によって形成され、減衰は、狭い導管を経由してアキュムレータに入ったり出たりする液体の粘度から得られる。フランス特許出願第2499641号明細書は、異なるロケットエンジンに適合可能なように調整できる液圧アキュムレータの一例を開示する。しかしながら、アキュムレータの圧縮率および減衰パラメータは、ロケットエンジンの作動中には変化することができない。ポゴ効果を補正する別の「受動的」方法は、一定流量の気体を回路注入することにより供給回路の液圧共振周波数を変化させ、回路内の音速を変化させることにある。それに比べて能動システムの場合、圧力および流量が正反対の振動が供給回路内に確立されて、回路内で測定された振動を抑止する。

0004

しかしながら、受動システムおよび能動システムは、共に欠点を示す。受動システムは、作動中に機械周波数の大きな変化を示すロケットには適さないが、これは、設計周波数周り狭帯域の外側のモードをロケットが減衰させないからである。ロケットの飛行について予測される動的挙動と実際の動的挙動との間に差異がある場合には、受動システムは、ロケットの動作を補正する立場にない。能動システムは、プラスの効果を局部的にのみ有しがちであり、局部的あるいは全体的に、マイナスの効果をももたらす。

0005

特開平03−287498号公報では、適応的液圧アキュムレータを有するポゴ効果補正システムが提案されている。この適応的液圧アキュムレータでは、圧縮率は、気体の圧力を変化させることによって変化し、上述したすべての減衰は、流量制限装置を変化させることによって変化する。しかしながら、いくつかの欠点が示される。まず、圧力の変化は、液圧アキュムレータ内の圧縮率を極めて限定された方法でのみ変化させる。加えて、減衰中により大きい変化を制御することが可能であるが、可変制限装置は、推進剤の流れ内移動部分を有し、かつ、特に推進剤が極低温の場合に信頼性の問題を招くことがある。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、これらの欠点を改善しようとするものである。

課題を解決するための手段

0007

この目的は、本発明の供給システムが、回路内の気体の体積を変化させる少なくとも1つの装置をさらに備え、前記装置が、ロケットエンジンの作動中に、前記回路内の気体の体積を変化させるのに適している、という事実により達成される。

0008

本開示との関連で、用語「変化させること」は、徐々にあるいは段階的に、複数の異なる値を通して大きさを連続的に変化させることを意味するのに用いられる。このように、気体の体積を変化させる前記装置は、回路内で複数の異なる気体の体積を連続して得ることができる。

0009

これらの構成により、ロケットエンジンの作動中に広範囲な機械的共振周波数にわたって回路の少なくとも1つの液圧共振周波数を変化させ、それによってロケットエンジンの作動中に支持構造体の機械的共振周波数を、該機械的共振周波数が変化するときでさえも回避することが可能である。所与液圧回路を、異なる機械的共振周波数を有する複数の異なる構造体に適合させることも容易である。

0010

少なくとも本発明の一実施形態において、気体の体積を変化させる前記装置は、可変の液面を有する少なくとも1つの液圧アキュムレータを備えることができる。これは、とりわけ回路内の気体の体積を変化させ、回路内の圧縮率および液圧共振周波数を変化させる、比較的簡単な手段を提供する利点を示す。特に、前記液圧アキュムレータは、気体供給点と、前記推進剤供給回路の導管への接続部と、前記気体供給点と前記接続部との間において前記導管を液圧アキュムレータの前記可変の液面に接続する少なくとも1つの浸漬管と、を備えることができる。

0011

第1変形例において、前記液圧アキュムレータは、複数の前記浸漬管を備え、前記各浸漬管は、それぞれバルブを備え、前記導管をそれぞれ異なる液面に接続する。バルブを開閉することによって、液体の自由表面の圧力を、種々のレベルにある導管の圧力と等しくすることが可能である。このように、液圧アキュムレータ内の気体の体積を極めて大幅に変化させることが可能であり、液圧アキュムレータの圧縮率および回路の少なくとも1つの液圧共振周波数を変化させることが可能である。

0012

第2変形例において、少なくとも1つの前記浸漬管は、前記導管に接続する液面を変化するように、移動可能である。このように、少なくとも1つの液圧共振周波数を連続的に変化させることが可能である。

0013

少なくとも1つの別の実施形態において、気体の体積を変化させる前記装置は、有利には、少なくとも1つの可変流量気体注入器を備えることができる。これは、少なくとも1つの液圧周波数を変化させる手段を提供するという利点も示し、該手段の複雑性は、先行技術の受動システムの複雑性よりも著しく大きいわけではない。

0014

有利には、供給システムは、気体の体積を変化させる前記装置を制御する制御ユニットをさらに備える。この制御ユニットは、気体の体積を変化させるコマンドを、推定された機械的共振周波数、ロケットエンジンの始動からの時間などのパラメータと関連付けることを可能にする。

0015

より有利には、供給システムは、前記制御ユニットに接続される少なくとも1つのセンサをさらに備え、前記制御ユニットは、前記センサによって検知された信号の関数として、気体の体積の変化を制御するように構成される。特に、前記少なくとも1つのセンサは、加速度計を備えてもよく、それにより、機械的振動の検出が可能となり、ならびに/または少なくとも1つの機械的共振周波数の推定が可能となり、および/もしくは機械的共振周波数の変化の推定が可能となる。また、前記少なくとも1つのセンサは、前記推進剤の圧力を検知する圧力センサを備えてもよく、それにより、該センサは、前記供給回路の少なくとも1つの液圧共振周波数を推定すること、および/または液圧共振周波数がどのように変化するかを推定することが可能である。この構成により、少なくとも1つの機械的共振周波数が少なくとも1つの液圧共振周波数に接近する時を検出し、ポゴ効果を回避するように液圧共振周波数を変化させることが可能である。

0016

少なくとも1つの別の実施形態において、前記制御ユニットは、気体の体積の変化を時間の関数として制御するように構成される。このように、例えば先行するテストおよび/またはシミュレーションもしくは計算の結果として、供給回路へ結合された構造体における少なくとも1つの機械的共振周波数の挙動が時間と共にどのように変化するかが前もって知られている場合、共振周波数間の一致を回避するように少なくとも1つの液圧共振周波数の変化を時間の関数としてプログラミングし、それによりロケットエンジンの作動中にポゴ効果を回避することが可能である。

0017

これらの2つの選択肢代替例とみなすことができるが、例えば時間の関数である基準設定点を用いて、およびセンサによって拾い上げられた信号の関数である補正係数を用いて、これらを組み合わせることも可能である。

0018

本発明は、本発明の供給システムを有する少なくとも1つの液体推進剤を用いた、少なくとも1つのロケットエンジンを備える車両も提供する。本開示との関連で、用語「車両」は、広く理解されるべきである。このように、本発明は、一段または多段宇宙ロケット、このような宇宙ロケットの個々の段、または衛星、宇宙探査機宇宙カプセル、もしくはスペースシャトルなどの宇宙船、および一段もしくは多段誘導飛翔体もしくは非誘導飛翔体にも、またはこのような飛翔体の個々の段に適用することができる。いずれにしても、本発明は、目的地までその有効搭載量を保持し続けるように、より信頼性の高い車両を構成する利点を示す。

0019

本発明は、ポゴ効果を抑制する方法も提供し、ロケットエンジンに少なくとも1つの液体推進剤を供給するシステムの供給回路内の気体の体積は、前記ロケットエンジンが作動中に、前記供給回路の少なくとも1つの液圧共振周波数と、前記供給回路に結合された構造体の少なくとも1つの機械的共振周波数との間の差を制御するように変化する。

0020

このように、供給回路内に含有された気体および液体を含む流体の圧縮率が変化すると、少なくとも1つの液圧共振周波数が広範囲にわたって変化することが可能となる。したがって、液圧システムおよび機械システムが共振し、それによってポゴ効果を招くような事態を回避することが可能となる。

0021

少なくとも1つの実施形態において、前記気体の体積は、前記差を所定のしきい値を上回る値に保つように変化する。これにより、しきい値に対応する安全マージンが得られる。

0022

しかしながら、特に、複数の液圧共振周波数および/または複数の機械的共振周波数が存在するとき、供給回路の液圧共振周波数と構造体の機械的共振周波数との間の少なくとも1つの差の関数を最大にするように、少なくとも1つの液圧共振周波数を変化させることは、有利とすることができる。特に、この関数が複数の差の関数であり、それぞれ液圧共振周波数および機械的共振周波数の異なる対に対応する場合、この関数は、対ごとに個々の係数を有する重み関数とすることができる。

0023

可変の気体の体積は、前記供給回路の導管に接続された液圧アキュムレータ内に少なくとも部分的に配置され、アキュムレータ内の気体の体積を変化させることによって該気体の体積を変化させるようにすることができる。前記供給回路内の少なくとも1つの推進剤へ気体が注入される量を変化させることによっても、該気体の体積を変化させることができる。このように、推進剤内で懸濁状態にある気体の泡は、供給回路内に含有された気体および液体を含む流体に対する圧縮率の可変の度合いを提供するが、これは、特に回路内の音速の変化および前記液圧共振周波数の変化によって表される。

0024

有利には、気体の体積は、時間の関数としておよび/または前記構造体上で検知された少なくとも1つの機械的振動値の関数として、特に前記構造体の少なくとも1つの機械的共振周波数を決定するためにスペクトル解析が実行された機械的振動値の関数として、変化することができる。より有利には、例えば「Unscented」カルマンフィルタ(UKF)などのフィルタアルゴリズムが、少なくとも1つの機械的共振周波数を決定するために、および/または該周波数の未来の変化を予測するために、検知された少なくとも1つの機械的振動に適用されることで、少なくとも1つの機械的共振周波数と少なくとも1つの液圧共振周波数との一致が回避しやすくなる。

0025

本発明は、ポゴ効果を抑制する本発明の方法を実行するために、コンピュータによって実行可能な命令を含むコンピュータ・データ・サポートも提供する。用語「コンピュータ・データ・サポート」は、永続的および/または一時的な方法でデータを格納するために、かつ引き続いてコンピュータシステムによってデータを読み出すことを可能にするために適した任意の支持体を意味するのに用いられる。このように、用語「コンピュータ・データ・サポート」は、中でもとりわけ磁気テープ磁気ディスクおよび/または光ディスク、ならびに揮発性または不揮発性とすることができる固体電子メモリを包含する。

0026

したがって、本発明は、ポゴ効果を抑制する本発明の方法を実行するためにプログラミングされたコンピュータの形で表すことができ、またはポゴ効果を抑制する本発明の方法を実行するコンピュータと共に用いるソフトウェアによっても表すことができる。

0027

非限定的な例として与えられた実施形態についての次の詳細な説明を読み取ることで、本発明は十分に理解することができ、本発明の利点はより良好に明らかになる。以下の説明は、添付の図面を参照する。

図面の簡単な説明

0028

図1は、本発明の一実施形態における液体推進剤供給システムを有するロケットエンジン車両を示す図であって、液圧回路と電気回路との類似性に基づく図である。
図2Aおよび図2Bは、図1のシステムの供給回路と並列に設置された可変体積アキュムレータの断面図である。
図3は、本発明の第2実施形態における可変体積アキュムレータの断面図である。
図4は、本発明の第3実施形態における液体推進剤供給回路を有するロケットエンジンを示す図であって、液圧回路と電気回路との類似性に基づく図である。
図5は、図4の回路に接続された気体注入点の図である。
図6A図6Dは、「Unscented」カルマンフィルタアルゴリズム演算を示す図である。
図7A図7Dは、供給回路の液圧共振周波数が、図1の車両の機械的共振周波数における一変形例に応じて変化する、3つの可能な方法を示すグラフである。

実施例

0029

図1に示す車両1は、燃焼室先細末広ノズルとを組み込んだ推進チャンバ2を有する。また、車両1は、2つの液体推進剤用にそれぞれ供給回路3、4を有し、2つの液体推進剤は、互いに化学的に反応しかつ推進チャンバ2へ供給される。第1供給回路3は、一部のみ示される。流体で満たされた各供給回路3、4は、抵抗5、インダクタ6、およびキャパシタ7を有する電気回路に類似して形作ることができるシステムであって、少なくとも1つの共振周波数を示す動的システムを表す。

0030

第2供給回路4の少なくとも1つの共振周波数を変化させるために、該回路は、可変の気体の体積を有し同様に可変の圧縮率を示す液圧アキュムレータ8を、該回路と並列に含む。図2Aおよび図2Bに示すこのアキュムレータ8は、一方の側に加圧気体供給点10を有するタンク9を備え、反対側に第2供給回路4の導管15への接続部11を備える。点10と接続部11の間の種々の高さにおいて、浸漬管12、13が、タンク9を導管15と接続する。浸漬管12、13は、タンク9と導管15との間に挿入されたバルブ14、16をそれぞれ含む。バルブ14および16を開閉することにより、液面を変化させ、図2Aおよび図2Bに示すように、タンク9の内部にある気体17の体積を変化させることが可能となる。図2Aにおいて、より短い浸漬管12のバルブ14は、開いており、一方で浸漬管13のバルブ16は、閉じている。したがって、液体の自由表面は、浸漬管12への入口の高さで安定しており、気体17の体積は、気体の圧縮率と共に比較的制限された状態のままである。それに比べて、図2Bにおいて、浸漬管12のバルブ14は、閉じており、浸漬管13のバルブ16は、開いている。したがって、液体の自由表面は、浸漬管13への入口のより低い高さで安定しており、気体17の体積および気体の圧縮率は、それに応じて増加する。

0031

このように、アキュムレータ8の圧縮率を効果的に変化させることによって、車両1のロケットエンジンが作動中であっても、第2供給回路4の液圧共振周波数がロケットエンジンの支持構造体の可変の機械的共振周波数と一致することを防止するように、液圧共振周波数を適合させることが可能となる。当然のことながら、この結果を達成するために、より重い液体をより軽い気体から分離するように、知覚できるくらいの加速度を有する必要がある。したがって、可変の気体の体積であるこの液圧アキュムレータ8は、微小重力の状態下と同様な状態では作動しない。

0032

図3に示すような第2実施形態において、アキュムレータ8は、同様に、一方側に、加圧気体供給点10を有するタンク9を有し、反対側に、第2供給回路4の導管15への接続部11を有するが、アキュムレータ8は、ただ1つの浸漬管12’を有し、該浸漬管は、液面ひいてはタンク9内の気体17の体積を変化させるために、タンク9の深さ方向に移動可能である。本実施形態は、液面を連続的に変化させることで、気体の体積を連続的に変化させることを可能にし、したがってアキュムレータ8内の圧縮率を変化させ、第2供給回路4の液圧共振周波数を変化させる。

0033

第3実施形態を図4に示す。図1の実施形態にあるように、この別の実施形態において、車両1は、2つの液体推進剤をそれぞれ供給する供給回路3、4を有する供給システムを同様に有し、2つの液体推進剤は、互いに化学的に反応しかつ推進チャンバ2へ供給される。

0034

しかしながら、この第3実施形態において、第2供給回路4に接続された気体注入装置20を用いて、可変の量で気体を供給回路4の流体へ注入することによって、第2供給回路4の少なくとも1つの液圧共振周波数が変化する。この注入点20から下流において、回路内の液体/気体を含む流体の圧縮率は、注入された気体の体積の圧縮率によって修正される。したがって、供給回路4の少なくとも1つの液圧共振周波数および回路4内の音速も、同様に変化する。

0035

気体注入装置20を図5に示す。気体注入装置20は、第2供給回路4の導管15上に設置され、かつ導管15の周りに環状のチャンバ21を備える。チャンバ21は、3つのバルブ22、23、および24を経由して加圧気体のソース(図示せず)に接続され、かつ注入孔25を経由して導管15と連通する。このように導管15へと注入し、そして第2供給回路へ注入する気体の量を、バルブ22、23、および24を開閉することによって変化させることができる。代替としては、または上述した構成と組み合わせて、このような気体注入装置は、可変開口バルブまたは流量調節器を含むこともでき、それにより、導管15へ注入される気体の体積流量内の連続的な変化、および少なくとも1つの液圧共振周波数の連続的な変化を得ることができる。

0036

第1実施形態における可変の気体の体積の液圧アキュムレータ8および第2実施形態における可変の流量の気体注入装置20は共に、制御ユニット30に同様に良好に接続され、制御ユニット30は、制御ユニットによってアキュムレータ8および/または気体注入装置20へ発した可変の設定点を用いて、アキュムレータ8および気体注入装置20を制御することができる。この設定点は、機械的共振周波数の変化の仕方が前もって知られている場合、既に実行されているシミュレーションおよび/またはテストの結果により、単に時間の関数として前もってプログラミングすることができる。しかしながら、リアルタイムで、またはほぼリアルタイムで受信された信号に応じて、この設定点を変化させることも可能であり、実際に一定の状況下では好ましいことである。例えば、図1または図3に示すように、車両1は、回路4内に、少なくとも1つの加速度計31および推進剤圧力センサ32を含むことができる。加速度計31は、車両1の構造体の機械的挙動を表す信号を制御ユニット30へ送信するために制御ユニット30に接続され、圧力センサ32も、回路4の液圧挙動を表す信号を送信するために制御ユニット30に接続される。

0037

これらの信号は、スペクトル解析によって機械的共振周波数および液圧共振周波数を抽出するために、制御ユニット30内で処理される。例えば、「The unscented Kalman filter for nonlinear estimation」,Proceedings of Symposium 2000 on Adaptive Systems for Signal Processing,Communication and Control(AS-SPCC),IEEE,Lake Louise,Alberta,Canada,October 2000、において記載されているような「unscented」カルマン・フィルタ・アルゴリズムなどのフィルタアルゴリズムは、信号からのフィルタ雑音に対してだけでなく、振動のモードの共振周波数内の短期的変化予想するために、かつ液圧共振周波数が制御される方法で振動モードの共振周波数を予測するために、予測的手法においてさえも、用いることができる。制御ユニットは、期待される機械的共振周波数に近いこのようなフィルタアルゴリズムを初期化するようにプログラミングされ、それによって引き続いて飛行中にこの周波数をトラッキングすることを可能にすることができる。

0038

車両1などの動的システムにおいて、関数Fを適用して時間的に変化する潜在状態xtのマルコフ連鎖が存在すると仮定することができる。これらの潜在状態は、測定関数Gを経由して得られた測定状態ytを与えるセンサによって、間接的に観測される。このように、xtおよびytは、次式で表すことができる。

xt=F(xt−1)+ε
yt=G(xt)+ν

0039

値εおよびνは、それぞれ本システムに固有の雑音、および測定雑音を表し、これらの雑音は両方ともガウス分布を示す。

0040

フィルタアルゴリズムの目的は、センサによって測定されるような騒々しい値から動的システムの状態を推論することである。カルマンシステムは、線形的なシステムに対して高速かつ正確な推論を提供する。カルマンシステムは、非線形的なシステムに対して直接には適用可能でないが、本願は潜在的に非線形システムとして分類可能である。カルマン・フィルタ・アルゴリズムを非線形システムに適合させる種々の選択肢の中で、特に「unscented」カルマンフィルタ(UKF)が知られている。このアルゴリズムは、関数Fおよび関数Gを通してxtのいくつかの推定を伝播し、ガウス分布を再構成して、伝播値線形システムから得られることを推測する。xtに対するこれらの推定の位置は、「シグマポイント」と呼ばれ、該位置は、アンセンテッド変換と呼ばれる近似法を用いて最初の平均値および分散から計算される。

0041

図6Aにおいて第1ステップが示され、該ステップにおいて、最初の時点t=t0で潜在状態x0に対して第1セットの測定y0に基づいて考慮された、平均m0および分散P0から開始するこのようなアンセンテッド変換によって、最初のシグマポイントX00,X01,X02,X03,X04が計算される。その後、図6Bに示す予測ステップにおいて、カルマン・フィルタ・アルゴリズムの予測ステップを最初の信号ポイントX00,X01,X02,X03,X04に適用することによって、次のサンプリング時点(t=t1)に対応するシグマポイントに対する推定位置X’00,X’01,X’02,X’03,X’04が予測される。図6Cに示すような次の更新するステップにおいて、t=t1における先行するサンプリングに基づいて、実際のシグマポイントX10,X11,X12,X13,X14が計算される。最初のシグマポイントX00,X01,X02,X03,X04に基づいて予測された位置X’00,X’01,X’02,X’03,X’04と新たなサンプリングに基づいて実際に計算された位置X10,X11,X12,X13,X14との差異によって、潜在状態xtの変化を時間と共に表す関数fに関する情報を得ることが可能となる。図6Dに示す次のステップにおいて、新たな平均m1および新たな分散P1が、新たなシグマポイントX10,X11,X12,X13,X14に基づいて計算される。このアルゴリズムは再帰的であり、予測ステップで始まる各ステップは、新たなサンプリングごとに繰り返される。

0042

制御ユニットにおいて、機械的共振周波数と液圧共振周波数とが比較され、例としてこれらの差が一定のしきい値に接近するまたは該しきい値を横切る場合、制御ユニット30は、アキュムレータ8および/または気体注入装置20へ送信される設定点を変化させる。

0043

図7A図7B図7C、および図7Dは、増加しつつある機械的共振周波数51に応じて、液圧共振周波数50を制御する方法についての4つの例を示す。図7Aに示す第1例において、液圧共振周波数50を、機械的共振周波数51に対して一定の差を維持するように連続的に変化させることができる。図7Bに示す第2例において、液圧共振周波数50は、2つの周波数50および51の差が所与のしきい値以上となるように段階的に変化する。機械的共振周波数51が変化することができる範囲のように大きい周波数範囲にわたって、液圧共振周波数50が変化することができない場合もある。このような状況下では、図7Cに示すように、機械的共振周波数51を十分に上回る液圧共振周波数50から機械的共振周波数51を十分に下回る液圧共振周波数50まで(または逆もまた同様)、ほぼ瞬時の変化を実施することも可能である。共振周波数間の一致は、瞬時に起こるだけであり、危険な共振を招くことはない。最後に、図7Dに示すように、液圧共振周波数50における漸進的変化を急な変化と組み合わせることも可能である。

0044

ロケットエンジンの支持構造体は、各供給回路が複数の液圧共振周波数を示すことができるのと同様に、複数の可変の機械的共振周波数を示すことができる。このような状況下では、液圧共振周波数と機械的共振周波数との差を所定のしきい値よりも大きいように単に維持する目的で、供給回路内の気体の体積を制御することは適切ではないことがある。少なくとも1つの代替例において、気体の体積は、各対が供給回路の液圧共振周波数と構造体の機械的共振周波数とから成る複数対の各周波数差から成る関数を最大化するように、制御することができる。

0045

このように、供給回路が2つの可変の液圧共振周波数、すなわち高域液圧共振周波数fh,highおよび低域液圧共振周波数fh,lowを有し、かつ構造体が可変の機械的共振周波数fsを示す第1例において、最大化すべき関数Roptは、次の方程式を満たすことができる。

0046

この関数は、1つ以上の重み付け係数重み付けされた関数とすることができる。このように、供給回路が2つの可変の液圧共振周波数、すなわち高域液圧共振周波数fh,highおよび低域液圧共振周波数fh,lowを示し、かつ構造体が第1モード機械的共振周波数fs,1および第2モード機械的共振周波数fs,2を有する2つの機械的共振モードを示す第2例において、最大化するための関数Roptは、次の方程式を満たすことができる。



ここでx1,2は、構造体の第2機械的共振モード用の重み付け係数を表す。

0047

本発明を具体的な実施形態に関して上述したが、請求項によって定義されたような本発明の全体の範囲を越えなくても、これらの実施形態に対して別の修正および変更を行うことができることは明白である。特に、示された種々の実施形態の個々の特徴は、新たな実施形態において組み合わせることができる。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなくて例示的な意味で、考察されるべきである。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

新着 最近 公開された関連が強い 技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ