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課題・解決手段

本開示は、耐熱性ワクチンに関する組成物及びそれを調製する方法を提供する。具体的には、本開示は、組換えリシン神経毒タンパク質に基づく耐熱性ワクチンを調製する方法及び対象において免疫応答を誘発することが可能である組成物を開発するための共アジュバントの使用を提供する。

概要

背景

組換えタンパク質を含有するワクチンは、免疫応答を誘発するのにアジュバントの恩恵を受けるか又はそれを無条件に必要とする。(Callahanら、1991、抗原−アジュバント相互作用の最適化における表面電荷重要性(The importance of surface charge in the optimization of antigen−adjuvant interactions)、Pharm.Res.8(7):851〜858頁;Singh及びO’Hagan 1999、ワクチンアジュバントにおける進歩(Advances in vaccine adjuvants)、Nat Biotechnol 17(11):1075〜81頁;及びO’Haganら、2001、感染症ワクチン用アジュバントにおける最近の動向(Recent developments in adjuvants for vaccines against infectious diseases)、Biomol Eng 18(3):69〜85頁)。アルミニウム塩アジュバントは、小児及び成人投与されるワクチンにおける安全使用の歴史豊富なため、ヒトでの一般的な使用に現在最も広く使用されているアジュバントである。現在FDAに認可されているワクチンに記載されているアジュバントは、アルミニウム塩アジュバントである水酸化アルミニウム及びリン酸アルミニウムだけである。アルミニウム塩アジュバントは、ワクチンの免疫原性強化し、並びにワクチン中のタンパク質の用量レベルを減少させ、防御抗体力価を上昇させ、最初の一連ワクチン接種が終了した後の年次ワクチン接種の必要性を減少させることによってワクチン接種の予後を著しく好転させる。それにもかかわらず、組換えタンパク質、ペプチド及び化学合成ワクチンに基づく多くのサブユニットワクチンにおけるアルミニウム塩アジュバントの使用は著しく制限される。アルミニウムアジュバントを含有するワクチンは狭い温度範囲内でしか貯蔵できず、冷凍できないので、これらの制限には、ワクチンの貯蔵及び安定性の一般的側面が有る。更なる制限には、アルミニウムアジュバントが比較的弱く、細胞性免疫発現を促進せず、及びウイルス感染を阻止する又は生体毒素活性阻害するために中和抗体が必要である場合に非中和性である抗体の発現に有利に働き得るという一般に認められた見識がある。

アルミニウムアジュバントの場合、適切な免疫原性を得るためには、抗原は、アジュバントの表面に吸着されなければならないことが示唆された(Guptaら、1995、アルミニウム及びカルシウム化合物のアジュバント特性(Adjuvant Properties of Aluminum and Calcium Compounds)、Pharmaceutical Biotechnology.6:229〜248頁;並びにWhite及びHem、2000、アルミニウム含有アジュバントの特性評価(Characterization of aluminium−containing adjuvants)、Dev Biol(Basel)103:217〜28頁)。この吸着は通常、抗原とアジュバントとの静電的相互作用よって促進され、処方pHは通常、抗原とアジュバントが逆帯電するように選択される(Callahanら、1991)。アジュバント上の表面電荷は、ホスファートスクシナート及びシトラートなどの緩衝塩との表面交換反応によって改変することもできる(Hem及びWhite、1984、非経口ワクチンにおけるアジュバント用水酸化アルミニウムの特性評価(Characterization of aluminium hydroxide for use as an adjuvant in parenteral vaccines)、J Parenter Sci Technol、38(1):2〜10頁;Changら、1997、水酸化アルミニウムアジュバントによるタンパク質の吸着における静電引力役割(Role of the electrostatic attractive force in the adsorption of proteins by aluminium hydroxide adjuvant)、PDA J Pharm Sci Technol、51(1):25〜9頁;及びRinellaら、1996、塩基性タンパク質の吸着を最適化するための水酸化アルミニウムアジュバントの処理(Treatment of aluminium hydroxide adjuvant to optimize the adsorption ofbasicproteins)、Vaccine、14(4):298〜300頁)。アルミニウム塩アジュバントの作用機序は、十分に理解されていないが、いくつかの異なる機序に起因する可能性がある(Lindblad、2004、「ワクチン用アルミニウム化合物(Aluminium compounds for use in vaccines)」、Immunol.Cell.Biol.82(5):497〜505頁;Gupta及びSiber、1995、ヒトワクチン用アジュバント−現状、問題点及び将来展望(Adjuvants for Human Vaccines−−Current Status,Problems and Future−Prospects)、Vaccine 13(14):1263〜1276頁;O’Hagan D編、Vaccine Adjuvants:Preparation Methods and Research Protocols、Totowa、N.J.:Humana Press Inc.65〜89頁中の;Gupta及びRost、2000、ワクチンアジュバントとしてのアルミニウム化合物(Aluminium Compounds as Vaccine Adjuvants);Cox及びCoulter、1997、アジュバント−−その作用機序の分類及び概説(Adjuvants−−a classification and review of their modes of action)、Vaccine 15(3):248〜256頁)。一般に提唱されている機序では、アジュバントは注入部位デポとして作用し、投与後に抗原がゆっくりと放出される(Cox及びCoulter、1997)。提唱されている別の機序では、アジュバントが抗原提示細胞への抗原の運搬を助ける(Lindblad、2004)。提唱されている更なる機序では、アジュバントは免疫賦活剤として機能し、Th2サイトカインを誘発する(Grun及びMaurer、1989、マウスにおいて2つの異なるアジュバント媒体を利用して誘発される異なるヘルパーT細胞サブセット:増殖応答における内在性インターロイキン1の役割(Different T helper cell subsets elicited in mice utilizing two different adjuvant vehicles:the role of endogenous interleukin 1 in proliferative responses)、Cell Immunol 121(1):134〜145頁)。提唱された更に別の機序では、アジュバントは、アジュバント表面上でタンパク質抗原不安定化させ、タンパク質分解に対してより感受性にする(Jonesら、2005、モデルタンパク質抗原の構造及び安定性に対するアルミニウム塩アジュバントへの吸着の効果(Effects of adsorption to aluminium salt adjuvants on the structure and stability of model protein antigens)、J Biol Chem 280(14):13406〜13414頁;及びThatら、2004、「抗原安定性は、抗原提示を制御する(Antigen stability controls antigen presentation)」、J.Biol.Chem.279(48):50257〜50266頁)。

作用機序は十分に理解されていないが、表面領域、表面電荷及びアジュバントの形態が、これらアジュバント上に吸着した抗原に対する免疫応答を決定づける重要な要素である可能性がある(Hem及びWhite、1984)。ワクチンアジュバントの粒度が小さいほど、ワクチン製剤がより免疫原性になると一般に理論付けられており、特に粒度がおよそ1ミクロンであるとき、サイズは、プロフェッショナル抗原提示細胞への取り込みに最も適している(Maaら、2003、ミョウバンアジュバント化乾燥粉末ワクチン処方の安定化:機序と適用(Stabilization of alum−adjuvanted vaccine dry powder formulations:mechanism and application)、J Pharm Sci 92(2):319〜332頁、Diminskyら、1999、CHO由来B型肝炎表面抗原(HBsAg)粒子物理的、化学的及び免疫学的安定性(Physical, Chemical and immunological stability of CHO−derived hepatitis B surface antigen(HBsAg)particles)、Vaccine 18(1〜2):3〜17頁)。

凍結乾燥フリーズドライ)は、様々なタンパク質製剤の長期安定性を改善するためにしばしば利用される工程である。しかし、安定性を改善しようとしてアルミニウム塩アジュバントと一緒に処方されたワクチンを、凍結及び凍結乾燥によって処理すると、効力消失が起こる。ここで効力とは、動物における免疫原性、タンパク質抗原の化学分解、タンパク質抗原の変性、又は置換免疫原性エピトープの消失を含めることができる一連の試験によって測定可能なワクチンの質の総和である。ヒトにおいて、効力の消失は効能の消失を伴う。これまでの研究により、アジュバントを含有するフリーズドライワクチン生成物は、アジュバント粒子の凝集が原因で製造できないことが示唆されてきた(Diminskyら、1999;Maaら、2003)。アルミニウム塩アジュバントを加えて処方したワクチンの凍結乾燥後の効力の消失に関与する可能性がある機序を説明するために、いくつかの原理が記載されてきた。粒子の凝集は、著しい消失の原因になり得る。例えば、凍結及び融解後のアルミニウムヒドロキシカーボネート及び水酸化マグネシウムゲルの凝集は、粒子を結合させる氷晶形成に起因しており、不可逆的凝集をもたらした。(Zapataら、1984、アルミニウムヒドロキシカーボネート及び水酸化マグネシウムゲルの凍結融解不安定性の機序(Mechanism of freeze−thaw instability of aluminum hydroxycarbonate and magnesium hydroxide gels)J Pharm Sci 73(1):3〜8頁)。この説明は、Maaら、2003によって提唱され、冷却速度が速ければ速いほど氷核形成の速度は高まり、より小さい氷晶が形成され、それによりアルミニウム粒子を凝集させないことが更に示唆された。したがって、粒子の凝集によって、効力の消失を説明することはできるが、タンパク質立体構造三次構造)の消失、タンパク質二次構造の消失、及びアミノ酸側鎖脱アミド又は酸化による一次構造修正など他の要素を説明することはできない。

アレルギー感作を増加させる粒子の能力は、粒子の質量ではなく、粒子数及び表面領域によって予測される。アジュバント粒子の抗原内部移行の程度は、逆に、アジュバント凝集体の粒度に関係することを、Moorefieldらは明らかにした(Moorefieldら、2005、「樹状細胞によるin vitroでの抗原内部移行における、アルミニウム含有アジュバントの役割(Role of aluminum−containing adjuvants in antigen internalization by dendritic cells in vitro)」、Vaccine 23(13):1588〜1595頁)。マウスにおいて、質量又は容積ではなく、粒子直径、従って表面領域及び粒子数が、ポリスチレン粒子免疫学的応答における支配的な特性であることを、Nygaardらは明らかにした(Nygaardら、2004)。粒度は免疫原性にとって重要な特性パラメータである可能性が高いが、処方に応じた粒度分布PSD)と冷却速度とを、製造された生成物の他の物性と一緒に検討する総合的な研究が更になされなければならない。

アルミニウムアジュバントを含む更に有効なワクチンは、抗原が溶液中で遊離しているのではなくアルミニウム表面に結合しているものであるという、いくつかの共通見解がある(Lindblad、2004、アルミニウムアジュバント−−回顧及び展望(Aluminium adjuvants−−in retrospect and prospect)、Vaccine(22):3658〜68頁)。処方の再現性及び安定性については、抗原が結晶表面に最適に結合する条件、及び抗原が経時的に又は高いストレス条件下で脱着しない条件を定義することが望ましい。アルミニウムワクチンを構築するために、結合及び脱着を最適化するための研究を実施する必要がある。アルミニウムアジュバントは、特定の溶液pHで電荷0の点(PZC)を有するが、この値の上下のpHでは電荷がある。(White及びHem、2000、アルミニウム含有アジュバントの特性評価(Characterization of aluminium−containing adjuvants)、Dev Biol(Basel)、103:217〜28頁)。組換えタンパク質ワクチンの場合、最適な処方pHを選択することは更に複雑になり、一般に、望ましい免疫応答を得るにはアルミニウム塩アジュバントとの結合が必要とされる(McInerney、Brennanら、1999、HIV−1ペプチドを提示しているキメラ植物ウイルスに対する免疫応答を強化する5つのアジュバントの能力の分析(Analysis of the ability of five adjuvants to enhance immune responses to a chimeric plant virus displaying an HIV−1 peptide)、Vaccine、17:1359〜68頁)。アジュバントへのタンパク質結合を促進するために、タンパク質とアジュバントが反対の電荷を有する溶液pHが選択される。しかし、最適なタンパク質安定性をもたらす溶液pHは、ワクチンをアジュバントに適切に結合させない可能性が有る。そのような筋書では、ワクチンタンパク質を、安定性には次善のpHで調製し、長期貯蔵の間の分解を最小限に抑えるために適切な安定化賦形剤と共に凍結乾燥しなければならない可能性が有る。

貯蔵及び再構成する際に構造及び活性を安定化するためのタンパク質の凍結乾燥は、組換えタンパク質の治療用タンパク質に対して一般的に適用されてきた。これは通常、工程及び貯蔵の間にガラス状態を促進するトレハロースなどの二糖類並びに他の賦形剤存在下でのフリーズドライによって達成された。ガラス転移温度(Tg)以下で生成物が貯蔵される限り、タンパク質は長期間貯蔵でき、それ以上では材料がゴム様状態に遷移する。安定剤が、特定の部位と相互作用し、乾燥の間に水と置き換わることによって並びにタンパク質分子(α−緩和)又は分子の一部分(β−緩和)の並進及び回転運動を同時に抑制することによって、賦形剤は非晶質状態でタンパク質を安定化すると考えられる。特にリン酸アルミニウム又は水酸化アルミニウムアジュバントに吸着しているワクチンの場合、それほど多くはないが、乾燥技術がワクチンの長期貯蔵に適用されてきた。乾燥ワクチンを生成する殆どの試みは、温度の穏やかな逸脱を生き延びられる吸引可能な粉末又は製剤を得ようとするものだったので、高温条件における乾燥ワクチンの貯蔵に関してはデータが殆ど利用できない。例えば、黄熱ワクチンは、主に熱帯気候において使用されるので、安定剤(ラクトースソルビトール)の存在下で凍結乾燥を使用して生ウイルスワクチンの生存率を維持してきた(Monath、1996、黄熱ワクチンの安定性(Stability of yellow fever vaccine)、Dev Biol Stand、87:219〜25頁)。賦形剤無しでは、凍結乾燥及び貯蔵の間、−20℃を超えると活性は急速に失われるが、安定化ワクチンは37℃で2週間以上耐えることができる。疾患牛疫用の凍結乾燥ワクチンも開発され、低温流通方式から離れた後でもアフリカの現場条件で1ヵ月間まで利用できる(House及びMariner、1996、凍結乾燥工程の修正による牛疫ワクチンの安定化(Stabilization of rinderpest vaccine by modification of the lyophilization process)、Dev Biol Stand、87:235〜44頁)。最近、工程及び乾燥に関する変形を使用した類似の試みが、はしかワクチンの開発(Burger、Capeら、2008、弱毒化はしかウイルスワクチンの吸引可能な粉末用の安定化処方(Stabilizing formulations for inhalable powders of live−attenuated measles virus vaccine)、JAerosol Med Pulm Drug Deliv、21:25〜34頁;Burger、Capeら、2008、弱毒化生はしかウイルスワクチンの吸引可能な粉末用の安定化処方(Stabilizing Formulations for Inhalable Powders of Live−Attenuated Measles Virus Vaccine)、J Aerosol Med)及び免疫原の構造を保持できるような条件を考案することが恐らく非常に重要になるインフルエンザ用乾燥ワクチン粉末(Amorij、Meulenaarら、2007、糖ガラス技術を用いるインフルエンザサブユニットワクチン粉末の合理的設計:凍結及びフリーズドライの間のヘムアグルチニンの立体構造変化の防止(Rational design of an influenza subunit vaccine powder with sugar glass technology:preventing conformational changes of haemagglutinin during freezing and freeze−drying)、Vaccine、25:6447〜57頁;Amorij、Huckriedeら、2008、安定なインフルエンザワクチン粉末処方の開発:課題及び将来性(Development of Stable Influenza Vaccine Powder Formulations:Challenges and Possibilities)、Pharm Res)に適用された。現在のAVA炭疽菌(Bacillus anthracis)ワクチン(Biothrax(登録商標))を含めたワクチンには、安定剤として少量のホルムアルデヒド時々添加され、架橋タンパク質アルミニウム結晶の表面上で免疫原性の高いタンパク質凝集体を形成して作用することができる(Little、Ivinsら、2007、rPA炭疽菌ワクチンの処方における水酸化アルミニウムアジュバント及びホルムアルデヒドの効果(Effect of aluminum hydroxide adjuvant and formaldehyde in the formulation of rPA anthrax vaccine)、Vaccine、25:2771〜7頁)。ホルムアルデヒドは、培養上清(例えば破傷風菌(Clostridium tetani)トキソイドボツリヌス菌(Clostridium botulinum)トキソイドなど)から得られる旧式ワクチンにおける最適な安定剤として歴史的に使用されてきた。現在のAVAワクチンは、3年間安定性のラベルが付けられており、安定性はいくつかの生化学的評価及び効力の作用である。中程度の量の安定性は液体懸濁液ワクチンで達成できるが、備蓄及び配布されるワクチンに必要とされる全ての安定性パラメータを、より長期の貯蔵期間に対して満たせる可能性はない。

構造と機能を保持しながらの、治療用タンパク質の乾燥の成功は、溶液中で起こる分解経路の知識に左右され、適切な乾燥及び安定化用賦形剤によって分解を遅延又は排除することができる。ワクチンの場合、機能は、酵素活性ではなく免疫原性及び防御試験によって主に決定される。アルミニウムアジュバント結晶に吸着しているタンパク質免疫原の場合、タンパク質を分離し、分析のために取り除くことが困難な場合が有るので、in vitroにおける機能及び他のパラメータの測定は、それに応じて一層困難になる。したがって、機能は、免疫原性及び防御試験によってしか試験できない。タンパク質の三次立体構造は、酵素機能に明らかに影響を及ぼし得るが、存在する場合、立体構造によって決まるB細胞エピトープの免疫原性に影響を及ぼすことも有り得る。その中に含有される、B及びT細胞の直鎖状エピトープも、(メチオニン及びシステイン残基の)酸化及び(特にアスパラギン残基の)脱アミドによる影響を受け得る。pHは、治療用タンパク質の安定性に影響を与える最も重要な処方変数の1つである(Carpenter、Changら、2002、安定な凍結乾燥タンパク質処方の合理的な設計:理論と実際(Rational design of stable lyophilized protein formulations:theory and practice)、Pharm Biotechnol、13:109〜33頁;Chi、Krishnanら、2003、水溶液中のタンパク質の物理的安定性:外来性タンパク質の凝集の機序及び駆動力(Physical stability of proteins in aqueous solution:mechanim and driving forces in nonnative protein aggregation)、Pharm Res、20:1325〜36頁)。溶液中でのタンパク質の立体構造及びコロイド安定性に影響を及ぼすことによって、pHは、その凝集速度を大きく変調することができる(Chi、Krishnanら、2003、水溶液中のタンパク質の物理的安定性:外来性タンパク質の凝集の機序及び駆動力(Physical stability of proteins in aqueous solution:mechanim and driving forces in nonnative protein aggregation)、Pharm Res、20:1325〜36頁)。加えて、脱アミドの速度は、pHに強く左右される(Manning、Patelら、1989、タンパク質医薬品の安定性(Stability of protein pharmaceuticals)、Pharm Res、6:903〜18頁)。所与のタンパク質について、物理的及び化学的安定性に対して最適pH値が異なることも有り得る(Kolvenbach、Narhiら、1997、顆粒球コロニー刺激因子は、pH2で、熱的に安定で、小型で、部分的に折り畳まれた構造を維持する(Granulocyte−colony stimulating factor maintains a thermally stable, compact, partially folded structure at pH2)、J Pept Res、50:310〜8頁)。例えば、物理的安定性は、脱アミドが容認できないほど急速なpHで最適になる可能性が有る(Chang、Reederら、1996、組換えヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニストの安定なフリーズドライ処方の開発(Development of a stable freeze−dried formulation of recombinant human interleukin−1 receptor antagonist)、Pharm Res、13:243〜9頁)。そのような場合、これら反応の速度を最小限に抑える凍結乾燥処方を開発することにより、安定生成物を得るための実用的な戦略を提供できる。乾燥処方を凍結乾燥及び貯蔵する間の治療用タンパク質の安定性に対する凍結乾燥前の溶液のpH効果を検査した僅かな公表された研究により、このパラメータの重要性が実証された(Prestrelski、Pikalら、1995、フーリエ変換赤外分光を使用する乾燥状態の立体構造分析による組換えヒトインターロイキン−2の凍結乾燥条件の最適化(Optimization of lyophilization conditions for recombinant human interleukin−2 by dried−state conformational analysis using Fourier−transform infrared spectroscopy)、Pharm Res、12:1250〜9頁;Chang、Reederら、1996、組換えヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニストの安定なフリーズドライ処方の開発(Development of a stable freeze−dried formulation of recombinant human interleukin−1 receptor antagonist)、Pharm Res、13:243〜9頁;Katayama、Kirchhoffら、2004、PLSを使用する、プロジェニポエチン(progenipoietin)の凍結乾燥されたタンパク質処方の後向き統計分析:長期貯蔵安定性に重要なパラメータの決定(Retrospective statistical analysis of lyophilized protein formulations of progenipoietin using PLS:determination of the critical parameters for long−term storage stability)、J Pharm Sci、93:2609〜23頁)。これらの研究により、凍結乾燥及び貯蔵の間に、研究されるタンパク質に適切な物理的及び化学的安定性を付与する凍結乾燥前の溶液のpHを同定することの困難さが実証された。しかし、十分な量の安定化賦形剤が処方に含まれる場合、タンパク質の分解は最小限に抑えられる可能性がある。例えば、スクロース/タンパク質の質量比0.3未満のレベル及び6.5未満のpHの次善のスクロースを含有する溶液中で、組換えヒトインターロイキン−1−受容体アンタゴニスト(rhIL−1ra)を処方した後に凍結乾燥するとき、凍結乾燥後、貯蔵及び再構成の間に激しいタンパク質凝集が起こった(Chang、Reederら、1996、組換えヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニストの安定なフリーズドライ処方の開発(Development of a stable freeze−dried formulation of recombinant human interleukin−1 receptor antagonist)、Pharm Res、13:243〜9頁)。脱アミドは容認できないほど高い割合で起こったが、6より大きいpHで溶液から凍結乾燥した後、タンパク質の凝集は最小限に抑えられた。pH6.5で0.3より大きいスクロース/タンパク質質量比のスクロース量を含有する溶液から凍結乾燥した後には、両方の不安定化経路が阻害される可能性がある。別の例において、インターロイキン−2(IL−2)は、pH7でフリーズドライする間に著しく大きい構造摂動を有し、貯蔵及び再水和の後に、その摂動はpH5で溶液から凍結乾燥したサンプルより高いレベルの凝集をもたらした(Prestrelski、Pikalら、1995、フーリエ変換赤外分光を使用する乾燥状態の立体構造分析による組換えヒトインターロイキン−2の凍結乾燥条件の最適化(Optimization of lyophilization conditions for recombinant human interleukin−2 by dried−state conformational analysis using Fourier−transform infrared spectroscopy)、Pharm Res、12:1250〜9頁)。pH7における、凍結乾燥前の溶液処方へのスクロースの添加により、凍結乾燥後の貯蔵の間のIL−2の安定性が改善された。より最近、処方前に対するこの手法が、炭疽菌rPAで取り入れられ、経鼻投与用の乾燥粉末ワクチンの候補が作製された(Jiang、Joshiら、2006、経鼻粘膜運搬用炭疽菌ワクチンの粉末処方(Anthrax vaccine powder formulations for nasal mucosal delivery)、J Pharm sci、95:80〜96頁)。この場合、凍結乾燥前の溶液中のrPAについて、pH及び賦形安定剤を最適化する条件が確立された。トレハロースは、熱応力に対して可溶性rPAを安定化するということが決定された賦形剤の1つなので、rPAが急速に消失した液体サンプルと比較して、トレハロース含有乾燥ワクチンが、rPAの総含有量に関して40℃で少なくとも30日間安定である証拠があった。ガス駆動注射装置を使用する表皮運搬用の乾燥粉末組成物を得るために、マンニトールグリシン及びデキストラン(賦形剤総量の約6%w/vを超えない)の混合物存在下でアルミニウムに吸着しているB型肝炎ワクチン(HBsAg)を急速に凍結することにより、噴霧されるワクチンを液体窒素中に噴射した後に乾燥することを伴う急速凍結(噴霧フリーズドライ)の後に粒度及びマウスにおける相対的な免疫原性を保持したままのワクチンを得られることが判明した(Maa、Zhaoら、2003、ミョウバン−アジュバント化乾燥粉末ワクチン処方の安定化:機序と適用(Stabilization of alum−adjuvanted vaccine dry powder formulations:mechanism and application)、J Pharm Sci 92(2):319〜32頁)。通常通りの凍結乾燥したワクチンは処理後に凝集し、最小限の免疫原性しか無かったが、熱応力条件下で噴霧フリーズドライしたワクチンの挙動は決定されなかった。減少した免疫原性は、再構成後のアルミニウム粒子の凝集と関連付けられた。

より最近、Roserらは、アルミニウム粒子の凝集を防止することができる凍結乾燥方法を示唆した。Roserら、米国特許第6,890,512号は、15%(w/v)の過剰なトレハロースを水酸化アルミニウムの粒子懸濁液に添加することによって、脱水及び再水和の間に懸濁液中粒子全体が凝集することを防止する方法を開示している。トレハロース(α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノシド)は、乾燥からの植物細胞の保護に関与する天然に存在する二糖類である。トレハロースは、タンパク質構造を固定する糖ガラスを形成することによって乾燥の間タンパク質の変性を防止することが示された。Roserらは、全体の粒子の凝集の防止について開示しているが、粒子懸濁液の凍結速度の重要性又はトレハロース存在下におけるアルミニウム塩含有ワクチンの凍結乾燥前の粒度並びにタンパク質構造を制御及び維持するのに重要な他の要素については開示していない。粒度の維持は、アルミニウム粒子表面へのタンパク質免疫原の吸着の程度を制御するのに重要なパラメータであり、トレハロース又は他のガラス化賦形剤の含有量に加えて、凍結乾燥サイクルの間のいくつかの要素に影響される。これらの要素は、免疫原性及び防御免疫応答の生成に影響する。

アルミニウム塩アジュバントは、タンパク質又はペプチドサブユニットワクチンの免疫原性を増大させるために十分に調査された手段を提供する。ワクチンを強化するための様々な調査処方が、アルミニウム塩アジュバントの一層強力な代替物として開発されたが、FDA公認のヒトワクチンにおいては現在利用できない。免疫応答を強化するために設計される処方には、油中水型エマルジョン水中油型エマルジョン自己集合性マクロ構造、サイトカイン、サポニントール様受容体TLR−4、TLR−5及びTLR−9)アゴニスト免疫賦活性二本鎖RNA種、非メチル化DNAオリゴヌクレオチド並びにポリマー性微粒子及びナノ構造に基づく様々な組成物がある。これら組成物の多くは、注射されたワクチンの免疫原性を改善することを目的とし、いくつかの変形は、鼻腔内又は経口ワクチン接種用として運搬経路の変更に適用することができる。ワクチンの免疫原性を強化するために使用できる免疫賦活性分子の一分類の例として、リンパ球を活性化する直接的な免疫賦活性効果という理由で、脊椎動物DNAではなく細菌DNAを使用することができる。これは、細菌DNA中には非メチル化CpGジヌクレオチドが期待される頻度で存在するが、脊椎動物DNAにおいては十分に存在しないか又はメチル化されていることによる(Kriegら、1995)。特定の配列構成で非メチル化CpGジヌクレオチドを含有する合成オリゴデオキシヌクレオチドODN)を添加することによって活性化が引き起こされる場合もある。CpG DNAは、殆ど全ての(>95%)B細胞の増殖を誘導し、免疫グロブリンIg分泌を増加させる。CpG DNAによるこのB細胞活性化は、T細胞非依存的であり、抗原非特異的である。しかし、低濃度のCpG DNAによるB細胞の活性化は、B細胞の増殖とIg分泌の両方に関わるB細胞抗原受容体を介して伝達されるシグナルと強い相乗効果を有する(Kriegら、1995)。B細胞抗原受容体を介して及びCpG DNAによって引き起こされるB細胞シグナル伝達経路間のこの強い相乗効果は、抗原特異的免疫応答を促進する。B細胞に対するその直接的な効果に加えて、CpG DNAは、単球マクロファージ及び樹状細胞も直接活性化して、高レベルのIL−12を含めた様々なサイトカインを分泌させる(Klinmanら、1996;Halpernら、1996;Cowderyら、1996)。これらのサイトカインは、ナチュラルキラー(NK)細胞を刺激して、γ−インターフェロン(IFN−γ)を分泌させ、溶解活性を増大させた(上記Klinmanら、1996;上記Cowderyら、1996;Yamamotoら、1992;Ballasら、1996)。全体として、CpG DNAは、IL−12及びIFN−γによって支配され、Th2サイトカインを殆ど分泌しないTh1様パターンサイトカイン産生を誘導する(Klinmanら、1996)。他の分子は、トール様受容体を刺激する。一例は、フラジェリンであり、多数の細菌べん毛に含まれるタンパク質サブユニットである。フラジェリンは、TLR−5リガンドであり、そのような結合に応じて抗原提示細胞の生物学的機能の少なくとも1つを引き起こす。べん毛は、エシェリキア属(Escherichia)、サルモネラ属(Salmonella)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、バチルス属(Bacillus)、カンピロバクター属(Campylobacter)、ビブリオ属(Vibrio)、トレポネーマ属(Treponema)、レジオネラ属(Legionella)、クロストリジウム属(Clostridia)及びコーロバクター属(Caulobacter)のメンバーを含めた状及びらせん状細菌の表面に見られる。多形中央部位は、TLR5との結合に影響を及ぼさずに欠失させることができるが、フラジェリンの保存領域はTLR5結合に重要である。Genbank受入番号D13689、YP.sub.−−275549、YP.sub.−−275550、AAU18718、AAU18717、ZP.sub.−−00743095、EAO52626、YP.sub.−−315348、AAT28337、AAT28336、AAT28335、AAT28334、AAT28333、AAZ36356、AAZ33167、AAZ94424、AAZ91670、NP.sub.−−414908、BAD18052及びBAD18051など、数多くの細菌からのフラジェリン配列が当技術分野において利用可能である。精製アジュバント免疫刺激剤の3番目の例として、非毒性の、化学的に合成された又は酵素的に改変されたグラム陰性リポ多糖類誘導体は強力なアジュバントであり、TLR−4との結合及び活性化を介してリンパ球を刺激して作用する。例えば、モノホスホリルリピドA(MPL)は、リポ多糖類のリピドA成分の誘導体であり、炎症誘発性サイトカインの強力な活性剤である。天然のリピドA及びその元のLPSは強力な発熱特性を有し、ヒトにおいて発熱反応を誘導するが(Greisman及びHomick、J Immunol、109:1210〜1215頁(1972);Greisman及びHomick、J Infect Dis、128:257〜263頁(1973);Abemathy及びSpink、J Clin Invest、37:219〜225頁(1958);上記Rietschelら;及び上記Raetz(1993))、MPL及びその化学的に合成された類似体は毒性では無く、IL−1、IL−6及びTNF−αを含めた一通りの宿主炎症誘発性サイトカインを誘導する。

加えて、ヒトにおいて、1又は2用量後のアルミニウム塩に吸着しているサブユニットに対する免疫応答を強化するには、有効な抗体応答を生成するために共アジュバントが必要になると考えられる。アルミニウム塩と適合性があるいくつかのアジュバント化合物が、近年、アジュバントとして評価されてきた。これらのアジュバントには主として、モノホスホリルリピドA(MPL)及びQS−1並びにCpG配列がある。どのデータもCpG含有ワクチンの長期熱安定性については記載していないが、ヒト研究における炭疽菌ワクチンに関する最近のデータは、ヒト以外の霊長類及びヒトにおいてアジュバント処方にCpG7909を添加することによって、全抗rPA抗体及び炭疽菌毒素中和抗体の点で、AVA(AlOH吸着ワクチン)を著しく強化できることを示している(Klinman、2006、CpGオリゴヌクレオチドは、AVA、認可されている炭疽菌ワクチンによって誘発される免疫応答を加速し、促進する(CpG oligonucleotides accelerate and boost the immune response elicited by AVA, the licensed anthrax vaccine)、Expert Rev Vaccines、5:365〜9頁)。MPL及びQS−21は、アルミニウム塩と一緒に及びGlaxo Smith Kline Biologicsによって開発された特許権の有る油エマルジョン処方中でも使用された。ヒト及び動物モデル中のAlOHワクチンにおいて、QS−21が、耐性及び全身安全性についての十分な証拠で評価された。QS−21は、イオン性及び疎水性相互作用よってアルミニウム塩に結合しており、その一部分がミセル形態で溶液(水性ワクチン中)中に残っていると考えられている。QS−21は樹皮から精製されるサポニンであり、抗体と細胞媒介性免疫の両方を誘導するための広範なアジュバント効果を有する。機序は理解されていないが、ヒトワクチンとの関連で有効な用量レベルが評価された。アルミニウムを含むQS−21が臨床試験において評価され、抗原と一緒に処方されたQS−21の独立安全性試験が研究された。QS−21は、注射部位に痛み(回復する)を伴ったが、全身性副作用所見は殆ど無かった。(Waite、Jacobsonら、2001、サポニンアジュバントQS−21の異なる処方の安全性及び耐性を評価する3つの無作為二重盲検法臨床試験(Three double−blind, randomized trials evaluating the safety and tolerance of different formulations of the saponin adjuvant QS−21)、Vaccine、19:3957〜67頁)。ヒトにおけるいくつかの研究により、QS−21が、アルミニウムに吸着している抗原に対する応答を強化することが示された。これらには、マラリアワクチン候補におけるいくつかの臨床試験(Nardin、Oliveiraら、2000、合成マラリアペプチドワクチンは、定義したHLA遺伝子型のワクチン接種を受けた人において高レベルの抗体を誘発する(Synthetic malaria peptide vaccine elicits high levels of antibodies in vaccinees of definedHLAgenotypes)、J Infect Dis、182:1486〜96頁;Kashala、Amadorら、2002、免疫学的アジュバントQS−21と混合された熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)マラリアペプチドワクチンSPf66の新たな処方の安全性、耐性及び免疫原性(Safety, tolerability and immunogenicity of new formulations of the Plasmodium falciparum malaria peptide vaccine SPf66 combined with the immunological adjuvant QS−21)、Vaccine、20:2263〜77頁)、HIVgp120(Evans、McElrathら、2001、QS−21はヒトにおいて、HIV−1エンベロープサブユニットを免疫化する間の抗原用量を減らすことを可能にするアジュバントの効果を促進する(QS−21 promotes an adjuvant effect allowing for reduced antigen dose during HIV−1 envelope subunit immunization in humans)、Vaccine、19:2080〜91頁)及びより最近では、QS−21によって中和力価及び保護が強化されたデングウイルスサブユニットのアカゲザル(Rhesus macaque)臨床試験(Putnak、Collerら、2005、デング熱2型不活性化組換え型サブユニット及び弱毒化生ワクチン候補の、アカゲザルモデルにおける評価(An evaluation of dengue type−2 inactivated, recombinant subunit, and live−attenuated vaccine candidates in the rhesus macaque model)、Vaccine、23:4442〜52頁)がある。QS−21の溶液安定性は、長期安定性試験の下でよく研究されており、アジュバント活性があるQS−21(実際には2個の異性体から成る)が僅かに酸性緩衝液中で4年間以上非常に安定しているのに対して40℃では10日未満であることを示した(Kensil及びKammer、1998、QS−21:水溶性トリテルペン配糖体アジュバント(QS−21: a water−soluble triterpene glycoside adjuvant)、Expert Opin Investig Drugs、7:1475〜82頁)。QS−21は乾燥粉末として貯蔵され、その形態では永久に安定している。

リシン毒素は、トウゴマ(Ricinus communis)の実によって産生される64kDaのタンパク質である(Doan LG、リシン:毒性の機序、臨床症状及びワクチンの開発(Ricin:mechanism of toxicity, clinical manifestations, and vaccine development)、A review.Journal of Toxicology−Clinical Toxicology、2004;42(2):201〜8頁;Audi J、Belson M、Patel M、Schier J、Osterloh J、リシン中毒包括総説(Ricin poisoning:a comprehensive review)、JAMA、2005;294(18):2342〜51頁)。ホロ毒素は、ジスルフィド結合によって結合した二本のポリペプチド鎖(A及びB)から成る。A鎖(RTA)は、哺乳動物細胞においてタンパク質合成を阻害するリボゾーム不活性化タンパク質(RIP)である。B鎖(RTB)は、細胞表面のガラクトース残基に結合するレクチンである。一旦細胞に吸収されると、RTAは細胞質ゾル移行し、60Sリボゾームを酵素的に不活性化する(Smallshaw,JE及びVitetta,ES組換えリシンサブユニットワクチンであるRiVax(登録商標)の凍結乾燥処方は、免疫原性を保持している(A lyophilized formulation of RiVax, a recombinant ricin subunit vaccine, retains immunogenicity)、Vaccine、2010、3月11日;28(12):2428〜2435頁)。細胞の細胞質中にある一分子のRTAが、タンパク質合成を完全に阻害する。ヒトにおけるリシンの報告されている推定致死量は、吸入注入、又は摂取された場合、1〜25μg/kgである(Audiら)。その広い有用性と驚くべき毒性のため、リシンはバイオテロリズムに使用される潜在的薬剤に相当し、したがって疾病対策センターアトランタ GA(CDC)によって、レベルBの生物学的脅威に分類されている。実験的動物では、リシン中毒は、トキソイド又は脱グリコシル化リシンA鎖(dgRTA)を用いるワクチン接種によって、又は抗リシン抗体を用いる受動免疫によって防止できる。しかし、トキソイドはヒトにおける日常的な使用には毒性が強過ぎると考えられており、dgRTAは製造が困難且つ高価であり、また両方の活性部位を保持し、ヒトにおいて毒性の副作用を誘導する可能性がある。抗リシン抗体を用いる受動免疫は、リシン用量が比較的低く、抗体が曝露後数時間以内に投与される場合しか有効でない(Hewetson JF、RiveraVR、Creasia DA、LemleyPV、Rippy MK、Poli MA、リシンを用いるワクチン接種による又は異種抗体を用いる受動的処置による、吸入されたリシンからのマウスの保護(Protection of mice from inhaled ricin by vaccination with ricin or by passive treatment with heterologous antibody)、Vaccine、1993;11(7):743〜6頁)。

これらの制限を避けるために、組換えRTAワクチン(RiVax(登録商標))が開発された(Smallshawら)。RiVax(登録商標)には2個所点突然変異、Y80AとV76Mが組み込まれて、公知の毒性、すなわちリボ毒性と脈管漏出誘導能の両方を大きく低下させた又は除去した。マウス、ウサギ及びヒトにおけるアジュバント非存在下で、RiVax(登録商標)は非毒性であり、免疫原性である(Smallshaw JE、Firan A、Fulmer JR、Ruback SL、Ghetie V、VitettaES、リシン中毒に対してマウスを保護する新規組換えワクチン(A novel recombinant vaccine which protects mice against ricin intoxication)、Vaccine、2002;20(27〜28):3422〜7頁)。そのようなモデルによって、他のワクチンモデルと関係している毒性の多くを含まない肯定的な結果をもたらすことが明らかになった。

リシンは、現在、NIAID及び疾病対策予防センター(CDC)によって、レベルBの生物学的脅威剤として記載されている(Rotz、Khanら、2002、潜在的バイオテロ薬剤公衆衛生評価(Public health assessment of potential biological terrorism agents)、Emerging Infectious Diseases、8:225〜30頁)。ワクチン候補は、よく特徴付けられた分子の活性に関与するリシン毒素A鎖(RTA)内の残基を遺伝的に不活性化することによって得られる、リシン毒素に対する組換えサブユニットワクチンに基づいている。この改変された分子は、マウス、ウサギ及びヒトにおいて免疫原性であり、毒素を中和する抗体を誘導し、又は各生物種において全身的若しくは粘膜的な毒素の除去に関与している。天然痘又は炭疽菌の場合、テロが引き起こした流行病は、発生の徴候後の集団的ワクチン接種、選択的ワクチン接種又は包囲ワクチン接種によって防除することができる(Halloran、Longiniら、2002、バイオテロリスト天然痘封じ込め(Containing bioterrorist smallpox)、Science、298:1428〜32頁;Kaplan、Craftら、2002、天然痘攻撃に対する緊急対応:集団的ワクチン接種の場合(Emergency response to a smallpox attack:the case for mass vaccination)、Proc Natl Acad sci USA、99:10935〜40頁;Bozzette、Boerら、2003、天然痘ワクチン接種方針のモデル(A model for a smallpox−vaccination policy)、N Engl J Med、348:416〜25頁;Kretzschmar、van den Hofら、2004、包囲ワクチン接種と天然痘防除(Ring vaccination and smallpox control)、Emerg Infect Dis、10:832〜41頁)。一方、薬剤は複製しないので、生体毒素へのバイオテロリスト曝露に対するワクチン接種は、集団的ワクチン接種ではなく又は第一応答者など選ばれた集団において使用される可能性が高い。リシンの単離されたA及びBサブユニットは、大腸菌(Escherichia coli)及び他の組換え宿主で産生することができる。B鎖も、ワクチン候補に含まれるが、A鎖より免疫原性が低く、防御性が低いと考えられている(Maddaloni、Cookeら、2004、リシンに対する抗体の防御効果に関連する免疫学的特質(Immunological characteristics associated with the protective efficacy of antibodies to ricin)、Journal of Immunology、172:6221〜8頁)。リシンA鎖は、天然のリシンより少なくとも1000倍毒性が低いが、ワクチンとして使用したときに毒性をもたらす可能性が有る酵素活性をなおも保持している(Thorpe、Detreら、1985、メタ過ヨウ素酸シアノボヒドリド混合物を用いるリシン内の炭水化物の修飾。毒性及びin vivoでの分布に対する効果(Modification of the carbohydrate in ricin with metaperiodate−cyanoborohydride mixtures. Effects on toxicity and in vivo distribution)、European Journal of Biochemistry、147:197〜206頁)。リシンA鎖内のいくつかの重要なアミノ酸残基、Y80、Y123、E177、R180、N209及びW211は、酵素活性部位を構成している(Olson、1997、結合基質類似体に対するリシンA鎖の構造決定基:分子力学シミュレーション分析(Ricin A−chain structural determinant for binding substrate analogues:a molecular dynamics simulation analysis)、Proteins、27:80〜95頁;Lebeda及びOlson、1999、リボゾーム不活化タンパク質において保存されている中和エピトープの予測(Prediction of a conserved, neutralizing epitope in ribosome−inactivating proteins)、International Journal of Biological Macromolecules、24:19〜26頁)。これらアミノ酸残基のいくつかの変異により、タンパク質合成の阻害で決定されたように、僅かな毒性を有するリシンA鎖が得られた(Kim及びRobertus、1992、突然変異生成及びX線結晶解析によるリシンA鎖のいくつかの重要な活性部位残基の分析(Analysis of several key active site residues of ricin A chain by mutagenesis and X−ray crystallography)、Protein Engineering、5:775〜9頁)。内皮細胞に対するRTAの結合に関与する追加的な部位及び残基も同定され、その結合は細胞外で起こり、宿主細胞内への毒素侵入を必要としない(Baluna及びVitetta、1999、ヒト組織における抗毒素誘導脈管漏出を研究するためのin vivoモデル(An in vivo model to study immunotoxin−induced vascular leak in human tissue)、J Immunother、22:41〜7頁;Baluna、Colemanら、2000、リシンA鎖由来ペプチドに結合しているモノクローナル抗体のin vitroにおける内皮細胞に対する効果:毒素媒介性脈管損傷に対する洞察(The effect of a monoclonal antibody coupled to ricin A chain−derived peptides on endothelial cells in vitro:insights into toxin−mediated vascular damage)、Exp Cell Res、258:417〜24頁;Smallshaw、Ghetieら、2003、マウスにおける血管性漏出を除去するための抗毒素の遺伝子工学(Genetic engineering of an immunotoxin to eliminate pulmonary vascular leak in mice)、Nature Biotechnology、21:387〜91頁)。RTA上の内皮結合部位は、単離されたHUVEC細胞への損傷及び血管漏出症候群(VLS)の誘導に関係しており、RTA含有免疫毒素の使用における用量規定毒性であると決定された。(Smallshaw、Ghetieら、2003、マウスにおける肺血管性漏出を除去するための抗毒素の遺伝子工学(Genetic engineering of an immunotoxin to eliminate pulmonary vascular leak in mice)、Nature Biotechnology、21:387〜91頁)。SCIDマウス中のヒト皮膚異種移植片における肺血管性漏出及び脈管漏出とHUVEC細胞の両方に関与するRTAの部分は、アミノ酸残基L74、D75及びV76と関係していると思われる(Baluna、Rizoら、1999、内皮細胞への結合及び血管漏出症候群の開始に関与する可能性が有る、毒素並びにインターロイキン−2の構造的モチーフの証拠(Evidence for a structural motif in toxins and interleukin−2 that may be responsible for binding to endothelial cells and initiating vascular leak syndrome)、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、96:3957〜62頁)。したがって、これらの毒性部位を考慮したA鎖ワクチンが構築され、リシンA鎖の二重変異体を含む。内皮細胞の損傷のどんな可能性も最小限に抑えるために、酵素的部位にあるチロシン80はアラニンに変異され、脈管漏出部位にあるバリン76はメチオニンに変異される。このタンパク質が天然のリシンA鎖(RTA)と構造的に同一であることは、結晶構造データに基づいて現在公知であり、分子に含まれる点突然変異がどんな潜在的三次構造(又は、高次構造に依存的な潜在的エピトープ)も破壊しないことを示している。アジュバント非存在下でマウスに筋肉内(i.m.)投与したとき、変異体A鎖はリシンを認識する抗体を誘発し、動物を10xLD50用量のリシンから保護した(Smallshaw、Firanら、2002、リシン中毒に対してマウスを保護する新規な組換えワクチン(A novel recombinant vaccine which protects mice against ricinin intoxication)、Vaccine、20:3422〜7頁)。

天然PAは、AVA(吸着炭疽ワクチン)において支配的な免疫原であり、単一成分ワクチンとして曝露前及び曝露後の予防において防御免疫の標的になる。無毒性炭疽菌の天然PAの発現に基づいたアルミニウムに吸着しているいくつかの組換えPAワクチン(第2の世代)が進歩し、最近の第I相臨床試験において試験され、AVAに関して免疫原性であることが示された(Gorse、Keitelら、2006、組換え防御抗原(rPA102)炭疽菌ワクチンの用量上昇に対する免疫原性及び耐性:ランダム化二重盲検対照、多施設臨床試験(Immunogenicity and tolerance of ascending dose of a recombinant protective antigen(rPA102) anthrax vaccine:a randomized, double−blind, controlled, multicenter trial)、Vaccine、24:5950〜9頁;Campbell、Clementら、2007、健康な成人に投与された組換え防御抗原炭疽菌ワクチンの安全性、反応原性及び免疫原性(Safety, reactogenicity and immunogenicity of a recombinant protective antigen anthrax vaccine given to healthy adults)、Hum Vaccin、3:205〜11頁)。免疫の主要な相関は、ウサギ噴霧胞子抗原投与試験においてよく特徴付けられた(ELISA反応性抗体の総量及び毒素中和活性(TNA))(Little、Ivinsら、2004、ウサギにおける組換え炭疽菌ワクチンに対する防御血清学的相関の定義(Defining a serological correlate of protection in rabbits for a recombinant anthrax vaccine)、Vaccine、22:422〜30頁)。炭疽菌毒素が、炭疽菌によって発現される、プラスミドにコードされた3個組のタンパク質から成る三成分毒素であることは周知である:防御抗原(PA;83kDa)、致死因子LF;90kDa)及び浮腫因子(EF;89kDa)。7量体化したPAによって、LF及びEFは細胞外表面から細胞質内へと輸送され、哺乳動物細胞の分子標的を酵素的に改変して作用する。LFはいくつかのマイトジェン活性タンパク質キナーゼMAPキナーゼ)を切断し、活性化するメタロプロテアーゼであり、EFは細胞内cAMPレベルの急速な増加を引き起こすカルモジュリン依存性アデニル酸シクラーゼである。(Young及びCollier、2007、炭疽菌毒素:受容体結合、内部移行、細孔形成及び移行(Anthrax toxin:receptor binding, internalization, pore formation,and translocation)、Annu Rev Biochem、76:243〜65頁)。これらのタンパク質はそれぞれ無毒であるが、一緒に投与された場合には強力な毒素となり、急激な細胞死を引き起こす。

AVAワクチンは、今なお炭疽菌に対する唯一のワクチンであり、それを改善するための主要な動きは、いくつかの認知されている欠点に基づいている:固体免疫を実現するために6倍用量の投与計画が必要であること、それが安全ではなく反応原性が高いという認識、及びAVAの調製処理が未完成であり整合性不足しているという認識。PAは、AVAにおける主要な免疫原であるが、いくつかのロット中に存在する恐れがある少量のLF及びEFがワクチンの有効性に寄与するかどうかは明白でない。炭疽菌rPAの免疫原性の消失の主な要素には、アジュバント表面上での脱アミドの加速が関与している。これは、表面pHを低下させるための少量のホスファートの存在によって防止できる。開発中の他の特別なrPAワクチン候補がある。一般に、AVA又はPAを基にしたワクチンは、毒素中和抗体を誘導する(Pitt、Littleら、1999、吸入炭疽菌の動物モデルにおける免疫のin vitro相関(In vitro correlate of immunity in an animal model of inhalational anthrax)、J Appl Microbiol、87:304頁;Reuveny、Whiteら、2001、炭疽菌ワクチンによって付与される防御免疫の相関の探索(Search for correlates of protective immunity conferred by anthrax vaccine)、Infect Immun、69:2888〜93頁;Little、Ivinsら、2004、ウサギにおける組換え炭疽菌ワクチンに対する防御の血清学的相関の定義(Defining a serological correlate of protection in rabbits for a recombinant anthrax vaccine)、Vaccine、22:422〜30頁)。PAワクチンは感染の発生を制限するように設計されていないが、PAを基にしたワクチンの防御作用の根底にある機序は、中毒から宿主を保護する、従って免疫系が生物に対処できるようにする抗PA抗体に起因する。

現在、米国において、72種のワクチンがFDAに認可されている(米国食品医薬品局、米国における予防接種及び流通用として許諾されたワクチンの完全リスト(U.S.Food and Drug Administration.Complete List of Vaccines Licensed for Immunization and Distribution in the US.)FDA.6/3/2010)。これら72種のワクチンのうち、36%はアルミニウムアジュバントを含有し、30%はフリーズドライされている。72種のワクチンのいずれも、アルミニウムアジュバントとフリーズドライ成分の両方を含有してはいない。

当技術分野において、耐熱性の免疫学的に活性なフリーズドライワクチン製剤を製造する方法を開発する必要性があり、それには、防御免疫の急速な発生を促進するために組換え抗原が含まれる。

概要

本開示は、耐熱性ワクチンに関する組成物及びそれを調製する方法を提供する。具体的には、本開示は、組換えリシン神経毒タンパク質に基づく耐熱性ワクチンを調製する方法及び対象において免疫応答を誘発することが可能である組成物を開発するための共アジュバントの使用を提供する。

目的

アルミニウム塩アジュバントは、タンパク質又はペプチドサブユニットワクチンの免疫原性を増大させるために十分に調査された手段を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
1件

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請求項1

免疫学的活性アジュバントに結合している乾燥ワクチン組成物を調製する方法であって、(a)少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバント、少なくとも1つの揮発性塩を含有する少なくとも1種の緩衝液系、少なくとも1種のガラス形成剤及び少なくとも1個の抗原を用意するステップと、(b)(a)を一緒に混合して、液体ワクチン処方を作製するステップと、(c)(b)の前記液体ワクチン処方を凍結して、凍結ワクチン処方を作製するステップと、(d)(c)の前記凍結ワクチン処方を凍結乾燥して、乾燥ワクチン組成物を作製するステップとを含み、更に前記乾燥ワクチン組成物が対象において免疫応答を誘発することが可能である上記方法。

請求項2

前記対象によって発現される前記免疫応答が、抗原特異的な液性免疫及び/又は細胞媒介性免疫であることができる、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバントが、水酸化アルミニウムリン酸アルミニウム及び硫酸アルミニウムから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記少なくとも1種の緩衝液系が、アセタートスクシナートシトラートプロラミンアルギニングリシンヒスチジンボラートカルボナート及びホスファートから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記少なくとも1種の緩衝液系が、酢酸アンモニウムギ酸アンモニウム炭酸アンモニウム重炭酸アンモニウムトリエチルアンモニウムアセタート、トリエチルアンモニウムホルマート、トリエチルアンモニウムカルボナート、トリメチルアミンアセタート、トリメチルアミンホルマート、トリメチルアミンカルボナート、ピリジナルアセタート及びピリジナルホルマートから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記少なくとも1種のガラス形成剤が、トレハローススクロースフィコールデキストラン、スクロース、マルトトリオースラクトースマンニトールヒドロキシエチルスターチ、グリシン、シクロデキストリン及びポビドンから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記少なくとも1種のガラス形成剤が、トレハロースであり、トレハロースが、フリーズドライ前の液体ワクチン処方中に約5%〜約15%重量対容積濃度で存在する、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記少なくとも1種のガラス形成剤が、トレハロースであり、トレハロースが、液体ワクチン処方中に約8%〜約20%重量対容積濃度で存在する、請求項1に記載の方法。

請求項9

少なくとも1種の免疫学的に活性な共アジュバントが、ステップ(a)に添加される、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記少なくとも1つの免疫学的に活性な共アジュバントが、リピドA、リピドA誘導体モノホスホリルリピドA、モノホスホリルリピドAの化学的類似体、CpG含有オリゴヌクレオチドTLR−4アゴニストフラジェリングラム陰性細菌由来フラジェリン、TLR−5アゴニスト、TLR−5受容体に結合可能なフラジェリン断片、サポニンサポニン類似体、QS−21、精製サポニン画分ISCOMS並びにステロール及び脂質とサポニンとの混合物、から成る群から選択される、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記凍結ステップが、トレイ凍結、凍結、噴霧凍結及びシェル凍結のうち1つを含む、請求項1に記載の方法。

請求項12

前記凍結ステップが、凍結ステップを始めるために予冷されたトレイの使用を含む、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記抗原が、ロタウイルス(rotavirus)、口蹄疫ウイルス(footandmouthdiseasevirus)、A型インフルエンザウイルス(influenzavirusA)、B型インフルエンザウイルス(influenzavirusB)、C型インフルエンザウイルス(influenzavirusC)、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、H10N7、ヒトパラインフルエンザ2型(humanparainfluenzatype2)、単純疱疹ウイルス(herpessimplexvirus)、エプスタイン−バーウイルス(Epstein−Barrvirus)、水痘ウイルス(varicellavirus)、豚ヘルペスウイルス1(porcineherpesvirus1)、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus)、リッサウイルス(lyssavirus)、炭疽菌(bacillusanthracis)、炭疽菌PA及び誘導体、ポリオウイルス(poliovirus)、A型肝炎(hepatitisAvirus)、B型肝炎(hepatitisBvirus)、C型肝炎(hepatitisCvirus)、E型肝炎(hepatitisEvirus)、ジステンパーウイルス(distempervirus)、ベネズエラ脳脊髄炎(venezuelanequineencephalomyelitis)、ネコ白血病ウイルス(felineleukemiavirus)、レオウイルス(reovirus)、RSウイルス(respiratorysyncytialvirus)、ラッサ熱ウイルス(lassafevervirus)、ポリオーマ腫瘍ウイルス(polyomatumorvirus)、イヌパーボウイルス(canineparvovirus)、パピローマウイルス(papillomavirus)、ダニ媒介性脳炎ウイルス(tickborneencephalitisvirus)、牛疫ウイルス(rinderpestvirus)、ヒトライノウイルス種(humanrhinovirusspecies)、エンテロウイルス種(enterovirusspecies)、メンゴウイルス(mengovirus)、パラミクソウイルス(paramyxovirus)、トリ伝染性気管支炎ウイルス(avianinfectiousbronchitisvirus)、ヒトT細胞白血病リンパ腫ウイルス1(humanT−cellleukemia−lymphomavirus1)、ヒト免疫不全ウイルス1(humanimmunodeficiencyvirus1)、ヒト免疫不全ウイルス2(humanimmunodeficiencyvirus2)、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(lymphocyticchoriomeningitisvirus)、パルボウイルスB19(parvovirusB19)、アデノウイルス(adenovirus)、風疹ウイルス(rubellavirus)、黄熱ウイルス(yellowfevervirus)、デング熱ウイルス(denguevirus)、ウシRSウイルス(bovinerespiratorysyncitialvirus)、コロナウイルス(coronavirus)、百日咳菌(bordetellapertussis)、気管支敗血症菌(bordetellabronchiseptica)、パラ百日咳菌(bordetellaparapertussis)、ウシ流産菌(brucellaabortis)、マルタ熱菌(brucellamelitensis)、ブタ流産菌(brucellasuis)、流産菌(brucellaovis)、ブルセラ種(brucellaspecies)、大腸菌(escherichiacoli)、サルモネラ種(salmonellaspecies)、チフス菌(salmonellatyphi)、連鎖球菌(streptococci)、コレラ菌(vibriocholerae)、腸炎ビブリオ(vibrioparahaemolyticus)、赤痢菌属(shigella)、シュードモナス属(pseudomonas)、結核菌(tuberculosis)、トリ結核菌(avium)、カルメットゲラン桿菌(BacilleCalmetteGuerin)、らい菌(mycobacteriumleprae)、肺炎球菌(pneumococci)、ブドウ球菌属(staphylococci)、エンテロバクター種(enterobacterspecies)、ロシャリメア・ヘンセラ(rochalimaiahenselae)、ヘモリチカ菌(pasteurellahaemolytica)、出血性敗血症菌(pasteurellamultocida)、トラコーマ病原体(chlamydiatrachomatis)、オウム病クラミジア(chlamydophilapsittaci)、鼠径リンパ肉芽腫(lymphogranulomavenereum)、梅毒トレポネーマ(treponemapallidum)、ヘモフィルス種(haemophilusspecies)、マイコプラズマ・ボヴィゲニタリウム(mycoplasmabovigenitalium)、マイコプラズマ(mycoplasmapulmonis)、マイコプラズマ種(mycoplasmaspecies)、ライム病菌(borreliaburgdorferi)、在郷軍人病菌(legionallapneumophila)、ボツリヌス菌(clostridiumbotulinum)、ジフテリア菌(corynebacteriumdiphtheriae)、腸炎エルシニア(yersiniaentercolitica)、ロッキー山紅斑熱リケッチア(rickettsiarickettsii)、発疹熱リケッチア(rickettsiatyphi)、発疹チフスリケッチア(rickettsiaprowsaekii)、エーリキアシャフェンシス(ehrlichiachaffeensis)、アナプラズマファゴサイトフィルム(anaplasmaphagocytophilum)、熱帯熱マラリア原虫(plasmodiumfalciparum)、三日熱マラリア原虫(plasmodiumvivax)、四日熱マラリア原虫(plasmodiummalariae)、住血吸虫属(schistosomes)、トリパノソーマ属(trypanosomes)、リーシュマニア種(leishmaniaspecies)、フィラリア・ネマトデス(filarialnematodes)、トリコモナス症(trichomoniasis)、肉胞子虫症(sacrosporidiasis)、無鉤条虫(taeniasaginata)、有鉤条虫(taeniasolium)、リーシュマニア属(leishmania)、トキソプラズマ原虫(toxoplasmagondii)、旋毛虫(trichinellaspiralis)、コクシジウム症(coccidiosis)、鶏球虫(eimeriatenella)、クリプトコッカスネオフォルマンス(cryptococcusneoformans)、カンジダアルビカンス(candidaalbican)、アスペルギルスフミガーツス(aspergillusfumigatus)、コクシジオイデス症(coccidioidomycosis)、淋菌(neisseriagonorrhoeae)、マラリア原虫スポロゾイト表面タンパク質(malariacircumsporozoiteprotein)、マラリアメロゾイトタンパク質(malariamerozoiteprotein)、トリパノソーマ表面抗原タンパク質(trypanosomesurfaceantigenprotein)、百日咳(pertussis)、アルファウイルス属(alphaviruses)、アデノウイルス(adenovirus)、ジフテリアトキソイド(diphtheriatoxoid)、破傷風トキソイド(tetanustoxoid)、髄膜炎菌(meningococcal)外膜タンパク質、連鎖球菌(streptococcal)Mタンパク質インフルエンザ赤血球凝集素(influenzahemagglutinin)、癌抗原腫瘍抗原毒素ウェルシュ菌(clostridiumperfringens)ε毒素、リシン毒素シュードモナス(pseudomonas)外毒素、外毒素、神経毒サイトカインサイトカイン受容体モノカイン、モノカイン受容体、植物花粉動物鱗屑及びほこりダニ、から成る群から選択される又はそれから得られる、請求項1に記載の方法。

請求項14

乾燥ワクチン組成物を水性希釈剤再構成して、再構成されたワクチン組成物を形成する、請求項1に記載の方法。

請求項15

前記再構成されたワクチン組成物が、100マイクロメートル未満平均粒子直径を含有する、請求項13に記載の方法。

請求項16

前記液体ワクチン処方が、最初に高張混合物として調製され、その後凍結され、次いで前記乾燥ワクチン組成物を水性希釈剤で希釈する際に等張ベルに調整される、請求項1に記載の方法。

請求項17

ワクチン組成物であって(a)少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバントと、(b)少なくとも1種の緩衝剤が揮発性塩を含む、前記少なくとも1種の緩衝剤と、(c)少なくとも1種のガラス形成剤と、(d)少なくとも1個の抗原とを含み、前記組成物を凍結乾燥して、乾燥ワクチン組成物を作製し、更に前記乾燥ワクチン組成物が、対象において免疫応答を誘発することが可能である上記ワクチン組成物。

請求項18

前記少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバントが、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム及び硫酸アルミニウムから成る群から選択される、請求項17に記載のワクチン組成物。

請求項19

前記少なくとも1種の緩衝剤が、アセタート、スクシナート、シトラート、プロラミン、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、ボラート、カルボナート及びホスファートから成る群から選択される、請求項17に記載のワクチン組成物。

請求項20

前記少なくとも1種の緩衝剤が、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、トリエチルアンモニウムアセタート、トリエチルアンモニウムホルマート、トリエチルアンモニウムカルボナート、トリメチルアミンアセタート、トリメチルアミンホルマート、トリメチルアミンカルボナート、ピリジナルアセタート及びピリジナルホルマートから成る群から選択される、請求項17に記載のワクチン組成物。

請求項21

前記少なくとも1種のガラス形成剤が、トレハロース、スクロース、フィコール、デキストラン、スクロース、マルトトリオース、ラクトース、マンニトール、ヒドロキシエチルスターチ、グリシン、シクロデキストリン及びポビドンから成る群から選択される、請求項17に記載のワクチン組成物。

請求項22

前記組成物が、少なくとも1種の免疫学的に活性な共アジュバントを含む、請求項17に記載のワクチン組成物。

請求項23

前記少なくとも1種の免疫学的に活性な共アジュバントが、リピドA、リピドA誘導体、モノホスホリルリピドA、モノホスホリルリピドAの化学的類似体、CpG含有オリゴヌクレオチド、TLR−4アゴニスト、フラジェリン、グラム陰性細菌由来フラジェリン、TLR−5アゴニスト、TLR−5受容体に結合可能なフラジェリン断片、サポニン、サポニン類似体、QS−21、精製サポニン画分、ISCOMS並びにステロール及び脂質とサポニンとの混合物、から成る群から選択される、請求項22に記載のワクチン組成物。

請求項24

前記抗原が、ロタウイルス(rotavirus)、口蹄疫ウイルス(footandmouthdiseasevirus)、A型インフルエンザウイルス(influenzavirusA)、B型インフルエンザウイルス(influenzavirusB)、C型インフルエンザウイルス(influenzavirusC)、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、H10N7、ヒトパラインフルエンザ2型(humanparainfluenzatype2)、単純疱疹ウイルス(herpessimplexvirus)、エプスタイン−バーウイルス(Epstein−Barrvirus)、水痘ウイルス(varicellavirus)、豚ヘルペスウイルス1(porcineherpesvirus1)、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus)、リッサウイルス(lyssavirus)、炭疽菌(bacillusanthracis)、炭疽菌PA及び誘導体、ポリオウイルス(poliovirus)、A型肝炎(hepatitisAvirus)、B型肝炎(hepatitisBvirus)、C型肝炎(hepatitisCvirus)、E型肝炎(hepatitisEvirus)、ジステンパーウイルス(distempervirus)、ベネズエラ馬脳脊髄炎(venezuelanequineencephalomyelitis)、ネコ白血病ウイルス(felineleukemiavirus)、レオウイルス(reovirus)、RSウイルス(respiratorysyncytialvirus)、ラッサ熱ウイルス(lassafevervirus)、ポリオーマ腫瘍ウイルス(polyomatumorvirus)、イヌパーボウイルス(canineparvovirus)、パピローマウイルス(papillomavirus)、ダニ媒介性脳炎ウイルス(tickborneencephalitisvirus)、牛疫ウイルス(rinderpestvirus)、ヒトライノウイルス種(humanrhinovirusspecies)、エンテロウイルス種(enterovirusspecies)、メンゴウイルス(mengovirus)、パラミクソウイルス(paramyxovirus)、トリ伝染性気管支炎ウイルス(avianinfectiousbronchitisvirus)、ヒトT細胞白血病リンパ腫ウイルス1(humanT−cellleukemia−lymphomavirus1)、ヒト免疫不全ウイルス1(humanimmunodeficiencyvirus1)、ヒト免疫不全ウイルス2(humanimmunodeficiencyvirus2)、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(lymphocyticchoriomeningitisvirus)、パルボウイルスB19(parvovirusB19)、アデノウイルス(adenovirus)、風疹ウイルス(rubellavirus)、黄熱ウイルス(yellowfevervirus)、デング熱ウイルス(denguevirus)、ウシRSウイルス(bovinerespiratorysyncitialvirus)、コロナウイルス(coronavirus)、百日咳菌(bordetellapertussis)、気管支敗血症菌(bordetellabronchiseptica)、パラ百日咳菌(bordetellaparapertussis)、ウシ流産菌(brucellaabortis)、マルタ熱菌(brucellamelitensis)、ブタ流産菌(brucellasuis)、羊流産菌(brucellaovis)、ブルセラ種(brucellaspecies)、大腸菌(escherichiacoli)、サルモネラ種(salmonellaspecies)、チフス菌(salmonellatyphi)、連鎖球菌(streptococci)、コレラ菌(vibriocholerae)、腸炎ビブリオ(vibrioparahaemolyticus)、赤痢菌属(shigella)、シュードモナス属(pseudomonas)、結核菌(tuberculosis)、トリ結核菌(avium)、カルメット・ゲラン桿菌(BacilleCalmetteGuerin)、らい菌(mycobacteriumleprae)、肺炎球菌(pneumococci)、ブドウ球菌属(staphylococci)、エンテロバクター種(enterobacterspecies)、ロシャリメア・ヘンセラ(rochalimaiahenselae)、ヘモリチカ菌(pasteurellahaemolytica)、出血性敗血症菌(pasteurellamultocida)、トラコーマ病原体(chlamydiatrachomatis)、オウム病クラミジア(chlamydophilapsittaci)、鼠径リンパ肉芽腫(lymphogranulomavenereum)、梅毒トレポネーマ(treponemapallidum)、ヘモフィルス種(haemophilusspecies)、マイコプラズマ・ボヴィゲニタリウム(mycoplasmabovigenitalium)、肺マイコプラズマ(mycoplasmapulmonis)、マイコプラズマ種(mycoplasmaspecies)、ライム病菌(borreliaburgdorferi)、在郷軍人病菌(legionallapneumophila)、ボツリヌス菌(clostridiumbotulinum)、ジフテリア菌(corynebacteriumdiphtheriae)、腸炎エルシニア(yersiniaentercolitica)、ロッキー山紅斑熱リケッチア(rickettsiarickettsii)、発疹熱リケッチア(rickettsiatyphi)、発疹チフスリケッチア(rickettsiaprowsaekii)、エーリキア・シャフェンシス(ehrlichiachaffeensis)、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(anaplasmaphagocytophilum)、熱帯熱マラリア原虫(plasmodiumfalciparum)、三日熱マラリア原虫(plasmodiumvivax)、四日熱マラリア原虫(plasmodiummalariae)、住血吸虫属(schistosomes)、トリパノソーマ属(trypanosomes)、リーシュマニア種(leishmaniaspecies)、フィラリア・ネマトデス(filarialnematodes)、トリコモナス症(trichomoniasis)、肉胞子虫症(sacrosporidiasis)、無鉤条虫(taeniasaginata)、有鉤条虫(taeniasolium)、リーシュマニア属(leishmania)、トキソプラズマ原虫(toxoplasmagondii)、旋毛虫(trichinellaspiralis)、コクシジウム症(coccidiosis)、鶏球虫(eimeriatenella)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(cryptococcusneoformans)、カンジダ・アルビカンス(candidaalbican)、アスペルギルス・フミガーツス(aspergillusfumigatus)、コクシジオイデス症(coccidioidomycosis)、淋菌(neisseriagonorrhoeae)、マラリア原虫スポロゾイト表面タンパク質(malariacircumsporozoiteprotein)、マラリアメロゾイトタンパク質(malariamerozoiteprotein)、トリパノソーマ表面抗原タンパク質(trypanosomesurfaceantigenprotein)、百日咳(pertussis)、アルファウイルス属(alphaviruses)、アデノウイルス(adenovirus)、ジフテリアトキソイド(diphtheriatoxoid)、破傷風トキソイド(tetanustoxoid)、髄膜炎菌(meningococcal)外膜タンパク質、連鎖球菌(streptococci)Mタンパク質、インフルエンザ赤血球凝集素(influenzahemagglutinin)、癌抗原、腫瘍抗原、毒素、ウェルシュ菌(clostridiumperfringens)ε毒素、リシン毒素、シュードモナス(pseudomonas)外毒素、外毒素、神経毒、サイトカイン、サイトカイン受容体、モノカイン、モノカイン受容体、植物花粉、動物の鱗屑及びほこりダニ、から成る群から選択される又はそれから得られる、請求項17に記載のワクチン組成物。

技術分野

0001

政府支援に関する記載
この発明は、National Institutes of Healthからの補助金UO1−A1−08−2210に基づく政府支援で行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。

0002

本発明は一般に、乾燥ワクチン組成物の分野に関する。より具体的には、アジュバントに結合し、免疫賦活性分子を含有する乾燥ワクチン組成物を製造する方法に関する。

背景技術

0003

組換えタンパク質を含有するワクチンは、免疫応答を誘発するのにアジュバントの恩恵を受けるか又はそれを無条件に必要とする。(Callahanら、1991、抗原−アジュバント相互作用の最適化における表面電荷重要性(The importance of surface charge in the optimization of antigen−adjuvant interactions)、Pharm.Res.8(7):851〜858頁;Singh及びO’Hagan 1999、ワクチンアジュバントにおける進歩(Advances in vaccine adjuvants)、Nat Biotechnol 17(11):1075〜81頁;及びO’Haganら、2001、感染症ワクチン用アジュバントにおける最近の動向(Recent developments in adjuvants for vaccines against infectious diseases)、Biomol Eng 18(3):69〜85頁)。アルミニウム塩アジュバントは、小児及び成人投与されるワクチンにおける安全使用の歴史豊富なため、ヒトでの一般的な使用に現在最も広く使用されているアジュバントである。現在FDAに認可されているワクチンに記載されているアジュバントは、アルミニウム塩アジュバントである水酸化アルミニウム及びリン酸アルミニウムだけである。アルミニウム塩アジュバントは、ワクチンの免疫原性強化し、並びにワクチン中のタンパク質の用量レベルを減少させ、防御抗体力価を上昇させ、最初の一連ワクチン接種が終了した後の年次ワクチン接種の必要性を減少させることによってワクチン接種の予後を著しく好転させる。それにもかかわらず、組換えタンパク質、ペプチド及び化学合成ワクチンに基づく多くのサブユニットワクチンにおけるアルミニウム塩アジュバントの使用は著しく制限される。アルミニウムアジュバントを含有するワクチンは狭い温度範囲内でしか貯蔵できず、冷凍できないので、これらの制限には、ワクチンの貯蔵及び安定性の一般的側面が有る。更なる制限には、アルミニウムアジュバントが比較的弱く、細胞性免疫発現を促進せず、及びウイルス感染を阻止する又は生体毒素活性阻害するために中和抗体が必要である場合に非中和性である抗体の発現に有利に働き得るという一般に認められた見識がある。

0004

アルミニウムアジュバントの場合、適切な免疫原性を得るためには、抗原は、アジュバントの表面に吸着されなければならないことが示唆された(Guptaら、1995、アルミニウム及びカルシウム化合物のアジュバント特性(Adjuvant Properties of Aluminum and Calcium Compounds)、Pharmaceutical Biotechnology.6:229〜248頁;並びにWhite及びHem、2000、アルミニウム含有アジュバントの特性評価(Characterization of aluminium−containing adjuvants)、Dev Biol(Basel)103:217〜28頁)。この吸着は通常、抗原とアジュバントとの静電的相互作用よって促進され、処方pHは通常、抗原とアジュバントが逆帯電するように選択される(Callahanら、1991)。アジュバント上の表面電荷は、ホスファートスクシナート及びシトラートなどの緩衝塩との表面交換反応によって改変することもできる(Hem及びWhite、1984、非経口ワクチンにおけるアジュバント用水酸化アルミニウムの特性評価(Characterization of aluminium hydroxide for use as an adjuvant in parenteral vaccines)、J Parenter Sci Technol、38(1):2〜10頁;Changら、1997、水酸化アルミニウムアジュバントによるタンパク質の吸着における静電引力役割(Role of the electrostatic attractive force in the adsorption of proteins by aluminium hydroxide adjuvant)、PDA J Pharm Sci Technol、51(1):25〜9頁;及びRinellaら、1996、塩基性タンパク質の吸着を最適化するための水酸化アルミニウムアジュバントの処理(Treatment of aluminium hydroxide adjuvant to optimize the adsorption ofbasicproteins)、Vaccine、14(4):298〜300頁)。アルミニウム塩アジュバントの作用機序は、十分に理解されていないが、いくつかの異なる機序に起因する可能性がある(Lindblad、2004、「ワクチン用アルミニウム化合物(Aluminium compounds for use in vaccines)」、Immunol.Cell.Biol.82(5):497〜505頁;Gupta及びSiber、1995、ヒトワクチン用アジュバント−現状、問題点及び将来展望(Adjuvants for Human Vaccines−−Current Status,Problems and Future−Prospects)、Vaccine 13(14):1263〜1276頁;O’Hagan D編、Vaccine Adjuvants:Preparation Methods and Research Protocols、Totowa、N.J.:Humana Press Inc.65〜89頁中の;Gupta及びRost、2000、ワクチンアジュバントとしてのアルミニウム化合物(Aluminium Compounds as Vaccine Adjuvants);Cox及びCoulter、1997、アジュバント−−その作用機序の分類及び概説(Adjuvants−−a classification and review of their modes of action)、Vaccine 15(3):248〜256頁)。一般に提唱されている機序では、アジュバントは注入部位デポとして作用し、投与後に抗原がゆっくりと放出される(Cox及びCoulter、1997)。提唱されている別の機序では、アジュバントが抗原提示細胞への抗原の運搬を助ける(Lindblad、2004)。提唱されている更なる機序では、アジュバントは免疫賦活剤として機能し、Th2サイトカインを誘発する(Grun及びMaurer、1989、マウスにおいて2つの異なるアジュバント媒体を利用して誘発される異なるヘルパーT細胞サブセット:増殖応答における内在性インターロイキン1の役割(Different T helper cell subsets elicited in mice utilizing two different adjuvant vehicles:the role of endogenous interleukin 1 in proliferative responses)、Cell Immunol 121(1):134〜145頁)。提唱された更に別の機序では、アジュバントは、アジュバント表面上でタンパク質抗原不安定化させ、タンパク質分解に対してより感受性にする(Jonesら、2005、モデルタンパク質抗原の構造及び安定性に対するアルミニウム塩アジュバントへの吸着の効果(Effects of adsorption to aluminium salt adjuvants on the structure and stability of model protein antigens)、J Biol Chem 280(14):13406〜13414頁;及びThatら、2004、「抗原安定性は、抗原提示を制御する(Antigen stability controls antigen presentation)」、J.Biol.Chem.279(48):50257〜50266頁)。

0005

作用機序は十分に理解されていないが、表面領域、表面電荷及びアジュバントの形態が、これらアジュバント上に吸着した抗原に対する免疫応答を決定づける重要な要素である可能性がある(Hem及びWhite、1984)。ワクチンアジュバントの粒度が小さいほど、ワクチン製剤がより免疫原性になると一般に理論付けられており、特に粒度がおよそ1ミクロンであるとき、サイズは、プロフェッショナル抗原提示細胞への取り込みに最も適している(Maaら、2003、ミョウバンアジュバント化乾燥粉末ワクチン処方の安定化:機序と適用(Stabilization of alum−adjuvanted vaccine dry powder formulations:mechanism and application)、J Pharm Sci 92(2):319〜332頁、Diminskyら、1999、CHO由来B型肝炎表面抗原(HBsAg)粒子物理的、化学的及び免疫学的安定性(Physical, Chemical and immunological stability of CHO−derived hepatitis B surface antigen(HBsAg)particles)、Vaccine 18(1〜2):3〜17頁)。

0006

凍結乾燥フリーズドライ)は、様々なタンパク質製剤の長期安定性を改善するためにしばしば利用される工程である。しかし、安定性を改善しようとしてアルミニウム塩アジュバントと一緒に処方されたワクチンを、凍結及び凍結乾燥によって処理すると、効力消失が起こる。ここで効力とは、動物における免疫原性、タンパク質抗原の化学分解、タンパク質抗原の変性、又は置換免疫原性エピトープの消失を含めることができる一連の試験によって測定可能なワクチンの質の総和である。ヒトにおいて、効力の消失は効能の消失を伴う。これまでの研究により、アジュバントを含有するフリーズドライワクチン生成物は、アジュバント粒子の凝集が原因で製造できないことが示唆されてきた(Diminskyら、1999;Maaら、2003)。アルミニウム塩アジュバントを加えて処方したワクチンの凍結乾燥後の効力の消失に関与する可能性がある機序を説明するために、いくつかの原理が記載されてきた。粒子の凝集は、著しい消失の原因になり得る。例えば、凍結及び融解後のアルミニウムヒドロキシカーボネート及び水酸化マグネシウムゲルの凝集は、粒子を結合させる氷晶形成に起因しており、不可逆的凝集をもたらした。(Zapataら、1984、アルミニウムヒドロキシカーボネート及び水酸化マグネシウムゲルの凍結融解不安定性の機序(Mechanism of freeze−thaw instability of aluminum hydroxycarbonate and magnesium hydroxide gels)J Pharm Sci 73(1):3〜8頁)。この説明は、Maaら、2003によって提唱され、冷却速度が速ければ速いほど氷核形成の速度は高まり、より小さい氷晶が形成され、それによりアルミニウム粒子を凝集させないことが更に示唆された。したがって、粒子の凝集によって、効力の消失を説明することはできるが、タンパク質立体構造三次構造)の消失、タンパク質二次構造の消失、及びアミノ酸側鎖脱アミド又は酸化による一次構造修正など他の要素を説明することはできない。

0007

アレルギー感作を増加させる粒子の能力は、粒子の質量ではなく、粒子数及び表面領域によって予測される。アジュバント粒子の抗原内部移行の程度は、逆に、アジュバント凝集体の粒度に関係することを、Moorefieldらは明らかにした(Moorefieldら、2005、「樹状細胞によるin vitroでの抗原内部移行における、アルミニウム含有アジュバントの役割(Role of aluminum−containing adjuvants in antigen internalization by dendritic cells in vitro)」、Vaccine 23(13):1588〜1595頁)。マウスにおいて、質量又は容積ではなく、粒子直径、従って表面領域及び粒子数が、ポリスチレン粒子免疫学的応答における支配的な特性であることを、Nygaardらは明らかにした(Nygaardら、2004)。粒度は免疫原性にとって重要な特性パラメータである可能性が高いが、処方に応じた粒度分布PSD)と冷却速度とを、製造された生成物の他の物性と一緒に検討する総合的な研究が更になされなければならない。

0008

アルミニウムアジュバントを含む更に有効なワクチンは、抗原が溶液中で遊離しているのではなくアルミニウム表面に結合しているものであるという、いくつかの共通見解がある(Lindblad、2004、アルミニウムアジュバント−−回顧及び展望(Aluminium adjuvants−−in retrospect and prospect)、Vaccine(22):3658〜68頁)。処方の再現性及び安定性については、抗原が結晶表面に最適に結合する条件、及び抗原が経時的に又は高いストレス条件下で脱着しない条件を定義することが望ましい。アルミニウムワクチンを構築するために、結合及び脱着を最適化するための研究を実施する必要がある。アルミニウムアジュバントは、特定の溶液pHで電荷0の点(PZC)を有するが、この値の上下のpHでは電荷がある。(White及びHem、2000、アルミニウム含有アジュバントの特性評価(Characterization of aluminium−containing adjuvants)、Dev Biol(Basel)、103:217〜28頁)。組換えタンパク質ワクチンの場合、最適な処方pHを選択することは更に複雑になり、一般に、望ましい免疫応答を得るにはアルミニウム塩アジュバントとの結合が必要とされる(McInerney、Brennanら、1999、HIV−1ペプチドを提示しているキメラ植物ウイルスに対する免疫応答を強化する5つのアジュバントの能力の分析(Analysis of the ability of five adjuvants to enhance immune responses to a chimeric plant virus displaying an HIV−1 peptide)、Vaccine、17:1359〜68頁)。アジュバントへのタンパク質結合を促進するために、タンパク質とアジュバントが反対の電荷を有する溶液pHが選択される。しかし、最適なタンパク質安定性をもたらす溶液pHは、ワクチンをアジュバントに適切に結合させない可能性が有る。そのような筋書では、ワクチンタンパク質を、安定性には次善のpHで調製し、長期貯蔵の間の分解を最小限に抑えるために適切な安定化賦形剤と共に凍結乾燥しなければならない可能性が有る。

0009

貯蔵及び再構成する際に構造及び活性を安定化するためのタンパク質の凍結乾燥は、組換えタンパク質の治療用タンパク質に対して一般的に適用されてきた。これは通常、工程及び貯蔵の間にガラス状態を促進するトレハロースなどの二糖類並びに他の賦形剤存在下でのフリーズドライによって達成された。ガラス転移温度(Tg)以下で生成物が貯蔵される限り、タンパク質は長期間貯蔵でき、それ以上では材料がゴム様状態に遷移する。安定剤が、特定の部位と相互作用し、乾燥の間に水と置き換わることによって並びにタンパク質分子(α−緩和)又は分子の一部分(β−緩和)の並進及び回転運動を同時に抑制することによって、賦形剤は非晶質状態でタンパク質を安定化すると考えられる。特にリン酸アルミニウム又は水酸化アルミニウムアジュバントに吸着しているワクチンの場合、それほど多くはないが、乾燥技術がワクチンの長期貯蔵に適用されてきた。乾燥ワクチンを生成する殆どの試みは、温度の穏やかな逸脱を生き延びられる吸引可能な粉末又は製剤を得ようとするものだったので、高温条件における乾燥ワクチンの貯蔵に関してはデータが殆ど利用できない。例えば、黄熱ワクチンは、主に熱帯気候において使用されるので、安定剤(ラクトースソルビトール)の存在下で凍結乾燥を使用して生ウイルスワクチンの生存率を維持してきた(Monath、1996、黄熱ワクチンの安定性(Stability of yellow fever vaccine)、Dev Biol Stand、87:219〜25頁)。賦形剤無しでは、凍結乾燥及び貯蔵の間、−20℃を超えると活性は急速に失われるが、安定化ワクチンは37℃で2週間以上耐えることができる。疾患牛疫用の凍結乾燥ワクチンも開発され、低温流通方式から離れた後でもアフリカの現場条件で1ヵ月間まで利用できる(House及びMariner、1996、凍結乾燥工程の修正による牛疫ワクチンの安定化(Stabilization of rinderpest vaccine by modification of the lyophilization process)、Dev Biol Stand、87:235〜44頁)。最近、工程及び乾燥に関する変形を使用した類似の試みが、はしかワクチンの開発(Burger、Capeら、2008、弱毒化はしかウイルスワクチンの吸引可能な粉末用の安定化処方(Stabilizing formulations for inhalable powders of live−attenuated measles virus vaccine)、JAerosol Med Pulm Drug Deliv、21:25〜34頁;Burger、Capeら、2008、弱毒化生はしかウイルスワクチンの吸引可能な粉末用の安定化処方(Stabilizing Formulations for Inhalable Powders of Live−Attenuated Measles Virus Vaccine)、J Aerosol Med)及び免疫原の構造を保持できるような条件を考案することが恐らく非常に重要になるインフルエンザ用乾燥ワクチン粉末(Amorij、Meulenaarら、2007、糖ガラス技術を用いるインフルエンザサブユニットワクチン粉末の合理的設計:凍結及びフリーズドライの間のヘムアグルチニンの立体構造変化の防止(Rational design of an influenza subunit vaccine powder with sugar glass technology:preventing conformational changes of haemagglutinin during freezing and freeze−drying)、Vaccine、25:6447〜57頁;Amorij、Huckriedeら、2008、安定なインフルエンザワクチン粉末処方の開発:課題及び将来性(Development of Stable Influenza Vaccine Powder Formulations:Challenges and Possibilities)、Pharm Res)に適用された。現在のAVA炭疽菌(Bacillus anthracis)ワクチン(Biothrax(登録商標))を含めたワクチンには、安定剤として少量のホルムアルデヒド時々添加され、架橋タンパク質アルミニウム結晶の表面上で免疫原性の高いタンパク質凝集体を形成して作用することができる(Little、Ivinsら、2007、rPA炭疽菌ワクチンの処方における水酸化アルミニウムアジュバント及びホルムアルデヒドの効果(Effect of aluminum hydroxide adjuvant and formaldehyde in the formulation of rPA anthrax vaccine)、Vaccine、25:2771〜7頁)。ホルムアルデヒドは、培養上清(例えば破傷風菌(Clostridium tetani)トキソイドボツリヌス菌(Clostridium botulinum)トキソイドなど)から得られる旧式ワクチンにおける最適な安定剤として歴史的に使用されてきた。現在のAVAワクチンは、3年間安定性のラベルが付けられており、安定性はいくつかの生化学的評価及び効力の作用である。中程度の量の安定性は液体懸濁液ワクチンで達成できるが、備蓄及び配布されるワクチンに必要とされる全ての安定性パラメータを、より長期の貯蔵期間に対して満たせる可能性はない。

0010

構造と機能を保持しながらの、治療用タンパク質の乾燥の成功は、溶液中で起こる分解経路の知識に左右され、適切な乾燥及び安定化用賦形剤によって分解を遅延又は排除することができる。ワクチンの場合、機能は、酵素活性ではなく免疫原性及び防御試験によって主に決定される。アルミニウムアジュバント結晶に吸着しているタンパク質免疫原の場合、タンパク質を分離し、分析のために取り除くことが困難な場合が有るので、in vitroにおける機能及び他のパラメータの測定は、それに応じて一層困難になる。したがって、機能は、免疫原性及び防御試験によってしか試験できない。タンパク質の三次立体構造は、酵素機能に明らかに影響を及ぼし得るが、存在する場合、立体構造によって決まるB細胞エピトープの免疫原性に影響を及ぼすことも有り得る。その中に含有される、B及びT細胞の直鎖状エピトープも、(メチオニン及びシステイン残基の)酸化及び(特にアスパラギン残基の)脱アミドによる影響を受け得る。pHは、治療用タンパク質の安定性に影響を与える最も重要な処方変数の1つである(Carpenter、Changら、2002、安定な凍結乾燥タンパク質処方の合理的な設計:理論と実際(Rational design of stable lyophilized protein formulations:theory and practice)、Pharm Biotechnol、13:109〜33頁;Chi、Krishnanら、2003、水溶液中のタンパク質の物理的安定性:外来性タンパク質の凝集の機序及び駆動力(Physical stability of proteins in aqueous solution:mechanim and driving forces in nonnative protein aggregation)、Pharm Res、20:1325〜36頁)。溶液中でのタンパク質の立体構造及びコロイド安定性に影響を及ぼすことによって、pHは、その凝集速度を大きく変調することができる(Chi、Krishnanら、2003、水溶液中のタンパク質の物理的安定性:外来性タンパク質の凝集の機序及び駆動力(Physical stability of proteins in aqueous solution:mechanim and driving forces in nonnative protein aggregation)、Pharm Res、20:1325〜36頁)。加えて、脱アミドの速度は、pHに強く左右される(Manning、Patelら、1989、タンパク質医薬品の安定性(Stability of protein pharmaceuticals)、Pharm Res、6:903〜18頁)。所与のタンパク質について、物理的及び化学的安定性に対して最適pH値が異なることも有り得る(Kolvenbach、Narhiら、1997、顆粒球コロニー刺激因子は、pH2で、熱的に安定で、小型で、部分的に折り畳まれた構造を維持する(Granulocyte−colony stimulating factor maintains a thermally stable, compact, partially folded structure at pH2)、J Pept Res、50:310〜8頁)。例えば、物理的安定性は、脱アミドが容認できないほど急速なpHで最適になる可能性が有る(Chang、Reederら、1996、組換えヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニストの安定なフリーズドライ処方の開発(Development of a stable freeze−dried formulation of recombinant human interleukin−1 receptor antagonist)、Pharm Res、13:243〜9頁)。そのような場合、これら反応の速度を最小限に抑える凍結乾燥処方を開発することにより、安定生成物を得るための実用的な戦略を提供できる。乾燥処方を凍結乾燥及び貯蔵する間の治療用タンパク質の安定性に対する凍結乾燥前の溶液のpH効果を検査した僅かな公表された研究により、このパラメータの重要性が実証された(Prestrelski、Pikalら、1995、フーリエ変換赤外分光を使用する乾燥状態の立体構造分析による組換えヒトインターロイキン−2の凍結乾燥条件の最適化(Optimization of lyophilization conditions for recombinant human interleukin−2 by dried−state conformational analysis using Fourier−transform infrared spectroscopy)、Pharm Res、12:1250〜9頁;Chang、Reederら、1996、組換えヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニストの安定なフリーズドライ処方の開発(Development of a stable freeze−dried formulation of recombinant human interleukin−1 receptor antagonist)、Pharm Res、13:243〜9頁;Katayama、Kirchhoffら、2004、PLSを使用する、プロジェニポエチン(progenipoietin)の凍結乾燥されたタンパク質処方の後向き統計分析:長期貯蔵安定性に重要なパラメータの決定(Retrospective statistical analysis of lyophilized protein formulations of progenipoietin using PLS:determination of the critical parameters for long−term storage stability)、J Pharm Sci、93:2609〜23頁)。これらの研究により、凍結乾燥及び貯蔵の間に、研究されるタンパク質に適切な物理的及び化学的安定性を付与する凍結乾燥前の溶液のpHを同定することの困難さが実証された。しかし、十分な量の安定化賦形剤が処方に含まれる場合、タンパク質の分解は最小限に抑えられる可能性がある。例えば、スクロース/タンパク質の質量比0.3未満のレベル及び6.5未満のpHの次善のスクロースを含有する溶液中で、組換えヒトインターロイキン−1−受容体アンタゴニスト(rhIL−1ra)を処方した後に凍結乾燥するとき、凍結乾燥後、貯蔵及び再構成の間に激しいタンパク質凝集が起こった(Chang、Reederら、1996、組換えヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニストの安定なフリーズドライ処方の開発(Development of a stable freeze−dried formulation of recombinant human interleukin−1 receptor antagonist)、Pharm Res、13:243〜9頁)。脱アミドは容認できないほど高い割合で起こったが、6より大きいpHで溶液から凍結乾燥した後、タンパク質の凝集は最小限に抑えられた。pH6.5で0.3より大きいスクロース/タンパク質質量比のスクロース量を含有する溶液から凍結乾燥した後には、両方の不安定化経路が阻害される可能性がある。別の例において、インターロイキン−2(IL−2)は、pH7でフリーズドライする間に著しく大きい構造摂動を有し、貯蔵及び再水和の後に、その摂動はpH5で溶液から凍結乾燥したサンプルより高いレベルの凝集をもたらした(Prestrelski、Pikalら、1995、フーリエ変換赤外分光を使用する乾燥状態の立体構造分析による組換えヒトインターロイキン−2の凍結乾燥条件の最適化(Optimization of lyophilization conditions for recombinant human interleukin−2 by dried−state conformational analysis using Fourier−transform infrared spectroscopy)、Pharm Res、12:1250〜9頁)。pH7における、凍結乾燥前の溶液処方へのスクロースの添加により、凍結乾燥後の貯蔵の間のIL−2の安定性が改善された。より最近、処方前に対するこの手法が、炭疽菌rPAで取り入れられ、経鼻投与用の乾燥粉末ワクチンの候補が作製された(Jiang、Joshiら、2006、経鼻粘膜運搬用炭疽菌ワクチンの粉末処方(Anthrax vaccine powder formulations for nasal mucosal delivery)、J Pharm sci、95:80〜96頁)。この場合、凍結乾燥前の溶液中のrPAについて、pH及び賦形安定剤を最適化する条件が確立された。トレハロースは、熱応力に対して可溶性rPAを安定化するということが決定された賦形剤の1つなので、rPAが急速に消失した液体サンプルと比較して、トレハロース含有乾燥ワクチンが、rPAの総含有量に関して40℃で少なくとも30日間安定である証拠があった。ガス駆動注射装置を使用する表皮運搬用の乾燥粉末組成物を得るために、マンニトールグリシン及びデキストラン(賦形剤総量の約6%w/vを超えない)の混合物存在下でアルミニウムに吸着しているB型肝炎ワクチン(HBsAg)を急速に凍結することにより、噴霧されるワクチンを液体窒素中に噴射した後に乾燥することを伴う急速凍結(噴霧フリーズドライ)の後に粒度及びマウスにおける相対的な免疫原性を保持したままのワクチンを得られることが判明した(Maa、Zhaoら、2003、ミョウバン−アジュバント化乾燥粉末ワクチン処方の安定化:機序と適用(Stabilization of alum−adjuvanted vaccine dry powder formulations:mechanism and application)、J Pharm Sci 92(2):319〜32頁)。通常通りの凍結乾燥したワクチンは処理後に凝集し、最小限の免疫原性しか無かったが、熱応力条件下で噴霧フリーズドライしたワクチンの挙動は決定されなかった。減少した免疫原性は、再構成後のアルミニウム粒子の凝集と関連付けられた。

0011

より最近、Roserらは、アルミニウム粒子の凝集を防止することができる凍結乾燥方法を示唆した。Roserら、米国特許第6,890,512号は、15%(w/v)の過剰なトレハロースを水酸化アルミニウムの粒子懸濁液に添加することによって、脱水及び再水和の間に懸濁液中粒子全体が凝集することを防止する方法を開示している。トレハロース(α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノシド)は、乾燥からの植物細胞の保護に関与する天然に存在する二糖類である。トレハロースは、タンパク質構造を固定する糖ガラスを形成することによって乾燥の間タンパク質の変性を防止することが示された。Roserらは、全体の粒子の凝集の防止について開示しているが、粒子懸濁液の凍結速度の重要性又はトレハロース存在下におけるアルミニウム塩含有ワクチンの凍結乾燥前の粒度並びにタンパク質構造を制御及び維持するのに重要な他の要素については開示していない。粒度の維持は、アルミニウム粒子表面へのタンパク質免疫原の吸着の程度を制御するのに重要なパラメータであり、トレハロース又は他のガラス化賦形剤の含有量に加えて、凍結乾燥サイクルの間のいくつかの要素に影響される。これらの要素は、免疫原性及び防御免疫応答の生成に影響する。

0012

アルミニウム塩アジュバントは、タンパク質又はペプチドサブユニットワクチンの免疫原性を増大させるために十分に調査された手段を提供する。ワクチンを強化するための様々な調査処方が、アルミニウム塩アジュバントの一層強力な代替物として開発されたが、FDA公認のヒトワクチンにおいては現在利用できない。免疫応答を強化するために設計される処方には、油中水型エマルジョン水中油型エマルジョン自己集合性マクロ構造、サイトカイン、サポニントール様受容体TLR−4、TLR−5及びTLR−9)アゴニスト、免疫賦活性二本鎖RNA種、非メチル化DNAオリゴヌクレオチド並びにポリマー性微粒子及びナノ構造に基づく様々な組成物がある。これら組成物の多くは、注射されたワクチンの免疫原性を改善することを目的とし、いくつかの変形は、鼻腔内又は経口ワクチン接種用として運搬経路の変更に適用することができる。ワクチンの免疫原性を強化するために使用できる免疫賦活性分子の一分類の例として、リンパ球を活性化する直接的な免疫賦活性効果という理由で、脊椎動物DNAではなく細菌DNAを使用することができる。これは、細菌DNA中には非メチル化CpGジヌクレオチドが期待される頻度で存在するが、脊椎動物DNAにおいては十分に存在しないか又はメチル化されていることによる(Kriegら、1995)。特定の配列構成で非メチル化CpGジヌクレオチドを含有する合成オリゴデオキシヌクレオチドODN)を添加することによって活性化が引き起こされる場合もある。CpG DNAは、殆ど全ての(>95%)B細胞の増殖を誘導し、免疫グロブリンIg分泌を増加させる。CpG DNAによるこのB細胞活性化は、T細胞非依存的であり、抗原非特異的である。しかし、低濃度のCpG DNAによるB細胞の活性化は、B細胞の増殖とIg分泌の両方に関わるB細胞抗原受容体を介して伝達されるシグナルと強い相乗効果を有する(Kriegら、1995)。B細胞抗原受容体を介して及びCpG DNAによって引き起こされるB細胞シグナル伝達経路間のこの強い相乗効果は、抗原特異的免疫応答を促進する。B細胞に対するその直接的な効果に加えて、CpG DNAは、単球マクロファージ及び樹状細胞も直接活性化して、高レベルのIL−12を含めた様々なサイトカインを分泌させる(Klinmanら、1996;Halpernら、1996;Cowderyら、1996)。これらのサイトカインは、ナチュラルキラー(NK)細胞を刺激して、γ−インターフェロン(IFN−γ)を分泌させ、溶解活性を増大させた(上記Klinmanら、1996;上記Cowderyら、1996;Yamamotoら、1992;Ballasら、1996)。全体として、CpG DNAは、IL−12及びIFN−γによって支配され、Th2サイトカインを殆ど分泌しないTh1様パターンサイトカイン産生を誘導する(Klinmanら、1996)。他の分子は、トール様受容体を刺激する。一例は、フラジェリンであり、多数の細菌べん毛に含まれるタンパク質サブユニットである。フラジェリンは、TLR−5リガンドであり、そのような結合に応じて抗原提示細胞の生物学的機能の少なくとも1つを引き起こす。べん毛は、エシェリキア属(Escherichia)、サルモネラ属(Salmonella)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、バチルス属(Bacillus)、カンピロバクター属(Campylobacter)、ビブリオ属(Vibrio)、トレポネーマ属(Treponema)、レジオネラ属(Legionella)、クロストリジウム属(Clostridia)及びコーロバクター属(Caulobacter)のメンバーを含めた状及びらせん状細菌の表面に見られる。多形中央部位は、TLR5との結合に影響を及ぼさずに欠失させることができるが、フラジェリンの保存領域はTLR5結合に重要である。Genbank受入番号D13689、YP.sub.−−275549、YP.sub.−−275550、AAU18718、AAU18717、ZP.sub.−−00743095、EAO52626、YP.sub.−−315348、AAT28337、AAT28336、AAT28335、AAT28334、AAT28333、AAZ36356、AAZ33167、AAZ94424、AAZ91670、NP.sub.−−414908、BAD18052及びBAD18051など、数多くの細菌からのフラジェリン配列が当技術分野において利用可能である。精製アジュバント免疫刺激剤の3番目の例として、非毒性の、化学的に合成された又は酵素的に改変されたグラム陰性リポ多糖類誘導体は強力なアジュバントであり、TLR−4との結合及び活性化を介してリンパ球を刺激して作用する。例えば、モノホスホリルリピドA(MPL)は、リポ多糖類のリピドA成分の誘導体であり、炎症誘発性サイトカインの強力な活性剤である。天然のリピドA及びその元のLPSは強力な発熱特性を有し、ヒトにおいて発熱反応を誘導するが(Greisman及びHomick、J Immunol、109:1210〜1215頁(1972);Greisman及びHomick、J Infect Dis、128:257〜263頁(1973);Abemathy及びSpink、J Clin Invest、37:219〜225頁(1958);上記Rietschelら;及び上記Raetz(1993))、MPL及びその化学的に合成された類似体は毒性では無く、IL−1、IL−6及びTNF−αを含めた一通りの宿主炎症誘発性サイトカインを誘導する。

0013

加えて、ヒトにおいて、1又は2用量後のアルミニウム塩に吸着しているサブユニットに対する免疫応答を強化するには、有効な抗体応答を生成するために共アジュバントが必要になると考えられる。アルミニウム塩と適合性があるいくつかのアジュバント化合物が、近年、アジュバントとして評価されてきた。これらのアジュバントには主として、モノホスホリルリピドA(MPL)及びQS−1並びにCpG配列がある。どのデータもCpG含有ワクチンの長期熱安定性については記載していないが、ヒト研究における炭疽菌ワクチンに関する最近のデータは、ヒト以外の霊長類及びヒトにおいてアジュバント処方にCpG7909を添加することによって、全抗rPA抗体及び炭疽菌毒素中和抗体の点で、AVA(AlOH吸着ワクチン)を著しく強化できることを示している(Klinman、2006、CpGオリゴヌクレオチドは、AVA、認可されている炭疽菌ワクチンによって誘発される免疫応答を加速し、促進する(CpG oligonucleotides accelerate and boost the immune response elicited by AVA, the licensed anthrax vaccine)、Expert Rev Vaccines、5:365〜9頁)。MPL及びQS−21は、アルミニウム塩と一緒に及びGlaxo Smith Kline Biologicsによって開発された特許権の有る油エマルジョン処方中でも使用された。ヒト及び動物モデル中のAlOHワクチンにおいて、QS−21が、耐性及び全身安全性についての十分な証拠で評価された。QS−21は、イオン性及び疎水性相互作用よってアルミニウム塩に結合しており、その一部分がミセル形態で溶液(水性ワクチン中)中に残っていると考えられている。QS−21は樹皮から精製されるサポニンであり、抗体と細胞媒介性免疫の両方を誘導するための広範なアジュバント効果を有する。機序は理解されていないが、ヒトワクチンとの関連で有効な用量レベルが評価された。アルミニウムを含むQS−21が臨床試験において評価され、抗原と一緒に処方されたQS−21の独立安全性試験が研究された。QS−21は、注射部位に痛み(回復する)を伴ったが、全身性副作用所見は殆ど無かった。(Waite、Jacobsonら、2001、サポニンアジュバントQS−21の異なる処方の安全性及び耐性を評価する3つの無作為二重盲検法臨床試験(Three double−blind, randomized trials evaluating the safety and tolerance of different formulations of the saponin adjuvant QS−21)、Vaccine、19:3957〜67頁)。ヒトにおけるいくつかの研究により、QS−21が、アルミニウムに吸着している抗原に対する応答を強化することが示された。これらには、マラリアワクチン候補におけるいくつかの臨床試験(Nardin、Oliveiraら、2000、合成マラリアペプチドワクチンは、定義したHLA遺伝子型のワクチン接種を受けた人において高レベルの抗体を誘発する(Synthetic malaria peptide vaccine elicits high levels of antibodies in vaccinees of definedHLAgenotypes)、J Infect Dis、182:1486〜96頁;Kashala、Amadorら、2002、免疫学的アジュバントQS−21と混合された熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)マラリアペプチドワクチンSPf66の新たな処方の安全性、耐性及び免疫原性(Safety, tolerability and immunogenicity of new formulations of the Plasmodium falciparum malaria peptide vaccine SPf66 combined with the immunological adjuvant QS−21)、Vaccine、20:2263〜77頁)、HIVgp120(Evans、McElrathら、2001、QS−21はヒトにおいて、HIV−1エンベロープサブユニットを免疫化する間の抗原用量を減らすことを可能にするアジュバントの効果を促進する(QS−21 promotes an adjuvant effect allowing for reduced antigen dose during HIV−1 envelope subunit immunization in humans)、Vaccine、19:2080〜91頁)及びより最近では、QS−21によって中和力価及び保護が強化されたデングウイルスサブユニットのアカゲザル(Rhesus macaque)臨床試験(Putnak、Collerら、2005、デング熱2型不活性化組換え型サブユニット及び弱毒化生ワクチン候補の、アカゲザルモデルにおける評価(An evaluation of dengue type−2 inactivated, recombinant subunit, and live−attenuated vaccine candidates in the rhesus macaque model)、Vaccine、23:4442〜52頁)がある。QS−21の溶液安定性は、長期安定性試験の下でよく研究されており、アジュバント活性があるQS−21(実際には2個の異性体から成る)が僅かに酸性緩衝液中で4年間以上非常に安定しているのに対して40℃では10日未満であることを示した(Kensil及びKammer、1998、QS−21:水溶性トリテルペン配糖体アジュバント(QS−21: a water−soluble triterpene glycoside adjuvant)、Expert Opin Investig Drugs、7:1475〜82頁)。QS−21は乾燥粉末として貯蔵され、その形態では永久に安定している。

0014

リシン毒素は、トウゴマ(Ricinus communis)の実によって産生される64kDaのタンパク質である(Doan LG、リシン:毒性の機序、臨床症状及びワクチンの開発(Ricin:mechanism of toxicity, clinical manifestations, and vaccine development)、A review.Journal of Toxicology−Clinical Toxicology、2004;42(2):201〜8頁;Audi J、Belson M、Patel M、Schier J、Osterloh J、リシン中毒包括総説(Ricin poisoning:a comprehensive review)、JAMA、2005;294(18):2342〜51頁)。ホロ毒素は、ジスルフィド結合によって結合した二本のポリペプチド鎖(A及びB)から成る。A鎖(RTA)は、哺乳動物細胞においてタンパク質合成を阻害するリボゾーム不活性化タンパク質(RIP)である。B鎖(RTB)は、細胞表面のガラクトース残基に結合するレクチンである。一旦細胞に吸収されると、RTAは細胞質ゾル移行し、60Sリボゾームを酵素的に不活性化する(Smallshaw,JE及びVitetta,ES組換えリシンサブユニットワクチンであるRiVax(登録商標)の凍結乾燥処方は、免疫原性を保持している(A lyophilized formulation of RiVax, a recombinant ricin subunit vaccine, retains immunogenicity)、Vaccine、2010、3月11日;28(12):2428〜2435頁)。細胞の細胞質中にある一分子のRTAが、タンパク質合成を完全に阻害する。ヒトにおけるリシンの報告されている推定致死量は、吸入注入、又は摂取された場合、1〜25μg/kgである(Audiら)。その広い有用性と驚くべき毒性のため、リシンはバイオテロリズムに使用される潜在的薬剤に相当し、したがって疾病対策センターアトランタ GA(CDC)によって、レベルBの生物学的脅威に分類されている。実験的動物では、リシン中毒は、トキソイド又は脱グリコシル化リシンA鎖(dgRTA)を用いるワクチン接種によって、又は抗リシン抗体を用いる受動免疫によって防止できる。しかし、トキソイドはヒトにおける日常的な使用には毒性が強過ぎると考えられており、dgRTAは製造が困難且つ高価であり、また両方の活性部位を保持し、ヒトにおいて毒性の副作用を誘導する可能性がある。抗リシン抗体を用いる受動免疫は、リシン用量が比較的低く、抗体が曝露後数時間以内に投与される場合しか有効でない(Hewetson JF、RiveraVR、Creasia DA、LemleyPV、Rippy MK、Poli MA、リシンを用いるワクチン接種による又は異種抗体を用いる受動的処置による、吸入されたリシンからのマウスの保護(Protection of mice from inhaled ricin by vaccination with ricin or by passive treatment with heterologous antibody)、Vaccine、1993;11(7):743〜6頁)。

0015

これらの制限を避けるために、組換えRTAワクチン(RiVax(登録商標))が開発された(Smallshawら)。RiVax(登録商標)には2個所点突然変異、Y80AとV76Mが組み込まれて、公知の毒性、すなわちリボ毒性と脈管漏出誘導能の両方を大きく低下させた又は除去した。マウス、ウサギ及びヒトにおけるアジュバント非存在下で、RiVax(登録商標)は非毒性であり、免疫原性である(Smallshaw JE、Firan A、Fulmer JR、Ruback SL、Ghetie V、VitettaES、リシン中毒に対してマウスを保護する新規組換えワクチン(A novel recombinant vaccine which protects mice against ricin intoxication)、Vaccine、2002;20(27〜28):3422〜7頁)。そのようなモデルによって、他のワクチンモデルと関係している毒性の多くを含まない肯定的な結果をもたらすことが明らかになった。

0016

リシンは、現在、NIAID及び疾病対策予防センター(CDC)によって、レベルBの生物学的脅威剤として記載されている(Rotz、Khanら、2002、潜在的バイオテロ薬剤公衆衛生評価(Public health assessment of potential biological terrorism agents)、Emerging Infectious Diseases、8:225〜30頁)。ワクチン候補は、よく特徴付けられた分子の活性に関与するリシン毒素A鎖(RTA)内の残基を遺伝的に不活性化することによって得られる、リシン毒素に対する組換えサブユニットワクチンに基づいている。この改変された分子は、マウス、ウサギ及びヒトにおいて免疫原性であり、毒素を中和する抗体を誘導し、又は各生物種において全身的若しくは粘膜的な毒素の除去に関与している。天然痘又は炭疽菌の場合、テロが引き起こした流行病は、発生の徴候後の集団的ワクチン接種、選択的ワクチン接種又は包囲ワクチン接種によって防除することができる(Halloran、Longiniら、2002、バイオテロリスト天然痘封じ込め(Containing bioterrorist smallpox)、Science、298:1428〜32頁;Kaplan、Craftら、2002、天然痘攻撃に対する緊急対応:集団的ワクチン接種の場合(Emergency response to a smallpox attack:the case for mass vaccination)、Proc Natl Acad sci USA、99:10935〜40頁;Bozzette、Boerら、2003、天然痘ワクチン接種方針のモデル(A model for a smallpox−vaccination policy)、N Engl J Med、348:416〜25頁;Kretzschmar、van den Hofら、2004、包囲ワクチン接種と天然痘防除(Ring vaccination and smallpox control)、Emerg Infect Dis、10:832〜41頁)。一方、薬剤は複製しないので、生体毒素へのバイオテロリスト曝露に対するワクチン接種は、集団的ワクチン接種ではなく又は第一応答者など選ばれた集団において使用される可能性が高い。リシンの単離されたA及びBサブユニットは、大腸菌(Escherichia coli)及び他の組換え宿主で産生することができる。B鎖も、ワクチン候補に含まれるが、A鎖より免疫原性が低く、防御性が低いと考えられている(Maddaloni、Cookeら、2004、リシンに対する抗体の防御効果に関連する免疫学的特質(Immunological characteristics associated with the protective efficacy of antibodies to ricin)、Journal of Immunology、172:6221〜8頁)。リシンA鎖は、天然のリシンより少なくとも1000倍毒性が低いが、ワクチンとして使用したときに毒性をもたらす可能性が有る酵素活性をなおも保持している(Thorpe、Detreら、1985、メタ過ヨウ素酸シアノボヒドリド混合物を用いるリシン内の炭水化物の修飾。毒性及びin vivoでの分布に対する効果(Modification of the carbohydrate in ricin with metaperiodate−cyanoborohydride mixtures. Effects on toxicity and in vivo distribution)、European Journal of Biochemistry、147:197〜206頁)。リシンA鎖内のいくつかの重要なアミノ酸残基、Y80、Y123、E177、R180、N209及びW211は、酵素活性部位を構成している(Olson、1997、結合基質類似体に対するリシンA鎖の構造決定基:分子力学シミュレーション分析(Ricin A−chain structural determinant for binding substrate analogues:a molecular dynamics simulation analysis)、Proteins、27:80〜95頁;Lebeda及びOlson、1999、リボゾーム不活化タンパク質において保存されている中和エピトープの予測(Prediction of a conserved, neutralizing epitope in ribosome−inactivating proteins)、International Journal of Biological Macromolecules、24:19〜26頁)。これらアミノ酸残基のいくつかの変異により、タンパク質合成の阻害で決定されたように、僅かな毒性を有するリシンA鎖が得られた(Kim及びRobertus、1992、突然変異生成及びX線結晶解析によるリシンA鎖のいくつかの重要な活性部位残基の分析(Analysis of several key active site residues of ricin A chain by mutagenesis and X−ray crystallography)、Protein Engineering、5:775〜9頁)。内皮細胞に対するRTAの結合に関与する追加的な部位及び残基も同定され、その結合は細胞外で起こり、宿主細胞内への毒素侵入を必要としない(Baluna及びVitetta、1999、ヒト組織における抗毒素誘導脈管漏出を研究するためのin vivoモデル(An in vivo model to study immunotoxin−induced vascular leak in human tissue)、J Immunother、22:41〜7頁;Baluna、Colemanら、2000、リシンA鎖由来ペプチドに結合しているモノクローナル抗体のin vitroにおける内皮細胞に対する効果:毒素媒介性脈管損傷に対する洞察(The effect of a monoclonal antibody coupled to ricin A chain−derived peptides on endothelial cells in vitro:insights into toxin−mediated vascular damage)、Exp Cell Res、258:417〜24頁;Smallshaw、Ghetieら、2003、マウスにおける血管性漏出を除去するための抗毒素の遺伝子工学(Genetic engineering of an immunotoxin to eliminate pulmonary vascular leak in mice)、Nature Biotechnology、21:387〜91頁)。RTA上の内皮結合部位は、単離されたHUVEC細胞への損傷及び血管漏出症候群(VLS)の誘導に関係しており、RTA含有免疫毒素の使用における用量規定毒性であると決定された。(Smallshaw、Ghetieら、2003、マウスにおける肺血管性漏出を除去するための抗毒素の遺伝子工学(Genetic engineering of an immunotoxin to eliminate pulmonary vascular leak in mice)、Nature Biotechnology、21:387〜91頁)。SCIDマウス中のヒト皮膚異種移植片における肺血管性漏出及び脈管漏出とHUVEC細胞の両方に関与するRTAの部分は、アミノ酸残基L74、D75及びV76と関係していると思われる(Baluna、Rizoら、1999、内皮細胞への結合及び血管漏出症候群の開始に関与する可能性が有る、毒素並びにインターロイキン−2の構造的モチーフの証拠(Evidence for a structural motif in toxins and interleukin−2 that may be responsible for binding to endothelial cells and initiating vascular leak syndrome)、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、96:3957〜62頁)。したがって、これらの毒性部位を考慮したA鎖ワクチンが構築され、リシンA鎖の二重変異体を含む。内皮細胞の損傷のどんな可能性も最小限に抑えるために、酵素的部位にあるチロシン80はアラニンに変異され、脈管漏出部位にあるバリン76はメチオニンに変異される。このタンパク質が天然のリシンA鎖(RTA)と構造的に同一であることは、結晶構造データに基づいて現在公知であり、分子に含まれる点突然変異がどんな潜在的三次構造(又は、高次構造に依存的な潜在的エピトープ)も破壊しないことを示している。アジュバント非存在下でマウスに筋肉内(i.m.)投与したとき、変異体A鎖はリシンを認識する抗体を誘発し、動物を10xLD50用量のリシンから保護した(Smallshaw、Firanら、2002、リシン中毒に対してマウスを保護する新規な組換えワクチン(A novel recombinant vaccine which protects mice against ricinin intoxication)、Vaccine、20:3422〜7頁)。

0017

天然PAは、AVA(吸着炭疽ワクチン)において支配的な免疫原であり、単一成分ワクチンとして曝露前及び曝露後の予防において防御免疫の標的になる。無毒性炭疽菌の天然PAの発現に基づいたアルミニウムに吸着しているいくつかの組換えPAワクチン(第2の世代)が進歩し、最近の第I相臨床試験において試験され、AVAに関して免疫原性であることが示された(Gorse、Keitelら、2006、組換え防御抗原(rPA102)炭疽菌ワクチンの用量上昇に対する免疫原性及び耐性:ランダム化二重盲検対照、多施設臨床試験(Immunogenicity and tolerance of ascending dose of a recombinant protective antigen(rPA102) anthrax vaccine:a randomized, double−blind, controlled, multicenter trial)、Vaccine、24:5950〜9頁;Campbell、Clementら、2007、健康な成人に投与された組換え防御抗原炭疽菌ワクチンの安全性、反応原性及び免疫原性(Safety, reactogenicity and immunogenicity of a recombinant protective antigen anthrax vaccine given to healthy adults)、Hum Vaccin、3:205〜11頁)。免疫の主要な相関は、ウサギ噴霧胞子抗原投与試験においてよく特徴付けられた(ELISA反応性抗体の総量及び毒素中和活性(TNA))(Little、Ivinsら、2004、ウサギにおける組換え炭疽菌ワクチンに対する防御血清学的相関の定義(Defining a serological correlate of protection in rabbits for a recombinant anthrax vaccine)、Vaccine、22:422〜30頁)。炭疽菌毒素が、炭疽菌によって発現される、プラスミドにコードされた3個組のタンパク質から成る三成分毒素であることは周知である:防御抗原(PA;83kDa)、致死因子LF;90kDa)及び浮腫因子(EF;89kDa)。7量体化したPAによって、LF及びEFは細胞外表面から細胞質内へと輸送され、哺乳動物細胞の分子標的を酵素的に改変して作用する。LFはいくつかのマイトジェン活性タンパク質キナーゼMAPキナーゼ)を切断し、活性化するメタロプロテアーゼであり、EFは細胞内cAMPレベルの急速な増加を引き起こすカルモジュリン依存性アデニル酸シクラーゼである。(Young及びCollier、2007、炭疽菌毒素:受容体結合、内部移行、細孔形成及び移行(Anthrax toxin:receptor binding, internalization, pore formation,and translocation)、Annu Rev Biochem、76:243〜65頁)。これらのタンパク質はそれぞれ無毒であるが、一緒に投与された場合には強力な毒素となり、急激な細胞死を引き起こす。

0018

AVAワクチンは、今なお炭疽菌に対する唯一のワクチンであり、それを改善するための主要な動きは、いくつかの認知されている欠点に基づいている:固体免疫を実現するために6倍用量の投与計画が必要であること、それが安全ではなく反応原性が高いという認識、及びAVAの調製処理が未完成であり整合性不足しているという認識。PAは、AVAにおける主要な免疫原であるが、いくつかのロット中に存在する恐れがある少量のLF及びEFがワクチンの有効性に寄与するかどうかは明白でない。炭疽菌rPAの免疫原性の消失の主な要素には、アジュバント表面上での脱アミドの加速が関与している。これは、表面pHを低下させるための少量のホスファートの存在によって防止できる。開発中の他の特別なrPAワクチン候補がある。一般に、AVA又はPAを基にしたワクチンは、毒素中和抗体を誘導する(Pitt、Littleら、1999、吸入炭疽菌の動物モデルにおける免疫のin vitro相関(In vitro correlate of immunity in an animal model of inhalational anthrax)、J Appl Microbiol、87:304頁;Reuveny、Whiteら、2001、炭疽菌ワクチンによって付与される防御免疫の相関の探索(Search for correlates of protective immunity conferred by anthrax vaccine)、Infect Immun、69:2888〜93頁;Little、Ivinsら、2004、ウサギにおける組換え炭疽菌ワクチンに対する防御の血清学的相関の定義(Defining a serological correlate of protection in rabbits for a recombinant anthrax vaccine)、Vaccine、22:422〜30頁)。PAワクチンは感染の発生を制限するように設計されていないが、PAを基にしたワクチンの防御作用の根底にある機序は、中毒から宿主を保護する、従って免疫系が生物に対処できるようにする抗PA抗体に起因する。

0019

現在、米国において、72種のワクチンがFDAに認可されている(米国食品医薬品局、米国における予防接種及び流通用として許諾されたワクチンの完全リスト(U.S.Food and Drug Administration.Complete List of Vaccines Licensed for Immunization and Distribution in the US.)FDA.6/3/2010)。これら72種のワクチンのうち、36%はアルミニウムアジュバントを含有し、30%はフリーズドライされている。72種のワクチンのいずれも、アルミニウムアジュバントとフリーズドライ成分の両方を含有してはいない。

0020

当技術分野において、耐熱性の免疫学的に活性なフリーズドライワクチン製剤を製造する方法を開発する必要性があり、それには、防御免疫の急速な発生を促進するために組換え抗原が含まれる。

発明が解決しようとする課題

0021

本開示は、耐熱性のフリーズドライワクチンアジュバント含有製剤を製造する方法を提供する。本開示は、ワクチン抗原が組換え抗原である耐熱性のフリーズドライワクチン製剤を製造する方法を更に提供する。

課題を解決するための手段

0022

一実施形態において、本開示は、免疫学的に活性なアジュバントに結合している乾燥ワクチン組成物を調製する方法であって、少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバント、少なくとも1つの揮発性塩を含有する少なくとも1種の緩衝液系、少なくとも1種のガラス形成剤、少なくとも1種の免疫学的に活性がある共アジュバント及び少なくとも1個の抗原を混合して、液体ワクチン処方を作製するステップと、液体ワクチン処方を凍結して、凍結ワクチン処方を作製するステップと、凍結ワクチン処方を凍結乾燥して、乾燥ワクチン組成物を作製するステップとを含み、その組成物が対象において免疫応答を誘発することが可能である方法を提供する。対象によって発現される免疫応答は、抗原特異的な液性免疫及び/又は細胞媒介性免疫であることができる。一態様において、少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバントは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム及び硫酸アルミニウムから成る群から選択される。別の態様において、アルミニウム塩アジュバントは、水酸化アルミニウムである。更なる態様において、少なくとも1種の緩衝液系は、アセタート、スクシナート、シトラート、プロラミンアルギニン、グリシン、ヒスチジンボラートカルボナート及びホスファート緩衝液系から成る群から選択される。更に別の態様において、少なくとも1種の緩衝液系は、酢酸アンモニウムギ酸アンモニウム炭酸アンモニウム重炭酸アンモニウムトリエチルアンモニウムアセタート、トリエチルアンモニウムホルマート、トリエチルアンモニウムカルボナート、トリメチルアミンアセタート、トリメチルアミンホルマート、トリメチルアミンカルボナート、ピリジナルアセタート及びピリジナルホルマートから成る群から選択される。別の態様において、少なくとも1種のガラス形成剤は、トレハロース、スクロース、フィコール、デキストラン、スクロース、マルトトリオース、ラクトース、マンニトール、ヒドロキシエチルスターチ、グリシン、シクロデキストリン及びポビドンから成る群から選択される。更なる態様において、ガラス形成剤は、トレハロースである。一態様において、ガラス形成剤のトレハロースは、フリーズドライ前の液体ワクチン処方中に約5%〜約15%重量対容積濃度で存在する。別の態様において、ガラス形成剤のトレハロースは、液体ワクチン処方中に約8%〜約20%重量対容積濃度で存在する。別の実施形態において、少なくとも1種の免疫学的に活性な共アジュバントが、本方法のステップに添加される。この態様において、少なくとも1つの免疫学的に活性な共アジュバントは、リピドA、リピドA誘導体、モノホスホリルリピドA、モノホスホリルリピドAの化学的類似体、CpG含有オリゴヌクレオチド、TLR−4アゴニスト、フラジェリン、グラム陰性細菌由来フラジェリン、TLR−5アゴニスト、TLR−5受容体に結合可能なフラジェリン断片、サポニン、サポニン類似体、QS−21、精製サポニン画分ISCOMS、ステロール及び脂質とサポニンとの混合物、から成る群から選択される。更なる態様において、共アジュバント化合物は、QS−21である。更なる態様において、凍結ステップは、トレイ凍結、凍結、噴霧凍結及びシェル凍結のうち1つを含む。好ましい実施形態において、凍結ステップは、凍結ステップを始めるために予冷されたトレイの使用を含む。

0023

別の態様において、抗原は、ロタウイルス(rotavirus)、口蹄疫ウイルス(foot and mouth disease virus)、A型インフルエンザウイルス(influenzavirus A)、B型インフルエンザウイルス(influenzavirus B)、C型インフルエンザウイルス(influenzavirus C)、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、H10N7、ヒトパラインフルエンザ2型(human parainfluenza type 2)、単純疱疹ウイルス(herpes simplex virus)、エプスタイン−バーウイルス(Epstein−Barr virus)、水痘ウイルス(varicella virus)、豚ヘルペスウイルス1(porcine herpesvirus 1)、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus)、リッサウイルス(lyssavirus)、炭疽菌(bacillus anthracis)、炭疽菌PA及び誘導体、ポリオウイルス(poliovirus)、A型肝炎(hepatitis A virus)、B型肝炎(hepatitis B virus)、C型肝炎(hepatitis C virus)、E型肝炎(hepatitis E virus)、ジステンパーウイルス(distemper virus)、ベネズエラ脳脊髄炎(venezuelan equine encephalomyelitis)、ネコ白血病ウイルス(feline leukemia virus)、レオウイルス(reovirus)、RSウイルス(respiratory syncytial virus)、ラッサ熱ウイルス(lassa fever virus)、ポリオーマ腫瘍ウイルス(polyoma tumor virus)、イヌパーボウイルス(canine parvovirus)、パピローマウイルス(papilloma virus)、ダニ媒介性脳炎ウイルス(tick borne encephalitis virus)、牛疫ウイルス(rinderpest virus)、ヒトライノウイルス種(human rhinovirus species)、エンテロウイルス種(enterovirus species)、メンゴウイルス(mengovirus)、パラミクソウイルス(paramyxovirus)、トリ伝染性気管支炎ウイルス(avian infectious bronchitis virus)、ヒトT細胞白血病リンパ腫ウイルス1(human T−cellleukemia lymphoma virus 1)、ヒト免疫不全ウイルス1(human immunodeficiency virus 1)、ヒト免疫不全ウイルス2(human immunodeficiency virus 2)、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(lymphocytic choriomeningitis virus)、パルボウイルスB19(parvovirus B19)、アデノウイルス(adenovirus)、風疹ウイルス(rubella virus)、黄熱ウイルス(yellow fever virus)、デング熱ウイルス(dengue virus)、ウシRSウイルス(bovine respiratory syncitial virus)、コロナウイルス(corona virus)、百日咳菌(bordetella pertussis)、気管支敗血症菌(bordetella bronchiseptica)、パラ百日咳菌(bordetella parapertussis)、ウシ流産菌(brucella abortis)、マルタ熱菌(brucella melitensis)、ブタ流産菌(brucella suis)、流産菌(brucella ovis)、ブルセラ種(brucella species)、大腸菌(escherichia coli)、サルモネラ種(salmonella species)、チフス菌(salmonella typhi)、連鎖球菌(streptococci)、コレラ菌(vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ(vibrio parahaemolyticus)、赤痢菌属(shigella)、シュードモナス属(pseudomonas)、結核菌(tuberculosis)、トリ結核菌(avium)、カルメットゲラン桿菌(Bacille Calmette Guerin)、らい菌(mycobacterium leprae)、肺炎球菌(pneumococci)、ブドウ球菌属(staphylococci)、エンテロバクター種(enterobacter species)、ロシャリメア・ヘンセラ(rochalimaia henselae)、ヘモリチカ菌(pasteurella haemolytica)、出血性敗血症菌(pasteurella multocida)、トラコーマ病原体(chlamydia trachomatis)、オウム病クラミジア(chlamydophila psittaci)、鼠径リンパ肉芽腫(lymphogranuloma venereum)、梅毒トレポネーマ(treponema pallidum)、ヘモフィルス種(haemophilus species)、マイコプラズマ・ボヴィゲニタリウム(mycoplasma bovigenitalium)、肺マイコプラズマ(mycoplasma pulmonis)、マイコプラズマ種(mycoplasma species)、ライム病菌(borrelia burgdorferi)、在郷軍人病菌(legionalla pneumophila)、ボツリヌス菌(clostridium botulinum)、ジフテリア菌(corynebacterium diphtheriae)、腸炎エルシニア(yersinia entercolitica)、ロッキー山紅斑熱リケッチア(rickettsia rickettsii)、発疹熱リケッチア(rickettsia typhi)、発疹チフスリケッチア(rickettsia prowsaekii)、エーリキアシャフェンシス(ehrlichia chaffeensis)、アナプラズマファゴサイトフィルム(anaplasma phagocytophilum)、熱帯熱マラリア原虫(plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(plasmodium vivax)、四日熱マラリア原虫(plasmodium malariae)、住血吸虫属(schistosomes)、トリパノソーマ属(trypanosomes)、リーシュマニア種(leishmania species)、フィラリア・ネマトデス(filarial nematodes)、トリコモナス症(trichomoniasis)、肉胞子虫症(sacrosporidiasis)、無鉤条虫(taenia saginata)、有鉤条虫(taenia solium)、リーシュマニア属(leishmania)、トキソプラズマ原虫(toxoplasma gondii)、旋毛虫(trichinella spiralis)、コクシジウム症(coccidiosis)、鶏球虫(eimeria tenella)、クリプトコッカスネオフォルマンス(cryptococcus neoformans)、カンジダアルビカンス(candida albican)、アスペルギルスフミガーツス(aspergillus fumigatus)、コクシジオイデス症(coccidioidomycosis)、淋菌(neisseria gonorrhoeae)、マラリア原虫スポロゾイト表面タンパク質(malaria circumsporozoite protein)、マラリアメロゾイトタンパク質(malaria merozoite protein)、トリパノソーマ表面抗原タンパク質(trypanosome surface antigen protein)、百日咳(pertussis)、アルファウイルス属(alphaviruses)、アデノウイルス(adenovirus)、ジフテリアトキソイド(diphtheria toxoid)、破傷風トキソイド(tetanus toxoid)、髄膜炎菌(meningococcal)外膜タンパク質、連鎖球菌(streptococcal)Mタンパク質、インフルエンザ赤血球凝集素(influenza hemagglutinin)、癌抗原腫瘍抗原、毒素、ウェルシュ菌(clostridium perfringens)ε毒素、リシン毒素、シュードモナス(pseudomonas)外毒素、外毒素、神経毒、サイトカイン、サイトカイン受容体モノカイン、モノカイン受容体、植物花粉、動物の鱗屑及びほこりダニ、から成る群から選択される又はそれから得られる。

0024

別の実施形態において、本開示は、ワクチン組成物であって、少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバントと、少なくとも1種の緩衝剤が揮発性塩を含む、少なくとも1種の緩衝剤と、少なくとも1種のガラス形成剤と、少なくとも1個の抗原とを含み、組成物を凍結乾燥して、乾燥ワクチン組成物を作製し、更に乾燥ワクチン組成物が、対象において免疫応答を誘発することが可能である組成物を提供する。一態様において、少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバントは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム及び硫酸アルミニウムから成る群から選択される。別の態様において、少なくとも1種の緩衝剤は、アセタート、スクシナート、シトラート、プロラミン、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、ボラート、カルボナート及びホスファートから成る群から選択される。別の態様において、少なくとも1種の緩衝剤は、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、トリエチルアンモニウムアセタート、トリエチルアンモニウムホルマート、トリエチルアンモニウムカルボナート、トリメチルアミンアセタート、トリメチルアミンホルマート、トリメチルアミンカルボナート、ピリジナルアセタート及びピリジナルホルマートから成る群から選択される。更に別の態様において、少なくとも1種のガラス形成剤は、トレハロース、スクロース、フィコール、デキストラン、スクロース、マルトトリオース、ラクトース、マンニトール、ヒドロキシエチルスターチ、グリシン、シクロデキストリン及びポビドンから成る群から選択される。更なる態様において、抗原は、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、H10N7、ヒトパラインフルエンザ2型、単純疱疹ウイルス、エプスタイン−バーウイルス、水痘ウイルス、豚ヘルペスウイルス1、サイトメガロウイルス、リッサウイルス、炭疽菌、炭疽菌PA及び誘導体、ポリオウイルス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、E型肝炎、ジステンパーウイルス、ベネズエラ馬脳脊髄炎、ネコ白血病ウイルス、レオウイルス、RSウイルス、ラッサ熱ウイルス、ポリオーマ腫瘍ウイルス、イヌパーボウイルス、パピローマウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、牛疫ウイルス、ヒトライノウイルス種、エンテロウイルス種、メンゴウイルス、パラミクソウイルス、トリ伝染性気管支炎ウイルス、ヒトT細胞白血病リンパ腫ウイルス1、ヒト免疫不全ウイルス1、ヒト免疫不全ウイルス2、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、パルボウイルスB19、アデノウイルス、風疹ウイルス、黄熱ウイルス、デング熱ウイルス、ウシRSウイルス、コロナウイルス、百日咳菌、気管支敗血症菌、パラ百日咳菌、ウシ流産菌、マルタ熱菌、ブタ流産菌、羊流産菌、ブルセラ種、大腸菌、サルモネラ種、チフス菌、連鎖球菌、コレラ菌、腸炎ビブリオ、赤痢菌属、シュードモナス属、結核菌、トリ結核菌、カルメット・ゲラン桿菌、らい菌、肺炎球菌、ブドウ球菌属、エンテロバクター種、ロシャリメア・ヘンセラ、ヘモリチカ菌、出血性敗血症菌、トラコーマ病原体、オウム病クラミジア、鼠径リンパ肉芽腫、梅毒トレポネーマ、ヘモフィルス種、マイコプラズマ・ボヴィゲニタリウム、肺マイコプラズマ、マイコプラズマ種、ライム病菌、在郷軍人病菌、ボツリヌス菌、ジフテリア菌、腸炎エルシニア、ロッキー山紅斑熱リケッチア、発疹熱リケッチア、発疹チフスリケッチア、エーリキア・シャフェンシス、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、住血吸虫属、トリパノソーマ属、リーシュマニア種、フィラリア・ネマトデス、トリコモナス症、肉胞子虫症、無鉤条虫、有鉤条虫、リーシュマニア属、トキソプラズマ原虫、旋毛虫、コクシジウム症、鶏球虫、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、カンジダ・アルビカンス、アスペルギルス・フミガーツス、コクシジオイデス症、淋菌、マラリア原虫スポロゾイト表面タンパク質、マラリアメロゾイトタンパク質、トリパノソーマ表面抗原タンパク質、百日咳、アルファウイルス属、アデノウイルス、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、髄膜炎菌外膜タンパク質、連鎖球菌Mタンパク質、インフルエンザ赤血球凝集素、癌抗原、腫瘍抗原、毒素、ウェルシュ菌ε毒素、リシン毒素、シュードモナス外毒素、外毒素、神経毒、サイトカイン、サイトカイン受容体、モノカイン、モノカイン受容体、植物花粉、動物の鱗屑及びほこりダニ、から成る群から選択される又はそれから得られる。

0025

別の実施形態において、ワクチン組成物は、少なくとも1種の免疫学的に活性な共アジュバントを更に含む。一態様において、少なくとも1種の免疫学的に活性な共アジュバントは、リピドA、リピドA誘導体、モノホスホリルリピドA、モノホスホリルリピドAの化学的類似体、CpG含有オリゴヌクレオチド、TLR−4アゴニスト、フラジェリン、グラム陰性細菌由来フラジェリン、TLR−5アゴニスト、TLR−5受容体に結合可能なフラジェリン断片、サポニン、サポニン類似体、QS−21、精製サポニン画分、ISCOMS、並びにステロール及び脂質とサポニンとの混合物、から成る群から選択される。

0026

更に別の実施形態において、本開示はアジュバント結合乾燥ワクチン組成物の粒度を制御する方法であって、少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバント、少なくとも1種の緩衝液系、少なくとも1種のガラス形成剤、及び少なくとも1個の抗原を混合して、液体ワクチン処方を作製するステップと、液体ワクチン処方を凍結して、凍結ワクチン処方を作製するステップと、凍結ワクチン処方を凍結乾燥して、乾燥ワクチン組成物を作製するステップとを含み、乾燥ワクチン組成物を水性希釈剤希釈して、再構成されたワクチン組成物を形成させた後に、再構成されたワクチン組成物の平均粒子直径が100マイクロメートル未満である方法を提供する。別の態様において、少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバントは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム及び硫酸アルミニウムから成る群から選択される。更なる態様において、アルミニウム塩アジュバントは、水酸化アルミニウムである。別の態様において、少なくとも1種の緩衝液系は、アセタート、スクシナート、シトラート、プロラミン、ヒスチジン、ボラート、カルボナート及びホスファート緩衝液系から成る群から選択される。更なる態様において、少なくとも1種の緩衝液系は、スクシナート及びホスファート緩衝液系から選択される。一態様において、少なくとも1種のガラス形成剤は、トレハロース、スクロース、フィコール、デキストラン、スクロース、マルトトリオース、ラクトース、マンニトール、ヒドロキシエチルスターチ、グリシン、シクロデキストリン、ポビドン及びカリウム塩から成る群から選択される。具体的な態様において、ガラス形成剤は、トレハロースである。更に具体的な態様において、ガラス形成剤のトレハロースは、液体ワクチン処方中に約5%〜約20%重量対容積濃度で存在する。別の態様において、ガラス形成剤のトレハロースは、液体ワクチン処方中に約7%〜約15%重量対容積濃度で存在する。一態様において、凍結ステップは、トレイ凍結、棚凍結、噴霧凍結及びシェル凍結のうち1つを含む。別の態様において、凍結ステップは、噴霧凍結を含む。更なる態様において、再構成されたワクチン組成物の平均粒子直径は、6マイクロメートル未満である。一態様において、冷却ステップ中に液体ワクチン処方を凍結状態へと冷却する速度が増加するにつれて、選択ステップにおけるガラス形成剤の濃度は低下する。

0027

別の実施形態において、本開示は乾燥ワクチン組成物用のアジュバント組成物を提供し、そのアジュバント組成物は、アルミニウム塩アジュバント、ガラス形成剤及び緩衝塩を含む。一態様において、アルミニウム塩アジュバントは、水酸化アルミニウム及びリン酸アルミニウムから選択される。別の態様において、ガラス形成剤は、トレハロースである。更なる態様において、緩衝塩は、コハク酸ナトリウムコハク酸カリウムリン酸ナトリウム及びリン酸カリウムから成る群のうち1つ又は複数から選択される。

0028

更に別の実施形態において、本開示は限られた平均粒子直径を有するアジュバントに結合している乾燥ワクチン組成物であって、少なくとも1種のアジュバント、少なくとも1種のガラス形成剤及び少なくとも1個の抗原を緩衝液系中で混ぜ合わせて、液体ワクチン処方を作製するステップと、液体ワクチン処方を凍結状態へと急速に冷却して、凍結ワクチン処方を作製するステップと、凍結ワクチン処方を凍結乾燥して、乾燥ワクチン組成物を作製するステップとを含み、乾燥ワクチン組成物を水性希釈剤で希釈して、再構成されたワクチン組成物を形成させた後に、再構成されたワクチン組成物の平均粒子直径が100マイクロメートル未満である方法によって製造される組成物を提供する。

0029

別の実施形態において、本開示は凍結ワクチン処方の粒度を制御する方法であって、少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバント、少なくとも1種の緩衝液系、少なくとも1種のガラス形成剤、及び少なくとも1個の抗原を混合して、液体ワクチン処方を作製するステップと、液体ワクチン処方を凍結して、凍結ワクチン処方を作製するステップと、凍結ワクチン処方を凍結乾燥して、乾燥ワクチン組成物を作製するステップとを含み、乾燥ワクチン組成物を水性希釈剤で融解及び希釈して、再構成されたワクチン組成物を形成させた後に、再構成されたワクチン組成物の平均粒子直径が100マイクロメートル未満である方法を提供する。一態様において、少なくとも1種のアルミニウム塩アジュバントは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム及び硫酸アルミニウムから成る群から選択される。別の態様において、アルミニウム塩アジュバントは、水酸化アルミニウムである。更なる態様において、少なくとも1種の緩衝液系は、アセタート、スクシナート、シトラート、プロラミン、ヒスチジン、ボラート、カルボナート及びホスファート緩衝液系から成る群から選択される。一態様において、少なくとも1種の緩衝液系は、スクシナート及びホスファート緩衝液系から選択される。別の態様において、少なくとも1種のガラス形成剤は、トレハロース、スクロース、フィコール、デキストラン、スクロース、マルトトリオース、ラクトース、マンニトール、ヒドロキシエチルスターチ、グリシン、シクロデキストリン、ポビドン及びカリウム塩から成る群から選択される。特定の態様において、ガラス形成剤は、トレハロースである。更に具体的な態様において、ガラス形成剤のトレハロースは、液体ワクチン処方中に約5%〜約20%重量対容積濃度で存在する。別の具体的な態様において、ガラス形成剤のトレハロースは、液体ワクチン処方中に約7%〜約15%重量対容積濃度で存在する。一態様において、凍結ステップは、トレイ凍結、棚凍結、噴霧凍結及びシェル凍結のうち1つを含む。別の態様において、凍結ステップは、噴霧凍結を含む。更なる態様において、再構成されたワクチン組成物の平均粒子直径は、6マイクロメートル未満である。

0030

別の態様において、液体ワクチン処方は、高張混合物として調製され、その後凍結され、乾燥ワクチン組成物を水性希釈剤で希釈して再構成されたワクチン組成物を形成する際に、再構成されたワクチン組成物の張度等張レベルに調整される。更に別の態様において、処方が調製され、凍結乾燥によって揮発性塩を除去し、再構成する際に、抗原とアジュバントは同じ濃度を保つが開始処方と比較して張度が低下したワクチン製剤を得る。

図面の簡単な説明

0031

フリーズドライ及び再構成の前後の%表面領域に基づく粒度分布を表す図である。
フリーズドライの前後の%表面領域に基づくヒスチジン処方の粒度分布を表す図である。
フリーズドライの前後の%表面領域に基づくアルギニン処方の粒度分布を表す図である。
フリーズドライの前後の%表面領域に基づくグリシン処方の粒度分布を表す図である。
10mMヒスチジン緩衝液pH6中で経時的に沈殿させたアルハイドロゲル粒子を示す図である。(a)沈殿無し、(b)30分間の沈殿後、(c)3時間の沈殿後。
−10℃に予冷した棚でフリーズドライ前に粒子を様々な時間沈澱させておいた後の、表面領域に基づく粒度分布を表す図である。サンプルは、10mMヒスチジン緩衝液pH6中に1mg/mL Alを含有した。
−10℃に予冷した棚でフリーズドライ前に粒子を様々な時間沈澱させておいた後の、表面領域に基づく粒度分布を表す図である。サンプルは、10mMヒスチジン緩衝液pH6中に1mg/mL Al及び8w/v%トレハロースを含有した。
10mMヒスチジン中にトレハロース有り無しで、1mg/mL Al処方を、フリーズドライ前に様々な時間沈殿させた時の平均粒度の比較を示す図である。
一次及び二次凍結の前に、3mlのガラスバイアルに入っている1mlのワクチンサンプルを、FTSSystem LyoStar Freeze Drying Systemを用いて様々な凍結速度で処理した凍結乾燥のステップを実証する図である。フリーズドライ後、バイアルを窒素ガスパージし、密閉し、更なる分析前に−80℃で貯蔵した。
4条件下でトレハロース濃度を増加させた、フリーズドライサイクル前後の粒度分布を示す図である。一次及び二次乾燥前における速い凍結速度及び高いトレハロース濃度により、開始時の粒子分布に最も類似したフリーズドライ後の粒度分布が得られる。最も遅い速度から最も速い速度へ順に:室温トレイA(A)、−10℃に予冷したトレイ(B)、液体窒素浸漬(C)、液体窒素噴霧フリーズドライ(D)。処方は、0〜12%トレハロースを含む10mMヒスチジン、pH6.0、アルハイドロゲルとして1mg/mlから成った。
室温フリーズドライでフリーズドライした後の、粒度分布への依存度を示す図である。図10のように、室温フリーズドライを実施した。凍結サイクル前にトレイ上で、室温でインキュベーションした場合、粒度分布は1ミクロン未満から20ミクロン超に移動し、8%トレハロースの存在により粒度移動の量は低下した。
50%w/vグリセリンを含む10mMヒスチジン、pH6.0、144mM NaClに溶解したRTAと、透析し、濃縮し、−20℃で貯蔵したRTAとを比較したSDS PAGEを示す図である。(上パネル銀染色、下パネル−クーマシー染色。同じ組のサンプルを使用して両方の研究を実施した)。
凍結乾燥前における、RTAのアルハイドロゲルへの吸着を示す図である。Alの濃度を1mg/mLに保ったままRTAの濃度を変化させた。pH6.0で、RTAタンパク質の少なくとも95%がアルハイドロゲルの表面に吸着した。
様々な用量のRTAを使用して8匹のSwiss Websterマウスの群にワクチン接種した、アルハイドロゲルに吸着している液体RTAワクチンをワクチン接種した結果を示す図である。ワクチンを40℃で1ヵ月間貯蔵した後にワクチン接種したとき、リシン毒素に曝露された動物はいずれも生き残らず、免疫原性の著しい消失が観察された。4℃で1ヵ月間貯蔵したワクチンは、マウスにおいて最大用量で完全保護を、低用量で部分的な保護を誘導した。
インキュベーション無し、1週間及び1ヵ月間40℃でインキュベーションした後の各ワクチンについて、1回の注射後(3週目)及び2回の注射後(5週目)におけるrRTA抗体力価を示す図である。平均力価は、応答したマウスだけの平均として、それらマウスの標準偏差と共に示す。
免疫したマウスのエンドポイント抗体価データを示す図である。エンドポイント抗体価=逆エンドポイント(reciprocal endpoint)抗RTA力価。中和IC50力価=リシン細胞毒性からウェル中の細胞を50%保護するのに必要とされる血清希釈度。ここには示さないが、疑似免疫したマウス(#1〜10(5を除く))のいずれも、その血清中に抗RTA力価は全く無かった。また、疑似免疫したマウス#1の血清も、in vitroにおける中和能力について試験したが、細胞を保護しなかった。
凍結乾燥前に吸着させた液体ワクチンを用いるSwiss Websterマウスの2回目ワクチン接種後に、個々の血清から得られた総及び中和力価を示す図である。

0032

定義
乾燥トレハロース(高純度低エンドトキシン)は、Ferro Pfanstiehl(Cleveland、OH)から入手した。アルギニン、グリシン、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム及び酢酸アンモニウムは、Sigma Chemical Company(St.Louis、MO)から購入した。Brenntag Biosector製アルハイドロゲル(商標)2.0%(水酸化アルミニウムアジュバント)を、E.M.Sergeant Pulp & Chemical Co,Inc(Clifton、NJ)から購入した。3ml及び5mlの凍結乾燥バイアルとキャップを、West Pharmaceutical Servicesから入手した。

0033

試料調製
異なる濃度(0〜15w/v%)のトレハロースを含有する水溶液を調製した。特に明記しない限り、サンプルは、10mM緩衝液(示した通り)pH6.0中に調製され、1mg/ml Al(アルハイドロゲル(商標)として)を含有した。サンプルは、1mlをアリコートとして処理した。処方する前に、アジュバントを除く全ての水溶液を0.2μmフィルタに通した。

0034

表面電荷ゼータ電位
様々な処方について水酸化アルミニウム(アルハイドロゲル)懸濁液のゼータ電位を測定して、静電的相互作用を調べた。次いで、抗原を含まない処方を調製して、フリーズドライの間に粒子の凝集が起こるかどうか決定した。濃度1mgAl/mLのアルハイドロゲルを、10mM緩衝液(グリシン、アルギニン、ヒスチジン、酢酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム)pH6中で、0〜12w/v%の範囲にある安定剤トレハロースと混合した。凍結の速度が粒子の凝集に影響を及ぼすかどうか決定するために、4種の凍結方法を使用して処方をフリーズドライした:一次及び二次乾燥前に、室温トレイ凍結、−10℃に予冷したトレイ凍結、液体窒素浸漬凍結、及び液体窒素噴霧凍結。タンパク質を処方に添加して、フリーズドライ及び再構成した後の粒度に対するその効果も見た。レーザー回折によって、0.04〜2000μmの範囲にある粒度分布が各処方について特徴付けられた。

0035

凍結乾燥
FTSSystems Lyostar凍結乾燥機を使用して、サンプルをフリーズドライした。サンプルを、以下の通り最も遅くから最速へ様々な冷却速度で凍結した:(i)室温で調製したバイアルを凍結乾燥機のトレイに置き室温に1時間保った後に始める、(ii)サンプルを凍結乾燥機内に置き、−10℃の棚温度で1時間平衡化し、次いで、棚を0.5℃/分で−40℃へと冷却することによる凍結(「−10℃に予冷したトレイ−凍結」);(ii)バイアルの底部を液体N2に浸すことによる凍結(LN2浸漬フリーズドライ);及び(iii)液体N2中に約20μlまでの液滴を滴下することによる噴霧凍結(LN2噴霧フリーズドライ)。トレイ凍結及び液体N2浸漬サンプルは、3ml凍結乾燥バイアル内で処理し、一方で噴霧凍結サンプルは5ml凍結乾燥バイアル内で処理した。液体N2を使用して凍結させたサンプルが入っているバイアルを凍結乾燥機にすばやく移し、−40℃に予冷した凍結乾燥機の棚の上に置いた。サンプルを、各々が互いに離れるように凍結乾燥機内に間隔を置いて配置し、水が入っているバイアルの列で囲んだ。

0036

サンプルの一次乾燥は、棚温度を−20℃に設定し、60m Torr(8 Pa)で20時間減圧することによって達成され、その後二次乾燥を続け、ここで棚温度を0.2℃/分で−20℃から0℃に、0.5℃/分で30℃に上昇させ、最終的に30℃で5時間保った。サンプルを、真空下で密閉し、DI水で再構成した後に分析した。凍結及び乾燥サイクルの変化を、(図10)に表す。

0037

粒度分布
Beckman−Coulter LS230レーザー回折粒度分析装置を使用して粒度分布(PSD)を測定した。各測定には1mlサンプルを3つ必要とし、1処方当たり各測定を3回反復して行った。報告されているPSDは重み付けした表面領域であり、3回の測定の合成物である。

0038

I.様々な沈澱時間の粒子を用いる、−10℃に予冷したトレイフリーズドライ
10mMヒスチジン緩衝液pH6.0、アルハイドロゲルからのAl 1mg/mL及び0、4、8又は12w/v%トレハロースを混合し、4℃で30分間回転させた。溶液1mLを、各3mLのガラス製フリーズドライバイアルに入れた。その処方を、フリーズドライヤー内の−10℃に予冷した棚の上に置き、下表の通りにフリーズドライした。フリーズドライ後に、チャンバ乾燥窒素ガスで再度満たし、バイアルを密閉した。

0039

粒度分析
フリーズドライ前の溶液に対して及びDI水1mL中に再構成したフリーズドライサンプルに対して、粒度分析を行った。Beckman製LS 230機器を使用して、レーザー回折粒度分析を行った。分析する際に、サンプルチャンバ超音波処理は行わなかった。粒度分布を算出するために使用したモデルには、1.33の溶液屈折率及び1.57のサンプル屈折率を使用した。測定値を取得する前に、分析装置中のろ過したDI水におよそ6mLのサンプルを添加する必要があった。各測定について、3/92の平均粒度分布を取得した。各処方について、3回の測定を行った。

0040

結果
図1に示すように、処方がより高濃度のトレハロース(8〜12w/v%)を含有するとき、開始時の粒度分布を維持することができた。

0041

II.−10℃に予冷したトレイフリーズドライ
10mM緩衝液、1mg/mLアルハイドロゲルからのAl、10w/v%トレハロースを、0.26mg/mL rRTAの有り無しで混合し、4℃で30分間回転させた。溶液1mLを、各3mLのガラス製フリーズドライバイアルに入れた。その処方を、フリーズドライヤー内の−10℃に予冷した棚の上に置き、下表の通りにフリーズドライした。フリーズドライ後に、チャンバを乾燥窒素ガスで再度満たし、バイアルを密閉した。

0042

粒度分析
フリーズドライ前の溶液に対して及びDI水1mL中に再構成したフリーズドライサンプルに対して、粒度分析を行った。Beckman製LS230機器を使用して、レーザー回折粒度分析を行った。分析する際に、サンプルチャンバに超音波処理は行わなかった。粒度分布を算出するために使用したモデルには、1.33の溶液屈折率及び1.57のサンプル屈折率を使用した。測定値を取得する前に、分析装置中のろ過したDI水におよそ6〜7mLのサンプルを添加する必要があった。各測定について、3/92の平均粒度分布を取得した。各処方について、3回の測定を行った。

0043

結果
10w/v%トレハロースを含有するアルギニン、ヒスチジン及びグリシン緩衝液中にrRTAタンパク質の有り無し両方で、フリーズドライ前と、フリーズドライ前に−10℃に予冷した棚を使用した後とで、粒度分布を維持することができた。粒度分布は、図1〜3に見られる。予冷した棚を使用する場合、処方を凍結する前にアジュバント粒子が沈澱する時間が短いので、フリーズドライ前に予冷した棚を用いるとトレイフリーズドライより粒度分布をより良好に維持できる可能性が有る。

0044

III.フリーズドライ前に3時間、30分間及び0時点と様々な時間沈殿させた粒子を用いる、−10℃に予冷したトレイフリーズドライ
10mMヒスチジン緩衝液pH6、アルハイドロゲルからのAl 1mg/mL及び0又は8w/v%トレハロースを混合し、4℃で30分間回転させた。溶液1mLを、各3mLのガラス製フリーズドライバイアルに入れた。バイアルを、フリーズドライヤー内に置く前に、3時間、30分間及び0分間静置させておく3群に分けた。バイアルは一旦充填されたら、フリーズドライヤー内に入れるときまで、4℃に置いておくことが可能である。その処方を、フリーズドライヤー内の−10℃に予冷した棚の上に置き、下表の通りにフリーズドライした。フリーズドライ後に、チャンバを乾燥窒素ガスで再度満たし、バイアルを密閉した。

0045

粒度分析
フリーズドライ前の溶液に対して及びDI水1mL中に再構成したフリーズドライサンプルに対して、粒度分析を行った。Beckman製LS 230機器を使用して、レーザー回折粒度分析を行った。分析する際に、サンプルチャンバに超音波処理は行わなかった。粒度分布を算出するために使用したモデルには、1.33の溶液屈折率及び1.57のサンプル屈折率を使用した。測定値を取得する前に、分析装置中のろ過したDI水におよそ6mLのサンプルを添加する必要があった。各測定について、3/92の平均粒度分布を取得した。各処方について、2回の測定を行った。

0046

結果
サンプルをフリーズドライヤー内に置く前に、サンプルを0分間、30分間又は3時間を沈澱させておいた。沈澱の間の様々な時点における、10mMヒスチジン中にアルハイドロゲルからのAl 1mg/mLを含有するバイアルを図5に示す。沈殿無しでは、処方は、溶液全体にわたって濁っているように見える(図5a)。30分間沈殿させた後には、アルハイドロゲル粒子の大多数は、バイアルの底部近くにあり、その上に少し濁った溶液が有るように見える(図5b)。3時間沈殿させた後には、アルハイドロゲル粒子は、バイアルの底部の一層近くに沈殿しており、アルハイドロゲル層の上に透明な溶液が残った(図5c)。

0047

処方がアルハイドロゲル及びヒスチジンを含有し、トレハロースを含まないとき、粒度分布は開始時の粒度分布から大きい粒子の方へと移動した(図6)。短時間沈澱させておいた処方は、長時間沈殿させておいたものより僅かに小さな粒子を産生した。

0048

処方が8w/v%トレハロースを含有するとき、フリーズドライヤー内に置く前にサンプルを沈澱させておく時間の長さは、粒度分布に影響を与えた(図7)。フリーズドライヤー内に置く前に処方を沈澱させておかないとき、粒度分布はフリーズドライ前の開始時の粒度分布に極めて類似していた。30分間の沈殿後、粒度分布はより大きな粒度に移動し始め、3時間の沈殿では、粒子は開始時の粒度分布より著しく大きくなる。

0049

トレハロースを含む処方をトレハロース無しのものと相対的に比較するとき、処方中のトレハロース存在により、フリーズドライ工程後の粒度分布が維持される。図8で分かるように、フリーズドライ前の開始時の平均粒度は、処方中に存在するトレハロースの有り無しで同じだが、処方中にトレハロースが存在する場合、フリーズドライ前の各沈殿量でフリーズドライ後の平均粒度が小さくなる。これらの実験から、開始時の粒度を維持することが望ましい場合、フリーズドライヤー内に入れる前にサンプルを沈殿させておかないことが重要であることも分かる。

0050

IV.実験動物におけるリシンワクチンサブユニットの免疫原性
一例として、耐熱性の凍結乾燥リシンサブユニットワクチンが構築され、試験された。リシンA鎖ワクチンは、水性緩衝液中で凝集及び変性の影響を受けやすく、免疫原性及びリシン毒素曝露からの保護に関与する中和抗体の誘導に影響を及ぼす構造的な完全性を低下させる傾向にあるので、これが使用された。凍結乾燥リシンワクチンを、以下の通りに調製した。グリセリンに溶解されたRTAを、10mMヒスチジン緩衝液pH6.0に対して透析して、グリセリンを取り除いた(図11)。−10℃に予冷したフリーズドライと室温のワクチンとを比較するために、液体懸濁液ワクチンをバイアルに入れ、図10に説明したように凍結乾燥に供した後に、−40℃での一次フリーズドライサイクルを開始した。乾燥ワクチンを、冷蔵温度(4〜8℃)で、又は高温(40〜60℃)のいずれかで貯蔵した。貯蔵した凍結乾燥ワクチンからサンプルを定期的に取り出し、R70と称される診断モノクローナル抗体の結合の評価によって、構造的な完全性について試験した(Neal,O’Haraら、2010、リシンA鎖上で免疫優性である直鎖状エピトープに対して作られるモノクローナル免疫グロブリンG抗体は、リシンに対する全身性及び粘膜免疫を付与する(A monoclonal immunoglobulin G antibody directed against an immunodominant linear epitope on the ricin A chain confers systemic and mucosal immunity to ricin)、Infect Immun、78:552〜61頁)。加えて、アルミニウムに結合しているタンパク質の三次構造の指標となる内部蛍光の決定、残留水分の決定及びマウスにおける免疫原性/効力を含めた追加的な生物物理学的な試験にワクチンを供した。下記のようにSwiss Websterマウスを注射すること及びELISAによってワクチンに対する抗体総量を決定し、リシン中和抗体を決定することにより、免疫原性を決定した。35日目に10xLD50用量の毒素を注射することによってマウスをリシン毒素に曝露させ、曝露動物における致死性を決定した。加えて、ペプチドスキャンを実施し、RTA分子を包含するように重なり合っているペプチドに対する応答について、ワクチン接種した及び対照マウスから採った血清を評価した。免疫優性領域並びに高温及び低温貯蔵条件におけるそれらの保存状態を決定するためにこれを行った。対照液体ワクチンを使用して筋肉注射によりマウス3匹をワクチン接種したとき、ワクチンを40℃で1ヵ月間インキュベーションすることにより、免疫原性及び防御免疫を誘導する能力が消失した(図14)。

0051

研究の間、各Swiss Websterマウスを、3回採血し、ワクチン処方で2回注射した。最初の注射の前にマウスを採血し、次いで0日目にワクチン処方を注射した。開始時に採血することが必要であり、それにより各マウスをそれ自身の基準値にすることができる。21日後に、マウスを採血し、ブースタワクチン処方を注射した。開始時の注射の35日後に、マウスを最後にもう一度だけ採血した。採血手順の前に、イソフルラン吸入器を使用してマウスに麻酔をかけた。血液は、マウスの眼窩静脈洞から採血した。一滴のプロパラカインを目に滴下し、そこから採血し、次いで50μL毛細管チューブを使用して血液を集めた。各採血においておよそ100〜200μLの血液を採血した。

0052

処方粒度の変化を作製するために、ヒスチジン及び酢酸アンモニウムなど異なる緩衝液並びにフリーズドライ前の凍結速度の変化(フリーズドライ前に室温の棚又は予冷した棚など)を使用した。全てのサンプルは15%(w/V)以下の二糖類トレハロースを含有し、アルハイドロゲルは、総アルミニウム量0.85〜1mg/mlで使用される水酸化アルミニウムワクチンアジュバントである。

0053

V.吸着しているリシンワクチンの制御された凍結乾燥
この発明の中心的な目的は、タンパク質、アルミニウムアジュバント及び免疫賦活薬成分の制御された凍結乾燥を利用することによって、使用場所で、水で再構成するためのサブユニットワクチンを作製することである。アルミニウムアジュバントを使用して、ワクチンの有効性を消失すること無く、一方で全体が凝集すること及び適切に再水和できなくなること無くこれらの成分を適切に一つに混合することは、この時点まで実現不可能であった。ある範囲の緩衝液条件、塩条件及び凍結乾燥サイクル条件を検査する凍結乾燥サイクル内の要点を精密に制御するためのいくつかの異なる条件、並びに凍結乾燥前後のタンパク質構造を含めた全体の完全性を保持するための条件を定義できたことが報告された。

0054

VI.試作品フリーズドライワクチンの生成
表1に示した一般的な凍結乾燥スキームに従って、一連のフリーズドライ処方を作製した。10mMヒスチジン若しくは酢酸アンモニウム緩衝液pH6中に1.0mg Al/mL、8w/v%トレハロース及び0.2若しくは0mg/mL rRTAを含有する、RTAタンパク質を含むフリーズドライ処方及びタンパク質を含まないプラセボ処方を、凍結乾燥前に予冷する(PC)又は凍結乾燥前に室温でインキュベーションするいずれかの状態で作製した。4〜8℃で1時間、攪拌子を用いて混合し、タンパク質をアルハイドロゲルアジュバントに吸着させることによって、処方を調製した。処方1mLを、3mLのガラス製バイアルに入れ、表4に説明したようにフリーズドライした。各工程条件からのサンプルを、40℃でインキュベートし、分析及びワクチン接種試験のために1週目、1ヵ月目(及び6ヵ月間に渡って続ける)に取り出した。凍結乾燥前後のサンプルも得た。

0055

VII.再構成乾燥ワクチンの粒度分析
フリーズドライ前の溶液について及び1mL脱イオン水に再構成したフリーズドライサンプルについて、粒度分析を行った。Beckman製LS 230機器を使用して、レーザー回折粒度分析を実行した。分析する際に、サンプルチャンバに超音波処理は行わなかった。粒度分布を算出するために使用したモデルには、1.33の溶液屈折率及び1.57のサンプル屈折率を使用した。測定値を取得する前に、分析装置中のろ過したDI水におよそ6mLのサンプルを添加する必要があった。各測定について、3/92の平均粒度分布を取得した。各処方について、3回の測定を行った。プラセボ安定性試験サンプルの粒度分布を、レーザー回折を使用して観察した。表5で分かるように、開始時の時間0での液体処方は全て、表面領域に基づいて類似の粒度分布及び平均粒度であった。処方を室温からトレイフリーズドライしたとき、粒度の増加が見られた。処方を−10℃に予冷した棚からトレイフリーズドライしたとき、粒度分布は開始時の粒度分布に極めて類似した状態を保った。

0056

VIII.動物のワクチン接種
0日目及び20日目に、雌のSwiss Websterマウス5〜6週齢に、10マイクログラムのRTAタンパク質を含有する表示の処方50μLを皮下にワクチン接種した。0、20及び34日目に、イソフルランによる麻酔下のマウスを、眼窩後腔を通して採血し、およそ200μLの血液を集めた。各群に、10匹のマウスを使用した。マウスは1檻につき5匹飼育され、飼料と水は常に許された。10,000rpmで、4℃で、14分間遠心分離することにより、血液と血清とを分離した。

0057

ELISAによって、ワクチン接種したSwiss Websterマウスから採った個々の血清中のRTAに対する抗体総量を決定し、中和抗体を決定した(図6及び図7)。PBS中に1μg rRTA/mLになるよう希釈した貯蔵タンパク質50μL/ウェルでNunc平底MaxiSorb96ウェルプレート被覆し、2〜6℃で終夜インキュベートした。0.05%Tween20を含むPBS 300μL/ウェルで、プレートを4回洗浄した。1%BSAを含むPBS 300μL/ウェルでプレートをブロッキングし、室温で2時間インキュベートした。前述したように、プレートを洗浄した。1%BSA及び0.05%Tween20を含むPBS40μLを、各々のウェルに添加した。1%BSA及び0.05%Tween20を含むPBSの希釈緩衝液に、血清を最初に希釈した。サンプル70μLを開始ウェルに添加し、次いで、各サンプルについてプレートに7つの2.33倍希釈を作製した。次いで、プレートを室温で2時間インキュベートした。プレートを再度洗浄した。10,000倍に希釈したHRP結合ロバ抗マウス抗体40μLを、各ウェルに添加し、室温で2時間インキュベートした。プレートを、再度洗浄した。TMBを、各ウェルに40μL添加し、30分間インキュベートした。2N硫酸停止溶液を、各ウェルに40μL添加した。プレートを、450nmで読み取った。ワクチン接種したマウスから採った個々の血清サンプルのエンドポイント希釈分析を、図15に示す。試験したワクチンを、以下の通りに略記する:
RT His−陰性対照(タンパク質無しヒスチジン中で室温トレイフリーズドライ)
RT AA−陰性対照(タンパク質無し酢酸アンモニウム中で室温トレイフリーズドライ)
His+rRTA液体−陽性対照(タンパク質有りヒスチジン中の液体処方)
RT His+rRTA−実験1(タンパク質有りヒスチジン中で室温トレイフリーズドライ)
RT AA+rRTA−実験2(タンパク質有り酢酸アンモニウム中で室温トレイフリーズドライ)
RPC His+rRTA−実験3(タンパク質有りヒスチジン中で予冷したトレイフリーズドライ)
PC AA+rRTA−実験4(タンパク質有り酢酸アンモニウム中で予冷したトレイフリーズドライ)

0058

ワクチンを40℃で1又は1ヵ月間貯蔵したとき、10マイクログラムを1回注射(3週目の力価)又は2回注射(5週目)した後に、40℃で貯蔵せずに調製したワクチン(図15における時間0)との関係において、RTAに対する抗体を生成するワクチンの能力に著しい差異は無かった(ELISAによる)。3週目には、各実験マウスの90〜100%及び陽性対照群が応答し、5週目までには全ての実験及び陽性対照が応答した(表3)。より重要なことに、2回接種後(5週目)から得た血清はリシンを中和する抗体(in vitro)を含有し、力価及びそのような力価を持つマウスの比率は時間0のワクチン(図16)又は液体ワクチン(図17)と明白な差異が無かった。更に、フリーズドライ前に室温トレイ上に置いたワクチンを投与したマウスから採った血清において、凍結乾燥したRTAワクチンを40℃で1ヵ月間貯蔵した後に中和力価は低下した。対照的に、フリーズドライ前に予冷することによって作製したワクチンは、液体ワクチンで免疫したものより強い総及び中和抗RTA力価を有した。

0059

IX.二次共アジュバントを含有するワクチンを用いる動物のワクチン接種
表1に示した一般的な凍結乾燥スキームに従って、一連のフリーズドライ処方を作製した。1.0mg Al/mL、8w/v%トレハロース及び0.2又は0mg/mL rRTA並びにAvanti Polar Lipids(Alabaster、AL)から入手したTLR−4アゴニスト(PHADと称されるモノホスホリルリピドA合成誘導体(MPL))60マイクログラムを含有する、RTAタンパク質を含むフリーズドライ処方及びタンパク質を含まないプラセボ処方を作製した。ワクチンは、いくつかの異なる方法で作製された。方法(1)において、RTAタンパク質を、10mMヒスチジン又は酢酸アンモニウム緩衝液pH6、8%トレハロース存在下で、水酸化アルミニウムに吸着(結合)させ、続いて水性懸濁液にPHADアゴニストを添加した。この方法の場合、10mMヒスチジン、pH6.0及び144mM NaClから成る安定剤緩衝液中に貯蔵したRTAを、グリセリン及び塩を含まない緩衝液中での透析に供した後に、アルミニウムアジュバントに吸着させた。方法(2)において、安定化グリセリン緩衝液中で貯蔵したRTAを、10mMヒスチジン、pH6.0、144mM NaClに10倍希釈した後に、希釈した安定化緩衝液にアルミニウムを添加した。この方法の場合、4℃で5時間以上吸着を起こさせておき、その結果95%を超えるRTAが、アルミニウムゲル粒子に結合した。その後、アルミニウム粒子を吸着容器の底に沈殿させて、又は混合物を遠心分離に供して、粒子と水性緩衝液とを分離した。このアルミニウム混合物に、8%トレハロースを含有する緩衝液系(酢酸アンモニウム又はヒスチジン)を添加した。この方法で、系の等張性を維持することができた。方法1及び方法2の場合、その後の凍結乾燥は、凍結乾燥前に予冷する(PC)又は凍結乾燥前に室温でインキュベーションするいずれかの状態で進めた。

0060

各工程条件からのサンプルを、4℃及び40℃でインキュベートし、分析及びワクチン接種試験のために1週目、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、9ヵ月、12ヵ月、18ヵ月及び24ヵ月目に取り出した。効力分析の場合、RTA免疫原の用量を変化させるが、アジュバント成分(アルミニウム及びPHAD)を一定に保つ濃度範囲で、Swiss Websterマウスをワクチン接種した。対照試験の場合、PHAD含有凍結乾燥ワクチンと同じ用量範囲を使用して、共アジュバントPHADを含有しないワクチンでマウスをワクチン接種した。2種類のワクチン接種手順を使用した。

0061

1組のマウスを試験1日目に1用量のワクチンでワクチン接種し、もう1組のマウスを試験1日目及び21日目にワクチンでワクチン接種した。各ワクチン接種時及びその2週間後に、動物から血清を得た。最終的な分析では、35日目に、マウスを10xLD50のリシン毒素に曝露し、生存を記録した。共アジュバントを含まないワクチンと比較して、PHADを含有する再構成された乾燥ワクチンサンプルを用いてワクチン接種した動物によって、リシン曝露に供したときに血清学的エンドポイント(RTA反応性抗体総量及びリシン中和抗体)に対する用量反応曲線が、低用量のRTA免疫原の方へ著しく移動することが実証され、また低用量範囲での防御免疫も実証された。高温でインキュベートしたワクチンサンプルも同様に著しい免疫応答の強化が実証され、ワクチン成分の全てが安定化したことが示された。更に、PHADワクチンは、中和抗体の高力価に反映される広い免疫応答及び中和エピトープの広い応答を誘導した。

0062

X.ガラス転移温度
ガラス転移温度(Tg)は、ワクチン生成物の安定性の指標である。Tg以下又はその近くでは、ワクチンはガラスとして振る舞い、ワクチンの全ての成分がガラス内で安定化される。Tgを超えると、サンプルは不安定になり、マトリックス内の成分も不安定になる。Tgは、以下の方法にある示差走査熱量測定によって測定される。サンプルのTgは、10℃/分の速度で0℃から150℃へと制御された温度プログラムにサンプルを供することによって決定される。サンプルへの/からの熱流量が測定され、基準値の移動として表される。Tgは、この基準値移動の中間点における温度として表される。

0063

DSC分析に供した凍結乾燥RTAワクチンは、100℃を超える高いガラス転移温度及び0.5%未満の水分含量を実証する(カールフィッシャー分析)。

実施例

0064

この明細書及び添付の特許請求の範囲において使用するように、単数形は複数形を含む。例えば、文脈に別段の明確な指図がない限り、用語「a」、「an」及び「the」は複数の指示対象を含む。加えて、一連の要素に先行する用語「少なくとも」は、一連の全ての要素のことを指すと理解されるものとする。本明細書において例示的に記載される本発明は、本明細書において特に開示しないどんな要素(単数又は複数)、制限(単数又は複数)が無い場合も最適に実行され得る。したがって、例えば用語、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」などは、拡張的に、制限なしに読み取るものとする。更に、本明細書に使用されている用語及び表現は、説明の用語として使用され限定するものではなく、そのような用語並びに表現の使用において図示及び記述された将来のいかなる等価物又はそのいかなる部分も排除する意図はなく、特許請求されている本発明の範囲内で様々な修正が可能であることは認識されよう。したがって、本発明を好ましい実施形態及び任意の特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書に開示された本発明の修正及び変形は当業者によって使用されてよく、そのような修正及び変形は、本明細書に開示された本発明の範囲内に含まれると見なされることを理解されたい。本発明については、本明細書に広く、一般的に記述されてきた。一般的開示の範囲に含まれるそれぞれのより狭い種及び亜属集団もまた、本発明の一部を形成する。これは、削除された材料が本明細書に具体的に属したか否かに関わらず、その属の任意の対象を除くという条件又は消極的な限定を伴って、各発明の一般的記述を含む。加えて、発明の特徴又は態様がマーカッシュグループ(Markush group)の用語で記述される場合、当業者は、本発明がマーカッシュグループの任意の個別のメンバー又はメンバーのサブグループの用語によって記述されることも認識するはずである。前記説明が例示的であり限定的でないことを意図することも、理解されよう。多くの実施形態は、前記説明を見直せば、即座に当業者に明らかになる。したがって、本発明の範囲は前記説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲を、そのような請求項が付与する等価物の完全な範囲と同時に参照して決定されるべきである。当業者は、記載される本発明の特定の実施形態の多くの等価物を僅かな通常の実験を用いて、認識又は確認することができるようになる。そのような等価物は、以下の請求項に包含されることを意図する。

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