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技術 脳梗塞の影響を治療する方法

出願人 メゾブラスト,インコーポレーテッドセントラルアデレードローカルヘルスネットワークインコーポレイテッド
発明者 サイモン・アンドレア・コブラースタン・グロントスアグニエシュカ・アーサー
出願日 2012年6月4日 (7年8ヶ月経過) 出願番号 2014-513005
公開日 2014年7月17日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2014-516715
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 足踏みポンプ 複数突起 電動回転 被覆チャンバ 封入デバイス 足踏みの 頭部周辺 矢じり形
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題・解決手段

本開示は、脳梗塞を患う患者において、脳機能を改善する、または脳機能の喪失を予防する、および/または運動障害治療するもしくは予防する、および/または脳神経細胞再生させる方法であって、対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子投与することを含む方法を提供する。

概要

背景

脳梗塞は、オーストラリアでは、心臓病患後の2番目に大きな死亡原因であり、能力障害の一番大きな原因である。脳梗塞は、米国では3番目に大きな死亡原因であり、毎年、140,000人以上が、脳梗塞が原因で死亡している。脳梗塞はまた、米国において、長期にわたる深刻な機能障害の一番大きな原因である。米国で2005年から2050年の期間に脳梗塞に関して予想されるコストは、2.2兆米国ドルである。

機能障害は、脳梗生存者の75%に影響を与え、それらの人々の雇用可能性を低下させるのに充分である。脳梗塞は、身体的、精神的、情動的に、またはそれら3つが組み合わさって、対象に影響を及ぼす可能性がある。

脳梗塞の結果として生じうる一部の身体的機能障害には、筋力低下無感覚褥瘡肺炎失禁失行(学習動作の実行不能)、日常活動の実行困難、食欲喪失、言語喪失視覚喪失、および疼痛が挙げられる。もし脳梗塞が充分に重症である、または脳幹の一部といったある特定の場所である場合には、昏睡または死亡という結果になる可能性がある。

脳梗塞の結果生じる情動面の問題は、脳の情動中枢の損傷、または新たな制約に対する適応障害フラストレーションから生じる可能性がある。脳梗塞後の情動面の障害には、鬱、不安、パニック発作平坦な情動、(感情表現できない)、躁、無関心、および精神病が挙げられる。

脳梗塞の結果生じる認識障害には、知覚障害、言語障害会話障害、痴呆、および注意力記憶力の障害が挙げられる。脳梗塞を患う者は、自身の機能障害に気づいていないことがあり、これは疾病失認と呼ばれる状態である。半側空間無視と呼ばれる状態では、患者は、損傷した半球の反対側でのいかなる物にも注意を向けることができない。

脳梗塞の患者の最高10%が、もっとも多くは事象にひき続く1週間後で、発作発症する。脳梗塞の重症度は、発作の尤度を増加させる。

脳梗塞は、脳への血液供給の障害による脳機能の喪失が、急速に発症するものである。これは、閉塞血栓症動脈塞栓症)、または出血(血液の漏出)に起因する虚血(血流欠如)による可能性がある。結果として、脳の患部は機能しなくなり、その結果、対象は、半身の1つまたは複数の肢を動かすことができなくなる、会話を理解する、もしくは会話を成立させることができなくなる、または視野の片側を見ることができなくなることになりかねない。脳梗塞はしばしば、神経細胞の死という結果を生じ、死に至る可能性もある。

2つのよく知られた型の脳梗塞があり:(i)虚血性脳梗塞、これは、一時的または持続的な、脳への血流の閉塞によって生じ、脳梗塞の症例の85%を占め、(ii)脳出血、これは、血管の破裂によって生じ、残りの症例の大部分を占めるものである。虚血性脳梗塞のもっとも多い原因は、中大脳動脈(内頸動脈から下流の頭蓋動脈)の閉塞であり、これは、大脳(例えば、大脳皮質)、例えば、運動皮質感覚皮質を損傷させる。そうした損傷の結果、片麻痺、片側感覚脱失、そして、脳半球の損傷に依存して、言語障害または視空間障害のどちらかが生じる。

虚血性脳梗塞の現在の治療は、虚血性ペナンブラ、すなわち、構造の完全性は保持しているが電気的機能を喪失した、脳の中程度の低灌流領域をレスキュー(rescue)することに焦点を当ててきた。現状では、脳梗塞後の結果を改善する、臨床的に証明された治療は:
・さらなる脳梗塞を予防するアスピリン
・閉塞を逆転させる組織プラスミノーゲン活性化因子を用いた緊急血栓溶解
ストロークユニット(stroke unit)での管理、および
頭蓋内圧を低下させる半頭蓋切除、の4つしかない。

しかしながら、そうした治療は、進行中の神経細胞損傷を軽減しようとするだけのものであって、喪失した神経細胞または脳機能を修復するものではない。

一部の神経保護剤が、脳梗塞の治療における有効性について試験され、うまくいかなかったが、それらには、N−メチル−D-アスパルテート受容体拮抗薬ナルメフェン(nalmefene)、ルベルゾール(lubeluzole)、クロメチアゾール(clomethiazole)、カルシウムチャネル遮断薬(a−アミノ3−ヒドロキシ−5−メチルイソキサゾールー4−プロプリオン酸拮抗薬セロトニン作動薬(例えばレピノタン(repinotan))、およびトランスメンブレンカリウムチャネル調節剤を含む)、チリラザド(tirilazad)、抗ICAM−I抗体、ヒト抗白血球抗体(Hu23F2G)、抗血小板抗体(例えばアブシキマブ(abciximab))、シチコリン(citicoline)、(シチジン−5' −二リン酸コリン外因性形態)、および塩基性線維芽細胞増殖因子が挙げられる。

上記のことから、脳梗塞の治療について当技術分野における要求があることは、明らかであるだろう。望ましい治療は、脳梗塞によって生じた神経損傷の少なくとも一部を修復する、および/または脳梗塞の結果としての脳機能喪失を、少なくとも一部を修復するであろう。

概要

本開示は、脳梗塞を患う患者において、脳機能を改善する、または脳機能の喪失を予防する、および/または運動障害を治療するもしくは予防する、および/または脳神経細胞再生させる方法であって、対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子投与することを含む方法を提供する。

目的

本明細書で示された知見は、脳梗塞の1つまたは複数の影響を治療する方法の根拠を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
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請求項1

脳梗塞を患う対象において脳機能を改善するまたは脳機能の喪失を予防する方法であって、対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子投与することを含む方法。

請求項2

対象における脳機能の改善が、対象にける運動障害を改善する、請求項1記載の方法。

請求項3

脳梗塞を患う対象における運動障害を治療するまたは予防する方法であって、対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を投与することを含む方法。

請求項4

運動障害が、麻痺、局部麻痺、言語不明瞭、非協調運動筋力低下緊張低下緊張亢進または異常不随意運動である、請求項2または3記載の方法。

請求項5

脳梗塞を患う対象における脳神経細胞再生させる方法であって、対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を投与することを含む方法。

請求項6

脳神経が、大脳皮質にある、請求項5記載の方法。

請求項7

脳神経細胞が、運動皮質および/または感覚皮質にある、請求項6記載の方法。

請求項8

脳梗塞が、虚血性脳梗塞である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

虚血性脳梗塞が、対象における中大脳動脈閉塞に起因する、請求項8記載の方法。

請求項10

対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を、対象に、脳梗塞後、1時間と2週間の間に投与することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を、脳梗塞後、24時間以内に投与することを含む、請求項10記載の方法。

請求項12

STRO−1bright細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を投与することを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

細胞がさらに、組織非特異型アルカリフォスファターゼ(TNAP)および/または熱ショックタンパク質90β(HSP90P)およびまたはCD146を発現する、請求項12記載の方法。

請求項14

細胞の集団が骨髄または歯髄に由来する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を全身投与する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を、対象の脳に局所投与する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された集団および/またはそれに由来する可溶性因子を、対象の大脳に局所投与する、請求項16記載の方法。

請求項18

脳機能を改善する、および/または脳神経細胞を再生させるのに充分な用量の、集団および/または子孫および/またはそれに由来する可溶性因子を投与する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

集団および/または子孫および/またはそれに由来する可溶性因子を複数回投与する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

集団および/または子孫および/またはそれに由来する可溶性因子を、4以上の週毎に1回投与する、請求項19記載の方法。

請求項21

kgあたり0.1×106から5×106個の間のSTRO−1+細胞および/またはその子孫を投与することを含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。

請求項22

kgあたり0.3×106から2×106個の間のSTRO−1+細胞および/またはその子孫を投与することを含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。

請求項23

低用量の、STRO−1+細胞および/またはその子孫を投与することを含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

低用量の、STRO−1+細胞および/またはその子孫が、kgあたり0.1×105と0.5×106個の間のSTRO−1+細胞および/またはその子孫を含む、請求項23記載の方法。

請求項25

STRO−1+細胞および/またはその子孫細胞が富化された集団が、オートジェネイック(autogeneic)もしくは同種異系である、および/または可溶性因子が、オートジェネイックもしくは同種異系の細胞に由来してもよい、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

STRO−1+細胞および/またはその子孫細胞が富化された集団を、投与に先立って、および/または可溶性因子を得るのに先立って培養増殖する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

STRO−1+細胞および/もしくはその子孫細胞ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を、前記STRO−1+細胞および/もしくはその子孫細胞および/またはそれに由来する可溶性因子ならびに担体および/または賦形剤を含む組成物の形態で投与する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。

請求項28

脳梗塞後の対象における脳機能を改善する、または脳梗塞後の対象における運動障害を治療する、または脳梗塞後の対象における脳神経細胞を再生させるのに使用する、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子。

請求項29

脳梗塞後の対象において脳機能を改善する、または脳梗塞後の対象において運動障害を治療する、または脳梗塞後の対象において脳神経細胞を再生させる医薬の製造における、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子の使用。

技術分野

0001

関連出願
本出願は、2012年6月3に出願された、「脳梗塞の影響を治療する方法」と題された米国特許出願第61/493,057号からの優先権を主張する。その内容全体は、ここに参照により組み込まれる。

0002

配列表
配列表は、本出願とともに電子出願される。配列表の内容全体は、ここに参照により組み込まれる。

0003

本開示は、対象における脳梗塞の影響を治療する方法に関する。

背景技術

0004

脳梗塞は、オーストラリアでは、心臓病患後の2番目に大きな死亡原因であり、能力障害の一番大きな原因である。脳梗塞は、米国では3番目に大きな死亡原因であり、毎年、140,000人以上が、脳梗塞が原因で死亡している。脳梗塞はまた、米国において、長期にわたる深刻な機能障害の一番大きな原因である。米国で2005年から2050年の期間に脳梗塞に関して予想されるコストは、2.2兆米国ドルである。

0005

機能障害は、脳梗生存者の75%に影響を与え、それらの人々の雇用可能性を低下させるのに充分である。脳梗塞は、身体的、精神的、情動的に、またはそれら3つが組み合わさって、対象に影響を及ぼす可能性がある。

0006

脳梗塞の結果として生じうる一部の身体的機能障害には、筋力低下無感覚褥瘡肺炎失禁失行(学習動作の実行不能)、日常活動の実行困難、食欲喪失、言語喪失視覚喪失、および疼痛が挙げられる。もし脳梗塞が充分に重症である、または脳幹の一部といったある特定の場所である場合には、昏睡または死亡という結果になる可能性がある。

0007

脳梗塞の結果生じる情動面の問題は、脳の情動中枢の損傷、または新たな制約に対する適応障害フラストレーションから生じる可能性がある。脳梗塞後の情動面の障害には、鬱、不安、パニック発作平坦な情動、(感情表現できない)、躁、無関心、および精神病が挙げられる。

0008

脳梗塞の結果生じる認識障害には、知覚障害、言語障害会話障害、痴呆、および注意力記憶力の障害が挙げられる。脳梗塞を患う者は、自身の機能障害に気づいていないことがあり、これは疾病失認と呼ばれる状態である。半側空間無視と呼ばれる状態では、患者は、損傷した半球の反対側でのいかなる物にも注意を向けることができない。

0009

脳梗塞の患者の最高10%が、もっとも多くは事象にひき続く1週間後で、発作発症する。脳梗塞の重症度は、発作の尤度を増加させる。

0010

脳梗塞は、脳への血液供給の障害による脳機能の喪失が、急速に発症するものである。これは、閉塞血栓症動脈塞栓症)、または出血(血液の漏出)に起因する虚血(血流欠如)による可能性がある。結果として、脳の患部は機能しなくなり、その結果、対象は、半身の1つまたは複数の肢を動かすことができなくなる、会話を理解する、もしくは会話を成立させることができなくなる、または視野の片側を見ることができなくなることになりかねない。脳梗塞はしばしば、神経細胞の死という結果を生じ、死に至る可能性もある。

0011

2つのよく知られた型の脳梗塞があり:(i)虚血性脳梗塞、これは、一時的または持続的な、脳への血流の閉塞によって生じ、脳梗塞の症例の85%を占め、(ii)脳出血、これは、血管の破裂によって生じ、残りの症例の大部分を占めるものである。虚血性脳梗塞のもっとも多い原因は、中大脳動脈(内頸動脈から下流の頭蓋動脈)の閉塞であり、これは、大脳(例えば、大脳皮質)、例えば、運動皮質感覚皮質を損傷させる。そうした損傷の結果、片麻痺、片側感覚脱失、そして、脳半球の損傷に依存して、言語障害または視空間障害のどちらかが生じる。

0012

虚血性脳梗塞の現在の治療は、虚血性ペナンブラ、すなわち、構造の完全性は保持しているが電気的機能を喪失した、脳の中程度の低灌流領域をレスキュー(rescue)することに焦点を当ててきた。現状では、脳梗塞後の結果を改善する、臨床的に証明された治療は:
・さらなる脳梗塞を予防するアスピリン
・閉塞を逆転させる組織プラスミノーゲン活性化因子を用いた緊急血栓溶解
ストロークユニット(stroke unit)での管理、および
頭蓋内圧を低下させる半頭蓋切除、の4つしかない。

0013

しかしながら、そうした治療は、進行中の神経細胞損傷を軽減しようとするだけのものであって、喪失した神経細胞または脳機能を修復するものではない。

0014

一部の神経保護剤が、脳梗塞の治療における有効性について試験され、うまくいかなかったが、それらには、N−メチル−D-アスパルテート受容体拮抗薬ナルメフェン(nalmefene)、ルベルゾール(lubeluzole)、クロメチアゾール(clomethiazole)、カルシウムチャネル遮断薬(a−アミノ3−ヒドロキシ−5−メチルイソキサゾールー4−プロプリオン酸拮抗薬セロトニン作動薬(例えばレピノタン(repinotan))、およびトランスメンブレンカリウムチャネル調節剤を含む)、チリラザド(tirilazad)、抗ICAM−I抗体、ヒト抗白血球抗体(Hu23F2G)、抗血小板抗体(例えばアブシキマブ(abciximab))、シチコリン(citicoline)、(シチジン−5' −二リン酸コリン外因性形態)、および塩基性線維芽細胞増殖因子が挙げられる。

0015

上記のことから、脳梗塞の治療について当技術分野における要求があることは、明らかであるだろう。望ましい治療は、脳梗塞によって生じた神経損傷の少なくとも一部を修復する、および/または脳梗塞の結果としての脳機能喪失を、少なくとも一部を修復するであろう。

先行技術

0016

米国特許出願第61/493,057号

発明が解決しようとする課題

0017

上記のことから、脳梗塞の治療について当技術分野における要求があることは、明らかであるだろう。望ましい治療は、脳梗塞によって生じた神経損傷の少なくとも一部を修復する、および/または脳梗塞の結果としての脳機能喪失を、少なくとも一部を修復するであろう。

課題を解決するための手段

0018

本開示は、脳梗塞の影響の治療に有用な細胞集団の、本発明人による同定に基づいている。本明細書で例証したように、本発明人は、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫ならびに/またはそれが分泌する因子が、脳梗塞後の喪失した脳機能を修復することを示した。例示的なSTRO−1+細胞は、骨髄および/または歯髄由来し、治療でのそれらを使用する以前に、培養および/または保存することができること示した。本発明人は、例えば、大脳に影響を与える虚血性脳梗塞について認められた動物モデルを用いて、脳梗塞の影響を治療する細胞および/または分泌因子の有効性を実証した。

0019

例えば、本発明人は、それらが、脳梗塞後の脳機能を修復する、および/または運動障害を治療することができることを示した。本発明人はまた、STRO−1+細胞が、因子(例えばSDF−1)を分泌し、これらの因子が、神経細胞からの軸索成長を引き起こすことを示した。理論または行動様式拘束されるものではないが、本発明人は、これらの因子が、神経保護血管新生免疫調節、および/または神経可塑性に寄与する可能性があることを提案する。

0020

発明人はまた、STRO−1+細胞が、神経細胞様細胞分化することができることを示した。しかしながら、脳梗塞を患う対象の脳への注入の後に、これらの細胞で数週間を超えて生存したものはほとんどない。これらの結果は、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫ならびに/またはそれが分泌する因子が、脳梗塞後の対象自身の神経細胞の生存および/または再生に寄与していることを示している。

0021

本明細書で示された知見は、脳梗塞の1つまたは複数の影響を治療する方法の根拠を提供するものである。例えば、そのような方法は、脳梗塞を患う対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子投与することを含む。

0022

本開示は、脳梗塞を患う対象において、脳機能を改善するまたは脳機能の喪失を予防する方法であって、対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を投与することを含む方法を提供する。

0023

一例では、対象における脳機能改善は、対象における運動障害を改善する。一例では、脳機能は、運動皮質機能および/または感覚皮質機能といった大脳皮質機能である。

0024

本開示はさらに、または代わりに、脳梗塞を患う対象における運動障害を治療または予防する方法であって、対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を投与することを含む方法を提供する。

0025

本明細書に記載の方法の一例では、運動障害は、麻痺、局部麻痺、言語不明瞭、非協調運動、筋力低下、緊張低下緊張亢進、または異常不随意運動である。

0026

本開示はさらに、脳梗塞を患う対象において脳神経細胞を再生させる方法であって、対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を投与することを含む方法を提供する。

0027

本開示さらに、脳梗塞を患う対象において、脳萎縮症を治療する、低下させるまたは予防する方法であって、対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を投与することを含む方法を提供する。一例では、脳萎縮症は脳梁内にある。

0028

一例では、本開示の方法を実行することにより再生する脳神経細胞は、大脳皮質、例えば、運動皮質および/または感覚皮質にある。

0029

一例では、脳梗塞は、虚血性脳梗塞である。

0030

本開示で企図される例示的な脳梗塞は、対象における中大脳動脈の閉塞によって生じる虚血性脳梗塞である。

0031

一例では、本開示の方法は、対象に、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を、脳梗塞後の1時間と1か月の間、例えば、1時間と1週間の間といった1時間と2週間の間に投与することを含む。例えば、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を、脳梗塞後の約72時間以内に投与する。例えば、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を、脳梗塞後の約48時間以内に投与する。

0032

他の例では、方法は、対象にSTRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を、脳梗塞後の24時間以内に投与することを含む。例えば、STRO−1-細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を、脳梗塞の約24時間後に投与する。

0033

一例では、方法は、STRO−1bright細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を投与することを含む。一例では、子孫は、STRO−1bright細胞がさらに富化されている。

0034

例示的な細胞および/または子孫はさらに、組織非特異型アルカリフォスファターゼ(TNAP)および/または熱ショックタンパク質90β(HSP90P)および/またはCD146を発現する。

0035

一例では、細胞の集団は、骨髄または歯髄に由来する。

0036

一例では、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子は、全身投与される。

0037

代わりの例では、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子は、対象の脳に局所投与される。例えば、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子は、対象の大脳に局所投与される。一例では、集団および/または子孫および/または可溶性因子はさらに(または代わりに)、対象の線状体に投与される。

0038

一例では、STRO−1+細胞および/またはその子孫が富化された集団は、脳梗塞の部位から遠い部位に投与され、脳梗塞の部位、例えば、虚血性梗塞、または虚血性梗塞を取り巻く境界域に移動する。

0039

本明細書記載のいずれかの例に従う例示的な方法は、脳機能を改善する、および/または脳神経細胞を再生するのに充分な用量の、集団および/または子孫および/または可溶性因子を投与することを含む。

0040

一例では、方法は、有効量または治療有効量の、集団および/または子孫および/または可溶性因子を投与することを含む。

0041

一例では、方法は、kgあたり0.1×106から5×106個の間のSTRO−1+細胞および/またはその子孫を投与することを含む。例えば、方法は、kgあたり0.3×106から2×106個の間のSTRO−1+細胞および/またはその子孫を投与することを含む。例えば、方法は、kgあたり0.5×106から2×106個の間のSTRO−1+細胞および/またはその子孫を投与することを含む。例えば、方法は、kgあたり0.5×106から1.5×106個の間のSTRO−1+細胞および/またはその子孫を投与することを含む。例えば、方法は、kgあたり約5×105個のSTRO−1+細胞および/もしくはその子孫、またはkgあたり約1.5×106個のSTRO−1+細胞および/もしくはその子孫を投与することを含む。例えば、方法は、kgあたり約1.8×106個のSTRO−1+細胞および/またはその子孫を投与することを含む。

0042

一例では、本明細書記載のいずれかの例に従う方法は、低用量の、STRO−1+細胞および/またはその子孫を投与することを含む。例えば、低用量の、STRO−1+細胞および/またはその子孫は、kgあたり0.1×105と0.5×106個の間のSTRO−1+細胞および/またはその子孫を含む。

0043

一例では、集団および/もしくは子孫ならびに/または可溶性因子は、複数回投与される。例えば、集団および/もしくは子孫ならびに/または可溶性因子は、4以上の週毎に1回投与される。

0044

一例では、25%未満の、STRO−1+細胞および/またはその子孫は、対象の脳(例えば大脳)の中に、投与後28日間残存する。例えば、10%未満の、STRO−1+細胞および/またはその子孫は、対象の脳(例えば大脳)に、投与後28日間残存する。例えば、5%未満または3%未満の、STRO−1+細胞および/またはその子孫は、対象の脳(例えば大脳)に、投与後28日間残存する。

0045

一例では、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫細胞が富化された集団は、オートジェネイック(autogeneic)もしくは同種異型であり、ならびに/または可溶性因子は、オートジェネイックもしくは同種異系細胞に由来することがある。一例では、本明細書記載のいずれかの例に従う方法は、集団および/もしくは子孫を単離もしくは富化すること、ならびに/または可溶性因子を単離することを含む。

0046

本明細書記載のいずれかの例に従う方法の例では、STRO−1+細胞および/またはその子孫細胞が富化された集団は、投与に先立って、および/または可溶性因子を得るのに先立って、培養増殖されている。一例では、方法は、本明細書記載の方法はさらに、集団および/または子孫を培養することを含む。一例では、方法はさらに、集団および/または子孫を保存することを含む。

0047

一例では、集団および/もしくはその子孫細胞ならびに/またはそれに由来する可溶性因子は、前記STRO−1+細胞および/もしくはその子孫細胞および/またはそれに由来する可溶性因子ならびに担体および/または賦形剤を含む組成物の形態で投与される。一例では、本明細書記載のいずれかの例に従う方法はさらに、集団および/または子孫および/または可溶性因子を、担体および/または賦形剤とともに調剤することを含む。

0048

一例では、本明細書記載のいずれかの例に従う方法はさらに、治療後の対象の脳機能を試験することを含む。例えば、方法はさらに、対象の、運動および/または体力および/または会話および/または体力を試験することを含む。一例では、もし対象の脳機能が、集団および/または子孫および/または可溶性因子の投与前と比較して有意に増大しなかった場合には、方法は、さらなる用量の、集団および/または子孫および/または可溶性因子を投与することを含む。

0049

一例では、治療されている対象は、霊長類、例えばヒトといった哺乳類である。

0050

本開示はまた、脳梗塞後の対象における脳機能を改善する、または脳梗塞後の対象における運動障害を治療する、または脳梗塞後の対象における脳神経細胞を再生させるさいに使用する、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を提供する。

0051

本開示はさらに、脳梗塞後の対象における脳機能を改善する、または脳梗塞後の対象における運動障害を治療する、または脳梗塞後の対象における脳神経細胞を再生させる医薬を製造するさいの、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子の使用を提供する。

0052

本開示はまた、本明細書でいずれかの例に記載の方法において、使用説明書と同された、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を含むキットを提供する。

0053

例えば、本開示は、本明細書でいずれかの実施例に記載の方法において、組成物の使用を指示する製品情報と同梱された、集団および/または子孫および/または可溶性因子を含む組成物、を含むキットを提供する。

0054

本開示はまた、本明細書記載のいずれかの例に従う方法において、使用説明書と同梱された、STRO−1+細胞および/またはその子孫を単離するまたは培養するキットを提供する。

0055

本開示はまた、本明細書記載のいずれかの例に従う方法において、使用説明書とともに、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を提供することを含む方法を提供する。

0056

本開示はまた、本明細書記載のいずれかの例に従う方法において、後に使用するための、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫が富化された細胞の集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を、単離する、または単離するために用意する、または保存する、または保存するために用意することを含む方法を提供する。

0057

本明細書に記載の方法は、さらなる脳梗塞の危険性を低下させる方法に準用すると解されるものとする。

図面の簡単な説明

0058

成人BMMNCによるTNAP(STRO−3)および間葉系前駆細胞マーカー、STRO−1brightの共発現を示す。STRO−1 MACSで選別したBMMNCのインキュベーション、およびFITCに結合したヤギ抗マウスIgM抗体での間接標識(x軸)、およびPEに結合したヤギ抗マウスIgGで間接標識されたSTRO−3mAb(マウスIgG1)(y軸)によって、二色免疫蛍光法およびフローサイトメトリーを行った。ドットプロットヒストグラムリストモードデータとして収集した5×104個の事象を表わしている。垂直線および水平線は、同条件下で処置したアイソタイプ一致の対照抗体、1B5(IgG)および1A6.12(IgM)で得られた平均蛍光の1.0%未満の活性レベルに設定した。結果は、少数のSTRO−1bright細胞集団がTNAPを共発現したが(右上の象限)、一方で残りのSTRO−1+細胞はSTRO−3mAbと反応しなかったことを示している。
培養され増殖したSTRO−1briMPCのSTRO−1br、またはSTRO−1dim子孫の遺伝子発現プロファイルである。ex vivoで増殖した骨髄MPCの単個細胞懸濁液は、トリプシンEDTA処理により調製した。細胞は、ヤギ抗マウスIgMフルオレセインイソチオシアネート一緒にインキュベーションすることにより引き続き明らかになったSTRO−1抗体で染色した。全細胞RNAは、蛍光標識細胞分取の後に、STRO−1dimまたはSTRO−1bri発現細胞の集団から精製した(A)。RNAzolB抽出法標準的な手順を用いて、全RNAを、各亜集団から単離し、cDNA合成の鋳型として使用した。多様な転写産物の発現を、従来の記述(Gronthos et al. J Cell Sci.77( 5:1827-1835, 2003)の標準プロトコルを用いて、PCR増幅により評価した。本研究で使用したプライマーセットを、表2に示す。増幅の後、各反応混合物を、1.5%アガロースゲル電気泳動分析し、臭化エチジウム染色により可視化した(B)。
細胞マーカーについての相対遺伝子発現を、ハウスキーピング遺伝子であるGAPDHの発現を基準にして、ImageQantソフトウェアを用いて評価した(C)。
培養され増殖したSTRO−1+MPCのSTRO−1bri子孫は、高レベルのSDF−1を発現するが、STRO−1dimの子孫はそうではない。(A)STRO−1+BMMNCの、MACSで単離した調製物を、FACSを用い、STRO−1brightおよびSTRO−1dim/dullの領域に従って、異なるSTRO−1サブセットに分割した。全RNAを、各STRO−1亜集団から調製し、STRO−1brightサブトラクションハイブリダイゼーションライブラリ構築するのに使用した(B−C)。複製ニトロセルロースフィルター、これは、STRO−1brightサブトクテッドcDNAを用いて形質転換した細菌クローンから増幅した代表的なPCR生成物を用いてブロットした。このフィルターはその後、[32P]デオキシシチジン三リン酸(dCTP)で標識されたSTRO−1bright(B)またはSTRO−1dim/dull(C)サブトラクテッドcDNAのどちらかを用いて精査した。矢印は、ヒトSDF−1に対応するcDNA断片を含む1クローンの差次的発現を示す。(D)培養に先立って新にMACS/FACS単離したBMMNC STRO−1集団から調製した全RNA中のSDF−1およびグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)転写物相対発現を示す逆転写酵素RT)−PCR分析である。bpは、塩基対を示す。
ヒトDPSCは、神経細胞様細胞に分化する。(A)ヒト包皮線維芽細胞(HFF)が、in vitroで神経細胞誘導培地応答しないことを示す顕微鏡写真コピーである。(B)hDPSCが、in vitroで、神経細胞誘導培地中で神経細胞表現型に分化することを示す顕微鏡写真コピーである。(C)30msステップで−44から36mVまで10mVごとの増加に応答して、分化したDPSCに記録された極微弱なNa+電流の代表例を示すグラフ表示である。(D)電圧ステップに応答して、分化した(D)および非分化の(N.D.)DPSCにおいて得られたピークNa+電流の平均I−Vプロットを示すグラフ表示である。
脳梗塞のモデルを治療するのに使用する手順を図示する、一連の表示である。パネルAは、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウムクロライドで染色して、中大脳動脈閉塞(MCAo)の1日後の梗塞性(白色)組織を可視化した、代表的なラット脳断面を示す。パネルBは、抗ヒトミトコンドリア抗原抗体とヘマトキリシンで染色した代表的な冠状ラット脳断面を示す。パネルAとBの黒のドットは、ブレグマに対して前後方向−0.40mm、中央側方向−4.00mm、硬膜から背腹方向−5.50mmでの第1の線条体内注入、および硬膜から背腹−1.75mmでの第2の皮質内注入部位を示している。パネルCは、治療スケジュール図表示を示しており、このスケジュールでは、動物を、MCAo(0日目として表示)前に3日間訓練し、第3の訓練期間を、術前ベースライン(−1日目)として使用した。動物を無作為割り付けて、ヒトDPSCまたは培地のみを、MCAoの24時間後に与えた。治療割付けに対して盲検化された調査者による行動評価を、MCAo後の1、7、14、21、および28日目に実行した。すべての動物は、実験の継続期間をとおして、10mg/kgのシクロスポリンA皮下注入毎日受けた。動物を犠牲にして、それらの脳を、神経行動学的研究の終了にあたり免疫組織化学のために加工した。スケールバー=2mm(A、B)である。略語は:Cx、大脳皮質;DPSC、歯髄幹細胞;MCAo、中大脳動脈閉塞;Str、線状体である。
MCAo後の神経行動学的結果に与える、ヒトDPSC治療の効果を示す一連のグラフ表示である。MCAoの後、すべての動物は、すべての行動テストにおいて機能障害を示した(1日目または7日目対−1日目)。パネルAは、移植の4週間後に、DPSC治療動物が、ビヒクル治療動物と比較して、総計神経学的スコアにおいて有意の改善を示した(p<0.018 群×日の交互作用反復測定分散分析ANOVA];それぞれ21日目と28日目に治療群間で p<0.05およびp<0.01;事後のフィッシャーの保護付き最小有意差法(post hoc Fisher’s protected least significant difference))。パネルBに示すように、DPSC移植群はまた、ステップテストにおいて対側前肢を使ってとられた有意に多くの歩数によって示されるように、前肢感覚運動能力の有意な改善を示した(p=0.045 全体の治療効果)。パネルCはまた、ビヒクル治療群と比較して、DPSC移植群がまた、粘着テープ除去テストにおいて対側前肢からラベルを除去しようとする時間の有意に小さい割合を示したことを示している(p=0.049 全体の治療効果)。治療群間の行動遂行の差は、ロータロッド(パネルD)、および先細り桟状の梁を歩行する(パネルE)テストにおいて、統計的な有意差に達しなかった(p>0.05、反復測定ANOVA)。脳梗塞動物は、POST-MCAoの1日後では、旋回行動が原因で、梁歩行の課題を完遂することができなかった。データを、箱髭図としてプロットし、値の分布を可視化した。四角の中の中心のアスタリスクは、メジアンを表し、箱は、値の中央50%(すなわち、それは第一四分位数から第三四分位数までの範囲である)。髭は、データの範囲を示し、極端観測結果は、はずれた円で示してある。略語は:DPSC、歯髄幹細胞;MCAo、中大脳動脈閉塞である。
虚血後の脳における生存DPSCの分布示す写真表示のコピーである。代表的な冠状ラット脳断面は、移植の4週間後の、移植されたDPSC(個々の細胞を黒点で示す)の生存および移動のパターンを示している。断面を、ヒトミトコンドリア抗原に対して染色し、ラット脳組織からヒト細胞を検出した。目標としていた、脳梗塞病変へのDPSCの移動と、結果として生じる梗塞周辺での蓄積に注意されたい。スケールバー=2mm、略語:B、ブレグマ;CC、脳梁;Cx、大脳皮質;DG、背側海馬歯状回;LV、側脳室;Str、線状体である。
脳梗塞の28日後の、移植したヒトDPSCの形態を示す写真表示のコピーである。中大脳動脈閉塞の4週間後のげっ歯類脳におけるヒトDPSC(暗灰色に染色したヒトミトコンドリア抗原陽性細胞;図の右側)の高倍率図は、梗塞核のすぐ近傍での蓄積(パネルA)と、CCに沿った明らかな移動(パネルB)を示した。注入部位と脳梗塞の対側の脳半球におけるDPSCの疎な分布に注意されたい。ドットは、個々のヒトDPSCを示す。パネルCは、一部のDPSC由来細胞が、脳血管生着したように見え、その形態的外観は、内皮細胞(矢印)、周皮細胞、または平滑筋細胞矢じり形)と整合することを示す。パネルDは、DPSC由来細胞の形態が、星状細胞(矢印)および神経細胞(矢じり形)を示唆していることを示している。スケールバー=2m(パネルA、B)および25μm(パネルC、D、およびパネルA、Bの高倍率の挿入図=40)。略語:B、ブレグマ;CC、脳梁である。
病変部位と同側(ipsilesional)のCC萎縮に与える、DPSC治療の効果を示す一連の表示である。パネルAは、ブレグマのレベルでの代表的なラット脳断面で、ブレグマでは脳の正中線(L1)および側脳室の側稜(L2)において、2つの部位がCC厚の測定に使用され、両方で同側および対側脳半球が表示されている。パネルBは、移植の4週間後に、ビヒクル治療動物と比較して、DPSC治療動物の病変部位と同側半球に、脳梁萎縮の減少傾向があったことを示す。L1(正中線)でのCC測定に対するL2(同側)での測定の規格化は、統計的有意差に達しなかった(p>0.05)。病変と反対側(contralesional)のCC厚の測定に、治療群間で差異はなかった。データは、平均±標準誤差で示してある。スケールバー=100μmである。略語は:CC、脳梁;Contra、対側;Cx、大脳皮質;DPSC、歯髄幹細胞;Ipsi、同側;LV、側脳室、である。
ヤギ抗マウスIgMまたはIgG結合FITC二次抗体を用いて検出されたアイソタイプ(IgM、IgG2aおよびIgG1)陰性対照破線)と比較して、間葉系幹細胞マーカーであるSTRO−1、STRO−4およびCD146(実線)の陽性細胞表面発現をもつ、培養増殖された骨髄由来カニクイザルMPCの単個細胞懸濁液を用いて生成した代表的なフローサイトメトリーのヒストグラムを示すグラフ表示である。代表的なヒストグラムはまた、カニクイザルMPCが、単球マクロファージ(CD14)、造血幹前駆体細胞(CD34)および成熟白血球(CD45)のマーカーに対して細胞表面発現を欠いていることを示している。アイソタイプ対照と比較して1%蛍光よりも大きいレベルは、陽性を示している。

0059

配列リスト手がかり
列番号1 GAPDHをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号2 GAPDHをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号3 SDF−1をコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号4 SDF−1をコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号5IL−1βをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号6 IL−1βをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号7FLT−1をコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号8 FLT−1をコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号9 TNF−αをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号10 TNF−αをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号11 KDRをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号12 KDRをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号13 RANKLをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号14 RANKLをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号15レプチンをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号16 レプチンをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号17CBFA−1をコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号18 CBFA−1をコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号19 PPARγ2をコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号20 PPARγ2をコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号21 OCNをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号22 OCNをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号23 MyoDをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号24 MyoDをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号25SMMHCをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号26 SMMHCをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号27 GFAPをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号28 GFAPをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号29ネスチンをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号30 ネスチンをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号31SOX9をコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号32 SOX9をコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号33 X型コラーゲンをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号34 X型コラーゲンをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号35アグリカンをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド
配列番号36 アグリカンをコードする核酸を増幅するオリゴヌクレオチド

0060

一般的技術および選択された定義
本明細書を通じて、それ以外に具体的に述べられている場合または文脈がそれ以外に要求する場合を除いて、単一ステップへの参照、物質の組成物、ステップの群または物質の組成物の群は、1つおよび複数(すなわち一つまたは複数)の、それらのステップ、物質の組成物、ステップの群または物質の組成物の群を包含すると解されるものとする。

0061

本開示の各実施例は、それ以外に具体的に述べられている場合を除き、それぞれおよびすべての他の例に準用されるものとする。

0062

業者は、本開示が、具体的に記載されたもの以外の変形および修正許容することができることを理解するであろう。本開示がそのような変形および修正すべてを含むことを理解すべきである。本開示はまた、本明細書で参照または表示されているステップ、機能、組成物および化合物のすべてを個々にまたは集合的に、ならびに、前記ステップもしくは機能のいずれかのおよびすべての組み合わせまたはいずれか2つ以上の組み合わせを含む。

0063

本開示は、本明細書に記載の具体的な実施例によって範囲を制限されるものではなく、それらの実施例は例示を目的とすることだけを意図している。機能的に等価な生成物、組成物、および方法は、明確に、本開示の範囲内にある。

0064

本開示は、それ以外に表示されている場合を除き、分子生物学微生物学ウイルス学、DNA組み換え技術、溶液中でのペプチド合成固相ペプチド合成、および免疫学の従来技術を用いて過度の実験なしに実行される。そのような手順は、例えば、Sambrook, Fritsch & Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories, New York, Second Edition (1989),Vol I,II,およびIIIの全部; DNA Cloning: A Practical Approach, Vols. I and II (D. N. Glover, ed., 1985), IRL Press, Oxford,のテキスト全体; Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach (M. J. Gait, ed, 1984) IRL Press, Oxford,のテキスト全体、および特にその中でのGaitによる,ppl−22の論文; Atkinson et al, pp35-81; Sproat et al, pp 83-115; および Wu et al, pp 135-151; 4. Nucleic Acid Hybridization: A Practical Approach (B. D. Hames & S. J. Higgins, eds., 1985) IRL Press, Oxford,のテキスト全体; Immobilized Cells and Enzymes: A Practical Approach (1986) IRL Press, Oxford,のテキスト全体; Perbal, B., A Practical Guide to Molecular Cloning (1984); Methods In Enzymology (S. Colowick and N. Kaplan, eds., Academic Press, Inc.),のシリーズ全体; J.F. Ramalho Ortigao, “The Chemistry of Peptide Synthesis” In: Knowledge database of Access to Virtual Laboratory website (Interactiva, Germany); Sakakibara, D., Teichman, J., Lien, E. Land Fenichel, R.L. (1976). Biochem. Biophys. Res. Commun. 73 336-342; Merrifield, R.B. (1963). J. Am. Chem. Soc. 85, 2149-2154; Barany, G. and Merrifield, R.B. (1979) in The Peptides (Gross, E. and Meienhofer, J. eds.), vol. 2, pp. 1-284, Academic Press, New York. 12. Wunsch, E., ed. (1974) Synthese von Peptiden in Houben-Weyls Metoden der Organischen Chemie (Muler, E., ed.), vol. 15, 4th edn., Parts 1 and 2, Thieme, Stuttgart; Bodanszky, M. (1984) Principles of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, Heidelberg; Bodanszky, M. & Bodanszky, A. (1984) The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, Heidelberg; Bodanszky, M. (1985) Int. J. Peptide Protein Res. 25, 449-474; Handbook of Experimental Immunology, VoIs. I-IV (D. M. Weir and C. C. Blackwell, eds., 1986, Blackwell Scientific Publications); および Animal Cell Culture: Practical Approach, Third Edition (John R. W. Masters, ed., 2000), ISBN 0199637970,のテキスト全体、に記載されている。

0065

本明細書をとおして、文脈がそれ以外を要求する場合を除き、「comprise(含む)」という語、または「comprises」もしくは「comprising」といった変化形は、述べられたステップまたは要素または完全体またはステップ(複数)もしくは要素(複数)もしくは完全体(複数)の群の包含を意味するが、あらゆる他のステップまたは要素または完全体または要素もしくは完全体の群の排除を意味するものではないことが理解されるであろう。

0066

本明細書で使用される場合、「由来する(derived from)」の用語は、特定の完全体が、具体的な源から、その源から必ずしも直接的ではないにしても、得られうることを表示すると解されるものとする。STRO−1+細胞および/またはその子孫細胞に由来する可溶性因子という文脈では、この用語は、STRO−1+細胞および/またはそれらの子孫細胞のin vitro培養の間に産生される一つまたは複数の因子、例えば、タンパク質ペプチド炭水化物等などを意味すると解されるものとする。

0067

本明細書で使用される場合、「脳梗塞」という用語は、脳または脳幹への血流の障害による、通常、急速に発症する脳機能(複数可)の喪失を意味すると解されるものとする。障害は、例えば血栓症または塞栓症に起因する虚血(血液の不足)であり得、または出血によるものでもあり得る。一例では、脳機能の喪失は、神経細胞の死を伴う。一例では、脳梗塞は、大脳またはその領域に生じる血液の障害または喪失に起因する。一例では、脳梗塞は、24時間を超えて持続する、または24時間以内に死によって中断する、脳血管的原因の神経学的障害である(世界保健機関により定義されているとおり)。24時間を超える症状の持続により、脳梗塞は、症状の持続が24時間未満の一過性脳虚血発作(TIA)から区別される。脳梗塞の症状には、片麻痺(半身の麻痺);片側不全麻痺(半身の脱力);顔面の筋力低下;無感覚;感覚の低下;嗅覚味覚聴覚、または視覚の変化;嗅覚、味覚、聴覚または視覚の喪失;瞼の垂下(眼瞼下垂症);眼筋発見可能な脱力;咽頭反射の低下;嚥下能力の低下;瞳孔対光反応の低下;顔面の感覚低下平衡の低下;眼振呼吸数の変化;心拍数の変化;頭部を一方向へ転換する能力の低下または不可能になることを伴う胸鎖乳突筋の脱力;の脱力;失語症(会話するまたは言語を理解することができなくなる);失行症随意運動の変化);視野欠損記憶障害半側無視または半側空間無視(病変とは反対の視野側空間への注意障害);支離滅裂思考精神錯乱性欲過剰な身振りの発現;病態失認(障害の存在を持続的に否定);歩行困難;運動協調性の変化;空間識失調不均衡意識喪失頭痛;および/または嘔吐が挙げられる。

0068

当業者は、「大脳」が、大脳皮質(すなわち脳半球の皮質)、大脳基底核(すなわち大脳核)および辺縁系を含むことを知っているであろう。

0069

「脳機能」という用語は:
論理的思考、企画、会話の一部分、運動、情動、および問題解決前頭葉が関連する);
・運動、定位、認識、刺激の知覚(頭頂葉が関連する);
視覚処理後頭葉が関連する);および、
聴覚刺激の知覚および認識、記憶、および会話(側頭葉が関連する)、を含む。

0070

本明細書で使用される場合、「運動障害」という用語は、脳梗塞以前と比較した、対象の移動する能力のあらゆる変化を意味すると解されるものとする。例示的な運動障害には、麻痺、局部麻痺、言語不明瞭、非協調運動、筋力低下、緊張低下、緊張亢進または異常不随意運動などが挙げられる。

0071

本明細書で使用される場合、神経細胞を「再生させる」とは、対象の内在性神経細胞が、成長する(例えば、軸索を成長させる)および/もしくは分割するように誘導される、ならびに/または内在性神経幹細胞が、成長および/もしくは分割するおよび/もしくは分化して新たな神経細胞を産生するように誘導されることを意味すると解されるものとする。このことは、投与されて神経細胞を産生するように分化する細胞とは異なる。この用語は、神経細胞を再生させる方法がさらに、投与された細胞の、神経細胞または他の細胞型への分化を含んではいけないということを意味するものではない。

0072

本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、脳梗塞を患う対象において脳神経細胞の再生を誘導する、および/または対象において神経細胞に分化するのに充分な量の、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫細胞が富化された集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を意味すると解されるものとする。有効量は、それだけで治療効果を提供するのに充分である必要はなく、例えば、有効量の、集団および/または細胞および/または可溶性因子の複数の投与が、治療効果を提供してもよい。

0073

本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、脳梗塞を患う対象において脳機能を改善するおよび/または運動障害を治療するおよび/または脳神経細胞を再生させるのに充分な量の、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫細胞が富化された集団ならびに/またはそれに由来する可溶性因子を意味すると解されるものとする。

0074

本明細書で使用される場合、「低用量」という用語は、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫の、1×106個より少ないがそれでも本明細書で定義されている「有効量」ならびに/または本明細書で定義される「治療有効量」であるのに十分な量を意味すると理解されるものとする。例えば、低用量は、0.5×106個以下の細胞、または0.4×106個以下の細胞、または0.3×106個以下の細胞または0.1×106個以下の細胞を含む。

0075

本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」、「治療(treatment)」、「治療すること(treating)」という用語は、ある量の可溶性因子および/または細胞を投与すること、ならびに運動障害の重症度を減少させることを意味すると解されるものとする。

0076

本明細書で使用される場合、「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」、「予防(prevention)」という用語は、ある量の可溶性因子および/または細胞を投与すること、ならびに脳梗塞後の運動障害もしくは脳機能喪失の発症もしくは進行を停止するまたは抑制するまたは遅延させることを意味すると解されるものとする。このように、本開示の方法は、脳梗塞を患う対象において運動障害または脳機能喪失を予防する方法に準用すると解されるものとする。

0077

本明細書で使用される場合、「可溶性因子」という用語は、水溶性であるSTRO−1+細胞および/またはその子孫によって産生される、例えば、タンパク質、ペプチド、糖タンパク質糖ペプチドリポタンパク質リポペプチド、炭水化物などの、あらゆる分子を意味すると解されるものとする。そのような可溶性因子は、細胞内にありうる、および/または細胞によって分泌されうる。そのような可溶性因子は、複雑な混合物(例えば上清)および/もしくはその画分であり得る、並びに/または精製された因子であり得る。本開示の一例では、可溶性因子は、上清である、または上清中に含有される。従って、一つまたは複数の可溶性因子の投与を目的とする、本明細書のいかなる例も、上清の投与に準用されると解されるものとする。

0078

本明細書で使用される場合、「上清」という用語は、液状培地といった適切な培地においてSTRO−1+細胞および/またはその子孫のin vivoでの培養をおこなった後に生成される非細胞性物質をさす。典型的には、上清は、適切な条件と時間のもと、培地中で細胞を培養し、その後に遠心分離といった過程により細胞性物質を除去することによって生成される。上清は、投与前にさらなる精製ステップを経ても経なくてもよい。一例では、上清は、105個より少ない、さらには、103個より少ないといった、例えば104個より少ない細胞を含み、さらには例えば生細胞は含まない。

0079

本明細書で使用される場合、「正常または健康な個体」という用語は、脳梗塞を患っている対象を意味すると解されるものとする。

0080

本明細書では、「脳梗塞の影響」という用語は、脳機能を改善させる、運動障害を治療するもしくは予防するおよび/または脳神経細胞を再生させることの1つまた複数に、文字通りの支持を含み、提供すると理解されるであろう。

0081

STRO−r細胞または子孫細胞、およびそれに由来する上清または1つもしくは複数の可溶性因子
STRO−1+細胞は、骨髄、血液、歯髄細胞脂肪組織、皮膚、脾臓膵臓、脳、腎臓肝臓心臓網膜、脳、毛包、腸、リンパ節胸腺、骨、靱帯骨格筋真皮、および骨膜に見出される細胞であり、中胚葉および/または内胚葉および/または外胚葉等の生殖細胞系に分化することができる。例示的なSTRO−1+細胞の源は、骨髄および/または歯髄に由来する。

0082

一例では、STRO−1+細胞は、多数の細胞型、例えば、限定はされないが、脂肪組織、骨組織軟骨組織弾性組織筋肉組織、および線維性結合組織に分化可能な多能性細胞である。これらの細胞が迎える具体的な細胞系譜の決定および分化経路は、増殖因子サイトカイン、および/または宿主組織によって構築される局所的な微小環境の条件等の機械的影響および/または内在性生物活性因子からの種々の影響に依存する。従って、STRO−1+多能性細胞は、分裂して、どちらも幹細胞である娘細胞を生じる非造血系前駆細胞であるか、または適切な時期に不可逆的に分化して表現型を持つ細胞(phenotypic cell)を生じる前駆細胞である。

0083

一例では、STRO−1+細胞は、神経細胞または神経細胞様細胞に分化することができる。

0084

一例では、STRO−1+細胞は、神経細胞からの軸索の成長を誘導または促進する、1つまたは複数の因子を分泌する。

0085

一例では、STRO−1+細胞は、対象、例えば、治療を受ける対象または近縁の(related)対象もしくは非近縁の(unrelated)対象(同一種か異種かに関わらない)から得られた試料から富化される。「富化された」、「富化」という用語またはその変化形は、無処置の細胞集団(例えば、天然環境にある細胞)と比較したときに、ある特定の細胞型の割合またはいくつかの特定の細胞型の割合が増加している細胞集団を記述するために本明細書では使用される。一例では、STRO−1+細胞が富化された集団の割合は、少なくとも約0.1%または0.5%または1%または2%または5%または10%または15%または20%または25%または30%または50%または75%のSTRO−1+細胞を含む。この点において、「STRO−1+細胞が富化された細胞集団」という用語は、「X%のSTR01+細胞を含む細胞集団」という用語に明示的な支持を与えると解されるであろう。ここでX%は、本明細で列挙されているようにパーセンテージである。STRO−1+細胞は、一部の例では、クローン原生コロニー、例えばCFU−F(線維芽細胞)を形成する可能性があり、またはそのサブセット(例えば50%または60%または70%または70%または90%または95%)がこの活性を有する可能性がある。

0086

一例では、細胞集団は、選択可能な形態でSTRO−r細胞を含む、細胞の調整物から富化される。この点において、「選択可能な形態」という用語は、STRO−1+細胞の選択を可能にするマーカー(例えば細胞表面マーカー)を発現することを意味すると理解されるであろう。マーカーは、STRO−1であってもよいが、しかしそうである必要はない。例えば、本明細書に記載されているおよび/または例示されているように、STRO−2および/またはSTRO−3(TNAP)および/またはSTRO−4および/またはVCAM−1および/またはCD146および/または3G5を発現する細胞(例えばMPC)はまた、STRO−1(そしてSTRO−1強陽性(bright)である可能性がある)を発現する。従って、細胞がSTRO−1+であるという表示は、細胞がSTRO−1発現によって選択されるということを意味するものではない。一例では、細胞は、少なくともSTRO−3発現に基づいて選択され、例えばそれらはSTRO−3+(TNAP+)である。

0087

細胞またはその集団の選択への言及が、特定の組織源からの選択である必要はない。本名明細書に記載されるように、STRO−1+細胞は、非常に多様な源から選択または分離または富化されうる。とはいうものの、一部の例では、これらの用語は、STRO−1+細胞(例えばMPC)を含むあらゆる組織、または血管組織、または周皮細胞(例えばSTRO−1+周皮細胞)を含む組織、または本明細書に列挙される組織のいずれかまたはそれ以上のものに支持を与える。

0088

一例では、細胞は、TNAP+、VCAM−1+、THY−1+、STRO−2+、STRO−4+(HSP−90β)、CD45+、CD146+、3G5+またはそれらのあらゆる組合せからなる群から、個々に、または集合的に選択される一つまたは複数のマーカーを発現する。

0089

一例では、細胞は発現する、または細胞の集団は、STRO−1+(またはSTRO−1bright)およびCD146+を発現する間葉前駆細胞が富化されている。

0090

「個々に(Individually)」とは、本開示が、列挙されたマーカーまたはマーカー群を個別に包含すること、および、個々のマーカーまたはマーカー群が本明細書に個別には列挙されていない可能性があるにもかかわらず、添付の特許請求の範囲が、かかるマーカーまたはマーカー群を互いから個別に、且つ可分的に定義してもよいことを意味している。

0091

「集合的に(Collectively)」とは、本開示があらゆる数の、またはあらゆる組合せの列挙されたマーカーまたはペプチド群を含むこと、および、かかるあらゆる数の、またはあらゆる組合せの列挙されたマーカーまたはマーカー群が本明細書では具体的に一覧にされていない可能性があるにもかかわらず、添付の特許請求の範囲が、かかる組合せまたは部分的な組合せを、マーカーまたはマーカー群の他のあらゆる組合せから個別に、且つ可分的に定義してもよいことを意味している。

0092

一例では、STRO−1+細胞はSTRO−1bright(STRO−1briと同義)である。一例では、Stro−1bri細胞は、STRO−1dlmまたはSTRO−1intermediate細胞と比較して優先的に富化される。

0093

例えば、STRO−1bright細胞は、さらに、TNAP+、VCAM−1+、THY−1+1、STRO−2+、STRO−4+(HSP−90P)、および/またはCD146+のうちの一つまたは複数である。例えば、細胞は、1つまたは複数の前述のマーカーに対して選択される、および/または1つまたは複数の前記マーカーを発現することが示される。この点において、マーカーを発現することが示された細胞が、具体的に試験される必要はなく、むしろ、これまで富化されたまたは単離された細胞が試験されてもよく、引き続いて使用、単離または富化された細胞もまた、同一マーカーを発現するものと、妥当仮定されてもよい。

0094

一例では、間葉系前駆細胞は、国際公開第WO2004/85630号で定義されたように、血管周囲の間葉系前駆細胞である。例えば、間葉系前駆細胞は、血管周囲細胞のマーカーを発現し、例えば細胞は、STRO−1+もしくはSTRO−1brightおよび/または3G5+である。一例では、細胞は、血管周囲の組織または臓器もしくはその一部から単離された細胞である、または以前そうであった、またはその細胞の子孫である。

0095

所与のマーカーに関して「陽性(positive)」であると見なされる細胞は、用語が蛍光の強度に関連する場合、マーカーが細胞表面上に存在している程度に応じた、低(低(lo)または弱陽性(dim))レベルもしくは高(強陽性(bright、bri))レベルのマーカーどちらかを発現している場合がある。ここで、この用語は、細胞の分取過程で使用される他のマーカーの蛍光強度に関係している。低(または弱陽性もしくは微陽性(dull))および強陽性の差異は、分取されている特定の細胞集団上の使用されるマーカーとの関連で理解されるだろう。所与のマーカーに関して「陰性(negative)」であるとみなされる細胞は、必ずしもその細胞に全く存在していないわけではない。この用語は、マーカーが、前記細胞によって相対的に非常に低いレベルで発現されていること、および、検出可能な程度に標識された場合に、マーカーが非常に小さなシグナルを発すること、またはバックグラウンドレベル、例えば、アイソタイプ対照抗体を用いて(suing)検出されたレベル以上には検出不能であること、を意味する。

0096

「強陽性(bright)」という用語は、本明細書で使用される場合、検出可能な程度に標識された場合に、相対的に高いシグナルを発する細胞表面上マーカーを指している。理論に制限されることを望むものではないが、「強陽性」細胞は、試料中の他の細胞よりもいっそう多くの標的マーカータンパク質(例えばSTRO−1から識別される抗原)を発現すると提唱されている。例えば、STRO−1bri細胞は、FITC結合STRO−1抗体で標識された場合、蛍光標識細胞分取(FACS)分析によって測定される、非強陽性細胞(STRO−1dull/dim)よりも大きな蛍光シグナルを発する。例えば、「強陽性」細胞は、出発試料中に含まれる最も明るく標識された骨髄単核細胞のうちの少なくとも約0.1%を構成している。他の例では、「強陽性」細胞は、出発試料中に含まれる最も明るく標識された骨髄単核細胞のうちの少なくとも約0.1%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約1.5%、または少なくとも約2%を構成している。ある例では、STRO−1bright細胞は、「バックグラウンド」、すなわちSTRO−1−である細胞と比較して、STRO−1の細胞表面発現が2対数分(2 log magnitude)高い。比較した場合、STRO−1dimおよび/またはSTRO−1intermediate細胞は、「バックグラウンド」よりも、STRO−1の細胞表面発現が2対数未満分高く、典型的には、約1対数以下分高い。

0097

本明細書で使用される場合、「TNAP」という用語は、組織非特異的アルカリホスファターゼの全てのアイソフォームを包含することが意図されている。例えば、その用語には、肝アイソフォーム(LAP)、骨アイソフォーム(BAP)およびアイソフォーム(KAP)が包含される。一例では、TNAPはBAPである。一例では、TNAPは、本明細書で使用される場合、ブダペスト条約の規定に基づきPTA−7282の寄託受託番号で2005年12月19日にATCCに寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されるSTRO−3抗体と結合することができる分子を指す。

0098

さらに、本開示のある例では、STRO−1+細胞はクローン原性のCFU−Fを生じさせることができる。

0099

一例では、かなりの割合のSTRO−1+多能性細胞が、少なくとも2種類の異なる生殖細胞系に分化することができる。多能性細胞が分化決定され得る系譜の例としては、限定はされないが、骨前駆細胞胆管上皮細胞および肝細胞への多分化能を有する肝細胞前駆細胞乏突起膠細胞および星状膠細胞へと進行するグリア細胞前駆細胞を生じることができる神経限定細胞(neural restricted cell);ニューロンへと進行する神経前駆細胞心筋および心筋細胞の前駆細胞、グルコース応答性インスリン分泌膵β細胞株が挙げられる。他の系譜としては、限定はされないが、象牙芽細胞象牙質産生細胞および軟骨細胞、並びに以下の前駆細胞:網膜色素上皮細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト等の皮膚細胞樹状細胞毛包細胞尿細管上皮細胞、平滑筋細胞および骨格筋細胞精巣前駆細胞、血管内皮細胞、腱、靱帯、軟骨脂肪細胞、線維芽細胞、骨髄基質、心筋、平滑筋、骨格筋、周皮細胞、血管細胞上皮細胞、グリア細胞、神経細胞、星状膠細胞および乏突起膠細胞が挙げられる。

0100

別の例では、STRO−1+細胞は、培養後、造血細胞を生じさせることができない。

0101

一例では、本細胞は治療を受ける対象から採取され、標準的な技術を用いてin vitroで培養され、自己成分または同種異系成分としてその対象に投与するための上清または可溶性因子または増殖した細胞を得るために用いられる。別の例では、樹立されたヒト細胞株のうちの一つまたは複数の細胞が用いられる。別の有用な例では、非ヒト動物の(または、患者がヒトでない場合は別の種に由来の)細胞が用いられる。

0102

本開示は、STRO−1+細胞および/またはその子孫細胞(後者は増殖後細胞(expanded cell)とも称される)から得られる、または由来する、in vitroでの培養から生成される上清または可溶性因子の使用も企図している。本開示の増殖後細胞は、培養条件(培地中の刺激因子の数および/または種類を含む)、継代数等に応じて、種々様々な表現型を有し得る。ある例では、子孫細胞は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10回の継代後に、親集団から得られる。もっとも、子孫細胞は、任意の回数の継代後に親集団から得ることができる。

0103

子孫細胞は任意の適切な培地中で培養することによって得ることができる。「培地」という用語は、細胞培養に関して使用される場合、細胞周辺の環境の成分を含む。培地は固体液体気体または相および物質の混合物であってもよい。培地には、液体の増殖培地、および細胞増殖を維持しない液体培地が含まれる。また、培地には、寒天アガロースゼラチンおよびコラーゲン基質等のゼラチン質の培地も含まれる。気体培地の例としては、ペトリ皿または他の固体もしくは半固体の担体上で増殖している細胞が曝される気相が挙げられる。また、「培地」という用語は、それが未だ細胞と接触していない場合であっても、細胞培養での使用を目的としている物質を指す。すなわち、細菌培養用に調製された栄養分に富んだ液体が培地である。水または他の液体と混合されたときに細胞培養に適したものとなる粉末状混合物は、「粉末状培地」と称することもある。

0104

一例では、本開示の方法に有用な子孫細胞は、STRO−3抗体で標識した磁気ビーズを用いて、TNAP+STRO−1+細胞を骨髄から単離または富化し、その後、その単離細胞を培養増殖することによって得られる(適切な培養条件の例は、Gronthos et al. Blood 85: 929-940, 1995を参照)。

0105

一例では、そのような増殖後細胞(子孫)(例えば、少なくとも5回継代後)は、TNAP−、CC9+、HLAクラスI+、HLAクラスII−、CD14−、CD19−、CD3−、CDlla−c−、CD31−、CD86−、CD34−および/またはCD80−であり得る。しかし、可能性としては、本明細書に記載の条件とは異なる培養条件下では、種々のマーカーの発現は異なる場合がある。また、これらの表現型の細胞は増殖後の細胞集団において優勢であり得るが、一方で、そのことはこの表現型を有さない細胞の割合が小さいことを意味するものではない(例えば、わずかな比率の増殖後細胞はCC9−であり得る)。一例では、増殖後細胞は異なる細胞型への分化能をまだなお有している。

0106

一例では、上清もしくは可溶性因子、または細胞それ自体を得るために用いられる消費後(expended)細胞集団が含む細胞は、そのうち少なくとも50%といった、少なくとも25%がCC9+である。

0107

別の例では、上清もしくは可溶性因子、または細胞それ自体を得るために用いられる増殖後細胞集団が含む細胞は、そのうち少なくとも45%といった、少なくとも40%がSTRO−1+である。

0108

さらなる例では、増殖後細胞は、LFA−3、THY−1、VCAM−1、ICAM−1、PECAM−1、P−セレクチン、L−セレクチン、3G5、CD49a/CD49b/CD29、CD49c/CD29、CD49d/CD29、CD90、CD29、CD18、CD61、インテグリンβ6−19、トロンボモジュリン、CD10、CD13、SCF、PDGF−R、EGF−R、IGF1−R、NGF−R、FGF−R、レプチン−R(STRO−2はレプチン−Rである)、RANKL、STRO−4(HSP−90P)、STRO−1brightおよびCD146からなる群から集合的に、もしくは個々に選択される一つもしくは複数のマーカー、またはこれらのマーカーのあらゆる組合せを発現し得る。

0109

一例では、子孫細胞は、国際公開第WO2006/032092号に定義および/または記載される、多能性増殖後STRO−1+多能性細胞子孫(Multipotential Expanded STRO-1+ Multipotential cells Progeny)(MEMP)である。子孫が由来し得るSTRO−1+多能性細胞が富化された集団を調製する方法は、国際公開第WO01/04268号および同第WO2004/085630号に記載されている。in vitroという文脈では、STRO−1+多能性細胞は完全に純粋な調製物として存在することはまれであり、通常は組織特異的分化決定済み(committed)細胞(TSCC)である他の細胞と一緒に存在している。国際公開第WO01/04268号は、そのような細胞を骨髄から約0.1%〜90%の純度レベルで収集することに言及している。子孫が由来するMPCを含む集団は、組織源から直接収集してもよいし、あるいは、ex vivoで既に増殖させてある集団であってもよい。

0110

例えば、子孫は、それらが存在する集団の全細胞の少なくとも約0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80または95%を含む、収集され、増殖していない、実質的に精製されたSTRO−1+多能性細胞の集団から得てもよい。このレベルは、例えば、TNAP、STRO−4(HSP−90P)、STRO−1bright、3G5+、VCAM−1、THY−1、CD146およびSTRO−2からなる群から個々に、または集合的に選択される少なくとも1つのマーカーが陽性である細胞を選別することによって達成することができる。

0111

MEMPSは、STRO−1briマーカーに対し陽性であり、アルカリホスファターゼ(ALP)マーカーに対し陰性であるという点で、新たに収集されたSTRO−1+多能性細胞と区別することができる。対照的に、新たに単離されたSTRO−1+多能性細胞は、STRO−1briおよびALPの両方に対し陽性である。本開示の一例では、投与される細胞のうち少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%が、STRO−1bri、ALP−の表現型を有する。さらなる一例では、MEMPSはKi67、CD44および/またはCD49c/CD29、VLA−3、α3β1マーカーのうちの一つまたは複数に対し陽性である。さらなる例では、MEMPはTERT活性を示さず、および/または、CD18マーカーに対し陰性である。

0112

STRO−1+細胞出発集団は、国際公開第WO01/04268号または同第WO2004/085630号に記載される、いずれか一つまたは複数の組織型、すなわち、骨髄、歯髄細胞、脂肪組織および皮膚由来、あるいは、より広範に、脂肪組織、歯、歯髄、皮膚、肝臓、腎臓、心臓、網膜、脳、毛包、腸、肺、脾臓、リンパ節、胸腺、膵臓、骨、靱帯、骨髄、腱および骨格筋由来であってもよい。

0113

本開示に記載の方法を実施する際、任意の所与の細胞表面マーカーを保有している細胞の分別は、複数の異なる方法によって達成できるが、例示的な方法は、結合物質(例えば、抗体またはその抗原結合断片)を、関係するマーカーに結合させた後、高レベル結合、または低レベル結合または結合なしのいずれかである結合を示すものを分別することに依存することは理解されるだろう。最も都合のよい結合物質は、抗体または抗体ベースの分子、例えばモノクローナル抗体であるか、またはこれらの後者の作用物質特異性という理由からモノクローナル抗体(例えばその断片に結合する抗原を含むタンパク質)に基づいている。抗体は両方のステップに用いることができるが、他の作用物質を用いてもよく、従って、マーカーを保有している細胞、またはマーカーがない細胞を富化するために、これらのマーカーに対するリガンドを使用してもよい。

0114

抗体またはリガンドを固体の担体に付着させることで、粗分別が可能となる。一例では、分別技術は、収集される画分の生存能の保持率を最大とする。異なる効率の種々の技術が、比較的粗い分別を行うために使用可能である。使用される具体的な技術は、分別効率、随伴する細胞毒性、実施の容易さおよび速さ、並びに高性能機器および/または技巧の必要性に応じたものとなるだろう。分別の手順には、限定はされないが、抗体被膜磁気ビーズを用いた磁気分別アフィニティークロマトグラフィーおよび固体の基盤に付着した抗体での「パニング」が含まれ得る。正確な分別を提供する技術としては、限定はされないが、FACSが挙げられる。FACSを実施するための方法は、当業者には明らかであるだろう。

0115

本明細書に記載のマーカーの各々に対する抗体は市販されており(例えば、STRO−1に対するモノクローナル抗体はR&Dシステム社、米国から購入できる)、ATCCまたは他の預託機関から入手可能であり、および/または、当該分野で認知されている技術を用いて作製することができる。

0116

一例では、STRO−1+細胞を単離するための方法は、例えば、STRO−1の高レベル発現を認識する磁気細胞分取(MACS)を利用する固相分取ステップである第一ステップを含む。所望であれば、より高レベルの前駆細胞発現をもたらすために、国際公開第WO01/14268号の特許明細書に記載される第二の分取ステップを続けることができる。この第二の分取ステップには、2つ以上のマーカーの使用が含まれ得る。

0117

STRO−1+細胞を得るための方法には、既知の技術を用いた第一富化ステップの前に、細胞の源を収集することが含まれてもよい。従って、組織が外科的に摘出される。源組織を構成する細胞は、その後分別されて、いわゆる単一細胞懸濁液にされる。この分別は、物理的手段および/または酵素的手段によって達成することができる。

0118

適切なSTRO−1+細胞集団を得た後、細胞を任意の適切な手段で培養または増殖させてMEMPを得ることができる。

0119

一例では、前記細胞は治療を受ける対象から採取され、標準的な技術を用いてin vitroで培養され、その対象に自己または同種異系間の組成物として投与することを目的とした上清または可溶性因子または増殖後細胞を得るために用いられる。別の例では、樹立されたヒト細胞株のうちの一つまたは複数の細胞が、上清または可溶性因子を得るために使用される。別の有用な例では、非ヒト動物(または、患者がヒトでない場合は別の種に由来)の細胞が、上清または可溶性因子を得るために使用される。

0120

本開示の方法および使用は、あらゆる非ヒト動物種由来の細胞、例えば、限定はされないが、非ヒト霊長類細胞、有蹄動物イヌネコウサギ、げっ歯類、トリ、およびの細胞を用いて実施できる。本開示の方法を実施することができる霊長類細胞としては、限定はされないが、チンパンジーヒヒ、カニクイザル、および他のあらゆる新世界ザルまたは旧世界ザルの細胞が挙げられる。本開示の方法を実施することができる有蹄動物細胞としては、限定はされないが、ウシブタヒツジ、ヤギ、ウマ水牛およびバイソンの細胞が挙げられる。本開示の方法を実施することができるげっ歯類細胞としては、限定はされないが、マウス、ラット、モルモットハムスターおよびスナネズミの細胞が挙げられる。本開示の方法を実施することができるウサギ種の例としては、家畜化されたウサギ、ノウサギ(jack rabbit,hare)、ワタオウサギカンジキウサギ、およびナキウサギが挙げられる。ニワトリ(Gallus gallus)は、本開示の方法を実施することができるトリ種の一例である。

0121

一例では、細胞はヒト細胞である。

0122

本開示の方法に有用な細胞は、使用前、または上清もしくは可溶性因子を得る前に、保存することができる。真核細胞、具体的には哺乳類細胞を保存および保管するための方法およびプロトコルは、当該技術分野において周知である(例えば、Pollard, J. W. and Walker, J. M. (1997) Basic Cell Culture Protocols, Second Edition, Humana Press, Totowa, N.J.; Freshney, R. I. (2000) Culture of Animal Cells, Fourth Edition, Wiley-Liss, Hoboken, N.J.を参照)。間葉/前駆細胞、またはその子孫等の単離された幹細胞の生物活性を維持するためのあらゆる方法は、本開示と一緒に利用することができる。一例では、前記細胞は凍結保存を用いて維持および保管される。

0123

遺伝子改変細胞
一例では、STRO−1+細胞および/またはその子孫細胞は、遺伝子改変されて、例えば、関心のタンパク質を発現および/または分泌する。例えば、細胞は、運動障害または脳梗塞の他の影響の治療に有用なタンパク質、例えば、Meade et al., J Exp Stroke TransI Med 2: 22-40, 2009.に記載されている神経成長因子またはペプチドを発現するように設計される。

0124

細胞を遺伝子改変する方法は、当業者には明らかであるだろう。例えば、細胞で発現されるべき核酸は、細胞での発現を誘導するためのプロモーターと機能的に連結される。例えば、核酸は、例えば、ウイルスプロモーター、例えば、CMVプロモーター(例えば、CMV−IEプロモーター)またはSV−40プロモーター等の、対象の種々の細胞中で機能できるプロモーターに連結される。さらなる適切なプロモーターは当該技術分野において周知であり、本開示の本例に準用すると解されるものとする。

0125

一例では、核酸は発現コンストラクトの形態で提供される。本明細書で使用される場合、「発現コンストラクト」という用語は、細胞中で機能的に連結された核酸(例えば、レポーター遺伝子および/または対抗選択可能な(counter-selectable)レポーター遺伝子)を発現させる能力を有する核酸を指す。本開示の文脈においては、発現コンストラクトは、プラスミドバクテリオファージファージミドコスミド、ウイルスのサブゲノム断片もしくはゲノム断片、または異種DNAを発現可能な形態で維持および/または複製できる他の核酸を含むか、またはそれら自身であってもよいことは理解されるべきである。

0126

本開示の方法を実施するための適切な発現コンストラクトを構築するための方法は、当業者には明らかであり、例えば、Ausubel et al (In: Current Protocols in Molecular Biology. Wiley Interscience, ISBN 047 150338, 1987)または Sambrook et al (In: Molecular Cloning: Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories, New York, Third Edition 2001)に記載されている。例えば、発現コンストラクトの各成分は、例えばPCRを用いて適切な鋳型核酸から増幅され、その後、例えばプラスミドまたはファージミド等の適切な発現コンストラクト中にクローニングされる。

0127

そのような発現コンストラクトに適切なベクターは、当該技術分野において周知であり、および/または、本明細書に記載されている。例えば、哺乳類細胞における、本開示の方法における使用に適切な発現ベクターは、例えば、ライフテクノロジーズ社(Life Technologies Corporation)より提供されるpcDNAベクター一式のベクター、pCIベクター一式(プロメガ社(Promega))のベクター、pCMVベクター一式(クロンテック社(Clontech))のベクター、pMベクター(クロンテック社)、pSIベクター(プロメガ社)、VP16ベクター(クロンテック社)またはpcDNAベクター一式(インビトロジェン社(Invitrogen))のベクターである。

0128

当業者は、さらなるベクター、および例えば、ライフテクノロジー社、クロンテック社またはプロメガ社等の、そのようなベクターの供給源は承知しているだろう。

0129

単離された核酸分子またはそれを含む遺伝子コンストラクトを発現のために細胞に導入する手段は、当業者に周知である。所与の生物体に用いられる技術は、既知の優れた技術に依存する。組換えDNAを細胞に導入するための手段としては、マイクロインジェクションDEAEデキストランによって媒介されるトランスフェクション、例えばリポフェクタミンギブコ社(Gibco)、米国メリーランド州)および/またはセルフクチン(ギブコ社(Gibco)、米国メリーランド州)による、リポソームによって媒介されるトランスフェクション、PEGによって媒介されるDNAの取り込み、エレクトロポレーション、並びに、例えばDNAを被膜したタングステンまたは金粒子(アグラセタス社(Agracetus Inc.、米国ウィスコンシン州)による微小粒子照射(microparticle bombardment)が特に挙げられる。

0130

あるいは、本開示の発現コンストラクトはウイルスベクターである。適切なウイルスベクターは当該技術分野において周知であり、市販されている。核酸の運搬および宿主細胞ゲノムへの核酸の組込みを目的とした従来のウイルスベースの系としては、例えば、レトロウイルスベクターレンチウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルスベクターが挙げられる。あるいは、アデノウイルスベクターが、エピソームのままの核酸を宿主細胞に導入するのに有用である。ウイルスベクターは、標的細胞および標的組織における遺伝子導入の、効率的で且つ用途の広い方法である。加えて、高い導入効率が、多くの異なる細胞型および標的組織で確認されている。

0131

例えば、レトロウイルスベクターは、通常、最大6〜10kb外来配列パッケージング容量を有する、シス作動性末端反復配列LTR)を含む。最小のシス作動性LTRであってもベクターの複製およびパッケージングには十分であり、その後、発現コンストラクトを標的細胞に組み込むのに使用され、長期発現を提供する。広く使用されているレトロウイルスベクターとしては、マウス白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、サル免疫不全ウイルス(SrV)、ヒト免疫不全ウイルスHIV)、およびその組合せをベースとするものが含まれる(例えば、Buchscher et al., J Virol. 56:2731-2739 (1992); Johann et al, J. Virol. 65:1635-1640 (1992); Sommerfelt et al, Virol. 76:58-59 (1990); Wilson et al, J. Virol. 63:274-2318 (1989); Miller et al., J. Virol. 65:2220-2224 (1991); PCT/US94/05700; Miller and Rosman BioTechniques 7:980-990, 1989; Miller, A. D. Human Gene Therapy 7:5-14, 1990; Scarpa et al Virology 75:849-852, 1991; Burns et al. Proc. Natl. Acad. Sci USA 90:8033-8037, 1993を参照)。

0132

また、様々なアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター系が核酸運搬用に開発されている。AAVベクターは、当該技術分野において周知の技術を用いて容易に構築することができる。例えば、米国特許第5,173,414号および同第5,139,941号;国際公開第WO92/01070号および同第WO93/03769号;Lebkowski et al. Molec. Cell. Biol. 5:3988-3996, 1988; Vincent et al. (1990) Vaccines 90 (Cold Spring Harbor Laboratory Press);Carter Current Opinion in Biotechnology 5:533-539, 1992; Muzyczka. Current Topics in Microbiol, and Immunol. 755:97-129, 1992; Kotin, Human Gene Therapy 5:793-801, 1994; Shelling and Smith Gene Therapy 7:165-169, 1994;並びにZhou et al. J Exp. Med. 779:1867-1875, 1994を参照されたい。

0133

本開示の発現コンストラクトを運搬するのに有用なさらなるウイルスベクターとしては、例えば、ワクシニアウイルスおよびトリポックスウイルス等のファミリー(pox family)のウイルス由来のもの、またはアルファウイルス属または複合(conjugate)ウイルスベクター(例えば、Fisher-Hoch et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA 56:317-321, 1989に記載のもの)が挙げられる。

0134

細胞および可溶性因子の治療/予防における有用性試験
細胞もしくは可溶性因子の、脳機能を改善する、および/または運動障害を治療する、および/または脳神経細胞を再生する能力を決定する方法は、当業者には明らかであろう。

0135

例えば、細胞または可溶性因子は、神経細胞とともに培養され、細胞または可溶性因子の、軸索成長を誘導する能力が評価される、例えば顕微鏡技術。同様な試験が、例えば、本明細書で例証したように、細胞および/または可溶性因子の鶏胚の脳への注入、および軸索の成長の評価により、in vivoで実行され得る。

0136

一例では、神経細胞は、細胞および/または可溶性因子との培養に先立って、または培養時に、酸素および/またはグルコースの除去に曝露される。酸素およびグルコースの除去は、虚血のモデルである。

0137

他の例では、細胞は、例えば、ブチル化ドキシアソールおよびバルプロ酸または 5−アザシチジンまたはインドメタシンおよびイソブチルメチルキサンチンおよびインスリンを含む、神経細胞の分化を誘導する条件のもとで増殖する。神経細胞に分化する細胞は、治療に適切であると考えられる。

0138

さらなる例では、細胞または可溶性因子(例えば、因子の混合物または単一因子または因子の画分(例えば、親和性精製またはクロマトグラフィーに由来する))が、脳梗塞のモデルに投与され、脳機能、脳神経細胞の再生および/または行動障害に与える影響が評価される。

0139

非ヒト動物対象における虚血性脳梗塞を誘導する、多様な既知の技術、例えば、大動脈大静脈閉塞、外部からの首への止血帯または血圧バンド、出血または低血圧頭蓋内圧亢進または総頚動脈閉塞、2血管閉塞および低血圧、4血管閉塞、一側総頸動脈閉塞(一部の種でのみ)、エンドセリン1に誘導された動脈および静脈収縮、中大脳動脈閉塞、自発脳梗塞(自然発症高血圧ラットでの)、マクロスフェア(macrosphere)血栓形成血餅による血栓形成またはマクロスフェア血栓形成が存在する。脳出血は、脳へのコラゲナーゼの注入によりモデル化することができる。

0140

一例では、脳梗塞のモデルは、虚血性脳梗塞を誘導する中大脳動脈閉塞を含む。

0141

集団および/または子孫および/または分泌因子の、脳梗塞の影響を治療する能力を試験するために、集団および/または子孫および/または分泌因子が、脳梗塞の誘導後、例えば、脳梗塞後の1時間から1日以内に投与される。投与後に、脳機能および/または運動障害の評価が、例えば何回か行われる。

0142

脳機能および/または運動障害を評価する方法は、当業者には明らかであろうし、例えば、ロータロッド(rotarod)、高架式十字迷路法オープンフィールド(open-field)、モリス水迷路、T迷路放射状迷路運動評価(例えば、ある期間内に覆われた領域),テールフリック(tail flick)またはDe Ryckの行動試験(De Ryck et al., Stroke. 20:1383-1390, 1989)が挙げられる。さらなる試験は、当業者には明らかである、および/または本明細書に記載されているであろう。

0143

他の例では、集団および/または子孫および/または分泌因子の大脳への影響は、画像化により評価される。例えば、アポトーシス自食作用および神経血管単位は、in vivoでの光画像化により検出することができ(Liu et al., Brain Res. 2011 Apr 27)、PET、MRIまたはCTを用いて、梗塞のサイズ、ペナンブラのサイズおよび/または脳損傷の範囲といった、多様な因子を評価することができる。

0144

集団および/または子孫および/または分泌因子の、脳神経細胞への影響もまた、評価される。例えば、脳またはその大脳領域は除去され、神経細胞の数または神経細胞のサブタイプが評価、または見積もられる。使用されるモデルに依存して、この数は、対象動物における数と比較されてもよく、またはもし限局的虚血のみが誘導される場合には、同一動物からの脳の対照領域と比較されてもよい。

0145

細胞性組成物
本開示の一例では、STRO−1+細胞および/またはその子孫細胞は、組成物の形態で投与される。一例では、かかる組成物は薬剤的に許容できる担体および/または賦形剤を含む。

0146

「担体」および「賦形剤」という用語は、貯蔵、投与、および/または活性化合物の生物活性を促進するために当該技術分野において従来用いられる組成物を指す(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 16th Ed., Mac Publishing Company (1980)を参照)。担体は活性化合物のあらゆる望ましくない副作用を減らすこともできる。適切な担体は、例えば、安定であり、例えば、担体中の他の成分と反応できない。一例では、担体は、治療に使用された投与量および濃度において、重大な局所的または全身的な有害作用レシピエントにもたらさない。

0147

本開示のための適切な担体には、従来的に使用されるものが含まれ、例えば、水、食塩水水性デキストロースラクトースリンゲル液緩衝液ヒアルロナンおよびグリコールは、特に(等張である場合)水剤用の、例示的な液体担体である。適切な医薬担体および賦形剤としては、デンプンセルロース、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉チョークシリカゲルステアリン酸マグネシウムステアリン酸ナトリウムグリセロールモノステアレート塩化ナトリウムグリセロールプロピレングリコール、水、エタノール等が挙げられる。

0148

別の例では、担体は、例えば、その中で細胞が生育または懸濁される、培地組成物である。一例では、かかる培地組成物は、それを投与された対象においていかなる有害作用も誘導しない。

0149

例示的な担体および賦形剤は、細胞の生存能、ならびに/または脳梗塞の影響を減少、防止もしくは遅延させる細胞の能力に悪影響を及ぼさない。

0150

一例では、担体または賦形剤によって緩衝作用(buffering activity)がもたらされ、それにより細胞および/または可溶性因子が適切なpHに維持されることで生物活性が発現される。例えば、その担体または賦形剤はリン酸緩衝食塩水PBS)である。PBSは、魅力的な担体または賦形剤であるが、その理由は、血流中または組織もしくは組織の周辺もしくは隣接領域中への、例えば、注射による直接的な適用を目的として、本開示の組成物が液体として製造されるような場合に、PBSが細胞および因子と最小限にしか相互作用せず、細胞および因子の迅速な放出を可能とするためである。

0151

STRO−1+細胞および/またはその子孫細胞は、レシピエント適合性であり、レシピエントに対し有害ではない産物に分解される足場に組み込む、または埋め込むこともできる。これらの足場によって、レシピエントである対象に移植されるべき細胞に、支持および保護がもたらされる。天然および/または合成の生分解性足場は、そのような足場の例である。

0152

種々の異なる足場が、本開示の実施において成功裏に使用され得る。例示的な足場としては、限定はされないが、生物的で、分解可能な足場が挙げられる。天然の生分解性足場としては、コラーゲン、フィブロネクチン、およびラミニン足場が挙げられる。細胞移植の足場のための適切な合成材料は、広範な細胞成長および細胞機能支持可能なものであるべきである。そのような足場は再吸収可能なものであってもよい。適切な足場としては、例えば、Vacanti, et al. J. Fed. Surg. 23:3-9 1988;Cima, et al. Biotechnol. Bioeng. 38:145 1991; Vacanti, et al. Plast. Reconstr. Surg. 88:153-9 1991に記載されるように、ポリグリコール酸の足場;またはポリ酸無水物ポリオルトエステル、およびポリ乳酸等の合成高分子が挙げられる。

0153

別の例では、本細胞はゲル状足場(アップジョン社(Upjohn Company)のゼルフォーム(Gelfoam)等)に投与され得る。

0154

本明細書に記載の方法に有用な本細胞性組成物は、単独で、または他の細胞との混合物として投与されてもよい。本開示の組成物と併せて投与され得る細胞としては、限定はされないが、他の多分化能もしくは多能性を有する細胞もしくは幹細胞、または骨髄細胞が挙げられる。異なる型の細胞は、本開示の組成物と、投与の直前または少し前に混合することができ、あるいは、それらを投与前にある一定期間一緒に共培養してもよい。

0155

一例では、本組成物は、有効量または治療的もしくは予防的に有効量の細胞を含む。例えば、本組成物は、約1×105STRO−1+細胞/kg〜約1×107STRO−1+細胞/kgまたは約1×106STRO−1+細胞/kg〜約5×106STRO−1+細胞/kgを含む。投与されるべき細胞の正確な量は、種々の因子、例えば、患者の年齢、体重、および性別、並びに脳梗塞および/または脳梗塞の部位の範囲および重症度に依存する。

0156

一例では、低用量の細胞が対象に投与される。例示的な投与量は、kgあたり約0.1×104と0.5×106個の間の細胞、例えば、kgあたり約0.5×105と0.5×106個の間の細胞といった、kgあたり約0.5×105と0.5×106個の間の細胞、例えば、kgあたり約0.1×106と0.5×106個の間の細胞、kgあたり約0.2×106または0.3×106または0.4×106個の細胞を含む。

0157

一部の例では、細胞は、細胞が対象の血行路に出て行くことを拒むが、細胞から分泌された因子が血行路に進入することは許すチャンバー内に含まれる。このように、本細胞が対象の血行路に因子を分泌することを可能とさせることにより、可溶性因子は対象に投与され得る。そのようなチャンバーは、対象におけるある部位に均等に埋め込むことで可溶性因子の局所レベルを増加させることができ、例えば、膵臓の中または近くに埋め込まれる。

0158

本開示の一部の例では、細胞性組成物を用いた治療の開始前に患者を免疫抑制することは、必ずしも必要であったり、望まれたりするわけではない。従って、STRO−1+細胞またはその子孫の、同種異系間、さらには異種間での移植であっても、場合によっては許容されることがある。

0159

しかし、他の場合においては、細胞治療開始前に、患者を薬理学的に免疫抑制することおよび/または細胞組成物に対する対象の免疫応答を減少させることが望ましいか、または適切であり得る。これは、全身的または局所的な免疫抑制剤の使用によって達成することができ、あるいは封入デバイスにて本細胞を送達することによって達成することもできる。本細胞は、細胞および治療因子に必要とされる栄養分および酸素を透過させるが、免疫液性因子および細胞は透過させないカプセル封入してもよい。一例では、カプセルの材料は、アレルギーを起こしにくいもので、標的組織内に容易に且つ安定して位置し、移植された構造体にさらなる保護を与える。移植細胞に対する免疫応答を低減または除去するためのこれらおよび他の手段は、当該技術分野において周知である。代わりに、本細胞を、それらの免疫原性を低減させるために、遺伝的に改変してもよい。

0160

可溶性因子の組成物
本開示の一例では、STRO−1+細胞由来の、および/もしくは子孫細胞由来の上清または可溶性因子は、例えば、適切な担体および/または賦形剤を含む組成物の形態で、投与される。一例では、担体または賦形剤は可溶性因子または上清の生物学的効果に悪影響を及ぼさない。

0161

一例では、本組成物は、可溶性因子または上清の成分、例えば、プロテアーゼ阻害剤を安定化させるための組成物を含む。一例では、プロテアーゼ阻害剤は、対象に対し有害作用を有するのに十分な量では含まれない。

0162

STRO−1+細胞由来の、および/または子孫細胞由来の上清または可溶性因子を含む組成物は、例えば、培地中で、または安定な担体もしくは緩衝溶液、例えば、リン酸緩衝食塩水中で、適切な液体懸濁液として調製してもよい。適切な担体は本明細書の上記の通りである。別の例では、STRO−1+細胞由来の、および/または子孫細胞由来の上清または可溶性因子を含む懸濁液は、注射用の油状懸濁液である。適切な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油等の脂肪油;またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリド等の合成脂肪酸エステル;またはリポソームが挙げられる。注射用に使用されるべき懸濁液は、カルボキシルメチルセルロースナトリウムソルビトール、またはデキストラン等の、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有してもよい。所望により懸濁液は、化合物の溶解性を増加させ、高濃度での溶液の調製を可能とさせる、適切な安定剤または作用物質を含んでもよい。

0163

無菌注射剤は、必要とされる量の上清または可溶性因子を、上記成分のうちの一つまたは組合せと一緒に、適切な溶媒組み入れ、必要に応じて、その後フィルター滅菌を行うことによって、調製できる。

0164

通常、分散液は、上清または可溶性因子を、基本(basic分散媒および上に列挙されたものから必要な他の成分を含有する無菌のビヒクルに組み入れることによって調製される。無菌注射剤調製用の無菌散剤の場合、例示的な調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、それによって、活性成分およびその予め細菌濾過した溶液由来の任意のさらなる所望の成分の粉末が得られる。本開示の別の態様によれば、上清または可溶性因子は、その溶解性を増強する一つまたは複数のさらなる化合物と共に製剤化され得る。
担体または賦形剤の他の例は、例えば、Hardman, et al. (2001) Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, McGraw-Hill, New York, N. Y.; Gennaro (2000) Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott, Williams, and Wilkins, New York, N. Y.; Avis, et al. (eds.) (1993) Pharmaceutical Dosage Forms: Parenteral Medications, Marcel Dekker, NY; Lieberman, et al. (eds.) (1990) Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Marcel Dekker, NY; Lieberman, et al. (eds.) (1990) Pharmaceutical Dosage Forms: Disperse Systems, Marcel Dekker, NY; Weiner and Kotkoskie (2000) Excipient Toxicity and Safety, Marcel Dekker, Inc., New York, N. Y.に記載されている。

0165

治療組成物は、通常、製造および貯蔵の条件下では無菌且つ安定であるべきである。本組成物は、溶液、マイクロエマルション、リポソーム、または他の規則構造として製剤化することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、および適切なその混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。例えば、レシチン等の被膜の使用によって、分散の場合に必要とされる粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって、適切な流動性を維持することができる。多くの場合、本組成物中に等張剤、例えば、糖類、多価アルコール、例えばマンニトール、ソルビトール等、または塩化ナトリウムを含むのが望ましい。注射用組成物の持続的吸収は、本組成物中に、吸収を遅延させる作用物質、例えば、一ステアリン酸塩およびゼラチンを含むことによってもたらされ得る。さらに、可溶性因子を、徐放性製剤、例えば徐放性ポリマーを含む組成物中に、投与してもよい。例えば、移植片およびマイクロカプセル化した送達系を含む徐放性製剤等、活性化合物は化合物を急速な放出から保護する担体と一緒に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸およびポリ乳酸ポリグリコール酸コポリマーPLG)等の、生分解性生体適合性高分子を使用することができる。そのような製剤を調製するための多くの方法が、特許されているか、または当業者に一般的に知られている。

0166

上清または可溶性因子は、例えば、可溶性因子を除放させるために、適切な基質と併せて投与してもよい。

0167

組成物のさらなる構成要素
STRO−1+細胞由来の上清または可溶性因子、STRO−1+細胞またはその子孫は、他の有益な薬物または生化学的分子(増殖因子、栄養因子)とともに投与されてもよい。他の薬剤とともに投与されるとき、それらは、単一の薬剤的組成物で、または独立した薬剤的組成物で、同時にまたは連続して、他の薬剤とともに(他の薬剤の投与の前後に)投与されてもよい。同時投与されてもよい生物活性因子には、反アポトーシス剤(例えばEPO、EPOミメチボディ、TPO、IGF−IおよびIGF−II、HGFカスパーゼ阻害剤);抗炎症薬(例えばp38MAP阻害剤、TGFベータ阻害剤、スタチン、IL−6およびIL−1阻害剤、ぺミロラストトラニラストレミケードシロリムスおよびNSAID(非ステロイド性の抗炎症薬物;例えば、テポキサリントルメン、スプロフェン);免疫抑制/免疫調節剤(例えば、シクロスポリン、タクロニムスのようなカルシニューリン阻害剤mTOR阻害剤(例えば、シロリムス、エベロリムス);抗増殖剤(例えばアザチオプリンミコフェノール酸モフェチル);コルチコステロイド(例えばプレドニゾンヒドロコルチゾン);コルチコステロイド(例えば、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン);モノクローナル抗IL−2Rアルファ受容体抗体(例えば、バシリキシマブダクリズマブ)といった抗体、(例えば、抗胸腺細胞グロブリン(ATG);抗リンパ球グロブリンALG);モノクローナル抗T細胞抗体OKT3)といったポリクローナル抗T細胞抗体;反血栓形成剤(例えば、ヘパリンヘパリン誘導体ウロキナーゼ、PPack(デキストロフニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗薬、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、ジピリダモールプロタミンヒルジンプロスタグランジン阻害剤および血小板阻害薬);および抗酸化剤(例えば、プロブコール、ビタミA、アスコルビン酸トコフェノールコエンザイムQ−10、グルタチオン、L−システイン、N−アセチルシステイン)とともに局所麻酔薬、などが挙げられる。

0168

一例では、本明細書に記載のいずれかの例に従う組成物は、脳機能を改善するおよび/または脳神経細胞を再生するおよび/または運動障害を治療するさらなる因子、例えば神経成長因子等を含む。

0169

代わりに、またはさらに、本明細書に記載のいずれかの例に従う細胞、分泌因子および/または組成物は、物理療法および/または言語療法といった、脳梗塞の影響の既知の治療と組み合わされる。

0170

一例では、本明細書に記載のいずれかの例に従う薬剤的組成物は、脳梗塞の影響を治療するのに使用される化合物を含む。代わりに、本明細書に記載の開示のいずれかの例に従う治療/予防の方法は、脳梗塞の影響を治療するのに使用される化合物を投与することを、さらに含む。例示的な化合物が本明細書に記載され、本開示の例に準用されると解されるものとする。

0171

他の例では、本明細書に記載のいずれかの例に従う組成物は、前駆体細胞の血管細胞への分化を誘導するまたは促進する因子を、さらに含む。例示的な因子には、血管内皮細胞増殖因子VEGF)、血小板由来成長因子(PDGF;例えば、PDGF−BB)、およびFGFが挙げられる。

0172

他の例では、本明細書に記載のいずれかの例に従う組成物は、組織特異的分化決定済み細胞(TSCC)、をさらに含む。この態様では、国際特許出願第PCT/AU2005/001445号が、TSCCおよびSTRO−1+細胞の投与がTSCCの増殖の促進を導くことができることを示している。一例では、TSCCは、血管細胞である。そうした組成物の対象への投与は、血管系産生の増加、例えば、罹患組織へ送達される栄養物の増加の誘導、を導くこともある。

0173

医療デバイス
本開示はまた、本明細書に記載のいずれかの例に従う方法において使用するための、または使用される場合の医療デバイスを提供する。例えば、本開示は、本明細書に記載のいずれかの例に従う、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫細胞および/もしくはそれからの可溶性因子ならびに/または組成物を含む、注射器またはカテーテルまたは他の適切な送達デバイスを提供する。注射器またはカテーテルは、本明細書に記載のいずれかの例に従う方法における使用説明書と同梱されていてもよい。

0174

他の例では、本開示は、本明細書に記載のいずれかの例に従う、STRO−1+細胞および/もしくはその子孫細胞および/もしくはその可溶性因子ならびに/または組成物を含む、移植片を提供する。移植片は、本明細書に記載のいずれかの例に従う方法における使用説明書と同梱されてもよい。適切な移植片は、例えば、本明細書で前述した足場、ならびにSTRO−1+細胞および/もしくはその子孫細胞および/またはその可溶性因子とともに形成されてもよい。

0175

投与様式
STRO−1+細胞由来の上清もしくは可溶性因子、STRO−1+細胞またはその子孫は、外科的に移植、注射、送達(例えば、カテーテルまたは注射器を手段として)されてもよいし、あるいは、修復または増強を必要としている部位、例えば脂肪体に直接的または間接的に投与されてもよい。

0176

一例では、STRO−1+細胞由来の上清または可溶性因子、STRO−1+細胞またはその子孫は、対象の血流に送達される。例えば、STRO−1+細胞由来の上清または可溶性因子、STRO−1+細胞またはその子孫は、非経口的に送達される。非経口投与の経路の例としては、限定はされないが、腹腔内、脳室内(intraventricular, intracerebroventricular)、くも膜下腔内、または静脈内が挙げられる。一例では、STRO−1+細胞由来の上清または可溶性因子、STRO−1+細胞またはその子孫は、動脈内、大動脈中、心臓の心房もしくは心室中、または血管中に、例えば、静脈内に送達される。

0177

心臓の心房または心室への細胞送達の場合、肺への急速な細胞送達によって生じ得る合併症を避けるため、細胞は左心房または左心室に投与されることがある。

0178

一例では、集団および/または子孫および/またはそれに由来する可溶性因子は、頸動脈に投与される。

0179

一例では、集団および/または子孫および/またはそれに由来する可溶性因子は、対象の脳、例えば、頭蓋内に投与される。例えば、集団および/または細胞および/または可溶性因子は、大脳に投与され、および/または線状体に投与されてもよい。

0180

一例では、集団および/または細胞および/または可溶性因子は、虚血部位および/または虚血部位の辺縁に投与される。そのような部位は、当技術分野で既知の方法、例えば、磁気共鳴画像化および/またはコンピューター断層撮影および/または超音波などの方法で決定することができる。

0181

治療製剤投与計画の選択は、いくつかの因子、例えば、血清または組織での実体(entity)の代謝回転速度症状レベル、および実体の免疫原性に依存する。

0182

一例では、STRO−1+細胞由来の上清または可溶性因子、STRO−1+細胞またはその子孫は、単回急速投与量として送達される。あるいは、STRO−1+細胞由来の上清または可溶性因子、STRO−1+細胞もしくはその子孫は、持続注入によって、または、例えば、1日、1週間の間隔の、もしくは週に1〜7回の投与によって、投与される。例示的な投与プロトコルは、有意な望ましくない副作用を回避する、最大の投与量または投与頻度を含むものである。週当たりの総投与量は、使用される因子/細胞のタイプおよび活性に応じて決定される。適切な投与量の決定は、臨床医によって、例えば、当該技術分野において、治療に影響を与えると知られている、もしくは疑われている、または治療に影響を与えると予想されるパラメーターまたは因子を用いて、行われる。通常、投与はやや適量未満の量から開始され、その後、あらゆる負の副作用と比較して所望の、または最適の効果が達成されるまで、小さな増加量で増加される。

0183

本開示は、以下の非限定的な実施例を含む。

0184

実施例1:STRO−3+細胞の選択によるMPCの免疫選択
骨髄(BM)を、健康な正常成人の志願者(20〜35)から収集する。簡潔には、40mlのBMを、後腸から、リチウム−ヘパリン抗凝固剤含有チューブ吸引する。

0185

BMMNCを、従来の記述(Zannettino, A.C. et al. (1998) Blood 92: 2613-2628)の通りに、Lymphoprep(商標)(ニコメッドファーマ(Nycomed Pharma)、ノルウェイオスロ)を用いて、密度勾配分別によって調製する。400×gで30分間、4℃での遠心分離後、淡黄色の層をホールピペットで除去し、5%ウシ胎仔血清(FCS、CSLリミテッド社(CSL Limited)、オーストラリア、ヴィクトリア州)を含有するハンクス平衡塩類溶液(HBSS;ライフテクノロジーズ社(Life Technologies)、メリーランド州ゲイサーズバーグ)から成る「HHF」中で3回洗浄する。

0186

続いて、STRO−3+(またはTNAP+)細胞を、従来の記述(Gronthos et al. (2003) Journal of Cell Science 116: 1827-1835; Gronthos, S. and Simmons, P.J. (1995) Blood 85: 929-940)の通りに、磁気細胞分取で単離した。簡潔には、およそ1〜3×108個のBMMNCを、HHF中10%(体積/体積)正常ウサギ血清から成るブロッキング緩衝液中で、20分間、上でインキュベートする。細胞を、ブロッキング緩衝液中10μg/mlのSTRO−3mAb溶液200μlと一緒に、氷上で1時間インキュベートする。続いて、細胞を400×gでの遠心分離によってHHF中で2回洗浄する。HHF緩衝液中1/50希釈のヤギ抗マウスγビオチンサザンバイオテクノロジーアソエイツ社(Southern Biotechnology Associates)、英国、バーミンガム)を加え、細胞を氷上で1時間インキュベートする。細胞を、上記と同様に、MACS緩衝液(1%BSA、5mMのEDTA、および0.01%アジ化ナトリウムを添加した、Ca2+およびMn2+を含まないPBS)中で2回洗浄し、最終体積0.9mlのMACS緩衝液中に再懸濁する。

0187

100μlのストレプトアビジンミクロビーズミルニーバイオテック社(Miltenyi Biotec);ドイツ、ベルギッシュグラートバハ)を細胞懸濁液に添加し、氷上で15分間インキュベートする。細胞懸濁液を2回洗浄し、0.5mlのMACS緩衝液に再懸濁した後、ミニMACSカラム(MS Columns、ミルテニーバイオテック社(Miltenyi Biotec))上に充填し、0.5mlのMACS緩衝液で3回洗浄して、STRO−3mAb(2005年12月19日にアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)にPTA−7282の受託番号で寄託;国際公開第WO2006/108229号を参照)と結合しなかった細胞を回収する。さらに1mlのMACS緩衝液を加えた後、カラムを磁石から取り除き、TNAP+細胞を陽圧で単離する。各画分からの細胞の一定分量をストレプトアビジン−FITCで染色し、純度をフローサイトメトリーで評価することができる。

0188

実施例2:STRO−3mAbによって選択された細胞はSTRO−1bright細胞である
STRO−3mAbを、STRO−1bright細胞を単離する単一試薬として用いることの可能性を確認する目的の実験を設計した。

0189

STRO−3(IgG1)はSTRO−1(IgM)とは異なるアイソタイプであることを考慮し、STRO−3のクローン原性CFU−Fを同定する能力を、MACSを用いて単離したSTRO−1−細胞との共発現に基づく2色FACS分析によって評価した(図1)。ドットプロットヒストグラムは、リストモードデータとして収集された5×104個の事象を表わしている。垂直線および水平線は、同条件下で処理したアイソタイプ対応対照抗体、1B5(IgG)および1A6.12(IgM)で得られた平均蛍光の1.0%未満の反応性レベルに設定した。結果は、STRO−1bright細胞のうち少量の集団がTNAPを共発現したが(右上象限)、残りのSTRO−1+細胞はSTRO−3mAbと反応しなかったことを示している。その後、4つの象限全てからFACSで単離された細胞をCFU−Fの発生率について評価した(表1)。

0190

表1:細胞表面マーカーであるSTRO−1およびTNAPの共発現に基づく2重染色FACS分析によるヒト骨髄細胞の富化(図1参照)。FACSで分取した細胞を、20%FCSを添加したαMEM中で、標準的なクローン原性条件下で培養した。データは、播種された105個細胞当たりの14日目のコロニー形成細胞(CFU−F)の平均数±標準誤差(SE)(nは3つの異なる骨髄穿刺液)を表わしている。これらのデータは、ヒトMPCがSTRO−1抗原を明るく共発現するBMのTNAP陽性画分だけに限定されていることを示している。

0191

実施例3:STRO−1dullおよびSTRO−1bri細胞の、相対遺伝子および表面タンパク質の発現
第1の組の実験では、半定量的RT−PCR分析を適用して、蛍光標識細胞分取により単離したSTRO−1dullまたはSTRO−1bri集団により発現した、多様な系列関連遺伝子の遺伝子発現プロファイルを調べた(図2A)。第2の組の実験では、フローサイトメトリーおよび平均チャネル蛍光分析(mean channel fluorescence analysis)を適用して、蛍光標識細胞分取により単離したSTRO−1dullまたはSTRO−1bri集団により発現した、多様な系統関連タンパク質の表面タンパク質発現プロファイルを調べた。

0192

全細胞RNAは、2×106個のSTRO−1brまたはSTRO−1dullのいずれかの分取された一次細胞、軟骨細胞ペレットおよび他の誘導培養から調製し、製造元(バイオテックスラボラトリーズ社(Biotecx Lab. Inc.)、テキサス州、ヒュストン)の奨励にもとづき、RNAzolB抽出方法を用いて溶解させた。各亜集団から単離したRNAはその後、ファーストストランドcDNA(First-strand cDNA)合成キット(ファルマシアバイオテック社(Pharmacia Biotech)、スウェーデン、ウプサラ)を用いて調製した、cDNA合成の鋳型ととして使用した。多様な転写産物の発現は、従来記述の標準プロトコル(Gronthos et al., J. Bone and Min. Res. 14:48-57, 1999)を用いて、PCR増幅により評価した。本研究で使用されたプライマーのセットを、表2に示す。増幅の後、各反応混合物を、1.5%アガロースゲル電気泳動で分析し、臭化エチジウム染色により可視化した。RNAの完全性は、GAPDHの発現により評価した。

0193

各細胞マーカーの相対遺伝子発現は、ハウスキーピング遺伝子、GAPDHの発現を基準にして、ImageQantソフトウェアを用いて評価した(図2B、C)。加えて、2色フローサイトメトリー分析を用いて、ex vivoで増殖したMPCのタンパク質発現プロファイルを、STRO−1抗体と組み合わせて、さらに広範囲細胞系統関連マーカーに対するそれらの発現に基づき調べた。STRO−1dullおよびSTRO−1bri培養細胞の遺伝子およびタンパク質発現に基づく遺伝子の発現型のまとめを表3に示す。これらのデータは、ex vivoで増殖したSTRO−1briMPCが、血管周囲細胞、例えばアンジオポエチン−1、VCAM−1、SDF−1、IL−1p、TNFa、およびRANKLに関連するマーカーの差次的にさらに高い発現を示すことを表している。STRO−1dullおよびSTRO−1bri培養した細胞のタンパク質および遺伝子発現プロファイルの間の比較を、表3と4にまとめる。

0194

サブトラクティブハイブリダイゼーション研究もまた、STRO−1bri細胞により一意的に発現する遺伝子を同定するために実行した。簡潔には、STRO−1dullおよびSTRO−1brを、上に示すように単離した(図3Aを見られたい)。全RNAを、5つの異なる骨髄試料からプールされたSTRO−1dullおよびSTRO−1bri細胞から、RNA STAT−60システム(テルテスト社(TEL-TEST))を用いて調製した。ファーストストランド合成は、SMARTcDNA合成キット(クロンテックラボラトリーズ社(Clontech Laboratories)を用いて実行した。得られたmRNA一本鎖cDNAハイブリッドは、最初の室温プロセスにおいて形成された3'および5'末端特異的プライマー部位を用いる長距離PCR(Advantage 2PCRキット; クロンテック社)により、製造元の仕様にもとづき、増幅した。STRO−1bright cDNAのRsaI消化の後、2アリコート(Aliquot)を使用して、異なる特異的アダプターオリゴヌクレオチドを、クロンテックPCR−Select cDNAサブトラクションキット(Clontech PCR-Select cDNA Subtraction Kit)を用いて、結合した。2回のサブトラクティブハイブリダイゼーションを、STRO−1bri(テスター)およびSTRO−1dull(ドライバー)cDNA、およびその逆を用いて、製造元のプロトコルに従って実行した。この手順はまた、STRO−1briドライバーcDNAに対してハイブリダイズしたSTRO−1dullテスターcDNAを用いて、逆に実行した。

0195

STRO−1bri集団により一意的に発現する遺伝子を同定するために、STRO−1briサブトラクテッドcDNAを用いて、T/Aクローニングベクターに結合したSTRO—1briサブトラクテッドcDNAsにより形質転換した、200の無作為に選択された細菌クローンを含む複製低密度マイクロアレイフィルターを構築した。マイクロアレイは引き続いて、[32P]dCTP標識したSTRO−1briまたはSTRO−1dullいずれかのサブトラクテッドcDNAを用いて精査した(図3B−C)。差次的スクリーニングにより、合計44のクローンを同定し、これらは、STRO−1dullとSTRO−1bright亜集団の間で高度に差次的に発現した。差次的に発現したクローンすべてのDNA塩基配列決定は、ただ1つのクローンが、既知の間質細胞マイトジェンの代表、すなわち、血小板由来増殖因子(PDGF)(Gronthos and Simmons, Blood. 85: 929-940, 1995)であることを明らかにした。興味深いことに、44のクローンの6つが、ケモカインである間質由来因子−1(SDF−1)に対応するDNA挿入断片を含むことがわかった。ヒトSTRO−1bright細胞における多量のSDF−1転写物は、新たに分取されたSTRO−1bright、STRO−1dull、およびSTRO−1negative骨髄亜集団から調製した全RNAの半定量的RT−PCRにより確認した(図3Dおよび表3)。

0196

表2.RT−PCRプライマーおよびヒトmRNAの特異的増幅の条件

0197

表3. STRO−1BriおよびSTRO−1Dull集団における相対遺伝子発現のまとめ。逆転写PCRにより決定した、STRO−1BriとSTRO−1M1集団の間で測定可能で差次的な発現を示した遺伝子のリストを示す。値は、ハウスキーピング遺伝子、GAPDHを基準にした相対遺伝子発現量を表す。

0198

タンパク質表面発現をSTRO−1発現の密度と関連付けるために、ex vivoで増殖した細胞に由来する骨髄MPCの単個細胞懸濁液を、トリプシン/EDTA剥離により調製し、引き続いてSTRO−1抗体とともに、広範囲の細胞系統関連マーカーを同定する抗体と組み合わせてインキュベートした。STRO−1は、ヤギ抗マウスIgM−フルオレセインイソチオシアネートを用いて同定する一方、他のすべてのマーカーは、ヤギ抗マウスまたは抗ウサギIgG−フィコエリスリンのどちらかを用いて同定した。細胞内抗原を同定するこれらの抗体については、細胞調製物はまず、STRO−1抗体をもちいて標識し、冷70%エタノールを用いて固定して細胞膜透過性にし、その後、細胞内抗原特異抗体とともにインキュベートした。アイソタイプ一致した対照抗体は、同一条件下で使用した。COULTEEPICSフローサイトメーターを用いて2色フローサイトメトリー分析を実行し、リストモードデータを収集した。ドットプロットは、各系統細胞マーカー(y軸)およびSTRO−1(x軸)について蛍光強度のレベルを表示する5,000個のリストモード事象を表す。垂直および水平の象限は、アイソタイプ一致した負の対照抗体を基準にして確立した。

0199

表4. STRO−1BriおよびSTRO−1Dull集団における相対タンパク質発現のまとめである。フローサイトメトリーにより決定したSTRO−1BriとSTRO−1Dullの集団の間で差次的発現を示したタンパク質のリストを示す。値は、染色の相対的な平均蛍光強度を表す。

0200

実施例4:ヒト歯髄幹細胞(hDPSC)は神経細胞に分化する
DPSCおよびヒト包皮線維芽細胞の単離
DPSCおよびヒト脱落乳歯歯髄幹細胞(SHED)を、実質的に、Gronthos et al., Proc Natl Acad Sci U.S.A 97:13625-13630, 2000の記述のとおりに単離した。簡潔には、アデレード大学ならびに医学および獣医科学ヒト対象調査委員会(Institute of Medical and Veterinary Science ヒト Subjects Research Committees)(H−73−2003)によって定められ承認されたガイドラインのもとで、アデレード大学の歯科医院で日常の抜歯を受けている患者からの、告知もとづく同意を得て、廃棄された正常ヒトの埋伏した第3大臼歯を、成人(19〜35歳)または脱落した歯(7〜8歳)から収集した。歯は表面を清浄にし、万力を用いて割り開いて髄室露出させた。歯髄組織は、歯冠歯根から穏やかに分離して、その後3mg/mlのI型コラゲナーゼと4mg/mlのディスパーゼの溶液中で、1時間、37°Cで消化した。単個細胞懸濁液は、細胞を70−μMろ過器に通すことによって得た。培養物は、単個細胞懸濁液(1〜2×105)の歯髄をT−25フラスコで増殖培地、(20%のウシ胎仔血清、100μMのl−アスコルビン酸2リン酸、,2mMのl−グルタミン、100U/mlのペニシリン、および100μg/mlのストレプトマイシンを添加したα−MEM((a-modification of Eagle's medium))に播種することによって樹立し、その後、5%のCO2中、37°Cでインキュベートした。

0201

ヒト包皮線維芽細胞(HFF)を、告知にもとづく同意を親から得て、男性新生児ドナーから得た包皮生検外植片から、コラゲナーゼ/ディスパーゼ消化により単離した。

0202

神経誘導試験
組織培養フラスコまたはウェルは、ポリオルニチン(10μg/ml最終濃度)で、終夜、室温で被覆した。フラスコおよびウェルは、水で2度洗浄し、その後、湿潤インキュベーターにおいてラミニン(5μg/ml最終濃度)で、終夜、37°Cで被覆した。フラスコおよびウェルは、細胞を加える前に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で、そしてその後、増殖培地で洗浄した。細胞を解凍し、T25−被覆フラスコ中で、80%コンフルエントになるまで増殖させた。細胞を、2ml/ウェル増殖培地中、1.5×105個/ウェルの密度で、6ウェル被覆プレートで3日間、または8ウェル被覆チャンバスライド中で2×103個の細胞を再播種した。細胞はその後、培地Aまたは培地Bのどちらかで3週間培養した。培地Aは、ニューロベイサルA培地(Neurobasal A Media)(10888-022;インビトロジェン社、米国、カリフォルニア州、カールスバッド)、100U/mlのペニシリン、1×B27添加剤、100μg/mlのストレプトマイシン、20ng/mlの上皮成長因子(EGF、100-15; ぺプロテック社(PeproTech)、米国、ニュージャージー州、ロッキーヒル)、および40ng/mlの基底線維芽細胞増殖因子(FGF、番号104FGFB01;プロスペックタニーテクジーン社(Prospec Tany Techno Gene)、イスラエル、レホヴォト)から成る。培地Bは、3週間の継続期間に関して3つの別個の培地条件を含んでおり:第1のインキュベーションは、培地Aで7日間であり、その後、ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium)(DMEM、12100−046;インビトロジェン社)とF12培地(21700-075;インビトロジェン社)の50:50の比の培地、ならびにインスリン−トランスフェリン亜セレン酸ナトリウム添加剤(ITTS,11074547001;ロッシュダイアグスティックス社(Roche Diagnostics)、スイス、バーゼル)、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、および40ng/mlのFGFで7日間というものであった。最終の7日間のインキュベーションは、50:50の比のDMEMとF12培地、ITTS、100U/mlのペニシリンと100μg/mlのストレプトマイシン、40ng/mlのFGF、および0.5μMのレチノイン酸(RA、R2625;シグマアルドリッチ社)、米国、セントルイス)を含む培地からなっていた。対照試料は、神経細胞誘導試験の継続期間のあいだ、増殖培地中に維持された。すべての条件についての培地を、1週間に2回取り替えた。

0203

電気生理学
3週間の神経細胞分化試験の完了時には、細胞を、トリプシンにより遊離し、神経細胞分化培地または増殖培地中、2×104個の細胞/500μLの濃度で、塩酸処理したガラスカバースリップ上に再播種し、24時間インキュベートした。全細胞パッチクランプを、室温で、コンピューターを用いたパッチクランプ増幅器(EPC−9;HEKAエレクトロニクス(HEKA Electronics)、ドイツ、ランブレヒト/ファルツ)と、PULSEソフトウェア(HEKAエレクトロニクス)を用いて実行した。浴溶液は(mMで)、:NaCl、140;KCl、4;CaCl2、2;MgCl2、2;グルコース、10;およびHEPES、10;を含んでおり、NaOHによりpH7.4に調製した。K+チャネル遮断しNa+電流を分離するために、内液中グルタミン酸KおよびKClを、等モル量のグルタミン酸CsおよびCsClで置き換えた。パッチピペットホウケイ酸ガラスから引出し、火炎研磨した;ピペット抵抗は、2〜4MΩの範囲であった。示された全電圧は、JPCalc(P.H.Barry博士の提供、ニューサウスウェールズ大学、オーストラリア、シドニー、1994)により見積もられた液界電位(K+ベースおよびCs+ベースの内液について、それぞれ‐14mVと−18mV)について補正した。保持電位は常に、‐90mVであった。

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